【ジョジョ】ジョセフ「ギャングスターになってやるぜッ!」【SS】【後半】back

【ジョジョ】ジョセフ「ギャングスターになってやるぜッ!」【SS】【後半】


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9:
ブゥウウウウン
ジョセフ「……………………」
ミスタ「……………………」
サーレー「……………………」
ジョセフ(なんでよりによってこのメンバーなんだよッ。)
ジョセフ「おい…ミスタ。後ろからは着けられてねえか?」
ミスタ「あぁ…ネズミ一匹も走ってねえな。」
サーレー「………………」ゴシゴシ
ジョセフたちはヴェネツィアに向けて車を走らせていた。
500:
サーレーとズッケェロがベイビィ・フェイスを倒した後、ボスからメールが届いた。
【全員無事だろうか?
 娘を護衛してくれている事に感謝する。
 最後の指令を送る。
 『アバッキオのムーディー・ブルースをダイニング・チェアーのそばにて10時間以上戻せ』
    以上】
ムーディー・ブルースで10時間戻らせると、そこには幹部のペリーコロさんが現れたのだ。
ペリーコロはブチャラティたちに写真を見せ、写真の場所にあるOA-DISCを手に入れるようにと伝えたのである。
そのDISCにはトリッシュの引き渡し場所が記録されているらしい。
ブチャラティによると写真の場所はヴェネツィアの入口…国鉄サンタ・ルチア駅前。
それを伝えるとペリーコロは自分の頭を撃ち抜き、自殺したのだった。
自分と写真の後始末を自分の部下に任せ、ペリーコロは死んでいった。
501:
ドアアアア
朝もやの中に浮かぶ海上要塞都市ヴェネツィアッ!
本土からこのあまりにも有名な街に車で行く方法は一本の道路だけ。
浅瀬の海にかかる3.5kmのリベルタ橋を渡ることになる。
橋と平行して鉄道鉄橋が左側に走っており、駅は橋を渡り切ったところッ。
つまり、ヴェネツィアの入口にある! 車で行けるのはそこまで! 目的はDISCの入った像はその駅前広場にあるッ!
ミスタ「依然敵の姿はなし……こりゃあ逃げ切ったか?」
サーレー「油断するのにはまだはえーよ。油断したら一瞬で殺されるぞ?」
ミスタ「…誰が殺されんだ?」
サーレー「お前だよ。そこのお、ま、え。」
ミスタ「ナニィ?? お、ま、る? 残念ながらお子ちゃま用のおまるは持ってきてねーんだ。トイレは我慢しなちゃいよ僕ちゃん。」
サーレー「なんだとッ!?」ザバッ
ミスタ「ここで決着つけるかッ!!」ガバッ
502:
ギョギャギャギャギャ
グアシィン
ジョセフ「おっと!」
車が突然ブレーキをし、サーレーは窓、ミスタは前の椅子の頭にぶつかった。
ミスタ「お…おいジョセフッ! なんて運転をしてんだよ! 本当に免許持ってんだろうなッ!!」
ジョセフ「お…おっかしいな…? 何もねーとこでスリップしやがった………タイヤがオカシくなっちまったか?」
サーレー「イテテテテ……ジョセフに運転を任したのが間違いだったな………体がいてーぜ…」
ミスタ「?」
ゴオオオ
ミスタ「…………サーレーの顔の横に張り付いてるのは何だ? こっからだとよく見えねえんだけど…」
サーレー「へ? オレの横? ちょっとまてよ…」
グイグイ
サーレー「アレ? か…顔が窓から離れねー……」
ゴゴ
ミスタ「? なんだありゃあ???? あれは…………………あの形は……ゆ………び……だよな……………?」
ゴゴゴゴゴ
クルッ
ミスタ「俺の指じゃあねえ……だとしたらあの指は…………」
サーレー「オレの………指………?」
503:
ジョセフ「チクショー! 窓が曇ってて前が見えねーよッ! 少し窓開けるぜ。」
ズッ
ドバ
ビュウウウウウ
ジョセフ「な…なにィ!?」
窓を開けると、突然冷たい突風が流れてきたッ。
ジョセフは急いで窓を閉めようとしたが、窓が凍っていて閉めるのは不可能であった。
バシン
ジョセフの顔に写真が張り付いた
ドドドドドドド
?「時間がかかったぜ。10数台の車を盗んで逃げられた時はもうおまえらを見失ったと思ったが…………」
?「残るおれの仲間が幹部ペリーコロを追っていたのでかろうじておまえらの行き先がヴェネツィアと言う事だけつきとめられた……」
?「ペリーコロは自殺死体だったが……やつのそばに落ちてた焼いた写真の灰をコンピュータで解析されるのはそうムズかしいことではなかった。時間はかかったがな…」
ベコン
バコン
ボコン
?「ヴェネツィアが目的地なんだな…!?」
504:
ジョセフ「て…敵だッ! 敵が今真上にいる!」
?「亀はどこだ? 亀はどこにいるんだ?」
?「まさか…! きさまら別行動をとっているのか!!」
?「しかし…そこまでしてあそこの場所に行こうとしてるって事は…そこには大事な何かがあるんだよなー? そんだけ用心してるって事はよーッ。」
?「写真の場所をじっくりと探せば……」
?「見つかるかな?」
?「てめーらを始末した後でよ…………」
ベコッ
ベコッ
ジョセフ「ミスタ今だッ!!」
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン
ボッ
ドゴドゴドゴドゴッ
ボゴッ
ミスタ「こんだけ撃ちゃあ命中してんだろ。」
505:
ピストルズ全員「!?」
ビシッ
?「野球のポジションってよォ………………」
?「一塁はファースト、二塁はセカンド、三塁はサードっていうよなァー? それは分かる。」ビキッ
?「でも遊撃手の事はみんなショートって呼ぶんだよォーーーーー。時にはショートストップとか言ってよォ。」グオア
?「でも何で遊撃手だけ数字から離れてんだよォォォォッ! それだったら無理して作らなくていいじゃあねーかァァァッ。」ビシッビキッビキッ
?「そんなの納得いくかァーーーーおい? オレはぜーんぜん納得いかねえ……」ドガッ
?「なめてんのかァーーーーッ。このオレをッ! 遊撃手なのにショートって呼ぶのも英語としておかしいっつうのッ! ボケがッ!」ガスッガスッ
ピストルズ2「コ…氷ヲ身ニマトッテ屋根ニヒッ付イテイルゾッ!!」
ピストルズ3「ヤツノトコロマデ弾丸ガ貫通シナイッ!」
506:
ビビビ
ピストルズ5「ヤ、ヤバイーっ。オレタチマデ凍ッテクルゾ。ニゲロッ!!」
ピシィ
ピストルズ2「ウワッ!」
ピストルズ2「ウワアアアーッ。タ…助ケテクレッ!」
ピストルズ3「ナ…No.2!!」
ピストルズ5「行クナァーッ!」
ピストルズ2・3「ウワアアアァ!」ビビビ
ピストルズ1・5・6・7「No.2、No.3ーーーーッ!」
サーレー「!!」
ピストルズ5「ミスタッ!」
ビューー
ミスタ「か…風が冷てェッ。」
507:
ジョセフ「これがやつの能力かッ! オレの体が凍ってきた…ぜ……」
ジョセフ(おそらくだが、外の気温は北極並に寒くなってやがる………それが今、天井に穴を空けたことによって車内に冷たい冷気が流れ込んで来たんだ。)
ジョセフ(ブレーキを踏み込んで車を止めてーところだが…ブレーキまで凍ちまってる………)
ジョセフ(ジョースター一行最大のピンチだなこりゃあ…!)
ミスタ「鼻の穴まで凍ってきてる……このままじゃ…………息が………」
バコ…
ジョセフ「よし…」
ジョセフ「サーレー……もう大丈夫だ…………」
?「何が大丈夫なんだァーおい? お前らはもう少しで窒息死するってのよォーーーーッ!」
サーレー「うるさい………もう少し離れた場所で言ってくれ………」
サーレー「『解除』…………」
バコン!
ドグァア
サーレーが解除と言った瞬間、車の屋根が外れた。
?「おああああ。」
ドッガァーン
ジョセフ「オレのスタンドで屋根を少しずつ切り取ってたのに気づかなかったか? このオタンコナスッ!」
サーレー「ジョセフの意図は何と無く分かっていた…………わかりたくもなかったがな……………」
508:
バァァァァ
サーレー「ちっ…やつが離れた瞬間に血が出てきやがった。こればっかしは痛いな…おい!」
ゴロゴロ
シャキン
シャキン
シャキン
ドーーーーーーン
ミスタ「ヤロー…………ああやってこの車に乗り移って来たのか…!」
サーレー「しかもスタンドを身にまとう………おい…あんなタイプのスタンドはみたことがないぜ。」
ミスタ「追ってくるぞッ。ここはひとまず喧嘩は休戦だッ!」
?「チェッ!! まさかサーレーのやつがブチャラティ側についてたとは…しかし逃がさねぇ……駅前にある品物はこのギアッチョが必ず手に入れる………」
ドンドンドンドンドン
ボコボコボコ
ミスタ「どんだけ撃っても体まで辿りつかねぇ。サーレーのスタンドよりタチが悪いぜ。」
サーレー「………」
509:
サーレー「おいジョセフ。このまま逃げ切れそうか?」
ジョセフ「いや、間違いなく追いつかれるな。ミスタが一瞬よそ見してる間に屋根の上に登ったって事はやつは相当なスピードだってことだ。」
ジョセフ「んでもって今は屋根がねえ。敵にとっては好都合だぜ。」
ミスタ「冷静に解説してる場合かよッ! 早くなんとかしねえとすぐ追いつかれるぞッ。」
ギアッチョ「おまえらはこの先のS・ルチア駅に到着することは決してありえねーッ。」
ガァーン
ガァーン
ガァーン
ギアッチョ「てめーの弾丸ごときでは撃ち抜けねエーッて言ってるだろーがよォー!」
ミスタ「屋根のNo.2もNo.3も戻れ。」
ズギャン
ギアッチョ「!!」
ピストルズ2・3「イイイーーーーハァーーーーッ!」
ギャン
ガギ
ガギ
ミスタ「キスでもしてんだな………スピードがついてる分だけ道路さんに熱烈なヤツをよォーーーーッ。」
ドバッ
ギアッチョ「うおあ!」
メシャ
ドガァーン
ピストルズ全員「やりィーーーッ!」
ミスタ「このまま飛ばせジョセフ! 敵に追いつかれねーようによ。」
510:
ビシビシビシビシ
3人「!!」
サーレー「あ…あいつ…! 車から出ている水滴を凍らせてロープみてえーにしやがったんだッ!」
ミスタ「どんな温度で冷やせばそんなこと出来るんだよッ。」
バギャン
ドガッ
ミスタ「あいつトランクを開けたぞ…」
サーレー「! ジョセフッ! 急いでブレーキを踏めッ! さっきみたいに凍る前にッ!!」
ギアッチョ「言うのが一足遅かったなサーレー!」
ジョセフ「ブレーキが間に合わねーなら………こうしてやるッ!」
ギギギギギ
ジョセフはドリフトでギアッチョを振り落とそうとするッ。
しかし、それでもギアッチョは落ちない! 体を車に氷で固定しているからだ。
それでもジョセフは必死にドリフトをするが…
ギギギギギ
ミスタ「!! おいジョセフ! 前…前を見ろッ!!」
ジョセフ「え。」
サーレー「そっちは川だッ!! ハンドルを回せッ!!」
ガゴオオオン
ジョセフ「やっぱりこうなるのね…」
ビシャアアアン
511:
ビチャッ
ビチャッ
ミスタ「危なかった……おまえがイスを空中に固定してなかったら今ごろ水中だったぜ。」
サーレー「こういう時に頭の違いが出てくるんだよ。」
ミスタ「…あれ? ジョセフはどこだ。それにあの氷野郎も………」
サーレー「あ……そういえばジョセフのイスだけオレ触ってなかったな。」
ブクブク
ジョセフ(な…なんでオレだけ水中なんだよ………神様は薄情だぜ……)
ジョセフ(……意外と陸は近いな………泳いでいけるかもしれねーな……)
ジョセフ(あいつがいなければな……)
ギアッチョ「まずはおまえから殺してやるぞ新入りのジョセフッ!」
ジョセフ「しつこい野郎だぜ……」
ジョセフ(ただ…頭を冷やしたせいか、やつを倒せる可能性は見えてきた……いっけん全ての攻撃が通じないようにみえるが、一つ…一つだけあいつには疑問がある。)
ジョセフ(それはあの野郎がどうやって息をしてるかだ………どこかに空気を出す穴があるはずだ………そこがやつにとっての弱点なはずだ。)
ジョセフ(そして今…その弱点をオレは見つけたぜ!)
512:
ギアッチョ「死ねッ!」
ジョセフ「ハーミット・パープルッ! オレを陸まで引っ張り上げろッ!!」
シュル
シビシビ
バッサア
ミスタ「お! やっと上がってきたかジョセフ。」
サーレー「DISKはすでに回収したぞ。早くあいつを倒す………」
ギアッチョ「それが例の品物か?」
ミスタ・サーレー「!!」
ミスタ「セックス・ピストルズッ!」
ドォーン
ドォーン
ドォーン
ギアッチョ「まだ言ってなかったが、オレは弾丸ぐらいなら氷のバリアで弾くこともできるんだ。つまり! オレは無敵だ!」
グイーン
ドグオオオン
サーレー「ウブッ!」
ミスタ「グアッ。」
2発の弾丸は2人に命中し、残りの1発は街灯の棒に当たった。
513:
ザッザッ
ギアッチョ「これが例の品物……これでボスの居場所が分かるってことだな。」
ギアッチョ「おまえらはおれに勝てやしない……そうだろ?」
ジョセフ「ブッブー! 不正解でーす!」
グワア
ジョセフはギアッチョの首の後ろにある穴に向けて氷の破片を刺そうとする。
クルウン
ガシーン
ジョセフ「!?」
ギアッチョ「自分の弱点ぐらい把握してるんだよ。」
するとギアッチョは氷のトゲを作り、ジョセフの腹にそれを刺す。
ジョセフ「うわっ。」
ジョセフは腹に刺さる寸前で氷のトゲを掴んでいた。
ジョセフ「う…やべ……手が冷たい………」
ギアッチョ「そろそろあの世に行きな……新入りのジョセフ………」
ブズザアア
ズブ
514:
ギアッチョ「……………………」
サーレー「ターゲットの急所に命中………寸分の狂いもなく………な。」
ギアッチョ「サーレー………おまえか……………」
ギアッチョ「オレに何をした………?」
ジョセフ「ちゃんと見てたようだな。オレさまが考えた突破口を…」
サーレー「さっきも言ったが、これが頭の違いってやつだ。」
ミスタ「言っとくけど、オレがきづいたんだからな。」
ギアッチョ「お………おまえ…………ら………」
ギアッチョ(刺さってるのは……棒…? ……………これは街灯を支えている棒と同じ素材か………)
ギアッチョ(……オレが弾いた弾丸が……街灯の棒に当たって棒がささくれみてーになってたのか………それを今オレの首に………)
グサッ
ギアッチョ「!……………」
サーレー「よし! やつの空気口に棒を突き刺してやったッ。」
ミスタ「いくらやつと言えど、首を刺されちゃあ息は出来ねえはずだッ。」
ギアッチョ「………………………」
ダッダッ
ジョセフ「さあ、早いとこDISKを奪ってブチャラティたちと合流しようぜ。きっとあいつらオレに会いたくてウズウズしてるはずだからなッ!」
ジョセフ「そんじゃま、DISKは頂いていくぜ………」
ゴゴゴゴゴゴ
515:
スッ…
ジョセフ「!」
ジョセフ「あ…あれ?」
ミスタ「どうしたジョセフ?」
ジョセフ「い…今………こいつの手が動いた気がしたんだが…………気のせい……だよな?」
ゴゴゴゴゴゴ
ギアッチョ「……気のせいじゃあねーなァ?????…それは。」
ジョセフ「ゲッ! こいつまだ生きてやがるッ!?」
サーレー「そんなバカなッ! 空気口にしっかりと突き刺したはずだぞ。」
ギアッチョ「空気を凍らせれば全ての動く物体は止まる……それはオレにダメージを与えることへの可能性を全否定することになるんだぜ。」
ギアッチョ「つまり、おまえらはオレに攻撃を与え、倒すことは不可能ってことなんだよッ!!」
ジョセフ「!! サーレーッ! そこから離れろッ。」
サーレー「あ…?」
ミスタ「No.5、No.7ッ! 急げッ!!」
ドォーン
ピストルズ5・7「イイイーーーーーハァーーーー!」
スボオオン
516:
ギアッチョ「くらえッ!!」
ギアッチョはサーレーに向かって尖った棒を投げた!
カン
だが、その棒に偶然ミスタがギアッチョに向けて撃った弾丸が当たり、サーレーの急所を避け、脚に刺さった。
ズブゥサア
サーレー「!!……」
ミスタ「な…なにィッ!」
ジョセフ(た…助かった………もし、ミスタが撃った弾丸が棒に当たってなかったらサーレーは確実に死んでたぞ。神様ってのはいるんだなやっぱり…)
ジョセフ(まだツキはこっちにあるみてーだ…)
ミスタ「す…すまねえサーレー。わざとじゃあねーからな。」
サーレー「…………………」
サーレー「……こんな棒………もう必要はない…!」
ズボッ
ポイッ
ジョセフ「!! 危ねッ!!」
ガシッ
ジョセフ「おい! 危ねえなサーレーッ! 物を投げる時は周りを確認してから投げろッ!」
ポイッ
517:
ミスタ「つ…次こそは……絶対に倒す…!」
サーレー「さっさと撃っちまえッ。トロトロ遅いぞ!」
ミスタ「…………分かってる………」
ギアッチョ(やつらは追い詰められて焦ってるに違いない。その証拠にチームワークが乱れてやがる。こりゃあ仲間割れを起こすのも時間の問題だな。)
ドォーン
ボゴォッ
サーレー「な…んだと………?」
ミスタが撃ったのはギアッチョではなく、サーレーだった。
その弾丸はサーレーの右腕に当たった。
ミスタ「おまえのことは前から気に入らなかったが…もう我慢の限界だぜ…………」
ミスタ「オレに指図すんな…イライラすんだよ。」
サーレー「て…てめー……………」
ジョセフ「おいおまえらッ! 喧嘩してる場合かよッ! 今はギアッチョを倒す事に集中しやがれッ!」
ミスタ「そいつにはもう敵わねえ…無敵ならどうしようも出来ねえよ…」
ミスタ「それなら…死ぬ前にこいつだけは始末する…それでオレは満足だ。」
518:
ジョセフ「ふざけるのもいい加減にしろ! オレたちは仲間なんだぜ?」
サーレー「仲間仲間うるせえんだよ! オレは一度もおまえらを仲間だなんで思ったことはねえよ…おい。」
ギアッチョ「最後の最後に仲間割れをするか……理解出来ねえな。」
ギアッチョ「ま、オレが攻撃しなくても死んでくれるなら見届けてやるぜ。」
ジョセフ「いい加減にしろよッ! オレもそこまで気は長くねェーッ。喧嘩をやめないなら攻撃するぜ?」
ミスタ「やってみろよ?」
サーレー「やれるもんならな………え?」
ゴゴゴゴゴゴゴ
3人はギアッチョを中心にして三つ巴になっていた。
だが、それは偶然ではない。
偶然ではなく、それは3人がわざとそうなるように仕向けた陣形であった。つまり必然的にそうなったのだ。
519:
ミスタ「セックス・ピストルズッ!」ドォーン
サーレー「クラフト・ワークッ!」バッ
ジョセフ「ハーミット・パープルッ!」シュビッ
3人は一斉にギアッチョに攻撃したのである。
ギアッチョ「なにィィィィィッ!?」
ギアッチョ(そんなバカなッ! こいつらの仲間割れは演技だったのかッ! それにしては感情がこもりすぎていたぞッ。)
ミスタ(今すぐにでもサーレーは殺してぇーぐらいムカつく野郎だが…今はそいつよりもムカつくやつが目の前にいるからな………)
サーレー(後で決着をつけるがな…)
ジョセフ「オレの作戦に気づくとはおまえらなかなかやるじゃあねーかッ!」
ジョセフ(三方向からの攻撃ならどれかはダメージを与えられるハズだ!)
520:
ギアッチョ「とでも思うと思ったかこのボケがッッッ!!!!!!」
ビキッ
ビキビキビキビキ
ジョセフ「ナッ!!」
ジョセフの左腕が凍る
ミスタ「グゥアッ!!」
ミスタの弾丸が跳ね返り、ミスタに着弾。
サーレー「ヒグッ!」
サーレーの右手が凍り、ヒビが入る。
ジョセフ(う…腕が凍ってるッ!! ていうか3人の攻撃を全部防いだだとッ!? 化け物かよあいつ!!)
ジョセフ(このまま攻撃したら腕がなくなっちまう……ここは一旦離れねえと…!)
ミスタ(くそッ…! さっき弾き返された弾丸が思ったより痛いな…………足がフラフラしてきた………勝手に足が後ろに下がっちまう…!)
ギアッチョ(オレに勝てるハズがないというのが理解できたようだな。それが正解だ。あとはオレがこのDISKを持ち帰れば完璧だ。)
ザッ
ギアッチョ(おっと! その前にこいつらを始末しとかねぇーと完璧じゃあねーなァ?……………)
521:
ザッザッ
ギアッチョ「ン?」
クルゥン
ゴゴゴゴゴゴゴ
サーレー「そのDISKは…おまえの物じゃあねえ………持ち帰るのはオレらだ……さっさと離しな…」
ギアッチョ「おまえ…自分の体を見て勝つのは無理だって分からねえか? おまえはオレに対抗できる力は残ってない。オレに説明させんなよ。」
サーレー「それはどうだろうな…あ?」
ガシッ
ギアッチョ「…オレを掴んでどうするつもりだ?」
サーレー「もちろん………倒すつもりだ………しっかりとな……」
ギアッチョ「…………………」
522:
ギアッチョ「はぁああああああああああああああああ??????????。」
ギアッチョ「分からねえかな?………オレがよォ………おまえを凍らせるぐらい簡単だってことによォーーーーーーッ!!」
ビシ
ミスタ「サーレー!」
サーレー「分かってねえのはおまえだよ。」
ギアッチョ「ああん?」
サーレー「オレの能力をしっかりと把握しとかねぇーとなー………」
サーレー「『解除』だ!」
ビュシュッ
ボゴォッ
ギアッチョ「な…なんだとォォォォォォォッ!?」
サーレー「オレの腕にはミスタ様が恨みを込めて撃ってくださった弾丸が残ってたんだよ…勢いはそのままでな…………」
ギアッチョ「ぐぐぐ…それがどおした! これぐらいではかすり傷と同じだ!!」
ミスタ「クソッ! サーレーの弾丸はやつの首に届いていねぇ!」
523:
ビシビシ
サーレーの体が一瞬のうちに凍っていく
ミスタ「ヤバイぞッ! サーレーの体が半分まで凍っちまったッ。もうサーレーの意識が…………」
サーレー(……………………)
サーレー(………トリッシュさん…無事にボスに…………会ってくださいよ……ブチャラティたちなら……ちゃんと会わせてくれますから………)
サーレー(最後に………恋したのが……………あなたで良かったです…………)
サーレー(さような…………ら…………)
ドグサァァァァァァ
ギアッチョ「!!」
ビシャアアア
トビュッ
ドヒュッ
ギアッチョ「な…なんだ……?」
ジョセフ「いや?…なかなか位置を調整するってのも難しいんだなサーレー。」
サーレー(ジョセフ………?)
524:
ギアッチョ「オ…オレに………何をした…ジョセフッ!!」
ジョセフ「おいおい! あんまり喋ると首を貫通して刺さってる棒がどんどん刺さっていくぜ。」
ギアッチョ(こ…こいつ………は何を……言っているんだ?)
ギアッチョ(この棒は………なんだ……? おれの目の前にあるこの棒は?)
ジョセフ「気づかなかったか? さっきサーレーが掴んだ棒をオレが上に放り投げて、その後に棒が落ちる音を聞いたやつはいないはずだぜ?」
ミスタ「! そういえば確かに音が聞こえなかった。」
ジョセフ「それはオレがおまえの上で棒が固定されるのを待っていたからだ…ハーミット・パープルが持ちながらな。」
ジョセフ「そしてこの棒はサーレーが自分の右腕に着弾した弾丸を固定した時に一緒に固定されていたんだよ。おまえの真上でな。」
ジョセフ「それからオレは解除されるまでずっっっっと地道な調整をしてたんだ……おまえにバレねえかヒヤヒヤだったぜ。」
ギアッチョ「ぼ…ボケが…………!」
525:
ちょうど、その時、朝日が昇ってきた。
ジョセフ「もう朝日か………眩しいぜ。」
ジョセフはギアッチョに背をむけた。
ギアッチョ「………………」
シャキン
ギアッチョ(戦いで背中を向けるのは敗北を意味している………バカめ……おまえだけでもオレが始末してやるッ!)
ギアッチョ「死ね…ジョセフ………」
グンアアア
ジョセフ「そのまま目を瞑ったままなら………何もしなかったのになァーーーーッ!」
ジョセフ「『ハーミット・パープル』ッ!!!」
ボコ
ギアッチョ「グハッ!」
ジョセフ「まだまだこんなもんじゃあねー…」
ボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコ
ギアッチョ「ゥェ…」
ジョセフ「おまえには暗闇がお似合いだぜ。」
シュアアア
ボッチャアン
バアーーーーン
ギアッチョは海の中へと沈んでいく。
その後、2度とギアッチョの姿を見た人はいなかった。
526:
ジョセフ「DISKも無事回収成功ッ! これでボスの居場所が分かるぜ!」
サーレーの体が元に戻っていく。
サーレー「……………………」
ミスタ「おいサーレー。」
サーレー「………あん?」
バッ
ミスタはサーレーに手を差し伸べる
サーレー「なんの真似だ?」
ミスタ「早く手を貸せッ。立てねえんだろッ!」
ガシツ
サーレーの手を握ったミスタはサーレーに肩を貸し、歩いてく。
サーレー「何を企んでる?」
ミスタ「何も企んでねーよ。」
ミスタ「…ジョセフのやつはまだピンピンしてるから、あいつに傷口を治してもらうだけだ。あいつは波紋とかいうのでオレたちの傷を治してくれんだ。」
サーレー「…不思議なやつだな……………ジョセフは。」
ミスタ「あぁ…」
ミスタ(前から思っていたが……ジョセフ…いや…ジョジョはブチャラティと似た覚悟をもっている気がしてならない…………オレたちを命をかけても守るという覚悟が………普段はふざけた野郎だが、ここぞいう時にやつはいつも仲間を助けてくやる………おれはどこかで………ジョジョがチームに入ってくれたことに感謝している…! あいつがいなければオレたちはここまで来れていない気までしてくる………)
ミスタ(ジョジョがオレたちを守るってことはやつはオレたちを信用してるってことだ………それなら…………オレもジョジョを信用してやらねえとな。)
ミスタ「あ! あと、これは貸しだからな。いつか返せよ。」
サーレー「…勝手にしろ。」
ミスタ「……あとな…」
サーレー「なんだ?」
ミスタ「どうやらオレも限界みてーだわ…」
バタリ
二人は力尽きるように倒れる。
ミスタ「もう立てねえぜ………」
サーレー「だったら格好つけてオレを運ぶなよ………」
527:
ダッダッ
ジョセフ「てことは…ここでオレの波紋が役に立つってわけだな!」
ミスタ「お前は元気すぎるだろ。」
ジョセフ「俺の波紋で少しだけ傷を治してやる。傷跡を見せてくれ。」
サーレー「好きにしてくれ。」
ジョセフ「うわ……サーレーの傷は結構深いな…ちゃんとした治療はスピードワゴン財団にやってもらえよ!」
ジョセフ「これ以上旅を続けるのは危険だ…あとはブチャラティに判断して………」
サーレー「そんなことしなくても自分で分かる。この状態でおまえらのチームにいても役立たずだからな。おとなしく入院させてもらうぜ。」
ジョセフ「そうか。それなら治療を始めさしてもらいましょうか!」
シュル
ミスタ「! お…おいジョジョ! もうちょっとゆっくりやってくれ! こしょばいからよ。」
サーレー「そ…そうだ。俺はこういうのに弱いんだ…」
ジョセフ「そんな事言われたらやりにくくなるじゃあねーか!」
ピコーン
ピコーン
ナランチャ「あ! ジョセフだ! おーい3人とも………」ダッダッ
ミスタ「あぁッ! ジョジョ! そこは!! そこだけはやめてくれ!!」
シュルシュル
ナランチャ「!」
ナランチャ「!!」
ナランチャ「!!!」
528:
ジョセフ「ここさえやれば気持ちが良くなるから我慢しろ!」
サーレー「ミスタばかりやってないか! オレはまだ痛いぞ!」
ジョセフ「フゥー…二人相手にするのは疲れるぜ…」
シュルシュル!
ミスタ「ダメだ!! 我慢出来ねえッ!! アハン!」
サーレー「うわ! どこ触ってんだジョジョ!! そこはダメだ!!!」
ブチャラティ「どうだナランチャ。3人はいたか?」
ナランチャ「え! い…そッ…その…あの…い…いえ!」
ナランチャ「あれッ! 急に目にゴミが入った! 見えないぞッ。3人なのかよくわからないぞッ!!」
ナランチャ(…お…オレは何も見ていない見ていない…オレはなぁーんにも見てないぞッ!!)
ミスタ「あ! ジョジョ! そこはダメーーーッ!」
ジョセフ「お前らうるせーよッ!!」
DISKゲット!
本体名ーギアッチョ
スタンド名ーホワイト・アルバム
(死亡)
?to be continued?
536:
『さっそくだが、まず断っておく事がある。このDISKに入力してある情報は君たちがネアポリスの町から列車に乗った時点で入力したものである。』
『したがって追っ手があと何人残っているのか? 君たちのチームがこの任務における戦闘において何人失ったのか。現時点でのわたしには知る由もない事をまず断っておく。』
『そしてこのDISKの情報は娘と安全に出会うための方法であり、君たちへの最後の指令である。』
『なお……これから述べる指令と少しでも違った行動を君たちがとることは決して許されないということも断っておく………………』
『もし、誰かが指令と違った行動をとったのなら、たとえそれが偶然の事故であったとしてもわたしは“それを悪意ある危険信号とみなす”。わたしと娘が安全に出会うことが非常にむずかしくなるからだ!』
『それでは指令を述べる!』
ピピピピピ
ピピピ
537:
『これより君たちが向かうのはサン・ジョルジョ・マジョーレ島!! たったひとつの教会のみある島でそこにはたったひとつの大鐘楼がある!』
ドドドドドド
『娘を連れてくる場所はその塔の上ッ! 塔の上に娘を連れて来た時点で終了するッ!』
『指令?
 塔には階段はなく、現在エレベーター一機のみで塔上に登ることができる! エレベーターに乗るのはトリッシュと護衛ひとりのみである!』ピコーンピコーン
『指令?
 護衛の者はナイフ・銃・携帯電話等あらゆる物の所持を禁止する!』
『指令?
 島にはこのDISKをゲットしてから15分以内に上陸しなくてはならない! なお、このDISKには発信機がついており、ライオン像からDISKが移動していることはすでに確認している。』
『指令?
 他の者は船上にて待ち…上陸を禁止する!』
ナランチャ「あの塔の上に今…ボスがいるのかァ…………」
フーゴ「ものスゴく用心深い…だが、ああじゃなきゃあ組織のボスなんかやってらんねーんだろーがな。」
538:
アバッキオ「しかしま、オレたちの任務もここでおわりだな。2人除いて全員無事だったしよォー。よかったってところか?」
ミスタ「かろーじてだったがなあー。オレもうヘトヘトだぜ。これからこのヴェネツィアで何日か遊んで帰ろーぜ。オレたちの街ほどじゃあねーが、ここも飯がうまいそうだ。」
ジョセフ「それは聞き捨てならねーなァ。飯が美味いんだったらたらふく食わねえとな!」
ナランチャ「ここ料理美味いの? 何があんの? どんな料理?」
ミスタ「ピザはダメだが、イカスミのパスタとかよ、毛ガニのサラダだろ。チブリヤーニホテルのカルパッチョって生肉料理は絶品らしい。」
フーゴ「ほんと2日間の任務ろくな食事とってませんからね。特にジョセフが作ったグラタンはスープになってましたからね。」
ジョセフ「あれは機材が悪かったんだよ。もっとちゃんとした機材が整った施設なら完璧な料理が作れるぜ。」
ジョセフ「そん時はトリッシュも一緒にパーティーしよーぜ。父親に会えた記念によォッ!」
ブチャラティ「おいナランチャ! レーダーを見張っていろッ! てめーらもまだ気抜いてんじゃあねえッ!」
ジョセフ「おまえらしっかりしろよな。」
539:
トリッシュ「……………………」
トリッシュ「………………………」
ジョセフ(トリッシュが汗をかいてる………普通は涙なんだけどな…………ま、理由はおそらく………)
ジョセフ「おいブチャラティ。その格好で行くつもりか?」
ブチャラティ「なに?」
ジョセフ「ちゃんと正装しねーと…ほら、オレのハーミット・パープルの花でも付けてけよ。少しはマシに見えるぜ?」
ブチャラティ「ジョジョ……」
ジョセフ「そうだよなブチャラティ…?」
ゴゴゴゴゴゴ
ブチャラティ「……そうだな。ジョジョの言う通りだ。バラは見栄えがいいからな。」
ブチャラティ(このバラはジョジョにとって探知機…そして盗聴器になる。もしオレに何かあったらジョジョにはすぐわかるはずだ。絶対に正体をつきとめてやる…………必ず…」
540:
ゴゴゴゴゴゴ
スッ…
ブチャラティ「ボタンは一階と塔上の2個だけだ。直通で他に降りる階はない。」
トリッシュ「あたし…」
トリッシュ「……………………」ガタガタ
トリッシュ「これからどうなるの? あなたたちのようなギャングにいきなり拉致されて命を狙われて……」
トリッシュ「そして、会ったこともない愛情なんかない父親のところに連れて行かれる……………………」
トリッシュ「あたし、これからどこへ行くの?」
ブチャラティ「…………………」
ブチャラティ「ボスは……ただ、君の無事を心配してるだけだ…」
ブチャラティ「君がこれからどうなるのか?…………オレの考えでは多分こうだ…………まず君は違う名前になる。顔を整形するかもしれない。身分も戸籍も違う人になり、オレたちの知らない所で…きっと遠い国で…幸せに暮らすんだよ…」
ブチャラティ「君の父親はそういう力を持った人だ…」
ブチャラティ「さあ…手をかそう。立ってエレベーターに乗るんだ。」
トリッシュ「…」
541:
トリッシュ「不安でしゃがんでたんじゃないわ! 亀の中にずっといたから足がシビレてたのよッ!」グイ…
トリッシュ「………………」ガクン…
ウイイイイイイイ
トリッシュ「あたし……父親の事………」
トリッシュ「好きになれるのかしら?」
ブチャラティ「そんな事を心配する親子はいない。」
トリッシュ「…………」
トリッシュ「そうよね…その通りだわ…………そんな事心配するなんて……おかしいわよね……」
ブチャラティ「それに…父親に会えたらジョジョがパーティーを開くらしいからな。逆に楽しみじゃあないか。」
トリッシュ「……そうね。」
ブチャラティ「着くぞ! 塔上だ…………」
542:
ブチャラティ「!!」
ブチャラティ「トリッシュ!!」
ブチャラティ「トリッ……」
ゴゴゴゴゴゴ
ブチャラティが握っていたのはトリッシュの腕だった。
ブチャラティ「なにィィィィィィッーーーッ! トリッシュ!!!!!!!!!!」ドギャア
ドドドドドド
ブチャラティ「まさかッ!」
ブチャラティ「そんなッ! まさかーーーッ!!」
ブチャラティ「まさかッ! ボスはッ!」
ブチャラティ「自分の正体を完全に消し去るために……」
ブチャラティ「トリッシュ!!」
543:
ブチャラティ「オレたちに護衛の任務をさせたのはッ! 自分の娘を確実に自らの手で始末するためなのかァァァァァァァーーーーーーーッ!」
ブチャラティ「吐き気をもよおす邪悪とはッ! なにも知らぬ無知なる者を利用する事だ……!! 自分の利益だけのために利用する事だ…」
ブチャラティ「父親がなにも知らぬ娘を!! てめーだけの都合でッ!」
ブチャラティ「ゆるさねえッ! あんたは今、再びッ! オレの心を裏切ったッ!」ドグシャア
ガハアア!!
ドドドドドド
ブチャラティ「いた…!! どうやったのかは知らんが、やはり塔の下へ…!! トリッシュはまだ生きている。あんたの正体だけを知るつもりだったが…」
ブチャラティ「予定はかわったッ! あんたを始末する! 今ッ!」
ジョセフ「………………………」
アバッキオ「ジョセフ……さっきから汗をかいてるがどうかしたのか?」
ジョセフ「え? ……い…いや…少し熱があるだけだ。寝れば治るさ。」
ジョセフ(……そんな事があっていいのか? いや…あってたまるかよッ! トリッシュの……トリッシュの気持ちをボスは…………どう責任とるつもりなんだよッ………)
ジョセフ(ブチャラティが帰ってくるのを待つ予定だったが…オレも予定変更だ………)
544:
グアッ
ミスタ「! おいジョジョ、どこへ行く気だ? ボスはここで待機って指令だったろ。」
ジョセフ「トイレだよ。トイレ。あの大鐘楼の一階にトイレがあるみたいだからそこでしてくる。」
アバッキオ「ボスの指令に逆らうもりか? 逆らえばそれは組織を敵に回すということになるんだぞ…?」
ゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ「元からオレは組織の一員になったつもりはねえよ。今さら関係のないことだ。そもそもトイレぐらいならボスも許してくれるさ!」
ダッダッ
フーゴ「おいジョセフッ!!」
アバッキオ「あいつはバカだぜ…」
ミスタ「…………………」
ナランチャ「…何食おうかな?」
545:
ダッダッ
ジョセフ(ブチャラティは確か塔の下へ…とか言ってたな……)
キュッ
ジョセフ(だが…エレベーターには下へ行くボタンがない………つまり、隠し通路があるって事だ…………)
ジョセフ(ブチャラティはスティッキー・フィンガーズでとっくに下へ向かってるはずだ……早くオレも合流しねーと………)
ブチャラティ『ジョジョ。聞こえているか。今オレはボスの教会脱出ルートを先回りし! そこでボスを殺るつもりだッ!』
ドシュウウーッ
ビイイイイイ
トン!
ゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ「こっちからはブチャラティに声は聞こえねーか………何かイヤな予感がするな。」ダッダッ
ドドドドドドドドドドドド
ブチャラティ『来るッ! ボスだッ! 階段を降りたッ! 今! やつを殺るッ!!』
ボス「そのまま帰った方がいい…………ブローノ・ブチャラティ………その柱から出たら……おまえは死ぬことになる。」
546:
ドドドドドド
ドドドドドド
ドドドドドド
ブチャラティ『スティッキー・フィンガーズ…………』ガオオオン
ベキィッ
ブチャラティ『うおおおおおおおお!』
ジョセフ「ブチャラティッ!?」
ジョセフ(今! 一体ブチャラティの身に何が起こってるんだッ。ボスと戦っているのか…?………)
ゴツン
ジョセフ「イ!! イテテ…」
ジョセフ「な…なんでこんなとこに柱があるんだ? さっきまでこんな柱なかったのに。」
ジョセフ「あ…あれ? ここってさっきの場所より先のところじゃあねえか?」
ジョセフ「…………………………」
ゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ「………これはヤバイ気がするぜ…!」
ダッダッダッダッ
547:
ブチャラティ「追跡はバレていたのか…当然かな………」
ブチャラティ「だが! 再びまた姿を隠すとは…」
ブチャラティ「どんな正体か知らんが、大した実力ではないと判断するぜ。」
ボス「理由を聞いておきたい………」
ブチャラティ「!」クルッ
ズババババ
キョロ
ボス「どういうつもりなのだ…………? いったい………ブチャラティ……」
ゴゴゴゴゴゴ
ボス「せっかくおまえは命がけの任務を無事果たしたばかりというのに…わたしは今回のおまえの仕事ぶりに尊敬の念をいだいていたのに…」
ボス「信じられない行動だ! 何が望みなのだ?」
ボス「幹部になったのがうれしくってもっと縄張りがほしいと欲がでたのか? それとも自分の実力を過大に評価し、わたしを追い越せるとうぬぼれたのか?」
548:
ブチャラティ「トリッシュが目を醒ましたのなら、父親など最初からいなかったと伝えておこう…」
ボス「…………」
ボス「トリッシュだと?」
ボス「トリッシュがなんだというのだ? 娘の事はおまえにはなんの関係もないッ!」
ブチャラティ「きさまにオレの心は永遠にわかるまいッ!」
ダッダッ
ジョセフ「!」
バッ
ジョセフ(ブチャラティだ………それにトリッシュも………やっと合流できたぜ………だけど…)
ジョセフ(ボスはどこだ? 柱の影に隠れているのか?)
ジョセフ「!」
ジョセフ「ブチャラティ! 後ろの柱にいるぞッ!」
ブチャラティ「そこだーーー!」
ズババババババ
549:
ボス「…………………!!」
ブチャラティ「くらえッ!」
ゴゴゴゴゴゴ
ゴゴゴゴゴゴ
ブチャラティ「柱の…」
ブチャラティ「…影にいたのは…」
ブチャラティ「オレだ!………?」
ドドドドドド
ジョセフ「ど…どういうことだ………?」
ボス「最後だから教えてやろう………そこのネズミにもな…………ブチャラティ……おまえがたった今目撃し、そして触れたものは…………」
ボス「未来のおまえ自身だ。数秒過去のおまえが、未来のおまえ自身を見たのだ。これが我がキング・クリムゾンの能力! 時間を消し去って飛び越えさせた…!!」
ボス「誰だろうとわたしの永遠の絶頂をおびやかす者は許さない。決して。確実に消え去ってもらう。」
ブチャラティ「ガフッ。」
メキ
メリメリ
ズボ
ベギ
550:
ドドドドドド
ビシ…
ボス「………?」
ジョセフ「ね…念のため……」
ジョセフ「念のためブチャラティにバラを持しといて正解だった………というより持たせてなかったら今ごろ………」
ジョセフはブチャラティが胸に付けていたバラのイバラを伸ばし、柱に掴ませてブチャラティを僅かだが、横に引っ張っていた。
そのおかげでブチャラティは腹を貫通されず…脇腹をえぐられるだけで済んだのだ。
ボス「…………ネズミ。きさまか? オレの絶頂を邪魔したのは…………きさまなのか?」
ジョセフ「そ…そんなとんでもない! わたしはここでボスの絶頂を眺めさせていただいてるだけですよッ!」
ブチャラティ(ジョジョ………感謝する………君には助けられてばかりだ………)
551:
ブチャラティ「スティッキー・フィンガーズ!」
ボス「しかし! キング・クリムゾンはすでにッ!」
ドバアアーン
グニウウウウ
ュウウウウ
ウウウウウ
ボス「読める……」
ジョセフ(だ…ダメだ………今のオレたちではボスには勝てない! オレの勘がそう言ってる…!)
ジョセフ(ボスの能力は時間を飛ばすこと………しかも、ボスの姿はまだわからない…だとするとボスにダメージを与えるのは不可能だ……こういう時に取る行動といえば……………)
ドゴオオオ
ブチャラティの左肩にボスの一撃が入る
ブチャラティ「こ……この能力……は!!」
ボス「どんな人間だろうと…一生のうちには浮き沈みがあるものだ。成功したり、失敗したり…………」
ボス「未来という目の前に………ポッカリ開いた落とし穴を見つけ! それに落ちる事がなければ、人生は決して沈む事がない。絶頂のままでいられる。わたしは!………」
ボス「そうじゃあないか? え?」
ブチャラティ(クソ………立ってる気力が………もう………)
552:
ドシャアア
カツーン
カツーン
ボス「ネズミ……きさまは後で始末してやる………今は黙って隠れていろ。」
ジョセフ「……………………」
カツーン
ボス「わかる……実際に会ってみて……やはりたしかにわかる。」
ボス「説明はなくてもこのわたしと血のつながっていることが…たしかに実感できるッ! 我が娘であるという事が…直感で完全にな…」
ボス「…と…言うことはつまり!! おまえも意識のある時ならこのわたしに同じ事を感じるという事だ!! わたしの正体を感じる者はこの世に存在してはならないッ!」
ゴゴゴゴゴゴ
ブチャラティ「う…」
ブチャラティ「トリッ…シュ。」
ボス「わたしをおびやかす落とし穴はふさがねばならないッ! 今! この血の流れは断ち切るッ!」ドドドドドド
ブチャラティ(今だけでいい…! 今だけ体を動かせてくれッ!)
ボス「命はもらったァーーーーーッ!」ドガオオ
ブチャラティ「トリィイイイイイイイイイーーーッシュッ!」
553:
ビシッ!
ボスの手にイバラが巻きついている。
ボス「な!!?」
ボス「なにィ??!!?」
その先を辿ると…
ドドドドドド
ジョセフ「ハローボォ?ス!………ネズミネズミってうるさいんで自己紹介しにきたぜ!」
ジョセフ「オレはこれからあんたを倒すことになっているジョセフ・ジョースターってもんだ。よろしく頼むぜ。」
ゴゴゴゴゴゴ
ブチャラティ「ジョジョッ!!」
ボス「ネズミ………いや…ジョセフ………きさまはわたしを怒らせたことに気づいていないようだな………」
ジョセフ「ボス………あんたもオレを怒らせてるんだぜ? お互い様だな…」
ボス「…………………………」
554:
バッ
先に動いたのはジョセフだった
ボス「キング・クリムゾンッ!!」
ドゴオオオーン
シュルウウウウ
ウウウウウウウ
ボス「私に真っ正面から攻撃をしてくるか………私の能力を分かった上で攻撃するとは………何ともマヌケだ………」
ボス「そんなヤツでも生かしておけば、私の正体をバラしてしまうだろう………しっかりと始末しなければ………」
ボス「一瞬の油断は絶頂からの転落を意味する………絶頂は誰にも揺らがせはしない!」
ドオオオン
ボスがキング・クリムゾンを発動した時、ブチャラティはジョセフの攻撃に疑問を抱いた…
ボスのキング・クリムゾンの能力を考えれば、真っ向から勝負を挑むのはバカげているからだ。
ましてや、ジョセフがそんな行動を取るとはブチャラティには考えられなかった。
そして…ブチャラティは………
バッ
最後の力を振り絞り、トリッシュのいる方向へダッシュしたッ!
ダッダッ
555:
ガシッ
ジョセフ「さすがブチャラティッ! 分かってるぜ!」
ブチャラティ「スティッキー・フィンガーズ!」
ジョセフ「ハーミット・パープル!!」
ジョセフが出したイバラはボスのキング・クリムゾンの横を通り過ぎていく。
シュウ!
ボス「!」
ガシリ!
ジョセフ「先の行動は見抜けても、人の考えを見抜くことは無理みてーだな。」
ジョセフが掴んだのは柱!
ジョセフ「ピンチになった時………1番良いのは……………」
ジョセフ「逃げることなんだぜッ!!」
ズイイイイン
ブチャラティはその柱をジッパーにし、上に登っていた!
ジョセフ「一旦お別れだボス!! 次会う時は心理学でも学んでおけよッ!」
ボス「…………………」
ボス「…………………」
556:
ドバアン
ジョセフ「ブチャラティ! 傷は大丈夫かッ! それにトリッシュは…」
ブチャラティ「……オレの傷は大したことない………トリッシュも腕以外は傷を負っていない。」
ボス(ジョセフ・ジョースター……新入りのこいつの事はまだ把握していなかったが………ブチャラティよりも注意すべき男だった………だが、逃しはしない………絶対にだ。)ガシッ
ダダダダダ
ミスタ「おいジョジョ! いくら何でもトイレ長すぎだろ! 何してやがんだッ。」
アバッキオ「ボスにこの事が知られたらどうなるか分かっての行動だろうなッ。」
ボス「く。」
四人「!!」
フーゴ「ブチャラティ!! その傷はどうしたんですかッ!?」
アバッキオ「それになんでトリッシュを連れ戻してきたんだ! ボスに会ったのかッ!?」
ナランチャ「意味が分からないよッ!」
ボス(いくら時を消し去る我が能力でも…あのスタンド使い6人相手の前でトリッシュを始末するには…………)
ボス(時間がかかりすぎるだろう。6人相手ではこの姿を誰かには見せなくてはならない。)
ブチャラティ「ジョジョ…今のオレたちでボスに勝てると思ったか?……」
ジョセフ「…………いいや…残念だが、これっぽっちも思わなかったぜ。逃げることで精一杯だった……」
ジョセフ「ボスの正体を掴まねーと勝ち目はねーぜ。」
ボス「だが、このままでは済ませるわけにはいかないッ! 決して逃がしはしないッ! ヴェネツィアからッ!」
557:
ドドドドドド
ブチャラティとトリッシュはジョセフの治療を受けている。
アバッキオ「………どういうことなんだ? ブチャラティ!! 説明してもらおう!! なにをやってるんだあんたは!!」
ドドドドドド
ブチャラティ「わかった…単刀直入に言おう。多くは説明できない……時間がないし、危険が迫っているからだ!」
ブチャラティ「トリッシュを連れ帰ったのはたった今! オレがボスを裏切ったからだッ! おまえたちとはここで別れるッ! これからおまえたちがオレといっしょに行動すればッ! おまえたちもオレと同じ裏切り者になってしまうからだ!」
ミスタ「な…なんだって?」
アバッキオ「…………………」
ナランチャ「よ…よくわからないな。い…今言ったこと…今なんて言ったんです?」
フーゴ「裏切った…と言ったんだ…ボスを!」
フーゴ「な…なぜ?」
ブチャラティ「これ以上は………聞かない方がいいだろう…………おまえたちは…無関係なんだからな………」
ジョセフ「ブチャラティ…そいつはねえんじゃねえか? こいつらが仲間である以上、話した方がいいぜ。もしかしたらついてくるやつがいるかもしんねーし…」
558:
アバッキオ「てめーには聞いてねえんだよジョセフ?????????!!」グイ…
アバッキオ「さっきから命令にそむいたり、勝手に教会に入ったりよォー!」
アバッキオ「オレはおまえのことは大嫌いだ。本当は目も合わしたくもないが、ブチャラティが信頼してるから話してやってるんだ。」
アバッキオ「偉そうにしゃしゃりでるんじゃあねえぞ…?」
ジョセフ「…………………」
バッ
アバッキオ「……ブチャラティ。詳しい説明を聞きたい!」
ブチャラティ「…………………」
ジョセフ「ブチャラティ…仲間はいた方がいい。オレらだけじゃあ勝てっこねえぞ。」
ドドドドドド
ゴゴゴゴゴゴ
ブチャラティは皆に全てを話した。
ボスがトリッシュを護衛させた理由を…そして、ボスを倒すということを…
それを聞いた仲間は、動揺を隠せなかった………
ナランチャ「ハァハァハァ…」
フーゴ「……………………」
アバッキオ「………………………」
ミスタ「……………………」
559:
フーゴ「言ってることは……よくわかったし、正しいよブチャラティ。」
フーゴ「だけど…はっきり言わせてもらう。残念だけど………ボートに乗る者はいないよ…情に流されて血迷った事をするなんて………あんたに恩はあるが、ついて行くこととは別だ…」
フーゴ「あんたは現実を見ていない…理想だけでこの世界を生き抜く者はいない。この組織なくしてぼくらは生きられないんだ…」
フーゴ「僕は裏切り者にはなれない。」
スッ
ジョセフ「……………………」
ジョセフ「今から言うのは独り言だから聞き流してくれ。」
ジョセフ「裏切り者裏切り者って言うけどよ………本当の裏切り者ってのは何か知ってるか?」
ジョセフ「…本当の裏切り者ってのはどっちの味方かはっきりしねーやつの事を言うんだぜ?」
ジョセフ「それを踏まえた上でどうするか決めてくれ。決めた上でとった行動ならそれはしょうがねえ。」
ブチャラティ「……………………」
560:
アバッキオ「…フーゴの言うとおりだぜブチャラティ。あんたのやったことは自殺に等しい事だぜ。」
アバッキオ「世界中どこに逃げようともうあんたには安息の場所はない…」
アバッキオ「そしてオレが忠誠を誓ったのは組織になんだ。あんたに対し忠誠を誓ったわけじゃあねえ!」
アバッキオ「しかしだ………」ズ
アバッキオ「オレももともとよォ????。行くところや居場所なんてどこにもなかった男だ…この国の社会からはじき出されてよォーーーーー。オレの落ち着けるとこは………………ブチャラティ。」ザッザッ
バン
アバッキオ「あんたといっしょの時だけだ…………」ズン
ジョセフ「アバッキオ………ありがとよ。」
アバッキオ「いい気になってんじゃあねーぞ!! ジョセフ。フン!」
フーゴ「バ…バカなッ! アバッキオ!」
561:
ミスタ「ボスを倒したのならよォーーーー。」ス…
グイッ
ミスタ「実力からいって……………次の幹部はオレかな。ホレ! 亀を忘れてるぜ。」
ミスタ「オレはブチャラティの性格はよく知ってるぜ。ヤツは頭がいい。あんな事言ってるが、勝つみこみのない戦いはしない男だ。」ヒソヒソ
ミスタ「絶対にばく大な金が手に入るんだ……ボスの隠し財産とか知っているにちがいない! そうだなんだろ? ジョジョ!」ヒソヒソ
ジョセフ「……さすがミスタ。そこまで見抜いてるとは思ってみなかったぜ…」ヒソヒソ
ミスタ「分け前はもちろん…」ヒソヒソ
ジョセフ「オレとミスタで多めにな…」ヒソヒソ
ミスタ・ジョセフ「シシシシ。」ヒソヒソ
フーゴ「ミスタッ!」
フーゴ「おまえら。ど…どうかしているぞッ! 完全に孤立するんだぞッ! どこに逃げる気なんだッ!? い…いやッ! このヴェネツィアから生きては出れないッ!」
ジョセフ「それがお前の決断なんだなフーゴ……ナランチャ…お前はどうするんだ?」
ナランチャ「ぉ…ど…オ…オレ……ど…どうしよう? オレ?」
562:
ナランチャ「ねえ…ブチャラティ…オレ…どうすればいい? 行った方がいいと思う?」
ブチャラティ「怖いか?」
ナランチャ「ああ…す…すごく怖いよ。で…でも命令してくれよ…いっしょに来い!って命令してくれるのなら…そうすりゃあ勇気がわいてくる。あんたの命令ならなにも怖くないんだ…」
ブチャラティ「だめだ……こればかりは命令できない! おまえが決めるんだ………自分の歩く道は………自分が決めるんだ……」
ナランチャ「わ…わかんけーよォ???????。」
ブチャラティ「だが、忠告はしよう。」
ブチャラティ「来るなナランチャ…おまえには向いていない。」
ドドドドドド
ブチャラティ「いくぞッ!」
ドドドドドド
563:
ジョセフ「ナランチャ…フーゴ………また会えたらいいな。」
ブチャラティ「ジョジョ……亀をとってくれないか……トリッシュを中に入れよう…」
ジョセフ「! へへ…」
ジョセフ「ブチャラティ、振り返ってみろよ。」
ナランチャ「ブチャラティィィィィィィィィィィィィィ!」
ナランチャ「行くよッ! オレも行くッ! 行くんだよォーーーーーーッ!」ザッバァァ
ドドドドドド
ナランチャ「オレに来るなと命令しないでくれーーーーッ!」
ナランチャ「トリッシュはオレなんだッ! オレだ! トリッシュの腕の傷はおれの傷だ!!」
フーゴ「………………………………………………………………………」
ドドドドドド
『トゥルルルルルルルウウルルル。』
『トゥルルルル。』
『ガチャリ!』
『スクアーロか。裏切り者がでた。このヴェネツィアでだ。』
『裏切り者の名はブローノ・ブチャラティとジョセフ・ジョースター。生死は問わないとの命令だ! ボス自らの!』
?to be continued?
579:
?ヴェネツィア市内のレストラン?
ジョセフ「暇だからさァ?????ナランチャ。お前に算数を教えてやるぜ。」
ナランチャ「え? 突然すぎないジョジョ?」
ジョセフ「フーゴがいない今、お前に算数を教えれるのはオレくらいだぜ? どうせ暇なんだからありがたく教われ!」
ナランチャ「わ…わかったよ…教わればいいんでしょ…」
ジョセフ「よし! なら今回は2ケタのカケ算に挑戦するか!」
ナランチャ「ふ…2ケタ……」
ジョセフ「お前が2ケタのカケ算が出来ねーのは知ってるぜ。だから今はそれを乗り越えないとな。」
580:
ジョセフ「じゃあまずは、オレが初めてお前らに会った時にやってた16×55からやるぞ。」
ナランチャ「わかった。やってみる!」
ミスタ「ジョジョのやつ何だかんだ言って面倒見が良いよな。」
ブチャラティ「親友のフーゴがいなくなった事にジョジョは気を遣ってるんだろう。ジョジョなりにナランチャを勇気付けようとしてるんだ。」
カキカキ
ジョセフ「16×55って考えるから難しく感じるんだ。まずは16×5からやってみろ。」
581:
ジョセフ「まず6×5はいくつだ?」
ナランチャ「たしか…さ…30…?」
ジョセフ「そうだ! じゃあ5×10はいくつだ?」
ナランチャ「…おれ九九しか分からないからできないよ…」
ミスタ「ジョジョのやつ短気だからそろそろキレるんじゃあねーか?」
ブチャラティ「大丈夫さ。」
ジョセフ「………………」
ジョセフ「じゃあ5×1はいくつだ?」
ナランチャ「それは分かるよ! 5だろ?」
ジョセフ「そうだ。じゃあ5×10も分かるはずだぜ? 1の後ろに0が付いてるだろ? そんな時は5に0をつけるだけでいいんだよ。」
ナランチャ「てことは…」
カキカキ
582:
ナランチャ「50…でいいの?」
ジョセフ「やれば出来るじゃあねーかナランチャ!!」
ゴシゴシ
ナランチャ「い…痛いよジョセフ!」
ジョセフ「それじゃあ16×5はいくつだ? さっき計算した2つを足してみろ。」
ナランチャ「え…えーと……6×5と 5×10を足すと……80だ!!」
ジョセフ「そしたらだ…ナランチャ。実はお前はもうすでに16×50の計算は出来るはずなんだ。」
ナランチャ「ウッソーッ! マジかよ!?」
ナランチャ「ん? 待てよ…」
ナランチャ「この式ってさっきのに0をつけただけだ!」
カキカキ
583:
ナランチャ「……800だ!!」
ジョセフ「正解! じゃあさっきのと足してみろ!」
ナランチャ「うん!」
カキカキ
カチャ
ナランチャ「………………880?」
ジョセフ「…………………」
ナランチャ「……………………」
ジョセフ「完璧だナランチャッ!」
ナランチャ「やったぜッ!!」
パチッ
パチッ
ピシッ
ガシッ
グッ
グッ
584:
ミスタ「やっと人並みになったってところだな…」へッ
アバッキオ「それでも成長だ……」
アバッキオ「ところでブチャラティ………これから………どうするんだ。」
ブチャラティ「………………」
ブチャラティ「ボスのスタンドはあきらかに時間を消し去り、そしてその中をボスだけが自由に動いていた。」
ブチャラティ「無敵だ。どう考えても何者だろうとあのスタンドの前ではその攻撃は無駄となる!」
ブチャラティ「ボスの正体をつきとめた時は別だ! ボスの素顔さえ知る事ができればッ! こちらからの本体への暗殺の可能性が出てくるからな! なんとかしてボスの正体を知らねばならないッ!」
ミスタ「しかし…どうやって探すんだ? ボスはあらゆる人生の足跡を消して来てる男だぜ…」
アバッキオ「トリッシュだ! ……トリッシュに何かヒントがあるぜッ! みんなトリッシュを追い……そしてボスはトリッシュを始末しようとしていた!」
ジョセフ「だが、これ以上トリッシュをこのことに巻き込むのは可哀想だぜ……なんてったって父親に殺されかけたんだからな…………ボスの事はトリッシュに黙っておいて違う方法を探した方が………」
トリッシュ「その必要はないわジョセフ。」
トリッシュ「もうすでに……理解しているもの……さっきから…」
585:
ゴゴゴゴゴゴ
バン
トリッシュ「思い出したわ…人生の足跡を消しているという言葉で…あたしの母は昔、父親とはサルディニア島で知り合ったと言っていたわ………」
トリッシュ「あたしが小さい頃……昔話で母からチラリと聞いた事がある…母親が旅行した時に知り合い…母にすぐに戻ってくると言ったきり、写真も本名も何も残さず永遠に消え去ったのよ。」
トリッシュ「サルディニアよ。サルディニアに過去と正体はきっとある!」
ブチャラティ「なぜオレたちに教える!? オレたちは君の父親は殺すかもしれないッ! いや! 倒そうと決意しているんだぞ。」
トリッシュ「倒すとか倒さないとかあたしにとっては別問題だわ!」
トリッシュ「ただ! あたしの知らないところで勝手に戦って守られてるのがイヤなのよ! あたしにも協力をさせて欲しいのッ!」
アバッキオ「どうやら…彼女……オレたちが考えてる以上にタフな精神力のようだな……」
ジョセフ(……トリッシュってブチャラティの事をすっごく気にしてるよなァ?……………こりゃあ面白くなりそうだ!)
586:
ジョセフ「?」
ジョセフ(あれ? オレのスプーンどこいったんだ?)
スッ
サッ
ジョセフ(……まぁいいか…ミスタのやつを借りておこう!)
ジョセフ(スープは熱いうちに飲むのがベストでェ?すッ!)
カチン
ジョセフ「!」
ズズ…
スープの中から溶けたスプーンが出てきた
ズギョガガ
ズザザザザザ
ジョセフ「て…敵だ! スープの中に……サメがいるッ!」
ドドドドドド
ジョセフ「ハーミット・パープル!」
シュビッ
ガチャアン
パリィーン
587:
ブチャラティ「アバッキオッ!! トリッシュを亀の中に入れて護れッ! ナランチャは右ッ! ミスタは左を護れッ!」
ミスタ「どこだ!? ジョジョ!? 敵はどこにいるッ!?」
ジョセフ「スープの中だァーーーーーッ! どっかからすでにはいってやがったッ!」
ミスタ「どこだって?」
ジョセフ「だ…だからスープの中にサメがいたんだよ! サメの背ビレのような物があったからおそらくサメだッ!」
ズズズ
ズオオ
ジョセフが持ってたスプーンにサメが現れた
ジョセフ「なにッ!」
ドシュバッ
ジョセフ「おぞごぉおうッ!」
ジジジュウウ
ジョセフ「な、な、ななな…」
ガッチャアアーン
ブチャラティ「ジョジョ!!?」
ミスタ「どうした!?」
588:
ズズズ
ジョセフ(み…水の中を移動してやがる…! 早く……ブチャラティたちに伝えねえと……!)
ミスタ「ジョジョ!? どうしたって聞いてんだよッ! どこか攻撃されたのかッ!? どこをやられた?」
ジョセフ「あ…あ……あそ…」
アバッキオ「さっそく襲ってきたかってかんじだが、オレたち5人相手にいどんで来るとはいい度胸だぜ。」
ブチャラティ「違うぞミスタ! ジョジョはしゃべれないんじゃあないのか!」
ミスタ「え? おい! しゃべれねえのか?」
ドシュン
ジョセフ「!!」
ドシュン
ドシュン
ドシュン
ジョセフ(なるほど………水から水へ移動してきたってわけか……このままじゃあ皆が危ねえ……しゃべれねえなら………行動でしめすぜ!)
ガシッ
ジョセフはテーブルを掴む
ナランチャ「どうしたんだジョセフ!?」
グワアアア
ガッシャアアアーン
テーブルをひっくり返す
ミスタ「お…おい! 何してんだジョジョ!!」
589:
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ティッツァーノ「なるほどな………ジョセフ・ジョースター。」
ティッツァーノ「ちょっとわかりかけて来たぜ。ボスが情報で言ってたことを。一番用心しなくてはならないのはあの新入りのマッチョだってな。」
スクアーロ「あぁ…」
スクアーロ「正直言ってオレの『クラッシュ』の攻撃だけで十分と思っていた仕事だけど。」
スクアーロ「やはり5人確実に全滅させるには君の協力が必要というわけだティッツァーノ。」
ティッツァーノ「仕込んできたかい?」
スクアーロ「ああ。作戦通りにな。確かにジョセフの口の中に仕込んできたぜ。すでに君のスタンド『トーキング・ヘッド』をよ…………」
ジョセフ「ゲホッ…ゲホッ…」
ジョセフ(イ…イタかったぜェ……敵の野郎……絶対にゆるさねぇ………!)
590:
アバッキオ「敵は遠隔操作だ………となるとどうやってこのヴェネツィアを脱出するか? だぜ!」
アバッキオ「海を行くのか? 橋を行くのか?」
ブチャラティ「ジョジョ、しゃべれるか? 何を見たんだ? 敵のスタンドはどうやって攻撃してきた?」
ジョセフ(そうだ! 敵の事を知らせねえとッ!)
ジョセフ「ゲホッ……」
ジョセフ「運河を行くべきだぜッ! ブチャラティッ! 敵は金属になって攻撃を仕掛けてくるやつだから地上は危険だッ!」
ジョセフ「へ?」
ジョセフ「オ…オレ今なんつった?」
ミスタ「襲ってきたのはサメじゃなかったのか? それとも言い間違いか?」
ジョセフ「も…もちろん見ましたとも!」
591:
ジョセフ「敵は金属に化けるスタンドだ!」
ジョセフ「な!」
ナランチャ「つまり敵はスプーンとかに化けてたって事だよね? それだったらサメって何のこと?」
ミスタ「ジョジョ! サメは見てないって事でいいのかッ?」
ジョセフ「ああ、そうだぜ!」
ジョセフ「ち…ちげーよ!」
ミスタ「どっちだよ!!」
ジョセフ(な…何でオレが言おうとしてる事と反対の事を言ってるんだオレ………わけわかんねえッ!)
ブチャラティ「ジョジョ。君の言う敵のイメージがまったくオレたちに伝わって来ないな。」
ブチャラティ「確認するぜ! ……敵は金属に化けるやつで素早くお前を攻撃したんだな?」
ジョセフ「いいや! やつはのろかったねッ!」
アバッキオ「ああ!?」
ナランチャ「!?」
ミスタ「!?」
ブチャラティ「!?」
ジョセフ「な…なんでこうなるのォ?…?」
592:
ミスタ「お前言ってることの辻褄が合ってねえぞ!? 嘘ついてんじゃあねえだろうな!」
アバッキオ「それともいつものアメリカンジョークとか言うやつか? それをこんな時に使うなんかバカだな。」
ジョセフ(! そうか! さっき舌を攻撃された時に何かされたんだ!! オレの舌にはスタンドがいるんだ!! 敵は二体いたのかッ!!)
ミスタ「おいブチャラティ。ここはすぐにボートで立ち去って行こうぜ。」
ジョセフ「!! ダメだミスタ!」
ジョセフ「ボートを渡るってのはなかなかの作戦だな。オレは大賛成だぜ!」
ジョセフ「…ってちがーうッ!!」
ミスタ「…ジョジョが壊れる前に早くボートに乗ろうぜ?」
ジョセフ「そうだよな! ボートに乗るべきだぜ! ミスタはやっぱり賢いよなァ?! 次期幹部はグイード・ミスタで決まりだな!」ガガガガガガ
シュビ…
ミスタ「おいジョジョ! 言ってることと行動が正反対だぞ! あと! オレを褒めても金は払わねえぞッ!」
アバッキオ「…ジョセフ、てめー大丈夫か?」
ジョセフ「言うまでもないね。」コクリ
ジョセフ「オレのバカッ! 違う違う違うッ!!」ガンガンガン
593:
ブチャラティ「いやミスタ! どうせ運河を行っても追いつかれてしまうだろう。だが、これはチャンスだッ! 今、逆にこの敵を追撃して倒すのだ!」
アバッキオ「賛成だ。」
ナランチャ「賛成!」
ミスタ「しゃあねーな。」
ジョセフ(ふぅ…何とか運河を行かねーようにしたぞ。)
ジョセフ(とりあえず…しゃべりで皆に伝えるのは不可能だ! ここは………)
ガシッ
カキカキ
ジョセフ(ペンで伝えるぜ! ペンは剣よりも強しってな!)
ジョセフ(『水は危険だ! オレの舌は嘘をつくんだ! スタンドなんだ!』)カキカキ
グバッ
ジョセフ「おいみんな! これを見てくれ! これで分かっただろ?」
四人「…………………」
ミスタ「オレ…もうあいつに近づきたくねえわ…ジョジョって呼ぶのやめよっと……」
ナランチャ「ジョセフって下ネタが好きだったんだ………失望したよ。」
アバッキオ「狼少年だな…まさに。」
594:
ジョセフ「…………」
サッ
ジョセフ「あ!」
『水着は卑猥だ! オレの下着は女性物なんだ! レガースなんだ!』
ジョセフ(OhMyGod!! 違う! 違うんだ! オレはこんな下ネタキャラじゃあねえんだよッ!)
ブチャラティ「…ジョジョ、大丈夫か?」
ジョセフ「言うまでもないね。」コクリ
ジョセフ(か…勘弁してくれェーッ!)
ザザザ
ズズズ
ジョセフ「!」
ドドドドドド
ジョセフ「見てくれ! 敵はあそこにいるぞ!!」
グン
ジョセフが指差したのは運河ではなく、トイレだった!
ブチャラティ「レストランのトイレの中か……ここに本体がいる可能性もある!」
アバッキオ「最後だぞ、これで信じるのは………狼少年さんよ!」
ミスタ「ジョセフ? 今度は本当に見たんだろうなあッ!」
ジョセフ「もちろんだ。」コクリ
ジョセフ(どうしたらいいんだよ!)
595:
ブチャラティ「追跡するぞッ! この敵との決着はここでつける。」
ズズズ
クラッシュ「行クゼグラッツェ!」
アバッキオ「とりあえずムーディー・ブルースで数十秒前にここにいたやつが誰かハッキリさせよう………」
ジョセフ「ぬあああああああ!」
バアアン
アバッキオ「! おいジョセフ!! 何しやがんだ!!」
ジョセフ(オレがしゃべろうとすると嘘を言っちまう……それなら行動で敵がいることを伝えねーと! たとえ嫌われようとやってみせるぞ!)
アバッキオ「ん? 大便の近くでムーディー・ブルースが変身していくぞ…」
ジョセフ「!」
ビチャア
ジョセフは大便の水の中に左手を突っ込む。
ジョセフ「アバッキオ! 近づいてくれよ! ここに近づいてくれ! (近づくな! 頼むからここに近づかないでくれ!)」ビチャアビチャア
ジョセフ(義手の左手ぐらいどうってこたぁねーよ!! こんなの…どうってこと………ねーよ………うぅ………)ビチャアビチャア
596:
アバッキオ「気色悪いぞテメー! お前自分の行動がおかしいと思わねえのかッ!」
ジョセフ「思ってねぇぜ。(思うに決まってるだろバカッ!)」バァン
ジョセフ「ハハァッ! オレは大丈夫だぜ! これが本来のオレなのさ! 助けはいらねーぜ。(頭が狂いそうだ……こんなのオレじゃあねーよ! 誰か助けてくれ!)
ミスタ「おい皆…ここはジョセフを一人にしておいてやろう………敵に襲われて混乱してるんだろう……可哀想にな。」ザッザッ
アバッキオ「とりあえず最初にジョセフが襲われた場所に向かおう。そこでムーディー・ブルースを巻き戻す。」ザッザッ
ブチャラティ「……そうだな。」ザッザッ
ナランチャ「………………」ザッザッ
ジョセフ「お…オレの義手が………」
ジョセフ「…なんでこんな時に限って本当の事言えるんだよ………くそ……」ガン!
ザッザッ
ジョセフ「!」
597:
ナランチャ「………………」
ナランチャ「ジョセフ……もしかしてだけど………敵に襲われてるのか?」
ジョセフ「!!」
ナランチャ「ジョセフは確かに嘘をついたりするけど、敵が出て来たのに冗談を言うようなやつじゃあないと思うんだ………何か…攻撃を受けてんだろ?」
ナランチャ「それに、オレはもうジョセフを信じることにしたんだ。さっき算数を教わった時に……だから………オレはジョジョを信用する!」
ジョセフ(ナ…ナランチャ………おまえは分かってくれると思ってた……って言ったら嘘になるが…もう嘘でもいいや………)
ジョセフ「ナランチャ! オレは大丈夫だ! 敵はここにはいない!」
ナランチャ「…て事は敵が近くにいるんだな。レーダーで探すから待っててくれ。」
ピコーン
ピコーン
ナランチャ「ジョセフから反応があるぞ! ジョセフの体にスタンドがいるのか!」
ジョセフ「そうだナランチャ! 早く倒してくれ! 敵はオレの口の中にいる!!」
ナランチャ「分かったぜ! エアロ・スミス!」
598:
ジョセフ(ち…違うんだナランチャッ! 敵はオレの舌だけじゃあねえ! 水の中にもいるんだよ!)
ズズズ
ザッバァ
ジョセフ「ナランチャ! 早く倒してくれ! (後ろだ! 後ろに敵がいるぞナランチャ!)」
ザズバァァ
ジョセフ「ナランチャァーーーーッ!」
ナランチャ「オレがおまえの存在に気づいてないと思ったのか……?」
スクアーロ「何だと!?」
ピコーン
ナランチャ「エアロ・スミス!」
ドバババババババ
ズバッ
スクアーロ「うおあっ!」
ティッツァーノ「スクアーロ!」
ナランチャ「敵は二体いる………そうだろジョジョ?」
ナランチャ「今ならジョジョの言いたい事が全て分かる………逆の事を行えばいいんだからよォーーーーッ!」
ジョセフ(ナランチャめ………良い所持っていきやがるぜ!)
ジョセフ「とりあえずナランチャ! ブチャラティたちにこの事を伝えに行け! 敵の一人は傷を負ってるから今ならいける………」
ジョセフ(あれ? ……何でオレ思ったことを伝えれてるんだ………逆じゃあねえってことは舌の敵がスタンドを一時的に解除したのか? なんで今になって…)
599:
ナランチャ「分かった! すぐに戻ってくるぜジョジョ!」
ジョジョ「!!」
ジョセフ「早く行けナランチャッ!! (敵の罠だナランチャッ! 戻ってこいッ!)
ズバァァ
ナランチャ「うあ!」
ジョセフ「!」
スクアーロ「ナランチャ……てめーを逃がすわけにはいかねーんだよ…!」
ズズズ
ジョセフ「ナランチャッ!」
ジョセフ「ハーミット・パープルッ!!」
シュビッ
カスッ
ハーミット・パープルの攻撃をかすかに避け、クラッシュはナランチャを連れて行った!
ジョセフ「逃がすわけにはいかねェー!! ここで逃がしたらダメなんだよッ!!」
ズズズ
ジョセフ「ナランチャーーーーーーーーッ!!」
600:
スクアーロ「よし…ジョセフの攻撃は避わせたぞ………あとはナランチャを始末し、残りのやつらを一人ずつ始末していくだけだ………」
ティッツァーノ「待て………今あいつ何て言った?」
スクアーロ「残りのやつを一人ずつ………」
ティッツァーノ「いや違う! ジョセフがですよ!」
ティッツァーノ「うっかり聞き逃すところだった………ジョセフは今…たしかに言ったぞ!!」
ティッツァーノ「『逃がすわけにはいかねェー』…と……声に出してしゃべった!」
ティッツァーノ「オレのトーキング・ヘッドがやつの舌にひっついているのに言ったんだ!」
ティッツァーノ「やつはわざとクラッシュを逃がしたんだ! 君を油断させて瞬間移動の時間を少しでも長く止めるためにッ!」
ドドドドドド
ジョセフ「ナランチャはもうおまえらを追ってねぇぞ…!」
ドバ
ティッツァーノ「やはりだッ! 早く移動しろーーーーッ!!」
ブシュウウウウ
ジョセフ(オレだってナランチャのやりたい事が分かってるぜ…あとはオレに任せてくれ。)
ナランチャはエアロ・スミスを出し続けており、自分ごと攻撃するように命令したのだ。
それは命がけの行為であったが、ジョセフなら何とかしてくれるという信用があったため、ナランチャは行動できた。
ジョセフはその行為を無駄にはしないために動き始めた。
601:
タッ…タッ…
ティッツァーノ「マズイぞ……ナランチャを捕まえる事には成功したが…スクアーロ………大丈夫か?」
スクアーロ「ああ…死ぬほどじゃあねーよ。まだ戦えるぜ……」ハァ…ハァ…
タッ…タッ…
スクアーロ「おい…見ろ…ジョセフだ…レストランの外からジョセフが歩いて出てきたぞ…何でだ?」ハァ…ハァ…
スクアーロ「ひょっとしてオレたちの居場所が分かったのか? そんなはずは……」
ティッツァーノ「安心しろスクアーロ。やつに分かるはずがねえんだ。」
ティッツァーノ「ひとまずここを離れよう! 街の人々に紛れればバレるわけがない!」
ガヤガヤ
ガヤガヤ
ジョセフ「見つかんねぇなァ???。どこにいるんだ敵は…」
タッ…タッ…
602:
ゴゴゴゴゴゴ
ティッツァーノ「そ…そんなはずはない………オレの聞き間違いだ………!」
ジョセフ「オレの今までの演技に気づいてるんなら…とんでもなく天才だな………敵はよォ?。」
タッ…タッ…
スクアーロ「ハァ…ハァ…ハァ…」
ドドドドドド
ジョセフ「オレは敵を逃がす………絶対に倒さねえッ!」
タッ…タッ…
ティッツァーノ「まさか………やつはオレたちを騙していたのか…?」
ティッツァーノ「わざと……気づいてないフリをしていたのか? いつからだ………いつから騙していた…!」
ゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ「敵を欺くには普通の演技でOKだからな………なかなか楽だったぜ……」
ジョセフ「いつからか? ……そんなのおまえの能力に気づかなかった時からだよッ!!」
603:
ティッツァーノ「……スタンドを今、解除した………なぜオレたちの居場所が分かったんだ!」
ジョセフ「ブチャラティたちに演技してもらってたんだよ。おまえのスタンドの正体に気付いた時からな。」
ティッツァーノ「なにィッ!?」
ジョセフ「おまえらはこっちの変化に気づいてなかったみてえだな。オレはスタンドを使ってテーブルに血で文字を書いてたんだよ。」
“敵は二体いる! 一体はオレの舌にいる。今からオレは逆の事を言うから付き合ってくれ。”
ジョセフ「てな!」
ジョセフ「そして! ブチャラティたちにおまえらの周りを包囲させてもらったんだ。」
バッ
ティッツァーノ・スクアーロ「!?」
ブチャラティ「……すまなかったなジョジョ。君には辛かっただろう。」ザッ…
ミスタ「演技だと分かっちゃあいたけどよォ?…一瞬おまえが気持ち悪いやつだと思っちまったぜ。」ザッ…
アバッキオ「…おまえには呆れるぜ……まったく………」
604:
ジョセフ「オレはおまえらの能力をハッキリと理解する必要があった………そのために長いこと演技してたんだ。」
スクアーロ「この野郎…!」
ズズズ
ミスタ「セックス・ピストルズ!!」
ドゴオオオン
ピストルズ3・7「ヨッシャアアアアア!」
バゴオオン
スクアーロ「!」
ダバァ
ズトン
スクアーロ「!? ティッツァー……!?」
ビチャア
スクアーロ「ティッツァーノォッ!?」
ティッツァーノ「これで周辺に水がたくさん出来ただろ…スクアーロ…ほんのちょっぴり予定通りではなかったが……」
ティッツァーノ「勝利にはかわりがない。オレたちの勝ちには……な。」
605:
ドグオオン
ナランチャ「オレたちはよォ………このヴェネツィアを……何事もなく皆で脱出する。それじゃあな……」
ナランチャ「ボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラ…」
ズドドドド
ナランチャ「ボラーレ・ヴィーア(飛んで行きな)。」
スクアーロ「こんな……圧倒的な、精神力……こいつらをつき動かす……まるで希望があるかのような精神力は…い…一体?」
ドグシャア
グオオオン
ジョセフ「なかなか手強い相手だったぜ………」
ジョセフ「…でさ、どうだったオレの演技!! アランドロンも真っ青の演技だったろッ!」
アバッキオ「ああ。違う意味で真っ青だったろうな。」
ミスタ「お! アバッキオ。なかなか的確に言うじゃあねえか。」
ナランチャ「これから嘘をつくとそれも演技だと思っちゃうぜ!」
アバッキオ「その通りだな!」
ミスタ・アバッキオ・ナランチャ「ガハハハハハハッ!」
ジョセフ「フン! おまえらの事なんか大嫌いだぜッ!!」
ブチャラティ「フ…」
606:
これからブチャラティたちは飛行機でサルディニア島へ向かうことになる。
そして、その先はボスの正体を掴むヒントと敵が待ち構えているだろう。
ブチャラティたちは最後の希望を抱き、サルディニア島へと向かう!
本体名ーティッツァーノ
スタンド名ートーキング・ヘッド
死亡
本体名ースクアーロ
スタンド名ークラッシュ
死亡
?to be continued?
620:
〜飛行場〜
警備員「ヘイッ! ヘイッ! おまえらだオイッ! どこへ行く気だッ!?」
警備員「ここは一般乗客用のゲートではないッ! 進入禁止の立て札が見えなかったのかッ!」
ジョセフ「………………………」
ジョセフ「ブチャラティ、ここはオレが交渉しとくから先に行っててくれ。」
ジョセフ「すまねえなあんた。オレたちはただの旅行客で道に迷ってんだ。ちょっと教えてもらってもいいか?」
警備員「それだったら外のやつらに聞きな! ここは立ち入り禁止区域だ! これ以上ここにいたら逮捕することになるぞ!」
ジョセフ「まあまあ…そう固いこと言うなよ。一つ聞いたら帰るからさァ〜…」
ジョセフ「盗めるような『飛行機』ってないかなァ〜………あとでちゃんと返すからさァ〜〜〜。」
警備員「………………は?」
621:
ジョセフ「ちょっと手貸してもらっていい?」
警備員「え?」
ジョセフ「いやァ〜…あんたは優しい人だとオレの直感が言ってんだよォ………きっと優しい人に違いねぇ………」
ガチャ
警備員「!!」
警備員(て…手錠? ってこれオレの手錠じゃあないか?………こ…こいつ……いつの間にオレの手錠盗みやがったんだ……!)
警備員「こんな事してただで済むと思っているのかッ!! きさまら全員逮捕するッ!」
ジョセフ「だからさ、あんたが教えてくれたら何もしねぇって……飛行機の場所をだなァ………」
ナランチャ「おいジョセフゥ〜〜〜。あっちに飛行機があるってよォッ!」
ジョセフ「え? そうなの?」
ジョセフ「………なら話は別だぜ。」
警備員「えッ!?」
ビリビリ
警備員「ぶふ。」
ガクン
ジョセフ「そこで10分ぐらい寝といてくれ。あんたより優しい人が起こしに来てくれるからよ。」
622:
グオオオオオ
ジョセフ「さてと…なら運転はアバッキオに任せたぜ。」
アバッキオ「言われなくても分かってる。ムーディー・ブルースに操縦士をしてもらうからな。」カシャカシャ
ジョセフ「ちなみにこの飛行機にはゴキブリ一匹もいねえぞ。オレがハーミット・パープルで隅々まで探さしたからな。」シュビシュビ
ブチャラティ「よしッ! この機をいただこう!」
ブチャラティ「ミスタ! ジョセフッ! この機に何人たりとも…いや! いかなる生き物ッ! いかなる機械類をも近づけるなッ!」
ブチャラティ「離陸後、飛行機は高度数千から一万メートル上空を時800キロものスピードで滑空する! 一度飛び立てばそんな距離はそのようなスピードと力で地上から遠隔操作できるスタンド使いなど存在しないッ!」
ブチャラティ「行き先はサルディニア島!! フライト時間は約2時間弱だッ!!」
ゴゴゴゴゴゴ
623:
トリッシュ「………………………」
ジョセフ「…おいミスタ…」ボソッ
ミスタ「ン………何だ?」
ジョセフ「トリッシュってさ、何か掴めねえやつだよな。突然笑ったり、突然黙ったり………こっちも話しかけにくいっつうか…」
ミスタ「ジョジョ、オレらはトリッシュを守るだけでいいんだ。話しかけるのはホドホドでいいんだよホドホドで。」
ジョセフ「一応オレたちの仲間じゃあねーか。仲良くフレンドリーにしたいと思ってんのはオレだけか?」
ミスタ「……話しかけたいんだったら話しかけろよ。無礼なことしなきゃあオレは何も言わねーよ。」
ジョセフ「ったく…おめーはめんどくさがりだな。」
トリッシュ「………………………」
ジョセフ「おいトリッシュ。」
トリッシュ「?」
ジョセフ「紅茶持ってきたけど飲むか?」
トリッシュ「……いただくわ。」
カチャ
ズズズズ…
624:
ジョセフ「ここ座っていいか?」
トリッシュ「…好きにしたら?」
ジョセフ「そんならお言葉に甘えて…」
ブゥゥゥゥゥ!
トリッシュ「!!」
ジョセフ「お…おい! 誰だよこんな所にブーブークッション置いたやつは! おかげで恥かいたじゃあねーかッ!」
ミスタ(…お前だろ。)
トリッシュ「…………フッ。」
ジョセフ「お! 笑ってくれた? 良かった………トリッシュが笑ってくれて良かったぜ…もし誰も笑ってくれなかったらオレが変なやつみたいだからよ!」
ミスタ(十分に変なやつだろ。)
ジョセフ「やっぱり女の子ってのは笑ってなきゃあダメだぜ? 笑ってる姿が一番可愛い瞬間なんだからさ。」
トリッシュ「……………………」
トリッシュ「……………でも笑うのって疲れない…?」
ジョセフ「へ?」
625:
トリッシュ「誰かのために笑顔を作ったりするのって結構疲れるの。言葉では大丈夫って言っても本当は疲れてる………それだったら最初から笑顔を作らない方が良くないかしら?」
トリッシュ「私だって普通にしたいけど……私はボスの娘………普通にしたいけど普通にはできないわ。」
ジョセフ「……………………」
ジョセフ「別にボスの娘だろうと普通にはできるぜ?」
トリッシュ「え?」
ジョセフ「今、オレは別にトリッシュをボスの娘だと意識して話はしてねーよ。一人の普通の女の子と思って接してる。そして、オレたちの仲間だと思って旅をしてる。」
ジョセフ「オレたちだけでもいいから普段のトリッシュを見せてくれよ。ボスの娘になりきる方が疲れちゃうぜ?」
トリッシュ「……………………」
トリッシュ(…………本当に変な人…別に私なんかに構わなくたっていいのに…)
ジョセフ「あと……一つだけ聞きたい事があるんだけどさ………」
トリッシュ「?」
ガッ
626:
ジョセフ「ブチャラティの事どう思ってるんだ?」ボソボソ
トリッシュ「……え?」
ジョセフ「おれって一つの事が気になると夜も昼も眠れなくてさー………どうもトリッシュがブチャラティのことを気にしてるように見えて仕方ねえんだよ………で……実際どう思ってるんだ?」
トリッシュ「………ジョセフ。」
ジョセフ「何だ?」
トリッシュ「すぐ私から離れて。出来たら私の目線に入らないとこまで。」
ジョセフ「ごめんごめん! そんなに怒るとは思ってもみなかったぜ! まー、オレたちは旅の仲間なんだから仲良くしよーぜ仲良く………」
トリッシュ「どうなっても知らないわよ…?」
ジョセフ「どうもすみませんでしたッ!」ダッダッ
ミスタ(バカだなあいつは………正真正銘の。)
627:
ピコーン
ピコーン
ピコーン
ナランチャ「レーダーに反応だ! 誰かが近づいて来る! 滑走路を歩いてくる…」
ドドドドドド
クルッ!
ナランチャ「ミスタッ! 左前方に反応だッ! 何者かが来るッ。向かってくるぞ!」
ドドドドドドドドドドドド
ミスタ「そこで止まるんだーーーーッ。」
ミスタ「勝手な事を言わしてもらうが、この飛行機に近づく者はたとえ聖人だろうと射殺させてもらうッ!!」
ミスタ「聖人ならよォー。ここに来るはずはねーーし、自分の幸福を願うならよォーーー。飛行機に背中見せてこの滑走路から消えるんだ…」
ザッザッザッザッザッザッザッザッ
ガァーン
バグオッ
ガクゥ
ミスタ「耳クソがつまってるんなら別だが、よく聞くんだ。もう一度だけ警告するぞ…見逃しやる………そのままはいずってこの滑走路の外に出ろ!!!!」
ズ…
ズル…
628:
ナランチャ「向かってくるぞーミスタ。」
ジョセフ「あいつもしつこいねェー。」
ズオオオオ
ミスタ「!」
ナランチャ「スタンド使いだ! スタンドを出したぞッ!」
ミスタ「セックス・ピストルズッ!」
ギュウウウ
ドンドンドンドン
ボゴボゴボゴボゴ
ナランチャ「やった! よしッ!」
ミスタ「ナランチャ、飛行機のまわりを見張れッ! 他の敵に用心しろッ!」ドンドンドンドン
ボゴボゴボゴボゴ
ナランチャ「敵はそいつひとりだ! 他にこの飛行機に近づく者はどこにもいないッ!」
ジョセフ「……間違いねえ…こいつはもう死んでるぜ。だけどこの敵マヌケすぎやしねえか? こうもアッサリ死んじまうと何か怪しく思っちまう………」
ミスタ「オメエ〜、オレとオレのピストルズを侮辱してんのか? そいつはオレ様の敵じゃあなかったって事だ! はるか格下だッ!」
629:
ナランチャ「ミスタ! ジョジョ! 飛行機が動き始めたぞッ! 早く乗って! どうやらアバッキオの『ムーディー・ブルース機長』が離陸の手順を始めたみたいだ!」
ギュイイイイイ
ジョセフ「ミスタッ! オレに掴まれッ!」ダダダダ
ミスタ「おう!」ダダダダ
ガシッ
ジョセフ「ハーミット・パープルッ!」
シビシビッ!
シュルシュル…
バコン!
ミスタ「イテテ…おまえのスタンドの荒っぽさは変わらねえな…………」
ジョセフ「すまねえ。」
アバッキオ「おい! 乗ったら早くドアを閉めろよオラァッ!」
ドドドドドド
ムーディー・ブルース機長が操縦する飛行機は無事、サルディニア島へのフライトを成功させた!
630:
ゴオオオ
ジョセフ「これで飛行機に乗るのは4回目だけど………今回のは落ちねえだろうな………」
ミスタ「そう簡単に飛行機が落ちるかよ。しかも、この飛行機を操縦してるのはムーディー・ブルース機長だ。墜落の確率は0に等しいぜ。」
ジョセフ「ちなみにオレの乗った飛行機の落ちる確率は3分の2だぜッ。」
ミスタ「おいナランチャ、墜落するかもしれねえからパラシュート出しとけ。」
ナランチャ「わかった。」ダダダダ
トリッシュ「……………………」
トリッシュ「あたしの父は…………」
ブチャラティ「……………」
トリッシュ「いいえ………」
トリッシュ「あなたたちのボスは…あたしがサルディニアに過去を探しに行くと…予想するかしら?」
631:
ブチャラティ「元だ…」
ブチャラティ「元…オレたちのボスだ。当然予想はするだろう……オレたちがただ闇雲に組織から逃げてるわけはないとな…」
ブチャラティ「だからサルディニアには2時間で到着するが、時間の余裕はない。一刻を争っている。一刻も早くボスの過去をつきとめなくてはならない……………」
ブチャラティ「オレの考えではサルディニアでボスが君の母親と知り合った時、ボスはまだ正体を隠すようなギャングではなく、ただの若者だったと予想している。その後、ギャングになったのだ。」
ブチャラティ「正体は必ずある…ボスの14年前の素顔が必ず残っている。それはオレたちには探す事は不可能だが…」
ブチャラティ「娘である君には見つけられるはずなんだ。何か…何でもいい。もっと君のお母さんの思い出話でもっと細かい事を何か覚えていないか?」
トリッシュ「『カーラー・ディ・ヴォルぺ』よ。」
トリッシュ「エメラルドのように青い海岸のある『キツネの尾』という名の。母はそのリゾート地へヴァカンスに行って父と知り合ったと言っていたわ。そして父はサルディニアで育った人だとも言っていたわ…サルディニアの方言を使う人だったらしいから。」
トリッシュ「私が知っているのはこのくらい……単なる母の思い出話よ。」
ブチャラティ「それだけでもオレたちの行くべき目的地が決まったんだ。感謝する…トリッシュ。」
トリッシュ「……………………」
632:
シュル…
ジョセフ(良い雰囲気じゃあないの2人とも! これはオレが恋のキューピットになってあげないとなッ!)
ミスタ「おいジョジョ! なにニヤついてんだ?」
ジョセフ「! す…少し喉が渇いたなァ〜と思ったんだ! 冷蔵庫からコーラ取ってくるぜッ!」ダダダダ
アバッキオ「機内を走るなオイッ!」
ジョセフ「コーラが入ってる事を祈ってオープンだッ!」
ガパァッ
ジョセフ「!!」
バタム
ジョセフ「……………………」
ガパアッ
ジョセフ「……………………」
ジョセフ「な…なんだコリャァーーーーーッ!?」
633:
ミスタ「うわ! お、驚かすなよジョジョ! いったいどうしたんだよ!」
ジョセフ「こ…氷の下に………骨が…!」
ミスタ「!!」
ガバッ
ミスタ「……な、なんだ……ただの鳥肉の食べ残しじゃあねえか………ビックリさせやがって………」
ミスタ「前に乗ってた乗客が、間違って冷蔵庫に鳥肉の食べ残しを入れたんだろ。そうに違いねえ。」
ジョセフ「………人型の指をした鳥がいるんならそれは新種だよな………?」
ミスタ「………………………」
ミスタ「嘘だろ…?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
ミスタ「…何の冗談だよジョジョ………さっきおまえはゴキブリ一匹もこの飛行機には乗っていねえって言ってたじゃあねえかッ!」
ジョセフ「そのはずだったんだ! だけど…この骨は間違いなく人の指だ!! しかも血が新しい!! 滑走路で殺したやつの手だッ!」
ミスタ「な…何のホラー映画だよッ!」ガシッ
ジョセフ「チャッキーか何かがいる映画だぜ。きっとそれは………」
ミスタ「……冗談はもうよそうぜ………こっちが疲れてき………」
634:
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ「ゆ…指が一本増えた気がするんだけどォ〜………」
ミスタ「き…気のせいだッ! き…気のせいに違いねえよきっと…」
ジョセフ「そうだよな! きっとそうだよなミスタッ!」
ミスタ「そうだ! そうなんだよきっと…!」
ガシッ
ジョセフ・ミスタ「ハハハハハハハハハハッ!」
ジョセフ・ミスタ「ハハ………ハ…………………」
ジョセフ「ブチャラティ! トリッシュの護衛を頼む!!」グアッ
ミスタ「ナランチャはまわりを調べろッ! 敵がいねえかくまなく探せッ!」グアッ
だが、ミスタたちの捜索もむなしく、敵の手がかりは見つからなかった。
残されているのは冷蔵庫の指だけ…
635:
ジョセフ「よ…よくよく考えたらオレの数え間違いだったのかもしれねえな………テンパってて冷静じゃあなかったしよ。」
ミスタ「それでもこの指が異常な物には変わりねえぜッ!」
ブチャラティ「…とりあえずこの冷蔵庫は外に捨てよう。それでひとまず冷静になるんだ。」
ナランチャ「す…捨てるったってここは高度一万二千メートルなんだぜ……アバッキオが言ってたけどそんな高度だったら機内と外の気圧はもの凄く違うらしいんだ!」
ナランチャ「扉を開けたらオレたちは外にぶっ飛んでいくよッ!」
ブチャラティ「扉を開けるだと? 扉にまで持っていく必要はない。みんななにかにつかまれ…」
ブチャラティ「スティッキー・フィンガーズ!!」ゴバ
ナランチャ「えっ!! なにッ! まさかジッパーをここで!」ガシィ
ミスタ「ひいッ! うわあああえ!!」ガシィ
ジョセフ「オォーーーーノォーーーーー!! まだオレは死にたくないんだよォーーーーーーーッ!」ガシィ
トリッシュ「!」ガシィ
ポン
ブチャラティ「……るほどの事もなかったかな。」ス…
ジョセフ「絶対今ので寿命が縮んだぜ………」ズルリ
636:
ゴオオオオオオオ
ジョセフ「…ン?」
『フライドチキンが食べたい』
ジョセフ「フライドチキンねェ〜………エリナおばあちゃんが作るフライドチキンを食べたくなっちまったぜ………」
『女の子大好き』
『バカ死ね』
ジョセフ「やけに落書きが多いな…悪ガキが乗ってたんだろうな。」
『サルディニアへ行きたい。オレたちは…』
ジョセフ「? サルディニアだと…?」
ガパァッ
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
『死体に喰われる。助けてくれ。』
ジョセフ「なんだ〜〜〜これは…!!」
『死体だからもう殺すことはできない。』
『敵スタンドの名はノトーリアス・B・I・G。』
ジョセフ「誰が書いたんだよこんなの!! こんな情報書けるのは…!!」
637:
『ジョセフ・ジョースター』
ジョセフ「…………ハッ!!」
ピクッ
ピクッ
ピクピクピクピク
モコモコモコモコ
バッ
ジョセフは左手を見た。
グジョグショグジョグショ
ジョセフ「なにィィィィィィィィ!!?」
ジョセフ「この気色悪いのは何なんだいったいッ!?」
グジョグショ
ジョセフ(お…オレの義手を食ってやがる! そして手がでっかく…)
ジョセフ(!! そうか! きっとこの手は滑走路で死んだやつのスタンドだッ!)
ジョセフ(そして! 冷蔵庫の中に死体の指を入れたのも…ペンで落書きしたのもオレだったんだッ!!)
638:
ブチャラティ「何事だ……ジョジョ。」
ミスタ「お、おい!?」
ドンドンドンドン
ドザァ
ミスタ「くそッ! ジョジョの手から離れねえぞ!」
ナランチャ「スタンドか!? どこに本体がいるんだ!!」
ジョセフ「オレの左手にいるこいつの本体は………おそらくヴェネツィアの滑走路に横たわってるぜ……」
ナランチャ「……………………」
ジョセフ「あいつは死ぬためにやってきたんだ…わざと撃たれてな。スタンドの能力を自動追跡にするために…本体が死んで始めて動きだしたんだ……」
ナランチャ「ミスタッ! 早くもっと撃たないとジョジョの左手が!」
ミスタ「ナランチャ……撃ちたいんだけど撃てねえんだ………」
ナランチャ「え?」
639:
ミスタ「こいつは素早いぜ…オレのピストルズが……今ので4…体…半分以上だ…」プッ…プッ…
ミスタ「ヤバイぞ…こいつは…」ダラダラ
ドドドドドドドドドド
ピストルズ1「No.2! No.3!」
ピストルズ5「No.6!! No.7!!」
ブチャラティ「ミスタッ!!」
ナランチャ「ミスターーー!!」
ズルゥ
ブチャラティ・ジョセフ「!!」
ジョセフ「オレの手から飛び移りやがったッ!!」
ナランチャ「エアロ・スミスッ!」
ドガガガガ
グバァ
ナランチャ「!!」
バシ
バシ
バシ
640:
ナランチャ(バ…バカなッ! 早い…早すぎるぞ! 本体が近くにいて見えなきゃこんなに正確に弾丸の軌道がわかるわけがないッ! しかも、ダメージがないみたいだッ! や…ヤバイぞこいつ! こっ…このままじゃ全滅だ!)
ボンボンボンボンボンボン
ナランチャ「うおおおおおおおおおおお!」
ブチャラティ「ナランチャ!!」
ブチャラティ「トリッシュ!! 君はクローゼットの中に隠れるんだッ! すぐに亀の中に入れッ!」
バッ
グオオオ
ブチャラティ「ト…トリッシュを!!! バ…バカな!! オレやジョジョを飛び越してトリッシュに向かうだとッ! なぜトリッシュなんだ!?」
ブチャラティ「トリッシュ! 早くドアを閉じろォーーッ!」
グオオオ
トリッシュ「まっ!! 間に合わないッ!」
ブチャラティ「トリッシューーーッ!」
ブオン
グオオオ
ブチャラティ・トリッシュ「!」
641:
ジョセフ「へへ…全てのトリックが分かっちまったぜ!」
ベチャベチャ
ジョセフ「左手ぐらいくれてやるよ!! 金属の味しかしねえだろうがなッ!」
ジョセフ「こいつは動きだ! 動いている物に飛びついてくるんだ!! 相手が素早ければ素早いほどスピードについてくる! こいつは驚異だったぜ!」グジョグショ
バリィィン
ジョセフは窓を割り、左手を切り落そうとしている!
ジョセフ「よくも仲間を傷つけてくれたなァッ! 2度と顔を見せるなよッ!」
ジョセフ「アリーヴェデルチ……だぜ!」
ゴバアアア
バシ
窓をしめるジョセフ
ジョセフ「ふううううう……」
ガクリ
ブチャラティ「ジョジョッ!!!」バッ
642:
ジョセフ「大丈夫だブチャラティ……ちょっと疲れて倒れただけだ。ダメージは食らってないから安心しな。」
ブチャラティ「そうか……それは良かった。」
トリッシュ「ジョセフッ! 左手は大丈夫なの!?」
ジョセフ「あぁ。オレの左手は義手だから大丈夫だ。昔に左手がなくなっててよかったと初めて思ったぜ。」
トリッシュ「義手…?」
ジョセフ「名誉の負傷さ………敵との戦いでなくしちまったのさ。」
トリッシュ「……………………」
トリッシュ「……ジョセフ。あたし…あなたの事ただのバカだと思っていたけど、どうやら違ったみたいね。ごめんなさい。」
ジョセフ「なーに、そんなの慣れっこだよ慣れっこ。」
ジョセフ「…一応言っとくけどオレは世界を滅ぼそうとした敵から地球を守った男なんだぜ。」
トリッシュ「………冗談も言えるぐらい元気みたいね。」
ジョセフ「本当なんだよッ!」
ブチャラティ「とりあえずみんなが死ななくて良かった。トリッシュ。サルディニアにはあと一時間で着くから少し休んでてくれ。」
トリッシュ「ええ。」
ガチャリ
ジョセフ「オレはトイレ行ってこよッ!」
ダッダッ
ガチャリ
643:
トリッシュ「…………………」
ス…
トリッシュ「あたしも……何かジョセフたちの役に立てないかしら…………ジョセフたちは必死になってあたしを守ってくれる。あたしはもう役に立てないのに…………」
トリッシュ「……………………」
トリッシュ「あたしも普通の女の子になれるのかしら………」
トリッシュ「整形とかしないとダメなのかな? ………あ…でも、顔をいじるのは産んでくれた母に申し訳ないわね………化粧でごまかさないと…」
パッ
パッ
トリッシュは化粧をするため、手鏡を出した
ポンポン
トリッシュ「………………」
クルッ
トリッシュ「今…確か羽の上にサッカーボールがあったような気がする………見間違いかしら…」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
バヂョ
トリッシュ「きゃああああああああああ!」
644:
ドヒャ
手鏡を落とす
バシ
シュルシュル
グニグニ
トリッシュ「こ……これはッ!」
トリッシュ(ば…バカなッ! 飛行機の外に吹き飛ばされたのにふり落とされなかったというの? い…いや違う! ……逆だわ……! ジョセフはこの敵は動くものに反応して攻撃すると言っていたわ…)
トリッシュ(だとしたら飛行機は外を動いてるわッ…)
トリッシュ(そ…そうだ! ゆっくり動けば敵は攻撃して来ないはず! クローゼットの中に逃げ込んでドアを閉めようッ!)
ス…
ズウウウ
トリッシュ(び…敏感だわッ! まずい! スピードを増してきた!)
645:
ピクン
トリッシュ(動きが…止まった?)
ジャアアアア
ジョセフ「ああ! スッキリしたッ! 気分一新だぜッ!」
ガチャガチャ
ジョセフ「なかなか硬い鍵だな……くそっ! 開かねえぞッ!」
トリッシュ(そうか…トイレの中にいるジョセフに反応してるのね………今ならクローゼットに逃げ込める…………)
ズズズズズ
トリッシュ(敵も移動を始めた………今のうちに…)
トリッシュ「………………………」
トリッシュ(このままならジョセフが扉を開けた瞬間………敵はジョセフを襲う……油断してるジョセフはおそらく抵抗できないでしょうね………)
トリッシュ(リクライニングシートのスイッチ…指でこのスイッチを押すだけで…シートの背もたれが電動で後ろに倒れていく………)
トリッシュ(これを押せば、ジョセフを助けれる……はず………)
トリッシュ(こんな私にだってできること………でも…もしかしたらあたしは死ぬかもしれないわね………クローゼットに逃げ込めばあたしは助かる………)
トリッシュ(でも!)
646:
カチッ
ウイイイイイイ
グルン!
ボグオオオオ
トリッシュ「うう…ひ…ひっ…」
トリッシュ(…もうあたしは変わらないといけないッ! 自分が正しいと信じる道へッ!)
トリッシュ「ジョ…ジョセフッ! 今トイレの外にさっきの敵がいるわッ! ゆっくり扉を開けて出てきてッ。」
ジョセフ「な…なんだとォッ!?」
バギンバキン
グルゥン
トリッシュ「ま…また向かってくるッ! シートを破壊し終わったからッ! リクライニングシートの動きが止まったから!」
ビタッ
ビタッ
ビッシイイイ
トリッシュ(あ…あたしの汗に反応したッ! ブーツを掴まれてる!!)
トリッシュ(あ…あたしはここで死ぬんだわ……やっぱりあたしは普通の女の子になんかなれやしないのね…!)
ギシィ
トリッシュ「ひイイイイ。」
647:
ドッシュッ
トリッシュ「!!」
トリッシュ「た! 助けてッーーーブチャラ……きゃあああああ!」
パタン
トリッシュ「え……!!」
ゴロリ
グシグシ
バリン
トリッシュ「一体…!? 今…何が起こったの…?」
ブスブス
ブスブスブスブス
トリッシュが手を置いた場所には恐竜の手形のような跡があった
?「ソノママ動カナイデトリッシュ……モウスコシデタスケガクルワ。アナタガ思ッテイル人デハナイケド。」
トリッシュ「え?」
トリッシュ「だ…誰……?」
648:
ガチャリ
ビクン
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ「せっかくトイレでスッキリしたっていうのによォ〜……」
ジョセフ「機嫌が悪くなっちまったじゃあねえか。」
ジョセフ「1人でいる普通の女の子を攻撃するとは………紳士としては見逃せないぜ!」
トリッシュ「ジョジョッ!!」
ジョセフ「トリッシュ。ブチャラティじゃあなくて悪かったなッ!」
ビシ!
ボグオオオオ
グシグシ
ジョセフ「オレのスタンドはいくら攻撃されようと効かねえぜ。イバラなら何本も作れるからなァ〜。」
ジョセフ「トリッシュ。ゆっくりこっちに来いッ! クローゼットはこっちだ!」
649:
トリッシュ「…………………」
トリッシュ(今…声が…どこかから聞こえたわ…何? 今のは? ブチャラティの声? それともジョジョ? いや違う…女性の声だった…今のは…)
?「ズット前カライマス…アナタガ幼イ時カラ。イツモアナタノソバニイマシタ。」
?「トリッシュ。クローゼットヘムカッテクダサイ。」
?「アナタハ自分でソウ決メテイル! ミンナヲ守ルトズテニ決心シテイルッ! 迷イは弱サにツナガリマス。ソシテ…命令ヲ…シテクダサイ…ワタシに…」
トリッシュ「だ…誰なの…?」
?「ワタシは…アナタデス。ワタシハアナタに作ラレマシタ。今はアナマガミンナヲ守ルノデス。」
トリッシュ「……………………」
?「トリッシュ! クローゼットへ向カウノデス!」
ダッ
トリッシュ「守るったってどうすんのよッ!」
ガシッ
トリッシュ「え?」
グニョグニョ
ベチャベチャ
?「コレガアナタノ能力デス。座席シートヲ柔ラカクシマシタ。」
グニイイイイ
650:
ジョセフ「ト…トリッシュのやつなんでこっちに来ねえんだよ。」
ボゴオオオ
ドギヮア
BIG「ブゲッ。」
バグオオオン
BIG「ウゲッ。」
ジョセフ「ナ、ナンダァーーーッ!?」
トリッシュ「! あんたはひょっとして………あたしなの? これはあたしがやった事なの?」
?「重要ナノハ…………トリッシュ…」
?「仲間ヲ守ロウトシタソノ迷イヲ吹っ切ッタ固イ決意デスッ!」
?「アナタハ強クナッテイル! 精神的ニモ! 人間的ニモ強クナッテイルッ! ソシテッ! アナタハこの世ノアラユル物質ヲ柔ラカクスル事ガデキル!」
?「柔ラカイトイウ事ハダイヤモンドヨリモコワレナイ!!」
グニョグニョ
?「サア…ハヤクジョセフノ方へ向ウノデス。クローゼットノ中ニ一旦隠レ………」
トリッシュ「言われなくても分かってるわよッ!」ダッ!
グニイイイイ
ジョセフ「トリッシュ! 走るんじゃあねえ! 敵は動きに反応してるんだ! それじゃあ敵の思うツボだぜッ!」
?「言ウノガ遅イワネ。」
ジョセフ「だ、誰だテメーはッ!?」
トリッシュ「そんな事より早くクローゼットの中に入ってジョジョッ!」
ジョセフ「お、おう!」
バタン
651:
グニグニ
グオン
ジョセフ(扉が粘土みてえに柔らかくなってやがる。これは………もしかして…トリッシュがやったのか…?)
ジョセフ(トリッシュには前からスタンドが見えていた………ボスの娘である以上、素質があるとはわかってはいたが、まさか本当に発現しちゃうとは………)
ジョセフ(とりあえず………)
ジョセフ「隠れたはいいけど…これってマズくないか……?」
グニグニ
トリッシュ「こんな狭いとこに女と二人っきりなんて…なんかドキドキしてくるぜ…なんて思ってるの?」
ジョセフ「! そ…そんな事思ってるわけないだろッ! オレが思ったのはだな!」
?「静カニシテクダサイ。敵二気ヅカレマス。」
ジョセフ「ていうか何だお前ッ! お前はスタンドなのか!?」
?「ワタシハトリッシュ…トリッシュハワタシデスッ!」
ジョセフ「意味が分かんないからちゃんと説明してくれねえかなァ〜? ……なんでスタンドが喋ってるんだよッ!」
?「ソンナ事ワタシニハワカリマセン。トリッシュ二聞イテクダサイ。」
ジョセフ「おまえはロボットかなんかなのか? こんな質問に答えられねえなんてよ!」
トリッシュ「喧嘩はやめてよ!! あたしの周りで騒がしくしないで! 敵があたしを襲って…」
652:
グワアアア
トリッシュ「きゃあああああ!」
ピクン
トリッシュ「……?」
ズルズル
バギッ
チッチッチッチッチッチッチッ
ドクシャ
?「時計ヲ柔ラカクシマシタ。アノ時計ハモウ少ナクトモ電池ガナクナルマデハ永久二壊レル事ハナイ!!」
?「ソシテアナタガアノ秒針ヨリモク動カナケレバ……………!!」
?「ヤツハ針の動き二反応シ、優先的二何度モ何度モ時計ヲ襲イ続ケマス!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
?「スピードハ出サズ! タダシッ! 万力ノヨーナ力ヲ込メテッ!」
グググ
ズプ
?「コイツヲ細切レニ切リ刻ンデブッ殺スノデスッ!」ズブズブ
BIG「ウギギギギアギニャアアアアア。」
ジョセフ「うへっ…」
?「テメェーッ! サッサトあの世へ行キヤガレェェェェコノクソガアアアアアッ!」グシッビュッ
?「イツマデモコノ世ニヘバリ付イテンジャアネエェーーーーーッ! コラァァァァッ!」グシッグシッビュッ
BIG「アギィィヤアアアアアアギギギググググガゴグババババ!」
ジョセフ(いきなり口調が豹変しやがった!! 怖えよ! このスタンドすっげえ怖えよッ!)
653:
トリッシュ「な…名前……あなた……名前はあるの? あんたの事、何て呼べばいいの?」
?「『スパイス・ガール』!!」バン
トリッシュ「そう……一味………違うのね……」
グシッグシッ
ジョセフ「本当だぜ…あんだけしつこかった敵が小さくなっていきやがる!」
グシッグシッ
トリッシュ「あたしのスタンドへの恐怖心はなくなった?」
ジョセフ「……………………」
ジョセフ「なくならないね。」
トリッシュ「あたしはもう慣れたけどね。」グシュー
ジョセフ「随分とお早いことで…」
シュー…
ジョセフ「よし! これで敵は死んだぜ! ブチャラティに報告しにいくぞ!」
ガチャリ
トリッシュ「あら、ちょうど良いときに来たわ。ブチャラティ、実はあたし…」
ブチャラティ「それ以上しゃべるんじゃあないッ!」
トリッシュ「…………………」
ジョセフ「おいブチャラティッ! いくらなんでもそれは言い過ぎだぜッ?」
654:
ブチャラティ「い…いや…ゆっくりだ…二人とも…ゆっくりとこっちに来るんだ。」
アバッキオ「高度7000メートル、6800、6600、6400…」
ジョセフ「え?」
アバッキオ「ダメだ! どんどん落ちていく! なぜか分からねえッ! ムーディー・ブルースにもどうすることもできねえ!!」
ブチャラティ「降下している原因が……アバッキオ。」
ブチャラティ「わかった……だが……これを…どうすればいいんだ?」
トリッシュ「ブチャラティ? 一体何を言ってるのか……」ス…
ブチャラティ「動くんじゃあねえトリッシュッ!!」
トリッシュ「!! ま…まさか!」
アバッキオ「こっ…こ…これは…!! そんなバカな!!」
ジョセフ「夢じゃあ…ねえよな? ……こんなとこで寝るはずねえもんな。」
ゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ「!! ト、トリッシュ…後ろを向くなよ……オレは見ちまったけど…今、とてつもなく後悔してるぜ!」
ドドドドドドドド
トリッシュ「こ…これは! そんなバ…バカなッ!」
ノトーリアス・B・I・Gは自分の体を大きくし、飛行機の後部を侵食していた!
それこそが、飛行機の急降下の原因であった!
655:
ブチャラティ「トリッシュ…ゆっくりとこっちに来るんだ…走るな……絶対にだ。」
トリッシュ「………ねえジョジョ、スパイス・ガール………」
トリッシュ「あたしが今、考えてることわかる?」
ジョセフ「……オレを誰だと思ってやがる。オレもそれしかねえと思ってたところだ。」
スパイス・ガール「トリッシュ。何回モ言ッテルケド、ワタシハアナタナノ。考エテル事ハ手ニトルヨウニ分カルワ。」
トリッシュ「OK……行くわよ。」
ダッ
ブチャラティ「な!!?」
ボンボンボン
ブチャラティ「バ…バカなッ!! 何をやっているんだッ!! 追いつかれるッ!」
トリッシュ「ええ! 追いつかれるわッ! ゆっくり動くなんてスットロい事やってたらいずれ追いつかれるわよどっちみち!」
ドシューー
トリッシュ「コックピットに!! 入るのよーッブチャラティーーーーッ!」
ブチャラティ「血迷った事を!! ドアが破壊されるッ!!」
ジョセフ「ここは黙ってトリッシュに従おうぜブチャラティ!」
シュルッ!
ブチャラティ「う!」
シュビッ
バタム
656:
ドグオオオ
グニョオオオオ
アバッキオ「い…一体!? まさかトリッシュ……おまえ…ド…ドアが……」
トリッシュ「あたしはもう守られる側じゃあない…今度はあたしがみんなを守る番よ……だから…今はあたしを信じて!」
トリッシュ「スパイス・ガール!」
スパイス・ガール「WAAAAAAAANNABEEEEEEEBE!!!」ズドドドドドドドド
グニャアアア
ブチャラティ「ト…トリッシュ、こらは……おまえ…いつスタンド能力が…」
アバッキオ「カ…カベも、ゴムみてーに、柔らかくなってる。」
ジョセフ「敵がスピード優先で攻撃するなら、オレたちがいる場所とあの飛行機…どっちが遅いだろうなァ〜?」
シュパアーー
トリッシュ「もちろんこのパラシュートねッ!」
BIG「GYYYYAHHHHHHHーーーーッ!」
ドグオオオオンンンン
アバッキオ「こいつは!! いつの間にトリッシュ…」
ブチャラティ「君に…こんな能力が…こんなパワー型の…」
ドドドドドドドド
トリッシュ「アリーヴェデルチ(さよならよ)」
ジョセフ「ブチャラティ! お前の決めゼリフを言われちまったな! へへへッ!」
ブチャラティ「……………………」
657:
トリッシュ「さあ…姿をくらましてボスの正体を探しに行きましょう。父の過去を追跡するのよ。」
ジョセフ「……よっこらせ!」
ドス!
トリッシュ「ちょ、ちょっとジョジョ! 何してんの!」
アバッキオ「お、おいジョセフ押すな! おまえは体がデカイから危険なんだよ! 落ちるだろッ!」
ジョセフ「狭いんだから仕方ねえだろ!! 我慢しやがれ!」
ジョセフ「……………………」ジー…
ブチャラティとトリッシュはかなり密着している。トリッシュはなぜか顔を少し赤くしていた。
ジョセフ(恋のキューピット作戦は継続だな!)
ジョセフ「……あ。」
トリッシュ「どうしたのジョジョ?」
ジョセフ「この飛行機、例の飛行場に返すって約束してたのに壊しちまったなァ〜と思って…」
アバッキオ「向こうもジョセフだったら諦めがつくだろうよ。」
ジョセフ「……言い返せねえ…」
658:
バァーン
『グイード・ミスタ、ジョセフ・ジョースター、ナランチャ・ギルガ、ブローノ・ブチャラティ』ー再起不能
ヴェネツィア、マルコ・ポーロ空港で何者かにハイジャックされた自家用ジェット機はティレニア海サルディニア島北東沖約50キロ地点で謎の墜落。迷宮入り。
乗客は全員ー(行方不明)
ザザザザ
ザザザザ
BIG「GYAHHH!」
バシッ
バシッ
スタンド名ーノトーリアス・B・I・G
完全殺害不可能。
ノトーリアス・B・I・Gは動いているものなら何でも襲ってしまう。そのせいで何台もの貨物船や何人もの漁師が犠牲になったという。
だが、たまたま弱ったノトーリアス・B・I・Gを発見したとある漁師がノトーリアス・B・I・Gを引き上げ、生き物と勘違いし、自分の家で育てたらしい。
その漁師はノトーリアス・B・I・Gを子供のように可愛がり、ノトーリアス・B・I・Gは動くものを襲うのを止めた。
〜to be continued〜
666:
サルディニア島に着いたブチャラティたちはボスの手がかりが残っているとされている像の前に着いた。
しかし、ブチャラティたちはすでにボスがこの島に着いていることを悟り、別々に行動する事にした。
ブチャラティ、ナランチャはボスの探索。アバッキオ、ジョセフは像でリプレイ。ミスタ、トリッシュは遠くでアバッキオたちの観察をすることになった。
アバッキオ「……………………」
ジョセフ「………アバッキオは好きな女っているのか?」
アバッキオ「いねーよ。いてもお前にだけは教えねえな。」
ジョセフ「………どうやってこの組織に入ったんだ?」
アバッキオ「おい。いい加減にしねえとぶん殴るぞ…」
ジョセフ「悪りい悪りい! そんなに怒るなよッ。」
667:
カチカチカチカチ
アバッキオ「……………………」
ポン
ポン
アバッキオ「!」
子供「ごめんなさい! おじさん!」
アバッキオ「…………………」
ジョセフ「…………………」
アバッキオ「ほらよ。」
ポン!
子供「ありがとうおじさん!」
ダッダッ
ジョセフ「アバッ……おじさんってガキに対しては優しいんだな…」
アバッキオ「ガキには未来があるからな…オレたちみたいにバカな大人になって欲しくねえんだよ……あと次おじさんって言ったらぶっ殺す。」
668:
ジョセフ「それってオレも入ってんの?」
アバッキオ「当たり前だッ! お前が一番バカだろッ!」
ジョセフ「うっせーッ! バカって言った方がバカだもんねェーッ!」
アバッキオ「ガキかテメーはッ!」
ジョセフ「心は永遠にガキのまんまでいたいんだよ…」
アバッキオ「どこのピーター○ンなんだよおまえッ!!」
ジョセフ「ようするにオレは子供心が分かるって言いたいんだよ! 見とけよ!」
ザッザッ
ジョセフ「おいお前ら!」
子供1「ひぃッ!」
子供2(で…でけェー…!)
子供3(知らない人は無視する…知らない人は無視する…)
669:
ジョセフ「今からお兄さんが手品を見せてやるよ。おまえらを誘拐とかしねえから見といてくれ。」
子供1「で…でもオレたちサッカーに戻らないと……」
ジョセフ「すぐ終わるから見とけって!」
子供1・2・3(帰りたい…)
ゴソゴソ
ジョセフ「ジャジャーンッ! ここにシャボン玉の液がありまーすッ! どっからどうみてもただのシャボン玉だ!」
ジョセフ「試しに…ほら、そこの帽子被ったボウズ。このシャボン玉を吹いてみな。」
子供1「う…うん……」
子供1「フーッ。」
子供1が吹くと、そこには何個かのシャボン玉ができた。
ジョセフ「な! 普通のシャボン玉だろ?」
ジョセフ「だが…オレにかかればもっと面白くシャボン玉で遊べるんだぜ!」
ポワーン
子供2「す、すげェー! 道具を使ってもないのに、手だけでシャボン玉を作ったッ!!」
670:
ジョセフ「おらよッ!」
ペタッ
子供3「しかも手にひっついてやがる!? 割れずに!!」
ジョセフ「驚くのはまだ早いぜ。」
ジョセフ「ハンカチかなんか持ってるか?」
子供1「持ってるよ。」
ジョセフ「では…このハンカチをシャボン玉の中に入れちゃいます!」
バリバリ
ポン
ジョセフ「そして宙に浮かすッ!」
フワフワ
子供1・2・3「すげェーーーーッ!!」
パチパチパチパチ
ジョセフ「じゃあ誰かこのシャボン玉に触ってみろ。」
子供3がシャボン玉に触ろうとする
子供2「あ。」
子供2「おい何してんだよ! ここはジャンケンだろ!!」
子供1「順番抜かしすんなよ!!」
子供3「だって触りたいんだからしょうがないじゃん!!」
パチン
子供1・2・3「!!」
シャボン玉が割れる
671:
ジョセフ「あーあ! おまえらが喧嘩するからシャボン玉が割れちまったじゃあねえか!」
子供1・2・3「ご、ごめんなさい……」
ジョセフ「それじゃあ…」
ジョセフ「オレもサッカーに混ぜてくれたら許してやるッ!」
子供1・2・3「ええッ!?」
ジョセフ「ダメか?」
子供1・2・3「……………………」
ゴソゴソ
子供1「……それなら…来て。みんなのとこに行くから。」
子供2「入れるかは分からないけど……」
ジョセフ「へへ! オレさまは意地でも入るつもりだぜッ!」
子供1・2・3(この人なら入ってくるだろうなー…)
アバッキオ(こどもと戯れてるって言うよりは弄んでるな。)
672:
ジョセフ「アバッキオ、オレちょっと遊んでくるからここで仕事を続けといてくれ。」
アバッキオ「おいッ! ボスがこの島にいるってのにそんな事していいも思ってんのかッ!!」
ジョセフ「思ってねえよ。」
アバッキオ「!」
ジョセフ「敵はどこから出てくるか分からねえ…向こうの様子を見に行ってくる……少し遊んだらすぐにここに戻ってくるぜ。」
アバッキオ「………………………」
ジョセフ「おいおいアバッキオ。聞いてんのか? 寝てんのかもしかして?」
アバッキオ「……あ、あぁ。早く遊んできな。」
子供1「おじさん早くッ!」
ジョセフ「おいテメーッ! お兄さんって呼びやがれッ!!」
ジョセフ「安心しなアバッキオ。お前だけじゃあなく、みんなを狙ってくる敵はオレが絶対に倒して、みんなを守ってやるぜッ!」ダダダダーン
アバッキオ「…………………………」
アバッキオ(あいつをただのバカだと思ってたオレこそがバカだったのかもな……)
673:
子供3「……ねえねえ。おじさんは一緒に遊ばないの?」
アバッキオ「あ? オレか? オレはあいつと違って仕事をしなくちゃあならねえんだよ。すまねえな。」
カシャカシャ
子供3「なんで謝るの?」
アバッキオ「い…いや、なんでもない。オレの機嫌が悪くならないうちに早く行った方がいいぞ。」
子供3「でもさ………」
アバッキオ「?」
子供3「オレもここでやらないといけないことがあるんだ……アバッキオ。」
アバッキオ「!!」
ズドッ
アバッキオ「ウ。」
子供3「やはり、生まれ故郷はいい…ついてる。」
子供3「バイバイおじさん。また会えるといいね。」ダダダ
アバッキオ「…………………」
674:
?「……………………」
?「………ッキオ。」
ナランチャ「アバッキオッ!」
ナランチャ「バカなッ!!」
ナランチャ「ちくしょうッ! そんなバカなッ!」
ナランチャ「ジョセフの波紋ならアバッキオのケガも治せるよね! 今までそうやってオレたちのケガを治してきたじゃんか!」
ドドドドドドドド
ジョセフ「………………………」
ブチャラティ「くどいぞナランチャ。ここは危険なのだッ! おまえはエアロスミスを出して周囲を警戒しろ。」
ナランチャ「何言ってんだよー〜〜ブチャラティ。今アバッキオは目覚める途中だってばよォ!!」
ミスタ「……………………」
ナランチャ「何で返事しないんだよ! 冗談はよしてくれアバッキオッ!」
トリッシュ「ぐ……うぐ……」
ナランチャ「アバッキオッ!! 返事をしてくれアバッキ……」
ジョセフ「ナランチャ……いい加減理解しろ……アバッキオは死んだんだ。」
675:
ナランチャ「!! ジョ……ジョジョ? 今……な…何て言ったの?」
ジョセフ「アバッキオは死んだ……そう言ったんだぜ。」
ナランチャ「何で波紋で直してもいないのにそんな事言えるんだよ! やってみなきゃ分からないだろ!」
ジョセフ「…………やってるからこそ言っているんだよ……ナランチャ……」
ナランチャ「え?」
バリバリ…
ジョセフ「さっきからずっとだ……オレがアバッキオを発見してからずっとこうしてる…………それなのにアバッキオは目を覚まさねえ……」
ジョセフ「何で目を覚まさないかはナランチャ……お前も分かってんだろ?」
ジョセフ「この現実を受け止めれないのならこのチームから外れな。邪魔だからよォ……」
ナランチャ「……………………」
トリッシュ「ジョジョ! あなたナランチャに何てひどいことを言うの? ナランチャの反応は普通よ!! あなたは何でそんなに冷たいのッ!?」
ブチャラティ「トリッシュ……ジョジョが冷たいっと言ったのを謝罪しろ。」
トリッシュ「え?」
ブチャラティ「謝罪しろと言ったんだ。」
676:
ポタッ…
トリッシュ「!」
ジョセフ「なぜアバッキオが死んだか……それはオレがアバッキオと離れたからだ……! そのせいでアバッキオは敵に殺されたんだ…………」
ジョセフ「敵は最初からここに来るのを分かっていたんだ……そしてアバッキオはそいつに殺された…………それが分かった………オレのせいでなッ!」
ポタッ…ポタッ…
ジョセフ「アバッキオはオレのせいで死んだッ!! ナランチャ……恨みたいんならオレを恨めよ? …………オレはこいつとの約束を破っちまったんだからさ……みんなを守るって約束をなァ〜………」
ジョセフ「この最低なおふざけ野郎のオレを怨んでくれ……ナランチャ……………………」ポタポタポタ
ミスタ「……あいつは誰よりもアバッキオが死んだ事を理解し、誰よりも後悔しているんだ………それは、あいつがそれだけ仲間の事を大切にしていたってことだぜ……」
ブチャラティ「ジョジョは冷たくなんかない……オレたちと同じ仲間なんだよ。」
トリッシュ「ジョジョ…………………」
677:
ジョセフ「仲間の死を受け止めねえと先へは進めねえ………アバッキオの分までオレたちはボスを倒さねえといけねえんだ。」
ジョセフ「もし! こんなオレと一緒に行動したくなかったらこのチームから外れてくれ。それがおまえのためだ。」
ナランチャ「…………………………」
ナランチャ「………つ…続けるよ。」
ナランチャ「オレはボスを倒すまで諦めないよ! それがアバッキオのためなんだろ?」
ナランチャ「それが……アバッキオの………うぅ……」
ガバッ
ジョセフ「あーあ! 泣くなんて情けねえなァ〜〜〜…もう二度と泣くなよ。」
ナランチャ「う……うん………」グスッ
ザッザッ
ジョセフ「ちゃんとした墓は作れねえが………ボスとの戦いが終わったら立派な墓を作りに戻ってくるぜアバッキオッ!」
678:
ジョセフ「ブチャラティ……いつまでもここに残るのはマズイと思う……ボスがこの島に上陸してんのなら証拠も全部隠滅されてるだろうし……オレたちへの刺客も用意してるだろうな。」
ブチャラティ「あぁ…それは分かってる。今すぐにこの島を立ち去らなくてはならない。」
ミスタ「そうは言ってもよォ〜〜……ボスの手がかりはもうなくなったんだよな? それならどこへ行っても一緒だぜ?」
トリッシュ「あたしももうボスの情報は持ってないわ……残念だけど………」
ジョセフ「……チクショォーーーーーッッッ!!!! これじゃあアバッキオの行動が無駄になっちまうじゃあねえかッ!!!!」ガコッ
ジョセフは像を殴った
ジョセフ「ん……? なんだこれは?」
ドドドドドドドド
ブチャラティ「お…おいこれは。」
ミスタ「リプレイは!! 終了してたみたいだな。」
ドドドドドドドド
ミスタ「これはデス・マスクだ!! リプレイのデス・マスク。アバッキオのムーディー・ブルースがくちゆく前にッ!」
ミスタ「最後のスタンドエネルギーで変身した顔の形を石面に押し付けたのだッ!」
ミスタ「指紋までわかるッ! くっきりとめり込ませてあるぞ!」
ブチャラティ「アバッキオは最後に残してくれていたッ!」
ブチャラティ「これがボスの素顔だッ!」
ジョセフ「この顔は忘れねえ……次にこの顔に会った時……二度と合わねえようにしてやるッ!!!」
ジョセフ「アバッキオ……ありがとよ…………おまえの覚悟……しかと受け取ったぜ……」
ザバアアアアアア
ザバアアアアアア
679:
シュビシュビ
『該当者なし』
シュビシュビ
『該当者なし』
ブチャラティ「だめか…?」
ジョセフ「あぁ。インターネットのありとあらゆるデータベースをスタンドで探さしているが………合致する指紋がねえ……まあ当然だな。」
ゴゴゴゴゴゴ
トリッシュ「許してはいけないわ…………」
ブチャラティ「…………………」
トリッシュ「あたしの心にもこの男は許してはいけないと感じるわ……………」
トリッシュ「ヴェネツィアの時と同じ感覚がさっき少しの間あった……………………」
トリッシュ「アバッキオに近づいたのは………………」
トリッシュ「父だわッ!」
トリッシュ「この男が直接アバッキオに手を下したのよ!! それが今わかるわッ!!」
ブチャラティ「ボスがここに来てるというのか? トリッシュ。」
トリッシュ「ええ…さっき感じたのよ……今はどこか分からないけどこの海岸のどこかにいるわッ!」
ジョセフ「そうか………アバッキオを殺したのはボスだったのか。これでハッキリしたことが一つあるぜッ!」
ジョセフ「ボスは一人しか確実に殺せないんだよ……ブチャラティの時もアバッキオの時もそうだ。やつはオレたちをまとめて殺せないんだ!」
ブチャラティ「だが! それが分かったところでボスの正体が判明しなければ攻撃のしようがないッ! なんとしてもボスの正体を………」
680:
?「ソンナ事ハナイゾッ! 君タチハ追跡ヲモウ…終エテイルッ! 後ハ倒ス方法ヲ見ツケルダケダ!!」
?「ディアボロヲ倒シタイノナラ私ノ言ウコトヲ信ジテ欲シイ。私ハ君タチノ味方だ。」
全員「!」
ジョセフ「ディアボロ……だと…………?」
ジョセフ「おい! おまえ今何て言ったんだッ!?」
ブチャラティ「しっ。」
?「君タチハパッショーネノボスデアルディアボロヲ倒シタイノダロウ? 私ノ目的モディアボロヲ倒スコトナノダ。」
ジョセフ「はったりかましてんじゃあねーぞッ! ディアボロだと? それがボスの名前だって証拠もねえのに信じられるか!! 通信を切るぜ!」
?「ヤツノスタンド能力ハ時を飛ばす能力ダッ!」
?「ブチャラティ……君ハヤツノスタンド能力ヲ間近デ体感シタハズダ! ソレニジョセフ! 君モ体感シテルハズダナ!!」
ブチャラティ「!!」
ジョセフ「こ…こいつ……なんでその事を………」
681:
ブチャラティ「………………………」
ブチャラティ「みんな…ここはこいつの話を聞いてやろう。何かわかるかもしれない。何者かまず、名を名乗れッ!」
?「名前カ………“ヴェルゴーニャ”トデモ呼ンデクレ。君タチ二ヤツノ攻略法ヲ教エヨウ。」
ジョセフ(どうせ暗殺とかそんなかんじだろう。)
ヴェルゴーニャ「マズ…ヤツの時を吹き飛ばす能力二弱点はナイッ! 君タチノ誰かはヤツを暗殺シヨウト考えてイルカモシレナイガ、ソレハキット失敗スルゾ!」
ジョセフ(ウゲッ。)
ヴェルゴーニャ「ヤツノキング・クリムゾンは無敵だ!! シカシ、倒ス可能性ハ知ッテイル。可能性ダ。君ラハそれを手二入レナケレバナラナイ!」
ジョセフ「手に入れる? 何を手に入れるんだヴェルゴーニャ?」
ヴェルゴーニャ「可能性だよ。ローマのコロッセオに来れば君タチ二可能性を渡せる。」
ブチャラティ「ローマだと!? さっきからおまえはオレたちに何をさせたいのだ? ボスとおまえはどんな関係なのだ? 信用してローマなんかにオレたちが行くと思うのか!」
ヴェルゴーニャ「コレを見ればキミタチモ信じ得ざるおえなくナルだろ。」
682:
ドギャン
トリッシュ以外「これは!?」
トリッシュ「?」
ジョセフ「これは!! 矢だ!」
ブチャラティ「なぜおまえがこれを持っている!?」
ヴェルゴーニャ「コノ矢ハ君タチ……トリッシュを除いてだが、君タチノ体を貫いてスタンド能力ヲ身につくために使ったハズダナ?」
ヴェルゴーニャ「実はこの矢はスタンドを発現サセルタメダケのものではない。真の矢の使い方がアルノダ!」
ヴェルゴーニャ「この矢の真の使い方さえ知ればキング・クリムゾンを超える力ヲ手に入レラレル! ローマに来イ! この矢はディアボロを倒すタッタヒトツの最後の手段ナノダ!!」
この矢についての詳しい説明はジョジョの奇妙な冒険59巻P155をお読みください。
ジョセフ「つ…つまりィ〜……この矢をあんたは独自のルートで手に入れて……それをオレたちにあげるってわけだな?」
ヴェルゴーニャ「そうだ。とりあえず君たちはローマのコロッセオに来ればいい。そこで私と会える。いつでも君たちを待っている……」
ヴェルゴーニャ「君たちならディアボロを倒せるはずだ………」
プチン
ジョセフ「……ブチャラティ。ちょっといいか…」
ブチャラティ「なんだジョジョ?」
ジョセフ「なんでヴェルゴーニャはオレとブチャラティがディアボロと対決した事をしってんだ? ブチャラティとディアボロならまだ分かるが、オレがいた事も知ってるってのはおかしいぜ?」
ジョセフ「あの場所にはカメラや盗聴器はなかったはずだ! あそこはディアボロが選んだ場所なんだからそんな物あるはずがねえ!」
ブチャラティ「………………………」
ジョセフ「一つの可能性だが……もしかして………」
ブチャラティ「……ジョジョ。この話はまた後で話そう。誰にも聞かれない場所でだ。」
ジョセフ「わかった………」
〜to be continued〜
696:
〜飛行機内〜
ドッピオ「ボス……いくらなんでもヤツらを野放しにするのはやりすぎじゃあないですか? 
いつ、あのゲス共が裏切るかわかりませんよ?」
ディアボロ「その事は心配するな。ローマにはゲス共の他にもう一人……頼れるオトコを配置している………そいつがブチャラティたちがローマへ行く事を教えてくれたのだからな………もしチョコラータとセッコが裏切るような行為をすればそいつが動くだろう。」
ディアボロ「おまえがローマに着いた頃には全てが終わってるかもしれんが…一応ローマに向かって、やつから物を受け取れ。それがおまえの任務だ。」
ドッピオ「……ボスがそこまで信頼してる部下なんてオレ以外にいましたっけ? そいつの名前はなんて言うんですか?」
ディアボロ「名前は…………………」
697:
〜ローマ〜
ジョセフ「前方に敵の気配なーし! 上陸準備完了だぜ!」
ミスタ「周りには酔っ払い共しかいねーなァ……あいつらがどっかに行ったら上陸するぞ!」
酔っ払い1「ういいいいいいいい〜。おい……ションベンはここでしたらいいのかおぉい〜〜〜〜〜〜〜。」
酔っ払い2「バカ! そこは水飲み場だよォ! ションベンはこっちだこっち!」
酔っ払い1「バカ野郎! それはポストじゃあねえのかァァァァァァァ〜?」
酔っ払い2「いいからここでしろって!」
ガガッ
酔っ払い1「あれぇ?」
酔っ払い1「オレのファスナーってどこにあるんだァ〜?」
酔っ払い2「おまえがションベンションベン言いまくるからオレもしたくなっちまったじゃあねえか……オレもしよ。」
酔っ払い2「あぁぁぁれええ?」
ドドドドドドドド
698:
ジョセフ「おいミスタッ! あれはッ!」
ミスタ「あぁ……ベンチに座ってるのはタダの酔っ払いと思ってたが……死体みてえだ。」
酔っ払い1「ぐべぇえええええ。」
ジョセフ「うええッ! あいつらまるで腐っちまってるみてえだぞッ!! 何があったんだ!」
ミスタ「とりあえず上陸して様子見するぞッ!」
ザッ
ジョセフ「……! 待てミスタッ!」
ミスタ「あ?」
ジョセフ「そのままだ……そのまま上に上がれ………そしたらそのまま動くな。」
ミスタ「どういう意味だ?」
ジョセフ「それはオレが今から証明するぜ。」
ジョセフは自分の左手を自分の体より下に動かした
ジュクジュ
ミスタ「!」
するとジョセフの義手にカビが生えたのだ!
699:
ジョセフ「あの酔っ払いの一人はズボンのファスナーを下ろそうとして手が腐った……もう片っぽの方はションベンをしようと階段を降りたら足が腐ったんだ……」
ジョセフ「おそらく自分の体より下に自分の部位を動かしたらカビが生えちまって腐るんだッ! 敵のスタンドで間違いねえぜッ!」
ミスタ「すでに敵がいたか………」
ミスタ「てことは……上陸したらもう戻れねえて事じゃあねーのか…?」
ジョセフ「…………気にしたら負けだぜ。」
〜???〜
チョコラータ「なるほどな……」
チョコラータ「ボスを裏切ったのにヤツらがここまで生きて来れた理由が今のでわかる気がする。」
チョコラータ「セッコ、しっかりと撮れただろーなッ! 今のヤツらの生命にしがみつく必死の形相を!」
セッコ「ふおっ。うお!!? うおっ!!」
チョコラータ「うおおお!!」
チョコラータ「良ぉお〜〜〜〜〜〜しッ! よしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし。りっぱに撮れたぞセッコ!」
700:
チョコラータ「人間は好奇心が刺激されるほど精神のパワーがわいてくるものだ。人ほどの生命よりも好奇心が強いから進化したのだッ! 早く見たいッ! おれはこーゆーヤツらが死ぬところを早く見たいと思っていたのだッ…」
セッコ「うああ。おっ。うおっ。おおーーッ! 」
チョコラータ「そうだすまない。忘れてた。ごほーびをやるぞ。良く撮れたごほーびだ。2個でいいか?」
セッコ「うあああっ。うおっ。おおあっ。」
チョコラータ「3個か!? 甘いの3個ほしいのか? 3個…イヤしんぼめ!!」
セッコ「うおおううおっ。」
チョコラータ「いいだろう。3個やろう!! 行くぞセッコ、3個行くぞ!」
ドシュゥー
バク!
バク!
チョコラータ「うぉっ。悪い…塀の下に……」
プッ!!
カァ
ンッ
セッコ「ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリ。」
チョコラータ「良ぉ〜〜〜〜〜〜〜〜しよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしたいしたヤツだセッコおまえは。」ナデナデ
チョコラータ「そして行けッ! 次にブチャラティは車をゲットしようとするだろう。おまえが行くのだセッコ。おまえのオアシスがッ!」
701:
ジョセフ「とりあえず車を調達しねえと!」
シュビッ
シュルシュル
ガチャリ
ジョセフ「調達完了!」
ミスタ「おまえのスタンドは泥棒向きだな。」
ガチャ
ブンブンブンブン
バオオオン
ジョセフ「よし。エンジンがかかったぞ! とりあえずみんなを車に乗せて敵を探すか。」
ミスタ「………………………」
ミスタ「おいジョジョ………はやく出発しろ……今すぐだ。」
ジョセフ「言われなくても分かってるよ! え〜と……敵はおそらく高い所からオレたちを見張ってるはずだからァ〜………」
ミスタ「いいから早く出発しろって言ってんだよッ!!」
ジョセフ「何でそんなに怒ってんだよミスタァ〜。ここは落ち着いつリラックスしていこーぜェ! 焦ったらそれこそ敵の思うツボってな!」
ズブズブ
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
702:
ジョセフ(じ…地面から顔だしてやがるッ!! モグラかなんかかよあいつッ!)
ジョセフ(敵はカビを生やすやつだけじゃあなかったのか!)
ジョセフ「…ど…どちらさん?」
セッコ「…………………………」
ジョセフ「え…え〜と……名前を伺ってもよろしいですかァ……?」
セッコ「…………………………」
セッコ「セッコ……………」
ジョセフ「あぁーはいはいセッコさんね! よく知ってますよ! この前テレビにも出演してたあのセッコさんね! ところで…そんなセッコさんが今日はどんなご用件でしょうか? オレたちはちょっとばかし急いでるもんでさ。」
セッコ「おまえらを………殺しに来た。」
セッコ「全員を…な………」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ「そ…それはずいぶんと物騒なご用件でェ〜〜〜………」
ミスタ「……………………」クイッ
ジョセフ「…………………」コクッ
ジョセフ「そんなセッコさんに一つ言えることは……………」
703:
ジョセフ「誰がいつ…全員車に乗ったって言ったかなァ〜〜〜?」
セッコ「なんだと?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
車の中にいるのはトリッシュ、ミスタ、ナランチャ、ジョセフと亀。
セッコ「!!」
セッコ「ブ…ブチャラティはどこだッ! ブチャラティはどこにいる!!」
ジョセフ「ブチャラティならすでにもう一人の敵の方へ向かったぜ? あれ? もしかして気づかなかったのかなァ〜?」
ジョセフ「可哀想なやつだなおまえ!」
セッコ「ぐぐぐ……」
セッコ「絶対に……殺す……!!」
ズブズブ
ジョセフ「やっべ!! ここはひとまず………」
キュルルルル
ジョセフ「逃げるっきゃあねーぜェーーーーーーーーッ!!」
ブゥウウウウン
704:
ジョセフ「どうだミスタッ! あいつはまだ追ってきてるのかッ!!」
ミスタ「そ…それが分からねえんだよ。あの野郎、地面に潜り込んでるみてえなんだ。」
ナランチャ「つまり……どういうこと?」
トリッシュ「どこに敵がいるのか、いつ攻撃をしてくるのか分からないのよ!」
トリッシュ「エアロ・スミスのレーダーは二酸化炭素に反応して探知できる……でも、それは生物が地上にいる時だけ。地面の中にいられちゃあ意味がないってことよ!!」
ナランチャ「………それはマズイよッ!!!」
ミスタ「このまま上を目指してもいつかは下らねえといけねえ! そうなったらオレたちの体はカビだらけだぜ……」
トリッシュ「そ…それだけは絶対にイヤだわッ!」
スパイス・ガール「トリッシュガ嫌ガッテルカラソレダケハ避ケナサイアナタタチ。」
ジョセフ「今さらそんな事言うなッ! 今は上を目指すしか方法がねえんだ! ブチャラティが敵を倒すまでの辛抱だッ!」
705:
ミスタ「オレが一番心配してるのはブチャラティじゃあなくておまえなんだけどな。」
ミスタ「おまえと乗り物に乗るとロクなことがねえからな………特におまえが運転してる時はよォ〜〜〜〜〜。」
ジョセフ「なら運転代わってくれるのミスタ先輩? あんたが運転手ならみんなもさぞかし安心でしょうねェーーーーーッ!!!」
ミスタ「てめーの言い方は何か頭に来るんだよなァーーーーーーッ!!!」
ジョセフ「頭に? 頭に血が昇ると早死にしちまうってどこかのお偉いさんが言ってたっけなァ〜。」
ミスタ「よし。おまえには後でオレの弾丸をプレゼントしてやる……ありがたく受けとれよ。」
トリッシュ「あなたたちが一番の心配の種ね………」
ナランチャ「きたッ!!!! あいつだッ! あいつが地面から顔を出したよッ!」
ズブズブ
706:
ミスタ「くらいやがれッ! オレのとびっきりのプレゼントをなッ!!」
ピストルズ7「ソレモ今回ハ5発プレゼントしちゃうゼェーーッ。」
ピストルズ3「イヤッホォーーーー。ミスタ太っ腹だぜッ!」
ピストルズ1「出血大サービスダゼーーーーッ!」
ドンドンドンドンドン
バアアアアア
ピストルズ6「ヒィーーーハァーーーー!」
ピストルズ5「フウウウウヤッホォーーー!」
ズブ…
プッ!
プッ!
プッ!
プッ!
プッ!
ダンダンダンダン
ミスタ「なにィィィッ!?」
ピストルズ2「い…石カナンカヲ吹っ飛ばして弾丸を全て弾キヤガッタ!!」
ピストルズ1「イヤ! ヨク見ろ! コレは石ジャアナクテ砂ダッ! アイツハ砂を飛ばしてキタンダッ!!」
ピストルズ5「キットコレもアイツノスタンド能力ナンダッ!」
セッコ「……………………」
707:
バゴオオオオオオン
全員「!」
ジョセフ「な、なんだ今の爆発音はッ!?」
ミスタ「見ろッ! ヘリコプターが墜落してるぞッ。」
セッコ「!!」
セッコ「……………チョコラータなら大丈夫だ………きっと大丈夫だ…………」
ナランチャ「あいつのスピードが落ちてるぜ! このまま逃げ切ろう!」
ジョセフ「オレの予想じゃああのヘリコプターに乗ってるのはカビのスタンドの本体だと思うぜ。あの高さならこの街のすべての箇所を見渡すことができるからな……」
ナランチャ「…という事はブチャラティがやったって事だなッ!、」
ジョセフ「たぶんな……だけどあれで死ぬほど敵も柔じゃあねえだろ。スタンドの効果はまだ続いているみたいだぜ……」
市民1「うわああああ。誰か助けてくれェ〜〜…足が…………足がァ〜……」
市民2「誰か彼女を病院に連れて行ってくれェーーーーッ! 彼女のお腹の中には赤ちゃんがいるんだッ。誰か助けてェーーーーッ!!」
ミスタ「…………ブチャラティが早く敵を倒してくれる事を祈るしかねえな……」
トリッシュ「……………………」
708:
ブウウウン
ジョセフ「このままあの橋を渡れば下り道はねえはずだ! 逃げ切るぞッ!」
ガゴン!
ナランチャ「うわッ!! 橋がすごい角度になってるぜッ!?」
トリッシュ「多分あの敵の仕業よッ!! あの橋を斜めにしてあたしたちを空中にほっぽり出す気よ!」
ミスタ「それよりマズイのはこのままだったらオレたちはカビだらけになっちまうってことだぜッ!!」
スパイス・ガール「モシモノ場合ハトリッシュダケを救出シマス。」
ジョセフ「へへッ! そんなこともあろうかとちゃんと仕込んでるのよねェ〜オレ様はッ!」
シュビッ
シュビッ
ジョセフ「オレのハーミット・パープルでこの車ごと引っ張ってビルの上に乗り上げるからなッ!」
ナランチャ「さすがジョジョッ! 天才だぜッ!」
ミスタ「さすが頭脳派を名乗るだけあるな!」
ジョセフ「トリッシュゥ〜。惚れちゃいそうって言ってもいいんだぜ?」
トリッシュ「ジョジョッ! 前を見なさい前をッ!!」
ジョセフ「照れ隠しする事はねえじゃあねえかァ。」
トリッシュ「バカッ! 早くスタンドを増やしなさいって!」
ジョセフ「へ?」
クルン
ギリ…ギリ…
ジョセフ「あ。」
ビチン!
ジョセフ「この車の重さを計算に入れてなかったぜ……………」
ミスタ・ナランチャ「前言撤回………」
4人「うわああああああああああ。」
バゴオオオオオオン
709:
ズブズブ
セッコ「チョコラータ………聞こえるか…………ブチャラティ以外のやつらはカビだらけになったぜェ……そっちはブチャラティを倒したのか?」
「…………………………」
セッコ「……チョコラータァ?」
トリッシュ「どうやらあんたの相方はブチャラティに倒されたようね。」
セッコ「!」
セッコ(そ…そんなバカなッ!)
セッコ「チョコラータが殺られるはずねえだろッ! ブチャラティごとき簡単に………」
ドドドドドドドド
トリッシュ「そう? あたしの体はカビどころかケガ一つ負ってないもの。それが倒したって確証にならない? キレイなままで済んで本当によかったわ。」
スパイス・ガール「トリッシュの言ウ通リ……『車』を柔ラカクシマシタ。アイツラハピンピンシテイマス。」
ジョセフ「へ…へへ……この通りオレたちはピンピンだぜ………」ヘナ〜
ジョセフ(どうやらブチャラティが間に合ったようだな……)
セッコ「チョコラータが…………死んだ………?」
セッコ「………………………………」
セッコ「ケッ!!」
710:
セッコ「チョコラータめ………ブチャラティごときにやられるなんて…………ザコすぎるぜッ!」
4人「!!」
グシャア
セッコは手に持っていたカメラをぶっ壊した!
ナランチャ「な…何かあいつ様子が変だぞ? いきなり態度が変わったぜ。」
ミスタ「変わったってより……元に戻ったってところだろうなァ〜…………」
トリッシュ「今……あなたは仲間の事をバカにしたわね…?」
セッコ「それがどうした? ザコの事をザコって言って何か悪いことでもあるかァ?」
セッコ「確かにィ……チョコラータには金もたくさんもらったし…よく遊んでもらったさァ………だけどォ〜〜〜〜! もう死んじまったんならもう用済みだぜェッ!!!!」
セッコ「これでお前らを全員倒せば金や地位は全てオレのモノだッッ! 逆にオレはチョコラータに感謝しねェ〜となァ〜〜〜。」
トリッシュ「…………………………」
711:
ジョセフ「おいトリッシュ。ここは下がってな。オレたちがこいつを倒しちまうから車の中で待機………」
トリッシュ「あたしがやるわ。」
ジョセフ「!」
ミスタ「なに言ってんだよ。トリッシュは別に戦う必要はねえんだからおとなしくしてろって。」
トリッシュ「もうあたしを特別扱いするのはやめて。」
トリッシュ「あなたたちにはボスの娘じゃあなくて普通の女としてあたしを見て欲しいの………仲間としてね。」
ミスタ・ナランチャ「!!」
ジョセフ「……………………」
ジョセフ(何か子供が成長した気分だぜ………なんか…こう……胸にジーンとくるもんがあるな……………)
ジョセフ(まートリッシュの親の気持ちはわからねえけどな……ってわかるはずもねえか………)
ジョセフ「……もし、ヤバくなったらすぐ助けるがそれでもいいか?」
ミスタ「お…おい! 何言ってんだよッ!? 戦かわせるわけにはいかないだろ!」
ナランチャ「…………オレはトリッシュに任せてもいいと思うよ…」
ミスタ「ナランチャ!? おまえまで何言ってんだよッ!!」
ジョセフ「ミスタ。ここはトリッシュを信頼してやれ。仲間としてな。」
ミスタ「…………ったくおまえらここにきて頭がどうかしてるぜ………」
バフ
ミスタ「ふぅうううう…」
712:
ミスタ「………ま、オレも頭がどうにかなってるけどな。」
ミスタ「無茶すんなよ。少しでもヤバイとオレらが感じたらその時は助けに入る……いいな?」
トリッシュ「ありがとう……ミスタ………」
ジョセフ「オレたちはこの車の中で待たしていただきましょうか!」
ミスタ「ったく…油断してるとあいつに…………」
ナランチャ「おい………あいつどこ行ったんだ?」
ズブズブ
ナランチャ「!」
ナランチャ「トリッシューッ! 下だ! 地面に潜ってるぞッ!」
ジョセフ「とりあえず一定の距離を保ちながら逃げろ!!」
トリッシュ「わかった!!」
ダダダダ
713:
トリッシュ(まずは敵の能力を判断するのが優先ね。敵はこうやって地面に潜って移動してる………)
トリッシュ(そして…さっきみたいに橋を変化させる事もできるし、砂を石のように飛ばしてくることもできる………)
トリッシュ(つまり……敵の能力は……………)
トリッシュ(………何なんだろう?……………)
スパイス・ガール「アナタトヨク似テル能力ネ。」
トリッシュ「え?」
スパイス・ガール「敵ハ物ヲドロドロニスル能力デス。地面二潜レルノハ地面ヲ泥ニシテルカラ……」
スパイス・ガール「橋ヲ変化サセタノハ橋ヲナナメ二ナルヨウ動カシタカラ…」
トリッシュ「橋を? そんな大掛かりな事できるの?」
スパイス・ガール「『一時的』ナラ…………私ノ能力ノヨウニデキマス。橋ヲ見テクダサイ。今ハ元ノ橋二ナッテイマス。」
スパイス・ガール「ソシテ…私タチハ砂ヲ固クシテ飛バサセタトオモイコンデイマシタガ、ソレハ砂ヲ泥二変化サセタダケナンデス。」
スパイス・ガール「アル程度本体カラ離レルト泥カラ元に戻ル…コレガヤツノスタンドノ正体デス!」
トリッシュ「凄いわねあなた………探偵にでもなったらいいのに。」
スパイス・ガール「褒メテクダサリアリガトウゴザイマス。」
714:
スパイス・ガール「トリッシュ。敵ガ近ヅイテキマシタ。ドウシマスカ?」
ズブズブ
トリッシュ「敵の能力がわかった今、攻撃するに決まってるッ!」ダッ
プッ!
ボゴォ
トリッシュ「う!」
トリッシュ(この攻撃を防ぐ方法を考えないとマズイッ……!)
ナランチャ「トリッシュッ!!」
トリッシュ(クソッ! これじゃあ接近戦に持ち込めないッ。どうしたら……)
スパイス・ガール「トリッシュ。ソノマママエヘ進ンデクダサイ。」
トリッシュ「え! 前へッ!?」
プッ!
トリッシュ「ま…またよッ! また撃ってきたわ!!」
715:
スパイス・ガール「トリッシュ! ソコニ落チテル葉っぱデガードシテクダサイ!」
トリッシュ「は、葉っぱで?……」
スパイス・ガール「私ヲ信用シテクダサイ!」
トリッシュ「…わかったわ!」
サッ
フニョアアア
ダム!
セッコ「!」
ボゴオオオ
トリッシュは葉っぱをゴムの柔らかさに変化させた。
葉っぱで跳ね返した泥はセッコの腹部に直撃した
セッコ「!? ど…どんなってやがんだッ……」
トリッシュ「これがあたしの…いや……スパイス・ガールの能力よッ。」
716:
ダダダダ
トリッシュ「人を殴るのは初めてだわ………でもそれがあなたなら構わないわよね?……」
ドッゴオオオ
セッコ「ぐおおお。」
ジョセフ「いいぞトリッシュッ! その調子だぜ!」
ミスタ「この調子じゃあオレたちの出番はないな。」
セッコ「…………………………」
ズブッ!
トリッシュ「!!」
セッコ「いいのかァ〜? もし次にオレを攻撃したらこの車を爆発させてこいつらをあの世へ連れて行ってやるぞォ?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
セッコはジョセフたちが乗っている車の上に移動していた!
717:
ジョセフ「げっ! いつの間に上に上がりやがったッ!?」
ミスタ「このままじゃエンジンを壊されちまうぞ!! ドアを開けろッ!」
ズブアッ
ズブ!ズブ!
ナランチャ「あ!?」
ナランチャ「と…扉が開かないッ! 扉が開かないよミスタァ〜!」
ミスタ「あの野郎! この車ごと地面に沈めやがったぞッ!!」
ジョセフ「ナニィッ!? それじゃあオレたちは車の中に閉じ込められたってわけかッ!?」
ナランチャ「このままだとセッコにエンジンを壊されてオレたちは………………」
ドンドン
ミスタ「ダメだ……窓を弾丸が貫通しねえ………泥のせいで埋もれちまうぜ。」
718:
ジョセフ「………………………」
ジョセフ「…なんてな! オレがこの事態を予測してない訳がないだろ!!」
ミスタ「……今回は本当だろうな?」
ジョセフ「もちろんだぜ! ちゃんとここの窓は簡単に取り外せるようにしておいたんだよ!」
ジョセフ「いくらドロドロだろうと意味がないはずだろ!」
ジョセフは窓を蹴り上げる
ガン!
ジョセフ「あ、あれェ〜……?」
ナランチャ「どういう事だよジョジョッ!」
ジョセフ「おっかしいなァ………確かに取り外し可能にしてたはずなんだけど………」
トリッシュ「そっちの窓の周りは泥になってて外せないようにされてるわジョジョッ!!」
ドロオオオ
ジョセフ「うそォ〜〜〜〜〜!!」
セッコ「気づかねえと思ってたのかよォ〜。ま、オレだから気づいたんだけどなァ〜!」
719:
セッコ「この車の爆発でこの三人は死に…残るのはおまえとブチャラティだ。そして、最後にボスを倒し、オレがパッショーネのリーダーになるんだ!」
セッコ「謝るんなら今のうちだぜェ………まぁ許さねえけどなァ〜ッ!」
トリッシュ「……………………」
トリッシュ「ジョジョ、ナランチャ、ミスタ………少し痛いかもしれないけど我慢してね…」
トリッシュ「これもあなたたちを助けるためだから。」
ジョセフ・ナランチャ・ミスタ「え?」
セッコ「この距離でおまえがこの車に接近するのは不可能だッ! 仲間を助けることが出来なくて残念だったな!」
トリッシュ「あたしは諦めたつもりなんてないけど?」
セッコ「ハァ〜?」
720:
スパイス・ガール「トリッシュノ言ウ通リ二………」
スパイス・ガール「『車』ヲ再ビ柔ラカクシマシタ。」
スパイス・ガール「コレデ…車ハ………」
セッコ「関係ねえんだよそんな事はッ! オレがこのエンジンをぶっ壊せばッ!!」
ブオン
ズブッ!
スパイス・ガール「壊レルコトハナイデショウ。」
セッコ「これさえ……ぶっ壊せばッ!」
フニャアァァ〜
車が萎んでいく
セッコ「な…なんだこれはッ!」
トリッシュ「言ったでしょ? 車を柔らかくしたの……たとえドロドロになったとしても柔らかさは変えられるのよ。」
トリッシュ「そして…元に戻すこともできるッ!」
ボンッ
車がゴムのように元の大きさに戻る
721:
セッコ「グハァッ。」バタアア
ジョセフ「ぐへッ。」
ミスタ「うあッ。」
ナランチャ「ぬあッ。」
ジョセフ「な…中にいるオレたちまでダメージを受けてる…ぜ……」
セッコ(車を一旦萎ませて、元の大きさに戻しやがったッ。そのせいで車から飛ばされて………)
セッコ「ハッッ!」
ドドドドドドドドドドドド
セッコ「あ…うあああ。」
バッ
セッコは土下座した
セッコ「うううあああ……お…おれは……このスタンドなしじゃあ生きていけない体なんだァ〜〜〜………だから……もう………攻撃するのはやめてくれェ〜!」
722:
スパイス・ガール「今サラ命ゴイシテ助カルワケネーダロォォォォォォォォォォッ!」
グアアアア
トリッシュ「WAAAAAANNABEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!」ズドドドドドドドドドドドドドドドド
セッコ「あへェ〜…………………」
ガシリ!
セッコ「!」
トリッシュ「まだよ……こんなので終わるほど………あたしは甘くないの…」
セッコ「ひ…ひィィィィィィィィッ!」
セッコ(オ…オレはこの女の事を舐めていたッ!! いくらボスの娘だろーと女だと思ってたが……それは間違いだった……………)
ガシィ
セッコ(お…女だからこそ怖いんだーーーーーーーッッッ!!!!)
723:
トリッシュ「WAAAAAAAAAAAAAANNABEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!」ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
セッコ「べろおおばああああ。」
ガゴン!
『燃えるゴミは月・火・金』
トリッシュ「『仲間の事はバカにしない』………あたしがこの旅で学んだ1番大切なことよ…………」バァァン
スパイス・ガール「アナタハモウ私ナシデモ生キテイケルワ……トリッシュ。」
ジョセフ「オレたちも大切なことを学んだぜ…………」
ミスタ「ああ……その通りだ………」
ナランチャ「うん……」
ジョセフ・ミスタ・ナランチャ「『女には逆らわない』って事だぜ………」
トリッシュの活躍により、強敵セッコを倒したジョセフたち。
話は一旦、ヘリコプターが墜落した時に戻る……………
〜to be continued〜
729:
シュウウウウウウ
バゴッ
バゴッ
ガゴオオン
チョコラータ「誰だッ! そこにいるやつはッ。おまえがオレのヘリコプターを落としたのかッ?」
?「………………………」
?「少し騒ぎすぎたなチョコラータ。」
チョコラータ「お…おまえは………」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
730:
チョコラータ「“パンナコッタ・フーゴ”……おまえの名前は知っている…おまえの能力は前から気になっていたからな………」
フーゴ「…それは褒め言葉か?」
チョコラータ「もちろんそうさ。キミは敵をウィルスで跡形もなく消し去ってしまう能力…その時、相手は一体どんな表情で死んでいくのか………とても興味が湧いてくるんだよ。」
フーゴ「気色の悪いやつだ。」
チョコラータ「だが…なぜおまえがオレのところへ来た? 行くのならブチャラティのチームじゃあないのか?」
チョコラータ「組織を裏切ったブチャラティたちを……な。」
フーゴ「……ボスからの指令でな………」
チョコラータ「指令?」
フーゴ「おまえを跡形もなく消しされとの事だ。これはボスからの直々の命令だ…」
チョコラータ「……………………………」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
731:
チョコラータ「…そうかァ〜〜……そうかそうかそうかァ〜〜…………」
チョコラータ「つまり…オレはおまえを倒してもそれは悪いことじゃあないって事だよなァ〜?」
チョコラータ「どうなんだフーゴ?……」
ゴゴゴゴゴゴ
フーゴ「…そっちがその気であるならこちらも攻撃をするまでです。」
チョコラータ「楽しみだ………おまえの能力がッ!!」
チョコラータ「もしおまえの攻撃が当たったら人はどんな表情をするのか………それがやっと分かるんだからかなァ〜ッ!」
チョコラータ「早く攻撃をしてこい! オレだけに攻撃できるのか? 市民を巻き込まない自信でもあるのか?」
フーゴ「…………………………」
チョコラータ「おまえのスタンドは本体のおまえでさえ制御が難しいんだよな? そんなスタンドで攻撃してみろ。おまえも大量殺戮犯の仲間入りだ!」
732:
フーゴ「あるさ………」
チョコラータ「………あん?」
フーゴ「おまえだけを殺す自信はある。オレは人殺しにならなっても構わない。」
フーゴ「それがボスのためならば…どんな身分になろうと構わないッ! たとえ恥知らずと言われてもッ!」グワッ
フーゴはチョコラータの方へ走り出した。
フーゴ「『パープル・ヘイズ』ッ!」
パープル・ヘイズ「うばっしゃあああああああああああ!!」
チョコラータ「………見るからして狂暴そうなスタンドだ。フーゴ…おまえの内面を表すかのようにな。」
チョコラータ「実はおまえはブチャラティチームの中で1番狂暴な男だった…………そうなんじゃあないかァ?」
フーゴ「それがどうしたんですかッ!!」
パープル・ヘイズ「ガルルルウルルルッ!」
チョコラータ「『グリーン・ディ』ッ!」
733:
チョコラータ「カビをばら撒きなッ!」
シュワッ
チョコラータはウィルスをフーゴに向かってばら撒いた。
チョコラータ「きさまのスタンドはその狂暴さゆえにコントロールができない! つまり! どれだけスタンドが強くても自分自身を守ることはできないはずだッ!!」
フーゴ「…………………………」
チョコラータ「これでおまえもブチャラティたちと同じだ!!」
ガリッ…
ジュウウウウウウ
フーゴの前で煙が出る。
それは不気味な色をしていた。
チョコラータ「な…なにィッ!?」
フーゴ「毒には毒でもって制す………オレはみんなとは一味違っているぞ?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
チョコラータ「そ…そんなバカなッ!! なぜパープル・ヘイズを動かせた!? おまえの思い通りに……!!」
パープル・ヘイズ「ガルルル………」
フーゴ「これが…『パープル・ヘイズ・ディストーション』………オレはこの戦いで死ぬ気でいる……勝つ気なんてない……………」
734:
フーゴ「だが! それがパープル・ヘイズ・ディストーションの強さだ。」
チョコラータ「なんだと………………?」ジワ
フーゴ「敵を倒そうとすればするほど、オレのウィルスは狂暴になり、ウィルス同士で殺し合う……つまり、ウィルスの数が減り、おまえを一撃で倒す確率が大幅に低くなる……」
フーゴ「逆に……倒す気がないほど……パープル・ヘイズ・ディストーションの制御は効き、攻撃力を保ったまま攻撃ができるってわけだ。」
フーゴ(昔のオレだったらパープル・ヘイズを出しただけで精一杯だったが、今は違う……オレは成長した。スタンドも…精神的にも…………自分の『過ち』を乗り越えた……)
フーゴ(乗り越えたその先にはッ! 恐れるものなどないッ!!)
チョコラータ「ちょ、ちょっと待てッ! オレと手を組もうぜフーゴッ! オレたちならボスを絶対に倒せるぞ……?」
フーゴ「もうオレはボスに忠誠を誓ったんだ。残念だが…」
735:
チョコラータ「油断してんじゃあねーぞッ!!!!」ガバッ
チョコラータはフーゴの脚にウィルスを付着させた。
チョコラータ「どうだ!! これでおまえは自分の体より下へは行けない………」
フーゴ「だからどうしたんです? ………」
ガバッ
チョコラータを掴む
チョコラータ「!」
フーゴ「さっきも言いましたが、オレには勝つ気はないんですよ。勝つ気がない限り…」
フーゴ「おまえごときのゲスはオレに勝てないんだよッ!!」
ボゴォ
チョコラータ「グアッ。」
ジュウウウウウ…
736:
フーゴ「………………」
クルン
ザッザッ
チョコラータ「また油断したな…?」
フーゴ「!」
ドドドドドドドド
バァァァァァァァ
チョコラータの上半身と下半身の間からは骨が剥き出しで見えている。
チョコラータ「幼い時に人体解剖をしてきて良かったぜ。そのおかげでどこを傷つけなければ死なねえか把握しているからなァーーーーーッ! オレの勝ちだーーーーーッ!」
フーゴ「………………」
フーゴ「………勝つっていうのは負けるかもしれないという覚悟を持っていなければいけない………必ず勝つ勝負なんてないのだから………」
ボゴォ…
フーゴ「そして! 勝つならば徹底的に相手をブチのめさなくてはならないんですよッ!」
ボゴォボゴォボゴォボゴォボゴォ
チョコラータ「ヤッダーバァァァァァァァァァァァァ。」ズド
ガゴン!
『燃えるゴミは月・火・金』
737:
フーゴ「………………………」
ザッザッ
ブチャラティ「ヘリコプターが墜落したのはやはり君がやったからか……フーゴ。」
フーゴ「!!」
ブチャラティ「どうやらカビを生やしてた敵は君が倒したようだが…君には聞きたいことが一つある。」
フーゴ「…………………ブチャラティ。」
ブチャラティ「……………………」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
〜to be continued〜
746:
ブチャラティ「フーゴ………君がオレたちに情報を流していたヴェルゴーニャなのか?」
フーゴ「…何のことか分かりませんねブチャラティ。僕は情報を流したやつを始末したあと、あなたを倒し、矢を奪うようにボスから命令されて来ただけですよ。」
フーゴ「あなた達がとった行動は………組織を敵に回すのは間違いだったんです。」
フーゴ「今…ボクの目の前にいるのは仲間ではなく、敵なんですブチャラティ!」
ブチャラティ「……………………」
フーゴ「やはり、情報を流した裏切り者は後で殺します。今はあなたです。」
ブチャラティ「そうか……ならオレも手加減はしない……君のスタンド相手に手加減はできないからな。」
ドドドドドドドド
747:
ドッピオ「………………………」
ドッピオ(………この任務はやつに任せて正解だったな…後始末は綺麗にな…フーゴ。)ザッザッ
フーゴ「…………………」
ザッザッ
ガッ
ブチャラティ「……………………」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
フーゴ「パープル・ヘイズッ!」
ブチャラティ「スティッキー・フィンガー………」
スッ…
ブチャラティ「!」
フーゴ「この矢はブチャラティが持っていてください。ボクは今からコロッセオに用事があるので失礼します。」ボソッ
コトン
矢を地面に落とすフーゴ
748:
ブチャラティ「!!」
ブチャラティ(な…なんだと?)
ブチャラティ「ちょっと待てフーゴ!」
フーゴ「……………………………」
ブチャラティ「今のは………どういう意味だ?……」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
フーゴ「ブチャラティ…あなたたちは裏切り者なんかじゃあない………ボクこそが裏切り者なんです。」
フーゴ「もう少しでジョセフが来るはずです。そしたらこの街から逃げてください。」
ブチャラティ(やはり………オレたちに情報を流してくれていたのはフーゴだ…! 間違いない……)
ブチャラティ(フーゴは最初からオレたちを助けようとしてくれていたんだ…)
ザッザッ
フーゴ(ブチャラティ……あなたなら組織を作って立派なギャングになることができるはずだ……オレはここでボスを倒し! 全てにケリをつけるッ!)
749:
ブチャラティ「フーゴ!!」
ザッ…
ブチャラティ「…………オレは……おまえが裏切ったなんて思ったことはない。」
フーゴ「………………………」
ブチャラティ「フーゴは信じた道を進んだだけだ。それは間違いなんかじゃあない。オレが命令したことに従ったんだからな。」
ブチャラティ「それでも…自分が裏切り者と思うのなら、それでいい……だが…」
ブチャラティ「おまえはオレたちの立派な仲間だ! もどってこいッ!!」
ブチャラティ「これは上司からの命令だ。もし、逆らうならオレも君を敵とみなすッ!」
ゴゴゴゴゴゴ
フーゴ「……………………」
フーゴ「オレは…………ボクはあなたの上司なんかじゃあありません。すでにあなたは組織の一員ではないんですから…」
ザッザッ
ブチャラティ「……………………」
750:
ジョセフ「おーい! ブチャラティッ!」ダダダダ
ブチャラティ「ジョジョか………他の仲間は無事か?」
ジョセフ「あぁ。今は周りに敵がいねえか確かめに行ってるぜ。」
ジョセフ「で…例の情報提供者には会えたのか?」
ブチャラティ「………ああ、会えたさ…やはりオレたちがよく知る男だった………」バッ
ブチャラティは服の中から矢を取り出した
ジョセフ「そう…か。やはりか。オレの勘は当たりすぎて逆に良くないぜ。」
ブチャラティ「ヴェルゴーニャ……イタリア語で恥を意味する言葉だ………」
ジョセフ「つまり情報提供者はイタリア人。そして、オレたちがボスと会ったのを知っているのはチームの仲間だけだ。すると自然に情報提供者は一人に絞られる…」
ジョセフ「パンナコッタ・フーゴ。オレたちの仲間だった男だ。」
ブチャラティ「……オレはここでみんなが来るのを待つ。ジョジョはこの中にいるフーゴを探してくれ。」
ブチャラティ「何かあれば無理せず戻ってこい。これ以上仲間を死なすわけにはいかないからな。」
ジョセフ「わかってるさ。フーゴに会って事情を聞いてくればいいんだろ? 任しときな!」ダダダダ
ブチャラティ(この矢はフーゴと再び会ってから使う…! 今はまだだ………)
751:
〜コロッセオ内〜
ザッザッ
フーゴ「ボスッ。どこにいるんですか? 例の物を持ってきました。」
ザッ
ドッピオ「あんたがフーゴ?」
フーゴ「! 誰ですあなたはッ!?」
ドッピオ「そう慌てるなって。オレはボスの直属の部下のドッピオって言うんだ。ボスからあんたに例の物をもらうように言われたんだ。」
フーゴ「ボスはここには来ていないと言う事ですか?」
ドッピオ「そういう事だ。残念だが、ボスはここに来るほど暇じゃあないんでな。」
フーゴ「それは残念です………だって……」
フーゴ「こんなに近くにいるのに会えないなんて……」
ドッピオ「は、はぁ? 何言ってるんだおまえ?」
フーゴ「あなたが二重人格で、リゾットやアバッキオを殺した事も知っています。白状してください。」
ドッピオ「…………………………」
752:
ドドドドドドドドドドドド
ドッピオ「で……それがどうしたの? 
ドッピオ「別に構わないさ。気にしないよ? どうせ………」
ドドドドドド
ディアボロ「目撃した者は全員死ぬからな…!」
フーゴ「!」
ディアボロ「お前の様子だと…ブチャラティは殺していないな…それに矢もブチャラティに渡してるとみた……」
フーゴ「………………」
ディアボロ「ローマに来たブチャラティたちの動きがどうも怪しいと思っていたんだ…誰かに案内されたようだったからな。それを指示していたのがお前だとしたら理解できる。お前はブチャラティを裏切り、ブチャラティたちの居場所を伝えてくれる優秀な部下として俺が信頼していたからな。」
ディアボロ「それもこれも…俺を裏切り、情報を探るためだったとはな…」
ディアボロ「とんだ恥知らずだッ!」
フーゴ「どうとでも言ってください。俺はあんたを殺せればそれでいいんですから…」
753:
ディアボロ「だが…お前はまだブチャラティの所に戻る決心をしていないな?」
フーゴ「!!」
ディアボロ「オレに矢の真の能力を話したのも、組織を敵に回すのを恐れ、本当のことを喋ったんだろう? それに関してはおまえは賢い行動をした。」
ディアボロ「ブチャラティに指示をし、組織を裏切ったお前に最後にチャンスをやる…質問に答えろ。」
フーゴ「…………………」
ディアボロ「ブチャラティはどこだ。答えろ。」
ゴゴゴゴゴゴ
ディアボロ「答えれば今までやってたことに目を瞑る。そして、お前を幹部に昇進させてやろう。」
フーゴ「………………」
フーゴ「………………」
ディアボロ「ボスに逆らうのはこれで最後にするのが、おまえにとっては良いぞ……」
フーゴ(………………)
754:
フーゴ「いつどこでオレがあんたをボスって言った?」
ディアボロ「なに?」
フーゴ「俺の………俺の『ボス』はブチャラティだ……あんたには従わない!」
ディアボロ「どうやら愚問だったようだなッ!!」
フーゴ「『パープル・ヘイズ・ディストーションッ!』」
ディアボロ「『キング・クリムゾン!』」
カプセルをかじった。
カリッ
パープル・ヘイズ「うばっしゃあああああああああああああああッ!!」
ディアボロ(パープル・ヘイズを制御出来るまで成長をしていたか…だが…)
ディアボロ「帝王はこのディアボロだッ!!」カバッ
755:
フーゴ(俺はブチャラティを裏切った…しかし…ブチャラティは来るなと命令していたからブチャラティの命令には従っている……俺はそれを口実に逃げたのはブチャラティたちだと思い続けていた…)
フーゴ(だけどそれは違う…逃げたのは俺の方だ……トリッシュを守る理由が分からなかったから逃げた…いや…単にパッショーネという組織を敵にまわしたくないとビビっていたんだ。)
フーゴ(そして…俺は影ながらにブチャラティたちを支えようと思い、ブチャラティたちに情報を与えていた。だが…それは組織を裏切ったことになる…)
フーゴ(俺はブチャラティと組織…どっちも裏切ってたんだ…俺はなんてバカな事をしていたんだろうな…)
フーゴ(……今なら…最後にジョセフの言ったセリフが痛いほど理解できる…!)
ジョセフ“本当の裏切り者ってのはどっちの味方かはっきりしねーやつの事を言うんだぜ?”
フーゴ(裏切り者の俺が従うのは……)
フーゴ(裏切り者の俺を最後まで信じてくれたブチャラティだッ!!)
パープル・ヘイズ「ぐるるるるるるるるるぅ!」
756:
ディアボロ「勝てるとでも思ったかッ!!」
シュン
フーゴ(ボスはこうやって時間を飛ばして攻撃してくる…気付いたらすぐそばにいるはずだ。)
フーゴ「上だッ!」
シャバー
ブワアアアア
パープル・ヘイズは自分の上空に細菌をばら撒いた。
それをエピタフで見ていたディアボロは、攻撃をしなかった。
しかし、それがフーゴの狙いだった。
ディアボロが攻撃してこないと分かってるなら…
こっちから攻撃をすれば良い!
そう思ったフーゴはディアボロに足を一歩近付けた。
だが…
757:
ザッ
ディアボロ「俺の後ろに立てるとでも思ったのか…?」
フーゴ「!?」
ディアボロ「帝王に策など通用せんッ!」
フーゴ「まださッ!」
パープル・ヘイズ「しゃああああばあああああ!」
パープル・ヘイズに細菌をばら撒かせた後に、自分の近くにパープル・ヘイズを待機させていたフーゴ。
しかし、この時、フーゴはまだ知らなかった…
ディアボロがなぜ、パッショーネのボスとして君臨しているかを…その強さを…!
758:
シュン
フーゴ「!」
ディアボロ「相手を侮ることはしない…それが強さだ!」
ドグサッ
フーゴ「う…!」
ドピュッ
フーゴ「う…うぐあ…!」
キング・クリムゾンが放った一撃は、フーゴの腹部を貫いた。
その一撃は、普通の人間ならば致命傷となる傷だった。
ダッダッ
ジョセフ「はぁ…はぁ…ど…どこだフーゴのやつ…あいつの顔には一発パンチ入れてやらねーと気が済まねーぜッ!」
フーゴ(この声は…ジョセフか…?)
759:
フーゴはこの時、仲間の事を再び思い出していた。
フーゴ(ジョセフ…ミスタ…アバッキオ…ナランチャ……………ブチャラティ……)
フーゴ(みんな…良いやつばっかりだったな……本当なら俺はあのチームには戻れない…)
フーゴ(だけど……)
フーゴ(ブチャラティがそれを許してくれた……こんな俺を……)
フーゴ(…こんな俺が出来るのは…手助けぐらいだ…)
フーゴ「僕は……ッ!」ドピュッ
ディアボロ「! まだ戦う気力が残ってたか。まるでゴキブリだな…」
フーゴ「僕はあなたの部下なんかじゃあない…」ボソッ
フーゴ「…ジョセフッ! みんなを頼みましたよッ!! 絶対にボスを倒してください!!」
ジョセフ「フーゴの声だッ! こっちか!!」
フーゴ「ブチャラティチームとしての誇りを…汚すわけにはいかない!!!」
パープル・ヘイズ「うるるるるるるるるぅしゃああああああああああああああああッ!」
760:
ブン
フーゴはパープル・ヘイズ・ディストーションの左腕をウイルスで攻撃した。
ビュッ!
ディアボロ「なッ!?」
その攻撃はあまりにも強力で、ディアボロの左手に飛んで付着した。
ディアボロはそれを予測していなかった。ディアボロはフーゴの攻撃の恐ろしさをしっかりと把握していなかった。
フーゴ「勝ち目がないほど……パープル・ヘイズ・ディストーションの殺傷力は上がるんだよ………」
ディアボロ「ぐ、ぐうおおおおおお!!」
ジュウウウウウ
ディアボロ「し、下っ端ごときが………オレの左手を………」
ディアボロ「下っ端ごときが………このオレを……!!」
ディアボロ「きさまァーーーッ!! 絶対に許さんッ!」
ダダダダ
ジョセフ「!! おいフーゴッ!!」
フーゴ「ジョセフ………来るのが一足遅かったですね……」
761:
フーゴ「ジョセフ……いや…ジョジョ……君に伝言を頼みたい…………」
ジョセフ「!」
フーゴ「ブチャラティに………今までありがとうございました………『ボス』……と………」
フーゴ「伝え………」
フーゴ(いや………やはりいいか………オレは……上司の命令に逆らった………チームに『戻れない』………な……)
ディアボロ「ふん!」
ドサッ
地面に投げられるフーゴ
フーゴ「………………………………」
シュー…
パンナコッタ・フーゴー死亡
スタンド名ーパープル・ヘイズ・ディストーション
ジョセフ「フーゴーーーーーーーーーーーーーーーッ!」
762:
ザン
ボピュッ
ディアボロは自分の左手を切り落とした
ジョセフ「おめーのその顔…ディアボロだな…? よくもフーゴを……!」
ディアボロ「ジョセフ…次はお前の番だ……ブチャラティはどこにいる?」
ジョセフ「て…てめー……」
ジョセフ(アバッキオだけでなく、フーゴまで…許さねーッ!)
ガッ
アバッキオ「そうカッカするなジョジョ。」
ジョセフ「!」
バッ
ジョセフがフーゴの死体の頭上を見ると、そこには人型の雲のような物があった。
763:
フーゴ「まったく…僕たちの死を無駄にする気ですかジョジョ?」
ジョセフ「アバッキオ…それにフーゴ!」
アバッキオ「お前は頼りになるオトコだ…こんな所で死んだら承知しねーぞ!」
ジョセフ「…あぁ…わかってる…わかってるさ…」
?「それでこそジョジョだ…」
ジョセフ「その声は…!」
シーザー「お前ならやれるさジョジョ…ジョセフ・ジョースター。俺が友と認めた男だからな。」
ジョセフ「お前ら…」
アバッキオ「頑張るんだジョジョ…」
フーゴ「君なら倒せますよ…」
シーザー「でないとリサリサ先生が悲しむぞ? …………じゃあな…ジョジョ。」
ジョセフ「ま…待ってくれみんなッ!」
シュウウウウウウ…
雲のような物は消えた
ジョセフ「………へっ…化けてでやがったなあいつら……」
ザッ…
ジョセフ「あいつらに………………」
ジョセフ「…………泣いてるような情けないジョセフ・ジョースターは見せれねーな…」
〜to be contiued〜
774:
ディアボロ「ジョセフ…覚悟というのは戦うことだけじゃあない……言ってる意味が分かるか?」
ディアボロ「オレに従うのだって覚悟なんだ。お前が今、矢の居場所を教えてくれるのであれば…殺すのはやめよう……」
ジョセフ「もし…俺が持ってると言ったらどうする…?」
チラッ
ディアボロ「!」
ジョセフ「おっと! ヤッベ! 見えちまったかなァ〜?」
ディアボロ「……………」
ディアボロ(なぜあいつが矢を持っているんだ? あいつとフーゴは接触すらしていないはず…どこで手に入れた?)
ディアボロ(だが…そんな事考えるまでもない。奪い取ればいいだけだ…)
775:
シュン
ジョセフ「おっと次動いたらこの矢を折っちまうぞ! お前の能力はもう分かってんだからな!」
ディアボロ「なに?」
ジョセフ「じわじわと距離を縮めてんのは分かってんだよ。お前の血がそれを教えてくれてるからなーッ!」
ディアボロ「!?」
ポタッ…
ポタッ…
ディアボロ「な…なにィッ!!」
ジョセフ「お前にとって負傷は初めてのようだな。そんな初歩的な事に気づかないって事はよーッ!!」
ジョセフ(おまえはヴェルゴーニャなんかじゃあねえ……立派なオレのコムラード“仲間”だったぜ……ッ!)
ディアボロ(ぐ……虫ケラめ…どこまで俺に屈辱を味あわせる気だッ!)
ディアボロ(だが…オレは諦めない……オレが頂点にあり続けれるのであればどんな事をしてもいい。誇りを捨てない限りオレには勝機がある。)
776:
ジョセフ「さあて…あとはお前を倒す方法だけだが……」
ダッダッ
ミスタ「ジョジョ! フーゴはいたか!」
ナランチャ「フーゴはどこにいんだジョジョッ!」
ジョセフ「ゲッ! あいつらもう近くに来たのかッ! 来るのが早えーよ! 今来たら俺の作戦が…」
シュン
ゴゴゴゴゴゴゴ
ディアボロ「俺の作戦が…何と言ったんだジョセフ…?」
ガシッ
ジョセフ(し…しまったーッ!)
ナランチャ「あ! あんな所にジョジョがいる! あっこにフーゴもいんのかなッ!」
トリッシュ「なんでそんなに楽しそうなのよ。まだフーゴが情報を流した人って分かってないのよ? 本当にバカね。」
ナランチャ「誰がバカなんだ?」
トリッシュ「バカとは喋りたくないわ。」
ミスタ「どっちもバカだ。」
777:
トリッシュ「でもおかしいわね…誰かがジョジョを掴んでるように見えるわ。もしかしてフーゴ?」
ミスタ「一体どういう状況なんだありゃあ? ジョジョを掴んでのは誰だよ?」
トリッシュ「!!」
トリッシュ「あ…あぁ…!!」
ブチャラティ「どうしたトリッシュ?」
膝を落とすトリッシュ
トリッシュ「私達に…もう希望はないの……?…」
ブチャラティ「何を言っているんだトリッシュ! 君は俺たちが命を賭けて守ると言っただろッ。」
トリッシュ「だ…だって……あそこにいるのは………」
トリッシュ「私の……お父さん…なのよ…?」
ブチャラティ「!!」
ブチャラティ「君は父親の顔は見たことがなかったんじゃあないのか。なぜ父親だと分かる?」
トリッシュ「分かるのよ……あれは間違いなくお父さんよ………!」
ブチャラティ(なんだと? そんなはずはない……ボスがこんな所に来るはずがないんだ………決して人前には姿を見せないやつだ。しかも、俺が会った時も顔は決して見せなかったんだ……だが…娘であるトリッシュが言っていると言うことは…もしや………)
778:
ミスタ「!!」
ミスタ「お…おい……ブチャラティッ! こっちに来てくれッ!!」
ブチャラティ「今はそれどころじゃあなくなった。早くジョジョを助けないと…」ザッザッ
ブチャラティ「!!」
ブチャラティ「…………………………」
ナランチャ「?」
ナランチャ「何でビックリしてんの2人とも?」
ブチャラティ「く…来るなナランチャーーーーッ!!」
ゴゴゴゴゴゴゴ
柱を曲がった四人が見た先には、お腹に穴が空き、死んでいるフーゴの姿があった。
ナランチャ「!?」
ナランチャ「なんでフーゴが倒れてん…の…?」
ミスタ・ブチャラティ「………………」
ナランチャ「お…おい…嘘だろフーゴ? ………なぁ…フーゴ?」
ダッダッ
ナランチャ「ブチャラティ、ミスタ……………これは何かの冗談だよね? そうだよね…?」
ミスタ・ブチャラティ「………………………」
779:
ガバッ
ナランチャ「フーゴ? おいフーゴ!! 久し振りに会ったんだから喋れよ!! 何で黙ってんだよ!!!」
ナランチャ「!」
ナランチャ「お…俺さ! ジョジョのおかげで2ケタの掛け算が出来るようになったんだぜッ? 16×55は…16×5を計算したやつと……え…えーと…16×50…それを計算したやつを足せばいいんだろッ! で、答えは……確か…880だッ!! どうだフーゴ! スゲーだろッ?」
ブチャラティ・ミスタ「…………」
ナランチャ「それに俺さ! まだ皆には言ってないけど、この任務が終わったら学校に通おうと思ってるんだ!! なー? ビックリしただろ!?」
トリッシュ「ナランチャ…」
ブチャラティ「………………」
ブチャラティ「ナランチャ…俺からの命令だ。トリッシュを遠くに連れて行け! 今すぐだッ!!」
ナランチャ「え?」
トリッシュ「どう言うこと? ブチャラティ…意味が分からないわ。」
ブチャラティ「ナランチャ。聞いてたか? 早く行動しろ。」
ナランチャ「で…でも……フーゴが…」
780:
トリッシュ「ブチャラティ! 私だって戦うわ! 私だってスタンドがいるのよ? 相手が父親でも手加減はしないわ!」
ブチャラティ「早くしろッ!!」
ナランチャ「う…うぅ……」
ミスタ(ナランチャには無理だブチャラティ…ナランチャは仲間の死をすんなりと受け入れられるほど心は強くはない……しかも、今回は親友のフーゴだ…決めれるはずがねえよ…)
ナランチャ「……わかったよ。」
ミスタ・トリッシュ「!!」
ナランチャ「フーゴはボスを倒すために俺たちに協力してくれたんだ…その覚悟は無駄にしない…!」
ナランチャ「いつまでも悔やんでたら…またフーゴに叱られちゃうや…」
ガシィ
トリッシュ「ちょっと! ブチャラティ!!」
ダッダッ
ミスタ「ブチャラティ…ナランチャのやつ…」
ブチャラティ「あぁ…今すぐにでも泣きたいだろうな。だが、あいつだってもう立派なギャングだ。成長しなくちゃあな…」
ブチャラティ「今のナランチャは俺の立派な部下だ。トリッシュの事はナランチャに任せよう。」
781:
バッ
ブチャラティ「………………」
ブチャラティ(この先にいるのは本当にボスなのか?)
ザッザッ
ブチャラティとミスタはジョセフの方へ隠れながら歩みを進める。
ブチャラティ(この感覚は……一度味わったことがある…! これは………ボスと遭遇した時だ…!)
ブチャラティ(やはり…ジョジョを掴んでいるのは間違いなくボス……ディアボロだ! そして…フーゴはディアボロに殺された……)
ミスタ「おいブチャラティッ。やつは何者だ? あんたがそんなに汗をかいてんのは見たことねえぞッ?」
ブチャラティ「ミスタ……ジョジョの目の前にいるのはボスのディアボロだ。」
ミスタ「…やっぱりそうだろうと思ったぜ。」
ミスタ「アバッキオだけじゃあなく…フーゴまで殺すとは………オレの堪忍袋も限界だぜ。」
ブチャラティ(今こそこの矢を使う時のようだな…フーゴ………)
ブチャラティ(最後のオレの命令が戻ってこいだなんて………イヤだったろ………)
782:
ミスタ「……………………」
ブチャラティ(フーゴやアバッキオを殺したボスを…絶対に許さないッ! この手で始末するのがオレの…オレ自身への命令だッ!)
カチャリ
ミスタ「ピストルズ…準備しとけ。こいつあ厳しい戦いになるぞ……」
ピストルズ全員「了解!」
ブチャラティ「…たとえオレが死んでも振り向くな…ディアボロを倒すことに集中しろ。」
ミスタ「分かってるぜ。」
ブチャラティ(ボスが油断した時………それが矢を使うタイミングだ………今使えば間違いなく気づかれる! 時を飛ばされ…一気に殺られる……)
バッ
ディアボロ「矢は返してもらうぞ…!」
ブン
ジョセフ「グヘー!」バタッ
783:
ディアボロ「ん? な…何だこれはッ!」
ジョセフ「な…何って…俺がお土産屋で買ったサッカークラブのストラップだけど?」
ジョセフ「こんな恥ずかしいもんボスに見られたら、クビになっちまうから見せたくなかったんだよ。あー恥ずかしいッ!」
ディアボロ「きさまーッ!!」
ミスタ「セックス・ピストルズッ!」
ダン!
ダン!
ブチャラティ「スティッキー・フィンガーズッ!」
ジパパパパ
ジョセフ「お…お前ら!」
ディアボロ「無駄だッ! 俺に勝つのは不可能だ!!」
ディアボロ「きさまらは絶対に許さん! 真の絶望を味わせてやるッ!」
784:
ドォーーーーン
ドドドドドドド
ザッ
ザッ
ザッ
ディアボロ「やはり…きさまが矢を持っていたかブチャラティ…」
ディアボロ「オレが油断した時に矢を使おうとしたのか? だが、それはおまえにこの矢を使う覚悟がなかったことを意味するんだ……心の中ではまよっていたんだろう?」
ディアボロ「そんなお前の目の前で矢を貫いてやる。最初に俺に殺されるのはきさまだ! きさまに頂点にいる者の強さを見せてやるッ!」
シュン…
ガシッ
ディアボロ「ついに手に入れたぞッ!」
ブチャラティ「!!」
ディアボロ「矢のパワーはッ! この運命からの贈り物はッ! これで我がキング・クリムゾンをこの世の頂点に連れて行ってくれ………」
ブチッ
ディアボロ「!」
ディアボロ「…今の音はなんだ?」
785:
ゴゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ「そういう動きをとるのは予測してたぜ…ディアボロ。予測出来てたから罠を張らしてもらった。」
ディアボロ「罠だと…?」
シュルッ!
シュルシュル
ディアボロが手に持っていた矢は、イバラに奪われた
ジョセフはブチャラティのそばにハーミット・パープルを張り巡らせ、ボスが来るのを待っていた。
ディアボロ「! なにィッ!?」
ジョセフ「奪われると分かっているなら奪い返せばいいんだッ!」
ジョセフ「お前なんかにイタリアを汚させはしねー! 俺がお前を裁いてやるぜッ!」
ガシッ
ドドドドドドドドドドドド
ディアボロ(このままでは!……矢をやつに使われてしまう…それだけは……それだけは回避しなければ………)
786:
ジョセフ「覚悟はしてたが…いざやるとなると勇気がいるぜ……」
ジョセフ「けどよ…俺がやらなきゃ皆の道が閉ざされちまう。それだけはごめんだぜッ!!」
ディアボロ(ここはひとまず距離を取らなくては…ここは退くのだ………ここで一時退くのは敗北ではない…………!! オレは頂点に返り咲ける能力があるッ!)
トリッシュ「ジョジョッ!」
ディアボロ・ジョセフ「!」
トリッシュ「ディアボロは逃げる気だわ! 今確かに一歩退いたわ!」
ナランチャ「ブチャラティごめん! やっぱりオレたちも戦うよ!! 逃げたら臆病者みたいだろーーーッ!」
ブチャラティ「ナランチャ……」
ディアボロ(だめだ……やはりこのオレがここで……逃げるわけにはいかない……!! 誇りが消える……ここでこいつから退いたら!!)
ディアボロ(オレは帝王だ。オレが目指すのものは絶頂であり続けることだ。ここで逃げたら…その誇りが失われる。次はないッ!)
ジョセフ「ハーミット・パープルッ!」
ドオオオン
ディアボロ「例を言うぞ…我が娘よ………おまえが逃げる気だと言った。オレに対する侮辱の言葉で……」
ディアボロ「我が誇りは失われずに済んだッ! 退かなくて良かった…もし逃げていたら……」
ディアボロ「この予知を見ずしてやり過ごしてしまうところだったッ!」バサバサ
787:
ディアボロ「フフフフフ…」
ディアボロ「フハ。」バサ
ディアボロ「フフフフフハフハハ。」
ディアボロ「このキング・クリムゾン・エピタフの意外な予知を!」
ドオスウウウーン
トリッシュ「やったッ! あの矢の力の先に向かうのは!! ジョジョのハーミット・パープルだわッ!」
ボゴオオオ
ジョセフ「ぐふっ!」
ミスタ「え?」
ディアボロ「フフフフフフ……」
ディアボロ「フフハ。」
ディアボロ「ハハハ…ハハ。」
ディアボロ「フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハーーーーーーッ。」
ミスタ「ン…!?」
トリッシュ「これはッ! なッ!」
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職場の健康診断の1週間前から社食が怪しい薄味のヘルシー定食だけになってしまい辟易した

叔父が私に本気になってしまい、執拗に粘着してくるようになってしまった。

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