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男の娘「魔法少女と」狐『月の住人たち』


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2:
ちなみに、過去作スレタイはこちらです
宇宙人「この度あなたが魔法少女に選ばれました!」娘「えっ、僕が?!」
男の娘「魔法少女と」狐『迷子の半獣人と獣人』
初見の方はご参考までに
では、始めます
3:
「わぁ!お月様綺麗だね、お姉ちゃん!」
「知ってるか?お月様には兎がいて、餅ついてるんだぞ」
「そうなの?」
「ほら、黒っぽい所をよく見ると、兎が餅つきしてるように見えるだろ?」
「本当だ!兎さん、餅つきしてる!」
「だけどな、お月様には、バケツを運ぶ女の人、本を読んでる女の人、爪の大きな蟹、横向きの女の人、水を運ぶ男の人と女の人、ライオンさん、薪を運ぶ男の人もいるんだってさ」
4:
「お姉ちゃん、物知りさんなんだね!お月様のみんなは仲良しさんなのかな?」
「どうだろうな?お前はどう思うんだ?」
「んー……。僕は、みんなで仲良くしてて、餅つきとか楽しい事してると思う!」
「そっか。そうなら良いな?」
「うん!僕も餅つきのお手伝いしてあげたいなぁ」
「そりゃ良いかもな。いつか手伝い出来ると良いな?」
「うん!」
5:
双子女「兎のお姉ちゃーん」
双子男「お水持ってきておいたよー」
兎少女「ありがとねー、双子ちゃん」
男の子「兎姉ちゃん、薪持ってきたよー」
兎少女「男の子くんもありがとう」
獅子「あとは、餅米だけか、兎少女よ?」
6:
兎少女「そうだよ。確か女の子ちゃんが持ってきてくれるはずだけど……」
女の子「兎ちゃーん!」ハァハァ
兎少女「あっ、女の子ちゃん。焦ってどうしたの?」
女の子「はぅぅ……。探したんですけどぉ、餅つき用のお米さんが無かったのですぅ……」
獅子「オカシイな……。まだ、一回分はあったはずだが……」
兎少女「老女さんたちに聞いてみましょう。何か解るかもしれませんし」
7:
半面女性「兎少女たちは餅つきの準備をしてるみたいですね」
老女「そうだねぇ。今夜は満月だからねぇ」
半面女性「ですが、餅つき用の米や必要な物がそろそろ切れますし、次の満月までにまた買わないといけませんね」
老女「じゃが、わしも体が融通効かない年だし、あの子たちが買い物へ行けるようにしないとねぇ……」
半面女性「そうですね。ですが、それほど難しい事ではないですし、次行く時に連れていけば良いかもしれません」
老女「それも良いかもねぇ。……おや、兎少女ちゃんたちがこっちに来るねぇ」
8:
兎少女「お婆ちゃん、半面女性さん、ちょっと聞きたい事があるんだけどいいかな?」
半面女性「何かあったか?」
双子男「餅つき用のお米が無いんだってー」
双子女「女の子お姉ちゃんが探したけど無いんだってー」
女の子「はいぃ……。一通り探したんですけどぉ、見つからなかったんですぅ……」
男の子「二人はなんか知らない?」
9:
老女「わしたちは解らないねぇ。まだ一回分はあったと思ってたんだがねぇ……」
半面女性「そういえば、蟹はどこに行ったんだ?お前たちと一緒にいると思ってたんだが?」
獅子「いや。我たちは蟹の場所は知らぬ。お主らと一緒にいると思っていたしな……」
一同「あ……」
兎少女「まさか……ね?」
半面女性「大丈夫だと思いたいが……」
獅子「とにかく、蟹を探すぞ」
10:
蟹「はぁ……。満足だぜぇ……」
兎少女「あっ、蟹さーん!見つけましたよー!」
蟹「あー?兎少女たちか。どした?」
女の子「あのぅ、餅つき用のお米さん、知りませんかぁ?」
蟹「餅つき用の米?ちょうど残り少なかったし、俺も腹空いてたから食っちゃったわ」
男の子「何やってんだよ、蟹!おかげでこのままじゃ、餅つき出来ないぞ?」
11:
蟹「マジで?あれって在庫もう無かったの?」
半面女性「今度の満月までに買おうと思ってたから、蟹が食べた分が最後だったんだ」
蟹「マジか……。みんな、ごめん……」
兎少女「大丈夫だよ、蟹さん。餅つきはまた出来るし、ね?」
女の子「でもぉ……。満月の恒例行事みたいなものだしぃ……」
半面女性「だな。恒例行事だし、きちんとやりたいモノだが……」
13:
老女「半面女性よ。ちょうど良い機会だ。兎少女らをお使いに行かせてはどうだい?」
兎少女「お婆ちゃん、お使いっていうと、地球に行くって事?」
老女「そうだよ。わしや半面女性がいつも行っているが、わしはだいぶ年も取ったし、半面女性がいつも行ける保証は無いからね」
女の子「でもぉ……。地球にはまだ行った事無いですしぃ、不安ですぅ……」
老女「なぁに、結構簡単だから、お前さんたちでも行けるよ」
男の子「地球かぁ……。俺はちょっと行ってみたいかも!」
14:
老女「なら……。男の子と、兎少女と、女の子で地球に行ってくると良い」
半面女性「念の為、私も一緒に行きますが?」
老女「大丈夫だろうし、この三人に行かせてみようじゃないか。半面女性よ」
半面女性「ですが……」
兎少女「解りました!私たち三人で地球に行ってみます!半面女性さんはここで待っていて下さい!」
女の子「ちょっと不安だけどぉ……。兎少女ちゃんとぉ、男の子君も一緒ならぁ、私も頑張ってみますぅ……!」
15:
双子男「お姉ちゃんたち良いなー」
双子女「私たちも地球行ってみたーい」
老女「お前さんたちは、もうちょっと大人になってからにしたいから、月で待ってないといけないよ?」
双子男女「「はーい……」」
男の子「じゃ、地球に行ってみようぜ!」
兎少女「おー!」
16:
老女「じゃあ、地図とか買い物のメモは持ったね?気をつけて行くんだよ」
兎少女「うん、バッチリだよ!」
半面女性「あまり遅くならないようにな?」
女の子「はいぃ。気をつけますぅ」
男の子「じゃ、行ってくるよ!」
双子男女「「いってらっしゃーい!」」
17:
獅子「……行ったな。では、蟹と双子よ。我々は待っているとしよう」
蟹「だな。じゃ、行くぞ、双子」
双子男女「「はーい」」
トコトコ……
半面女性「しかし……。本当にあの三人だけで大丈夫でしょうか……」
老女「なんだい。そんなに心配するとは、半面女性らしくないねぇ」
18:
半面女性「あの三人はまだ地球に行った事がありませんし、心配するのは当然です……」
老女「なぁに、可愛い子には旅をさせよと言うし、三人はもう良い歳だ。何かあっても自分たちで解決出来るよ」
半面女性「ですが、万が一という事も……」
老女「地球の人は優しいから、困っている人に手を差し伸べてくれるから大丈夫だよ」
半面女性「だと良いのですが……」
老女「きっと、大丈夫だよ。きっと、私の時みたいに…………」
……
22:
「これで足りなかったのは全部だっけ、女友?」
「はい、幼馴染さん。必要な分はこれで大丈夫です。協力してくれてありがとう、男の娘くん」
「僕は大丈夫だよ。買い物に付き合うのは好きだしね」
幼馴染「でも、どうせなら男友も来ればいいのにね?」
女友「仕方ないです。男友くんまで巻き込むのは、悪いですし」
23:
男の娘「でも、女友ちゃん凄いよね。お洋服とか作れるんだもんね!」
女友「まぁ、趣味ですから」
幼馴染「しかも、上手いし、可愛いんだよ、女友が作る服!」
男の娘「僕は女友ちゃんの作った服見た事無いから、今度着るのが楽しみだな!」
女友「楽しみに待っていて下さいね、男の娘くん」
幼馴染「私も久々に着るの楽しみだなぁ!」
24:
女友「……では、来週お願いしますね?」
男の娘「勿論!楽しみにしてるね!」
幼馴染「じゃ、私たちはまだ寄る所あるから。じゃあね、男の娘」
女友「では、今日はありがとうございました。またね、男の娘くん」
男の娘「うん、バイバイ。気をつけてね、二人ともー」
25:
ヒョコッ……
狐『お買い物、お疲れ様です、マスター』
男の娘「狐ちゃんもお疲れ様」
狐『今日は女友様が手芸屋さんで、生地を沢山お買い上げしてましたが、何かあるのですか?』
男の娘「来週までに、女友ちゃんがお洋服作ってくれるから、それの買い出しだよ」
狐『そうでしたか。どのようなお洋服か、わたくしも楽しみにしておきますね』
26:
男の娘「僕もどんな服か聞いてないから、来週が楽しみだよ」
狐『きっと、出来上がるお洋服は、マスターにお似合いのお洋服でしょうね。では、この後マスターはどちらへ?』
男の娘「この後は、お菓子を買いに行くよ。今日はドーナッツが全品100円の日だから、沢山買って行くんだ……!」キラキラ
狐『ですが、買いすぎはいけませんよ』
男の娘「大丈夫だよ。食べられる分しか買わないようにしてるからね」
狐『ちなみに、幾つほどご購入予定でしたか?』
27:
男の娘「ポン・デ・リングにぃ、オールドファッションにぃ、フレンチクルーラーにぃ、エンゼルフレンチにぃ、カスタードクリームにぃ、エンゼルクリームにぃ……」ペラペラ
狐『マスターは相変わらず、沢山お食べになりますねぇ』
男の娘「あっ、でもね、お姉ちゃんに頼まれた分もあるからね?全部、僕が食べる訳じゃないからね?」
狐『勿論、ご承知していますよ、マスター。ただ、マスターはお姉様の倍、お食べになる位ですからね』
男の娘「う……。それは否定出来ない……」
狐『ですが、わたくしは美味しそうによく食べるマスターは好きです。大変可愛らしいと思いますよ』
28:
男の娘「た、食べる姿って、そんなに可愛いモノなのかな……?」
狐『可愛いと思いますよ。この前も、頬っぺたにクリームを付けたまま、ケーキ(ワンホール)をとても大きめな一口サイズをフォークに刺して、美味しそうに頬張っていたマスターは、大変可愛らしい姿でしたよ』
男の娘「そ、それは、恥ずかしいからもう言わないでよ、狐ちゃん!///」
狐『申し訳ありません。では、お話は程々にして、お菓子屋さんに行きましょう、マスター』
男の娘「う、うん。じゃあ、行こうか、狐ちゃん」
狐『はい。向かいましょう』
29:
兎少女「次は右です!」
男の子「本当か……?」
女の子「大丈夫ですよぉ。きっとぉ……」
兎少女「んでんでんで……。あれ……」
女の子「どうしたんですかぁ?」
男の子「次はどうするんだ?」
30:
兎少女「ここを左のはずです……」
女の子「左はぁ……。曲がれませんよぉ……?」
男の子「……だな。兎姉ちゃん、地図見るの苦手だったりする?」
兎少女「うーんとぉ……。正直、途中から解らなくなってました……」
男の子「やっぱり……。じゃあ、女姉ちゃんは地図見て、案内するの大丈夫?」
女の子「不安だけどぉ、多分大丈夫かなぁ……」
31:
男の子「じゃあ、地図担当は女姉ちゃんで、ここからは行こうか」
兎少女「うぅ……。二人ともごめんなさい……」シュン
女の子「大丈夫ですよぉ。落ち込まないでぇ、兎ちゃん」
男の子「でも、もし次から解らなくなったら、正直に言ってよ?」
兎少女「はーい……」
女の子「じゃあぁ、一度来た道を戻ってみましょうかぁ。それなら、大丈夫でしょうしぃ」
33:
男の娘「ドーナッツ楽しみだなぁ」ルンルン
狐『お店まで、もう少しですね』
男の娘「だねぇ。……あれ?」
狐『どうなさいましたか、マスター?』
男の娘「あそこにいる三人が、地図広げて立ち止まってるなぁと思って……」
狐『ですね。……おっと、マスター。あの方々、地球の方ではないです』
34:
男の娘「そうなんだ。道が解らないとかかな?」
狐『見た限り、まだマスターと似たお歳の方々そうですし、まだ地球に不慣れと見受けられますね』
男の娘「じゃあ、ドーナッツは後回しにして、一応あの子たちに確認してみようか、狐ちゃん?」
狐『ですね。お楽しみだったところ、申し訳ありませんが、マスターお願いします』
男の娘「周りに人はいないから……っと……。狐ちゃん、魔法少女出動!スペシャルソーサリーシステム、起動!」
狐『はい!装備、機能異常無し。起動します』
シュンッ……
35:
女の子「うーんとぉ。この先で大丈夫そうですねぇ……」
兎少女「あぁ、良かったよー!ありがと、女の子ちゃん!」
男の子「流石、女姉ちゃん、いざという時は頼りになるぜぇ……」
「こんにちは、皆さん。今、大丈夫ですか?」
兎少女「あっ、はい、何でしょうか?」
女の子「えーっとぉ、どちら様でしょうかぁ?」
36:
男の娘「僕は、全宇宙管理局所属地球担当の魔法少女です」ピッ
狐『わたくしは、SSS個体番号SSS-U12Xiこと、狐と申します。ちょうど、マスターが地図を広げていたあなた方をお見かけしまして、念の為にお声掛けさせて頂きました』
男の子「魔法少女?悪役の人じゃなくて?」
男の娘「たまにそんな感じで聞かれますが、違いますよ?」
兎少女「でも、可愛い服ですね!」
女の子「私もこんな服が似合う女の子になりたいですぅ」
37:
狐『ちなみに、マスターは女性ではありません。男性ですよ』
男の子「……男って事?……この人が?」
女の子「ふぇ?魔法少女さんはどう見ても、女の子ですよねぇ?」
兎少女「狐さんでしたか?面白い冗談を言うんですねぇ」
狐『信じて貰えませんねぇ、マスター』
男の娘「仕方ないよ……。もう一回証明書を見せればいいだろうし……。皆さん、宜しければもう一度、性別欄見て頂いていいですか……?」ピッ
38:
All Universe
Defense Department
Special Sorcery System
Contractor Certificate
(全宇宙防衛局スペシャルソーサリーシステム契約者証明書)
Individual number SSS-U12Xi User
(個体番号SSS-U12Xi使用者)
※User Information(使用者情報)
From・Japan,Earth,Solar system planet(出身・太陽系惑星 地球 日本)
Gender・Male(性別・男性)
Tribe・Human(種族・人間)
Birthday・◯.◯.20XX(誕生日・20XX.◯.◯)
Other・This person is Special Sorcery System special contractor.
(その他・この人はスペシャルソーサリーシステム特例契約者です)
男の子「本当に男なんだ……」
兎少女「だねぇ……。間違えてごめんなさいです!」
女の子「でもぉ、魔法少女さん、本当に可愛いですねぇー」
39:
男の娘「えーと……。あ、ありがとうございます……///」
狐『宜しければ、皆様のお名前をお伺いしても宜しいでしょうか?』
兎少女「私は兎少女で、男の子くんと、女の子ちゃんです」
男の娘「地図を広げてましたが、道が解らないですか?」
男の子「さっきまでは、かな。兎姉ちゃんが地図見ても解らないって、適当に歩かされたから迷いかけたけど……」
兎少女「男の子くん、その事は言わなくていいよ!///」
40:
狐『ちなみに、皆様の目的地はどちらですか?』
女の子「地図だとぉ、ここですぅ」チョンッ
男の娘「ここは……。あっ、ちょうど、僕もここに用事があるので、案内がてら一緒に行きますよ?」
兎少女「本当ですか!?これなら、間違いなく行けそうですね!」
男の子「だな。じゃあ、魔法少女のお兄さんが良いなら、お願いしたいな!」
男の娘「僕で良ければ、喜んで!」ニコッ
……
42:
……
狐『お三方の目的地はこちらですね』
兎少女「おー、大きい建物ですねぇ……」
男の娘「ですよねぇ。この辺りで一番大きいショッピングモールですから。多分、皆さん初めてでしょうし、僕も何かお手伝いしますよ?」
女の子「ぜひお願いしますぅ。私たちだけだったらぁ、迷っちゃって大変かもなのですぅ……」
男の子「だなぁ……。じゃ、お願いします!」
男の娘「では、お店に入りましょうか」
43:
ガヤガヤ……ガヤガヤ……
兎少女「ふぁ……。人が一杯で歩くだけでも大変そうですねぇ……」
狐『ショッピングモールに用事といいますと、何か必要な物がお有りですか?』
女の子「んーとですねぇ、まずは餅米が必ず欲しいのですぅ」
男の子「あとは、適当に保管の効く食べ物を沢山買いたいかな」
男の娘「そうなると、食料品関係ですね」
狐『では、食料品関係はあちらにありますから、皆で行きましょう』
兎・男・女「「「はーい」」」
44:
男の娘「お米関係はこの辺りだね」
男の子「おー、餅米じゃないけど、沢山あるなぁ」
女の子「本当ですぅ。選り取り見取りですぅ」
狐『おや。兎少女様、立ち止まっていらっしゃいますが、どうかなさいましたか?』
男の娘「ん?兎少女ちゃん、どうしたの?」
兎少女「お餅がカチコチになって売ってる……」ポカーン
45:
男の娘「うん……?あっ、これね。これは、火を通したりしてから食べるお餅だよ」
兎少女「え!?地球の人はお餅をついてから食べないんですか!?」
狐『現代だと、お祭りなど以外では、お餅をご自身でついて食べる方は、なかなかいらっしゃらないはずです』
男の娘「もしくは、お家に餅つきの機械があって、それでお餅を作って、お正月に食べるくらいかな?」
兎少女「そ、そんなんですねぇ……」ポー
46:
男の娘「あのぅ……。男の子くん、女の子ちゃん。兎少女ちゃんなんか虚ろな感じだけど、僕、何か酷い事言っちゃったかな……?」
男の子「あー……。気にしないで良い……と、思う」
女の子「兎少女ちゃんはぁ、お餅が大好きなのでぇ、カルチャーショックを受けてるだけかもですぅ」
兎少女「あ、あのっ!魔法少女さんっ……!」
男の娘「は、はい、何でしょうか?」
兎少女「このお餅って美味しいんですか!?」
47:
男の娘「うーん。つきたて程じゃないかもしれないですけど、僕はそれ好きですよ……?」
兎少女「じゃあ、買ってみます!」
狐『七輪で焼いたりすると美味しいはずですから、ぜひお試し下さい』
兎少女「はい、試してみます!」
男の子「ほら、兎姉ちゃん。そのお餅も良いけど、早く餅米選ぼう?」
女の子「あっちにありますからぁ、行ってみるのですぅ」
48:
男の娘「ちなみに、どのくらい必要なのかな?」
男の子「んー。餅米は10kgで良いけど。あと、白米も余分に30kg買っておこうかなぁと」
女の子「蟹さんが食いしん坊なのでぇ、ストックがあった方が良いのですぅ」
男の娘「蟹さん?」
兎少女「蟹さんは家族みたいなモノですよ。あと、本好きなお婆ちゃんと、左半分だけの仮面を付けた半面女性さんと、双子ちゃんたちと、ライオンの獅子さんと一緒なんで、そこそこ大所帯なんですよ」
狐『そうでしたか。確かに食料品は沢山必要かもしれませんね』
49:
男の娘「そうかぁ。賑やかで楽しそうだね!」
女の子「楽しいですよぉ。ただ、私たちくらいしかいないので、ちょっと寂しい気もしますがぁ」
男の子「まぁ、それは俺らがいる場所的に仕方ないけどな」
男の娘「でも、皆で仲良く過ごしてるなら、それでも良いかもね」
男の娘(そういえば……)
男の娘(兎少女ちゃん……、本の好きなお婆さん……、ライオンの獅子さんに蟹さんかぁ……)
(何か……、記憶にあるような……)
50:
狐『どうなさいましたか、マスター?』
男の娘「えっ?あっ、いや、何でもないよ」
女の子「ではではぁ、お米類は買ったのでぇ、他も色々と見てみるのですよぉ」
男の子「じゃあ、違うトコ見に行くか」
兎少女「だね!魔法少女さん、次も宜しくお願いします!」
男の娘「うん。じゃあ、向こうから見ていこうか」
トコトコ……
51:
兎少女「いやぁ、買ったねぇ」
男の娘「ですねぇ……」
男の子「買ったなぁ」
狐『お米類は40kgもありますが、お三方で本当に大丈夫ですか?』
女の子「お米類は私が持てますからぁ、その他を兎ちゃんとぉ、男の子くんに持って貰えればぁ、何とかなりますよぉ」
52:
男の娘「でも、女の子ちゃん、40kgも持てる……?」
女の子「はいぃ。こう見えても物を運ぶのは得意なのですよぉ。見てて下さいねぇ」
ヒョイ……
女の子「これくらいなら大丈夫なのですよぉ」
男の娘「お米の袋を4段重ねて持てるって凄いねぇ……」
狐『わたくしも驚きました。女の子様は見た目に似合わず、力持ちなのですね』
兎少女「そういえば。私たちの用事は終わりましたが、魔法少女さんのご用事は大丈夫ですか?」
54:
男の娘「僕の用事ですか?僕はまだ大丈夫ですよ」
男の子「俺らはまだまだ時間に余裕あるし、良ければ付き合うよ。な、二人とも?」
兎少女「はい!私は大丈夫です!」
女の子「同じくですぅ!」
男の娘「ですか……?では、お店の中を回りながら、一緒に行ってみますか?」
兎・男・女「「「はい!」」」
55:
兎少女「本当に一杯お店があるんですねぇ」
女の子「ですねぇ。あと、カートで運ぶ方がやっぱり楽チンなのですぅ」カラカラ
男の子「あ、あそこで飲み物配ってるな」
狐『あれはコーヒーの試飲ですね』
男の娘「僕はかなり甘くないと飲めないからなぁ……。皆はコーヒー飲めるのかな?」
56:
兎少女「半面女性さんがよく飲んでた気がしますが、私たちは無いですし、飲んでみたいかもです!」
男の子「俺も興味あったし、飲んでみよっかな」
女の子「私も飲んでみたいのですぅ!」
狐『では、あの方から頂けますから、お試しになられては?』
男の娘「じゃあ、あのお店に行ってみようか」
57:
ドウゾー……アリガトウゴザイマスー……
ゴクゴク……
男の娘「皆、大丈夫?苦くないの?」
兎少女「私はもう少し甘い方が好きですが、大丈夫ですよ」
男の子「俺はもう少し苦くてもイケる」
女の子「私もバッチリ大丈夫ですぅ」
狐『皆様、お気に召したようですね。マスターは如何ですか?』
ゴクッ……
男の娘「うぅ……。やっぱり甘くないぃ……。お砂糖追加してほしいぃ……」グスンッ
58:
兎少女「魔法少女さんは甘党なんですねぇ」
男の娘「うん……。甘いの大好きだよ……」
男の子「このコーヒー、きちんと砂糖入ってるけど、魔法少女のお兄さんはどれくらいならいいの?」
男の娘「うーん……。この小さな紙コップなら……。シュガースティック追加で欲しいかも……」
狐『マスターは普段ココアですし、コーヒーならカップにシュガースティックを最低三つ、ミルクをたっぷり入れないと飲めませんからねぇ』
女の子「流石に甘過ぎますよぉ」
59:
男の娘「皆はこれをすんなり飲めるなんて、大人なんだねぇ……」
兎少女「味覚には個人差がありますし、仕方ないかなぁって思います」
男の子「でも、思ったより美味しいし、今度からコーヒー飲みたくなったな」
女の子「ですねぇ。ココアは美味しいんですがぁ、コーヒーもなかなかですぅ」
男の娘「僕は当分ココアで良いかも……。とりあえず、残しちゃいけないし、一気に……」ゴクゴクッ
男の娘「うぅ……。やっぱり苦いぃ……」グスンッ
61:
トコトコ……
男の娘「僕の目的地はここ。ドーナッツ屋さんだよ」
兎少女「おー!甘くて良い匂いがしますねー!」
女の子「ですねぇ!食用が掻き立てられるですぅ!」
男の子「確かに。ちょっと小腹も空いたし、食べていこっか」
男の娘「じゃ、みんなでドーナッツ食べていこうか!」
62:
男の娘「好きなの決まったら店員さんに言えばいいよ」
兎少女「迷っちゃいますねぇ……」
女の子「クルクルのヤツが可愛いですぅ」
男の子「俺はライオンのたてがみみたいなヤツが良いかもなぁ」
狐『焦らず決めていいですよ。マスターは持ち帰りですし、先にご注文なされては?』
男の娘「だね。すいませーん、注文お願いしまーす」
63:
店員「はい。ご注文伺います」
男の娘「持ち帰りで、ポン・デ・リング二つ、オールドファッション二つ、フレンチクルーラー二つ、エンゼルフレンチ二つ、カスタードクリーム二つ、エンゼルクリーム二つにぃ……」ペラペラ
女の子「魔法少女さんはぁ、沢山買いますねぇ」
狐『マスターは自分以外にも、お姉様の分もありますので、今日は沢山買いますよ』
男の娘「あと、食べていく用で、ポン・デ・リング、フレンチクルーラー、カスタードクリームを一つずつ……。あ、あと、坦々麺と点心セットにオレンジジュースでお願いします!」
64:
兎少女「魔法少女さん、お家に帰ってからも、食べるんですよね……?」
男の子「だよな……?食べる量が凄いような……」
狐『これでも、食べていく用は普段より少ない方ですよ』
女の子「そうなんですかぁ……。でもぉ、よく食べる方は素敵かと思うのですぅ」
男の娘「僕は注文終わったから、皆も注文すると良いよ?」
狐『では、お決まりでしたら、お三方もご注文して下さいね』
65:
兎少女「と、いうワケで、私はシュガーレイズドにしてみました!」
男の子「ポン・デ・リングとフランクパイにしてみた!」
女の子「私はぁ、エンゼルフレンチにしてみましたぁ!」
男の娘「じゃ、皆が揃った所で……。頂きまーす!」
兎・男・女「「「頂きまーす!」」」
66:
兎少女「うん!甘くて美味しい!」
男の子「パイもイケるぞ!」
女の子「クルクル美味しいですぅ!」
男の娘「うぅん!ドーナッツ美味しいぃ!」パク
男の娘「うん!点心と坦々麺も美味しいぃ!!」パク
67:
兎・男・女(((良い食べっぷりだなぁ……)))ジィー
男の娘「ん?皆さん、どうしたんですか?僕の顔に何か付いてますか?」モグモグ
狐『大丈夫ですよ。マスターのお顔には、何も付いていませんから』
女の子「はいぃ。ただぁ、良い食べっぷりだと思いましてぇ」
男の子「だな。これで女の子だったら、惚れてるかもしれないくらい」
兎少女「でも、実際美味しいしねぇ、コレ」
68:
男の娘「は、はぁ……。確かに、前にも似た事は言われましたが……///」
狐『初出動で、スライム様、タコ様、植物亜人様と、牛丼を食べた時ですね。今やあの時が、懐かしいような気持ちもありますね』
男の娘「そうだねぇ。もう地球から旅立ったみたいだけど、今はどうしてるのかなぁ……?あっ、ごめんね、皆さんが解らない話をしちゃって……」
兎少女「いえいえ。それに、その時も魔法少女さんが美味しそうにご飯食べてるのが、想像出来ましたし」
男の子「てか、牛丼って食べに行ってみたいなぁ……」
女の子「ですねぇ。次にまた地球へ来た時はぁ、牛丼屋さんに行ってみましょうぅ」
69:
男の娘「では、また地球に来て頂いた時に、僕で宜しければご案内しますね?」
兎少女「では、その時は宜しくお願いします!」
男の娘「こちらこそ、その時はぜひ!」
狐『では、完食した後はどうなさいますか、皆様?』
女の子「ではぁ、まだ見ていない場所をぉ、もう少しぃ見てみたいですぅ」
男の娘「では、食べたら皆さんとお店の散策をしましょうか」
70:
トコトコ……
兎少女「はぁー……。美味しかったですねぇ!」
女の子「また食べたいのですぅ」
男の子「また来ような!」
男の娘「気に入って貰えたなら、良かったです」
兎少女「はい!それはそうと、賑やかな場所まで来ましたねぇ」
狐『こちらはゲームセンターのエリアですね』
71:
男の子「色々なヤツがあるなぁ!」
男の娘「ここは、僕も友達とよく遊びに来る場所ですよ」
兎少女「ここ、とっても楽しそうですねぇ!」
女の子「魔法少女さんはぁ、ここだと何で遊ぶんですかぁ?」
男の娘「僕?僕は……。あそこにある音楽に合わせて、ボタンを叩くゲームでよく遊ぶよ」
72:
兎少女「これですね」
男の子「丸いヤツが九個あるな」
男の娘「ボタンは九個あるけど、初心者用に五個で叩けるようにも出来るし、対戦で左右三個ずつ使えるようにも出来るよ」
狐『ちなみに、マスターは九個ボタンで普段叩いてらっしゃいますよ』
女の子「もし良ければぁ、魔法少女さんがやってるところぉ、見てみたいですぅ!」
男の娘「僕?そんな大した腕じゃないけど……。まぁ、やってみるね」チャリン
73:
ピピ……ダダダ……ピピ……
男の娘「じゃあ、一曲目行くよ。この曲は猫さんが可愛いし、曲も好きなんだよねぇ」
<ピンポンダッシュ ダレモ ソコニハ イナイワ
兎「おぉ!魔法少女さん、凄いです!」
狐『ですが、マスターがやっているのは、まだ難易度が低めなんですよ。難しいモノはもっと凄いですから』
74:
男の娘「次はぁ……、これかな。これは女の子のキャラも可愛いけど、リズム感とかも好きな曲なんだー」
<フライハイ! イクテサエギルモノ
男の子「簡単な方とはいえ、魔法少女のお兄さん、よく九個もボタン叩けるなぁ……」
狐『マスターも最初は五個しか叩けませんでしたから、慣れれば皆様もきっと九個ボタンで出来ますよ』
75:
男の娘「最後はこれだね。このゲームといえばって感じの曲だし、和風な感じが良いんだよねぇ」
<サイテ サイテ ツキニオネガイ
女の子「この曲良いですねぇ!気に入りましたぁ!」
狐『このゲームは、良い曲が多いみたいですから、ファンも多いですよ』
76:
男の娘「終わったよー。なんか僕だけ楽しんだみたいになってゴメンね?」
兎少女「いえいえ!凄かったです!」
男の子「大丈夫だよ、見てて楽しめたし!」
女の子「私もですぅ!今度やってみたいですしぃ、魔法少女さんみたいに上手くなりたいですぅ!」
男の娘「な、なんか、大した事してないから、照れ臭いなぁ……///」
77:
狐『ちなみに、難しい曲だと、今やっていらっしゃる方のような感じですよ』
男の娘「だね。あの人、よくあのゲームをここでやってて、かなーり上手い人だったかな」
バババババ……
兎少女「て、手捌きが……」
男の子「とにかく凄いとしか言えない……」
女の子「上から落ちてくるのがぁ、魔法少女さんの時より大量ですぅ……」
男の娘「上手い人って凄いよねぇ」
78:
男の子「でも、魔法少女のお兄さんがやったヤツ以外にも色々あるよな」
男の娘「音楽系は太鼓のモノもありますし、ギターやドラムとかのゲームもありますからね」
兎少女「ここも、またゆっくり来た時に遊びたいです!」
女の子「ですねぇ。楽しみが増えますねぇ」
狐『では、一通り見ましたし、次に行きましょう、皆様』
81:
男の娘「次は家電とかがあるエリアだね」
女の子「沢山機械がありますぅ」
男の子「そういえば、さっき話してた餅つきする機械って見てみたいかも」
兎少女「私、気になります!」
男の娘「あるか解らないけど、ちょっと見ていってみよっか」
兎少女「はい、お願いします!」
82:
男の娘「んーと……。あっ、ちょうど一つここに有ったよ」
兎少女「えーと、これですか?」
男の子「なんか外見は近くにある炊飯器ってヤツと変わらないような……」
女の子「ちなみにぃ、炊飯器と餅つき機ってぇ、どこが違うんですかぁ?」
狐『餅つき機は中に回る装置が付いていまして、それで炊いた餅米を回して、お餅を作るようになっています』
83:
兎少女「うむむぅ……。それって餅つき機というより、餅米回し機じゃないですか?」
男の娘「まぁ、確かにね……。でも、きちんとお餅になるよ」
兎少女「なるほどぉ……」ジィー
狐『兎少女様はお餅関係になると、周りが見えなくなったりするのでしょうか?』
男の子「するかも。兎姉ちゃんはお餅馬鹿だからなぁ」
女の子「ですよぉ。本の虫さんならぬ、餅の虫さんなのですぅ」
84:
兎少女「確かに便利そうではありますが、お餅は炊き立ての餅米を、杵と臼でついたお餅こそ一番なのです!」
男の娘「それは僕も解るよ!美味しいもんねぇ!」
兎少女「魔法少女さんもつきたてお餅好きですか!?」
男の娘「うん!僕はお正月にお祭りとかでしか食べた事ないけど、本当にもっちりしてて止まらなくなっちゃうんだよぉ……」
兎少女「私はつくのは勿論ですが、食べるのも好きなんですよぉ!本当に良いですよねぇ……」
狐『さすが、マスター。食べ物関係はすぐに意気投合しましたねぇ』
85:
女の子「それにしてもぉ、この建物は広くてぇ、全部見て回るには大変なのですねぇ」
男の子「でも、二階がまだあるとか凄いよなぁ」
男の娘「でも、あとは殆ど衣服関係だけどね。途中にもあったけど、見て行くなら付き合うよ?」
兎少女「見てみたい気もしますが……。ちなみに、今、時間ってどうなってました?」
狐『もうすぐで夕方になりますよ』
女の子「そうですかぁ。ではぁ、私たちはそろそろ帰らないといけないのですぅ……」
86:
男の娘「そうだったんだね。時間はまだ大丈夫かな?」
兎少女「はい!今からなら、まだ余裕があるくらいなので、大丈夫ですよ!」
男の子「魔法少女のお兄さん、わざわざありがとね!お陰で楽しめたよ!」
男の娘「なら、案内した甲斐があるし、良かったです。もし良ければ、荷物も多いし、行き先までお手伝いしましょうか?」
女の子「ですがぁ、なんか頼ってばかりで悪いですよぉ……」
男の娘「僕は買い物出来たし、予定も入ってないから大丈夫ですよ。それに、魔法少女として皆さんを安全に見送るのも、仕事のうちですから」ニコッ
87:
狐『マスターもそう仰っていますし、遠慮なさらず大丈夫ですよ、皆様』
兎少女「じゃあ……。すみませんが、お手伝いして頂いても良いですか?」
男の娘「はい、喜んで!」
男の子「本当にありがと、魔法少女のお兄さん!」
女の子「魔法少女さん、ありがとうございますぅ!」
男の娘「いえいえ。じゃあ、出口に行きましょうか」
88:
男の娘「じゃあ、狐ちゃん。楽に持てるように、パワー型へ変更お願い」
狐『はい、パワー型にします』ピッ
男の娘「よっ、と。やっぱりパワー型だと、30kgでもすんなり持てて便利だね」ヒョイ
女の子「魔法少女さんも凄いのですぅ。ではぁ、私は餅米を持ちますからぁ、兎ちゃんと男の子くんで残りをお願いするのですぅ」
男の子「はいよ、任された!」
兎少女「任されました!」
狐『では、目的地まで参りましょう』
89:
トコトコ……
男の娘「皆、大丈夫?」
兎少女「大丈夫ですよ」
女の子「はいぃ。米袋一つなら楽々なのですよぉ」
男の子「俺も大丈夫だよ!」
狐『目的地までは、間も無くですね』
男の娘「だね。それにしても、今日は夕日が綺麗だなぁ」
90:
狐『そうですね、マスター。あと、頭上に月も見えていますよ』
男の娘「あっ、本当だ。夜の月も綺麗だけど、お昼や夕暮れの時のお月様も良いよねぇ」
兎少女「へぇ……。月って、地球からはこう見えてるんですねぇ……」
男の子「だな……。月って何も無いけど、地球からは、こんな風に見えるんだなぁ……」
女の子「ですねぇ……。夜だとぉ、もっと綺麗なのかもですねぇ……」
男の娘「夜だともっと綺麗だよ!そういえば……、お月様といえば、昔の事を思い出したよ」
91:
狐『昔といいますと、マスターが小さな頃のお話ですか?』
兎少女「ちなみに、どんな事ですか?」
男の娘「小さな頃に、僕のお姉ちゃんとお月様見てた時の事だよ」
男の子「魔法少女のお兄さんは、お姉さんがいるのかぁ」
男の娘「うん。その時、お姉ちゃんがお月様には、餅つきする兎さん、バケツを運ぶ女の人、本を読んでる女の人、爪の大きな蟹さん、横向きの女の人、水を運ぶ男の人と女の人、ライオンさん、薪を運ぶ男の人がいるって教えて貰ったんだ」
女の子「なるほどぉ……。それでどうなったんですか?」
92:
男の娘「それで、お姉ちゃんにお月様の皆はどう過ごしてるか聞かれたから、皆で餅つきしたりして仲良く過ごしてるって言ったんだ」
男の娘「それでね、確かこうも言ったんだ」
男の娘「お月様にいる皆の為に、餅つきのお手伝いしてあげたいなぁって」
兎少女「……なるほど。小さな頃の夢みたいなモノですか」
男の娘「なのかな。でも、もしお月様の皆が、本当に餅つきをしているならそれが良いなぁって、今でも少し思ってるかな」
男の子「もし……。もしもだけど、その願いって叶ったら、今でも嬉しいって思う……?」
93:
男の娘「今はさっき言ったのが、お月様の形でそう見えるだけってのは、十分解ってるんだけど……」
男の娘「もし……。もしも、本当に餅つきのお手伝いが出来たなら、きっと僕は最高に幸せ者だよ!」ニコッ
狐『皆様、目的地に着きましたよ』
兎少女「はい。魔法少女さん、狐さん、わざわざありがとうございました」
男の子「うん。本当にありがとね、魔法少女のお兄さん、狐さん」
女の子「今日はぁ、本当にありがとうございましたぁ」
94:
男の娘「どう致しまして。皆、気をつけて帰ってね。あっ、聞いてなかったから、一つだけ良いかな?」
兎少女「はい、構いませんよ。何ですか?」
男の娘「君たちが何処から来たのか、聞いてなかったなぁ、ってね。何処かの異世界から来たのかな?」
男の子「俺たちはあそこから来たんだよ、魔法少女のお兄さん」スッ
女の子「私たち三人とぉ、お婆さん、半面女性さん、双子ちゃん、獅子さん、蟹さんと、仲良く過ごしていますよぉ」
兎少女「魔法少女さんに解りやすく言うなら……。お餅が大好きな私、力持ちな女の子ちゃん、本好きなお婆ちゃん、蟹さん、半分の仮面の半面女性さん、双子ちゃん、獅子さん、荷物運びの男の子くんってトコかな、私たちは……」
95:
男の娘「えっ、君たちって、まさか……」
兎少女「今日はお手伝いしてくれて、本当にありがとう!」
男の子「また、俺たちでまた買い物来るかもしれないから、その時は宜しくな!」
女の子「皆に魔法少女さんがぁ、宜しく言ってたって伝えておくのですよぉ!」
兎少女「夢が叶って良かったね、魔法少女さん……!じゃあ、またね……!」
…………
……
96:
狐『皆様、行ってしまいましたね、マスター』
男の娘「うん。そうだね、狐ちゃん」
狐『もう遅いですし、家に帰りますか?』
男の娘「うん。お姉ちゃんとドーナッツ食べたいしね。あと、ちょっと急いで帰りたいんだけど、狐ちゃん大丈夫?」
狐『勿論です。スピード型ならすぐですから』
97:
男の娘「じゃあ、狐ちゃん、スピード型に変更!ルートと時間、最短で!」
狐『承りました、マスター。スピード型に変更します。ルート及び時間は最短に設定します』ピッピッ
男の娘「じゃあ、家まで急いで帰らないと……!」
狐『急ぐといいますと、お買い物以外に何かありましたか?』
男の娘「ちょっと探し物を思い出したんだ!だから、狐ちゃん、行くよ!」グッ
狐『そうでしたか。では、急いで帰りましょう。では……。レディー……』
98:
男の娘・狐「『ゴー!!』」ダッ!!
……
狐『間も無く到着ですよ、マスター』
男の娘「了解、狐ちゃん!じゃあ、玄関に着地したら、スペシャルソーサリーシステムの解除をお願い!」
狐『承りました。現在、周囲に人がいない事を確認出来たので、到着次第すぐ解除致します』
男の娘「うん、お願いね!じゃ、家まで一気に……!ジャーーンプ!!」ピョーン
スタッ……シュンッ……
99:
男の娘「ただいまー、お姉ちゃん!」
姉「お帰り、ぉ……」
男の娘「お姉ちゃん!僕が昔に描いた絵って、確かパパとママの部屋に保管してたよね!?」
姉「ん、絵?確かクローゼット辺りに入ってたはずだぞ。どうかしたか?」
男の娘「ありがと、お姉ちゃん!はい、頼まれてたドーナッツ!」
100:
姉「おぅ、サンキュー。ところで、男の娘はすぐ食べないのか?」
男の娘「ちょっと先に探し物!終わったら食べるから大丈夫だよ!」ダダダ
狐『食べ物に目もくれずに探し物とは、マスターにしては珍しいですよね。あっ、只今戻りました、お姉様』
姉「お帰り。てか、いくら男の娘が食い意地張ってるとはいえ、狐も結構言うなぁ……」
狐『そんな事はありませんよ。では、私はマスターが気になるので、行きますね』
姉「あぁ。もし、何かあったら呼んでな?」
101:
ガチャガチャ……
男の娘「この辺だと思ったんだけど……。あっ、あった!」
狐『何があったんですか、マスター?』
男の娘「ふぁ!?き、狐ちゃんか。驚いたなぁ……」
狐『驚かすつもりは無かったのですが、すみませんでした。そちらがマスターの探し物ですか?』
男の娘「うん、そうだよ。僕が小さな頃に描いた絵だよ」
狐『そうでしたか。どのような絵なのですか?』
102:
男の娘「これは、お姉ちゃんとお月様のお話をした後に描いたんだ」
狐『なるほど。月の模様と言われる方たちを描いたモノですね?』
男の娘「うん。お月様の皆が、仲良く楽しそうに、餅つきしててほしいって思いながら描いたんだ」
狐『確かに、絵の皆様は楽しそうですね。この方は、もしやマスターでしょうか?」
男の娘「そうだよ。皆のお手伝いしてる所だからね」
狐『では、今日は皆様のお手伝いが出来て良かったですね、マスター』
103:
男の娘「うん!絵とは違う形だったけど、お手伝い出来て本当に嬉しいよ!」
狐『マスターがお喜びですと、わたくしも嬉しいです』
男の娘「でも、狐ちゃんはもしかして、皆が月から来たって解ってた?」
狐『そうですね。お名前を調べた際に、月から移動した記録がありましたので』
男の娘「なんだぁ、言ってくれても良かったのにぃ」
狐『マスターと皆様が、大変楽しそうにお話していましたので、仕事関係のお話は無粋かと思いまして、伝えていませんでした。申し訳ありません、マスター』
104:
男の娘「ううん。狐ちゃん、ありがとう。お陰で兎少女ちゃん、女の子ちゃん、男の子くんとゆっくりお話出来たしね」
狐『それなら良かったです』
男の娘「また会えたらいいなぁ」
狐『また地球へお買い物に来るはずですから、必ずお会い出来ますよ』
男の娘「きっと、そうだよね!じゃ、探し物は終わったし、お姉ちゃんとドーナッツ食べよっと!」
狐『きっとお姉様がお待ちですから、く行きましょう、マスター』
……
105:
……
半面女性「三人とも、無事に買い物出来たようで良かったです」
老女「そりゃそうさ。半面女性は厳しい割には、そういう所は過保護だからねぇ」
半面女性「人間のように血が繋がっているという概念は無いとはいえ、大切な妹や弟のような存在だと思っていますから当然です」
老女「そうだねぇ。それに、あの子たちも魔法少女のお世話になるとはねぇ」
半面女性「私は魔法少女という者には会った事はありませんが、お婆様もその魔法少女という方にお世話になったのですか?」
老女「もうかなり昔の話だけどねぇ……」
106:
……
「うーん……。どうしよう……。完全に道に迷っちゃった……」
「お買い物に行かないといけないのにぃ……。早く帰りたいぃ……」
「誰もいないしぃ……。どうしようぅ……」
「そこの貴女、地球の外から来た方ですよね?」
「わ、私ですか……?」
「えぇ、貴女の事ですよ」
107:
「は、はい……。そうですが……」
「何かお困りですか?」
「えぇと……。道に迷ってしまって……。ちなみに、貴女は……?」
「私ですか?私は……」
「全宇宙管理局所属地球担当の魔法少女ですよ」
……
108:
老女「それで、道案内をしてくれたし、まだ地球に不慣れなわしに、色々な事を教えてくれたんだよ」
半面女性「そうだったのですね。まるで、兎少女たちの話みたいですね」
老女「だよねぇ。でも、わしの時はきちんと女の人の魔法少女だったけどねぇ」フフッ
半面女性「男なのに魔法少女とは、よく解らない事もあるのですね」
老女「だが、わしの時とは違う魔法少女とはいえ、兎少女たちを助けてくれて、本当に嬉しいもんだねぇ」
109:
半面女性「あと、女の子が言ってましたよ。その魔法少女の方が、兎少女のお陰で小さな頃の夢が叶ったと」
老女「ほう。魔法少女の夢とは、どんな夢だい?」
半面女性「私たちの……。餅つきの手伝いをしたい、らしいです」
老女「そうかい。なら、兎少女たちのお陰で、少しは魔法少女に恩返しが出来たのかねぇ」
半面女性「はい、きっと」
110:
兎少女「お婆ちゃん、半面女性さん!つきたてお餅出来たよー!」
半面女性「あぁ、ありがとう、兎少女」
老女「ありがとうねぇ、兎少女」
兎少女「どう致しまして。私はこれくらいしか出来ないしね。あっ、お婆ちゃん、お願いがあるんだけど良いかな?」
老女「何だい、兎少女?」
111:
兎少女「あのね、また地球に買い物行く時は、また私と女の子ちゃんと男の子くんで行っても良いかな?」
老女「わしは構わんよ。どうだい、半面女性?」
半面女性「次からは大丈夫でしょうし、良いかと思いますよ」
兎少女「本当?!良かったぁ!」
半面女性「だが、買い物はきちんと頼むぞ」
112:
兎少女「勿論だよ、半面女性さん!」
老女「地球にまた行きたいというと、何かあるのかい?」
兎少女「うん!今度は私、地球でやりたい事が出来たから!」
半面女性「やりたい事か。何だ?」
兎少女「魔法少女さんに私特製のお餅食べて貰いたいんだ!だから、行って渡してあげたい!」
113:
狐『今日は満月ですね、マスター』
男の娘「うん、綺麗だよねぇ……。今頃、皆でお餅ついて、食べたりしてるのかなぁ……」
狐『かもしれませんね。それはそうと、マスター。今日はコーヒーとは珍しいですね』
男の娘「うん。お姉ちゃんに頼んで、煎れて貰ったよ」
狐『でも、何故今日はコーヒーなのですか?』
男の娘「次に兎少女ちゃんたちが来た時に、少しでも甘くないコーヒーを飲めるようにしたくて……」
114:
狐『なるほど。では、シュガースティック二つ、ミルクは普段より少なめから始めないといけませんね』
男の娘「そうなんだよねぇ……。頑張ってみるよ……」
サラサラ……タラー……
狐『では、イっちゃって下さい、マスター。ファイトです』
ゴクッ……
男の娘「うん、苦い!」ニコッ
狐『やっぱりそうですよね。わたくしもマスターなら、そう言うと思っていました』
男の娘「うぅ……。でも、頑張って慣れていってみよう……」グスンッ
115:
狐『ゆっくり焦らず、慣れていけば良いですよ、マスター』
男の娘「うん、そうだね……。でも、やっぱり今日は、あと半袋分シュガースティック入れようかなぁ……」
狐『では、マスター。半分のシュガースティックを入れるなら、決めポーズをお願いします』
男の娘「へ?決めポーズ?」
狐『はい、決めポーズです』
男の娘「えぇ!?いきなり何で、狐ちゃん!?」
116:
狐『マスター、前回決めポーズしていませんでした。ですから、今回はやって頂かないと困ります』
男の娘「で、でも、家ではちょっと恥ずかしいよぉ……///」
狐『大丈夫です。ご近所迷惑にならないように、小さめの声で構いませんから』
男の娘「うーん……。シュガースティック半分ちゃんとくれる?天に誓って」
狐『はい。天と星に誓って』
男の娘「じゃあ、小声で失礼して…………」
117:
男の娘「魔法少女、任務完了です☆」キラッ
男の娘「…………」☆
狐『やはり、マスターの決めポーズは素晴らしいです!可愛いです、マスター!』
男の娘「……じゃあ、シュガースティック半分頂戴、狐ちゃん」
狐『はい。どうぞ、マスター』
サラサラ……
118:
男の娘「……うん。これからなんとかイケるかな」ゴクッ
狐『なら良かったです、マスター』
男の娘「うん、なんとか飲めそうで良かったよ。……そういえば、兎少女ちゃんが作ったお餅、いつか食べてみたいなぁ」
狐『きっと食べられますよ、マスター。兎少女様たちは、必ずまた地球に来てくれますから』
男の娘「うん、そうだよね!今度会えたら、お願いしてみないとね。それまで、魔法少女のお仕事頑張ろうね、狐ちゃん!」
狐『はい、マスター!わたくしがいますし、マスターとわたくしなら、どんな事も必ず大丈夫ですから!』
終わり
125:
男の娘「おはよー!」
幼馴染「おはよ、男の娘」
男友「おっす、男の娘」
女友「おはようございます、男の娘くん。今日はわざわざありがとうございます」
男の娘「あれ?男友くんも来たの?」
男友「あぁ。女友にどうしてもって、お願いされてな……」
126:
男の娘「そうだったんだ。にしても、女友ちゃん特製のお洋服楽しみなんだよねぇ!」
女友「では、皆さん、お洋服を着る場所に移動しましょう」
幼馴染「だね!じゃ、行こうか!」
男友「あぁ……。ところで、男の娘はどこで、どんな服着るか、聞いてるのか?」
男の娘「うん?全然聞いてないよ?」
男友「あいつら、男の娘に言ってないのか……」
127:
男の娘「男友くん、どうしたの?」
男友「いいか、男の娘……。お前の事だし、思ってるのとは違うって、先に言っておくからな……」
男の娘「?」キョトン
幼馴染「ほらー、男コンビー、く行くよー!」
……
女友「では、今日の目的地はこちらです」
128:
男の娘「あれ、ここって広い会場がある建物だよね?」
幼馴染「そうだよ。ここで、女友が作った服を着るんだよ」
男の娘「場所は良いんだけど、何で色々な人が列作ってるの?」
女友「今日はイベントだからですよ」
男友「所謂、同人イベントってヤツだよ、男の娘……」
男の娘「同人……イベント……?」キョトン
129:
幼馴染「要するに、マンガやアニメの二次創作物を販売したり、コスプレしたりするイベントだよ」
女友「だから、今日は私たち四人でコスプレイヤーとして、私の作った服で参加して貰おうと思ってます」
男の娘「へ……?コスプレ……?」
幼馴染「そう、コスプレだよ」
女友「最初は私たち二人だけのつもりでしたが、幼馴染さんが男の娘くんにも着せたいというのもありまして、参加して貰いたいなぁと」
男友「んで、女友に服頼んでたヤツがいるらしいんだけど、用事で来れなくなったから、代わりに俺が引っ張り出されたワケだ……」
130:
男の娘「……という事は、僕はこれからコスプレするの?」
幼馴染「そうだよ」
女友「はい。バッチリ似合う服を用意したので、大丈夫ですよ」
男友「そういう事だから、お互い頑張ろうぜ、相棒……」
男の娘「う、うん……」
131:
女友「服はこのバッグに入れておきましたので、二人とも更衣室で着替えてきて下さいね」
幼馴染「じゃ、着替え終わったら、更衣室の入り口辺りで落ち合おうねぇ!」バイバイ
男友「とりあえず……。行くか……」
男の娘「うん……。そうだね……」
132:
更衣室
狐『(マスターのコスプレ、楽しみですねぇ)』
男の娘「(コスプレってした事無いけど、僕、大丈夫なのかなぁ……)」
狐『(大丈夫ですよ。SSS装備一式も一種のコスプレと思えば、今日はやりやすいかもしれませんよ?)』
男の娘「(でも、魔法少女はお仕事で、仕事着みたいな物だと思ってるからなぁ……)」
狐『(何事も経験だと思いますよ)』
133:
男友「おーい、男の娘。着替え終わったかー?」
男の娘「うん、もうちょっと……。よし、終わったよ、男友くん」
男友「男の娘は……。意外に普通か?腕章付いたYシャツに、ショートパンツ、ニーハイソックスに、ブーツか……」
男の娘「男友くんは……。全身隠れるコートかぁ……」
男友「ただ、コートの中はラインが入ってる腹出し服だぞ……」ペラッ
134:
幼馴染「あっ、二人ともー!こっちこっち!」
女友「よく似合ってますよ、男の娘くん、男友くん」
男の娘「幼馴染ちゃんは……。赤系の制服みたいな服だねぇ。あっ、ネクタイに付いてる太陽可愛いかも!」
幼馴染「そうでしょー!可愛いよねぇ!」
男友「女友は……。なんか緑のドレスって感じだな。金持ちそうな感じするし、似合ってるとは思うぞ」
女友「ありがとう、男友くん」
135:
男友「ところで……。この服ってどんな服なんだ?」
女友「男の娘くん、幼さん、私は、魔法少女の女の子の衣装で、男友くんは悪役の衣装ですよ」
男の娘「ま、魔法少女!?」
幼馴染「そんな驚かなくてもいいじゃん、男の娘」
男の娘「あ、そ、そうだね……」ハハハ……
女友「ちなみに、衣装の元ネタはタロットカードがモチーフの魔法少女作品ですよ」
136:
男の娘「そのぅ……。ちなみに、その作品って、どんな感じのお話なのかな?」
幼馴染「んーと、女友から借りた漫画だと、私のキャラが化け物になった従姉妹に殺されかけたり……。男の娘のキャラは、昔、化け物が起こした強風のせいで、友達が車に押しつぶされちゃったとかかな。ちなみに、アニメだとちょっと違ってて、鉄の棒に突き刺さって、その友達が死ぬけどね」
女友「あとは、私のキャラだと、男友くんのキャラに、短剣刺されて化け物にされたり、男友くんのキャラは、男の娘くんのキャラをかっさらったりしてましたねぇ……」
男の娘「」
狐(マスターがショックを受けてるのが、わたくしにも伝わりますねぇ)
137:
男の娘「……僕は化け物とかにされない平和な魔法少女で良かったかも」ボソッ
幼馴染「男の娘、何か言った?」
男の娘「い、いや、何でもないよ?!」
男友「とりあえず、ここにいても仕方ないだろうし、会場に行こうぜ……」
女友「ですね。では、皆で行きましょう」
138:
ワイワイガヤガヤ……
男の娘「結構コスプレしてる人って、多いんだねぇ……」
幼馴染「だよねぇ。でも、女の子の方が圧倒的に多いけどね」
男友「ま、何もなく終われば、俺はもう良いや……」
女友「じゃあ、皆で行きましょう!」ルンルン
139:
「おー、あの制服衣装良いなー」
「腕章のキャラやってる子、可愛いねぇ」
「あの男の人カッコイイし、似合ってるよねぇ」
「うんうん、緑の服の衣装も可愛いかも」
男の娘「なんか、凄い視線を感じるよぉ……///」
女友「あまり気にしなくても良いですよ。適当に歩いてるだけで、基本的に大丈夫ですから」
140:
「すいません。そこの四人の方、良いですか?」
幼馴染「はいはーい、大丈夫ですよ。写真ですか?」
「はい!この作品好きなので、ぜひ!」
女友「解りました。あと、宜しければ、私のケータイでも撮って頂いていいでしょうか?」
「はい、勿論良いですよ。では、撮りますよー……」
カシャ……ピローン……
141:
「ありがとうございました!ケータイの写真はこんな感じで大丈夫ですか?」
女友「はい、大丈夫です。こちらこそ、ありがとうございました」
「あと、宜しければ、そちらの方をソロで撮りたいんですが……。良いですか?」
男の娘「へ……?ぼ、僕ですか!?///」
「はい!そのキャラが大好きなので、ぜひお願いします!」
幼馴染「おー、人気者ですなぁ。ほら、行っといで!」
142:
「じゃあ、撮りますよー……」
カシャ……
男の娘「うぅ……。一人で撮られるのは、もっと緊張しちゃうなぁ……///」
「ありがとうございました!それにしても、あなた可愛いですし、衣装似合ってますねぇ!」
幼馴染「でも、この子、男の子なんですよ?」
男の娘「ちょ、幼馴染ちゃん、それは今言わなくてもぉ……///」
143:
「え?!君、男の人なの?!」
男の娘「はい、そうですね……///」
「ボクっ娘で、可愛い男の娘がリアルにいるとは……!良いモノ見れたよー、ありがとう!」
男の娘「は、はぁ……///」
「じゃ、もう行きますね。ありがとうございましたー!」
144:
男友「なんて言うか……。色々な人がいるな……」
幼馴染「だよねぇ。男の娘は私のお婿さんになるから、あの人には渡さないけどね!」
男の娘「幼馴染ちゃん、それは返答としては、なんか違う気がするよ……」
女友「では、もう少し歩きましょうか」
幼馴染「だね!私は同人グッズとか見たいし、行こっか!」
145:
<ホンジツハシュウリョウデス アリガトウゴザイマシタ
男友「結局、最後までいたな……」
幼馴染「まさか、あそこまで撮影したい人が来るとは、思わなかったしねぇ」
女友「ですね。特に男の娘くんに興味ある方が、多かったかもしれませんね」
男の娘「だね……。何回も性別聞かれたしねぇ……」
146:
幼馴染「ま、今日は本当にありがとね、男の娘、男友!」
男友「俺はもう勘弁してくれよ……」
女友「今日は本当にありがとうございました。頻繁にこうはならないと思いますから、きっと大丈夫ですよ」
男の娘「まぁ、貴重な体験出来たと思うしね……」
幼馴染「でも、私はまた男の娘に着せたいよ!」
女友「私もまた男の娘くんに着てほしいです」
147:
男の娘「えーと……。次も僕は参加なのかな……?」
幼馴染「出来れば、ね?」
女友「次なら、男の娘くんはチューナーとしてノイズと戦うキャラを、やって貰っても良いかもしれませんね」
幼馴染「じゃ、それやるなら、私はそれの委員長さんで!男の娘の耳ハムハムしたいし!」
女友「では、私は男の娘くんのやるキャラのお母さんが、良いかもしれませんね」
148:
男の娘「なんか二人の所がすっかり異空間になってしまったような……」
男友「まぁ、その……。頑張れ、男の娘……」ポンッ
……
男の娘「はぁ……。次はとりあえず回避出来て良かったぁ……」
狐『残念です』
男の娘「とりあえず、人前でコスプレは照れくさいし、せめて当分は遠慮したいよ……」
149:
狐『マスターのコスプレは、とても可愛かったので、非常に残念です。後半はこれくらいノリノリで、ポーズも取っていらっしゃいましたし』ピッ
男の娘「……って、狐ちゃんいつの間に!?///」カアァ
狐『全宇宙管理局のSSSにかかれば、これくらいはお茶の子さいさいです』
男の娘「それ、お姉ちゃんとかに見せないでね……!?///」
狐『承りました、マスター。大変良い写真ですし、わたくしだけの大切な映像データとして、保管しておきますね』
男の娘「うぅ……。出来れば消してほしいかもぉ……///」
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