にこ「希はテンパってる時がかわいい」back

にこ「希はテンパってる時がかわいい」


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1:
にこ「希、今日は練習来れるの? 最近バイト忙しいみたいだったけど」
希「今日からは大丈夫やで。だからこうして1番乗りに……ってにこっちが最初かぁ」
にこ「そうよ」
希「……明日は土曜日やんな?」
にこ「そうね」
希「にこっち暇?」
にこ「あんたのために空けてあるわ」
希「わーい! にこっち愛してる!」
にこ「はいはい」
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2:
希「にこっちの愛が冷めた……」
にこ「冷えるのは部室だけで十分よ」
希「そう? あんまり冷房効いてない気がするけど……」
にこ「今日は窓開けた方が涼しいんじゃないかしら」
希「んー……おお!」
にこ「これなら洗濯物もすぐ乾きそうね」
希「飛んでいきそう」
にこ「……確かに」
3:
希「こんないい天気やったら……ふわぁ、眠くなってきた」
にこ「寝るんじゃないわよ?」
希「にこっちがおんぶして連れてってくれるはず」
にこ「物理的に無理よ」
希「あはは」
にこ「ほら、ぐーっと伸びでもしてみたら?」
希「わかったー……」
にこ「寝てる寝てる」
5:
希「うーん……練習やしちゃんと……んー!」
にこ「希、シャツ出てる」
希「ちょっとくらい許してー」
にこ「おへそ見えてる」
希「もうちょっと……ぐぐぐ」
バツンッ
にこ「……え?」
希「……」
にこ「希、服から割れたフックみたいなの出てきたけど……まさか……」
希「……どうしよ」
にこ「……」
希「ブラ壊れた」
にこ「……やっぱり」
6:
にこ「何? またちっちゃいのにしたの?」
希「ま、またって何?」
にこ「いや、前もちっちゃくなったとか言ってたから」
希「だ、だって高くなる……じゃなくて! 違うって!」
にこ「また大きくなったの」
希「……はい」
にこ「……」
希「にこっち嬉しそうな顔……」
にこ「いや、顔真っ赤にして可愛いと思って」
希「セクハラ!」
8:
希「うぅ、どうしよ……久しぶりに練習やのに」
にこ「あんた練習出る気?」
希「だ、だって……」
にこ「そんな野に放たれた猛獣をほっとくわけにはいかないわ」
希「……そうやけど」
にこ「ほら、まだ使ってないマフラータオル、使う?」
希「ん……手伝って」
にこ「やだ」
希「に、にこっちぃ……」
にこ「嘘よ。ほんとかわいいわね」
希「むー!」
10:
にこ「ほら、部室鍵閉めるわよ。そっちはカーテン閉めて」
希「わかった」
にこ「……」
希「こっち閉めたよー……ってにこっち! ドア全開やん!」
にこ「ごめんごめん」
希「ぐぬぬぬ」
にこ「上着脱いで」
希「い、いつもはわしわししてる側にされるなんて……」
にこ「いや、そこまでするつもりないけど」
希「……ほんと?」
にこ「ええ、あんたの上目遣いに誓って」
12:
希「に、にこっち。こっち見たら……」
にこ「見るも何も、前で止めるしかないでしょ。後ろでまとめたら背中が出っ張るじゃない」
希「……」
にこ「前で結ぶのだけはやってあげるから、ちゃんと目を閉じとくわ」
希「覗いたら怒るで?」
にこ「わかってるわよ。私は覗きなんてしないわ」
希「なんで?」
にこ「希が本当に嫌がることはしないの」
希「……ちょっと嫌なことはするんや」
にこ「わかってるじゃない」
13:
希「うう……はずかしい」
にこ「見えてないからわかんない」
希「ほんと? ほんとに?」
にこ「ええ、希のフロントホックなんか見えてない」
希「に、にこっち! 見えてるやん!」
にこ「見えてないわよ。だってホック前から落ちてきたじゃない」
希「にこっちのいじわるー!」
にこ「早くしないとみんな来ちゃうわよ」
14:
希「タオル……こうかな?」
にこ「どう? 大丈夫?」
希「んー……お、いけた! にこっち結んで」
にこ「……」
希「にこっち?」
にこ「いや、予想以上にイケないことをしてる気分で……」
希「……ウチはもう気にしてないから早く」
15:
にこ「このくらい?」
希「もうちょっときつめ」
にこ「こうかしら」
希「んっ、それ!」
にこ「よーし、じゃあ結ぶわよ」
希「……」
にこ「どうしたのよ急に黙って」
希「……恥ずかしい」
にこ「安心しなさい。かわいいわよ」
17:
希「……おお、結構なんとかなる」
にこ「よかったわね。長いの買っといて」
希「にこっち、もしかして用意してた?」
にこ「あー……その理由もちょっとあった」
希「あったん!?」
にこ「いや、希に冗談として見せようと機会をうかがってたんだけど、まさか実際に使う羽目になるとは」
希「ありがとうにこっち……ってあれ? ウチの服は?」
にこ「ちょっと写真撮らせて」
希「にこっち!」
にこ「はいはい、返すからそんなに怒らないでよ」
18:
希「……よし、服着ても違和感ない」
にこ「よし、こっちもばっちりよ」
希「あ、まだ携帯構えてたん? 今なら写真撮っても……」
にこ「これ動画だから」
希「に、にこっち……ぅあっ」
にこ「フフフ、こんな時のために結び目を緩くしておいたわ」
希「うううう……動けない」
にこ「でも自分で結べるでしょ?」
希「あ……もうにこっち、何でそんなにいじわるするん?」
にこ「その顔が見たかっただけよ。他に理由はないわ」
19:
希「今日はお休みするってみんなに連絡する」
にこ「じゃあ私も一緒にお休みするわ」
希「え? 何で?」
にこ「帰宅途中に外れたらどうするの?」
希「あ、そっか……ごめんにこっち」
にこ「いいのよ。恋人の危機だもの」
希「にこっち、何でうれしそうなん?」
にこ「あんたテンパってるとかわいいのよ」
20:
希「ふーんだ、にこっちのブラが壊れても助けてあげません」
にこ「私はなくてもバレない自信があるわ」
希「じ、自虐や……!」
にこ「フン、私をあまり舐めてもらっちゃ困るわ」
希「にこっち不憫……」
にこ「なんかむかつく。服引っぺがすわよ」
希「ええっ!?」
にこ「……でもやっぱり、上から水でもかけた方が色っぽくなるわね」
希「ちょ、にこっち本気の顔やん!?」
にこ「じょーだんよーじょーだん」
希「棒読みが怖い……」
21:
にこ「ほら、行くわよ」
希「え、ちょっと待ってにこっち」
にこ「どうしたの」
希「……これ、歩くたびにズレる」
にこ「……」
希「どうしよ……」
にこ「……」
希「もー! 本気で困ってるんよー!?」
にこ「かわいいかわいい」
希「ごめんなさいやろー!」
にこ「あ、素で間違えたわ」
希「愛されてる気がしない……ぐすん」
22:
にこ「いや、愛してないわけないでしょ?」
希「え?」
にこ「あんたが困ってたらすぐに助けるし、泣いたら慰めてあげる」
希「に、にこっち……」
にこ「そりゃあちょっとは意地悪するけど、それは大目に見てくれない? 希がかわいいからやっちゃうのよ」
希「にこっち……それウチの胸見ながら言う?」
にこ「泣いたら慰めてあげる」
希「え?」
にこ「まあ泣かせるの大体私なんだけどね」
希「はっ……」
にこ「涙目の希は素敵よ。自信持って」
希「持ちたくないーっ!」
23:
にこ「じゃあ行くわよ」
希「わ、わかった……」
にこ「ほら、希。セーター貸してあげる」
希「あ、それウチの? この前なくしたと思ってたんやけど」
にこ「間違えて私のかばんに突っ込んでたのよ。この前あんたの家に行ったとき」
希「えー、それなら早く言ってくれればいいのに」
にこ「なんか面白そうになりそうだったから。持っててよかったわね」
希「そんな予想はしてほしくなかったなぁ……」
24:
にこ「……」
希「ぶ、無事に着いた……」
にこ「何もなかったわね……」
希「なんで残念そうなん!?」
にこ「いや、なんかもっと私を頼ってくれるようなイベントとか……」
希「あ、そっか。にこっちは頼ってほしくて……」
にこ「起こせばよかった」
希「マッチポンプやん……」
25:
にこ「せっかく希の家に来たんだし、ちょっと休憩させてくれない?」
希「うん、いいよ」
にこ「希、ちょっとそこに立って」
希「え? ここ? ていうかにこっち、そんな玄関でしゃがんでなくても上がってくれれば……」
にこ「水色」
希「水色?」
にこ「パンツ」
希「なっ!? ち、違うよ! 今日は……」
にこ「何色?」
希「しろ……って誘導尋問やん!」
26:
希「もうにこっちにはお茶出さないまんまにしとこ」
にこ「えー、暑くて死にそう」
希「ウチにいたずらばっかりしてるから」
にこ「今なら家だしそれ、外してもいいわよね」
希「麦茶でいい?」
にこ「ぐぬぬ」
希「悔しそうにしても麦茶しか出ません」
27:
にこ「ねえ希」
希「なに?」
にこ「怒ってる?」
希「ううん、いつものことやもん」
にこ「じゃあ……次のステップに進む?」
希「それは遠慮します」
にこ「えー、なんで」
希「怖いもん。にこっち怖いもん」
にこ「ちょっと希の危機が増えるだけよ」
希「それがいややもん」
にこ「私は嬉しいわ」
希「はぁ……何でウチ、にこっちなんか好きになったんやろ」
28:
にこ「それは決まってるでしょ」
希「んー?」
にこ「私がわけもわからず希を好きになったみたいに、希もきっとわけもわからず好きになったのよ」
希「ええー。ちょっと理由くらい欲しかったかなぁ」
にこ「隣にいて居心地良いんだから仕方ないでしょ?」
希「まあそうやね」
にこ「どう? 惚れ直した?」
希「ちょっとだけ」
29:
にこ「じゃあご褒美ちょうだい」
希「ウチができる範囲でなら」
にこ「そのタオル、洗わずに返して。家宝にするから」
希「にこっち嫌い」
にこ「本当は好きなくせに」
希「もー……そういうとこ嫌い」
にこ「えへへ。じゃあちょうだい」
希「当初の目的を忘れてない……!」
30:
にこ「しょーがないわねー……パンツでもいいわ」
希「むしろレベル上がってる気がするんはウチだけ?」
にこ「あ、そうだ! 壊れたブラならいいでしょ? 使わないし」
希「あげません」
にこ「……まあ将来もらうわけだし、いいか」
希「ぜーったいあげません!」
にこ「土曜日パンツなしと、今タオルくれるの、どっちがいい?」
希「ぜーったい両方嫌やーっ!」
にこ「その顔良いわね。もう1枚」
  おわり
32:
のぞにこ可愛すぎるぞprpr
おつでした
34:
のぞにこは正義
乙でした
4

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