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モバP「ランダムランチタイム」


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1:
―10月3日・PM11:
レナ「この歳になって誕生日を祝われてもって思ったけど、プレゼントをもらうのは
 悪い気はしないわね」ニコニコ
ちひろ「ファンからのプレゼントはチェックした後で渡す決まりになっていますけど、
 アイドルの子達からのプレゼントは持ち帰って戴いても構いませんよ」
2:
兵藤レナ(27)
3:
レナ「わかったわ。亜季ちゃんのプレゼントはレーションね。てっきりダンベルとか
 エアガンだと思ってたけど」ゴソゴソ
レナ「あら、メッセージカードが挟んであるわ。何が書いてあるのかしら?」ペラ
レナ「どれどれ……『勝負事に負けて生活に困窮した時の非常食にでもしてください』
 余計なお世話よ!? 」グワッ!!
ちひろ「くくく…… 」プルプル…
4:
レナ「え?何?プレゼントに食べ物が多いのって、もしかして全部そういう理由なの?
 私そんなにギャンブルに負けて食べる物に困ってるイメージなの?」
ちひろ「そんな事ありませんよ。単にウチのアイドルはお菓子好きな子が多いですから
 そうなるんです。特にキュートの子に集中してますからね」クス
レナ「輝子ちゃんの食べられるキノコの本とか、夕美ちゃんの家庭菜園キットも偶然
 なのかしら。肇ちゃんは釣竿だし、このまま自給自足出来そうだわ……」
ちひろ(他意はないと思いますが……)
5:
レナ「ん?何かしらこのやけに綺麗な封筒。差出人は……桃華ちゃん?」ペラ
レナ「中身は…… ウソ!? 櫻井ホテルのランチ無料券じゃない!? 」ギョッ!!
ちひろ「さすが桃華ちゃんですね。櫻井ホテルのランチって、一番安いコースでも
 6,000円くらいだったと思いますよ。でもベガスでディーラーをしていた
 レナさんなら珍しくないのでは?」
6:
レナ「お客さんはお金持ちが多いけどディーラーはそうでもないわよ。たまに大金が
 入ってくることもあったけど、ほとんどカジノにつぎ込んでいたしね」
ちひろ「レナさんは本当に根っからのギャンブラーですね」
レナ「私にとっては貯金より勝負の方が大事だから♪」
ちひろ(もったいないと思う私はケチなんでしょうか……?)
7:
レナ「今日はオフだし早行こうかしら。この無料券4人までならOKみたいだけど、
 ちひろさんも一緒にどう?」
ちひろ「せっかくのお誘いですけど、私は事務所でお留守番をしないといけないので
 遠慮します。プロデューサーさんも香港に出張してますし」
レナ「そう、それは残念ね。今日は珍しく事務所に誰もいないし、わざわざ呼ぶのも
 気が引けるしどうしようかしら」ウ?ン…
8:
ちひろ「そろそろ午前レッスンが終わった子達が戻って来ると思いますよ。少し待って
 みたらどうですか?」
レナ「そうしましょうか。そうだ!今から帰ってくる子を先頭から3人誘いましょう!
 ゲームみたいで面白そうだわ!」ポン!
ちひろ「4人とか5人で来たらどうするんですか?」
レナ「その時は私が奢るわよ。運試しみたいでスリルがあるでしょ♪」ワクワク
ちひろ(本当にこの人は…… こういう人だから魅力的なのかもしれませんが)クス
9:
 カツカツ…
レナ「お、噂をすれば早誰か来たわね。高級ホテルのランチをタダで食べられる
 ラッキーちゃんは誰かしら?」
ちひろ(あれ?ヒールの音?この足音は確か……)ピク
礼子「戻ったわよ」ガチャ
レナ「」
ちひろ(やっぱり……)
10:
高橋礼子(31)
11:
礼子「どうしたの2人とも?私の顔に何かついてるかしら?」キョトン
レナ(話が違うじゃないちひろさん!レッスンから戻ってくるのは『子達』だって
 言ったじゃないの!礼子さんとランチなんて気を遣うわよ!)ヒソヒソ
ちひろ(そんなこと言われましても、ウチのアイドルは年齢層が広いですから……
 それに夜に飲みに誘われるよりはいいじゃないですか)ヒソヒソ
レナ(もし夜だったら全力で逃げるわよ!誕生日に酔い潰されたくないわ!)ヒソヒソ
12:
礼子「何をこそこそ話しているのよ。感じ悪いわね」ジロリ
レナ「な、何でもないわよ!それより礼子さん1人なの?」アセアセ
レナ(礼子さんも予定があるかもしれないし、ダメならダメで次の子を……)
礼子「レッスンの後にレッドバラードのメンバーをランチに誘おうとしたんだけど、
 全員が薫や雪美やこずえと先約があったみたいなの。レナ、あんた代わりに
 一緒にランチ行かない?」
レナ(あ、詰んだわ)
ちひろ「?????!! 」バンバン!!
礼子「何がおかしいのちひろ?」
13:
 タッタッタッ…
レナ(また誰か来たわ!そ、そうよ、礼子さんと1対1はハードだけど、場の空気を
 和ませてくれるような子がいればまだ救いはあるかも……!)
マストレ「すまない礼子さん、次回のレッスンで伝え忘れがあった」ガチャ
レナ「」
ちひろ(も、もうダメ、おなかいたい……)ヒー、ヒー
15:
青木麗(マスタートレーナー)(28)
16:
礼子「麗、そういえばあんた今日はもうレッスンないって言ってたわよね?今から
 レナとランチに行くけど、あんたも一緒にどう?」
マストレ「いいのか?それならお言葉に甘えてご一緒させてもらおう」
レナ「ちょ、ちょっと!? そんな勝手に……!! 」
礼子「どうしたの急に?私が誘ってるんだし奢るわよ?」
レナ「い、いや、そうじゃなくて……」
17:
レナ(礼子さんとマスさんとランチ…… これはもう楽しいランチとは程遠いわ……
 例えるならそう、最後の晩餐……!! )グヌヌ…
ちひろ(まだ1人残っているじゃないですか。この状況を打破出来る子はなかなか
 いないと思いますが、最後の1人に賭けてみるのもギャンブラーらしくて
 いいんじゃないですか?)ニヤニヤ
レナ(ちひろさん、お願いだから一緒に来て!私にはもうちひろさんしか頼れる人が
 いないんだって!)ウルウル
ちひろ(だったら断ればいいじゃないですか。気が進まない人達と食べに行くのに
 せっかくの無料券を使うのはもったいないですよ)ヒソヒソ
レナ(それは何か負けた気がしてイヤよ!ギャンブラーに二言はないの!)グワッ!!
ちひろ(ギャンブラーって大変ですね……)ヤレヤレ
18:
マストレ「そういえばさっき、廊下でヘレンと時子と心の3人を追い抜いたな。もうすぐ
 こっちに来ると思うが、あいつらも誘うか?」サラリ
レナ(ヤバい!誰が来てもヤバいわ!どうしてまともな子が来ないのよ!? )ダラダラ
礼子「TBの集まりでもあったのかしら。6人になると厳しいわね。それに3人とも
 目立つし、近場の店に行くと騒ぎになってゆっくり出来ないかも……」
レナ(ムリムリムリ!1人でも大変なのにあの3人同時とか無理よ!そこに礼子さんと
 マスさんも一緒なんて、いくら私でも全員相手に出来るわけないじゃない!)
ちひろ(礼子さんに全部任せればいいじゃないですか。レナさんが仕切らなくても、
 礼子さんならうまくやってくれますよ)
19:
 <ヘーイ!
 <シュガシュガスウィート♪
 <ウルサイワヨメスブタ
レナ(マズいこっちに来る!誰でもいいからあの3人より先に入って来て……!)
机の下「くしゅん!」ガタッ!!
レナ「え?」クルッ
ちひろ「あ、そういえば」
乃々「ううぅ寒い、そろそろひざかけを持ってこないと……」ノソノソ
20:
森久保乃々(14)
21:
レナ「乃々ちゃ―――――ん!! 」ダキッ!!
乃々「うわっ!? なんですか、いぢめですか……!? 」ビクッ
礼子「あら、乃々もいたの。ちょうどいいわ、4人なら車1台で移動できるし」
乃々「え?え?な、なんの話ですか……?」
ちひろ(3人目は乃々ちゃんですか。レナさん、意外とついてるかもしれませんよ?)クス
22:
***
―櫻井グループホテル内・レストラン―
マストレ「いいのかレナ、こんな高い所を奢ってもらって」
礼子「私が出してもいいわよ。桃華の誕生日プレゼントなんでしょ?」
レナ「いいのいいの♪ こういうチケットは出し惜しみせずに、使おうって決めた時に
 パーっと使う方がいいのよ。乃々ちゃんも遠慮なく食べてね♪」ニコニコ
乃々「状況が理解出来ないんですけど……」ビクビク
24:
レナ(こうなりゃヤケよと思ったけど、びっくりするくらい普通のランチタイムね。
 夜の礼子さんはもっと怖いし、レッスン中のマスさんは言わずもがなだけど、
 それ以外だとこんな感じなのかしら。2人ともいい歳だし……)
レナ(それにもうひとつびっくりしたというか、意外だったのが……)チラ
礼子「乃々、あんたさっきからちっとも食べてないじゃない。成長期なんだからもっと
 いっぱい食べないと大きくならないわよ。私の肉あげるわ」ヒョイヒョイ
乃々「そ、そんなに食べられないんですけど……」
25:
マストレ「この前撮影の仕事が終わったばかりだし、しばらく体を絞るような食事制限も
 ないのだろう?だったら今のうちにしっかり食べて体を作っておけ。私は魚の
 フライをやろう」ヒョイヒョイ
乃々「むーりぃー……」
レナ(2人とも不気味なほど乃々ちゃんに優しいわね。乃々ちゃんはアイドル活動に
 消極的だし、アイドルのボスの礼子さんと仕事熱心なマスさんは乃々ちゃんに
 良い感情を持ってないかもって心配だったんだけど……)ジー
26:
礼子「どうしたのレナ?さっきから手が止まってるわよ」
マストレ「そういえば今日はレナが主役だったな。ないがしろにして悪かった」
レナ「あ、いや別にそういうのはいいんだけど、何か珍しいものを見た気がしてさ。
 2人ともずいぶん乃々ちゃんに優しいのね」マジマジ
礼子「そうかしら?他の子達と同じように接してると思うけど」
マストレ「いや、そうでもないぞ礼子さん。礼子さんも他の子だったらランチに誘ったり
 しないだろう?私も自分が若い子達にどう見られているのかくらいは分かって
 いるから、乃々じゃなければ遠慮していたよ」フフッ
レナ「え?どういうこと?」
27:
礼子「あんたが事務所に来る少し前に辞めたんだけど、乃々をアイドルに誘った親戚は
 麗達トレーナーと同じで、事務所に出入りする外部スタッフだったのよ。乃々を
 見ているとあの子を思い出すのよね」
マストレ「乃々の親戚は腕の良いヘアスタイリストでな。私達はプライベートでも彼女と
 付き合いがあって彼女がよく乃々を家に連れて来ていたから、乃々とは乃々が
 アイドルになるから面識があるんだ」
レナ「へえ、そうだったの。不思議な縁もあるのね」フム
乃々「コネ入社ですみません……」シュン
28:
マストレ「まあコネと言えばコネかもしれんが、私達は別に甘やかしたりはしていないぞ。
 それにお前は普段の態度は問題があるが、仕事ではしっかり結果を出すからな。
 だから気にする必要はまったくないさ」ハハハ
礼子「乃々以上に普段の態度に問題があるのは山ほどいるじゃない。あんたはウチの
 中ではまだマシな方よ。この前のメルヘンアニマルも悪くなかったわ」フン
レナ(礼子さんが誰かを褒めてるところなんて初めて見たわ……)
29:
レナ「ちなみにその乃々ちゃんの親戚さんって、今何をしてるの?」
礼子「……」ピタ
マストレ「……」ピタ
レナ(あら、急に空気が冷たくなったような……)ゾク
乃々「あわわ、それ聞いちゃいますか……?」ビクビク
30:
礼子「……結婚したのよ。寿退社ってやつね」グサッグサッ
レナ(あ、地雷踏んだかも……)
マストレ「……見事な式だったな。確かウチの妹の聖(ベテトレ)と同じ歳だったと思うが、
 ウエディングドレスが眩しくてよく憶えているよ。眩しすぎてな」ザクッザクッ
乃々「こうなると思ったから、余計なことを言わないようにしてたのに……」ジト
レナ「ご、ごめんなさい……」
31:
礼子「何を謝る必要があるのかしら?そういえば今日はレナの誕生日だったわね。
 ボトルの1本でもないと盛り上がらないわ」サッ ←メニュー
マストレ「そうだな。それに私も今日は何だか無性に飲みたい気分だ。まだ陽が高いが、
 レナの誕生日だし1本と言わず何本でも付き合おう」
レナ「い、いいから!そういう気遣いとかプレゼントはいいから!それに乃々ちゃんも
 いるし誰が帰りの車を運転するのよ!? 」アセアセ
乃々(逃げたいんですけど…… でもデザート食べたいし……)
32:
***
レナ(ディーラー時代に鍛えたトーク術で何とか収まったわ……)フウ
乃々(思いっきりスキルの無駄遣いなんですけど……)ボソッ
レナ(人生は配られたカードで勝負するしかないのよ)ヒソヒソ
礼子「へえ、デザートはフルーツのシャーベットなのね。悪くないじゃない」
マストレ「秋は果物が美味しい季節だからな。自家製ドリンクの材料にも困らないよ」
レナ(もったいない……)
乃々(もったいないです……)
33:
礼子「ところで乃々、アイドル活動は慣れたかしら?」
乃々「ぜんぜんです…… この前の撮影も逃げたくなりました……新人の悠貴ちゃんに
 励まされちゃって……」ボソボソ
マストレ「乙倉はモデルの経験があるそうだから完全な新人ではないがな。しかし先輩の
 自覚があるのはいいことだ」フッ
レナ(この2人の前ではっきり本音を言える乃々ちゃんはなかなか凄いわね……)
34:
乃々「あの、プロデューサーさんもですが、どうしてみなさんはそんなに優しくして
 くれるんですか……?私はいつも弱音ばかり吐いて逃げ出して、アイドルには
 向いてないと思うんですけど……」
礼子「別にあんただけ特別扱いしてないわよ。Pも他の子達と差を付けたりしないで
 平等にプロデュースしてるでしょ」シャクシャク
マストレ「私は慈善事業をしているわけではないから、見込みがあるヤツしか鍛えないさ。
 そしてお前には見込みがある。それだけの話だ」シャクシャク
乃々「そんなのないです…… やっぱりお姉ちゃんの親戚だからですか……?」
35:
礼子「ウチはアイドルが多いし、Pもコネで仕事を回すほど甘くないわよ。あんたが
 頑張っているから私達は力を貸してるの。あんたが誰よりも早起きして、毎朝
 その手間のかかるヘアスタイルをセットしてるの知ってるのよ?」クス
マストレ「誰に強制されているわけでもなく、自主的にやっているそうだな。オフの日も
 毎朝欠かさずにセットしていると聞いているぞ」
乃々「こ、これはその、せめて身だしなみだけでもきちんとしようと思って……
 それにこの髪型はお姉ちゃんが考えてくれたんだし……」イジイジ
36:
礼子「あの子の仕事なのは一目見てわかったわよ。でも毎日きっちりとセットするのは
 大変でしょう。見ている人はちゃんと見ているのよ」
マストレ「ちなみに私の髪型もあいつが考えてくれたんだぞ。手早く簡単にセットが出来て
 それなりに見栄えがするから気に入ってるよ。それにこの髪型にしてから仕事が
 増えたから、なかなか変えられなくてな」フッ
レナ「へえ、マスさんも意外とゲンを担ぐタイプだったのね。カジノに来るお客さんの
 中にも相手の髭を見て作戦を変えたり、大勝負の時はもみあげの角度とか入念に
 セットして来る人もいたわ」
マストレ「そう言うお前の三つ編みも、何かジンクスがあるんじゃないのか?」
レナ「あ、わかった?私この髪型の時が一番運が強いのよ。昔は気分でコロコロ変えて
 いたんだけど、大勝負の時はいつもこのヘアスタイルだったわ♪」アハハ
礼子「その割にはパっとしないわねあんた。茄子にも負けっぱなしだし」バッサリ
レナ「あ、あれはあの子の運がおかしいのよ!これから巻き返すんだから!」アタフタ
37:
乃々「み、みなさんも色々やってるんですね……」

礼子「私生活でも手を抜かずに、誰が見てなくてもアイドルをやれる子がトップを
 獲れるのよ。今はわからないかもしれないけど、毎日続ければ自分の自信に
 なるし周りの評価につながるわ。そういうものなのよ」
マストレ「乃々は自信が追い着いてないだけで、毎回きちんとアイドルの姿勢は出来て
 いるからな。だから私もレッスンをつけたくなるし、助けてやりたくなる。
 二日酔いで来る誰かとは雲泥の差だな」チラ
レナ「へ、へえ、誰かしらね。プロの風上にも置けないわね……」メソラシ
乃々「か、買い被りすぎです…… 私は自分が出来る事をしているだけで……」
38:
礼子「あんたの親戚も暇さえあればマネキンの首相手にセットの練習をしてたでしょ。
 誰だって完璧じゃないんだから、自分が出来る事をやるしかないのよ」
マストレ「今のお前は自分の自信と実力に大きな開きがあるから実感出来ないと思うが、
 いつの日かバランスが取れた時に最高のパフォーマンスを発揮できるだろう。
 私はそれが楽しみだよ」

レナ「大丈夫よ乃々ちゃん!乃々ちゃん運あるみたいだし、今の手持ちのカードでも
 十分戦えるわ。ギャンブラーの私が保障してあげる!」ニコッ
乃々「あうう…… みなさんのご期待にそえられるかわかりませんが、がんばれるだけ
 がんばってみます……」モジモジ
レナ「よく言ったわ乃々ちゃん!乃々ちゃんが3人目で本当によかった!」ダキッ!!
乃々「ひゃう!? な、なんの話ですか……?」ビクッ!!
39:
礼子「そういえばあの子としばらく連絡取ってないわ。元気にしてるの?」
マストレ「そうだな。暑中見舞いはもらったが、結婚式以来1年くらい顔を見てないな。
 新婚生活も落ち着いてきただろうし、そろそろ訪ねてみるか」
乃々「あ、あの、お気持ちはありがたいですが今は遠慮して戴けると……」
礼子「あら、どうして?何か都合が悪いの?」
乃々「都合というか具合というか、安静にした方がいいらしくて……」ボソボソ
マストレ「もしかして怪我でもしているのか?それなら見舞いに行ってやらんと」
レナ(安静?もしかして……)ハッ
40:
乃々「お姉ちゃん臨月なんです…… 今月には産まれるみたいなんですけど……」ポツリ
礼子「」
マストレ「」
レナ「」
乃々「ぷ、プロデューサーさんには言ったんですけど、タイミングを見て礼子さん達に
 報告をしようって言ってたから…… すみません……」ボソボソ
41:
礼子「…………麗、今夜は飲むわよ」
マストレ「そうだな。ついでに志乃さんと礼と楓にも召集をかけよう。あの3人はあいつの
 ことをよ?く知っているし、きっと盛大に祝ってくれるだろう」
レナ「わ、私は面識がないから遠慮させてもらうわね……」コソコソ
礼子「何を言ってるの。あんたは今日誕生日なんだから来ないと駄目よ」ジロリ
レナ「で、でも今日の夜は真奈美や早苗さん達と約束が……」アセアセ
42:
マストレ「じゃあ真奈美達も誘えばいい。というかお前の誕生日とかもうどうでもいい。
 とにかく飲まないとやってられない気分だ」ウツロ
レナ「ヤケにならないでマスさん!ていうか確実に明日のレッスンに穴が開くわよ!
 トレーナーとしてそれはどうなの!? 」グワッ!!
マストレ「心配するな。二日酔いが一発で吹き飛ぶ特製ドリンクを持って行ってやるよ。
 味はともかく効果は絶大だからそれを飲めば大丈夫だ」フフフ…
礼子「ああ、洋子に飲ませたら三途の川を見たとか言ってたやつね。だったら今夜は
 思う存分飲んでも大丈夫ね」ニヤリ
レナ「イヤ―――――ッ!! むぅ―――――りぃ―――――っ!! 」
おわり
43:
おまけ
―10月3日・香港の土産物屋にて―
P「う?????ん…………」
清良「まだ決まらないんですか?レナさんの誕生日プレゼント」スタスタ
P「はい。せっかく香港に来たんだからこっちで買おうと思ったんですが、レナさんが
 気に入りそうなものがなかなか見つからなくて……」ポリポリ
清良「大きなカジノがあるマカオに行けば見つかるかもしれませんが、スケジュールを
 見ると厳しいですね。お土産自体は沢山あるのですが……」マジマジ
亜季「現地調査を怠りましたなP殿。香港は世界中の文化が集う国際都市ゆえ、数多の
 土産の中から選び出すのは困難です。ですから私や有香殿のように、日本国内で
 準備すれば良かったのに」エッヘン
44:
柳清良(23)
大和亜季(21)
45:
P「お前は日本とか関係なく米軍レーションだろうが。有香もレナさんのプレゼントを
 香港に来る前に準備していたのか?」
有香「押忍!名前入りのマイはがし(もんじゃベラ)をプレゼントしました!この前
 レナさんともんじゃ焼きの話で盛り上がったので!」
P「あの人もんじゃ焼き食べるのか。俺の勝手なイメージだが想像出来ないな……」
いつき「あ、これとかどうでしょうか?ジャッキー=チェンのトランプ。こっちには
 ブルース=リーのもありますよ」ヒョイ
46:
中野有香(18)
真鍋いつき(22)
47:
P「いやいや、確かにあの人趣味はトランプって言ってたけどこれはないだろ。だったら
 こっちのパンダのクッキーの方が……」
清良「でもこのトランプ、香港でしか買えないでしょうね」
亜季「実用的ではありませんが、コレクターアイテムとしてはいいのでは?」
有香「世界で活躍する東洋人という点では、ラスベガスでディーラーをされていた
 レナさんも共感するものがあるのではないでしょうか?」
48:
いつき「あ、ジャッキー=チェンの『シティーハンター』のトランプがありますよ!
 確かあの映画って豪華客船のカジノで戦うシーンがありませんでしたっけ?
 これならレナさんもきっと気に入りますよ!」サッ
P「よくそんな古い映画を知っていたな。でも確かに香港らしいと言えばらしいか。
 それじゃあこのトランプと、マンゴープリンをプレゼントにしようかな」
 ―――――後日、レナはマンゴープリンだけ受け取った
END
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