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イケメン「ナイスガイへの道」


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僕の名前はイケメン。
192センチの身長。
端正な顔立ち。
はっきり言って、モテる!
しかし、この外見しか見ない、女達に色々されて、少しずつ、女性恐怖症になっている。
こんな性格を直すべく、僕はナイスガイを目指すことにした!
2: 以下、
高校二年の春。
僕は転校することになった。
新しい街。新しい学校。新しい出会い。
僕のナイスガイへの道は正にここから始まる!
3: 以下、
転校初日。正に地獄だった。
僕の姿を見た途端、女子共がキャーキャー騒ぎ始めた!
勘弁してくれ、恐怖症に拍車がかかりそうだ…。
休憩時間はもっと地獄だった。
転校生と言うこともあり。多数の生徒に取り囲まれ、質問攻めにあった。
僕はこの、囲まれるのは得意ではない。
ダメだ。気分が悪くなってきた…。
4: 以下、
そんな時、素晴らしい出合いがあった。
颯爽と表れ、その地獄から僕を救いだしてくれた。
「大丈夫か?気分悪そうだったから、無理矢理連れてきた、スマン」
彼は、初対面の僕を気遣ってくれた。
彼の名は、男。
まさにナイスガイだった。
5: 以下、
先に言っておく。
僕はノーマルだ。ホ○ではない。
女性が好きだから、恐怖症を克服したいのだ。
この日から、男君は、僕の目標になった。
6: 以下、
転校初日の放課後。
屋上に呼び出された。
イヤな予感しかしない。
渋々、屋上に行くと、一人の女生徒が待っていた。
黒髪で、大人しそうな印象だった。
名前は、女というらしい。
なかなか、可愛らしい娘だ。
その可愛らしい娘は、上着の裾をくるくると触りながら、告白してきた。
ちょっとまて。合って数時間で告白されたのは始めてだ。
勿論、丁寧にお断りした。
彼女はショックを受けた様子もなく、さらっと帰って行った。
いかん、胃がキリキリと痛みだした。
7: 以下、
次の日。僕が彼女をフッた事が噂になっていた。
あの時、誰かが見ていたらしい。
しかも、噂の内容は、女を誹謗するものだった。
確かに、初日に告白するのは、如何のものかと思うが、それを誹謗するのは、間違っている。
僕は抗議することにした。
しかし、先に、男君が一喝した。
クラスは静まり、その時から、噂はなくなった。
なんて素晴らしいんだ!男君は!
彼の事を、心のなかで、ナイスガイ男君と呼ぶことにした。
8: 以下、
ナイスガイ男君とつるむようになって、もう一人と仲良くなった。
名前は友というらしい。
友はなかなか低音ボイスで渋い声をしている。
友の事はこれからイケボ友と呼ぼう。
目標とする人物と、愉快な友人を得て、面白い学生生活になりそうだ!
このままの勢いで、恐怖症を克服してしまおう!
9: 以下、
そう思った翌日。
またしても、数人の女生徒に告白された。
付き合うつもりはないので、皆には申し訳ないが、丁寧にお断りした。
なかには号泣する娘もいて、正直、しんどい。
そんなとき、イケボ友がゲーセンに誘ってくれた。
その場には、ナイスガイ男君もいた。
その日は男三人で遊んだ。
ん?なにか、ナイスガイ男君の後にいたような気がするが、きのせいだろう。
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ゲーセンから、家に帰って思い返す。
ナイスガイ男君の後は確かに何かいた。
仔犬のような印象はあったのだが、ナイスガイ男君の後に隠れて、良くは見えなかった。
けど、あれは、女の子だったような。
気のせいだろか。
11: 以下、
次の日。
イケボ友に屋上に呼び出された。
ん?
今は、イケボ友の後に何かいる。
あれは、昨日の仔犬?
12: 以下、
イケボ友から、紹介された。
彼女はナイスガイ男君の幼馴染みの女の子で、名前は幼と言うらしい。
仔犬ではなく、女の子だったのか。
しかし、幼と言う娘。
仔犬。まさにその例えが合う、小さくて、可愛らしい娘だ。
今もイケボ友の後でぷるぷると小さくふるえている。
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そうだ、幼さんに見とれている場合ではない。
イケボ友に用事を聞く。
イケボ友は驚くべき内容をつげた。
何でも、この幼さんはナイスガイ男君の気を引きたいらしい。
その為、この僕に幼さんと仲良くしてもらい。ナイスガイ男君に見せつけたいらしい。
それで、今以上に仲良くなりたいらしい。
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なんとも、この考えはイケボ友の思い付きらしい。
…大丈夫か、この考え。
肝心のナイスガイの男君はどうなのだろうか?
イケボ友の話によると、ナイスガイ男君も浅からず、幼さんの事を想っているらしい。
ならば、ナイスガイ男君の為に一肌脱ごうではないか!
これからは、イケボ友の事をフィクサー友と呼ぼう。
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その日の内に、僕と幼さんはなるべく一緒にいるようにした。
特にナイスガイ男君がいるところでは、仲良く振る舞った。
…が、この幼さんは、僕が話しかけても、ふるふるとふるえて
「う、うん」
「そ、そうだにぇ///」
と小さく答えるのみ。
挙げ句には見事に噛む。
なんだ、この可愛い生物は!
反則ではないか!
僕と目が合うだけで、真っ赤になるし…。
今も俯き、恥ずかしそうに指をもぞもぞしている。
こっそりとこの幼さんの事をエンジェル幼さんと呼ぼう。
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放課後。
今日は、エンジェル幼さんと帰ることになった。
その時、ふと、普段と違う雰囲気に気付いた。
普段なら、クラスの女生徒が囲ってくるんのだが。
今日は寄ってこない。
寧ろ、暖かい目で見られてる?
目線を追っていくと、エンジェル幼さんに行きつく。
あぁ、皆、このエンジェル幼さんが可愛いいんだなぁ。
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いや、それだけじゃない。
ナイスガイ男君からも優しい目で見られてる?
あれ?
ナイスガイ男君に嫉妬させるのが目的なのでは?
けど、あの優しい目は?
一瞬だが、確かに優しい目だった。
18: 以下、
そんな事を考えてると
「か、かえりょ///」
エンジェル幼さんが、噛んだ事に真っ赤になりながらも、僕の制服の裾を掴む。
あぁ、エンジェルだぁ!
19: 以下、
帰り道。
二人で帰っていると改めて思う。
エンジェル幼さんは、小さい。 
視界の端で彼女のショートヘアが、ほよほよと泳いでいる。
21: 以下、
そんなエンジェル幼さんを見ていると、ふと、ある考えが頭をよぎる。
このまま、彼女を自分のものにしてまおう。
ハッ!
僕は何を考えているんだ!
この人は、ナイスガイ男君の大切な人。
なにより、そんなことをするのはナイスガイの道を外れる!
ナイスガイを目指す僕にそんなことはできない!
そんなことを考えていると、裾をくいくいと引っ張られらた。
「怖い顔してるよ?」
「わ、私と帰るの、そんなにイヤだった?」
エンジェルが、瞳を潤ませながら、僕の顔を見上げている。
こんなエンジェルと帰れることがイヤな訳あるか!!
僕は慌てて、イケメンスマイルを作り、エンジェル幼さんに答える。
その日はなんとか、自分の中の悪魔を押さえながら、エンジェル幼さんと帰った。
22: 以下、
次の日。
ナイスガイ男君の態度が明らかにおかしい。
僕と目を合わさない。
挨拶をしても
「あぁ…」
としか、答えない。
エンジェル幼さんにも同じ態度だ。
エンジェル幼さんも、そんな態度に少なからずショックを受けてるようだ。
…もしかして、やり過ぎた?
しかし、昨日のあの優しい目はなんだったのだ?
授業中、その事だけを考えていた。
しかし、あの、ナイスガイ男君がここまで、変わるとは。
嫉妬とは恐ろしい。
23: 以下、
昼休み。
いつもの用に男三人で食べようとしたら、フィクサー友から止められた。
なんでも、エンジェル幼さんが、お弁当を作ってくれているらしい。
おぉ、エンジェル幼さんも動いたようだ。
24: 以下、
これで、ナイスガイ男君も疑いが晴れる!
…ちょっと、胸がいたいけど、ナイスガイになるためだ!
それに、友のため!
こういう時、ナイスガイはニヒルに笑うのだ!
僕もニヒルに笑おう!
25: 以下、
…へ?
お弁当って、僕に?
イヤイヤ、そこはナイスガイ男君に渡す所だよ?
ここで、手作り弁当を渡されたら、大概の男は落ちるはず!
おい、フィクサー!
君も笑ってないで、止めないか!
「た、食べたくにゃい?」
あぁ、エンジェル!
喜んで頂きます!
何個でも頂きましょう!
取り合えず、後で爆笑しているフィクサーにはチョークスリーパーを極めてやった!
26: 以下、
おかしい。
なぜ、僕はエンジェル幼さんと、彼女が作ってくれた、手作り弁当を食べているのだ?
しかも、二人で。
しかも、このお弁当。
うまい!
うまいと可愛いは正義とは、よく言ったものだ。
27: 以下、
話がズレた。
なぜに二人?
フィクサーは何処行った?
ナイスガイ男君には先約があった事は聞いた。
それは、仕方ない。
しかし、なぜ、ここにフィクサーがいない!
こんな事を考えながらも、顔はによによしてしまう。
あぁ、エンジェルと二人で、エンジェルの創ったお弁当を食べている。
「お、おいしい?」
エンジェルが顔を真っ赤にしながら訪ねる。
勿論さ、エンジェル!
28: 以下、
その日、自宅に帰り自己嫌悪に陥る。
僕はなにをしているのだ?
ナイスガイ男君とエンジェル幼さんをくっつけるために、エンジェル幼さんと仲良くしているはず。
今日も、エンジェル幼さんと一緒に帰った。
しかし、この気持ちはなんだろうか。
今も頭の中はエンジェル幼さんの事でいっぱいだ。
…まさか…、僕は…。
いや、それはない!あってはならない!
そうだ、ナイスガイ男君の為だから。
ナイスガイになるためにしている事だから、こうなるのだ!
僕は無理矢理、自分を納得させた。
29: 以下、
心にもやもやを抱えたまま、半月が過ぎた。
その間、僕はエンジェル幼さんと仲良くなった。
ナイスガイ男君とはちょっと、ギクシャクしているけど、険悪ではない。
フィクサー友はなにやら、忙しそうにしている。
そういえば、最近、女さんをよく見るようになった。
ナイスガイ男君と一緒にいるようだ。
30: 以下、
そんなある日。
ん?
あそこに見えるのは、エンジェル幼さん!
最近、エンジェル幼さんの姿を見つけると、心が踊る。
しかし、この時は、見つけるんじゃなかったと、後悔した。
31: 以下、
エンジェル幼さんと、ナイスガイ男君が仲良さそうに話している。
あぁ、なんだ…。
うまくやってるんじゃないか…。
あんなに、楽しそうに、いや、幸せそうに話せてるじゃないか。
もぅ、僕の役目も終わりなんじゃないか。
僕の心のもやもやは晴れたけど、すごい、胸がいたい。
あれ?なんで、こんなに泣きそうになるんだろ…。
無性に叫びたい気分だ。
32: 以下、
「おぅ、暇か?」
何処かのドラマのようなセリフを言いながら、フィクサー友が現れた。
僕の顔を見るなり、フィクサー友は僕の体を支えてくれた。
余程、ひどい顔をしていたらしい。
情けない、ナイスガイには程遠い…。
33: 以下、
僕は慌てて、フィクサー友にイケメンスマイルを見せる。
…彼には通用しなかった。
事態を把握した、フィクサーは慌てて、1枚のチケットを渡してきた。
「このチケットを持って、この日曜に遊園地に行け!」
フィクサー友の剣幕に押されて、チケットを受け取ってしまった。
なんなんだ、このチケットは?
34: 以下、
日曜日。
フィクサー友に言われるまま、遊園地に来てしまった。
あの日から数日間、脱け殻のように過ごした。
その間も、フィクサー友が忙しく声をかけてくれた。
エンジェル幼さんとは、挨拶ぐらいしか会話をしていない。
…辛い。
35: 以下、
そもそも、なぜ、遊園地なんだ?
しかも、入口で待ち合わせとは。
まるで、デートじゃないか。
しかし、相手はどうせフィクサー友だろう。
男二人で、遊園地とは。
虚しい。
ん?向こうから来るのは。…ッ!
あの姿はエンジェル幼さん!
ヤバイ!顔が自然に笑顔になる!
あぁ、エンジェルだ!エンジェル幼さんが目の前にいる!
36: 以下、
「お、おまたしぇ///」
例のごとく、見事に噛んで、真っ赤になる。
しかも、私服。
多少、ふりふりしているが、ものすごく、似合ってる!
はっきり言って、ものすごく、可愛い!
僕は浮かれたまま、遊園地に突入した!
37: 以下、
この遊園地で、エンジェルの新しい一面を見つけた。
エンジェル幼さんは、心霊の類いが得意らしい。
さっきから、お化け屋敷を繰り返し入っている。
僕?
だ、だだだ大丈夫さ!
こ、こここ恐くないさ!
お化けなんてウソさ♪
ガタン!
ギャー!ごめんなさい!ウソつきましたぁ!
38: 以下、
遊園地で楽しい時間を過ごした。
ナイスガイ男君とどう?
恐くて聞けなかった。
けど、エンジェル幼さんが傍にいる。
それだけで、僕は満足だった。
39: 以下、
日も傾いてきた時、エンジェル幼さんが、観覧車に乗りたいと言い出した。
二人で観覧車に乗る事になった。
「きれいだねぇ」
こんな、幸せな時間があるとは。
どんどん、高くなる。
40: 以下、
頂上に近付いた時、夕日が僕達が乗ったゴンドラを照らす。
「ふぁ?、きれいだねぇ」
エンジェル幼さんの顔を見つめながら、僕は覚悟を決めた。
41: 以下、
「…どうかし…ふぁ!」
僕はエンジェル幼さんを抱き寄せた。
彼女の存在を確認するように、しばらく抱き締める。
幼さん、大好きです。
僕と、結婚を前提にお付き合いしてください。
僕はエンジェル幼さんに告白した。
彼女は僕の腕の中で小さく、けど、確実に頷いてくれた。
42: 以下、
その日。
マイエンジェルと手を繋いで帰った。
幸せの頂点で、僕は、もうひとつの覚悟を決めた。
43: 以下、
後日。
僕はナイスガイ男君を屋上に呼び出した。
屋上に行く途中。
とんでもない話を耳にした。
「男君って、女と付き合ってるんだって!」
「しかも、男君から告白したらしいよ!」
なんとな!?
しかし、なぜ?
あれ?
これ、なんかへんだぞ?
44: 以下、
屋上に着くと、ナイスガイ男君が待っていた。
色々、考えたが、これしかない!
僕は土下座をした!
『すまない!』
あれ?
ナイスガイ男君も土下座をしている?
しかも、僕のより素晴らしい土下座だ!
流石はナイスガイ男君!
いやいや、違う!
なんだ、これ。
話が見えないぞ?
僕はどんでもない話を聞くことになる。
45: 以下、
ナイスガイ男君が言うには、全て、フィクサー友の企みらしい。
そもそも、ナイスガイ男君とマイエンジェルは想い合うなかでも、男女のそれではなく。
兄妹の関係に近いらしい。
あぁ、だから、あの優しい目か。
納得。
あれ?
なら、あのマイエンジェルと仲良くってのは?
46: 以下、
それは、僕に一目惚れした、マイエンジェルから、フィクサー友が相談を受けたらしい。
んで、考えたのがあれだったらしい。
因みに、女さんとナイスガイ男君との仲もフィクサーが取り持ったらしい。
47: 以下、
そんな話をしていると、フィクサーがやってきた。
僕は、愛と怒りとかなし…違った。
ある意味、感謝を込めてのアルゼンチンバックブリーカーを極めてやった!
48: 以下、
こうして、僕の一連の出来事は終わりを迎えた。
まさにハッピーエンドだ!
将来の妻のため!
僕はこれからもナイスガイへの道を邁進するつもりだ!
49: 以下、
そうそう、今、ナイスガイ男君とフィクサー友への仕返しを考えている。
これは、また、別の機会に語りたいと思う。
マイエンジェルが呼んでるので、このへんで!
おわり
50: 以下、
乙!!
51: 以下、

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