カンフー真紅 〜悪寒と頭痛と、時々、嘔吐〜back ▼
カンフー真紅 〜悪寒と頭痛と、時々、嘔吐〜
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真紅「アチョーーーーッ!!! ハイッ! ハイッ! ハイヤーーーー!!!」
ジュン「何やってんだ真紅…? 朝っぱらから庭で大きな声を出して」
真紅「あらジュン? これはね、見てのとおり修行よ。カンフーよ」
ジュン「カンフー? 見る限りその変な木人相手に殴る蹴るを繰り返していたようにしか…」
真紅「私は最近の自分を見つめなおした結果、あまりにアリスとして腑抜けていたことに気付いた。
まあ、もともと人形だから最初から臓腑とか無いんだけれども」
ジュン「ほう?」
真紅「アリスの名の上に胡坐し、日々を欲望のままに溺れ、ジュンとの爛れた生活を送っていた自分が恥ずかしい」
ジュン「爛れてないっつーの。僕までお前の堕落しきった『食っちゃ寝生活』の原因みたいに言うな」
真紅「この生活態度を改め、貴族的精神を取り戻すためのカンフーというわけよ」
ジュン「……」
真紅「無心でこの木人を打ち据えるうちに自らの精神性が研ぎ澄まされ、浄化されていく。
ノーカンフー・ノーアリスの悟りを私は拓いたのだわ。すごいね人体」
ジュン「へぇー」
真紅「アイヤーーーーーッ! ハイッ! ハイッ! ソイヤッサ!!! チョリソーーーッ!!」
ジュン「何をしようが真紅の勝手だが、あんまり大声出すなよ。近所迷惑だからな」
真紅「シャウトなくして開放のカタルシスは有り得ないわジュン」
ジュン「お前はカタルシスでも、他人はフラストレーションだっつーの」
641 :
のり「あれ? もうお昼の時間なのにヒナちゃんも真紅ちゃんも翠星石ちゃんもいないわ」
ジュン「そうだな」
のり「ジュン君、何か聞いている? 三人とも遊びに行っちゃってるのかしら」
ジュン「さあ。雛苺と翠星石の行方は全然分からないけど真紅は…、てアイツまだ庭でカンフーやってるのか?」
のり「もし、そうだったらジュン君、真紅ちゃんだけでも呼んできて?」
ジュン「はいはい…」
640 :
真紅「キエーーーッ!!!」
ジュン「うわっ、すっげ! まだやってる。木人ボロボロじゃん真紅。それより、もう昼飯の時間だぞ」
真紅「ふぅーーーっ! 私としたことがついつい没我の境地に達してしまったわ。そしてついに極めた」
ジュン「ずっと修行していたのは感心だが、半日足らずで極められるものじゃないだろ…カンフー」
真紅「いえ、私が極めたのは最早カンフーではない」
ジュン「はい?」
真紅「私が極意を得たのはショーリンケン、カンフー…つまり東洋の神秘の格闘技カラテ!!」
ジュン「何故そうなる」
真紅「一を知り十を極める乙女である真紅様にとって、この程度のことは朝飯前…いえ、昼飯前よ」
ジュン「上手いこと言ったつもりか」
真紅「見なさいジュン! これこそが私のファイナルカラテアーツ! アリス突きよ!!! あちょーっ!」ズドッ
ジュン「おおっ! 真紅の正拳突きで木人が木っ端微塵に!!?」
真紅「こおおおおおおお」プルプルプル
ジュン「…気持ちよく残心を決めているところ悪いが、この技って結局いつもの真紅の
パンチのインパクトの瞬間にローズテイルも撃ってダメージを超アップさせるってやつだろ?」
真紅「ふ、流石ねジュン。よくぞ見抜いたわ」
ジュン「だったら修行カンケーないじゃん」
真紅「前言撤回、とんだフシアナねジュン。たとえ同じ技であろうとも、カンフーの奥義を得た
この真紅様のファイナルカラテアーツは以前の真紅フィンガーの威力をはるかに底上げしている」
ジュン「……」
真紅「よく確かめてみなさいジュン、この木人の残骸を」
ジュン「ああっ! 木人の胴体の中心には鋼鉄の芯が入っていたのか!!?」
真紅「これで私の力の成長ぶりも分かったはず」
642 :
真紅「全ては来たるべき真・アリスゲーム…いえ、真紅ゲームのためによ」
ジュン「し、真紅ゲーム!!!!?」
真紅「私はアリスゲームを制し、アリスとなったわ。けど私は実際にはアリスすら
一段飛びに越え、超真紅となっていた。これはお父様も認めているところ」
ジュン「そ、そう言われれば確かに…っ!?」
真紅「いまや薔薇乙女ヒエラルキーは、超真紅>>(越えられない壁)>>アリス(笑)>>水銀燈、他姉妹>>薔薇水晶」
ジュン「薔薇水晶ディスるのはお約束なんですか真紅さん」
真紅「つまり、水銀燈とかが目指しているのはアリスなどという概念的存在ではなく、この真紅そのもの!」
ジュン「…!!!」
真紅「私を倒し、私のミスティカを吸収した者こそが次世代超真紅へと進化する。それが真紅ゲーム」
ジュン「マジか…!?」
真紅「ゆえに私はディフェンディングチャピオンとして心身ともに鍛えなおす必要があったというわけ」
ジュン「……」
真紅「今朝からまったく姿を見せない雛苺や翠星石もきっと何処かでその牙を砥いでいるに違いない」
ジュン「そうだったのか」
643 :
雛苺「ヒナ達、チャンポンになるためにモートックンしたの!」ジャジャン
真紅「きたわね、マイシスターズ!」
ジュン「翠星石! 雛苺!」
翠星石「この真紅ゲームを制し翠星石こそが次世代真紅…いやさ、それをも超えた初代翠星石として君臨するのです!」
雛苺「うにゃにゃ! ヒナだって初代雛苺になって、たっくさん銅像を建ててもらうのー!」
真紅「くっくっく、い?い感じで野心で眼を燃やしているわね。薔薇乙女たる者すべからくそうでなければ」
翠星石「さあ早勝負ですよ! 真紅ゲームの始まりですぅ!」
雛苺「始まりなのー!」
真紅「いいわ、どこからでもかかってきなさい」
翠星石「余裕ですね真紅。ですが、チビ人間の家の猫の額のような庭では勝負しづらいです!」
雛苺「いつもの空き地で勝負するの!」
真紅「よし、では空き地に行きましょう! でも、その前に!」
雛苺「その前に?」
真紅「お昼ご飯らしいから、食べてから真紅ゲームを始めましょう」
翠星石「それもそうですね」
雛苺「わぁい」
ジュン「……」
644 :
真紅「さて、かかってくるのはどっちから? 二人同時でもいいわよ」
翠星石「なめるなですよ真紅! 最初は翠星石が相手ですぅ!」
雛苺「翠星石、あいと! あいとーなの!」
蒼星石「翠星石! 今こそ特訓の成果を見せる時だ!」
オディール「ゲコクジョーですねー!」
巴「この勝負、一体どうなるのか。読めない…展開が全く」
ジュン「いつの間にか、ギャラリーが増えているんですけど、皆さんはどういうご関係で?」
蒼星石「あ、僕は翠星石のトレーナー兼セコンド」
オディール「私とトモエ=サンは雛苺のコーチです!」
ジュン「ああ、そう…」
645 :
カンフー真紅と呼んでもいいほどの武術の神様的存在よ。それでもいいのよね本当に」
翠星石「ふ、付け焼刃でカラテを修めた気になっている真紅なんぞ屁でもねーです!
翠星石だって午前中は蒼星石と血の滲むような特訓をしていたですぅ!」
蒼星石「僕達、人形だから実際は血が出ないけどね」
翠星石「そして翠星石がマスターしたスキルこそがこれです!」ジャララッ
雛苺「うにゃっ! 翠星石が武器を取り出したのよ」
巴「あれは鎖鎌だわ!」
オディール「ワオ…凶器…!」
真紅「それがあなたの真の武というわけ?」
翠星石「いかにもです! さあさあ、この翠星石の素早いクサリガマ捌き! かわせるですかぁ??」ヒュンヒュン
ジュン「うわわわっ! めちゃくちゃに鎌を振り回し始めたぞアイツ!」
蒼星石「みんな危ない! 翠星石は手元がすっぽ抜けることがある、離れるんだ!」
ジュン「全然マスターできてないじゃないか! 付け焼刃なのはどう見ても翠星石の方…ッッ!」
蒼星石「まあ、今日の午前中だけの特訓だったからね。でも、僕もできるだけのインストラクションはしたよ!」
オディール「ど、どんなことを翠星石にレクチャーしたのです? 蒼星石!?」
蒼星石「とりあえず翠星石の使っている鎖鎌の鎌の部分は安全性を考えてゴム製になっている」
ジュン「それインストラクションじゃないだろ」
巴「でも至極まっとうな判断だと思うわ」
オディール「馬鹿とクレイジーに刃物はトテモ・アブナイですからね」
蒼星石「真紅のカンフーも、カンフーパンダ見て今朝からやり始めたことらしいし、これはいい見せも…勝負だ!」
ジュン「今、見せものって言いかけただろ」
646 :
翠星石「ずおりゃーーー! くらえです真紅! クサリガマ奥義! オロチスプラッシューーーッッ!」
真紅「こ、これは…!?」
蒼星石「あれこそは究極奥義、オロチスプラッシュ!」
オディール「知っているのですか蒼星石!?」
蒼星石「勿論だとも! 適切に鎖鎌を振り回すことで、蛇のように予測不能なカマの軌跡が相手を襲う!」
ジュン「どうみても適切じゃなくて、テキトーにカマを投げつけているだけに見えるが」
雛苺「で、でも真紅の方は翠星石の前に手も足も出ないのよ!」
巴「ヒナの言うとおりね、真紅ちゃんは防戦一方」
ジュン「そりゃまあ、馬鹿が刃物振り回しているんだ危ないだろ(本当はゴムだけど)」
真紅「うぬぬ…」
翠星石「ふっふっふー! 紙一重でよ?く避けているですね真紅! ですが、いつまで続くですかーっ!」
巴「危ないわ、刃物に慣れていない人が振り回す刃物は…それゆえに危険!」
オディール「とらぬラクーンの皮算用とは正にこのことですねッ!」
ジュン「全然違うよ」
647 :
がーはっはっははははは! がーはははっはっはっはっはっはっは!!!」
真紅「く…」
ジュン「出たよ、翠星石の馬鹿笑い」
雛苺「久しぶりに聞いたのよ」
蒼星石「だが翠星石は絶好調だ! 今のところ鎖鎌がすっぽ抜ける兆しもない!」
巴「この空き地はドラえもんに出てくる空き地とほとんど同じ構成。
ジャングルジムとかを使って鎖鎌を封じることもできないわ」
オディール「万事リラックスですか…!」
ジュン「唯一、逃げ込めそうな場所は横に積まれている土管の中だけだが…」
翠星石「ふっふっふー! 逃げ込んでみろです真紅ぅ! 狭い場所なら鎖鎌は使えないかもしれないですよ?」
真紅「…そうね! そうさせてもらうわ!」クルッ
翠星石「チャンス! 逃げ込むために背中を見せた今こそ!」シュバアッ
巴「ああっ!」
雛苺「翠星石はこの瞬間を狙っていたのよ!」
蒼星石「見事なブラフだ翠星石!」
ジュン「そうか…?」
648 :
翠星石「なっ!? オロチスプラッシュを振り向きもせずにかわしたですか!?」
蒼星石「どういうことだ! まさか真紅は僅かなカンフーの功徳で、心眼にまで目覚めて…?」
巴「ポルナレフなんて10年近く修行しても、目の届かない所ではスタンドを戦わせられなかったのに!?」
ジュン「ただ単に翠星石の鎖鎌の命中精度が悪いだけでは…」
雛苺「だけど、これで真紅が完全に土管の中に隠れちゃったの!」
翠星石「くっ! 少しばかり命拾いしたですね真紅! ですが翠星石はガンガン攻めるですよ!」
巴「鎖鎌を振り回すのをやめて翠星石ちゃんが土管の中に走りこもうとしているわ!」
蒼星石「鎌を普通の手持ち武器として使う気だ!」
オディール「土管の中で真紅はカマで切り刻まれるのですか!!? コワイ!」
蒼星石「どうする真紅!? 閉所で刃物を持った相手にどう立ち向かう…!?」
649 :
真紅「かかったわね翠星石! ローズテイル!!」
翠星石「アバーーーーッ!!!」ちゅどーん
蒼星石「ああっ! まさかのローズテイル!?」
雛苺「土管の中だから翠星石にも逃げ場はなかったのよー!」
真紅「相手を閉所に誘い込み、逃げ場をなくして仕留める。これぞカンフーよ」
翠星石「あばばばっばば…」ピクピク
オディール「翠星石はローズテイルをモロに食らってノックダウンのようデスネー」
蒼星石「翠星石の一瞬の隙を突いての劇的な逆転勝利だ! これがカンフーか…っ!」
ジュン「……」
翠星石「あばばばっばば…」ピクピク
真紅「お父様から頂いた五体以外に重きを置く…、その性根が闘魂を鈍らせる」
ジュン「飛び道具使ったくせに」
真紅「ともかく! 第一試合は超真紅ちゃんの完・全・勝・利ッ!!!!」ばばーん
650 :
真紅「ええ、そうね。けれども翠星石との戦いで私が疲弊しているとは思わないことよ雛苺」
巴「そうよヒナ! それどころか真紅ちゃんは勝利の美酒を得て、さらに昂ぶっているわ!」
オディール「ヴィクトリーはモスキートドラゴンフライをタイガーにチェンジですね」
ジュン「ルー語で言われると、強くなってんのか弱くなってのか分かりませんオディールさん」
真紅「久しく飢えていた勝利の感覚、これこそ私が真紅ゲームに求めていたもの!」
ジュン「あいつ、何でもいいから他人をぶちのめして快感を得たかっただけじゃないのか…?」
真紅「だまらっしゃいジュン! 勝利の味を忘れた時から薔薇乙女は腐っていくのだわ!」
雛苺「ヒナだって真紅ゲームで勝つために修行したのよ! その成果を見せる時なの!」
オディール「ゴーゴー! レッツゴー! ヒナイチゴー! ゲコクジョーですYO!」
巴「頑張って! ヒナ!」
雛苺「行くのよ! 今こそヒナ必殺の…」スオオオオ
蒼星石「な、なんだ!? あの構えは!? ただでさえ小さい体躯の雛苺が猫背気味に構えて…?」
真紅「拳もゆるく握り、体の内側に引き込むかのような…? あなたも何らかのケンポーを極めたと言うの雛苺!?」
雛苺「そうよ! これこそ、うにゅー拳なの!!!!」
651 :
蒼星石「うにゅー拳だってェーーーー!?」
オディール「知っていたのですか蒼星石!」
蒼星石「ああ、勿論だとも!」
ジュン「何で知ってるんだよ。蒼星石は雛苺の修行には関与していないはず…」
蒼星石「うにゅー拳とは雛苺が日ごろから嗜んでいた苺大福ごっこを武術の域にまで高めたものだ!」
巴「ええ、そのとおりよ。今のヒナは正に苺大福の化身!」
オディール「うにゅーのように舞い、うにゅーのように刺すのです!」
ジュン「全く意味が分からん」
オディール「百聞はワンルックに如かず! 見るのですジュンボーイ! いえ、『観』るのです!!!」
真紅「うにゅーを象ったケンポー? だったら苺大福のように握りつぶしてくれるわ!」シュバッ
雛苺「!!!」
蒼星石「真紅が仕掛けた!」
真紅「ハイッ! ハイッ! ハイィィイイイーーーッ!」びしばし
雛苺「うにゅにゅにゅ…」ドガガッ
ジュン「やられてるじゃないか雛苺」
オディール「ノン! 真紅のアタックの衝撃を雛苺は全て大地へと受け流しています!」
蒼星石「あれこそ、うにゅー拳奥義! スイーツ受身!!」
652 :
巴「真紅ちゃんは連続チョップで押し切るつもりよ!」
蒼星石「さっきの翠星石戦とは二人の攻守の立場が全く逆…!」
真紅「キェーーッ! トリャーー! セイヤッサ! パクチーーーッ!!!」びしばしっ
雛苺「にゅっ! にゅっ! うにゅにゅ?!」ガガガッ
ジュン「真紅の流れるようなカンフー連撃チョップ! それをひたすら受け続ける雛苺!」
巴「いえ、ヒナは狙っているわ! カウンターの瞬間を!」
ジュン「何ぃ!?」
真紅「いい加減! しつこいわね雛苺! そろそろ…音を上げたら…っ!?」ハァハァ
蒼星石「真紅が息切れし始めた! 大して修行してないのに自分に酔ってカンフーチョップし続けたせいか!」
雛苺「今なの! 腐にゅーパンチ!」しゅばっ
真紅「ぐはーーーーーーーっ!」ドボォ
ジュン「真紅の脇腹に雛苺の拳が!」
オディール「ジャストミーーーーット! ナイスですよ雛苺ー!」
653 :
ジュン「むっ? 真紅にはあまりダメージがないみたいだ。ファイティングポーズを崩していない」
蒼星石「いや! 腐にゅーパンチは後からじわじわ効いてくる!」
ジュン「腐にゅー?」
巴「ええ、消費期限が遥かに過ぎて腐りきった苺大福のように相手の体調を崩す一撃。それが腐にゅーパンチ!」
真紅「あ、あああっ! あががががががっ!!」ガクガクブルブル
ジュン「し、真紅が突然! お腹を抱えて苦しみだした! 人形なのに顔も真っ青だ!」
オディール「汗もかかないはずなのに脂汗がダラダラです! これは腐にゅーパンチが効いているエビデンス!」
真紅「頭痛がする! 悪寒もだわ! それに吐き気も! ま、まさかこの真紅が…
雛苺の技を受けて気持ち悪くなっているなんて!!? た、立つことすらやっとだなんて…ッッ!?」
654 :
、_/ /  ̄`ヽ}
,》@ i(从_从)) おえっぷす
.||ヽ|| ^ω^ノ
≦ ノ つ!;:i;l 。゚・
テ と_)i:;l|;:;::;:::⊃ ビチビチビチ
⊂;::;.,.';;;;'::.:.;::.⊃
ジュン「いきなり嘔吐したーーーーーーーーーーーッ!? 少しは我慢しろ!」
真紅「ちょっ! うぷっ! おげげっ! ひ、雛苺! 毒手は卑怯よ…」ゲロゲロゲロ
巴「いいえ、腐にゅーパンチは毒手的な攻撃ではない」
オディール「あくまでカラテ、あくまでケンポーです」
蒼星石「そうとも。あれは手首のスナップを利かせて相手の胃腸にダメージを与えるうにゅー拳の技術なんだ!」
ジュン「ちびまる子ちゃんの山根君が聞いていたら卒倒しそうな技だな。と言うか人形に胃腸て…」
真紅「ああぐぐぐぐぐぐぐぐ…! このままやられるわけにはいかない!」ブルブル
雛苺「口だけ強がってもダメなのよ真紅!」
巴「確かに。もう真紅ちゃんは立っているだけでやっとの状態! ゲロも垂れ流しっぱなしよ」
オディール「どう見ても戦闘不能つまりリタイヤですねー」
真紅「負けない! 私は負けるわけにはいかない!!!!」ガシッ
蒼星石「ああっーーーと!? 真紅がゲロを吐きながらも、地面に落ちていた鎖鎌を拾った!?」
ジュン「お前、翠星石に偉そうに講釈していたのをもう忘れたのか!?」
真紅「私が何かを拾えば、それは五体の延長つまり五体そのもの!」
オディール「オゥ…ゴッド…! 真紅の精神状態はメチャクチャです!」
蒼星石「ある意味、正常運転でもあるけどね」
655 :
真紅「受けなさい雛苺! カンフー奥義! 鎖鎌ヌンチャクをーーーーッッ!!!」ズバアッ
雛苺「うにゅー拳!!!」ぽよんっ
真紅「ぬあっ!?」
オディール「グゥレイトッッ! スイーツ受身でクサリガマを弾き飛ばしたですよ!」
巴「流石だわヒナ! それどころか反動で真紅ちゃんが鎖で雁字搦めに!」
真紅「あばばばばばっ」ゲロゲロ
蒼星石「これには僕も脱帽だ! 真紅の凶器攻撃にひるむこともなく雛苺は冷静に対処した」
ジュン「真紅ももう精も根もゲロも尽き果てそうだ! ついに勝負ありか!」
雛苺「うぃ! 真紅! 大人しく負けを受けいれてヒナを真紅ゲームの勝者として認めるのー!」
真紅「な、ならば雛苺! 私のミスティカを受け取りなさい! それこそが勝利の証…!」
ジュン「そう言えば古式ゆかしいアリスゲームに則ったルールだったか」
656 :
蒼星石「真紅が自分のローザミスティカを地面のゲロ溜まりに吐き落とした!?」
雛苺「な、なんてことをするのよ真紅!!?」
真紅「ふふふ、そのゲロまみれの私のミスティカを飲み込めるものなら飲み込んでみなさい。もし、それが出来たなら
その時こそあなたは正しくアリスを超越した超真紅ちゃんをさらに超えた雛苺となるでしょう…」
雛苺「し、真紅」
真紅「私の屍を越えて行きなさい…雛苺。そして自分だけの乙女道を見つける…の……よ」
雛苺「真紅ぅ…」
真紅「ようこそ…乙女の世界へ」バタリッ
雛苺「真紅ーーーーッッ!!!!」
ジュン「ようやく真紅が倒れたか。ゲロ撒き散らしながら足掻きやがって、醜いったらありゃしない」
蒼星石「いや、真紅は美醜にとらわれず精一杯戦い抜こうとしたんだ」
オディール「それが真紅の乙女ロードだったのですね」
巴「けれど、ついに…」
オディール「ついに雛苺が真紅を打ち負かしたのです! キンボシ・オオキイです!」
蒼星石「だが、真紅も言っていたとおり彼女のミスティカを取り込んでようやく決着だ」
ジュン「あのゲロの水溜まりで漂っているミスティカをか…」
蒼星石「横取りが大好きな水銀燈や金糸雀が登場してこない現状だ。これはかなりの難関だよ雛苺」
雛苺「うにゅにゅ…」
657 :
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