貴音「推理、ですか」back ▼
貴音「推理、ですか」
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1:
律子「最近暇そうだからいいこと考えてきてあげたわよー」
貴音「ほう 律子嬢は非常に頭脳派…これは楽しみです」
律子「まぁ、前もって言っておくと簡単よ 私が言う問題に答えるだけ」
貴音「なるほど 推理げーむですか 良いでしょう 受けて立ちます」
律子「まずはルールとして… 援軍は2人まで呼んでOK つまり迷ったら貴音を含んで3人で考えていいわよ」
貴音「さぁびす精神満載ですね しかしその決まりを用いるつもりはありません 勝負は1:1です」
律子「言ったわね? じゃあ1人で答えてもらおうじゃない」
貴音「今日の余興は、愉しめそうですね」
5:
律子「最初は貴音の能力を調べるために簡単な算数レベルからいくわよ」
貴音「いざ!」
律子「では問題です 今事務所には私、貴音、小鳥さん、真、雪歩がいます」
貴音「ええ まさに現在の状況ですね」
律子「今後メンバー全員とプロデューサー殿が来ると仮定した場合、千早が最初に部屋に入ってくる確率は?」
貴音「律子嬢、これは私を挑発していると見受けますが…」
律子「だから能力を調べるって言ったでしょう? 確率の問題よ、2ケタ以下の%で答えて もしくは分数でもいいわ」
貴音「……じゅ、10%くらいでしょうか」
律子「…いや、あってるけど 怒ってたわりには自信なさげじゃない?」
貴音「いえ 計算は分かっているのです」
律子「じゃあなんで…?」
貴音「人数を間違えたら、忘れためんばぁに申し訳が立たないと」
律子「間違えるって…仲間でしょう?」
貴音「それでも忘れることはあります…」
律子「分からなくもないけど… まぁいいわ 次の問題ね」
7:
律子「じゃあ私がこれから適当な数字4ケタを考えます 15回まで答えていいから、それを当てて」
律子「ちなみに、桁と数値があってるときはヒット 数字はあってるけど桁が違うときはボールっていうから」
律子「たとえば答えが1234で、1243って答えた時は2ヒット2ボールね」
律子「はい、書いたわ スタート」カキカキ
貴音「…むぅ どこかのどらまで見たような気がしますが…」
律子「ギクッ ま、まぁいいから さぁ答えて」
貴音「確か…嘘のゴサンパチ 人間が適当な数値を思い浮かべるときは5と3と8が入る可能性が高い でしたね」
律子「……」アセ
貴音「5384…」
律子「…4ヒット あたりよ まさか貴音が見てたとはね…」
貴音「面妖な… 見ていたとしても、そのまま答えに使うとは律子嬢らしくもないですよ」
律子「ふ、ふん まだ序の口だから!」
9:
律子「じゃあ次 …あずささんか千早、どちらかが貴音が大事にとっておいたラーメンを食べてしまった、とするわ」
貴音「それは許しがたいですね」
律子「どちらが食べたのか1回で見極める方法があります なんでしょうか? 回答は1回のみ」
律子「あ、ただしお腹をさするとか臭いを嗅ぐとか直接的な方法はダメだから」
貴音「…ふむ 少し時間を…」
貴音「直接的な方法は不可 つまり、自分ではなく相手の五感を用いて…相手に何らかの反応を取らせるしかありません…」
律子「鋭いわね」
貴音「…千早とあずさ、ですか…」
律子「そこが結構ミソかもね」
貴音「…千早に失礼なほうですか? あずさに失礼なほうですか?」
律子「今回はあずささんかな」
貴音「もはや推理ではないのですが…」
12:
貴音「これはあくまで例文です… 答えますよ、律子嬢」
律子「ええ もうわかってるだろうけど 果たしてそれを口に出せるかしら」ニヤ
貴音「なるほど… それを踏まえた上での問題…しかし、私は引きません 今は幸いあずさは居ません故、問題はないはずです」
ガチャ
貴音「あずさ!気のせいか朝よりも太ったようですね!」
あずさ「」ビクッ
律子「正解、それでオドオドしたらあずささんが犯人ね えーそうかしらーみたいな反応したら千早ね」
貴音「そもそもその2人では、恐らく千早はらぁめんは食さないと思いますが」
律子「それもそうね ちょっと甘かった?」
貴音「ですから、もはや推理ではないと…」
あずさ「ふ、太っちゃった…? 食べるの減らしてたんだけど…」シュン
貴音「あ、あずさ! 今のは冗談です 冗談ですよ! 律子嬢が言えと」
律子「違うでしょう! ん…ある意味そうだけど…」
あずさ「律子さん ごめんなさい…竜宮小町として失格ですね…」シュン
貴音「律子嬢、落ち込ませましたね」
律子「言ったのは貴音でしょう」
14:
律子「さーて、次の問題いくわよー」
「うゎぁーっ!」
貴音「…む? 今のは…真の悲鳴では?」
律子「真が悲鳴をあげるなんて相当だわ どうしたの!真!?」
貴音「真、どこにいるのです!?」
響「大変だぞ!真が階段の下で倒れてる!」
律子「ほ、本当なの? 真!」
貴音「とにかく救急車を…小鳥嬢!」
小鳥「えっ あ、あぁ そうだった! 今呼ぶから待ってね!」ピポパ
貴音「何を悠長な…! …? 雪歩、どこにいるのです! それにあずさも!」
律子「あぁもう… いきなりなんなのよ…」
15:
小鳥「繋がらない… 電話、つながらないわ!」
律子「ええ!? し、仕方ない じゃあ私の携帯で… ってバッテリ切れてる!朝充電したのに!」
貴音「今日は携帯電話を持っていません… 響?」
響「じ、自分は えーと 今月は止まっちゃってるぞ…」
貴音「なんと面妖な…! あずさ、雪歩!?」
雪歩「どうしたんですかー? 四条さん、怖いです…」
貴音「真が倒れているのです! 救急車を呼んでください!」
雪歩「ええっ…無理ですぅ 今、ちょうど修理に出してて…」
貴音「ありえません… しかしこの状況で素人が勝手に触るのは逆効果…どうすれば…」
17:
あずさ「…とりあえず血は出てないみたいよ 息もしてるし、心臓も動いてる…」
律子「…あ、あずささん 年長者はこういう時に落ち着いてくれますね…」
小鳥「えっ」
雪歩「でも、頭打ってたら 動かすと危ないんだよね…?」
響「でもこのままにしておくわけにもいかないぞ…」
P「おっ、どうしたみんな入り口に集まって… って真!どうしたんだ?」
貴音「いいところに! あなた様、真を病院へ! 階段から落ちたようで意識がないのです!」
P「なんだって? そ、それはまずい… とにかくあまり動かさないように、車に乗せるぞ あずささん、律子、小鳥さん 手伝って!」
3人「はい!」
雪歩「ま、真ちゃん…」ウルウル
貴音「大丈夫ですよ、雪歩 外傷は一見ないのです …きっと大事には至りません」
18:
律子「任せましたよ、プロデューサー殿…」
響「だ、大丈夫だよね 真…」
あずさ「きっと大丈夫よ…」
貴音「…少し疑問に思う点があります」
雪歩「…ど、どうしたの 四条さん…」
貴音「何故あれほどの運動神経の真が階段から落ちたのでしょうか」
小鳥「踏み外したりしたら、運動神経良くても落ちちゃうんじゃないかな…?」
貴音「そもそも、ここには手すりもあるのですよ 真なら仮に踏み外してもつかまれるはずです」
律子「貴音、何が言いたいの?」
貴音「私は… 誰かが、故意に真を落としたと考えます」
響「ええっ!? い、今いる自分たちの誰かがってこと!?」
貴音「はい それを今…少し考えてみましょう」
あずさ「ゲームだったのに、本当の推理になっちゃいそうね…」
20:
貴音「状況を整理します…」
貴音「私、律子嬢、小鳥嬢は…ほぼ容疑者から外れるのです」
響「ええっ!自分たちは!?」
貴音「なぜなら私たち3人は、同じ空間にいたためです この事務所の席でお互いの姿が見えていました」
律子「そうね 私なんて、貴音の目の前で話してたし」
小鳥「あたしもデスクで資料を整理してましたから… 2人は確かにそこで推理ゲームやってました」
あずさ「ということは、私が響ちゃんか雪歩ちゃんがやったってことになるわね…」
響「じ、自分やってないぞ! ていうか来た時は真、そこに寝てたし…」
貴音「雪歩、真の悲鳴が聞こえた時に姿を見かけませんでしたが」
雪歩「四条さんっ!? わ、私やってません!」
貴音「大丈夫 ただの参考ですよ 疑ってはいません… まだ、ですが」
22:
雪歩「私はお茶を淹れてました… ほら、あそこに置いてありますぅ」
貴音「…確かに 湯気もたっています 淹れたての証拠ですね」ズズッ
響「こ、こんなときに飲むなよ貴音…」
貴音「ふむ ではあずさは? 真が階段から落ちた、と騒いでいる間にいつの間にか真に近づいていたようですが」
あずさ「言いにくいんだけど… お手洗いにいたわ…?」
貴音「なるほど つまり、真が落ちた時に、真の付近には誰もいなかった…」
25:
貴音「…ふむ、解せません」
響「やっぱり真が踏み外して落ちたんじゃないかな…? 自分でもたまに転びそうになるときあるぞ」
貴音「いいえ では、これでどうです? 真は落ちる瞬間に「うわぁ」と悲鳴をあげているのです」
貴音「…普通、階段から落ちるときは「うわぁ」などと言っている余裕はありません」
貴音「つまり誰かに押され…落ちそうになりつつも耐えた、しかし更に何らかの方法で押された… その時に悲鳴をあげた、と推測できます」
律子「確かに納得はできるわね…」
小鳥「でもそうなると、ほかに誰かいたとしか…」
雪歩「プロ―デューサー… では、ないですよね…」
あずさ「プロデューサーさんはさっき帰ってきたばかりだもの それはないわ?」
貴音「…そうとは言い切れません たいみんぐがおかしいとも思えます 営業に出て、昼前に戻ってくるときなど数えられるほどしか…」
貴音「む…… …悲鳴をあげた…? …真が?」
響「な、なにか思いついたのか!?」
26:
貴音「いいえ、まだ言い切るには早いです これは温めておきます…」
響「なんだよー 気になるぞっ」
貴音「そうですね… たとえば、というとキリがありませんが他の可能性をあたってみましょう…」
雪歩「他のメンバーが実は来てる場合、とか…」
貴音「千早は午後一杯レッスン、つまり事務所には来ません 真美と亜美、やよいと伊織は学校です…」
あずさ「残りは春香ちゃん、美希ちゃんくらいね…」
小鳥「あの2人はあんなことしないと思うわ」
貴音「それは、全員に言えることですよ…」
律子「…貴音、ある程度考えがあるんじゃないの?」
貴音「いいえ まだ… そう 全員が「やる」と仮定したときの動機を考えてみましょう」
28:
響「じ、自分は 運動好きで、活発なタイプで被るから…かな」
貴音「ふむ、確かに響がやるとすればその理由でしょうね あずさ、雪歩は?」
あずさ「…うーん、ないのよねぇ…」
雪歩「私も… 真ちゃんとは、本当に仲いいし…」
貴音「そうでしょうね 普通はありません…」
小鳥「私も全然… 765プロのメンバーはみんないい子だし 増してや真ちゃん1人を狙うなんて…」
律子「そうね…誰もが売れてほしいって思ってるわ」
貴音「ふむ 響しか答えられませんか」
響「なっ!ひ、酷いぞ貴音!自分じゃない!」
貴音「分かっています この質問はただの部品集め、ですよ」
律子「貴音…? もしかしてもう答えに近づいてるの?」
貴音「ええ…まぁ しかし何か… 見落としているような…」
31:
貴音「…確認、なのですが 全員絶対に答えてください」
貴音「今回の手段は 真に害を与えるための方法として適格だったと思いますか?」
小鳥「あたしには思えません… 真ちゃん運動神経いいから失敗する可能性もあるし…」
あずさ「うーん… 私も同じ理由で適格ではないと思うわねぇ」
雪歩「たとえば毒とか… もっと確実な方法はあるのかも…」
響「雪歩、怖いぞ… 自分も、自分だったらこの方法は取らないと思うぞ」
律子「そうね 今回の手段は向いてないと思うわ」
貴音「…そうですか 結構… 協力感謝します」
貴音(わかりましたよ 犯人が)
33:
貴音(…落ちた 真は階段から落ちた…?)
貴音(…違いますね 落ちていません……)
貴音("げーむだったのに、本当の推理になる")
貴音(私の出した無理な意見に、何故か誰もが"反論しない")
貴音(真の"うゎぁー"…)
貴音("響だけ"が動機を持ち、まるで響が犯人だと思わせるような発言)
貴音(真は悲鳴を上げて階段から落ちた …しかし"落下音"がありません)
貴音(そして真は"寝ていた")
貴音(妙なたいみんぐで"帰ってくるプロデューサー")
貴音(…なぜか使えない "全員の携帯")
貴音(そして誰もが適格だと思わない、"今回の手段")
貴音「みな、聞いてください 犯人が分かりました」
35:
律子「ほ、本当なの!? あれだけの質問で…」
小鳥「あたしにはさっぱりです… それで、誰なの? 犯人は!」
貴音「まあ落ち着いてください まず私が気になった点を挙げます」
響「貴音、探偵みたいだぞ…」
雪歩「私全然わからないよぉ…」
あずさ「そうねぇ ヒントが少なすぎるわ…?」
貴音「まずはあずさ… あずさは私と律子が推理ゲームをやっている"最中"は事務所にいませんでしたね?」
あずさ「ええ…ちょうど私が太っているって話をしてるところから…」
貴音「では何故… "げーむだったのに本当の推理になる" という発言ができたのです?」
あずさ「…あっ…」
貴音「あずさはげーむ中にこの場にいなかった それなのに私と律子嬢が遊んでいたことを知っていた そうですね」
あずさ「…え、ええ ごめんなさい… 知っていたわ…」
響「じゃ、じゃああずさが…!」
貴音「最後まで聞くのです 響」
38:
貴音「次に響、あなたについてですよ」
響「ええっ!自分!?」
貴音「響は"来た時に真はそこで寝ていた"と言いましたね」
響「い、言ったぞ…?」
貴音「寝ていた、とは? 普通階段の目の前で人が転がっていたら…寝ている、と表現しますか?」
響「う… しないぞ…」
貴音「つまり 響は真が気絶しているのではない、と知っていた あっていますね」
響「うぐぐ… し、知ってたぞ… ごめん…」
貴音「いえ…」
39:
貴音「この時点で既に犯人らしき人物は2名なのですが 聞いてください」
律子「ええ 聞こうじゃない…?」
貴音「これは全員に言いましょう …何故"今回の手段"という言い方に反応しなかったのです?」
雪歩「ど、どういうこと…?」
あずさ「ええ わからないわ…?」
貴音「"今回の手段" まるで、その手段を使った人物が言っているように聞こえませんか?」
小鳥「あっ…」
律子「そっか…」
貴音「更に全員の携帯が使えない事態… たいみんぐよく帰ってくるプロデューサー」
貴音「…救急車を使うわけにはいかなかった 違いますか?」
律子「誰に聞いてるの?」
貴音「もう、お分かりでしょう…?」
41:
貴音「真、あなた様 そこにいるのは分かっています」
…ガチャ
真「あはは… すごいな、貴音…」
P「言われたとおりにやっただけなんだけどなぁ…?」
貴音「敢えて改めて言いましょう 犯人は私以外の全員… そしてこの事件は推理ゲームの一つ そうですね、律子嬢」
律子「…正解よ すごいわー…これが最後の問題だったんだけど」
貴音「ふふっ 少し難しかったですよ」
律子「響を犯人って言い切ったところでネタ晴らししようと思ったんだけどねー…」
響「ご、ごめん… 自分が余計なこと言ったせいでバレたぞ…」
あずさ「ううん、私も余計なこと言っちゃったわ…」
貴音「それもあるのですが… 真、あなたにも原因が」
真「ぼ、僕!? 寝てただけなのに?」
46:
貴音「"うゎぁー"という悲鳴の後ですが 落下音が聞こえませんでした」
真「あ、そっか… そういえば"うゎぁー"って言いながら寝たよ…」
貴音「それに考えてもみてください 最初からおかしいのです」
貴音「人間、普通は"うわあ"なんて言葉そうは使いません そう思いませんか?」
真「それもそうだね…」
律子「考えた段階で無理があったのね… もうちょっと自然な台詞じゃないと」
貴音「ええ 落下音があり、悲鳴がもっと現実的なものならばもう少し時間がかかったやもしれません」
響「す、すごいぞ貴音… サスペンスドラマの主役とか合うんじゃない…?」
あずさ「本当にすごいわねぇ 探偵さんみたいだわ!」
雪歩「確かにいろいろなところから嘘の事件だってわかりますぅ…」
50:
律子「まったく、大体と言えば… まだ問題あったのに真が先走っていきなり始めちゃうから…」
真「ぼ、僕のせい!? 考えたの律子じゃないか!」
律子「確かに解かれたのは私が甘かったんだけど…」
貴音「ふふっ いずれにしても、愉しめましたよ 律子嬢 ありがとうございます」
律子「あ、いえいえ それならよかったわ」
貴音「久しぶりに頭を使う余興でした…」
貴音「あなた様 頭を使う前と使った後は、甘いものがいいそうです」
P「わかったよ… 簡単に解いたご褒美になんか買ってきてやるから」
貴音「しゅーくりぃむが良いです ふふっ」
貴音「四条貴音でした」
おわり
52:
お姫ちんマジ食いタン 乙
54:
古畑風か乙
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