律子「メガネが壊れた」back

律子「メガネが壊れた」


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1:
車掌『次はー、○○、○○』
律子「……」
律子(相変わらず、満員電車ね……)
車掌『お出口は左側です』
律子(まぁ、もう慣れたけど)
車掌『お降りの際は、お気をつけ下さい……』
律子「よいしょ、っと……」
「邪魔だ、どけどけぇ!」
律子「!?」
ドン グシャッ
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2:
律子「いったた……何よ、今の……」
駅員「大丈夫ですか?」
律子「あ、すいません……大丈夫です」
律子「……」
律子「……あれ?」
律子(視界が……ぼやけてる)
律子「…………」
律子「壊れた」
3:
――事務所――
ガチャッ
律子「おはようございます」
P「おう、おはよう律……子?」
律子「何です、その疑問符は」
P「いや、一瞬迷ったんだ。 メガネしてないから」
律子「……私の本体はメガネだとでも?」
P「冗談だ」
小鳥「律子さん、珍しいですね。 イメチェンですか?」
律子「いえ、壊れたので」
P「壊れた?」
4:
P「へー、そんなことが」
律子「おかげで、ここまで来るのも一苦労でしたよ……」
小鳥「その人、訴えた方がいいんじゃないですか?」
律子「あぁ、もう示談になりました」
P(その人、めっちゃ金取られただろうな……)
小鳥「でも、メガネが無いんじゃ大変ですよね……仕事」
律子「そうなんですよね……」
P「……」
5:
P「律子」
律子「はい?」
P「貸そうか? ……メガネ」
律子「あるんですか?」
P「まぁ…………うん」
小鳥「意味深な間ですね」
律子「まさか、ヒゲメガネとかじゃ」
P「……」
律子「え? 図星?」
6:
P「給湯室の棚にあるから、な?」
律子「なんで仕舞い込んでるんですか?」
P「……じゃ、営業行ってきます!」
ガチャッ バタン
律子「……」
小鳥「……どう思います?」
律子「メチャクチャ怪しいですね」
小鳥「ですよね……」
7:
律子「まぁ、とりあえず見てみますか」
小鳥「ですね」
律子「給湯室は……っと」ガン
小鳥「……」
律子「………ったぁ……」
小鳥「結構見えてないんですね……」
律子「はい……」
小鳥「じゃ、律子さんはそこから動かないで下さい。 取ってきますから」
律子「すいません、小鳥さん」
8:
律子「……」
律子(どうして、こうなっちゃったんだろう……)
律子(今日は、誕生日なのに)
律子「はぁ……」
小鳥「はい、取ってきましたよ。 ……大丈夫ですか?」
律子「……あぁ、大丈夫です」
小鳥「それで、そのメガネなんですけど……」ゴトン
律子「ゴトン?」
小鳥「箱でした」
9:
律子「は、箱……?」
小鳥「はい、箱です。 この中にあると思いますよ」
律子「随分厳重に保管してあるんですね、そのメガネ」
ガチャッ
真美「おっはよー!」
亜美「双海亜美アンド真美、フューチャリングいおりん! ただいま参上ぅ!」
伊織「フィーチャリングね」
亜美「そうとも言う」
10:
小鳥「あれ、確か今日真美ちゃんは……」
真美「オフだけど、ヒマだったからね」
亜美「ちかたないね」
伊織「それに、今日は全員集合するわよ?」
真美「パーリィだもんね!」
伊織「ちょっと、言っちゃダメでしょ!?」
律子「ふふ、ありがと」
真美「……あれ、そーいやりっちゃんどしたの? イメチェン?」
11:
律子「メガネが壊れたのよ、オッサンとぶつかって」
亜美「なにぃ、オッサンですと!?」
律子「え、オッサンに食いつくの?」
真美「じゃ、そのデッカイ箱は?」
小鳥「うちのオッサンが隠していたメガネ達よ」
亜美「なにぃ、兄ちゃんが!?」
律子「え、なんで通じるの?」
伊織「アイツの私物……いい予感はしないわね」
12:
亜美「とりあえず、スケスケだぜぇ!」パカッ
真美「あ、りっちゃんはまだ見ないでね?」
律子「見えないわよ、何も」
伊織「……」
亜美「……」
小鳥「これは……」
真美「めっちゃあるね」
亜美「略してメガネだね」
伊織「略せてないけどね」
13:
亜美「りっちゃーん、これなんてどう?」
律子「え? ……ヒゲメガネじゃない、これ」
真美「じゃあ、これは?」
律子「え? ……グルグルメガネじゃない、これ」
小鳥「これはどうです?」
律子「え? ……笑福亭笑瓶モデルじゃない、これ」
伊織「待って! なんで見えないのにそんな分かる訳!?」
律子「何よ伊織、触った感触で分かるでしょ?」
伊織「笑瓶モデルも!?」
14:
小鳥「というか……これ、見事に実用性の無いメガネばっかり入ってますね」
律子「まぁ、薄々感づいてましたけど」
伊織「別に笑瓶モデルは使ってもいいんじゃないの?」
真美「それに、どれも度が入ってないし」
律子「伊達メガネコレクションだったみたいね……」
亜美「あ、りっちゃん!」
律子「?」
亜美「コレ、ちゃんと度が入ってるっぽいYO!」
律子「え、なになに?」
15:
小鳥「……」
伊織「……」
律子「真実はいつもひとつ!(低音) ……ってバカ!」バシン
亜美「ナイスノリツッコミ、りっちゃん!」
伊織「結構無茶振りだったわね」
律子「大ヤケドするところだったわ」
真美「あ、りっちゃーん」
律子「?」
真美「これも、度入ってるっぽいYO!」
16:
伊織「……」
小鳥「……」
律子「ククッ、戦闘力たったの5か……ゴミめってバカァ!!」バシーン
小鳥「キレが上がってますね……」
伊織「スカウターはメガネって分類でいいのかしら……?」
プルルルル プルルルル
亜美「あ、TERUだ」
伊織「TELね」
17:
律子「はい、こちら………あぁ、あずささん」
律子「はい、はい……」
律子「分かりました、すぐ向かいます」ガチャン
小鳥「どうかしたんですか?」
律子「あずささん、また迷ったって……午後から取材なのに」
伊織「道理で遅いと思ったわ……」
律子「じゃあ、ちょっと探してきますね!」
ガチャッ バタン
18:
小鳥「……」
亜美「……」
真美「ねぇ、今、りっちゃん……」
伊織「……ええ」
亜美「グルグルメガネ、つけてったね……」
真美「りっちゃぁーーん!」ガチャッ バタン
小鳥「笑瓶モデルじゃなかったわね」
伊織「そこはどうでもいいわ」
19:
伊織「とにかく!」
伊織「今、律子はほぼ聴覚と触覚に頼っている状態よ」
小鳥「嗅覚は?」
伊織「うるさい。 ……それで、このまま律子をほっとく訳にはいかないわ」
真美「いおりん!」ガチャッ
伊織「なに!?」
真美「りっちゃん委員長を追いかけましたが、見失いましたっ!」
伊織「委員長言うな!」
20:
伊織「でも、こんなすぐに見失うとなると……あずさクラスね」
小鳥「どうしましょう、やっぱり一度プロデューサーさんに……」
伊織「その必要はないわ」
小鳥「え?」
伊織「私たちで律子を探し出す……小鳥は、ここに残って」
亜美「おっ、りっちゃん防衛隊の結成ですな!」
真美「探検隊じゃない?」
伊織「捜索隊よ」
21:
小鳥「……でも、具体的にどうやって探すの?」
真美「りっちゃんのケータイにかけたらいいんじゃない?」
亜美「ここにあるよ? りっちゃんの」
伊織「忘れたの!?」
小鳥「見えなかったんでしょうね……」
真美「うあうあ?! りっちゃん、ケータイなのにケータイしてないYO!」
伊織「うまいこと言わなくていいから」
小鳥「でも、そうなると」
伊織「……そうね」
――――
――
22:
亜美「――で、さ」
伊織「なに? 何か文句ある訳?」
真美「結局、歩き回って探すんだね……」
伊織「……」
亜美「りっちゃーん! お客様の中にりっちゃんはいませんかー!」
伊織「亜美、この辺りで大声出しても多分聞こえないわよ」
真美「じゃあ、どーすんの?」
伊織「……聞き込みね」
23:
伊織「すいません、この辺りでグルグルメガネをかけたキャリアウーマンを見ませんでしたか?」
通行人A「え、グルグルメガネ? 見てないなぁ」
伊織「そうですか……ありがとうございます」
亜美「……いおりん、演技派だね」
伊織「うっさいわね、アンタたちも聞き込みいくわよ!」
真美「はいはーい」
24:
通行人B「グルグルメガネのキャリアウーマン? さぁ……」
亜美「そうですか……」
通行人C「グルグルメガネの委員長? ちびまる子ちゃんかな?」
真美「うーん、多分」
通行人D「烈海王のグルグルパンチ? あぁ、面白いよね」
亜美「ですよね→」
通行人E「笑福亭笑瓶? 見てないな」
真美「そうですか……」
伊織「……ちょっ、ちょっとストップ!!」
25:
亜美「どーしたの、いおりん?」
伊織「どーしたのじゃないわよ! 何やってんの!?」
真美「え、だから聞き込みを……」
伊織「どんな聞き込みしてんのよ! 脱線早すぎるんだけど!」
伊織「何が烈海王よ! 何が笑瓶よ!!」
亜美「まぁまぁ、いおりん落ち着いて……」
伊織「キー!!」
あずさ「イライラはお肌に悪いわよ?」
伊織「ちょっとあずさ、あなたからも……」
伊織「え?」
26:
亜美「あずさお姉ちゃん!?」
真美「いつからいたの!?」
あずさ「最初からいたわよ?」
伊織「律子を見つける前に、あずさが見つかるとはね……」
あずさ「えっ、律子さん?」
伊織「今、律子が失踪してるのよ」
亜美「りっちゃん、委員長スタイルだもんね!」
真美「笑瓶スタイルだもんね!」
伊織「余計なこと言うな! 後、さっきから笑瓶推ししつこいんだけど!」
27:
あずさ「律子さんなら、さっきすれ違ったわね?」
伊織「え、スルーしたの?」
あずさ「難しい顔して、向こうに歩いていったわ」
亜美「向こうだね!」
真美「じゃあ、早行こ→!」
伊織「……あずさ、律子の行った方向には何があった?」
あずさ「ええっと、確か駅が……」
伊織「ならこっちね」
亜美「真逆だYO!」
――――
――
28:
律子「…………見えない」
律子(ホント、何やってんだろ)
律子(誕生日だっていうのに、メガネ壊して……変なコントに参加して)
律子(あずささんを探すはずが、探される側になって)
律子(ホント、私って……)
律子「はぁ……」
P「どうした、ため息なんてついて」
律子「…………え?」
29:
律子「プ、プロデューサー!?」
P「何やってんだ、こんなとこで……まぁ、想像はつくけど」
律子「……」
P「ほら、いつまでも委員長メガネなんてしてないで」スッ
律子「…………え?」
P「急いで作ってきたんだ。 度、合ってるか?」
律子「……え、えっと……営業は?」
P「ゴメン、嘘ついた」
30:
P「俺のメガネコレクションで、時間潰して貰おうと思ってたんだけど……」
律子「……」
P「律子は委員長メガネが気に入ったのか?」
律子「……ふふっ」
P「?」
律子「何でもありません!」
P「そうか……」
P「……それと、さ」
律子「?」
P「これ……良かったら」スッ
31:
律子「……開けていいですか?」
P「ああ」
律子「……」ベリベリ
律子「これは……」
P「スカウターだ」
律子「なんで!?」
32:
P「いや、あらかじめ用意してて……」
律子「さっき事務所にあったんですけど、コレ!」
P「何言ってるんだ律子、これは新型だぞ?」
律子「知りませんよ!」
P「……まぁ、何はともあれ、だ」
P「誕生日おめでとう、律子」
33:
律子「……もう」
P「?」
律子「もうちょっと……ロマンチックなシチュエーションなりプレゼントなりは無かったんですか?」
P「無かった」
律子「即答!?」
律子「……まぁ、何はともあれ」
律子「ありがとうございます、プロデューサー殿♪」
34:
亜美真美「「りっちゃーん!!」」
律子「わっ!?」
亜美「心配したYO!」
真美「りっちゃんが暴発するかと思ったYO!」
律子「蒸発って言いたいの?」
伊織「全く……ケータイぐらい持ってきなさいよね」
律子「ケータイ? ……あっ」
あずさ「律子さんでも、ドジってするんですね?」
36:
P「さ、みんな。 事務所に戻ろう、小鳥さんが待ってるぞ」
亜美真美「「はーい!」」
あずさ「分かりました?」
伊織「あずさ、こっちこっち!」
P「じゃ……帰ろうか、律子」
律子「はいっ!」
伊織(律子のメガネが笑瓶モデルになってるのは……突っ込まない方がいいのかしら)
おわり
37:
以上です。
適当ですいません
律子誕生日おめでとう!!
38:

りっちゃんメガネが本体じゃなかったのか…
4

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