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狛枝「友達を作らない?」罪木「お友達……ですかぁ?」


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1:
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・見切り発車
・ネタバレ注意
・狛罪の予定
2:
狛枝「そう、友達」
罪木「ず、随分急な提案ですねぇ……それに、あんまり狛枝さんらしくないっていうか……」
罪木「はっ、す、すみませぇん! わ、私なんかにそんなこと言われたくないですよね!?」
狛枝「え? いやいや、そんなことないよ。事実キミの意見はもっともなんだから」
狛枝「ボクみたいなヤツが友達を求めるなんておこがましいよね。うん、わかってるよ」
罪木「い、いえ、私はそんなつもりで言ったわけじゃ! 勘違いさせてすみませぇん!」
罪木「お、お詫びと言ってはなんですが、脱げば許してくれますかぁ!?」
狛枝「そんな! 超高校級のキミの素肌をボクみたいなゴミクズに晒すなんて!」
狛枝「キミは何を考えてるの!?」
罪木「ふ、ふえぇぇ……じゃ、じゃあ、ぶ、豚のマネをぉぉ……!」
そんなやりとりがしばらく続く。
3:
――10分後
狛枝「……とりあえず、拉致があかないようだし、話を続けていいかな?」
罪木「は、はい……すみませぇん……」
狛枝「それじゃ、お言葉に甘えて」
狛枝「まぁ、自分でも友達を作ろうなんて、かなり突拍子もないことを言っているのはわかってるよ」
狛枝「けど、この共同生活が始まってもう10日……罪木さんは、ボク以外の人と過ごした?」
罪木「え、えぇと……ご飯の時と、午前中の作業のとき、は……」
狛枝「だよね……実はボクも、他の人と話す機会を逃しちゃってさ」
罪木「それって多分、『アレ』のせい、ですよねぇ……」
狛枝「まぁ、『アレ』のせいだろうね」
4:
―――
――
修学旅行初日
日向「入学を通り越して修学旅行!?」
十神「一体なんのつもりだ?」
ウサミ「うふふ、こういうことでちゅよ!」
バターン
メキッ
ソニア「これは……!」
唯吹「な、なななな南国っすうううううううう!!」
ウサミ「皆さんにはこれから、この島で共同生活を……」
5:
罪木「ふえええええええええええええええ!!」
ウサミ「ほえ?」
罪木「ひ、人が、壁の下敷きにぃ……!」
狛枝「ぐふっ……」
ウサミ「ほああああああ!? な、なんで外開きの壁が内側に倒れてきてるんでちゅか!?」
左右田「お、おいおい! そいつ血ぃ出てるぞ!?」
辺古山「とりあえず、誰か手当を……」
ウサミ「そ、それならあちしが……」
西園寺「人殺しは黙ってろ!」
ウサミ「そ、そんなぁ!」
罪木「そ、そもそもまだ死んでませんよぉ!」
6:
――
―――
狛枝「あの一件で、ボクとボクの手当をしていた罪木さんだけ数日別行動になっちゃって……」
罪木「皆さんと仲良くなるタイミングを、その、逃しちゃったんですよねぇ……」
罪木「……って! そ、そもそも私みたいなゲロブタと仲良くしたい方なんて居ませんでしたぁぁ……!」
罪木「調子に乗ってすみませぇぇぇん!」
狛枝「まぁ、ボクとしては幸運だったけどね。超高校級の保健委員であるキミの治療を受けられたんだから」
狛枝「ただ、この修学旅行のルールとして、このままボク達二人だけでずっと過ごすってわけにもいかないらしいんだよね」
罪木「希望のカケラ……ですかぁ……?」
狛枝「そう、それ。だけど、ボクは友達って存在と無縁の生活を送ってきたから、どうすればいいか……」
罪木「それは……私もそうですぅ……」
7:
狛枝「だから、最初の話に戻るんだけどさ」
罪木「は、はい」
狛枝「どうすれば友達ができるのか、二人で考えてみない?」
狛枝「ほら、三人寄れば文殊の知恵っていうじゃない?」
罪木「けど、私達は二人じゃ……あ、あああ!! す、すみませぇん! 私なんかが狛枝さんのミスを……!!」
狛枝「いやいや、間違いなんかじゃないよ」
罪木「うゆぅ……?」
狛枝「だって、ボクらは仮にも超高校級の生徒だよ?」
狛枝「取るに足らないゴミみたいな人間が三人寄るのとはワケが違うんだ」
狛枝「ま、ボクの才能もゴミみたいなものだけど、無いよりマシだしね」
9:
罪木「あ、あのぅ……話が脱線しているような……」
狛枝「ああ、そうだったね。ごめんごめん」
狛枝「まぁ、早い話、はやくこの島から出るためにも、友達がいない者同士考えを出し合おうってことさ」
狛枝「簡単でしょ?」
罪木「ぜ、ぜんぜん簡単じゃないじゃないですかぁ!」
狛枝「え、そう?」
罪木「そ、そそうですよぉ! 第一、私なんかが考えた案じゃ、うまくいくわけが……」
狛枝「そうだね」
罪木「ふええええええええ!?」
10:
狛枝「確かに、友達がいなかったボクらが急にそんなことをしても絶望的だ」
罪木(あ、そういう意味だったんですね……)
狛枝「……けどね」
罪木「ふゆ?」
狛枝「ボクは今から楽しみで仕方ないんだよ」
狛枝「この絶望的な状況を乗り越えた先に、どれだけキミの希望が輝くのかがね!」
狛枝「ずっと友達のいなかったキミに友達ができる……きっと輝かしい光景なんだろうね!」
狛枝「アハハ、いまから楽しみで震えてきちゃったよ……! アハッ、アハハハハハハハハハハ!!」
罪木(こ、狛枝さん、怖いですぅ……!)
11:
狛枝「というわけでさ」
罪木「ひうっ!!?」
狛枝「ボクのことは踏み台にしてくれて構わないから、キミは友達を作ることに専念してよ」
罪木「専念、と言われましても……何をどうすればいいか……」
狛枝「それを話しあうためのこの場でしょ?」
罪木「そ、そそそそうでしたぁ! わ、忘れちゃっててすみませぇん!」
狛枝「アハハ、これは先が長そうだね」
12:
―第一回目―
狛枝「それじゃ、まずは友達が出来ない原因を考えてみよっか」
罪木「はい……私のために、すみません……」
狛枝「早なんだけど、それが一つの原因じゃないかと思うんだよね」
罪木「ふええええ!? ど、どれですかぁ!!?」
狛枝「そのすぐに謝るところかな」
罪木「す、すみませえええええん!」
狛枝「ほら、そういうところ」
罪木「うゆぅぅぅ……す、すみませ」
狛枝「あ、ほらまた」
罪木「?????っ」
13:
狛枝「まぁ、超高校級のキミにこんなことを言うのもおこがましいんだけどさ」
狛枝「あんまり謝られすぎると、謝られてる側も気構えしちゃうと思うんだよね」
罪木「気構え、ですかぁ……」
狛枝「本当に悪い時はそちゃ謝るべきだとおもうけどさ、そうじゃないときは控えた方がいいかもね」
罪木「うゆ……すみません、気をつけます……」
狛枝「……」
罪木「? ……あ、あああ!! す、すみませぇん!!」
狛枝「やれやれ、これはなかなか強敵だね……」
14:
狛枝「……あ、なら、こういうのはどうかな?」
罪木「ふぇ?」
狛枝「謝る代わりに、お礼を言ってみるっていうのは」
罪木「お礼、ですか……?」
狛枝「ボクみたいなゴミ虫の感性だからアテになるかどうかは分からないけど」
狛枝「少なくとも、謝られるよりはお礼を言われたほうが気分がいいんじゃないかな?」
狛枝「ほら、お礼を言われて嫌な顔する人なんて、あんまりいないじゃない?」
罪木「確かに……そんな気がしてきましたぁ……」
15:
狛枝「ね? いい考えでしょ?」
罪木「は、はい……それなら、私なんかでも出来そうな気がしますぅ……!」
狛枝「それは良かった。じゃあ、早今日から試してみてよ」
罪木「は、はいぃ! こんな私のために、すみま……」
狛枝「すみま……?」
罪木「……じゃ、なくて……」
罪木「あ……ありがとうございます、狛枝さん」
狛枝「どういたしまして。まぁ、お礼は実際に上手く行ってからのほうがいいと思うけどね」
罪木「あっ……す、すみまりがとうございます」
狛枝「……・本当に大丈夫?」
罪木「ふえぇぇ……」
21:
翌日
―第二回目―
狛枝「さて、一日経ったけど」
罪木「グスッ、ふえぇぇ……」
狛枝「あらら……大分参ってるみたいだね……」
狛枝(嫌な予感的中ってところかな)
罪木「やっぱりぃ……私なんかダメダメのゲロブタなんですぅ……」
狛枝「えーと、落ち込んでる所悪いんだけどさ。まずはそうなった原因を聞かせてくれない?」
狛枝(まぁ、だいたい想像はつくんだけどね)
罪木「は、はいぃ……午前の、作業中のことだったんですが……」
22:
―――
――

日向「あ、罪木。そこの資材拾い忘れてるぞ」
罪木「ふええぇ!? ど、どこですかぁ!!?」
日向「いや、そんなに怯えなくても……」
七海「ほら、ちょうど罪木さんの足元に」
罪木「あ、ああああああ!! こんなところに……す、すみま」
罪木(ハッ!? ち、違いますぅ! こういう時は……)
罪木「あ……あ、ああ……・ありがとうございますぅ……!!」
日向「えっ」
罪木「ひいいいぃぃぃぃぃ!!? や、やっぱりお気に触りましたよね!?」
23:
日向「あ、いや、そうじゃなくてだな」
罪木「ほえ?」
日向「いつも謝ってばかりの罪木がお礼を言ってくれるなんて、珍しいなと思ってな」
罪木「そ、そうですかぁ……?」
七海「うん。けど、そっちの方がいい……と、思うよ?」
日向「そうだな。少なくとも、いつもみたいに謝るよりはずっといいと思うぞ」
罪木「え、えへへ……ありがとうございますぅ……」
罪木(や、やりましたぁ……! は、初めて人に褒められましたぁ……!!)
罪木(狛枝さん、ありがとうございますぅ……!)
24:
西園寺「うわっ、こいつちょっと褒められただけでニヤけてるよぉ? 気持ち悪ぅ!」
罪木「はひぃっ!?」
日向「おいおい、西園寺……」
西園寺「あー、嫌なもの見ちゃった! おいゲロブタ、お詫びにいつものやってよ」
罪木「は、はぃぃ! ゲロブタでありがとうございますぅぅぅ!!」
西園寺「えっ」
日向「えっ」
七海「えっ?」
罪木「ふぇ?」
25:
西園寺「何、それ……ホントに気持ち悪いんだけど……」
罪木「ふゆうぅぅぅ……! ありがとうございますぅ……!!」
西園寺「いや、だからやめろってば!」
罪木「ひぃぃぃ!! あ、ありがとうございますうぅぅぅ!!」
西園寺「う、うわあああああん!! こいつキモいよおぉぉぉぉ!!」
罪木「き、キモくてありがとうございますううう!!」
西園寺「いやああああああああああ!!」
日向「……あー……」
七海「……ご愁傷様?」
27:
――
―――
罪木「それから、西園寺さんにはずっと無視されっぱなしでして……ふいぃ……」
狛枝「……なるほど」
狛枝(予想通り過ぎて、ある意味絶望的だよ)
罪木「ごめんなさぁい……狛枝さんに、アドバイスまで頂いたのに、私ぃ……うぅぅぅ……!!」
狛枝「あー、それはいいから。ほら、ボクもそこまでしっかり予測してアドバイスするべきだったし」
狛枝「それにさ、習慣付いたものを急に変えようとしたってボロが出るだけだっていうのが分かっただけ儲けものだよ」
罪木「うゆぅ……は、はいぃ……」
狛枝「さて……そうなると、もっと無理の無いプランを考えないとだね……」
28:
罪木「無理の無いやり方、ですかぁ……」
狛枝「と言っても、言動や考え方を変えても、付け焼き刃じゃ今回と同じことになるだろうし……」
罪木「うぅ……けど私、見てくれもこんなんですし……やっぱり、お友達を作ろうなんて……」
狛枝「……『見てくれ』?」
罪木「ふぇ? ど、どうかされましたぁ……?」
狛枝「……そっか、なるほど。確かにそれなら手っ取り早いし、効果も高いかもしれないね」
罪木「え、ええ? な、何がですかぁ……? 何の話をしてるんですかぁ……?」
狛枝「となると、乗ってくれそうな人を探さないと」
罪木「あ、あのぉ……」
狛枝「じゃあ罪木さん、ちょっとここで待っててくれるかな? 大丈夫、すぐに戻ってくるからさ」
罪木「え? こ、狛枝さん!? ちょ、どこに行くんですかぁ!? お、置いてかないでぇぇ……!」
33:
―第三回目―
狛枝「……えーと」
罪木「びええぇぇぇぇぇぇ!! やっぱりダメだったじゃないですかぁぁぁぁぁ!!」
狛枝「それはそうなんだけど、これはボクの人選が悪かったっていうか……」
罪木「もう皆さんに顔向けできませぇぇ???ん!!」
狛枝「そうだね、流石のボクでもその顔はちょっと……って、あっ」
罪木「や、やっぱりダメじゃないですかぁぁぁぁぁ!!」
狛枝「あ、アハハ……」
狛枝(さて、どうしてこうなったんだっけ……)
34:
―――
――
第二回打ち合わせの直後
狛枝「お待たせ、罪木さん」
澪田「蜜柑ちゃんやっほー!」
ソニア「罪木さん、コニャニャチワです!」
罪木「あ、あれ……なんでお二人が……?」
狛枝「いやさ、次の作戦に必要な人員を探してたら、急に頭に何かが激突してきてね」
罪木「げ、激突って、大丈夫なんですかぁ!?」
狛枝「ああ、バトミントンのシャトルだったから大丈夫だよ」
罪木「ほっ……」
35:
狛枝「で、そのシャトルの出元が……」
澪田「唯吹達だったって訳っす!」
ソニア「急な突風でシャトルが流されてしまいまして……本当に申し訳ありませんでした」
狛枝「いや、これはボクにとっては幸運だったよ。お陰で有力な人材を見つけられたしね」
澪田「ふっふっふ! ま、そこは唯吹達に任せて欲しいっす!」
ソニア「そうですね。今こそわたくし達の乙女パワーを魅せつける時です!」
狛枝「うん、実に心強いよ」
罪木「あ、あのぉ……話に全くついていけないんですがぁ……」
36:
狛枝「ああ、ごめんごめん。二人に協力してもらうと思ってるのはね、キミの『改造』だよ」
罪木「『改造』……『改造』!!?」
ソニア「はい!」
罪木「い、嫌ですぅ! 改造人間だけは許してくださぁぁい……!!」
狛枝「うん、大方予想通りだね。素晴らしいよ!」
澪田「蜜柑ちゃん蜜柑ちゃん、改造って言っても、蜜柑ちゃんの体をどうこうするわけじゃないっすよ?」
罪木「ふぇ……そ、そうなんですか……?」
澪田「まぁ個人的には、蜜柑ちゃんのお胸をフガフガしたいっすけどね!!」
罪木「はわぁっ!!?」
37:
狛枝「澪田さんの趣味はともかくとして、二人に頼んだのはキミのコーディネートだよ」
罪木「こーでぃ、ねーと……?」
狛枝「キミがさっき言ってたでしょ? 『こんな見てくれじゃ友達はできない』って」
狛枝「だから、その見た目をもっと良くすればいいんだよ!」
狛枝「とは言っても、ボクは最近の女の子の流行りなんて全くわからないから……」
ソニア「そこでわたくし達の出番というわけです!」
澪田「唯吹達の最先端を行くファッションセンスにかかれば!」
澪田「ただでさえキャワイイ蜜柑ちゃんを激キャワ系女子にするなんて”!!」
澪田「お茶の子さいさい屁の河童っすよ!!!」
罪木「な、なんで寄ってくるんですかぁ……!?」
38:
狛枝「というわけなんだけど、分かってくれたかな?」
罪木「は、はい……でも、お二人には悪いんですが、私なんてこれ以上何をしてもぉ……」
ソニア「何を仰るんですか!」
罪木「はひぃっ!?」
ソニア「罪木さん! 女の子は皆、可愛くなる権利を持っているのです!」
ソニア「しかし、その権利は綺麗になる努力という義務を果たすことで獲得できます!」
ソニア「つまり、可愛いを怠ることは、 犯 罪 なのです!!」
罪木「よ、よくわからないけどすみませぇん!!」
ソニア「まぁ、犯罪は流石に言い過ぎましたが、オシャレをしないのは勿体無いですよ?」
澪田「そうっすよ! 蜜柑ちゃん、素材はめちゃくちゃいいんすから!」
罪木「は、はぁ……」
39:
狛枝「それじゃあ、あとは二人に任せていいかな?」
ソニア「はい! 泥船に乗ったつもりでいてください!」
狛枝「ハハ、沈没しないように祈ってるよ」
澪田「そんじゃ、さっそく唯吹のコテージに行って改造開始っす!」
ソニア「合点承知の助です!」
罪木「あ、あわわ……よ、よろしくおねがいしますぅ……」
狛枝(さて、おじゃま虫は退散しないとね)
狛枝(それにしても……)
澪田「にしても、蜜柑ちゃんはいい匂いするっすねぇ! フガフガしてもいいっすか!?」
罪木「ふ、フガフガってなんですかぁ!?」
狛枝(……案外、灯台下暗しってやつなのかもしれないね)
40:
……
その夜 レストラン
小泉「あ、狛枝! 唯吹ちゃん見なかった?」
狛枝「澪田さん? それなら、彼女のコテージに居ると思うけど?」
小泉「そう……なにしてるんだろう、もう時間過ぎてるのに……」
狛枝「どうかしたの?」
小泉「今日の晩御飯、女の子で集まって食べようって約束してたのに来ないのよ」
西園寺「もういいじゃん小泉おねぇ。澪田おねぇが時間にだらし無いのは今に始まったことじゃないんだしさー」
小泉「そうだけど、ソニアちゃんと蜜柑ちゃんも来てないし……」
狛枝(えっ……その三人って……)
西園寺「いいよあんな変態ゲロブタ野郎のことなんて! それよりはやくご飯を……」
41:
パッ
小泉「!? え、なに? 停電!?」
西園寺「な、なにも見えないよぉ!!」
狛枝(なんだろう、すごく嫌な予感が……)
ギシ…ギシ…
西園寺「! な、なに……この音……」
小泉「あ、足音……?」
ギシ…ギシ…
西園寺「な、なんか……近づいて来てない……?」
小泉「や、やだ……怖いこと言わないでよ、日寄子ちゃん……」
西園寺「で、でも……!」
42:
バタン!
小泉・西園寺「ヒィッ!?」
「……う、うゆぅ……」
西園寺「え、この声……」
小泉「蜜柑、ちゃん?」
西園寺「……こ、このゲロブタァ! なに脅かしてくれちゃってんの!?」
「ふえぇ、ごめんなさぁい……懐中電灯を持ってきたんですがぁ……こ、転んでしまってぇ……」
西園寺「ったく、いいからそれ貸しなよ!」
「あ、は、はははい。どうぞぉ……」
西園寺「はぁ、これで少しはマシ……に……」
小泉「ヒィッ……!」
43:
「? ……西園寺さん? 小泉さぁん……?」
西園寺「い、や……!」
「どう、なさったんですかぁ……?」
小泉「あ、あああ……!」
「お二人ともぉ……お顔が、青いですよぉ……?」
西園寺「く、来るな! 来るな!! うわあああああああああん!!!」
小泉「嫌ああああああああああああああ!!!」
「あれぇ……なんで、なんで逃げるんですかぁ……!」
「い、行かないでくださぁい……!」
パッ
狛枝(あ、照明が)
46:
罪木?「びええぇぇぇ! 西園寺さぁぁぁん!!」
狛枝「えっ……つ、罪木さん、だよね……?」
罪木?「は、はいぃ! 正真正銘のゲロブタですぅ……!」
狛枝「えーと、その格好……一体何があったの……?」
罪木?「うゆぅ……こ、これですか……?」
罪木?「ソニアさんと澪田さんが、私なんかのためにいろいろと考えてくださって」
罪木?「すごく楽しそうにしていたので、そのままお任せしていたんですが……」
罪木?「えへへ、手術跡とか包帯とか、いっぱいついてて可愛いですよねぇ」
※初期罪木(ゾンビ娘)をさらにゾンビっぽくした姿
狛枝「うん、どう見てもゾンビにしか見えないよね、それ」
罪木「ふえぇ!? ぞ、ゾンビ!? ど、どこですかぁ!? こ、ここ怖いですぅ……!!」
狛枝「えぇー……」
――
―――
47:
狛枝(ああ、そうだったね。ボクが人選を謝ったばかりにこんなことになったんだった)
狛枝(多分、澪田さんが最初に脱線して、ソニアさんがそれに悪乗りしちゃったんだろうね)
狛枝(はぁ……女の子の事は女の子が適任だと思ったんだけどなぁ)
狛枝(これは、流石に絶望的かな)
罪木「ぐすっ、ひっく……やっぱり、無理なんですよぉ……」
狛枝「……えっ?」
罪木「私なんかが、お友達をつくろうなんて……無駄だったんですぅ……」
罪木「もう、私だけ一人で、このままこの島に残るしか……無いんですよぉ……!」
狛枝「ちょ、ちょっと待ってよ! それじゃ、キミはこの絶望に屈するっていうの!?」
罪木「だって、そうじゃないですかぁ……!」
48:
罪木「口癖を変えても、見た目を変えてもダメだったんですよぉ……」
狛枝「でも、まだそれしかやってないじゃない?」
罪木「やらなくてもわかります……今までだって、そうでしたから……」
罪木「だから今まで、嫌われないように頑張ってきたのに、今更好かれようだなんて……」
罪木「狛枝さんだって、言っていたじゃないですか。慣れないことをしてもボロが出るだけって」
罪木「だから、私には、無理なんですぅ……!」
罪木「絶対に……【無理なんですよぉ】」
狛枝「それは違うよぉ」
49:
罪木「えっ……?」
狛枝「まぁ、ボクみたいなクズが言うのもなんだけど」
狛枝「確かに今までの罪木さんは、キミ自身が言うような人間だったのかもしれないね」
狛枝「そんな人間じゃ、確かに友達を作るなんて無理そうだ」
罪木「や、やっぱり……私なんか……」
狛枝「けどさ、それって【この前までのキミ】の話でしょ?」
罪木「この前まで……?」
狛枝「少なくともさっきまでのキミは、そんな絶望的な自分を変えようと、必死に努力しようとしてたじゃない」
狛枝「ボクはね、そういう【絶対的な絶望を乗り越えた先にある、絶対的な希望】が見たいだけなんだよ」
50:
罪木「こ、狛枝さんがそう言っても……私は……」
狛枝「ああ、ゴメンゴメン。じゃあ今度はさ、キミの話をしようか?」
罪木「わ、私の?」
狛枝「要するに、キミは本当にそれでいいのかって話だよ」
罪木「っ!」
狛枝「さっきから諦めるような発言ばっかり目立ってるけどさ」
狛枝「それって裏を返せば、【友達を作りたくてしょうがない】って気持ちはあるってことだよね?」
罪木「それ、はぁ……」
狛枝「だったら、ボクはキミにその希望を諦めて欲しくない」
狛枝「だってさ、希望は絶対に、絶望なんかに負けたりしないんだから」
狛枝「そう、希望が絶望に負けるなんて、そんなの、絶対に許すわけにはいかないんだよ」
51:
狛枝「だからさ……」
ガシッ
罪木「はうっ……!」
狛枝「諦めたりしないでよ」
狛枝「キミの希望をさ」
罪木「……で、でも……私……」
狛枝「それにさ、罪木さんは一人じゃないでしょ?」
罪木「ふえっ……!?」
狛枝「一緒に頑張ろうなんておこがましいことは言わないよ」
狛枝「前にも言ったけど、ボクを踏み台にしてくれて構わないんだからさ」
狛枝「もう少しだけ頑張ってみない?」
狛枝「こんなボクなんかでも、キミのサポートくらいはできると思うよ」
52:
罪木「……」
罪木「……あ、あのぉ……」
狛枝「ん?」
罪木「お、お顔が、ち、近いですぅ……!」
狛枝「ああ、ゴメンネ。ボクなんかの醜い顔は見るに耐えなかったよね」
罪木「……さっきの」
狛枝「え?」
罪木「さっきの、【一人じゃない】って、本当……ですかぁ……?」
狛枝「もちろん! それがキミの希望につながるなら、ね」
罪木「………」
53:
罪木「……わかりました……私、もうちょっとだけがんばってみますぅ……!」
狛枝「罪木さん! その言葉を待ってたよ!」
罪木「は、はいぃ! こ、こんな私ですが、あ、改めてよろしくおねがしまっしゅ!!」
罪木「はわわぁ!? か、噛んでしまいました!?」
狛枝「こんな大事な場面で噛むなんて、それも一つの才能かもしれないね!」
罪木「そ、そんな才能嫌ですぅ!」
狛枝「アハハ」
――それから、狛枝と罪木の友達作りは本格化していった。
54:
―第4回目―
狛枝「左右田クン……は、友達少なそうだし参考にはならないね」
左右田「喧嘩売ってんのか」
―第7回目―
田中「我が眷属と盟友になりたくば、まずはその大いなる意志を理解するところから始めることだ!」
罪木「わ、私、牛さんとお友達になりたいわけじゃありませえぇぇん!」
―第15回目―
狛枝「ねぇ日向クン、友達を作るにはどうすればいいのかな?」
日向「とりあえずパンツを贈れ。話はそれからだ」
罪木「ふえええええ!!?」
狛枝「うん、聞いたボクが悪かったよ」
……
………
55:
……そして。
―第20回目―
罪木「こ、狛枝さぁん! み、見てくださぁい!」
狛枝「! これ……みんなの希望のカケラが二つ以上溜まってるじゃない!」
罪木「は、はいぃ! 最近は皆さん、よく話しかけてくれるようになりましたし……!」
罪木「そ、それに……昨日、澪田さんと小泉さん、それから、西園寺さんと」
罪木「ゆ、遊園地へ遊びに行かせて頂いたんですぅ……!!」
狛枝「すごいじゃない! それって、もう友達って言ってもいいんじゃないかな?」
罪木「や、やっぱりそうですよねぇ!?」
罪木「し、信じられません……ほ、本当に、私なんかにお友達が……」
56:
狛枝「何言ってるのさ。これはキミが努力したからこその結果だよ!」
狛枝「まぁ、絶対的な希望と呼ぶにはまだまだ程遠いけど……」
狛枝「うん、とりあえず合格じゃないかな?」
罪木「は、はいぃ! 本当に、狛枝さんにはなんとお礼を言ったらいいか……」
狛枝「お礼なんてとんでもない! それに言ったでしょ? これはキミの努力の賜物だって」
狛枝「キミは絶望を打ち破って、自分の希望を掴みとっただけなんだからさ」
罪木「は、はぁ……よくわかりませんが、狛枝さんが言うならそうなんですねぇ……」
狛枝「そうそう」
57:
狛枝「……さて、それじゃあボクの役目はここまでだね」
罪木「……え?」
狛枝「だって、もう罪木さんには立派に友達がいるじゃない?」
狛枝「だから踏み台の役目はもう終わり。ほら、要らなくなった道具は片付けないと」
罪木「ど、道具って……そんな、私は狛枝さんのこと、そんな風には……」
狛枝「これ以上ボクみたいなゴミクズと一緒にいたら、キミがせっかく掴んだ希望が逃げてしまうよ」
狛枝「だから、これからはキミと必要以上に関わることもしない」
狛枝「キミの希望が見れたことは幸運だったけど、その分どんな不幸がこの後待っているか分からないしね」
罪木「な、何を言っているんですかぁ……?」
罪木「はわっ!? も、もしかして、私、狛枝さんを怒らせるような真似をしてしまったのでしょうかぁ!?」
罪木「ご、ごめんなさぁい! なんでもするので許してくださぁぁい!!」
58:
狛枝「許すも何も、キミは何も悪いことなんてしてないよ?」
罪木「じゃ、じゃあ! なんでそんな寂しいこと、言うんですかぁ!?」
狛枝「寂しい?」
罪木「だって、そうじゃないですかぁ……!」
罪木「今まで、こんな私にここまで優しくして頂いて……友達作りもお手伝いして頂いて……」
罪木「私に【一人じゃない】って、言ってくれる人なんて……」
罪木「狛枝さん意外に、いなかったのに……!」
罪木「それなのに、急に、そんな……冷たいこと言うなんて……」
罪木「やっぱり、私が何かしたんですよね? そうなんですよね?」
罪木「だったら、本当になんでもしますぅ……豚のマネでも、脱いでもいいですぅ……」
罪木「だから……そんなこと、言わないでくださいよぉ……!」
罪木「ふ、ふゆぅ……ふえええぇぇ……」
60:
狛枝「……アハハ、参ったね」
狛枝「今度は本当にボクがキミを泣かせちゃったみたいだ」
罪木「う、ううぅぅ……!」
狛枝「まぁ、確かにそうだよね。自分の言葉には、ちゃんと責任を持たないと」
罪木「うゆぅ? 責任……ですかぁ……?」
狛枝「そう、責任」
狛枝「一番最初に言ったよね? この島はここの全員と友達にならないと出られないって」
狛枝「キミはまだ全員と友達になったってワケじゃないし、ボクに至ってはそう呼べる人は誰一人としていない……」
狛枝「だから、それが達成されるまでは、キミと一緒にいてあげないとね」
罪木「じゃ、じゃあ……!」
61:
狛枝「うん、改めて、これからもよろしくね。罪木さん」
罪木「は、はい! よろしくお願いしますぅ!!」
罪木「えへ、えへへへ……よかったぁ、狛枝さんが私のことを嫌いになったわけじゃなくて……」
狛枝「嫌いになるなんてとんでもない! ボクはいつでも、希望の味方さ」
狛枝(まぁ、それ以外にも……女の子の涙には流石に勝てなかったってところかな……)
狛枝「さてと、それはいいとして。これからはボクも友達作りをしないとね」
狛枝「ボクなんかに上手く出来るとは思えないけど……」
罪木「あ……あのぉ、それなんですが……」
狛枝「ん? どうかした?」
罪木「は、はいぃ……今更、なんですがぁ……」
62:
罪木「わ、私と……お友達になって頂けませんかぁ……?」
狛枝「……え?」
63:
罪木「そ、そのぉ……今まで、ちゃんと言って無かったので……」
罪木「いつも一緒にいてくれた狛枝さんに、これからも、一緒にいて欲しいなぁって、思ったので」
罪木「だから……」
狛枝「………・」
罪木「は、はわわわわっ!! い、嫌ならいいんですぅ! こんなゲロブタとお友達なんて、狛枝さんも嫌」
狛枝「……あ、ああ、ゴメン。ちょっと、どう返事していいか分からなくてさ」
罪木「そ、そうですよね! こんなこと急に言っても気持ち悪いですよね!? ご、ごめんな」
狛枝「喜んで」
罪木「さ……い……?」
狛枝「友達になろう、罪木さん」
64:
――こうして、ボクにこの島で初めての友達が出来た。
けど、これは始まりに過ぎない。
この島から出るためには、この島に居る全員とこうして友達になる必要があるらしい。
正直、ボクみたいなゴミクズに、そんなことが出来るとは思えない。
それに、ボクの才能がいつ邪魔をしてくるとも限らない。
見通しは最悪。絶望的な状況だ。
だけど、前にボクが彼女に言った言葉をそのまま使うなら……
【ボクは一人じゃない】。
何故だろうか。そう思うだけで、普段の卑屈なボクでも前に進めるような気がして来た。
もしかしたら、これを……
彼女との間に感じる、この暖かな感情を……
【絶対的な希望】と呼ぶのかもしれないね。
65:

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