P「傷つきお姫ちん」back

P「傷つきお姫ちん」


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1:
スタジオ
監督「撮影開始、1時間前か……」
スタッフ「監督!来ましたよ!四条貴音さんっす!」
監督「おっ、来たか」
貴音「皆様、おはようございます」ペコっ
監督「あ、あぁ、おはよう四条さん。今日はよろしくね」
貴音「はい、よろしくお願いいたします。」ペコり
貴音「それでは、後ほど……」スタスタ
監督(何て艶やかで、美しいんだ……そして、礼儀もわきまえている……)
スタッフ「噂通り、超綺麗っすね!四条すん!オーラ出まくりっすよ!」
監督「あぁ…本当にウチの番組に出てもらって大丈夫何だろうか……」
スタッフ「自信持ってくださいよ。」
スタッフ「あんなにオーラ放出してる人なんだ。何でも出来て完璧そうだよなー。」
監督「あぁ……そうだな」
3:
真美「あっ、お姫ちん!こっちこっち!」
亜美「打ち合わせしよー!」
貴音「こちらにいましたか」
真美「お姫ちんが、真美達の教育番組に出てくれるとは思わなかったYO!」
貴音「せっかくいただいた『おふぁあ』なのですから」
亜美「お姫ちんなら、もっと高いレベルの妄想な仕事があるんじゃない?」
貴音「相応な仕事、と言いたいのでしょうか……?」
貴音「亜美、仕事はひとつひとつ大切なものなのですよ?」
貴音「比較しては、いけませんよ」
亜美「それもそうだね!」
真美「じゃあ早、今日の撮影の流れを説明するね!」
貴音「はい、よろしくお願いします」
4:
真美「えっとね……最初は真美達の挨拶でー」
亜美「それで、ゲストのお姫ちんを紹介してー」
真美「で、次にメインのお絵描きタイム!」
貴音「………は、はて?」
貴音「お、お絵描き……たいむ……ですか?」
真美「うん!歌に合わせてイラストを描くんだYO!」
亜美「この番組のイメージキャラの、『ヌプー』を!」
貴音「は、はぁ……そう、ですか……」
真美「じゃあ、お絵描きの練習を……」
亜美「いやいや、お姫ちんならお絵描きの練習は要らないっしょ!」
貴音「!?」
真美「……そうだね!お姫ちんならササッと描いてくれそうだよね!」
5:
亜美「それより、この後に出て来る子供達の位置の把握とか……」
真美「そだね、絵は本番ぶっつけでやってもらって……」
貴音「し、しかし、私は絵描き歌の歌を知らなくて……」
真美「あ、大丈夫大丈夫!」
亜美「お姫ちんは絵を描いて貰うだけだYO!」
貴音「し、しかし、『ぬぷぅ』殿の標本が無ければ、描くのは困難かと……」
亜美「お手本のヌプーのイラストが、ホワイトボードの近くにあるYO!」
真美「それ見て、あとは絵描き歌の通りに描いてくれればいいYO!」
亜美「お姫ちんなら、何でもちゃんと出来るから大丈夫だYO!」
真美「それより、このお絵描きタイムの後の流れが大事でね……」
貴音「は、はぁ……」
貴音(………………)
6:
7:
監督「じゃあ始めよっか!亜美ちゃん!真美ちゃん!」
亜美・真美「ラジャー!」
監督「四条さんも、よろしくお願いしますね!」
貴音「は、はい……」
貴音「………………」
真美(……あれ?)
亜美(なんかお姫ちん、テンション低いなぁ……)
監督「本番10秒前!…………5……4……」
監督(3……2……1……)
監督(スタート!)
真美「双海真美と?!?」
亜美「双海亜美の?!?」
亜美・真美「『双子といっしょ!』」
亜美・真美「はっじまっるよーーーん!!」
8:
真美「さぁ!テレビの前の(大人も含む)みんな!!」
亜美「今日も一緒に楽しい事しようね!」
真美「早始める……前に!」
亜美「今日は超超超!スペシャルゲストが来てるんだYO!」
亜美・真美「では、登場してもらいましょー!お姫ちん事、超人気アイドル!『四条貴音』さんでーす!」
貴音「どうも、はじめまして。四条貴音と申します。」
真美「さぁ!お姫ちんに来てもらった記念に早!」
亜美「お絵描きタイム!行ってみYOーーー!」
貴音「も、もう始めるのですか……」
9:
真美「さぁ!お姫ちん!ホワイトボードの前に立って!」
亜美「ほら!もうすぐ曲が始まるYO!」
貴音「は、はぁ……」
貴音(………………)
貴音(大丈夫……なはず、です)
貴音(今までの苦難を考えれば、この様な事……)
貴音(それに、標本もある上、絵描き歌もあるのです……)
貴音(これくらいの事……容易いはずです!!)
貴音「では!!参ります!!」
真美「さぁ!準備も整った様なので……!」
亜美「ミュージック!スタ→トスタ→!!」
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ーーーーーーーー
ーーーー
ーー
10:
事務所
P「もう俺だけか……」カタカタ
P「もう遅いから、帰らないとな」カタカタ
P「座りっぱなしのデスクワークも、楽じゃないな……」カタカタ
ガチャッ
P「ん?ドアの音が……」クルッ
貴音「……………」
P「貴音?」
P「どうした?こんな遅くに?」
貴音「……………」スタスタ
ボフッ
貴音「……………」ギュウッ
P「……………」
P「そうか……また、何か失敗したな?」なでなで
貴音「……………」
P「そうやって、黙って抱きついて俺のお腹に顔をうずめる時はいつもそうだ」
P「今日は、何を失敗しちゃったんだ?」なでなで
11:
貴音「………………」
貴音「絵描き歌……です」ギュウッ
P「ん?」なでなで
貴音「絵描き歌での……ぬぷぅ殿を……」グスッ
貴音「新しい……未確認生物へと……」ヒック
貴音「うぅぅ………」///ギュウッ
P「……………」
P「よく分からないが、一つ分かったことがあるよ」
P「苦手な絵の事で、批評されたな?」
P「………悪い方に」
貴音「っ!!」///
貴音「…………」///ギュウウウウ
P「当たったようだな……腕の力が強くなった」
12:
貴音「………現場の皆が、私の絵を見て……」
貴音「釣り上げられた魚の様な顔に……」
P(1度貴音の絵を見たことあるが……あれじゃあな……)
P(ましてや、貴音みたいな秀才そうな奴が描いたらな……)
貴音「その後の撮影は、双海亜美・真美の手助けにより進行しましたが……」
貴音「撮影後、関係者の方々が奇妙な物を見る様な目つきで私を……」
貴音「うぅ……ぐすっ……」グスッ
P「……………」
P「仕方ないさ、人には得意不得意があるからな」なでなで
P「貴音は一生懸命したんだ。誰も責めないよ。」
P「むしろ、俺は貴音を褒めたいよ。よく頑張ったな」なでなで
貴音「…………あなた様…」///ギュウッ
貴音「今日は……どうか、甘えるのをお許しください、あなた様」///ギュウウウウ
P「あぁ。甘えたい時は、甘えてくれ」
P「いつも気丈に振舞っているけど、1人の女の子なんだ」なでなで
P「時々は、甘えてくれ」
貴音「………はい」ギュウッ
15:
別の日 森付近
響「貴音!すごいな!緑がいっぱいだぞ!」
貴音「えぇ……素晴らしい景色ですね、響」
響「へへへっ、今日の貴音との撮影、楽しみだなぁ!」
貴音「ときに響、今日の撮影では何についてレポートするのでしょうか?」
響「実は、自分も教えてもらってないんだ……」
響「まぁ、多分何かの動物だろうね。森だから、熊だったりしてな!」
貴音「熊ですか……意思疎通が出来なければ、少々経験のある合気道で……」
響「だ、ダメだぞぉ!」
貴音「ふふ、冗談です」
響「ほ、本当にしそうで怖い……」
16:
スタッフ「四条さん、我那覇さん、撮影始めまーす」
響「あっ、はーい!行こう、貴音!」
貴音「えぇ」
響「へぇ?、森の中にこんなに綺麗な川があったんだね」
貴音「心が洗い流されますね……」
響「それで、今日の撮影でレポートする動物は何なんだ?」
貴音「愛らしい生き物と、触れ合いたいものですね」
スタッフ「あっ、お二人さん、こちらになります」ガラガラ
響「………あっ!蛇だ!」
スタッフ「ちゃんと籠に入れてありますので、危険は無いと思います」
響「でも、何でこの森の中で蛇のレポートを……?」
スタッフ「何か、監督が蛇といえばジャングルだとか言って……」
スタッフ「あと、この蛇なんと、世界一の長さを誇る蛇なんですよ」
響「へぇ?…凄いな!うちのヘビ香より長いぞ!」
響「蛇……ヘビ?なんか忘れてる様な……」
17:
貴音「」
響「………あっ」
貴音「」
貴音「」
響「た、貴音ぇ!」
スタッフ「この後、世界一デカイ大蛇も来ますからね」
貴音「」
貴音「」
響「た、貴音ぇ!!」
響「よ、よく見たら小刻みに震えてる!」
響「だ、大丈夫か!?貴音ぇ!?」
貴音「」
18:
5分後
監督「はい、じゃあ本番30秒前!」
響「………ほ、本当に大丈夫か?」
貴音「………え、えぇ。大丈夫です。」
貴音「いままでの苦難の壁と比べれば、このような事……」
貴音「苦手な蛇くらい、なんくるない!ですよ、響」
響「貴音……」
貴音「それに、籠にちゃんと仕舞われているのです。平気ですよ。」
響「そうだな!触るわけじゃないし!」
監督「………あ!ちょっと待った!」
響・貴音「?」
監督「せっかくだから、2人とも2匹を1匹ずつ持ってレポートしてみない!?」
貴音「」
響「た、貴音ぇ!」
監督「蛇に毒性は?」
スタッフ「ありません。しかも、噛まないように育成されてますし、一時口を開かない仕様にしてます」
蛇使い「ワタシモイルカラ、ダイジョブヨ」
監督「よし!GO!!」
貴音「」ブルブル
響「こ、小刻みじゃなくて、めちゃくちゃ震えてるぞ……」
貴音「……あなた様ぁ…」ブルブル
20:
ーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーーー
ーー
事務所
P「ソファに座ると眠りそうだ……」
P「それにもうこんな遅い時間か……帰るか」
ガチャッ
P「ん?誰か入って来たのか?」
貴音「……………」
P「貴音?何してんだ?こんな遅くに」
貴音「……………」スタスタ
ボフッ
貴音「……………」
P(……………俺の膝を枕に、ソファで寝だした…)
P「膝枕って事は……また、甘えたくなったのか?」
P「それで、貴音が甘えるってことは、何かまた嫌なことがあったな?」
貴音「……………」
貴音「蛇が……首に……」
貴音「長い方のを選び……首に巻きついて……」
貴音「気絶……してしまい……」
貴音「………うぅ」///
P(……顔を俺の腹にうずめて来たな……)
P(顔をうづめたくなるほど、恥ずかしかったか……)なでなで
22:
P「とにかく、蛇と関わる仕事があったんだな?」
貴音「………は、い」///
P「そうか……ごめんな、側にいてやれなくて」なでなで
貴音「……いえ、大丈夫でした……」
貴音「……などと言える程、余裕はありませんでした……」
貴音「……正直とても、側にいて欲しかったです……」///
貴音「寒心に堪えない時……あなた様の事ばかり、考えてしまいました……」///
貴音「何処でもいいので……体の一部をあなた様に密着させ、心を安堵させたかったです……」///
P「ごめんな……今日は、いっぱい甘えていいからな」なでなで
貴音「……はい、では有難く……」///
貴音「……あなた様ぁ」///
24:
別の日 待合室
伊織「あんたと同じ番組だなんて、珍しいわね」
貴音「そうですね…久々に同じ仕事が出来、嬉しく思いますよ」
伊織「ま、まぁね……わ、私もよ」///
貴音「ふふ……」
伊織「ところで、今日の番組の対策は大丈夫?」
伊織「小学校、中学校の基礎知識をクイズにした番組だけど……」
伊織「ちゃんと勉強した?」
貴音「はい、問題ありませんよ」
貴音「じいやに勉学を叩き込まれていたので、知識には少し自信があります」
貴音「ちゃんと予習もして来ました」
伊織「そう……なら、大丈夫ね」
伊織「あんたの世間でのイメージは、才色兼備な所なんだから」
伊織「基礎知識がダメなら、イメージガタ落ちよ?」
貴音「心得ておきます」
27:
コンコン
スタッフ「水瀬さーん、四条さーん、そろそろ始めまーす」
伊織「あっ、はーい!」
貴音「いよいよですね…」
伊織「さっ、行くわよ。」
伊織「全問正解の勢いで行くわよ!」
貴音「はい!」
スタッフ「えー、では、名前が書かれている所がお席になります」
貴音「ここ……ですね」
スタッフ「では、今日の学力テストの内容を発表しますね」
貴音「内容……?小、中学の勉強内容では?」
スタッフ「そうなんですが、一つのカテゴリーに絞ることになりまして」
貴音「はぁ…」
スタッフ「で、内容はこちらです」ピッ
『英語』
貴音「!!」
スタッフ「モニターに映っているものになります」
スタッフ「問題は撮影中に出しますからね。では、撮影始めまーす」
貴音「……………」
伊織(まずいわね……貴音って確か横文字が……)
28:
カメラマン「では、本番はじめまーす」
伊織「貴音……あんた……」
貴音「し、支障はありません。」
貴音「私、四条貴音は、今までも幾多の困難を乗り越えたのです…」
貴音「今更これしきの事で、へこたれたりなど致しません!」
伊織「………そう」
伊織「無理は、しないのよ?」
貴音「はい。心遣い、感謝いたします」
カメラマン「本番5秒前……4……」
カメラマン(3……2……1……)
司会「えー、やって参りました!学力クイズの番組です!」
司会「世の芸能人達は、どれくらい頭が良いのか今日、解明されます!」
司会「さぁ、早はじめ……たい所ですが」
司会「その前に、今日のゲストを紹介いたします!」
司会「今日は、あの超有名アイドル!水瀬伊織ちゃん、四条貴音ちゃんがゲストに来ております!」
伊織「どうもー♪水瀬伊織でーす♪今日はよろしくお願いしまーす!」
貴音「四条貴音と申します。よろしくお願いいたします。」
29:
司会「いやー、しかし、2人とも可愛いねー!」
司会「四条貴音ちゃんなんか、凄く勉強出来そうだね!」
貴音「い、いえ、そのような事は……」
司会「またまたー、謙遜しちゃってぇ!」
司会「さぁ!では、早問題の方に行きましょう!」
司会「まずは、こちらの問題です!モニターをご覧ください!」
『この単語の意味は?「important」』
司会「では、回答は……早、四条貴音ちゃん!」
貴音「あ、あぅ………」
伊織(この様子じゃ……)
司会「では、回答を!」
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーー
30:
事務所
P「最近は書類整理ばっかだな……」
P「ソファーに座ってやるのが一番やりやすいな」
P「……あぁ、もうこんな時間か…帰らないとな」
ガチャッ
P「ん?こんな時間に事務所に誰だ?」
貴音「……………」
P「貴音か……忘れ物か?」
貴音「……………」スタスタ
貴音「……………」ストン
貴音「……………」スリスリ
P「……………」
P(そばに来て、顔をすり寄せて来た……)
P「……どうした?甘えて来て?」
P「辛いことでもあったか?」
貴音「……………」スリスリ
貴音「英単語の意味を……答えられなくて……」スリスリ
貴音「横文字は苦手で………」スリスリ
貴音「しかし……伊織は沢山答え……」
貴音「私は……何も出来ず……」グスッ
貴音「自分が……情けなくて……」
貴音「……うぅぅ」ギュッ
P(抱きついて来た……凄く辛かったんだな……)
33:
P「……貴音は、情けなくなんかない」なでなで
P「誰にだって、苦手な事はあるんだ」なでなで
P「貴音がどうしても克服したいなら、今から努力すればいいだけの事だよ」なでなで
P「伊織だって現役の中学生だし、貴音とハンデはあったんだよ。仕方ないよ。」
貴音「……あなた様……」///
貴音「……もう少し、このまま甘えてもよいでしょうか……」///
P「あぁ、大丈夫だよ。心を癒す時は、誰にだって必要だ」
貴音「ありがとうございます……あなた様」///スリスリ
貴音「……出来れば、あなた様に抱擁をして頂きたく……」///スリスリ
P「………これで、いいかな?」ギュッ
貴音「はい……心地良い感触です」///スリスリ
貴音「私は……果報者です……あなた様と巡り会え、この様にしてもらえるなど」///スリスリ
P「俺も、同じ気持ちだよ」ギュウウウ
貴音「ふふふ……気持ちを共有する事程
、幸せな事はありませんね」///スリスリ
40:
別の日 旅館
雪歩「今日の四条さんとのお仕事、楽しみですぅ」
貴音「私もですよ」
雪歩「でも、旅館で有名な温泉のレポートだなんて……」
雪歩「うぅ……私、ひんそーでひんにゅーでちんちくりんな体なのにぃ……」
貴音「その様なことはありませんよ、雪歩」
貴音「自分の体の均整に自信を持つのです」
貴音「私が、保証いたしますよ」
雪歩「四条さん……ありがとうございます!」
貴音「さて……そろそろ撮影時間ですね」
雪歩「確か、撮影前に流れの説明をスタッフさんから聞くんですよね……」
貴音「私達は既に流れを事前に聞いているので、最後の確認のようなものでしょう」
スタッフ「あっ、四条さん、萩原さん、こっちですよー」
42:
スタッフ「では、流れの確認をしますね」
スタッフ「最初は温泉のレポート。まぁ、ここがメインですね」
スタッフ「それで、次はこの旅館の料理のレポートを」
スタッフ「料理もなかなか美味しいと評判らしいですからね」
貴音「……ふふふ」
雪歩(し、四条さん、何だか嬉しそう……)
貴音「そして、最後にまとめに入り、終わるのですよね?」
スタッフ「そう……だったんですが」
雪歩「?」
スタッフ「実は、この旅館のあるサービスを監督が気に入っちゃって」
スタッフ「ぜひ、この番組で紹介したいと言い出しまして……」
スタッフ「まとめに入る前に、そのサービスを紹介して欲しいんですよ」
貴音「はて……その紹介して欲しい物とは、何でしょうか?」
スタッフ「この旅館が行っている、マッサージのサービスです」
雪歩「ま……マッサージ、ですかぁ?」
43:
スタッフ「えぇ、マッサージを体験してそのレポートを」
スタッフ「あっ、そんな凄い本格的なマッサージではないですよ」
スタッフ「安いホテルにもよくある感じのマッサージサービスみたいなもんですよ」
雪歩「は、はぁ……」
スタッフ「マッサージ師も女性ですし、何よりツボをよく知ってるらしいですよ」
スタッフ「監督も気に入ってましたよ。とても、気持ちいいって」
雪歩「そうなんですか……よかったですね、四条さん」
貴音「……………」
雪歩「……四条さん?」
貴音「……はっ!あ、いえ、その……」
貴音「た、楽しみですね、『まっさあじ』……」
貴音「…………」
雪歩「……………?」
スタッフ「あっ、一応マッサージ師の紹介を……」
44:
温泉レポート 撮影中
雪歩「……以上!この旅館のグルメレポートでしたぁ!」
雪歩「では、次にこの旅館で行っているマッサージサービスのご紹介ですぅ」
貴音「……………」もぐもぐ
雪歩「はい、準備が整いました」
雪歩「では、早マッサージをしてもらいますぅ」
女性マッサージ師「では、始めますね」ギュッギュッ
雪歩「………んっ…くふふ……」///
雪歩「す、少しくすぐったいです……けど、気持ちいいですぅ……」//
貴音「…………」ごっくん
雪歩「んっ……ゆぅ……んふふ……」///
貴音「……………」
貴音(あんなにも……体に触れられて……)パクッ
貴音(………他者に体を触れられるのは苦手ですが……)もぐもぐ
貴音(しかし、これも仕事の一環……)ごっくん
貴音(全力で、視聴者の方々に、『まっさあじ』のご報告をせねば……!)
貴音(あと、ごちそうさまでした)ペコっ
46:
雪歩「すっごく、気持ちよかったですぅ!」
雪歩「四条さんも、いつまでもご飯を食べていないで、マッサージ受けましょうよ!」
貴音「そうですね……では」
女性マッサージ師「布団の上で、楽な格好になって下さいね」
貴音「はい…それでは」ストンッ
女性マッサージ師「うつ伏せになりましたね…」
女性マッサージ師「では、はじめに背中のツボを押しますねー」
貴音「は……はい」ドキドキ
貴音(ついにこの時が…)
貴音(今まで体に触れられるのが苦手で、あまり他者に体を触れさせてなかったのですが……)ドキドキ
貴音(ついに、このような形で、長い時間体を触られるとは……)ドキドキ
貴音(長い時間体を触れられる事、そしてツボを押される事は、どのような感じなのでしょうか……)ドキドキ
貴音(初めてなので……緊張……しますね……)ドキドキ
女性マッサージ師「では、押しますね」
貴音「は、はい……」ドキドキ
女性マッサージ師「では……」ギュウッ
貴音「!!!??」///
貴音「あぁんっ!!やっ!!」///
雪歩「!!??!?」
現場スタッフ一同「!!??!?」
女性マッサージ師「えっ……えっ?あ、あの……?」
貴音「す、すみません……何でもありません……」///
貴音「お、お気になさらないで下さいぃ……」///
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーーー
48:
事務所
P「………………」
P「ん……あ、しまった。ソファーで寝てた……」
P「はぁ……起きたくないな……」ゴロゴロ
ガチャッ
P「ん……ドアが開いた……誰だ?」
貴音「……………」
P「あぁ……貴音か。よかった、社長じゃなくて……」ゴロゴロ
貴音「……………」スタスタ
貴音「……………」ボフッ
貴音「……………」ギュウッ
P「……………」
P(寝てる俺に抱きついて来た……腹に顔をうずめてる……)
P(この甘えん坊っぷりは……)
P「……どうした、貴音?何か嫌なことでもあったのか?」なでなで
貴音「………………」ギュッ
貴音「仕事にて……『まっさあじ』を受けまして……」
貴音「しかし……私は……体に触れられるのは慣れておらず……」
貴音「ツボを押された時……その……」
貴音「つい……恥ずかしい声を漏らしてしまい……」///
貴音「周りから……奇妙な目つきで見られ……」///
貴音「ううぅ……恥ずかしい……です」///ギュッ
P「なるほど……仕事でマッサージを受けたのか」
P「で、つい甘い声を出してしまって周りから変な目つきで見られたのか…」
P(まぁ、貴音の喘ぎ声を聞いたら、男共は普通に見れないよな……)
49:
P「……なぁに、気にするなよ」
P「誰も特には気にしてないよ、きっと」
貴音「そう……でしょうか?」
P「あぁ、大丈夫だよ」なでなで
貴音「……ふふふ、あなた様にそのように撫でて頂くと……」
貴音「あなた様の言う事を本当に信じてしまい……」
貴音「それと共に……安らぎを感じます……」///
貴音「このまま……ずっと、こうしていたいです……」///ギュウウ
P「しかし……俺も貴音のその声、聞きたかったな」
貴音「!!」///
貴音「……あ、あなた様!」///
貴音「こんなにも、恥じいているというのに……いけずです!」///
P「ごめんごめん、冗談だよ」なでなで
貴音「……………で、ですが……」
貴音「あなた様にならば……」///
貴音「今、その声を聞いて貰っても……私は……」///
P「こらこら、この状況でそんな事言うんじゃない」ポンポン
貴音「んっ………何故、ですか?」
P「……声を出させたく、なっちゃうだろ?」なでなで
貴音「………あなた様が望むなら、私は……」///ギュウウ
P「今日は、貴音が甘える日だ」
P「貴音が俺にお願いをしたりして、甘えなきゃダメだろ?」
貴音「………ふふふ、そう……ですね」///
貴音「では、もっと顔を近づけて……」スリスリ
貴音「しばらく、このまま甘えさせて下さいね……あなた様」///スリスリ
51:
別の日 遊園地
美希「あっ!貴音ー!こっちこっちー!」
貴音「そこにいましたか……美希」スタスタ
美希「貴音と一緒にお仕事なんて、珍しいね」
貴音「そうですね。稀にあるくらいですからね」
美希「ミキ、今日の遊園地レポート、結構楽しみなんだ!」
貴音「美希は、このような娯楽施設が好きなのですか?」
美希「うん!結構好きなの」
美希「友達と行ったら、とっても楽しいの!」
貴音「それはそれは……」
美希「あ……でもでも……」
美希「ハニーと一緒に行ったら、もっと楽しくなると思うな!」
美希「2人で一緒に色んなアトラクションに乗ったりして……」
美希「色々見て回って………」
美希「最後には……観覧車に乗って、キス何かしちゃったりして!」///
貴音「……………」
貴音「……そう、ですか」
美希「………貴音?」
スタッフ「あ、四条さん、星井さん、現場に向かいますよー」
美希「あっ、はーい」スタスタ
貴音「………………」
52:
スタッフ「はい、では最初にこちらの撮影を……」
美希「ここは……お化け屋敷?」
スタッフ「はい、正式名称はホーンデッ……」
スタッフ「まぁ、いいや、覚えてもらわなくて。カンペありますし」
スタッフ「なかなか怖いと、有名ですよ」
美希「ふーん、面白そうなの」
美希「ねっ、貴音?」
美希「…………あれ?貴音?」
貴音「……………」ブルブル
美希「……………」
美希「着ぐるみの後ろに隠れて何してるの?」
貴音「い、いえ、これはその……」ブルブル
貴音「む、武者震いというもので……」ブルブル
美希「ミキ、別に震えてることについては聞いてないの」
美希「とにかく、着ぐるみさんを引っ張らない方がいいの」
貴音「はっ……!!」バッ
貴音「す、すみません、えっと……ネズミ殿!」
ミッ○ー「……………」
53:
スタッフ「では、撮影はじめますねー」
美希「貴音、お化け屋敷苦手なんだね」
貴音「………み、美希は、平気なのですか?」
美希「うーん、ちょっとドキドキはするけど……」
美希「貴音程、怖がってはないの」
貴音「あぅ………」///
美希「ほら、撮影始まるよ?」
貴音「あの……手を握って貰っても……」
美希「撮影中はダメなの」
貴音「……そう、ですよね」シュン
スタッフ「本番30秒前ー!」
美希「ほら、始まっちゃうよ?」
貴音「………ううぅ」ブルブル
貴音「……あなた様ぁ…」ブルブル
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーー
ーーーーーーー
ーーーー
54:
事務所入り口前
貴音「……………」
貴音「また……失敗してしまいました……」
貴音「………はぁ……」シュン
貴音「……このような気持ちの時、あの方の側にいたくなってしまいます……」
貴音「しかし……今日もあの方に甘えてしまっても、良いのでしょうか……」
貴音「…………駄目なはず、ですよね……」
貴音「………しかし……」
貴音「この胸の高まり、甘えてしまいたいという衝動は…」
貴音「抑え切れません……」///
貴音「あなた様……」///
貴音「……………」
貴音「どうか、お許しを………」
ガチャッ
美希「ねぇ!ハニー!」ギュッ
美希「今度、その遊園地に一緒に行こ?」ギュウウ
P「こら、アイドルが無闇に男に抱きついちゃダメだろ」
貴音「…………」
貴音「………………」
P「おっ、貴音。仕事お疲れ」
美希「あっ、貴音。さっき振りなの」
55:
貴音「………………」
P「ほら美希、今日はもう遅いぞ。帰りなさい」
美希「むぅー……また、はぐらかしてぇ……」
P「とにかく、帰った帰った」グイグイ
美希「わかったの……あ、貴音、バイバーイ」
貴音「…………えぇ、お疲れ様、です」
ガチャッ
P「まったく……世話のかかるやつだ」
貴音「……………」
P「子供っぽいというか、なんというか……なぁ?貴音?」
貴音「……………」
P「………貴音?」
貴音「……………」ススッ
貴音「……………」ギュウッ
P(………俺の胸に寄り添って、抱きついて来た……)
P(そうか……また、ショックな事があって甘えに来たんだな……もう分かるぞ)
P(でもまぁ……形だけでも、一応理由は聞いとくか)
P「どうした?貴音?また、何か失敗したか?」ギュッ
P「また、甘えたくなっちゃったのか?」
貴音「……………」
貴音「始めはその通り、傷を癒してもらうために甘えようとしました……」
貴音「………しかし、今は違う理由で抱きついております」ギュッ
P「えっ?じゃあ何で……?」
56:
貴音「………あなた様が…」
貴音「私以外の方と……睦み合う姿を見るのが耐えきれなく……」
貴音「あなた様を……奪われるのではないかと思ってしまい……」
貴音「不安になり……つい、このように甘えてしまい……」ギュッ
P「……………」
貴音「とても醜い嫉妬心だと承知しております……」
貴音「ですが……」
貴音「私も……あなた様の側に、ずっと居たいのです……」
貴音「我儘ばかりで……申し訳ありません……」ギュウウ
P「貴音……」
P「………ワガママなんかじゃないさ」ギュッ
P「俺だって、貴音の側にずっと、死ぬまで一緒に居たいよ」ギュウウ
貴音「あなた……様……」///
P「貴音……」
P「そんな風に俺を想ってくれてるけど……」
P「貴音は……俺の事、どう思ってるんだ?」
P「ハッキリと、貴音の口から聞きたい」
貴音「………私は……」
貴音「四条貴音は……」ギュッ
P「………うん」
貴音「あなた様を……以前から、常々」///
貴音「……………」///
P「…………?」
貴音「…………ふふっ」///
貴音「ここから先は、トップシークレット、です」
P「えっ、えぇ!?」
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