コナン「うなぎいかがっすかー」元太「大将、いつもの二杯くれ」back

コナン「うなぎいかがっすかー」元太「大将、いつもの二杯くれ」


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1:
コナン「あいよ」ジュー
コナン「へいおまち」ドン
元太「」ガツガツハフハフ
元太「」モグモグ
コナン「」ジュー
元太「」モグモグ
コナン「」ジュー
元太「ごっそさん」
コナン「毎度」
灰原「」
5:
灰原「ねぇちょっと」
コナン「へいらっしゃい」
灰原「貴方、なにやってんの?」
コナン「?」
灰原「工藤くん?」
コナン「へぇ、お客さん人違いじゃないですかね」
灰原「は?」
コナン「あっしの名前は江戸川コナン」
コナン「しがない鰻屋っすわ」
灰原「」
7:
コナン「お客さん」
コナン「冷やかしなら帰ってもらえませんか」
コナン「そこに立たれると、他のお客さんが入ってこれないんですわ」
小五郎「ちっ」
灰原「あ、ごめんなさって...え?」
コナン「らっしゃい」
小五郎「大将、うな重一杯」
コナン「あいよ」ジュー
灰原「」
14:
小五郎「大将、おかわり」
コナン「あいよ」ジュー
ジン「大将、ただいま戻りました」
コナン「おう、ご苦労さん」ジュー
ジン「活きのいいのがたくさん手にはいりましたわ」ピチピチ
コナン「ほー、こりゃ良い。オメーも分かってきたじゃねえか」
ジン「うっす」
小五郎「ごっそさん」
コナン「毎度」
18:
灰原「(何?)」
灰原「(なんなのこれ?)」
ジン「所で大将」
コナン「あ?どうした」
ジン「あの姉さんは、お客さんですか?」
コナン「なんだまだ居たのか姉ちゃん」
コナン「ここは喫茶店じゃねぇんだ、誰かと待ち合わせなら他所でやってくんな」
灰原「いや、だからちょっと待っt」
ジン「らっしゃい!」
コナン「へいらっしゃい」
園子「大将、丼3で」
コナン「あいよ」ジュー
19:
ジン「園子さん、今日は3ですか?」
園子「4でもいいんだけど、今からデートなのよ」
コナン「そいつはいい、しっかり食べてかねぇとな」ジュー
園子「やっぱそうかな大将?じゃあ4で!」
コナン「あいよ」ジュー
灰原「(さっきから皆おかしい気がする)」
灰原「ねぇ江戸川君」
コナン「あん?なんだい姉ちゃん」ジュー
灰原「私のこと、覚えてないの?」
コナン「さっきから一体何言って」ジュー
園子「大将、口説かれてるんじゃないの?」
ジン「おっと、大将にも春が」
コナン「バーロー!俺の恋人はウナギだけだ!」ジュー
ジン「わかってますって」アハハハ
灰原「聞け」
21:
コナン「へいお待ち」ドンドンドンドン
園子「」ガツガツハフハフ
ジン「」カチャカチャ
コナン「」ゴシッゴシッ
ジン「」キュッキュッ
コナン「」ゴシッゴシッ
灰原「ね、ねぇ」
園子「」ガツガツハフハフ
プルルルル ガチャ
ジン「はい、ウナギ屋本舗江戸川です」
23:
ジン「あいよ、重弁20っすね」
ジン「大将」
コナン「もうやってるよ」ジュー
ジン「さすがっす」
灰原「ねぇってば」
園子「」ガツガツハフハフ
コナン「ジン」ジュー
ジン「うす、箱持ってきやす」
灰原「聞けー!!!」
園子「」ビク
ジン「」ビク
コナン「」ビク
25:
灰原「ちょっとあんたどうしちゃったわけ!」
灰原「てかあんたも!」
ジン「お、俺ですか?」
灰原「もっと言うならあんたも!」
園子「あ、あたし?」
コナン「姉ちゃん!」
コナン「困るんだ。もう帰ってくれ」
灰原「」
灰原「わ、わかったわよ...」
28:
灰原「はぁ、もうなんなのよったく」
ウォッカ「はぁ」
ウォッカ「ジンの兄貴、一体どうしちまったんですかい...」
灰原「あ、あれは!」
ウォッカ「ん?」
灰原「ウォッカ...!」
ウォッカ「シェリー...」
ウォッカ「お、俺がわかるのか!?」
灰原「へ!?えぇまぁ...」
ウォッカ「やっと!やっと俺を知ってる人に出会えた!!」ナミダポロポロ
灰原「ちょ、え?」
31:
灰原「どういうことなの?」
ウォッカ「それが、みんな急におかしくなっちまったんだ」
ウォッカ「兄貴は何故かウナギ屋の修行してるし」
ウォッカ「ベルモットの姉さんは建築関係の仕事」
ウォッカ「ボスはソニーで係長やってる」
灰原「」
ウォッカ「そしてみんな」
ウォッカ「お互いがお互いのこと、忘れちまってるんだ」
灰原「なん...ですって...?」
35:
灰原「でも確かに」
灰原「工藤くんも、ジンも小嶋くんも園子さんも毛利探偵も」
灰原「互いに知らない人同士って感じだったわね」
ウォッカ「俺はこれからどうすればいいんだ」
灰原「ウナギ屋に行きましょう」
ウォッカ「え?」
灰原「思い出させるのよ」
灰原「何がなんでも」
ウォッカ「出来るのか?」
灰原「やるのよ」
39:
コナン「へいらっしゃい」
コナン「ん?また姉ちゃんか」ジュー
歩美「ごちそーさま」
ジン「毎度」
灰原「うな丼二杯もらえるかしら」
コナン「今度は客ってわけか」
コナン「あいよ」ジュー
灰原「そういえばウォッカ」
ウォッカ「ん?」ゴクゴク
灰原「あんたってホモでしょ」
ウォッカ「ブフォ!!けほっけほ!」
ウォッカ「いきなりなんだ!?」
灰原「話を合わせて」ヒソヒソ
ウォッカ「(なんの意味が...)」
40:
ウォッカ「ち、チガウヨ」
灰原「」
ウォッカ「」
灰原「」
ウォッカ「」
灰原「大将は、遊園地とかって行く?」
コナン「あっしはそういうとこには行ったことはないですねぇ」ジュー
灰原「じゃあ、蘭さんって人」
灰原「覚えてないかしら」
コナン「いや、聞いたことないですわ」ジュー
ウォッカ「(なんで俺はホモ扱いされたんだ)」
42:
コナン「へいおまち」ドンドン
ウォッカ「う、うめぇ」ガツガツハフハフ
灰原「ホント、美味しいわね」
コナン「気に入ってもらえて、なによでさぁ」
ジン「大将」
コナン「ん?」
ジン「お電話です」
コナン「もしもし?」
光彦『コロス』
コナン「またあんたか」
コナン「いい加減にしてくれ」
光彦『絶対許さない』
48:
コナン「ったく」
「大変だー!」
「人が死んでるぞー!」
灰原「これは!」
ジン「またですか」
コナン「物騒だな最近は」
灰原「(工藤くんが、事件になびかない?)」
ウォッカ「」ガツガツハフハフ
灰原「(こいつはさっきから使えないわね)」
50:
灰原「今日はとりあえず帰ってきたけど」
灰原「いったい何がどうなったのか...」
灰原「博士?博士いないの?」
灰原「」
灰原「」
灰原「博士!?」
灰原「博士の服が、無くなってる?」
灰原「博士の使ってた日用品も...」
灰原「まさか、博士まで?」
51:
灰原「でも、消えたって変じゃないかしら」
灰原「いえ、考えたってしょうがないわ」
灰原「この状況をなんとか元に戻せば」
灰原「工藤くんも博士も帰ってくるはず」
灰原「でもどうやって」
蘭「お姉ちゃんおかえりー...」
蘭「お昼寝しちゃってたー」エヘヘ
灰原「」
54:
蘭「どうしたのお姉ちゃん?」
灰原「(な、なんで蘭さんがロリっ子萌え萌えに!?)」
蘭「今日ね、テストで100てん、とったんだよぉー」
蘭「えらい?」
灰原「え、えぇいい子ね」
蘭「わーい!お姉ちゃんに褒められたぁ!」キャッキャ
灰原「」
58:
蘭「ねー、ごはんまだー?」
灰原「い、今から用意するから」
灰原「待っててね?」
蘭「はーい」
灰原「何かが根本的におかしい」
灰原「いったいこの世界は、どうなっちゃったの?」
キッド「気になるかい?」
灰原「!」
59:
灰原「キッド!?」
キッド「俺のことがわかるってことは、あんたも俺と同じ境遇ってことだな」
灰原「あんたもって...じゃあ」
キッド「俺の周りの人間が変わっちまった」
キッド「知り合いは知らないやつになっちまったし」
キッド「消えたやつもいる」
灰原「なにか、わかったことがあるの?」
キッド「ない」
灰原「」
60:
キッド「しゃーねーだろ」
キッド「わかるわけねーっつの」
灰原「いや、まぁそうね」
蘭「あれー、お兄ちゃんもかえってたんだー」
キッド「」
灰原「」
蘭「ごはんはー?」
灰原「今、作るわ」
蘭「はーい、お兄ちゃんゲームしよー!」
キッド「あ、あぁ」
63:
コナン「さて、今日は閉めるか」
コナン「ジン、先上がっていいぞ」
ジン「で、ですがまだ掃除が」
コナン「俺がやっとくよ」
コナン「今日、彼女の誕生日なんだろ?」
ジン「た、大将...!」
コナン「ほら、行け」
ジン「ありがとうございます!!」
コナン「へっ」
65:
コナン「ったく、彼女がいるってのはいいねぇ」カチャカチャ
コナン「」カチャカチャ
コナン「」カチャカチャ
コナン「」カチャカチャ
コナン「」キュッキュッ
コナン「」キュッキュッ
コナン「昼間のキレーな姉ちゃんはなんだったんだろーな」
67:
コナン「うし、帰るか」
光彦「許さない」
コナン「ちっ」
コナン「またあんたか」
光彦「許さないと言った」
コナン「はぁ、あっしが?何かしたんですかねぇ?」
光彦「父を」
光彦「母を殺した!」
コナン「はっはっは。だから何べんも言ってるじゃないですか」
コナン「あっしじゃない」
コナン「警察でも、裁判でも」
コナン「無罪だったじゃないですか」
68:
コナン「あっしはしがないウナギ屋」
コナン「第一、あっしは貴方の両親を知らない」
光彦「うるさいお前がやったんだ!」
コナン「何を根拠に」
光彦「そんな気がする」
光彦「それだけじゃ、ダメですか?」
コナン「ダメだろ」
75:
コナン「ったく」
コナン「今日はもう閉めたんですが」
コナン「一杯、どうです」
大将は笑ってそう言うと、店の中に入ってウナギを焼き始めた
タレの匂いが食欲を掻き立て、僕はその匂いに釣られるように店に入った
「へいお待ち」
笑顔でそういう大将。僕は箸を取って一口食べた
そこは宇宙だった
無限に広がる星、とどまるところを知らない流星、広大な銀河
僕は、泣いていた
82:
光彦「大将...僕はっ」ヒックエグ
コナン「おっと、何を言おうとしてるのかは知らないですが」
コナン「今はウナギに集中してください」
光彦「大将!うまい!うまいです!!」ガツガツハフハフ
コナン「ははは、そいつは良かった」
光彦「ごちそうさまです!」
コナン「あいよ。お代は結構だ」
光彦「ですが!?」
コナン「あんたがうまいと言ってくれた」
コナン「あんたが俺のウナギに感動してくれた」
コナン「それに今は営業時間外だ」
コナン「俺が誘ったんだ。金を取るわけにはいかねぇよ」
86:
光彦「大将...でも僕は貴方に」
コナン「なぁに気にすんなって」
コナン「また食いに来てくれるなら、それで十分だ」
光彦「はい!絶対また来ます!」
コナン「あいよ」
コナン「ったく、ワケーもんは良い食いっプリだぜ」
91:
灰原「朝...ね」
灰原「元の世界に戻ってたら良いんだけど」
蘭「すーすー」
灰原「やっぱ戻ってないか」
キッド「よう」
灰原「」
キッド「なんだよ」
灰原「あぁ素顔」
キッド「あんなの着て寝れるかよ」
灰原「まぁそうね」
96:
蘭「行ってきまーす!」
灰原「車に気を付けなさいよ」
蘭「はーい!」
キッド「じゃあ俺も、ちょっと調べてくる」
灰原「私も、ちょっと行くところあるから」
キッド「おうじゃあまた」
灰原「えぇ、あの娘の戻る夕方には帰るから」
キッド「じゃあ俺もその辺に帰ってくるよ」
灰原「いってらっしゃい」
灰原「なんだこれ」
98:
灰原「まぁ、落ち着きましょう」
灰原「取り合えず、工藤くんのところへ」
コナン「へいらっしゃい」ジュー
ジン「らっしゃい」カチャカチャ
元太「大将、おかわり」
コナン「あいよー」
コナン「ん、昨日の姉ちゃんか」
コナン「気に入ってくれたのか?嬉しいねぇ」
灰原「え、ええまぁ」
100:
灰原「うな丼一杯で」
コナン「あいよ」ジュー
元太「」ガツガツハフハフ
ジン「大将、漬物屋、遅いっすね」
コナン「そうだな」ジュー
コナン「」ジュー
ジン「」カチャカチャ
灰原「(どうしよう、なに喋れば)」
元太「」ガツガツハフハフ
103:
元太「ごっそさん」
コナン「毎度」ジュー
小五郎「大将、重弁3頼む」
コナン「へいらっしゃい」
コナン「あいよ」
ジン「持ち帰りとは、珍しいですね」
小五郎「あぁ、今日からちょっと出張でな」
コナン「へいおまち」ドン
灰原「どうも」
105:
小五郎「新幹線で食おうかと」
ジン「なるほど」
コナン「どちらまで行かれるんですかい?」
小五郎「ブラジル」
灰原「(新幹線で!?)」
ジン「いいですねブラジル」
コナン「良いとこですな」
小五郎「土産、楽しみにしててくれ」
コナン「あいよ、悪いねいつも」
小五郎「こんなウマイウナギ食わしてもらってんだ」
小五郎「感謝だよ」
コナン「あっす」
ジン「ありがとうございます」
107:
コナン「へいお待ち」
小五郎「じゃ」
ジン「いってらっしゃい」
灰原「」モグモグ
コナン「」ゴシッゴシッ
ジン「」カチャカチャ
灰原「」モグモグ
コナン「」カチャカチャ
ジン「」キュッキュッ
灰原「」モグモグ
109:
灰原「ごちそうさま」
コナン「毎度」
ジン「毎度!」
灰原「結局、何も聞けなかった」
灰原「本当に忘れちゃってるのね」
灰原「はぁ」
ウォッカ「はぁ」
灰原「...いたの?」
ウォッカ「はあ!?ずっといただろ!?」
灰原「えぇ!?いつからよ!!」
ウォッカ「昨日から」
灰原「(居たのかよ)」
111:
灰原「とっくにどっか行ったのかと思ったわよ」
ウォッカ「つれないなぁ」
灰原「で?何か用」
ウォッカ「」
ウォッカ「いや、一人にしないで下さい」
灰原「」
112:
灰原「じゃあ何か考えなさいよ」
灰原「どうすればもとに戻るか」
ウォッカ「へぇ、ずっと考えてたんですが」
灰原「何よ」
ウォッカ「ブラジルって新幹線では行けませんよね」
灰原「それかよ!それはもう良いよ!!」
ウォッカ「」ビク
115:
灰原「そうじゃなくて」
灰原「どうすれば元の世界に戻せるかでしょ」
ウォッカ「はぁ」
灰原「なにかない?」
ウォッカ「頭を思いっきり殴ってみるとか」
灰原「全員にできるわけないでしょ」
灰原「そんなのじゃ無理よ」
灰原「消えた人間だっているんだから」
ウォッカ「そんなこと言われてもどうすりゃいいのさ...」
灰原「拗ねるな」
119:
キッド「やはり、誰かが意図的にこんな世界にしたのだろうか」
キッド「だが」
キッド「そんなことできる人間なんているはずがねぇ」
キッド「神...」
キッド「いや、そんなもんいるわけない」
120:
キッド「だとしたら...」
コナン「へいらっしゃい」
キッド「え?」
コナン「ご注文は?」
キッド「ウナギ屋?なんで?」
コナン「どうしやしたお客さん」
キッド「(それにこいつ...)」
コナン「?」
キッド「あ、えっと、うな丼一杯」
コナン「あいよ」
122:
キッド「(なんでウナギ屋に座ってんだ俺は)」
キッド「さっきまで全然違うとこに居たってのに」
キッド「あれ?」
コナン「」ジュー
キッド「俺って...」
コナン「」ジュー
キッド「あぁ、俺は探偵だったな」
コナン「お客さん、探偵なんですかい?」
キッド「あぁ、毎日毎日大変でよ」
キッド「おまけに妹二人いるんだ」
キッド「一人はまだちっちゃいんだが、もう一人が難しい年頃でね」
コナン「まぁ女の子はねぇ、へいおまち」ドン
125:
灰原「あーもう」
灰原「頭おかしくなりそう」
灰原「ウォッカにはあのウナギ屋を張らせて」
灰原「工藤くんの家を調べさせるとして」
灰原「私は帰ろうかしら」
灰原「買い物しなくちゃ」
灰原「早くしないと蘭さん、帰ってきちゃうわね」
126:
蘭「ただいまー!お姉ちゃんっ!!」
灰原「お、お帰りなさい」
蘭「今日のごはんはなぁに?」
灰原「ハンバーグよ」
蘭「やったぁ!ハンバーグ!ハンバーグ!」
キッド「ただいまー」
蘭「あ!お兄ちゃんだ!!」
キッド「よぉ蘭、学校は楽しかったか」
蘭「うん!今日はね!えっとね!」
128:
キッド「よう哀」
灰原「!?」ゾクゾク
灰原「な、なんだって?」
キッド「なんだって、名前呼んだだけじゃねーか」
キッド「どうしたお前?おっ今日はハンバーグかぁ!!」
灰原「キッド...?」
キッド「キッドってなんだよ。頼むから昔みたいにお兄ちゃんって呼んでくれよ」
蘭「お兄ちゃん!」
キッド「お?なんだぁ?」
灰原「」
129:
灰原「どういうこと」
灰原「キッドの記憶が変えられた?」
灰原「今朝まで、確かに普通だったはず」
灰原「ってことは」
灰原「ここは別の世界なんかじゃなくて、本当の世界」
灰原「本当の世界で記憶や役割を変えられたってこと?」
灰原「誰が、どうやって?」
「ワシじゃよ」
灰原「あ、貴方は!?」
131:
灰原「は、博士?」
博士「久しぶりじゃの哀くん」
灰原「な、貴方は消えたはず!」
博士「そう思わせただけじゃ」
博士「中々見事なもんじゃろう?」
博士「ワシが創設した世界」
灰原「創設...」
博士「ワシはついに、科学の力をもってして、神となったのじゃ!」
灰原「ちょっとなにいってるかわからない」
135:
灰原「なに言ってるの博士!?」
博士「君もこの世界に取り込まれるのは時間の問題じゃ」
灰原「一体なにが目的なの!?」
博士「神となることじゃが」
博士「それ以外に理由なんてないがのぉ」
灰原「ふざけないで!」
「おっと喧嘩はよくねぇなぁ」
博士「むむ!貴様は」
コナン「江戸川コナン、ウナギ屋さ」
灰原「」
138:
コナン「ついてきな」
コナン「ここじゃ、最上級のもんは食わせらんねぇ」
博士「なんじゃと?」
灰原「工藤くん、一体何を言って」
コナン「俺は江戸川だって言ってるじゃねぇか姉ちゃん」
コナン「よっと」開店ガラガラ
コナン「2日連続の時間外」
コナン「悪くねぇな」
博士「何をする気じゃ」
コナン「ウナギ屋はウナギ屋を焼く以外に道なんてねぇよ」
143:
「喧嘩するほど仲が良いってか」
笑いながらそう言う工藤くんは、私達が席に座る前に焼く準備をしていく
準備を終えた彼はお茶を私と博士の前にそっと置いた
「大将、頼まれてたもん持ってきやした」
ジンはそう言ってクーラーボックスを開けた
「最上級だ」
ウナギが焼かれる。見事な手さばき、瞬く間に焼かれていくウナギにタレの匂いが鼻に付く
「へいおまち」
笑いながらそういう大将、箸をとる博士
「不味かったら承知せんからの!」
そういった博士は、既に泣いていた
146:
博士「うまい...なんてうまさなんじゃあ!」ガツガツハフハフ
博士「ワシは!ワシはとんでもないことをしてしまってたんじゃな...」
灰原「は、博士?」
博士「ワシが悪かった!許してくれ」
コナン「ははっ、仲直り...だな?」
ジン「二人の絆は、今より強いものになるでしょうね」
コナン「あぁ、もう心配はいらねぇな」
灰原「」
147:
博士「お代を」
コナン「いらねぇよ」
博士「しかし!」
コナン「お代ならもう貰ったよ」
ジン「ですね...」グス
博士「え?いやしかし」
コナン「あんたらの、その強い絆が結ばれるとこを見れたんだ」
コナン「それだけでもう」
コナン「十分さ」
博士「大将!!」
ジン「大将、一生ついていきやす...!!」
灰原「」
151:
帰り道
博士「すまんかったな哀くん」
灰原「いいのよ、もう」
博士「皆をもとに戻そう」
灰原「ホント?」
博士「大将のあのウナギが食えなくなるのは残念じゃが」
博士「やはり、正しい道を選ばなければならん」
博士「これもみんな、大将のおかげじゃ」
灰原「そ、そう」
博士「では先に行こう。世界を戻して、先に待っとるぞ哀くん」タッタッタ
灰原「まぁ何にせよ」
灰原「これで戻るのね」
152:
灰原「ただいまー」
博士「おぉ、お帰り」
コナン「よぉ灰原」
灰原「(よかった、もとに戻ったのね)」
コナン「どーした灰原?」
灰原「いえ、何でもないわ」
灰原「どうしてここに?」
コナン「んあ?さー何でかな?」
灰原「(さっきまで彼、ウナギ屋に居たのに)」
灰原「まぁ、世界が戻った証拠かしら」
コナン「博士ー、明日の分のウナギちゃんと仕入れろよ」
灰原「」
153:
灰原「な、なに言ってるの?」
コナン「何って?」
博士「どうしたんじゃ哀くん」
灰原「博士!ちゃんと戻すって言ったじゃない!なんで彼まだウナギ屋なの!?」
博士「な、なんのことじゃあ!?」
コナン「灰原!」
灰原「な、なによ」
コナン「俺は自分がウナギを焼きたいから焼いてるんだ」
コナン「博士は関係ねーよ」
灰原「」
158:
今日もいつもと変わらない平和な一日が過ぎていく。それはとても当たり前なことで、とても良いことだ
寂れた商店街に一軒、ウナギ屋があ

そこのウナギはとてもうまい
そこのウナギはとても柔らかい
そこのウナギは世界を越えている
一口食べると口のなかに宇宙が広がり、世界が回る
なんてちっぽけな自分。壮大すぎるウナギ
「うなぎいかがっすかー」
そして聞き慣れた、気さくな店主の声
俺はそれを求めて、今日もいく
「大将、いつもの二杯くれ」
「あいよ」
えんど
160:

161:
まさかの元太視点
162:
乙!
16

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