撫子「私の彼女。」back

撫子「私の彼女。」


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1:
ここでは彼女さんをかの子と呼ぶことにします
撫子「はー……ねむ」
ほどよく暑さもおさまってきた、秋の朝。
受験まで一直線といっても、まだまだまったり気長にいられる、そんな時期。
信号待ちの撫子は、けだるい目をあげて、交差点の対岸を眺める。
いつも通りの場所、いつも通りの時間。
彼女は待っていてくれる。
2:
かの子「撫子さーん!」
青に切り替わるとともに、こちらに笑顔で近づいてくるその子。
かの子「撫子さん、おはよっ」ニコッ
撫子「ん、おはよう」
私の、彼女。
7:
かの子「撫子さん、今日も眠そうだねっ」
撫子「まあねー。金曜だし」
かの子「あたしね、撫子さんの顔で、曜日がわかるようになってきたかも!」
撫子「そりゃすごい」
かの子「撫子さん、いつもお家で大変なの?」
撫子「そうだなー、大変なときもあれば、そうじゃないときもあるよ。手のかかる子がいるからね」
かの子「そうなんだぁ……」
8:
撫子「あのさ、かの子」
かの子「?」
撫子「いつも、そこで待っててくれたりするの?」
かの子「えっ! そ、そんなことないよ??私がくるときには、ちゃんと撫子さんも来てくれるんだから。ちょうど同じタイミングなのっ!」
撫子「ふふ、そうかい」
この子は嘘が下手だ。
今までそんな、人に待っててもらうとか、そういうことをされたことはなかった。
ちょっと申し訳ないような、でも嬉しいような。
撫子(次からは、電車一本早めるかね。)
9:
――――――
「撫子さんっ……私と、お、お付き合いしてくださいっ!!」
あのときはまだ、そんなに彼女のことを知っていたわけではなかった。
いつも笑ってて、見てるこっちがあったかくなるような、頑張り屋さんの女の子。
そんな笑顔を、もっと見てみたいな、なんて思って。
「よろしくね。」
手を取った。
今その笑顔は、私に向けられている。
この子がいるから、私も学校にきてるようなところはあった。
今日もまた、笑っていてね。
14:
ーーーーーー
かの子「撫子さん、あのね?」
撫子「ん?」
かの子「さっきの話、家で大変って言ってたでしょ?だからね、その‥‥考えてみたの。」
昼休み。
彼女はもう当然のように私の机にくっつけて、その可愛らしい包みをほどきながら言った。
かの子「なっ、撫子さんの家、泊まりにいっていいっ?」
撫子「えっ」
18:
かの子「ほら、明日土曜で学校無いし、撫子さんがお家でどんなのかーとか、まだ私知らないから。」
撫子「‥‥‥‥」
かの子「私、撫子さんのことをもっとよく知りたいの!まだお家に行ったこともなかったし‥‥ね、ダメかな?」
相変わらず、この子はちょっと遠慮しがちに見えて、ストレートだ。
声のボリュームが少し大きいことにも、気づいていないのだろう。一瞬、周りの生徒たちがこちらを見ていた。
‥‥なかなか恥ずかしいことを平然と言ってくれる。まあこの子にとっては、そんなの恥ずかしいともなんとも思ってないということか。
だとしたら、本当に私のことをよく知りたいとってことにはなるが‥‥
21:
かの子「ダメ…かな……?」
撫子「そ、そんな顔しないでよ」
この子とは普段メールで毎日のように言葉を交わしてはいるのだが、確かにお互いの家に行ったことは無かった。
二人とも、家が結構離れているのだ。
でもこんなこともいつかはあると、予想はしていたし。
撫子「…いいよ。今日終わったら、すぐに帰って準備しな?駅で待っててあげるからさ。」
かの子「ほんと……?」パァァッ
撫子(うっ……///)
かの子「やったあ!撫子さん、ありがとう!」
この顔にも、私はどう応えていいのかまだよくわからない。
24:
うれしそうに弁当をつつきだすかの子。
撫子は少し気にかかっていた。
撫子(私のこと苦労人みたいに思ってるみたいだけど……そんなでもないぞ実際。)
単純に、朝は眠いだけだったのだが。
撫子(余計な心配かけちゃってるかな……)
そして、もうひとつ気にかかること。
撫子(なんで私は、すぐに「いいよ」って言ってやれなかったんだろう)
悪いことなんて何もなかった。
むしろ、少し嬉しいくらい。
なのに、
撫子(私が100%歓迎できない理由は……何?)
心の中の、この感じは何?
26:
ーーーーーー
撫子「うちにはうるさいのが二人いるぞ?」
かの子「知ってるよ?櫻子ちゃんと、花子ちゃんでしょ?」
撫子「あれ、いつ説明したんだっけ…」
よくわからないモヤモヤが解けないまま、結局家の近くまできてしまった。
他人を家に入れるなんて久しぶりだ。
それに、泊まらせるなんて……始めてじゃないか?
何故か、いつもの帰り道が違うように感じる。
となりにこの子がいるだけで。
28:
撫子「た、ただいまー」ガチャ
花子「あ、おかえりねーちゃ
かの子「ただいまーっ!」ニコッ
花子「…………」
正直びっくりした。
え、そういうのなんだ、というか。
気合入ってんの?というか。
花子は少しそわそわしている。
撫子「あ、あのさ花子……」
かの子「こんにちは!」
31:
花子「こっ、こんにちは……」
かの子「かわいいっ!撫子さんにそっくり!」キラキラ
花子「えっ、なっ、なんだし……」
撫子「あー花子、今日このお姉ちゃんが泊まることになったんだ。」
何か焦っている自分がいる。
その心情はだんだんと形作られていく。
32:
花子「そ、そうなんだ……わかった……」タタタ……
かの子「わっ、行っちゃった」
撫子「あー、入んなよ。あの子ちょっとびっくりしてるだけだからさ。」
かの子「お邪魔しまーす。ねえねえ、撫子さんの小さい頃がわかった気がする!」
撫子「そ、そう?」
かの子「わかるよ!花子ちゃんにそっくりだったと思う!」
撫子「あはは……」
いつにも増したテンションのかの子。
撫子は部屋へ案内する。
花子「なんだしアイツ…………!」
33:
撫子「荷物、その辺でいいよ。今日寝るときも、たぶんここになると思うけど……いい?」
かの子「ここが……撫子さんのお部屋……」
撫子「あのー、かの子さん?」
かの子「あっ!うん!光栄です!」
撫子「…そうですか。」
さっきから目がキラキラしっぱなしだ、この子は。
35:
改めて、自分の部屋を見てみる。
そんなに変わった所はない、至って普通の部屋だとは思うが……
かの子「この部屋……撫子さんっぽい!」
撫子「……なるほど。」
どういうことだ。
37:
撫子「とりあえず、まずは勉強でもする?」
かの子「そうだねー。ご飯の用意とかはいいの?」
撫子「ああ今日は……」
今日の当番は……櫻子。
撫子「買い物いこう」スクッ
かの子「え?勉強は?」
撫子「さ、先に買い物だった。忘れてた」
かの子「うそっ?それなら帰りに買ってくればよかったねー。撫子さんもこうなっちゃうことあるんだー」
撫子「まあ、うん……」
38:
人様が来ているのに、櫻子の料理を出すのは……申し訳ない。
それに、今は本当に余り物しか家に無いのだ。大きな何かを作るのには…たぶん足らない。
そんなの現状を、なんというか……知られたくなかった。
撫子「食べたいものとかある?」
かの子「そんな!いつも通りで全然いいんだよ?」
撫子(なんというか……そんなわけにもいかないんだよ。)
モヤモヤが、形作られていく。
40:
――――――
ガチャ
向日葵「そんなことじゃ、今度のテストも失敗しますわよ?」
櫻子「うるせーおっぱい魔人!」
いつも通りのやりとりを繰り広げてる妹たち。
撫子「おう、ひま子。」
向日葵「あ、撫子さん……と」
櫻子「えっ」
かの子「こんにちはっ!櫻子ちゃん!」ニコッ
44:
櫻子「お、うおお……どちらさま?」
かの子「私は、この撫子さんとお付き合いさせ
撫子「友達だよ。今日はこのお姉さんが泊まることになったから。あと、今日の当番あたしやるよ。」
かの子「え、ええっ?ちょっと撫子さん……」
撫子「い、いこうか。」ぎゅっ
かの子「わっ!撫子さんが手を……!」
47:
向日葵「櫻子、誰ですの?あれ」
櫻子「えー……あ、あ!ねーちゃんの彼女だ!!」
向日葵「え!?あの人が?」
櫻子「絶対そうだよ!ねーちゃんちょっとおかしかったもん!」
向日葵「撫子さんの割には、なんというか……げ、元気な方ですわね。」
櫻子「うぇー初めてみたぁ……」
49:
かの子「ちょっと撫子さん、紹介くらいさせてくれてもー」
撫子「あ、ああ急がないと夕飯遅くなっちゃうからさ」
わかってる。
この感じは。
かの子「撫子さん、顔ちょっと赤いよ?」
撫子「!」
恥ずかしい。
私がこの子に見せる部分を、一気に拡げているのが。
50:
撫子「そ、そうかな」
かの子「うんうん。熱でもあるの?」ぴとっ
撫子「あ……!」
かの子が手を額に当てる。
熱なんかないよ。
かの子「あ、撫子さん恥ずかしいの?」
撫子「な、何が?」
変なとこ鋭い。
52:
撫子「それよりさ、何か食べたいもの、言ってよ。大抵のものは作るから。」
かの子「んーん。いつも通りでいいの。撫子さんが思うままにやってみて?」
撫子「えー、じゃあ…………」
撫子「普通に、野菜炒めとかでいっか。」
かの子「うん!いいよ!」
撫子(これなら、まだ今の余り物でもできたんだけどね……)
53:
適当に買い物を済ませる。
買い物の間も、かの子は食材の選び方とか、いろんなところを見てくる。
途中、いつも会う近所の知り合いの人とかに、かの子のことをどう説明していいのかがわからないような事態とかいろいろあったけど、なんとか早めに済ませることができた。
撫子(な、なんか疲れた……)
55:
――――――
ガチャ
花子「櫻子見た!?さっきの!」
櫻子「は?ねーちゃんの彼女?」
花子「あっ…あれがねーちゃんの……?」
櫻子「何?花子もう話とかしたの?」
花子「そんなのするわけないし……!」
櫻子「なんか今日泊まるらしいねー。私当番忘れてたけど、今日はねーちゃん達が作るからいいらしいよ?やったね」
花子「な、何それ急に……」
櫻子「? どした?」
花子「なんでもないし!!」バタン
58:
ガチャ
撫子「ただいまー」
櫻子「おお、おかえりー」
撫子「今日野菜炒めでいい?」
櫻子「あーまあなんでもいいけど……って……」
かの子「櫻子ちゃん……」ニコニコ
櫻子「あー、なんですか?」
59:
かの子「あれ?さっきいた子は?」
櫻子「ああ、あれは隣に住んでる向日葵っていう……」
かの子「ああ!あの子が!」
櫻子「えっ!知ってるんですか?」
かの子「前に撫子さんが言ってた気がする!」
撫子(あ、あれ、そうだっけ……?)
櫻子「ねーちゃんそんなことまで言ってんの……?」
撫子「…………」(全然覚えてない……というかよくそんなことまで覚えてるな)
60:
かの子「櫻子ちゃんと、すごく仲がいいんだよね!」
櫻子「そ、そんな……!向日葵とは、ただの幼馴染ってだけですよ!?」
かの子「うんうん。櫻子ちゃんも、やっぱり撫子さんに似てるね。」
撫子「あ、ああそうですか……」
撫子「…………」
61:
その後もかの子は料理を手伝いながら櫻子にいろいろ質問したりしていた。
あんまり変なこと言わせないように気をつけながら、手早く用意を進める。
撫子「あれ、そういえば花子は?」
櫻子「え?部屋じゃない?」
撫子「そっか、ちょっと呼んでくるね。」
62:
トントン
撫子「花子?ご飯だよ」
花子「ねーちゃん……」
撫子「?どうかした?」
花子「あれがねーちゃんの彼女さんなの…?」
撫子「!…ま、まあ、そうかな」
花子「」
64:
一同「いただきます。」
櫻子「うおっ!味噌汁うめえ!」
かの子「わっ!ありがとう、それあたしが作ったんだよ?」
櫻子「ねーちゃんより美味いかも」
かの子「えーそんなー撫子さんにはまだ遠く及ばないよぉ…」
櫻子「いやほんとに」
撫子「………」
65:
なんだか、おかしな気分。
さっきみたいな熱さはどこかに行ったけど、まだこそばゆい。
でも、こういうのもたまにはいいかもしれない…。
撫子「花子、どした?」
花子「ん……」
かの子「花子ちゃん、どうかな?」
花子(美味いし……)
67:
花子「ふっ、普通だし!ねーちゃんの方がうまいし!」
撫子「はっ、花子……!」
かの子「あらそう?ふふふ……」
かの子「花子ちゃんのその、『?だし!』って、可愛いね!」
花子「!?」ボン
櫻子「お?どした花子」
69:
夕食も終わり、先に花子と櫻子を風呂に入らせてる間に、勉強を進める。
撫子「なんか、いろいろありがとね。今日は」
かの子「んーん、気にしないで? それより…こっちこそごめんなさい。急に押しかけたりしちゃって…」
撫子「いや、そんなの別に大丈夫だよ。」
かの子「わたし、嬉しくなっちゃって、はしゃいじゃって。ちょっとしつこかったりしてたよ。」
撫子「そ、そんなことないよ!」
かの子「!」
72:
撫子「今日、来てくれて、その……嬉しかったし……」
かの子(! あらあら。)
撫子「私も、今度そっちの家とか、いってみてもいいかな?」
かの子「ふふふ、構わないですよ?……さてと。」
74:
かの子「そろそろおいとましますか!」
撫子「……え?」
かの子「まだ電車もあるし、今日はやっぱり帰ります。」
撫子「え?そうなの?」
かの子「うん。今日は…そっちの方がいいんだ。泊まりも楽しいと思うけど…それはまた今度にしよ?」
薄々気づいてた。
76:
やっぱり、いつも通りが急に崩されると、みんな少し大変に感じちゃうことくらい。
特に花子なんて。
それに気づいてくれてるから、たぶん今日は帰るのだろう。
そういう所にも、気を回してくれる子だ。
かの子「ありがとね?じゃあ、また。」
撫子「……うん。」
79:
かの子「でも今日きて良かった。いろんな撫子さんが見れたよ。」
撫子「そう。そりゃ良かった」
かの子「櫻子ちゃんたちにはよろしく言っておいて?それと……あ」
花子「…………」ジッ
撫子「花子……」
かの子「花子ちゃん、じゃあね。お姉ちゃん今日は帰るね。」
花子「………!」
82:
ガチャ
かの子「それじゃ、また月曜日。」
撫子「うん。」
かの子「ばいばい?花子ちゃん。」
花子「……た…」
撫子「?」
花子「また……来てね……///」ボソッ
かの子「!」
かの子(本当にそっくり。)
かの子「またね、花子ちゃん。」
ーーーー
ーーー
ーー

84:
駅まで送ろうかとも思ったけど、その背中は「大丈夫」と言っているようにも見えた。
撫子「はー……」
ちょっとした安堵と、惜しい気分。
でも今日は、これで良いんだと思った。
今度は、私が行く番だな、と。
花子「ねーちゃん……」
撫子「? どした?」
85:
花子「はっ、花子も料理練習するし!」
撫子「……?」
花子「花子の方が絶対うまくつくれるし!」
撫子「ふふ、そうか。」
花子「次来た時は負けないし!!」
櫻子「何?何が?」
?fin?
86:
おつ
8

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