海未「最近、力が付き過ぎてるような…」back

海未「最近、力が付き過ぎてるような…」


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1:
穂乃果「海未ちゃーん、リンゴ食べるー?」
海未「いいんですか? いただけるのなら、是非」
穂乃果「はい、どうぞ」
海未「ありがとうございま──」
グシャアッ!
海未「あら?」
穂乃果「!?」
2:
・・・・・・
海未「──ということがあったのです…」
ことり(ひえええ)
海未「穂乃果も驚いてしまって…せっかくいただいたリンゴも無駄になってしまいますし…」
海未「どうも私、力が付き過ぎの様な気がするのです」
ことり「…き、気にする事ないんじゃないかな? 海未ちゃんのお家の事情もあるし…力が付いちゃうのは仕方ないと思うなぁ」
海未「そうでしょうか…」
海未「ですが、このようなこともあったのです」
ことり「な、なにかな」
3:
・ ・ ・ ・ ・ ・
「正面素振り100回、始め!」
海未「ヤァーーーーー!」
海未「メーーーーーン!」
海未「メ──」
ミシミシボギィ!! スポーン
ガシャーン!
海未「あら?」
海未父「!?」
4:
海未「素振り中に竹刀の柄を握り潰してしまい、竹刀があらぬ方向へ飛んで行ってしまって…」
ことり(うわああああ)
海未「父も、『こんなことは初めてだ』と首を傾げていました」
ことり「そ、そうなんだー…」
海未「…やはり私が異常なんです…」
海未「力のありすぎる女子なんて…それに私は今はスクールアイドルですよ?」
海未「こんな状態では…」
ことり「ちょ、ちょっと力が強い女の子なんていっぱいいるよっ。海未ちゃんが特別変ってこと、ないと思うなぁ」
ことり「ねっ? そんなに落ち込まないで…」
5:
海未「…これ、見てください」ゴソゴソ
ことり「ん? どうしたの、お腹まくって………んんんんん!!?」
海未「うぅ……」
ことり(ふ、腹筋が…! うっすらだけど…確かに割れてる!?)
ことり(す、すごい…)ゴクリ
海未「…これではもう、μ'sの衣装を着れません…」
海未「スクールアイドル失格です…」
ことり「え、えええっとぉ…その、ね?」
ことり「だ、だいじょうぶっ! ことりがちゃんと、おへそ出しデザイン以外のを作ればいいんだから!」
海未「ことり……」
海未「いえ…いいんです。私が悪いのに、ことりに迷惑はかけられません」
海未「…しばらく、活動を自制します。皆にも、そう伝えてください…」
ことり「海未ちゃん…」
6:
・ ・ ・ ・ ・ ・
ことり「──っていうことがあったの」
穂乃果「海未ちゃん…穂乃果、リンゴのことなんて気にしてないのに」
凛「海未ちゃん、そんなパワフルなことになってたんだー…」
花陽「……」
穂乃果「花陽ちゃん? どうしたの?」
花陽「あ、あのねっ、ちょっと前のことなんだけど……う?ん…言っちゃってもいいのかなぁ…」
凛「なになに? 悩み事なら教えて?」
ことり「私たちでよかったら相談に乗るよ?」
花陽「いえっ、悩み事というか?…うぅ、ごめんね、海未ちゃん」
花陽「えっと、少し前の話なんだけど──」
7:
・ ・ ・ ・ ・ ・
海未「花陽と二人で料理なんて、初めてですよね」
花陽「うんっ。海未ちゃん、お料理得意だって聞いてたから、一緒に出来たらなあって、思ってたんだ」
海未「ふふ、ありがとうございます。まぁ料理といっても、母から仕込まれた和食くらいしか出来ませんが…」
花陽「十分だよ?。私もそんなにレパートリー多くないもん」
海未「やっぱり花陽は、お米を使った料理が?」
花陽「あはは…うん、一番得意だし、大好き」
海未「ふふ、花陽らしいです」
8:
海未「それでは…まずは何を作りましょう」
花陽「う?ん……おにぎり?」
海未「お米ですね」
花陽「お米ですっ」
海未「ふふ、そうですね。まずはシンプルにいきましょうか」
花陽「炊きたてご飯は用意してあるよっ!」
海未「流石です。では始めましょう」
海未「小さい頃は、おにぎりを三角にするのが苦手で…」ギュッギュッ
花陽「あ、わかる。どうしても丸い形になっちゃうんだよねぇ」ギュッギュッ
海未「こう、手の平の角度を上手い事調整するのが中々に難しくて」ギュゥッギュウッ
花陽「そうそう! お母さんがすっごく上手に三角にしちゃうから、不思議で不思議で」ギュッギュッ
海未「よっ、ほっ」ギュウウウウウ ミシッ
花陽「んしょ、んしょ」ギュッギュッ
10:
花陽「ふぅ、できたぁ」
海未「まずは一個、完成ですね」
花陽「…あれ? 海未ちゃんのおにぎり、少し小さいような…」
海未「おや…本当ですね…」
海未「花陽と同じ量のご飯を使ったのですが…」
花陽「うーん……まぁ、味が変わるわけじゃないし、大丈夫じゃないかな」
海未「…そうですね」
海未「では、最初の一個ということで」
花陽「食べ合いっこだねっ」
花陽「海未ちゃんのおにぎり、いただきまーす」
海未「私は花陽のを。いただきます」
花陽「あー」
ガキィン!!
花陽「あがっ!?」
海未「花陽!?」
12:
・ ・ ・ ・ ・ ・
花陽「海未ちゃんのおにぎり…すっごく硬くて…とても食べられなくて…」
凛「超圧縮おにぎりにゃ…」
穂乃果「ひええええ…」
ことり「海未ちゃん…」
花陽「それで、おにぎりは全部花陽が作ることになったんだけど…」
花陽「海未ちゃん、すっごく落ち込んじゃって…なんか、悪い事しちゃったな…」
穂乃果「うーん…でも、それは花陽ちゃんのせいじゃないと思うなぁ…
ことり「海未ちゃんも無意識だっただろうしね?…」
凛「んー…」
13:
凛「あっ!!」
花陽「どうしたの?」
凛「そういえば凛にも、パワフル海未ちゃんエピソードがあったにゃ!」
穂乃果「ええええ…海未ちゃん、一体どれだけやらかしてるの…」
ことり「…そ、それで、どんなエピソードが?…」
凛「えっとねー…確かあれはー──」
14:
・ ・ ・ ・ ・ ・
海未「サッカー、ですか」
凛「うんっ! 一緒にやろー!」
海未「二人でですか?」
凛「それがさー! 聞いてよ! かよちんと真姫ちゃんも誘ったんだけど、かよちんは家の用事で来れなくて」
凛「真姫ちゃんなんか『ダルいからパス』とか言っちゃって! もーう! サッカーだけにパス? ってなんでやねーん!」
海未「凛、落ち着きなさい」
凛「はっ! つい熱くなっちゃったにゃ」
凛「それじゃ海未ちゃん! 一緒にやろー!」
海未「私の都合は無視ですか…まぁ、用事もないですからいいですけどね」
凛「やったー!! 海未ちゃん大好きにゃー!」ギュッ
海未「はいはい」
15:
海未「それで、二人でサッカーは…どうやるのです」
凛「えっとねー、ゴールは一つだけで、攻める側と守る側を交互にやるの!」
凛「攻める側は、相手を抜けてゴールにシュートできたら勝ち! 守る側は、ボールを奪ったら勝ち!」
凛「こういうルールにゃ!」
海未「なるほど…これなら二人でもできますね」
凛「よーし! じゃあ最初は凛が攻めるよ!」
海未「では私が守りと」
凛「うん! あ! キーパーじゃないから、手は使っちゃダメだからね!」
海未「わかりました」
16:
凛「それじゃーいっくよー!」ダダダ
海未「望むところです!」ジリッ
凛「にゃにゃにゃにゃにゃー!!」
海未「……」
凛「そこだー!」
海未「甘いっ」パシッ
凛「ええー!?」ガーン
海未「ふふっ。私の勝ち、ですね?」
凛「一瞬で取られたにゃ…」
17:
海未「では、次は私が攻めですね」
凛「負けないよ! すぱーんってボール奪っちゃうもんね!」
海未「参ります!」ダダダ
凛「よっ、ていっ、にゃー!」
海未「ふっ、はっ、くっ」
海未(中々隙が……!)
海未「今です!」スッ
凛「あっ!」
海未「このままシュート、決めさせてもらいます!」
凛「まずいにゃー!」
海未「はあっ!!」
ッパァーーーーーン!!!
凛「えええええええええええええええ!!!?」
海未「あら?」
18:
海未「ボールは…どこにいったんでしょう」
海未「まさか、あらぬ方向に蹴ってしまったのでしょうか…」
海未「凛、ボールはどこに…」
凛「」
海未「凛?」
20:
・ ・ ・ ・ ・ ・
凛「海未ちゃんのスーパーキックでボールが破裂しちゃったんだー」
花陽「コ○ン君もびっくりだね…」
穂乃果「ひえええええ…」
ことり「海未ちゃん……」
凛「海未ちゃん、ボールが破裂したってわかったら、すっごく落ち込んじゃって…」
凛「凛は気にしないでって言ったんだけど…」
ことり「そういう事が重なったから、相談に来たんだね…海未ちゃん」
穂乃果「力が付き過ぎてる、かぁ…」
花陽「そんなことないよ、とはちょっと言えないよね…」
凛「パワフル海未ちゃん一直線にゃ」
「う?ん……」
にこ「いいじゃない、パワフル」
穂乃果「にこちゃん!?」
ことり「いつの間に…」
にこ「いや、今だけど」
21:
にこ「別にいいんじゃないの? パワフルなアイドルがいたって」
にこ「プロのアイドルにだって、鍛えて筋力をつけてる人はいるわ」
にこ「腹筋が割れてたり、腕が逞しかったり、強そうとか言われたり」
穂乃果「なんで穂乃果の方見るの」
にこ「特に理由は無いわ」
にこ「とにかく。それも一つの個性だってことよ」
にこ「既に起こってしまった事をとやかく言うよりは、その事を受け止めて、どう活かす事ができるか」
にこ「そういう姿勢が大事なの」
花陽「にこちゃん…」
穂乃果「そうだね…にこちゃんの言うとおりだよ!」
穂乃果「海未ちゃんは海未ちゃんだもん! 何もおかしくなんかないよ!」
ことり「…うん、そうだよね。私たちは、いつも通りにしていればいいんだよね」
にこ「そうそう。何も身構える必要はないのよ。あんた達がいつも通りなら、海未も安心するでしょ」
凛「さすがにこちゃんにゃ! よっ、部長! 世界の矢澤!」
にこ「ふっ、当たり前よ。……っておい星空」
22:
穂乃果「よーし! それじゃあ早、海未ちゃんの家に行ってくるよ!」
ことり「あっ、私も?」
花陽「ここはやっぱり…穂乃果ちゃんとことりちゃんに任せたほうがいいよね」
凛「幼馴染パワー全開にゃ」
にこ「それもそうね」
凛「あ、そういえばにこちゃん。真姫ちゃん見なかった?」
花陽「後で来るって言ってたのにね」
にこ「真姫? ああ、なんか『ダルい』とか言って部室で寝てるわよ」
凛「まーきーちゃああああん!!」
花陽「あはは…」
24:
─園田家 道場─
海未「……」
海未「…はぁ」
海未(集中できません…)
海未(μ'sの活動を自制すると言っておきながら…結局こうやって竹刀を振ってしまう)
海未(こういう鍛錬が逆効果だというのに…)
海未(…しかし…私は園田家の跡継ぎ…鍛錬を怠るなど以ての外)
海未(ままならないものです…)
海未母「海未さん。穂乃果ちゃんとことりちゃんがいらしてますよ」
海未「え…穂乃果とことりが? わかりました、すぐに…」
海未母「お部屋に通しておきましょうか」
海未「はい。お願いします」
25:
海未「お待たせしました」
穂乃果「あ、海未ちゃーん」
ことり「お邪魔してま?す」
海未「ええ、それは構わないのですが…何か用事が?」
穂乃果「海未ちゃん!」ガシッ
海未「は、はい?」
穂乃果「穂乃果の手、握ってみて?」
海未「…もう握ってるじゃないですか」
穂乃果「もっと強く!」
海未「だ、駄目ですっ」
穂乃果「ぎゅうううううって!」
海未「駄目です!」
穂乃果「穂乃果の手は潰れたりなんかしないよ!!」
海未「!」
26:
穂乃果「ことりちゃんから聞いたんだ。海未ちゃん、悩んでる事があるって」
海未「……」
穂乃果「花陽ちゃんと凛ちゃんとも同じような事があって、落ち込んじゃってたって」
海未「……はい」
穂乃果「力が強いって、そんなにおかしなことなの?」
穂乃果「海未ちゃんは、それが嫌なの?」
海未「……」
海未「…武道を嗜む身として、力が付いてしまうのは仕方の無い事だと…それは理解しています」
海未「ですが…私のこれは、明らかに常識を逸しています…」
海未「このままでは…」
海未「無意識の内に……あなた達のことも…傷付けてしまいそうで…」
海未「怖いんです……そうなってしまうのが」
ことり「海未ちゃん…」
穂乃果「……」
27:
穂乃果「だいじょうぶだよ」ギュッ
海未「あっ…穂乃果…?」
穂乃果「大丈夫。海未ちゃんはそんなことしない。海未ちゃんが穂乃果たちを傷付けるなんて、そんなことあり得ない」
海未「なんで…」
穂乃果「信じてるから」
海未「え?」
穂乃果「ちゃんとした理由なんて…根拠なんて、何もないけど……」
穂乃果「穂乃果はそう信じてる。海未ちゃんは、絶対にそんな事しないって」
穂乃果「もちろん穂乃果だけじゃなくて、ことりちゃんも」
ことり「うんっ!」
穂乃果「μ'sのみんなだって、ね?」
海未「…っ」
穂乃果「…ダメ、かな」
海未「……駄目だなんて」
海未「…十分です……。ごめんなさい、穂乃果、ことり…」
ことり「ん?…そこは、ね?」
穂乃果「『ごめんなさい』じゃない方がいいなあ」
海未「…そうですね」
海未「…ありがとう」
穂乃果「うんっ!!」
ことり「えへへ」
海未「ふふ」
28:
穂乃果「よーし! それじゃあ海未ちゃんが元気になったところで」ゴソゴソ
穂乃果「はい! 一緒に食べよ!」
海未「あ…リンゴ」
ことり「えへへ。うさぎさんカットにしてきました?」
海未「上手ですね」
ことり「得意なんだぁ?」
穂乃果「はい、海未ちゃん! あ?ん」
海未「ええっ? 自分で食べますっ」
穂乃果「え?、いいじゃん別にー。あ?ん!」
海未「うっ……もう」
海未「あ、あーん…」
穂乃果「えい」
海未「んぐ…」シャクシャク
穂乃果「おいしい?」
海未「…ええ、とっても」
ことり「穂乃果ちゃんばかりずる?い。ことりも海未ちゃんにあ?んしたいっ」
ことり「はい海未ちゃん、あ?ん」
海未「こ、ことりもですか……あ、あ?ん」
ことり「おいしい?」
海未「はい、おいしいです」シャクシャク
29:
穂乃果「あ、そうだ! 明日お休みだし、三人でお出掛けしない?」
ことり「わぁ?! いいね! いこういこう!」
海未「どこか行きたいところでもあるんですか?」
穂乃果「特に無い! けど、買い物したり、パフェ食べたり、とにかく色々!」
穂乃果「一緒に遊びたいなーって!」
海未「…ふふ。予定は未定、ですか」
ことり「いいんじゃないかな、たまにはこういうのも!」
穂乃果「ね!」
海未「…そうですね。行きましょうか」
穂乃果「やったー! 海未ちゃーん!」ギュッ
海未「きゃっ! も、もう、さっきからくっつきすぎです! 穂乃果!」
穂乃果「えー? だって、海未ちゃんが元気になって嬉しいんだもーん!」
ことり「ねー」
穂乃果「ねー」
海未「…もう」
30:
穂乃果「あ」
海未「? どうしたんですか?」
穂乃果「…海未ちゃん」
海未「は、はい?」
穂乃果「おなか見せて」
海未「……は?」
ことり「あー…」
穂乃果「腹筋…うっすら割れてるって」
穂乃果「ことりちゃん、見たって」
海未「えっ…? あっ、いや…た、確かに…その……わ、割れて──」
穂乃果「見たい」
海未「ほ、穂乃果?」
穂乃果「…ふふふ」ジリジリ
海未「…ま、待ってください、穂乃果…は、恥ずかしいので…」
穂乃果「おりゃーーーー!!」ガバッ
海未「ひゃああああ!!」
31:
穂乃果「ふっふっふっ…海未ちゃんのおなか…」
穂乃果「おお……す、すごい…ホントに割れてる…」
海未「ほ、穂乃果っ…そんな……ジロジロ見ないで…」
穂乃果「……ごくり」サワッ
海未「ひゃんっ!」
穂乃果「おおー……」サワサワ
海未「んっ…あっ…ん」ピクッ
穂乃果「ほほー……」ナデナデ
海未「ゃんっ……ほ、ほの…」ピクンッ
穂乃果「うーむ……」ペタペタ
ことり「……」ゴクリ
32:
ことり「…海未ちゃん……ことりも…」
海未「こ、ことり…!? あ、あなたまで…っ」
ことり「我慢できなくなっちゃった…ごめんね……」ナデ
海未「んあっ……!」ビクッ
ことり「ほおー……」ツツツ
穂乃果「へぇー……」スーッ
海未「や、やめっ……ひゃぁんっ……」
穂乃果「……」ナデリ
ことり「……」ナデナデ
海未「んんんっ……」
ほのこと(エロい…)
33:
・ ・ ・ ・ ・ ・
海未「はっ……はぁ…ん……」
穂乃果「ふぅ…」
ことり「ふぅ…」
穂乃果「堪能した…」
ことり「堪能したね…」
海未「……」
海未「…も、もう……いい、ですよね…?」
穂乃果「……」
ことり「……」
ほのこと「第二ラウンド」
海未「へ…」
穂乃果「海未ちゃあん」
ことり「海未ちゃぁん」
海未「あ、ああ……」
34:
ガラッ
海未母「海未さん、そろそろ夕食ですが…穂乃果ちゃんとことりちゃんにも──」
穂乃果「あっ」
ことり「あっ」
海未「えっ」
海未母「!?」
「……」
海未母「…ご、ごゆっくり?…」
海未「ああああ!! お母様!! 違うんですぅ! 決してやましいことではあああ!!」
穂乃果「海未ちゃん」ガシッ
海未「ほの──」
穂乃果「ゆっくり、ね」
ことり「ね…」
海未「あああああ……」
35:
海未「」グッタリ
穂乃果「……」ハァハァ
ことり「……」ハァハァ
ほのこと(ヤりすぎた)
穂乃果「海未ちゃーん…だいじょうぶー?」ユサユサ
ことり「海未ちゃーん…」
海未「」
穂乃果「起きないね」
ことり「ないねぇ」
「……」
穂乃果「…も、もう少しだけ…」
ことり「やっちゃう…?」
36:
海未「」ムクリ
穂乃果「あっ」
ことり「えっ」
海未「……二人とも」
穂乃果「ひゃいっ」
ことり「はいぃっ」
ガッシリ
穂乃果「えっ、えっ」
ことり「う、海未ちゃん…? そ、そんな強く掴まれたら?…」
海未「……ふふふ」
海未「ズルイズルイズルイことはー」
穂乃果「しちゃダメなのよ…」
ことり「こーらこら?…?」
海未「ズルイですよ…二人ばっかり楽しんで……」
海未「今度は…私の番ですよね」ニッコリ
穂乃果(に、逃げられない…力つよっ!…)ググッ
ことり(ひええええ)
海未「うふふふ…」
37:
海未「二人まとめて」
穂乃果「……」ゴクリ
ことり「……」ドキドキ
海未「いただきます」
ほのこと「??????っ」
ヤンヤンッ
38:
・ ・ ・ ・ ・ ・
チュンチュン
海未「……う…ん」
海未「はっ」
海未「……朝?」
海未(いつの間に寝てしまったのでしょう)
海未「…なんだか昨日の記憶が……えっと…穂乃果とことりが来て…それから…」
ムニュ
海未「ん?」
海未(なんでしょう…柔らかいものが──)
穂乃果「う?ん……むにゃむにゃ」
ことり「ふにゃ……」
海未「」
39:
海未(ほっ、ほほほほの──!? こ、ことりまで──!?)
海未(なぜ二人が私の両脇で寝て…!? し、しかも──)
海未(は、は裸にワイシャツ……!? ななななんて破廉恥な格好を──!!?)
海未「い、一体私は何を……!?」
穂乃果「ん?…」
ことり「ぅ?…?」
穂乃果「ふわぁ?……あれ、朝ぁ?」
ことり「はわぁ?…」
海未「う、あ…そ、その…お、おはようござい…ます」
穂乃果「……」
ことり「……」
ほのこと「海未ちゃぁん」スリスリ
海未「うええええええええええええ!!!?」
40:
海未「二人ともっ! 寝ぼけているのですか!」
海未「ほ、ほら、早く着替えて──」
穂乃果「むぅ?…いいじゃん別にぃ」
ことり「昨日はあぁんなに凄かったのにぃ……」
海未(ナニをしたんですか園田海未いいいいいい!!!)
ガラッ
海未母「海未さん、そろそろ朝食ですが、穂乃果ちゃんとことりちゃんも──」
穂乃果「海未ちゃぁん」スリスリ
ことり「海未ちゃあん」スリスリ
海未「」
海未母「!!?」
「……」
海未母「…ゆ、夕べはお楽しみでしたのね……おほほほ…」
海未「ぐああああああああああ!!!」
41:
・ ・ ・ ・ ・ ・
穂乃果「よーし、それじゃあお出掛けにしゅっぱーつ!」
ことり「おー!」
海未「おー……」
穂乃果「む! ちょっと海未ちゃん! なんでそんなダウナーなの! もっと元気よく!」
ことり「もしかして?、寝不足とか?」
海未「い、いえ、目覚めはバッチリです。ええ、それはもう完璧に目が覚めてます…」
穂乃果「それならもっと明るく行こうよー! せっかくのデートなのに!」
海未「でっ!? でででデートってなんですかっ! ただの外出で──」
ことり「あ?、そんなこと言っちゃうんだぁ。もうっ、穂乃果ちゃんっ」
穂乃果「りょうかいっ! それっ!」ギュッ
ことり「えいっ」ギュッ
海未「ちょっ」
ことり「えへへ?。海未ちゃん、両手に花、だね」
穂乃果「穂乃果達のこと…離さないでねっ?」
海未「ああああ……」
海未(ああ…神様は残酷です……)
42:
─ショッピング─
ことり「あ! この服かわいい?! 見て見て、穂乃果ちゃんっ」
穂乃果「うわ?! いいねえ、ことりちゃん似合いそう!」
ことり「ねえねえ、海未ちゃんはどう?」
海未「えっ? え、ええ、いいんじゃないですか?」
ことり「ホントに?? じゃあちょっと試着してみるから、ちゃんと見てねっ」
海未「は、はい」
─レストラン─
穂乃果「はい、海未ちゃん。あ?ん」
海未「ちょ、ちょっと穂乃果っ。ここでは…人の目がありますし…」
穂乃果「…ダメ?」
海未「ぅぐっ……あ、あ?ん」
穂乃果「えいっ」
海未「……おいしい」モグモグ
 ミテミテー、カップルミターイ
 カワイイネー
海未(恥ずかしい…)
ことり「海未ちゃんっ、はい、あ?ん」
海未「あ?ん…」
43:
─ゲームセンター─
穂乃果「ああ! もうちょっと……いけそう!」
ストン
海未「ふぅ、取れましたね。はい、穂乃果」
穂乃果「わーい! ありがとー海未ちゃん!」
ことり「海未ちゃん、UFOキャッチャー上手だねぇ」
海未「いえ、数回しかやったことありませんが…。ことりはどれが欲しいですか? 取ってあげますよ」
ことり「えっとね?…それじゃあ、あの羊さん!」
海未「わかりました」
44:
・ ・ ・ ・ ・ ・
─公園─
穂乃果「はー! いやーけっこう回ったねー」
ことり「少し休憩しよっか」
海未「そうですね」
穂乃果「あっちのベンチに座ろ!」
海未「飲み物、買ってきますよ。何がいいですか?」
穂乃果「ありがとー! じゃあ穂乃果は?、オレンジジュースで!」
ことり「私はお茶でいいかな」
海未「わかりました。ちょっと待っててくださいね」
45:
ピッ ピッ
ガチャン
海未「…今日は穂乃果とことりに振り回されっぱなしですね…」
海未「…まぁ、楽しいからいいんですけど」
海未「……」
海未(デート、か)
海未「ふふ」ニヘ
海未「さ、戻りましょうか」
海未「……おや?」
海未(誰でしょう…男の人? 二人の知り合いでしょうか)
海未(…何か様子が……)
海未「…まさか」
46:
男A「いいじゃねーか。俺たちと遊びに行こうぜ」
男B「楽しいとこに連れていってあげるからさー」
穂乃果「い、いえっ、いいです! まだ予定があるからっ…」
ことり「穂乃果ちゃん…」ギュッ
男A「いーからいーから、んな予定なんてほっといてさあ。俺らと来た方が絶対楽しいって」
男B「な? 早くいこーぜ」グイッ
穂乃果「やっ…離して──」
海未「穂乃果! ことり!」
ことり「海未ちゃんっ」
男A「ん? 君らの友達?」
男B「へぇー、この子もかわいいねえ」
海未「……何のつもりかわかりませんが、二人を離してくれませんか。私たち、まだ行くところがありますので」
男A「三人ともレベル高いねえ! こりゃあ益々一緒に遊びに行きたくなるわ」
男B「ね、君も俺らと遊びに行こーぜ?」
海未「結構です」
男A「んなこと言わないでさあ」
海未「……」イラッ
47:
男A「面白い遊び場知ってるからさー」
男B「──って場所知ってる? あそこがさー」
海未「……」イライラ
男A「──があってさー」
男B「そこの食べ物が──」
海未「……」イライライラ ミシッ
男A「──で」
男B「──だから」
海未「……」ミシミシミシ
男A「──っていう訳だから早く行こ」
メキメキグシャアッ! ブシュウウウウウウ
男AB「!!?」
穂乃果「!?」
ことり「!?」
海未「結 構 で す」ニッコリ
男AB「すみませんでした」
48:
海未「穂乃果! ことり! 大丈夫ですか!? 何もされていませんか!?」
海未「ごめんなさい…私がいながら二人を危険な目に…」
穂乃果「海未ちゃん…!」ギュッ
ことり「ふぇぇん…」ギュッ
海未「もう大丈夫ですからね」
海未「…飲み物が無駄になってしまいましたね」ポタポタ
海未「新しいのを買いに行きましょうか」
ほのこと「うん!」
49:
ピッ ガチャン
海未「はい、どうぞ」
ことり「ありがとー」
穂乃果「えへへ」
海未「? なんですか、ニヤニヤして」
穂乃果「んー? だって、ねー?」
ことり「ねー♪」
海未「なんなんですか」
穂乃果「海未ちゃん、穂乃果達のこと…守ってくれるんだなあって」
ことり「すっごくかっこよかったよ?。ドキドキしちゃったぁ」
ほのこと(飲み物握り潰すとは思わなかったけど)
海未「…当たり前でしょう。二人とも、私の大切な幼馴染なんですから」
海未「二人の身に危険が降りかかりそうな時は……この身に変えても、守ってみせますから」
海未「ね?」ニコ
穂乃果「???っ」
ことり「うみちゃぁんん」
穂乃果「もー! 海未ちゃんだーいすきー!!」ギュウウ
ことり「ぎゅー!」
海未「ふふ。私もですよ」ナデナデ
50:
・ ・ ・ ・ ・ ・
ことり「送ってくれてありがと?。じゃあ、また明日っ」
穂乃果「うん! じゃあねー!」
海未「おやすみなさい」
海未「さあ、私たちも帰りましょう。送りますよ」
穂乃果「ありがと! あ、それじゃあさっ」
海未「なんです?」
ギュッ
穂乃果「手、繋いで帰ろ?」
海未「はい」
51:
─翌日─
海未(昨日はとても楽しかったです)
海未(穂乃果とことりと一緒にいると、嫌な事なんて忘れてしまいますね)
海未(…今度は私から誘ってみましょうか)
海未「しかし…あの手の輩には困ったものです」
海未「昨日は私がいたらから良かったものの」
海未「二人だけの時にあんなことが起こってしまったら……」
海未「……」ギリッ
海未「…考えただけでも腸煮えくり返りそうです」
海未「私が絶対に二人を守らなければ」
海未「…力があれば……」
海未「この程度じゃ……まだ足りない」
海未「もっと……もっと強く…!」グ゙ッ
52:
月日は流れ──
「正面素振り1000回、始めぇっ!」
海未「はあああああああっ!!」
ッパアアアアン!!
海未「くっ…なんですこの竹刀は! 素振り如きで粉々になるなんて…!」
海未「お父様! 木刀を使います!!」
海未父「…うむ」
海未「メエエエエエエンッ!!」ミシミシッ
海未父(…素振りの勢いで竹刀が粉微塵。木刀も耐えられずヒビが入る程とは…)
海未父(海未よ…もはやお前に教えることは何も無い)
海未父「…これが武の境地か」
バキバキバキッ
海未「くっ! 木刀までも…!」
海未「…真剣を──」
海未父「それはいかん」
53:
海未母「海未さん、そろそろ穂乃果ちゃんとことりちゃんとの約束の時間ですよ」
海未「はっ! そ、そうでした…つい夢中に…」
海未「お父様、今日の稽古はこれで終わらせていただいても…」
海未父「うん? あ、ああ、構わんぞ」
海未「ありがとうございます。では、失礼いたします」
海未母「…どうですか、最近の海未さんは」
海未父「…もう稽古は必要ないのかもしれんな……」
54:
海未「すっかり遅くなってしまいました…」
海未「二人とも、もう待っていますね…急がないと」
海未「ええっと…待ち合わせの場所は……」
海未「…あっ、穂乃果! ことり──」
海未「ん?」
海未「誰でしょう…男の人たちが……」
海未「…ああ、またですか」ハァ
海未「まったく…いくら二人が可愛いからって、こう何度もあるのは困りますね」
55: ◆ArZP/.slV

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