【完結】ハニー・ポッター「最後(いやはて)の、敵なる死だって……越えてみせる!」back

【完結】ハニー・ポッター「最後(いやはて)の、敵なる死だって……越えてみせる!」


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1:
『ホグワーツの者共よ 城を空け渡せ ハニー・ポッターを寄越すのだ』
『俺様は戦いを望まない ポッターの小娘を差し出せ』
『この城を俺様に そうすれば 誰も犠牲になることはないだろう』
『もしも抵抗するならば 小娘と共に 全て 破滅させてやる』
『死を司る杖を持ち 死の飛翔たる最強の俺様が』
ヴォルデモート『ヴォルデモート卿が 今なら お辞儀一つで許してやろう』
ハニー「……うるさいわよ、発想プレティーンのお辞儀狂い」
ハニー「マクゴナガル先生……みんなを巻き込んでしまって、ごめんなさい。けれど私、ここでやらなくちゃいけないことが……」
マクゴナガル「構いません、ポッター。ダンブルドアもおっしゃっていました――恐らく事の全ての決着がつくのは、やはりこの城だろう、と。そのための守りが、ここにはあります」
ハニー「……みんなを」
マクゴナガル「えぇ、そうしましょう。さあ、生徒のみなさん!地下の空き教室へ――」
ザワザワザワザワザワ
ロン「先生、それは野暮ってもんだよ。僕らは隠れないし、戦うさ!ハニーと一緒に!」
ハーマイオニー「先生、私たち決めてるんです。ハニーの隣で、って!」
マクゴナガル「それは――えぇ、あなたがたはそうでしょう。ですが――」
ワーーー!ワーーーーー!  
ハニー!ハニー!!!
 僕らのハニー!!
ネビル「……同じ気持ちなのは僕達だけじゃないみたいです、先生!」
マクゴナガル「あぁ――なんと勇敢な生徒達でしょうね、えぇ!」
ハニー「……みんな」
ロン「なあハニー。君ってむかーし、言ってたよな。この城みんなと、どうこうって」
ハーマイオニー「全員が全員ってわけじゃないわ。スリザリン生徒なんて明らかに反抗する目をしているもの……でも」
ハニー「……うん。けれど……こんなにたくさんのみんなが、私の――わたしの、力になってくれる」
ハニー「――負ける気がしないわ」
ハニー「最終決戦よ……ヴォルデモート!!!」
ロン「ところでハニー、さっき口走ってた『最後(いやはて)の〜〜』ってかっちょいい台詞さ……君、HAHAHA!いつの間にか例のあの人のプレティーン思想に感化されっちまったんじゃ」
ハニー「ロン」
ロン「なんだいハニー!」
ハニー「ハーマイオニーが危なくなったら文字通り命賭けなさい」
ロン「そんなの、言われるまでもないさ。もちのロンでね」
2:
ハニー・ポッター「私が、魔法使い?」
ハニー・ポッター「賢者の石、ですって?」
ハニー・ポッター「賢者の石は、どうなったのかしら」
ハニー・ポッター「秘密の部屋?なぁに、それ」
ハニー・ポッター「スリザリンの継承者?なんなの、それ」
ハニー・ポッター「脱獄囚の、シリウス・ブラック?」
ハニー・ポッター「『エクスペクト・パトローナム!』」
ハニー・ポッター「『守護霊よ、来たれ!』」
ハニー・ポッター「勝つのは私、そうでしょ?」
ハニー・ポッター「何がこようと、受けて立つわ」
ハニー・ポッター「いつか必ず、来るものは来るのよ」
ハニー・ポッター「来るものは来る、来た時に受けてたてばいいのよ。勝つのは、私よ」
ハニー・ポッター「騎士団、いいえ。私の豚団ね、そうでしょ?」
ハニー・ポッター「『私は、嘘をついてはいけない』……?」
ハニー・ポッター「誰一人だって、欠けさせないわ」
ハニー・ポッター「進まなきゃ、前に。そうでしょ?」
ハニー・ポッター「プリンス、だなんて。なんなのかしら」
ハニー・ポッター「暴いてみせるわ、マルフォイの企み」
ハニー・ポッター「どうして、スネイプなんかを……」
ハニー・ポッター「アルバス・ダンブルドアと、わたし」
ハニー・ポッター「分霊箱を、探す旅」
ハニー・ポッター「死の、秘宝……?」
これで最後や
3:
きたああああヒンヒンヒン!!
6:
待ってました!ヒンヒン!!!
7:
きたか!ヒンヒン!
9:
ついに最終スレかー…
来てて、ものすごく嬉しいけど何か寂しいな
元スレ
ハニー・ポッター「最後(いやはて)の、敵なる死だって……越えてみせる!」
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10:
マクゴナガル「よろしい!戦う意思がある生徒には、チャンスを与えるべきでしょう……この戦いに無関係な魔法使いなどいないのですから」
ロン「ハニーはこの世の魔法使いみんなの希望ですからね、先生」
マクゴナガル「良い得て妙ですウィーズリー。スラグホーン先生。あなたは避難をする生徒、そしてスリザリン生徒の引率を」
ホラス「心得た。よーしみんな、これは逃げじゃないぞー。賢く生き残る選択だぞー。そうして誇りに持っておけば大丈夫だぞー。先生あとで戻るけど」
パンジー「……どうして!?ポッターを『あの人』に渡せばいいじゃない!!」
スリザリン生<そうだそうだー!
スリザリン生<言ったれパグ犬ー!
ホラス「どうどう、ほーら、待ってる間はみんなに陶酔薬をやるから――」
バーン!
マクゴナガル「!なんです!もう城内に――あー」
フィルチ「生徒が寮を抜け出している!こんな時間に!生徒が!なんたること!こんなにたくさん!ムチがおいつかない!」
マクゴナガル「あの連中でもあなたにその権限は与えていなかったはずですよ、アーガス!」
ハーマイオニー「……それを与えてたアンブリッジって一体」
ハニー「限りなくあいつらに近いわね、えぇ」
ロン「面は人外一直線だったけどね。オェッ」
11:
マクゴナガル「城中に大広間に集まるように声を届けたはずですよ!聞いていなかったのですかあなたは!」
フィルチ「えっ。老体のミセス・ノリスの健康のためにこの時間はぐっすりですが……」
マクゴナガル「連中が夜の見回りを始めて仕事が減ったからと言ってふぬけるんじゃありませんまったく!大体!ミセス・ノリスの健康のため!?彼女は私よりよっぽど元気ですとも!」
ロン「なんで詳しいんだろうな」
ハニー「お友達だからでしょうね」
ハーマイオニー「マクゴナガル先生は常識人、人、人、信じてるわ私」
マクゴナガル「そこまでお暇なら、スラグホーン先生を手伝って生徒の引率を!そして――ピーブズを探しておいでなさい!」
フィルチ「……ピーブズ!?」
マクゴナガル「えぇ、ピーブズです!この四半世紀、あれの文句を言い続けていたでしょう!さっさと捕まえてきなさい!この現状では、猫の手も借りたいところですからね」
ロン「……いまの笑ってもいいのかな」
ハーマイオニー「大目玉を食らいたいのならね」
12:
マクゴナガル「さて――こう言っては何ですが、厄介払いはできました」
ハニー「私をしてはスネイプをとんずらさせていただいただけでも大収穫だわ、先生」
マクゴナガル「ごもっとも。さあ、残った生徒は――グリフィンドールの大半、ハッフルパフの大勢、レイブンクローも……高学年の、ほとんど」
ハニー!ハニー!
 戦うよ、ハニー!
ヒンヒン!
ロン「見上げた根性だぜ!みんな漢だね、漢!豚の中で!豚以外でも!」
マクゴナガル「……騎士団の大半が合流出来ていない以上、無事でいられる保障はどこにもありません。それでも――いいえ、これは野暮ですね」
マクゴナガル「みなさんには外への抜け道の入り口を見張ってもらいます。連中がただ正面からだけ攻めてくるとは思えません」
ネビル「よーし。みんな、こっちに!軍隊を分けよう!リーダーを決めて、連絡手段はこの金貨を――」
マクゴナガル「……立派になりましたね、ロングボトム」
ネビル「えっ!?あ、はは。ありがとうございます、先生!」
マクゴナガル「頼みましたよ。ポッター、あなたとウィーズリー、それにグレンジャーは――探し物があるはずでしたね?」
ハニー「はい、先生……まだほとんど、手がかりはないけれど」
マクゴナガル「結構。時間は稼ぎます――ポモーナ、フィリウス、他の先生方も。いいですね?」
フリットウィック「もちろん、ミネルバ!」
スプラウト「温室をぜーんぶ解き放ちましょう、えぇ!」
ハニー「……先生?」
マクゴナガル「最前線は、私たちが。お任せなさい、ポッター」
マクゴナガル「私達は、アルバスが選んだ――ホグワーツ最高の教師なのですから」
15:
ガヤガヤガヤガヤ
 ザワザワザワザワ
ネビル「みんな、こっちに!グリフィン一斑は北塔の、ここ、えーっと……ヒン!ヒン、ヒヒン!」
ヒンヒン!
ネビル「うん、最初からこう打ち合わせればよかった。各班に同胞が一人はいるようにするよ!そうすれば、少しでも聞こえればヒンで意思疎通できるし――」
ハーマイオニー「……聞かないわよ。聞くもんですか」
ハニー「私の話は聞いて頂戴。それで、レイブンクロー寮ではほとんど新しいことは分からなかったわ」
ロン「たとえ無駄骨周り道でもマクゴナガルと話しつけて好転するあたり君の道筋はいつだって最良だよね、っと。そんじゃ、どうする?どこか手当たり次第に探すかい?」
ハニー「……先生は時間を稼ぐと言ってくれたけれど、そんな余裕……」
ルーナ「ハニー。あたしもこっちに入っていい?」
ハニー「ルーナ……あー、でも」
ルーナ「うん。髪飾りは見たことないし、フリットウィック先生も『生きた魔法使いでその実物のことを知っている生徒には会ったことはありませんな』って、言ってたもン」
ハニー「そう、レイブンクロー寮監のミニ豚も……」
ハーマイオニー「……フリットウィック先生の称号ってそんなのだったのね」
ロン「結構まんまだろ?」
ハーマイオニー「放っておくわ。それで、ルーナ。あなたには何か心当たりがあるの?お父様の作られた、あー、あれ以外で」
ルーナ「うん。ほら、ハニー。あんたに今度紹介するって、言ったでしょう?一石二スノーカックだよ」
ハニー「紹介?それって……あ……あぁ……『生きてる魔法使いでは』……あの時みたいだわ……それ、って」
ルーナ「うん。レイブンクローの寮憑きゴースト、『灰色のレディ』」
ロン「……ゴーストが友達って、ほんと君って変わってるよな」
ルーナ「? あんた含めて、そうかもね」
16:
北塔
『……』
『……』
『……来ましたか』
ルーナ「こんばんわ。やっぱりここにいた。北塔の高いところ、でも天辺じゃない、そんな場所」
『えぇ、こんばんわ、ルーナ――そうかしら』
ルーナ「うん。いっつもそういうところにいるもン。どうして?もっと上なら、もっともっと風も気持ち良いのに」
『……私にそれを目指す資格も、力量も、ないからかしら』
ルーナ「? あんたは負け犬病には見えないけどな」
『あらこの娘ほんとたまに的確に辛辣』
ルーナ「ダンブルドア先生の事があった後も、ここで話したっけ。それでね、聞きたい事――っと、あたしより先にあっちだった」
『……お友達かしら? よかったわね、ルーナ』
ルーナ「うん! こっちは、ハニー・ポッターとハーマイオニー・グレンジャー、あとおもしロン」
ロン「何で僕だけ雑なのさ」
ハーマイオニー「こんばんわ」
ハニー「ハァイ……あなたが、えーっと……『灰色のレディ』?」
灰色のレディ『……えぇ、ハニー・ポッター。噂はかねがね」
ハニー「高貴さとか可憐さとか儚げさとかかしら?」
灰色のレディ『……色々な意味で噂以上だ、と、えぇ』
17:
灰色のレディ『あなたがレイブンクロー寮に入ったと聞いた時から、訪ねて来るのでは、と……思っていました』
ハニー「! それじゃ、あなたは……!知っているの!?」
ハーマイオニー「『失われた髪飾り』のこと!ご存知なのね、レディ!?」
灰色のレディ『……やはり、そのことですか。お気の毒ですが、そのことについてはお助けできませんわ』
ハニー「! 待って!」
ロン「おいおい待ちなよ少しくらいさ話冷たっ!ゴーストだからって通せんぼしてる人の身体そのまま通り抜けるなよ!マー髭!でもまあ女ゴーストだからちょっと悪い気は――」
ハーマイオニー「大丈夫、ロン?冷たかったなら、ローブに火くらいはつけられるけど」
ロン「口走ったのは悪かったからやめてくれよ真顔はさ」
ハニー「ハーマイオニー可愛いからゆっくりあとでして頂戴その件!レディ、待って!本当にその髪飾りがここにあるなら、わたしはどうしてもそれを見つけないといけないの!」
灰色のレディ『……髪飾りを欲したのは、あなたが初めてではない』
ハニー「! あぁ、やっぱり……!」
灰色のレディ『身につけるだけで最高の英知を得られる、髪飾り……何世代にもわたって、生徒たちに尋ねられた……才能無き者どもめ』
ハニー「そんなために見つけたいわけじゃ……いま、なんて?」
灰色のレディ『……なにも』
ロン「おいおい、はっきり聞こえたぜ?そりゃさ、レイブンクロー出身であろうあんたにとっちゃ楽して勉強、なんての気に食わないかもしれないけど」
ハーマイオニー「『才能無き者』って……」
ハニー「その、言い方……グリフィンドールの歌にあった……それに、その服の、年代……あなた、もしかして」
ロン「?」
ハーマイオニー「?」
灰色のレディ『……』
ハニー「あなたは、あなた……レイブンクロー!?ロウェナ・レイブンクロー!?いいえ、石像とは少し……それじゃ、娘、さん!?」
ハーマイオニー「……ハニー、あの言動からその理屈はおかs」
灰色のレディ『……聡い娘だ、という噂も確かなようですね』
ハーマイオニー「もういやホグワーツ」
ロン「創られた時からウィットにとんでたんだなあ、もちのロンで」
18:
灰色のレディ『確かに、生在りし時――私は、ヘレナ・レイブンクローでした』
ロン「ホグワーツ生だったんだ、へえ。あ!親の七ひk」
灰色のレディ『憑き殺すぞ赤毛』
ロン「すいませんごめんなさい」
ハニー「けれど、それなら――それだからこそ!あなたなら、あの髪飾りがどこに行ったのか、何かご存知のはずじゃ!?なんでもいいの!どんな、些細なことでも……!」
灰色のレディ『……あの髪飾りをつけたところで、それがあなたにとって「あの人」を倒す可能性を高めるかどうかは疑問です。そう、あの、自らを『卿』と呼ぶ愚かな……』
ハニー「一人称が天才たる私なあなたの母親とかはどうなのよ、って言いたいけれど……だから、わたしは!あれを被るつもりはないわ!」
灰色のレディ『……』
ハニー「髪飾りが必要なの――使いたいって、意味じゃなくて!それを見つけないといけないの!」
灰色のレディ『……』
ハーマイオニー「えーっと……レイブンクロー、さん。少しでも、ホグワーツのことを気にかけているのなら。協力してもらえませんか?」
灰色のレディ『……ここはもはや私の家です。それは、もちろん……ですが、あれが、なんの……』
ハニー「あなたは、あなたもさっきのあいつの声を聞いたでしょう!?わたしは、あいつを打ち滅ぼすために動いているの!そのために……どうしても、あの髪飾りの在り処を突き止めないと、いけないの!」
灰色のレディ『……!!』
ハニー「だから、お願い。何か、少しだけでも……レディ? ヘレナ?」
灰色のレディ『やはり、彼は……あぁ……私は……私の罪は、まだ……あぁ』
ハニー「……」
灰色のレディ『……私は』
灰色のレディ『…………私はあの髪飾りを 母から、盗みました』
21:
ハニー「……盗んだ?」
灰色のレディ『……私は母よりも賢く、母よりも重要な人物になりたかった』
灰色のレディ『世間から向けられる目は常に母を通していた。やれ天才レイブンクローの娘、やれロウェナの才能を受け継ぐ子』
ロン「七ひか……なんでもないよ」
灰色のレディ『もうたくさんだった。特に赤毛。あなたのような才能無き人間からの目が』
ロン「ごめんってば」
灰色のレディ『母の髪飾りを盗み、私はこの地を離れた――母に愛されてなかったわけではないの。酷い裏切りだったでしょう。それは分かってる』
灰色のレディ『それなのに、母はそのことを隠していた。私を告発することもせず、髪飾りを失った事を認めず、模造品を身につけて、他の創設者たちにも真実を語らなかったと聞きます』
ルーナ「模造品――パパが作ってたのって!」
ハーマイオニー「最初から完全に手探り手づくりだったでしょう話をそっちにもってかないで?」
灰色のレディ『やがて、母は重い病気になりました。私の裏切り行為にも関わらず、母はそれまでも私に盗人の汚名を着せようとせず、それどころか……もう、一度でいいから私に会いたい、と……ある男に私を探させました』
ハニー「ある、男……?」
灰色のレディ『その男はかつて私に恋をしていた男でした。母はその男なら私を探し出すまで帰らない、と知っていたのです』
ロン「ハーマイオニーがハニーの匂い辿って探り当てる、的な?」
ハーマイオニー「あなたが恐ろしい第六感でハニーの居場所を割り出す、的なそれね」
ロン「いやそれは相手君でもいいと思うけどさ」
ハーマイオニー「そう……うん?」
ハニー「後でよ、後で二人とも、私が集中する時にゆっくりやって、その件」
22:
灰色のレディ『その男はついに、私が隠れていた森を探し当てました。正直、引きました』
ハーマイオニー「あー」
ロン「まぁ、うん。怖いよな、うん」
灰色のレディ『私が共に帰ることを拒むと――というか、その場の勢いで求婚してきた手を思い切り振り払うと、彼は激怒しました』
ハニー「その人、あなたがヒロインで自分はそこから助け出す勇者、みたいな気分になっていたのかしらね……」
ロン「どっかの誰かさんは眠り姫の男女逆だけどね痛い!ありがとう!!」
灰色のレディ『もともと怒りやすい性質だった彼は激怒した後、自由奔放な私に嫉妬し、そして――刺しました』
ハニー「……えっ」
ハーマイオニー「……」
ロン「……マーリンの髭」
灰色のレディ『私の返り血を全身に浴び、冷静さを取り戻した彼は……悲痛の後、後を追いました。あの男爵は、今でもその戒めにそのままの姿をしています。ここで、私に自らの罰を見せつけようと。迷惑な人です……もはや人ではありませんが』
ハニー「男爵……?ここ、この城……?……まさか!」
ロン「え?」
ハーマイオニー「まぁ……あの姿に、そんな理由があっただなんて!あなたとあの男爵に、そんな繋がりが!」
ロン「え?あ、え?なんだい?二人とも、何の話してんのさ?」
ハニー「血みどろ男爵なのね、ヘレナ……?その男の人、って」
灰色のレディ『……えぇ』
ロン「は?えっと、誰だいそいつ」
ハーマイオニー「忘れたの、ロン!スリザリンの寮憑きゴーストよ!!」
ロン「……いや今まで一度でも僕らの前でそんなのに触れた事あったっけ……?」
ルーナ「ゴーストだから、触れられないよ。おもしロン」
ロン「それやめろよ、なんだってんだよ。マーリンの髭!」
23:
ハニー「それじゃ、髪飾りはどうなったの……?男爵が怒って、壊してしまった、とか……?それじゃ、またふりだしに……」
灰色のレディ『……いいえ。あの男が私の居場所を突き止めて森をうろついているのに気づいた時に、ある場所に隠しました。木の、虚の中に』
ハーマイオニー「木の、虚……どこの森なのか、教えていただけますか?レイブンクローさん」
灰色のレディ『……アルバニア』
ハニー「……」
ロン「うひゃー、また遠いなあ」
ハーマイオニー「……ロン、気づかないの!?アルバニアよ!?」
ロン「なんだよ、イギリスじゃないってことは知ってるさ。それと、えーっと」
ハニー「……ヴォルデモートが復活する前、最後に目撃されたって場所ね」
ロン「……あ」
灰色のレディ『……』
ハニー「……ヘレナ。だから、話してくれたのね?だから、打ち明けてくれたのね?他の人には言わなかったこと、言えなかったことを……あの、髪飾りのこと。たった一人の生徒、以外に、初めて話してくれたのね?」
灰色のレディ『……私は、愚かだった。わからなかったのです……お世辞を言われているのだと。あの人は、まるで……理解してくれたかのような口ぶりで……あの人は……彼、は』
ハニー「……トム・マールヴォロ・リドルは……でしょう?」
灰色のレディ『……えぇ』
24:
ハニー「あなただけじゃないわ。何人もの魔法使いや魔女が、言葉巧みにあいつから秘密を引き出されたの。あいつは――やろうと思えばいくらでも、魅力的になれたから」
ロン「やろうと思わなくても全人類魅了してやまない君とは格が違うね、まったく」
ハニー「その通りね。そして、あいつは……その虚から髪飾りを取り出して、分霊箱にしたあと……」
ハーマイオニー「どこにやったのかしら?また、その木の中に……?」
ハニー「いいえ。箱そのものでさえ、トロフィーみたいに意味のある物を求めたあいつだもの。そんなぞんざいな扱いは、するかどうか……ゴーントの家は、少しばかりのスリザリンの末裔に対する敬意があったとして」
ロン「そういや、ハニー。あいつはさ、ダンブルドアに就職を頼みに一度、この城に来てる。そう言ってただろ?」
ハニー「……そうね。その時……有り得るわ。ここは、あいつにとって特別な場所。そんなホグワーツに、隠す……けれど、どこへ?」
ハーマイオニー「スリザリンの談話室、とか……?」
ロン「それこそ秘密の部屋じゃないか!うん、きっとそうだ!」
ハニー「……どうかしら。ダンブルドアが警戒している時に、あそこに寄る余裕は無かったと思うわ。時間もかかるもの……隠す場所、隠す……」
ハニー「……」
ハーマイオニー「……ハニー?」
ハニー「ジニーと、あの教科書を隠しにいった……あぁ……『このお城が出来てから千年くらい、ずーっと色んな生徒の都合の悪いものを引き受けてきた』場所……ダンブルドアでさえ、ほとんど、知らない部屋」
ハニー「わたし、きっと一度見ているわ。ううん。私たち、ずっとその場所の近くにいたの。同じ場所ではないけれど、とっても、とっても近い場所。姿を変えて、その、中に」
ルーナ「――必要の部屋の、物隠しするときに現れる部屋?」
ハニー「えぇ、ルーナ……髪飾りは、そこにあるんだわ」
25:
ハニー「ヘレナ……教えてくれてありがとう」
灰色のレディ『……私は、かつての自分の愚かさを恥じたまでです』
ハニー「ううん、それでも結局あなたの話してくれたことは、わたしの力になったわ。だから、ありがとう」
灰色のレディ『……あなたがたに、幸運を。生はなくともこの世に留まる者として、よりよい世になることを願ってます』
ハニー「えぇ、絶対よ。それじゃ……ルーナも、教えてくれて本当にありがとう」
ルーナ「うん。あぁ、あたしはここまででいいよ。レディと話したいことがあるから」
ハニー「そう?もう、戦いは始まるんだもの。一人でいるのは危ないと、思うけれど……」
ルーナ「一人じゃないよ。ホグワーツのみんなが一緒。ね?」
ハニー「……違いないわ。ルーナ、またあとで!」
ロン「困ったことになったら大声でヒン!って言ってみな!豚の誰かの耳に届けばきっと間に合うから!」
ハーマイオニー「気をつけてね、ルーナ!ヘレナさん、本当にありがとう!」
タッタッタッタッタ……
灰色のレディ『……良かったの?一緒に行かなくて』
ルーナ「うん。あたしはあたしでやることがあるんだもン。それより、灰色のレディ。レイブンクローだったんだね」
灰色のレディ『……黙っていて、ごめんなさい。そのことを打ち明けて距離を置かれたり、嫌な態度をとられたことがいままで――あなたがそうとは、思ってたわけではないのだけど』
ルーナ「ううん、いいよ。むしろ、すっごく嬉しい。ダンブルドア先生が、言ってた通りだった。無駄なことなんて、なかったんだ。あたしが――あなたと友達になったのも」
スッ
灰色のレディ『そう言ってもらえると、嬉しいわ。?……あなたのお父様の雑誌?その号、前もここで読んでいた、わね……?』
ルーナ「ねえ――ヘレナ。教えてほしいことがあるんだ」
ルーナ「ロウェナ・レイブンクローは、ここで――」
―――
――

26:
ドーーーーン!!!
 パラパラパラパラッ
バチバチバチバチバチ!!
ハニー「っ……外から、光……手駒がそろって、攻撃開始、したってところかしら」
ハーマイオニー「空が……先生方がかけた守護の呪文が崩壊するのも、時間の問題ね」
ロン「もしかしてそうすりゃ、ホグワーツの外にいるみんなも『姿あらわし』できるようになんのかな?」
ハーマイオニー「無理でしょうね。あれは、もっともっと以前から、この城の土台が出来た頃からの呪文だそうだから……ねえ、あの、それより」
ロン「なんだよ。それよりついででこっちも言うけど、ちゃんと掴まりなよ、ほら」
ハーマイオニー「ひ、一人で歩けるったら!走れるから!!は、ハニーの手を掴んでないのはどうして!?」
ハニー「わたし、考え事してて腕組みしたいお年頃なの」
ロン「だってさ」
ハーマイオニー「なにそれ!?!?」
ロン「なんだっていいだろ。それで……あ!そうだ!大事な事忘れてた!!」
ハニー「なあに?」
ロン「屋敷しもべ妖精たちのことさ!あいつら、まだ厨房にいるんだろ?」
ハーマイオニー「――ロン、まさかあなた、彼らに戦わせるべきだとでも――」
ロン「違う。脱出するように言わなきゃ。僕らの戦いに巻き込まれて彼らが死ぬなんて、あっちゃいけない。ドビーの二の舞は見たくない。だか――んんっ!?!?」
ハーマイオニー「――――」
ハニー「」
ロン「ん、んんっ!?ん、ふっ、ぷはっ!ハーミ、ちょ、んんっ!?」
ハーマイオニー「あぁ、ろん――ロン――あなた、んっ、あぁ、ロン……!」
ハニー「」
ハニー「」
ハニー「どうしよう」
ハニー「今は戦い中よ!とか。熱烈なキスは髪飾りを手に入れるまで我慢して!とか……かけたい言葉はあるけれど」
ハニー「……わたし、これ、ずっと言いたかったの」
ロン「ぷはっ!おい、ハーマイオニー、いい、っ、いいかげ、あの、ハニー!とめ、これ……!」
ハニー「つづけて、どうぞ?」
ロン「!?に、ニヤニヤす……あぁ――」
ハーマイオニー「――ロン」
ロン「――僕もう爆散してもいい」
31:
ハーマイオニー「ふーっ、ふーーっ。卑怯、卑怯よ!なによ、あなた!あんな台詞を、サラッと言ってしまうなんて!いつも、いつも!」
ロン「そ、そんなの君だって!なんだよあの上気した頬に潤んだ瞳!僕から切り上げたかったのにやめられなくなったじゃないか!」
ハーマイオニー「ずっと、ずっとこうしたかったのよ!だから止められなかったの!!!悪い!?」
ロン「僕だってそうに決まってんだろ!!!だから切り上げられなかったって言ってんだろ!!!!」
ハーマイオニー「っ、それじゃ、あなたも……?いつから……?」
ハニー「……」
ロン「そんなの覚えてないよ!気づいたらマーリンの髭さ!!」
ハニー「……」
ハーマイオニー「私だって!!」
ハニー「……」
ツカッツカッツカッ
 グイッ、ギューーーッ
ロン「だから、君が――うぉっと!?ハニー!?」
ハーマイオニー「あなたのことが――は、ハニー!?突然、私たちの間に入って、えーっと?」
ハニー「はい、おしまい。つづきは後にしなさい、二人とも」
ハニー「戦いが終わった後にこんなに幸せなことが待ってるって思えれば、無敵じゃない。そうでしょ?」
ハーマイオニー「……そうね、ハニー。ふふっ」
ロン「……あのさ、ハニー」
ハニー「……何よ」
ロン「僕ら二人は、よーーーーーやく、素直になったんだけどさ」
ハニー「……」
ハニー「…………仲間はずれは、やよ」
ギューーーーッ
ハーマイオニー「ハニー第一、そうよね」
ロン「もちのロンさ」
ハニー「っ、わかればいいの!!いいの!!もう!!!両方から、もう!!!!行くわよ!!!さあ!!必要の部屋!!いまならなんだって出来るわよ、えぇ!!」
ロン「あぁ、ハニー!そうだねハニー!例え燃え滾る炎の中に取り残されても余裕の綽々で切り抜けられる気がするよ!ところで、君が僕らを待ってる間立ってた窓際のガラスに描かれたたくさんの犬っぽい絵についてそろそろ触れてもいい痛い!!ありがとう!!ヒンヒン!!!」
33:
ヴォルなんとかなんかよりハニーの可愛さで魔法界がヤバイ
39:
必要の部屋
ギィィィィッ
ガチャガチャッ カタカタ 
 カチャカチャ ピーヒョロロロロ
カチカチカチカチ ピーフォイチチチッ
ハニー「……前に来た時とおんなじ。物に溢れてるわね」
ハーマイオニー「この中から、探すのは……その、とっても、手間ね?」
ロン「世界中、イギリス中、城中ときて、この部屋中で済んでるんだぜ?いくらでも探してやろうじゃないか!」
ハニー「えぇ、探してみせるわ。探さなきゃ!さあ、そのためにはまず、三手に別れなくっちゃいけないわね」
ハーマイオニー「えぇ!」
ロン「そうだねハニー!」
ハニー「……三手に別れなくっちゃいけないわね!」
ロン「うん!」
ハーマイオニー「そうね、ハニー!!」
ハニー「…………手を離してって言ってるの!!もう!!!」
ロン「HAHAHA、君の方から手繋いでる僕らの腕に絡めてるのに何言ってんのさハニー!」
ハーマイオニー「あー、そ、そうね、そろそろ、私も真面目に。えぇ。いつも真面目だけど、えぇ」
ハニー「そうして頂戴!あとでゆっくりじっくり!もう!!」
 「なんだあれ?」
 「知るか。早く襲うぞ」
 「待つんだ。用心して、ポッターが一人になってから……」
 「黙れよ」
 「指図すんな。『待ってください』だろうが」
 「……フォイ」
40:
ハニー「……二人には、私がレイブンクロー寮でみた首飾りのスケッチを渡したわ」
ハニー「目立つ外見だもの、それらしい物があれば、すぐに、分かるはず」
ハニー「あいつはきっと、それをぞんざいに扱うことはしないはずよ」
ハニー「一番、思い入れのある……ホグワーツに隠すんだもの」
ハニー「髪飾り……例えば」
ハニー「所々、置かれてる……置物、肖像……胸像……例えば、その、上に」
ハニー「……」
ハニー「! 見つけた!!ロン、ハーマイ――」
「止まれ!ポッター!」
ハニー「っ!?誰……えっ!?」
「動くな!観念しろ、ポッター!」
ハニー「……あなた達が二単語以上の言葉を繋げられることに、とっても驚いているわ。クラっブ、ゴイル。それに……マルフォイ」
マルフォイ「……」
ハニー「……珍しいわね。あなたが先頭じゃなくて、そっちの二人が前にいて、私に杖を向けてるなんて」
クラッブ「もうこいつに、デカイ面させるもんか」
ゴイル「俺達は強くなった。俺達はなんでもできる。こいつなんていなくても」
マルフォイ「……お前が持っているのは、僕の杖だぞ、ポッター。返してもらおう」
ハニー「……嫌よ。私はあんたから勝ち取ったんだもの。この、サンザシの杖を。それで?あなたが今持ってるのは、それじゃ、誰の杖なの?」
マルフォイ「……母上だ」
ハニー「……h」
クラッブ「ギャハハハハハハハハハハハ!!!」
ゴイル「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!!!!!!」
ハニー「……前以上にやりにくいわ、この二人」
41:
ハニー「(……ロンとハーマイオニーと合流するまで、時間を稼がなきゃ)」
ハニー「どうやってここに入ったの?マルフォイ、あなたはもう城を出て行ったと思ったけれど」
マルフォイ「僕は『闇の帝王』から、このホグワーツにいつでも出入りしていい許可をいただいてる。僕の『成し遂げる』ことのために……中身は知らなくても、僕の意思の強さを評価して……」
クラッブ「ギャハハハハハハハハハ!!成し遂げる!?あんたがこの城に来ても、やることと言ったら!!」
ゴイル「図書館に篭るか、オエーッ!女子トイレに!篭ってるだけじゃねーか!俺達がマグルいじめに精を出してるのによお!」
ハニー「女子……?」
マルフォイ「ええいうるさい!それで、僕は、ポッター。お前が来るもっと前に城に戻った。お前が何か探すはずだと、ベラおばさんがカローに言っているのを聞いて……そして」
ハニー「……この部屋の前に、待ち伏せしてた、ってわけ」
マルフォイ「そうだ。僕は去年一年間、『姿をくらますキャビネット』のためにこの部屋に住んでいたようなものだ」
クラッブ「おう、そういやあの時クソッタレな変身をさせられたのを思い出したぞ」
ゴイル「後で何されても文句言うなよ」
マルフォイ「……」
ハニー「……結局、あなたは飼い主でもなんでもなかったのね。取り巻きでも……友達でさえ」
マルフォイ「……黙れ、ポッター」
42:
ハニー「黙ってあげようじゃないの。そこにある、髪飾りをとったら、すぐに……」
クラッブ「動くなって言ってんだ!」
ゴイル「そうだ、動くな。動けなくして、『闇の帝王』んとこに……あ?」
 ロン「ハニー!何か見つかったかい?こっちは全然――」
 ハーマイオニー「ハニー!こっちにはそれらしいものは無かったわ!あなたの方は――」
クラッブ「チッ。『ディセンド!落ちろ!』」
グラグラグラグラッ!!
ハニー「! 荷物の、山が!崩れ……やめ、やめなさい!」
 ハーマイオニー「きゃぁっ!?え……何も、落ちてこ、な……あぁ、ロン!」
 ロン「しゃがんでろ、ハーマイオニー!!おい!今の張り上げてるけどか細い高いなんだか聞きなれない声はなんだ!?どいつの呪文だ!?僕のハーマイオニーに傷一つでもつけてみろ!!一生後悔させてやる!!!」
 ハーマイオニー「ロン……」
 ロン「……あれ?えっと、ハーマイオニーさん、なんか、あれ、近っ、あの――」
ゴイル「崩せ!!どんどん崩せ!!!『ディセンド!ディセンド!!』」
ハニー「やめ――」
マルフォイ「やめろ、お前たち!『フィニート、終われ!』」
グラグラグラグラ……ピタッ
ハニー「……え?」
クラッブ「……おい、どういうつもりだ、ドラ……えーっと……ドラ、ドラ……ドラフォイ」
ゴイル「そうだぞドラフィ。そいつらの味方をするのか?え?」
マルフォイ「違う!お前達、ポッターが探してる『髪飾り』まで埋もれさせるところだったんだぞ!?こいつらは、それを探すためだけにここに来たんだ!その意味を考えろ!それを使えば――」
クラッブ「考えろだと!?考えろだと!?お前一人が考えてるなんて時代はもう終わったんだ!ドッフィ!」
ゴイル「考えるまでもねえ!『帝王』はポッターを探してる!ポッターをつれていきゃいい!髪ぐさりなんて知ったことか!ドーフィ!」
マルフォイ「だから、それを――いい加減にしろ!!!ドラコだよ!ドラコ・マルフォイだフォイ!!!!!」
クラッブ・ゴイル「「ゲラゲラゲラゲラゲラ!!!」」
マルフォイ「笑うなぁーーーーーーーー!!!!!!!」
ハニー「……」
43:
クラッブ「あんたは終わったんだ!あんたも、親父も!俺達に指図するな!」
ゴイル「そうだ!ポッター、くらえ!『クルーシオ』!」
ハニー「っ!」
バチッ!!
マルフォイ「やめろ!『闇の帝王』は無傷のポッターをご所望なんだぞ!?殺すなって言われてる!そんなことも忘れたのか!?」
ゴイル「いまのは殺す呪文じゃねぇ!そんなこともわかんねぇのか!!」
クラッブ「そうだ、そうだ!どっちにしろ、俺達は殺るってなってもいくらでも殺れる!あんたとは違って!」
マルフォイ「何を……そんなもの、何の自慢になる!!お前達、お前たちは!!!!!」
クラッブ「そうだ、俺達はやれる、殺れる!呪文を、使って!こんな、風に!!」
ロン「あ、いたぞハーマイオニー!あっちだ!うわ、ここにきてあの三馬鹿かよ。マーリンの髭!」
ハーマイオニー「ハニー、無事なの!?……クラッブの杖、赤く……あれは……」
ハニー「……!? 二人とも、逃げ――」
クラッブ「熱いのは好きか?ゴミどもめ!!!!!」
バチッ!!
ボワァアアアアアアあアアアアアアアアアゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!
 ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!
45:
ロン「ハニー、ハーマイオニー!こっちだ!!……うわっ、あの炎、追ってきやがる!?」
ハニー「っ、なんて、炎……!触れた先から、煤になってる……」
ハーマイオニー「『悪霊の火』だわ……呪われた火!!闇の魔術よ!?それもとびっきり高度な……あんなもの……」
クラッブ「はっは、はっははは!!どうだ、ポッター!逃げ場がないぞ!!焼けろ、焼けろ!!」
マルフォイ「おい、おい、クラッブ!!!おい!!!僕達まで炎に包まれるぞ!もうやめろ!!!!!!消すんだ!!!」
クラッブ「あぁあ!?……あー、そうだ、俺達が焼けたら駄目だ。そうだ。消えろ――消え――」
ゴオオオオオオオオォォォォ!!!
 ボァアアアアアアアアアアアアアアア!!
マルフォイ「!?何やってる!?早く消せ、クラッブ!!!」
クラッブ「――やっぱりかよ」
ゴイル「……クラッブ」
マルフォイ「やっぱり!?どういうことだ!おい、クラッブ!早く消して……あっ!おい、杖を放ってどうする!!火は消えてないんだぞ!?このままじゃ」
クラッブ「ゴイル、それ担げ!ずらかるぞ!!」
ゴイル「おう」
マルフォイ「なっ!?おい、ゴイル!はなせ!いや、背負われるのは確かに僕自身が走るより早いかもしれないが、おい!なんなんだ!おい!う、嬉しくなんかないぞ!さっきまで散々お前達に馬鹿にされたんだからな!?助けられても、嬉しくなんかないぞ!?」
ロン「……あいつらなんだか一層面倒くさくなったなあ」
ハニー「全く同意だわ」
ハーマイオニー「よそのことに目を向けてる場合!?あぁ、どんどん、炎が!」
ボオオオオオオオオォオオオオオオオオオオオオオオ!!!
ハニー「っ、もう殆ど、出口がどこかも……」
ロン「なんかさ、あの炎……どんどんでかくなってくのもだけど……獣みたく形変えてってないか?」
ハーマイオニー「魔法の炎だもの!今に喰らい付いてくるわ、このままじゃ!あぁ、どうすれば……」
ハニー「……!どうせ、ここの物の持ち主は現れないわよね!使わせて、もらいましょう!ロン、そこの箒!!」
ロン「合点ハニー!君にはこっちのシルバーアロー!んで……おっ!ツィガー90!二人乗りにはもってこいの姿勢制御安全機能つき!やったね!ほらハーマイオニー、後ろに!」
ハーマイオニー「え、えぇ!?えっと、どうせなら前に抱えてもらう感じを希望できれば……」
ハニー「どっちでもいいから!飛びましょう!いち、にの……さん!!」
バッ!!
ボォオオオオオオオオオオオオ!!!
 キシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!
46:
ゴォオオオオオオオオ!!
ハニー「部屋中が、炎に……地獄絵図ね、まるで」
ロン「なんとかかんとか、この高さまで炎は上がってこれないみたいだね、うん。熱さは半端じゃないけど」
ハーマイオニー「ロンの背中大きい……ゴホン!出口はあっちよ!」
ハニー「えぇ!その感想は、また後で――」
マルフォイ「うわーーー!火が、火がこっちに!?」
クラッブ「早く登れ!登れ!!」
ゴイル「下から押してやってんだろ!登れ!!!」
マルフォイ「『アグアメンティ、水よ!』 駄目だ!すぐ蒸発して……あぁああ!母上の杖ぇえええええ!!」
ハニー「……」
クルッ!
ロン「あぁハニー!もうすぐ出口だ!よか……ハニー!?うそだろ!?!?」
ハーマイオニー「あぁ、もう、ハニー!!あなたって!!」
ハニー「見殺しになんて、っ、できない!!!!!扉、開けておいて!!」
マルフォイ「誰か、誰かーーー!あぁ、うわぁ!ゴイル!!お前、頭を!!おい、ゴイル!しっかりしろ!!」
ゴイル「」
クラッブ「さっき、崩れてきた瓦礫が当たった。気を失ってる。駄目だ、もう」
マルフォイ「だ……駄目なもんか!クラッブ、ゴイルをこっちによこせ!少しでも、上に!お前も、さあ!!」
クラッブ「……あんたの細腕なんかで、俺達が持ち上げられると……」
マルフォイ「それでもだ!!!!僕は、見捨てないぞ!!諦めない……っ!」
クラッブ「……っ」
パシッ
ハニー「マルフォイ!!!一生分の良心を使ってあげる!!掴まって!!」
ロン「伸びてるそいつをよこせ!ゴイルだかクラッブだか知らないけどさ!」
マルフォイ「っ、ゴイルだ!っ、ほらっ!」
ロン「っ、どうせ前に横抱きするならハーマイオニーがよかったなぁまったく!!マーリンの髭!!!」
ハーマイオニー「あ、後からいくらでも!!」
ハニー「一生やってるでしょうねえぇ!マルフォイ!手を!!!」
マルフォイ「っ……!」
パシッ
ガクッ
ハニー「!? 飛び、上がれない……こんな」
クラッブ「……その箒じゃ、俺まで支えるのは無理そうだ」
マルフォイ「!?!?」
47:
マルフォイ「そんなわけあるか!!おい、ポッター!!なんとかしろ!!僕は今、杖がない!!」
ハニー「なんとか、って!あなたねぇ!!私だって、両腕が……!」
クラッブ「……簡単なことだろ、ドラコ」
マルフォイ「はぁ!?なんだ、クラ……お前、いま、名前を」
クラッブ「俺の手を離せ。そうすりゃ、あんたたちだけで飛び上がれる」
マルフォイ「……何を言ってるんだ……何を言ってるんだ!!!そんなことをすれば、お前、お前は、そんなこともわからないオオバカだったのか!?クラッブ!!」
クラッブ「あぁ、いい焼き豚になるだろうよ……あんたに散々悪態ついてきたんだ。迷う事なんてないだろ」
マルフォイ「そんなわけあるか!!!さっきも言った!!見捨てないぞ!!お前、お前も、ゴイルも!!!!」
クラッブ「……なんであんたはそうなんだろうな」
マルフォイ「なんだ!?」
クラッブ「さっきの呪文、見たろ。俺とゴイルはあれを学ばされた……制御だって、教えてもらったはずなんだ。でも、駄目だった……俺達は、使い捨てなんだ。最初からそのつもりで、教え込まれたんだ。俺達は、それが分かってた」
マルフォイ「……!!!」
クラッブ「俺達は、あんたみたいに優秀じゃないから。こうなることが分かってた……だから」
ハニー「……巻き込むまいとして、マルフォイを無下にしてたのね」
マルフォイ「そんな、馬鹿な!こいつらに、そこまで考える頭が……!」
クラッブ「そうだ。俺達は馬鹿だ……ドラコ、あんたが、優秀なあんたが、俺達に声をかけてくれた時、嬉しかった……『純血の高貴な家柄は、同じく純血の人間と付き合うべきだ。そんな友達の作り方は、僕が教えてあげよう!』だ、っけ……?」
マルフォイ「クラ、ッブ……」
クラッブ「俺は、あんたの友人だったのかな……」
マルフォイ「当たり前だ……当たり前だ!!!お前も、ゴイルも!!!僕の……」
クラッブ「あぁ――それじゃ、いい。この杖、あんたにやるよ……俺はもう、必要ない」
マルフォイ「なに――それは、クラ――」
バシッ!!!
クラッブ「あばよ 親友 ゴァー、ウッホウッホ――」
ボォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!
マルフォイ「クラッブ……クラァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッブ!!!!!!!!!」
ハニー「っ……っ、いろ、色々、卑怯よ、っ、っぅ、マルフォイ!掴まって!箒に、よじ登って!早く!!!」
マルフォイ「クラッブ、クラッブーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」
ボォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!
 ゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!
49:
まさか誰より先にクラッブの死亡で泣かされるなんて
50:
クラッブ…
52:
廊下
ハニー「っはぁ、っ、ぁ、っはぁ」
マルフォイ「……クラッブ」
ロン「……ハニーを責めるなんて真似、するなよな。お前一人助けるのだって――」
ハニー「いい、の、ロン。マルフォイには分かってる……」
マルフォイ「……この杖……あいつ……じゃああの時火つけたまま投げ捨てたように見えたのはなんだったんだ……僕の見間違いか、そうだな……そう、だろうな」
ハニー「気をしっかりもちなさい。……部屋が、あんな風になって……髪飾りを取り出すのに、あとどのくらいかかるかしら。回収、できなかなったわ……」
ハーマイオニー「……その心配は要らないわ、ハニー。『悪霊の火』はね、分霊箱を破壊する数少ない呪文よ」
ロン「そうハーマイオニーが言うもんだから、そういえば破壊してなかった例のハッフルパフのカップもついでにポーイしておいたよ、もちのロンでね!」
ハニー「! あぁ、ハーマイオニー、あなたって本当にステキ……それじゃ……それ、じゃあ!」
ハーマイオニー「えぇ、ハニー……あとは、あの蛇だけよ。でも」
バーーーン!!バーーーーーーン!!
 バチバチバチバチッ!!!
ロン「……僕らが必要の部屋に入ったときより、大分局面は動いてるみたいだね。城の、中でも。呪文が飛び交う音がしてる」
ハニー「……加勢しましょう。探し物は、終わったわ。あとは、あいつを……」
マルフォイ「……行くのか、ポッター」
ハニー「……そうよ、マルフォイ。わたしには、まだまだやることがあるの……あなたはどうする?今から連中に加担して、そうなれば……ここで、私たちと……戦うの?」
マルフォイ「……僕は馬鹿じゃないぞ。今自分がどうしてここで生きていられるか、分かってる」
ハニー「……そう」
マルフォイ「……礼は言わない。だから、その杖は『くれてやる』。僕の、サンザシの杖を」
ハニー「……えっ?」
マルフォイ「僕は、クラッブの杖を使う……そもそも、僕にはこの後必要になるかも分からないが……ゴイルを安全な場所に運ぶまでは、使えるだろう」
ハニー「……よく、意味が」
マルフォイ「行け、ポッター。僕の気が変わらないうちに。僕は……純血の、高貴なマルフォイ家だぞ」
ハニー「……」
ロン「けっ、なんだよ、フォイフォイ野郎め!助けて損した!」
ハーマイオニー「行きましょう、ロン、ハニー!向こうで、この後のことを……」
タッタッタッタッタ
マルフォイ「……」
マルフォイ「……」
マルフォイ「……純血で、高貴な、か」
55:
マルフォイ「……このタペストリーの裏で寝かせておけば、大丈夫だろう」
マルフォイ「……ゴイル」
ゴイル「ゴァー、ゴゴッ……ゴァー、ゴゴゴッ」
マルフォイ「……馬鹿なお前達に、あそこまでさせるなんて」
マルフォイ「僕は大馬鹿だ。とんでもない、大馬鹿フォイフォイ野郎だ」
マルフォイ「……」
マルフォイ「……僕が、すべきこと」
ゴソゴソッ
カサッ
マルフォイ「……あんたはどこまで分かってたんだ?あんたは、僕がこうなることを見越してたのか?」
マルフォイ「だから、こんなものを。だから、あんなことを。だから、あそこで、彼女と引き合わせたのか?」
マルフォイ「……」
マルフォイ「……やってやる」
ツカッツカッツカッツカッ
マルフォイ「やってやる……やってやる!!!」
マルフォイ「もうビクビクするのはやめだ!もうウジウジと、目の前で思いとどまるのはやめだ!!もう、慰めてもらうのはやめだ!!!!」
マルフォイ「どんな手段でも どんなに惨めでも 僕は 僕は!」
バーーーン!!!
『――あぁ、おかえりなさい!ドラコ!』
マルフォイ「マートル!力を貸せ!!」
嘆きのマートル『あなたになら、なんだって!あぁ、やっと、あなたの力になれるのね!』
マルフォイ「そうだ……案内してくれ!僕を、入り口へ!秘密の――」
―――
――

56:
ハニー「窓の外、見て……っ、校庭にも、大勢……みんなが、戦ってるわ」
ロン「うへー、みろよあれ。あの巨大な緑の人間みたいなの。上に乗ってるの、スプラウトだぜ。おったまげー。温室にあんなもんがあったなんて」
ハーマイオニー「飼いならしておいでなのね……向こうの一角……フリットウィック先生が、大勢の魔法使いの間を……縦横無尽に」
ハニー「もの凄い動き……決闘チャンピオンだった、っていうのは、本当なのね……湖のところじゃ、ホラスが高笑いしてるわ。大鍋を頭に被って倒れてる魔法使い達の真ん中で」
ハーマイオニー「何してるのかしら……何を飲んだかは聞くまでもないけど」
ロン「少しはこっちに回せよな、と言いたい。そんで、森の方は……」
ハニー「……」
ハーマイオニー「……」
ロン「……僕、もう絶対、マクゴナガルを怒らせないよ。もちのロンでね」
59:
ホグワーツの南
スプラウト「『悪魔の罠』と『食虫毒触手蔓』!『ブボチューバー』!それに『暴れ柳』も少し!!」
スプラウト「私が、ながーい教師生活の中でゆっくりじっくり育て上げた、この子たちで!」
スプラウト「私の、大事な大事な生徒達を――絶対に守るんですから!!」
死喰い人「うわああああああああああ!!あし、足がああああああああ!!!」
 死喰い人「ババア、降りて来い!!くそお、呪文飛ばしても蔓やら枝で遮られる!こんなもん、どうやって倒せっていうんだ!!」
ホグワーツの北
死喰い人「くそっ!!くそっ!!こんな、チビに!どうして、どうして!!」
 死喰い人「動きが人じゃねぇ!!なんだこいつ!?なんなんだこいつ!!」
フリットウィック「ハッハッハ。小さいからと言って、甘くみましたかな?」
フリットウィック「あなたたちも身につけておいでだと聞きましたが?宙を自由に飛び回る、術を?」
フリットウィック「見せていただきたい物だと思ったのですが、そうですか。一部の幹部以外は実戦に使いうるにはまだ程遠い、と」
フリットウィック「結構、結構。授業は終いです。杖を仕舞って、帰り支度ですよ!」
死喰い人「ふ、ふざけ、うぁあああ!?!?」
 死喰い人「杖が吹き飛んだ!?なんだ、なんだよ、なんなんだよこのチビ!!」
フリットウィック「――魔法使いと、小鬼の力。両方の血を継ぐ、私だけの魔法の力」
フリットウィック「いくら『例のあの人』から悪しき力を教え込まれたのであろうとも、そんな浅知恵では届きませんぞ!」
ホグワーツの東
ホラス「ハッハッハッハ!いやあ、愉快、愉快!こうして君達と会えるとは!ヒック!」
死喰い人「ちっくしょー!!ただ酔ってるだけにしかみえねーのになんでこのじいさんに呪文があたらないんだ!!くそg」
ホラス「はい大鍋ー!」
ガツーンッ!!
死喰い人「せめて、せめて呪文で倒してくれーーーーーー!!!」
ホグワーツの西
マクゴナガル「――どうしたのです。終いですか。ならば引きなさい」
死喰い人「誰、だよ……マクゴナガルはもう衰えて、少人数でもいくらでも、とか、ぬかしたの」
 死喰い人「呪文が、とどかねえ……いくら撃っても、撃っても撃っても、俺達の呪文が……呪文の、閃光が!」
ニャーーーン、ニャーーーーンゴロゴロゴロ
 ウミャーーーーーン フシューーーーーッ!!!
 チチィイイイイ!チイィイイイイイイッ!!チィイイイイイイイ!!
死喰い人「ね、猫に変えられちまう!!!マクゴナガルに近づいたら、即座に鼠に変身させられて猫どものオモチャだ!!いやだ、いやだーーー!!そんな死に方いやだーーーーー!!!!!!」
マクゴナガル「死が恐ろしいと。愚かですね」
死喰い人「いやそれとはまた違う!!!」
マクゴナガル「私はこの場に死ぬつもりで来ています。さあ、杖を握りなさい。構えなさい。雄雄しく、戦いなさい!己が勇気を示さないのならば、去りなさい!!私たち、ホグワーツ教師陣は!!一歩も引きません!!!」
ニャーーーーーンッ!!!!
死喰い人「締まらねぇんだよおおおおおおお!!!」
60:
うわにゃんこつよい
61:
にゃんこー!
62:
どうせなら肉球で倒されたいよな
64:
にゃんこー!
>>62
同意。猫パンチで倒されたい。
67:
城の中
ガシャァァァン!!
 ガシャッガシャッガシャッガシャッ!
死喰い人「か、甲冑が追ってくる!うわ、わあああああ!」
 死喰い人「マクゴナガルが何かしやがった!ノリノリで――あぁあああ!!」
死喰い人「あ……あ!あいt」
ロン「うぉっと!『ステューピファイ!』『インペディメンタ!』『ロコモーターモルティス!』」
ハーマイオニー「鮮やかだわ、ロン!」
ハニー「愛する人がいるからよね」
ロン「そりゃね。動く甲冑、こいつらしょっぴいちゃってよ。ご苦労様です」
甲冑 カシャッ
ロン「なあ、これなら結構……いまのところ、良い線行ってるんじゃないか?どこも圧倒して見えるし、それに……」
ハーマイオニー「そう、ね……勢いはこちらに、ある。そんな風に見えるわ」
ハニー「……えぇ。けれど」
トレローニー「あぁ、ポッター――あなたですの?」
ハニー「っ、トレローニー先生!?先生は……避難したものだとばかり」
トレローニー「そんなわけにいきません。未来預言者として、未来を決めるこの大一番!しかとこの眼で見届けますとも、えぇ!」
ハニー「あー、それは、素晴らしいことだわ。それで……その、水晶で、何を?」
トレローニー「どタマにぶち込んでやろうかと」
ロン「預言者どこ行った」
68:
トレローニー「それで、ポッター。あなた、探し物をしておいでとか?わたくし――この上ない助言ができると思いますが?」
ハニー「あー、それはいいの。あの、一番難解だった探し物は見つかったもの。だから――」
トレローニー「遠慮はおよしなさい。この、真の預言者たるわたくし――あぁ!お退きなさい、ポッター!」
ドンッ!
ハニー「きゃぁ!?」 ドサッ!
ロン「!おい、ハニー突き飛ばしてなに……」
 死喰い人「『ステューピファイ!』 あ!くそ、隣のギラギラババア!余計なことしやがって!」
ハニー「っ、そんな!先生、先生!?」
トレローニー「」
ハーマイオニー「っ、失神してるだけだわ、ハニー!それより、新手が――」
トレローニー「――」
ムクッ
ハニー「!?先生、意識が!あら?でも、誰も蘇生呪文……」
トレローニー「『 意識を奪ってもらって、感謝しよう 』」
ロン「……なんだいこの、トレローニーのか細い声おは似ても似つかない、低くてかすれたおっそろしい声」
ハニー「これ……せ、先生が本当の予言をした、あの……」
バキバキバキッ!!
ハーマイオニー「!?す、水晶に、ヒビ……ゆ……指が、食い込んでる!?!?」
トレローニー「『例だ。死喰い人、バイアス・シックネスよ。一つ予言をしてやろう』」
死喰い人「え、えっ、な、なんで仮面してるのに俺の名前ごぶるがばっはぁあああああああああ!?!?!?」
バッッキャァアアアアアアア!!
トレローニー「『三十秒後、あなたは血みどろめっためたのぼろ雑巾になっていることでしょう。ラッキーアイテムは、水晶』」
ハニー「……大嘘だわ変なところで」
ハーマイオニー「……変なのはそこだけじゃないと思うの」
ロン「いやー、魔法使いだからってさ、身体も鍛えとかないとだよなー、うん。痛感したよ。もちのロンで」
70:
ビーブズ「アァアアアアアアアアアアアアアアッヒャァアアアアハハハハーーーーーーーーーァアアアアア!!!」
死喰い人「やめ、やめ、やめろおおおおお!!うわああああ!!!」
 死喰い人「熱湯は、熱湯はいやだああああああ!」
ビーブズ「やめるのはやああああだねえええええええ!!うぇえええっへへへへへへへ!!」
ビーブズ「この許可証を見やがれ!マクゴにゃガル校長代理の直筆で、俺ぁ今日一日『何をどれだけどのようにしても構いません』ってぇ許可を貰ってんでぇ!お前ら限定で!」
ピーブズ「使うしか……ないだろ?俺だって本当はこんなことしたくねえ!だけど、だけど!!!してもいいって言われたら!したくなるのが男の子じゃない!!!」
ピーブズ「ってわけで、のた打ち回った馬鹿をカーペットでグールグルー♪簀巻きのさらし者〜♪口いっぱいのげろげろヌガーがおっでむっかえ〜♪」
ハニー「……生き生きしてるわね、ピーブズ」
ハーマイオニー「本領発揮ね……押してる、押してるわ、やっぱり!」
ロン「そうさ!さっすがハニーのために残ったみんなだよな!負けてない!うん!このまま勝てるよ!もちの――」
ハニー「……そうかしら」
ロン「? どうしたのさ、ハニー」
ハーマイオニー「? 現状、そう見て間違いないじゃない?違う?」
ハニー「……違わないわ。現状、はね。私たちが見た限り、ではだけれど……死喰い人の中に、あいつに近しい奴らがいなかった……まだ、一人も見ていないわ」
ハニー「……アバーフォースの話では、校門近くには、恐ろしい生物たちが控えてるはずだった。校庭には、その影もまだ、見えてない」
ハニー「それに……騎士団の皆が、無事なのか、たどり着いたのかさえ、分かってない」
ハニー「……つまり」
ハーマイオニー「……この攻勢は、ヴォルデモート側にとって……まだまだ序の口、っていうこと?」
ハニー「……そ。それだけでも、もう内部の侵入を許してる……それで……それ、で」
バタバタバタバタ!
ネビル「しっかりしろ!大丈夫!大広間ですぐ手当てするから!大丈夫だ!!」
ハーマイオニー「……」
ロン「……」
ハニー「……まだ私たちの側に犠牲者がいない、なんて……甘かったわ」
79:
大広間
うぅぅ
 あぁ……
ウワァアアアアン!!
ポンフリー「泣き止んで!この薬を飲めばすぐに元気がでますからね!あぁ、ああ!大丈夫、こんな傷、私にまかせれば!えぇ!」
ハニー「……ジニー。みんなは?」
ジニー「あったたた……あ、ハニー!よかった、ロン、ハーマ……おめでとう!」
ロン「なんだよいきなり」
ジニー「いや二人がすごい距離近いから」
ハーマイオニー「そ、それほどでも?」
ネビル「しっかり!しっかりしろ!ほら、あそこにおめでたい抜け駆け豚野郎がいるよ!元気になって、はっ倒さないとね!」
ロン「そんなこと言ってる場合かよ。マー髭……動けないのは、どのくらいいるんだ?」
ジニー「うん……待ち伏せだったから、ほとんどの班は先手を取れたんだけど……」
ディーン「何人かの、いててっ。用心深い奴がいるとこは、出口ごと吹き飛ばしたりしてきたんだ……」
シェーマス「それでおびえっちまったら、もう……俺達で助けに入れたとこは、なんとか。でも……」
ハニー「……」
ロン「……ハニー、そっちには行かないほうがいい。ハニ……」
ツカッ、ツカッ……
ハニー「…………この、ローブをかけられた……床に並べられてる、のは?」
ハーマイオニー「……ハニー」
ギュッ
ハニー「っ、うん、わか、わか、ってる!悲しんで、なんてられない!みんなは、みんな……」
ハニー「みんな……戦って、くれたのよね」
ハーマイオニー「……ハニー。ヴォルデモートの心を、読まなきゃいけないわ」
ハニー「……」
ハーマイオニー「大蛇はあの人が傍に置いている、そうなんでしょ?だったら、居場所を……少しでも早く、つきとめないと。私たちが何をするべきか、見失っちゃいけないわ。この戦いを終われせられるのは……私たちだけ。あなただけなの、ハニー」
ハニー「……手、握って?」
ハーマイオニー「えぇ、当然。ロン」
ロン「もちの僕さ」
ギューーッ
ハニー「……もう、ずっと。戦いが始まってから、ずっと。傷跡が、痛んでいたもの。きっと、簡単だわ」
ハニー「……みんなの、ために。この戦いを、終わらせるために」
ハニー「あいつの――居場所」
―――
――

81:
ヴォルデモート『この俺様が 人狼の元隠れ家などに 足を踏み入れることになろうとはな』
ヴォルデモート『まあ、よい じきにこの村で抵抗する者どももいなくなり 俺さまもやり易くなろう』
ヴォルデモート『勇敢に戦った 勇敢さと無謀さを持った若者ども 惜しいことよ』
ヴォルデモート『この屋敷は喧騒からは遠いが 確かに 戦う者どもの音が聞こえる』
バーーーーン!!バーーン!! 
 ドサッ
 
 「……おい、おい相棒。冗談はよせ……おい!!!!フレ――」
バチバチバチバチバチッ!!
ヴォルデモート『さて ポッターはいつまで 無意味な犠牲に耐えられるやら』
ヴォルデモート『城の探索は無駄骨に終わっていることだろう 何せ あの秘密の隠し場所を知る者など――」
「わ、我が君……我が君」
ヴォルデモート『 ルシウス 友よ 抜け目のない友よ 今宵もそうして 戦いから逃れておるのか?』
ルシウス「ひっ!そ、そうでは、なく、我が君、わ、わたしの息子は、どうか……」
ヴォルデモート『お前の息子はよく働いている 俺様のために今、城で動いておるのだろう お前と違い いい息子だな? ルシウス 俺様に差し出すだけはある』
ルシウス「は、はっ……あれは、自慢の子で……で、ですが我が君。一度ここで、て、停戦しては、いかがでしょう」
ヴォルデモート『ほう 聞こうか、ルシウス 貴様の口八丁を』
82:
嘘だろ……
85:
ルシウス「わ、我が君は不安ではありませんか?このままの状況が続き、ポッターが、もしも、他の者の手にかかってしまえば、と」
ヴォルデモート『ふむ』
ルシウス「ぜ、全軍の、魔法族以外の部隊を投入していないのは、そういう事情がおありであろうと推察します。ですが、我が君。より確実に……一度停戦し、城に入られて。その、我が君ご自身が、ぽ、ポッターを探すのが、賢明かと……」
ヴォルデモート『俺様が何をするのが賢明かは 俺様が決めることだ ルシウス』
ルシウス「ひっ!さ、差し出がましく……お許しください」
ヴォルデモート『偽っても無駄だ、ルシウスよ お前が停戦を望むのは 息子の安否を確かめたいが為だろう 俺様には、あの小娘を探す必要はない 夜の明ける前には 小娘の方が俺様を探し出すだろう……俺様と、ナギニを』
ナギニ『負けないもん!』シューッ、シューッ
ルシウス「そ、それは……どう、いう?」
ヴォルデモート『聞けばここで その命果てると思え さて この完璧な展開の、中に 気に入らないものが、一つある』
スッ
パチパチッ、パチッ
ルシウス「あ、あぁ、我が君と、ニワトコの杖……なんと様になる……まるで我が君の手に渡るためにこれまで存在していたかのようだ……ザ・我が君……ベストカップル……まさにベスト杖ニスト」
ヴォルデモート『――そのおべんちゃらを聞くためだけでも 貴様を残した甲斐があるというものだ』
ヴォルデモート『ルシウスよ スネイプをつれてこい 奴に 聞く事がある』
ルシウス「……御意に」
ツカッツカッツカッツカッ
ヴォルデモート『――――』
ナギニ『やっぱり駄目?ご主人様、そいつ駄目???」シューッ、シューッ
ヴォルデモート『あぁ、ナギニよ 残念だが それしかないな』シューッ、シューッ
ナギニ『んー、あのベタベタ頭は、あんまり美味しそうじゃないなあ』シューッ、シューッ
―――
――

87:
ハニー「っは、はぁ、はぁ……見えたわ、あいつの居場所」
ハーマイオニー「!」
ロン「お辞儀サロンにでもいたかい?」
ハニー「そうしたらおもいっきり見下してやるけれど……同じようなものね。あいつは、あいつ……『叫びの屋敷』にいたわ」
ハーマイオニー「! 自分は戦わず、高見の見物ってわけ!?」
ハニー「そう、見物を……窓から、誰か、何か、見えたのだけれど……なんだったかしら」
ロン「なんであれ、とんでもない卑怯もんだよ、マーリンの髭!」
ハニー「あいつは、自分が戦う必要がないと思ってるわ。私のしようとすることが、分かっているから……ナギニを倒すためには自分の所に、私自ら赴かなくちゃいけない。それを、待つつもりなの。他の部下に、そのことは伝えず」
ハーマイオニー「……じゃあ……この戦いそのものが、無意味なことってわけ!?最低、最低だわ……」
ロン「今すぐネビルぶん投げつけてやりたいな」
ネビル「よし!立てるね!うん!景気づけにほら貝を一発……ろ、ロン!?何かとんでもないとばっちりが聞こえた気がするよ!?あれ!??!頑張るけどさ!?!?」
88:
ロン「……あいつが君を待ち構えてるとなったら、君を行かせるわけにはいかないよな。行ったらあいつの、思うツボだ。僕が行く。僕が行って、蛇を殺してくる」
ハニー「駄目。絶対、駄目。私が行くわ。あなたはここに残って、ハーマイオニーを守って。それで……」
ハーマイオニー「それなら私が行って――」
ロン「問題外だ。君は僕の帰りを待つって役目があるだろ」
ハーマイオニー「言っておきますけど!私だって、あなたと同じくらい力が……それに、ハニー!たった一人でなんて!私たちのこと、一緒にってあれだけ!」
ハニー「それは二人だって同じで――ねえ、いい加減、この問答も飽きてこない?」
ロン「……僕も思ってた」
ハーマイオニー「……思えば七年間、ほぼ毎年こんな話題が一度は上がるわね。その度に、えぇ……結果は決まってる、そうでしょ、ハニー?」
ハニー「……」
ギュッ
ハニー「ついて、来てくれる? 最後までじゃなくていい。あいつの前まででもいい。蛇を、倒すために」
ハーマイオニー「えぇ、ハニー。三枚おろしの練習台にしてあげるわ」
ロン「頼もしいね、全く。おーい、ネビル!城のこと、しばらく任せたぜ!この漢め!!!」
ネビル「お、オッケー!なんだか知らないけど、頑張るよ!もちの義兄さんで!」
ロン「どうやら僕は蛇より先にぶっ殺さなくちゃいけない奴がいるらしい。マーリンの髭!!!!!」
92:
バーーーーン!!!
 
ガラガラガラガラッ!!
バーーーーン!!
ロン「っ、徐々に、死喰い人どもが多くなってやがる!そりゃそうか、こっちは援軍なし、あっちは、ちょっとずつでも、抜け道から補充されるんだからさ!」
ハーマイオニー「また、階段が崩れて……こっちよ!」
ハニー「っ、『ステューピファイ!!!』」
死喰い人「死ね!!死ね!!!」
 死喰い人「『アバダ ケダブ――』ぎゃぁ!」
死喰い人「な、なんだ!?何もねぇところから、呪文が……ぎゃぁ!?」
ロン「こんだけ騒いでりゃさ、三人で『透明マント』被ってくるぶしから先が丸見えでも、誰も気にしないよな!もちの僕で!」
ハーマイオニー「冴えてたわ、ロン!やっぱりあなたって――避けて!!!」
ハニー「!?机に跨った……ま、マクゴナガル先生!?!?」
マクゴナガル「さあ!あなた達は雄雄しい馬です!!駆けなさい!!!突撃!!!!」
ガッチャガっチャガっチャガっチャガッチャガッチャガッチャ!!
 うわあああああああああ!?!?
ふざけんなばばあああああああああ!!!
ハニー「……外からの襲撃が一段落して、中に回ってくれたのね。これなら、もうしばらく……行きましょう!」
ロン「オーケーハニー!飛ばすぜ!ハーマイオニー!しっかり首に腕回せよな!!」
ハーマイオニー「え、えぇ!で、でもロン!は、ハニーをおぶって、わわ、私を横抱きに、って、その、こんな不安定な姿勢大丈夫なの!?大丈夫なの!?」
ロン「ハハハ。大事な人と愛する人の両方支えられなくて、ハニーの親友が務まるはずないだろ」
ハーマイオニー「……ろn」
ハニー「あとで!!!!ゆっくり!!!!やってってば!!!!!見れないでしょ!?!?!?!?」
95:
暴れ柳
ハニー「っはぁ、はぁ、つい、たわ……『叫びの屋敷』に繋がる、抜け道……緑豚!!」
ザワザワザワッ
ロン「お。枝で『ヒンヒン』っと……大変お久しぶりです我らが植物界の第二の太陽たるハニー、そしておめでとうございます一番豚くたばれ――おい!なんで知ってんだよ!マーリンの髭!」
ハーマイオニー「絶対そこじゃない……絶対そこじゃないわ驚くところ……もう何も言わないけど」
ハニー「入りましょう……あら?」
ロン「あれ?入り口が……同胞の腕とかだけじゃなくってさ。あれ……岩でふさがれっちまってるぜ!なんてこった!ハグリッドでもいないと、どかしっこないや!」
ハーマイオニー「……あなたそれでも魔法使いなの!?」
ロン「……あ、そっか。うっかりしてたよ、こういう場面で杖使って解決っての、最近してなかったからね」
ハーマイオニー「いかに肉体に負担をかけてるかはよくわかったから……ほら、あなたの十八番でしょう?ビューン、ヒョイよ?ふふっ」
ロン「僕の発音は、なんだったっけ?」
ハーマイオニー「レビオサー」
ロン「ハハハ!」
ハーマイオニー「ふふふっ」
ハニー「……」
ハーマイオニー「あ、ハニー、ごめんなさい私たちまtきゃぁ!?」
ハニー「えぇ、そうねハーマイオニー。あなたたちばっかり思い出にふけって、ずるいわ?わたしとも共有、しましょうよ?さ、思い出して、ね……?」
ハーマイオニー「ちょ、ハニー、駄目、私、ロンと、か、関係ない?そんな、あぁ、それは、あの試合の時は、確かに私から、あぁ、だって、私、あなたのこ、と――」
ロン「ウィンガーディアムレビオーサ! よーし浮遊成功!あ、そっちはつづけて?全然?何にも問題なく?」
緑豚「」ザワザワッ ド ウ ゾ
97:
地下トンネル
ハーマイオニー「ふーっ、ふーっ。おか、おかしいわ。私とロンがそういう関係になったら、そ、そういうのは無しになるのかしら、って……」
ハニー「ちょっぴり残念に思ってたのに?」
ハーマイオニー「そう……ちがっ!!違うわよ!?」
ロン「安心しなよ、と言うか今までの僕みてりゃ分かるだろ?それはそれ、これはこれ。恋愛は恋愛、フェチはフェチだよ」
ハーマイオニー「…………真っ直ぐな眼をして語らないでくれるかしら」
ハニー「ビクトールと今度会える時が楽しみね、色々……さぁ、そろそろよ」
ロン「あぁ、あの憎いあんちくしょうが悠々構えてるっていう『叫びの屋敷』の出口まで、もうちょい……痛っ!?」
ハーマイオニー「! ロン、大丈夫!?どうしたの!?」
ロン「あー、いや、なんでもないよ……あっれ、おっかしいな。こっちの出口も……木箱か何かで、ふさがれてやがる!マーリンの――」
 「お呼びでしたか、我が君」
ハニー「! シッ!!すぐ先はあいつのいるところよ!それで……この、声」
 ヴォルデモート「あぁ よう来た セブルス 待っていたぞ」
 スネイプ「……」
ハニー「……スネイプ」
98:
ロン「……この木箱の隙間から見えるけどさ。あれが、例のナギニって大蛇だろ?」
ハニー「えぇ、僕っ娘の」
ハーマイオニー「それは知らないけど……なんだか不思議な、魔法の球体に保護されているわね……星のような、霞のような」
ハニー「万全の護り、そう言いたいのかしら……」
 ヴォルデモート「セブルス お前からみて ホグワーツ攻略の現状は どうだ?」
 スネイプ「抵抗勢力は、崩れつつあります。この村に留まった騎士団の者共も、ほぼ三々五々。上々と言えましょうな」
 ヴォルデモート「しかも セブルスよ その成果はほとんど お前の助けなしでも得られている そうだな?」
 スネイプ「……ベラトリックス・レストレンジが、随分と張り切っていましたので。我輩の出番は、確かに――」
 ヴォルデモート「セブルスよ 我が友よ」
 ヴォルデモート「お前は十分 これまで十二分に働いてくれた 熟達の魔法使いだ 俺様の右腕と呼んでいい」
 スネイプ「……身に余る光栄です」
 ヴォルデモート「しかしだ セブルス 我々はもう間もなくやり遂げる お前無しにだ さて セブルス」
 スネイプ「……」
 ヴォルデモート「果たしてそうなると 今後 お前の存在は お前の出番は 必要か? 俺様は、自問したのだ」
 スネイプ「わ――我が、君?」
ハニー「……」
ロン「……」
ハーマイオニー「……」
99:
 ヴォルデモート「そして 俺様は自答する」
 ヴォルデモート「この問題を解決するには この答えしかない、と」
 ヴォルデモート「この重大な欠陥は このどうしようもない事実は そうせざるを得ないことなのだ、と」
 スネイプ「問、題……?我が君、わたくしめには、なんのことか……」
 ヴォルデモート「この杖は セブルスよ この杖は、どうして俺様の想い通りにならぬのだ???」
 スネイプ「…………我が君。我が君はその杖で十分、極めてすぐれた魔法を行っておいでです」
 ヴォルデモート「いいや、いや セブルスよ 俺様が使っているのは普通の魔法よ すぐれて見えるのならば、それは俺様『自身』が 極めてすぐれているから それだけのこと」
 ヴォルデモート「この杖は 約束された威力を発揮しておらん オリバンダーの杖と 何ら変わらぬ」
 ヴォルデモート「セブルスよ 何ら 違わぬのだ」
 スネイプ「……」
 ヴォルデモート「そして セブルスよ 俺様は時間をかけてよく考えた 俺様がここに お前を呼び出した理由 それが分かるか?」
 スネイプ「いいえ、我が君。ですが、戦いの場に戻ることをお許しください。私めが必ずポッターをつれて参ります。ですから――」
 ヴォルデモート「そう急くな セブルス どうした ナギニが気になるか? それ」
パッ
ドサッ
シュルシュルシュルッ
 スネイプ「…………!」
 ナギニ『んー、やっぱりご主人様みたいな池面じゃないなー』シューッ、シューーッ
104:
 スネイプ「我が君、これは――」
 ヴォルデモート「俺様が目下気がかりなのは あの小娘をどう捕らえるかではない 捕らえた後 対峙した後 何が起きるか それだけだ」
 スネイプ「我が君、それは、疑問の余地もありません。その杖を手にされた我が君が、必ずや――」
 ヴォルデモート「いいや、セブルス 疑問があるのだ 俺様の使った杖が二本とも ハニー・ポッターを仕損じたのは何故だ?」
 スネイプ「それは、我が君――私めには、わかりません」
 ヴォルデモート「分からぬと 分からぬと ? セブルス セブルスよ」
 ヴォルデモート「俺様のイチイの木の杖は それまで 俺様の意のままに働いた ハニー・ポッターを亡き者にする以外はな あの杖は二度もしくじりおった もう いらぬ」
 ヴォルデモート「オリバンダーを拷問したところ 双子の芯の秘密を吐き ほかの杖を使うと良いと言いおった しかし ルシウスの杖も ハニー・ポッターを仕損じた」
 スネイプ「我輩――私めには、それを説明できません。我が君、お力になれず申し訳ありません。ですが、戦いにおいてならば、私めも」
 ヴォルデモート「俺様は三本目の杖を求めたのだ セブルス ダンブルドアの墓を暴き この杖を手にした この杖が奴の所有していたものだと 知っておったか? セブルス」
 スネイプ「我が君――」
 
 ヴォルデモート「さて セブルス 正当に墓を暴き 所有権を手にしたはずの俺様が なぜ この杖を完全に扱えぬのだ? 俺様は考えた お前も考えろ セブルス」
 スネイプ「ポッターを探しに、私めを――」
 ヴォルデモート「気づいておるな セブルス 確信したな セブルス 何せお前は 賢い男だ」
 スネイプ「我が君――」
 ヴォルデモート「俺様が墓を暴く ずっと前に お前はダンブルドアを殺した」
 ヴォルデモート「セブルス この杖の真の所有者は、お前なのだ」
 ヴォルデモート「であれば 残念だ セブルス お前は、忠実な下僕であった」
 ヴォルデモート「俺様のために 死ね セブルスよ」
105:
グワッ!
ギチッ!!
 スネイプ「っ――」
 ヴォルデモート「杖を上げても もう遅い セブルス よくやった ナギニ」
 ナギニ『へいへーい、動くなよー!腕いっちゃうよー!?内臓諸々いっちゃうよーーー!?』シューシューッ
 スネイプ「ぐ、っが、あああああああああぁぁ!!」
 バキバキッ、バキッ
 ギチギチギチギチギチッ、ブチッ
 ヴォルデモート「俺様にも 慈悲はある セブルスよ 最期は安らかに逝くがいい ナギニ 放すのだ」
 ナギニ『えー。食べないのー』シューッ、シューッ
 シュルシュルッ
 ドサッ
 ヴォルデモート「セブルスよ まだ息はあろう さあ ゆっくりと ゆっくりと 冷たくなるがいい」
 スネイプ「――我が、k」
 ヴォルデモート「お前の 発明した 呪いで」
 スネイプ「」
 ヴォルデモート「闇に生きた男として どうだ? 最高の最期だろう? セブルス・スネイプよ」
 スネイプ「――闇」
 ヴォルデモート「『セクタムセンプラ』」
106:
やばいもう泣きそう
俺はこのスレで何回泣けばいいんだヒンヒン
107:
ポタッ、ポタッ、ポタッ
 ピチャッ……ピチャッ……
 ヴォルデモート「残念なことよ さあナギニ 行こうか」
 ナギニ『うん!ねえどこ行くの!次どこ行くの!?』
 ヴォルデモート『この村にもう 用はない 城に向かうとしよう」
ヒタッ、ヒタッ、ヒタッ
 ズルズルズルズルズルッ
パリーーンッ! バサッ
・・・ ・・・
・・・ ・・・
ガタガタッ、ゴトッ
ハニー「……スネイプ……スネイプ!」
ハーマイオニー「っ、っ、ハニー!駄目、でていっちゃ!」
ハニー「でも、だって、っ、この人、この人、は、もう……」
スネイプ「ヒューー、ヒューーーー、ヒューーーー……ぽ、……ゴハッ!!!ポ、tt……」
ハニー「!? スネイプ!?息、息あるのね!?でも、あぁ!喋らないで!!血が、喋っちゃ駄目!!」
スネイプ「ぽtt、ター……貴様、は……ゴフッ!! ここにいる なぜ、ここに」
ハニー「そんなこと、どうだっていいでしょ!?ジッとして!!止血を、あ、あぁ、この呪いは、あなたしか!!!」
スネイプ「何と 強運な……っ、奴、の……ヒューーッ、ヒューーーーッ……これ、これを」
スッ
サァァァァァァァッ
ハニー「!? これ……記憶の塊!?どうして今、これを……なんであなたが、わたしに!?」
スネイプ「必ず……かな、らず……」
ハニー「っ、分かったから!絶対見るから!だから!」
スネイプ「そう、だ。そして、その眼でこちらを…………」
スネイプ「……」
スネイプ「……いや……こちら、を……見ろ。ポ、ッター……」
ハニー「なに、よ!こんな時に、わたしの眼を見ても、こんな……こんな、怪我」
スネイプ「……あぁ……やはり……お前は」
スネイプ「……君は、リリーでは、ないのだ、な」
ハニー「……ぇ」
108:
ハニー「スネイプ……どうして、あなたがママを!?ママの、名前……」
スネイプ「考えない、ようにしていた……リリーはどこかにいると 信じたかった」
スネイプ「君が邪魔だった リリーに似ているのに あいつに似ている君が」
スネイプ「その眼が その生き方が ポッターに……奴に、似ていた」
ハニー「……」
スネイプ「それでも、あぁ……リリー」
スネイプ「君を探したんだ……リリー……」
スネイプ「そのために生きてきた……どれだけ惨めでも……どれだけ地に堕ちようとも」
スネイプ「リリー……君を、護っていたかった」
スネイプ「リリー……リリー」
スネイプ「ずっと……君を……見ていた……かっ……」
フッ
ドサッ
ハニー「……」
ハーマイオニー「……」
ロン「……」
ハニー「…………」
109:
ああああああああああああああ…
110:
うわああああああああああ!!!!!!!!!
111:
うわああああああああああああ!!!!!!
112:
ああ、スネイプ……
114:
大広間
ヴォルデモート『お前達は 勇敢に戦った ヴォルデモート卿は 勇敢さを讃えることを知っている』
ヴォルデモート『一時間だけ待ってやろう 死者を弔い 傷ついた者の手当てをするがいい』
ヴォルデモート『だが 一時間だけだ その後は 先刻までのようにはいかん 全ての軍隊を動かし、ホグワーツを制圧にかかる』
ヴォルデモート『お前達に残されたのは 一時間だけだ 俺様に抵抗を続けるのならば また一人、一人と死んでいく』
ヴォルデモート『これ以上 魔法族の血が流れるのは 損失であり浪費だ』
ヴォルデモート『ハニー・ポッターを 差し出すのだ 一時間だけ待ってやろう ハニー・ポッターを――』
ネビル「みんな、聞くな!何をしたって、僕らを無事で済ますはずがないんだ!」
ジニー「そうよ、そうよ!ハニー、みんな、ここで手当てしてるわ。あなたも、ほら……酷い血だわ!?す、すぐに手当て……!」
ハニー「……いいえ、大丈夫。これ、わたしの血じゃないもの。わたしの、じゃ……」
ヴォルデモート『さて ハニー・ポッター 俺様はここから お前に直接語り掛ける』
ハニー「……」
ヴォルデモート『おまえは俺様に立ち向かうどころか、友人達がおまえのために死ぬことを許した なんともはや 見上げた友情だ』
ロン「お前はどうなんだ!!!!お前は!!!!!手下に戦わせて奥にひっこんでたくせに!!!!ハニーは戦ってたぞ!!!マーリンの髭!!!」
ヴォルデモート『俺様はこれから一時間、「禁じられた森」で待つ ハニー・ポッター 降参して お前一人で お辞儀しにくるのならば その他の命は 許してやろう』
ハニー「……」
ハーマイオニー「耳を貸しちゃ駄目、ハニー」
ハニー「……うん。ねえ、二人はここで休んでいて……私、校長室に行ってくる」
ロン「それじゃ、僕らも――」
ハニー「駄目よ。きっと、これは……この、記憶は」
サァァァァッ
ハニー「……わたし一人だけで、見ないといけない、ものだから」
115:
シーーーーーン
ハニー「……あの喧騒が、嘘みたい」
ハニー「城中滅茶苦茶なのに……誰も、いない。あいつは本当に……撤退させたのね」
ハニー「……」
ハニー「あと、一時間」
ハニー「……」
ハニー「これ以上の、犠牲……城のみんなも……あぁ……あぁ……それに、どうなったのか分からない、ホグズミードにいた、みんなも」
ハニー「……わたしのせいで」
ハニー「……っ」
ハニー「リーマスが、トンクスが……死んでいたら、どうすればいいの?」
ハニー「わたしが、二人の。二人の赤ん坊の、未来まで」
ハニー「っ、あぁ……心が、無くなってしまいたい」
ハニー「ただ、あいつを倒すためだけのことを、考えられたら」
ハニー「ここ、ろ……」
ハニー「……」
ハニー「……スネイプは、ママの名前を呼んだわ」
ハニー「あの記憶で、同学年だった、ってことは知ってる。けれど……あんな、呼び方。あんな、言葉」
ハニー「……スネイプは……スネイプ、は」
ハニー「……」
ガーゴイル『……合言葉は?』
ハニー「……ダンブルドア」
ガーゴイル『冴えてんな、メスガキ』
ハニー「……今一番、会って、説明をきいて、そしてお説教してやりたい相手、ってだけよ」
116:
校長室
ハニー「……ダンブルドアの肖像画、中身が空っぽね」
ハニー「察して逃げたのかしら。まぁ……いいわ」
ハニー「憂いの篩に、スネイプの、記憶を……」
ポチャンッ
サァァァァァァァァ
ハニー「……前にスネイプの記憶に入った時は、とんだ悪夢だった、わね」
ハニー「……今度は」
ハニー「……」
ズプッ
グルングルングルングルン







117:
『リリー!ママが、そんなことしちゃいけないって!言ってたわ!!』
ハニー「……! ここは……公園?マグルの町並みの……いま、リリー、って」
リリー『あっはは!ペチュニア!チュニー!だって、こんなに楽しいんだもの!?どうして!?』
ハニー「あれが、ママ……きっと、十歳程度のママ……ペチュニア……ペチュニアおばさん!?」
ペチュニア『ママが言ったわ!あなたがそんなことするのは許さない、って!危ないこと……きゃああああ!!』
リリー『危ない!?危ないって、こんなこと!?アハハハハッ!』
ハニー「! ママ、ブランコから飛び上がって……あぁ、凄い……杖もないのに、フワフワと」
リリー『よいしょ、っと。ほーら、チュニー!平気よ!あーんなに高く飛んだのに!凄いと思わない?ねっ、ねっ!次は、チュニーも――』
ペチュニア『思わない!やらない!そんなコワイこと!!』
リリー『――そう?じゃあ、ほら……チュニーはお花が好きでしょう?ほら!わたし、こんなことも出来るの』
プツッ
ペチュニア『? 蕾をちぎって、なに……わぁああ!』
リリー『ほーら!ね!もう咲いたわ!ね!?それに、ほら!空も飛んで行くのよ!』
ペチュニア『すっごい!すっごい……やめてっ!!!!!』
リリー『えっ……だって、チュニー。あなたもいま、喜んで』
ペチュニア『喜んでない!いいことじゃないわ!こんな、こんなの……!』
リリー『……そっかぁ』
ペチュニア『……ど……どうやって、やるの?』
リリー『……わぁ、チュニー!チュニー!あのね!あのね!!こう、手を開いて、熱くなって――』
『そっちの子には、出来やしないよ』
ザッ
118:
ハニー「!茂みから……チグハグでダボダボの服、伸び放題な髪の毛……これは、きっと……小さい時の、スネイプね」
リリー『……できやしないって、どういう意味?』
スネイプ『わかりきったことじゃないか? 僕は君が何か知っている』
リリー『だから、どういうこと?』
スネイプ『君は――魔女だ!』
リリー『……』
ペチュニア『……』
スネイプ『……』
ハニー「……」
リリー『チュニー、行こ行こ』
ペチュニア『うん。怖っ。いきなり人のこと魔女とか。非常識にも程があるわ』
スネイプ『!? ま、待て!待ってくれ!僕は君を、しばらく見てた!君は本当に魔女なんだ!』
リリー『失礼よ!ついてこないで!』
ペチュニア『私、あなたが誰か知ってるわ!お隣のおばさんが言ってた、スピナーズ・エンドに住んでるスネイプって子供でしょ!あの、川原のあばら家の!』
スネイプ『……だったらどうなんだ!』
ペチュニア『おばさんが言ってたわ!あの辺りに住む人はちょっとおかしくて柄が悪い、って!本当だったみたい!どうして私たちのこと、スパイなんてしたの!?』
スネイプ『お前のことなんて、見てやしない。お前はただのマグルじゃないか。あっちに行け!』
リリー『……』ニコツ
ペチュニア『あ』
ハニー「あ」
スネイプ『! 分かってくれた!?だから、君はまj』
スパアアアアアアアアアアアン!!!
119:
流石親子やでぇ…
120:
この頃からビンタ使いだったのか……
122:



リリー『いくらなんでも、マグルって単語を知らなくっても、家族があんな馬鹿にされる口調のものを言われたら、怒るわよ。だから私、あの時のこと、謝らないからね?』
スネイプ『いや、いい、いいんだ……僕の話を聞きに来てくれて、嬉しい。だから、いい』
リリー『そ? それで……本当に、あるのね!?ホグワーツっていう……魔法学校が!』
スネイプ『そうだ。十一歳になる年に、手紙が来る。そこに通うようになってからは、学校の外では魔法を使っちゃいけないんだ。魔法省から罰せられてしまう』
リリー『! 私、もう魔法を使ってしまったわ!どうしましょう!あぁ、その時チュニーも一緒にいたの!チュニーもなにか言われるの!?ねぇ!?』
スネイプ『だ、だから、ほら、学校に通って、訓練を受けるようになってから、そ、そう言っただろう?あ、あの、顔、顔が、近いから……』
リリー『あ、そっか。ふぅん……魔法学校、かぁ』
ヒョイッ
リリー『杖は、こーんな感じ?こう、振るのかしら!呪文は?あぁ、嘘みたい!こんな嘘みたいな話が、本当だなんて!本当なのよね!?』
スネイプ『……』
リリー『……ちょっとー?聞いてるの?』
スネイプ『……ハッ!あ、う、うん!そ、そそ、そう!上手い、上手い!ハハハ!』
リリー『ほんと?良かった……私、ほら。あなたが言う、マグルで何も知らないところから始めるでしょ?期待もするけど、うーん、ちょびっと、怖くって』
スネイプ『……』
リリー『……ねえ、マグル生まれってどう違うの?何か、不都合があるのかしら』
スネイプ『……」
スネイプ『……いや。なにも……何も、違わないよ。この間のは、その……ちょっと、意地悪言いたく、なったんだ。それだけだ』
リリー『そっ?あー、でも分かる!私、チュニーだーいすきだけど!たまーにすっごく意地悪したくなるの!蛙の卵を、こうね……?あ!そうだったわ!』
スネイプ『なんだい?』
リリー『あなた、名前なんて言うの?蛙の卵で思い出したの』
スネイプ『……蛙の卵で!?!?!?!』
ハニー「……」
125:
リリー『ふぅん。ふくろうがお手紙を……本当に、私のところにも来るのかしら』
スネイプ『絶対だ。あ、でも、一度、学校の人間が誰か来て、君のご両親に説明をすると思う……絶対だよ』
リリー『こんなにワクワクしてるのに、待ちぼうけなんて私、やよ?』
スネイプ『そんなことない!君には、魔法の力がたくさんある!僕には分かるんだ!僕、僕――ずずっと君を、見てた、から――』
リリー『んー?なに、セブルス?聞こえない』
スネイプ『……き、君は凄いから大丈夫だよ、ってことさ』
リリー『そ。ねえ、また吸魂鬼の話をして?私、こんな性格だからいつか学校の外でとんでもないことしちゃって、その、アズカバン監獄ってところにお世話になるかもしれないから』
スネイプ『そ、そんなはずない!君がアズカバンなんかに行くもんか!君みたいに、かわ――』
パキッ!
スネイプ『! 誰だ!!』
リリー『え?……チュニー!?わぁ!あなたも、興味もってくれたの?ね、一緒にお話を……チュニー?』
ペチュニア『あ……』
スネイプ『……その木の影に隠れて、盗み聞きしてたのか?今度はどっちがスパイだ?え?』
ペチュニア『ち、違う……私、ただ、リリーを呼びに』
スネイプ『うるさい!!』
ガサガサッ!ボキッ!!ドサァッ!
ペチュニア『きゃあああああああ!?!』
リリー『!!! チュニー、チュニー!?なんで!?上の枝、どこも折れてなんて……チュニ、立てる!?チュニー……』
ペチュニア『触らないで!!触らないで!!!こないで!!!』
リリー『チュニー、駄目!走っちゃ、足をくじいてるかも……チュニー!!』
スネイプ『……』
リリー『……あなたがしたことね?』
スネイプ『……違う』
リリー『……こっち見なさい、セブルス。すぐ分かるわよ、あなた、分かりやすいわね。酷いわ!チュニーが何したの!?』
スネイプ『……』
リリー『私、もう帰る!チュニーに謝らなきゃ……それじゃ!』
スネイプ『……』
リリー『今度つれてくるから、ちゃんと謝ってよね!セブルス!』
スネイプ『! う、うん! 前向きに善処するよ!』
リリー『なんでそこだけマグルっぽいのよ!!!!』
127:



ハニー「……キングズ・クロス駅ね」
ポーーーッ、ポーーーーーーーーーッ!
リリー『ねえ、チュニー!ごめんなさい!ねえ、私が学校に行ったら、ダンブルドア教授とお話してみるわ!そしたら、チュニーも一緒にホグワーツに行けるかも!ね!』
ペチュニア『放して!放して!何言ってるの!?私、そんなとこ行きたくない!こんな……非常識まみれな人たちが行く、生まれそこないになんて!なりたくない!!』
リリー『――なんでそんなこと言うの!なんで!!私、私、嬉しかったのに!!チュニーが一緒の学校に行きたいって思ってくれてるって、すっごく!!すっごく嬉しかったのに!!』
ペチュニア『そんなこと!少しも思ってない!!!』
リリー『だって、手紙には――!』
ペチュニア『――手紙?』
リリー『……チュニーが、ダンブルドア先生に書いて、それで……お返事を貰ってた、手紙。あのね……ごめんなさい。わざとじゃ、なかったの。でも私、嬉しくて……』
ペチュニア『……あの子が開けたのね。あの子が!こそこそと私の部屋に勝手に入って!あの子と、あんたが!!!』
リリー『ちが、違うの。こそこそなんて。ただ、ホグワーツの封筒があなた宛に、きてて……チュニー、お願い。そんな呼び方……』
ペチュニア『あんたなんて、大っっ嫌い!!生まれそこない!!!』
リリー『チュニー! チュニーーーーー!!』
ポーーーーーーーーーーッ!!!
 シュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュ!!
128:
ホグワーツ特急
ガヤガヤガヤガヤ
 ザワザワザワザワ
ガラガラッ
スネイプ『……ここ、いいかな』
リリー『……この車両じゃ、あっちで騒いでる男の子達の席以外、空いてるみたいだけど』
スネイプ『……君が、知り合いがいなくて寂しいんじゃないかと思って』
リリー『あなたが、でしょ。セブルス』
スネイプ『……うん』
リリー『……やっぱり、手紙は見るべきじゃなかった。チュニーが、私になんて言ったと思う?』
スネイプ『……高貴で、あー、可憐で、儚げとか?』
リリー『なにそれ』
スネイプ『……是非忘れて』
リリー『? あのね……「生まれそこない」って、言ったのよ……?』
スネイプ『……そんなの、気にすることないじゃないか』
リリー『だって、私たち、姉妹なのよ……?っ、ぅ」
スネイプ『君が生まれそこないなら、あいつはなんだ?あいつ――あ』
リリー『っ、っぅ、ん……うん?セブルス、今、何か言った?』
スネイプ『は、はは。なんでもないよ、なんでも……でも、リリー。前向きに考えよう。僕達は、ついに行くんだ……魔法学校に!』
リリー『……ふふっ。そう、ね……チュニーには夏に帰ったら、きっと分かってもらえるわ』
スネイプ『うん、そうさ。その頃には、僕がそんな口きかせな……オホン』
リリー『?』
スネイプ『あー、そうだ。あのさ、ホグワーツには、寮が四つあるんだ……君は、スリザリンに入った方が良い』
『おいおい、スリザリンだって?』
リリー『!』
スネイプ『……!』
ハニー「……この、チヤホヤされて育ったような、人を全開で煽りにくるような……この、声は』
『スリザリンになんて、誰が入るか!そうだろ?』
ハニー「パパ!」
ジェームズ『僕なら、むしろ退学を選ぶね』
130:
リリー『……勝手に話に入ってこないでくださる?』
ジェームズ『? おやおや、ごめんよ。僕らも寮の話をしていたものだから、てっきり同じ話題で盛り上がれるかな、って思ったんだけれど』
ジェームズ『それで、スリザリンの話だよ。あんなところにいくのは、まともじゃない。君も同意見だろ?』
ハニー「あ……あぁ!どうして気づかなかったのかしら!隣に座ってるの……シリウス!!若シリウス!!!!!!!!」
シリウス『僕の家族はみんな、スリザリン出身だ』
ジェームズ『へぇ……驚いた!僕ぁてっきり……』
シリウス『あぁ、つまり僕が伝統を変えるだろう。何せ僕は、あの連中の中で唯一「まとも」だからね』
ジェームズ『違いないよ!何せこの僕の友人になったくらいだもの』
シリウス『君は、選べるとしたらどこに行くんだ?』
ジェームズ『僕かい?僕は……「グリフィンドール、勇気ある者が住まう寮」!僕の父さんのようにね』
スネイプ『プッ!!!』
ジェームズ『……文句あるのかい?』
スネイプ『いいや、なーんにも。ただ、見た目の通りだと思ってね。君はどうやら頭脳派より、肉体派のようだから――』
シリウス『それじゃ、君、どこに入れるんだ?どっちでも無い様だけど』
スネイプ『〜〜〜っ』
ジェームズ『っぷ、ハハハハハハハハハ!いい、今のはいいぞ、シリウス!あぁ、やっぱり君、最高だな』
バンッ!!
ジェームズ『!』
リリー『……こっちは最低の気分よ。行きましょう、セブルス』
ジェームズ『……へーえ』
スネイプ『あ、うん……!おい、足をどけろよ』
ジェームズ『おっと失礼、長いもので。まーたな、スニベルス!』
ガラガラッ、ピシャンッ!
スネイプ『……クソッ』
リリー『相手にしない、それが一番よ』
ハニー「……」
131:



ホグワーツ 大広間
マクゴナガル『エバンズ・リリー!』
ハニー「……ママの、組分けだわ」
スネイプ『がんばれ……!』
リリー『うん、ありがと。先に行くわね……』
ストンッ
パサッ
組分け『グリフィンドーーール!』
リリー『!』
ワァアアアアアアアア!!
 美女じゃああああああああ!!
やっほおおおおおおおおお!!
スネイプ『あ……あぁ』
リリー『……』
ハニー「……ママ、嬉しそうだけれど……スネイプを見るとき、少し悲しそうな顔になった、わね」
シリウス『隣、どうぞ?』
リリー『! 結構よ!!』
シリウス『おや、あいつはいないのに。もっとも、すぐに来るだろうけど』
ハニー「……シリウスって紳士」
マクゴナガル『スネイプ・セブルス!』
スネイプ『……』
リリー『……』
ハニー「……」
組分け『スリザリン!!!』
132:



中庭
ハニー「二人が、言い争ってるわ……もう、随分背がのびてる。組分けから、何年か経った後なのね」
スネイプ『――僕達は親友じゃなかったのか?リリー、僕達は友達だろう?』
リリー『そうよ、セブ。だけどね、あなたが付き合っている人たちの何人かが嫌いなの!』
スネイプ『それは……』
リリー『エイブリーとか、マルシベール……マルシベール!退学にならないのが不思議だわ!あの人がメリー・マクドナルドに何をしようとしたか、知っているの!?』
スネイプ『あんなの――あんなの、ただの、冗談だよ』
リリー『セブ。私はもう、何にも知らない木陰のリリーちゃんじゃないの。あれは「闇の魔術」よ!それがどんなものかは……あなたがよく知ってるんでしょ、セブルス。それを、冗談だなんて。信じられない』
スネイプ『〜〜っ、ポッターたちがやってることは、どうなんだ!?』
リリー『ぽ、ポッターは今関係ないでしょ!!何言ってるの、セブ!!いきなり何言ってるの、もう!!』
スネイプ『クソが! ポッターたちは夜中に抜け出してる!ルーピンってやつ、なんだか怪しい!そういう話だよ!!』
リリー『あぁ、そっち……あの人は病気よ。みんながそう言ってる』
スネイプ『満月の夜に???』
リリー『……セブ。あなたが何を言いたいか、分かるわ。あなたは分かりやすいから。けどね、セブ。どうしてあの人たちにこだわるの?リーマスが、たとえそうだったとして……彼が何をしたの?』
スネイプ『……この学校に』
リリー『ふさわしくないとでも言うつもり?』
スネイプ『ち、ちがう。僕はただ……君に!あいつらがそんなに、みんなが思ってるほど素晴らしい奴らなんかじゃない、って!分かって欲しくて!』
リリー『けどね、セブルス。何度も言うわ。あの人たちは「闇の魔術」は使わない。私はそこだけは、あの人たちを評価してるの。そしてその一点だけが、あなたはおかしいのよ』
スネイプ『っ……』
133:
リリー『それに、セブルス。あなた、恩知らずよ』
スネイプ『恩……?』
リリー『この間入院していた理由、マダム・ポンフリーに聞いたわ。暴れ柳の傍のトンネルにこっそり入っていって、そこで。ジェームズ・ポッター救われた、って――』
スネイプ『あいつが――あいつが!?きみはあいつが英雄だと思ってるのか!?!』
リリー『……まぁ……えぇ……一応友達のあなたが?救われたなら?そうね……お礼の一つくらい、言わないと、くらいには』
スネイプ『クソが!!!!』
リリー『さっきからそれなんなの!?』
スネイプ『あいつは自分自身と自分の仲間を救っただけだ!!僕のことを救っただって!?そんなの――』
リリー『でも結果的にあなたは救われたわけでしょう!?じゃあ、お礼を言うべきじゃないの!それが筋ってものでしょ!』
スネイプ『違う!!!!きみは絶対に、あいつに!騙されて!!僕が君に、絶対!許さない、許さ……ぅっ』
リリー『……私に何を許さないの、セブルス。何を許さないの?』
スネイプ『ちがう……僕はただ、君が騙されるのをみたくない。違うんだ。あいつは、ジェームズ・ポッターは、みんながそう思ってるみたいな……クィディッチの大物でも、学年一番でも……それだけじゃなくて……もっと、最悪な……最低な奴で』
リリー『……ジェームズ・ポッターが嫌な奴だ、なんて。そんなの入学する前から私たち、知ってるじゃない。違う?』
スネイプ『! うん、うんうん!そう!だから――分かってくれたね、リリー!』
リリー『でもね、セブルス!聞いて!私を見て!私を!!!』
スネイプ『?見ているじゃないか』
リリー『あなたの中の、じゃないの。聞いて。マルシベールやエイブリーがやってることは、『邪悪』なの!いい!?それは、あの眼鏡の嫌味ったらしさなんてものじゃなくて!!』
スネイプ『うんうん、そうだ。あいつは最低な奴だ……あぁ、マルシベールやエイブリーには言っておく。うん。冗談も程ほどに、って』
リリー『……セブ』
ハニー「……」
136:



スネイプ『……お前の助けなんかいるか。『穢れた血』め』



スネイプ『すいませんでしたあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!』
ハニー「……数秒前との落差が凄いわ」
リリー『言うだけ無駄よ、セブ。私、あなたがメリーを「リリーを連れてこないとここで夜明かしする」って脅したから来ただけなの。聞きたくないわ、何も』
スネイプ『そうしたかもしれない!そのくらいしないと償えないかもしれない!決して、君を――あんな呼び方で呼ぶつもりじゃ――ただ』
リリー『口が滑っただけ?そう言いたいわけ?』
スネイプ『! そう!そうなんだ!だから……』
リリー『もう遅いわ、セブルス。私は何年もあなたを庇ってきた。私があなたと口を利く事さえ、私の友達たちは理解できないのよ……そして、もう私も、理解できない』
スネイプ『り、リリー……?』
リリー『あなたと大切な死喰い人のお友達のこと――ほら!あなたは否定すらしないわ!あなたは全員がそれになろうとしてるのを、否定しようともしない!!『例のあの人』の一味になるのが待ち遠しいんでしょうね!!』
スネイプ『りり、リリー……誤解してる。誤解してるよ。僕は、ただの、死喰い人になるわけじゃない』
リリー『……』
スネイプ『僕は、僕は!君が関心してくれると思って!頑張ったんだ!魔術を磨いて!このままいけば、僕は幹部の候補になれる!だから、リリー!君は誤解してる!分かって……』
リリー『セブルス』
スネイプ『リリー……』
リリー『私は何度も言ったわね。「私を見て」って……どうして聞いてくれなかったの。どうして、見てくれなかったの……私はあなたの、いつだって、お友達、だったのに……』
スネイプ『……リr』
リリー『近づかないで……スネイプ』
スネイプ『』
リリー『さようなら』
バタンッ
140:



ヒュゥウウウウウウッ
スネイプ『……』
ハニー「……あれから、きっともう何年も経っているんだわ。学生っていう、風貌ではないし……ここは……どこかの、丘?」
スネイプ『……ふーっ、ふーっ……大丈夫……大丈夫……手紙には、ただ、お会いしたいと書いた……だから』
ハニー「誰かを、待ってる……?すごく緊張、しているようだけれど……」
ヒュウウウウウッ
カッ!
スネイプ『!?』
ハニー「!?なに、雷――」
スネイプ『ァああああああああ!!!?!?!?』
『よう、セブルス。久しいのう』
ハニー「!?一瞬、で……スネイプの杖、吹き飛ばされて……あぁ」
スネイプ『だだん、ダンブル、ドア……殺さないで!!殺さないでくれ!!』
ダンブルドア『当たり前じゃ。君など、そのような労力を払う価値もない』
ハニー「……本気で怒った、ダンブルドア、ね」
142:
ダンブルドア『して。ヴォルデモート卿が、わしになんの伝言かな?』
スネイプ『あ、あぁ――違う。私は、自分のことで、ここに来た。あなたに、連絡をとった!』
ダンブルドア『ほう?』
スネイプ『警告だ――いや――お願いだ――お願いです、ダンブルドア……どうか』
ダンブルドア『……死喰い人が、わしに頼み?』
スネイプ『あの、予言を――トレローニーの予言を、『あの方』に伝えました』
ダンブルドア『そうじゃったな。あの酒場でコソコソゴソゴソと害虫以下の盗み聞き行為に及んでいたのは、君じゃった。そうじゃった、そうじゃった……どこまでじゃね?』
スネイプ『き、聞いた、全てを』
ダンブルドア『……七月の終わりに生まれる、そのあたりまでじゃな?』
スネイプ『そう、そうです……それを、聞いた……『あの人』は!それがために!リリー・エバンズを殺そうとしている!!』
ダンブルドア『……予言は、母親を指定していたわけじゃなかったはずじゃが?』
スネイプ『あぁ、あぁ!あなたは私の言いたいことが分かっているはずだ!予言の子の、親が!あぁ胃が痛い!リリーだと、言うことです!!あの方は全員を殺すつもりだ!リリーを、殺すつもりだ!』
ダンブルドア『最初からそう言えばよいものを……セブルスよ。あの人がお前にとって、それほど大事なら……慈悲をこうことをせんかったのかね?君は、彼奴に気に入られておると思っておったが?』
スネイプ『そう、そう、しました……娘は殺しても、父親は殺してもどうか、どうか母親は、と……』
ダンブルドア『……見下げ果てた奴じゃ』
ハニー「……」
148:
ダンブルドア『それでは君は、リリーさえ助かればそれでいいと言っておるのかね?』
スネイプ『わた、私、は』
ダンブルドア『彼女の夫や子供が死んでも、自分の願いが叶えばそれでよいのか?』
ダンブルドア『彼女の幸せは?彼女の今の幸せは夫と子供があるからこそだと言うのに』
ダンブルドア『セブルス、君はリリーのことなんて想っておらん。なんという独りよがりじゃ。それは「君の中のリリー」でしかない』
スネイプ『……あぁ……ぅ、ぁああ』
ダンブルドア『……君の今の頼みは、わしはとても聞こうとも思わん。君のそれは『愛』じゃないからじゃ。さて、セブルス。どうしたいのかね。わしは君に、何をしてやれるかね』
スネイプ『……彼女の家族を、全員。お守りください……安全に……護ってくだ、さい。ダンブルドア』
ダンブルドア『……よかろう。愛じゃ、セブルス。さて……それでは君「は」わしに、なにをしてくれるのかね?』
スネイプ『……』
スネイプ『…………何なりと』






スネイプ『護れてないじゃないかあああああああああああああああああああ!!!!』
ダンブルドア『…………』
スネイプ『まもッ!!れてっ!!!!無いッ!!!!じゃ!!!ない!!!!!かあああああああああああああああっららああああああああああああああ!!!』
ダンブルドア『……ごめん』
スネイプ『御免ですむなら二重スパイの重圧は払われないんですけどねええええええええええええええええええええ!!!』
ハニー「……壊れてる」
150:
ごめんてクソwwwww
153:
ここでもコメディぶっこんでくるかwwwww
155:
これはスネイプ切れていい
156:
笑っちゃダメなんだよな。
でもごめん、ワロタ。
158:
スネイプ『もうだめだ、死のう』
ダンブルドア『まあまあ、待つのじゃセブルス』
スネイプ『なんだよ無能愛じゃよ教祖』
ダンブルドア『……セブルス。リリーの娘が、生き残っておる』
スネイプ『……やめてくれ。リリーは死んだ。もう、いなくなってしまった……』
ダンブルドア『見た目は赤子の時のリリーにそっくりじゃ』
スネイプ『まじd駄目だ、駄目だ、駄目だ……リリーは……リリーは……私は、もう、死にたい』
ダンブルドア『勝手にするがよい。じゃが、君の死が何の役にたつというのじゃね?ジェームズや、そして素晴らしいリリーの死と違って?』
スネイプ『……リリーの死が素晴らしい、今、そう言いましたか?』
ダンブルドア『ハニーが生き残った。これが、ただの偶然じゃと思うかね。違う。リリーの愛じゃ。ハニーには、リリーの愛が確かに、残っておる』
スネイプ『……詳しく、聞きましょう』
159:
おいセブルスwww
これ以上笑わすなwwww
162:
セブルスはいい奴だよな
ただ運が悪かっただけだ....あの勇気を見抜けなかった組分け帽子は無能
163:
ダンブルドア『――と、いうわけで。いつか戻ってくるであろう、あ奴の脅威のために。ハニーに残るリリーの愛を護り、そして彼女自身も護らなければならん』
スネイプ『……』
ダンブルドア『セブルスよ。これまで君は、リリーを愛しておったのじゃろう。しかし果たして、リリーがいなくなったからと言って、愛することが出来なくなるというのは、同意なのかね?』
スネイプ『……』
ダンブルドア『愛すればこそ、本当に愛していたからこそ、彼女がいなくなった後に出来る事があるのではないかね、セブルス。君の中の。そしてこの世界で、リリーを見つけるのじゃ。そしてそれは、思ったよりも得られるはずじゃよ。何せリリーは、愛されておったからのう』
スネイプ『……わかり、ました』
スネイプ『ただ、ダンブルドア……決して――決して、明かさないでください!このことは私たち二人の間でとどめてください!いいですね?』
スネイプ『いくら、リリーの守護があろうと……いくら、リリーに似ていようと……ポッターの子供などに……約束してください、ダンブルドア』
ダンブルドア『……君が今後命を賭してハニーを護る、そんな君の最も善い所を、じゃな? 心得た』
ハニー「……」
167:



スネイプ『見た目だけは完璧、ただし性格と目つきは最悪のどん底、素行も悪い、父親と同じく傲慢、規則破りの常習犯、有名であることを鼻にかけ目立ちたがり屋の生意気娘。ただ、見た目だけは完璧』
ダンブルドア『そういう風に見ようとするからそう見えるのじゃよ、セブルス。いや中身の話ね?』
ダンブルドア『クィレルから目を放すでない。よいな?』



スネイプ『カルカロフの刻印が色濃くなってきました。あいつは慌てふためいています――『あの人』が復活したら、奴は間違いなく逃亡するでしょう』
ダンブルドア『そうかの? 君も一緒に、逃亡したいのかね?主にあいつと、そしてわしから投げつけられまくる激務とかから』
スネイプ『……何でもすると誓いました。それに、逃げることなどしません。私は、そんな臆病者ではない』
ダンブルドア『そうじゃな……そうじゃのう、セブルス。のう、君は勇敢な男じゃ』
スネイプ『……』
ダンブルドア『わしは、たまに思うのじゃよ……『組み分け』が性急すぎるのではないかと……人はいくらでも変われるのじゃ。それを……ほっほ。老人の戯言じゃよ、セブルス。気にせんでくれ』
スネイプ『……はい、ダンブルドア』
169:



ダンブルドア『わしを殺すのは、君じゃ。ドラコの役目を、君が引き継いでほしい』
スネイプ『……何なら、今すぐここで?』
ダンブルドア『おぉう、墓石に刻むかっちょいい言葉を考える時間くらい欲しいのう……ドラコが成し遂げるにせよ、君が成し遂げるにせよ、どちらにせよわしが一年以内に死ぬのは、今年のクィディッチリーグでチャドリー・キャノンズが最下位になるほど確実なことじゃろう?開幕前じゃけど』
スネイプ『……何故、あの指輪をつけてしまったのです』
ダンブルドア『わしにも、弱点があるのじゃ。人間じゃもの』
スネイプ『……』
ダンブルドア『わしを、殺してくれるかのう?』
スネイプ『……』コクッ
ダンブルドア『……ありがとう、セブルス』



スネイプ『夜分までポッターと篭って、一体何を教えているのです。ダンブルドア』
ダンブルドア『彼女には情報が必要じゃ。それを教え込まねばならぬ。必要なことなのじゃ』
スネイプ『……あなたはあの子を信頼しているのに、私を信頼なさらない』
ダンブルドア『おぉう、セブルス。それはそういう類の話ではないのじゃよ。必要な者と、必要でない者がいる。それでの話じゃ』
スネイプ『……「閉心術」も満足に出来ない凡庸な子に、そのような情報を渡していいものなのですかな?』
ダンブルドア『ところが、ヴォルデモートはもう二度とハニーの心に入ることはできん。先学期の魔法省でその一端を味わったのじゃ。奴の魂は、ハニーのような魂と緊密に接触することに耐えられぬ。これは、まさしくハニーのもつ――』
スネイプ『魂?我々は心の話をしていたはずだ』
ダンブルドア『いや、いや。彼女とヴォルデモートの場合、どちらも同じ話になるのじゃよ』
スネイプ『……それも、また』
ダンブルドア『うむ、君は知らずともよい情報は。今は、まだのう』
171:






ダンブルドア『ハニーが知ってはならぬ情報じゃ。最期の、最後まで。必要になるときまで。さもなければ、為さねばならぬことをやり遂げる力が、でてくるはずがあろうか?』
スネイプ『……一体、何を為さねばならないのです』
ダンブルドア『それはわしとハニーだけの話じゃ。さて、セブルス。わしの死後の話じゃがのう。ヴォルデモート卿が、今まで以上にあの蛇を心配しているような気配を見せるときがくるじゃろう』
スネイプ『……ナギニを?』
ダンブルドア『そうじゃ。いままでのように乗り移ったり指令をだしてナギニに行動させず、常に傍らにおいて、何かしらの魔法の保護で目の届く位置に浮かばせておく……そんな状況になれば、ハニーに話してもよいじゃろう』
スネイプ『……何を』
ダンブルドア『こう話すのじゃ。あの晩、リリーの守護でヴォルデモート卿に死の呪いが跳ね返り、奴が破滅された時――破壊された魂の一部が、その建物で唯一生きていた赤ん坊の魂に、引っかかった』
スネイプ『……!?』
ハニー「……」
ダンブルドア『そうじゃ。ヴォルデモート卿の魂が、その一部が、ハニーの中に生きておる』
スネイプ『……それがポッターに蛇語の力を与え』
ダンブルドア『それがハニーとヴォルデモートの心のつながりとなっておる。そしてそのハニーに付着したヴォルデモートの魂が、ハニーによって護られる限り――ヴォルデモートは、死ぬことができぬ』
ハニー「…………」
スネイプ『すると……すると、あの子は、死ななければならない……?』
ダンブルドア『しかも、セブルス。ここが肝心じゃ。ヴォルデモート卿自身によって!それが為されなければならない。ここが、何より肝心なのじゃ。ここを、忘れず……』
スネイプ『そんなことはどうでもいい……ダンブルドア……ダンブルドア、話が違う。私は、この長い年月……我々が、彼女の、リリーのためにあの子を護ってきたと思っていた!少なくとも、私はそのつもりだった!』
ダンブルドア『わしらがあの子を護ったのは。「あの子」を!教え、育み、自分の力を試させることが大切だったからじゃ』
スネイプ『育む? まるで、まるでそんなもの、家畜のようだ!屠殺される豚のように育ててきたのだと、あなたは言う!リリーを!リリーの娘を!』
ダンブルドア『――そうは、言うておらん。落ち着くのじゃ、セブルス。なんと……結局、あの子に情が移ったのかね?』
スネイプ『――あの子に、だって!?』
ダンブルドア『……』
スネイプ『「エクスペクト・パトローナム 守護霊よ きたれ」』
パァアアアアアアアア!!
ハニー「……雌……鹿」
ダンブルドア『……』
スネイプ『……』
ポタッ、ポタッ
ダンブルドア『――これほどの、年月が経ってもか?セブルス。それでも、尚……彼女を?』
スネイプ『――』
スネイプ『永遠に』
172:
校長室
グルングルングルングルンッ
ドサッ
ハニー「……」
ハニー「……」
ヘタッ
ゴロッ……
ハニー「……スネイプは、ずっと、私を護ってくれていた」
ハニー「ジョージの耳をもいだ時も、本当は近くの死喰い人を狙ったものだった」
ハニー「剣を私たちに届けてくれたのも。それ以外も、いままでのこと……たくさん、たくさん……」
ハニー「……ママを、愛していたから」
ハニー「ママの愛が、あったから」
ハニー「スネイプの……あの人の愛も、私の……わたしの、力になってくれていたんだわ」
ハニー「言って、くれればよかったのに」
ハニー「もっと、優しくなれたのに」
ハニー「酷いわよ……けれど……あなたは、わたしからの言葉なんて望んでなかったのよね、きっと」
ハニー「……わたしのために、怒ってくれたわ」
ハニー「わたしが……そう」
ハニー「……わたしが、死ぬしかないんだ、ってことに。怒ってくれて、ありがとう……セブルス」
ハニー「……」
ハニー「……これが、全ての真実なのね。ダンブルドア」
174:
ハニー「わたしは、あなたと生き残る道を模索してるんだと思ってた」
ハニー「けれど、違ったのね。わたしの道は……わたしの、任務は」
ハニー「……両手を広げる『死』に向かって、歩いていって。あいつと一緒に、『死ぬべき存在』になること」
ハニー「……」
ハニー「……怖いわよ」
ハニー「……怖いわよ?」
ハニー「……いま、凄く……心臓が破裂しそうなくらい、ドキドキしてる」
ハニー「でも、この鼓動さえ……あいつを生かすことに繋がってしまう」
ハニー「わたし、いままで何度も何度も、あいつと戦ってきたわ」
ハニー「死にそうな目にあってきて。その度に、生き残って」
ハニー「けれど……生き残ったのは、結果なのよ。そういう、結果だっただけ」
ハニー「今度は 今度の戦いは」
ハニー「結果に『死』が待ってる……それだけの話」

177:
スクッ
ツカッツカ、ツカッ
ハニー「……ダンブルドアの肖像画は、まだお留守?フィニアス」
フィニアス『……あぁ』
ハニー「どうしたの?いつもの、あなたらしくないわ」
フィニアス『……私がお前に代わって、アルバスには罵詈雑言を浴びせておこう』
ハニー「あぁ……いいの。いいのよ。ダンブルドアは、分かってたわ。私が逃げないってこと」
ハニー「だから、全て説明してくれた……だから、もう、納得できる。納得できるように、してくれたわ」
ハニー「わたしは、自分が生き残るためにみんなをこれ以上、傷つけたくない」
ハニー「あいつを終わらせる方法が、あるんだもの。それを選ばないわけ、ないじゃない」
ハニー「わたし、わたし、は」
ハニー「みんなのために、死ぬの。愛するみんなのために。それだけよ」
フィニアス『……』
ハニー「じゃあね」
ツカッ、ツカッ、
バタンッ
肖像画 うっ、うっ……グスッ
 
フィニアス『……ダンブルドア』
ダンブルドア『……』
フィニアス『一族から――夫婦そろってお前のせいで、いなくなるんだ。数世紀は、ぼやかせてもらうぞ』
ダンブルドア『……甘んじて、受け入れよう。フィニアス』
178:
フィニアスううう
179:
フィニアス…
181:
まさかフィニアスに泣かされるとは思わなかった…
182:
ツカッ、ツカッ、ツカッ
ハニー「……まだ、一時間経って、いないのね」
ハニー「みんな大広間かしら……避難して、くれたのかしら」
ハニー「……」
ネビル「正面玄関はもう捨てた方がいいと思うんだ。なんとかしてハグリッドと合流して、グロウプと……」
ジニー「けど、森から入ってくるはずだったのにいつまでたっても!ね、もしかしてヴォルデモートに……」
ハニー「……ハァイ、二人とも」
ネビル「わ!?あ、ハニー!休めたかい!」
ハニー「……それなりに。あなたたちは?」
ジニー「もう時間がないし、作戦会議中!ハニー、あなたたちはこの後もなにか、やることがあるんでしょ!?」
ハニー「えぇ、そうね。私は……ロンとハーマイオニーは、大丈夫なはずよ」
ネビル「?そうなんだ!それじゃ、一気に戦力アップだよ!ヴォルデモートなんてへっちゃらさ!」
ジニー「そうそ!」
ハニー「……ねえ、二人とも。本当に、たくましくなったわね」
ネビル「え?へ、っへへ!そうかな!」
ジニー「ハニーのおかげよ。だって、私のおねえさまだもん!」
ハニー「ふふっ、久しぶりね、それ……ねえ、お願いがあるの」
ハニー「……ヴォルデモートの、蛇を見かけたら。あいつより優先して、殺して。いい?」
ネビル「蛇を?あ、聞いたことあるよ!僕っ娘でしょ?うん、分かった!」
ハニー「どこから漏れたのかしらねそれ。お願いね……これで、ロンとハーマイオニー以外にも、秘密が……ねえ。ロンとハーマイオニーは、どこかしら」
ジニー「うん?えーっと、確か大広間かなぁ」
ハニー「……呼んできてくれる?わたし――寮に、いるから」
183:
ロン「ハニー!あー、よかった!あんまり遅いからもうマーリンの髭ものびっのびさ!!もちの!!僕で!!」
ハーマイオニー「かと思ったらジニーから呼ばれてあなたは寮にいるって言うし!もう!どうして直接来なかったの!?そう代わらないでしょう?」
ハニー「みんなの前で抑え切れなくなったら、面倒になるから、かしら」
ロン「うん?なんだい?ハニーへの溢れてにじみ出る熱い感情とか?」
ハーマイオニー「ダダ漏れでしょうね、えぇ。私もだけど。私がだけど」
ハニー「……ふふっ。ねえ、二人とも」
ロン「うん?なんだい、ハニー」
ハーマイオニー「なぁに、ハニー」
ハニー「わたし、ホグワーツに来てよかった」
ハーマイオニー「えぇ、そうね。今はえーっと、こんな状況だけど」
ロン「……」
ハニー「ここであなたたちと、お友達になって。一緒に笑って。ちょっぴり怒って泣いて……あなたたちと出会えて、よかった」
ハーマイオニー「……ハニー?」
ロン「……」
ハニー「わたし、わたしね……幸せだったわ。だから……」
ハーマイオニー「……駄目よ、ハニー」
ハニー「……ううん。これしかないの」
ハーマイオニー「そんなわけない。そんなの駄目……そんなのだめよ!!ハニー!!あなた……あなた!!」
ハニー「……ハーマイオニー」
ハーマイオニー「そんなの――イヤ!!!!!あなた……死ににいくつもりで――」
ハニー「ありがとう。大好きよ」
ロン「『ステューピファイ』」
ハーマイオニー「」
ドサッ
ハニー「ロン……ありがとう」
184:
ロンさんまじイケメン
185:
ロン「……ハニー。ほら、僕があの時言ったこと、覚えてる?」
ハニー「……わたしを、本物の嘘つきにしたくない、ってやつかしら」
ロン「そうさ。僕は、君がやりたいようにしてるのが好きだから。そんな君を、応援したいから」
ロン「君が無理してやってるなら、僕はいくらでも馬鹿やって、魔法やらなんやらそれ以外やら駆使しまくって君を助けるんだ」
ロン「なのに……なのにさ」
ロン「どうして、そんなに……こんな、とんでもないことなのに」
ロン「……そんなに、迷いがないんだ、ハニー」
ハニー「……」
ロン「……助けてって、言ってくれよ!!」
ロン「いつもみたいに震えてくれよ!!!!!」
ロン「怖いって、もうやめたいって言ってくれよ!!!!!」
ロン「僕は――それじゃ、僕は君に、もう、なにも……」
ハニー「……ロン」
ハニー「あなたは、生まれて初めて……強がりな私じゃなくて……わたしのことを認めててくれた人よ」
ロン「……」
ハニー「あなたがいなかったら、きっとわたし……ここまで来れなかった」
ロン「……買いかぶりすぎだよ。僕は……」
ハニー「ありがとう、ロン。大好きよ。これ、きっとね?ハーマイオニーにも、負けないくらいなんだから」
ロン「……墓場までもってく」
ハニー「そうして頂戴。わたしの、大事な大事な、初めてのお友達……ねえ、ロン」
ロン「……なんだい、ハニー」
ハニー「……死ぬのは怖く、ないんだけれど」
ハニー「あなたとハーマイオニーの結婚式だけは、見たかったなぁ」
ロン「……」
ハニー「……ぐすっ……ぜっ、たい……幸せにして。約束よ、ロン。ハーマイオニーと、っ、っぅ、幸せになるのよ?いい?お願いなんだから。だから」
ロン「うん、うん、ハニー……僕……あぁ、嫌だ、嫌だよハニー!だって、僕――」
ハニー「――ばいばい」
ハニー「『ステューピファイ』」
186:
ステューピファイって涙を出させる呪文だっけ?
187:
俺はステューピファイで猛烈に胸が痛い。
188:
校庭
ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ
ハニー「……この一歩一歩が、終わりに近づいて行ってるのよね」
ハニー「……ハグリッドの小屋が、見えてきたわ。あそこでみんなで、お茶をしたっけ」
ハニー「ハグリッドは、無事なのかしら……だと、いいけれど」
ハニー「……禁じられた森」
ハニー「この騒動で、森の生き物も暴れだすのかと思ったら……むしろ、シンとしてるわ」
ハニー「魔法使いの戦いには静観、なのかしら。それとも……大量に持ち込んでる闇の生き物から隠れるため、かしら」
ハニー「……」
ハニー「終わりが、近づいてる」
ハニー「クィディッチで言えば、終盤も終盤ね。スニッチが現れて、それを、わたしが」
ハニー「スニッチ……」
ハニー「……」
ゴソゴソッ
ポトッ
ハニー「……ダンブルドアの遺した、金のスニッチ」
ハニー「……『わたしは終わるときに開く』」
ハニー「……そういう、ことだったのね。もう……回りくどいんだから」
ギュッ
ハニー「けれど、ありがとう……力になるものが、入っているのよね……?」
パカッ
カラカラカラッ……
ハニー「……指輪の台座にはまりそうな、小さな石……これが」
ハニー「……『蘇りの石』、ね」
191:
ハニー「……手のひらに乗せて、三回、転がす」
ハニー「……スーッ、ハーッ」
ハニー「本当に、成功するのかしら……ただの石、だったりして」
ハニー「目を、瞑りましょう。何もなかったら、残念だもの」
ハニー「……さあ」
コロコロッ、コロッ
サァァァァァァァァッ
ハニー「! 何か、気配が!」
パチッ!
ハニー「本当に!パパ、ママ――とリーマスに、シリウスが踏んづけられてるわ!?!?」
シリウス『ゴホッ、ゲホッ!!やあ、ハニー!久しぶり!』
ハニー「え、えぇ、あの、と、とっても久しぶりに言葉を交わすから、その、せめて視線は普通の通りがよかったわ……?」
ジェームズ『丁度立て込んでいてすまないね、僕らの宝物』
ハニー「ど、どういう、状況?」
ジェームズ『なに、ほら。リーマスがついさっきやってきて、お前とこいつがなんとめでたくひっついた、のにこいつときたら無様におっちんじまったときた』
リリー『そういうわけで、お仕置きをしなくっちゃ、って』
ハニー「どうりで頬もすっごく赤いわけね……リーマス……」
リーマス『やあ、ハニー……すっかり腕が鈍っていてね、この通りだ。何、気にやむことはない』
リーマス『息子を知れないのは残念だが、私は息子の未来のために戦った……息子の誇りに、なれたはずだと思う』
ハニー「リーマス……あの、できればシリウスを蹴り付けるのをやめながら言ってもらえると、もう少し」
リーマス『それはそれさ』
194:
やっぱハニーの性格リリーも入ってるだろwww
199:
リーマス『あぁ、まただ』スゥゥゥッ
ハニー「!?り、リーマスが……消えたわ。どうして?」
シリウス『リーマスは今、半死半生って奴でね。こっちに傾いたり、意識が戻ったりしてるらしい。きっとうわ言は面白いだろうな。今度はハニー、君の名前まで呼び始めたことだろう』
ハニー「そ、そう……それなら……名前を呼んで欲しい人は、他にもいたけれど」
シリウス『あぁ……ハニー。君は勇敢だった』
ハニー「っ、うん、シリウス……わたし……ねえ、死ぬのは苦しいの?」
ジェームズ『一瞬さ。眠りに落ちるくらい素早くて、簡単だよ』
リリー『怖がることはないわ、ハニー。わたしたちが、一緒にいるわ』
ハニー「……本当?」
ジェームズ『あぁ、最後の最後まで』
シリウス『私たちは君の一部だ。だから、ずっと一緒だ。ハニー』
ハニー「っ、うん……そっか、そう、だったのね……こんな石を使う、前から……わたしは、みんなと、出会えていたんだわ」
ハニー「……ありがとう。わたし……いってくる。またね」
ジェームズ『あぁ、ハニー。僕の宝物』
リリー『幸運を、ハニー』
シリウス『愛してるよ、ハニー』
ハニー「……わたしも!!」
スゥゥゥゥゥッ
203:
スゥゥゥゥッ……
『さあ、この大馬鹿な親友。消えてしまう前に、君にはやっておかないといけないことがある』
『なんだ、プロングズ。静かにハニーを見守るんだろう……おい……おい?』
『静かに?見守る?そんなもの、僕の親友たる君じゃないね。リーマスの事で証明済みだ――生きてる身体があるなら、戻ることができる、可能性がある』
『―――行って来い、パッドフット』
『ハニーを、お願いね』
『――あぁ』
バンッ!!!
癒者「きょーうのいけめーん担当は〜……きゃぁああ!?」
「……ここは、聖マンゴか? 今は何年の、何時だ?いいや、そんなことはどうでもいい」
「私の杖を!急いで、行かないと!!ホグワーツに!!」
 「……ホグワーツ?」
「?」
ジーーーッ
「なんだ、あんた。ホグワーツに行きたいのか?」
 「……HAHAHAHA!なんだかとても、愉快な雰囲気がしたもので!」
「よし、いいだろう!着いて来い!!!道連れは多いほうが、面白い!!」
タッタッタッタッタッタッタ!!
癒者「わ、わーーあああ!?わああああ!?!先生、せんせーーーー!!大変、大変です!!!!意識不明だった、あの人が!!か、隔離病棟のあの人までつれて!!あの!!ブラッ――」
―――
――

207:
おいたんんん
いっけぇぇぇえええ!
208:
おいたんキタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!
214:
森の奥
グレイバック「――我が君。ポッターの気配はありません」
ヴォルデモート「――」
ベラトリックス「我が君、一時間をほとんど使い切りました。奴は現れません」
ヴォルデモート「―― そうか そこまでだったか ハニー・ポッター」
ヴォルデモート「あいつが 来ることを 期待した」
ヴォルデモート「確かに ここで死ぬ必要は 奴には一切 ないだろう」
ヴォルデモート「俺様に完全に 追い詰められたわけでもない 俺様が全てを破壊し尽くしたわけでもない」
ヴォルデモート「それでも ポッターは やって来るだろうと思っていた」
ヴォルデモート「だが どうやら 間違っていたようだ」
バサッ
ハニー「間違ってないわよ、ヴォルデモート」
ヴォルデモート「 ! 」
ザワザワザワッ!
 ポッターだ!!!
逃がすなぁあああああ!!
 ギャハハハハハハハハハハッハ!!
かこめえええええええええ!!!!!
ハニー「……相変わらず、品のないお仲間ね?」
ヴォルデモート「――」
ハグリッド「ハニィイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!なんで来た!!!!なにをしちょるんだ!?!?!?!?!?」
ハニー「!ハグリッド!?こんなとこで……平気なの!?」
ハグリッド「お、おう、元気ヒンヒンだお前さんみれたし。そ、そうじゃねぇ!!お前さん、わか、わかっちょるんか!?ここに、お前がきちまったら……!?」
ハニー「えぇ、大丈夫。ちゃんと、理解してるわ……ヴォルデモート」
ヴォルデモート「―― ハニー・ポッター」
ハニー「あなたに、殺されに来たわ。愛する、みんなのために」
219:
ギャハハハハハハハハハハ!!
 ゲラゲラゲラゲラゲラ!!!!
ハグリッド「!?!???!??!?!?ハニー、駄目だ!?何言っちょる!?殺されにきた!?なに、う、ぉおおおお!どけ!!ハニー!!いま、おれ、俺が助け――」
ヴォルデモート「黙っていろ ハグリッド」
ビュンッ、バジンッ
ハグリッド「」
ハニー「……わたしを殺したら、他のみんなには手をあげないって約束のはずよ」
ヴォルデモート「そうだ お前を 殺してから の話だがな」
ハニー「……何を不思議そうにしているのかしら。わたしが来るって、確信していたのでしょう?」
ヴォルデモート「――当然 貴様が来ると思っていた だがそれは 泣きじゃくりながら 足を震わせながら」
ヴォルデモート「それでも目だけは いつものように不敵に そういう風にやってくるものだとばかり な」
ハニー「……そう。あなたは死が怖いから、きっとそうなるんでしょうね」
ヴォルデモート「――死を恐れない、とでも言うつもりか ポッター ダンブルドアと同じく」
ハニー「えぇ。わたしは、恐れないわ。わたしの死が……みんなを護るから」
ヴォルデモート「貴様の 母親のようにか? 泣かせてくれるではないか」
ハニー「えぇ さあ」
ヴォルデモート「――終わりだ」
ハニー「どうかしら」
ヴォルデモート「生き残った女の子 ハニー・ポッター」
ハニー「わたしに、とっては。みんなに、とっても」
ヴォルデモート「『アバダ――』」
ハニー「はじまりで――」
ヴォルデモート「『――ケダブラ』
222:
カタン、カタン コトン
ハニー「ん……んん」
カタン、カタン、コトン
ハニー「んー……ふぅ……あぁ……しっかりと身体も……感触もある、のね」
カタン、カタン、コトン
ハニー「あたりぜーんぶ、真っ白……ここって」
カタン、カタン、コトン
ハニー「……天国?」
224:
ハニー「……にしては、地味ね。本当に、真っ白なだけでなにもないもの」
カタン、カタン、コトン
ハニー「……音がする、あっちに行ってみれば……何かわかるかしら」
カタン、カタン、コトン
ハニー「……」
ハニー「ここ……この、椅子、みたいなところから」
ハニー「……」
ハニー「……なぁに、これ……皮をむかれた、赤ん坊みたいな……震えて……慰めて、あげたい、けれど」
「君には、どうしてやることもできん」
ハニー「きゃぁ!?」
ダンブルドア「やぁ、ハニー!わしじゃよっ!!!」
ハニー「……そろそろ来ると、思ってたわ」
ダンブルドア「ほっほ、そうかね。何せ君は素晴らしい子じゃからな、さもありなん。さぁ、一緒に歩こうぞ」
240:
カタン、カタン
ハニー「……だんだん、少しだけ。相変わらず真っ白な空間だけれど、形が見えて、きたわね。ドーム、のような……」
ハニー「……この際、場所はどこだっていいわ。えぇ。あなたは、確かに死んでるのよね?」
ダンブルドア「もちろん、そうじゃ。君のようにすばらしい護りなどないでの。アバダされてコロリじゃよ」
ハニー「……それなら……やっぱりわたしも、死んでるの?」
ダンブルドア「さて、さて、ハニー。そこが問題だ、というわけじゃの?全体的に見れば、ハニーよ。わしは違うと思う」
ハニー「……違う?」
ダンブルドア「違う。君は今、凡そ一般的に『死』と呼べる状態ではないじゃろう」
ハニー「でも、わたし、殺されたわ!」
ダンブルドア「うむ」
ハニー「今度は何の護りもなかった!何も、防いだりしなかった!心から、あいつに殺されるつもりだったんだもの!だって、あなたが……ちょっと」
ダンブルドア「ほっほっほ」
ハニー「……分かってて、あんな言い方したのね!?!?!?」
ダンブルドア「おぉう、ハニーよ、全てが確信に満ちていたわけではない。ただ、今世紀最大のガッツポーズをしてしまう程度には、まあ、そうじゃな。勝ち確入った!って気分じゃったよ、気づいた時はのう」
ハニー「……わたしが生き延びたのは……それじゃ……あいつが、わたしの血を入れたから?」
ダンブルドア「まさに、そうじゃ。奴は復活の折、君の血を採り己が肉体に流した」
ダンブルドア「君の母君の護りが流れる、君の血をじゃ。母君と近い血であるペチュニアと一緒にいるだけでさえ、君のリリーの護りは強くなるわけじゃが、君の血、そのものを流す存在は、果たしてどうなるのかのう?」
ハニー「あいつは……あいつの、存在自体が!わたしの護りを作ってて……だから、あいつにわたしは、殺せない?」
ダンブルドア「そういうことじゃろうて」
243:
ダンブルドア「君は、あやつが期せずして作った七つ目の分霊箱じゃった」
ハニー「……えぇ、そうなんだろうと思ってったわ。あの時はその名前をだしていなかったけれど」
ダンブルドア「君の両親の殺害と、そして何もしらない無抵抗な赤子を殺すという恐ろしい悪行によって、奴の魂は砕けた。たたでさえ分霊箱を六つも作っておった不安定な奴の魂は、一部が君の中に結びつき、君を『分霊箱』にしてしもうたわけじゃ」
ダンブルドア「奴は、それでも尚。自らが『死』の淵に追いやられても尚。その力を目の当たりにしても、尚。自らが価値を認めぬものに関して、理解しようとせんかったのじゃ」
ダンブルドア「屋敷しもべ妖精や御伽噺、愛や忠誠、そして無垢。奴はこの素晴らしい力を、まったく何も理解しないまま!ただ、己が強くなるため、それだけのために君の血を入れた」
ダンブルドア「あの者の体の内に、リリーの守護の魔法が取り込まれ、母親の犠牲の力をあの者が生かしておる。なんともはや、ここまで綺麗に墓穴を掘る形になるとはのう?」
ハニー「……だから、あいつにわたしを殺させた」
ダンブルドア「ここは、確信がなかったのじゃ。果たして君と奴が遠く離れていても、護りは完全に為されるのか。それならば確実なのは、護りを与えておる本人が君を殺すことじゃろう」
ハニー「……わたしは本気で、死ぬつもりだったわ」
ダンブルドア「あぁ、そうじゃ。ハニー。死を恐れるヴォルデモート卿と、死を受け入れる勇気を持った君、それだけで、君は奴を圧倒しておるのじゃよ。兄弟杖が初めて繋がった時も、その差が君を生き延びさせたのじゃ」
244:
ハニー「……あの時、確かにあいつは恐れているようだったわ。自分が殺した人たちが霞のように現れるのを見て」
ダンブルドア「そうじゃ。奴のそうした恐れは杖に伝わり、君の杖が奴の杖を打ち負かした。兄弟杖をじゃ」
ダンブルドア「そしてこの時、君とあの者の間にまた一つ繋がりが出来た。君の杖は、奴の杖から力の一部を奪ったのじゃ。芯を分けたにも関わらず敵対する相手、血を分けたにも関わらず不倶戴天の敵である存在を、君の杖は認識した」
ハニー「……だから、あの時、杖が勝手に……流石はわたしの豚だった、ということね」
ダンブルドア「うむ。君の杖は、対ヴォルデモートに関して圧倒的な力を見せたことじゃろう……じゃがそれ以外では、発揮されることはない。もちろん、いい杖ではあったがのう」
ハニー「どこまでもあいつと対決できるように出来てたわけね、わたしは……あいつは、あなたの杖でわたしを殺したわ」
ダンブルドア「殺し『損ねた』のじゃ、ハニー」
ハニー「……」
ダンブルドア「君が死んでいないということで、わしと君の意見は一致する事と思う……じゃが、ハニー。君が苦しんだことを軽く見るつもりはない。過酷な苦しみだったに、違いない」
ハニー「……もう、いいのよ。あなたは……わたしがここに来るために、たくさんたくさん苦しんできたはずだわ。だから、いいの」
ダンブルドア「……そう。きみが、ここに来るために。さて、ハニー。わしもそろそろ聞いてみようかの」
ハニー「なあに?」
ダンブルドア「ここは、どこだと思うね?」
ハニー「……」
カタン、カタン
ハニー「……キングズ・クロス駅?」
245:
ダンブルドア「ほう、キングズ・クロス……!ほっほ、そうかね」
ハニー「……何が面白いのよ」
ダンブルドア「いや、いや。君の晴れ舞台には、なんとふさわしかろうと思ってのう」
ハニー「けれど、列車は一台もいないわ。ずっと綺麗だし、それに、人もいない……いるのは私とあなた、それに……さっきの」
ダンブルドア「アレだけ、じゃのう。ふむ……生と死の狭間、存在と非存在、現実と非現実……あぁ、ハニー。確かに、ここはキングズ・クロス駅なのじゃろう」
ハニー「なんだか納得できるんだか出来ないんだか……あぁ、そうよ。納得できない、といえば」
ダンブルドア「なんじゃね?」
ハニー「……死の秘宝」
ダンブルドア「……」
ハニー「……」
ダンブルドア「……怒っとる?」
ハニー「思い出したら、割と!」
246:
ダンブルドア「君を信用しなかったこと、君に教えなかったこと……許して欲しい、ハニー。わしは、恐れたのじゃ」
ダンブルドア「君に限って、という思いはあった。それでも、じゃ……もしも君が、わしと同じ過ちを犯してしまっては、と……わしは、それだけを恐れたのじゃ」
ハニー「……何故?あなたが、過ったなんて……だって、秘宝は存在するでしょう?」
ダンブルドア「あぁ、そうじゃ。秘宝、秘宝!死に物狂いの、人間の夢!よもや、それが存在してしまうとは!魔法ってすごい!」
ハニー「ほんとね」
ダンブルドア「存在すればこそ、実在してしまうからこそ……それは危険な物じゃ。愚者たちへのいざないじゃ……そしてわしは、愚者であった」
ハニー「……」
ダンブルドア「ハニー。わしは、君にはもはや秘すべきことは何もない。君は知っておるじゃろう?わしの愚かさを。わしが秘宝を求めて何をしたかを……真に死を制する者、ハニーよ」
ダンブルドア「君の気高さの前には、君の勇気の前には、君の、死に対する行いの前には……わしのやっていたことなど、ヴォルデモート卿と、そう変わらんことじゃ」
ハニー「……あなたは人を意味もなく殺したりしなかったわ」
ダンブルドア「……そうじゃな」
ハニー「……あなたは分霊箱じゃなくて、秘宝を求めたわ」
ダンブルドア「……そうじゃ」
ハニー「……誰かに、聞くまでもない。あなたはあいつと、一緒なんかじゃないわ……あなたは、間違ってない」
ダンブルドア「……そうじゃろうか。ハニー。果たして、そうなのじゃろうか」
247:
ハニー「……グリンデルバルドもあなたと同じく、秘宝を求めていたのね?」
ダンブルドア「そうじゃ。それこそが、何よりもわしら二人を近づけた……二人の賢しく、そして傲慢な魔法使いを」
ハニー「本当のことなの?ペベレル兄弟と、絵本の中の三兄弟は……」
ダンブルドア「そうじゃとも。兄弟が寂しい旅の途中で『死』に遭うたかは、さだかではない。むしろ、ペベレル兄弟がこうした強力な品々を生みだす才能ある魔法使いで、『秘宝の物語』はそれらの品にまつわる伝説として出来上がったものじゃろう」
ハニー「それは、そうよね。だってそうでないと、最後は自殺したっていう次男の子孫がいるのが、おかしくなるもの……ゴーント家が」
ダンブルドア「『マント』もまた、何世代にも渡って一つの家系に受け継がれておった。イグノタスの最後の子孫。その子はイグノタスと同じく、『ゴドリックの谷』に生まれた」
ハニー「……それが、わたし?」
ダンブルドア「そうじゃ。そのマントを、わしが何故預かっておったか……君はそれも、その恥ずべき事も、推量しておるはずじゃ」
ハニー「……パパから借りて、何日も返していないって。ママが手紙でぼやいていたわ。シリウスに」
ダンブルドア「……借りパクするつもりじゃなかったんじゃ」
ハニー「言い方」
248:
ダンブルドア「わしはその頃には、もう秘宝を手に入れることは諦めておった。諦めておった、つもりじゃった」
ダンブルドア「じゃが、ジェームズに……死の数週間前に、思い出話のついでとして、見せてもらったのじゃ」
ダンブルドア「学生時代、あきらかにジェームズの悪戯としか考えられんもので彼が見つからずにすんだ原因が、それで分かった!」
ダンブルドア「そしてわしは、わしは……そのマントをよく見てみたいという想いに抵抗しきれなかった。そのマントは非常に古く、完璧で!わしは、手が震えた……目の前に本物の、『透明マント』があるのじゃと!」
ダンブルドア「何と愚かな!年老いて尚、わしは愚かじゃった……一時の自分の探求欲のために、わしは『マント』を君の父君から預かった……そしてわしは、二つ目の『秘宝』を所持するにいたったのじゃ」
ハニー「……たとえ『透明マント』があったとしても、パパとママがあいつから逃げられたとは思えないわ」
ダンブルドア「……そうじゃろうか」
ハニー「あいつは、居場所を知っていたんだもの。『マント』があっても、逃げ切れなかった……あなたは愚かじゃない」
ダンブルドア「それでも、君はわしを軽蔑するべきじゃ。わしが、『秘宝』に囚われるが故にこれまで何をしてしまったか!君のご両親だけではない!わしは……」
ハニー「……アリアナ?」
ダンブルドア「……」
ハニー「……」
249:
ダンブルドア「わしはのう、ハニー……憤慨したのじゃ」
ハニー「……」
ダンブルドア「わしには才能があった。優秀じゃった。逃げ出したかった。輝きたかった!」
ダンブルドア「……栄光が、欲しかった」
ハニー「……」
ダンブルドア「17歳の子供じゃ。ハニー、わしはどこまでも自分本位で、利己的だったのじゃよ。今、同じ年の君の、際立って無欲で清らかな心と違って」
ダンブルドア「家族を愛しておったのは本当じゃ。じゃが、それ以上に自分を愛しておった」
ダンブルドア「妹と弟の面倒をみるために家に戻り、その責任を負わされ、怒りと苦しみを感じておった」
ダンブルドア「才能の浪費だ、籠の鳥だ!」
ダンブルドア「……その頃の日記には、とてもシラフでは読めないようなポエミーな言葉がつづられまくっておる」
ハニー「……乙女じゃないんだから」
ダンブルドア「そんな時、あの男が現れた。グリンデルバルドじゃ……あの者の考えがどんなにわしを惹きつけたか、どんなに興奮させたか、ハニー、君には想像できまい」
ダンブルドア「当然じゃ。その内容は――マグルを魔法族が力で従属させ、わしとグリンデルバルドがその革命の栄光ある若き指導者、そして勝利者になる、という」
ダンブルドア「……ティーン全開なはっっずかしい思想だったのじゃから」
ハニー「……否定は、しないわ」
250:
ダンブルドア「ところが困ったことに――これはヴォルデモート卿にも言えるのじゃが――わしらは、その馬鹿げた思想を実現できるだけの力を持っておった」
ダンブルドア「強大な力じゃ。それを、『魔法界の安寧』という大義名分の下に振るうことに、何の疑問ももたなかった」
ダンブルドア「……いや、何の、ではない。いくつか、疑念を抱きはした。したからこそ、わしは愚かじゃ」
ダンブルドア「その良心の呵責を、わしは虚しい言葉で沈めたのじゃ。気づかないつもりになった」
ダンブルドア「『より大きな善のために』 などと」
ハニー「……」
ダンブルドア「わしは、心の奥で気づいておった。ゲラート・グリンデルバルドの本質も。しかし、目を瞑った。わしにとって、もはやあの者はなくてはならない存在じゃった」
ダンブルドア「そして、二人の企ての中心に……『死の秘宝』があった」
251:
ダンブルドア「不敗の杖――わしらを権力へと導く武器!」
ダンブルドア「『蘇りの石』――わしはそれに気づかぬフリをしておったが、グリンデルバルドにとってそれは『亡者』の軍隊を意味した!」
ダンブルドア「白状しよう。わしにとっては、その石で両親が戻る事が……妹と弟の面倒という肩の荷が降ろせることを期待しておった」
ダンブルドア「そして、『マント』は……これはあまり、二人の間で大きな話題になることはなかった。ただ、三つそろえることで真の死の支配者となる伝説があり、それはつまり無敵になるということだ、とわしらは解釈しておった」
ダンブルドア「死の克服者、死の征服者、グリンデルバルドとダンブルドア!二ヶ月の間、この恐ろしく愚かな残酷な夢を、わしは見ておった。そして現実は、ないがしろにされておったのじゃ」
ダンブルドア「……何が起こったかは、アバーフォースから聞いておろう。粗野で無学で、しかしわしなどよりずっとあっぱれなあの弟が、わしに現実を教えてくれた。か弱く不安定な妹を連れて旅にでる事などできない、と」
ダンブルドア「争いになった。三竦みの争いじゃ。誰が誰に呪いをかけ、誰が誰の呪詛をいなしているのか、もはや分からなくなった時――アリアナが、床に倒れて死んでおった」
ダンブルドア「グリンデルバルドは逃亡した。わしと企てた権力を支配する計画と、マグルを苦しめる未来と、『死の秘宝』の夢を持って……わしが手助けしてもうた、全てじゃ」
ダンブルドア「それからわしは妹を埋葬し……一生の負い目と恐ろしい後悔という、身から出た錆の代償を払いながら、生きてきた」
ダンブルドア「数年が経った。風の噂で、グリンデルバルドは外国で勢力を拡大したと聞いた。強力な杖を手にしたという話じゃ……その頃にはわしはここで教えてもう長く、魔法省大臣の打診なども受けておったころじゃ」
ハニー「……ファッジよりは、いい大臣になってたでしょうね」
ダンブルドア「どうかのう。わしが権力に弱いことは若い時に露見しておった。権力を持つに最も相応しいのは、ハニー。それを求めない者なのじゃ。君のようにのう」
ハニー「まあ、わたしの場合は勝手についてくるから、そうかもね」
ダンブルドア「そういうことじゃ。わしは、ホグワーツにあるほうがマシだったじゃろう……うぬぼれでなければ、良き教師じゃったと――」
ハニー「最高の教師だったわ。わたしが、保証する」
ダンブルドア「アルバス涙目」
ハニー「結構さっきからよ、それ」
253:
ダンブルドア「わしが若い魔法使いの教育に打ち込んでおる間、グリンデルバルドは軍隊を作り上げておった。しかし、その勢力を英国まで伸ばすことは、しなかった」
ダンブルドア「人々は、あの者がわしを恐れているのだと言うた。おそらく、そうじゃったろう。しかし、わし自身がグリンデルバルドとの対決を恐れるほどではなかったはずじゃ」
ハニー「……対決を?」
ダンブルドア「そうじゃ。いいや、グリンデルバルドの魔力がわしをどうにかすることを、恐れたわけではない。たとえ杖が本物でも遅れはとらないだけの魔法の高め方を、当時のわしはしておった」
ダンブルドア「わしの力は、わずかながらグリンデルバルドより上じゃった。そう思っておった」
ダンブルドア「恐れていたのは……本当にその勝敗が決した時。よりどちらが上か、判明した時……アリアナを貫いた魔法、その一撃がどちらの杖から放たれたものか、それが判明してしまうのが……わしは、恐ろしかった」
ダンブルドア「対決を、一日、一日と先延ばしにした。そして、これ以上遅らせるのはあまりに恥ずべき状態となった。人々が死に、グリンデルバルドはついにこちらに渡ってこようとしている――」
ダンブルドア「そこからは、伝説の通りじゃ。レジェンド・ダンブルドア、グリンデルバルドをけちょんけちょんにするの巻、じゃな」
ハニー「……そしてあなたは、杖を手に入れた」
ダンブルドア「そうじゃ。そして……辛い過去の現実も、共に」
ハニー「……」
254:
ハニー「……グリンデルバルドは、ヴォルデモートが杖を追うのを阻止しようとしたわ」
ダンブルドア「……」
ハニー「あの杖を持ったことはない、見込み違いだ、って。嘘をついたの」
ダンブルドア「……風の便りに、孤独なヌルメンガードの独房で、あの者が後年になって悔悟の念を示したと、聞く。そうであって欲しいと思う。自らの行いを恥じ、そして……ヴォルデモート卿が秘宝を手に入れるのを、阻止しようとしたのじゃろう」
ハニー「……それとも、もっと単純に。あなたの墓を暴くのを、阻止したかったんじゃないかしら」
ダンブルドア「……」
ハニー「……お友達だった、あなたを」
ダンブルドア「……ハニーやめてアルバスの涙目はもう決壊しとるよ」
ハニー「いままで散々意地悪されてきたんだもの。泣き顔くらい、見せなさいよ」
256:
ハニー「……あなたは、結局、『蘇りの石』も手にしたのよね」
ダンブルドア「……手にしてもうた。そう、ゴーントの屋敷で……それが分霊箱だと、頭では分かっていながら……わしは、その指輪をはめてもうた」
ハニー「……」
ダンブルドア「わしは、正気を失っていたのじゃと思う。いいや、あれは、分霊箱からのいざないなどではない。秘宝を目にしたショック、興奮、そして――」
ダンブルドア「――わしは、その考えに囚われてしまったのじゃ。父に、母に――アリアナに会える。会って、伝えられる……すまなかったと。後悔していると。わしはそのために無様に生きて、ここにいるのだと!」
ダンブルドア「愚かじゃった。愚かじゃった……わしはこの長い年月、何一つ学んでいなかったのじゃ。わしは呪われた。わしは結局、『死の秘宝』を一つにまとめるに値しない者なのだと決定的に思い知った」
ハニー「けれど……当然のことだわ!それは、確かに、分かっていたのに呪いの指輪を嵌めてしまったのは、軽率かもしれない!」
ハニー「でも、あなたは、みんなに会いたかった!それの何が悪いの!?わたしだって、同じだわ!わたしだって、みんなに会いたくて!勇気がほしくて!さっき、使った!それと、何が違うの!?」
ダンブルドア「ハニー、ハニーよ……君は素晴らしい。そう、わしがせいぜい所持できるのは『ニワトコの杖』程度だったのじゃ。わしはあれを手懐け、使うことを許された……なぜならわしはあれを『人を殺す』ためでなく、『人を救う』ために所持していたからじゃ」
ハニー「……人を、救うため」
ダンブルドア「秘宝とは、そういうものじゃ。欲にまみれた者が手にすることは、叶わない。手にしたとしても、その真価は引きだせん」
ダンブルドア「ハニー。君は『石』を尊い自己犠牲を可能にするために使った。彼らも喜んで君の下に現れたじゃろう。対してわしのしようとしたことは……安らかな眠りから無理やり呼び戻し、自分が満足したいがための、行いじゃ。一緒ではない」
ダンブルドア「『マント』にしてもじゃ。ジェームズが死に、所有者がわしになった後……あのマントは、完全な効果を発揮することはなくなった……ハニー。わしが君に、授けるまでは」
257:
ダンブルドア「ハニー。わしは、君にいくつもの課題を与えた」
ハニー「……そうね」
ダンブルドア「幾重もの秘密を残し、君を混乱させ、迷わせたことじゃろう」
ハニー「……旅路は酷いものだったわ」
ダンブルドア「そう、旅路じゃ。それでも君が、この道を選んでくれたことを。君を。わしは誇りに思う。そうじゃ、ハニー。君こそが――『三つの秘宝を所持するに相応しい』、死を制する者なのじゃ」
ハニー「……」
ダンブルドア「……」
ハニー「……これだけ、ぼやかせてもらうわ」
ダンブルドア「なんじゃね」
ハニー「……こんなに難しくする必要があったわけ?」
ダンブルドア「ほっほ、それはのう。君に乗り越えて成長してほしいという、いわゆる一つの……愛じゃよ!」
ハニー「決め顔で言ってるんじゃないわよ、もう……まったく、この意地悪豚は……ふふっ」
258:
愛じゃよー!
259:
愛じゃよいただきましたーッ!
262:
ハニー「あいつが『杖』を追うことも、予想していたのよね?」
ダンブルドア「名前が名前じゃからのう。君の杖に敗北して、他の杖を、となった時……『死の杖』なんてあの者好みすぎて笑える代物があったら、警戒するというものじゃ」
ハニー「あなたの手元にあったわけだしね……それを無事に、最後の所有者を自分にして、杖と一緒に消えるために……あなたはスネイプに自分を殺させた」
ダンブルドア「うむ。あの『死』は、打ち合わせたものじゃ。所有権は移ることはない。わしと共に、あの杖の力は消える、はずじゃった」
ハニー「そう、そのはずだった……けれど」
ダンブルドア「うむ、上手くいかんかった。おしかったのう、そんでとばっちりマジごめんセブルス……」
ハニー「……あの人は最後まで、かっこよかったわ」
ダンブルドア「そう言ってあげてくれるかね、ハニー」
ハニー「当然よ。だって、ママを愛した人よ?ママが、愛した人よ?わたしが愛さないわけ、ないじゃない。違う?」
ダンブルドア「愛ってすごい。アルバス改めてそう思った」
264:
愛ってすごいな
266:
ハニー「……そろそろかしら。わたしは、戻らなくちゃいけないわよね」
ダンブルドア「君次第じゃ、ハニー」
ハニー「……選べるの?」
ダンブルドア「おお、そうじゃとも。ここはキングズ・クロスなのじゃろう?君が帰らぬと決めたなら、多分……そうじゃな。乗車できるじゃろう。わしもご一緒しよう」
ハニー「……どこへ?」
ダンブルドア「先へ」
ハニー「……」
ダンブルドア「……」
ハニー「……乗るわけがない、って。知ってるくせに」
ダンブルドア「そうじゃな、野暮なことじゃった――ハニーよ。君が帰ることで、傷つけられる人間や、引き裂かれる家族の数を少なくすることが出来るかもしれぬ。君にとって、それが価値のあることならば。わしはひとまず、きみにここでお別れを言わねばならぬ」
ハニー「価値のある、どころか……当然じゃない」
ハニー「それがわたしの全てだわ」
ハニー「それがわたしの、命を賭けて成し遂げたかったことだわ」
ハニー「わたしが、死んでも……愛する人たちのために。愛する人たちを、護るために」
ハニー「わたし、愛してる……みんなみんな、愛してる」
ハニー「……」
ツカッ、ツカッ、ツカッ、ツカッ
ピタッ
ハニー「……」
赤ん坊のようなもの「」ブルブルブルブル
267:
ダンブルドア「……ハニー、それは」
ハニー「どうすることもできないですって?」
ダンブルドア「……それは、救いの及ばぬものじゃ」
ハニー「何故?だってこれは――わたしの、中にいたのよ?」
ダンブルドア「――ハニー、君は」
ハニー「ううん。あいつは、死ぬべきよ。でもね、それは――戦いでなんかじゃないわ」
ダンブルドア「まさか――やるのかね?」
ハニー「――それがわたしの生まれた意味だから」
ダンブルドア「本当に、成し遂げてしまうのかね?」
ハニー「……」
ハニー「このわたしを、誰だと思ってるの、アルバス?」
ハニー「わたしの名前はハニー・ポッター。ハニー・リリー・フローレンス・ポッター」
ハニー「わたしはわたしのしたいようにする」
ハニー「わたしに出来ること――それは」
ハニー「愛すること、それだけよ」
ハニー「それで全部。それがわたしの、すべて!」
ハニー「その、すべてで!」
ハニー「全部、全部!わたしが救う!!」
ハニー「じゃあね、アルバス! ふふっ」
ハニー「お別れなんだから――泣き顔以外で送りだして欲しかったわ」
ダンブルドア「あぁ――ハニー。君に、幸運を――」
―――――
268:
――ねえ、最後に一つだけ――
――なんじゃね?――
――これは、現実だったの?それとも、全部わたしの頭の中で起きてること?――
――あぁ、もちろん君の頭の中で起こってることじゃよ、ハニー――
――しかし、だからと言って それが現実ではないと、言えるじゃろうか――
―――
――

280:

ハニー「――」
ハニー「――ん」
ハニー「……」
ハグリッド「ハニィイイイイイイイ!!ハニィイイイイイイイ!あ、ぁあああああああああ!!ハニーーーーーぃいいいいいい!うああああああああ!!!」
ハニー「……(今すぐ返事をしてあげたいけれど……駄目よね。わたし、今、死んでることになってるんだもの)」
ハニー「……(盛り中に響きそうな、ハグリッドの声……それ以外は、小さな囁き声とか、そのくらいだわ)」
ハニー「……(意外ね……もっと、わたしを殺した事に……意地の悪い歓声とかをあげてるものかと、思ったけれど)」
ハニー「……」
ベラトリックス「我が君?我が君?もう、意識は?我が君?」
ヴォルデモート「あぁ よい もうよい、ベラ 介抱、ご苦労だった」
ベラトリックス「とんでもありません我が君、あぁ我が君」
ハニー「……(意識? 介抱?)」
ハニー「(それじゃ……あいつも、気絶かなにかしていたのかしら。きっと、そうね)」
ハニー「(死喰い人たちは、怯えてるんだわ。何が起きているのか分からなくて)」
ヴォルデモート「もうよい 一人で、立てる あいつは 死んだか?」
ハニー「……」
ヴォルデモート「ハニー・ポッターは 死んでいるのか?」
ベラトリックス「えぇ我が君、もちろんです我が君。あなたさまの死の呪いがあの小娘を貫きました。あぁ、我が君、私にも――」
ヴォルデモート「黙れ ベラ」
ヴォルデモート「誰か調べろ ポッターは、死んでおるのか 鼓動は止まって、おるのだろうな」
ベラトリックス「すぐに、我が君!……チッ!どいつもこいつも怯えて遠巻きにしやがって!シシー!あたしは我が君から離れられない!お前が見るんだよ!!」
ナルシッサ「……分かったわ、ベラ」
ザクッ、ザクッ、ザクッ
ハニー「……」
ナルシッサ「……」スッ
ハニー「……(どうすれば……ここで跳ね起きて……杖、杖は手元……このまま)」
ナルシッサ「……ドラコは生きていますか?」
ハニー「……!?」
281:
ナルシッサ「……息があるのは分かってます。ドラコは、生きていますか」
ハニー「……生きてるわ。わたしが、炎の中から連れ出した。そのまま、何かすることがあるって」
ナルシッサ「……そうですか」
ハニー「……どうしてこんな小声で?報告しないの?わたしが……」
ナルシッサ「……私は、息子さえ無事ならそれでいいという女です。それだけで、いい。ドラコが無事なら……そしてそれを、あなたが救ってくれたのなら」
ハニー「……」
スッ
ナルシッサ「し、死んでいます!」
ワアアアアアアアアアアアアア!!
 ヒャァアアッハアアアアアアアアアア!!!
ゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!!!
ヴォルデモート「―― はは ―― ッハッハ ―― ハハハハハハハハハハハハッ!!!!!」
ヴォルデモート「そうか 死んだか ポッター ハニー・ポッター!」
バーーーン!バーーーン!
 パチパチパチパチパチパチ!!
バチバチバチバチッ!
ヴォルデモート「そうだ! 者共! もっと祝いの火花を打ち上げろ! ポッターは死んだ!」
ヴォルデモート「ハニー・ポッターは 俺様の手にかかって 死んだのだ!」
ヴォルデモート「もはや生あるもので 俺様を脅かす者はいない!!」
ヴォルデモート「俺様は 最強となったのだ!!!!!!!」
ハニー「……(今すぐ立ち上がって指差して笑ってやりたい)」
285:
ホグワーツ
『ホグワーツの 者共よ』
ザワザワザワッ
ネビル「! 来た!」
ジニー「一時間って言ったくせに、大遅刻ね!だまし討ちでもするつもりだったのかしら!」
ディーン「大遅刻って言えばさ、ハニーどこだい?ロン、ハーマイオニー」
シェーマス「そりゃ君たちに何かやることがあるってのは分かってるけどさ。でも、君達はここにいるのに、ハニーは……」
ハーマイオニー「……ハニーは」
ロン「……」
『これより校庭で 終戦のための協議を行おう もはや俺様に 戦う意思はない』
ザワザワザワッ!
マクゴナガル「終戦、ですって!?勝手に始めておきながら!何を言って……!」
『もちろん その場には 我らの友人もご参加願おう』
『ハニー・ポッター 俺様に命を奪われた その亡骸もな』
288:
校庭
ザッザッザッザッザ
ヴォルデモート「ポッターの運送ご苦労 ハグリッド 貴様の図体も 人生で一度くらいは誰かの役に立つらしい」
ハグリッド「ぐすっ、ぐっ、ぅぅぅ、ハにー、ハニーィ、ハニー」
ハニー「……(さっきからこっそりウィンクだったり髭を引っ張ったりしてあげてるのに全然気づいてくれない)」
ハグリッド「なんて、こった。俺の、俺が目の前にいたのに。俺、俺ぁ……」
パキッ!
ヴォルデモート「誰だ あぁ ケンタウルス 森の賢者ども」
ハグリッド「……ベイン!」
ベイン「……こんばんわ、ハグリッド。今夜は火星が明るい」
ハグリッド「満足だろうな!そうだ!満足だろうな!!お前、お前さんたちはそうやって!戦いもせず!星を見て、いつだったか!ハニーの命が危ういとか言うたな!!満足だろうな!!ハニーが……ハニーが、うぅ、死んじまった!!ハニーが!!!」
ベイン「……ハグリッド、きちんと聞きなさい。今夜は『火星が明るい』」
ハグリッド「うるせえこの駄馬!!真面目な顔しやがって!似合っちょらんぞ!!」
ヴォルデモート「黙れ ハグリッド ケンタウルスよ 後でお前達の扱いについて話しがある 代表者をよこせ」
ベイン「……そうしましょう」
ヴォルデモート「行くぞ さあ 連中がポッターを見て 嘆くのが楽しみだ どう言ってやろうか 気の利いた命乞いの台詞を用意しておかねばならぬな ワームテール、得意だろう」
ワームテール「ひぇっ!?え、えー、わ、私にはままままだ無様に生きてでもやることがあるんですぅうう!」
ヴォルデモート「採用」
ゲラゲラゲラゲラゲラ!!
ベイン「……」
ザッ
ロナン「ハグリッドは、気づきましたか?」
ベイン「いえ、混乱が過ぎたようです。彼らしい……今に分かることですがね」
ロナン「えぇ……今夜は、火星が明るい」
ベイン「……彼女の苦難は、終わっていない。彼女は生きて、立ち向かうのだ」
ロナン「……」
ベイン「……」
ロナン「……ハグリッドが抱えてたからローアングルでそりゃもう日頃見えないところまで……ふぅ。あぁ、明るいなぁ火星」
ベイン「ふぅ……さあ、彼のところへ行きましょう。我らも――集わねば」
293:
集うのが別の目的に見える
294:
ザワ……ザワザワ
ヴォルデモート「亡骸を 俺様の前で掲げろ ハグリッド よく見えるように ハニー・ポッターだと分かるように」
ハグリッド「ぅっ、ぅぅぅぅうう」
 ウアアアァァァアアアアア!!
ハニーーーー!!
 ハニーーーーーーー!!!
イヤアアアアアアア!!!
ハニー「(ハァイ?)」
マクゴナガル「……あぁぁぁ」
ネビル「……」
ジニー「うそ……嘘よ、そんな……」
ハーマイオニー「……は、にー……」
ロン「……」
ヴォルデモート「終わりだ ハニー・ポッターは死んだ お前達がこやつのために命をかける戦いに挑もうという時 こやつは一人で逃げ出そうとしたところを掴まった」
ディーン「嘘だ!!あいつ、嘘をついてる!!」
シェーマス「ハニーがそんなこと、するはずない!!この嘘つき!!」
ラベンダー「風の噂だとイケメンだったのにガッカリよハゲ!!!!」
パーバティ「冗談は毛根だけにしろ!!!」
ワァアアアアア!!ワアアアアアア!!
 ブーーーーーーブーーーーーッ!!
ヴォルデモート「――」
ヴォルデモート「 黙 れ 」
ピタッ
シーーーーーーーーン
ハーマイオニー「んー、んぃー、んー!」
ロン「……」
ハニー「……(全員を喋らせなくしたのね……)」
300:
ヴォルデモート「ハグリッド ポッターを俺様の足元に置け こやつにはここが相応しい」
ハグリッド「ぐすっ、ぐっ、うぅ」
ソッ……
ハニー「……(優しく置いてくれたわね。ありがとう、って、言いたいけれど……まだ)」
ヴォルデモート「どうだ もの共 もう終わりだ」
ヴォルデモート「お前達の英雄だった ハニー・ポッターは死んだ」
ヴォルデモート「お前達の戦いは 終わった」
ヴォルデモート「抵抗するな さすれば命だけは助けてやろう」
ヴォルデモート「俺様の前にひざまずいて お辞儀をするのだ」
ヴォルデモート「お前達の親も、子供も、兄弟姉妹も許してやろう」
ヴォルデモート「我々が作り上げる 新たな世界で生きさせてやろうではないか」
ヴォルデモート「どうだ? 俺様は 慈悲深いだろう」
ヴォルデモート「何の力もなく 何者でもなかった この小娘と違い 俺様には力がある」
ヴォルデモート「お前達は惑わされたのだ この小娘はお前達を捨てた 一人、逃げたのだ」
ヴォルデモート「この小娘は お前達の犠牲に頼るだけの存在 何も出来ない 何者でも――」
ロン「ッ、っは!!!ふざけんな!!!!ハニーは、何度もお前を破ったぞ!!!!!!!」
ハニー「……!」
ヴォルデモート「――ほう?」
ロン「みんな、なんで黙ってるんだ!!声をあげろ!!!!!!あんな奴に、だまされるな!!!!」
ロン「そうだ!!みんな!おい!!!同胞ども!!!!ハニーの豚なら……ヒンヒン鳴け!!!!ヒンヒーーーーーン!!」
……!
ヒンヒン、ヒーーーーーーーーーン!!!
ウワアアアアアアアアアア!!
 ハニーーーーーーーー!!
ハニー「……(ロン)」
301:
ロン△
303:
ウワアアアアアアアア!!!
 ハニーーーー!!ハニーーーーー!!
ヒンヒーーーーーーーン!
ヴォルデモート「そうか ここまできて まだ 抵抗しようというのか?」
ネビル「うわああああああ!!」
ヴォルデモート「――見せしめにしてやろう」
ネビル「『エクスペリアーム――うわっ!!!」
バチッ!!
 ドサッ
ネビル「っ、く、っそぉ……負ける、もんか」
ヴォルデモート「お前は 誰だ?」
ベラトリックス「我が君、ロングボトムです!カロー兄弟をさんざんてこずらせた!両親は、あたしがぶっ壊した闇払いで!覚えておいでですか?」
ヴォルデモート「おぉ 思い出した フランク、アリス・ロングボトムの そうか 貴様が」
ネビル「……杖が、っ」
ヴォルデモート「勇敢な少年よ そして貴様は 純血だな? 優秀な両親の下に生まれた そうだろう」
ネビル「……だったらどうした!」
ヴォルデモート「俺様の側につけ 俺様は勇敢さを評価する 俺様に杖を向けたことを許してやろう」
ネビル「やなこった!!僕は……ダンブルドア軍団だ!!」
ワアアアアアアア!!
 ネビルーーーーー!!
ミスターホラガーイ!
ヴォルデモート「――ほら貝?」
ネビル「そこに興味はもってもらわなくていい!!」
308:
ヴォルデモート「そうか 残念だ ロングボトムよ」
ヴォルデモート「貴様のその反抗が 俺様の決断を変えさせたぞ」
ヴォルデモート「もはや誰一人 生きて帰さん ロングボトム 貴様の責任だ」
ネビル「どうせ最初から、そのつもりだったんだろう!」
ヴォルデモート「そうでもない 決断 そうだ」
スッ、サァァ
クルクルクルクル
ハニー「……(城の窓から、何か……あれ……組分け帽子!?)」
組分け「いやはや城から出るのはどれくらいぶりだろうね――これはこれは、小生意気なリドル君」
ヴォルデモート「黙れ ロングボトム 貴様がこれを被る最期の者にしてやろう」
ドサッ
ネビル「……」
組分け「あぁ、拾ってくれてありがとう、少年。やあやあ、少年よ。随分見違えた――あの頃とは大違いだ」
ヴォルデモート「ホグワーツから 組み分けはいらなくなる。シンボルには我が祖先 サラザールスリザリンの紋章、盾そして旗があれば十分だ」
組分け「君はあの時『僕なんてハッフルパフでいい……』って、聞かなかったなあ。私がハッフルパフは甘くないと叱って、それじゃどこにも入れないなんて嘆く君を……必死に説得して、グリフィンドールに入れたっけ」
ネビル「……うん」
組分け「今はどうだね?」
ネビル「……あなたに、感謝したい」
組分け「――あぁ、少年よ。君は本当に、立派になった」
310:
ヴォルデモート「ロングボトム 冥土の土産に聞かせてやろう」
ネビル「……」
ヴォルデモート「お前達が崇拝している ハニー・ポッターが どんな人間か」
ネビル「……」
ハニー「……!」
ヴォルデモート「お前達の前では 常に高圧的な 自信満々の 女王様のような態度をしているのだろう」
ネビル「……」
ヴォルデモート「その実 奴の本性は 臆病者で 怖がりで 俺様と対峙するたびに足が震え 腰が抜ける ただの小娘だ」
ハニー「(立ち上がりたいぶっとばしたいいいえこれもういいんじゃないかしら今がその時なんじゃないかしらわたし)」
ネビル「……なんだって?」
ヴォルデモート「失望したか? 騙されたと思ったか? そうだ ロングボトム 奴はお前達を欺いて 付き合って――」
ネビル「ハニーが本当は、臆病だって?」
ネビル「ハニーが本当は怖がりだって?」
ネビル「ハニーが本当は、女王様としてなんかじゃなくて、ただ、僕らを大事にしてて」
ネビル「それで強がって 僕らのために 頑張ってるだって?」
ネビル「そんなの」
ネビル「そんなの!!!!」
ネビル「そんなの!!!!!!!ハニーの豚なら誰だって知ってる!!!!!!!!!!!!!!!!」
ヴォルデモート「えっ」
ハニー「」
ハーマイオニー「……えっ?ロン?え?」
ロン「そりゃそうだろ。僕ら豚が日夜誰の何のために生きてると思ってるんだい?自然と分かるよ、もちのロンでね」
319:
ネビル「ハニーは怖がりだ!!本当はお前なんかと戦いたくないに決まってる!」
ネビル「それでも!!ハニーは逃げない!!!」
ネビル「ハニーは臆病だ!!!本当は、自分の運命なんて逃げ出したいに決まってる!!!」
ネビル「それでも!!ハニーは諦めない!!!!」
ネビル「そんなハニーをみて!!!そんなハニーが!!!!頑張ってるのを見て!!」
ネビル「あー、可愛いなあ天使だなあ、って思うのと同時に!!」
ネビル「僕らは!!!勇気を貰ってるんだ!!!!!!」
ネビル「たとえ、ハニーが死んで、しまっても!!!」
ネビル「ハニーは、僕らの中に!!!僕らの、中で!!!!!」
ネビル「ヴォルデモート!!!!」
ネビル「ヴォルデモート!!!!!!!!!」
320:
ネビルは涙を誘うんじゃなくて心が震えるな
322:
ネビル「お前なんかに!ハニーを馬鹿にさせない!!!!
組分け「――グリフィンドールに行くならば」
ネビル「僕らのハニーを!!!!」
組分け「――勇気ある者が住まう寮」
ネビル「僕らの希望を!!!!!」
組分け「――勇猛果敢な騎士道で」
ネビル「僕らの――勇気を!!!!!!」
組分け「――他とは違う グリフィンドール」
組分け「さあ、とりたまえ、ネビル・ロングボトム!」
組分け「今は君にこそ、この剣がふさわしい!!!」
シャランッ!!!!
ネビル「!!!!」
ヴォルデモート「!?!?バカな グリフィンドールの――」
ネビル「――うわあああああああああああああああああ!!!」
ザッ、シュッ!!
ナギニ『わー、綺麗な赤いいr――』シューッ、シュ
ブシャアアアアアア!!
ヴォルデモート「ナギニぃいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!」
328:
ワアアアアアアア!!
 ワアアアアアアア!!
ロン「やった!!やった!!!ネビルが!!!」
ハーマイオニー「蛇を、倒したわ!!!」
ネビル「っはぁ、はぁ……」
ヴォルデモート「オォ――オォ――ロングボトム――ロングボトム!!!!!!」
ネビル「……っ!!」
ヴォルデモート「よくも、貴様、貴様あああああ!!」
ネビル「こ、こい!あ、でも、僕杖……あ」
ヴォルデモート「『アバダケダブラ!!!!!』」
パキィンッ!!
ネビル「……あ、れ?」
ヴォルデモート「――なんだ これは」
ロン「……ネビルに、緑の閃光……あ、当たった、よな?」
ハーマイオニー「そう、そう、見えたわ……でも、その瞬間……掻き消えた」
ヴォルデモート「何が 起きている 何が 俺様の 最強の俺様の 死の呪いが 何故だ!!!」
ハニー「そんなの、決まってるじゃないの」
ヴォルデモート「!!!?!?!??」
ハーマイオニー「あぁ……あぁ、ロン!ロン!ハニー、ハニーが!!」
ロン「え?まだ気づいてなかったの?」
ハニー「このわたしがいる限り 誰も殺させないわよ――トム!!!」
ヴォルデモート「――その名で 呼ぶな! ポッター!!!!!」
ハニーーーーー!!
 ハニーーーーーーーー!!
ヒンヒンー、ヒーーーーーーン!!
リー「報!報です!!さっきのおくやみは大間違いだ!!稲妻光る!稲妻光る!!!ハニーは、生きてる!!!!みんな!!!!ヒンヒン、ヒーーーーーン!!!」
ハーマイオニー「り、リーいたの!?」
ルーナ「ううん。さっき、ついたんだよ」
ハーマイオニー「? でも、ここの出入りはずっと……」
ルーナ「うん、だから、さっきついたの。やっと出来たから」
ハーマイオニー「???」
329:
ヴォルデモート「一体何をした ポッター」
ハニー「ネビル、よくやったわね。蛇の事……それに、とってもかっこよかったわ」
ネビル「え、えへへ、ありがとう!君のおかげだよハニー!ヒンヒン!」
ハニー「あと、わたしが弱虫とかどうとか、あれは……本当だけれど、できれば忘れなさい」
ネビル「やったね!善処するよハニー!」
ヴォルデモート「聞け!! 一体何をしたのだ、ポッター!」
ベラトリックス「我が君を困らせるな、ポッター! 大それた口、利きやがって……誰も殺させないだぁ?そんな甘っちょろい夢、覚まさせてやるよ!!!」
ロン「ハーマイオニー、どけ」
ハーマイオニー「! ちょ……ロン!?ロ――」
ベラトリックス「『アバダケダブラ!!!!』」
パキィン!
ロン「……うわー……流石に心臓止まるかと思った……マーリンの髭!」
ベラトリックス「な……は、はぁあああ!?」
ハーマイオニー「また……アバダケダブラが……ロンに触れたと思ったら……掻き消えた」
ヴォルデモート「 ここにいる貴様が ポッター 何かできるはずがない 一体何が起きている なんだ、これは!!」
ハニー「何言ってるの? わたしがやったに決まってるじゃない。そして、トム」
ハニー「実行させたのはあなたじゃない。あなたはよーく知ってるはずよ?どうしてこうなっているのか」
ヴォルデモート「なに――」
ハニー「わたしは死んだわ。わたしはあなたの前に、何の抵抗もせずに『死』に向かった」
ハニー「……そんなわたしに、あなたは何て言った? ここで死ぬ必要がなかったはずのわたしがあなたの手にかかるのを見て、あなたはなんて言った?」
ヴォルデモート「貴様の 母親のようだと ――まさか」
ハニー「わたしは死んだわ。みんなのために」
ハニー「わたしは死んだわ。愛する人たちのために」
ハニー「わたしは、みんなみんな愛してる」
ハニー「『みんな、みんな』!愛してる!!!」
ハニー「もう!!この世界で!!!誰かの犠牲なんて許さない!!」
ハニー「もう!この世界で!!!理不尽な死なんて許さない!!!!」
ハニー「もう!!!!この世界で!!!!」
ハニー「『アバダケダブラ』は使えない!!わたしの、愛が!!!みんなを護るから!!!!」
330:
ハニーまじハニーほんと女神
332:
そう来たか!!
さすがハニーの愛!!ヒンヒン!!
333:
ハニーの愛は地球を救う!!ヒンヒヒン!!
335:
ハニーかっけえ……鳥肌立ったわ……
336:
ハニーがマジ女神過ぎて直視出来ない…!
かつてこんなに素晴らしい女神がいただろうか…至高の愛の女神様だ…。
みんなの守護女神!ハニー最高!
ヒンヒンヒーン!!
337:
ワアアアアアアアア!!
ハニーーーーーーーーィイイイ!!
ハグリッド「うぉおおおおおお!!ハニー!!みんな!戦うぞ!!!戦うぞぉおおおお!!!」
ワアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
ヴォルデモート「〜〜〜っ だからどうした!!!」
ヴォルデモート「死の呪いがなくとも 我らには偉大な闇の力がある!」
ヴォルデモート「まだまだ 貴様らの倍以上の 戦力がある!」
ヴォルデモート「この城に残った ものどもだけで! 何ができる?」
ヴォルデモート「貴様らだけで 何が出来るというのだ! ポッター!!」
ハニー「わたしたち、だけ?」
ハニー「馬鹿言っちゃいけないわ。ずっとずっと、ここ以外でも戦ってきた人たちがいる」
ハニー「そんな人たちも、力になれば。どうかしらね。さて……連絡は、終わったのかしら?」
リー「合点だよ、ハニー!いやあ、全世界中継ラジオは緊張したなあ!」
ハーマイオニー「ぜ、ぜんせか、え?何言って……そもそもホグワーツでラジオの電波は、とか……言語とか」
ロン「言語?ハーマイオニー、今更そんなもん気にしなきゃいけないのかい?」
ハーマイオニー「……あぁ……言ってたわね……ヒン、って」
リー「そーーーの通りさ才女様!!」
リー「さぁさぁさぁさぁ!!!全世界のみなみなさま!!!!早めに呼び出されっちまったこの僕が、ざっくり説明しちゃいましょう!!!」
リー「ハニーがピンチだ!!!集まりやがれ!!!豚ども!!!!ヒンヒン、ヒーーーーーン!!!!」
ヒンヒーーーーーーン!!
339:
ちょっとイギリス行ってくる!!
342:
ハニー語wwwww言語超越してるw
343:
パチンッ!
ドサッ
トンクス「その呼び方はどうなのかな!?豚じゃない人とかいるからさあ!?よっ、ハニー!助けにきたよ!」
リーマス「さっきぶりだね、ハニ……ゴフッ」
トンクス「大変だ!リーマス!!目覚めのキスしなきゃだねっ!!!」
リーマス「ち、ちが、トンクス、だから、最初の人工呼吸で確かに蘇生したけどね、ち、ちょ、いまみんな、注目してるかr――」
ハニー「リーマス! トンクス!!!」
パチンッ!
ドサッ
アーサー「あぁ、やっと参戦できる!待たせたね、ハニー!」
モリー「みんな、無事!? 私の家族に、これ以上なにかあったら……承知しないわよ!死喰い人!!!」
ハニー「お父様、お母様! 家族に、って?」
 パチンッ!!
ジョージ「冗談だろ、相棒……」
フレッド「………………………」
ジョージ「なんだよその耳!!!超かっこいいじゃねーか!!!!!!!俺のと交換しろよ相棒!!冗談じゃねーぞ!なんだよそのイカした尖った耳はさあ!!!冗談じゃない!冗談じゃないぞ!!!」
フレッド「ハッハッハッハ、片割れよ。残念ながらお前には、この呪いの副作用で偶然かっこよく尖っちまった俺のイカす耳と交換する耳そのものが無いわけで……お?どうしたハニー、ずっこけて!」
ハニー「……紛らわしいのよっ!!!!!!!」
パチンッ!パチンッ!!
パチンパチン
  パチンパチンパチンッ
 パチンパチン
ワァァアアアアアアアアア!!
ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
352:
パチンッ
サッ!!
ハニー「……!」
「『インペディメンタ』『ステューピファイ』『結膜炎!』」
死喰い人「うがっ! 」 死喰い人「ぎゃぁあ!?」
死喰い人「あああああ!!」
ヴォルデモート「! 中空を飛び回る 俺様の部下達を……こうも容易く! 何のために飛ぶ術を覚えた! 翻弄しろ! 戦え!」
「……ヴぉくを空中で翻弄したいなら」
ハニー「来てくれたのね……ビクトール!」
ビクトール「世界最高のシーカーを1ダース、持ってくるといい」
ビクトール「それかそこの二人の絡みをみせてくれればまあ割りと」
ハニー「うるさい」
パチンッ!
ビル「よ、っと!ああ、みんな来てるな!ほら、チャーリー。お前が遅いからだぞ!」
チャーリー「急に一頭ドラゴンを預かったんだ、仕方ないだろ?それに、間に合ったんだ!」
フラー「んーふん。ウィーズリーのかぞーく、せいぞろいでーすね?」
ハニー「ビル、チャーリー!フラー! そうね、けれど……」
パチンッ!
ドサッ
「あ、あいたたた!良かった、まだ終わってなかったんだ!」
ハニー「……あ」
「……あ」
アーサー「……」
モリー「……」
ビル「……」
チャーリー「……」
フレッジョ「「……」」
ロン「……」
ジニー「……」
「あ、は、はは……まさかみんな、揃ってるところに、でちゃうなんて。あ、あの」
「〜〜〜っ!!僕が馬鹿だった!!ごめんなさい!!!僕は愚か者だった!僕は、気取った間抜けの――」
フレッド「魔法省大好き」
ジョージ「家族を棄てた」
フレッジョ「「権力欲の強い大バカヤロウ」」
「……まあ、うん……それだよ……ごめん。だけど……」
スッ
「!」
フレッド「そんだけ言えりゃ、十分だぜ!おかえり、パーシー!」
ジョージ「さ!あとはこの稲妻型眼鏡をかけるだけだな!!!!」
パーシー「……あぁ!!」
353:
くそww 胸熱じゃねぇかww いけいけー!
ヒンヒーン!
358:
パチンッ!
 パチンパチンパチンッ!
パチンッ!!
リー「どんどん増え続けております!増え続けております!もちのロナルド!ハニーの愛は世界みんなを守っているわけです!」
リー「もはやこの戦いに他人面できる魔法使いはいません!そしてなにより!!!」
リー「とある団体が世界中を回ってハニーブロマイドを配っていった結果でしょう!えぇ!」
ハーマイオニー「なんなのその集団……」
ヴォルデモート「 群れるのが 力か ポッター」
ハニー「支えあうのが わたしの力よ。トム」
ヴォルデモート「お前は どうしてここに、この城で! 姿現しが出来るようになっている!」
ヴォルデモート「その権限は ホグワーツの校長のみに秘伝され ダンブルドアからの正当な引継ぎがなかった以上 セブルスも使えなかったというのに……」
ハニー「さあ?あの人はあなたにデタラメ言ってただけかもしれないけれど」
ヴォルデモート「!?」
ルーナ「書き換えたんだ、このお城の守護魔法」
ヴォルデモート「――貴様 ゼノフィリウスの娘か 書き、換えた?」
ルーナ「うん」
組分け「あー忙しい、忙しい!おっと失礼お嬢さん、私をもちながら説明してもらってもよいかね?」
ルーナ「? いいよ」
363:
ヴォルデモート「この城の秘術を 途方もない神秘を 解き明かしたと言うのか……?」
ルーナ「校長先生が教えてくれた。無駄なものなんて何もないんだ、って」
ルーナ「嘘みたいなことでも、本当に見えなくっても。絶対に意味があるんだ、って」
ルーナ「先生が読みたがってた、『クィブラー』のこの号の『解読されてないルーン文字』」
ルーナ「先生とみつけた、とっても綺麗な魔法細工がたくさんあった部屋の、『複雑なルーン文字』」
ルーナ「ヘレナが教えてくれた、『ロウェナ・レイブンクローの魔法の癖』」
ルーナ「このお城の魔法仕掛けを作ったのは全部、ロウェナ・レイブンクローだったから」
組分け「――古き賢きレイブンクロー」
ルーナ「全部、書き換えて。ハニーに協力してくれる人が入ってこれるようにしたんだ」
組分け「――君に意欲があるならば」
ルーナ「あたしには、これくらいしか出来ないから――ハニーのために」
組分け「――機知と学びの友人を」
ルーナ「あたしの友達の――ハニーの、ために!」
組み分け「――ここで必ず得るだろう」
組分け「よくできました! さあ、つけたまえ!!ルーナ・ラブグッド!英知に優れた君にこそ、これを掲げるにふさわしい!!」
ジャラッ!
ヴォルデモート「!? れ、レイブンクローの、な、なぜだ!!!??」
組分け「私はゴドリック・グリフィンドールの持ち物だぞ?このくらい、朝飯前だ。君の呪いさえ解けてしまえば」
ハニー「えぇ、ルーナ!あなたはわたしの大事な、友達よ!」
ルーナ「!〜〜♪計り知れぬ英知こそ、我らが最大の宝なり〜♪」
367:
ヴォルデモート「小癪な 小癪な!」
ヴォルデモート「俺様達が 戦えなくなったわけではないと言っている!」
ヴォルデモート「そうだ、そして――貴様らは今に手を出せなくなるのだ」
ハニー「……?」
ヴォルデモート「行け! さあ、ポッター」
ハニー「……!」
スタン『ヒャッハーーーーーーァ!!ポッターを殺すぜえええええええ!!!』
ゾロゾロゾロゾロゾロ
ヴォルデモート「何の罪もない 操られている者を お前はどうする?」
ヴォルデモート「俺様直々に 『服従』させている そ奴らは たとえ止められたとしても!」
ヴォルデモート「一生 苦しむだろう 恨んでもない相手を攻撃し 殺した『記憶』に!!!」
ハニー「……この!」
スタン『ヒャッハァアアアアアアアアアアア!!』
「『オッブリエイト』☆」
スタン「ほへ?――あんれ、俺ぁ、ここでなにを……おー!?ハァニー!ハァニーでねーか!ひっさしぶりだなぁ!」
ハニー「!」
ヴォルデモート「!?」
スタン「あんれ、俺ぁ確か見栄張ってたら魔法省にしょっぴかれっちまってよお。それから……うーん、なんだったか……なんだったっけかなあ」
ヴォルデモート「馬鹿な 俺様の服従の術を その記憶ごと バカな そんなはずは!!」
「HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA!!!」
ヴォルデモート「誰だ 貴様」
「HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA!!!」
ヴォルデモート「貴様は 誰だ!!!!!」
「HA−−−−−−−−HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA!!!」
369:
うぜえwwww
370:
キタァァァァアアア
378:
ウザイけどよくやった!!!
379:
「私は誰か、ですって!?」
「いい質問です!とーーーってもしくよろにいい質問ですよ!」
「この本を読んでみましょう!私は狼男を退治した、クールでイカスナイスガイ!」
「この本を読んでみましょう!私はトロールを倒した、タフネス溢れるイケテルメンズ!」
「この本を読んでみましょう!私は、私は」
「HAHAHAHAHAHA!!どの本を読んでも!!私なんていなかった!!!」
「なら、私は何者なのか!!!!」
「私は、何が出来るのか!!!!!!」
「この場所で、もう一度!!輝かしい、懐かしい、ホグワーツの学び舎で!!!私は今、始まるのです!!!!」
ヒューーーーーッ、ヒューーーーーーッ!!
ボンボンッ!!!
パァアアアアアッ!!
ワアアアアアアアア
 キャアアアアアアアアアア!
うそ!!あの人って!!!!!!
ロン「……あの野郎の顔の花火が打ちあがりやがった」
ハーマイオニー「……ねえちょっとなんで私目隠しされてるわけ!?手温かいけど!温かいけど!!」
「私が誰かですって!?」
「私は希代のペテン師!!」
「私は虚構のカリスマ!!!!!」
「そして、今は唯一つ!!!!この――美だけを武器に!!!伝説の夜明けを迎える!!!!!!!」
ギルデロイ「ギルデロオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオイ!!!!ロォオオオオオオオオオオクハーーーーーーーァアアアアアアアアアアアアッツ!!!!!!!」
キャーーーー!ロックハートサンイケルデンセツニシテミライエイゴウノレジェンドーーーー!!!
394:
ヴォルデモート「ふざけてるのか あれは」
ハニー「大真面目よ、本人は。ギルデロイ!よくなったのね!」
ギルデロイ「HAHAHAHA!それはそうですともハニー、何せ道中一緒だった青年が実は私の目標たるあの人だったことにビビッ、いえ、美々っときましてね!記憶カムバックしくよろにこんにちはですよ☆」
ハニー「?」
ギルデロイ「HAHAHA!彼はもうしばらく後から来るだとか!チャンネルはそのままで☆」
キャー!ロックハートサンヒキノバシノスペシャリストー!
ハニー「よく分からないけれど……それで、ヴォルデモート。隠し玉っていうのは、これで終わり?」
ヴォルデモート「―― ほざけ ポッター」
ヴォルデモート「皆殺しだ これだけは勘弁してやろうと 思ってやったものを」
ヴォルデモート「――チャンピオン!」
セドリック「はい 我が君」
ハニー「!」
ザワザワッ!
チョウ「セドリック!!」
ヴォルデモート「我らがチャンピオンよ 準備は、いいな」
セドリック「はい 我が君 集めた魔法生物たちは皆、臨戦体制です」
ヴォルデモート「よし ―― よし!」
ヴォルデモート「―― やってしまえ!!!」
セドリック「はい! いけ、みんな!!!」
セドリック「死喰い人を!!!ぶったおせ!!!!!!」
ヴォルデモート「チャンピオーーーーーーーーーン!!?!???」
ロン「ですよねー」
ハーマイオニー「そうよねー」
ネビル「やっぱりねー」
ジニー「予定調和ってやつだね」
ハニー「……セドリック!」
395:
ですよねー
396:
まあそうなりますよねー
398:
ですよねwwwwww
400:
安心のセドすぎる
406:
ギャアアアアアアアアアアアアアアアア!?!?
 ワアアアアアアア!?!?!?
ゴアー!!!
ゴシャアアアアアア!!
ヴォルデモート「貴様! チャンピオン!! いつから!!!」
セドリック「割と最初からですよ、我が君」
ヴォルデモート「〜〜っ!! こいつの処置は!! 服従は!!!貴様に任せていたはずだな!!!!ワームテール!!!!」
ワームテール「ヒィイッ!!すみません、すみません、申し訳ありません!!!」
ヴォルデモート「どういうことだ!? 貴様、裏切ったのか!!!!!いいや!貴様の腕は、貴様が裏切ろうと少しでも思った瞬間に――貴様を――殺、す」
ワームテール「すみません、すみません我が君!だけど、私、私、私は!!」
ヴォルデモート「――貴様――ワームテール」
ワームテール「僕は――愛されたかったんだ――だって!このままじゃ、死んでも一人ぼっち!だから!すみません!我が君!!」
ヴォルデモート「貴様――『裏切っているという感覚』すら、ないのか!?!?!? ワームテール!!!!!どこまでも、どこまでも下衆な、お前!!!俺様がここまで言うの相当だぞ!!!貴様!!!!!!!!」
ワームテール「ごめんなさい、ごめんなさい、自分大好き!」
ハニー「は、ハハッ……やってくれるじゃない!ぺティグリュー!」
リーマス「あぁ、何せジェームズを欺く勇気がある男だからね、あれで」
418:
ヴォルデモート「〜〜〜っ!チャンピオン!ディゴリー!」
セドリック「ハニー、騙してしまってごめん。でも僕――君のために何が出来るか、って」
ハニー「いいのよ、セドリック。信じてたわ……わたしの力になるために、そうでしょ?」
セドリック「ハニー……」
ヴォルデモート「聞け!!!! 貴様!!貴様!!!あの闇の生物どもを、知能ある生き物どもを!!!それでは、どうやって手懐けた!?」
セドリック「どうやって、って言うのは?」
ヴォルデモート「俺様のよこした 闇の魔術製品を使っていないのならば! 俺様の側につけば褒美を与えることを伝えていないのならば!!どうやって、あの生き物たちを……!」
セドリック「そんなの、単純な話じゃないか」
ザザザッ
セドリック「説得したんですよ、みんなで」
ジャスティン「ハニー!ハニー!遅れてごめんよ!ヒンヒン!」
アーニー「あぁ!君が一度死んだと聞いたときはどうなるかと!ヒンヒン!」
ハンナ「ハッフルパフの皆は無事!?みんなで、戦うんだから!」
ハニー「!ジャスティン、アーニー、ハンナ!ハッフルパフの、みんな!!」
組分け「よいしょ、よいしょ、っと!やあやあ、これはこれは。実にハッフルパフらしいねえ!」
425:
セドリック「僕達はみんなで手分けして、魔法生物たちの説得をしていった。僕が死喰い人のその役目にい続けたのは、鉢合わせしないようにするためだ」
セドリック「何度も何度も、足を運んで」
ジャスティン「言葉が通じないときは、僕らのハニーを想うヒンヒン!で」
アーニー「ブロマイドもたくさん持ち歩いてね!」
ハーマイオニー「あぁ、あの集団のことだったのねさっきの……」
ヴォルデモート「有り得ん まさか 殺戮や血の約束もなしに――」
グロウプ「そこです!!第ニ班、引いて!!よし!!第三班!!投擲用意!!」
巨人「オ オ オ オ オ オ オ オ オ !」
巨人「オ オ オ オ ア ア ア ア ア ア ア ア ! !」
ヴォルデモート「巨人や、血に飢えた連中を説得できるはずがない! 何をした! どんな手段を!」
セドリック「ただ、何度も。何度も何度も」
セドリック「何度つっぱねられても。時に襲われても。何度でも、何度だって。説得しただけですよ」
組分け「――ハッフルパフに行くならば」
ジャスティン「僕らには、誇れるものがなかった!でも!」
組分け「――君は正しく忠実で」
アーニー「心を込めて、粘り強く、説得することだけなら!」
組分け「――忍耐強く、真実で」
ハンナ「私たちだって、力になれる!そう思えば!」
組分け「――苦労を苦労と思わない」
セドリック「だって、僕達は――ハッフルパフ生だから!!!!」
組分け「さあ、とりたまえ!セドリック・ディゴリー!この杯で!仲間と祝杯を上げるのだ!!」
カランッ
ヴォルデモート「あぁ あぁ ぁあああああああああああああああ!!!!!」
426:
興奮とまらない…!!
ヒンヒン!!ヒンヒン!!
435:
ヴォルデモート「どいつも、こいつも!!」
ヴォルデモート「ふざけおって 目にもの見せてやる!」
ヴォルデモート「目にもの見せてやるぞ ポッター!」
ハニー「うん」
ヴォルデモート「恐怖だ 貴様ら全員 恐怖の海に沈めてくれるわ!!」
ヴォルデモート「冷たい 凍てつくほどの恐怖! 身を裂き、溺れ死ぬほどの恐怖に!!」
ヴォルデモート「来い!!!! 吸魂鬼集団!!!
吸魂鬼 吸魂鬼 吸魂鬼吸魂鬼 
吸魂鬼 吸魂鬼   吸魂鬼吸魂鬼吸魂鬼
吸魂鬼 吸魂鬼   吸魂鬼吸魂鬼吸魂鬼
吸魂鬼 吸魂鬼 吸魂鬼吸魂鬼 
ハニー「……」
ヴォルデモート「どうだ ポッター すさまじい数だろう」
ヴォルデモート「やってしまえ!!吸魂鬼!!!!!!!」
死喰い人s「「「「「わーーーー!俺達が襲われるーーーーーー!!」」」」
ヴォルデモート「ああああああああああああああああ!! あああああああああああああああああ!!!」
「吸魂鬼たちは、随分昔から私の思念を吸っていましたからねぇ」
「ふん!ヒンヒン鳴いてるのは軟弱だな!みろ、俺が鍛え上げた奴らはガッシリ頭ホールドしてキス執行してるぞ!」
ハニー「……やっぱり、あの時の吸魂鬼の様子がおかしかったのは、あなたたちのせいね」
ハニー「いいえ。おかげ、ね!ありがとう!」
ハニー「クィリナス!!! バーティJr!!!」
クィリナス「ヒンヒン!とんでもない!ハニー!私の光!ハニー!あ、どうも元ご主人様。謀反ものでーす」
バーティJr「おらお前らあああああ!!ハニーが俺らに笑顔むけたぞこらああああああ!! どーもー」
ヴォルデモート「殺しとけばよかった!!!!! 殺しとけばよかった!!!!!!!!!!!!!」
436:
吸魂鬼wwwwww
さすがwwwwwwwww
445:
ヴォルさん人望なさすぎ…
449:
ハニー、人徳あり過ぎwww
450:
ハニー「もう諦めなさい。わたしが何もしなくても、あなたたちは負けるわ」
ハニー「わたしの力が わたしの愛に、あなたは負けるのよ」
ヴォルデモート「ほざけ ほざけ、ポッター!」
ヴォルデモート「ドロホフ!!ヤックスリー!!!動け!!奴を、生意気が言えない状態にしてやれ!!!」
ハニー「!」
ドロホフ「――死の力がなくとも」
ヤックスリー「痛めつけるのは得意だぞ」
ベラトリックス「迎撃はおまかせください我が君!おら!!!おら!!!!!近寄んな!!!お前達は黙ってそこで!!!ポッティちゃんが滅茶苦茶にされるのを見とけ!!!!」
モリー「この目狐!!!」
ハーマイオニー「いつかの借りを返してやるわよ!!この!!どいて!!!」
ロン「まぁまぁ、ママ。ハーマイオニー。大丈夫だって」
ハーマイオニー「何言ってるの、ロン!あっちで、ハニーガ……」
ロン「そういうことさ。ようやく、ハニーがそれらしいピンチになったんだぜ?ここで出張るのは……僕らじゃないだろ?な?空に瞬く一等星も言ってるよ」
460:
ドロホフ「観念しろ、ポッター」
ヤックスリー「お前の仲間は多いようだが――本当、ドン引きするくらい多いようだが」
ドロホフ「そうだ、オーバーキルだろいい加減にしろと言うくらい多いが……そのせいで、お前を庇うのにも味方が邪魔して動きがとれないと見える」
ヤックスリー「この人ごみと喧騒を、呪いと呪詛の中を潜り抜けてここに辿りつく者は、もういない」
ハニー「……わたしは信じてるわ」
ドロホフ「ぬかせ!!!『ロコモーターモルティ――」
ヤックスリー「そんな都合のいいことが、あってたまるか!『ステューピ――」
タタタタタタタッ!!!
 バッ!!ポンッ!!
バチバチバチバチバチバチバチッ!!
ハニー「……ぁ」
「なんだ?都合のいい話?それなら私が、適任じゃないか」
ドロホフ「!?この、男……!」
「そうだ。私は、ハニーにとって都合のいい男でね。この子のためなら、全てを賭ける」
ヤックスリー「……そうして死んだと、聞いていた!!」
「そうだ、死んださ。そして戻ってきた。ハニーの全てを、今度は貰うためにね」
ハニー「っ、っっぅ!しり、っ、っぅ!!」
ハニー「シリウス!!!シリウス!!!!」
シリウス「やあ、ハニー。元気そうで、何よりだ」
セドリック「」
ジャスティン「せ、セドリック!!セドリックしっかり!!!息をして!!」
アーニー「ポンフリー!!マダムポンフリー!!!セドリックが立ちながら気絶しましたーーーーーーーー!!!」
461:
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!
463:
おいたぁぁぁぁぁん!!!
465:
キタ━━━ヽ( ゚∀゚)人(゚∀゚ )メ( ゚∀゚)人(゚∀゚ )メ( ゚∀゚)人(゚∀゚ )ノ━━━!!!!
シリウスぅぅううううううううう!!!!!!
467:
おいたーーーーーーーーーーーん!!!!
471:
おいたーーーーーん!!!
セドリックは…うん、ドンマイ…。強く生きるといいよ。
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