チノ「ココアさんお話が・・・」back

チノ「ココアさんお話が・・・」


続き・詳細・画像をみる

1:
そう言って、私の部屋に入ってくるチノちゃん。
私はそれは温かく迎え入れた。
今は仕事の時間ではない。よって、制服ではないのだが、私は彼女の姿に少し疑問を覚えた。
寝巻き姿だ。まだ、就寝までにはかなりの時間がある。私に限っては風呂すら入っていない。
3:
「どうしたの?チノちゃん」
考えても仕方が無い。私は素直に彼女の意図を探ろうと思う。
「ココアさん、どうして人は愛を求めるのでしょうか?」
私の問いに彼女はそう答えた。
「えっと・・・」
彼女の質問の意味が分からずに私は言い淀んだ。
チノちゃんは本を読むのが好きだ。最近読んだ本にこの質問に通ずる何かがあったのだろうか。
私はそう思考するが答えは出ない。
4:
「ココアさんは恋をした事はありますか?」
どうやら、彼女は私の過去の恋愛事情を探りに来た様だ。
チノちゃんも中学2年生。いや、もう3年生だ。
恋愛事に耳が大きくなる時期だろう。私は、柔らかく微笑みながら、チノちゃんに尋ねた。
「もしかしてチノちゃん、恋をしたの?」
「ッ!?」
私の問いに彼女は小さな身体をわずかに震わせ、顔を紅潮させた。
その初々しい反応に私は、心がぴょんぴょんした。
6:
「当たりだね」
「はい••••••」
まさか恋愛事をチノちゃんから相談されるとは夢にも思っていなかった。
いつも彼女の良き姉であろうと心掛けていたのが実ったのか、それとも私が恋愛慣れしている様に思ったのか。
もし後者なら、彼女には申し訳ない。
私は生まれてこのかた、男女の付き合いなどはした事がない。
過去に何度か異性に言い寄られた事はあったが、全て断ってきた。
7:
詰まる所、私も恋愛など分からないのだ。
我が姉のモカ曰く「心がぴょんぴょんして、モチモチパン焼いてあげたくなったら、それが恋よ」らしいのだが。
ーそれは違うよね••••••
私は内心で苦笑し、そう吐露した。
「ココアさん?」
「あっ!?ご、ごめんね••••••」
深く考え込む私を心配したのか、チノちゃんは私の顔を覗き込んだ。
「えっと、誰に恋をしちゃったのかな?」
「••••••秘密ですよ」
恥ずかしいのだろうか。
顔を真っ赤に染めた彼女は、桃色の形のいい唇を尖らせ、私から目を逸らした。
チノちゃんの顔立ちは幼いながらも非常に完成されたそれをしている。
13:
彼女に「好きだ」と言われたら、大半の男子は首にtクラスの重りを吊り下げられた人形の様に首を縦に振る事だろう。
ここで私は、ようやく彼女の質問の意図を理解した。
彼女が言いたいのは
「人はどうして恋をするのか?」
という事だろう。
さて、この質問は非常に難解だ。私の手には余ってしまう。
私がつまらない人間なら、ここでフェロモンの分泌でどうたらと、言ってしまうのだろうが
ーそんな事、言ったら駄目だよね
あまり考えていてもまたチノちゃんを心配させてしまう。
16:
「チノちゃんは、その人とどうありたいのかな?」
「ど、どうありたい、ですか••••••」
しどろもどろする彼女。
「えっと••••••ずっと一緒にいたいとか、お話したいとか?」
「それは••••••ずっと一緒にいたいです」
「なら、それが愛する理由でいいんじゃないかな?」
自分でも強引な答えだと思う。
しかし、彼女の質問には残念ながら『答え』は無い。
やはり、チノちゃんは頭に疑問符を浮かべて、困惑している。
「うーん••••••。そうだ!これは宿題にしようよ!」
私は苦し紛れにそう提案した。今の私では、チノちゃんが満足する答えは出せないだろう。
「し、宿題ですか?わ、分かりました」
「うん!ところでチノちゃんはなんでパジャマなの?」
18:
私はずっと気になっていた彼女の服装について、質問をする事にした。
この格好にはどんな意図があるのだろうか。
――いや、考え過ぎだよね……
恋だの愛だのいった話題からあらぬ妄想が膨らむがそもそもな話、私たちは女同士だ。
「今日はココアさんと寝ようと思いまして……」
別に変な意味は無いだろう。それどころか私たちはよくベッドを共にしている。
「いいよ!でも、寝るのは早くないかな?」
まだ10時にもなっていない。
「今日はもう眠たいんです……」
「そっかぁ……。なら、もう寝よっか」
「いいんですか?」
「うん!モフモフさせてね?」
そう言って、私はチノちゃんに不気味な動作で近づいた。しかし、彼女が所持していた
ウサギのぬいぐるみが私を拒んだ。
「お風呂に入ってきてください」
20:
湯気が籠る浴室。
「ふぅ?」
私は、湯船に張られた湯面を滑走するウサギのおもちゃに目をやった。
水面下に顔の下半分を沈め、自分が出した宿題について考えた。
「何が宿題だよ……」
自分でも答えなんて、分からないのだ。一体、誰が?答え合わせ?をするのか。
私はいつも仲良くしている友人たち3人を思い浮かべた。
この手の話題に強そうなのは―――
「チヤちゃん?」
真っ先にそう思ったのは宇治松千夜だった。
チヤちゃんは、色んな知識に長けている。もしかしたら、この宿題にも答えを出す
かもしれない。
「明日、聞いてみよう」
22:
「チノちゃん、ただいま」
「おかえりなさい」
風呂から上がり、寝支度を整えた私はチノちゃんが待つ部屋へ真っ直ぐ向かった。
すでに布団を被った彼女は私とは反対側を向き、寝転がっていた。
私は緩慢な動作で布団に侵入し、チノちゃんと並ぶ。
――気のせいかな……
シーツに湿り気を感じる。今日、張り替えたばかりなのだが。
――私がお風呂上りだから、そう思うのかな?
ちらりとチノちゃんを見ると、彼女のサファイアの様に綺麗な瞳と視線が衝突した。
だが――
「えっ!?チノちゃんなんで、そっち向くの?!?」
「知りませんよ……。ココアさんの所為です」
私が眠りに就いたのは何故かむくれた彼女をなだめてからだった。
24:
「あら?ココアちゃん寝不足?」
翌日、高校にて私を見たチヤちゃんの第一声がこれだ。
就寝時間は早かったので、決してそんなそんな事はない筈なのだが――
「そう見える?」
そう返事をしてから、教室の窓ガラスに視線を移す。
ガラスに反射する自分の顔を確認する為だ。確かに言われてみれば、心
無しかそう見えない事もない。
「昨日、何かあったのかしら?」
チヤちゃんは、今日提出予定の課題のプリントの枚数を勘定しながら
そう私に尋ねた。
私は、昨日の事と自分で出した無責任な宿題の件を彼女に告げた。
話を聞いた彼女は少しばかり唸ってから片目を閉じ、右手の人差し指を立てた。
「どこかのお偉い人の言葉でね?恋愛の行き着く果ては、性交渉だってのがあるわ」
「せ、せいこ――!?」
チヤちゃんの思わぬ、発言に私は思わず、その場を立ち上がってしまった。
33:
「あら?」
私が突然、机を叩き立ち上がった為、チヤちゃんは目を丸くして、わずかに首を傾けた。
「きゅ、急に何を言ってるの!?」
性交渉。私にだって、意味くらいは分かる。チノちゃんの言葉を借りるなら、私も子供じゃない。
「何もおかしな事は言っていないと思うけど?」
「お、おかしいよ!?だって、だって――」
おかしいのは私かもしれない。性交渉という言葉だけでここまでヒートアップしてしまっている。
クラスメイトからはきっと不思議な視線を貰っているだろう。しかし、この時の私は、そんな事は考えられなかった。
「確かに朝からいう事でもないかもしれないけど……決して間違っていないと思うわ」
私とは正反対に彼女は大らかで優しげな口調だ。
私はとりあえず、視線を寄せるクラスメイトに、頭を下げてから席に座った。
「そ、それで……恋をすると、そ、その……えっちしたくなるの?」
「ええ」
「チ、チヤちゃんした事あるの?」
チヤちゃんもルックスは上々だ。現代の大和撫子の具現そのものだ。
35:
千夜のおっぱいふかふかだったわ
40:
そんな話は聞かないが恋人がいたって不思議じゃない。
「どうだと思う?」
チヤちゃんはいたずらっぽく笑う。
「えと……」
私は言い淀んでしまう。どうなんだろうか。
私は意を決して――
「ある」
と答えた。
「正解!と言いたいけど、男の人をそういうのはまだないわ」
「よ、よかった?」
私は何故かホッと胸を撫で下ろした。そんな私を見ていた彼女はニッコリと微笑み、私の頭を撫でた。
「ココアちゃんは可愛いわねぇ?」
「か、可愛い!?そんな事ないよ!?」
「そうかしら?ココアちゃん、すっごくいい子だし、元気もあるし、とても可愛いと思うけど?」
彼女の言葉に顔に熱が帯びていくのが分かった。確認しないでも分かる。私の顔は今、真っ赤だ。
「そ、それで……恋をするかしたくなるの?それとも――」
したいから恋をするの?
軌道が逸れる前に私は再度、議題を投下した。
45:
私の問いに彼女は頬に指をやり、瞳を閉じ、わざとらしく思考してから言った。
「人それぞれだと思うわ」
「人それぞれ?」
「ええ。恋をするってすごく曖昧だと私は思うわ。曖昧だからこそ、本音と建て前が入れ替わるのよ」
彼女は語る。
恋に欲望する事と欲望に恋をする事。それは似ているが、性質は真逆。
セックスを求めるから恋をする。恋をした果てにセックスを求める。
どちらもセックスに収束するがそれは?二律背反?
同じ場所に行き着くというのに背反する。私には、矛盾を覚えた。
故に恋は曖昧なのだろう。
47:
「まぁ、私が言いたいのは、後者は本当の恋じゃないわよって事」
と締めくくる彼女に私は少し苦笑した。
「さっきの話いるの?意味わかんなかったけど……」
「いらないわ」
私は呆れてしまった。なんだろう。もしかしたら、からかわれているのかもしれない。
私がそう尋ねると彼女は何処から取り出した扇子を広げて、はにかんだ。
「そう言った方が知的に見えるでしょ?」
「チヤちゃん……」
私はガックリと肩を落とした。
「でも、恋について知りたいなら、シャロちゃんに聞くのはどうかしら?」
「シャロちゃんに?」
「ええ。多分、一番恋する乙女よ」
49:
「で?ここに来たと」
「えへへ……。忙しい所、ごめんね?」
私は放課後、桐間紗路がアルバイトをしているハーブ専門店である『フルール・ド・ラパン』という喫茶店を訪れた。
ここを訪れた趣旨をシャロちゃんに伝えると彼女は、瞳をジト目にし、注文を聞く。
「なんでもいいよ!」
「そう?ならこっちで選ぶわ。それで恋?だっけ?」
どうやら、話を聞いてくれる様だ。
「そうね?……恋をすると胸がドキドキするのよ」
「ほうほう」
私は続きを促した。
「え、えと……ずっと一緒にいたいって思うの」
「それは聞くよね」
私だって、恋愛小説くらいは読んだ事がある。そういう本には、衝撃が走った、胸が痛いなどと描写されている。
「ココアは恋をした事ないの?」
「多分、ないよ」
記憶をいくらか想起してみたがそんな記憶はない。俳優なんかをカッコいいと思う事はあるがこれは恋ではない。
50:
「チノちゃんも相談する相手を間違ったわね」
「め、面目ない」
恋をした事がない私が恋愛相談に乗る。これは非常に滑稽な事なのかもしれない。
「とりあえず、ハーブティーを持ってくるわ」
そう言って、シャロちゃんはその場を去った。
残された私はグラスに注がれたお冷をジッと見つめ、ため息を吐いた。
情けなくなったのだ。
これでは、お姉ちゃん失格だ。
その時、テーブルに置いていた携帯電話がメールの受信を知らせるバイブルをした。今時、珍しいかもしれない
フューチャー・フォン。それを手に取り、開く。
受信メールは姉の保登モカからのモノだった。
件名:可愛い妹へ
本題:久しぶり?
  元気かな?
  偶には帰ってきてよね?><
ブラックココアはNG?
相変わらずの姉に私は思わず、ほくそ笑んだ。
53:
適当な返信を姉に送り、私は携帯電話をしまった。
間もなく、ハーブティーをシャロちゃんが運んでくる。
それをテーブルに置きながら、彼女は私の顔色をうかがった。
「楽しそうね」
「お姉ちゃんからメールが来たんだよ」
「ふ?ん……。それでさっきの話の続きだけど……」
「大丈夫なの?」
彼女は今、アルバイト中だ。客一人にあまり時間を取らせる訳にはいかない。だが、彼女は、気にするなと答え、続けた。
「恋愛って難しいわよね。押し過ぎても引きすぎてもダメ」
シャロちゃんは少し俯いた。自分の体験を重ねているのだろう。
私は自分で思っているより大人ではないのかもしれない。
「シャロちゃんは今、好きな人いるの?」
「い、いたら、ど、どうなのよ?」
顔を朱に染めるシャロちゃん。
「いるんだね。進展してるの?」
「コ、ココアに心配される様な事はないわ」
「そっか」
どうやら進展している様だ。昔、チヤちゃんが彼女の手相を見た時は芳しくない様な発言をしていたが杞憂の様だ。
55:
「シャロちゃんが幸せそうで良かったよ」
「別に幸せじゃないし……」
「えっ?そうなの?」
進展しているのなら、幸せなのではないだろうか。
否――
もしかしたら、これが恋の欠陥なのだろうか。
あらゆる考察が私の脳髄の飛び交うが――
やはり、答えはでない。
「シャロちゃん……」
「な、何よ?」
「恋って何なだろうね?」
私は昨日、チノちゃんにされた質問をシャロちゃんに投げてしまった。
私は石畳で舗装された西洋風のこの街をトボトボと歩いていた。
下宿先であるラビットハウスに戻ると、チノちゃんと宿題の?答え合わせ?をする事になってしまう。
未だ、解を導き出せていない私にその選択肢はない。
56:
「はぁ?……」
自然とため息がこぼれてしまう。
「よ?!ココアどうした?」
下を向き、歩いていた私の耳に聞き覚えのある声が舞い込んだ。
見れば、私と対面する形で天々座理世が立っていた。
黒のブラウスに白いブレザー姿をした彼女は、怪訝そうに私の顔を覗き込む。
普段の私はこんな風に落ち込む事は滅多にない。それがリゼちゃんには不思議なのだろう。
「リゼちゃん……」
私はここである事を思い付いた。リゼちゃんは私よりも一つ年上だ。
年上ならば、私たちとは違う視点で恋を考察してくれるに違いない。
「リゼちゃんは恋をした事ある?」
「ん?恋?ああ、戦場に恋い焦がれる事はあるな!」
「そ、それは恋じゃないよ!?」
確かに文字には恋とあるが、決定的に何かが違う。
そもそも彼女は軍人ではない。戦場に駆り出される事は無いはずだ。
「ほら、恋愛の恋だよ?生みの親じゃなくてさ」
「ああ!成程な!恋か……」
彼女は考え込んでしまった。考え込んでしまう辺り、経験はないのだろう。
58:
「すまんが心当たりがない」
「そっかぁ?……」
3人全員的から外れてしまった。
「どうしたんだ?」
私の質問に疑問を持った彼女は眉間に皺を寄せた。
「実はね……」
私は今までの経緯をリゼちゃんに話す。
「チノの奴が?そいつはビックリだな」
彼女は私よりも昔からチノちゃんを見て来ている。故に、チノちゃんが誰かに恋をしたのに驚愕したようだ。
「しかし、愛を求めるか……チノの奴いつからそんなに哲学的になったんだ?」
それは私も心当たりはない。
「チノは難しく考える傾向にあるからなぁ……」
「そうなの?」
「そう思うぞ?」
65:
リゼちゃんとあの後も話したが決定打になるモノは導き出せなかった。
彼女と別れた後、私は広場に足を運んだ。野良ウサギで溢れるそこは私にとって、天国だった。
「わぁ?!モフモフだぁ?」
近場にはウサギを抱きかかえ、白い毛並みに顔を埋めた。ウサギを抱いたまま、私はベンチに腰を降ろす。
空は黄昏。そろそろラビットハウスへ行かなければならない時刻だ。それは、同時に私にとってのタイムリミットを示している。
「あわわ!?」
ウサギが暴れ出し、それが私の腕から逃れる。
「行っちゃった……」
ポツリと残された私。気分が沈み込む。
「そうだ!お姉ちゃん!」
思い付いた私は、ポケットから携帯電話を取り出し、姉にコールした。
いつも私を思ってくれるモカ、きっと彼女なら――
『ココア?お姉ちゃんが恋しくなったのね!』
お姉ちゃんは、数コールで電話に出た。
「あ、お姉ちゃん、今日はメールありがとね」
大した無い様のメールでは無かったが、感謝の意をお姉ちゃんに伝えた。
『ココアが元気なら私も元気だからね!」
どういう、理屈なのだろうか。私は、相変わらずのお姉ちゃんに笑った。
69:
「ねぇ?お姉ちゃんは好きな人いる?」
『好きな人?いるわよ?』
「そうなの!?」
『ええ……』
「私の知ってる人」
『知ってるも何もココアよ?』
それは何か違うのでは。私はそう思い、恋とは何かと尋ねた。
すると彼女は、あっけからんとばかりに言った。
『自分があっ!これが恋だ!って思ったらそれでいいんじゃいかな?」
「前と言ってる事が違う!?」
もちもちパンの下りはどこへ消失したのだろうか。
『もうココアも大きくなったからよ。どうしたの?もしかしてラブリー?』
「ラブリー……?」
『恋をしたのかって事よ』
恋か。した事はない。多分。
『ほんとぉ??ココアは鈍感な節があるから信用ならないわ』
「ちょっと!?それってどういう事!?」
私は、お姉ちゃんの言葉に思わず、憤慨した。
しかし、彼女はそれを笑う。
72:
『恋ってなんだろうって悩むところが鈍感なのよ』
「えっ……」
『自分がそれを恋だと思うなら、それは恋なのよ』
私は何も言えなかった。
そんな私にお姉ちゃんは
『本当に大切なモノよ』 
と言い残し、そのまま電話を切ってしまった。
ツーツーと音を鳴らす携帯電話を呆然と眺めていた私は感慨にふけった。
本当に大切なモノ――
なんでだろう。この言葉の後に真っ先に連想したのは『香風智乃』だった。
私の茶色の髪が風に遊ばれる。
なんだろうか。このふつふつと煮えたぎらないこの感情。
どこかに煩わしさすら覚えてしまう。
私は顔を上げた。
もうラビットハウスに帰らないといけない。
「大丈夫……」
そうだ。
大丈夫だ。
多分。
答えは見つけた。
77:
「遅くなってごめんね!」
私はラビットハウスの扉を勢いよく開き、謝罪を口にしながら入店した。
「大丈夫ですよ。おかえりなさい」
「おう!ココア。問題ないぞ!」
チノちゃんとリゼちゃんがそう私に言葉を掛けてくれる。
私は急いで更衣室へと向かう。
自分に割り当てられたロッカーを開くと、中に一通の便箋が入っていた。
「なんだろこれ?」
開いてみると、リゼちゃんからだった。
内容は
『答えは見つかったか?』
私は思わず、笑ってしまった。
「大丈夫だよ……」
その日の仕事ははっきり言って散々だった。
チノちゃんを見る度に顔が熱くなり、仕事に身が入らない。
そして、私は今、自室で深々とため息を吐いていた。
「私って異常だよね……」
そりゃそうだ。私は、同性であるチノちゃんに実は恋をしていて、しかもそれに気付いていなかった。
とんだお笑いである。
80:
約束ではそろそろチノちゃんがここに来る筈だ。
「一体、どういう顔をすれば……」
?答え合わせ?何を言うかは決めている。
だが、それを言えるかが問題だった。
しばらくして、ドアをノックする音がした。
私は「どうぞ」と返事をして、扉の向こうのチノちゃんを招き入れた。
「お、お邪魔します」
寝間着姿のチノちゃん。昨日も見た筈なのに今日は異様に輝いて見えた。
「邪魔になんかならないよ!」
私は出来るだけ平然を装い、彼女の手を引いた。
彼女の手を握るだけで鼓動が1オクターブ程、上がるのを感じた。
「コ、ココアさん……」
「どうしたの?」
「す、すみません……。答えは分りませんでした」
申し訳なさ気にシュンと肩をつぼめるチノちゃん。
私は、出来るだけ柔らかに彼女の肩に左手を置いた。
「気にしないで……。実はね……私も昨日はその事良く分かってなかったんだ」
84:
「コ、ココアさん……」
「ご、ごめんね!」
私は頭を下げた。
すると、チノちゃんは私の頭に手を置き、そのままゆっくりと私を撫でた。
「気にしないでください。リゼさんから聞きました。答えを頑張って探してくれたんですよね?」
「うん……」
「見つけましたか?」
「うん、見つけたよ」
私はチノちゃんの瞳を見つめた。
鼓動が早くなるの感じる。
「これって言う答えじゃないけどね……」
「ココアさん?」
私は覚悟を決めた。
もしかしたら、後戻りは出来なくなるかもしれない。
でも……でも……
私は――
「チノちゃん……私はチノちゃんの事が好き」
チノちゃんの大きな瞳に私が映っている。意外だ。
ゆでだこみたいな顔をしていると思っていたが、その表情は冷静に見えた。
86:
「コ、ココアさん……」
驚愕を表すチノちゃん。
何を思っているのだろうか。私には分からない。
「ご、ごめんね……気持ち悪いよね……」
当たり前だ。私と彼女は女同士。同性だ。
「気持ち悪い事くらい分かってるよ……。でも、これが私の見つけた?答え?に繋がる?式?なの」
この期に及んで私は何をかっこつけた事を言っているのだろうか。
私の言葉に口をパクパクさせたチノちゃんは、一呼吸置いてから言った。
「ココアさん、本当なんですか?」
「うん。本当だよ。私はチノちゃんが好き。ラブリーなんだよ」
「ふっ……」
「えっ……?」
チノちゃんは小さく笑った。
それがどういう意味の笑いなのか分からなかった。
「ココアさん。嬉しいです……」
「チノちゃん?」
「私もココアさんが好きです。大好きです」
「ええっ!?チ、チノちゃん!?」
そう言った、彼女は私を強く抱き寄せた。
88:
未だ、困惑する私にチノちゃんは耳元でこう呟いた。
「お姉ちゃんの鈍感」
それが私の中の何かに火を点けた。
「チノちゃん!!」
気付けば、私はチノちゃんをベッドに押し倒し、彼女に覆いかぶさっていた。
目をパチパチと瞬きするチノちゃん。彼女の甘い香りがふんわりと上り、私の鼻腔を抉る。
「コ、ココアさん……」
「チノちゃん……可愛いよ……」
徐々に紅潮するチノちゃんの顔色とうるさいくらいの私の鼓動。
愛おしい。
「チノちゃん……人は愛を求めるんじゃなくて、その人を愛したいからそれを求めるんだよ」
チヤちゃんが言っていた。似ているがそれは決して違うモノ。
仕切られた二律背反であり、混同は無い。
「私はチノちゃんをもっと知りたい」
「ココアさん……」
もう私は体裁など気にしていなかった。
だた、チノちゃんがいるならそれでいい。
「チノちゃん……好きだよ。愛してる」
「わ、私も……ココアさんを……愛しています」
私は彼女と唇を合わせた。
90:
「んっ……」
わずかに湿ったチノちゃんの唇。リップクリームでも塗っているのだろうか。
ほんのり甘い。
軽い口づけ。それだけで私の興奮はストップ高だった。
「チノちゃんの口……やわらかい」
「コ、ココアさん、コーヒー飲みましたね?少し苦いです」
「えへへ……チノちゃんが淹れてくれたコーヒーだよ?」
「関係ないです。私のファーストキス返してください」
「んっ!?」
不満そうな顔をしたチノちゃんは私の頭に手を回し、少し力を入れ、私にキスをする。
「んぁ……ひぃ!?ひぃのひゃん!?」
私は思わず、身体を震わせた。
なぜなら、チノちゃんが私の口へ舌を入れてきたからだ。
「ちゃ、んぁ……。ちゅ、んぁ」
エロス引き立てるディープキス。
それにより、私のストップ高はいとも容易く限界を越える。
「ちゅ、ぁあ……レロレロ……」
舌を合わせる温かみとそれのざらついた感触に頭が過熱してる様に錯覚した。
92:
私は何度もチノちゃんにヨダレを送った。
また、チノちゃんも負けじとばかりに唾液を注入する。
お互い回数など分からぬほどに互いの唾液を飲み下し、唇と唇の間をヨダレが伝う。
「ぷはっ…・・・」
「はぁ……はぁ……」
息が続かなくなり、唇を離す。
私とチノちゃんを繋ぐ、架け橋が切れる前に再度、唇を合わせ、彼女のそれを貪った。
「コ、ココアさんえっちです……」
「チノちゃんこそ、どこでこんなキス覚えたの?」
「むぅ……秘密です」
「ところで……」
「ひゃっ!?」
「チノちゃんすごいよ?ここ」
私は、下着とパジャマを貫通するほどに濡れたチノちゃんの秘所を中指を軽くなぞった。
それだけで彼女はビクリと肩を震わせる。
94:
「チノちゃん……」
私は彼女の反応が異様に可愛い為、ゆっくりとそこを愛撫する。
「あっ!?んぁ、コ、ココア、さん……い、やめ……ぁあんッ!?」
「チノちゃん可愛い……」
彼女のパジャマは更に湿り気を帯びる。
この分だと下着はもう機能を果たしていないだろう。
「ふぇぁッ!ァンッ!?いやぁん!!うぁッ!?」
チノちゃんは桃色の唇を噛み締め、快感に溺れる。
止まる事を知らないのか彼女の割れ目からは愛液が溢れ、衣服のシミを広げて行く。
私は手を止めて、愛液に光沢する指を彼女に見せた。
「チノちゃん……本当にえっちだね」
「は、恥ずかしいです……。オ、オネショしたみたいじゃないですか……」
「チノちゃんは子供だね」
「こ、子供じゃないです……」
「なら、ズボン脱がすね?」
そう言い、私はチノちゃんのズボンを脱がそうと試みる。
彼女は軽く腰を上げ、それを容易に済ませれる様にしてくれた。
96:
予想通りチノちゃんのパンツはもう役割を果たしておらず、びっしょりと濡れていた。
私は彼女のシャツのボタンを一つずつ、解放していき、露出した腹部を舌でなぞった。
「コ、ココアさん!?く、くすぐったいです……」
「そう?あっ!チノちゃんの胸、可愛い……」
彼女の乳房のサイズはとても小ぶりだった。
白い柔肌がわずかに隆起しており、その頂にはそれに似合う可愛らしい乳輪と乳首。
「ち、小さくて……ごめんなさい」
「なんで謝るの?すごく可愛い……モフモフしたいよ」
そういうと私は、片方の乳房を軽く揉みし抱きながら、もう片方の乳首にしゃぶりついた。
「んっ!?ら、……・コ、ココア……さん。す、吸っちゃやだ……ンァ!?」
舌で乳首を転がしてやると、みるみるそれは硬くなる。
乳房から口を離し、チノちゃんを見ると彼女は少し涙を浮かべて、頬膨らませていた。
「ココアさん!」
「は、はい!?」
「ココアさんも脱いでください。ココアさんばかり……ずるいです」
98:
「……」
パンツだけを残して、裸になった私をジッとチノちゃんは見つめていた。
「ど、どうしたのかな……チノちゃん?」
チノちゃんは私の胸を見ると暗い顔をした。
「ココアさんは意外と大きいです……」
「お姉ちゃんだからね!」
「ずるいです……えいっ」
と言うと彼女は私の胸に飛びついた。
「チ、チノちゃん……ん、く、くすぐったいよ……」
「さっきの仕返しです。覚悟してください」
そういうと彼女は私の割れ目を触りながら、乳首を攻めた。
「チ、チノちゃん……ッン!?アッ!!キャゥン、ぁあ、ん!?」
チノちゃんの指は的確に弱い部分を突いてくる。
私は、足から脳天までも貫く刺激に身を捩じらせた。
「アンァ!?アンッ!んぅ??!!!!くわぁ……・チ、チノちゃ、ん……」
「ココアさん、えっちな声です。もっと鳴いてください」
彼女のツンといた言葉が更に快感を強くする。
100:
「だ、だめ、だょ?……お姉ちゃんの、んっ!?い、威厳が……アンッ!?」
「もう威厳なんてないですよ?こんなに濡らして」
見れば、私のパンツもチノちゃんのそれに匹敵するくらい濡れていた。
私たちは機能を果たしていない下着を脱ぎ捨てた。
そして、私が下、チノちゃんが上になる形でシックスナインの体位を取った。
眼前に広がるチノちゃんのヴァギナ。
綺麗なピンク色であり、ヒクヒク動態している。
今まで一度たりとも、そこへの侵入を許した事のない彼女の割れ目は神秘すら覚えた。
「チノちゃんの……綺麗……」
無駄なヒダが一切ないそこはもはや芸術の域だろう。
「コ、ココアさんのここも綺麗ですよ……」
自分の秘所をしっかりと確認などした事はないので真実かどうかは定かではないが、彼女がそういうならそうなのだろう。
私はゆっくりと彼女の割れ目に指を滑らせた。
「んぁッ!?」
衣類越しでもあの感度だ。直接、触れられる快感はその何倍にも膨らむのだろう。
少し刺激するだけで腰をガクガク言わせて、甘い声で喘いだ。
106:
指で愛撫する度に愛液が溢れ出す彼女の蜜壺は十数秒のそれでビチョビチョになっていた。
疑似ピストンを再現する指から腕を蜜が伝い、腰を震わせる度に顔へ愛液の雫を垂らす。
「んぁ、ァアンッ!!!ん、ぁ……ぃ、い、アンッ!?」
「ん……あぁ……」
チノちゃんも私に愛撫を行うが自分にされている愛撫の快感に負け、上手くそれを出来ずにいた。
――今度は私の番だよ!!
私は雫を散らせる彼女の性器に接吻した。
「ヒィッ!?コ、ココアさん!?」
突然のクンニリングスに耐え切れなくなり、チノちゃんの腰が砕けた。
私は落ちてきた彼女の腰をガッシリとホールドし、彼女の溢れんばかりの愛液を排除する様に
それを嚥下し、膣内を舌で掻きまわした。
「コ、ココアさん!?ら、だ、らぁめでふぅ!?い、ァアンッ!?イ、イ――」
私が愛撫を激しくする度に立ち直ろうするチノちゃんの腰は砕け、それを阻止する。
「だ、だ……イ、イクッ!?あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!?????」
彼女の割れ目から激しく潮が吹いた。
私をそれを顔面で受け止め、まだガクガク痙攣するチノちゃんに声を掛ける。
「どう?気持ちよかったかな?」
「はぁ……はぁ……コ、コ、アしゃん……」
息を荒げた彼女は続ける。
「わ、私もココアさんに、したいです……」
「うん……じゃ、お願いしょうかな?」
108:
「コ、ココアさんこれって?」
「えへへ……貝合わせって知ってる?」
自分でもどこからこんな知識を持って来たのか不思議なくらいだが、深く考えるのは辞めにしておこう。
互いにヴァギナを見せ合うように対面したチノちゃんは不思議そうに私の秘所を見つめていた。
「ココアさんのヒクヒクしてます……」
「チノちゃんが欲しいんだね、きっと」
実際にそうだ。私は今、チノちゃんが欲しい。
早く彼女と性器を重ね合わせたくてうずうずしている。
こうしているだけでは、時間の無駄なので私は、チノちゃんに擦り寄り、ゆっくりと性器を接合した。
「んっ……」
チノちゃんが私に吸い付いてくるのが分かった。
そして、彼女の秘所は熱したスパテルの様に熱い。
「チノちゃん……」
私はクリトリスを擦り合わせる様に動き、彼女の身体を抱き寄せた。
「コ、ココアさん!?んっ!?」
クチュクチュと音を立てて、摩擦し合うそこは擦れる度に、全身を駆け抜ける程の快感を生み出した。
110:
ココチノこそ至高
114:
「ん―――!!ァッアッ!?チ、チノ……ちゃん……」
「コ、ココアさん……」
チノちゃんの甘い吐息を肌で感じ、性器が疼く。
初めは私が腰を動かしていたが快感を求め、チノちゃんも激しく動く。
じんわりと汗が滲み、背筋がゾクゾクする。
「チノちゃん……」
私は唇で喘ぐ彼女を塞ぐ。
唾液の塊を交換し、そして嚥下する。
上下の口からは甘い蜜が滴り、互いを汚していく。
ゆっくりと確実に絶頂が迫っていた。
「チノちゃん!好き!大好き!」
「んぁ!!はぁ……はぁ……お、お姉ちゃん……」
そして、私とチノちゃんは達した。
まるで打ち合わせでもしていたかの様に同時に潮を噴き、それらがシーツが濡らす。
私たちは抱き合ったまま、その場でグッタリと倒れ込んだ。
「チノちゃん……私……幸せ……」
「コ、ココアさん……私もです」
私はオーガズムの余韻に浸りながら、チノちゃんにあるお願いをしてみた。
「チノちゃん」
「な、なんですか?」
「これからはお姉ちゃんって呼んで」
私の頼みに彼女はそっぽ向くと、唇を尖らせていった。
「呼ばないですよ――――。
お姉ちゃん」
116:
後日――
「チノちゃん、早く学校いくよ!」
「ま、待ってください!」
私はチノちゃんよりも一足早くラビットハウスから道へ飛び出した。
私を追うように彼女もこちらへ走る。
がしかし。
足を縺れされた彼女は道に転んでしまう。
「だ、大丈夫!?」
「だ、大丈夫です……少し痛いですが……」
彼女の様子を確認し、手を伸ばした。
あの日から私は、チノちゃんとお付き合いをしてる。
どんな風当りにも私は戦うつもりだ。
香風智乃の姉として。
そして――恋人として。
恋に正解なんて答えはない。
自分が正解だと思えば、それが?解?なのだ。

11

続き・詳細・画像をみる


世界史でガチで闇が深いこと挙げてけwwwwww

【画像】SEKAI NO OWARI、太るwwwwwwwwwwwwwwwwwww

嫁との結婚を職場の連中から批難されまくるんで悩んでる。「そんな嫁貰ってなんのメリットがあったの?(50代上司)」

「料理用ワイン」「料理酒」←これ

日本の社畜のヤバさが一目でわかる画像が話題に・・・有給消化率が最下位なのにフランス(有給消化率100%)よりも不満に思っている人間が少ない

【画像】SEKAI NO OWARI、太るwwwwwwwwwwwwwwwwwww

back 削除依頼&連絡先