穂乃果「夢の中でなら」back

穂乃果「夢の中でなら」


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1:
暗い
短め
ネガティブ穂乃果ちゃんのお話
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1411408528
3:
穂乃果「海未ちゃんぎゅーっ♪」
海未「穂乃果///みんなが見てますよっ」
穂乃果「気にしない気にしない♪見せつけてあげようよ!」
海未「もう!穂乃果は本当に私のことが大好きですね」フフッ
穂乃果「うん!とってもとーっても大好きだよっ!海未ちゃんは私のこと嫌い?」ウルウル
海未「わ、私も穂乃果のことが大好きですよ!」
穂乃果「良かった?、相思相愛だね!ねね、もっと穂乃果のことも抱きしめてよ!」
海未「穂乃果ったら///」ナデナデ
穂乃果「えへへ!もっと穂乃果のことも見て見て!」
海未「いつも一番に見てますよ?」
穂乃果「もっとだよもっと!」
4:
海未「もう!○○○も引いちゃってますよ……、全く仕方がない人ですね……」
穂乃果「……」
穂乃果「どうして……」
穂乃果「どうしてここでも―――ちゃんのこと話すの!」
穂乃果「なんでなんでなんでなんでなんで――――」
5:
?????
穂乃果「んっ……んー……、朝ぁ?」
はぁ……、せっかく途中までいい夢を見れてたのにな。
なんで夢の中でくらいは、幸せにさせてくれないんだろう?
穂乃果「あっ、もうこんな時間だ……。準備して学校いかないと……ね」
穂乃果「はぁ……、行きたくないな……」
6:
?????
穂乃果「また遅れちゃった。海未ちゃん、怒ってくれるかな」
最近は遅刻がすごく多い、でもしょうがないよね?
行きたくもない場所に急いで行けるほど大人じゃないし
それに遅刻すれば海未ちゃんは私を見てくれるんだもん
穂乃果「おっくれてごめーん!揚げ饅頭が!揚げ饅頭がさ!」
海未「まったく!最近いつも遅いですよ!気を抜きすぎですっ!」
ああ、今日も海未ちゃんが私を怒ってくれてる
この時だけは、私のことだけを考えてくれて、私のことだけを見てくれる
そう思うだけでお説教はご褒美になり、私の胸はどんどん高鳴ってくる
7:
ことり「まあまあ、海未ちゃん。穂乃果ちゃんだって遅刻したくてしてるわけじゃないなんだから、ねっ?」
あーあ、ことりちゃんの助け舟がでちゃったか。じゃあもうこの時間も終わりなんだね
この後、私がことりちゃんに擦り寄る、それに対して海未ちゃんが何かを言って学校に行く。それがいつもの流れだもんね。
穂乃果「ことりちゃんありがとー!」ギュッ
ことり「ふふっ、でも気を付けないとダメだよ??」
海未「……まったく、ことりは穂乃果に本当に甘いですね」
海未ちゃん、目が笑ってないよ……。恋人が他人に抱き着かれてるんだもんね
幼馴染とはいえ嫉妬しちゃうよね。……最近知ったけど、海未ちゃんって結構嫉妬深いね。
8:
穂乃果「よーし!学校にいこうかっ」
海未「最後に来ておいて威勢がいいんですから……」
ことり「それでこそ穂乃果ちゃんだよね!じゃあいこ?」
私が先頭を歩き、二人が私の後ろを並んで歩く、それが最近のいつものポジションだ
なんとなく後ろを振り返ると二人が手をつないでいた、はぁ……わかってはいたけどつらいね
まったく人の気も知らないで……
穂乃果「もう!三人でいるときはイチャイチャするの禁止だよっ!」
海未「ほ、穂乃果!こ、これは違うんです///」
ことり「ごめんね……、海未ちゃんが指絡めてきちゃって……」
海未「ことり!?」
9:
ことり「さっき穂乃果ちゃんに抱き着かれちゃったことに嫉妬でもしたのかなぁ?」クスクス
海未「そ、そんなわけでは……ないです……が……///」
その光景は私には辛すぎて……。見たくない、聞きたくもない、壊したくなる
二人だけで幸せになっている幼馴染たちの仲を引き裂きたくなる
穂乃果「海未ちゃんも真っ赤にならない!まったくもう……、ほらほら行くよ!」
だからってそんなことができるわけもなく……、だから今日も私は『仮面』を被る。
みんなが笑えるように、幸せを壊さないように、何も考えなくて済むように、
みんなのイメージ通りの明るく能天気な高坂穂乃果の仮面を被る。
10:
?????
穂乃果「お待たせ海未ちゃん!」
海未「遅いですよ!遅刻寸前です!」
穂乃果「うぅ?……、ごめんね海未ちゃん!」スリスリ
海未「す、スリスリしないでくださいっ!///」
穂乃果「海未ちゃん顔真っ赤だよ??」
海未「気のせいです!全く、なんでそんなに遅れるんですか!」
穂乃果「うぅ……、面目ない……」
海未「そのせいで……穂乃果と一緒に居れる時間が減ってしまうではないですか……」ボソッ
穂乃果「う、うみちゃーん!」ギューッ
海未「は、離れてください!」
穂乃果「可愛いなぁ!大好きだよ!大好き!大好きっ!」
海未「や、やめてください///○○○だっているんですよ?
ちょっ、穂乃果―――」
11:
?????
海未「果―――穂乃果!起きなさい穂乃果!」
またしても私の夢は終わり、楽しくもない現実がやってくる。
はぁ、幸せな夢見れてたのにな……。
穂乃果「何、海未ちゃん……恨むよ?」
海未「何言ってるんですかっ!もうお昼ですよ?起こさないほうがよかったですか?」
穂乃果「ええっ!?もうそんな時間なの?」
ことり「授業全部寝てたもんね♪」
海未「本当、ありえませんね……。これで最近のテストの点数が上がりつつあるのが
不思議でなりませんよ……」
穂乃果「うぅ……、穂乃果も最近悩み事があって夜も眠れなくて……
授業中に寝るしかなんだよぉ!」
海未「馬鹿なこと言ってないで食べますよ、時間が無くなってしまいます。」
ことり「でも何か本当に悩み事あるならいつでも相談にのるからね?」
あながち冗談でもないんだけどね。それにしてもことりちゃんは優しいね。
本当に相談したらどうするのかな?海未ちゃんを譲ってくれる?
12:
穂乃果「いや?、今日もパンが美味い!」モグモグ
海未「また今日もパンですか?」
穂乃果「ふーんだ!穂乃果には誰かさんみたいに毎日お弁当用意してくれる
人なんていないからね!」
ことり「それなら二個も三個も作るの変わらないから、穂乃果ちゃんの分も作ってあげようか?」
海未「こ、ことり!それは……」
穂乃果「えへへ、冗談だよ!嫉妬深い誰かさんがうるさいし……
私はパンが好きだから食べてるんだしねっ!」
13:
ことり「ふふっ。ありがとう穂乃果ちゃん!」
海未「誰が嫉妬深いですか!誰が!」
穂乃果「別に誰とは言ってないんだけどな?」ニヤニヤ
海未「うぅ……///」
ことり「私はそんな海未ちゃんも大好きだよっ!」
海未「ことり……」ウルウル
穂乃果「こら!いちゃつくの禁止!ご飯が食べれなくなっちゃうよ!」
本当にいろんな意味でね。
それにしても手作りのお弁当か?
私もよく付き合ったら作ってあげよう!とか思ってたな。頑張って肉じゃがくらいまでなら作れるよう練習したのに無駄になっちゃったな。



14:
穂乃果「ごちそうさまっ!」
海未「ごちそうさまでした」
ことり「ごちそうさま♪今日のはどうだったかな……」
海未「とても美味しかったですよ、ありがとうございます」ニッコリ
ことり「はうっ!///」
穂乃果「はぁ……、もう勝手にやっててよ穂乃果は寝るから」
海未「こら!授業があるんですから寝ては駄目です!」
穂乃果「知らないよー……ぐぅ……ぐぅ」スヤァ
ことり「もう寝ちゃった……」
海未「なんて人なんでしょうか……」
ことりちゃんは羨ましいなぁ、私の一番欲しい物を手に入れてて
私がしたいことを全部できるんだもん。妬けるなぁ……本当にね
 
だから私はまた眠ろう、夢の中では自分の望む世界であるよう祈りながら。
15:
?????
穂乃果「海未ちゃんあーん♪」
海未「穂乃果ぁ///」
穂乃果「うふふ、海未ちゃんのために徹夜で作った揚げ饅頭の肉じゃが弁当だよ!」
海未「嬉しいです!」
穂乃果「ずっと海未ちゃんに食べてもらおうと思って練習してたんだっ!いっぱい食べてね?」
海未「はい!でも……」
穂乃果「どうしたの!?不味かった……?」
海未「いえ、とても美味しいのですが……」
海未「私にはその……、穂乃果にお弁当のお返しにあげれるものがなくて……」
穂乃果「もう!何言ってるの?穂乃果は海未ちゃんが居てくれるだけでいいの!」
穂乃果「だからこれからも穂乃果の傍にいてくれなきゃいやだよ?」
海未「もちろんです!」
穂乃果「ふふっ、約束だからね!」
海未「ええ!やくそ―――「ちゃん!―――果ちゃん!」
17:
?????
ことり「穂乃果ちゃん起きて!練習に遅れちゃうよっ」
穂乃果「うぅ……ことりちゃぁん……?」
ことり「もう放課後だし練習にいかないとっ」
また私の夢は終わっちゃったんだ
今度はことりちゃんか……恨むよ?本当に
穂乃果「んーっ!練習かー!」
海未「ほら、目が覚めたのでしたら早く行きますよ」
学校生活の中で練習は好きな時間だった
だって練習に夢中になれば二人の関係も忘れられる
それにみんながいるから三人じゃない、それだけでずいぶんと楽になれるんだもん
18:
穂乃果「練習だー!ファイトだよ!」
真姫「最後に来たくせによく言うわよ……」
花陽「ほ、穂乃果ちゃん達も用事があったのかもしれないし!」
凛「また寝てたんじゃないのかにゃー?」
穂乃果「むう!毎回寝てるかのように……!そんなこと言う子はこうしてやる!」コチョコチョ
凛「ひゃっ!……あははは、はははは!ごめんね穂乃果ちゃん!キブ!ギブにゃー!」
穂乃果「ダメダメ!まだまだいくよーっ」
19:
ことり「あはは、本当に寝てたんだけどね……」
海未「まったく穂乃果ったら……」
希「まあまあ、賑やかでええやん」
絵里「本当穂乃果はいつも元気ね」
にこ「あの能天気さは羨ましいわよ……、悩みがなさそうで」
希「言うてにこっちも大した悩みなんてないんちゃうかな??」
いつも元気か、良かった。私はちゃんをいつも通りの明るい高坂穂乃果でいられてるんだね
でもねにこちゃん、私にだって悩みくらいあるんだよ?
まあ秘密だけどねっ!
20:
海未「では今日の練習はこのくらいで」
穂乃果「うはー、今日も疲れたー……」
こうして今日も練習が終わった、やっぱり練習がいいね。何も考えずに済むもん
見たくもない現実を見なくてすむもん
ことり「お疲れ様、穂乃果ちゃん♪」
海未「お疲れ様です」
穂乃果「うん、お疲れ様?……、今日も疲れたね……」
ことり「最近の穂乃果ちゃんすごい真剣に練習してるよね!」
海未「ええ、良い傾向ですよ」
穂乃果「そうかなぁ?二人のおかげかもねっ」
本当に二人のおかげだよ
21:
海未「私たちの?」
穂乃果「んー、二人がいるから頑張れるって言うか……とりあえずそんな感じなの!」
ことり「ふふっ、ことりも穂乃果ちゃんがいるから頑張れるんだよ!」
良いのかなぁ?そんなこと言ってると隣の恋人が拗ねちゃうんじゃない?
……ほらね
海未「……」ジトーッ
穂乃果「こらこらことりちゃん!海未ちゃんが拗ねちゃってるよっ」
ことり「あーん!ごめんね海未ちゃん!海未ちゃんは何というか……特別なの!」
海未「本当ですか……?」ウルル
ことり「うん!うん!」
あーあ、またイチャイチャし始めちゃったよ……、早く帰ろう……
そして寝よう……
22:
海未「そうだ穂乃果、帰りに寄り道しませんか?」
ことり「うん!とっても美味しいケーキ屋さんがあるんだ!」
穂乃果「あー!それってこの前デートで行ったって言ってたあそこ?」
ことり「うん!三人で行こうって約束したっきりまだだったから、どうかな?」
海未「最近はあまり寄り道もしてませんし……どうですか?」
穂乃果「うーん……、悪いけど今日はやめとこうかなぁ」
海未「あの……もしかして気を使ってるんですか?別にそんなことしないでも……」
穂乃果「ち、違うよ!練習がハードすぎて寄り道する体力も残ってないんだよぉ……」
むしろ二人こそ私に変な気なんて使わないでいいのに
私のことなんて石ころみたいに思ってくれていいのにね
23:
海未「そうですか……?」
穂乃果「うん!気にしないで二人で行ってきなよ?」
ことり「ねえ、穂乃果ちゃん」
うっ……、耳元でことりちゃんの声を囁かされると脳が解けちゃいそう……
そうやって海未ちゃんのことも落としたのかな?羨ましい……
私もこんなにかわいい声だったら良かったのかな?
ことり「最近の穂乃果ちゃんはやっぱりちょっとおかしいよ?
海未ちゃんは気づいてないみたいだけど……本当に何かあるなら相談してね?」
胸がどきっとした、誰も気づかない変化にことりちゃんは気づいてくれてるんだ
それだけで少し嬉しくなった
24:
穂乃果「本当に何でもないから大丈夫だよ?それにあまり内緒話すると嫉妬しちゃうよ?」チラッ
海未「……」ソワソワ
穂乃果「ほらほら!」
ことり「うん……、でもなにかあるなら本当に……」
穂乃果「もうー!心配性だなぁ……まあ帰るから楽しんできてねっ!じゃあね!」
だけどね、それと同時にとても悲しくなったんだ
だってことりちゃんは気づいてくれたのに、海未ちゃんは気づいてくれてないんでしょう?
私のことなんて見てくれてないって、改めてわからされちゃったみたい……
25:
?????
私が報われることは多分ないだろう。だけどそれでもいい
一番近くで海未ちゃんのことを見て行けるなら、それがどんなにつらいことでも……
ずっと好きだったんだも、無駄だとわかっていようがこの気持ちを簡単に捨てることも切り替えることもできないよ
穂乃果「んーっ、もうそろそろ寝るかなぁ……」
だけどそれじゃあ悲しすぎるから……
だから夢の中でくらいは海未ちゃんを借りてもいいかな?
……私って最低な幼馴染だよね、ごめんねことりちゃん
だけど……
26:
?????
穂乃果「う?みちゃん!」ギュッ
海未「ほ、穂乃果!なんですかっ」
穂乃果「ずっと一緒だよ!ずっとずっとね!」
海未「当然じゃないですか!今まで一緒だったんですよ?
これからもずっと一緒ですよ」
穂乃果「うん!うん!ありがとう、好き!大好きだよっ!愛してるよっ!」
現実ではもうこの想いを伝えることはできないから
せめて夢の中でだけは……
おしまい
27:
いちゃいちゃ書いてるとたまにこういうのも書きたくなるけど難しい
ありがとうございました
29:

すごい切なくなったけど、たまにはこういうのも良いかもしれない
33:
誰も穂乃果ちゃんを見透かしてあげれる人がいないのか…
のんたんあたりならと思ったけど…
3

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