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【閲覧注意】友「お前ギターな」男「弾いた事ないよ!!」


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1:
教室
男「…」シャカポコシャカポコ
男(あぁ…いいぞ)
男(やっぱり男は黙ってロックを聞くに限るなぁ)ニヤニヤ
「ちょっとぉまた男の奴一人で笑ってるんだけどぉ」
「いつも音楽聞いててキモイよな」
男(う…クラスメイトの視線が痛い…)
元スレ
友「お前ギターな」男「弾いた事ないよ!!」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1407387937/
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2:
数学教師「……でここがこうなると」
数学教師「男!答えは何になる!!」
男「は、はい!!?」
男「……分かりません」
数学教師「やる気がないのなら帰れ」
ギャル「キャハハ!!」
DQN「帰れだってよ!!」
ドッ わはははははは…
男「……」
男(ここは僕の居場所じゃない…)
3:
放課後
男(今日は最新シングルが発売される日…)
男(早く買いに行かなきゃ…)ダッ
友「待てよ」
男「は、はい!?」
友「……お前いつも何聴いてんだ?」
男「…えーと」
友「音楽だよ」
友「後ろの席からいつもイヤホンが見えてんだよ」
男(どうしよ……後ろの席にいるヤンキーじゃないか)
男「…バンドです」ブルブル
友「そうか」
4:
友「古今東西ゲ〜ム」
男「は?」
友「バンドのギタリストな」
友「ミッシェル」
男「あ、アベフトシさん」
友「パンパン」
男「…?」
友「パンパン」
男「えと…」
友「次は、お前だよ」
男「は、はい!」
5:
男「じゃ、じゃあワンオクロック」
友「まーた流行りのバンドかよ…」
友「Toru」
男「…ぱんぱん」
友「ナンバガ」
男「田渕ひさ子さん!」
友「ぱんぱん」
男「ギタリストだから…ラルク!」
友「ken」
男「ぱんぱん」
友「BO**WY」
男「布袋寅泰さん!」
ぱんぱん
ぱんぱん
ぱんぱん
6:
夕方 教室
友「お前やるな…なんて名前だっけ」
男「お、男です」
友「そうか」
男「あ、あの…」
友「友だ」
男「あ、はい…」
男「あの…なんで僕と古今東西ゲームを?」
友「暇だったから」
男「そ、そうですか」
男「ちょっと用事があるんでまた…」タタッ
友「おう」
7:
CDショップ
男「ふう…なんだったんだろう」
男「……でも初めてクラスでまともに喋った」
男「意外とギタリストをあげるのは難しかったな…」
男「明日はベーシストでやるとか言われるのかな…」キョロキョロ
男「あ、あった!!」
バッ
男「あ、すみません」
友「…」ジーッ
男「あ、友くん…」
8:
友「こいつらの曲なんか耳に残るんだよなぁ」パッ
男「いいですよね!!」
友「いや俺はもっと重たい感じが好みなんだけど」
友「色々な曲聞きたいじゃん」
男「分かります!」
友「CMでロックが流れるとおっ?ってなるの分かる?」
男「うん!」
友「お前面白いな」フフ
9:
アリヤッシター
友「金持ってるなぁ」
友「明日そのシングル貸してくれよ」
男「いいですよ!」
友「タメだろ…敬語使わないでくれ」
男「あ、うん…分かった!」
友「よし!」
友「それやっぱ僕のもの〜」
男「い、意外と音痴だ…」
友「明日借りて聞くからすぐ直るわ」
男「あはは…」
友「またな〜」フリフリ
男「うん!また明日!」
10:
男の家
男「それやっぱ僕のもの〜♪」
妹「お兄ちゃんが機嫌良く歌ってる!!」
父「どうしたんだ何かいい事あったのか?」
男「な、なんでもないよ!!」
妹「ふぅん…あ!ゲス乙女じゃん!」
妹「最近流行ってるんだよね〜」
妹「お兄ちゃん貸して!!」
男「いいけど明日貸さなきゃいけないからすぐ返してよ」
妹「え!!?」
父「お前…遂に友達が出来たのか!!」
母「まぁっ!今夜は赤飯ね!!」
11:
男「そんな大袈裟な…」アハハ
妹「お、女の子でしょ!!」
男「違うよ、男」
父「なら連れてこい!」
母「そうよ〜一緒に晩御飯食べて貰いましょっ」
男「…うーん誘うだけ誘ってみるよ…」
妹「写メは!?」
男「ないよ」
妹「クソーイケメンなの!?」
母「こらこら男が困ってるじゃない」ウフフ
男「あはは…」
12:
出てくるミュージシャンの時系列とかテキトーだから気にしないで

男「ふぅ…」
男「まさか友くんと喋るなんて…」
男「しかもバンドの話」
男「…金髪でビジュアル系っぽいからもっと激しいの歌いそうなのに」
男「まさかゲスの極み乙女。を歌うなんて」アハハ
男「あー明日が楽しみだな…」
13:
翌日
男「……」
友「よっ」
男「あ、おはよう友くん」
友「CD持ってきてくれた?」
男「うん!」ハイ
友「おーサンキュ!」
友「ドラマで流れてたから気になってたんだよなぁ」
男「有線でもよく流れてるもんね」
友「そうそう!どんな歌詞だよって思わず突っ込んだ!」
アハハ…
ギャル「なーんか調子乗ってるー」
DQN「男のくせに友と仲良く喋りやがって…」
14:
体育
体育教師「はいお前ら2人組作れ〜」
男「恐怖の呪文だよそれ…」
友「男!俺と組もうぜ!」
男「え!いいの?」
友「女ばっか寄り付いてきて男は誰も組んでくれないんだよ」
男「じゃあ組もう!」
友「古今東西するか?今度は洋楽のギタリストで」
男「今は授業中だよ…しかもそう来たか…」
DQN「ケッ…」
15:
昼休み
男「そうだ友くん」
友「あ?」
男「家族が君を連れてこいって言っててさ」
男「良かったらだけど晩御飯でも食べに来ない?」
友「お、いいのかよ行く行く!!」
DQN「おい男…ちょっと面貸せや…」パキポキッ
男「ひっ…ちょっとごめんね友くん…」トボトボ
友「…」
16:
校舎裏
DQN「なーに調子乗っちゃってくれてんの?」カベドン
男「ごごご…ごめんなさい」
ギャル「ちょっキモイんだけどー」
ギャル友「ガチ泣きしそうじゃーん」
DQN「いいから出せよ」
男「……」
DQN「今日クラブ行きたいけど昨日カラオケオールしちまったから金がねぇんだわ」ヘヘヘ
ギャル「あたしらも連れてってよ!!」
ギャル友「行きたい行きたい〜」クネクネ
友「男!案外そいつ弱いから思いっ切り殴ってみろ」
男「友くん!!」
DQN「チッ」
17:
ギャル「ちょっとぉ〜逃げるの?」
DQN「…どうせはした金しか持ってねぇだろ」
ギャル友「あ〜ん待ってぇ」クネクネ
男「あ、ありがと」
友「おう CD貸してくれた礼だ」
友「ちなみにアイツ喧嘩マジで弱ぇから」
男「え…DQNくんとしたことあるの?」
友「一発殴ったら尻尾まいて逃げてったぜ」ケラケラ
男「凄いや…」アハハ
18:
夕方 男の家
男「ただいま〜」
友「チーッスお邪魔してます」
妹「キャーッイケメン///」
母「あらあらいらっしゃい」
母「お父さんもうすぐ帰ってくるから部屋で待ってて」
妹「お兄ちゃん私も部屋に行く!!」
男「えー…友くん妹がいても平気?」
友「気にしないぞ」
19:
男の部屋
友「おいおい凄いな…」
友「一体どれだけ集めたんだよこのCDの山!」
男「僕の部屋は2000枚ぐらいだよ」
妹「床下収納にも同じぐらい入ってるよね」
友「本当に凄いな!俺お前んちに入り浸りたいわ」
男「いいよいつでも来て」ニコッ
妹「友さんなら私も歓迎するよ!」
友「おいおいブート盤まで集めてるのか!」
男「安いやつだけしか買えなかったけど…」
友「マニアだなぁ」ニヤニヤ
友「飯の時間になるまで古今東西やろうぜ!」
男「好きだねそれ…」
20:

母「ご飯よー降りてきなさい」
妹「はーい」
男「アイドルの緑とか僕でも全然分かんなかったよ」
友「俺なんてモー娘。とAKBぐらいしか知らねぇよ…」
妹「もう時代はアイドルだよ!」
妹「それにソナポケやmiwaもいいんだから!」
友「悪いが興味ねぇわ」ゲッソリ
男「あはは」
21:
食卓
父「君が友くんかぁ」
友「いやぁどもっす」
男「そんな彼女みたいに言わないでよ」
母「うふふお父さんも嬉しいのよ」
妹「お兄ちゃんにこんなイケメンの友達が出来るなんて私も思わなかった」
友「どんだけ褒めるんだよ」
父「まぁゆっくりしていきなさい」
友「はい!あざっす!」
22:
深夜 玄関先
友「遅くまで邪魔したな」
男「いいよ、家族も喜んでたし」
友「男のお袋さん料理上手だったぞ」
友「また食べたいわ」
男「うん!母さんも喜んで作ると思うよ!」
友「へへ…じゃ、また明日な〜」
男「バイバーイ」
男「…友くん家にもお邪魔したいな」
男「今日は遅いからもう寝よう」
23:
次の日 帰り道
男「今日は友くん家にお邪魔していい?」
友「えー、まぁいいけどよ」
男「じゃあお邪魔させていただきます」
男「そうそう、母さんが友くんにって」ハイ
友「マジか!ハンバーグじゃん!」
男「友くんが料理美味しかったって言ってた事伝えたら作ってくれたんだ」
友「はやく俺んちで食おうぜ!」タタッ
男「ま、待ってよぉ!」
24:
友の家
男「え…ここの豪邸友くんの家だったの!?」
友「あ?そんな有名なのかよ」
男「この町一番の豪邸だから町中の人が知ってると思うよ」
友「…そんないい家じゃねぇよ」
男「庭にドーベルマンがいっぱいいる時点で凄いんだけど」
男「ふ、噴水まである…」
男「まるでホワイトハウスだよ」
友「見たことあんのかよ」
男「ううん」
友「面白いな男はww」
25:
メイド「おかえりなさいませ坊っちゃん」
男「本物のメイド!?」
友「今日はダチが来てっからやめろよ…」
メイド「いえいえ客人をもてなすのが私の仕事ですので」
男(友くん僕の事友達って思ってくれてるんだ)
友「まぁ菓子ぐらいは用意してくれ」
メイド「かしこまりました」
友「さ!行こうぜ俺の部屋に」
男「うん!メイドさんありがとうございます!」
メイド「ふふ」ニコッ
26:
友の部屋
男「これが部屋なの?」
友「あーまぁな…」
友「広くて落ち着かねぇよな」
男「うん…二人でもちょっと寂しいよね」
友「いつも俺一人で面白くないから嫌なんだよな」
男「御家族は?」
友「海外を飛び回ってるよ」
男「あ、ごめん…」
友「死んでるとかじゃないから気にすんなよ!」
友「それよりハンバーグ食おうぜ!」
男「うん!」
27:
友「美味かった!やっぱり男のお袋さんは料理上手だな」ゲプッ
男「なんだか僕まで照れるな///」
友「そうだ!男!こっち来いよ!」
男「え?うん!」
地下スタジオ
男「凄い…」
友「一通りバンドで使う楽器が揃ってるだろ」
友「まぁ俺は主にギター弾くだけなんだけどさ」ガチャガチャ
男「うわぁレスポールだ!」
キィィィィィィンッ
男「うっ」
友「あぁわりぃわりぃ」
友「アンプのノイズ音が好きでさ」
友「いつも電源入れてからシールド差しちゃうんだ」
28:
http://www.youtube.com/watch?v=v6HDsPzdHC0
友「〜♪」
男「aerosmithだね」
友「簡単過ぎたか」
男「凄い上手だよ」
友「ばっこんなんまだ簡単な方だぞ」
http://www.youtube.com/watch?v=S1i5coU-0_Q
男「チャックベリー!」
友「流石だなぁ」
男「マイクもあるんだ」
友「お、歌ってみるか?」
29:
男「え、いや大丈夫だよ」
友「遠慮すんなって!ほれ、何が歌いたいんだ?」
友「パンクとかなら大体はすぐ弾けるぜ」
男「…えーっとじゃあ」
http://m.youtube.com/watch?v=zxzw6T1ukyI
男「 It all keeps adding up
I think I'm cracking up
Am I just paranoid
Or am I just stoned? 」
友(音感がいいな…)
友(日本人はなかなか洋楽のメロディに合わせて音程を合わせるのが出来ないが)
友(コイツはなかなか様になってるな)
男「 Grasping to control
So I better hold on!!! 」カタコト
友「英語はまるでダメだが」ニヤニヤ
30:
男「はぁ…はぁ…」
友「なんだよ一曲歌ってもうバテたのか」
男「うん…スポーツとか全然やってこなかったからね」
友「ははは…」
友(多分こんなメジャーな曲以外にも沢山知っているだろうなぁ)
友(せっかく音感もいいんだ…)
友(男とならいいバンドが組めそうだな)
友「男…俺とバンド組もうぜ」
男「えええええ!!!」
31:
男「ぼ、僕そんな楽器も出来ないし歌も上手くないよ?」
友「うるせぇ俺が男を気に入ったんだ」
友「高校卒業までに最低でもインディーズデビューしようぜ」
男「む、無理だよそんなの…志高すぎるよ」
友「まぁ冗談だけどさ、とにかくお前と一緒に演りたいんだ!」
男「…僕もギター弾けたら楽しいかな」
友「楽しいだけじゃなく女にもモテるぞ」
男「そ、それは別にいいんだけどさ」エヘヘヘ
友「意外とむっつりだな」
友「とにかく!お前ギターな」ホラ
男「えええええ!弾いた事ないよ!!」
32:
男「こうして僕は友くんと出会いバンドを組む事になりました」
男「僕にはギターも弾けないし歌も上手じゃないのに」
男「いいからやろうと一点張りなんです」クスッ
男「それから地獄の特訓が始まりました」
35:
高校一年 春 おまけ
男「そういえば友くんはお金持ちだよね」
友「まぁそうだな」
男「CD自分で買わないの?」
友「メイドの奴がお金の管理をしててな」
友「普段から小銭を持たせてくれねぇんだ」
男「あー」
男「て事はお弁当作ってるのってメイドさん?」
友「そうだぞ」
男「意外と庶民派なお弁当作るんだね」
友「…中学の時初めてのお弁当が重箱だったんだ」
友「3段あって一番下には伊勢エビが丸々一匹入ってた…」
男「oh…」
友「しかも昼休みにメイドが持ってきて恥ずかしかった」
男「それで普通のお弁当作って貰ってるんだ」
38:
夏 帰り道
友「あーあっちぃ…」
男「もうすぐ家じゃない」
友「まぁな…今日も練習するぞ」
男「うん!」
友の家
男「本当にいいの?このテレキャス高そうだけど…」
友「値段なんか知らねぇけどFenderのだしいいやつだろ」
友「安いギターなんて音が悪いしな」
友「男が貰ってくれよ」
男「うーんちゃんとバイトしてお金稼いで友くんから買うよ」
友「はぁ…まぁ男が言うならそれでいいけどよ」
39:
ジャーン
友「パワーコードは流石に覚えたな」
男「うん!ギターって便利だよね」
友「指の形をそのままずらすだけでコードチェンジ出来るからな」
友「それにマイナーとかテンションとかも気にせず弾ける」
男「ブルーハーツに多そうだね」
友「お!いいじゃん何かコピーしようぜ!」
メイド「どの曲かお決まりですか」
男「夢は?」
http://www.youtube.com/watch?v=MfLlRCc75K4
メイド「ドラマの主題歌でしたよね」
友「え?知らねぇぞ」
男「たまに再放送でやってるよ」
友達「ブルーハーツ主題歌とか面白そうだな、見てみるわ」
40:
男(僕はリアルタイムで見てないんだけど)
男(メイドさんっていくつなんだろう…)ジーッ
メイド「あら男様、私の顔に何か?」ニコッ
男「な、なんでもないですよ!」アタフタ
友「男ぉ〜年上好きかぁ?」ニヤニヤ
友「メイドはもうにじゅメイド「コホンッ」
メイド「楽譜なら用意しました」
男「相変わらず仕事が早いですね」アハハ
友「後で教えてやるよ」
メイド「坊っちゃん…あんな事やこんな事…」
メイド「男様にバラしますよ」
友「ばっそれだけはやめろ///」
男「あはは」
41:
男(メイドさんは友くんに一緒に演奏してほしいからと頼まれ)
男(いつの間にかマルチプレイヤーになってしまったみたい)
メイド「腕が鳴りますね」コキッ
友「メイドはかなり正確にリズムを刻むからな」
友「ドラムのヘタクソさに苦しむ事はないと思うぜ」
ドンッパパパンシャカシャカドンドン
男「い、今の見たらよく分かったよ…」
男「本物の夢を見るんだ
本物の夢をっ見るんだー」
チャンチャンチャチャーン
友「お前ギターは下手だけどやっぱり歌が上手いよ!」
メイド「私もそう思いました」
メイド「心地よい柔らかさの中に芯があり音程もかなり正確…」
メイド「甲本ヒロトさんみたいなしゃがれた声は真似できないみたいですが」
メイド「とてもキレイで透き通っていましたよ」ニコッ
42:
男「えへへ…ありがと2人とも」
友「だが!リズムが全然取れてねぇ!!」
男「そ、それはギター弾きながら歌うなんて全然やったことないんだもん!」
メイド「こればかりは慣れでしょうね」
男「まだまだいっぱい練習しないとね…」
男「ところで友くん…ライブとかってするの?」
友「あーそうだな…学祭は軽音部じゃないと出られないし」
友「何より年功序列制度があるらしいからな」
友「3年生になるまでは出させて貰えないらしいぜ」
男「へー誰から聞いたの?」
友「隣のクラスのチャラ男だよ」
男「軽音部の人なの?」
友「あぁ、そいつはベースやっててな」
友「話しかけたら仲良くなって教えてくれたんだ」
43:
男「そうなんだ!」
男「てことはライブはしばらく出来ないんだね」
友「何言ってんだよ」
友「メンバーを集めてライブハウスでやるに決まってるじゃねぇか」
男「ええっ!!」
友「それにチャラ男はもう誘ってある」
メイド「承諾は得られたのですか」
友「そ、それはまだだが…」
男「僕もチャラ男くんと仲良く出来るかな」
友「少し気難しいやつだけど大丈夫だと思うぜ」
男「うん!楽しみだね!」
44:

友「じゃっまた明日なー」
男「うん!ギター練習しとくよ」
友「DQNとかに取られるなよ」ケヘヘ
男「フラグ立てないでよ!!」
男「あ、明日はバイトだから練習は行けないよ」
友「りょ!まぁ気楽にやろうぜ」
男「友くんは本気だと思うけどな」アハハ…
メイド「気をつけてお帰りください」
男「うん!またね!」
メイド「いいお友達に出会いましたね」
友「馬鹿だけどな」
メイド「私から見たらどちらも同じぐらいですよ」フフフ
友「口減らずが」ケッ
45:
つぎの日
友「今日は男がバイトだからつまんねぇなぁ」
男「ごめんごめん」
友「どこで働いてんだ?」
男「駅前のガストだよ」
友「マジか!今度行くわ!」
男「恥ずかしいからやめてよ」
友「男の好きなメイドも連れてくぞ」
男「す、好きじゃないよ!!」アセアセ
友「そうだ、メイドの歳だけどな」ゴニョゴニョ
男「えー全然見えない!」
男「もっと歳近いと思ってたよ」
友「もうババアなんだよ」ケラケラ
男「そんな事ないよ…じゃそろそろ行ってくるね」
友「おう!行ってら」
46:
ギャル「…本当調子乗ってる〜」
DQN「駅前のガストか…こりゃ行かねぇとな」ニヤッ
夕方 ガスト
店長「この前はじめてだったよね」
男「はい!」
店長「今日は彼と一緒に注文取ってきて貰おうか」
チャラ男「…ウス」
男「男です!よろしくお願いします!」
チャラ男「おーよろしく」
男(なんて名前なんだろう…)
男(ネームプレートつけてないし何だか聞きづらいな)
47:
チャラ男「ハンディは…使える?」
男「入力の手順は危ういですけど…」
男「メニューの場所は全部覚えてきました!」
チャラ男「やる気あるね〜」
チャラ男「俺全っ然やる気ないし適当だから」
男「そうなんですか」
チャラ男「バイトだりぃもん」
男「あはは面白いですね」
チャラ男「そうかー?」
チャリンチャリーン
男「いらっしゃいませー!」
チャラ男「しゃっせー」
48:
DQN「3人な」
男「!!」
ギャル「あれ〜男じゃん!」
ギャル友「なになにここで働いてたのぉ〜?」クネクネ
チャラ男「…こちらどぞー」
DQN「へへへ…」
チャラ男「なに?知り合い?」
男「は、はい…クラスメイトです」
チャラ男「ビビり過ぎだっつーのww」
男「す、すいません…」
チャラ男「どーみても女連れてるだけのヒョロ男じゃん」
チャラ男「俺ならぶっ飛ばしちまうなー」ポキポキ
男(友くんがいたら同意しそうだな…)アハハ
49:
ピンポーン
チャラ男「あ、あいつらか」
チャラ男「まぁ大丈夫だろ、ついて来な」
男「はい…」
チャラ男「お待たせしましたー」ボソボソ
DQN「ポテトフライとドリンクバーな」
チャラ男「ポテトフライとドリンクバー3つですねー」ポチポチ
ギャル「は?ドリンクバーは一つって言ってんのよ」
ギャル友「そーよそーよ〜」クネクネ
チャラ男「お客さん…申し訳ないすけど一人一つ頼まないとダメなんで」
DQN「それぐらいケチケチすんなや」
DQN「いいからそう打てよ?」
チャラ男「…」ポチポチピッ
50:
パントリー
男「ほ、本当にドリンクバー一つで打ったのですか?」
チャラ男「は?んな訳ねーだろ」
チャラ男「そんな事したら俺が店長に怒られるっつーの」
チャラ男「それにあいつらムカつくわ」
チャラ男「絶対人数分払わせてやる」ヘヘヘ
男「わー悪い顔…」
男(でも意外と真面目だなぁ)
バイト「ポテト出来たぞ」
チャラ男「お、サンキュー」ピッ
チャラ男「俺がポテト置くからお前は伝票をさっと置け」
男「はい!」
51:
チャラ男「おまたせしましたー」ゴトッ
DQN「おっせーよカスが!」
ギャル「もうジュース3杯目なんですけどー」
ギャル友「それにちょっと寒い〜」クネクネ
チャラ男「……」
男(さっと入れてすぐ戻ろう)ソーッ
ガシッ
男「!」
DQN「おいおいちゃんと一つにしてくれたか〜?」
DQN「……おいなんで3つで打ってんだよ」
チャラ男「……さっきも言いましたけど人数分頼まないとダメなんすよ」
DQN「うるせぇ!てめぇら本当にクズだな!」
ギャル「店長呼んでー」
ギャル友「店長かもーん」クネクネ
チャラ男「……おい」
52:
DQN「あ?なんだてめぇお客様にその態度はないだろ」
ギャル「もーいい私店長呼んでくるわ」
ギャル友「私も私も〜」クネクネ
男「あ……お、お客様」
DQN「んだよキモ男!」
DQN「お客様は神様だろ?だったらこれぐらいサービスしないとな」
男「その…ほ、他のお客様の迷惑になりますのでお静かにお願いします…」
DQN「あー?声がちいせぇよ!」
男「だから…迷惑になりますので…」
DQN「だったらてめぇが帰れよ!」
チャラ男「……」ピキピキ
53:
チャラ男「お客さん…」グイッ
DQN「なっ…てめぇ客の胸倉掴むとはいい度胸してんじゃねーか!!」
チャラ男「今この子が言ったでしょ?」
チャラ男「他の神様の迷惑になるから帰れっつってんだよ…」
チャラ男「しかもてめぇは神様なんかじゃねぇ」
チャラ男「悪質なクレーマーだ」
DQN「んだとてめぇ!!!!」グッ
男「危ない!!」ドンッ
チャラ男「おい、お前…!!」
DQN「かーっはっはっは!ワンパンKOかよ!!」
54:
トントン
DQN「おい見たかよ!?男のやつ俺の右フックで倒れちまったぜ!!」
トントン
DQN「なんで肩ばっか叩くんだよ…」クルッ
警察「あぁ見させて貰ったよ」
DQN「ぽ、ポリ公!?」
店長「男くん!無事かい!?」
男「いたた…は、はい…なんとか」
チャラ男「あちゃー立派な傷害罪ですな」
DQN「な、おいギャル!ギャル友!」
ギャル「私じゃないよ!」
ギャル友「私も〜」クネクネ
客「私だよ」
DQN「は!?意味わかんねぇ!関係ねぇやつがしゃしゃり出てくんじゃねぇ!!」
55:
客「皆迷惑してるんだ…」
客「いつも君たちが来るとうるさくて敵わない」
客「君が注文をごねた時点で悪いが通報させて貰ったよ」
DQN「く、くそ…」
ギャル「いやーん何だか…」
ギャル友「皆冷たい目で見てくる〜」クネクネ
警察「もういいかな…傷害罪の現行犯で逮捕させてもらうよ」
DQN「くそ、おい男!」
男「!!」ビクッ
DQN「てめぇ必ずぶっ殺してやる!!」
警察「お次は脅迫罪か…これ以上罪を重ねるな」
ギャル「DQN…ここは大人しくしとこ…」
DQN「クソおおおおおお!!!!!」
56:
夜 控え室
チャラ男「はははは!!最高だったな!!」
店長「男くん、君の行いが本部に伝わったよ」
店長「今日来てくれたお客さんがお褒めのメールを送ってくれたみたいだ」
店長「悪質クレーマーに立ち向かってくれてありがとうってね」
男「そんな…ほとんどは先輩のお陰ですよ…」
店長「これからも是非働いてほしいんだけどいいかな?」
男「こんな僕でよろしければお願いします」ペコッ
店長「ところでチャラ男くん」
チャラ男「はい?」
男「え?」
店長「男くんとは入って一ヶ月もちがわないし先輩と呼ばすのは…」
チャラ男「いや男が勝手に…」
店長「君と男くんは歳も違わないし同じ高校だよね」
男「ええええええ!!!!!!!」
57:
チャラ男「な、なんだよ急に…」ビクッ
男「ききき君がチャラ男くんだったの…」アワアワ
チャラ男「あ?なんだ知ってたのか」
店長「チャラ男くん…新人にはちゃんと名乗りなよ」
店長「ネームプレートも着用すること」
チャラ男「うぃーっす…」
帰り道
チャラ男「いやあ取り調べ長かったから遅くなっちまったな」
男「う、うん…」
チャラ男「まさかお前が友が言ってた男だったなんてな」ハハハ
男「僕も驚いたよ」
チャラ男「明日このこと友に話そうぜ」
男「そうだね、絶対に笑ってくれそう」
59:
おまけ 店長の戦い
ガチャッ
店長「な、誰だ君たちは!?」
ギャル「店長さ〜ん」
ギャル友「ちょっと態度の悪い店員がいるんですけど〜」クネクネ
店長「勝手に店長室に入ってはダメだよ」
店長「さ、出ていきなさい」
ギャル「もぉ〜ちょっと話聞いてよぉ」ダキッ
ギャル友「いいから来て〜店長さ〜ん」ムギュッ
店長(だ、ダブルパイパイが…)
ギャルギャル友「「店長さ〜ん」」ムギュッ
店長(うほおおおおおおおおおおおおお)
60:
フゥ…
登場人物男ばっかだなぁ
真面目なの書いてるけどほもに走ってしまいたい
また後でな
61:
つぎの日 学校
友「ははは!ちょっ腹がよじれたわwwww」
チャラ男「マジすげーだろ男は」
友「面白い奴だとは思ってたがあんな奴に殴られなくてもなぁ」ヒィ…ヒィ…
男「もうやめてよ恥ずかしい…」
ざわ・・・ざわ・・・
「男って意外と凄いメンツと仲良いよね」ヒソヒソ
「抱かれたい男No.1の友くんに隣のクラスのイケメンチャラ男くん…」ヒソヒソ
「パシリとかじゃなくてお弁当一緒だもんな」ヒソヒソ
「なんでも昨日DQNを追い返したらしいぜ」ヒソヒソ
男「目立っちゃってるなぁ」ハァ…
チャラ男「別にいいじゃん」
友「そうだぜ男!お前は良い事をしたんだ!」
チャラ男「そーだぜ」
友「チャラ男!バンド入ってくれよ!」
チャラ男「いやだ」
友「」
62:
男「全然勧誘が上手くないよ友くん…」
チャラ男「回転寿司でいきなり女体盛りが流れてきたよーな感じだな」
男「イマイチ例えが分からないや」アハハ
男「でも僕もチャラ男くんと組みたいな」
チャラ男「まぁ本当は組んでやってもいいんだけどさ」
チャラ男「それならお前ら軽音部入れよ」
友「やなこった!」ベー
チャラ男「意味分かんねぇ」
ギャル「ちょっと男…用があんだけど」
男「ななな何?ギャルさん…」ガタッ
友「愛の告白じゃね」ヒソヒソ
チャラ男「あーDQNよりは将来稼ぎそうだもんな」ヒソヒソ
63:
校舎裏
ギャル「……」
男(な、なんで僕だけこんなとこに呼んだんだろう…)
男(早く戻ってお茶飲みたいな)
ギャル「男…」シュル…
男「ギャルさん!?こんなとこで服脱いだらダメだよ!!」
ギャル「私…男の事好きになったかも…」ギュッ
男(胸が…意外と大きい///)
男「な、なんで急に…?」
ギャル「昨日DQNに言い返したじゃん…」
ギャル「あんたの言ってた事すっごい正しいと思ったし」
ギャル「何よりカッコよかったよ///」ギュッ
男「ギャ、ギャルさん!?顔…近っ」
ギャル「ねぇ…キスして…?」
男「…」
64:
ギャル「んー…」
男「…ごめんギャルさん」スッ
ギャル「私の事嫌いなの?」ウルウル
男「…昨日まであんな態度取ってたのに急に告白だなんて信じられないよ…」
男「それに自分の体を大事に出来ない人は無理なんだ…ごめんなさい」
パシャ!パシャパシャ!!
ギャル友「は〜いオッケーよぉ」クネクネ
男「なっ写真…」
ギャル「…ははは!」
ギャル「きゃははははははは!!!!!」
ギャル「ばっかじゃないの!?誰がアンタなんか好きになるかよバーカ!!」
ギャル友「この写真先生に見せに行こ〜」クネクネ
男「ダメだよそんな事したら…」
ギャル「昨日の復讐に決まってんじゃん!!」
ギャル「男のくせに調子乗ってんじゃないわよ!!」
65:
ギャル友「キャッ!?」
友「確かに男は調子乗ってるなー」
ギャル「なっ友くん!」
チャラ男「まぁ良い方向にだけどな」
ギャル「チャラ男くんまで!?」
男「二人とも…」
友「…あれ?どうやって写真消すんだ…?」
チャラ男「はぁー…お前割と高校生っぽくねぇよな」
友「うっせ!オラッ」バキッ
ギャル友「や〜ん私のデコ盛りキティちゃんスマホが〜」ウエーン
男「そ、それはやり過ぎだよ…」
ギャル「なんで二人ともこんな冴えない奴を庇うの!?」
友チャラ男「「面白いから」」
男「…ありがとう」
66:
ギャル「フンッこのまま私が先公のとこに駆け込めば」
ギャル「アンタ達なんてすぐ退学になるんだから」
チャラ男「おー怖い怖い」
チャラ男「それなら退学になる前に楽しんどかないとなー」ガバッ
ギャル「きゃっ!?んむっ…」チュー
男「えええええええ」
友「おいおいチャラいなぁ」アハハ
ギャル「あむ……はぁん…うまい///」チュッチュッ
チャラ男「もっと楽しい事やっちゃう?」ニヤッ
キーンコーン…カーンコーン…
ギャル「くっ///」イソイソ
ギャル「今回は見逃してあげる!!」
ギャル友「あ〜ん待ってギャルちゃ〜ん」クネクネ
チャラ男「なんだ終わりかよ」ハァ…
友「もっと先まで見たかったなー」
67:
男「ありがとう二人とも…」
友「おう別にいいぜ」
チャラ男「まぁ昨日身代わりになってくれたお返しだよ」
男「うん…でも友くん!!」
友「あ?」
男「ギャル友さんの携帯は絶対に弁償する事!」
友「別に自業自得だしいいだろ」
男「ダメ」
チャラ男「ははは!友ぉ厳しいお母さんだな」
友「うっせ」
男「あはは」
68:
放課後
チャラ男「…本当に見に来るだけかよ」
男「うん!チャラ男くんのベース聞いてみたいな」
友「暇だしな」
チャラ男「おい」
チャラ男「まぁいいけどよ、お前らも入りたくなったら軽音部に入れよ」
友「年功序列さえなけりゃあなぁ」
男「それは仕方ないよ、とにかく身に行こ!」
軽音部 部室
ヤンキー「おせぇよチャラ男ぉ!!」
チャラ男「メンゴメンゴ」
根暗「…その二人は?」
チャラ男「見学」
ホモ「おぉそうか!ゆっくりしていってくれよ」ハハハ
69:
友「…ボロボロのジャズコ」
男「友くん家に比べたら流石に見劣りするね…」
友「あのドラムどこのメーカーか分かんねぇよ」
チャラ男「よしじゃあやるか」
http://www.youtube.com/watch?v=7QrEsPLdZpM
友「レッチリか…」
男「凄い…ベースがズンズン響いてくるよ」
ヤンキー「aaaaaahhhhhhhhhhhhhh」
友「い、イントロから外すか!?」ガタッ
男「あはは…チャラ男くん、上手いね」
友「チャラ男以外はかなりお粗末だけどな」
70:
チャラ男「まぁいんじゃね?」
根暗「ヤンキー……音痴」
ヤンキー「うっせ!!テメェのギターもペキペキ耳障りなんだよ!」
ホモ「よさないか君たち!」サワッ
ヤンキー「なっおまやめろよ///」
チャラ男「こらこら喧嘩すんな」
友「もったいねー…あいつスラップうめぇし全体を引っ張ってたぞ」
男「皆チャラ男くんのリズムに合わせてたよね」
チャラ男「どうだった?」
友「全っ然ダメ」ベーッ
チャラ男「まぁ俺以外は春からの初心者だからな」
チャラ男「3年になるまでには完成させてやるさ」
71:
友(この感じだと無理そうだけどなー)
友「お、そうだ!一回男に歌わせてくれよ!」
チャラ男「上手いんだっけ?」
男「そんな事ないよ…」ハハハ
男「他に何やってるの?」
http://www.youtube.com/watch?v=bV4vcr8E4HU
男「 I can't believe in you
I'd see you another day another way
Nobody's standing near
There are something you can't see or feel, baby… 」
チャラ男(す、すげぇ…)
チャラ男(雰囲気は全然違うがよく歌えてる)
チャラ男(しかも絶対音感持ちか)
ヤンキー「…」
友「流石だぞ男」パチパチ
男「ちょっヤンキーくんの前でやめてよ」ボソボソ
72:
ヤンキー「おいコラ」
男「!!気を悪くさせたらごめん…」
ヤンキー「てめぇ男っつったか?」
男「う、うん…」
ヤンキー「頼む!俺に歌を教えてくれ!!」
友「そりゃそうなるわな」ククッ
男「こんな僕で良かったらいつでも教えるよ」
ヤンキー「ありがと兄貴!!!」
男「兄貴じゃないよ」
チャラ男「ははは」
73:
友の家
友「あーあちぃ」
男「夏休み突入だね」
チャラ男「マリカーとか久々やるな」
メイド「坊っちゃんお父様とお母様が帰って来られましたよ」
友「な!お前ら隠れろ!!」
男「え!?」
チャラ男「なんだよ俺たち見られて恥ずかしいのか」
友「違うから早く!」
クローゼットの中
男「あ、暑い…」
チャラ男「あのメイドめっちゃ可愛いな」
男「歳はゴニョゴニョなんだけどね」
チャラ男「むしろ大好物だわ!」
男「あはは…」
74:
友「よぉおかえり」
友父「息子よ…元気にしてたか」
友「あぁこの通りだぜ!」
友母「あら?ゲームなんてしてたの友?」
友「夏休み入ったとこだしな」
友母「ふぅん…なんだかコントローラーがいっぱいあるように見えるけど」
メイド「申し訳御座いません…私が御一緒にさせていただきました」
友母「あらメイド…あまり友を甘やかさないでって言ってるでしょ?」
メイド「はい…すみません」
友「そ、それでいつまでいられるんだ?」
友父「今日は後30分と言ったとこかな」
友「そうなんだ」ホッ
75:
チャラ男「ちょっふざけんな後30分もいられるかっつーんだ」モガモガ
男「しっ!静かに…友くんの両親、何だか躾がうるさそうだね」
チャラ男「家が金持ちってのは聞いてたけどありゃ本物だわ」
男「なんで分かるの?」
チャラ男「久々に帰ってきたみたいなのにあと30分しかいられないんだぞ」
チャラ男「多分世界中を飛び回って仕事してるタイプだ」
男「そっか…しかも厳しそうだから寂しいだろうな」
友父「それじゃあな」
友母「メイドさん!あなたは雇われの身なんだから雇用人との契約は守ってくださいね」
メイド「はい…善処いたします」
友「今度帰る時はお土産頼むよ」ハハハ
友父「友よ…しっかりと勉学に励むんだぞ」
友「わーってるって!」
友母「言葉遣いも直しなさいね」
友「分かったよ…」
76:
ガチャ
チャラ男「ぷはぁ…もう無理だわ…」シヌ…
男「汗でびっちょりだね…」
友「恥ずかしいとこ見られちまったな」
男「そんなことないよ」
メイド「お二人方…よろしければシャワーをお浴びください」
メイド「服も洗濯しときますので」
チャラ男「おっマジで助かるー」
男「それじゃあお言葉に甘えようかな…」
友「そうだ!お前ら今日は泊まってけよ!」
男「僕はいいけど」
チャラ男「俺もいいぜ」
友「よし!風呂入ろうぜ!」
男「え?」
77:
お風呂
男「お風呂なのに凄く広い…」
チャラ男「口からお湯が出るライオンとか初めて見たぞ」
男「まるでマレーシアだね」
友「どうせ家族でしか入らねぇのに無駄に広くて困ってるわ」
チャラ男「世の中不公平だなー」
男「ははは…」
チャラ男「銭湯以外で足伸ばして浸かれるとは思わなかった」
友「普通の家は伸ばせないのか?」
男「あまり広くないからね」
友「へーどんなんだろ」
チャラ男「坊っちゃんは知らなくても大丈夫ですよー」キャピッ
友「てめえ恥ずかしいから真似すんな!」
男「もう…のぼせても知らないよ」
78:
三人「「「……あー気持ちいい」」」
男「そういえば今日は流星群が見えるとか言ってなかったっけ?」
チャラ男「あ、それTwitterで皆呟いてたな」
友「マジか!メイドオオオオ!!望遠鏡ってあったっけ!!!???」
メイド「確か倉庫にありましたよ10本ぐらい」ヌッ
男「わっ!天井から出てきた!?」サッ
チャラ男「忍者かよ…」ハハハ
友「よし!今日は外で天体観測するぞ!」
チャラ男「それならバーベキューしたいな」
男「いいねそれ!凄く楽しそう!」
79:
脱衣場
男「ふぅーすっきりした!」フキフキ
チャラ男「男Twitterやってる?」
男「実はやってるんだー!」ヘヘッ
チャラ男「マジか!後で教えてくれよ」
友「…Twitterって何が楽しいんだよ」
男「友くんもやろうよきっと楽しいよ?」
友「呟くだけだろ」
チャラ男「それがいーんだよ」
チャラ男「気軽に思ってる事発信できるし思わぬ繋がりもある」
男「チャラ男くんは女の人のフォロワー多そうだね…」アハハ…
80:
リビング
メイド「これでほぼ揃いましたかね」
友「まだなんかいるか?」
チャラ男「望遠鏡にテントに寝袋…」
男「BBQコンロにその他諸々も…うん!これで大丈夫そうだよ!」
チャラ男「なんでもあるなー」
友「色々やりたくなるだろ」
友「それでメイドに調達してもらってたらこうなったんだ」
メイド「坊っちゃんはすぐ飽きますけどね」
友「うるせぇよ」
81:
夜 庭
メイド「皆様食材をお持ちいたしました」ガラガラーッ
男「あ、伊勢エビ…」
チャラ男「生きてるけどどうやって調理すんだ?」
友「そのまま焼くんじゃねぇのか」
メイド「まず息の根を止めます」ザクッ
三人「oh…」
メイド「どうでしょうかお口に合いますか?」
チャラ男「すげー美味いっす」モグモグ
男「メイドさんも食べようよ」モグモグ
メイド「いえ私は…」
友「食えよ、せっかくなんだから」モグモグ
メイド「ふふ…それでは」
82:
深夜
男「晴れて良かったね!」
チャラ男「このあたりは割と田舎だから山に近いしなー」
友「…あれ…なんだこれ」ガチャガチャ
友「メイドー!!望遠鏡が壊れたぞ!!」
メイド「蓋が閉じたままです坊っちゃん」パカッ
チャラ男「友…お前ある意味天然だな」
友「うるせぇ早く見るぞ」
男「携帯で調べたら流れるまであと1時間はあるみたいだよ」
チャラ男「午前2時頃か」
チャラ男「まるでBUMPの天体観測だな」
友「あれがデビューしたての頃の作品だから凄いよな」
友「ギターの音を重ねまくって重厚なサウンドになってるし」
男「うん!歌詞も良いし名曲だよね!」
83:
メイド「よろしければアイスでもお召し上がりください」
男「ありがとうメイドさん!」
チャラ男「アコギとかねぇのか?」
友「あぁあるぞ、何かやるか」
チャラ男「俺ゆずの夏色なら弾けるぜ」
メイド「お持ちいたしました」
チャラ男「そういやカポがいるな」
友「カポ持ってきたか?」
メイド「はい」シュポッ
男「た、谷間から出した…///」
チャラ男「俺このカポあとで使う」
友「人ん家でシコるなよ」
チャラ男「敷地内ならいいか」
男「やめなよメイドさんの前で///」アタフタ
84:
午前2時
友「テレビで見た事はあるけど生は初めてだぜ…」ソワソワ
チャラ男「望遠鏡買った時は見なかったのか?」
メイド「皆既月食を見ると仰って購入のですが」
メイド「坊っちゃんは当時6歳」
メイド「すぐに寝てしまわれました」
男「あはは!友くんらしいや」
友「男だってその歳なら寝るだろ…」
チャラ男「6歳が夜まで起きるのは無理だもんな」
キラッ
男「あ!」
チャラ男「始まったか」
キラッキラキラキラキラッ
友「すっげぇ…綺麗だな」
男「うん」
85:
チャラ男「こりゃ写メ撮らなきゃな」カシャカシャ
男「いいネタになるね」カシャカシャ
友「何のネタだよ」
男「Twitterだよ!」
チャラ男「ここならキレイに撮れるし食いつきいいぞ〜」ヘヘッ
友「お、俺も撮る!」カシャカシャ
チャラ男「Twitterなんてやらないみたいな感じだったじゃねぇか」
友「やるよ!だからお前ら後で教えろ!!」
男「うん、いいよ」アハハ
86:
午前2時半
チャラ男「もう流れないな」
男「いやぁ凄かった!」
友「…これが…こうで…こうして」
メイド「坊っちゃんここですよ」
友「…よし!アカウント完成だ!」
友「二人ともフォローしろよな!」
チャラ男「明日な」
男「もう遅いし今日はもう寝ようか」
友「なっ、絶対だぞ!忘れんな!」
チャラ男「へいへい」クルッ
男「メイドさん僕たちここで寝るから」
メイド「いえ大丈夫です私も隣にテントを張りますので」
チャラ男「一緒に寝ようぜメイドさん」
メイド「おやすみなさいませ」
87:
男「こうして僕たちは眠りに着きました」
男「初めて友達とお風呂に入ったりBBQしたり」
男「天体観測までやれて本当に楽しかったです」

88:
おまけ
友「おいギャル友…」
ギャル友「なんですか〜?」クネクネ
友「その…携帯壊して悪かったな…」
友「これ弁償代な」サッ
ギャル友「え〜いいの〜?」チラッ
友「男にこういうのちゃんとしろって言われてかなわねぇんだよ」
ギャル友「あぁん男くんカッコイイ〜」クネクネ
ギャル友「ありがとぉ次はもっとデコ盛って皆に見せてあげるよぉ」クネクネ
友「こいつなんでいつもくねくねしてんだよ…」
男「意外といい人だったね」アハハ…
89:
フゥ…
高校編はいつになったら終わるのか
お前らホモ展開期待するなよ
多分しないから
92:

メイド「おはようございます皆さん」
男「あ、おはようメイドさん」
チャラ男「もう朝かー早いな」メガネメガネ…
男「あれ友くんは?」
地下スタジオ
ギュィィィィィィン
デレデレデレデレデレデレデー
ガチャ
男「おはよう、早いね」
友「…おう男か」
男「上手いねやっぱり」
友「よせよ…まだこんなもんじゃねぇ」
男「メイドさんが朝食用意したから食べよ!」
友「そうだな」
93:
リビング
友「おらフォローしやがれ」
チャラ男「どんだけフォローしてほしかったんだwwww」
男「あれ…もう僕たち以外に一人フォロワーがいるね」
メイド「私です」
チャラ男「マジっすか!俺とも相互フォローしてください!」
メイド「お断りします」ニコッ
友「ぶふwwwwダッセwwww」
チャラ男「」
男「もう…ご飯食べようよ!」
94:
昼 スタジオ
チャラ男「へぇー立派なもんだな」
男「ベースは好きなの使ってくれ」
チャラ男「じゃあジャズべにしよっと」
メイド「これでメンバーが揃いましたね」
男「あれ?メイドさんがドラムで決定だったの?」
友「当たり前だろ、メイドより上手いやつなんて中々いねぇよ」
チャラ男「俺これから加入するわよろしく」
友「…お前動機が不純過ぎんだろ」
男「あれだけ入らないって言ってたのにね」アハハ…
男「でも嬉しいよ!これでライブ出来るね!」
95:
チャラ男「お前ら普段はオリジナルやってんの?」ベーン…ベーン
友「男が初心者だからな、まだやってない」デロデロデロデロー
チャラ男「ならしばらくはコピーするか」
男「うぅ…ごめんなさい」
メイド「男様はあくまでボーカルメインのギターですよ」
メイド「それにギターの上達もお早いです」
メイド「すぐに追いつけますよ」ニコッ
チャラ男「メイドさん男に優しくないすか!?」
友「あいつは軽い男が嫌いなんだよ」
96:
http://www.youtube.com/watch?v=gQOezN0XRls
チャラ男(友のやつまた歌いにくそうなの選びやがったな)
男「Maybe there's no one who is perfect
But who wants to be… anyway」
チャラ男(しかし食いつく男…やっぱり音程を外さないな…お前は立派なボーカルになるぞ)
友「男!てめえ拍の裏ちゃんと取れてねぇぞ!」
男「えー何それ!?」
メイド「裏拍でございます」
ドン…ドン…ドン…ドン…
ドンベンドンベンドンベン
チャラ男「バスドラが4つ打ちで鳴ってるけどその間にベースが聞こえるだろ?」
友「これを感じられないからサビで少しリズムがズレてんだよ!」
97:
男「む、難しいね」エヘヘ
友「これぐらい出来ないと外人の独特のリズムを理解できないぜ」
チャラ男「まぁ男なら焦らなくても大丈夫だろ」
メイド「それよりフィニッシュが半拍分多かったですよ坊っちゃん」
チャラ男「あ、それ俺も気になってた」
チャラ男「友の方だったのかよ」ケラケラ
友「うっせ!さっき初めて聞いたんだから分かる訳ねぇだろ!」
男「まぁまぁ…」
男(このメンバー凄く揉めるなぁ)アハハ…
男(でも多分言いたい事その場で言ってるから険悪な空気にならないな)
男(やっぱり楽しいや!!)
98:
男「ところでやっぱり洋楽のコピーもしていくの?」
チャラ男「レッチリやろうぜ!」
友「まぁな、カッコイイじゃん」
チャラ男「レッチリやろうぜ!」
友「日本のも悪くはないけど俺は世界でギターを鳴らしたいんだ」
友「ジミヘンにペイジ、ジェフベックがカッコイイんだよ」
チャラ男「レッチリやろうぜ!」
男「ふぅん友くんなら出来るよ!」
友「おまっんな事真顔で言うな!」
メイド「コピーするとなるとどうしてもボーカルは難しくなりますけどね」
チャラ男「無視かよ」
99:
男「あはは…一曲ぐらいレッチリやろうよ」
友「えーベースは楽しいだろうけどギターって全然面白くないじゃん」
チャラ男「フリーのためのバンドなんだからそうに決まってんだろ!」
メイド「凄く馬鹿ですね」
チャラ男「俺脱退するわ」
メイド「Under The Bridgeでもやりましょうか」
チャラ男「えー…やっぱり戻るわよろしくな!」ニコッ
友「ちょっと曲選で悩んだなコイツ」
チャラ男「まぁ暴れ回りたいからこれはちょっとな…」
男「名曲だとは思うんだけどね」
100:
チャラ男「男はしたい曲ないのかよ」
友「そうだぜ…てか一人一曲ずつ決めてライブの曲にしよう」
男「それなら僕でも出来そうだよ」
友「そうと決まればライブの日程決めないとな」
メイド「一週間後に近くのライブハウスでブッキングしてもらいました」
チャラ男「ゲッ仕事早いな」
男「…やっぱり出来ないかも」
101:
友「…よしこの4曲で決定か」
男「ローポジションも覚えていったほうがいいのかな」
メイド「ローポジションもずらせばコードチェンジとなるのでその方が良いですよ」
チャラ男「Fを押さえてみ」
男「こう?」
チャラ男「Fの下三つってパワーコードだろ」
男「あ!本当だ!」
友「次は5弦ルートのC」
男「あ、これもそうなんだ」
友「また一つ勉強になったな」
男「うん!」
メイド(まぁこれは割とどうでもいいということは言わないでおきましょうか)
102:
チャラ男「そういやバンド名は決まってんのか?」
友「いやまだだ」
メイド「どうせならカッコイイ名前付けましょうよ」
男「そうだね、でもこういうのって恥ずかしいや」
友「うーん俺たちの特徴ってなんだ?」
チャラ男「意外と上手いとか」
男「意外とって…」
友「いや高一のわりには俺たち凄い方だぜ」
メイド「私は他のバンドの演奏を聞いた事がないので分かりかねます」
男「それなら僕もそうだよ」
友「やってる事は新しくないけどな」
チャラ男「確かに」
メイド「それならstereotypeなんていかがでしょうか」
友「どういう意味だ?」
メイド「月並みです」
103:
友「なんか古臭いロックバンドみたいだな」
チャラ男「響きはカッコイイしいんじゃね」
友「なら THE STEREOTYPE にしようぜ」
男「なんでtheをつけたの?」
友「theをつけると売れそうじゃん」
メイド「ビートルズにローリングストーンズ、ホワイトストライプスとかに付きますよね」
チャラ男「どこにでもありそうなバンド名だな」
男「まぁ今はそれでいいじゃないかな」
友「じゃあTHE STEREOTYPE(仮)な」
メイド「高校生ですねー 」
104:
男「それから一週間、僕たちは練習にバイトと充実した日々を過ごしました」
男「そしていよいよ初めてのライブを迎えます」
.
105:
ライブハウス
男「う…なんだか怖いや」
チャラ男「男はこういうとこ初めてだもんな」
友「すぐに慣れるさ」
メイド「男様もチャラくなっていくのですね…」
男「いやならないよ!?」
受付「あんたらバンド名は?」
友「THE STEREOTYPE(仮)」
チャラ男「ブハッwwwww」
友「てめえ笑うとこじゃねえだろ!!」
男(この二人がいて安心するなぁ)
106:
男「…ここがステージ」ジーン
メイド「男様、ただのボロいライブハウスですよ」
友「そうだぜ」
チャラ男「男がセンターって俺たち面白いな」ククッ
バンドマン「……」ギロッ
男「ひぃっ!?」
チャラ男「ここら辺治安悪いからな」
チャラ男「バンドやってるやつなんて大体あんなんだぞ」
男「お腹痛くなってきちゃったや…」キリキリ
107:
トイレ前
男「う〜トイレトイレ…」
女「あっ…もう…恥ずかしいよぉ」ムチュ
バンドマン「いいから入れよ…一発抜きたいんだ」サワサワ
男(えーどうしよ!!)ササッ
男(意味もなく隠れちゃった)
女「もう…あ!男くん!?」
男「見つかった…ってどこかでお会いしましたか?」
バンドマン「んだよテメー人の女に手を出すな」
男「ひぃっすみません!!」
108:
女「やめてよもう…」
女「男くん!私隣のクラスの女だよ!」
チャラ男「あれ…女じゃん」ヨッ
男「チャラ男くん!」
女「あーっチャラ男くんだ!」
女「もしかして二人ってバンド組んでるの?」
男「う、うん…まぁね」
チャラ男「こいつボーカルなんだ」
女「ええ凄い!なんてバンドなの?」
チャラ男「THE STEREOTYPE(笑)」
男「括弧の中変わってるよ…」
バンドマン「ふん…おい行くぞ」
女「もう不貞腐れちゃって…絶対見に行くからね!!」
109:
男「あ、嵐のような人だった…」
チャラ男「あいつ誰と付き合ってんだよ」
男「知らない人だったね…てかなんで僕の事知ってるんだろう」
チャラ男「お前ちょっとした有名人だからだぞ」
男「え!そうなの!?」
チャラ男「あのウザイDQNに引導を渡したって皆噂してっからな」ケケ
チャラ男「同い年なら知らないやつなんていないと思うぞ」
男「ますます恥ずかしいや…」アハハ
110:
控え室
友「おせぇよ!」
男「ごめんごめん」
チャラ男「ちょっと知り合いいたから話してた」
メイド「セットリストは提出しておきましたよ」
男「ありがとうメイドさん」
友「俺たちって高校生バンドの中に一人にじゅメイド「坊っちゃんコーラですよ」
友「おーサンキュ」
チャラ男「俺たちはもう皆知ってるのにな」
男「誰が聞いてるかなんて分からないからじゃないかな」
111:
男「いよいよ本番か…うう緊張してきた」
友「体伸ばしとけよ、大声出さなきゃ通らないから」
男「うん」オイッチニーサンシー
チャラ男「リハなくね?」
メイド「初心者が集まるライブで10組も出るのですよ」
チャラ男「はぁー出演前にするやつかぁ」
リハ中
友「俺もっとキック上げて」
チャラ男「あ、俺もドラムもっとほしい」
男(キックってなんだろう…)
メイド「男様…自分の声は聞き取れましたか」ボソッ
男「うん、特に問題なかったよ」
112:
ヤンキー「兄貴!頑張れよ!!!」
男「あ、ヤンキーくんだ」
チャラ男「俺が誘っといた」
友「学校近いからか何人かチラホラ見たことあるやつがいるぞ」
男「恥ずかしい…もう足がヤバイよ…」ガクガク
舞台袖
ケシテエエエエエエエリライトシテエエエエエエ
チャラ男「登場SE決めたの誰だよ」
男「あ、僕だよ」
友「全然ロキノン系じゃねぇだろ俺たちwww」
メイド「高校生なんですからいいじゃないですか」ウフフ
113:
友「じゃあTHE STEREOTYPE(仮)の初ライブ…」
チャラ男「デカイの一発かましてやるか」
メイド「はい」
友「やってやるぞおおおおおお!!!!!!」
メンバー「おおおおおおおおお!!!!!」
パチパチパチパチパチ
男(凄い視線を感じる…これがステージか)
男(まだまだヘタクソだけど一生懸命やるしかない)
妹「お兄ちゃん頑張って!!」
男「な、なんでいるんだよ」
友「俺が呼んだ」
男「もう…恥ずかしいよ」
114:
友「〜♪」ギュィィィィィィン
「あのギターすげぇ上手いぞ!!」
「本当に初心者なのかよ」
チャラ男(まったく目立ちたがりやだな)ボッボッ
メイド(いきますよ)
1…2…3…
http://www.youtube.com/watch?v=8DyziWtkfBw
ザワザワッ
レッチリかよカッコイイじゃん
男「 Can't stop addicted to the shin dig
Cop top he says I'm gonna win big
Choose not a life of imitation
Distant cousin to the reservation… 」
男(リズムに気を付けないと…)
チャラ男(うほおおおお楽しいいいいい)
115:
女「すごい…男くんって歌が上手いんだ」
バンドマン「ケッ滑舌が悪いから何言ってっか分かんねぇよ」
女「もう…素直に見れないの?」
友(……)イライラ
友(ダメだ…このチープなサウンドが本当に嫌いだ)イライラ
男「Go ask the dust for any answers …」
友(サビ前…ここだ!!)カチッ
チャラ男(!! テメェいきなり歪ませやがって…)
チャラ男(こうなりゃもっと暴れるだけだ)
ウオオオオオオイイゾオオオオオ!!!!!
メイド(いい意味で若いですねー)ドンドコドーン
116:
男「ふぅ…初めまして!THE STEREOTYPE(仮)です!」
ヒューヒューッ
チャラ男「てめぇはレッチリの良さを分かってねぇ!」ガミガミ
友「盛り上がったんだからいいじゃねぇか!!」
チャラ男「あぁ…俺もテンション上がっちまったよ!」
男「あはは…こんなバンドだけどよろしくお願いします」
117:
イイゾオオオオオモットヤレエエエエ
男「ちょっ、次の曲行くよ!!」
友「ちっ…いいぞ」
チャラ男「俺もだ」
http://www.youtube.com/watch?v=8dx-PrDQej8
メイド(こんなマニアックな曲知ってる人いるんでしょうか)
友「……」ピロリロリー
友(やっぱりこれぐらいじゃないとな!!)
男(VAINをチョイスした友くんの趣味…)
ワアアアアアア…
チャラ男(ハハッ前に出過ぎだっつーの)
118:
男「はぁ…はぁ…」
友「やっぱり下手だな」
男「歌いながらのギターはどうしてもね…」
友「次のギター頼んだぞ」
男「うん!」
http://www.youtube.com/watch?v=iXCytb9TvrI
メイド(あぁ…楽しい)ドコドコドコドコ
友「ビューティフルに!
ビューティフルにぃっ!」
チャラ男(男がまだ連続で歌うの難しそうだからって)
チャラ男(音痴な友に歌わせなくてもなぁ)
男(アルペジオ難しいや…)
妹「お兄ちゃんギターちゃんと弾いてる!!」
妹友「あのV系の人カッコイイのに残念なんだけど…」
妹「楽しければいいの!!」
119:
男「えー…次で最後の曲です!」
エエエエエエ-
男「僕たち初めてのライブだけど皆さんノッてくれて嬉しいです!」
男「今日は本当にありがとうございました!!」
http://www.youtube.com/watch?v=Dw6Q5NA7SFM
男「重なって少し楽になって
見つかってはここに逃げ込んで」
チャラ男(男はこれぐらいの雰囲気がちょうどいいな)
チャラ男(自分に合う曲を分かってる…オリジナルをやるならエルレでも参考にするか)
友(やっべ超楽しい!!)
友(もっと…もっとだ!!)ピロピロピロー
メイド(またテンション上がって勝手にソロを弾き出しましたね)
120:
控え室
男「ダメだお腹すいた」バタン
メイド「男様お疲れさまです」
メイド「おにぎりをご用意いたしましたのでどうぞ」
男「あ、ありがとう…」モシャモシャ
友「ばてんなよこれぐらいで」
チャラ男「ギターボーカルは想像以上にカロリー使うからな」
他校生「皆さん感激したっス!!」
他校生「僕たちファンになりましたよ!!」
男「あはは…ありがとう」
男(凄い反応良かったな…またやりた…い)
男「スゥ……スゥ……」
友「おい寝るなよ!!」
メイド「今はそっとしておきましょう」ウフフ
121:
ライブ終了後
バンドマン(クソ…俺たちだって相当上手いはず…)
バンドマン(だがあのステレオなんちゃらが盛り上がってから)
バンドマン(あいつらより盛り上がったバンドなんていなかったぞ)
女「お疲れさま」
バンドマン「おう」
女「いやぁTHE STEREOTYPE(仮)、カッコ良かったね!」
ブチッ
バンドマン「女っ!!てめぇまであいつらの肩を持つのか!!」
女「ちょっ、やめてよ!!痛いっ…」
男「…あ」
バンドマン「てめぇはさっきの…」
男「お、女さんを離してください!」
バンドマン「あぁ?やんのかコラ」
122:
男「彼女…嫌がってるじゃないですか」
バンドマン「うっせぇよもやし野郎!」ブンッ
女「きゃっ」ドサッ
男「お、女さん!!」
バンドマン「大体なんなんだよてめぇら!」
バンドマン「対して上手くもないくせに盛り上げやがって…」
バンドマン「二度とこのハコに面出すな!!」
男「…悔しいけど確かにあなたのギターはとても上手でした」
男「でも負けたくない!」
男「僕たちだって一生懸命やってきたから!!」
女「男くん…」
バンドマン「…ケッ」
123:
バンドマン「疲れた…帰るわ」
男「また同じライブでやることがあったらよろしくお願いします!!」
バンドマン「……」
男「大丈夫?」
女「うん…カッコイイね男くんって」
男「え、あ、ありがとう」
女「あんな男別れてやる!!」
男「あはは…彼にもいい所あるから付き合ったんでしょ」
女「んなもんなかったわよ!!」
男(ならなんで付き合ってたんだろう…)
124:
友「おい男!打ち上げだってよ!!」
チャラ男「なにナンパしてんだよ」
男「ち、違うから///」
女「二人も凄い上手だったよ!!」
チャラ男「サンキュ」
友「だろ?」
メイド「皆様早く戻りましょう」
女「あ!可愛いメイドさんだ!!」
メイド「ありがとうございます」ペコッ
女「ね!私も打ち上げ参加していい!?」
男「いいんじゃないかな」
友「よし!今日はいい出来だったから飲むぞ!!」
男「僕たち未成年だよ…」アハハ
125:
男「こうして僕たちの初ライブは成功したみたいです」
男「打ち上げではクラスメイトがいっぱい話しかけてくれて楽しかったなぁ」
男「時間も経ち楽しい夏休みが終わりました」
.
127:
夏休み明けて学校
女「やっほー!遊びに来たぞ!」
男「ミックジャガー!」
男「Maroon 5」
男友「パンパン」
チャラ男「あー、誰だっけ…」
女「何してるの?」
友「古今東西だよ」
男「洋楽バンドのボーカルでやってるんだ」
女「す、凄い難しそうだね…」
友「楽しいぞ、一緒にやろうぜ」
女「日本のバンドなら出来そうだけどなぁ」
チャラ男「じゃあそうしようぜ!」
友「チャラ男失敗な」
チャラ男「クソ」チッ
128:
女「私からね!KANA-BOON」
友「虫じゃねぇよバンドだぞ」
男「バンドだよ…」
チャラ男「まぁ最近出てきたとこだしな」
女「勝った♪」
友「クソ…もう一回だ!」
女「どうぞどうぞ♪」
ガラッ
担任「おい男…悪いがちょっと職員室に来てくれないか」
男「は、はい」
女「なにどしたの?」
チャラ男「あーあ、悪いやつ」
男「何もしてないよ!!」
129:
職員室
男「失礼します」ガラッ
担任「とりあえず進路指導室が空いてるからそっちで話そう」
男「はい」
担任「男…夏休み前にDQNが退学したの覚えてるか」
男「は、はい…」
担任「実はそのDQNが来ていてだな」
男「え!?」
担任「とにかく話すか、入っていいぞ」
DQN「…」ガチャッ
男「ひ、久しぶり…」
130:
担任「DQN…とにかくまずは謝罪しなさい」
DQN「フンッ」ドカッ
担任「勝手に座るな」
男「…どうしたの?」
DQN「てめぇのおかげで前科持ちになっちまってな」
DQN「まだ刑は確定してないんだが頼みがある」
男「うん」
DQN「被害届を取り下げてくれ」
男「…」
担任「お前なぁ…」
131:
男「…取り下げてもいいけど条件を出していいかな」
担任「おい勝手に話を進めるな」
DQN「なんだ」
DQN「なんでもする」
男「チャラ男くんとお店にちゃんと謝罪してほしい」
男「僕には謝らなくてもいい」
男「でも、迷惑を掛けた人にはちゃんと誠意を見せてほしいんだ」
DQN「そんなんでいいのか」
男「そんなんって言うな!!」
男「僕は怒ってるんだ、チャラ男くんと店長が誠意を感じられなかったら僕は絶対に被害届を取り下げない!!」
担任「男…」
DQN「……」
132:
チャラ男「俺まで呼び出しっすか…」ガチャッ
チャラ男「ってお前捕まったんじゃなかったのか!?」
DQN「その場では捕まったがまだ実刑は決まってないからな」
DQN「チャラ男…」
チャラ男「あ?何だよ」
DQN「本当にすまなかった」
チャラ男「……は?てかなんで土下座…」
男「チャラ男くん…」
チャラ男「……あーもう分かってるって!」
チャラ男「俺は別にそこまで怒ってねぇよ」
チャラ男「むしろ殴った男に謝るべきだろ」
男「僕の事はいいから」
133:
チャラ男「まったく…どういった風の吹き回しなんだよ」ポリポリ
男「許してあげれる?」
チャラ男「……男の顔に免じてな」
DQN「すまねぇ…恩に着る…」
男「良かったね」ニコッ
放課後
友「それでお前ら取り下げに行くのか」
チャラ男「まぁなー」
男「よっぽど反省してるみたいだよ」
友「馬鹿だなーどうでもいいだろあんなやつ」
134:
ザッ
ギャル「……」
男「あ…ギャルさん」
ギャル「ふん…男のくせに生意気よ…」
ギャル「…ありがと」ボソッ
男「…逃げちゃった」
友「あいつツンデレだなぁ」
チャラ男「今だいぶデレたよな」
友「男!あいつ落とせるぞ!」
男「え、遠慮しとく…」ハハ…
女「おーい皆!」タタタッ
男「女さん!」
135:
女「ねー皆は夏にこれ出なかったの?」ハイッ
友「なになに…TEENS ROCK?」
チャラ男「そういえば毎年やってるよな」
チャラ男「優勝したらロッキンで出させて貰えるんだよな」
男「ええ!!あのロッキンに!?」
友「くそ…知らなかった…」
女「それなら来年出ようよ!皆なら絶対優勝出来るから!」
「……」シーン
女「え?なんかまずいこと言った?」
チャラ男「いやなぁ…」
友「一つでけえ障害がな…」
136:
女「えええ!!あのメイドさん高校生じゃないの!?」
友「見たら分かるだろ…」
女「今時の女子高生は大人っぽく見えるからなぁ」
男「あはは…多分メイドさん喜ぶよ」
チャラ男「まぁメイドさん並にドラム上手いやつがいないと無理だな」
友「くそ…誰かいなかったか!?」
男「ホモくんはリズムは取れるけどね…」
チャラ男「ガチならあいつじゃキツイぜ」
友「とにかく新しいドラムを見つけないとな」
137:
女「メイドさんに制服着て貰って出れないかな」
チャラ男「ぜってぇ無理」
友「そもそも学生証いるだろうしな」
女「そっか…」
男「でも目標はできたね」
友「ドラムを見つける事だな」
チャラ男「オリジナル曲もだぞ」
女「私も手伝わせて!!」
男「じゃあマネージャーだね」
女「へへへ…任せなさい!」
チャラ男「楽しくなってきたな」
138:
秋 男の家
友「おじゃましまーす」
チャラ男「あーす」
妹「きゃーベースのイケメンさん!!」
男「騒がないでよ…」
妹「後で部屋に行くから!」
友「今度こそアイドルで負かせてやるからな」
妹「楽しみにしてますよ」ニシシ
男の部屋
チャラ男「すっげぇCDの量だな」
友「お!これ貸してくれよ」
男「うんいいよ!」
139:
男「友くん、これ」ハイッ
友「あ?なんだよこの封筒」
男「ギター代だよ」
チャラ男「20万も入ってるぞ…給料ほとんどじゃん」
男「このために稼いでたからね」
友「いらねぇよまた買えばいいし」
男「ちゃんと受け取って」
友「…まぁしゃあないし貰うわ」
男「ありがと」
友「こっちのセリフだよ馬鹿」
140:
妹「おおおお兄ちゃん!?」ガチャッ
男「どうしたの」
女「へへっお邪魔しまーす!」
男「女さん!」
チャラ男「あれお前家遠いって言ってただろ」
女「来ちゃった」
友「何しにだよ」
女「いいじゃん別に!」
女「それより見て!これSTEREOTYPEのステッカー!」
男「え!これ作ってくれたの!?」
友「いやいや」
チャラ男「気が早すぎだろ…」
141:
妹「じゃあ、ごゆっくり…」パタン
友「おい!古今東西やらねぇのか!!」
男「何に慌ててたんだろう」
チャラ男「女がお前の彼女だって思ったんだよきっと」
女「え!そんなんじゃないよ///」
男「顔が赤いよ?」
友「なんだ出来てたのかお前ら」ニヤニヤ
チャラ男「ならそう言ってくれよ俺たちお邪魔じゃねぇか」ニヤニヤ
男「違うよ女さんには彼氏がいるじゃない!」
女「あ、あんな男知らないから」
友チャラ男「「ヒューヒュー」」
男「やめてよもう!!」
142:
女「まったく…ま、彼氏は募集してるけどね」
友「いるじゃねぇか、男が」
男「もう、この話はなし!はいやめ!」
チャラ男「ははは…でドラムはどうすんだ?」
友「見つかんねぇや」
男「僕も…」
友「とりあえず後でいいんじゃねぇか」
友「もっとライブして曲作って俺たちを知って貰おうぜ」
男「うん、そうだね」
144:
女「それよりもうすぐ学祭だね!」
友「それよりってなぁ…」
男「まぁまぁ」
チャラ男「根詰めてもしんどいからな」
男「学祭初めてだから楽しみたいよね」
友「あれだろ?何か屋台やって出し物やってはい終わりーってやつ」
男「ざっくりし過ぎだよ…」
女「私達の高校は学祭結構有名なんだよ!」
チャラ男「夜になったら校舎一面にホログラムを写すんだろ」
男「入学パンフの表紙になるぐらいだもんね」
友「何それ面白そうなんだけど」
男「パンフぐらい見なよ」アハハ
145:
次の日 HR
担任「えーそろそろ待ちに待った学祭だな」
担任「今日は皆で出し物を決めてくれ」
委員長「それじゃあ皆紙に書いて投票してね」
委員長「屋台か人形劇の二択だよ」
ドッチガイイ??
ヤキソバヤタイトカイイジャン
友「おい男」
男「どしたの?」
友「ホログラムを写すってどんな原理なんだ?」
男「簡単に言えば光を使って写真とかを壁に写すんだよ」
友「映像もか?」
男「出来るはずだよ」
友「へー」
146:
放課後 教室
男「焼きそばの屋台に決まったね」
友「まぁ妥当なところだろうなぁ」
チャラ男「お前らは焼きそばかぁ」
男「チャラ男くんのクラスは?」
チャラ男「…リンゴ飴」
友「縁日かよwwww」
チャラ男「女がほぼ一人で決めたんだ」
男「彼女ならやりそうだね…」
友「それよりさ、お前ら耳貸せよ」
男「ん?」
ゴニョゴニョ
男「えー!!無理だって!」
チャラ男「しかも学校に関係ないじゃん」
友「まぁ待てよ、考えがあるぜ」
147:
友の家 地下スタジオ
チャラ男「まず先に映像を撮るのか…」
男「誰が流すかとかも知らないのに…」
メイド「準備が整いましたよ」
友「まぁ何とかなるって!」
次の日 学校
男「女さん」
女「おはよーどしたの?」
男「これさ、ホログラムで流せないかな」ハイッ
女「ふふーんなるほどぉ」ニヤニヤ
女「私に任せといて!!文化祭実行委員に直訴してくるから!」
男「あはは、頼もしいよ」
148:
放課後
女「ごめーん音を流す機材がないからって断られちゃった」
友「あぁそれも想定内だぜ」
チャラ男「なるほど…確かに問題ねぇな」
女「なになにどゆこと?」
男「友くん家にくれば分かるよ」
友の家
女「ここ友くん家だったの!?」
友「大体皆同じ反応だな」
男「驚かないほうが無理だと思うよ」
チャラ男「いい機材でライブ出来るなら嬉しいな」
女「でもそれならチャラ男くん軽音部なんだしそのままセットしとけないの?」
友「一々説明すんの面倒くせぇな」
男「まぁまぁ」
149:
チャラ男「でも考えたな」
男「宣伝としてホログラムで映像を流して僕たちが演奏するとはね」
友「セットも自前なら文句ねぇだろ」
男「これで堂々とライブできるね!!」
女「そんなに学校でしたかったんだ」
チャラ男「ファンを作るなら身近な人からだぜ」
友「ドラムやりたいってやつも来るかもしんねぇしな」
女「じゃあステッカーもジャンジャン売っちゃお!!」
男「校則違反だからタダで配ろうね…」
150:
学祭当日 学校
メイド「坊っちゃん…めげないでください」
友「なんでダメだったんだよ…」
チャラ男「先輩が猛反対しちゃったなら仕方ないさ」
男「僕たちがライブしちゃったらメンツが潰れちゃうもんね…」アハハ
女「ごめんね皆ぁ…」
女「でも映像だけは流してくれるって!!」
友「本当か!?それを先に言えよ〜♪」
男「ん?映像しか流れないのに何で喜ぶの?」
友「まぁまぁお楽しみだぜ」
チャラ男「ライブしたかったなぁ…」
151:
女「あ!そうだ男くん!私のとこの屋台においでよ!」ギュッ
男「あ、ちょっと待ってよ女さん!」
男「ごめん、ちょっと行ってくるね!」
友「りょ!帰って来なくても問題ねぇよ」ニヤニヤ
チャラ男「楽しんでデートしてきなー」ニヤニヤ
メイド「遂に男様にも春が来たのですね…」ウルウル
バンドマン「……」ザッ
チャラ男「あいつは……」
152:
一階校舎 一年生の教室
女「女友ちゃん!一個ちょーだいっ!」
女友「立案者のあんたが何デートしてんのよ…」ハイ
男「ありがとう」アハハ…
女友「昼過ぎには交代だから戻ってきてね」
女「で、デートじゃねぇし!!」アセアセ
女友「はいはい…男くん女をよろしくね」
男「うん、僕も昼からは店番だから一緒に戻ってくるよ」
153:
二階校舎
貞子「うらめしや〜」
女「きゃーっ怖いよ!!!」ダキッ
男「ちょっ女さん…」
女「ふえええん…」ブルブル
男「嘘泣きでしょ」
女「バレたか」エヘヘ
貞子「……青春っていいなぁ」
ジュリエット「おぉロミオ…あなたはどうしてロミオなの…」
女「あの女の人すっごい大根役者なんだけど」ヒソヒソ
男「失礼だよ」ヒソヒソ
154:
中庭
女「あー楽しかった!」
男「もうすぐ交代の時間だね」
女「めんどくさいなー」
男「こらこら」フフッ
バンドマン「おい女」ヌッ
男女「!!」
女「な、なんであんたがここに?」
バンドマン「学祭だから誰にでも入れるじゃねえか」
男「……」キッ
バンドマン「急に俺と別れた理由はソイツか」
女「……」
156:
ありがとう
157:
女「そうよ!アンタなんかよりずっと魅力あるんだから!」ギューッ
男「ちょっ女さん!?」
女「ごめん…しつこいから困ってるの…」ボソボソ
女「今だけでいいから話を合わせて」ボソボソ
男「う、うん…」
バンドマン「てめぇ観客だけじゃなくて女も奪うのか!!」グイッ
男「…君が大切にしないから皆離れてくんだ」
男「僕は女の事が大切だから今君から守らなきゃいけない」
男「…だから殴りたければ殴りなよ」
バンドマン「じゃあお望み通りにしてやるよ!!」グアアアッ
158:
女「なっ…お願いやめてぇっ!!」
バキッ!!!
男「…ど、DQNくん!?」
DQN「………」
バンドマン「な、なんなんだよどいつもこいつも!!!」
DQN「……よぉ無事か」
男「うん…」
ギャル「なんかキモイおっさんが暴力振るってるんですけど〜」
ギャル友「先生早くなんとかして〜」クネクネ
男「ギャルさん…ギャル友さん!!」
159:
先生「コラァ!!一体何の騒ぎだ!!!」
ギャル「あのオッサンが急に殴りかかってきたんです〜」
ギャル友「助けてよ先生〜」クネクネ
バンドマン「…チッ」
バンドマン「帰るわ…」
バンドマン「夜道には気をつけな」ニヤッ
女「それ脅迫罪なんですけど!」ベーッ
男「DQNくん!大丈夫?」
DQN「これぐらい痛くねぇよ…」
男「…守ってくれてありがとう」
DQN「なぁに…お前らのおかげで実刑はくらわなかったんだ」
DQN「だからいくらでも守ってやるさ」
160:
ギャル「あのオッサン確か近所のやつだったわ」
ギャル友「どうする〜しめちゃう?」クネクネ
DQN「まぁ男なら大丈夫だろ」
DQN「大切にしろよ…彼女」
男「う、うん…ありがとう」
男(実は付き合ってないなんて言い出せない…)
男「そういえば夜のホログラム僕たちバンドの映像なんだ!」
男「良かったら観に来てよ!」
DQN「あぁ…そうさせてもらうよ」
ギャル「お、男……………またね」
女「!!」
161:
男「女さん…ケガはない?」
女「うん…ないよ」プイッ
男「え、なんか怒ってる?」
女「怒ってない!!」
男「君がそういうならそういう事にしとくよ」アハハ…
昼過ぎ
女「……」プクーッ
女友「…何怒ってんの」
女「べっつにー」
女友「はぁ…まぁ後は頼んだわよ」
女「はーい」
162:
教室
男「いらっしゃいませー焼きそばいかがですか〜!」ジュージュー
チャラ男「いかがっすか〜」ジュージュー
友「っした〜」ダラーン
メイド「坊っちゃん…お母様から言葉遣いを直すよう言伝を預かっております」
友「かったりぃから別にいいじゃん」ケッ
男「メイドさんが売り子をやってくれてるから忙しいね」
チャラ男「そりゃあ健全な男子高校生ならモロどストライクだからだろ」アチー
メイド「褒めても何もでませんよ」
163:
後輩「あ、あの…お一つください」
男「はいどうぞ」ニコッ
後輩「!!」ドキッ
後輩「あ、ありがとうございます…」ピューン
チャラ男「…すげー走ってったな」
男「人見知りなのかなぁ」
友「男〜暇だぞ!!」
男「ちょっとは手伝ってよ!!!」
164:
夕方
男「完売しちゃったね」
チャラ男「メイドさん効果マジパねぇよな」
友「てかなんでチャラ男は隣のクラスなのに焼きそば焼いてたんだ?」
チャラ男「あ…まぁいいじゃん」
男「今言われるまで僕も気付かなかったよ…」
女「チャラ男くーん!全然売れないよぉ〜」
チャラ男「マジかよ…この時間じゃあもう無理だって」
男「じゃあ手伝って貰ったから僕たちも手伝おうか」
友「えーまた店番かよ」
メイド「坊っちゃんは本当に何もしてないですよね」
165:
夜 体育館
メイド「そう言えばホログラムは何時からですか?」
男「えっとね…20時からだから後30分ぐらいだよ」
友「やっと本日のメインディッシュが来たか!!」
チャラ男「オメェは音楽以外にもやる気を出せよ…」
女「すっごい楽しみー」プクーッ
男「全然楽しそうじゃないんだけど…」
チャラ男「お、先輩達のお出ましだぜ」
ワアアアアアパチパチパチパチ
先輩「今日はどうもありがとう!」
先輩「俺たちは命を懸けて盛り上げる!」
先輩「だからお前たちも命を懸けて盛り上がってくれ!!!」
友「何言ってんだ」
166:
あーなただけにぃ↑ひびっけぇ恋のうた〜
ウオオオオオイイゾオオオ
チャラ男「…俺たちは流石にもうちょい完成度高めとくわ」
友「そうしてくれ…三年間の努力の形がこれだとふざけてるとしか思えねぇわ」
男「まぁまぁ…初心者からなら上出来だと思うよ」
友「いやアレはまともにやってきてねぇよ…」
チャラ男「皆が皆ガチでやってる訳じゃねえからな」
メイド「こればっかりはどうしようもないですね」
171:
20時 中庭
友「はやくしろよなー」ソワソワ
チャラ男「子供かよ…まぁ俺も楽しみなんだけどさ」
男「…女さんホログラム、本当にありがとうね」
女「む…ま、感謝してくれるなら」
女「今度男くんの奢りで駅前のサーティワンで許してあげる!」
男「それぐらいなら全然いいよ」アハハ
パァッ
皆「!!!」
友「きたきたきたああああ!!!!!」グッ
ウオオオオオオカッケエエエエエエエダレダヨアレ!!?
男「あはは、大成功だね」
チャラ男「後はライブに来てくれた奴らが俺たちの存在を広めてくれるな」
172:
女「……」
女(校舎一面にSTEREOTYPEの皆が…)
女(男くん…ギター持ってると凄くカッコ良く見えるな///)
友「やっはー絶景だわ!」
チャラ男「カッコ良く撮れてんじゃん」
メイド「恐れ入ります」
女「男くん…これからも頑張ってね」ギュッ
男「あ…手」
女「好きだよ」ボソッ
男「!!?」
後輩「焼きそばの店員さんバンドやってたんだ…」
173:
バンッ
we are…
THE STEREOTYPE(仮)!!!
ドラム募集中!
一緒にTEENS ROCK優勝目指そう!!
チャラ男「ぶっ…おま、そう言う事かよ!」
友「もういちいち探すの面倒くさいじゃん」
男「噂が広がって更に募集をかければ上手な人が集まりそうだね!」
女「うんうん!来年は優勝目指そっ♪」
一同「おおおおおおっ!!!!!」
後輩「…私、ドラム始めてみようかな」モジモジ
後輩友「単純だねー後輩は!一緒にここ受けようか!!」
後輩「うん!」
174:
男「僕たちのバンドホログラムは高校の歴史上初の映像作品ということでちょっとした話題になりました」
男「そして噂は広がり続けて、まだ一回しかライブしてないのに確実にファンが増えていきました」
男「この時ホログラムを見て感動した後輩ちゃんが後に加入するとは僕も想像できなかったな」アハハ
男「こうして初めての学祭も終わりを迎えました」
.
175:
おまけ
なんだ今年のホログラム!
軽音部じゃねえのか!?
カッコイイ!ライブ見に行きたいね!
DQN「……」
ギャル「あいつら凄いよね」
ギャル「今や学校中の話題をかっさらっちゃってさ」
DQN「ギャル」
ギャル「何?」
DQN「すまねぇ…やっぱり就職やめて、俺学校行きてえわ」
DQN「定時制に入学し直してやり直す」
DQN「卒業して必ずお前を幸せにする…だから結婚は待ってくれ」
ギャル「ばーか……素直じゃないね」
ギャル「……いつまでも待ってるから」
176:
フゥ…
後は任せた
179:
学祭終了後
男「楽しかったね」
チャラ男「まぁ良かったけどさ…」
友「このリンゴ飴…腐ってないよな?」
女「もう!ちゃんと新鮮なの使ってるから!」
メイド「お土産にわざわざありがとうございます」
友「いや余ったの処分させられてるだけだぞ」
男「あはは…じゃあ女さんは電車だね」
チャラ男「男、送ってやれよ」
男「いやそしたら帰りの電車ないんだけど…」
友「いいじゃねぇか、野宿しろ」
メイド「よろしければ後で迎えに行きますよ」
180:
女「大丈夫だって!ありがとねっ!」
男「でも元彼さんのことがあるからね…」
男「メイドさん、後で隣町まで迎えにきて貰っていい?」
メイド「はい」ニコッ
チャラ男「なんかあったの?」
男「まぁね…また今度話すよ!」
女「ありがと…じゃあ終電も近いし急ご!」
友「気をつけろよ〜」
181:
電車
ガタンゴトン
女「わざわざありがとうね」
男「うん、全然構わないよ」
女「…」
男「…」
女「…男くんって彼女いる?」
男「いないよ」
女「じゃあさ…私と付き合ってよ」
男「…僕でいいの?」
女「そこはYESかNOではっきり答えて」
男「うん…よろしくお願いします」
女「えへへ…手」
男「うん」ギュッ
182:
隣町
女「もう少しで私の家」
男「そうなんだ…ちょっと歩くんだね」
女「駅近はお父さんの給料じゃ無理だもん」
男「あはは…」
女「あ、ここ!」
男「立派な家じゃない」
女「そう?送ってくれてありがとっ♪」
男「どういたしまして」
183:
男「じゃ帰るね」
女「待って!」ギュッ
男「な、何?」
女「大好き」チュッ
男「…僕もだよ」
隣町駅前
メイド「お待たせいたしました」
友「よおっ」
男「リムジンで来る?普通」アハハ
友「いいことあったのかよ」
男「まぁね」
184:
しばらくして
友の家
友「…って感じなんだけどさ」
チャラ男「ならこう弾くわ」ボンッボボン
メイド「なかなかよくあるハードロックですね」
男「でもかっこいいよ!!」
友「お前は早く歌詞を考えろよ」
男「やっぱり雰囲気的には英語なの?」
チャラ男「洋楽っぽいもんな」
女「私英語得意だから一緒に考えるよ!」
友「ケッイチャイチャしやがって」
185:
メイド「次のライブはいつにするのですか?」
友「まだオリジナルが一曲だからなぁ」
チャラ男「いきなり全部オリジナルってのは素人がやる事じゃねぇよ」
男「僕もまだ自信ないなぁ…」
友「まぁ早く次のライブしたいし今は一曲だけで行くか」
メイド「では次のセトリを考えていきましょう」
女「いいなー私もギターでもやってれば良かった」
男「キーボードで入ったら?」
女「私全然楽器出来ないよ」
チャラ男「物販担当で頼むよ」
女「そだね!私売りまくるよ!!」
186:
一ヶ月経って
隣町のライブハウス
男「こっちのライブハウスは大きいね」
女「メジャーバンドがよく来るぐらいだもん」
チャラ男「前のとこは汚い狭い音が悪いだったからなぁ」
友「今日は期待できるな」
キャーッ友くんこっち向いてー!!
友「あ?ウチの生徒じゃん」
女「えっへん!私が今回広報も担当しました!」
チャラ男「俺も女の子来い!」
男くんですよね?私ファンですっ!
男「あ、ども…」
チャラ男「」
女「むー」ムスー
187:
メイド「私達含め5つのバンドが出るみたいですね」
チャラ男「って事は今回はガチ勢かもな」
友「でも前より10分増えたからな」
男「だから5曲やることにしたんだよね」
友「ま、俺たち3番目だし控え室で古今東西しようぜ」
チャラ男「いやもしインディーの人がいたらそれは失礼だぞ…」
友「どーせ俺より上手いギタリストなんていねぇよ」ケラケラ
一番目 noah's ark
V系「舞い降りた片翼の天使」
バンギャ「ステキ抱いてえええええ」ブシャアアアア
友「な…」
188:
長髪「我救世主(メシア)なり」ギュワアーン
友「なんだよアイツ等…」
友(やべぇ…あのギター滅茶苦茶うめぇ)
チャラ男「…ちゃんとしたフライヤーだな」
男「もうすぐメジャーデビューらしいね」
女「掛けてるお金がちがうんだよ」
友(……え?俺コイツ等より下手だったのか)
189:
チャラ男「やっぱインディーは盛り上げるの上手だなー」
友「くそ…あんなのファンが沢山いるからだ」ダッ
メイド「坊っちゃん!」
男「きっと火がついたんだ…僕たちも準備しにいこ!」
控え室
友(……足元はファズにチューナーだけだった)
友(あれはセッティング、ギターの良さ、そして何よりテクによる音だ…)
友(こんなとこで負けたくねぇ!!)
男「…悔しいんだね」
チャラ男「あいつは人一倍ロックを愛してるからな」
190:
女(凄い真剣な空気…)
女(男の子って皆負けず嫌いなんだなぁ)
女(かっこいいよ、皆)
チャラ男「二番目終わったぞ」
男「友くん…」
友「もう少しだ…もう少しで完成なんだ…」
メイド「坊っちゃん…」
男「もう登場SE流れてるよ」
友「…すぐ行く」
191:
シーーン……
「……」ヒソヒソ
「………」ヒソヒソ
男(前と違って凄い静かだ…)
男(かなりアウェイな空気を感じるや…)
ブルブル
チャラ男「手ぇ震えてっぞ」
男「あ、うん…何だか今日が初ライブみたいだよ」
チャラ男「ちげぇねーな」
キーーーン…デロデロデロデロギャーーーン
友「うあああああああ!!!!!!!」
男「と、友くん!?」
友「ぜってぇ負けねぇ!本気出してやるぞ!」
男「…うん!」
192:
http://www.youtube.com/watch?v=j5rGm3kdTuk
メイド(Back in Black…練習では原曲通りにしていましたが…)
友「……」ギャーンピロリロリロリロ
男(早い!)
チャラ男(ば、バカ野郎!)
友「……」ジーッ
チャラ男(…ついてこいじゃねーよ)ニヤ
ザワザワ…
「途中からアレンジしてるぞ!」
「ギターがヒートアップしてやがる!」
男「yeah well, (i'm)hey hey hey hey!!」
友チャラ男「hey hey hey hey !!」
女(コーラスまで入れて…かなりカッコ良くなってるよ)
193:
友「はぁ…はぁ…」
チャラ男「てめぇ飛ばしすぎだろ」
友「楽しかっただろ…」ハァハァ
チャラ男「あぁ楽しかったよ!」
男「あはは…」
男「初めまして皆さん!THE STEREOTYPE(仮)です!」
シーーン…
女(な、なんで同じ学校の人がいっぱいいるのにこんな空気なのよ!)
チャラ男(流石に挨拶が過ぎるぜ先輩方よ…)
194:
男(その後レッチリとストーンズを演奏したけど)
男(誰一人手拍子も何もせず棒立ちしていたな…)
男(オリジナルじゃなくコピーだから…?)
チャラ男「ダメだ楽しくねぇや」
友「俺もだ」
男「二人とも…」
友「どうせノッてくれないなら曲を変えよう」
チャラ男「バラードで行くか」
メイド「男様…あなたの実力を見せ付けてください」
男「は、恥ずかしいよ…」
195:
女(あれ…男くんと友くんだけになっちゃった)
女(しかもギターも変わった…何するの?)
スタッフ(勝手に編成変えるな!!)ペケッ
友(うるせぇバーカ!!)キッ
http://www.youtube.com/watch?v=Y9yFcH-1xe4
女(あ、ワンオクだ…)
女(友くん嫌いだって言ってたのにやるんだ)
男「……」スゥーッ
男「I'm telling you …I softly whisper…」
ザワザワ…
196:
舞台袖
チャラ男「キレイな声してんな男のやつ」ケラケラ
メイド「背筋がゾクゾクします…」
チャラ男「あいつは激しい曲向いてないからなぁ…」
チャラ男「多分今観客も驚いてると思うぜ」
男「wherever you are…I all make you smile …」
男(あはは…ノリで手を振ってみたら皆やってくれてるや)
女(もしかして私への愛の歌!?)///
197:
男「…ありがとうございました」
パチパチパチパチ…
男(やった…今日初めての拍手だ!)
男「次で最後です!僕たちの初めてのオリジナル、聞いてください!」
控え室
女「お疲れさま!」
男「ありがとう…」
友チャラ男「………」
女「まるでお通夜だね」
男「今日は仕方ないよ…ステッカー売れた?」
女「一枚だけ…えへへ」
メイド「そこまで私達がヘタだったのでしょうか?」
198:
ガチャッ
長髪「いやぁナイスファイトだったよ」パチパチ
友「……バカにしにきたのか」ガタッ
男「友くん!!」
長髪「違うよ…素直に褒めに来たんだ」アハハ
メイド「ステージとはまるで別人ですね」
チャラ男「そりゃ普段からあんな奴はいねぇよな…」
199:
長髪「選曲いいよねー!僕もAC/DCは好きだったなぁ」
男「ありがとうございます!」
長髪「君たちいくつなんだい?」
チャラ男「高一ッス」
長髪「本当かい!?ならもっと喜ぶべきだよ」
友「…どーいう事っすか」
長髪「今日出てた人達皆君たち褒めてたよ」
友「!!」
200:
長髪「ボーカルの君は天才だよね!僕メイク落ちそうなぐらい涙出ちゃったよ」
長髪「それにベースの君はすぐレッチリファンだって分かるぐらいファンキーだったし」
長髪「メイドさんのドラムはとてもパワフルで正確だった」
友「……俺は」
長髪「君も凄かった」
友「!!」
長髪「僕はもう15年ギターやってて今年で25歳にもなるけどさ、」
長髪「君ならもっと早く今の僕を越せるだろうね」
友「そ、そんな事はないッスよ!!」
友「今日は好き勝手やっちまったし一人で突っ走ったし…」
202:
長髪「そう…ギタリストは皆最初はそうなんだ」
長髪「でもね…プロを目指すとどうしても好き勝手できなくなってしまうし」
長髪「歳を取れば取るほど情熱的なプレーが出来なくなってくる」
長髪「段々と勉強してプロデビューしちゃったら後はもうクリック音とにらめっこしてるだけになるからね」
長髪「だからこそ一人突っ走った君は凄いんだよ」
友「ど、どういう意味っすか!?」
長髪「ギタリストに必要なもの…それはスター性だ」
友「スター性……」
長髪「君は君のまま頑張りなさい」
長髪「今日一番盛り上げようとした君が一番スター性を持っていたと思うよ」
203:
友「っ……!!」ジワッ
友「ありがとうございました!!!」
長髪「どういたしまして」フフ
男「あ、あの友くんが頭を下げた!」
チャラ男「でもあのオッサンには俺も惹かれたわ」
メイド「見た目に反していい人でしたよね」
友(…スター性か)
男「そうだ長髪さん!僕たちのオリジナル曲、どうでした?」
長髪「あーあれか…」
長髪「まぁカッコ良かったけど売れないと思うよ」
友「やっぱりてめえぶん殴る!!!」ブチッ
メイド「さっきまでの感動はどうしたんですか」
204:
男「こうして二回目のライブは少しほろ苦い思い出となってしまいました」
男「でも、このライブで学んだ事は沢山あったし悔しい思いもバネになるんだね」
男「それからは友くんはずっと曲作りと練習に励んでいました」
男「僕の方は練習にバイト、女さんとデートと大忙しだったなぁ」
.
208:
冬 学校
友「どうだった?」
男「えへへ」
友「ゲッほとんど90点台じゃねぇか」
チャラ男「男は真面目だからなー」
友「そういうてめえも古典以外80超えかよ」
チャラ男「出来る男は勉強も出来るのさ」フッ
友「俺のと交換しやがれ!!!」
男「名前が違うでしょ…」アハハ
209:
放課後
男「今年ももう終わりかぁ」
友「冬休みはお前らどうすんの?」
チャラ男「俺は年末年始実家に帰省するわ」
友「けっつまんねぇの」
友「男は暇だよな?」
男「クリスマスは予定入ってるけどあとはバイトがなければ」
チャラ男「お、デートか」ニヤニヤ
友「お前も女の味を覚えたんだな」ニヤニヤ
男「ま、まだ何もしてないから…」
210:
友「とにかく俺はもっと曲作るから」
友「お前らも頼んだぞ」
チャラ男「オーケー」
男「まだ僕には難しいよ…」
友「いいからやるんだよ」
チャラ男「気合い入ってるなー」
友「ったりまえだ!!」
友「来年のTEENS ROCKは俺たちがいただくぜ」
男「うん!頑張ろうね!」
211:
クリスマス
妹「お兄ちゃんどこ行くの!?」
男「ちょっと出掛けてくるよ」
妹「彼女ね!彼女が出来たんだ!!」
男「うん、まぁね」
妹「え…本当に?」
男「遅れそうだからそろそろ行くよ」
妹「お母さんお兄ちゃんが!!!」
男「そんなに騒がなくても…」
母「あらあら今日は帰ってこなくても大丈夫よ」ウフフ
男「多分帰ってくるから…」アハハ
212:
駅前
女「……」チラチラ
男「ごめん!ちょっと遅れちゃったよ」
女「もう!女の子を待たせたらダメだよー!」ギュッ
男「は、恥ずかしいから抱きつかないで…」
女「もう…じゃあ手繋ごっ!」
男「うん!」
213:
男「今日はどこもいっぱいだね」
女「恋人達の季節だよ当たり前じゃん」
サンタ「そこのカップルさんケーキはいかがですかー?」
男「はは…まだ昼間だから遠慮しときます」
女「ごめんねー!」
駅前のレストラン
女「学校の近くにこんなとこあったんだー!」
男「本当は夜に来たかったんだけどね」
男「暗くなるとイルミネーションがキレイだしあの噴水は中からライトが照らされて空に光を放つんだ」
女「じゃあまた来ようよ!」
男「うん、いいよ」
214:
女「あー美味しかった!」
女「なんであんなお洒落なとこ知ってるの」
男「家族でよく来るからね」
男「妹がパスタ好きだしお父さんは焼き立てパンが食べ放題なのを気に入ってるよ」
女「ふーん仲良いんだね」
男「女さんの家族は?」
女「女って呼んで」
男「あ、うん…女は?」
215:
女「内緒♪」
男「なんだよそれー!」
女「えへへ…あ!ゲーセン行こ!」
男「うん!」
カシャ
男「彼女とプリクラなんて初めてだなぁ」
女「私が初めてなの?」
男「今まで浮いた話なんてなかったからね」
女「じゃあ私が男の初めてなんだ!嬉しい!」ダキッ
男「ちょっと…落書きしないの?」
女「あ、そうだった」
216:
カラオケ
女「えー!!98点っ!?」
男「採点ってこんな風になってるんだ」
女「もうーカッコ良すぎだよ///」
男「ありがとう」エヘヘ
女「ねえねえアジカン歌ってー!」
男「じゃあRe:Re:でも歌おうかな」
夜 見晴台
女「キレイ…」
男「イルミネーションもいいけどこうやって町を見渡すのもいいかなって思って…」
女「うん!凄く嬉しいよ…」ギュッ
男「…もうしょうがないなぁ」ギューッ
217:
駅前
男「家まで送るよ」
女「……帰りたくない」
男「家族が心配するよ?」
女「もう…分かってよ…」ギューッ
男「ちょっと…どこ行くの?」テクテク
男「…ここって」
女「……」テクテク
男「ちょっと!」テクテク
女「…女の子に恥かかせないで?」
男「…うん」
218:
ホテル
チュッ……
女「…ンムッ……ずっと今日濡れてたの…」グイッ
男「!!……びしょびしょだね」
女「もう…恥ずかしいよぉ///」
女「ベッド行こっ」
男「うん」
「アアッ……気持ちいい…」
「もっとさわって……」
「ヤァンッ……はぁ……はぁ……」
219:
「脱いで……」
「もうこんなになって…我慢してたの?」
「ふふ…可愛い♪」
「食べちゃおっ…あむっ」
「……ジュボジュボ……きもちいい?」
「よかった!……ねぇ脱がして」
「もう…こうやって外すんだよ」
「あぁん……電気消して……」
「…………いれて?」
220:
「はああああん………」ピクピク
「……ん、大丈夫だよ…動いて」
「ンッ……もっとぉ…もっと奥まで突いて!!」
「アアッ……イきそう……」ギューッ
「イヤッ……ハァンッ………いいよ!!」
「私も……一緒に……」
「あ、あ、…あああぁぁぁぁぁ……」ピクピク
「もう…激しいんだから」
「……ふふ、もっかいしようよー」
女「……すぅ……すぅ……」
男「………」
221:
男「こうして初めて出来た彼女と繋がった僕は」
男「初めてじゃない彼女の艶やかさに少し胸が痛みました」
男「やっぱりあの人と既に色々してきたんだろうなぁ」
男「……恋ってこんなもんなのかなぁ」
.
223:
大晦日 男の家
メイド「お邪魔します」
妹「え!誰ですか!?」
メイド「私坊っちゃんのメイドです」
妹「お兄ちゃんどんな悪い事したの!?」
男「いや友くんの家のメイドさんだよ…」
友「本当に泊まっていいのかよ」
男「うん!友くん家だと寂しいでしょ?」
メイド「私までお誘いいただきありがとうございます」
男「どうせなら皆でいたほうが楽しいもんね」
224:
男の部屋
男「……」ケイタイイジイジ
友「女か?」
男「うん…」
メイド「Cまで行ったのですか」
男「そそそそんな事ないよ!?」
友「…マジかよ」
妹「え…」ガシャン
メイド「妹様大丈夫ですか」
妹「ご、ごめん!ココア入れ直してくるね!」
メイド「私もお手伝いいたします」
バタンッ
男「……」
225:
友「どしたんだよ元気ねぇな」
男「そ、そうかな…」
友「喧嘩でもしたか?」
男「そうじゃないけど…」
友「……悩んでんなら相談しろよ」
男「うん…ありがと」
男(女は本当に僕の事好きなのかな…)
226:
夜 リビング
父「今日はいっぱいいるなぁ」
母「あらあら可愛らしいメイドさんね」
友「年越しはいつも何見るんだよ」
男「うちは毎年ガキ使だよ」
妹「今年も面白そうだね!」
メイド「私の中ではそろそろオワコンと化しています」
男「もうまっちゃんにキレがないからね…」
ホウセイ~タイキック~
「「「「あははははは!!!」」」」
227:
友「こうやって皆でコタツに入るのっていいよな」
男「友くん家じゃコタツが有ったら浮いちゃうよね」
メイド「和室もありますから問題ないかと」
男「まだ知らない部屋があったんだ…」アハハ
友「…それでも俺とメイドの二人だけだからな」
母「毎年来ていいのよ、友くん」
妹「うん!私も来て欲しいな!」
友「……あざっす」
メイド(坊っちゃんに必要だった暖かい家族…)
メイド(男様…本当に感謝していますよ)ニコッ
228:
ゴーン………ゴーン………
父「除夜の鐘ももうすぐ鳴り終わるなぁ」
男「今年ももうすぐ終わるんだね」
友「明日初詣行こうぜ!!」
男「うん!僕も行きたいな!」
妹「じゃあ年越したら車で行こうよ!」
母「今年はどこ行こうかしら?」
メイド「よろしければ私が車を運転いたしますよ」
229:
カチ……カチ……ポーン!!
「「「「「「明けましておめでとう!!!!」」」」」」
男「あ、チャラ男くんからLINE来てるよ!」
友「あいつ今雑煮食ってんのか」
母「私達もささっと食べちゃいましょ!」
メイド「お持ちいたしました」
父「仕事が早いな!」
妹「ウチにも欲しいなぁメイドさん!」
230:
元旦 隣の県の神社
妹「リムジンなんて初めて乗った…」
メイド「安い車で申し訳ございません」
男「え…絶対ウソだよね」
友「本当だよ……確か1000万ぐらいだろ」
メイド「はい…家には一番低いランクしかなくて…」
男「凄い話だね…」
母「私お父さんと少しデートしてくるから」
父「日の出を見たら戻るよ」
メイド「かしこまりました」ペコッ
231:
ざわ・・・ざわ・・・
友「スッゲー人混みだな」
妹「ここの神社は有名だからね!」
チャラ男「オッスお前ら来てたのか」
男「チャラ男くん!?」
チャラ男「俺地元ここだから」
友「なんだよ近いじゃねえか」
チャラ男「あれ?女はいないのか?」
男「うん…家族で旅行してるみたいだよ」
チャラ男「ふーん」
232:
妹「先にお参りする?」
男「今午前4時だからまだ日の出は早いだろうね」
チャラ男「先お参り行くか」
友「メイドオオオ!!!小銭くれ!!!」
メイド「かしこまりました」ポンッ
男「だ、ダメだよお賽銭は小銭で十分なんだから!!」
チャラ男「帯付きとか初めて見たわ…」
233:
チャリンチャリーン…
パンッパン
妹「皆何お祈りしたの?」
チャラ男「そういうのは言いだしっぺが最初に言わないとなー」
妹「わ、私のはなんでもいいじゃん!」
友「彼氏が欲しい」ニヤニヤ
妹「!!ち、違うもん!!!」
男「あはは…」
234:
午前6時
男「もうすぐだね」
メイド「皆様お席はご用意いたしましたよ」
チャラ男「スゲー町全体が見えるじゃん」
妹「あと一時間ぐらいかな?」
友「じゃあそれまで今年初の古今東西でもするか」
男「わぁ〜なんだか久しぶりだね」
チャラ男「俺たちこればっかやってるよなー」
235:
午前7時半
妹「きれー…」
チャラ男「こんな大勢で見たの初めてだよ」
友「俺もだ…」
男「来年も来ようよ!もっと友達連れてさ!」
友「ばっ…このメンツだからいんだよ!」
チャラ男「まぁ女と俺のバンドメンバーくらいは連れてきていいんじゃね」
男「そうだね!」
メイド(坊っちゃん……あなたはこれから……)
メイド(いえ……今はこのひとときを楽しみましょう)
236:
男「この後も冬休み、春休みと僕たちはひたすらに曲作りに励みました」
男「時間が流れるのはあっという間で」
男「気がつけば僕たちは一つ歳をとりました」
.
237:

妹「お兄ちゃん遅れちゃうよ!!」
男「もう…ちょっと待ってよ!」
母「あらあら…気をつけてね」
男「うん!行ってきます!」
学校
妹「これで私も高校生かぁ」
男「妹も同じ高校だなんて恥ずかしいや」
妹「もう!どういう意味!?」
238:
友「おーいこっちだ!」
男「友くん!おはよう!」
チャラ男「よっ」
男「チャラ男くんも!」
チャラ男「今年は俺たち3人同じクラスだな」
男「え!本当!?」
友「よっ!お前もここに来たんだな」
妹「いえーい!そうだよ!」
後輩「あ、あの人だ…」
後輩「周りの人は確か同じバンドの人だよね…」
後輩友「皆カッコイイね!私もあのグループに入りたいな〜」
後輩「うん…私も」
239:
女「おっはよー!」
友「ウィーッス」
チャラ男「おっはー」
男「おはよう」
女「私皆と違うクラスだったんだけど…」
友「どーせ昼休みに遊びに来るだろ」
女「同じクラスなら10分休憩も喋れるじゃん!」
男「あはは…まぁいつでも来てよ」
女「そりゃ行くけどさー」プクーッ
240:
入学式終了後
妹「あーもう長いよ校長の話!」
後輩「そ、そうですね…」
妹「それにしても後輩ちゃん可愛い!」
妹「どこ中だったの?」
後輩「と、隣の県のとこからですよ」
妹「ふーん私この辺!まぁ同じクラスメイトとしてよろしくね!」
後輩「うん…よろしく」ニコッ
妹「部活入るの?」
後輩「うん…一応」
241:
妹「どこ入るの?」
後輩「け、軽音部にしよーかなって…」
妹「そうなんだー楽器出来る?」
後輩「うん…ドラム習ってたから」
妹「へえ凄い!今度聞かせてよ!」
後輩「叩いてるだけだからつまらないと思うよ…」
妹「そーかなー」
242:
軽音部 部室
後輩「あ、あの…」
ヤンキー「あ?なんだてめぇ」
後輩「ひぃっごごごごめんなさい…」
ホモ「コラやめたまえ!」サワサワ
ヤンキー「アッ-!」
根暗「今日チャラ男いないからね…」
根暗「入部届なら音楽教師に渡してね…」
後輩「あ、あの…文化祭のホログラムに写ってた人達は…?」
根暗「それ…軽音部じゃないよ」
後輩「え!?」
243:
2年生の廊下
男「うん………でさ……」
チャラ男「ははは」
友「何笑ってんだよ!!」
後輩「あ……いた」ジーッ
ギャル「何こんなとこでつっ立ってんのよ」
後輩「ひぃっすみません…」タタッ
ギャル「今の一年じゃん」
ギャル友「なんで二階にいたんだろ〜ね」クネクネ
244:
一年 教室
妹「あれ?部活入らないの?」
後輩「う、うん…怖い人ばかりだったし…」
妹「せっかくドラム習ってたんだから入れば良かったのに!」
後輩「バイトでもしてお金貯めるよ…」
妹「あ!じゃあ駅前のガスト行きなよ!」
妹「私のお兄ちゃんと友達がいるから!」
後輩「うん…面接行ってみるよ…ありがとう」
245:
バイト初日 店長室
後輩「よ、よろしくお願いします!」
女大生「あら可愛い!!」
店長「後輩さんに制服の着方教えてね」
女大生「はーい!行こっ!」
後輩「はい!」
チャラ男「遅れてすんません」
男「HRが伸びてしまって…」
店長「まったく…しょうがないなぁ」
246:
店長「あ、今新人さん更衣室使ってるからここで着替えちゃって」
チャラ男「女すか」
店長「あぁ、君たちと同じ高校だよ」
男「誰だろう」
店長「一年だから知らないんじゃない?」
店長「とりあえず今日は二人ともキッチンを頼むよ」
男チャラ男「「はーい」」
247:
ホール
後輩「あ、あの!私今日から働かせていただきます後輩ですっ!」
後輩「よよよよろしくお願いします!!」
男「よろしくねー」
チャラ男「ウィーッス」
チャラ男「男の時よりきょどってんだけど」ケラケラ
男「もう…おちょくったらダメだよ」
チャラ男「にしても目ぐらい合わせろよなぁ」
男「ちゃんと顔見てくれてないからね…」アハハ
248:

店長「お疲れ様、時間になったらネームプレートのバーコードをピッてしてね」
後輩「は、はい!」
女大生「じゃあ私はもう少しいるから先にあがってね」
女大生「一人で更衣室行ける?」
後輩「大丈夫です…」
ピッ
オツカレサマデス
オツカレーッス
女大生「お疲れーアンタら店長室で着替えてよ!」
アイヨー
後輩「………」ピッ
後輩「お、お疲れさまでした!」
249:
後輩「ふぅ…この制服、胸がキツいなぁ…」プルンッ
後輩「そうだ、シフト出さないと行けないんだ!」
店長室
後輩「失礼しまーす……」ガチャ
男チャラ男「「あ」」ヌギヌギ
後輩「あ///」
後輩「お着替え中とはすいませんでしたっ」バタンッ
後輩「って、」
後輩(ええええええ!!!??)
250:
ガチャ
男「あーごめんね…もう大丈夫だから」
チャラ男「スマン」
後輩「あわわわわわ…」
男「うん?」
後輩「すすす、好きですっ!!!」
男「え」
後輩(はっ!なんで告白しちゃったんだろ私!!)
後輩「し、失礼します!!」タタタッ
男「…え」
チャラ男「男にだよな…今の」
251:
帰り道
後輩(やっちゃった!!どーしよう!!!)タタタッ
後輩(まさか一緒のバイトだったなんて…)タタタッ
後輩(もう行けない…明日辞める電話しよ)グスッ
石「よっ」ガッ
後輩「痛っ」ビターン
後輩「ふええん……」
男「大丈夫?」
後輩「あ…」
252:
駅前
チャラ男「いや凄いよな、初めて会った日に告白なんて」ケラケラ
後輩「………」カアーッ
男「彼女いるからごめんね」
後輩「あ、大丈夫です!私みたいなのが調子乗ってすみません…」
チャラ男「まあ明日飛ぶなよ」
男「うん…初日だけで辞めたら女大生さん傷付くよ」
後輩「は、はい…ごめんなさい…」
男「じゃあまた明日ね!」
チャラ男「おーまたなー」
後輩「…」
チャラ男「帰ろうぜ、一緒の方向だろ?」
後輩「は、はい…」
253:
つぎの日
後輩「妹ちゃん!!お兄さんってあのお兄さんだよね!?」
妹「落ち着いてどのお兄ちゃんか分かんないよ」
後輩「バンドやってるけどやってないよね!?」
妹「あー?うー?」
妹「そうそう、その人がお兄ちゃんだよ」
後輩「どーしよう…せっかくドラム習ってたのに無駄になっちゃった」
妹「どゆこと?」
254:
妹「なるほどー…っていうかお兄ちゃんの事好きなんだ!」
後輩「う、うん///」
妹「彼女の女さんはレベル高いよぉ?」
妹「スラッとしたモデル体型だし明るく誰とでも仲良く喋るからねぇ」クフフ
後輩「うー…」プルルンッ
妹「おっぱいだけは勝ってるよ」
後輩「それだけなんて嫌だよ…」
255:
妹「私は後輩ちゃん好きだから応援するよ!」
後輩「ありがとー妹ちゃん〜」ダキッ
妹「ふへへ」モミッ
後輩「いやぁ///」
夜 駅前
男「じゃあまた明日!」
チャラ男「おー」
後輩「ちょ、ちょっと待ってください!」
男「どしたの?」
チャラ男「諦められないなら俺が慰めてやるよ〜?」
男「茶化さないの!」
後輩「その……まだ募集してますか?」
256:
男「え?何の?」
チャラ男「おいおい…もしかしてあの時の宣伝見て来てくれたのか?」
後輩「は、はい///」
男「ええ!!?本当に!?」
男「もう全然ウェルカムだよ!!」
チャラ男「友のやつ喜ぶぞこりゃ」
後輩「あ、ありがとうございます!!」
男「本当に嬉しいよ!妹とも仲良くしてやってね」ニコッ
後輩「はぅっ///」ズキューーーーン
チャラ男「……お前案外たらしだな」
257:
友の家
後輩「立派な豪邸ですね…流石バンドマン…」
友「いや俺らが建てた訳じゃないんだが…」
メイド「おかえりなさいませ」ペコッ
後輩「め、メイドさんまで…凄すぎます…」
チャラ男「ちょっと面倒くせぇなコイツ…」
男「まぁまぁ」アハハ
258:
地下スタジオ
後輩「す、凄い…個人のスタジオですか?」
友「まぁな」
友「早だけど演奏どんなもんか見たいから何かやろうぜ」
男「後輩さんは普段誰の曲やるの?」
チャラ男「楽しみだなぁ」ボッボボン
後輩「じゃあ…」
259:
http://www.youtube.com/watch?v=sOvetWa2BfA
副音声つきでスマン
後輩「ーーっ!!」ドコドコドコドコ
友(おいおい…コイツすげぇな)
男(は、早すぎて右手がついていけない…)
チャラ男(突っ走りすぎなとこあるけどタメ方とかが超気持ちいいぞ)
男友チャラ男(それにしても…)
プルルンッ
男友チャラ男(胸でけぇ……)
260:
後輩「はぁ……はぁ……ど、どうでしたか?」
友「合格」
チャラ男「まだまだ荒いけどよく叩けたな」
男「うん…凄いよ後輩さん!」
後輩「あ、ありがとうございます///」
メイド「よろしければ私がお教えしますよ」
後輩「メイドさんなのにドラムも叩けるんですかっ!?」
友「あーめんどくせ」
男「まぁまぁ…」アハハ
261:
男「こうして高校生活二年目は後輩さんが加入する所から始まりました」
男「遂にメンバーが揃った僕たちはTEENS ROCK優勝を目指して練習を開始していく」
男「僕はまだ自分でフレーズを考えることも出来ないから凄く苦労するんだよね…」
.
263:
おまけ
ギャル「…」
男(ま、まさかギャルさんと同じクラスたなんて)
ギャル「何よ」
男「な、なんでもないよ…」
数学教師「次!ギャル!解いてみろ!」
ギャル「えー分かんねぇし…」ガタッ
男「……」チョイチョイ
ギャル「ん?」チラッ
ギャル「……3x」
数学教師「ちっ…正解だ」
男「あはは…」
ギャル(ふん…礼なんて言わないから…)
264:
友の家 地下スタジオ
友「ペンタは最もよく使われるスケールだ」
友「即興でギターソロを弾く時なんかに便利だな」
友「覚え方としてはキーのダイアグラムを頭の中で構成」
友「今まで必死に覚えてきたコードがここで役に立つ訳だ」
友「例えばFを押さえて人差し指の一番下、ルート音」
友「ルートからこことここ…このポジションがペンタだ」
男「んーとっ…こことここと…」
チャラ男「ここでオカズを挟んでみるのはどうだ?」
後輩「はい…」ドンドンシャーン
後輩「こうですか?」
チャラ男「もっと頭の拍がわかり易くだ」
後輩「分からないですぅ…」
265:
女「ついに皆何してるか分かんないや…」
メイド「ふふ…一生懸命新しい技術を自分達で模索しているのですよ」
女「メイドさんはもうやらないの?」
メイド「私はあくまで坊っちゃん達のサポート…」
メイド「後は本人達に任せるのが一番かと」
女「…まるで男の世界だね…」
女「って!その女の子誰なの!?」
友「まーた面倒くさいやつ一人…」
男「あはは…説明するのに骨が折れそうだね…」
266:
女「そうなんだ!じゃあ後輩ちゃんが正式にドラムなんだね!」
後輩「はい!不束者ですがよろしくおねがいします…」ペコッ
友「とにかく時間がねぇんだ」
友「5月中にはオリジナル3曲作って録音」
友「そしてそれを応募しないとスタートラインにも立てねえからな」
チャラ男「まだ一曲しかねえからなぁ…」
男「あと一ヶ月でそこまでやらなくちゃね」
女「うん…頑張ってね」
268:
チャラ男「最初に出来た曲はハードロック…」
男「同じ雰囲気で行く方が統一性あっていいのかな」
後輩「でも今時のバンドって様々な作風の曲を作りますよ」
友「…そうだな」
男(それから二週間後、新しい曲が完成した)
男(友くんとチャラ男くんの共作でまさかのミクスチャーロックだ)
チャラ男「やっべこれ楽しい!!」
男「もろにレッチリに影響受けましたって曲だね…」
友「まぁサビはキャッチーにしたんだ」
友「これは盛り上がると思うぜ」
269:
後輩「でも後一週間で一曲ですよね…」
友「あれはウソだ」
男「え!?」
メイド「というより募集要項を確認したら2~3曲って書いてあったんですよね」
チャラ男「なんだそりゃ…まぁこれで出場は確実だな」
メイド「その代わりライブ映像が必要な事も発覚しました」
男「ええ!?もう時間ないよ!?」
友「メイドが明日のライブを押さえてくれた」
後輩「そんな…明日だなんて私出来るかな…」
270:
友「出来る出来ないじゃない」
チャラ男「やるしかないよな」
男「後輩さんなら出来るよ!頑張ろう!」
後輩「…はい!頑張りましょう!」
オオオオオ!!!!
女「あーあ…いいなぁ本当」
メイド「そんな羨ましい対象の男様と恋仲ではないですか」
女「うん…そだね、そう考えたら私も嬉しくなっちゃうな」
女「よしっ急いで宣伝しなくちゃ!」
271:
ライブ当日 隣町のライブハウス
男「またここでやるとはね」
友「リベンジだと考えりゃいいんだよ」
チャラ男「去年の秋だったっけ」
後輩「私も行きたかったですそのライブ!」
ライブハウス入口
女「本日ライブやってまーす!!」
メイド「よろしければ観に来てください」
ギャル「女じゃん…何してんの」
女「あ!ギャルちゃん!ライブ観てってよー!」
ギャル「は!?なんで?」
272:
男「…SE流れたよ」
友「おっし!やってやるか!」
チャラ男「一発かましてやろうぜ」
後輩「は、はい!」
ワアアアアアアァァァァ…
マッテタゾーマタモリアゲテクレー
男(空気が前と全然違う…)
男(僕たちを知っている人が沢山来てくれたんだ…)
男(きっと今日なら成功する!)
273:
http://www.youtube.com/watch?v=zO1_cpIIzXI
女「始まった!!」
オオオカッコイイイ!!!
女「皆ノッてくれてる!」
メイド「ドラムのパワフルさが新しい世界を生みましたね」
男「 So we will try not to cry
when we're walkin' in their shoes
Have you heard the news? 」
後輩(男先輩…とてもいい歌声ですね)
後輩(ずっとこの声が聞きたかったんだ、私)
274:
チャラ男(男がやろうと言ったこの曲…)
チャラ男(友は流行りのバンドなんてやりたくねえって言ったけど)
チャラ男(一聴した瞬間リフを耳コピして弾いてたな)
友(きたきたきた!!!!)ギュワーン
友(てめえら俺を見ろ!!!)
スゲエバカウマダナアノギター!!!!
メイド「坊っちゃん…前に出過ぎです」ウルウル
275:
男「こんばんわ!!THE STEREOTYPE(仮)です!」
ウオオオオオオオオオオ!!!!
友「……」チョイチョイ
男「…ん?」
友「……へへ」ビローン
男(弦切れたの!?)
男「あー、皆さん今日は来てくれて本当にありがとう」
男「今日もいい天気だねー」タラタラ
ナニイッテンダバカヤロー
チャラ男「トーク壊滅的に下手だなオイ!!」
ドッ!!ワハハ…
男(あ、ありがとうチャラ男くん!)
276:
友「へいへーい!!!」ギュイイイイン
男(流石友くん、弦張るの滅茶苦茶早い)ホッ
男「じゃあ次の曲行きます!」
http://www.youtube.com/watch?v=wteaAmz39D0
ギャル「何なのよあんたらはいつも…」
ギャル「いつもこんなかっこいいのやってたんだね…」
男(喉が…でもまだやらなきゃいけない!)
後輩(男先輩…無理して声真似ないで!)
277:
男「はぁ……はぁ……」
イイゾォノッチマッタジャネエカァ!!!!
男(だめだ……いつもより体が…)フラッ
友「ほら早く水飲めよ」ガシッ
男「と、友くん!」
友「こんなもんじゃねえだろお前は」
男「……うん、まだ平気!」
男「次から2曲続けて僕たちのオリジナルをしたいと思います!」
チャラ男「良かったら皆ノッてくれよ!」
後輩(私も割と限界です…)フラフラ
278:
男「その後僕たちはまた自分達の曲を発表しました」
男「こんなにも僕たちが作った曲で暴れてくれて凄く感動しちゃったや」
男「メイドさんが撮ってくれてた映像を編集して僕たちは初めてTEENS ROCKに応募したんだ」
.
279:
おまけ ライブ終了後 舞台袖
後輩「も、もう限界です…」フラー
男「大丈夫?後輩さん」ガシッ
後輩「あ、先輩……私もう無理ですぅ…」
後輩「すぅ……すぅ……」
友「出た!男の必殺技!」
チャラ男「懐かしいなぁオイ」
男「ちょっともうやめてよっ」
男「て、てかどうしよう…寝ちゃったんだけど」
友「おっぱい触っとけよ」ケケケ
チャラ男「俺ならキスするね」
男「もう…起きてよおお!!!」ペシペシ
281:
つぎの日 隣町の郵便局
男「出してきたよ」
男「達だから余裕で間に合うと思う」
友『おーそうか、サンキュ』
男「じゃあまたね!」
友『デート楽しんでこいよ』
男「もう…」
ピッ
男「お待たせて…って何してるの?」
女「上手くいくようにお祈り」
男「郵便局に?」
女「うんっ」ニシシ
男「じゃあ僕もしとくよ」
282:
女「はぁっ……気持ちいいよぉ」
男「………」パンパン
男(あれからデートする度にラブホに行ってる気がする…)
男(女は僕とセックスしたくて付き合ってるのかな)
男(はやくイってくれないかなぁ)
女「ね……男も気持ちいい…?」ハァン…
男「うん…気持ちいいよ女」
女「うれしい///」ダキッ
283:
女の家
男(はぁ…お財布が寂しいや…)
女「またね!」
男「うん…バイバイ」
キキッ
男「友くん家のリムジン…?」
友「よっ!遅かったな!」ウィーン
メイド「お迎えに来ました」
男「えっ!?頼んでないのにどうしたの!?」
友「たまにはいいじゃねえか!乗れよ!」
男「うん!ありがとう!」
284:
男「それでどうしたの?」
友「まぁ待てよ……3…2…1…」
チャラ男後輩「「お誕生日おめでとう!!!」」
男「うわぁビックリした!!!」
男「後部座席からなんてビックリしたよ…」
後輩「お花です」ハイッ
男「あ、ありがとう」
友「去年の時はまだ男の誕生日とか知らなかったからな」
チャラ男「後輩が教えてくれたからじゃあ祝おうぜって集合したんだ」
後輩「男先輩…おめでとうございます!」
285:
男「…皆本当にありがとう!!」
友「何泣きそうな顔してんだよ」
男「だって……こんなに祝って貰えるなんて思わなかったから」
チャラ男「え?女から祝われたんじゃないの?」
後輩「だから今日デートなんだと思ってました」
男「……いや祝って貰ったけど小さいケーキを二人で食べただけだから!」
友「じゃあもっと大きいケーキで祝おうぜ」
後輩「はい…どうぞ!!」
男「うわぁ凄い…」
チャラ男「ロウソクに火つけよーか?」
男「ううん…早く皆で食べようよ!!」
後輩「せ、せっかくですから火付けましょうよ!!」
男「は、恥ずかしいなぁ」アハハ
男(女からは何もなかったなぁ…)
286:
夏 TEENS ROCK会場
ミーンミンミンミンミン…
友「あーあっちぃ…」
男「凄い大きい…昼にはここに沢山人がいるんだよね」
チャラ男「俺も緊張してきたわ…」
スタッフ「STEREOTYPEの皆さんこちらが控え室入り口になります!」
男「はい!」
後輩「うう…怖いです…」
メイド「後輩様、お水です」
後輩「はぅ〜ありがとうございます!」ゴキュゴキュ
287:
バタン…バタン…
男「次々に参加者が入ってくるね」
チャラ男「おい!あれシエスタじゃん!」
友「どれだよ」
後輩「東京で開催したイベントチケットが即完売した伝説のバンドですよ」
男「そ、そんな人達がわんさかいるのか…」
友「関係ねぇ…俺たちが優勝すっからな」
チャラ男「まぁ実力では勝ってるけどな」
男「え?そうなの?」
チャラ男「シエスタってポップバンドなんだよ」
チャラ男「メンバーが皆イケメンだから熱狂的ファンが多いんだ」
288:
友「んだよそれ…ロックフェスじゃねえのか」
後輩「一応バンドですよぉ」
男「あー…ミスチルみたいな感じって事だね」
チャラ男「いやAAAが形だけバンドしてるみたいな感じだよ」
男「あはは…でも人気って事は優勝もありえるんだよね」
友「そんなバンドに負けてらんねえな」
イケメン「さっきから何なんだお前ら?聞き捨てられねえな」
チャラ男「し、シエスタのボーカル…」
289:
友「あ?んだよやんのか」
男「ちょっと友くん…」
イケメン「てめえらそもそも見たこともねえんだけど何てバンドなんだよ」
友「俺たちはTHE STEREOTYPEだ!てめえらなんかに絶対負けねぇ!」
チャラ男「よく喧嘩うれるな…」
男「一応相手は先輩なんだよね…」
後輩「け、喧嘩しないでください〜」アワアワ
290:
イケメン「ケッ…どうせ優勝は俺たちなんだよ」
イケメン「無名のてめえらは家に帰ってママのミルクでも吸ってな」
ドッアハハハハハwwwwww
友「何なんだよアイツ!!ぶん殴ってくるわ」
男「やめなよ友くん!」ガシッ
チャラ男「揉めたら出場取消しくらうかもしんねーぞ」
友「……あぁわかってるよ」チッ
後輩(ば、バンドマンって怖いです…)ブルブル
291:
昼 会場外
女「やっほー来たよ!」
友「おせーよマネージャー!」
男「まぁまぁ…女は出る訳じゃないんだし」
チャラ男「お、呼び捨てか」
友「お熱いこった」
男「やめてよもう!」
女「男!屋台とかいっぱいあったよ!行こ行こ!」ダキッ
後輩(う、腕組んでる…羨ましいです…)
チャラ男「そんな時間あったっけ?」
メイド「出場時間は最初の方ですよ」
男「終わってから行こ!僕たちすぐ終わるから」
女「むー…約束だよ!」
292:
司会「それでは只今よりTEENS ROCKを開催いたします!!」
ウオオオオオオ!!!
控え室
男「始まったね」
チャラ男「三番目か…いい思い出ないから怖えなぁ」
友「そのジンクスを打ち破ればいいだろ」
後輩「かっこいいですねその台詞!」
友「だろ?よく分かってんじゃん!」
チャラ男「バカが二人…」
男「あはは…」
293:
イケメン「んだよ…後ろてめえらか」
男「シエスタ…」
チャラ男「まぁそっすね」
イケメン「俺たちに勝てない理由、教えてやろうか?」
友「んだよ…やる前から分かるってのか!?」
イケメン「やる前から分かってるんだよ」
イケメン「今年はシエスタが優勝、ロッキン出場して華々しくメジャーデビューまで決まってるからな」
男「……え?」
294:
後輩「そんな……」
チャラ男「出来レースか…」
友「…………」
男「…………」
イケメン「まぁてめえらはこの客達を暴れさせることも出来ねえだろなぁ」
イケメン「そこで指くわえて見てろよバーカ」
イケメン「あ、後でそこの女、俺たちと遊ぼうぜ」
イケメン「気持ち良くさせてやっからよ」
後輩「誰が貴方達なんかと…」キッ
295:
司会「さぁ次は…なんとシエスタだあああああ!!!!」
ウオオオオオオ!!!はええよ!!!
司会「去年の夏に全国ツアーを即SOLD OUTしたのはまだ記憶に新しいこのバンド…」
司会「今年は一体どんな盛り上がりイケメン「貸せっ」
司会「あぁマイクがっ」
イケメン「あー…ゴホン」
イケメン「てめえら今年は俺たちシエスタがロッキン行くから」
イケメン「たっぷり暴れてくれよ?」
きゃああああカッコイイ!!抱いて!!
296:
舞台袖
ラッブラッブキミニムチュウサー
キミガイナクナッテボクハタチアガッタヨー
友「んだよこの気持ち悪い曲…」ゾゾッ
チャラ男「よくある感じだな」
男「でも皆凄いノッてるよ…」
後輩「お客さんまでサクラとかじゃないですよね…」
チャラ男「この人数は流石にないだろ」
友「ともかく!俺たちがこいつらに負けてるとこなんて何一つないだろ!」
友「ぜってー優勝!それしか見えてねえから」
男「うん!僕もシエスタには勝ちたい!」
チャラ男「やるからには盛り上げねーとな」
後輩「緊張してきた…」
297:
司会「シエスタの皆さんありがとうございましたー!!」
司会「えーつぎのバンドは…えー全くの無名バンドではありますがこのTEENS ROCKの厳しい音源審査を乗り越えやってきましたTHE STEREOTYPE(仮)です!」
観客「……だれ?」
シーーーン……
男「またアウェイな空気だね…」
友「もう慣れただろ?」
男「そんなことないよ…」
チャラ男「始めてしまったら気になんねえよ」
後輩「ここはもう自分達の世界に入ってしまいましょ!」
298:
男(…心臓がバクバクしてる…)
男(今にも倒れてしまいそうなぐらい緊張してる…)
ギュワーーーーン
男「と、友くん!!」
友「おらあああてめえらもっと暴れろよ!!」
観客「すげぇ……あのギターバカうまじゃん」
チャラ男「勝手に盛り上がりやがって」ヘヘッ
後輩「いきますよ!!」
299:
チャラ男(あーやっぱり最高だこの曲!!)バキバキ
観客「ベースもチョッパーやばいぞ!!」
メイド(新曲RED SPICE…)
メイド(タイトルからしてレッチリリスペクトだとわかりますね)ウフフ
後輩(もうすぐサビ…ちゃんとここのおかずは決めないと…!!)シャカパーン
男(決まった!気持ちいい!!)
観客「なんだこいつら…バカ楽しいじゃん!!」
ウオオオオオオ!!!!!
300:
男(皆ノりだした!!)
友(ははっ楽しい!!!)
チャラ男(ダイブとか初めてされたな!)
女(やっぱりカッコイイなぁ皆…)
女(写メ写メっと…)ガサゴソ
イケメン「よっお姉さん一人?」
女「え?あ、はい」
301:
男「ありがとうございます!!僕たちTHE STEREOTYPE(仮)です!!」
いいぞおおお!!!!
男「こんなに盛り上がってくれるなんて思わなかったです!次の曲で終わりだけど楽しんでいってね!」
友(きたきた!!)
男(僕たちの初めてのオリジナル曲、ROCKSMITH…)
チャラ男(まさかゲームしてて思い付いたからってそのまま曲名にするなんてなぁ)
後輩(まさにハードロックのスタンダードナンバーって感じですっ!)
302:
友(ギターに必要なのは…スター性!!)
ピラリロピロリロギュイーン
観客「なんて荒々しくも気持ちいいソロなんだ…」
男(友くんのプレー…何か変わったな)
男(上手いだけじゃないっていうか…)
男(感情まで揺さぶられるような…そんな感じがする!)
男「へへっ」ピョンッ
メイド「あの男様がジャンプしました…」
メイド「いっぱい撮っておきましょう」パシャパシャ
303:
男(気持ちいい!!)
男(こんなに楽しいライブ初めてだ!)
男(本当に……ここまでやってこれて良かった…!)
司会「優勝はシエスタでした!!」
ウオオオオオオ……
女「かっこよかったよ」
男「うん、ありがとう!」
女「んっ……ちょっと休んでいい?」
男「大丈夫?」
女「うん…ちょっと暴れ過ぎちゃった」エヘヘ
男「顔が真っ赤だよもう」アハハ
304:
男「ライブ終了後、僕たちSTEREOTYPEは抱き合った」
男「なんでそうしたかはわからないけど」
男「とにかく僕たちはとても興奮していてその時の熱が全然下がらなかった」
男「出来レースだとしてもここまで観客が盛り上がったんだもん」
男「嬉しくないわけがなかったんだ」
男「それからしばらくしてメイドさんが花束を渡しにきてくれた」
男「僕たちの家族もやってきて優勝した訳でもないのにお祝いしてくれた」
男「でも、その中に女はいなかった」
男「連絡しても繋がらなかったんだ…」
.
308:
秋 友の家
男「もうすぐ修学旅行だね」
友「あー長野でスキーだろ」
男「スキー出来る?」
友「まぁ割と経験あるし」
男「いいなぁ」
友父「友…お友達かな」
友「お、親父!?いつの間に…」
友母「あら初めまして…お名前は?」
男「あ、男です」ペコッ
友父「そうか…男くんいつも友と仲良くしてくれてありがとうな」ニコッ
男「いえ…いつも一緒にバンドやってるだけですよ」
メイド「……」
309:
友父「今日はもう行かなくちゃならない…」
友母「もうすぐ受験なんだからお勉強しとくのよ」
友「わーってるって!余裕だし」
男「あはは…また今度」ペコッ
友「思ってたより何もなかったな」
男「どうゆうこと?」
メイド「坊っちゃんにご友人は必要ないといつもお父様は仰られています…」
男「ふーん…でも笑ってたよね」
友「あぁ…不気味だったけどな」
310:
冬 長野スキー場
友「ひゃっほおおおお!!!!」
チャラ男「あいつギター以外にも特技あったんだ」
男「凄いはっちゃけてるね」アハハ
女「男!一緒に滑ろうよ!」
男「あ、うん!ごめんねチャラ男くん!」シャーッ
チャラ男「ケッ…ナンパでもすっかな」
友「おいチャラ男!一緒に滑ろうぜ!」
チャラ男「何が悲しくて男二人で滑らなきゃなんねえんだよ!!」
311:
冬休み 友の家 スタジオ
後輩「もう今年だけで10回はライブしましたね」
チャラ男「動員も増えたよな」
男「今やライブハウスからのバックが多くて凄い収入だよ」
友「それだけ俺たちが有名になったんだよ」ナハハハハ
メイド「来年こそはTEENS ROCK優勝を目指すのですね」
友「あぁ!でもやっぱりもっと凄い曲作らないと厳しいと思ってる」
チャラ男「でも俺たちじゃ似たような曲ばっか出来上がるよな…」
男「あのさ…僕も一曲作ってみたんだけど」
312:
チャラ男「マジかよ聞かせてくれよ」
後輩「はい!私も聞いてみたいです!」
男「恥ずかしいけど弾き語ってみるね…」
友「……」
男「ど、どうかな…?」
友「曲名は?」
男「まだ仮だけどANGELだよ」
チャラ男「女への歌か」ニヤニヤ
男「そ、そんな訳ないじゃん!!」
友「いいじゃんやろーぜ」
313:
男「ほ、ほんと!?」
友「歌メロが良いよな」
友「ただしまだまだ未完成だ」
チャラ男「じゃあ今日はANGELを考えてやるか」
後輩「はい!私も頑張ります!」
男「…うん!じゃあイントロからなんだけど……」
314:
クリスマス 男の家
女「やっほー!」
男「いらっしゃい」
妹「やっぱりこの人が彼女だったの!!?」
女「妹ちゃん…お姉さんと呼びなさい」フフン
妹「お姉さまぁん!!」ダキッ
男「こらこら…じゃあ僕たち出掛けてくるから」
妹「えー今日も?いいなぁ」
女「妹ちゃんもすぐに彼氏出来るよ」
女「何なら私が紹介してあげよっか?」
妹「べ、別にまだいいです///」
男(……誰を紹介するつもりなんだろ)
315:
電車
女「バンドの方はどう?」
男「うん、最近いい感じだよ」
女「そっか」
男「…最近マネージャーとして来ないね」
女「もう来年受験だからね」
女「……寂しいの?」
男「まぁね」
女「ふふ、可愛い!!」ギュッ
男「もう…恥ずかしいよ」
316:
夜 東京スカイツリー
女「うわぁすっごい高い!」
男「はしゃいでたら落ちちゃうかもよ」
女「もう!なんでそんなこというの!!」フンス
男「あはは…僕たち付き合ってもう一年経ったんだね」
女「うん…男は大学どうするの?」
男「まだ決めてない」
女「あはは私もー!」
男「でもやっぱり都内がいいかな」
女「音大にでも入るの?」
男「うーん多分受からないだろうからバンドで有名なとこにしようかなって思ってる」
女「じゃあ私も一緒のとこ行くよ!!」
男「うん!頑張ろうね」
317:
男「こうして高校生活二年目は悔しい事もあったりしたけど凄く充実した毎日を過ごしていた」
男「時間が流れるのはあっという間だったけど僕たちは全力で走り抜けてきたんだ」
男「そして迎えた最後の一年…」
男「更に激動の日々を僕たちは迎える事になったんだ」
.
320:

男「いよいよ三年生だね」
チャラ男「今年は皆一緒のクラスじゃん」
女「やったぁ!!神様ありがとー!!」
友「いや先公のおかげなんじゃねえの」
ギャル「…また一緒かよ」
男「あはは…ギャルさんとは三年間一緒だね」
>>263のおまけはなかったことにして
単純に一年から一緒なの忘れてた
321:
教室
チャラ男「お前ら一緒の大学行くのかよ」
男「あはは…受かればだけど」
女「もー絶対行くから!」
友「男は余裕だろうけど女はどうなんだ?」
女「うー去年模擬やってみたけどD判定でした…」
男「一緒に頑張ろうよ」
女「うん!」
男「友くんとチャラ男くんは?」
322:
チャラ男「俺は地元の適当なとこ受けようかな」
チャラ男「あんま地元離れたくねーし」
友「……デビューしたら皆で東京に住もうぜ」
チャラ男「…デビュー出来たらいいけどさ」
チャラ男「現実そう甘くはねーよ」
友「やってみなきゃ分かんねえだろ!」ガタッ
チャラ男「あ?やんのかコラ」ガタッ
男「ちょっ、ちょっと落ち着こうよ二人とも…」
323:
友「今の俺たちなら絶対優勝出来るだろ!!」
チャラ男「去年みたいに今年も出来レースだったらどうすんだ!」
チャラ男「もしそうなら俺たちはただ記念出演しに行くだけじゃねえか」
友「関係ねえよ!ムカつくやつぶち負かして俺らがテッペン取るだけだ!」
男「二人ともやめなよ…」
チャラ男「ああ!そうだよ俺たちがぶっ飛ばして勝手に優勝決めてやるよ!!」
友「わかってんじゃねえか!」
チャラ男「…諦めきれる訳ねーだろ」
男「……あはは」
324:
チャラ男「絶対勝つ!去年みたいにあんなクソバンドに負けたくねえよ」
友「そのためにも今年はライブツアーしてえんだ」
男「え!?本気で言ってる!!?」
女「なになに楽しそうじゃん!私も行くよ!」
男「勉強大丈夫なの?」
女「暇なとき見つけて教えてよ」
男「あはは…今年は僕死んじゃいそうだね…」
担任「お前ら席座ってくれ……」
325:
放課後
チャラ男「俺今日部活の方だから」
男「いよいよ今年だね」
友「ちったあ成長したか?」
チャラ男「男がヤンキーに歌を教えてくれたからな」
チャラ男「少しだけ音痴が直ったよ」ハハハ
男「ヤンキーくんカラオケ大好きだからね…」
男「去年はわりとちょくちょく連れていかれたよ…」アハハ
チャラ男「じゃ、また明日なー」
友「おー」
男「あ、僕バイトだから」
友「は!?マジかよー…俺今日何したらいいんだ…」
男「少しは勉強したら?」
友「それならギター弾くわ」
326:
駅前 ガスト バイト中
後輩「え、ツアーやるんですか!?」
男「夏休みの間TEENS ROCKを最終日にやろうって決めたんだ」
店長「てことは三人とも辞めるつもりかい!?」
男「あ、そんな事ないですよ」
男「7月中旬から8月中旬ぐらいだけお休み貰えたら後は卒業まで働きますから」
後輩「店長いいですか…?」
店長「あーもう…君たちにはいつもお世話になってるからね…」
店長「いいよ!最後の高校生活をたっぷり謳歌してきなさい」
男後輩「「ありがとうございます!!」」
327:
つぎの日 学校
男「あのさ…ギャルさん」
ギャル「何よ…女がいるのに浮気?」
男「そ、そういう訳じゃないよ」
男「夏休みの間僕たちのバンドのお手伝いをお願いしたいんだ」
ギャル「は!?意味分かんないし」
男「バイト代出すからさ…グッズ売るの手伝って欲しくて」
ギャル「…ふん…ギャル友も一緒でいい?」
男「勿論だよありがとう」ニコッ
328:
しばらくして 地下スタジオ
チャラ男「これで何曲目だっけ?」
メイド「5曲目ですね」
友「こんなもんでいいか」
男「うん!それにしても凄いよね」
後輩「私録音なんて初めてしましたよ」
友「やっぱりデモも売らないと話題にならないだろ」
チャラ男「デモよりステッカーやら缶バッチを先に売ってる俺たちって馬鹿だよな」
男「あはは!確かにね!」
329:
男「こうしてツアーに向けて僕たちはデモを制作」
男「だいぶ駆け足だったけど悔いの残らないように精一杯やれることをやっていったんだ」
男「今やオリジナルだけでもセトリが完成するぐらい曲も増えていったなぁ」
男「残すは今年の夏、TEENS ROCK優勝だけだね」
.
336:
夏休み 友の家
メイド「それでは経路を発表します」
メイド「まずは横浜B.B.streetでのブッキングです」
メイド「それが終わりましたら都内中心部に出発」
メイド「一週間ほど掛けて時計回りに三つのライブハウスを回ります」
メイド「全て終わりましたら一度ディズニーで休暇でも取りましょう」
メイド「休み終わったら後は常磐の自動車道を使い一気にひたちなかまで向かいます」
メイド「一応本番前日にもブッキングは調整していますがどうなされますか?」
331:
友「もちろんやるに決まってんだろ!!」
チャラ男「ちげえねえな」
ギャル「なにこれ本格的な旅行じゃん!」
ギャル友「うち充電器しか持ってきてないよ〜」クネクネ
男「旅行じゃなくてツアーだよ…」アハハ
後輩「それにしてもだいぶ人数が多いですね」
女「私と男と友にチャラ男、後輩ちゃんにギャルちゃんギャル友ちゃん」
友「運転がメイドだろ」
チャラ男「機材車に7人も乗れねえよ」
男「それにデモとグッズもあるからね」
332:
ギャル「ちょい待ち!何なの皆車で寝泊まりする気かしら?」
ギャル友「ちょっと狭そうだから嫌だな〜」クネクネ
ギャル「そうじゃなくて!男女混同で車中泊なんて絶対嫌だから!」
メイド「その心配は御座いません」
メイド「各地の一番いいホテルをそれぞれ個室でご用意させていただいております」ササッ
ギャル「これパンフ?…ってナニコレ部屋に温泉ついてるじゃない!!?」
男「いいの?男子だけでもまとまって大部屋でよかったんじゃないかな」
友「俺はそうしたかったけどさ…」チラッ
女「うふふふふ」
333:
ギャル「すっごい…絶対行く!!」
チャラ男「でも車に7人も乗れないぞ」
チャラ男「売り子なんて別にいらねえんじゃねえの?」
友「確かにな…最悪女一人でいいし」
ギャル「待って!もう一人運転手がいたら車は用意できるかしら?」
メイド「まぁ機材車と同じバンを用意いたしますけど」
ギャル「分かった!出発はちょっと待って!」
ギャル友「すぐ戻るよぉ〜」クネクネ
男「着替えも用意しとくんだよ〜」
後輩「あの二人方…少し怖いです…」
男「喋ってみたら意外といい人だよ」アハハ
チャラ男「今までそんな事感じる会話したか…?」
334:
男「久しぶり…!」
DQN「よお」
友「なんだてめえかよ」
チャラ男「お前同い年だろ!?」
DQN「誕生日が4月だからな」
DQN「6月には免許取ってマーク?乗り回してたぜ」
チャラ男「またいつの時代だよ…」
ギャル「これで二グループに分けられるでしょ!」
女「うん!じゃあグループ決めようよ!!とりあえず私とおと後輩「くじ引きで決めましょうよ」
女「えっ」
335:
やってしまった…
実は俺一人で書いてる訳じゃなくて
友達に色々教えて貰いながら書いてるんだけど
今愛知じゃなくて茨城の方でやれと指示来た…
というか場所ミスったらしい…
337:
昼 メイド車両
女「ちぇー男と一緒がよかったなぁ」プンプン
友「車の中でイチャつかれたくないから俺たちはちょうどいいぜ」
女「もうっ!全然乙女心を分かってないね友くんは!!」
チャラ男「こいつはそんなやつだよ」
ギャル友「ねーくぅちゃん聞きたいから流してもいい?」
友「絶対嫌」
メイド「あちらはまた気まずそうな組み合わせですね」
338:
DQN車両
男「そうなんだ!DQNくんも頑張ってるんだね!」
DQN「あと3年も通わないと行けないんだけどな」
ギャル「もう!それは仕方ないじゃない!」
男「あはは…」
後輩(き、気まずいです…)
後輩(男先輩と一緒なのは嬉しいけど私はこのお二人と面識がないのですよ…)
後輩(あーせめて妹ちゃんがいたら…)ウルウル
ギャル「なにあんたドライアイ?」
後輩「あ、そそそんなことないです!」
ギャル「ほら目薬貸したげるから」ホイッ
後輩「…ありがとうございます!」
後輩(意外といい人っていうのは確かかもしれません)
342:
夕方 横浜
女「私横浜初めてきたよ!」
男「僕もだよ」
メイド「さぁライブハウスへ急ぎましょう」
ライブハウス
友「よおし絶対TEENS ROCK優勝だ!!!」
チャラ男「それここで言うか?」
後輩「最終目標はそこですからね」アハハ
男「とにかく今日も大成功させようよ!」
友「地元じゃねーから皆知らねえだろうけどな」
343:
本番 ステージ
シーーーン…
男(またアウェイな空気だ…当然だもんね)
男(皆僕たちの事なんて知らないから)
男(でも、最近はこの空気が少し好きになったよ)
男(盛り上がる前のひんやりしたこの感じ…)
男(それが熱でむせ返る瞬間が最高にたまらないんだ!!!)
ドッ!!!
ワアアアアアアアアア!!!!!
344:
ライブ終了後 物販コーナー
ワイワイガヤガヤ…
「えー高校生なのにCD出してるんだ!」
ギャル「はいそうなんですよー宜しければ一枚買ってくださいよー」ニコニコ
「これちょうだい!」
ギャル友「えーどれぇ?分かんないよ〜」クネクネ
ギャル「これだよ」ハイッ
男「ギャルさんが普段と全然違う…」
女「普段隣町のスーパーではたらいてるよー」
チャラ男「ギャル友と違ってテキパキ動くな」
友「CDがバカみたいに売れてくぜ」ニシシ
345:
夜 ライブハウス前
メイド「今日の売上ですけどこちらです」
後輩「わ、私のバイト代ぐらいありますよ!」ハワーッ
チャラ男「今日は上出来だな」
女「ふふん!グッズが売れたおかげだよ」
男「あはは…ギャルさん、ギャル友さん本当にありがとう!」
ギャル「ばっ…照れるっつーの」
DQN「おいおい男…俺の女に手ぇ出そうとはいい度胸じゃねえか」
女「そうなの!?男…最っ低!!」
あはははははは……
346:
深夜 中華街
友「うまかったな中華料理!」
後輩「北京ダックなんて初めて食べましたよ!!」
メイド「お口にあったみたいで良かったです」ニコッ
ギャル「で、今日はどこのホテルなのよ」
女「今日は車中泊じゃなかったっけ?」
ギャル「」
男「あはは…海沿いの公園で寝ようよ」
友「お!それいいな!花火しようぜ!!」
DQN「いいけどサツが来たら逃げるぞ」
男「え…や、やっぱりやめとこか…」
347:
海の公園
チャラ男「ちょっ、てめぇこっち向けんな!!」
友「へへへ!くらえ俺のロケット花火!」
メイド「坊っちゃん危険です」パシッ
ギャル「よ、容赦ないねメイドさんって」
男「いやあのメイドさんだけだよ…」アハハ
DQN「歳はいくつなんだ?」
後輩「世の中にはタブーってものがあるんですよ…」
ギャル友「あーん私って空気ぃ?」クネクネ
女「うん…うん…今?花火ぃーえへへ」
348:
つぎの日 朝
友「さっさと都心部向かおうぜ!!」
チャラ男「元気だなぁ…まだねみぃよ」
ギャル「ふわぁ〜今日は先にホテルで寝ない?」
メイド「そうですね…DQN様が居眠り運転される前にチェックインしに行きましょうか」
DQN「こんな金掛けた旅行初めてだぞ…」
後輩「男先輩!!出発しますよ!!」
ギャル友「寝かせとこうよぉ〜」クネクネ
友「ケッ…手繋いで寝やがって…」
男「すぅ……すぅ……」
女「……んんっ……えへへ…」
349:
しばらくして 都心部ライブハウス
友「くっそぉ今日はイマイチだったな」
男「演奏自体は良かったんだけどね」
チャラ男「まぁ俺たち無名だしな」
後輩「もっと私達が盛りあげればきっとお客さんもノってくれますよ!」
女「今日で東京のライブは全て終了かぁ」
メイド「デモが全て売れてしまったのでまたコピーしてきます」
ギャル「ちょっとは休みなよメイドさん」
メイド「…いえ、坊っちゃんと皆様のために全力を尽くしたいのです」
350:
千葉 ディズニーリゾート ホテル
ギャル「ひゃっほーふかふかベッドだぁ!!」ボフッ
ギャル友「私も〜っ」ボフッ
メイド「…」フラー
女「メイドさん!」ガシッ
メイド「…ありがとうございます女様」
女「やっぱり休みなよ!!」
ギャル「何過労?」
メイド「いえ…大丈夫です」
メイド「私は一度戻りまたCDを作り持ってきますのでゆっくり休んで下さい…」
女「ダメだよ!そんな状態だと絶対事故るじゃん!」
メイド「ご心配ありがとうございます…ですが」
ギャル「バッカじゃないの?」
351:
女「ちょっと!ギャルちゃん!」
ギャル「あんたが倒れたらあいつらが全力でライブできると思ってんの?」
メイド「……」
ギャル「いつもあんたが皆のフォローで走り回ってんの知ってるんだよ」
ギャル「今日は休暇日…一日ぐらい皆で遊んでもいいじゃん」
ギャル友「そうそう〜」クネクネ
女「…うん、やっぱり今日は休んでよ」
女「デモCDなんかなくたってSTEREOTYPEは大丈夫だよ」
女「それはメイドさんが一番よく知っているでしょ?」
メイド「……そうですね」
メイド「それではお言葉に甘えて少々休ませていただきま…す…」
352:
メイド「すぅ……すぅ……」
女「あはは…よっぽど疲れてたんだね」
ギャル「本当にバカばっかだね」
女「楽しいでしょ?」
ギャル「……ふん」
ギャル「まぁ少しは応援してあげてもいいよ」
353:
ディズニーシー
女「という訳で今日メイドさん寝てるから!」
女「DQNくんギャルちゃんギャル友ちゃんが看てくれてるから私達だけで楽しんじゃお!!」
友「マジかよ…あいつ全然顔に出さなかったぞ」
男「…僕も看病してくるよ」
女「ダメ!メイドさん皆で楽しんできてって言ってたよ?」
女「皆で看病してたらメイドさんも気遣っちゃうじゃん」
チャラ男「体調良くなったら来んのか?」
女「うん!皆で後から来ると思うよ!」
後輩「そうでしたら楽しまないといけないですよ!」
後輩「笑顔でメイドさんを迎えてあげましょう!」
男「…うん!そうだね!」
354:

女「ずっと彼氏とディズニー来たかったんだ♪」
男「あはは…僕もだよ」
女「今日はいっぱい楽しもうね!」
男「うん!あまり歩けそうにないけどね…」
女「上見て!モノレールで移動出来るんだよ!」
男「本当だ!もう全身筋肉痛だから助かるや」
女「まずはインディージョーンズから行こうよ!」
男「うん!いいよ!」
355:
チャラ男「またお前とかよ…」
友「後輩もいるじゃん」
チャラ男「こいつも男に首ったけだから面白くねえんだよ…」
後輩「へ!?すすすすみません…」
友「おい見ろよランダムで水が吹き出してんぞ!」
チャラ男「へいへいガキと一緒に遊んでろ」
チャラ男「後輩ちゃんは俺と一緒にデートしよっか」
後輩「で、デートですか!?」アワアワ
友「おい!お前ら俺を置いてくなよ!!」
356:
夕方
メイド「皆様ご心配お掛けしてすみません…」
ギャル「本当だよまったく…」
DQN「お前ら美味そうなもん食ってんじゃねえか」
男「ギョウザドッグだよ」
女「はい!皆の分もあるよ!」
ギャル友「わぁ〜ありがと〜」クネクネ
友「それ食って元気出せよ」
メイド「はい…皆様ありがとうございます」ニコッ
357:
メイド(坊っちゃん…あなたは本当に良い友人に恵まれましたね)
メイド(私メイドも鼻が高いです)
メイド(ですが…)
メイド(夏休みが終わる頃には一度全てを皆様にお話しなければいけませんね…)
メイド(そのときが来るまでは…精一杯楽しんでください)

ヒュルルルル……パァン!!!
友「た〜まや〜!!!」
男「もう…ディズニーでそんな事言うの友くんぐらいだよ」
チャラ男「バカ丸出しだな」
358:
夜 ホテル 男の部屋
男「……」ジャカジャンジャンジャーン
男(……くそ、まだ完成しない)
男(一度ライブでは披露したしTEENS ROCKもこれをやるんだけど…)
男「完成しないなぁANGEL…」
コンコンッ
男「?はーい」ガチャ
友「よっ」
男「友くん!?」
友「やっぱり弾いてたな」
男「うん…眠れなくて」
友「俺もだぜ」
359:
友「ここでこうカッティングしろよ」ジャカジャッジャッジャーン
男「それいいね!でもポップになっちゃうよ?」
友「これはお前の曲だろ?」
友「男の曲なんだからどうしたらいいかぐらい自分で分かるだろ」
男「うん…まだ全然分かってないけどね」アハハ
友「…男は男でいいミュージシャンになれるぞ」
男「どしたの?急に…」
友「何でもねえよ」
男「変なの…ねえ!ここは二人でこうしない!?」
友「お!いいじゃん!チャラ男と後輩も驚くぜこれ!」
360:
男「この時の友くんの発言…」
男「少し心に引っ掛かったこの不安はTEENS ROCKが終わってから見事に的中したんだ」
男「しかも悪い方向に……」
男「思えばこの辺りから僕の人生は少しずつ狂い出していたのかもしれない…」
.
361:
しばらくして 茨城
友「いよいよ明後日か」
チャラ男「今年は出来レースなしだといいな」
後輩「そんな毎年あるものですかねー」
女「そんなの関係ないでしょ!!」
女「今年こそは優勝しちゃってよ!」
メイド「着きましたよ」
362:
ホテル
ギャル「私達今日やることあるから」
友「ちゃんと戻ってくるんだぞー」
DQN「分かってるってえの」
チャラ男「どうだか」
男「まぁまぁ…ねぇ、明日のライブどうする?」
後輩「明日は久々に男先輩の曲やりたいです!」
女「いいじゃん聞きたいよぉ〜」
男「明日のお楽しみだよ」
友「ま〜たのろけやがって」
チャラ男「よし!男の部屋で練習しよーぜ」
363:
次の日 ライブハウス
男「今日でツアーも終わりだね」
友「明日がラストだっつーの」
チャラ男「ちげーねえな」
後輩「うう…緊張してきました…」
メイド「今は目の前のライブに集中いたしましょう」
楽屋
金髪「あ!STEREOTYPEの皆さんだ!!」
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オタク「デュフフwww今一番熱い高校生バンドとして有名ですからwww」コポォ
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