伊織「かまって」美希「かまって」back

伊織「かまって」美希「かまって」


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1:
アイドルたちを売り出すため
最近忙しい日が続いて
疲れもだいぶ溜まってきている
伊織「ねぇねぇ、プロデューサー」
伊織が給湯室から顔を出して呼んできた
P「どうした?」
伊織「なんでもないわ、にひひっ」
P「そうか、ならいいんだけど」
そう返事をしたけど
最近伊織の様子が少し変だ
なんか悩み事でもあるんだろうか
しばらく仕事に没頭していたら
服の腕のあたりを誰かに軽くひかれた
3:
P「伊織か、どうした?」
伊織「あ、あのね…」
P「ん…?」
伊織「お、お腹すいたから、ご飯食べにいかない?」
P「ああ、もう十二時だもんな」
伊織「うん…」
P「わかった、ちょっと待ってろ」
伊織「は、はやくしなさいよね!」
伊織はそう言い残して給湯室にいってしまった
早く切りのいいとこまでやって昼飯食べにいくか…
俺は仕事に戻ることにした
5:
そして切りがよくなったので
伊織を呼びに行くため給湯室を覗くと
伊織が一人でウサギの人形に向かって話しているようだ
何を言ってるんだ?
少し様子を見てみると
伊織「おいしい?」
伊織「ウン!」
伊織「にひひっ、よかった、ここ伊織ちゃんのおススメなのよ」
伊織「ヤッパリ、イオリハスゴイナー」
うーん、よくわからなかったので声をかけることにする
7:
P「伊織、おまたせ」
伊織「ひゃ!?」
P「そんなにびっくりしなくても…」
伊織「べ、別にびっくりなんかしてないわよ!」
P「そ、そうか」
伊織「はやく行くわよ、もうお腹すいちゃったわ!」
P「はいはい…」
二人車に乗り伊織のお勧めの店に行くことになった
横の助手席で伊織は鼻歌を歌っている
よほど今日行く店が楽しみなんだろう
P「なぁ、伊織」
伊織「フンフーン、なあに?」
P「今日行く店ってなに料理なんだ?」
伊織「イタリアンよ、とっても美味しいんだから」
P「へー、楽しみだな」
伊織「でしょ、にひひっ」
8:
車をしばらく走らすと目的の店についた
思いもよらず立派な外観だ
P「も、もしかしてここって高級なんじゃないか?」
伊織「そんなことないわよ」
P「そ、そうか、ならいいんだけど」
伊織「早く入りましょ、お腹すいたわ」
P「そうだな」
早く早く、そう言って伊織は俺の腕を引っ張った
こんな楽しそうな顔するなんてよっぽどここの店が好きなのか?
メニューを開くとやっぱり普通の店の三倍ほどの値段がするみたいだ
まあ伊織が好きなら別にいいか
9:
伊織「今日はこのスーパーアイドル伊織ちゃんが
 ご馳走してあげてもいいわよ」
P「いや、さすがに遠慮しておくよ」
伊織「なによ、それ」
P「ありがとな、でも気持ちだけでうれしいから」
伊織「わ、わかったわよ!早く頼みましょ!」
P「あぁ、そうするか」
俺たちは伊織のお勧めでるパスタを頼むことにした
伊織と話しているうちに料理が運ばれてきた
P「いただきまーす」
伊織「いただきます」
一口食べてみると確かに今まで食べたどのパスタよりもおいしい
P「うまいな、これ」
伊織「でしょ!」
P「今まで食べた中で一番おいしいパスタだよ」
伊織「それならよかったわ」
10:
昼食を終えた俺たちは事務所に戻る
P「ただいまー」
美希「あっ!ハニーどこ行ってたの!?」
P「ああ、美希お昼飯を食べに行ってたんだ」
美希「あー!ミキも行きたかったのー」
伊織「ふふん」
美希「あれ?でこちゃんも行ったの?」
伊織「でこちゃん言うな!
 そうよ、プロデューサーと『二人』で行ってきたの」
あれ…今二人をやけに強調したような…?
美希「ちょっと!?ハニーどういうこと!」
P「どうしたもこうしたも、
 俺と伊織が事務所にいたからご飯を食べに行ったんだ」
11:
美希「ハニーの浮気者!」
P「な、なに言ってんだよ!?」
伊織「ちょっと美希、
 別にプロデューサーが誰と食事に行こうが関係ないでしょ」
美希「そんなことないの!ハニーは美希のハニーなんだから!」
伊織「な、なに言ってんのよ!」
P「まあまあ落ち着けって
 今度美希も連れてってやるからそれでいいだろ?」
美希「ほんと!?約束だよハニー!」
P「ああ、わかった、約束な」
伊織「くぅ……」
P「伊織もむきになるなよ」
伊織「ふん…」
二人をなだめた後また仕事に戻ることにする
14:
小鳥「プロデューサーさんも大変ですね」
P「いえいえ、そんなことありませんよ」
小鳥「またまた?」
P「小鳥さんも大変じゃないですか?」
小鳥「そうなんですよ!
 だから今日パァーっと飲みに行きませんか!?」
P「おっ!いいですね!行きましょ行きましょ」
小鳥「じゃあ早くお仕事終わらせましょうね」
P「はい、了解です」
久しぶりに飲みに行くことになりかなり楽しみだ
この後の仕事は気分が乗っていつもより早く終わらせることができ
俺は小鳥さんと飲みに行くため帰りの仕度をしていた
15:
伊織「もう帰っちゃうの?」
P「ああ、今日は早く仕事が終わったからな」
伊織「そ、そう…、あのね…」
上目使いで見てくる伊織は正直かわいい
P「ん…?どうした?」
伊織「今日のパスタ美味しかったでしょ?」
P「ああ、おいしかったよ、すごく」
伊織「……また今度連れてって」
P「なんだ、そのくらいいつでも連れてってやるよ」
伊織「ほ、ほんと!?」
P「ああ、本当だ」
伊織「嘘ついたら許さないんだからね!」
ビシッと俺を指差してから走り去ってしまった
本当に最近の伊織は変だぞ
大丈夫か?
16:
少し心配だったけど小鳥さんを待たせていたので
俺は帰りの仕度を終えることにした
P「お待たせしました」
小鳥「いえいえ、そんなに待ってませんよ」
P「たるき亭でいいですよね?」
小鳥「そうですね、私もそう思ってました」
俺と小鳥さんはたるき亭に入った
小鳥「どうしますか?」
P「とりあえず生で」
小鳥「じゃあ私も」
注文してまもなくしてビールが運ばれてきた
18:
P「じゃあ乾杯」
小鳥「かんぱーい」
久しぶりに飲むビールが体にしみ込んでくるのが分かる
P「あー、うまいですよ!」
小鳥「ですねー、もう最高です!」
P「おつまみも頼みましょう」
小鳥「私、唐揚げがいいです!」
P「いいですね、じゃあほかにも適当に頼んでおきます」
この後かなりハイペースで飲んでいた俺と小鳥さんは
しばらくしてなぜか真面目な話になっていた
20:
小鳥「プロデューサーさんは、
 アイドルみんなに好かれてますよねー
 いいなー」
P「どうなんでしょう…正直年頃の女の子って難しいです」
小鳥「大丈夫ですよ、元年頃の女の子がいうんだから間違いないです!」
P「ははっ、そうですかね」
小鳥「そうです!、
 もし嫌いならプロデューサーさんと二人で
 食事なんて行きたがりませんよ」
P「あぁ、まあそうなんでしょうか」
小鳥「そうですよ、
 特に伊織ちゃんや美希ちゃんなんかすごいなついてるじゃないですか」
P「はは、そうだといいですね」
この後も飲み続け二時間ほどで酔いつぶれ家路についた
帰り道の途中携帯の着信を見てみると
何件かメールがはいっていた
22:
一件目は…美希だ
ハニー、今日の約束ちゃんと守ってね!
忘れちゃだめだよ!
おやすみー
顔文字なんか入っててかわいらしい文面だな
これに、おやすみと返信しておいた
あとは…えっと伊織か
今日はありがと
また連れてってね
約束したんだから
こっちは、絵文字も顔文字もない淡白な文章だった
わかったよ、そう返信しておく
すぐに返信がきた
23:
あれ?伊織か
どうしたんだろう?
そう思ってメールを開くと
うん、おやすみ
たったそれだけだった
それがなぜか伊織らしくて不意に笑ってしまう
これにはふざけて返信してみるか
そう思ってメールを打ち送信する
そうするとすぐに返信が来た
相手は伊織で
バカじゃないの!?
早く寝なさいよ!
怒られたみたいだな
でもいやな気分じゃない
不思議と今日はゆっくり寝れそうな気がした
24:
後日
美希と約束していた昼食を一緒に食べに行くため
事務所で美希と話をしていた
P「今日の昼、どこへ行くんだ?」
美希「どこでもいいの、ハニーと一緒なら…」
P「はは、なに言ってんだよ」
美希「嘘じゃないよ、本当なの」
じっと目を見つめてくる美希にドキッとしてしまった
P「じゃ、じゃあ和食でもいいか?」
美希「うん!」
P「よし、車を用意するから先下に降りててくれ」
美希「はいなの!」
25:
俺は車のキーをとるため机に行くと
その横に伊織がたっていた
P「ちょっと昼飯食いに行ってくるな」
伊織「……ばか」
そう小さい声で言った伊織は
俺の横を通り過ぎ事務所を出て行ってしまった
なんか怒らせるようなことしたかな?
不安に思ったが美希も待たせておけないので
すぐに車のキーをとって下に降りた
P「おまたせ」
美希「もう遅いのー」
P「ごめん、じゃあ行くぞ」
今回の店は車ですぐのところにあってよく来る和食の店だった
26:
P「俺は注文決まったけど美希はどうするんだ?」
美希「ミキはね、ハニーと一緒のやつにするの」
そんな笑顔を向けられると叱りにくいじゃないか
でもプロデューサーとしてしっかり言わなければいけない
P「美希、人前でハニーは駄目だって言ってるだろ」
美希「ぶー、プロデューサーのケチ」
食事が終わり店を出る
29:
美希「あー、おいしかったの!」
P「じゃあ事務所に戻るか」
美希「ハニー、………デートしない?」
P「俺は仕事があるんだよ、大体ハニーは駄目だって…」
美希「けち…」
P「なに言ってんだよ、早く帰るぞ」
美希「はいなの…」
なんか元気がなくなってしまった
ちょっときつく言い過ぎたかな…
すこしくらいならドライブしてもいいか
そう思って事務所とは反対方面に車を走らせた
31:
美希「ハニー?こっち逆だよ」
P「ちょっとドライブでもしたくなったんだよ」
美希「ハニー……」
P「えっ?」
美希「大好きなの!」
そう言って美希が腕に抱きついてくる
当然腕をとられて運転がしづらい
P「うわっ!ちょっと危ないって!」
美希「ハニー!」
P「危ないって!み、美希離せよ!」
美希としばらくドライブをした後事務所に戻った
事務所入るとすぐに後ろから美希が大声を出した
32:
美希「ハニーとデート楽しかったのー!!」
P「ちょ、ちょっと美希!誤解されるだろ!」
美希「えー、デート楽しかったよ」
伊織「ちょ、ちょっと!どういうことよ!?」
美希「でこちゃんには関係ないの」
伊織「誰がでこちゃんよ!説明しなさいよね!」
美希「えー、ミキあんなこと言うのは、恥ずかしいの…」
美希が顔を赤らめながら顔を手で覆い隠すと
伊織の顔もみるみる内に赤くなっていった
33:
伊織「変態!変態!!ド変態!!!」
P「ちょっと誤解だって、少しドライブしただけだよ!」
伊織「変態!へん……えっ…?」
美希「でこちゃんなに想像してたの?」
伊織「う、うるさいわね!!バカ!!」
美希「ハニー、でこちゃんエッチなの」
伊織「違うわよ!
 あーもう!!大体あんたはね!……
なんだか二人には特に振り回されている
だけどめんどくさいとか
そういう気持ちじゃなくて
大切にしていたいそういう気持ちだ
おわり
35:

36:
おもしろかったよ
いちおつ
4

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