男「目ぇ見えないクセにウロチョロすんなよ」 女「じゃあ、男くんの側にいるね?」back

男「目ぇ見えないクセにウロチョロすんなよ」 女「じゃあ、男くんの側にいるね?」


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1:
男「くっそー、流石に仮病は通用しなかったか……体育は着替えるのが面倒なんだよなぁ」
ガラッ
男「ん?」
女「?」
男「おー、女か。何やってんだ? 女子はもうみんな体育館に行ってるぞー」
女「あ、そ、そーなんだ、あはは……え、と、その声は男くんかなー?」
男「ん、当たり。体育サボろうとしたら保健室追い出されちゃった」
女「ふふ、それで慌てて着替えに来たと」
女「男子のほうは先生怖いからねー。早く行かないと怒られちゃうよ?」
元スレ
SS報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)
男「目ぇ見えないクセにウロチョロすんなよ」 女「じゃあ、男くんの側にいるね?」
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2:
男「……お前こそ早く行かないと怒られるんじゃないか? 着替えも済んでるじゃん」
女「う、うん……今から行くところだよ」
女「……え、と、あれ……」うろ うろ
男「?」
女「えーと、どこだっけなー……」うろ うろ
男「……もしかして杖探してんのか?」
女「あ、う、うん……そーなんだけど……」
女「あれー、おかしいなー、机の横に置いてたはずなんだけど……あはは」
3:
男「杖ならそこの……」
男「……(ベランダに立て掛けてあるんだけど……)」
女「えーと、えーと……あー、もう、どこ行っちゃったんだろーね」
女「あは、あははは……」
男「……」
女「ま、まぁ杖なくても体育館くらい行けるんだけどね!」ニコ
男「……何やってんだよ。杖、お前の足元に転がってるぞ、ほれ」
女「え、あ……そ、そうなんだ……あ、ありがと」
4:
タイトルだけでこの期待感
投下中にすまんが期待させてもらう
5:
同じく期待大です
6:
女「……よいしょ」
女「何だかんだでこれあったほーが何かと便利でして、ご迷惑おかけしましたー」
男「……」
女「さーて、早く行かなきゃ私も怒られちゃう。男くんも急いで着替えたほうがいーんじゃないかなー」
男「言われなくてもそうするよ。女は大丈夫か? 一人で行けるのか?」
女「行けるに決まってるでしょ。何の為の杖だって話だよー」
男「……そりゃそうだな」
女「じゃー先行くねー。男くん、杖ありがとー」ニコ
7:
男「う……」ドキ
女「よしょ、よ……」ふら カッ ふら カッ
男「……」
男「大して気に留めてなかったけど……結構可愛い顔してんだなアイツ」
男「……(ていうか……)」ちら
女「んしょ……む、ほっ……はっ!」ペタ ふら ペタ カッ
男(全然使えてねーじゃん、杖!?)
男「あ……しまった! 俺もさっさと着替えなきゃ!」
8:
________
男「ふっ、はっ、はぁ……っ! し、死ぬぅ……!」たったったっ
男「……ぜえ、ぜえ、くそ! 何で……俺だけ、はぁ、走らなきゃ……」
男「ぜえ、ぜえ……ふぅ」ちら
男「先生もサッカーの審判に夢中だし……ちょっとだけ、休ませて下さい、うぅ……」ふらふら 
男(体育館の裏が木陰で涼しそうだな、ここで暫く休憩、と)
男「……」
男「おー、女子はドッジボールか、いいなぁ……俺もあっちのほうが得意なんだよなぁ」
男「……ん? あれ? 女もやってるのか?」
13:
女「……」キョロ キョロ
女子生徒「それっ、ボール行ったよー!」
女子生徒「やーん、もう! 本気出しすぎー!」
キャッ キャッ
女「……」うろ うろ
男「……うん、予想通りの空気感」
男「ていうか、お前が真ん中うろうろしてたらやりにくいだろうが、何で外野じゃねえんだよ」
女子生徒「おぉっと、危なっ!?」
14:
女「?」
女子生徒「あー、あのさ……女さん悪いんだけどもうちょっと端にいてくれないかな?」
女「あ、うん……ご、ごめんなさい。私もボール触りたくて……」
女子生徒「……」
女「じゃ、邪魔だよね、端にいたほーがいいよね、うん」
女「……」うろ うろ
女子生徒「……?」
女「え、えっと……あはは、端ってどの辺なんだろ」あせ あせ
16:
女「あ、あはは、ごめんねー」
女子生徒「……」
女「ご、ごめんなさい……」
女子生徒「……はぁ、何で参加するかね」ボソ
女子生徒(さっさとボール当てて外野行って貰うことにすれば?)ヒソ ヒソ
女子生徒(そうしよっか……)
女子生徒(だからベランダじゃすぐ見つかるって言ったのにー)
女子生徒(いやいやちょっと! 聞こえちゃうから!)ヒソ ヒソ
女「……」
17:
ピー!!! 「1名、外野!」
男「あ、ついに当てられた」
男「そうそう、女は大人しく外野に居たほうがいいって」
男「……」
男「しっかし、ボール当てられたのにニコニコしちゃってまぁ……」
男「意外とスポーツ好きなのかな? ふむ、何にせよ本人が楽しそうだし良かった良かった」
男「……」
男「目が見えない、か……どんな感じなんだろう」
27:
男「目ぇ閉じたまま歩いたりすんだよな……こうか?」スッ
男「……」すた すた
男「余裕じゃん。このまま校庭に戻れるレベルだぞ……よっ」ふら ふら
ガッ
男「あ痛っ!? ぐおぉおぉ……! そ、そういや石段あったんだっけ……」
男「っ……ぅ! 下からの攻撃は反則だろ。マジかよ、前言撤回。やっぱ杖ないと無理だわこれ」
男「よくドッジとか参加する気になるなアイツ、考えられん」
女「……」ぽつーん ニコニコ
男(……そしてあれで何が楽しいのかも理解できんな)
28:
_____________
キーン コーン カーン
男「……嘘でしょ、財布家に忘れた……」
男(体育やった後メシ食えないとか死んじゃうんですけど!?)
男「だ、誰かに金借りるか弁当分けて貰うとか……」キョロ キョロ
ザワ ザワ
男「……!(ああっ、貸してくれそうなヤツらはすでに教室出ちゃってる!)」
男「ちょ、待っ……」ガタッ
ドンッ
女「きゃっ!?」どさっ
29:
カラーン 
男「うわ!? わ、悪りぃ、大丈夫か?」
女「う、うん大丈夫だよ。こっちこそごめんなさい、えーと、男くん」
男「……って、女か。いや本当スマン、ほら杖と……これは、弁当?」
女「あ、ありがと……うん、お弁当食べようと思って」
男「え……教室で食べないのか? わざわざどっか行って食うの?(目ぇ見えないのに)」
女「……着替えもしたいから、お手洗い行こーかなって」
男「あー、なるほど……(そういや体操服のままだなコイツ、着替えるの遅れたのかな)」
女「男くんはこれからお弁当? それとも学食?」
30:
男「あ、そうだよ! 早くアイツら追いかけなきゃ!」
女「?」
男「いや今日さ、財布家に忘れちゃってさ、んで誰かに金借りようと思って」
男「昼メシ食えなきゃ午後からの授業に耐えれる自信ねーし!」
女「……」
女「え、えと……じゃあ、お弁当食べる? 私のでよければ」スッ
男「え……」
女「お金の貸し借りは良くないってお母さん言ってたよー」
31:
男「む……」
女「男くんのお口に合うかはわかんないけどねー。あ、あと若干ボリューム不足かも」
男「ま、マジでいいのか……?(むしろ願ったりなんだけど……)」
女「どーぞ♪」ニコ ニコ
男「……」じーっ
男「美味しそうなお弁当ですね、じゅるり」
女「……包みの上からでもわかるものなのかな」
男「ふ、中身見えなくてもわかるんだよ、こういうのは」
女「……クスッ」
37:
男「でも俺がこれ食っちゃったら、女はどうすんだ?」
女「んー、私はそこまでお腹空いてないから多少は我慢できるよー」
男「腹減ってないんだ。体育……ドッジで結構動いてたのにな」
女「え」
男「ほら、女子はドッジだったろ? 女も参加してたじゃん」
女「あ、み、見てたんだ……」
男「うむ、お前がボール当てられたのもバッチリ見たぞ」
女「……」
38:
男「?」
女「そ、そうなんだよー、我ながら善戦はしてたと思うんだけどねー、あはは……」
男「善戦って……まぁ、楽しそうにやってたよな」
女「う、うん……楽しかったよ」
男「……(あれ、何か一瞬暗い表情になった気が)」
ぐぅ〜
女「あ……ふふっ、男くんお腹が待ちきれないって言ってるよー」
男「うわ、聞こえたんだ今の(む、ちょっと恥ずかしいな)///」
女「見えない分、聞くのは得意なの」ニコ
39:
ぐぅ〜
女「あ……」
男「……」
女「あ、あはは……わ、私のお腹もでしたー」
男「……俺でも聞こえるくらいのな」ニヤニヤ
女「……!///」かぁ〜っ
男「やっぱ腹減ってんじゃん。あ、じゃあさ、弁当二人でわけないか?」
男「一緒に食べよーぜ」
女「!? い、一緒に……? わ、私と一緒に食べるの!?」
40:
男「んー、だって一応これ女の弁当だし……っていうか何その反応」
女「い、一緒に……一緒にご飯……誰かと一緒に……」ぶつぶつ
男「……? どうすんの」
女「あ、じゃ、じゃあすぐ着替えて来るね! ごめんね、ちょっと待ってて、ください!」ふら ふら
ガンッ
女「あぅ……っ! うぅ……痛い」ふら ふら
ガッ
女「きゃっ!?」
男「お、おいおいそんなに急がなくてもいいからなー!(アイツ杖使いこなせてないよねやっぱ!?)」
41:
女子トイレ
女「……」
女子生徒「んー、そろそろカット行ったほうがいいかなー」
女子生徒「アンタさー、最近メイクちょー上手くなってない?」
きゃっ きゃっ
女子生徒「まぁねー、やっぱ男子でも気にするヤツいるじゃん?」
女子生徒「その辺は気ぃ抜けないよねー」
女「……」
女子生徒(うわ、女さん鏡じっと見てんだけど何あれ、髪いじってない?)ひそ ひそ
女子生徒(ぷぷ、もしかしてセットしてるとか? つーか、意味ないっしょ、見えないんだから)
46:
可哀想すぎるんだが
周り冷たすぎんだろ
48:
女「……」
女(髪、だいぶ伸びっ放しになってる。ボサボサだよねきっと)
女(他の女の子たちはやっぱりお化粧とかもしてるんだ……)
女「……」
女子生徒(ねえねえ、アレ……今なら気付かないんじゃない?)ひそ ひそ
女子生徒(またー? ったく、アンタもよーやるわ。面白いからいいけどさ)
女「……(よくわかんないけど、ちょっとはマシになったかな)」
女「そろそろ行かなきゃ、男くんに怒られちゃうよね」
49:
女「? ……あれ?」
女「杖……ここにあったのに、あれ?」きょろ きょろ
女「? ?」
女子生徒「……」
女「ど、どこいったんだろ、杖ないと困るよ……」うろ うろ
女子生徒(……ぷぷ)
女(は、早くしないと男くんが待ってるのに……)あせ あせ
ガンッ
女「あぅ!? う、うぅ……」
50:
障害者にこの仕打ちは退学レベルだぞ、胸糞悪い
52:
男「女のヤツ、遅せーな……何やってるんだろ」
男「腹がもう限界のそれに近いぞ」ぐぅ〜〜
きゃっ きゃっ
女子生徒「やべー、見た? あの慌てっぷり」
女子生徒「いい反応するよねー、あの子。ちょっとやり過ぎの気もするけど」
女子生徒「いいんだよ別に、ちょっと見てくれが良いからって調子乗ってるっぽいし」
女子生徒「……いやそれアンタのひがみじゃん、ただの」
女子生徒「ふん」
男「……?」
男「……(トイレで着替えてるんだよな……様子、見に行くか)」
53:
女「ない、ない……」うろ うろ
女「……」
女「あ、あのー、誰かいませんか?」
シーン
女「うぅ……(ど、どうしよう、男くん待たせたままだ)」
女(杖なしでもいけるかな、近くまでいけたら男くん気付いてくれる……よね)
女「よしょ、よ……ん、行けそう……かな?」ふら ふら
女「……」
女(なんで……いつもこんな感じなんだろ……)
54:
男「……」
男「トイレの前まで来たのはいいけど、女の姿が見当たらないぞ」
男「まだ中にいるのかな? 流石にこの中入るわけにはいかねーしなぁ」
男(呼ぼーにも他に人いたら恥ずかしいし、女も迷惑するよな……)
男「どうしたものか……」
男「……あれ? よく見りゃ廊下に杖置きっぱじゃん。やっぱアイツ中にまだいるのか」
男(なんでこんな所に置いてるんだろ)
男「むー、はよ出てこーい」ぐぅ〜〜
55:
男気づけよ。
64:
盲学校で、子供達が鈴付きボールで転がし野球やってたのを思い出した。
65:
漫画とかの盲目キャラは他の感覚がめちゃくちゃ発達してたりするけど
現実じゃあそうそうあるもんじゃないよな
66:
後天性だと特にな。でも視覚障害者の聴覚が発達というか感度がよくなるのは事実だし、やっぱり時間がたてば並み以上にはなるんじゃないか?
72:
___________________________
男「……で」
男「俺はチャイム鳴るまでずっと女子トイレの前にいたわけだ」
女「ご、ごめんなさい……」
男「いや、まぁ廊下で迷ったのはいいけどさ、なんで杖置いたまま歩こうとするかね」
男「はっきり言うぞ。ただでさえお前が杖使ってても傍から見るとヒヤヒヤさせられるのに……」
男「杖なしでうろつくとか無謀だから。無茶しすぎ」
女「……」
女「杖、どこ置いたのか忘れちゃってて……ほ、ほんとにごめんね男くん」
73:
男「……」
男「ていうか、よくそれで教室に戻れたな(もしかして、と思って杖持ってきたのは正解だった)」
女「う、うん……通りがかった先生が教室まで連れてってくれたの」
男「はぁ〜っ、すれ違ったってことかぁ。仕方ないけどさ……」
男(弁当食べ損ねたのは痛い……)ぐぅ〜〜〜〜
女「あ……お弁当……ごめんね、ごめんなさい……」
男「そんなに謝ることないって、そもそも女が善意で恵んでくれようとしたもんなんだから」
男「それに、よく考えれば俺のせいで女が弁当食えなかったって感もあるよな。むしろスマン!」
74:
女「……!」
男「午後はなんとか乗り切るわ、いざとなったら保健室行く!」
男「んで、また追い出されるってオチかな……はは」
女「……」じわ
男「!? あ、ああーっ! そ、そうだ! これ、杖と弁当返しとく!」
男「あー、でも残念だなーっ! 女ん家の弁当食ってみたかったー!」
(うわ、この台詞はタブーだったか!? ……って、なんで俺が焦らなくちゃいけないんだよ!)
女「……」
76:
女「あ、明日……」
女「明日……明日、一緒に……食べ、食べよーよ」
男「え……?」
女「じゃ、じゃなくて……食べたい、なー……」
男「?」
女「あややや、いや、違くて、その……埋め合わせ、今日お弁当食べれなかったから」あせ あせ
女「あの、代わりに明日……お弁当、持ってくるから……!」
男「……」
女「た、たたたたたた食べ、食べ、食べれるよ! お弁当!」
77:
女ガンバレ!
78:
男「……」
女「……」
女「な、何言ってるんだコイツって感じだよねー、あ、あはは……」
男「……女」
女「は、はい……っ!」ビクッ
男「……俺、甘い味付けの卵焼きがめちゃくちゃ好きなんだよね」
女「あ……う、うん、うん……!」ぱああぁっ
男「何その反応、俺はまだ好きなんだよねって言っただけだぞ」
女「うん♪」ニコ
89:
女、がんばれ女!
お弁当のくだりだけでもう泣きそうだ・・・
103:
男「……!」ドキッ
女「……」ニコ ニコ
男「だ、だから俺は別に弁当とか、何も言ってねーし……」
男(……な、なんで女の表情一つでこんなに焦らされてんだろ俺)
男(女に顔見られてなくて良かった……多分、めちゃくちゃ恥ずかしい顔してる……)
男「ほ、ホントにいいのか? 弁当、別に無理しなくても……」
女「卵焼き以外に好きなの、あったら教えてねー」ニコ
男「お、おぅ……」
104:
(コイツの笑顔……こんなんだっけ)
(こんなに……)
105:
_________________
女「あ、あの、お母さん。お願いが……あるの」
母「?」
女「あの、あのね、明日のお弁当なんだけど……私も手伝うから……」
女「で、できたら2つ、つ、作って欲しいなーって」
母「……」
女「た、大変だよね……」
母「あら、あらあら……あららー? ふふっ、どうしたの2つって、誰の分なのかなー?」
女「ち、違うの、誰のとかじゃなくて、あ、あぅ……誰かの、なんだけど……その……」かぁああ
106:
母「1人分作るのと2人分作るの、そんな変わんないし。いいわよー♪」
女「あ、ありがとお母さん! わ、私もお手伝いするから……!」
母「んー、女ちゃんがお手伝いかぁ……(大丈夫かしら)」
女「私も……作りたいの……」
母「……」
母「(くすっ)うん、じゃあ一緒に作りましょ♪」
女「う、うん……!」
母「で? そのコは何が好みなのかなー?」ニヤニヤ
107:
______________
男「うおー、屋上とか来んの久々だぜぇ」
女「そーなんだ? 私はよく来てるよー、ここ」
男「え、お前こんなとこまでウロチョロしてんのかよ、危なくね?」
女「風とか気持ちよくて……あとね、空をね、見るの好きなんだー」
男「……空って(お前どうせ見えないじゃん)」
女「……」
男「あ、いや……確かにここって見晴らしいいからな、なんとなくわかる」
女「うん、だからね、ここで誰かとお弁当を食べたりできるの……すっごく嬉しいの!」ニコ
108:
男「……! と、とりあえずさっさと飯食おーぜ」
女「だねー」
女「はい、男くんのお弁当だよー、お口に合いますよーに」
男「お、おぅ、サンキュー」
男「よ、よく考えたら女子にお弁当作ってもらうとか……な、なんかアレだな」
女「あ、う、うんでもそれ……お母さんが作ってくれたやつだから……」
男「あ……(そっか、女が作れるわけねーもんな)いやいやそれでも感謝!」
女「……」もじ もじ
109:
男「いただきまーす!」
女「ど、どうぞー」
男「……? あれ、なんか女の弁当、俺のやつと違うな」
女「……! こ、ここここれは……あの、わ、私が……作ったの、だから」
男「え? 女が作った!? 弁当を……!?」
女「……」こく
男「マジか……え、じゃあそっち食わせてくれよ」
女「!? だ、ダメ……っ!」
110:
女「み、見た目汚いでしょ? そ、それに味も……きっと美味しくないし……」
女(お母さんは褒めてくれたけど……でも、やっぱり恥ずかしい……!)
男「でも興味ある、勝手に貰う」ひょい パクッ
女「お、男くん!?」
男「!? (こ、これは……!?)」
女「だ、ダメ……だよ……」あせ あせ
男「うめえええええええ!!!?」
女「!?」ビクッ
111:
こんな一途な男に
俺はなりたい
113:
男「う、美味いぞマジで……!(確かに見た目は変だけど、お世辞抜きで美味い!!)」
男「これホントに女が作ったのか? やべ、美味すぎ」ひょい ひょい パク パク
女「あ、ありがと……う、嬉しい……です」
男「いやこれ全部食べちゃうわ、お前ひょっとして料理の才能あんじゃね?」モグモグ
女「あ、じゃ、じゃあ2つとも食べていいよ、お母さんのお弁当も美味しいから///」
男「ん、なら2人でわけよっか」
女「う、うん!」
男「しっかし、正直ここまで美味いとは……以外だった」
女「お母さんのも美味しいー、えへへ♪」パク パク
114:
___________
男「ふぅー、食った食った……ごちそうさん」ごろん
女「はい、どういたしましてー」
男「あー、この後体育かー、サボろうかな」
女「ふふっ、先生にまた怒られるよー?」
男「女はサボったりしないのか? お前ならすぐ休めるだろ、メンドくさくないのか体育」 
女「う、うん……私は、みんなと一緒に、受けたいから……授業……」
男「……そっか」
女「……」
男「そりゃそーだ、それが普通だよな」
115:
女「……」
男「……」
女「あ、あの、男くん」
男「んー?(なんかまどろんできた……)」
女「明日も、お弁当……よかったら、なんだけど……」
女「その、男くんさえ迷惑じゃなければ……作ってきても……いいかな」
男「あー、お弁当かぁ……女の弁当美味しいなー(このままここで寝てサボるのもアリだな)」
女「じゃ、じゃあ明日も……!」
116:
男「んー、明日も美味しい弁当食えるのかぁ、いいのかなぁ、悪いなぁ」
女「……?」
男「から揚げとかも……好き。ぐぅ」
女「……」
男「……すぅ、すぅ」Zzzz
女「……くすっ、チャイム鳴るまでには起こしちゃうよー」ぼそっ
女「……」
女(風、気持ちいいな。こんなに幸せな気分……きっと、空も晴れてるよね)
130:
___________________
がや がや
男友「……珍しくお前が飯誘ってくれたと思ったら」
男友「女ちゃんが休みってだけかよ、この薄情もんが」
男「アイツ月1でそういう人たちの交流会みたいなのがあんだって」
男友「ふーん、女ちゃんのことは流石よくご存知で」
男「んだよ、さっきからその感じ。だからこうやって一緒に飯食ってやってんだろ?」
男友「うるせぇ! 女ちゃんとばっかイチャつきやがって!」
男「い、イチャついてねえだろ別に」
男友「……お前、まさか親友の俺に報告もせず、女ちゃんと付き合ったりしてないだろうな?」
131:
男「し、してねーよ! なんで俺と女が付き合うとか、そ、そういう話になるんだ!」
男友「……」じーっ
男友「最近、女ちゃんが可愛くなったって、クラスの男連中の間でもっぱらの噂になってる」
男友「もともと可愛かったけど……」
男友「なんかお前と一緒にいるようになってから化粧とか! 髪とかも、綺麗にセットしてるし!」
男「え」
男友「どーいうことですかー? 男くーん」
男「し、知らん(……化粧? 髪? ま、マジかよ全然気に留めてなかった)」
132:
男友「親友として教えといてやる。クラスの男連中は全員『男死ね』って思ってるぞ、俺含めな」
男「お前もかよ!? 彼女いんだろお前……」
男友「ちなみに男は影で『盲導犬』と呼ばれている」
男「盲導犬って……なんだそりゃ」
男「犬っつったら、どっちかというと女のほうだろ」
男「いつも後ろをちょこちょこ付いて来るからな」
男友「……」
男「アイツ杖持っててもなんか危なっかしくてよー、そのクセよくウロチョロすんだよなー」
男友「……(こいつマジで事故らねーかな)」
133:
男友「とにかく! お前は野郎共通の敵だから、明日から話かけてくんじゃねーぞ!」
男「そうか、じゃあ今日のメシ代も返せないな。残念」
男友「……!」
男「あ、そうだ……そういや、男友の彼女ってウチのクラスだよな?」
男友「そうだけど……それがどうした? あとお金返してね」
男「……」
男「……女ってさ、女子の間では……どうなのかなって」
男友「? どうなのって、何が」
134:
男「あー……いや、何か聞いたりしてねーかなって思っただけだ」
男「何もないならいいや、スマン」
男友「?」
男「……」
男友「……なんか悩みでもあんのか?」
男「んー、悩みっていうか、別にたいしたことじゃねーんだけどさ……」
男友「どうせ女ちゃん関係の悩みだろ? いいねぇ、キャップルさんたちは」
男「……だから、カップルじゃねーって」
147:
_____________
キーン コーン カーン
女「男くん、今日もお弁当持って来ましたー」
シーン
女「? ……男くん?」
シーン
女「あ、あれ? 男くん、いないのかな?」スッ
男「……」サッ
女「……?(も、もしかして席間違えてるのかな……)」きょろ きょろ
男「……」
148:
男(目の前にいるんだけどね……)
男(男友たちに何か勘違いされてるみたいだからな、教室内では素っ気なくするぞ)
男(後で俺も行くから……さっさと屋上に行け!)
女「?」うろ うろ
女(せ、席の場所はあってるはずなんだけど……それに……)
すん すん
女「男くんの匂いがする」
男「うわーーーーっ!? 何それっ!?」ガタッ
女「あ、男くんいたー」
149:
男「に、ニオイって……! え、ウソ、俺そんなに臭う!?」くん くん
男(もしかして汗臭いとか!? じょ、女子に言われるとかなりショック!!)
女「うん、男くんの匂いするよー」すん すん
男「ちょ、やめて。な、何だよ俺のニオイって」
女「んー、えっと……どういっていいのかわかんないけど……」
女「とにかく男くんの匂い」ニコ
男「説明になってねえよ!」
女「す、すごくね、ス、スキナニオイガスルノ///」ごにょ ごにょ
151:
男「お、俺に近づくなよお前……(これ以上臭うって言われたらトラウマになる)」
女「……」
女「……お弁当」
男「う……」ぐぅ〜
女「くすっ、今日も屋上にする?」
男「……! お、俺は先に行ってるからな!」
女「あ……ま、待って男くん……!」ふら カッ ふら カッ
女子生徒「……」
女子生徒「……ちっ」
152:
_______
女「むー……男くん、ひどい」
男「な、何が……」
女「置いてけぼり……」
男「お、お前がニオイとか、変なこと言うからだろ!」
男「そ、それより、早く! 弁当くれー!」
女「……」
男「……!(うわ、怒ってる? 女が怒ってんの初めて見た)」
女「むー……」
153:
男「わ、悪かったって……」
女「……」
男「そ、そういえばさ……女って、最近なんか変わったよなーって……髪切った?」あせ あせ
女「え……? あ、う、うん……」どきっ
男「それにうっすら化粧してるよな、すげー似合ってるぞ」
女「……あ、あり……がと(き、気付いてくれてたんだ……!)」かぁあああ
男「ま、まぁ、今はそんなの関係ないか……あはは……」
女「……」
女「お、お弁当……今日はから揚げいっぱい入ってます、よー///」
154:
_________________________
女「……♪」
女(今日も楽しかったな)
女(お弁当、また褒めてくれた……)
女「そ、それに……///」かぁあああああ
きゃっ きゃっ
女(? 教室……女の子たちでお喋りしてる?)
女「……(いいな……私も、女の子たちと仲良くしたいけど……)」
女(は、話かけてみようかな……)ごくり
女子生徒「でさー、女さんのことなんだけどー」
女「!」びくっ
155:
女子生徒「最近、男くんとよくいるじゃん? あれさー、見てて可哀想じゃない?」
女「……?」
女子生徒「わかるー、いいように使われてるの気付いてないっぽいよねー」
女子生徒「なんかお弁当毎日作って来てるらしいよ」
女子生徒「それうちの彼氏から聞いたー。男くん陰で相当ヒドイこと言ってるみたい」
女(……え)ドキッ
女子生徒「『ちょっと優しくすればタダで毎日飯食えるから便利』とかなんとか」
女「……!」
156:
女子生徒「『つけ上がってあんま勘違いされても困るんだけどな』とかも言ってたらしいよ」
女子生徒「ひっどー」
女子生徒「でも女さん本人が幸せそうならそれでいいんじゃない?」
女子生徒「まぁ、知らないほうが幸せってことあるよね確かにー」
女「……」
カラーン
女「!?」
女子生徒「ん?」
サッ 
女「……!」ふら カッ ふら カッ、カッ
157:
女子生徒「……」
女子生徒「……行ったよ」
女子生徒「ちゃんと聞こえてたみたいだね」
女子生徒「くくっ、盗み聞きしてんじゃねえよバーカ」
女子生徒「何いってんのー、わざと聞かせたクセに」
女子生徒「なんかふらふら歩いてったし、相当ショックだったんじゃない?」
女子生徒「もともとふらふらしてんじゃん。そのまま大好きな屋上から飛び降りれば?」
女子生徒「……アンタもよくこんなエグイこと考えるね」
160:
ふむ
なんか妙に生々しくて胸の辺りがムカムカする
169:
____________
ふら カッ ふら ふら
女「……」
女「……」
――ちょっと優しくすれば――便利――
女「そ、そうだよね、普通……」
女「私なんかが、何もなしで誰かの側に居るなんておこがましいよね、あはは……」
女(男くんと一緒に居るのが楽しすぎて忘れちゃってた)
女(そうだよ、勘違いしちゃダメだよ……私……)
 みんなと『違う』んだから
170:
女「そ、そうだよー。私なんかと一緒に居てくれるだけでも感謝しなきゃ」
女「私なんかが作ったお弁当食べてくれるだけで……」
女「し、しかも褒めてくれるんだよ? 男くんはやっぱり優しいなー」
――これホントに女が作ったのか? やべ、美味すぎ――
女「……! ほ、褒めて……」
――お前ひょっとして料理の才能あんじゃね――
女「あは、あはは、私……なんかに……」
――化粧、すげー似合ってるぞ――
女「……や、優しいの……」じわ
172:
女(楽しいの……一緒に居れるだけで、幸せな気持ちに……)
――あんま勘違いされても困るんだけどな――
女(た、例えそれが……勘違いでも、)
女(便利なだけと思われてても……かまわない、から……)
女「わ、わた……私は……」ぽろ
女(私の気持ちは……勘違いでも、嘘でも……ないから……)
ぽた ぽた
女「……ぐすっ、う、うぅ……側に……」
女「男くんの……ひっく、側に、居たい……よぉ」ぽろ ぽろ
173:
____________
女子生徒「……女、戻ってこないねー」
女子生徒「ホントに飛び降りとかしちゃったりしてー、ぶはは」
女子生徒「カバン置いたまま帰ったんじゃない? 捨てとく?」
ガラッ
女子生徒「!? っと……!」
男「……」
女子生徒「あ……な、なんだー、男くんかー」
女子生徒「きゅ、急に開けるからビックリしたよねー」
男「……」じろっ
190:
いちいちセリフが深刻だな 突き刺さるようだ
191:
男「……あれ?」
男「女のヤツいねーのか。ここにいると思ったんだけどなー」
男(カバンがあるってことは、まだ校内だよな……ったくアイツ、またウロチョロして!)
女子生徒(……き、聞かれてはなかったみたいだよ)ひそ ひそ
男「あのさ、女どこ行ったか知らね?」
女子生徒「え、お、女さん!? さ、さぁ……知らないよね?」
女子生徒「う、うん……」
男「はぁ〜っ、仕方ない探すかぁ……(屋上とかかな?)」
192:
女子生徒「……」
女子生徒「お、男くんってさ……女さんの話、知らないんだよね」
男「ん? ……話? 何それ」
女子生徒(ちょ、ちょっと!? アンタ何言うつもりなの!?)
女子生徒「……」ニヤ
女子生徒「ん、なんかねー、こないだ女さんとちょっとだけ話したんだけど……」
男「?」
女子生徒「男くんのこと、ちょーバカにしてたよ」
男「……え」
193:
おぃぃぃぃ
女子生徒マジでクズや
195:
男「……バカにしてた? 俺のことを?」
女子生徒「そーそー。ほら、女さんっていつも男くんに弁当作ったりしてるじゃない?」
女子生徒「そのことをね、『あれはエサみたいなものかな』って言ってたよ」
男「……」
女子生徒「しかもね、『餌付けするだけで盲導犬の代わりになるのはいいけど、』」
女子生徒「『たまに彼氏顔するから困ってる』んだってさー」
女子生徒「これ言っていいのか迷ったんだけどね、やっぱ男くんが可哀想でー」
男「……」
196:
女子生徒「さすがにちょっとヒドイよね? あ、でも女さんも本当はいいコなんだよー」
男「……」
女子生徒「ご、ごめんね? やっぱり教えるべきじゃなかったかな(……ぷぷ)」
男「……ぷ」
女子生徒「?」
男「ぷ……ぷぷっ……」
女子生徒「!? ど、どうしたの男くん!?」
女子生徒「も、もしかしてショックで……!?(やべ、メンドくさい系?)」
199:
男「ぷはっ、くく……わははははははは!!」
女子生徒「な、何……?」
男「お、お前ら……嘘つくなら……くくっ、もう少しマシな嘘つけよ、ぷぷ」
女子生徒「!?」ドキッ
女子生徒「う、嘘って……な、なにそれ、ホントに言ってたんだから!」
女子生徒「そ、そうだよー、男くんのためを思って教えてあげたのにー」あせ あせ
男「あ、そうなの? ありがと。じゃあもっと聞かせてよ」
男「女のヤツ、他になんか言ってた?」
200:
女子生徒「……ほ、他にって……他は別に、ねぇ?」チラ
女子生徒「う、うん……男くんの悪口しか言ってなかったし……」
男「俺のことイケメン、とか……頼りになって素敵ーとか、マジでそういうのないの?」
女子生徒「……は……はぁ?」
男「わかんねーかなー? 要するにさ、嘘つくならもっとこういう面白い嘘つけってこと」
女子生徒「……っ! だから! 嘘じゃねーしっ!」
女子生徒「アイツ男くんのこと犬呼ばわりしてんだって!」
男「うん、だからさ……」
男「アイツはそんなこと言わねーよ」
216:
女子生徒「……!」
男「ていうか、もし言ってたとしても俺は何も文句言えねーからなぁ」
男「毎日タダで飯食わせて貰ってるのは事実だし」
男「……それにお前ら女の手、見たことある?」
女子生徒「……手?」
男「目ぇ見えないクセに必死になって弁当作ってるんだろーな……」
男「しょっちゅう傷あったり、ヤケドとかしてんだぜ?」
男「だから『弁当はもういい』って言ってんのに……アイツ、それでも作って来てくれてんだよ」
217:
男「くだらねー嘘ついてんじゃねえ」
女子生徒「……!」ギリ
女子生徒「な、なんでそんなに必死なのー? 認めたくない気持ちはわかるけど……」 
女子生徒「あー、わかった。騙されてたことショックで頭混乱中とか?」
女子生徒「そ、そうなんじゃない? あ、もしかして男くん、女さんのこと好きなのかなー?」ニヤ
男「……」
男「ああ、好きだぞ」
女子生徒「!?」
218:
男「っつっても、人としてって意――」
女子生徒「ウザイんだけど!!」ガタッ
女子生徒「!? ちょ、ちょっと! 落ち着きなよ……!?」
男「……」
女子生徒「アイツのどこがいいんだよ、×××女のクセに……っ!」ギリ 
女子生徒「少し男子に人気あるからって、鼻に付く媚び方しやがって……!」
男「……」
男「もう取り繕おうともしねえんだな」
219:
女子生徒「るせぇよ!」
女子生徒「……言っとくけどね、アイツのこと女子全員ウザがってるから!」
女子生徒「×××のクセに、なにウチらと同じ輪に入ろうとしてんの、バカじゃない?」
女子生徒「あんたも! 顔に釣られてイイ人ぶってんじゃねーよ!」
男「……」
男「手に負えねーわ。もういいから、でけえ声出すなよ」
女子生徒「だから……っ! うるせぇつってんだろ!!」 
男「……いいの? 聞こえちゃうぜ? お前の彼氏に」
女子生徒「……え」
220:
男友「残念ながら丸聞こえなんだなー、すでに」スッ
女子生徒「!? お、男友くん……!? な、なんで……」ぎょっ
男友「女ちゃん探すだけって言ったじゃん、いつまで待たせるんだよ」
男「おう、すまん」
男友「ま、俺のほうも用事できちまったけどな」じろ
女子生徒「……! あ、こ、これは……ち、違うの、ウチは別に……」
男友「あー、それとさ男……」
男友(言い出せなかったんだけど、実は『もう一人』外にいるんですが)ひそ ひそ
男「!?」
男(ま、まさか……!)ダッ
221:
ガラッ
女「……!?」びくっ
男「あ……お、女……(やっぱり)」
女「あ、あ……あの……私……」
男「いつからそこに……(コイツ……泣いて……)」
女「……っ!」ふら カッ カッ、カッ、カッ
男「あ、お、おい! 何で逃げる……!(くそっ、聞かれてたか……!)」
男(女には……『女子の件』を気付いて欲しくなかったのに……!)
男「女! 待ってくれ!」ダッ
222:
男友「おーおー、いいねえキャップルさんたちは、青春だねぇ」
男友「さて」くるっ
女子生徒「……!」
女子生徒「わ、私はお邪魔だよねー……空気読みます(ヤバすぎ、退散)」
女子生徒「ちょ、ちょっと待ってよ……!」
男友「まあ、座れや」ガシッ
女子生徒「ひ……っ、お、男友くんなんで怒ってるの……い、意味わかんない……」がた がた
男友「いやいや、久々にさぁ……二人でゆっくり話ししようぜ、な」ニコッ
女子生徒「ち、ちが、違うの……ホントに……」がた がた がた
223:
______________
カッ カッ カッ、カッ、カッ
女「はっ、はっ……はぁ、はぁ……っ!」
ガッ
女「!? きゃっ!?」どさっ
男「お、おい! 大丈夫か女!?」
女「……」
男「だから、お前は廊下走るなよ。ほら、手」
女「……」ぽろ
ぽた ぽた
男「……! な、泣くなよ。いや、気持ちは……わかるけど……」ズキッ
男「あ、アイツらの言ってたことは……絶対ウソだし。だって! 男友も言ってたぜ!?」
224:
男「女って結構人気あるって……そ、そりゃそうだよな! お前、めっちゃ性格とかいいし!」
男「か、顔とかも……結構可愛いし……」
ぽた ぽた
男「だ、だからさ……泣くなよ……(泣かないでくれよ……)」
女「……」
女「……んなさい」
男「え……?」
女「違う……の……わた、私……男くんに、ぐすっ、謝らないと……」
男「?」
229:
妙に臨場感あるなこのSS
とにかくメシウマ
232:
男は最初から気づいてたんだな
241:
>>232
読み返して気づいた
出だしから男は気を使って杖の場所嘘ついてる
245:
女「私……男くんのこと……ひっく、男くんに……」
女「嫌われてるって……利用されてるって……う、うぅ……!」ぽろ
女「うた、うた……疑い……まじた、う、う……」ぽろ ぽろ
男「……」
女「ごめ、な……ざい、ごめんなざい……わだ、私……謝らなきゃ、なのに……」
女「う……うれじ……! ぐすっ、嬉じくで……男ぐん……信じてぐれた……」
ぽた ぽた ぽた
女「あ、あり……ありが……と。ありが、と……うれじいでず……」
女「嬉じ……ひっく、うれ……う……う、うわあああああああああああん!!」
246:
男「……(女……)」ズキッ 
男「いいから、泣くなって、もう……」
男「……」ズキッ 
男「い、いや、泣いてもいいけど……」
男「……」ズキッ ズキッ
男「俺、ここにいるから……」
男(こういう時、気の利いたセリフ言えるヤツが羨ましい……)
247:
__________________
男「……」
女「……ひっく、ひっく……」
男「……少しは落ち着いたか?(結局、ホントに突っ立ってることしか出来なかったし……)」
女「……ぐすっ……」こく
男「ん」
女「……」
男「……」ちら
女「……」
248:
男「あー……まぁ、アレだ。女も……どう言えばいいのか、色々あるとは思うけど……」
男「悩んでることがあるなら、今度から俺に相談しろよな」
男「一緒に弁当食ってる仲じゃん。っつっても、俺の場合はタダ飯なんだけどな。あはは!」
女「……!」じわ
男「!? うわ、な、泣くなって! ごめん、ウソ! 泣くなよ!」
男「そ、そうだ! そういえばお前探してたんだよ! 聞きたいことあってさ」あせ あせ
女「……ぐすっ……。 ……?」
男「(ほっ)……あ、あのさ、お前……」
「明日、予定とかある?」
249:
______________________
男の家
『あん、あん、あんっ、あっ、あ、あ、い、イクっ、あ……っ!』
男「……」
男「……」
男「ダメだ……」スッ
男(エロいDVDでも見れば、って思ったけど……このモヤモヤ感は晴れん)
男(なんだこれ、女の泣き顔が頭にこびりついてイライラする)
男「いかん、いかん、笑顔だ。笑顔を思い出すんだ」ぶん ぶん
男「やっぱ人間、笑顔が一番(笑顔、笑顔……女の笑顔……)」
男「……」
250:
男「……!」
男(ぐ、ぐうぅ……! な、なんでだ、これはこれでなんかモヤモヤする……!)
男「(イラつきは確かにないけど……)なんか、思ってたのと違うしっ!」
男「うわああああああっ! なんだこれ!」じた ばた
ガンッ
男「痛て」
男「……」
男「……」
男(女……)
251:
男(アイツ、今までどおりに学校来れんのかな)
男(クラスのやつらと仲良くしたがってたみてーだし、やっぱショックだったろうな……)
男「俺のせいだよなぁ、あん時、女子生徒を煽らなけりゃ……くそっ!」
男「……」
男(……遊びに誘ったのはある意味良かったかもしれん)
男(いっつも弁当食わせて貰ってるお礼のつもりだったんだけど……)
男(女には元気出してもらわねーとな。明日は好きなだけウロチョロするがいい)
男(そんで、いつもみてーにニコニコして……)
男(に、ニコニコ……)ドキ
252:
男「!?(だ、だからなんでアイツの顔が……!)」
男「ね、寝よ。そうだよ、明日早いんだし。さ、さっさと寝るぞ!」ごそ ごそ
男「誘っておいて遅刻するとかさすがに悪いしな」パチッ
男「……」
男「……(アイツ、誘ったときにちょっと笑ってくれたよな)」
男「……!」ドキッ
男「あああああああああっ! いらんこと考えるなよ!」ガバッ
男「しかも、目ぇ瞑ったら余計に鮮明になるし! メンドクせえええええええええ!」じた ばた
『お兄ぃ、うるさい! 今何時だと思ってんのよ!』ドンッ
男「……!」
253:
______________
女「……」そわ そわ
男「おー、女。おはよ」ポン
女「!? ひゃ、ひゃいっ!?」ビクッ
男「スマン、もうちょっと早く来るつもりだったんだけど……待ったか?」
女「あ、お、おはよう男くん。だ、大丈夫だよ、今待ってます」
男「? ……にしても、天気悪ぃな。午後から雨降るらしいぜ」 
女「そ、そうだねー、お天気いいねー」
男「……え?」
254:
男「いや、だから雨振りそうなんだって。お前、傘とか持ってる?」
女「え? あ、うん、持ってるよー」
男「……それ、お前の杖だろ」
女「こ、これあったほうが何かと便利でして」
男「……? 人の話聞いてる?」
女「……!」こく こく
男「……(コイツ、やっぱりまだショックで……)」
男(むぅ、こりゃ相当頑張らないと、女に立ち直ってもらうのは難しそうだな)
262:
男「そういや、お前メシ食ってきた?」
女「う、ううん。ご飯は食べてないよ」
男「お、ちょうどいいや。俺もまだ食ってないからさ」
男「軽くどっかでメシにして……その後、色々回ろーぜ」
女「……」こく
男「この時間から開いてる店なら……あっちの通りだな。よし、行くか」スタ スタ
女「あ……お、男くん……!」ふら カッ ふら
男「あ……」
263:
男(そ、そういえばそうだった。慣れてる学校と違ってここは外だからな)
男(俺と一緒だからって、目的地がわからないのに一人で歩けるわけないよな……)
女「……お、男くん?」キョロ キョロ すん すん
男「ちゃんと横にいるよ(あとニオイはやめろ!)」
男「女、今日は俺の服掴んでろ。そっちのほうが歩きやすいだろ」
女「え……あ、あ、あの……」
男「ほら、ここ。別に引っ張ってもいいからさ(どうせ安物だし)」
女「あ、あり……がと、です///」ギュッ
264:
_______________
男「ふぅ、思った以上にあちこち歩いたな……もうちょっと時間あるけど、最後どっか行くか?」
男「女の行きたい場所があればそこにするけど(……いかん、かなり眠くなってきた)」
女「んー、えと、私はどこでも――」
男「……ふわぁ〜〜……」
女「……」
男「あ、す、スマン。き、昨日あんま寝れなくてさ……つい欠伸しちまった」
男「そ、それよりほら、女の行きたいとこだよ。どっかないのか?」
女「……」
女「じゃ、じゃあ、私……映画館に行きたい」
男「……映画館?」
265:
男「映画って、お前……(目……)」
女「……すっごく小さい頃、まだ目が見えてた時にね、お母さんがよく連れて行ってくれたの」
女「こんな機会ないから、もう一度映画を『見たい』なーって」
女「それに私、家でもテレビ見てるよ。声と音だけでも楽しめるから」
男「……」
男「そっか……じゃあ、見に行くか! 映画!」
女「うん♪」ニコ
男「う……」ドキッ
266:
________________
男「……」
男(言い出せなかったけど……俺、実は映画とかそこまで興味ないんだよな……)
男(でもまぁ、女も少し元気出てきたみてーだし、これはこれで……)ちら
女「……」じーっ
男(う、うーん。真剣に『見てる』みたいだけど……ホントに楽しいのか?)
男「(謎だ……)ふわぁ〜〜……」
男(やべ、薄暗い中で座ってたら眠気が一層……)
男(……ちょ、ちょっとだけ寝ようかな……)
男「……」
男(ホントに、ちょっとだけ……)
267:
男「……すぅ……」
女「……」ちら
男「……すぅ、すぅ」Zzzz
女「……」
――最近さぁ、デートの日に限って何故か寝不足の日とかが多いんだよなぁ――
――だったら映画誘えばいいんだよ。あそこなら2時間近く寝れるじゃん、その後怒られるの覚悟でな――
女「……」
女「……くすっ、終わるまで起こさないですよー」ぼそっ
男「ぐがー」
270:
ええ子やな・・・
271:
ホントこの子には幸せになってもらいたいな
297:
________________
男「い、いやー、久々の映画はなかなか面白かったナァ」
女「うん、すっごく面白かったよー」
男「そ、そりゃよかった。あははは……ゴメンナサイ」
女「……くすっ」
男「ゴホン、さて、と……ちょうどいい感じの時間だな」
男「女ん家もあんま遅くなったら心配するだろーし、そろそろ帰るか」
女「……」
男「女も同じ駅からだよな?」
女「……うん」
298:
ざあああああああああああ
男「うわ、やっぱ降り出してたか……お前傘持ってるんだっけ?」
女「う、うん……折りたたみだけど、お母さんが『持っていけ』って……」ごそ ごそ
男「なら大丈夫だな」
女「お、男くんは……? 傘……」
男「メンドーだから持ってこなかった。降ったらコンビニとかで買うつもりだったし」
男「でもまぁ、後は帰るだけだろ? 駅もそんな遠くないからこのまま行こうぜ」
女「あ、じゃ、じゃあ傘……い、い、一緒に……使えば……」
男「……俺はいいよ、別に濡れても平気だし(ていうか、なんか恥ずかしいし……)」
299:
女「だ、ダメ……! 濡れたら風邪ひいちゃうから……!」ぎゅっ
女「そ、それに! 私、歩くの遅いし……!」ぎゅーっ
男「……」
ぎゅーーっ
男「わ、わかったわかった……わかったから、それ以上は引っ張るな、服」
男「じゃ、じゃあ……悪りーけど、俺も入れさせてもらおーかな」
女「……!」こく こく
男「……傘、俺が持つよ(折りたたみで、しかも女の子用か……)」
男(これって、かなり密着しないと……ダメだよなぁ、やっぱ)ごくり
300:
ざああああああああああああああ
男「……」
女「……」
男「……(な、なんでだろ……駅が遠く感じる)」
男「きょ、今日はどうだった? 少しは……楽しかったか?」
女「……うん。すっごく、楽しかった……」
女「ありがとう、男くん……」ぎゅっ
男「そ、そうか……俺も、楽しかったぞ……」かぁあああ
女「……」
302:
女「あ、あとね……昨日は、ごめんなさい……私……」
男「い、いいって、その話は。それに……なんでお前が謝る」
女「……」
女「ホントはね、わかってるの。私……みんなに迷惑かけてるんだって」
男「……! め、迷惑とか、思ってねーよ! なんだよそれ……!」ぎくっ
女「……でもね、それでもみんなと一緒に授業受けたり、お話したい」
女「わがまま言ってるのはわかってる……けど、私……」ぎゅっ
女「来年にはもう……学校、いないから……」
303:
ざあああああああああああああああ
男「……え?」
男「が、学校いないって……な、なんで? き、聞いてないぞ! お前……!」
女「……」
女「来年、男くんたちは受験期でしょ? 私もね、将来の進学とか、就職とかの準備をしなきゃいけなくて」
女「だからね、そういう人たちのための支援学校に転入する予定なの」
女「周りにはもう入学してる人たちがいて、いろいろお話、聞いたりしてるから……」
男「あ……(月1の交流会って、そういう……)」
女「……みんなとは一緒に卒業できないけど、いっぱい楽しい思い出つくりたいなーって」
女「わがままなこと思ってましたー、あはは……」
304:
男「……わ、わがままなんかじゃ……(ウソ、だろ……なんでそんな大事なこと、今まで黙って……)」
女「……」ごくっ
女「で、でもね、最近……思い出になりそうなこと、いっぱいできて……」
――あ、もしかして男くん、女さんのこと好きなのかなー?――
女「わ、わた……私、男くんと……一緒にいると……す、すっごく楽しくて……」
――ああ、好きだぞ――
女「……っ!」ぎゅっ
(優しさで言ってくれてたのはわかってる……そんなんじゃないって……)
(だ、だけど言わなきゃ……私の、気持ちも……伝えなきゃ……!)
305:
女「……」がた がた 
男「お、女……?」
(も、もしかしたら……って、思ってる……そんなはず、ないのに……)
女「あ、あの……楽しいから……」がた がた がた
(ずっと黙っていようと思ってたことまで話して……私、やっぱり卑怯だ……)
(男くんの優しさにすがって……も、もう一度……もう一度だけ、聞けるんじゃないか……って……)
女「あ、あ、わ……わた、し……あの……」がた がた がた
(でも、その前に言わなきゃ……! 今しか……勇気、出せない……!)ぎゅーっ
男「もしかして寒いのか? 肩濡れてるんじゃ……ほら、もうちょっと入れよ」グイッ
女「あ……///」
女「……っ! あの……! わ、わ、私……っ!」
「――っ、男くんが……大好き、です……!」
317:
ざああああああああああああ
男「……!」
男「……と、突然どうしたんだよ、す、好きって……」
女「〜〜っ!」ぎゅっ
男「い、いや、気持ちは嬉しいけど……」
男「う、ん……ありがとう……」
女「……」
男「俺も……女のことは、嫌いじゃないっていうか……」
男「むしろ好き……だぞ」
女「……!」
319:
男「……で、でも、それは……」
女「……! い、いいっ……! いいの……っ!」
男「女……」
女「いいの……ご、ごめんね、変なこと言って」
女「ホントに……ごめんなさい……(その言葉だけでも聞きたかったから……)」
男「……」
女「た、ただね……残りの半年、私と一緒に……いてくれたらなっ、て……」
女「いてくれるだけで……嬉しいなって……そう思って……ます」
(嘘……)
320:
(ホントは……ずっと……)
女「ま、またお弁当……作ってくるから……」
男「……」
男(……急にそんなこと、言われても……)
男(そもそも、女が転校するって話だけでも……突然すぎて驚いてるのに)
男「い、いるよ……そりゃ。一緒にいる……」
男(そうだよ。今日だって、女を元気付けるために遊びに誘っただけなのに……)
男(なんで急に……そんなこと……)
男「一緒に……いるに決まってるだろ。だって……」
321:
男「女は、俺の大切な……友達だし」
女「……」
男「……」
女「……」
女「うん……」
(わかってる……)
(男くんだって、私なんかより……もっと普通の女の子に「好き」って言われたいよね)
(何を期待してたんだろ……男くん、「好き」って言ってくれたよ? それで満足って……)
女「……うん、ありがとう」
女「えへへ、やっぱり男くんは……優しい♪」ギュッ
340:
男「……!」
……トモダチ?
友達に……「好き」って言われたから戸惑ってる……だけか?
『そんなつもり』で女と一緒にいたわけじゃないから?
目ぇ見えないクセにウロチョロするこいつが、見てて危なっかしいから……
心配だから、一緒にいる……?
弁当作ってきてくれるから?
泣いてた女を元気付けるために遊びに誘った?
341:
男「……」
女「お、男くん……?」
いや、確かに……『最初』はそうだった……
男「別に……俺、優しくねえし……」
でも……
『今』は違うだろ
ウソつくなよ
誤魔化すなよ
言い訳すんな!
男「お、俺は……!」
342:
スッ
女「ううん、男くんは優しいよ?」ギュッ
女「だからね……私、好きになったんだよー」ニコ
男「……!」ドキッ
ああ……そうだよ……
俺……この笑顔が好きで……
側で、ずっと笑ってて欲しくて……独り占めしたいから……
男「お、俺、も……俺も……」
男「お前のこと……好き、だ」
343:
女「……!」
男「す、好きだから……俺の……俺の側に……!」
男「俺の側に……ずっといろ! ていうか! いてください!!」
女「あ……あ……」ぽろ
ギュッ
男「お、お前もさっき俺のこと好きって言ったんだ! 文句、言わせねーからな!」かぁあああ
女「あ……わ、私も……」ポロ ポロ
女「あ、あぅ……えぐっ、ひっく……わ、私も……好き……」ぽろ ぽろ 
男「知ってる! 俺も好きだし!///」ギューッ
344:
だから……さ
男「だから……泣くなよ……」
男「俺、お前の笑顔が一番好きなんだけどなー」
泣かすのは……これが最後にしてーな。……今後の努力次第ですけど
男「好きなんだけどなー」なで なで
女「……ひっく、な、泣いて……ないよ……」
泣いてないよ……
だって……私、こんなに幸せだもん……
ざあああああああああああああああ
345:
_____________
数ヵ月後
男「……おいおい、ウソでしょ。姿が見えないと思ったら、こんなとこ登ってたのかよ」
男「危ねーからウロチョロすんなって言ってんじゃん、アホかお前は」
女「……(アホ……)」
男「……で? こんなとこで何してんだ?」
ギュッ
女「お、男くんに抱きついてます///」かぁあああ
男「……そういう意味じゃねえから(恥ずかしいなら無理に甘えんなよ……)」
女「……」
男「?」
346:
女「空をね、見てたの」
男「空? ……また?」
女「ん」
男「見えんの?」
女「うん、すっごく綺麗な青空」
男「……(すっごく曇ってんだけど)」
女「……くすっ、男くんも目を閉じればわかるよー」
男「……目? こう?」スッ
347:
男「……」
女「……どう?」
男「んー……女がその辺ウロチョロしてる姿が見える」
女「むー……。じゃ、じゃあ……こうしたら?///」ギューッ
男「……」
男「あ……。うん、確かに見える……」
女「……♪」
男(確かに青空が……雲一つない、綺麗な……)
その下で、寄り添う二人の姿が――
  【 閉 】
350:
乙乙
352:
乙乙
途中ヒヤヒヤしたりオイこのヘタレと思ったりしたけど、二人とも幸せになってよかった。
次の投下舞ってる
357:
乙。ハッピーエンドで良かった
361:
オマケ
男友「……」
ちゅっ ちゅっ、ちゅっ
男「んー、そこは耳だな。あ、手で探るのはナシだぞ」
ちゅっ
男「惜しいけど残念、そこは鼻」
女「う、うぅ……男くん、絶対避けてるよ」
男「避けてない避けてない。ほら、もう一回」
ちゅっ
男「……ダメだなー、女は下手だなー」
362:
男「こうやって……ちゃんと唇にしなきゃ」ちゅっ
女「あ……ん、ぅん……ちゅ……っ、はっ……」
ちゅっ、ちゅっ ちゅっ
男友「……っぁぁぁあああああああああああああ!!!」
男「!? う、うわっ!? お、男友……!?」ぎょっ
女「え……え……?」きょろ きょろ
男「お、お前……なに覗き見してんだよ!」あせ あせ
男友「してねえよ! 出てくるタイミング失ってただけだ! お、お前らこそ……!」
女「……!///」かぁああああ 
363:
男「……な、何しに来たんだよ」じろっ
男友「いや、お前に頼まれてたDVD持ってきたからさ。ほら、これ……」スッ
男「うわあああああああああああああ!?」
女「!?」びくっ
男(て、てめええええっ! こんなとこで『こんなもん』出すなよブチ殺すぞ!)ひそ ひそ
男友(お前こそ『なんてもの』見せつけてくれちゃってんの、PTSDになるトコだったじゃねーか!)ひそ ひそ
女「? ……DVD?」
男「あ、あはは……そ、そうそう、DVD。男友に借りる約束してたんだよ」
男「ちょっと俺は男友と二人で話ししたいから、女はその辺ウロチョロしてていいぞー、あはは……」
364:
__________________
男友「そっかぁ、女ちゃん転校しちゃうのか……寂しくなるねぇ」
男「……アイツ、調理師系の勉強するんだってよ(弁当も日増しに美味くなってるもんなぁ……)」
男友「……」
男「お前こそ、なんか悪かったな……女子生徒、まだ付き合ってるんだろ?」
男友「まぁねー。別れたりしたらアイツ、逆上して女ちゃんに何するかわかんねーし」
男友「あの手の女は手元に置いとかなきゃなー」
男「……」
男友「ま、女ちゃんが転校したら攻別れるし、あんな性悪女。わはははは」
365:
男「男友……」
男友「ところでさぁ……アレ、いいの? なんか女ちゃん、上に登っていってるみたいだけど」
男「!? うわ、マジかよアイツ……ああ、もう! なんでいっつも……」
ダッ
男友「いってらっしゃーい」
男友「……」
男友(ホント仲良いなあの二人……)
男友「あーあ、俺にもなんか出会いとかねーかなー」
367:
________________
女「……お話、終わった?」
男「おう」
女「……」
女「さっきの……男友くんに借りてたDVDって、なんのDVD?」
男「え……」ぎくっ
男「(な、なんでDVDに食いついてくる)ほ、ほら、あれだよ……前にさ、映画見に行ったじゃん?」
男「あれの前作を男友が持ってるって聞いたからさ……見たいなーって。映画、ちょー面白かったし」
女「……(映画……)」
368:
男「あ、あははは……(寝てたよなー、俺。さすがにバレるか?)」
女「前作ってことは……シリーズ?」
男「え。あ、そ、そうだな……シリーズ物だよ……確か」ちら
『働く美少女シリーズ・2』
男「うん、今日借りたのはパート?だな。つまり前見た映画はパート?」
女「……」
男「ま、まあ前作の知識なくても楽しめる作品に仕上がってタヨネ」
女「……」
(じゃあ、パート?もあるってことだよね……)
369:
おまけ・前編 ここまでー
372:
おつ!
おまけ・後半も期待してるよー
378:
乙!!
女がDVDを見たときの反応が気になるなwwwwwwww
380:
_____________
男友「ぎゃははは! でさー、男のヤツがよー……」
ふら カッ ふら
女「あ、あの……お、男友くん……」
男友「うわ!? え、お、女ちゃん……? ど、どしたの?(は、初めて話かけられた……)」
女「あの……お、お願いがあって……」
男友「?」
女「きょ、今日ね、男くんに貸してあげてたDVD、なんだけど……」
男友「ひいいいいいい!? ち、違うよ!? あれは男がどうしても貸してって言うから……!」
男友「わ、わかりました! 二度とあんなDVD貸しませんごめんなさい!」
381:
女「? あ、あの……わ、私にも、そのDVDの1作目を……」
女「か、貸して欲しいなーって……お願い……しに来ました……」かぁあああ
男友「……」
男友「……え?」
女「……」もじ もじ
男友「え? か、貸して欲しいって……あのDVDの!?」
女「……」こく
男友「お、女ちゃんが……? 男に頼まれたとかじゃなくて?」
女「……」こく こく
382:
男友「な、ななななななななんで!?」
女「……こ、この間ね、お、男くんと3作目を一緒に見て……すっごく面白かったから……」
女「さ、最初のお話から見たいなーって、思って……」もじ もじ
男友「一緒にぃいいいいいいい!? お、男のヤツなにやってんだああああああ!!?」ガタッ
女「だ、ダメ……かな、やっぱり……」
男友「う……(ドキッ)、だ、ダメじゃないけど……お、女ちゃんもこういうの興味あるんだ……?」
女「う、うん……男くんをね、驚かせたいなーって///」もじ もじ
男友「……!(ひいいいいいいいいいい!!! ちくしょおおおおおおおお!!!)」
あ、明日……持ってきます
383:
______________
次の日
ざわ ざわ お、おいアレ………
うわ、女さん なに見てんの…… ひそ ひそ
女「……」じーっ
女(お、男くん、私が内緒でこれ見たって言ったら驚くかな……)
――え、お前……いつの間に1作目見たの? そんなに気に入ったのかよ――
――あ、じゃあ、また一緒に見に行くか? 今度は俺もちゃんと起きてるからさ――
女「……///(また、映画に連れて行ってくれるかも……)」じーっ
ひそ ひそ ざわ ざわ
女「……?」
女(あ、そ、そうだよね……ホントは学校にDVD持ってきちゃいけないんだった)サッ
女(男友くん、ありがとう……)
384:
______________
女「ごちそーさまでした」
女「……♪」かちゃ かちゃ
母「いいのよ、食器はそこに置いてて……どうしたの? 今日はなんか嬉しそうね」
母「なんか学校でいいことあった?」ニコ
女「うん。今日ね、男くんのお友達にDVDを借りたのー」
母「男くんって……例の子? へぇ……(良かったわ……お友達も女と仲良くしてくれてるのね、安心)」
母「……で? どんなの借りたの?」ニコ ニコ
女「えへへ、これー」スッ
母「!? ひっ……!?」パリーン
ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!?
お、お母さん……!?
.385:
>パリーン
合掌
386:
これはひどいwww
387:
さて
これは誰が悪い?
390:

>>387
どう考えても下手な嘘ついた阿呆と事実確認を怠った阿呆
388:
________________
がや がや
男友「……女ちゃん今日休みだねー、例の交流会ってやつ?」もぐ もぐ
男「……いや、今日は違うはずなんだけどな(何も聞いてないぞ、アイツ……電話も出ねーしな)」
男「ま、体調悪いとかそんなんだろ」ぱく ぱく
男(んー……でも、ちょっと心配だな。学校終わったら様子見に行くか……)
男友「そういえばさー、お前……女ちゃんに相当無理なプレイ強いてるらしいな」
男「……は? プレイ? なんだそれ」
男友「だって昨日……いや、一昨日か、女ちゃんに聞いたぜ?」
男「?」
男友「お前――」
その後、女は3日間学校を休みました
389:
おまけ・後編 ここまでー
それではみなさま、ありがとうございました またいつかノシ
409:
でもなんで登校拒否したんだ?女の母ちゃんが見るの止めたんじゃないの?
410:
いや、クラスの机の上で思い切りパッケージ出てたわけだろ
周囲の人に見られた恥ずかしさからだな
411:
ああ、それでか
412:
わろたよ
413:
披露宴の席で男友が持ってくるのだろうな
41

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