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弟「家には姉と、妹と」


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妹「ん、ああ、ふぁ、おにぃ、ちゃっ!」
兄「い、妹、そろそろ……」パンパン
妹「いいよ、んっ、中に来て……!」キュゥッ
兄「く、あぁっ!」ドプッ
……
弟(……それと、隣室で妹を犯してる兄がいる)
弟(耳を澄ませば聞こえるんだけどな、音)
2 :以下、
――弟の部屋――
かちゃり
姉「弟、くん。ちょっとお話しませんか」
弟「うん。勉強も一段落ついたところだったし」
弟(で、兄と妹が事を始めると、姉が俺の部屋に来る)
姉「いつも頑張ってますね。ええと、クラスの順位とかって出るんですか?」
弟「いや、最近は順位をつけないようにしてるらしいよ」
弟「教室で堂々と自慢してる奴らよりは、点数高いけどね」
姉「凄いじゃないですか。成績を見た時のお父さん、お母さんの顔もすごく嬉しそうでしたし」
弟「俺が親孝行できるのはそのくらいだよ。姉さんみたいにバイトとか出来ないし」
3 :以下、
姉「まだ中学生なんですから、もっと自分のために時間を使ってもいいんじゃないですか?」
弟「うーん、そうだな――」
ギシギシ
弟(あ、二回戦始まった)
姉「……ッ! ほ、ほら、ゲームとかしましょうよゲームとか」
弟「……ああ、そうだね。それじゃあ、姉さんの部屋でいいかな」
姉「はい。テレビがあるのは私の部屋ですしね」
弟「この時間に居間でやるのも、母さんににらまれそうだし」
弟(全く、姉さんも面倒くさい)
弟(寂しいなら、他所で探してくればいいだろうに)
4 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/12(火) 23:01:54 ID:U.fqi1Hw
――翌日、学校、図書室――
キーンコーンカーンコーン……
弟(もうこんな時間か。学校も閉まるし、帰らなきゃな)がたっ
図書委員「やあ、そこの少年」
弟(……誰だこいつ。というか、見るからに年下の相手に少年呼ばわりされる筋合いは無いぞ)
弟「ああ、ごめん。図書室閉めるんだよな。もう帰るから」
図書委員「そうじゃない。ちょっと君に興味があってね」
弟「ごめん、俺ロリコンじゃないから」
図書委員「……その、去年まで小学生だったが、私も中学生なんだぞ」
図書委員「っと、違う。そうじゃない。興味があるって言うのはそういうことじゃあないんだ」
弟「じゃあ、何」
弟(早く帰りたいんだが)
図書委員「――君は、そう、私と同属なんじゃないかって気がしてね」
5 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/12(火) 23:09:49 ID:U.fqi1Hw
弟「……、は?」
図書委員「うん。同属」
弟「ひょっとして、痛い人?」
図書委員「悪いが、その病気が発症するのは来年だ」
図書委員「ともかく、君の眼の奥にあるものが、そんな気配を漂わせてるんだ」
弟「……へぇ」
図書委員「うむ。腐ったドブのような、濁りきった下衆な色をしている」
弟「初対面にそこまで言うのもどうかと思うんだけど」
図書委員「だから、『同属』だといったんだよ」にぃっ
6 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/12(火) 23:22:08 ID:U.fqi1Hw
弟「……ああ、お前も下衆だから、それも当然と」
図書委員「察しが良くて助かるよ」くっくっ
弟「で、だからどうしたんだ」
放送『下校時刻となりました。校内に残っている生徒は、やかに――』
図書委員「よかったら、話を聞かせてくれないかな」
図書委員「大きな大きな、悩みを抱えているようでもあるしな」にたり
弟「……家、どっち方面だ?」
図書委員「いや、歩きながらより、腰をすえて話したい」
図書委員「私の家に案内するよ、優等生」
7 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/12(火) 23:45:08 ID:U.fqi1Hw
――図書委員の部屋――
図書委員「さて、遠慮なくくつろぐといい」
弟「あまり長居すると、親が心配するんだけど」
図書委員「その割には、ほいほいとついてきたじゃないか」
弟「……まあ、近所だし」
図書委員「ほう、近所なのか」
弟「ちっ、……そうだ、自然に案内されたからタイミング逃したけど、親は?」
図書委員「私はご都合主義者だからね。丁度善く今日は帰ってこないんだ」
図書委員「最も、毎日というわけではないから明日以降は学校で話を聞くことになるが」
弟「俺、勉強したいんだけど」
図書委員「図書室に来ても、勉強道具を広げて呆けているだけで」
図書委員「勉強なんて必要ないように見えたんだがね」にたぁ
弟「……分かったよ。話してやる」
弟「簡潔に言うと、家のきょうだいがおかしくて困ってる」
8 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/12(火) 23:55:18 ID:U.fqi1Hw
図書委員「おかしい、とは? まさか愉快痛快で腹筋が毎晩痛むとかそういうことではあるまいな」
弟「違うから安心しろ」
弟「……数ヶ月前からさ、兄貴の部屋から妹の喘ぎ声が聞こえてくるんだ」
図書委員「ほお、そりゃハードな」
弟「軽いなおい」
図書委員「いやいや、期待しているぞ。内心ワクワクが止まらなくてつくってあそびたくなる」
弟「……まあ、妹が異常に兄貴とべたべたしてるのは前から見てた」
弟「でも、実際にそんなことしてるなんて、思いもよらなかったから、ちょっと驚いた」
9 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/13(水) 00:05:22 ID:8rDs7Fqo
図書委員「まだ、終わりじゃないだろう?」
弟「ああ。妹が兄貴に甘えてると、姉さんが暗い顔をするんだよ」
弟「悲しいような、寂しいような、そんな顔」
図書委員「……ほう」
弟「数ヶ月前までは、姉さんもその中に混じろうとしてた」
弟「妹は不満そうな顔をしてたけど、三人で仲良くやってたさ」
図書委員「君は混じらないんだな」くっくっ
弟「あの空間には俺は邪魔だと思ってな」けっ
弟「で、ある日を境に、姉さんは兄貴を避けるようになったんだ」
図書委員「ある日、というのは――」
弟「初めて喘ぎ声が聞こえた夜の、翌日だったな」
10 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/13(水) 00:11:23 ID:8rDs7Fqo
図書委員「ほう、ほうほうほう」そわそわ
弟「ここからはただの推測なんだけど」
弟「妹と姉さんとで、兄貴を奪い合って、その結果としてそうなったんじゃないかな」
図書委員「つまり――」
弟「ああ。姉さんも兄貴に惚れてるんだろ」
弟「しかも、まだ未練たらたらと見た」
弟「それにも気づかず、兄貴は妹と快楽漬け」
弟「家族の誰にもばれてないと思ってやがる」
11 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/13(水) 00:25:42 ID:8rDs7Fqo
図書委員「成る程、随分どろどろした関係だな」
弟「その中に含まれてないのはありがたいんだが……」
弟「……ああ、話していたら腹が立ってきた」
図書委員「ぶち壊してやりたくないかい? その状態を」
弟「は?」
図書委員「君の兄が、何も知らずに快楽に浸る現状を」
図書委員「君の妹が、姉を蹴落として一人救われている現状を」
図書委員「君の姉が、蹴落とされて不幸の底にある現状を」
図書委員「何より――君が、そんな下らない色恋沙汰を観測しなければならないという現状を」
弟「――変えれるなら、変えてみたいさ。ぶち壊してやりたいさ」
12 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/13(水) 00:30:03 ID:8rDs7Fqo
図書委員「大丈夫。君なら出来るさ」
弟「何を根拠にそんな事を」
図書委員「何度も言っているだろう? 君は下衆だ。そして、人として異常だ」
図書委員「現状をぶち壊してしまえる可能性を、私はそこに見ているよ」
弟「……自信満々に言ってるけど、何か案でもあるのか?」
図書委員「まさか!」
図書委員「君の悩みだぞ。なんで私が手を貸さなければならないんだ」
弟「……くっ、くくく」
13 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/13(水) 00:34:02 ID:8rDs7Fqo
弟「ぷっ、あははははは。はっはっはっは!」
図書委員「うくくくく……」
弟「くっそ無責任だな。背中を押したら後は知らん顔を決め込もうってか」
図書委員「そんな事はないさ、面白そうだから話だけ聞かせてもらう」
弟「益々クズだな」くくく
弟「いいよ、やってやる」
弟「誰よりも、俺のために、俺にとって都合のいいように」
弟「兄貴を、妹を、姉さんを、壊してやるよ」
図書委員「期待しているよ、少年」にぃぃぃ
15 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/13(水) 22:18:07 ID:8rDs7Fqo
――翌週、学校――
キーンコーンカーンコーン……
妹友「妹、今日は急ぎ?」
妹「うん。ええと、家事とかやんなきゃだし。ごめんね」
妹友「そっか。まあいつもだから気にしないよ。またね」
妹「ばいばーい!」たたたたっ
妹(急いで帰って、家事を済ませて)
妹(お兄ちゃんをお迎えしなきゃ)ぱたぱた
妹(……って、あれは……)
弟「……」ガララッ
妹(今、入った部屋って、相談室だよね)ふむ
妹「……っと、急がなきゃ!」ばたばた
16 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/13(水) 22:26:08 ID:8rDs7Fqo
――図書室、司書室――
弟「と、今日はこんなもん」
図書委員「最初だから様子見、にしても、随分控えめだな」
弟「いや、これが最終的に、とどめに繋がる」
弟「フラグってやつだよ。上手く機能してくれれば、この嫌がらせで重要な役割を果たしてくれる」
図書委員「なるほど。傍観者として、黙って見ておく事にするよ」
図書委員「どう繋がるのか気になるが、ネタバレは嫌いなんでね」くっくっ
弟「あー、そんな傍観者さんには悪いんだが」
図書委員「?」
弟「土曜日、つまり明日、俺の家に遊びに来ないか?」
17 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/13(水) 22:44:07 ID:8rDs7Fqo
――土曜日、弟の家――
ピンポーン
弟「はい、どなたですか」
図書委員『本日は保険のご案内に参りました』
弟「あほう。そしていらっしゃい」がちゃ
図書委員「あ、おじゃましまーす」
姉「弟、どうしたんですか……!?」
弟「ああ、友達呼んだんだ。いいよね?」
姉「い、いいですけど」
図書委員「はじめまして。図書委員と申します」ぺこり
姉「あ、はい、ごゆっくり」
20 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/14(木) 21:40:30 ID:szSqEcpQ
――弟の部屋――
図書委員「で、どうするんだ。喘ぎ声でも聞かせればいいのか」
弟「いや、普通にくつろいでいてくれればそれでいい」
弟「俺に『仲のいい異性がいる』っていうことを示しておきたいからね」
図書委員「……なんだ、一応モテますアピール?」
弟「誰がそんな虚しいことを」
図書委員「くっくっ。しかし、特にやることが無くて助かったよ」
図書委員「正直、お前の計画に手を貸す義理はないからな」
弟「やっぱり清清しいまでに無責任だよな、お前」くくっ
図書委員「そうとも。苦労して成果を得るより、楽して成果だけもらったほうがいいに決まってるじゃないか」
21 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/14(木) 23:17:49 ID:szSqEcpQ
弟「将来苦労するぞ、それ」
図書委員「問題ないよ。玉の輿を狙うから」
弟「自称下衆が金持ちと結婚できると?」
図書委員「下衆だから金持ちと結婚しようとするのさ」
図書委員「それに、……このように、落ち着いた才女を演じることもできますので」
弟「さっきのあれか。ちょっと驚いた」
図書委員「驚くことはないさ。君だって、普段は人畜無害を装っているくせに――」
図書委員「今、人を叩き落すという下劣な計画を進めているではないか」にまぁ
弟「……、ああ、認めちゃったほうがはやいなこれ」けけけ
22 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/15(金) 14:44:43 ID:XeipoR0k
――数時間後――
図書委員「それでは弟君のお姉さん、突然お邪魔してすみませんでした」
姉「いえ、お気遣い無く」
弟「じゃあな、図書委員。また学校で」
図書委員「はい。また」ぺこり
図書委員「……ふむ」じぃっ
弟「……どうかしたか?」
23 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/15(金) 14:47:36 ID:XeipoR0k
図書委員「えいや」ぐいっ
弟「うぉっと!」よろっ
――ちゅっ
弟「――ん、ん!?」
図書委員「ぷは……ん」だきっ
図書委員「……サァービスだよ、少年」ぼそぼそ
姉「………」あんぐり
弟「あー……」
図書委員「じゃあ、またね」ぎいっ ばたん
27 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/16(土) 22:51:53 ID:lfoF.V2A
――夜、弟の部屋――
姉「お、弟くん、今日のあの子は、その」
弟「何でもないよ……って言うつもりだったんだけどなあ」
弟「うん。その、……か、彼女」
弟(くそ、キャラじゃない。俺のキャラじゃないぞ……!)
弟(だが逆に考えろ。今姉さんと俺は『俺に彼女がいる』ということと『この意外な一面』という二つの秘密を共有している)
弟「その、今日の事は」
姉「……はい、内緒にしておきます」にこっ
弟(姉さんから俺に対する信頼度の上昇に貢献できる)
弟(アクシデントからメリットを抽出しようとして予定を変更すると問題が出るが、方向性は同じだ、問題ない)
28 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/16(土) 22:58:41 ID:lfoF.V2A
――翌日、放課後、司書室――
弟「という訳で、予定外の行動は避けて欲しい」
図書委員「君の予定に付き合う義理は無いんでね、残念ながら」くくっ
弟「あー、そうだったな、うん」
図書委員「むしろ光栄に思うがいい。美少女の唇なんて、君ではめったに味わえないだろう」
弟「残念。割とモテるぞ」
図書委員「おや、では適当な女子をとっつかまえてやったほうが良かったんじゃあないか?」
弟「いや、勘違いされても面倒だからな」
図書委員「相手のためではなく自分のため、というのが実に君らしい」
弟「下衆、ってか」
図書委員「いかにも」くっくっ
30 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/16(土) 23:29:59 ID:lfoF.V2A
弟「でもな、誰が何をしても結局本人のためだと思うぞ」
図書委員「ほう? ではボランティアはどうなんだ。名ばかりのものでなければ、奴らの行動は奴らの得にはならないと思うが」
弟「誰かを無償で助けたい、という自分の欲求を満たしているじゃないか」
図書委員「……ほお、初歩的ながら失念していたぞ」
弟「つまり、俺が自分のために行動しても――」
図書委員「たしかにその行動だけでは判断できないが、間違いなく君は下衆だ」
図書委員「それも、裁かれることも救われることもない、正真正銘のクズだよ」
弟「……ああ、知ったことじゃないさ、そんなの」
31 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/16(土) 23:36:14 ID:lfoF.V2A
図書委員「おっと、すまないね」
図書委員「それで、次はどうするんだ?」
弟「……姉さんは今、悩みを抱えている」
弟「歪んではいるけど、まあ、本人にとっては恋愛関係の悩みだ」
弟「恋愛の悩みがあるとき、身近で仲の良い人の中に、恋人がいるやつがいたら――どうする?」
図書委員「――ふむ、分かった。それ以上は聞かないでおくよ」
図書委員「となると、向こうから言い出してくるまで特に動く予定はないのか?」
弟「んー、そうなんだよな。他の仕込みでも済ませておくか」
32 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/16(土) 23:48:30 ID:lfoF.V2A
――翌週、弟の部屋――
弟(……まあ、仕込みって言っても優秀な成績を保つことくらいしかやること無いんだが)カリカリ
かちゃり
姉「お、弟くん、その、ちょっといいですか」
弟「ん? 何、姉さん」
姉「ちょっと、相談がありまして……」
ギシッギシッ
弟(あ、やってる)
姉「……っ、その、私の部屋で」
弟「うん。じゃあ行こうか」
弟(……さて、と)
34 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/18(月) 00:28:45 ID:AaRM3bDc
――姉の部屋――
姉「その、弟くんは、恋人がいますよね」
弟「まあ、ええと、うん」
姉「……年下にするのも恥ずかしいものですが、ちょっと恋愛相談をしたくて」
弟「いいけど、俺でいいのか?」
姉「はい。よろしくおねがいします」ぺこり
弟(……思いつめた顔)
弟(弟に恋愛相談をするのも恥ずかしいと分かっていながらも、するしかない)
弟(――いやぁ、素直だから先読みしやすいなぁ)
35 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/18(月) 01:35:48 ID:AaRM3bDc
姉「好きな人が、いました」
姉「ずっと遠くから見ているだけでも良かったのですが……」
姉「後に、ええと、友人もその人のことが好きだってことが分かりました」
弟(ああ、友人を妹に置き換えろってことね)
弟「へえ、ちょっと複雑だね」
姉「友人も、私が彼のことを慕っていると気づきました」
姉「そこで友人は、私にある勝負を持ちかけてきたんです」
弟「……勝ったほうが、先に告白するとか?」
姉「……はい」
36 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/18(月) 01:43:19 ID:AaRM3bDc
姉「結果、負けました」
姉「い、友人は告白し、彼と付き合うことに成功しました」
姉「そして敗者である私は、彼に必要以上に接触することを禁じられました」
弟「また、残酷な」
姉「……はい」
姉「でも、それでも」
姉「諦められないんです」
姉「彼と、その、友人とが、仲睦まじくしているのを見ると、辛いんです。苦しいんです」
姉「……どうしたら、いいんでしょうか、私は」
37 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/18(月) 01:50:37 ID:AaRM3bDc
弟「……うーむ」
弟(多分、姉さんがやりたいことは、既に姉さんの中で固まっている)
弟(なら、望まれている答えは)
弟「――その人、幸せそう?」
姉「……はい。友人と一緒に、幸せそうにしています」
弟「本当に?」
姉「……へ、え、っと」
弟「例えば、その姉さんの友達にべたべたされて、ちょっと疲れた顔してない?」
姉「あ……」
弟「例えば、わがままを言われて困ったような顔はしてない?」
姉「そ、そういえば……すこし」
弟(そりゃそうだ。毎日見てるし)
弟「なら、姉さんは諦めなくて正解なんだ」
弟「その人を、癒してあげられるのはその友達じゃない。姉さんなんだよ」
姉「……っ!」
38 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/18(月) 01:55:30 ID:AaRM3bDc
姉「で、でもっ」
姉「私は、それだと、約束を」
弟「確かに、姉さんは友達との約束を破ってしまう」
弟「でも、その友達としても、自分のせいで好きな人が苦労するのは嫌なはずだ」
弟「自覚してないけれど、気づいてしまったとき、友達は絶望してしまう」
姉「あ……」
弟「だから、姉さんが好きな人のためにも、友達のためにも、姉さんは諦めなくていいんだよ」
弟(――背中を押せば、あとは勝手に走ってくれる)
40 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/18(月) 23:42:16 ID:.fG3WLY.
――翌日、司書室――
弟「まあ、そんな感じで告白させた」
図書委員「誑かすのが上手いな。詐欺師になることをお勧めしよう」
弟「そりゃどうも」
図書委員「それで、結果はどうだったんだ?」
弟「今朝、出かける前にお礼を言われたよ。はにかみながら」
図書委員「……ほほう。君もまあ、失敗はするのだな」
弟「いや、上手く行き過ぎて怖いくらいなんだけど」
図書委員「……、おや?」
弟「何だ、どうかしたか」
41 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/18(月) 23:49:49 ID:.fG3WLY.
図書委員「私が想像していたのと違う」
弟「はあ?」
図書委員「いや、その姉を玉砕させて、その傷心を癒し」
図書委員「そこでまず姉を手中に収めてから、妹を寝取りにかかるのかと」
弟「……ああ」
弟「まあ見てろよ。予想は裏切っても、期待には沿えるだろうさ」
図書委員「うむ、そちらのほうが傍観者としてはありがたい」くくっ
図書委員「予想通り期待通り、でも十分に面白いが、心には残らないからな」
42 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/19(火) 15:32:07 ID:ISLyu9AA
――数週間後、弟の家、リビング――
弟「うーん……」かりかり
兄「あれ、珍しいな。リビングで勉強なんて」
弟「ああ、ちょっとどうしても解けない問題があってね」
弟「部屋でやってていらいらしてきたから、場所を変えて気分転換しようと」
兄「おお。とうとうお前にも解けない問題が出てきたか」けらけら
弟「いやこれまでにもあったからな、自力じゃ解けないの」
兄「どれどれ、この俺が見てやろう」
兄「……って、なんだこりゃ。標本調査?」
弟「兄貴、どうだろう」
兄「……いや、見たことない。これ本当に中学のか?」
43 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/19(火) 15:37:29 ID:ISLyu9AA
弟「兄貴でもわかんないか……」
姉「どうかしましたか、兄、弟くん」
弟「おお、姉さん。ちょっと解けない問題があって」
兄「いやこれ俺もやったことないからお手上げなんだよ」
姉「ええと……って、これ数Cじゃないですか」
兄「す、すうしー?」
姉「ああ、兄は文系でしたね」
姉「そういえば、指導要領が変わって、中学でも習うようになったんでしたっけ」
44 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/19(火) 15:48:17 ID:ISLyu9AA
弟「姉さん、どうすればいいんだろこれ」
姉「任せてください。ええと、問題文は……」すっ
兄「さすが姉さん、頼りになる」
姉「……母集団が、……で、標本の数が……」ぶつぶつ
兄「あ、あれ」
姉「はい。ええと、標本はこれなので、これを分母において」
弟「……うん」
姉「次に標本のうち印がついていたのはこれなので、これを分子に置けば母集団での割合が出ます」
弟「そんなもんでいいの?」
姉「私がアルバイトをしていた塾ではそう教えていましたよ」
姉「多分、中学生向けに簡略化されているんでしょう。それに、無作為に抽出しているから問題ないはずです」
弟「そっか。……これからも分からないところあったら聞いていいかな」
姉「はい。喜んで教えますよ」にっこり
兄「……」
45 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/19(火) 22:17:01 ID:ISLyu9AA
――翌日――
兄「姉さん、シュークリーム買ってきたけど食べない?」
姉「あ……ごめんなさい。今日はもう、甘いものは」
兄「もう、って?」
姉「ああ、さっき弟くんがハーゲンダッツをくれたんです」
姉「勉強を教えてくれたお礼だそうで」にこっ
兄「ああ、昨日のか」
姉「はい。それと、さっきも少し」
姉「でもさすが弟くんです。説明の途中で全部わかっちゃうんですよ」ふふっ
兄「……へぇ」
46 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/19(火) 22:29:50 ID:ISLyu9AA
――数日後、姉の部屋――
姉「弟くん、しっかりお礼を言う機会が無かったので遅くなりましたが」
姉「その、恋愛相談の件、ありがとうございました」
弟「ああ、気にすることはないよ。思ったことを言っただけだし」
弟「それに、姉さんには勉強とかお世話になってるし」
弟(……まあ、難易度が高めの問題をときどき聞いているだけで)
弟(自分でも解けるんだけどな)
姉「それでは十分にお礼ができません。弟くん、おぼえが早いし」ぷー
弟「……いや、望ましいことじゃないかなそれ」
47 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/19(火) 22:41:33 ID:ISLyu9AA
姉「とにかく、何かさせてください。気が治まりません」ずいっ
弟「いや、それはまた今度――」
コンコン
姉「っひゃ!」ばばっ
姉「な、何ですか?」
兄「姉さーん、ちょっといいかな」がちゃり
兄「……って、弟、いたのか」
弟(……いやあ、素敵なタイミング)
弟「お、おう。どうしたんだ?」
兄「何してたん?」
姉「それは、えー、その」
48 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/19(火) 22:44:28 ID:ISLyu9AA
弟「ちょっと漫画の話してたんだよ。そう、ジョジョの」
姉「そ、そうですよ。ええ」
弟(次にお前は『漫画も出さずに?』と考える)
弟(答え合わせはできないけどな)
兄「……ああ、うん」
兄「姉さん、ちょっと部屋に来てくれないかな」
姉「え、ええ。はい」
弟(さて、次はと)
50 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/21(木) 15:17:24 ID:uqMWyNV.
――弟の部屋――
弟「……」
弟(うーん、流石にセックスはしないか)
弟(まあ、なんにせよこれで兄貴は姉さんとの接触を増やすだろう)
弟(姉さんから接触することも、まあ今までよりは増えるだろうな。何かしら理由つけて)
弟(……次は妹と接触する、のは難しいか)
弟(流石に怪しまれるだろうし、無理はしない)
弟(まあ何もしなくても、妹が場に緊張感を与えてくれる)
52 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/21(木) 20:19:07 ID:uqMWyNV.
――翌日、司書室――
図書委員「それで、実際どうだったんだ」
弟「ああ、兄貴が凄く分かりやすく姉さんとの接触を増やしたよ」
弟「今日の朝食は目玉焼きでさ、姉さんが醤油を取ろうとした」
弟「ちょっと遠くにあることに気づいて、姉さんが何か言う前に、兄貴が醤油をとってやったんだ」
図書委員「ふむ。しかしそれでは気が利いてるだけとも言えないか」
弟「いや、その後姉さんに渡すんじゃなく、代わりに醤油かけてた。適量」
図書委員「……おおう」
弟「『このくらい?』とか笑顔で確認取ってるんだぜ。姉さんも顔真っ赤にして頷いてさ」くくく
図書委員「なんか、実際に見たら私は引く」
弟「妹の顔のほうがおっかなかったけどな」
弟「辞書で『嫉妬』を引けば、参考画像として挿入されてそうな顔」
図書委員「くっくっく、これは作戦成功、ってことかな?」
弟「ああ、もちろん」
55 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/21(木) 22:57:13 ID:uqMWyNV.
図書委員「しかしまあ、君の兄もそこそこ下衆だな」
図書委員「妹とラブラブだったんだろう? それで二股とは」
弟「……いや、兄貴はそういうやつじゃない」
弟「場の雰囲気に流されやすいんだよ。あと、人がいい」
図書委員「姉のためを思った結果、二股になったと?」
弟「そういうこと。偽善とかじゃなく、あの兄貴は本気でそれをやる」
弟「ただまあ、やはり鈍いというのは罪だな。妹への配慮を欠いていた」
図書委員「して、その罪を裁くのは君かい?」くくっ
弟「……いや、俺は神様気取りじゃないよ」
弟「ごく普通の下衆として、善良な市民へいやがらせをするだけだ」
56 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/21(木) 23:04:43 ID:uqMWyNV.
――翌日、放課後、学校――
妹「……」
妹友「どうしたのー? 昨日からだけど、元気ないよ」
妹「え、ああ、ちょっと薬の効きが悪くてさ」
妹友「あー……変えるとたまにあるよね。大丈夫?」
妹「うん、とりあえず家に帰って休む」
妹友「おだいじにー」
妹「ありがとー……」
57 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/21(木) 23:10:39 ID:uqMWyNV.
妹(……お兄ちゃんが、お姉ちゃんに優しい)
妹(でもお姉ちゃんから甘えてるわけじゃないと思うから、約束は破ってない、はず)
妹(いや、もしかして私の見てないところで)
妹「……うううう」がしがし
妹「って、あれ?」
弟「……」ガララッ
妹(また、相談室に)
妹(……何か、悩んでるのかな)
妹(弟にぃ、お姉ちゃんと仲よかったから、それかな)
59 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/22(金) 00:14:44 ID:m/RSMrE2
――弟の部屋――
弟「……」カリカリ
弟(妹には十分目撃させた)
弟(俺に悩みがある、ということは分かっているはず。そして、妹もまた人がいい)
弟(ならば取る行動は――)
コンコン
弟「っと、開いてるよ」
ガチャ
妹「弟にぃ、ちょっといい?」
60 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/22(金) 00:21:37 ID:m/RSMrE2
弟「おや妹、珍しいな。どうした?」
妹「えと、その」
妹「そう、ちょっと弟にぃとも遊びたくなってさ」
弟「うん。いいけど」
妹「やったっ。じゃあ何して遊ぼっか?」
弟「そうだな……」
弟(恐らく、接触のきっかけとして一緒に遊んで、その後悩みについて聞いてくる)
弟(ならば、会話の余裕があるものがいいな)
弟「じゃあトランプでもするか。こういうのも久々だろう?」
妹「そういえば懐かしいね。最近はゲームばっかりだし」
65 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/23(土) 15:59:31 ID:op2LlBec
妹「……うーん」
弟「ノーチェンジで」
妹「え、マジで?」
弟「おう。どうする?」しれっ
妹「ぬぐぐ……さ、3枚チェンジ!」さっ
妹「……ワンペア」
弟「ワンペア。そっちが4で、こっちはQだから俺の勝ち」
妹「えっ!?」
妹「な、何で3枚変えなかったの?」
弟「ひっかけだよ。掛け金が無いから意味無いけど」
弟「こういうので勝ったほうが、楽しいだろう」にやり
妹「……ぎにゃー!」ごろん
66 : ◆wKJ4P6pC3k 2013/02/23(土) 16:03:49 ID:op2LlBec
妹「うがー、弟にぃポーカーフェイス上手すぎ」ぐでっ
弟「色々と要領がいいからな」
妹「言い返せないのがむかつくー」へらへら
弟(……おかしい)
弟(そろそろ本題に入っていい頃だ)
弟(なのにその兆候がない)
妹「あー、次何しよっか」
弟「トランプもいい加減やることなくなったし……花札とかあるか?」
弟(タイミングを計り損ねているのか)
妹「なんだっけそれ」
弟「ほら、サマーウォーズの」
妹「よろしくおねがいしまぁぁぁぁす!」
弟「じゃあ数学やるか」
妹「げっ」
68 :以下、

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