【ジョジョ】ジョセフ「ギャングスターになってやるぜッ!」【SS】【前半】back

【ジョジョ】ジョセフ「ギャングスターになってやるぜッ!」【SS】【前半】


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1:
設定:
・時代はジョセフがカーズを倒した後で、もしジョセフがジョルノの代わりにパッショーネに入ったらというもしものお話。
・ジョセフはまだ波紋しか使えない。
・リサリサ、エリナ、スピードワゴン、ちょっとだけシーザーも出す予定です。
・JOJOらしくない表現、言い回し、展開があるかもしれませんがそこは大目にみてくれたら幸いです。
2:
シーザー「おいJOJO! いつまで寝てる気だッ! 修業の時間だぞッ!」
ジョセフ「んぁ…? そんなに急かさなくてもいいじゃねーかシーザー…もう少しぐらい寝たってバレやしねーよ……」ムニャムニャ
シーザー「そんなんだからお前は波紋の腕が上達しないんだぞJOJO!」
ジョセフ「…なんだと? それとこれとは話が別だろッ!」
ジョセフ「いいかぁ? おれさまにかかればあのババアに波紋を習わなくたって1人で強くなれるんだよ!」
ジョセフ「おれはお前らなんかの助けなんかいらねーよ!」
リサリサ「何を騒いでいるのJOJO!」
ジョセフ「ハッ!」
ジョセフ(な…なんだ夢か……脅かすんじゃねーぜまったく……)
リサリサ「さっきからずっとうなされてるけど どうかしたの?」
ジョセフ「ゲッ! リサリサ先生!?」
3:
?飛行機内?
ジョセフ(そ、そうか…そういやリサリサと一緒にイタリアに向かってるんだったな……)
リサリサ「何かうなされていたけど悪夢でも見たの?」
ジョセフ「ああ…ある意味悪夢みてーなもんだったぜ……」
リサリサ「……そう。」
ジョセフ(ったく、夢まででてくるこたーねぇだろ……)
リサリサ「それよりもJOJO…もう心の準備は出来たの…?」
ジョセフ「……あぁ…できてるさ……」
ジョセフ「あいつの形見をちゃんと届けねーとな…」
~ジョセフ・ジョースター~
ジョージ・ジョースターとエリザベス(リサリサ)との間に生まれた子供で、柱の男と呼ばれる男たちと死闘を繰り広げた。
現在、柱の男との戦いで戦死したシーザー・ツェペリの故郷、イタリアにいる家族の元へ彼の報告に向かっていた。
4:
?ネアポリス空港?
リサリサ「JOJO。私は寄る所があるから先にここから南にあるジェノヴァという街に向かいなさい。そこにシーザーの家があるわ。」
ジョセフ「言われなくたってわかってるよ母さ…いやいやリサリサ。」
リサリサ「? どうかしたのJOJO?」
ジョセフ「い、いや? 何かおれ飛行機に酔っちゃったみてーなのよ! だからちょっくら散歩してから向かうわ! そんじゃ!!」スタスタ
リサリサ「……フフ。照れる仕草がお父さんにそっくりね…」
5:
?ネアポリス空港近くの公園?
ジョセフ「母さんなんて今さら言えるわけねーよな?…リサリサって呼んだ方がしっくりくるしそれでいいだろ。」
ジョセフ「それにしてもイタリアってのは良い街だよな?。静かでオシャレだし脚がグンバツの女がゴロゴロいるし、ここに住めばなに不自由なく暮らせるぜ?へへ!」
?「話を今してんのはこのオレだッ! 誰が質問していいと言ったッ!?このボゲがッ!」グググ
ジョセフ「なんだァ?? ケンカでもしてんのか?」
?「ルカさん。ショバ代ならすでに払いました。カネはないです。」
ルカ「警備員にかああ??ッンなこたぁオレにゃあ関係ねえんだよオオォォォォーーーッ!!」
ジョセフ「なんだチンピラ同士のケンカか。ま そもそも誰のケンカだろうと止める気はなかったけどね。」
ジョセフ(さて…どうやってジェノヴァまで行こっかなァ?…飛行機も飽きたし、電車ってのもありだな?…)
ブン
ルカ「このガキャアァァァーーーッ!!」
ジョセフ(ったくうるせーな……こっちは考え事をしてんのによォ……)
7:
ルカ「てめーはもう…???」
ルカ「てめーはもう…???」
ルカ「てめーはもうおしまいだぁあーーーーっ!!」
ガシッ
ルカ「!?」
ジョセフ「ちょっとごめんなさいね?…ケンカを止めるってワケじゃあないんだけど、今おれ考え事してるんだよ。ケンカするなら違う場所に移動してやってくんないかなァ?? そろそろキレちゃいそうなんだわオレ…」
ルカ「てめー…おれの邪魔をするんじゃあねェーーーーーーっ!!」
ジョセフ「ズームパンチッ!」
ルカ「グホッ!」
ジョセフ「おれは忠告したぜ…キレちゃいそうだってなッ!」
ジョセフ「おまえあんまりケンカはするもんじゃねーぞ? めんどくせー事になっちまうからよ」
?「…ご忠告ありがとうございます。お名前を伺ってもよろしいですか?」
ジョセフ「ジョースター。ジョセフ・ジョースター。皆からジョジョって呼ばれてるぜ。」テクテク
ルカ「あ、あいつの腕…伸び…やがった……?」
?「……」
8:
?路面電車内?
ジョセフ「こういう珍しい乗り物はのりたくなっちゃうのよね?。」
ジョセフ(ん? あんな所に金を落ちてやがるな…)
そこに1人の男が現れて金を拾う
?「お? 君の?」
ジョセフ「……そうそう! 拾ってくれてサンキュー!」
?「そう、よかったね……ハハハ」
ゴトンゴトン
?「もしさあ……ここにカバンが落ちてて中に1000万円入ってたとしたら、君…とどける?」
ジョセフ(なんだあコイツァ…? 変な野郎だな?)
ジョセフ「そりゃあ届けるだろうな。おれのじゃなかったらな。」
?「ハハハハハハ!! 君はそう言って自分のものと言い張るんだろう? 君はユーモアがあって面白いよ!」
ジョセフ「ユーモアも何も俺は本当の事を言ってるだけだぜ! 落ちてるお金は交番に届けるなんて常識だろ?」
?「ハハハ!冗談さ!君は本当の事を言っている!」
?「……実はおれね……人が本当の事を言ってるかどうか分かるんだ。いやまあ…ほぼ間違いないかな」
?「君の皮膚を見てる感じでは嘘はついてないように見える…『汗の味』をなめればもっと確実にわかるかな」
ジョセフ(気味悪いぜコイツ!!)
9:
ジョセフ「おたく一体ナニもんだ?」
?「『涙目のルカ』が自分の『スコップ』頭にブッ込まれて空港のはずれの公園にブッ倒れていた……あれじゃあ意識は戻らねえ……重体だ……だれが『やった』のか!調べてる……」
ジョセフ(涙目のルカ? ケンカしてたかたっぽの野郎か……待てよ…? おれはあいつにちょっぴり波紋流してやっただけなのになんで重体なんだ?)
ゴゴゴゴゴゴ
?「ジョセフ・ジョースター。『涙目のルカ』がなぜ公園にいたのかは誰も知らない……」
?「しかし…ルカの近くにいた少年が君がいた事をおれに教えてくれたんだ。だから会ってちょいと質問しようと思ってね…」
ジョセフ(あのガキャア…罪をおれになすりつけやがったな! ちょっと格好つけようと名前名乗らなかったら良かったぜ…)
?「『ルカ』はただのゴロツキじゃあねぇ。『ギャング』なんだぜ……やられる理由はたくさんある……恨みを持たれるタイプだったからな…しかし『やつのボス』はそうじゃあない……」
?「身内がやられたって事でボスは顔にドロをぬられたと思っている。だからオレにやったやつを調べてケリをつけろと命令したんだ」
10:
?「『おまえに質問する』………『公園で』『涙目のルカ』に会わなかったかい?」
ゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ(ヤベーやつに目をつけられちまったぞ…ここは俺おれさまお得意のハッタリをかますしかねェーーー!!)
ジョセフ「涙目のルカ?? そんなやつ見た事も聞いた事もねーな?。もし会ってたらおれ忘れないね…」
?「………」
?「………………」
プシュー
11:
?「汗をかかないね……」
?「よし信じよう……質問は以上だ……じゃましたな……ジョセフ・ジョースター」
電車から降りるギャングの男
ジョセフ「ハァ???。やっと解放されたぜ。イタリアってのはやっぱり変な野郎が多い街だわ。」
ジョセフ「ン…?」
ドン
握っていた手の中に目がある
ジョセフ「ナ…ナンダァこりゃあーーーーー!!??」
ジョセフ(に……握っていた手の中になんで目ん玉があるのよォ??!!!)
ドドドドドド
?「『ルカの右目』だぜ……汗をかいたな…どうせ意識がねえんだから持ってきたんだ。」
ベロン
?「この味は!………ウソをついてる『味』だぜ……ジョセフ・ジョースター!」
ジョセフ(なんでおれはこうもついてないのォ???!!)
19:
ジョセフ(手品…か? いやどう考えても握っていた手の中に目ん玉を入れるなんて不可能だぜッ!!)
ジョセフ「テメー何しやがった!」
?「おやおやおやおや…」
ドドドドドド
ジョセフ(今さら涙目のルカに会ってました!っなんて言っても許してくれるようなヤツじゃあないよなぁ…ここはウソを貫き通すしかねーな…)
?「質問は以上だと言ったが…状況が変わって来たな……『ジョセフ・ジョースター』」
?「おまえはウソを言った! 『涙目のルカ』に会っていないとな。」
20:
?「じゃあなぜウソをつくのか? ん? その理由を聞かせてもらわなくてはならなくなったってわけだな…」
パア
?がジョセフを殴る
ジョセフ「テメー…」
ゴトンゴトン
?「おれの名は『ブローノ・ブチャラティ』。答えろよ。質問はすでに…『拷問』に変わっているんだぜ。」
ジョセフ「!!」
ゴトンゴトン
ゴトンゴトン
ズゥルリ
ジョセフの口の中から指が出てくる。
21:
ジョセフ「ウゲーーー!?」
ブチャラティ「どうブルっちまう特技だろう…それは『ルカの指』だ。実を言うとな『涙目のルカ』は始末された。あれじゃあ生きててもしょうがないってんでな。うちのボスがおれに持っていっていいって言ったんだ。拷問の時おどしに使えるからってな……」
ジョセフ(またかよ!!…あいつどんなトリックを使ってやがるんだ……人の指がおれの口の中に入ったなんて考えただけでも吐き気が止まらねーぜ…!)
ジョセフ「ムカつくぜ……」
ブチャラティ「フフフフフ」
ブチャラティ「さっさと話せッ!」
ブチャラティがパンチを繰り出す。
22:
ジョセフ「へ!動きがのろい…ん?」
ヂヂヂヂヂ
ジョセフ「な!? 俺の頬が!?」
バギィ
ジョセフ「ぐ!」
ブチャラティ「早く話さねーと拷問はさらに続くんだぜッ!」
グラグラグラグラ
ジョセフ「お、おれの首がグラグラしてやがるゥーーー!?」
ジョセフ(頭の整理がつかねーぜ…! なんであいつはおれにルカの死体を持たせる事が出来るんだ…? そしてナゼおれの首はこんなグラグラしてんのよ???!!)
25:
ブチャラティ「時間をとらせるな…正直に答えろ!!」
ジョセフ(けど…おれは絶対に生きてシーザーの家族に会わねーといけねー…こんな所で死んでたまるかよッ!)
ブチャラティ「何をされたか分からなくて戸惑っているようだな…ま、分からなくても無理ないさ……はやいとこ本当の事を話してもらえば解除してやる…」
ジョセフ「……へへへッ!おいブチャラティ!!」
ブチャラティ「ん? なんだ?」
ジョセフ「テメーはおれがこんな事でへこたれる根性なしと思ってるみてーだが、おれはオメーみたいなおかっぱ野郎に倒されるほどやわじゃないんだよ!!」
ブチャラティ「……そうか…ならばお前がルカの事を話すまでじっくりと相手をしてやろう…」
26:
ブチャラティ(こいつがここまで強気でこれるのはこの状況を打破する策があるからだろう……もしかしたらこいつは俺と同じ『能力』を持っているのかもしれない…)
ブチャラティ(だが…たとえ俺と同じ『能力』を持っていたとしても…)
ブチャラティ(おれに勝つには相当の覚悟が必要だ…!!)
ジョセフ「そろそろいくぜおかっぱ野郎ッ! 覚悟しろ!!」
ブチャラティ「…………」
ジョセフ「こういう時は…」
プシュー
路面電車が止まる
ジョセフ「逃げるんだよォォォーーーーーーッ」
ブチャラティ「ナニィ!!??」
ジョセフ「ここは一旦逃げて作戦を練るのが1番だぜ!!」
ブチャラティ「待て!ジョセフ・ジョースターッ!!」
ブーーーーン
ブチャラティ「くっ! 反対車線の車がジャマで渡れない! あの野郎…絶対逃がさないぞ……」
30:
?路地裏?
ジョセフ・ジョースターは悩んでいた。ブローノ・ブチャラティとは一体何者なのかと…
普通の人間ではない事は確かだった。しかし、波紋使いや吸血鬼、柱の男達とはまた違っていた。
彼はそれらとは別の『新たな能力』を身につけているのだとジョセフは確信した。
ジョセフ「ここまでくればあいつもすぐには追いつけねーだろ…何とかしてヤツを倒さねーと……」
壁に手をかけるジョセフ
ジョセフ「チクショー! せっかくエリナおばあちゃんに買ってもらった洋服がボロボロだぜ…エリナおばあちゃんに何て言ったらいいんだよ…」
ヂヂヂヂヂ
ジョセフ「…? 何か壁から音がしたよーな……」
ジョセフ「ま、まさかね?…」
ブチャラティ「逃げても無駄だぞ…ジョセフ・ジョースターッ!」
ジョセフ「ゲーッ!? 追ってくるの早すぎだっつーのおかっぱ野郎!!」
31:
ブチャラティを背に逃げるジョセフ
ジョセフ「とにかく逃げねーとヤベーぜ!!」
ブチャラティ「もう逃がしやしない…この路地裏ならスピードはおれの方が上だッ!!」
ブチャラティ「くらえッ!!」
ブン
ガシッ
ブチャラティの動きが止まる
ブチャラティ「!?」
ブチャラティ「俺の『スタンド』のパンチが止められた…!?」
ジョセフ「へへ! かかったな!!」
プシーーーー
空中から突然血が飛び出る
ジョセフ「手品なら俺の方が上手だぜッ!」
ブチャラティ「こ、これは…!」
32:
そこには血によって赤く光る『糸』があった!
ブチャラティ「糸ッ!? こいつ…俺がここにくる間にこの路地裏に糸を張り巡らしてやがったのか…!」
ジョセフ「へへッ! 気付くのが遅かったなブチャラティ! 俺はただ逃げるだけのマヌケじゃあねーのよ?!」
ジョセフ「くっ…! ジョセフ・ジョースター……お前は自分が何をしたのか分かっているのか…?」
ジョセフ「さあね…俺は何もしてないけど、オメーが俺にケンカを売ったのは確かだぜ!」
ブチャラティ「きさま……」
ジョセフ「じゃ、俺は用事があるからおいとまするぜ!」
スタスタ
33:
ジョセフ(さて…あんだけ糸を張り巡らしたらすぐには追ってこれねーだろ…ここまでは作戦通りだが、結局の所あいつがどうやって俺に攻撃しているかは分かってねーんだよな……)
ジョセフ(何も無い空中から血が出たってことは透明人間とか幽霊を操ってんのか? だとしたら尚更気持ちワリーやつだぜ…)
ヂヂヂ…
ジョセフ(あとはこのまま、飛行機か何かに乗って、ジェノヴァまで行きさえすればイタリアとはおさらばだな?…)
ヂヂヂヂヂヂ…
ジョセフ(……おいおい…ウソだろ…)
後ろを振り返るジョセフ
ゴゴゴゴゴゴ
ブチャラティ「言っただろジョセフ・ジョースター…逃しやしないと……」
そこには地面にうつ伏せになり、滑るようにジョセフへ移動するブチャラティの姿があったッ!
34:
ジョセフ「や、やっぱりねェ?…」ダッ
ブチャラティ「逃がすかッ!」スッ
ブチャラティ「『スティッキーフィンガーズ』!!」
ブン
グッ
スティッキーフィンガーズに殴られるジョセフ
ジョセフ「ウゴッ! こいつあ効くぜェ…!」
ズルズル
スティッキーフィンガーズにより、路地裏から人通りの少ない通りへと弾き出され倒れたジョセフ
35:
ジョセフ(こ、こりゃあ骨が折れたかな…ま、あとで波紋で治せるからいいか。)
ジョセフ(それよりもあの野郎…本当に幽霊に取り憑かれてるんじゃあねーか?)
ジョセフ(そうでもないとあんな事できねーだろ…)
ブチャラティ「……」
ゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ(今ブチャラティは俺の後ろにいる…おそらく俺が起き上がり、振り向いた瞬間に攻撃する気なんだろう……)
ジョセフ(真っ向勝負じゃあ俺に勝機はゼロだ…ここは何かキッカケがねーと……)
36:
男1「おい見ろよ! あそこに人が倒れてるぞ!!」
ジョセフ(ラッキ?! そのまま近づいて来てくれたら俺にはまだチャンスがあるぜ…!)
男2「なんだなんだケンカか? だらしのないやつだな?。」
ブチャラティ「おいキサマら…ケンカに巻き込まれたくなかったらどっかに行け!」
男1「なんだとコラッ! 舐めてんじゃねーぞッ!!!」
ガシッ
ブチャラティの胸ぐらをつかむ
ジョセフ(バカッ! そいつにケンカを売るんじゃなくて俺を助けやがれッ!!)
37:
ブチャラティ「仕方がない。おれは忠告をしたからな…?」
男1「オラッ!!!」
ブン
ブチャラティ「少し寝ていてくれ…」スッ
ガッ
男1「うっ…」
男1に当て身をするブチャラティ
ブチャラティ「お前もこうなりたいか?」
男2「……いえ帰ります。」
ジョセフ(…オメーらこそだらしのないやつだぜ……)
38:
ブチャラティ「ん?」
ポロッ
男1の胸ポケットから手帳が落ちる
ブチャラティ「!?」
ブチャラティ「……」
ジョセフ(なんだ? ブチャラティはなんで攻撃してこねーんだ?)
ジョセフ(とにかくブチャラティが油断してる今がチャンスだぜ!)サッ
ジョセフ「油断したなブチャラティ!」
ブチャラティを殴ろうとするジョセフ
ブチャラティ「…やはり気絶したフリをしていたか……」
48:
ドドドドドド
ブチャラティ「こい……決着をつけてやる!!!」サッ
ブン
ジョセフ「オメーの動きは見切ったぜッ!」
サッ
ブチャラティのパンチを避けようとするジョセフ
49:
カチン
近くにあったビール瓶を踏んでしまう
ジョセフ「うぉっ!? 何でこんな所にビール瓶があるんだよ!!」
コロッ
ジョセフ「あ!ヤッベ!」
ドテン
ビール瓶を踏んで転ぶジョセフ
ガラガッシャン
ドバドバドバー
倒れたビール瓶から中身が出てくる
ジョセフ「うわ! せっかくエリナおばあちゃんからもらったマフラーがビショビショじゃねーか!!!」
50:
ブチャラティ「俺を見るよりも周りをよく見るべきだったなジョセフ・ジョースター…」
ブチャラティ「スティッキーフィンガーズ!!」
ジョセフ「ちょっと待てって! 今のおれに攻撃するとか卑怯だぜ!」
ブチャラティ「お前に言う資格はない!」
ブン
バァン
ジョセフ「グヘッ!」
ヂヂヂヂヂヂ
ジョセフ「おれの腕が???!!」
ブチャラティ「トドメだ! ジョセフ・ジョースター!!!」
ジョセフ「くっそ??!」
52:
ジョセフ「……っなんてな! こっちの手は義手だから何の影響もないんだよ!」
ブチャラティ「なに…?」
ヒョイ
ブチャラティに向かって何かを伸ばすジョセフ
ブチャラティ「く! スティッキーフィンガーズ!」
ベチャッ
ガシッ
ブチャラティ「フン…マフラーで攻撃するなんて無駄以外の何物でもないな!」
マフラーをつかむブチャラティ
ジョセフ「無駄? おれは無駄な行動なんてした覚えがないぜ…?」
53:
バリバリ…
ジョセフ「そろそろおれの本気を見せてやる! くらいやがれッ!!!」
パチパチ…
ビリッ!
ブチャラティ「な!? なんだ!」
ジョセフ「リサリサみてーに特製のマフラーじゃなくても液体にさえ濡らせば波紋は流せるんだぜ?…」
ブチャラティ「は、波紋だと…?」
バチバチッ!
ブチャラティ「ヌァッ!?」
腕に電流が走り、驚くブチャラティ
ジョセフ「波紋疾走ッ!!!」
ブチャラティ「クソ! ガードが間に合わないッ!」
ドギャン
ブチャラティ「グアッ!」 
ズズッ
男1の近くに飛ばされるブチャラティ
54:
ジョセフ「いくぜ! とびっきりの波紋を流してやるッ!」
ブチャラティ「ウ……身体が痺れて動けない!」
チラッ
男1を見るブチャラティ
ブチャラティ「……」
ジョセフ「 波紋疾走!!!」
ブゥン
ブチャラティ「……」
スッ
ブチャラティの顔の前でジョセフはパンチを止めた
55:
ブチャラティ「!…なぜ殴ってこない! ジョセフ・ジョースターッ!」
ジョセフ「……なんでオメーはその男を身代わりにしなかったんだ?」
ブチャラティ「なに…?」
ジョセフ「おれはオメーほどの男ならおれが波紋を当てるまでにその男を身代わりにするぐらい何とも思わねーと思っていた…」
ジョセフ「だが、それは違ったみてーだな…」
ブチャラティ「なにを言いたいんだジョセフ・ジョースターッ!!」
ジョセフ「ブチャラティ…オメーはこいつの事を『可哀想』だとかおもったんじゃあねーか?」
ブチャラティ「!?」
56:
ジョセフ「その男の腕には違法薬物を使った跡がある…だが、オメーが『可哀想』と思ったのはそこじゃあねー…」
ジョセフ「その男の近くに広がってる『手帳』を見ちまったからだ!」
ブチャラティ「……」
ジョセフ「こいつあ まだ未成年のガキンチョみてーだ…なのに違法薬物を使ってる……それを考えて可哀想だとおもったんだろ…?」
ブチャラティ「それはお前の想像だ…おれはそんな事……」
ジョセフ「……」
ブゥゥーーン
男1に手をかざすジョセフ
ブチャラティ「きさま、なにをしている?」
57:
ジョセフ「何かオメーを倒す気がなくなっちまったぜ…オメーが残酷非道の最低なゲス野郎だと思ってたからよ?…」スッ
ジョセフ「あと、このガキンチョはこれで薬物を辞められるぜ。おれの波紋で治してやったからよ。」
ブチャラティ(波紋…で? 治してやっただと?)
ジョセフ「ルカを倒したのはおれじゃあねー…たぶんお前が情報を聞いたガキがやったんだと思うぜ?…ま、信じねーと思うがな……」
男1「…ん? 何でおれここに倒れてるんだ?」
男1「何だか分からねーけど、気分がいいな! 今日は早いとこ家に帰るか!」スタスタ
ブチャラティ「!」
58:
ブチャラティ「おいジョセフ・ジョースター…これは一体…」
ダッダッ
ジョセフ「今の内に逃げとかねーと、痺れが消えたらまたあいつ追ってくるからな!」ダッ
ブチャラティ「……」
ブチャラティ「ジョセフ・ジョースター…訳の分からない男だ…」
ブチャラティ「だが…ここで逃がすには惜しい男だ……」
59:
?駅構内?
ジョセフ「よし…あとは列車に乗るだけだぜ!」
キョロキョロ
ジョセフ「まさか電車とホームの間とかにいたりして!」
スッ
ジョセフ「……よしいねーな! あいつどこにでも現れるからか?…」
ブチャラティ「おいジョセフ・ジョースター…」
ジョセフ「ゲッ! ウソだろ!? ギャングってこんなにしつこいのかよ!」
ブチャラティ「安心しろ…もうお前を襲ったりはしないさ。」
ジョセフ「…本当だろ?な?? 信用できねーぜ。」
60:
ブチャラティ「最後にお前に頼みがあって来たんだ。」
ジョセフ「おいおいギャングがただの旅行客に頼みってなんだよ。」
ブチャラティ「…ジョセフ・ジョースター、君はギャングに入ってみる気はないか?」
ジョセフ「ハァ???!? ギャ、ギャングだとー!?」
ジョセフ「冗談じゃあねーぜ!! ギャング何かに入っちまったら皆に合わせる顔がねーだろ!?」
61:
ブチャラティ「……無理を言ってすまない…だが、君がいればうちのギャングは変わるかもしれないんだ。」
ジョセフ「そんなの知るかよ! ギャングに入ったらおれの人生まで変わっちまうだろ!!」
ジョセフ「いいか? おれは今から友人の家に行かなきゃならねえんだよ! 悪いがギャングに入る余裕はねーな!」
ブチャラティ「…うちのギャングは『パッショーネ』という組織でネアポリスを支配している。おれがギャングに入ったのもあくまでもこの街を守るためだ…」
ブチャラティ「だが! その街をうちの組織は汚そうとしている!! 麻薬や賭博…そんな汚い事をして金を稼いでいるんだ!」
ブチャラティ「おれは…ボスを殺し…パッショーネのボスになるッ! そして、この街を変えたいんだ! 皆が平和に暮らせるような街に!」
ブチャラティ「そのためには君みたいなキレ者が必要だ…だが、君が嫌なら断ってくれて構わない…君が決めてくれ!」
62:
ジョセフ「…断ったらおれは始末されるんだろ?」
ブチャラティ「そんな事はしない! あくまでもこれはギャングとしてではなく、おれ個人の頼みだ…」
ジョセフ「悪いが俺はパッショーネに入る気はねーよ…」
プシュー
駅員「まもなく電車が発車いたします!」
ブチャラティ「…そうか…それなら君とはお別れだ。君を殺そうとしてすまなかった……その服は弁償させてもらおう。」
金を渡そうとするブチャラティ
ジョセフ「……ハァ?…」
ジョセフ「金なんかいらねーよ…」
スタッ
電車から降りるジョセフ
63:
ブチャラティ「それでは俺の気がすまない。受け取ってくれ。」
ジョセフ「それは出世払いで払ってくれればいいのよ…」
ブチャラティ「え…?」
ジョセフ「いいか! ブチャラティ!! 俺はパッショーネに入る気はさらさらねー! お前の話じゃあ最低な組織だからな!!」
ジョセフ「だから! 俺はあくまでだブチャラティ! 『お前が目指す組織』に入ってやる! おれはギャングになるんじゃあねーぞ!」
ブチャラティ「ジョセフ・ジョースター!…感謝する!!」
ジョセフ「おいおいブチャラティ…フルネームで俺の事を呼ぶの止めてくれねーか?」
ブチャラティ「ならなんて呼んだらいいんだ?」
ジョセフ「おれの事は『ジョジョ』って呼んでくれ!」
ブチャラティ「分かった…俺の無理な頼みを聞いてくれて感謝する…『ジョジョ』!」
ジョセフ「……」スッ
ポケットからバンダナを取り出す
ジョセフ「…すまねーな…もう少しだけ俺に力を貸してくれ……シーザー…」
?to be continued?
73:
プー…プー…
ガチャリ
何処かに電話をかけるジョセフ
ジョセフ「お! スピードワゴンのじいさんか? ちょっと頼みごとがあるんだけどいいか?」
SPW「ジョジョ! お前確かリサリサと一緒にシーザーの家に向かったんじゃなかったのか?」
ジョセフ「あぁ、その事なんだがリサリサに先にシーザーの家に向かってくれって伝えてくれねーか? あんたなら財団を使ってリサリサを探すぐらいできるだろ?」
SPW「一体どういう事だ? 何か事件にでも巻き…あっ! エリナさん!」
ガチャ
エリナ「ジョジョ…あなたまた何か事件に足を突っ込んでるわね……」
ジョセフ「ウゲッ! エリナおばあちゃん!? 何でそこにッ!?」
74:
エリナ「約束したでしょジョジョ…もう私にはウソはつかないって……正直に話しなさい。」
ジョセフ「…エリナおばあちゃん……この事はいくらエリナおばあちゃんでも話せない事なんだ…本当にすまねー……」
エリナ「ジョジョ…」
ジョセフ「……」
エリナ「……」
エリナ「…わかったわ……」
ジョセフ「!」
SPW「エリナさん!」
エリナ「あなたの事だから私がどれだけ言っても帰らないつもりでしょう…」
エリナ「だけど、絶対に生きて帰ってくるのよ! スージーQがあなたの帰りを待っているんだから…」
ジョセフ「…ありがとう…エリナおばあちゃん!! スージーQの事は頼んだぜ!」
ブチャラティ「ジョジョ、まだか?」
ジョセフ「あぁ、もう終わる…じゃあなエリナおばあちゃん、スピードワゴンのじいさん!」
ガチャリ
75:
スージーQ「エリナおばあちゃーん! そろそろ帰りますよー!」
エリナ「あらあら…どうやら時間のようだわ。」
ガチャ
スージーQ「エリナおばあちゃん帰りますよ! メッシーナが車で迎えに来てくれてるから! あ、スピードワゴンのおじさま、こんにちわ!」
SPW「こんにちわスージーQ。」
エリナ「それじゃあ私はもう行くわ。」
スージーQ「スピードワゴンのおじさま、また今度ゆっくりとお話しましょ!」
SPW「あぁ、またいつでも会いに来てくれ。」
スージーQ「良い女性…見つかるといいですね! フフッ。」
SPW「ハハハッ! 私は1人の方が落ち着くからいいんだよ。…ジョジョによろしく伝えてくれ。」
スージーQ「ハーイ!」
ガチャ
SPW「スージーQやリサリサを悲しませるなよ……ジョジョ…」
76:
?ネアポリス刑務所前?
ジョセフ「つまり、『スタンド』ってのはおれみてーな一般人には見えない物で、同じ『スタンド使い』にしか見えねーってことか?」
ブチャラティ「あぁそうだ。おれのスタンドはスティッキーフィンガーズ…物にジッパーを取り付ける能力だ。」
ジョセフ「なるほどね?…それでおれの頬が開いたり、首がグラグラしてたのか…ていうか別にファスナーとかチャックって言ってもいいんじゃねーの?」
ブチャラティ「いいやジッパーだ!」
ジョセフ「そこは拘るのね?…」
ブチャラティ「ではそろそろ本題に入ろう。」
ジョセフ「おうそうだな。で、おれの最初の仕事はなんだ?」
77:
ブチャラティ「…君には今からこの刑務所内にいる『面接官』に会って『入団テスト』を行い、入団の許可をもらわなくてはならない。」
ジョセフ「おいおいちょっと待てよブチャラティ! 『入団テスト』だァ?? オメーの権限でおれを入団させるのは無理なのかよ!?」
ブチャラティ「残念だが、今のおれの身分では君をパッショーネに入団させる権限はない…」
ジョセフ「あとよ?、なんで刑務所内に『ギャングの面接官』がいるんだよ! 捕まってちゃあ面接なんて出来ないだろッ!?」
ブチャラティ「…この刑務所に捕まってる男はポルポといってパッショーネの幹部にあたる男だ…今はある罪で15年の実刑を受けて、この刑務所に収監されている…」
ブチャラティ「しかし、ポルポは刑務所を出ようと思えばいつでも出られる…やつは出る気はないみたいだがな……」
ブチャラティ「それはポルポには『自由』が確保されているからだ…だから今回も外と連絡して君の『入団テスト』を行うに至ったわけだ…」
ジョセフ「『自由』? なんで刑務所の中なのに『自由』が確保されてるんだよ?」
ブチャラティ「…それはやつに会えば分かる……」
ジョセフ「ハ?…めんどくせーな?……わかったよ! こうなっちまった以上は入団テストでも何でも受けてやるぜッ!」
ブチャラティ「すまないなジョジョ…ではおれはここまでだ。あとは君次第だ。合格を祈ってる。」
ジョセフ「おうよ!」スタスタ
ブチャラティ(……ジョジョならばあのテストも合格できるはずだ…たとえ『アレ』の結果がどちらに転んだとしてもな…)
82:
?ネアポリス刑務所内?
ガッシャ????ン
女看守「荷物・腕時計! ポケットの中の物を全て机の上のトレイの中に出してから奥に進み、ボディ・チェックを受けてください……」
ジョセフ(持っていけるのはバンダナだけかよ…)
男看守「………………」
ジョセフ(何で面会するだけなのに銃を構えられるんだ……)
女看守「奥のゲートをくぐると囚人番号N-28ポルポの監房があります。ろうかをまっすぐ歩いていってください。部屋は強化ガラスによってさえぎられておりますが、会話はできます。ガラスが割れる心配は無用ですが、触れる事は禁止されています。」
女看守「何か物を渡す事ももらう事も禁止されています。面会時間は15分です。」
女看守「あなたがゲートをくぐったらあのゲートは閉じますが、何かあった時は叫んでください。」
ジョセフ(面会なのに注意ありすぎるぜ…覚えきれるワケねーだろ! というか…)
83:
ジョセフ「牢獄で面会するのか? 面会室で看守を見張りにつけてって感じじゃなくてか?」
女看守「あんた、彼を知らないの?」
ジョセフ(…急に帰りたくなってきたぜ……)
クガアアアアア
ゲートが開く
ゴゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ(お化け屋敷かよ…! なんでこんなに顔みてーなオブジェがたくさんあるんだよ!)
ガシャアアン
ゲートが閉まる
ジョセフ「うわ!」
ジョセフ「何だ…ゲートが閉まっただけかよ! もっと丁寧に閉めろっつーのッ!」
ジョセフ「!!?」
ジョセフが見つけた先には監獄があった! だか、そこにポルポの姿はなく、無人であった。
ジョセフ「あるのはトイレに机…それにベッドか…肝心のポルポがいねーじゃねーか!」
ジョセフ「あの看守…おれにウソの部屋を教えたのか?」
?「君の立ち方は無駄がないね? 何か格闘技でもやってたのかね?」
ジョセフ「!?」
ヌォォ
ジョセフ「な、なんだァーーーーーーーー!?」
グオオオオオオオオ
ジョセフがベッドだと思っていたのは、なんとポルポだった! 大きさはジョセフの5倍はあるだろうかッ! ジョセフはポルポのあまりの大きさに軽く引いていた!
84:
ポルポ「君の立ち方は『ネコ足立ち』だね? 空手の立ち技の一つで、あらゆる方向からの攻撃に対処できる立ち方だ。君はとっさにここの異様の雰囲気を察知し、その構え方をとった…どうだね?」
ジョセフ「あ、ああ…そうだぜ。」
ポルポ「ブフ?。そんなに気構える事はない。君を襲ったりしないさ…」
ポルポ「何か飲むかね? ワインでもどうかね? 極上のキャンディ・クラシコがあるスラモルッツァチーズとキャビアをのせて食べるとよく合うぞ。」
ジョセフ「そりゃもちろん…いや…だめだ。ここのルールじゃあ何ももらっちゃいけねー事になってるんだ。」
ポルポ「ブフゥ??。言ってるだけだよ。人間とは言ってる事と……」
ポルポ「やってる事は違うんだなあ???。そこが人間の良さであり悪しき所なんだがね……」
ウィィィ?ン
ポルポがチャンネルをいじると色んな物が出てきた! そこには武器や冷蔵庫、驚くべき事に絵画まで飾ってある!
85:
ポルポ「この牢獄において不自由する事といえば……そうだな??。システィーナ礼拝堂のミケランジェロの壁画が見れない事かな???。ゴッホとゴーギャンはあるんだが……」
ジョセフ「へ、へ??…」
ジョセフ(会えば分かるってブチャラティが言ってたが、その通りだったぜ…このおデブちゃんはこの牢獄から出なくても何不自由なく過ごせそうだな……)
ポルポ「君の事はブチャラティから聞いておるよブふぅ??。われわれの組織に入りたいんだって?……えっとジョセフ・ジョースター君………」
ポルポ「どれ……それじゃあ『面接試験』を始めるとするかな………」
ジョセフ(さて…一体どんな試験だ??)
86:
ポルポ「突然だが、人が人を選ぶにあたって………一番『大切な』事は何だと思うね? ジョセフ・ジョースター君………」
ジョセフ「……『相性があうか』じゃねーか? いくら才能があるやつでも仕事に合わねーと無駄だし、いくら仕事ができるやつでも人間関係が上手くいかなかったらダメだからな。」
ポルポ「ほう???。なら君はこの仕事に向いてるって事を証明できるかね?」
ジョセフ「それは俺を合格してくれたら分かると思うぜ?」
ポルポ「ほっほ??。なかなか面白いね君!」
ポルポ「だがね………最も大切な事というのは他にあるんだ。」
ポルポ「それは『信頼』だよ、ジョセフ・ジョースター君! 人が人を選ぶにあたって最も大切なのは『信頼』なんだ。」
ポルポ「それに比べたら頭がいいとか才能があるなんて事はこのクラッカーの歯クソほどの事もないんだ…」
シーシーシー
87:
ポルポ「テストというのは君の『信頼』を見る事なんだ……この『ライター』の“炎”でなッ! 手にとりたまえ。炎を消さないようにな。」
ガッシャ?ン
ジョセフ「!!」
ユラ
ユラユラ
扉の小窓が開いており、そこには火のついたライターがおいてあった。
ジョセフ「なんだ? ただのライターじゃねーか……」
ボボボ
ジョセフ「!」
ポルポ「おっと! 炎が消えないように気をつけたまえよ! フラーという17世紀の神学者が言った……『見えないところで友人の事を良く言ってる人こそ信頼できる』」
ポルポ「24時間、君にその“炎”を消さずにライターを持っていてもらおう! それができたら……君の入団を認めよう。かんたんだろ? ライターのガスは十分にある……炎が消えないように明日の3時まで静かに自分の部屋で見張るだけでいいんだ………」
ポルポ「君が注意深く努力して見張る男なら“炎”は消えないだろう……君は『信頼』できる男だという事だ。」
88:
ポルポ「だが、君が! もし! わたしの事を軽く考えているような男なら…………きっと居眠りだとかクシャミしたり、あるいは風が吹き込んだり………何か他の不注意な事故で炎は消えてしまうだろう………君は『信頼』できない男!……という事だ!」
ポルポ「これが入団の試験だ……さぁ! ライターを手に取りたまえッ!」
ジョセフ(へへっ…ずいぶんと挑発してくれるじゃあないの……その挑発乗ってやるぜ!!)
ガシャアアン
ジョセフがゲートを出るとゲートが閉まった
ポルポ「24時間………だよ。明日の3時、ここに再び君が面会に来るのを楽しみにしているよ。」
ジョセフ(24時間か…おそらく一睡もする事はできないが、組織に入るためだったらやるしかねーな。)
女看守「面会人はゲートをくぐったら再びボディ・チェックを受けてください!」
ジョセフ「…ハァ?」
89:
女看守「館内を出てもよいという許可が出たら次の部屋へ進み、自分の所持品を受け取ってください!」
ジョセフ「ちょっと待てよ! ボディ・チェックだと!? ポルポから何も聞いてねーのか!?」
女看守「えっ!! !………」
女看守「ボディ・チェックします! 警告しますが、彼から何かを受け取る事は禁止されています!」
ジョセフ(オー! ノーッ! 何てこったッ!! ポルポの野郎がてっきりこいつらを買収してるから持ち出しは自由と勘違いしてたぜ…!)
女看守「『面会人』! 両手をあげて前へ進みなさいッ!」
ジョセフ(なるほどな…これも含めてポルポは俺を試しているのか……)
ドドドドドド
ゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ(やってやるぜ!! こんな事でへこたれる俺じゃねー事を証明してやるぜ…!)
90:
スッ
ジョセフ「調べたきゃあ調べろよ…俺が何かを持ってるならな……」
ドドドドドド
ス…ス…ス…
ジョセフの身体を調べる女看守
ジョセフ「……」
女看守「……」
女看守「OKです。何も問題はありません。ここを出る事を許可します。」
ジョセフ(へへ…チョロイぜ!)
女看守「ただし、バンダナを外してください。」
ジョセフ「!!」
ドドドドドド
女看守「もう一度言います。バンダナを外しなさい! チェックしますッ!」
ジョセフ「……チッ」
91:
ドドド
ドドド
ドドド
ジョセフ「しょうがねーな…」
ガッ
ヒラッ
女看守「…何も落ちない?」
ジョセフ「おい! おれを疑うのもいい加減にしろよ! おれはルールを守れと言われたらちゃんと守る男なのよ!!」
女看守「……疑って悪かったわね。退館を許可します!」
刑務所を出るジョセフ
ジジ
ジョセフ「おっと危ねえッ!」
ジョセフ(あの場面でバンダナにライターを隠すまでは良かったが、まさか外せと言われるとはな……シーザーのバンダナじゃなかったら波紋でライターをくっつける事が出来なかったぜ……)
ジョセフ(フ?…とりあえず何とか乗り切ったぜ……こりゃあ気を抜く暇がないな…)
93:
?ブチャラティが貸したくれたアパート?
カップル男「おいそこの兄ちゃん! 悪いけど写真撮ってくれよ!」
ジョセフ「足にウンコがついてるぜ?」
カップル女「え!? ウソー! 汚ったない!!」
カップル男「おいウソだろ!?……って何もついてないじゃ…あれ?」
カップル男「あいつどこ行った?」
老人「あ……すまんけど、ちょっとこのドアを開けてもらえませんかな……バケツの水がこぼれちまうもので……」
ジョセフ「ならそのバケツの水をこぼしたら解決するぜ?」
老人「…………」
ジョセフ(ここまで来たらあとは俺の部屋に向かうだけだぜ…)
94:
?マンション二階?
スッスッ
ジョセフ(あともう少しで俺の部屋だぜ……)
ガチャッ
男「ヤベッ! 遅刻しちまうぜ!!」
パシッ
ジョセフ「イテーーーーーーッ!」
ヒュー…
男「おっとごめんや!!」
ライターが飛ばされる。その下に待っているのは……
ドン
噴水ッ! ライターが落ちていく先には噴水があったッ!
ジョセフ「ウソだろ!? 何で最後の最後にこうなるのよ!!」
ジョセフ「水に着く前にライターをとらねーと!!」
二階から噴水目がけて飛び込むジョセフ
スーー
ジョセフ「キャッチ!!!」
カスッ
ジョセフ「あ、ヤベッ。」
ジョセフ「くそ?、こうなったら一か八か!!」
バリバリ
ジョセフ「水を使ってキャッチしてやるぜ!」
ボチャッ
水面を殴るジョセフ
バリバリッ!
ポチャ……
ジョセフ「フ?…何とか火の所まで水がつかねーで済んだぜ!」
波紋で水をクッションにして、鉄の部分を水のクッションでキャッチした。
ジョセフ「まだ俺にはツキがあるみて?だぜ、へへッ!」スタスタ
階段に向かうジョセフ
バシャアッ
ジョセフ「!」
老人「おっとあぶない! スマンのう。ごらんのとおり階段そうじをしとったんじゃ…」
老人「いやしぶきだけで水がかからなくてよかった!よかった!」
ジョセフ「ハ、ハハハッ…まさかね?……」
ゴゴゴゴゴゴ
ジョセフが見たライターには火がついていなかった。
ジョセフ「……やっぱりこうなる運命だったのね?…へへッ……」
108:
ジョセフ「最悪だぜェ…ここまでのおれの苦労が水の泡だ……」
老人「おやおや。わしのせいでライターが壊れたのかい? そりゃあ申し訳ない事した……ちょっと貸してもらってもいいかね?」
ジョセフ「はいはいご自由にどうぞ!」
ポイ
ジョセフ(ポルポに何て言おう…正直に言ってもダメだし、これと似たライターを持っていってもダメ……こんなとこで俺のギャングへの道は終わっちまうのかよ?!)
シューシュー
老人「このライター、まだガスが出とるようじゃよ。点火ボタンは押してみたか?」
ジョセフ「そんなの押したって点くはずが…」
シュボォォォォ
ジョセフ「!」
109:
老人「おお! どうやら点いたようじゃな。よかった!よかった!」
ジョセフ「じ、じいさんありがとよ……」
ジョセフ(おいおいおかしくね?か…? これで点いちまったらテストの炎を消さずにって意味が分からねーな…)
ジョセフ(ま、いいか! 早いとこおれの部屋に戻ろ!)
ジョセフ「じいさんありがとよ! この借りはぜってーに返すからな!!」
老人「ほっほ。楽しみにしとくよ。」
老人「!!」
ジョセフ「? じいさんどうかしたのか?」
老人「か、体が…急に動かんく……なったんじゃ…わ、悪いが…助けて……くれんか?」
ガクガク
ジョセフ「ったく…ぎっくり腰か? しゃあねーな、これで借りはチャラだぜ?」
ガシッ
ジョセフ「!」
ジョセフ「おい、じいさん…手が冷たすぎねーか?」
老人「………」
ジョセフ「おい! じいさん!!」
バタッ
ジョセフ「!?」
サッ
脈をはかるジョセフ
ジョセフ「みゃ、脈がねえ…何でだよ……たかがぎっくり腰だろ…? まだおれの借りが残ってるだろッ!!」
110:
ガシッ
ジョセフ「! な、なんだ!? 体が動かねーッ! ウソだろ? おれまでぎっくり腰か…?」
ジョセフ「ハッ! まさかおれはスタンドに攻撃されてんのか? それだったらおれの今の状況は…」
ジョセフ「ヤバくね?……」
ジョセフ「………」
ドドドドドド
ブチャラティ「スティッキー・フィンガーズ!!」
ジョセフ「!」
バシーン
ジョセフ「ブチャラティッ!」
ブチャラティ「ジョジョ! 今は説明してる暇がないッ! 黙っておれについてこいッ!」
ジョセフ「あ、ああ!」
ブチャラティ「閉じろジッパー!」
ヂヂヂヂヂヂ!
111:
?マンション裏?
ブチャラティ「間に合わなかったか…また関係のない一般市民に犠牲者が……」
ジョセフ「おいブチャラティ! 助けに来てくれたのはありがてーが、これは一体どういう事だ!? なんでおれは体が…ん? おいブチャラティ……」
ブチャラティ「何だ?」
ジョセフ「いや、おれの目の錯覚かもしれないんだが…」
ジョセフ「お、お前の後ろにいるのってもしかして…スタンドってやつ?」
ブチャラティ「!? ジョジョ…おまえ……まさか…?」
ジョセフ「何かよォ?…さっきお前に助けてもらった時、どっかで手を怪我して、血が止まらねーんだ……それと関係あんのかなブチャラティ……?」
ドバドバ
ドドドドドド
112:
ブチャラティ「……落ち着いて聞けよジョジョ……どうやら君はスタンド能力に目覚めてしまったようだ…」
ジョセフ「え? おれが? な、何の冗談だよブチャラティ?。」
ブチャラティ「冗談ではない…いいか? ポルポがお前に試していたのは『信頼』なんかじゃない。『スタンドが発現』するかどうかだったんだ!」
ジョセフ「? 話が見えてこねーぞブチャラティ…」
ブチャラティ「ポルポのスタンドはブラック・サバスといって、そのライターを再点火し、その再点火された炎を見た者に攻撃するスタンドなんだ…」
ブチャラティ「ただし、ただの攻撃ではない。『運命の矢』という矢で攻撃する…攻撃された者はスタンドが発現するか、死ぬかのどちらかを決められる。」
ジョセフ「じゃあもしかして…あのじいさんは……」
ブチャラティ「あの炎を見てしまい、ブラック・サバスに殺された……そして、ジョジョ…君はおれがブラック・サバスに攻撃した時に運命の矢がたまたま手に刺さり、スタンドが発現したんだろう……幸運だったな。」
ジョセフ「あの豚野郎…よくもじいさんを……」
グッ
ブチャラティ「…残念だが、ポルポは自分の意思でブラック・サバスは動かしてはいないんだ……」
ジョセフ「なんだと!? どういう事だ?」
114:
ブチャラティ「やつのスタンドはあくまで再点火された炎を見た者を攻撃するスタンドだ…つまり、『自動遠隔操縦』されているんだ。ポルポは何もしなくてもいい…ただ、生きるか死ぬかの結果を待っているだけでいいんだ……」
ジョセフ「……それじゃあ自分はのほほんと牢獄の中で暮らしてる時に、ポルポは人を無意識に殺してるって事かブチャラティ?……」
ブチャラティ「…ああ、そうだ……」
ジョセフ「……チクショーーーーッ!!」
ガッ
ブチャラティを掴むジョセフ
ジョセフ「あのじいさんはおれの事を心配してくれたんだ…その前におれが冷たくあしらったにも関わらずだぜ?……そんな優しいじいさんを…何の恨みもなく……殺してるだとッ!?」
ブチャラティ「……ジョジョ、ポルポはギャングだ。一般市民が死のうが関係ないんだ…」
ジョセフ「分かってるさブチャラティ…」
ブチャラティ「……」
ジョセフ「こんな腐った組織、おれが潰してやるッ!! それを改めて確認できてよかったぜ……そのためにはブチャラティ、お前も協力してくれよ…?」
ブチャラティ「ああ、分かってる…」
115:
ブチャラティ「ところでだ、ジョジョ…君のスタンドはどこにいるんだ?」
ジョセフ「いや、それがよ?、イマイチスタンドの出し方が分からねーんだよ。…もしかしたらもう出てたりして?…」
ブチャラティ「確かに君の意志であればスタンドはとっくに出せるはずだが、周りにあるのはバラだけだぞ?」
ジョセフ「バラ? 花壇や土がないのにどうしてバラが咲いてるんだ?」
ゴゴゴゴゴゴ
ブチャラティ「……! ジョジョ、頭の中でこのバラを動かそうとしてみてくれないか?」
ジョセフ「え? なんでそんな事を…」
ブチャラティ「いいからやってみてくれ!」
ジョセフ「ケッ、分かったよ…」
ジョセフ(動けバラッ! なんてね?…)
ズズズ
ジョセフ・ブチャラティ「!」
バラからツルがでて、ウニョウニョしている
116:
ブチャラティ「やはりか…ジョジョ、あのバラは君のスタンドだ。」
ジョセフ「ちょっと待てよ! もしあのバラがおれのスタンドだとしたらショボすぎない?」
ジョセフ「ブチャラティのスタンドは人型なのに、おれのはこんなちっこいただのバラかよ……」
ブチャラティ「…もしかしたらそれはスタンドの一部分かもしれない。ジョジョ、もうちょっと動かして……」
ザッザッ
ジョセフ「……何か音がしねーかブチャラティ?」
ブチャラティ「…あれは……」
ドドドドドド
ブラック・サバス「…再点火を見たな!」
ブチャラティ「ブラック・サバスッ!!」
ジョセフ「おいおい! おれはもうスタンドが発現してんだからいいんじゃあねーのかよッ!」
ブチャラティ「まだだ…ブラック・サバスは君に矢を貫くまで追いかけてくるぞ!」
ブチャラティ「スタンドが発現している相手に矢を貫ぬく…それは死を意味するという事だ…!」
ザッザッ
117:
ジョセフ「なら逃げるしかねーぜ!」
ブチャラティ「ジョジョ! むやみに動くのは危険だ!」
ブチャラティ「!」
スッ
ブラック・サバスがいた方向を見るブチャラティ
ブチャラティ「ブラック・サバスが…消えた…?」
ジョセフ「ぬわッ!?」
ガシッ
ブラック・サバス「逃がさないぞ!」
ジョセフ「こいつがブラック・サバスかッ!! どこから現れたんだこいつッ!」
ブチャラティ「ブラック・サバスは口から矢が出るッ! 気をつけろッ!!」
ジョセフ「そんな事言われても避ける方法がねーんだよ!!」
ブラック・サバスの口から矢が見える
118:
ブチャラティ「ジョジョ! スタンドを動かせ!」
ジョセフ「スタンドを……?」
ブチャラティ「はやくッ!!」
ジョセフ(見た目は全然役に立ちそうにねーが…頼むから動いてくれよ…!」
シュッ
ブラック・サバスの口から矢が出る
ブラック・サバス「おまえには向かうべき2つの道がある!!」
スッ
ブチャラティ「!」
ブン
ドスン
ブラック・サバス「グアアアアア!」
ザーーーー
ジョセフ「……どうなったんだ?」
ブチャラティ「ジョジョ、横を見てみろ…それが君のスタンドだ……」
ジョセフ「え?……」
ゴゴゴゴゴゴ
119:
ジョセフが見た先には全身をバラのトゲトゲなツルで覆われ、所々にバラが咲いている人型のスタンドがいたッ!
ジョセフ「これが…おれのスタンド? ……へへっ! なかなかかっこいいじゃねーか!! それじゃあさっきのバラは一体…」
ブチャラティ「……ジョジョ!」
ジョセフ「ん?」
ブチャラティ「ブラック・サバスがまた消えた…気をつけろ。」
ブチャラティ「やつは何かの手段を使って移動している……すぐ近くに隠れているはずだ……」
ジョセフ「…周りには隠れられるような物は置いてねーぜ?」
ブチャラティ「! ジョジョ、後ろだ!!」
ジョセフ「!」
ブラック・サバス「おまえには向かうべき2つの道がある…」
ジョセフ「しつこいやつは嫌いなんだよ!」
ブン
スッ
ジョセフ「また消えた!?」
ブチャラティ「今度は下だッ!!」
ジョセフ「ナニィ!?」
ブラック・サバス「言っているだろ…逃がさないとッ!!」
120:
ジョセフ「……ハハ?ン…ようやくトリックが分かったぜ。」スッ
ジョセフ「ここは逃げるに限るぜッ!」ザッザッ
ブチャラティ「ジョジョ! どれだけ逃げてもやつはどこへでも君を追いかけるぞッ!」
ジョセフ「ああ、ブチャラティの言うとおり こいつはおれがどれだけ逃げようと、追ってこれるだろうよ……だけど、こいつには追ってこれない場所がある!」
ザッ
いきなり逃げるのを止めるジョセフ
ジョセフ「それは『影がない場所』だッ!」
ザッ……
ブラック・サバス「……」
ブチャラティ「ブラック・サバスの動きが止まったッ!?」
ジョセフ「こいつは影の中を移動してたんだッ! だから太陽の光が当たってる場所には出てこれないってわけよ!!」
ジョセフ「ほ?らブラック・サバスちゃ?ん! ここまでおいでーだ!」
ブラック・サバス「……………」
121:
ジョセフ「さて、とりあえず影のない場所にでも逃げるか…」ザッザッ
ブチャラティ(さすがジョジョというべきか…ブラック・サバスの秘密をたった数分で見破るとは……ジョジョにはこれからも協力してもらわないと…ん…?)
カーカー
ブチャラティ「カラスか……もうそんな時間か。ジョジョ! もうすぐ日が暮れる。早いとこブラック・サバスと決着を…」
ブチャラティ「? ブラック・サバスのやつ、どこへ消えた…?」
ブチャラティ「! まさか…ジョジョ! はやく走れッ!!」
ジョセフ「へ? なんで?」
カーカー
ブチャラティ「やつはカラスの影を利用して、お前に近づいているぞッ!!」
スー…
ガシッ
ジョセフ「!」
ブンッ
ジョセフ「グヘッ」
影のない場所に飛ばされるジョセフ
ブチャラティ「ジョジョ!」
グググググッ
ジョセフ「うっ……!」
122:
ブラック・サバス「おまえには向かうべき2つの道がある!!!!!」
ジョセフ「クソッ!…」
ジョセフ「あと少しで太陽の光が全身に当たるのに…今日はついてねーなぁ……」
ドヒャアーッ
ジョセフ「ただ…おれの手に太陽の光が当たってるのは幸運だったがな…」
シュビシュビ
ブラック・サバス「!」
ブラック・サバスにトゲトゲのツルが巻きつく
ブチャラティ「ジョジョのスタンドはブラック・サバスに捕まっている。なのになぜツルを出せるんだ…?」
123:
ジョセフ「へへっ! これだよ!」
ブチャラティ「それは!」
バァーン
手には先ほど地面に落ちていたバラがあった。そのバラからはトゲトゲなツルが出ており、ブラック・サバスに絡みついていた。
ジョセフが持っているバラはスタンドの一部分で、ジョセフの遠隔操作でバラを動かす事ができるようだ。
ジョセフ「これでおれがバラに波紋を流したら……たっぷりと太陽の光を浴びれるナァ??……ブラック・サバスッ!」
ジョセフ「せめてお前が人間だったら…あの世でじいさんに詫びる事も出来たのによ…! それだけが悔やまれるぜッ!!」
バリバリ
ジョセフ「波紋疾走ッ!!!」
バチバチ
ブラック・サバス「ギャアアアーーッ」
ブショアアア
124:
ジョセフ「……」
ガッガッ
スッ
倒れている老人に近づき、老人の目を閉じるジョセフ
ジョセフ「すまねーなじいさん…あの世で借りは返すからそれまで待っててくれ……」
ブチャラティ「ジョジョ…後の事は俺に任せて、君は今日寝た方がいい。」
ジョセフ「ああ、お言葉に甘えさせてもらうぜ。」
ジョセフ「…なぁブチャラティ?」
ブチャラティ「なんだ?」
ジョセフ「一つ頼みがあるんだかいいか……?」
127:
?翌日、ネアポリス刑務所?
ジョセフ「おいポルポ。ライターを持ってきたぞ。」
ポルポ「ブフゥ?。どうやら無事に炎を守ったようだね。おや、今日はブチャラティも一緒なのかね?」
ブチャラティ「このジョセフ・ジョースターってのはおれが一番期待してるやつです。そいつが合格する瞬間をこの目で見届けたかったもので…」
ポルポ「……まーいいか…とりあえずジョセフ・ジョースター。君はこれから『パッショーネ』の一員として、私に従ってもらうからそのつもりでね。」
ジョセフ「おう。任せてくれ。」
ポルポ「合格祝いにピザでも食うかね? ここのピザ屋は高級な物をふんだんに使っているからとても美味しいんだ。ブふぅ???。」
ジョセフ「なら食わしてもらおっかなァ?。ちょっとこっちに近づいてきてもらってもいいか?」
ポルポ「かまわんよ。」
ジョセフに近づくポルポ
ジョセフ「あっ! あんな所にゴキブリがいやがるッ!!」
ポルポ「ど、どこだね!? 早くそのゴキブリを殺したまえッ!!」
ヂヂヂ…
ジョセフ「…あ、すまねぇポルポ。どうやらおれの見間違いだったみてーだ。」
ポルポ「…ぼくをからかうのはこれで最後にしたまえよ? ジョセフ・ジョースター……」
ジョセフ「じゃ、これにて失礼するぜ。」
ポルポ「なに? ピザはいいのかね?」
ジョセフ「看守に何ももらっちゃいけねぇって言われてるからもらう事はできねーよ。そんじゃ!」スタスタ
ポルポ「…あの男には厳しい教育が必要だねぇ…ブチャラティ?」
ブチャラティ「……分かっています。では私もこれにて…」タッタッタッ
ポルポ「…フンッ!」
ポルポ(あの小僧、まじめに24時間この炎を守ったのか? それとも再点火してスタンド使いになったのか……ブフ???。フフフ…クク! そんな事はどっちでもいい……とにかく生きて炎を持ってきた。あーゆー若くて何も知らんヤツは利用できる……どっちだろうとわれわれの都合のいいようにな……)
128:
パカッ
ポルポ「? 冷蔵庫が勝手に開いた? 中に物を詰めすぎたか。」
ドスッ
パタン
ポロッ
ポルポ「おっと!」
冷蔵庫の上に置いてあった手榴弾がいきなり落ちたのをキャッチするポルポ
ポルポ「…こんな所に手榴弾を置いた記憶がないな…ま、そんな事どうでもいいか。」
ポルポ「安全ピンが抜けてさえいなければ爆発する事はない。」
ゴロゴロッ
ポルポ「?」
スッ
ゴゴゴゴゴゴ
ポルポが見た先にはベッドの上で手榴弾が3つほどバラによって動かされているのが見えた。
ポルポ「こ、これは! まさかジョセフのスタンド!!」
ポルポ「しかもあの手榴弾の安全ピンは抜かれているッ!! マズイ!! や、やめろーーーーーーーー!!!」
コロッ
ボカーーーーーーン
129:
?車内?
ボカーン…
ジョセフ「あの世でじいさんに詫びな、ポルポ…だが、お前はじいさんとは行き先が違うから手紙でも書いて送るんだな…」
ブチャラティ「ジョジョ…これでお前は後戻りは出来なくなったぞ。お前は今日からパッショーネの一員だ…分かっているか?」
ジョセフ「へいへい。精一杯頑張らせていただきますよ、ブチャラティ。」
ブチャラティ「フフフ。そうか。」
ブーン
ブチャラティ「今から君にはおれの部下達を紹介する。少し礼儀知らずなヤツらだが、大目にみてやってくれ。」
ジョセフ「へへっ。任せてくれブチャラティ! どんなやつでも怒るつもりはねーぜ!!」
?to be continued?
148:
ブチャラティ「ジョジョ、今おれが言った事を理解出来たか?」
ジョセフ「えーと…とりあえずおれたちは力をつけて、ボスの信頼を得る事が重要ってわけだよな?」
ブチャラティ「そういう事だ。」
ガチャガチャ
ジョセフ「あ? 何だか騒々しいけど、なんかあったのか?」
ブチャラティ「…いや、いつもの事だ。」
149:
?部屋?
フーゴ「この…クサレ脳ミソがァーーーッ」
ドグシャアッ
ミスタ「あ?あ、切れた切れたまた。なあ、そのケーキ残すの? 食うの?」
アバッキオ「………………」
ピシィッ!
フーゴ「ウッ」
ナランチャ「何だと……クサレ脳ミソって言ったな…??????人を見下す言い方は良くない!」
ナランチャ「殺してやる! 殺してやるぜ???フーゴ。」
ブチャラティ「てめーらッ! 何やってんだーーーッ!」
ブチャラティ「昨日話した新しい仲間を連れて来た! ジョセフ・ジョースターだ!」
全員「…………」
ジョセフ(へへへっ…こりゃあなかなかクセの強いヤツらでやんの。)
150:
ブチャラティ「全員スタンド使いだ………チームの仲間ではあるが…その能力の真の力はかなり信頼されなきゃみせないけれどもね」ボソッ
ジョセフ(ここはちょっと場を和ましてやるか…)
ジョセフ「おれの名前はジョセフ・ジョースターって言うんだ! ハッピーうれピーよろピくねーーー!」
ゴゴゴゴゴゴ
ナランチャ「ごめんなフーゴ。」
フーゴ「ぼくの方こそゆるしてくださいナランチャ。」
ナランチャ「オレいっしょうけんめい勉強するよ。だからまた教えてくれ。」
ミスタ「…………」
アバッキオ「♪」
ジョセフ(…見事にスルーしてくれじゃあないの。)
152:
ブチャラティ「おい おまえらッ! このブチャラティが連れて来たんだ。あいそよくしろよッ! 証明のバッヂも持っているッ!」
ジョロジョロ
ジョロジョロン
ジョロンジョロン
ナランチャ・フーゴ・ミスタ「!」
アバッキオ「いいですとも。ジョセフ君だっけ? 立ってるのも何だからここ座んなよ。お茶でも飲んで…」
ジョボジョボ
アバッキオ「話でもしようや………」
ジョセフ「…話が分かるヤツがいて助かるぜ。」
アバッキオ「さあ飲みなよ。あんた年いくつ。」
ジョセフ「18だ。」
ミスタ「へ?、俺と同い年かよ。そうは見えねぇな?…」
ジョセフ「大人に見えるって意味だよな。じゃあ いただくぜ。」
コップを口に近づけるジョセフ
ジョセフ「うっ!」
ジョセフ(豚小屋で匂った事のあるようなこの強烈な匂いはッ…)
153:
ブチャラティ「オレにも1ぱいついでくれ。」
アバッキオ「ブチャラティ、悪いが別に注文してくれ。」
ブチャラティ「?……?」
アバッキオ「どうした? おまえはオレがわざわざ注いでやったそれをいただきますって言ったんだぜ。いただきますって言ったからには飲んでもらおうか。それともヌルイから飲むのはいやか?」
フーゴ「ブ!」
ナランチャ「クスクス、へへへ」
ミスタ「仲間になりたくねーから飲みたくねーんじゃねーの?」
ブチャラティ「? 何やってんだオマエらッ」
ジョセフ(ブチャラティの言うとおり こいつらは『少し礼儀知らず』のようだな……)
154:
ジョセフ(ほんの少しだけ礼儀を教えてやるか…)
ジョセフ「とんでもないぜアバッキオ先輩! 当然飲ましていただきますよ?。」
ジョセフ「でもその前に、オレの手品を披露させてもらってもいいかな?」
アバッキオ「手品だ?」
ジョセフ「実はオレ、このコップの中のお茶を宙に浮かせる事ができるんだ。」
ナランチャ「なんだよそれ! すげー手品じゃんかッ!」
フーゴ「…おいナランチャ。」
ナランチャ「あ……ぜ、全然スゴくねー手品だな!!」
ミスタ「なら早いトコそのすげー手品をオレたちに見せてくれよ。」
ジョセフ「言われなくてもやらしていただきますよ。」
ジョセフはコップの中に指を入れてコップを逆さまにした!
155:
ナランチャ「すげぇーーー!!!」
ジョセフ「まだこれからだぜ。」
するとジョセフはコップを指から外した。なんと指先にはコップの中の液体が、コップに入っていた形を保ちながらプルプルしていた!
プルプル
アバッキオ「!」
フーゴ「そんなバカな! 普通ならば重力で水は下に落ちるはずです!! 一体どうやっているんですか!?」
ミスタ「おいおいそんな事をしてもオレは驚かねぇぜ…で、どんなトリックを使ったんだ?」
ナランチャ「ジョセフ! オレにもその手品を教えてくれよ?!」
ジョセフ「へへっ。それならオレの指をよ?く見てくれ。」
ジョセフの指に近づく4人
ジョセフ「ブチャラティは離れていてくれ。」
ブチャラティ「?」
ドバァッ
ジョセフは指にひっついていた液体を4人めがけて弾き飛ばした
157:
アバッキオ「うわッ! テメー何やってんだ!!」
ミスタ「テメー、オレたちにケンカ売ってんだろッ!」
ジョセフ「うるせーよッ! おれは触りたくもねーこの液体に指をつっこんでるんだよ!! お互い様だろ!?」
フーゴ「それよりもさきほどの手品はどうやったんですか? もしかしてそれが君の能力なのですか?」
ジョセフ「さあね…オレはテメーらを信頼する気なんかねえから見せらんねーよ。」
アバッキオ「言ってくれるじゃあねえかテメー…」
ナランチャ「フーゴ??、アレが口の中に入っちまったみてえなんだ。すげー嫌な匂いがする…何とかしてくれよ???。」
フーゴ「そんなの口を水で洗えば済む話でしょう! ボクに聞かないでも分かる事だ!!」
ブチャラティ(ジョセフ・ジョースター…ジョジョの扱いには気をつけなくてはいけないな…)
164:
?カプリ島?
ジョセフ「あ?あ、暇だぜ…」
ジョセフ「あいつらとは別行動をとって先にこの島にやってきたが…何もねえ所だな。暇すぎてスタンドで遊ぶしか選択肢がねぇんだよなァ?……」
ウネウネ
ジョセフ「だけど、このスタンドについて色々分かったことがある。それだけでも収穫か。」
ジョセフ「それにしてもあいつら…いくらなんでも遅すぎだぜ。何十分待たせる気だぁ?」
166:
ガチャッ
男「ヨット『ラグーン号』をお持ちの方はおりますかァーーッ。『ラグーン号』をお持ちの方ーーッ。」
ジョセフ「『ラグーン号』? 確かブチャラティたちが乗っているはずのヨットだったよな…」
男「ラグーン号の『ズッケェロ様』から………! 『無線』が入っておりますーッ。『ボート監視小屋』までお越しくださーい。」
ジョセフ「?……ブチャラティのチームにズッケェロなんて名前のヤツいたか?」
ジョセフ「!…ハハ?ン。ブチャラティのヤツ、念のために偽名を使ってるんだな…用心深い野郎だぜ。」
ジョセフ「ハイハ?イ! それはきっとオレの事だぜ!」
ダッダッ
167:
ドアノブに手をかけるジョセフ
ジョセフ「さてと…」
ジョセフ「おい! 今からオレはこのドアを開けるけど、逃げるんなら今のうちだぜェ???!!」
?「!」
ジョセフ「オレがこのドアを開けた時、目の前にいるヤツは、おそらく敵だろうからな?…」
ドドドドドド
ガチャッ!
ジョセフ「くらえ! ハーミット・パープル!」
ボゴォッ
窓ガラスが割れる
ジョセフ「な…なんだァーーーッ!?」
169:
バシャアア?ン
ピストルズ1「キャモオオオーーーーン!」
ミスタ「行け………『セックス・ピストルズ』ッ!」
グバァアッ
ピストルズ2「パスパスパース!」
ピストルズ1「イイイーーーッハァアアアーーーッ」ゴッ
バギィッ
バズゥッ
?の右脚にヒット。
?「うぐああっ!」
グワシャアン
ピストルズ1・2「!!」
スタタタタタ
ピストルズ1「イエエエーーーイ!」
パシン
ピストルズ2「ヤリィイイイーッ」
ピストルズ1・2「ウシッウシッウシッウシッ!」
ギュッギュッギュッ
170:
ピストルズ1「ン? オイミスタッ。マダ敵ガ一人残ッテルゼッ!!」
ミスタ「OK…任しときな。」
ガチャリ
ジョセフ「え? オレ?」
ミスタ「覚悟するんだな。」
ジョセフ「ちょっとタンマッ! おいミスタ!! テメーは仲間の声を覚えらんねえのかッ!?」
ミスタ「さあな…おまえみたいな声の仲間はいないな……」
ミスタ「…あ? おまえなんで声だけで俺のことがミスタって分かったんだ?」
ジョセフ「だから言ってんだろッ。おれは新しくオメーらのチームの仲間になったジョセフ・ジョースターだよッ!」
ミスタ「! テメーなんでこんな所にいやがるんだッ!?」
ジョセフ「こっちが聞きたいねッ! それよりなんだよ今の変な妖精みたいなヤツは!? あれがおまえのスタンドか?」
ミスタ「オメーなんかに話すかよ!」
ジョセフ「なんだとォ??」
ミスタ「ムカついたか? なんなら今ここでおれと勝負したっていいんだぜ? ま、確実にオメーは勝てねーがな。」
ジョセフ「その言葉、そっくりそのままテメーに返すぜ。」
171:
バタバタ
ガチャリ
ミスタ「! しまった! 敵に逃げられた!! 逃げられたらオメーのせいだからなジョセフッ!」
ジョセフ「そんな事言ってる場合かよッ! 早いとこあいつを捕まえねーと!」
ブオン
グアアアア
ジョセフ「あの野郎ッ! トラックで逃げる気だ!」
ミスタ「それはマズイぜッ。おれたちは敵の顔を見ちゃいねぇ。ここで見失ったら大変な事になるぞッ!」
ジョセフ「大変な事ってどう言う事だよ?」
ミスタ「後で話すッ。クソッ! このままじゃあヤツに逃げられちまうッ。」
ジョセフ「しゃあねぇな?…おいミスタ! オレに掴まれッ!」
ミスタ「ハァ? こんな時に何冗談言ってんだ?」
ジョセフ「いいから掴まれって言ってんだよこのタコッ!」
ミスタ「誰がタコだよ!…あぁ分かったよ!! テメーの言う通りにしてやるよ!」
172:
ガシッ
ジョセフ「ハーミット・パープルッ!!」
シュビシュビ
ガッ
ジョセフの出したハーミット・パープルのイバラがトラックの後ろの扉に絡みついた!
シュビシュビ
ガシッ
ガツンッ
ミスタとジョセフが扉に激突する。
ミスタ「グベッ!」
ミスタ「おいジョセフ…もっと丁寧に扱えねえのかそのスタンドをよォ?……」
ジョセフ「イテテ…まだ力加減がイマイチ分からねえんだよ。」
ダッダッ
ミスタ「敵はおそらく運転席だ…おまえはここで待っときな。」
ジョセフ「へいへい。」
ゴゴゴゴゴゴ
ガチャッ
運転席の男と目が合うミスタ
ミスタ「くらえッ!」
173:
オオオオオオ(車の風を切る音)
グルッ
ガァーン
ボゴォ
ミスタは振り返り、トラックの上にいた謎の男を撃った。
ミスタ「運転してんのは持ち主か? このトラックの……おどしてエンジンかけさせたな。ケガしてねーんだ……この運転手の右脚はなぁ………殺すつもりはなかったけどよォ……」
?「いっ! 痛てぇぇ??ちくしょうッ! またやってくれたなうがぁぁっくそ!」
ミスタ「…………!!」
?「2発もやりやがったなこのくそ野郎ッ!」ヨロヨロ
ミスタ「動くんじゃあねえッ! 今度はちゃんと狙うぞコラァッ!」
ミスタ(何てマヌケなセリフ吐いてんだこのオレは---そうじゃあねーだろ-------『何でくたばらねーんだ。ど頭にくらったのによ!』って言うんだろ…だが、そのセリフをこいつに対し言ってやるには何かオビえてるみてえで…好きじゃあねえ……)
ミスタ(いったいこいつは!?……!?『弾丸』が偶然うまいぐあいに脳ミソの急所をはずれたのかな……)
?「可愛い事をやってくれるじゃあねーかよ…ええ? ミスタ。たしかミスタって名前だよな、てめーはよォ??。オレの名前はサーレーだ。ズッケェロのやつはやられちまったらしいが、オレに気づかれる前にオレを見つけて始末しようって計画だったのか?」
サーレー「このカプリ島にはおめーの他にジョセフってやつがいるみてえだが…オレの顔を見たのは…まだおまえひとりだよな……ええ? ミスタ?」
ミスタ(あぁ? ジョセフの野郎どこ行きやがった? まさかあいつ逃げやがったな……)
174:
ズッ
ガァーン
ヂュキィイーン
ミスタが撃った弾丸はサーレーのスタンドに弾かれる
ガァーン
ガァーン
ヂュイン
ヂュイン
サーレー「『無線の罠』はられたりよ……不意打ちでたまげた時にぶっ放されたから思わず『2発』くらっちまったが、気ィ張って面と向かえば…オレのスタンド『クラフト・ワーク』で拳銃の弾丸なんざたたき落とすのはそんな難しい事じゃあない。」
サーレー「ところでそのリボルバー…夢中だったんでよく数えてなかったんだが、合わせて何発撃ったっけ? ええ? おい?」
サーレー「今、このトラックで4発だろ? さっきマリーナ・グランデのボート小屋がちと自信がねーんだが、たしか2発撃ったな? だよな? 『数』合ってるよな? ミスタ?」
サーレー「これで安心しておまえをブチのめせる距離まで近づけるってもんだ…え?」ズルッズルッ
ミスタ(やばい…一たんこいつから離れねーとまずい…弾丸をこめなおさねーと…)バッ
グン
ピタァ
ミスタ「なっ!? 何だッ!?」
ミスタの手はトラックのバールから離れず、ミスタの身体は宙に浮いていた。
175:
ミスタ「バ…バカなッ! トラックからおりられねえッ! 左手がバールから離れねえッ!」グッグッグッ
ミスタ「おい運転手! 早くトラックを…!?」
トラックの運転手は口から泡を出し、気絶していた。
ミスタ「何で気絶してんだよッ! それと何でこのトラックは止まらねーんだ!」
サーレー「考えてみろよ……何でオレが弾丸切れの事をワザワザ親切に教えたと思う? 慈善事業だと思うか?」
ミスタ「くっ」グッグッグッ
サーレー「ミスタ…もうおまえはこのトラックから逃げられないから安心して教えたんだ…下の運転手もアクセルから足を放せねえ…ハンドルからもな……おまえもそのトラックにくっついた左手で もう弾丸はこめられねえから教えたんだよ。」
ミスタ「……………!!」
グオオオオオ
ミスタは冷静になってサーレーの周りを見てみた。そこには先ほど弾かれたはずの弾丸が空中で固定されたかのようにピタリと止まっていた。
176:
ミスタ(固定………やつの能力が触れたから弾丸が空中に固定されたのか! トラックをさわってオレや運転手をトラックに固定したのか!)
ミスタ(やつの能力は触ったものをその場所に固定する能力なんだ………! ブチ込んでやった弾丸も傷口の皮膚のところで止まって、体内奥まで食い込んでねーからくたばらねーんだ!)
サーレー「実を言うとなミスタ…おまえがオレを襲って来てくれた事はうれしい事だぜ。おまえにつけられたキズの事なんか忘れてやってもいいほどにな…だってよ、ポルポの隠し金が本当にあるのかどうか半信半疑じゃねーか。ただのチンピラ同士でのウワサだもんな……だが、おまえが襲って来たって事はマジにあるって事だ。」
サーレー「ええ! 希望とやる気がムンムンとわいてくるじゃあねーかッ! おいッ!」
サーレー「情熱を持ってブチャラティの野郎から6億円を奪ってやれるぜーーーーーッ。」
ドドドドドド
177:
シュルシュル
ミスタ「!」
ミスタ(あのイバラは何だ?)
シュビシュビッ
サーレー「な…何だこのツルはッ!?」
イバラはサーレーの体に巻きつき、身動きを取れないようにしてる
ジョセフ「今がチャンスだぜ! ミスタ!」
ミスタ「ジョセフ!? テメーどこ行ってやがったッ!」
ジョセフ「いいから早く撃てッ!」
ミスタ「言われなくても手は動いてんだよッ。」
バラバラ
ガシィン
ガァーン
ボゴォォ
ミスタの弾丸はサーレーの喉を直撃した。
サーレー「グボレッ!」
ゴロゴロゴロゴロ
ミスタ「フ?…これであいつの能力から解放されるはずだ…」
178:
ミスタ「ところでジョセフ…オメー今まで何してやがった……?」
ジョセフ「え?…ちょ…ちょっと運転手の人と会話を楽しんでたんだよ。」
ミスタ「…じゃあもしかして運転手を気絶させたのはオメーって事か?」
ジョセフ「…いや?、さすがミスタ先輩! 感が鋭いねェ?!」
ミスタ「…と言う事はおまえってやつは運転手を気絶させた上に今までオレが敵と戦ってたのを知らんぷりしてたってわけか?」
ジョセフ「運転手を気絶させちゃったからこれからどうしようか悩んでたんだよ。ミスタから見て反対側のバールにオレは捕まってたからミスタには見えなかっただろうけどよ。」
ミスタ「普通にオレと敵との会話が聞こえんだろッ! ましてや銃声の音を聞いても何でオレの事を心配しねーだよッ。ただ単純にオメーがビビってただけじゃあねーかッ!」
ジョセフ「ギクッ」
ジョセフ「だけど一応オレはミスタを助けたじゃねーか! まずそこを感謝しろよ!」
ミスタ「ん? やっと左手の固定が解除されたか…ったく…新入りの教育はめんどくせーなァ?……」
ジョセフ「…解除? それってヤバくね?」
ミスタ「何でだよ? オレの身体が自由になって何か文句あんのか?」
ジョセフ「ミスタじゃなくてさ…」
ジョセフ「運転手まで自由になったら、今運転してんのって誰?」
ミスタ「…それを最初に言えよバカッ!!」ガチャッ
179:
?車内?
ジョセフ「さっきは死ぬかと思ったぜ……おれが気づいてなかったら大惨事だった…」
ミスタ「運転はお前が責任を持ってやれよ。お前が運転手を気絶させたんだからよ…」
ジョセフ「そんな怒らなくてもいいじゃあねえか! おれはこの運転手が敵だと思ってたから思わず波紋を流しちまったんだよ。」
ミスタ「波紋が何だか知らねえがお前は何も考えずに行動するのはやめろッ。おれに迷惑がかかるだろうが。」
ミスタ「あとな、おれはさっきおまえに助けてなんて言ってねぇから感謝なんてしねえからな。」
ジョセフ「勝手にしな。」
ミスタ「…そういえばなんでテメーはあの小屋の中に敵がいるってわかったんだ? ドアの前じゃ何も分からねえだろ。」
ジョセフ「おれの秘密をそうも簡単に教えるわけにはいかないね。」
ミスタ「おれの事を信頼してねぇってわけか…新入りのくせに偉そうな口をきくじゃあねーか…ま、おそらく敵がいるのが分かったのはお前のスタンド能力ってとこだろ?」
ジョセフ「…簡単に言えばそういう事だな。」
ジョセフ(たまたまテレビにスタンドで八つ当たりしていたら小屋の中の映像が映ったなんて言えねーよ…)
180:
ジョセフ「おれからも質問さしてもらってもいいか?」
ミスタ「なんだ?」
ジョセフ「ブチャラティはこの島に何の用があるんだ? それに何もねえはずのこの島になんで敵がいるんだよ。」
ミスタ「それはお前が信頼できるやつか分かったら教えてやる。」
ジョセフ「ちょっと待てよ! 俺だってさっきのはスタンド能力って教えてやっただろッ!」
ミスタ「冗談だ冗談。一回しか言わねえからよく聞けよ。」
ブゥン
ミスタ「まず最初におれたちが乗っていた船には敵がいたんだよ。その敵はブチャラティが倒したが、その敵がこの島にいる仲間に『ある情報』を伝えてやがったんだ。」
ジョセフ「『ある情報』? 何なんだそのある情報って?」
ミスタ「ポルポが事故で死んだってーのは知ってるか?」
ジョセフ「…ああ、知ってるぜ。」
ミスタ「そうか。なら話が早い…実はこの島にはそのポルポの遺産、金額にして6億もの金が隠されてんだとよ。」
ジョセフ「ろ、ろ、六億だとォーーーーーーーーッ!!??」
ミスタ「テメー、耳元で大声を出すな!」
ジョセフ「この何もねぇ島にそんな大金が隠されてんのかよ…探しとけば良かったぜ……」
ミスタ「その金をブチャラティはボスに献上して、幹部に昇進しようとしている。もちろんおれたちもそれを望んでいる。」
ミスタ「だが、今その情報が広まってみろ。ブチャラティの計画は全てオジャンだ。とりあえず今はブチャラティたちが待っている港に戻るぞ。分かってんのか?」
181:
ジョセフ「……」
ミスタ「テメーな?…」
ジョセフ「おいミスタ…前をみろ……」
ミスタ「そんなんで話が済むとでも思ってんのか?」
ジョセフ「あの敵が生きていたとしてもか…?」
ミスタ「なに…?」
ゴゴゴゴゴゴ
ミスタが見た先には、先ほどトドメをさしたはずの敵が空中に浮いていた。
ジョセフ「ミスタ…お前ちゃんと急所を狙って撃ったのか…?」
ミスタ「あ…あぁ、寸分の狂いもなくあいつを仕留めたはずだ…外れてるわけがねぇ。」
ミスタ(あいつ…また弾を固定してやがったのか……こいつは厄介な敵だぜ…)
ミスタ「ま、あいつを倒す事に変わりはねえ。お前はこのまま運転を続けろ。」
ジョセフ「おい! まだ俺が運転すんのかよッ! そろそろ変わ…」
バタン
ミスタ「敵一人ぐらい…おれで十分だ……」
183:
?トラックの上?
ミスタ「クソッ! 何でこんな時に限って残りの弾丸が『4発』なんだよ! ええ!? おい!」
ピストルズ1「ミスタ! アンタが弾丸こぼしたカラダヨーッ。」
ピストルズ3「落トシタカラダーッ。」
ピストルズ6「4発ッテ数ハ縁起ガ悪イゼーッ。」
ピストルズ7「ソンな数テッポーにこめるなヨーッ。イイ事ナイゼーーーッ」
ジョセフ「ソウダソウダッ。」
ミスタ「お前は黙ってろッ!」
サーレー「おまえは決してッ! 逃がさねーッ! ミスタ!」グッグッ
ミスタ(あの野郎…さっき弾いた弾丸を自分のまわりに固定したように小石も空中に……階段梯子のように…ああやって登って来たのかよ。近づいてくる…くそッ!)
ミスタ「仕方ねえッ! ここで決着つけよおってんだな。口の中狙ってブチ込んでやるぜッ!」
ミスタ「ジョセフ! ぜったいにトラックとめんじゃあねーぞッ。止めたら……分かってんだろ!」
ジョセフ「言われる前から分かってるぜ…」
188:
サーレー「……」トントントントントントン
サーレー「…………」トントントントントントン
サーレー「ちょこっとずつ指でたたくんだぜ。ちょこっとずつでも何回もたたけば固定されてるとこに力はどんどんたまっていくからな。」
サーレー「おもいっきり殴っちゃだめだ……狙いが正確じゃあなくなるし相手に飛んでく方向がバレちまうからな…そして…………!」
サーレー「解除するッ!!」
ドギャァン
ミスタ「なにッ!?」
グン
ガァーン
ガァーン
ミスタ「うぐぁ!」バァーン
サーレー「戻って来たぜミスタ………おめーのスタンドは2発コントロール失ってどっかへ行ったなッ!」コンコンコンコン
サーレー「ちょっとずつなんだ。ほんの少しの力でな……何回もたたくんだ……」コンコンコンコン
サーレー「SOSのモールス信号打つみてーにな…狙いが正確じゃあないんで動き回るやつには使えないが、今のおめーにはバッチシ使ってやれるぜ!」
ミスタ(や…やはり最悪だった……縁起悪ィーぜ……4て数はいつも最悪なんだ……ガキの頃からそうなんだ…見えない因果関係つーのはあるんだよな……)
189:
ミスタ(でもよ…それ以外はいい数なんだ! 残り2発になっちまったが、最悪の事態は乗り切ったっつー事だよなッ! 数は2だッ。てめーチクショーッ。)
ミスタ「残り2発…もしおれが残りの弾丸が2発って言ったら信じるか?」
サーレー「…………」
ミスタ「どうせ隠してもすぐにバレるんだから先に告白する…残り2発だ…だが、残り2発でおめーを倒すッ! それも先に告白しておくぜッ。」
サーレー「その身体のキズで戦えるのか?」
ミスタ「くっ!」
ジョセフ「やっぱり苦戦してるじゃあねぇかミスタ。」
オオオオオオ
サーレー「!」
ミスタ「!」
190:
ミスタ「テメー! なに運転すっぽかしてんだッ! 早く運転席に戻れッ。」
ジョセフ「運転の事は安心しな。今、おれがしっかりと運転してるからな?。」
ミスタ「なんだと?」
ミスタが運転席を見る
そこにはジョセフのスタンド、ハーミット・パープルのイバラがハンドルに絡みついていた。
ミスタ「スタンドで運転…よくそんな危険な事やってのけるな……」
ジョセフ「へへっ。そりゃどうも。」
サーレー「これから2人で共闘するってわけかァ? かかって来いよ…おまえらをまとめて倒してポルポの財産を横取りさせてもらうからよ。ええ?」
ジョセフ(この不安定なトラックの上で肉弾戦を挑むのは危険だ…となると、この戦いはミスタの方が向いている。)
ジョセフ(だが、あのサーレーとか言うやつの能力は物体を固定させる事…ミスタが弾を撃っても、それを固定させられちまう…こいつあ難しい問題だぜ。)
191:
ジョセフ「おい…ミスタ。」ボソッ
ミスタ「あ? なんだ。」
ジョセフ「今からおれの言う通りに行動してくれねぇか?」
ミスタ「…おれがお前を信用すると思うか?」
ジョセフ「あぁ、思うぜ。」
ミスタ「……」
ミスタ「これでチャラだぞ…」
ジョセフ「?」
ミスタ「これでさっきお前が俺を助けた借りはチャラだからな。」
ジョセフ「勝手にしな。」
ジョセフ「……」ボソボソ
サーレー「おいオメーら! 何コソコソ話し合ってんだよ。攻撃してこねぇんならこっちから攻撃させてもらうぜ。おい!」
コンコン
コンコン
ジョセフ「先制攻撃はこっちからやらしてもらうぜッ!」
ジョセフはサーレーに向かってバラを投げる。バラは途中でイバラを出しながらサーレーに向かっていく。
192:
サーレー「おたくらは学習能力ってのを身につけた方がいいぜ?」
サーレーはバラを指先で触り、サーレーの顔の前で止まる。
ジョセフ「残念ながら俺達は学習能力ってのを身につけてるんだよな?。」
バラの後ろからピストルズたちが出てくる。
サーレー「なに!?」
ミスタ「バラの後ろにピストルズたちを隠してたんだよ。いくぞ、セックス・ピストルズ!」
ピストルズ3「オッシャァァーーーーーーー!」
ピストルズ5「イクゼェーーーーーーー!」
ミスタ「狙いはやつの口の中だ…」
ピストルズ3・5「OKダゼ ミスターーーーーーーッ!」
ピストルズ3・5が弾丸をサーレーの口の中に向かって蹴り上げる。
ピストルズ3・5「イィーーーハァァァーーーー!」
サーレー「フッ、お前の狙いはどうせここだろ?」
パク
サーレーは口を開ける。
ミスタ・ジョセフ「!!」
グボォッ
サーレー「グヘェッ!!」
バタッ
ジョセフ「こいつ…頭がイカれてるんじゃあねえのか……?」
サーレー「い…痛ぇーなァ?ミスタ。だがな…これでお前の残弾数は『1』になったな。」
ミスタ「クソッ!……」
ジョセフ「おれのとびっきりのグンバツな作戦がこうも簡単に破られるとは思わなかったぜ…」
193:
サーレー「2人まとめてあの世に送ってやる。これでおれの勝ちだ……」
サーレー「解除…」
グオオオオオ
ピストルズ1「解除ダトヨ。聞イタカNo.6?…」
ピストルズ6「ハッキリト聞コエタゼ…解除ッテヨォ?」
サーレー「…あん?」
ゴゴゴゴゴゴ
サーレーが見た先、そこにはジョセフが先ほど投げ、サーレー自身によって固定させられたバラが一輪あった。
そのバラはサーレーの解除と言う声が聞こえてから落ち始めていた。だが、そのバラの中には…!
ミスタのスタンド、セックス・ピストルズが弾丸を持って待ち構えていたッ!
ピストルズ7「コイツニ近キタカッタンダヨナァーーーッ! 近ヅケバアソコヲ狙ウノガ正確ニナルカラヨォーーッ」
サーレー(な…なにィ???ッ。こ…こいつら、バラの中に隠れていやがったのか!?)
ミスタ「サーレー…残念ながら残弾数は『1』じゃあなくて『0』だ。」
ジョセフ「相手が勝ち誇ったとき、そいつはすでに敗北している…これがジョセフ・ジョースターのやり方ってわけよ!」
194:
ピストルズ1・6・7「行クゼッ! ヤロードモォーーッ! 狙エッ!」
バギィィッ
ドギャン
サーレー「『クラフト・ワーク』防御し…!」
サーレー(ま、間に合わねー…)
ボゴォォ
ズブ
サーレー「……………」
ミスタ「同じ傷口を狙ったんだんだぜ! 傷口のとこで止まってる銃弾にもう一発ブチ込んでやれば……固定して止めたとしても一発分頭の奥にくい込んでいくよなあーッ」
ミスタ「…とはいえ、それでも不死身っつーんならしゃあねーが。」
ドッ…
サーレー「………」
ドシャッ
ピストルズ全員「ヤッタァーーーッ!」
ピストルズ1・2「ウシッ」
パシッ
ピストルズ6・7「ウシッ!」
パシッ
ピストルズ3「てい!」
ゴズッ
ピストルズ5「うえええ?ん」
ジョセフ「こいつら可愛いな…」
ミスタ「お…しかし生きてるぞ。こいつはまじに不死身のスタンドだな。脳ミソにくい込んでギリギリ生きてるぜ…ブチャラティの殺すなって…命令どおりではあったがよ…」
195:
?車内?
ミスタ「おい…ジョセフ……」
ジョセフ「おい! あんまり動くな。おれのハーミット・パープルで波紋を流しながら治してやるから。」
ミスタ「…オメーは何のためにこのパッショーネに入った…? お前の目的はなんだ?……」
ジョセフ「おれの目的? 何か俺を疑ってる聞き方じゃあねえか。そうだな…」
ジョセフ「…おれはブチャラティをこのパッショーネのボスにしてみせる。それがおれの目的ってやつだな。」
ミスタ「ハッ。そうか……せいぜい俺たちの足手まといにならない事だな…」
ジョセフ「あれ? おれの事を疑わねえのか? 『新入りのテメーなんか信じられるかァー!』って怒らねえの?」
ミスタ「怒る気力がねえだけだよッ! イテテ…いいから早く治してくれ…」
ジョセフ「だったら動くなってさっきから言ってんだろ! ったくよ?…」
196:
ミスタ(このジョセフってやつは未だに心の中で何考えてるか分からねえやつだ…だが、一つ分かった事がある…こいつにはブチャラティと似た覚悟ってのを感じる。このパッショーネを変えてやろうっていうブチャラティの覚悟とな……)
ジョセフ「とりあえず下に行ってブチャラティたちと合流しねえと……少しくらいは財宝を分けて貰えねえかな、へへッ。」
ミスタ(…やっぱり俺の勘違いかも……)
?to be continued?
207:
?港近くのトイレ?
ザザザザァァ??ッ
ジョセフ「ヤベェッ。小便が漏れちまうぜ?ッ…」
フーゴ「行くんなら早く行ってください。あなたのお漏らしなんて誰も見たくないんですから。」
ジョセフ「オメー少しくらいは心配しやがれッ。」
ミスタ「ジョジョ。お前は1人でトイレも行けないマンモーニなのか?」
ジョセフ「マンモーニって何だナランチャ?」
ナランチャ「マンモーニだってよ! これは傑作だぜッ!」
アバッキオ「いいから早くトイレへ行けッ!! ブチャラティに迷惑をかけるな!」
ジョセフ「へいへい…」ダッダッ
ジョロジョロ
208:
ブチャラティ「みんな。良くやってくれたな! おまえらのおかげで無事カプリ島に着く事ができた! 襲ってきたズッケェロとサーレーは船の中で気絶してる! もう心配はないだろうッ!」
ジョセフ「そんな事よりよォ?ブチャラティ! アレはどこに隠してやがんだ。早くそこに向かおうぜ!」ジョロジョロ
ナランチャ「そうだそうだ! 早く行こうよォーッ。」
ミスタ「6億を隠した場所によォ……!」
アバッキオ「どこに隠したんだブチャラティ? 銀行の隠し金庫か? いや……まさかな………どこかに埋めたのか? 島の洞窟とかにか!?」
ブチャラティ「うむ。もうちょっと待ってくれないか?」
ブチャラティは腕時計の時間を気にする。
フーゴ「どうしてです? ここから遠いんですか?」
ジョセフ「おいみんな静かにしろ……………」ジョロ…
ザッザッ
みんなが見た先には2人の清掃員がこちらに向かって来ていた
209:
ジョセフ「おいあんたら……おれたち中でまだ用足してるからさ………な! 掃除ならあとにしてくれよ。あと5分ぐれーで済ましちゃうからさ。ちょっとだけ向こうへ行っててくれ。」
清掃員1「………………」ザッザッ
清掃員1「あんたの名前『公衆トイレ』……?」
ジョセフ「……はい?」
清掃員1「あんたの名前が『公衆トイレ』ってんならここは『あんたの家』って事だ。看板に書いてある…自分の家だから『あとにしろ』って命令するのは自由だ…だけど、もし『公衆トイレ』って名じゃあないんなら…あんたに『あとにしろ』なんて言われるスジ合いはないわけだ。」
ジョセフ「え…えーと…おれの名前は『ジョセフ・ジョースター』って言うんだ。確かに『公衆トイレ』って名前じゃあねーが、あくまでも公衆なんだから誰が使っても文句はねーだろ?」
清掃員1「…」スッ
ジョセフ「だからちょっとだけ待ってってさっきから言ってんだけど…」
清掃員の肩に手を置く
210:
ガシッ
メキッ
ジョセフ「ぐ! うぐおおッ!」
ジョセフ「なッ!?」
メシメシメシメシ
ジョセフ「ちょっと待ってちょっと待って!! おれは何もあんたを殴ろうなんて思ってもねーからッ! 放してくれって!!」
ジョセフ「さもないと…ビリッとするかもしれないぜ……?」
ゴゴゴゴゴゴ
アバッキオ「な…何だ!!」
ナランチャ「まさか!!」
フーゴ「新手のッ!!」
ブチャラティ「いや待て! みんな! ジョセフを止めろッ! もしかするとその2人はッ!?」
清掃員2「! うむッ! ひょっとしてブチャラティか……?」
清掃員2「そこにいるのかね? ブローノ・ブチャラティ!?」パッ
清掃員1「………………」
清掃員2「6億円を受け取りに来たぞブチャラティ!」
ジョセフ「へ?」
ブチャラティ「全員『礼』だッ! 彼は組織の幹部ペリーコロさんだッ!」
211:
全員「……………」
ブチャラティ「島に上陸する時、連絡しておいたのだッ! ここまでわざわざ金を受け取りに来てくれたのだッ!」
ザッザァーーーーーッ(一同礼)
ゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ(こ…こいつらが…組織の上司だったのかよ……おれマズイ事しちまったな。トホホ…)
ブチャラティ「わざわざお越しいただいてありがとうございます。」
ペリーコロ「いやいや。わしの方からこの島に来たいと言ったのじゃ。」
ペリーコロ「みんな……頭をあげてくれ……君、すまなかったな…こいつは自分の体に触られるのがにがてでな。」
ジョセフ「…いやいや、良いってことですよ! ハハハッ」
ジョセフ(そういえばオレ…手 洗ってねーな……そっちの方がバレたらさすがにキレられるな…)
212:
ブチャラティ「息子さんは元気でいらっしゃいますか?」
ペリーコロ「ああ、今ではわしの力を借りんでも立派に仕事をできるようになった。子というのは知らんうちに成長するもんなんじゃな。」
ブチャラティ「そういえばなぜそのようなお姿で? その……掃除人に変装などを……?」
ペリーコロ「…………」
ペリーコロ「訳があってな。あとで話す……それより本当にあるんじゃろうな……組織に納める金…6億は?」
ブチャラティ「はい……ちゃんとここに……」
ミスタ「何だって?………今何てった?」
フーゴ「ここって言ったぞッ!」
ナランチャ「ここだって!?」
ブチャラティ「…………」
ドンッ
バンッ
ブチャラティは便器にスティッキーフィンガーズのパンチを入れる
ガバァァァ?ン
すると、その便器からは大量の金銀財宝が出てきた!
ジャラアアーッ
ナランチャ「うわおおおおおッ!」
アバッキオ「ベッ……便器の「中」にかァァーーーッ!」
フーゴ「ちょっと無茶な隠し場所じゃあないか、おい!」
ミスタ「安全ちゃあー安全だが、ここで小便してたヤツあバチ当たりだぜぇーーッ! あ。」
ジョセフ「くっそーーーッ! まさかおれが小便をしてた場所が財宝の隠し場所だったとはよォーーッ!! 悔やんでも悔やみきれねーぜッ。」
アバッキオ「おまえは金にしか興味がねーのか。」
213:
ペリーコロ「うむ…本物じゃ。このネックレスひとつだけでブルガリとかの宝石店は7?8千万で買うじゃろう。」
ペリーコロ「ブチャラティ……おまえがどうやってこの大金を手に入れたのかは聞くのはやめよう……組織としては金を納めてもらえばそれで文句はないのだからな……」ヂャラヂャラヂャラ
カバンに財宝を入れるペリーコロさん
ミスタ「あれ? もっ……もうしまっちゃうの?」
ナランチャ「ちょ…ちょっとさわらしてもらえます? ニオイだけでも……」
ジョセフ「せめて目で見さしてくれ…財宝の輝きを…」
アバッキオ「こいつら……」
ペリーコロ「この金が示す事実はッ。!!………その者にしかるべき『頭脳』と『信頼』があったという証!」
ペリーコロ「おめでとうッ! ブチャラティッ! 君を『幹部』の地位に昇進させようッ!」
ナランチャ「や…やった……ブチャラティ。」
ナランチャ「幹部だ! ついにブチャラティが幹部になったぞッ!」
フーゴ「つまりポルポの縄張りの権利が全てブチャラティに渡るわけだッ!」
ミスタ(すごいぞ……一気に権力が手に入ったッ! ブチャラティの人望と頭脳だ…バク大な金を産む事が可能だろう。だけど…このジョセフ……このジョセフがオレたちのとこに来たとたん、急に事が動きだした! このジョセフってヤツは縁起のイイ男かもしれねーな。ラッキーボーイかこいつはッ!………)
214:
ペリーコロ「ところで……じゃ………」
ペリーコロ「ポルポの仕事の権利を受け継いだ君にさっそくじゃが………ポルポのやつは生前ひとつだけ、仕事をやり残していたままでのう……」
ペリーコロ「ポルポがやり残した仕事は当然ブチャラティ………君が受け継ぐというわけだ。ここのところはいいかね?」
ブチャラティ「ポルポがやり残した仕事?……………」
ペリーコロ「ボスじきじきの命令なんじゃよ。命令がポルポのやつに行く直前にやつは事故で亡くなったからのう。」
ゴゴゴゴゴゴ
ブチャラティ「ボス……!? ですって……!!」
ジョセフ「ボスって……パッショーネで一番偉い……!!」
ミスタ「誰も会った事がないっつーあの!」
ナランチャ「直接の!  命令!」
ペリーコロ「そう……ボスの命令じゃ! ここで君に伝えるぞ! ブチャラティ……『ボスの娘を護衛する事』…『命を賭けて……』以上じゃ。」
215:
ジョセフ「む、む、む、『娘』だってーーーーッ!!」
フーゴ「ボスに『娘』がいるんですかッ!」
ペリーコロ「護衛は今より始まる! 渡したぞブチャラティ。」
ジョセフ「…………へ?」
ブチャラティ「渡した……?」
ジョセフ「ブ…ブチャラティ……何かこの清掃員……『女』に見えねーか?……まさか! こいつはッ!」
ジョセフ「ボスの娘……!!」
清掃員1「………………」
ブチャラティ「この人が…か?」
清掃員1「トイレ…行っても?」
ペリーコロ「……かまわんよトリッシュ。」
ブチャラティ「とりあえず……ガードにつけ。命令は始まっている…」
216:
ペリーコロ「彼女の名はトリッシュ・ウナ15歳。当然断っておくが、ボスの名ではない…母親の姓じゃ…トリッシュは自分が狙われてる事は知っておるが…父親…つまり…ボスには生まれてから会った事がない……」
するとペリーコロさんはボスの過去について語り始めた。トリッシュ・ウナを探す『組織の裏切り者』がいる事も教えてもらった。
そして…そいつらがボスを倒して『麻薬のルート』のナワ張りを乗っ取ろうとするヤツらだという事をッ!
ブチャラティ「護衛の期間は?」
ペリーコロ「一週間!」
ペリーコロ「もっと短いかもしれん……ボスはその裏切り者を今…探している…見つけて始末するまでだ……」
ブチャラティ「『命令はポルポに行くはずだった』…とおっしゃいましたね…………という事は……」
ゴゴゴゴゴゴ
ペリーコロ「『敵はスタンド使い』! うむ…そう考えていいじゃろうな……ボスがポルポに命令する時はそれに関する事のみだったからね…とにかくわしにはスタンド能力はない……役に立てるのはここまでじゃ…」
ペリーコロ「すぐにこの島を出て、彼女をどこかに隠せ…娘が君のところにいるのはボスとわししか知らない。」
ペリーコロさんが去って行く
217:
コツッ
全員「!」
トイレから出てきたのは、女性らしい格好をしたトリッシュだった
ジョセフ(へ…へぇ?……結構可愛いじゃあねーか。)
トリッシュ「あの…」
フーゴ「……」キョロ
フーゴ「ぼくですか?」
トリッシュ「ええ…」
トリッシュ「あなたなの……? えと…あたしこれからあなたとずっといっしょにいるわけ?」
ジョセフ「そうそう! そういう事よッ! オレたち6人が命を賭けて守るぜッ!!」
トリッシュ「……」
ジョセフ「オレの名前はジョセフ・ジョースター…ジョジョって呼んでくれ! あのおかっぱ頭はブチャラティって名前でオレたちのリーダーだ! あとはナランチャとミスタとフーゴとアバッキオだ。」
ミスタ「おい! 何適当にオレらの事紹介してんだッ!」
トリッシュ「いえ。あなたには話しかけていません。私はフーゴさんだけに言ってるのよ。ちょこっとその上着をここで脱いでいただける?」
ナランチャ「フられてやがんのッ!」
ジョセフ「うるせーッ!」
218:
フーゴ「上着だけですか? ここで? えと……なぜです?」
トリッシュ「いいから早く脱いで……別にあなたの裸が見たいってわけではないのよ。」
フーゴ「わかりました。」
トリッシュ「ハンカチないからハンカチ買ってきてね。」ゴシゴシゴシ
フーゴ「!」
トリッシュ「それとストッキングのかえとジバンシーの2番のホオ紅。イタリアのヴォーグの今月号もお願い。ストッキングのフトモモのところに補強が入ってないとダメ。それとミネラルウォーター。フランス製じゃあなきゃ、死んでも飲まない事にしてるのあたし。その景色を眺めるのにあきたらさっそく買ってきてね。」
ジョセフ「とんだじゃじゃ馬娘だな……」
219:
?アジト?
ジョセフ「さ?てミスタ…どっちがジョーカーか教えてくれよ。」
ミスタ「お、教えるワケねーだろ…」
ジョセフ「こっちか?……それとも…こっちの『4』のカードか?」
ミスタ「…………」
ジョセフ「バレバレだぜ。」
スッ
ミスタ「ダァーーッ。ちょっと待てッ!」
ジョセフ「よっしゃ1番で上がりだぜッ!」
ナランチャ「さっきからジョセフばっか勝ってつまんないな?い。」
フーゴ「なんでこいつは金が絡むとこんなに強くなるんでしょうか…」
アバッキオ「………」
220:
ジョセフ「そんならこの賭け金は全部オレの物だからなッ!!」
アバッキオ「おいジョセフ。」
ジョセフ「なんだ?」
アバッキオ「その右手の袖から出てるイバラはなんだ?」
ジョセフ「ギクッ!」
アバッキオ「もしかして…もしかしてだ……お前の右手の袖には、カードが入ってるんじゃあないか?」
ミスタ「もしそうだとしたら…」
フーゴ「とんでもない詐欺師ですね……」
ジョセフ「………」
ジョセフ「おい! トリッシュお嬢様もトランプやらねーかッ?」
アバッキオ「話を変えるなッ!」
221:
ジョセフ「おいおいあんまり大きな声出すなって! トリッシュお嬢様が機嫌を悪くするだろッ。」
トリッシュ「…これから二度と『トリッシュお嬢様』なんて呼ばないで…次言ったら無視するから。」
ナランチャ「とことん嫌われてやがんの!」
ジョセフ「うっせーーッ!」
ジョセフ「…分かったよ…オレは今からブチャラティに話があるから金は置いてくよ! これでいいか?」
ガサッ
トントン
ジョセフ「ブチャラティ入るぜッ!」
ブチャラティ「あぁ、入ってくれ。」
ジョセフ「それじゃあな。」ガチャッ
ミスタ「あいつだけには金を預けらんねーな。」
アバッキオ「…………」
フーゴ「どうしたんですアバッキオ?」
アバッキオ「…あいつオレの賭け金だけ盗っていきやがった……」
224:
?ブチャラティの部屋?
ジョセフ「良かったなブチャラティ! 幹部になれてよッ。あとはボスになるだけだなッ!」
ブチャラティ「そう上手くはいかないさ。オレはあくまで新入りの幹部だから、ボスになるには他の幹部を蹴落とす必要がある…」
ジョセフ「お前ならそんぐらいの覚悟ぐらいあるだろッ。…ン?」
ジョセフは壁にかかってある漁師網が目に入った。その漁師網はボロボロで、長年使ってた形跡があった。
ジョセフ「おいブチャラティ。この漁師網は何だ? この部屋にこの漁師網は不釣合いじゃあねーか?」
ブチャラティ「……オレの父は漁師をやっていたんだ。これは父が使っていた漁師網だ。」
ジョセフ「ブチャラティが漁師の息子!? 何だか似合わねーなッ。」
ブチャラティ「あんまりこの事は他の仲間たちには言うなよ? 笑われてしまうからな。」
ジョセフ「分かってるって。オレはどっちかって言うと口の硬い法だから安心しなッ。」
225:
ブチャラティ「…だが、この漁師網が…オレがパッショーネに入ったキッカケと言ってもいいかもしれんな……」
ジョセフ「…深入りして悪いけど、それはどう言う事だ?」
ブチャラティ「話が長くなるがいいか?」
ジョセフ「出来るだけ短くお願いね。」
ブチャラティは自分の生い立ちをジョセフに話した。両親が離婚し、ブチャラティは父について行った事。その父が麻薬の売人に殺されかけ、植物状態になった事。そして、父を殺しにきた麻薬の売人を殺した事を。
ブチャラティは自分の生い立ちを表情一つ変えずに語っていた。その事実を受け入れてるかのように。
226:
ジョセフ「…すまねーな、辛い事を語らしちまってよ……」
ブチャラティ「大丈夫だジョジョ。過去は過去さ。君が気にする事はない。」
ジョセフ「気にするさ…オレの友人にもブチャラティと似た境遇のヤツがいたんだよ。」
ブチャラティ「いた?……そいつは生きてるのか?」
ジョセフ「いや…そいつは戦いで死んだ。でも、あいつは今オレに力を分けてくれてる。」
ジョセフはポケットからカラフルなバンダナを取り出した。
ジョセフ「こいつとは喧嘩別れをしたんだ…結局仲直りする事も出来ず、死んじまいやがったけどな……だけど、あいつはオレにこのバンダナを託してくれた。このバンダナがなかったら、オレは死んでたかもしれないんだぜ?……」
ブチャラティ「…………」
228:
ジョセフ「今度はオレが守る側だ…オレが仲間になった以上、全員守ってやるッ。それがオレの覚悟ってヤツだ。」グッ
ブチャラティ「やはり、君はこのパッショーネを変えれる覚悟を持っているようだな。だが、ジョジョ! その役割はオレがやるッ!! それがチームのリーダーの役割だからな。」
ジョセフ「…さすがブチャラティだぜ。オレごときがパッショーネのボスになるなんて到底無理だわ。」
ブチャラティ「そうだ、ジョジョ。一つ頼まれてくれるか?」
ジョセフ「ん、なんだ?」
ブチャラティ「今からナランチャがトリッシュに頼まれた物を買いに行くそうなんだが、一緒について行ってくれないか? ナランチャ一人ではあまりにも心配なんでな。」
ジョセフ「任しときな。オレさまの華麗なドライビングテクニックでさっさと買い出しを終わらしてくるぜ!」
ブチャラティ「任したぞ。」
?to be continued?
236:
ジョセフ「オレは今からナランチャと買い出しに行くワケだけど、そこでオレから提案でーす!」
アバッキオ「早く話せよ盗っ人野郎。」
ジョセフ「だから! あれは間違えてオレのポケットに入ってただけだっつーのッ。それに金は返しただろッ!」
フーゴ「で、提案というのは何なんですジョセフ?」
ジョセフ「へへっ。聞いて腰抜かすなよ。まず、オレたちはトリッシュを護衛するって任務をボスから任されてるワケだ。もちろん目立っちゃいけねーっていうのは分かるよな?」
ミスタ「当たり前だろ。目立っちまったら裏切り者に見つかる可能性があるんだからよ。」
ジョセフ「でも、今からナランチャが買いに行こうとしている品物は、ほとんどが女性物だ。男であるオレとナランチャが買い出しに行ったら目立つだろ? だけど、トリッシュ本人に行かしたらそれこそ目立っちまう。」
ナランチャ「ならどうすんの?」
237:
ジョセフ「へへっ……『女装』すんだよッ!」
ミスタ・フーゴ・アバッキオ「………………」
ナランチャ「じょ…『女装』?」
ジョセフ「オレは昔、敵の目を欺くために『女装』した事がある。その時は相手に見る目がなかったみてーだが、今のオレの化粧テクニックはプロ並みだから誰にも気付かれずに買い出しに行くなんて簡単なんだよッ。」
ジョセフ「逆に男子にモテモテになっちまって目立っちゃうかもな?。どうだこの作戦…」
フーゴ「却下。」
アバッキオ「無理に決まってんだろ。」
ミスタ「バカかテメーはッ!」
ジョセフ「何でだよッ! この作戦が一番良いだろッ! そうだよなナランチャ!」
ナランチャ「…………」
238:
ナランチャ「面白そうだなッ!! やってみようぜェジョセフッ!」
ジョセフ「だろッ! やっぱりお前は分かってくれると思ってたぜッ 。」ゴシゴシ
フーゴ「バカはもう一人いたようだな……」
240:
?数分後?
ガチャッ
ジョセフ「ハァ???イ! 皆さんお待たせッ。どうかしらぁ?ん?」
ナランチャ「ねーどう?? 似合ってるかな?」
ミスタたちが振り向いた先にいたのは、身長約190cmの到底女性とは思えない大男と口紅がやたら分厚く塗られた男の子が女装して立っていた。
ミスタ「…ブッ!」
フーゴ「お…おい2人とも…は…早く僕たちの見えない所に…行ってくれ……ハハハハッ!!」
アバッキオ「何が女装のプロだッ! ただの化け物じゃあねーかッ!」
ジョセフ「誰が化け物だッ! やっぱりお前らは女性を見る目がないな!」
241:
ジョセフ「見てろよ…男ってのはだな、テキーラを持って腰を振りながら誘われたらイチコロなんだぜ?」フリフリ
ナランチャ「お…おいジョセフ……ちょっと恥ずかしくなってきたんだけど……」フリフリ
ミスタ「や…やめろってッ! それ以上オレたちを笑わせるなよッ! ヒァハハハッ!」
ガチャッ
トリッシュ「ちょっと…早く水買って来てくれない? 喉が乾いて死にそうなんだけど…」
トリッシュ「!」
ジョセフ「へへっ! どうだトリッシュ。私たちの格好イカしてると思わなぁ???い?」
フーゴ「トリッシュ。殴りたいなら殴っても構わないですよ? 全員があなたを守りますから。」
トリッシュ「……」
242:
トリッシュ「フフフ…」
フーゴ「…トリッシュ?」
トリッシュ「ちょっと…その格好…何のつもり? 笑かしにきてるの? そんな化け物みたいな格好して……フ…ギャハハハハッ!」
アバッキオ「トリッシュのツボに入ったみてーだな。」
ジョセフ「テメーまでオレのセンスが分からねーのかよッ。」
ミスタ「誰も分からねーよッ!」
ミスタ「トリッシュ…後で事情は話すから、すまねーがナランチャだけ化粧してやってくれ。ナランチャだけだぞ。隣にいる化け物は何もしなくていいからな。」
トリッシュ「分かったわ…頼むからあんた……早く元の格好になりなさい。」
ジョセフ「分かったわぁ???ん。」
トリッシュ「プププ…ギャハハハハッ!」
ガチャッ
ブチャラティ「おいお前ら…騒々しいが何かあったのか?」
243:
全員「あ…」
ジョセフと目が合うブチャラティ
ブチャラティ「…………」
ジョセフ「……テ…テキーラはいかがかしら……?」
ブチャラティ「……フ…なら一杯だけコップに入れてくれないか『お嬢さん』?」
ジョセフ「よ…喜んでェーーーー!」
全員「ギャハハハハッ!」
?to be continued?
254:
?市街?
ガチャッ
ジョセフ「おいナランチャ…買い物は終わったか?」
ナランチャ「おう! 頼まれた物は全部買ってきたぜ!」ガサッ
ジョセフ「でも納得がいかねーな??。なんでナランチャだけに女装さすんだよ。オレがしたっていいじゃあねーかッ!
ナランチャ「ブチャラティが言ったんだししょうがないよ。“カップルのふりをした方がいい。ナランチャは敵に顔を知られてる可能性があるから女装するのはナランチャだ。”って。」
ジョセフ「結構オレの女装イケてると思うんだけどなぁ???……」
255:
ナランチャ「…………」
ジョセフ「…気付いたか?」
ナランチャ「後ろに敵の気配を感じた…距離はまだ分からないけど、警戒した方がいいかも。」
ジョセフ「ナランチャ。お前はここで待ってろ。オレが後ろの方を見てくるからよ。5分以内にオレが帰ってこなかったらアジトに戻ってブチャラティたちに報告しろ……」
ナランチャ「分かった…」
ガチャッ
ダッダッ
ナランチャ「ジョセフーー! 気をつけろよーーッ!」
?「何が気をつけろだァ???? まるで誰かにつけられるのを恐れてるみてーだな。なぁ? ナランチャ!?」
256:
ナランチャ「…………」
バッ 
ナランチャは車の下を覗き込んだ。すると、反対側には誰かの足があった!
ダダッ
ガチャリ
バタム
ナランチャ「う…!!」バッ
ナランチャ「あっッ!」
ゴゴゴゴゴゴ
?「なあナランチャ…どこへ向かってんだ……? さっきからよ…誰かに尾行されてんのか? おまえ?」
ナランチャ「何だテメーッ!! どこにいた!? 降りろッ!」ピシッ
ナイフを?に突き立てる。
?「おいおいおい、レディーがナイフを突き立てるもんじゃあねーぞ。」
257:
?「しょうがねーなぁ??。質問してんのはオレなのによォ……質問を質問で返すなよ……礼儀に反するってもんだぜ。」
ナランチャ「やかましい! 何者だてめーーー。降りろって言ってんだッ! ボゲッ!」
ナランチャ(やばい。こいつやばいぞ……おれたちを追ってるぞ…………バレちゃあいないはずだが、オレたちを調べてる! ス…スタンド使いだろうか?)
?「しょうがねーな…答えてくんねーならオレからわけを説明するよ。オレの名はホルマジオ。組織のメンバーだ。でさ、昨日ポルポが死んだそうだが、ブチャラティ・フーゴ・アバッキオ・ミスタ、みんないっしょに突然どこかに姿を消しちまった。どこにもいねーんだよ。ブチャラティに聞きてー事があるんだ。ナランチャ、おまえはやっと見つけたが、何でだ? どこにいるかおまえ知ってるか?」
ゴゴゴゴゴゴ
ナランチャ「今、どこにいるかなんてしらねぇーよ。オレはポケベルじゃあないんだからな……きっとその辺にいるよ…レストランとか探したかい?」
ホルマジオ「………………」
ホルマジオ「この車ァ??レンタカーだろ? 借り主はブチャラティだ……そっから車追ってきたんだがよ、何でおまえがこの車に乗ってんだ?」
ナランチャ「オ…オレが運転するのはいつもブチャラティのさ…オレ17だから車持ってねーんだよ…だから借りるんだ。なあ……車降りろったらよ…」
258:
ホルマジオ「聞いたか? ポルポの死体さ……火葬するのに葬儀屋がどうやって焼くかなやんでんだと! あの体がどうやって炉にはいれるかをよォ………ウヒヒッ!」
ホルマジオ「細かくバラバラに切らなきゃ入んねえよなあああーーーーッ。ウヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ。」
ナランチャ「…………」
ホルマジオ「アヒャヒャヒャハハハハハハハハハハハハハハハハーーーーーーーッ!」
スカアッ
ホルマジオは自分のスタンドをだして、鋭利な物でナランチャを攻撃した。
ナランチャ「!」ブッ
ナランチャ「うああああああああああ。」
ホルマジオ「レディーだろうがしょうがねーよなぁーーっ。」
ホルマジオ「何で幹部の葬式に姿現さねーんだよオメーらッ! しゃべってもらうぜ、ナランチャ! 尾行すんのが不可能ならよ、ナランチャ、いろんな事をオメーにしゃべってもらうぜッ!」
259:
ドオオオオン
ドルンドルドルン
ドルンドルドルン
ドルンドルドルン
ナランチャ「てめ?????。」ドルン
ホルマジオ「何だ……何だそれ?」
ナランチャ「ブッ殺す!!」
グオオオオン!
ホルマジオの目の前、ガラスの向こう側に小さいおもちゃサイズの飛行機が飛んでいた。飛行機はホルマジオの方を向いており、ホルマジオは飛行機にとてつもない殺気を感じた。
ホルマジオ「スタンド使いか……やはり……おめーら全員…も。」
260:
ドドドドドド
ナランチャ『エアロスミス』
ドガガガガガガガガ
ナランチャのエアロスミスが機関銃を発射する
バリバリバリバリバリ
グオオオオン
ゴオッ
ホルマジオ「こ…こいつはやばそうだ!………」
ホルマジオ(ホッペタ切ってやったばかりなのによ…間に合うかな、スタンドの効果が……)
ナランチャ「ジョセフが帰ってくるまでに…こいつをブッ殺してやる!」ボタッボタッ
ナランチャ「ちくしょおおおおーーーーーーーーッ。こんなに血が出てるじゃあねーかァーーッ。」
ナランチャ「よくも! よくも! よくも! ブッ殺すッ。ブッ殺すッ。ブッ殺すッ。ブッ殺すッ。」ドカドガドガドガドガ
ナランチャ「エアロスミス!」ドガガガガガガ
バシバシバシバシバシ
ボバ
ホルマジオ「うぐおおおッ!」
ホルマジオ(や…やばい…狙いはあまり正確じゃあねーようだが、ムチャクチャすぎる……何も考えねーで撃ちまくってる…そしてオレは狭い車の中に入っちまってる…それがやばい!)
261:
グオオオオン
ボッ
ホルマジオ「!」
ホルマジオ「ば…」
ホルマジオ(『爆弾』…………か!? ひょっとして、まさかッ!)
ホルマジオ(か……隠れなければ…!! くそっ! とりあえずこの車の中からこの身を隠さなければッ! こいつを尾行してきた時みてーに、おれの能力を使ってよオォーッ。)
バリバリバリバリバリ
カチッ
トグオオオン
ナランチャ「どうだ!どうだ!どうだ!どうだ!どうだ!どうだ!どうだ!どうだ!」ドガドガドガドガ
ナランチャ「どうだッ、くたばったかッ! 痛ーーーッ」
ナランチャの足から靴が飛ぶ
ナランチャ「痛でェーーーッ。ちくしょうッ! やったかッ!!」
262:
ゴゴゴゴゴゴ
ナランチャ「い…いない……………………!! ど…どこ行った!?」
ホルマジオ(これがオレの能力さ……『リトル・フィート』! 他のヤツはこの能力の事をくだらねーという…ククク……ま…くだる、くだらねー…ってのは所詮…ここの使い方ひとつさ…能力ってのはな…)
ナランチャ「何だァーーーッ!? どこにもいねーぞッ!」
ヒュン
ガシッ
ナランチャ「ハッ! そうだ、ジョセフがそろそろ帰ってくるはずだ! ジョセフなら敵を早く見つける事ができるはずだッ!」
ホルマジオ(ジョセフ? こいつらの新しい仲間か? そいつはまずい…2対1じゃあさすがにオレが不利だ……)
263:
ナランチャ「ていうか靴が全然足に入らねーな?…やっぱり女性物の靴はオレには合わねーやッ。」
ホルマジオ(女性物……こいつもしかして女じゃあねーのか? だとしたらあの後ろに積んである女性物の買い物袋は一体何だってんだ?)
ホルマジオ(こいつらのチームの中に女性がいるのは考えられねー…もちろん彼女もだ……だとしたら答えは一つ…何かの事情で家を出られない女の買い出しを頼まれてるって事だッ。しかもわざわざ女装をしてでもバレたくねーみたいだしよォ??……)
ホルマジオ(間違いねーッ! こいつらはボスの娘を隠している。今ハッキリとわかったぜッ。こりゃあナランチャに話を聞かねーとな……)
ダッダッ
ナランチャ「おーーーいジョセフッ! どこにいるんだーーーーッ!」
264:
ガチャン
ナランチャ「あ、いっけねー。ナイフ落としちまった。」
ナランチャ「…あれ? 何かこのナイフ、オレのやつよりでけーな?…オレのナイフどこいったんだろ?」ガサガサ
ナランチャ「ていうかこの車ってオレが乗ってきた車だっけ? 何かデカい気がすんだよな?…」ガサガサ
ナランチャ「あ!」
ナランチャ「こ、これって確かジョセフが持ってきたテキーラだ! 何でこんなにデケーんだよッ! やっぱり何かおかしいぞ……」
ホルマジオ(や…やばい……もう気付かれたか!)ガサガサ
ナランチャ「…そういえばさっきからオレのカバンから物音がしてるな…まさかな……」
ガバッ
ホルマジオ(まずいッ!!)
グサッ
ナランチャ「グアッ!」
ペンがナランチャの手に貫通する
ホルマジオ「そう簡単にお前に捕まるはずがないだろッ!」ダッダッ
ナランチャ「く…待ちやがれッ!」ダッダッ
265:
ナランチャ(一体どういう事だ…あいつ小さくなってやがる…のか? それだったらオレの周りで起こってる現象は何なんだ? …うぅー、いくら考えても分からねー!)
ナランチャ(しかも女装した格好じゃあやつには追いつかねー! ここはエアロスミスに頼るしかねぇー!)
バリバリバリバリ
ホルマジオ(もう少しだ…もう少し耐えればあの作戦に移行できる! それまで逃げよう!)
ドガガガガガ
ボジ
ホルマジオ「くっ!」
バタン
ナランチャ「はぁ…はぁ…これで…終わりだーーーッ!」
ナランチャはナイフをホルマジオに突き刺そうとする
ボワボワ
ガシッ
ホルマジオ「誰が終わりなんだぁ?ナランチャ?」
ナランチャ「な! いきなりでかくなりやがったッ!?」
266:
ホルマジオ「そろそろケリをつけるか…」
ホルマジオ「今のお前の身長なら生身の俺でも勝てるぜ。」
ナランチャ「え!」
ナランチャが周りを見渡すと、自分の身長がゴミ箱より小さくなってる事に気づいた。そして、それに気づいた時、さらに身長が縮んでいくの感じた。
ナランチャ「な、何なんだこりゃ!?」
ホルマジオ「ようするにお前は黙ってここに入っときゃあいーのさ!」
ガシッ
ホルマジオはナランチャをアタッシュケースの中に入れようとする
ナランチャ「や、やめろ! エアロスミス!」
バリバリ
ナランチャ「ああ! エアロスミスまで小さくなってやがる!?」
ホルマジオ「これが俺の能力だ…ちゃんと覚えたか?」
267:
ナランチャ「うわぁ!」
ガチャリ
ホルマジオ「これでお前はただのアタッシュケースの荷物ってワケだ。…ゆっくりと新しい仲間にアジトを教えてもらうとするか。」
ナランチャ「や…やめろー!!」
ボンボンッ
ホルマジオ「アタッシュケースは車の後ろに積んどかねーとな!」
ダッダッ
バタッ!
ジョセフ「お?い、ナランチャ! 後ろに敵はいなかったぜェ???!」ダッダッ
ホルマジオ「道案内頼むぜぇ?新入りぃ??…」
ナランチャ「くそッ! タイミングが悪りぃーだよジョセフ!」
ポンポンッ
?to be continued?
268:
ナランチャ「うわぁ!」
ガチャリ
ホルマジオ「これでお前はただのアタッシュケースの荷物ってワケだ。…ゆっくりと新しい仲間にアジトを教えてもらうとするか。」
ナランチャ「や…やめろー!!」
ボンボンッ
ホルマジオ「アタッシュケースは車の後ろに積んどかねーとな!」
ダッダッ
バタッ!
ジョセフ「お?い、ナランチャ! 後ろに敵はいなかったぜェ???!」ダッダッ
ホルマジオ「道案内頼むぜぇ?新入りぃ??…」
ナランチャ「くそッ! タイミングが悪りぃーだよジョセフ!」
ポンポンッ
?to be continued?
272:
ダッダッ
ジョセフ「あれ? おたく誰だ?」
ホルマジオ「あ? 俺か? そうか…あんたにはまだ俺の事紹介してなかったな。」
ホルマジオ「しょうがねぇ?なぁ?…俺の名前はホルマジオ。ブチャラティのチームで情報伝達係をさせてもらってる。他のチームのやつらにはバレちゃあいけねーから単独行動を取らせてもらってるがな。」
ジョセフ「…ナランチャはどこへ行ったんだ?」
ホルマジオ「……それは車の中で話そう…あまり街の人には聞かれたくない話だからな。」
ジョセフ「あぁ…いいぜ。」
バタン
バタン
ナランチャ「気づいてくれよジョセフ!!」ポンポンッ
ナランチャ「ダメだ…どんどん俺の体が小さくなってきてる…このままじゃマズイぞ…」
ブゥゥン
273:
ジョセフ「それでナランチャはどこへ行ったんだ?」
ホルマジオ「…ナランチャは今、アジトに向かっている…敵が現れた事を伝えにな。」
ジョセフ「俺がいねー間に敵が現れたのか!?」
ホルマジオ「俺とナランチャは苦戦しながらもそいつに勝った…だが、そいつには仲間がいた。おそらくそいつは現在俺たちのアジトに向かってると思う…」
ホルマジオ「ナランチャはそれをブチャラティに伝えるために単独でアジトに向かった。俺はその事をお前に伝えに来たってワケだ。」
ジョセフ「それはどうも。」
ジョセフ「ところであんた、腕の方は大丈夫なのか? 血がドバドバ出てきてるけど。」
ホルマジオ「なーに…ほっときゃ治るさ。」
ジョセフ「…ならいいけどよ。」
274:
ホルマジオ「そういえばそっちの状況はどうだ? 何か進展はあったか?」
ジョセフ「いいや、相も変わらずお嬢様のお守りさ。」
ホルマジオ「…そうか。」
ホルマジオ(どうやら俺が考えてた事は正解らしいな。このままこいつに運転してもらって、アジトに着いたら始末するか…)
ジョセフ「それにしてもあのお嬢様、何考えてるか分からねーんだよな…あんた、あいつの情報何か持ってねーか?」
ホルマジオ「い…いや、あの子の情報は組織の極秘情報だから何も知らない。ブチャラティに電話して性別を聞いたぐらいだな。」
ジョセフ「…そうか、でも何とかしてあいつと打ち解けねーといけねーよなァ?。」
ホルマジオ「君は何か情報は知らないのか? 知ってれば教えて欲しいんだが。」
ジョセフ「…本当にお前、俺たちの仲間なのかァ??」
ホルマジオ「!」
275:
ジョセフ「初めて会ったやつにそう簡単に極秘任務を教えるのもなァ?…まだお前を信用したわけじゃないし。」
ホルマジオ「おいおい…冗談はよしてくれ。俺はお前の上司だぞ。マフィアの世界では上下関係が全てだ…言いたい事は分かるよな?」
ジョセフ「……分かったよ。」
ホルマジオ(こいつを始末するのは早めにしたほうがいいな…)
ガサッ
ホルマジオ「?」
ピッピッ
ホルマジオ「お、おい。何をやってるんだ…?」
ジョセフ「何ってブチャラティたちに状況を聞くだけだよ。まだ敵はいないかっていう確認だ。」
ホルマジオ「そうか…心配させるなよ。」
276:
プルルルル
ジョセフ「あ、もしも?し。きこえてる?」
ミスタ「おいジョセフ! どこほっつき歩いてんだッ!! 早く帰って来い! いくらなんでも遅すぎるだろッ!」
ジョセフ「そう怒るなってミスタ。後で可愛い子紹介してあげるからさ!」
ホルマジオ(相手はミスタか。どうやらそこに全員いるようだな。)
ジョセフ「ごめんだけどよ…今、電話に出てるの誰か言ってくんねーか?」
ミスタ「あ? 何言ってんだテメー?」
ジョセフ「いいから答えてくれッ!」
ミスタ「…ったく! グイード・ミスタだ! それがどうした!」
ジョセフ「いつもアジトの電話に出てるのって誰だ?」
ミスタ「…俺だ。俺が1番電話に近いから俺が出ることになってる。」
ジョセフ「…ブチャラティが出る事ってあったっけな???ミスタ?……」
ミスタ「あるわけねーだろッ! ブチャラティは忙しいから電話に何か出ねーよ!」
ホルマジオ「!?」
ジョセフ「だよな…ありがと。また連絡するぜ。」
ミスタ「おい! 何のための電話…」ガチャ
ホルマジオ(こ…こいつ!)
277:
ジョセフ「次にお前は…」
ジョセフ・ホルマジオ『俺を挑発するって事はどうなるか分かってんのか…おい?』
ジョセフ「と言う!」
ホルマジオ「ハッ!」
ゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ「俺を騙そうと思ったのが間違いだったな! ナランチャをどこにやった!」
ホルマジオ「誰が教えるかクソがぁッ!!」
フォン
ホルマジオはスタンドを出した
フン
ジョセフ「アブねッ!?」
ジョセフ「ちょ、待てよ! 運転中にスタンドは出すなって!!」
ブオオオン
ジョセフ「やべぇッ! 車とぶつかっちまうッ!!」
278:
ジョセフ「ハーミット・パープル!!」
キリキリ
ジョセフ「アブねーだろッ! 今の俺じゃなかったら事故ってたんだぞッ! 戦う場所は選べよッ!」
バタン
ホルマジオが車から飛び出す
ジョセフ「え? 何で飛びだすの?」
前を見るジョセフ
目の前には電柱が立っていた
ジョセフ「ハハッ…俺ってやっぱついてねーのね。」
ボゴオオオッ!
シューーー…
279:
ホルマジオ「…………」
ホルマジオ「よそ見運転をするからそうなるんだよ。」
ナランチャ「そうだぜ…よそ見はいけねーよなぁ?ホルマジオ…?」
ドドドドドド
ホルマジオ「なに!?」
ナランチャ「時間との勝負だったぜ。もしあの時に鍵穴に気がつかなかったら俺は圧縮死してたかもな。」
ホルマジオ「鍵穴から外に出やがったのかッ!」
ナランチャ「どうやらお前のスタンドには範囲があるみたいだな。その範囲から出れば元にもどるってわけか。」
ナランチャ「この距離ならもう油断はしねーぜ…」
バタン
ナランチャ「!」
280:
ジョセフ「イテテ…あの野郎ぜってー許さねーぞ!」
ナランチャ「あ、ジョセフ生きてたんだ!」
ジョセフ「勝手に人を殺すなよッ!」
ナランチャ「あ…」
ナランチャがホルマジオに目を向けると、ホルマジオがいなくなっていた。
ナランチャ「……俺から逃げれると思ったんだ。」
ナランチャ「探すぞエアロスミス!」
ドルルルルルル
ジョセフ「お前のスタンドオモチャみてーだな。昔俺が遊んでたオモチャにソックリだぜ!」
ナランチャ「…………」
ピコーンピコーン
ナランチャ「そこかッ!」
バリバリバリバリ
ホルマジオ(ウソだろッ!?)
バババババッ
ホルマジオ(ヤバイぞ…このままじゃ見つかるのも時間の問題だ…!)
281:
ジョセフ「なんで分かるんだナランチャ?」
ナランチャ「…俺のエアロスミスは敵をレーダーで探すことが出来るんだ。このレーダーは二酸化炭素が出てる物に反応する。生き物なら呼吸が一定だから簡単に見つける事が出来るってワケだ。」
ジョセフ「そいつは便利だ! まるでネコドラくんの秘密道具だな。おいホルマジオ?、早く出て来いよ。今なら俺の部下にしてやるぜ!」
ホルマジオ(なるわけがないだろ…俺はやらなきゃいけないんだ…チームのみんなのためにも!)
ホルマジオ(二酸化炭素に反応する…それだったらこうしてやる!)
ボカーン
ジョセフ「お! あの車爆発したぞ! あそこにホルマジオがいるんじゃあねーか?」
ナランチャ「ちょっと待ってくれジョセフ! これはマズイぜ…」
282:
ボカーン
ボカーン
ジョセフ「どういう事だナランチャ……?」
ナランチャ「俺のエアロスミスの機関銃は車を爆発させないようにエンジンから離れた所を撃ってるはずなんだ…それなのに車が爆発してる。」
ジョセフ「じゃあホルマジオが車を爆発させてるのか?」
ナランチャ「だとしたらマズイんだよ…」
ナランチャ「あちこちで車が爆発してるせいで二酸化炭素が大量に発生してるんだ! この中からホルマジオだけを探すのは不可能に近いぜ…」
ジョセフ「って事はこのままじゃホルマジオに逃げられるじゃあねーか!」
ホルマジオ(そういう事だ。お前らは後で始末してやる。先にチームの奴らに教えねーとな…じゃあなお前ら!)
283:
ドルルルルルル
ホルマジオ(ん…近いところにエアロスミスがいるな。ここは隠れるか。)
ドルルルルルル
ナランチャ「…………」
バリバリバリバリ
ホルマジオ「何だとッ!?」
グサッグサッグサッ
ホルマジオ「ヌアッ!!!」
ガタガタン
ナランチャ「おいジョセフ! ここにいたぜ!」
ホルマジオ「て…てめーら!」
284:
ナランチャ「次にお前は…」
ホルマジオ・ナランチャ『何で俺の居場所がわかったんだッ!』
ナランチャ「て言うんだろ?」
ホルマジオ「!」
ナランチャ「すげーや! ジョセフの言ったとおりだ!」
ジョセフ「冷静さを失った人間の言葉なんざ、誰だって当てれるんだぜ? ホルマジオ。」
ホルマジオ「く……」
ホルマジオ「なんで俺の居場所がわかったんだ……?」
ナランチャ「ジョセフがいたからさ。」
ジョセフ「俺のハーミット・パープルでちょちょいとお前の居場所を探してみたんだ。」グイッ
ジョセフは親指で道路を指差していた。そこには車から漏れたオイルで描かれた地図があり、今ホルマジオがいる位置を表していたのだ!
285:
ホルマジオ「…どうやらついてねーのは俺の方だったようだな……ウヒヒッ!」
ザッ
ホルマジオ「おいナランチャ…最後にどっちがいか勝負しねーか? おれのリトル・フィートとお前のエアロスミス…きっと俺の勝ちだけどよ。」
ナランチャ「……あぁ…やってやろうじゃあねーか!」
ゴゴゴゴゴゴ
ズッ
ホルマジオ「リトル・フィィーート!」
ギャッ!
ナランチャ「うおりゃあああああっ!」ゴッ
ドガァァァァ
ギュゥゥゥン
ホルマジオ「うげっ……」
ホルマジオ「……………」
286:
ホルマジオ「しょおおがねーよなああ??。お前が女だったら勝ってたかもなぁぁ???。それと…」
ホルマジオ「ジョセフ…テメーさえいなけりゃあ…もっと楽に勝てたかもしんねーなぁ???。」
ジョセフ「………」
ホルマジオ「これからはもっと……しんどくなるぜ……てめーらは……」
ドッサァァ??ッ
グオオ
ズキュ?ン
ナランチャ「ジョセフ…俺疲れたから代わりに運転してくれよ…」
ジョセフ「何言ってるんだナランチャ…帰りはあの重い荷物を持って帰るんだよ。」
ナランチャ「…私女の子だから重い荷物持てないわ。」
ジョセフ「私だって女の子よお???ん!」
ナランチャ「……帰ろう。」
本体名前ーホルマジオ
スタンド名ーリトル・フィート
(死亡)
301:
?車内?
アバッキオ「…………」
フーゴ「…………」
ジョセフ「…………」
ジョセフ(面接の前みてーな緊張感だな…こいつら無口すぎんだろ。)
ジョセフ「い…いや?、それにしても驚いたぜ。まさかボスからメールが来るなんてよ。」
ジョセフ「ポンペイ遺跡にある犬のゆか絵の鍵をとってこいってさ?、なんか俺たち007みてーじゃね!」
フーゴ「もし映画なら、僕たちは007とは敵の立場なんですけどね。」
ジョセフ「……ま、小さいことは気にしたらキリがねーぜ。」
アバッキオ「一つ忠告しておくぞジョセフ。」
ジョセフ「ん?」
302:
アバッキオ「この任務の目的は鍵を取る事だ。もし俺たちが死にそうになったとしても、鍵の方を優先しろ。俺たちを助けないでそのままブチャラティのところへ向かえ。逆にお前が死にそうになってもおれたちは鍵を優先する。分かったか?」
ジョセフ「……味方を見殺しにしろって事か?」
アバッキオ「ああ、そうだ。」
ジョセフ「嫌と言ったら?」
アバッキオ「あ?」
フーゴ「まあまあ二人共…喧嘩をするならこの任務が終わった後にしてくれ。アバッキオ、君は運転に集中して、ジョセフは周りに敵がいないか探ってください。」
アバッキオ「フン……」
ジョセフ「フンだ!」
ブウウン
ジョセフ「お! フーゴ! もしかしてあれがポンペイ遺跡か?」
フーゴ「ええ、どうやら着いたようです。」
303:
『ポンペイ』
この1キロ四方の遺跡都市がヴェスビオ火山の火山礫と溶岩により、あっという間に壊滅し、埋れたのは紀元79年の8月24日……その後、1800年間当時の生活のままの姿で土中に眠っていたのはあまりにも有名。
家も道路もワインの瓶も…馬車の轍のあとや人間の遺体までも噴火時の姿で残った。
その遺跡都市の中に『悲劇詩人の家』という場所がある。
ジョセフとフーゴとアバッキオが向かうのは……その家の『犬のゆか絵』のある場所だ……
アバッキオ「ここから車では入れない。」
アバッキオ「ポンペイか。ガキのころ遠足で来たきりだな……」
ジョセフ「へェ?…アバッキオにもガキの時代があったんだ。」
アバッキオ「あたりまえだろッ。」
フーゴ「この先100メートルぐらいのところだ。あと、例の物を取って…みんなのところへ戻るまで30分だな。」
304:
フーゴ「…………」
フーゴ「アバッキオ、ジョセフ……用心を……どうやらお出ましのようだ……」
ゴゴゴゴゴゴ
アバッキオ「何人?」
フーゴ「ひとり……今のところ……キョロキョロして逃げられないでよ。」
ジョセフ「どこだ?」
フーゴ「左うしろだ……石柱のかげからぼくらをのぞいている……どの辺で見つかったかな? これを3人で行けと命令したんだブチャラティは…」
ジョセフ「それならさっきからおれのハーミット・パープルで探さしてるんだけどよ…どこの石柱だ?」
フーゴ「ボケッとするなよジョセフ…柱は一本しかない……その柱のかげにいる。」
アバッキオ「ああ、さっきからオレもそう思っていた。柱は一本しかない…だが、どこに隠れてるのかここから見えない…」
305:
フーゴ「柱から出てきたぞ???。コソコソするのはやめたようだ。もうわかっただろ? 向かってくるぞ???ッ。」
ジョセフ「おいおい、おれたちをおちょくるのはいい加減やめろよ。」
フーゴ「何言ってるんだッ。そいつだッ!! 歩いてくるやつさッ!」バンッ
フーゴ「え?」
フーゴ「い…いたんだ! そこ柱のかげに隠れて…たしかに…」
フーゴ「男がいたんだ………」
フーゴ「この鏡に映って見えたんだッ!」
ドドドドドド
フーゴが鏡を見ると、そこには謎の男がこちらに向かってきていた。
フーゴ「なっ……なにィ??????!!」
306:
フーゴ「そこだッ! そこにいるッ! 出てきたぞッ!」バッ!
フーゴ「え!?」
クルリ…
ドンン!!
バッ!
バッ
クルリ
フーゴ「こ…こいつ!! ジョ……ジョセフ、アバッキオ。」
フーゴ「だいたいこんな場所に鍵なんてかかってる事自体が奇妙だったんだ…いったい何だこいつは。この…能力は!?」
ジョセフ「アバッキオ…ついにフーゴが壊れたぞ……いつかは壊れると思ってたが!」
ズドドドドド
フーゴ「こいつッ! スタンドを出したぞッ! 誰が闘うッ!? ぼくか!? アバッキオ! 君がやるかッ!!」
アバッキオ「ジョセフ、今回はお前の考えは間違ってないかもしれん……フーゴがおかしい。」
フーゴ「何ですって!?」
307:
ズオオオオ
フーゴ「ま…まずいッ! 攻撃されるぞッ! 2人とも鏡から離れるんだッ!」
フーゴ「離れろォーーーッ!」
ズゴォ
ズボボボボ
ジョセフとアバッキオが突然消えていく
フーゴ「!? 何だと!!? !?」
フーゴ「ジョセフッ! アバッキオ!!」
ブンブン
バ!
バッ
フーゴ「ど……どこだ!? ジョセフ! アバッキオッ! どこへ行った!?」バッ
フーゴ「鏡に映っていた男もいない…!! !? な…何をしたんだ!?」
ゴゴゴゴゴゴ
フーゴ「何か…わからないが……この風景…どこか…おかしい……」
308:
?「ここだ。」
ドオオ
フーゴ「ハッ!!」
バゴォ
フーゴ「ぶげっ。」
フーゴ「なにィ!?」
ドグオオオ
ドドドド
?「本名……『パンナコッタ・フーゴ』、16歳、1958年、ネアポリスの裕福な家柄の生まれ、IQ152という高い知能を持ち、弱冠13歳の時、すでに大学入学の許可を与えられるが、いかんせん……外見に似合わぬ短気な性格のため、教師との人間関係がうまくいかず、ある教師を重さ4kgの百科事典でメッタ打ちの暴行……以後落ちに落ちてブチャラティんとこの下っぱとなる……いっしょに来たのはレオーネ・アバッキオと…えーと…誰だ? 地味なやつだから忘れちまったぜ。」
フーゴ「2人に……何をした!? き…きさま……どこへやったッ!? 2人をーーーーッ!!」
309:
一方その頃、アバッキオとジョセフは…
アバッキオ「フーゴ!! どこだフーゴ!?」
アバッキオ「てめーは何か見えなかったのかジョセフ!? フーゴはどこへ行ったんだ!?」
ジョセフ「知るかよそんなの!! 俺が見た時には突然消えてたんだよ!! 意味が分からねー!?」
ジョセフ「そういやあいつ…『鏡』がどうたらこうたら言ってたな……『鏡』か………」
ゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ「鏡には何もおかしな所はねーな…まーそれが普通なんだけどね。」
アバッキオ「おいジョセフ……ゆっくりとオレの方に来るんだ。」
ジョセフ「あ? 何だよ、こんな真昼間からデートのお誘いか?」
アバッキオ「いいから来いって言ってんだ! ボゲッ! もうゆっくりじゃあねえ。早く来いッ!」
ジョセフ「へ?」
ドドドドドド
310:
?「ぐああああああるるる」
?「ガァるるるるしゅるるるる」
?「ぐあるるるるるじゅしゅるるるるるるうううう」
ジョセフ「な…何だこの化け物はァーーーーッ!?」
アバッキオ「ジョセフ、そいつにはかまうなッ! そいつは敵じゃあないッ!」
アバッキオ「フーゴのスタンドだッ! フーゴ本人がいないのになぜか…スタンドだけが出現しているッ! だが、そいつから早く離れろッ! 近づくんじゃあねえ。」
ジョセフ「え? どういう事?」
アバッキオ「早くしろーーーッ!」
ジョセフ「わ、分かったよ! とりあえず離れればいいんだろッ!」ダッダッ
311:
アバッキオ「『パープル・ヘイズ』。こいつが出るって事はフーゴはとりあえず今無事なようだが…」
ジョセフ「パープル・ヘイズ…オレのスタンドと名前被ってんじゃあねーか。」
アバッキオ「…テメーは空気を読みやがれ。」
アバッキオ「! さがれジョセフ! もっとうしろにさがるんだ!」
アバッキオ「た…立ち上がるぞ! パープル・ヘイズが……!!」
パープル・ヘイズ「グァルルルルル。」
アバッキオ「動こうとしているぜ。フーゴはこのパープル・ヘイズをどこかでわからんが、これから操作しようとしている…フーゴはこいつをめったに出さないんだ。かなり追いつめられてなきゃあ出さない。」
アバッキオ「フーゴはどこかで闘おうとしている。もっとさがれ! ジョセフ!」
ジョセフ(アバッキオのやつがビビってやがる…そんなにパープル・ヘイズが恐ろしいって事か……だが、いくらなんでもビビりすぎだぜ。)
312:
ドン
ボッ
アバッキオ「!」
ジョセフ「パープル・ヘイズが空中を攻撃し始めたぜッ!」
アバッキオ「まずいぜ!! ここにいるのはまずいッ! 逃げるぞ、来いッ!」
ジョセフ「ちょっと待て! お前はさっきから逃げるばっかりでフーゴを助ける気がねーように見える。それでもお前は仲間なのか?」
アバッキオ「口ごたえしてんじゃあねーぞッ! ガキがぁーーーーーッ。 おれはてめーなんかどうなってもかまわねーが、何も知らねーんで親切で言ってやってるんだ。ヤツの拳はフーゴの凶暴な面を象徴したかのようで、近づくとおれたちもやばいんだッ!」
パープル・ヘイズ「うばぁしゃあああ。」ドバドザ
アバッキオ「殴りやがった!! 走れジョセフーーーッ。」
ドサァ
313:
ジョセフ「カラスが…いきなり地面に落ちたぞ!?」
アバッキオ「近づくなよ……パープル・ヘイズが拳を使うとき、何者もそばにいてはならない…」
カラス「カァー、カァー、カァー。」
カラス「アガッ!」ゲロゲロ
ベロッ
ブバァァー
ドザァ
ブスブス…
ジョセフ「うげぇーーーッ!! カラスが気持ち悪い姿になってやがるッ!?」
アバッキオ「あれがフーゴのスタンド、パープル・ヘイズの能力、『殺人ウイルス』だ。敵はフーゴをどうやって隠したのかわからんが…敵にとって…フーゴとスタンドを離したのがちょっとした幸運だってところだな……」
その後、ジョセフはアバッキオからパープル・ヘイズの説明を長ったらしく受けた
314:
アバッキオ「だが、もういいだろう。今敵はおれたちを無視している。先を急ぐぜジョセフ。」ダダッ
ジョセフ「…………」
アバッキオ「おいジョセフ、ボサッとしてんなよッ! 行くぞッ!」
ジョセフ「…そうやって仲間を平気で見捨てるやつはオレが1番嫌いな奴なんだぜ? そんな奴が仲間なんて吐き気がするね……」
ゴゴゴゴゴゴ
アバッキオ「言葉に気ぃつけろよきさま……いいか、オレたちの指令は鍵を取って娘を安全にボスのところまで護衛する事だ。フーゴを助けたいのはオレもおまえと同じ気持ちだ。だが、鍵をゲットしてブチャラティに渡す事が最も大切な事なんだ。」
アバッキオ「もし今、フーゴのかわりにオレが襲われているのだとしても、オレは見捨ててほしいと思う。」
ジョセフ「…いいか、説教たらしくなっちまうが、仲間ってのはどんな時でも見捨てるなんて思っちゃいけねー。後で気付いた時には遅い事だってあるんだぜ…この場合、フーゴがどこにいるかを確認して助ける事が重要だ!」
アバッキオ「違う! 3人とも全滅する危険を冒す事がまずいんだッ! もう一度言う。先へ進むぜ! 来いッ!」
ジョセフ「嫌だねッ!! オレは意地でもフーゴを助けるッ!」
グォォオオオ
アバッキオ「この状況では先輩であるオレの命令が絶対だ。それを拒否するってんだな! 覚悟してろよ。ただしてめーが生き残ったらの話だがな。」ダダッ
ジョセフ「…勝手にしやがれ!」ダダッ
315:
アバッキオ「あった……これだ。」
アバッキオ「!」
アバッキオ「………? 何だ? この鏡の破片は……今まで……ここにあったか?」
?「何だそりゃあ? 鍵か……」
ドドドドドド
アバッキオ「なにィ!?」クルッ!
?「なるほどッ! わかったぞ。その鍵をオレがぶん取ってやればいいんだなッ!」
ドォーン
アバッキオ「こ…こいつはッ! まさかッ!」
?「オレの姿が見えたのなら……!!」
スタンド名ーマン・イン・ザ・ミラー
本体名ーイルーゾォ
イルーゾォ「おまえももうおしまいだッ!」ゴッ!
316:
アバッキオ「や…やばいッ!」
ブァギイッ
アバッキオ「クソ…わかりかけてきたぜ…鏡の中だったのか。そんなのがあるっていうのならだが、敵の能力は今のように鏡の中から攻撃して来て。そうフーゴのヤツは…間違いないぜ……鏡の中に引きずり込まれて消えたんだ。」
キラッキラッ
ダバァァ
ガシィッ!
アバッキオ「!!」
イルーゾォ「攻撃をかわそうとこなごなに破片にしたのは逆効果だぜ…アバッキオ…おまえは引きずり込む入り口が逆にいっぱい増えたって事だ。」
イルーゾォ「映ればそれは外と中の出入り口! 破片になって出入り口がたくさん散ったっていうだけの事だッ! おまえをつかめる出入り口がなッ!」
イルーゾォ「そして、許可してやるッ! おまえ自身だけ鏡の中にはいる事をーッ。」
アバッキオ「!!……」ズボ
イルーゾォ「入った!!」
317:
イルーゾォ「中に引きずり込んだッ! そしておまえらが必要としている。その鍵ももうオレがいただくぞッ!」
ガシッ
メキ
イルーゾォ「ぐ!?」
イルーゾォ「何だとォ???!! ス…スタンドの首を掴めるのは……スタンドだけだ…!! 引きずり込んだおまえがオレのマン・イン・ザ・ミラーの首をつかめるはずが…!! !?」
アバッキオ「破片にしたのは逆効果なんかじゃあねえー????おまえののぞくスペースが狭くなっって事だ。誰をひきずり込むのか…………? よく見えなかったろ?」
アバッキオ「許可するだって? オレだけ入る事を?」ピッピッピッ
アバッキオ「グラッツェ! ひきずり込まれてやるぜ!」ピッピッピッ
メキメキメキ
イルーゾォ「こ…こいつは!? ムーディー・ブルース!」
ドギャドゴォバキッ
イルーゾォ「スタンドだ……し、しまった……」
バァァァァ
アバッキオ「おまえを倒さねーと鏡から出れねーんならおまえを倒すまでだ…」
?to be continued?
325:
イルーゾォ「ぐ……ぐぐぐぐ………」
アバッキオ「どうした? 怖気付いたのか?」
イルーゾォ(……鍵がなくなっている。どうやら鍵を持ったまま向こうの世界に行ったようだな。それなら好都合だ…)ズボ
イルーゾォ「アバッキオ…早く鍵をこっちに渡せ。こっちの世界ではお前はスタンドを出せないはずだ。」
イルーゾォ「こっちの世界に来た以上、お前に逃げ場はない。大人しくこっちに渡せ。」
アバッキオ「誰が渡すかよ!」ダダッ
イルーゾォ「逃げ場はないと言っただろうッ!」
ボゴォ
アバッキオ「うぅッ!!」
バタッ
326:
イルーゾォ「無駄な事をしやがってッ!!」
ボゴォ
バゴォ
ドギャ
バギ
アバッキオ「く………………」
アバッキオ(骨が何本か折れたか……!)
イルーゾォ「お前ほどの男がこんな単純な事を理解出来ない単細胞とは思わなかった。」
アバッキオ「単細胞で……悪かったな…」パァ
イルーゾォ「!? きさま…鍵をどこにやった!?」
アバッキオ「最初から鍵なんて拾ってねーさ…拾ったのはオレのスタンドだ。」
イルーゾォ「なにィ!?」
327:
バッ
イルーゾォは鏡を見た
鏡の中には現実世界が映っており、アバッキオのスタンド『ムーディー・ブルース』が後ろ歩きに歩いていた。
アバッキオはムーディー・ブルースに鍵を拾わせ、逆戻しをしていたのだった!
アバッキオ「逆戻しだけならオレが指示をしなくて済む……あとは下っぱが鍵を拾えばいいだけだ!」
ジョセフ「ん? 何だありゃあ?」
チャキン
ジョセフ「鍵? まさかこれが!?」
イルーゾォ「そんなバカなッ!! こんな事があってたまるかッ!」ダダッ
アバッキオ(さぁジョセフ、さっさと鍵を持ってブチャラティの所へ向かえッ。任務を達成出来ればオレたちはそれでいいんだ。オレたちの分まで働けよ。)
アバッキオ(最後までお前の事は嫌いだったがな……)
328:
イルーゾォ「!」
イルーゾォ「フハハハハハハハハッ!!」
イルーゾォ「アバッキオ! お前の仲間は立派だな! 鍵を持ったまま棒立ちしているぞ!」
ジョセフ「…………」
アバッキオ「!? あの野郎…オレが忠告した事を無視しやがって!!」
ジョセフ「そうか…攻撃されてんだなアバッキオ……それでこの鍵を持って逃げろって言いたいのか…」
ジョセフ「だけど…オレは悪い子だから上司の命令には逆らっちゃうのよねッ。」
ジョセフ「どこにいるんだ敵さんよォ?。出て来てオレと遊ばな?い?」
アバッキオ「あの野郎……」
329:
ズボ
イルーゾォ「お前、中々勇気のあるヤツだな。オレと直接勝負するなんてよ。」
ジョセフ「お? あんたがアバッキオとフーゴをどっかにやった張本人か。」
イルーゾォ「そうだ。」
ジョセフ「ならオレはお前を許さねー。鍵を奪いたかったらオレを倒しな。」
イルーゾォ「そのつもりだ。」
ジョセフ「よし…」
ジョセフ「なら鬼ごっこするか!!」ダダッ
イルーゾォ「逃げても無駄だッ!!」ダダッ
330:
ダッダッ
ジョセフ(今までの事を考えたらフーゴとアバッキオはどういう理屈かは知らねーがどこか別の世界にいるみてーだ…それがどこかが問題だ。)
ジョセフ(フーゴは確か『鏡』をしつこく連呼してたよな。『鏡』に敵が映ってるとかどうとか…しかし、後ろを振り向いた時、敵はオレたちには見えなかった……)
ジョセフ(だとすると考えられるのは2つ…1つ目は敵が最初からいなかっただが…フーゴはそんな冗談を言うやつじゃーねぇ……)
ジョセフ(だとすると答えは2つ目だ…“敵は『鏡の中』にいた”!! それだろうな!)
ジョセフ(今あいつらは鏡の中にいるッ。そして出られねーんだ。こいつを倒さない限りッ!)
イルーゾォ「ちょこまかと逃げるなッ!」
ジョセフ「ハーミット・パープル!!」ニョキニョキ
イルーゾォ「スタンドのバリアか…だが効かねー!」グボー
331:
ダッダッ
ジョセフ「やべーッ。行き止まりじゃあねーかッ!!」
イルーゾォ「策は尽きたか。」
ジョセフ「まださッ!」
イルーゾォ「!」
ジョセフ「さっきのバリアはただのイバラのバリアじゃあねー…オレのスタンド本体を真っ直ぐ伸ばしたイバラだ。お前を後ろから攻撃出来るようになッ!」
ウネウネー!
イルーゾォ「マズイッ!」
イルーゾォ「…ワケがないだろう?」
ガシッ
ジョセフ「なッ!?」
イルーゾォ「本体を先に向こうに連れて行けばいいだけだからな。」
ジョセフ「オレとした事がしくじっちまったぜ…」ズボ
ドテー
ジョセフ「イテテ……」
332:
アバッキオ「……」
フーゴ「……」
ジョセフ「ど…ど?も、お久しぶり??…」
フーゴ「途中までなかなかやるなと思ってたのに最後にしくじるとは…」
アバッキオ「テメー…おれの命令に逆らったな。」
ジョセフ「そ…それに関してはこの敵を倒してから話すからさ?、な!」
アバッキオ「で、お前鍵は?」
ジョセフ「そりゃあもちろんポケットに……あれ?」
アバッキオ「…鍵は?」
ドドドドドド
イルーゾォ「鍵とはこれの事か?」
3人「!?」
333:
3人は下に落ちてあった鏡の破片を見た
そこには現実世界で鍵を手に持ったイルーゾォがいた!
イルーゾォ「間抜けな男だな……鍵を落とすとは。敵ながら面白い男だ。」
アバッキオ「お前なにしでかしてんだッ!!!」ガシッ
ジョセフ「オレだってお前らを助けようと必死だったんだよッ! 確かに悪い事はしたけど、お前らだって同じじゃあねーか!」
フーゴ「ジョセフッ。そんな言い草はないでしょう!」
ジョセフ「フーゴ…オレのスタンドを使えば、お前のスタンドを操るかのように倒す事も出来るんだぜ?」
フーゴ「! ……君って男は。」
アバッキオ「お前はここでぶん殴るッ!!!」
334:
イルーゾォ「ハハハハハハハハハッ!! こんな時に仲間割れするとはさらに笑えてくるぞ!」
イルーゾォ「だが、ここまでだ。じゃあな。」
イルーゾォ「3人共鏡の中で一生を暮らせッ。」
ジョセフ「へ? 今なんてった?」
イルーゾォ「…鏡の中で一生を暮らせと言ったんだ。」
ジョセフ「一生? ……確かにそれもいいかもしらねーが、それはお前の方じゃあねーか?」
イルーゾォ「なに?……」
ウネウネ
ジョセフ「いや?、時間を稼ぐのを手伝ってもらってすまねーな、お二人さん。」
アバッキオ「? 何の事だ?」
フーゴ「ジョセフ、僕でなければ作戦の意図を理解するのは困難でしたよ?」
ジョセフ「さすがうちのチームの勉学担当だぜ!」
アバッキオ「お前ら意味がわからねーぞ……?」
335:
ウネウネ
イルーゾォ「あ? これは何だ。やつのスタンドの一部か?」
ウネウネ!
イルーゾォ「!」
グサ
イルーゾォ「な…何だ……今さら攻撃した所でオレに勝てるはずが…」
パープル・ヘイズ「ガァウウルルルルルルルル。」
イルーゾォ「!」
336:
ジョセフ「確かにオレのスタンドじゃあ勝つのは不可能に近い。だからスペシャルゲストを呼んだんだ。」
フーゴ「ジョセフは向こうに残したハーミット・パープルの一部でパープル・ヘイズを誘き出してくれたんだ。」
ジョセフ「こういう所でジョセフ・ジョースターの軍師っぷりがでるのよね?…」
イルーゾォ「あ…ああ……」
ジョセフ「スペシャルゲストは…とてつもなく凶暴だからご機嫌を損なわないよう気をつけてね!」
パープル・ヘイズ「ウバッシャアアアアアアアアアア。」
イルーゾォ「うあああああああああ。や…やめろ…やめろォォォクッソぉオオオオオオ。」
イルーゾォ「はっ!」
フーゴ「くらわせろーーーッ。パープル・ヘイズッ!」ドヒャア
イルーゾォ「か…鏡さえあればこちらに勝算は…!」
337:
シュパッ!
イルーゾォ「えっ」
ハーミット・パープルが鏡をとりあげる
ジョセフ「鏡の中は暮らしやすかったぜ。ごゆっくり鏡の中で生活してくれ!」
イルーゾォ「なああああんだってエエエエエエエエエええええええええええ。」
イルーゾォ(せっ…せっかく……!! せっかくあいつらを鏡の中においやったのに!!)
イルーゾォ「うわあああああああ。」
パープル・ヘイズ「ブッシャアアアアァーーーッ!」
ドドドド
ドグシャア
イルーゾォ「ふあああ?。」
ブスブス
ブスブス
ブスブス…
338:
フーゴ「ハッ!!」
キョロキョロ
サッ
チッチッ
フーゴ「や…やったぞッ! 鏡から出れた! やつを倒し! やつの能力は消滅したッ!」
アバッキオ「…………」
ジョセフ「…………」
スッ
アバッキオ「何すんだッ!?」
ジョセフ「動くなよ。骨が折れてんだろ? 治療してやる。」
アバッキオ「いらねーよッ! 自分で治す!」ガバッ
ジョセフ「そうですか…せっかくの人の厚意を断るのね。」
ジョセフ「ま、それでもいいさ。あんたらが無事ならそれでいい。」
アバッキオ「…ジョセフ、今回は任務を達成したから良かったが、今回のお前の行動はバカすぎた。オレはお前を認めないぞ……」
339:
フーゴ「さあ…鍵も取り戻した事ですし、車に戻りましょう。」
ジョセフ「よっしゃ?、帰って飯食おうぜ飯?!」
アバッキオ(オレはこいつの全てが嫌いだ……任務よりも仲間の命を優先するのはチームとしてやってはいけない行為だ…)
アバッキオ(だが……ブチャラティがチームに入れるのを認めたのも分かった気がする。)
ジョセフ「……ズボンのチャック空いてるぜアバッキオ?」
アバッキオ「え?」
ジョセフ「うっそぴょ?ん!」
アバッキオ「…………」
アバッキオ(いつか殺す…!)
?to be continued?
350:
〈娘を護ってくれて礼を言う。
ブチャラティ。
ネアポリス駅6番ホームにある『亀』のいる水飲み場へ行き、この『鍵』を使え。
そして、列車にて娘をヴェネツィアまで連れてくる事。
追伸ー君への指令はヴェネツィアにて終了する。〉
351:
アバッキオ「やはりこれだけじゃあこれが何の鍵なのかわかんねえぜ……! 駅の水飲み場に何があるのかもまったくわからん…」
ブチャラティ「ボスは『敵に見つからず移動できる方法』のため、その鍵を手に入れろと言った! それを信じ、駅に行くしかな…!」
ナランチャ「ボ…ボスは……『ヴェネツィア』にいるのかな? そ…その文面によると……」
ブチャラティ「そんな事は考えなくていい! オレたちは指令どおりやるだけだ。6番ホームの水飲み場に行き……そして、列車に乗る! 今から最も早いのは10分後のフィレンツェ行き特急だ……それに乗る!」
ブチャラティ「ジョセフ! もうすぐ駅だが背後はどうだ?」
ジョセフ「追ってくるやつはいないぜ。異常なしだなッ。」
フーゴ「…………」
フーゴ(ボスの娘……このトリッシュ…会った事のない父親のため、自分の身を狙われていったいどんな気持ちなのだろう……?)
フーゴ(それに本当にスタンド使いでもあるんだろうか? そんな雰囲気もまったくないが……)
352:
ガシッ
ガシッ
ミスタ「そーかそーかフーゴ、ケケケ。オメーも彼女のアレが気になってしょうがねーのかよォ??。さっきからオレらもなんだよォ???っ。」ヒソヒソ
ジョセフ「あんなの見ちまったら興奮せざるおえないぜェ???っ。」ヒソヒソ
フーゴ「えっ!?」
ミスタ、ジョセフの見つめる先にはトリッシュのオッパイがあった
フーゴ「あ……ああ、あれは。」
ジョセフ「フーゴくん…じっと見つめるのはどうなのかなァ??? ボスの娘のオッパイをマジマジと見つめるのは…ボスに告げ口されてみろッ。」
フーゴ「えッ!?」
ジョセフ・ミスタ「ギィーーー!! だぜッオメー。」
フーゴ「なっ、何を言ってんですかッ! ぼくは何もッ! 君が言ったからッ………!!」
アバッキオ「着いたぜ。」
キイイイイ?
フーゴ「あっ。」
ガクン
ジョセフ「危ないフーゴ!」ガシッ
見つめ合うジョセフとトリッシュ
……
353:
ジョセフ「うわあああああああああ、ワザとじゃねーんですトリッシュさん。ブレーキのせいで倒れそうになったフーゴくんを庇おうとしたらたまたま顔があなた様のオッパイの近くにいっただけなんですッ。私には愛する妻がいます。あなたと不倫しようなんてこれっぽっちもかんがえていませんでした! はい!」
ミスタ「そ、そうですそうです、ジョセフをゆるしてやってくださいッ。別に悪ギがあったわけじゃありません。ジョセフがフーゴをかばおうとしてあなたのオッパイのぞこーとか、スカートの中の太モモさんに指をはわせよーなんて事は。ついでき心でして! はい! どーかボスにだけは内密に??。」
ミスタ・ジョセフ「どうかお許しくださ???いッ!」
フーゴ「普通に謝れば済む話でしょ……」
355:
?ネアポリス駅構内?
【フィレンツェ行き
16:35発 6番ホーム】
ザワザワ
ザワザワ
ザッザッ
ザッザッ
ピタリ!
ゴゴゴゴゴゴ
?「本当にいたぜ。ブチャラティだ……先頭車のところの水飲み場にいる……他の仲間と娘はすでに列車に乗ってるようだ……一号車か。」
??「しかし、信じらんねェェぜ?????。すぐに見つかる駅に全員でくるとはなあ???。ブッ殺してやるッ!!」
356:
?「…………」チラリ
?「駅に来る………だが、それはよほど追いつめられてトチ狂ったか……それとも……オレたちの追跡をかわす方法に何らか自信があるという事か…………どちらか……だな。」
??「どっちにしろブッ殺してやるッ! ホルマジオと鏡のイルーゾォのかたきだッ!」
?「おいテメー、さっきからうるせえぞ。ブッ殺すブッ殺すってよォ???。どういうつもりだてめー、そういう言葉はオレたちの世界にはねーんだぜ…そんな弱虫の使う言葉はな……」
ゴゴゴゴゴゴ
?「ブッ殺す…そんな言葉は使う必要がねーんだ。なぜならオレやオレたちの仲間はその言葉を頭の中に思い浮かべた時には! 実際に相手を殺っちまってもうすでに終わってるからだッ! だから使った事がねぇーーーッ。」
?「ペッシ、オマエもそうなるよなァ?????。オレたちの仲間なら…わかるか? オレの言ってる事…え?」
ペッシ「あ…ああ! わかったよ! 兄貴」グスッ
兄貴「『ブッ殺した』なら使ってもいいッ!」
兄貴「オレはこのままホームから向かうから……ペッシ、お前は列車の中から一号車に向かえ!!」ザッザッ
ペッシ「おうっ。」ヒョイ
兄貴「はさみ撃ちだッ! 娘は生け捕りだからな……発車前に終わらせたい。切符を買わずにすむからな…」
ザッザッ
357:
兄貴(ブチャラティのやつには何の恨みもねーが、娘を奪わしてもらう…)ザッザッ
ブチャラティが電車の中に急いで入る
兄貴「ムッ!」
ダダァァォー
ペッシ「あ……」
兄貴「………………」
ペッシ「…………」チラリ
兄貴「おいペッシ、なんでオメーと出会うんだ?」
ペッシ「あ…兄貴こそですぜッ! どうしたってんですか? 水飲み場にいたブチャラティはどこ行ったんですか?」
358:
ガチャア
バ!
ガチャガチャ
兄貴「おめ???、ブチャラティの顔知ってるよなァァ???? ペッシ???っっ。」クルッ
兄貴「アバッキオとかミスタ、フーゴ、ナランチャ…新入りにジョセフとかいう小僧も入ったようだが……そいつも全員知ってるよなオメー?」
ペッシ「いくら兄貴でもその質問は失礼じゃあないですかい?」
ペッシ「やつらの略歴と顔なら写真に穴の開くほどみてまさあ??っ!!」
兄貴「じゃあ説明すんのは簡単ってわけだ……今、オレの目の前でブチャラティがホームから列車に飛び乗った! 通路から来たオメーと出会ってなきゃあおかしいよな……え? そうじゃあねーか?」
兄貴「乗客の顔は全員よく見て来たのか? サングラスとかヒゲで変装してる風なやつらはいなかったか?」
ペッシ「だから見て来ましたってッ!!」
ペッシ「誰ともすれちがわなかったし! 他のヤツらも新入りも娘も絶対どこにもいやしませんでしたぜッーーっ。」
359:
のそっ…
のそっ…
ズブズブ…
ミスタ「な…なんなんだ!? こ…ここは!?」
ブチャラティ「水飲み場にいたこの亀! スタンド使いだったッ! そしてここはどうやら亀の中のようだ。どういう仕組みになっているかはわからんが、あの鍵が亀の甲らにはまると、亀はなぜか能力を発現させて………」
ブチャラティ「その鍵が出入り口となってこの空間を作り出しわ中に隠れられるらしいッ!!」
ジョセフ「亀がスタンド使いね?……」
360:
ズガボ
ジョセフ「うおっ。」
ガン
ジョセフ「こ…ここはイスの下か…顔が…潰れそうだぜ……」
ドサァッ
ジョセフ「だけど居心地が良くて良い物件じゃないのッ!」
ナランチャ「オレもここ気に入ったぜェーーーーッ。」
ジョセフ「テレビや冷蔵庫、ソファや家具付き…この亀売ったら大儲けできるぜ…」
361:
ゴトンゴトン
ペッシ「あーあ、乗っちゃった…! 切符買いたくないって言ったくせに……」
兄貴「うるせーぞ。」
兄貴「おい、この壁の下のスキ間……向こう側は何だ? これ?」
ゴトンゴトン
ペッシ「壁じゃなくて運転室のドアじゃあないですかねそれ! でも、こっちからは開かねーし7人からの人間が運転室に入ってるわけはね?っすよォ。」
兄貴「わかんねーぞ……探すって決めたからにゃあよォ???、この列車……先っちょから徹底的に荒らしまくってやるからな! おめーのビーチ・ボーイで中を攻撃してみろ!」
ペッシ「…………………」
ゴトンゴトン
ゴトンゴトン
兄貴「やれッ!」
362:
カシン
カシン
カシン
カシィーン
ペッシ「ビーチ・ボーイッ!!」シルシルシル
ポチャアアアン
チリ…チリ…
ゴゴゴゴゴゴ
ペッシ「やっぱり7人もいないよ。この中にいるのは……2人だ。」
ピク
ペッシ「きたッ!」
ドゴオオオオン
兄貴「くそ! たしかに狭いな……運転手ひとりか……だが、この列車のどこかに絶対やつらはいる!」
363:
ペッシ「……………え?」
ペッシ「あれ? ちょっと待てよ。おかしいですぜ…2人だと思ったんだけどな。ひとりしかいない? ほんとひとり? 生き物の気配は2つのはずだったんですぜ…」
フィレンツェまでの所要時間ー3時間30分
次の停車駅ローマまでノンストップ(1時間半)
兄貴「おいペッシッ! この列車を先っちょからケツまでとことんやるぜッ! どっかに潜んでるブチャラティどもを引きずり出してやるッ! おまえはそこにいろッ!」
ペッシ「ちょ…ちょっと待ってくれ兄貴……」
ゴトンゴトン
ペッシ(おかしいんだよな……この運転室の気配は2つだと思ったのにな…この運転手の気配の他にもうひとつあったような……)
364:
ガチャッ
ペッシ「ロッカーなんかに誰かがいるわけねーか…やっぱ運転手はひとりだよなあー。オレは兄貴と違って勘が悪いからな…」
ペッシ「ン?」
ゴゴゴゴゴゴ
ペッシ「なんだ? ……? あの黒っぽいものは?」
モアモア
ペッシ「!」
ペッシ「うわあああ! あ…兄貴ィ!!! ま…まさかッ!」
ドドドドドド
ペッシ「『ザ・グレイトフル・デッドッ!』」
ペッシ「ちょっ! ちょっと待ってくださいよッ。や、やるんですかい!? 乗客ごとやるつもりですかい! しかも、ヤツらがまだ確実に列車内にいるってわかってもいないのに!」
兄貴「言っただろうがよォーーー。トコトンやるってな! ヤツらは絶対いるッ!」
兄貴「それにたいしたこたァねーだろォーッ。毎年世界中のどっかで旅客機が墜落してる…それよりは軽く済むッ!」
365:
?亀の中?
ジョセフ「快適快適ィ??。キンキンに冷えたジュースを飲みながら漫画読んでテレビを見るなんて最高すぎるだろ。」
ジョセフ「今週号はオレの好きなスラムダンクだぜ! テレビではキャプテン翼もやってるしな!」
ミスタ「少しは黙ってろジョセフ! 疲れて眠ってるやつもいるんだからよッ!」
ミスタ「それにしてもこの部屋蒸し蒸ししててイヤになるぜ。」
ミスタ「おいナランチャ。お前もそう思うだろ?」
ナランチャ「…………」
ミスタ「おいナランチャッ!」
ナランチャ「へ? あ…すまねー……もう一度大きな声で言ってくれるか?」
ミスタ「もういい…それより、もしお前漫画とかに興味あるんだったらジョセフと漫画の話でもしてきたらどうだ?」
ナランチャ「……へ? 何だってえ?」
ミスタ「おいおい、どんだけ耳が遠いんだよ…」
ナランチャ「よく聞こえんからさぁぁぁぁぁぁ…もう一度言ってくれよおおおおお…………」
366:
ゴゴゴゴゴゴ
ミスタ「ナランチャッ!?」
ミスタ「どうしたんだナランチャ!?」ガシッ
ポキッ
ナランチャ「痛いよォおおおおおおお。」
ブチャラティ「ナランチャに触れるなッミスタ! ナランチャの様子がおかしい!」
ジョセフ「いや様子がおかしいのはナランチャだけじゃあねー…」
アバッキオ「スー。」
フーゴ「スー。」
ジョセフ「周りの皆もナランチャと同じように『老けている』……スタンド攻撃だッ!!」
ナランチャ「ワシはぁぁぁ…一体どうなっとるんだみんなあああああああ!」
トリッシュ「どうなってるの……?」
367:
ミスタ「アバッキオにフーゴ……そしてナランチャまで年とってやがる……まさかこの列車に敵がいるのか…!」
ブチャラティ「おいみんな! オレたちも少しずつだが、体に変化が出てるぞ!」
ミスタ「…!? 手にシワが!」
ブチャラティ「敵は無差別に乗客ごと攻撃しているようだ……そしてオレたちを老い殺す気でいるようだッ。」
ゴトンゴトン
ジョセフ「だけど、トリッシュまで巻き込むはずねーだろッ! トリッシュまで殺したら意味がねー。」
ブチャラティ「……敵には勝算があるんだ…トリッシュだけを殺さない作戦が。それが何か分かればいいんだが…」
ジョセフ「…………体温だ。」
ミスタ「体温?」
ジョセフ「さっきから部屋が暑いと思わねーか?」
ミスタ「確かに蒸し蒸ししてるがよ…それがどうした?」
ジョセフ「敵はおそらく列車の冷房を切ってオレたちの体温を上昇させようとしているんだ。それが老いさせる条件といったところだろ……女性は男性より脂肪が多い分、体温の変化が少ないとおばあちゃんから聞いたことがある。」
368:
ブチャラティ「つまり、確実にトリッシュが死ぬ前にオレたちを殺せるってわけだな。」
ミスタ「でも、オレたちは何で老うスピードが遅いんだ?」
ジョセフ「オレたち4人に共通してるのは何だろうな…?」
ミスタ「…! ジュースか!」
ジョセフ「そう! ジュース! 冷たいジュースを飲んでたからオレたちは老化のスピードが遅いんだ!」
トリッシュ「…ていう事は……」
トリッシュはジュースの中にある氷をナランチャの頬につけてみる
すると氷をつけた頬がもとの皮膚に戻っていた!
トリッシュ「!」
ミスタ「ジョセフ! おまえの言うとおりじゃあねーか!」
ジョセフ「どうよ! おれの名推理! 刑事コロンボも真っ青だろォ?!」
369:
ミスタ「氷だッ! 氷で皆を若返らそうッ!」ガチャッ
ブチャラティ「ダメだッ!! 氷はもう残り少ないッ。氷はトリッシュが持つべきだ! みんなもそう思っているはずだ……」
ミスタ「……分かった。で、これからどうするブチャラティ?」
ブチャラティ「もちろん敵を倒しに行く…早く倒さなければナランチャたちどころか乗客全員が死んでしまう。」
ミスタ「誰が殺りに行く? オレか? それともブチャラティ自ら行くか?」
ブチャラティ「……ジョセフ、君が敵を倒しに行ってくれ!」
ミスタ「なにィ!?」
ジョセフ「へ? オレ?」
ミスタ「戦闘向きじゃあねージョセフを行かすのかブチャラティ!」
370:
ブチャラティ「ジョセフの体を見てみろ。」
ミスタ「?」
ミスタ「特に何もないけど…」
ブチャラティ「何もないのがいいんだ。ジョセフはオレたちよりも老化のスピードが格段に遅いんだッ。」
ミスタ「それはどうしてだ?」
ブチャラティ「それは話すと長くなるからあとで話そう……行ってくれるかジョセフ?」
ジョセフ「……分かったぜ。敵を倒しゃあいいんだな!」
ミスタ「納得はいかねーが気をつけろよジョセフ…敵はただ者じゃあねー……死ぬなよ。」
ジョセフ「へへッ! なーに、またあの谷間を拝みに戻ってくるさ!」
トリッシュ「……サイテー。」
ジョセフ「ヤベッ! さっさと行こッ!」ズボリ
371:
ジョセフ(運転手が年をとって死んでやがる……それ以外に人の影はねーな……)
ズルズル
ジョセフ「!」
ジョセフ「エアコンか…エアコンで運転室だけでも冷やしておくか……」
ゴトンゴトン
ゴトンゴトン
ジョセフ「なーんてな。そんなの敵も百も承知だろうからここにトラップでも仕掛けているんだろうな…」
ペッシ「ガリガリガリガリガリ。…ったく兄貴ったらよォー。あぶねーことするよなー。オレまで年とっちまったらどうしてくれんだよな、まったく。」
チリ
ペッシ「!」
ペッシ「……………」
チリ…
ペッシ「きたッ!」
372:
ペッシ「くらいついたぜッ! 餌にィーーーッ。」
ペッシ「兄貴ィ! どこ行った!? いねーのかよォオッ! 兄貴ィッ! 兄貴の言うとおりだったッ! ブチャラティどもはこの列車に乗っていたゼーッ。」ボリボリボリ
ペッシ「このペッシがやつらを見つけたゼーーーッ! 兄貴ィッ!」グルグル
ガラガラ
ペッシ「!」
パチパチ…
ジョセフ「いやいやいやいや、さすがペッシだなァ???。兄貴として誇らしい限りだぜ。」パチパチ
ペッシ「て…てめーは……新入りのジョセフッ!? なんでてめーがここにいるんだ!?」
373:
ペッシ「おまえじゃなかったらこのこの反応は……ハッ!!」
ペッシ「こいつ…生命反応がねえッ。それに体重が軽すぎるッ。もしかしてこいつは運転手かッ!?」
ジョセフ「そうだ……おまえたちが殺した何の関係もねー運転手だッ!!」
グバオオオン
ペッシ「グッヘエエエ。」
バタン
ジョセフ「おまえのスタンドはどうやら老いさせるスタンドじゃあねーようだな…答えろッ。てめーのもうひとりの仲間はどこにいる?」
ドドドドドド
ペッシ「し……知るかよッ! オレだって知らねーんだよッ!」
ジョセフ「呆れたね…こんなヤツが敵だなんて気が抜ける……」
374:
老人「ねえええあんたああ。助けてほしいんだよおオオオ。油っこい肉が好物だったのにさあああ、急に食いたくなくなったんだ…さっぱりした物がよくってさあああ。」ズルリズルリ
ジョセフ「はいはいおじいちゃん。もう少ししたら油っこい肉が食えるようになるからね。それまで大人しくしててね。」
老人「いいや…もう何も食えないさ! ただしおまえがだ……ジョセフ。」
ペッシ「え?」
ジョセフ「こいつもしかして…!!」
ズギュン!
ジョセフ「ぬおおおおおおおお
ーーーーーのおォオオーーーッ!」
ペッシ「え? な…なに!? ま…まさか!! そ…そのじじい……!!」
375:
ジョセフ「と…とりあえず離れるぞッ。ハーミット・パープル!!」
シュルッ
ビシッ
老人「こいつ……おれのパワー全開をくらわしてやったのに老化スピードが遅い!!」
老人「しかし、見た目はだいぶ年をとったな?…」
ジョセフ「くっ……」ダダッ
ペッシ「ぜ…ぜんぜん気がつかなかった! あ…兄貴……!! そ…そこにいたのかい? ま…まさか! 自分自身を自由に老化させて乗客の中にまぎれているとは……」
ドドドドドド
376:
ペッシ「兄貴ィッ! プロシュート兄貴ィッ! やっぱり兄貴ィはスゲェーやッ!」
バギィ
ペッシ「うげゃ!」
ペッシ「な!? !? なんでイキナリ殴んだよォーーー兄貴ィィィィ。」
ボギャァッ
兄貴「うわあああ…や…やめてくれよ! この腑抜け野郎がッ! なんだ!? 今のザマは!? ええ!?」
ペッシ「なに怒ってんだよ兄貴ィィィィィ!?」
兄貴「まだわかんねーのかマンモーニのペッシ!」バッ
ペッシ「ひィィ。も…もう殴らねーでくれよォ兄貴ィッ!」
兄貴「いいかッ! オレが怒ってんのはな、てめーの心の弱さなんだ、ペッシ!」
兄貴「いきなり敵に襲われたんなら、ぶっ飛ばされるのは当然だ。オレだってヤバイと思う。」
380:

>>376兄貴が殴られとるぞ
383:
>>376
皆様のご指摘通り、ペッシと兄貴のセリフが合体してしまってました。
ビビってるのはペッシ、怒ってるのは兄貴です。
377:
兄貴「だが! オレたちのチームの他のヤツならッ! あともうちょっとでノドに食らいつけるってスタンドを決して解除したりはしねえッ!」
兄貴「たとえ腕を飛ばされようが、脚をもがれようともなッ!」
兄貴「オメーはマンモーニなんだよペッシ! ビビったんだ…甘ったれてんだ! わかるか? え? オレの言ってる事。」
兄貴「成長しろ! ペッシ。成長しなきゃあオレたちは栄光をつかめねえ。分かったか!」
ペッシ「……わかったぜ兄貴ィ……」
378:
?隣の車両?
ジョセフ「クッソ?…せっかくのイケメンが台無しになったじゃあないか…それに喋り方や声まで年寄りっぽくなっちまったぞ……」ハァ?…
ジョセフ「1番最悪なのは…」
シュビッ
ジョセフ「ハーミット・パープルを人型に出来んくなった事じゃな…」
ジョセフ「…………」
ジョセフ「くぅーーーーッ。自分の喋り方にイライラするーーーッ!」ダンダン
バッ
ジョセフ(…隣の車両ではどうやら仲間割れをしとるようじゃな。ペッシってのがボコボコにされとる。)
ジョセフ(このままブチャラティの所まで逃げてもいいが、それでは早目に決着が着けれない……ここでわしが倒さないと…)
ジョセフ(しかし、今のわしでは2人を倒せる可能性は0に近い……そんな無謀な事はせん…ここはあの2人を分散させる事にしよう。)
ジョセフ(年老いてもジョセフ・ジョースターの頭脳は衰えてない所を見せてやるッ……!!)
?to be continued?
392:
ガラガラ
ペッシ「………………」キョロキョロ
ペッシ「どうやらあいつ運転室の方向へ逃げ込んだようですぜ兄貴ィ……」
兄貴「いや…まだ分からない。よく周りを探しながら進めッ。」
ザッ
ザッ
ゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ「……………」ゴクッ
シュビッ
兄貴「!」
兄貴「ザ・グレイトフル・デッドッ!」
ガッ
ペッシ「あいつのスタンドだッ!」
393:
ガラガラー!
ペッシ「! 兄貴ィッ! あいつオレらが驚いた隙に隣の車両に向かいましたぜッ。」ダダッ
ペッシ「待ちやがれッ!!」ガラガラー!
兄貴「待てペッシッ! オレたちはまだあいつの姿を見ていない!」
ペッシ「え?」
ビシビシビシビシビシ
ペッシ「あ!」
ガシッガシッ
パンパンッ!
ペッシ「と…扉が開かねーッ! こいつはジョセフのスタンドッ!?」
ゴゴゴゴゴゴ
394:
スッ
ジョセフ「正解じゃ……おたく残念な子分を持っちゃったねェ?。」
ジョセフ「あんたとペッシを引き離しさえすれば勝算は五分…それどころかワシの方が有利かもなァ???。」
兄貴「何を勘違いしている…これでオレたちを分散したつもりか? ペッシのスタンドにはこんな扉など通用しない。それどころかオレ1人でもお前なら倒せるさ。」
兄貴「おいペッシッ! 聞こえてんのか! いるんなら返事ぐらいしろッ。」
……
シ?????ン
ペッシ「あ…兄貴ィ……今返事するのは厳しいってもんがあるゼッ……」
ミスタ「そりゃそうだ。動いたらお前の眉間をオレがブチ抜くからな。」
ミスタ(それにしてもあいつのスタンドが亀の中に入って来たのには驚いたぜ……しかも、いきなり“2人の敵がいる。とりあえず手前の車両にいる1人の敵を足止めしてといてくれ”って手紙を書いてこっちによこすなんてよ……お前はスタンドをペット扱いしてんのかよ。)
395:
兄貴「…………………………」
ジョセフ「あれれェ?。おたくの子分何で返事しねーんだ? もしかして…ワシが呼んだ仲間と交戦でもしてんのかなァ?。それとも…」
ジョセフ「頼りない兄貴を捨てて逃げちまったのかなァ??」
兄貴「………………」
兄貴「どっちでもいい。今はお前を倒す事が最重要だ……」
ジョセフ「そう言って本当は子分の事心配しとるんじゃないのォ??」
兄貴「フフフ…」
ジョセフ「ニヒヒ。」
ゴゴゴゴゴゴ
396:
兄貴「ザ・グレイトフル・デッドッ!!!」グアッ
ジョセフ「ハーミット・パープル!!」シュビッ
ザ・グレイトフル・デッドとハーミット・パープルで拳を覆ったジョセフが殴りあう
兄貴「タコがッ。力勝負で今のお前に勝算はないッ。老人には老人のパワーしか出せねーんだよッ!」
ジョセフ「なら老人は老人らしく戦うまでじゃ!!」
バゴォ
バリバリッ
兄貴「こ…これはッ!?」
397:
ジョセフ「一点に波紋を集中させる事によってお前の老化攻撃を防いどるんだよ。お前に触れるとすごく老けるからの?。」バリバリッ…
ジョセフ「そしてッ!!……」バリバリッ!
ジョセフ「この波紋を逆にお前に流してやるッ!!!!」
兄貴(こ…こいつ…スタンド以外に戦う手段があったのか…!!)
兄貴「クアッ!」
ジョセフ「年寄りを舐めちゃあいかんぞ?」ニヤッ
バリーン
ジョセフ「もしここにエリナおばあちゃんがいたら怒られそうじゃな…“周りの人に迷惑をかけたのねジョジョ!”とな。というか今のわしの年で『エリナおばあちゃん』って言うのも違和感バリバリじゃの……」
パリッパリッ
398:
ジョセフ「大丈夫か? 窓のガラスの破片が刺さって血がドバドバ出とるようじゃが…?」
兄貴「……………………」
ジョセフ「乗客の苦しみはそんなもんじゃないぞ……その苦しみで死んでしまった乗客もいるじゃろうからな。」
兄貴「…生憎、今のオレは乗客が1人や2人…いや…何十人死のうが、何も思わねー。そのせいでオレが地獄に行ったとしてもそれはしょうがねーと思ってる……」
兄貴「なぜなら! オレはトリッシュを奪えるなら何だって罰を受ける『覚悟』があるからだッ。それが悪い事だとしても…」
兄貴「オレは実行するッ……!」
兄貴「こい…ジョセフ……」ドバッ
ダラダラー…
ドドドドドド
ジョセフ「……やれやれ…イタリアに着いて1番厄介な敵じゃわい…」
399:
兄貴「くらえッ! ザ・グレイトフル・デッドッ!!」
プロシュートはスタンドで攻撃しようとする
ジョセフ「ハァ?…」
ジョセフ「わしはもう疲れた……勝手に攻撃するならしてこい。」
ジョセフ「だが、その攻撃はお前に返ってくるがな。」
シュルシュル
兄貴「!」
ジョセフ「窓を割ったのはお前じゃ。金を持ってないのなら、命で償わんといけんぞ。」
シュルシュル
兄貴(窓の外にスタンドが!? そんなはずはッ!!)グイッ
400:
ジョセフは窓の外にある柱に自分のスタンドを掴ませ、プロシュートが攻撃するときに腕をそのイバラに巻き込ませたのだ!
あとは、プロシュートが窓の外に出るまでイバラを出し続ければいいだけだった。
兄貴(ま…間に合わないッ……)ビシッ!
兄貴「クソがぁーーーーーーーーーーーーーー!!!」ボゴォ
シュルシュル…
ゴトンゴトン
ジョセフ「ゴホン…ゴホン…」
ジョセフ「アディオス!!」
ジョセフ「あっ、これスペイン語じゃった。」
401:
ミスタ「何だぁ? 今の叫び声は?」
ペッシ「今のは兄貴の声だ……あ…兄貴ィッ!!!」ダダッ
ガラガラ
ミスタ「あっ! 待ちやがれパイナップル頭!」ダダッ
ジョセフ「…………」
ペッシ「お…おいジョセフ……お前兄貴をどこにやった……?」
ジョセフ「兄貴ィ? 今ごろ外でレールの代わりやってんじゃあねーか?」バッ
ペッシ「ジョ…ジョセフの野郎が若返ってやがるッ……それに…」
乗客1「な…なんだ? 今まで何だったんだ?」
乗客2「何か、さっぱりしたもの食いたくなくなったな。」
乗客3「オンギャーーーーオンギャーーーー!」
402:
ジョセフ「若返ってるだァ?? 元に戻ってるっていいやがれッ!」
ペッシ「う…嘘だーーーーーーーーッ!!!!!」
バッ
ジョセフ「外を見たって同んなじだよ。やつはオレが倒したって言ってるだろ?」
ペッシ「!」
ペッシッ「あ…ああ……
あ…」
ダダッ
ミスタ「今度はそっちに逃げんのかよ…」
403:
ジョセフ「ミスタ、亀はどうした?」
ミスタ「亀ならちゃんとオレが持ってるよ。それよりあいつを始末しなくていいのか? あんな奴でも敵は敵だぞ。」
ジョセフ「分かってるよ…あいつを始末すんのはあんたがやってく……」
乗客1「ああああああ、また老けていってるううううううう。」
ジョセフ・ミスタ「!!」
乗客2「おいあんたああああ、これはどういう事だああああああああ?」
ジョセフ「おいおい……嘘だろ?」
キキイイイイー!
ミスタ「パイナップル頭が…電車を止めたのか…?」
404:
ガッ
ジョセフは窓から外を見た。
そこにはもちろんプロシュートの姿はなかった。『風景の中には』いなかった。
次にジョセフは不意に車輪を見た。
それは無意識にとった行動であった。ジョセフ自身もまさかこんな所にいるはずはないだろうと思っていたはずだった。
しかし、そこにはボロボロになりながらも、車輪の上の空間に挟まっているプロシュートの姿があった!
ジョセフ「呆れるを通り越してその根性…尊敬するぜ……!」
ペッシ「プ…プロシュート兄貴ィィィィィィーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」
プロシュート「ペッシィ……オレは……もうあと…あと数分で死んじまう…だからよお…お前が代わりにブチャラティたちの野郎を殺れ……もうマンモーニじゃあねーんだから1人でできるよな? ……ペッシ…」
405:
ペッシ「本当に…兄貴………ううっ。そのとおりだったんだね。いったん食らいついたら腕や脚の一本や二本失おうとも決してスタンド能力は………………解除しないと…オレに言った事は!!」
ペッシ「何があろうともオレたちは娘を手に入れるんだね…兄貴。オレたちはもう、後には戻れないんだねッ!」
ゴゴゴゴゴゴ
ギョロ
ペッシ「わかったよ、プロシュート兄ィ!! 兄貴の覚悟が! 言葉でなく心で理解できた!」
ペッシ「ブッ殺すって思った時は兄貴ッ! すでに行動は終わっているって事だよね…」ビシッ
?to be continued?
420:
ミスタ「ジョセフ、念の為お前も氷を持っとけッ。もしかしたらヤバイ状況かもしれねえ!」
ジョセフ「だ…大丈夫だぜ……こんな状況でもオレは危機を乗り越えて来た。」
ジョセフ「…………」
ジョセフ「念の為! 念の為だけど! 一個だけもらっとくぜ。」
シュルシュル
グサッ
ミスタ「ジョセフッ!?」
ジョセフ「ぬあッ! な…なんだ!?」
ジョセフの首に糸が突き刺さる
421:
グリグリ
ジョセフ「ぐ……ぐぐ…」
ジョセフ(こ…呼吸がし辛えーッ。あいつのスタンドが喉にまで来てやがるッ!……)
ジョセフ「ミ…ミスタ……糸を…撃って……」
ミスタ「おい! そんな事したら体を弾が貫通しちまうぞッ!」
ジョセフ「早くッ!……う…」
ミスタ「…我慢しろよッ!!」
ダーン
ジョセフ「ぐ……」
ミスタ「おいおい…糸が切れてねーぞッ! 俺の弾を糸が避けやがった!?」
ジョセフ(こ…このままじゃ喉を切られる前に窒息死しちまうぜ……こうなったら…)
422:
ジョセフ「ミスタ……頼む…オレが死ぬ前に……ペッシを探し出して……くれ…」
ミスタ「! 何言ってんだテメーッ!」
ジョセフ「………………」
ミスタ「……死なすわけねーだろ。そこで耐えてろッ! すぐを殺してくる! いいなッ。」ダダッ
ドクン
ドクン
ドク…
ド…
………
シュー……
423:
ペッシ「ん? ジョセフの野郎、もう死んだのか? 案外たいしたことねー野郎だったな……」シュルシュル
パリーーン!
ピストルズ6「ヘイヘイヘーイッ! 見つけたゼッ! ミスタッ!」
ペッシ「!」
ミスタ「逃げんなよ……パイナップル頭ッ!」
ミスタ「さっさとお前を倒さねーとジョセフが死んじまうからな。」
ペッシ「……ハッ、ジョセフの野郎だったらもう死んだぜッ! 証拠にオレはもう糸を戻してるッ。」
ミスタ「! !? そ…そんなハズねーだろ! あいつの生命力はゴキブリ並だッ! ハッタリかましても無駄だぜッ!」
ペッシ「ゴキブリだって寿命があるってんだッ!」シュッ!
ペッシ「ビーチ・ボーイッ!」シルシルシル
ミスタ(そんなハズはねー…のか? 本当に。……あいつは…死んだのか? ……あのバカがッ。)
424:
ミスタ(…って迷ってる場合かッ! 今はこいつを倒すッ!)バッ
ミスタ「セックス・ピストルズッ!!」
ミスタ「1、3はやつの頭を狙え! 2、7はスタンドを狙え!」
ピストルズ1・2・3・7「了解だミスタッ!!」
バーン!
シルシル
シュッ…
ミスタ「やっぱり弾が糸を通り抜けやがるか…だが、頭は外さねー。」
ボゴォ
スッ…
ミスタ「!?」
弾はペッシの耳を貫通した
ペッシ「…こんなの痛くねーぜ…兄貴の苦しみに比べりゃあなーッ。」
シルシルシル!
ガッ
ミスタ「うわッ!!」
ミスタ(足に針が食い込みやがった!)
425:
ペッシ「お前も兄貴の苦しみを味わえッ!!」
グサグサ
ミスタ「!」
ガシッ
ミスタ「くっ!」
ミスタは必死に糸が上に上がらないように抑える。が、それでも糸は心臓に向かって上がってくる。
ペッシ「兄貴ッ! 見てますかい!! 今このミスタを俺が殺すから見といてくださいよ!」
ミスタ「クッソー……」
426:
老人「お…おいあんた。」
ペッシ「!!」
老人「ちょっと…わしを立たせてくれないかい…? 何故か一人で…立てなくなって…しまってなー……」
ペッシ「……断るぜ。そのまま地面に這いつくばってな。」
老人「まったく…最近の若者は老人に対する気遣いがなってないわい。」
ペッシ「……フン。なら立てなくしてやるよ。」
ブン
老人の頭を踏み潰そうとするペッシ
ガシッ
ペッシ「!?」
427:
ペッシ「な…なんだこの力…! !? て…てめーまさか!?」
ボゴォ
ペッシ「グペエッ。」
ペッシを殴った事により、ミスタの糸が外れる
ゴゴゴゴゴゴゴ
老人「まったく…老人を舐めると痛い目にあうというのに……おまえさんのチームは少しぐらい老人を敬え!」
老人「さてと……ミスタ! 油断なんかしとるからそんな目にあうんじゃぞ!」
ミスタ「その話し方はもしかして……てめージョセフか!?」
ペッシ「う、嘘だ! ……確かにジョセフは死んだはずだ……おまえから心拍が感じれなかったのに…!」
ジョセフ「わしの波紋の腕なら心臓を少しだけ止めるのなんてちょちょいのちょいの朝飯前なんじょよ!」
ジョセフ「そのせいでまた年をとっちまったのが気に食わんがな。」
ミスタ「まったく…心配して損したぜ……」
42

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