チノ「ココアさん。そのリゼさんの死体、どうするんですか?」back

チノ「ココアさん。そのリゼさんの死体、どうするんですか?」


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1:
「嘘……。リゼちゃん……っ!? リゼちゃんっ!!!」
ココアは床に横たわるリゼに駆け寄った。
リゼの胸元が赤黒く染まっている。
「リゼちゃん……! リゼちゃん……!」
呻くようにして名前を叫びながらその体を揺さぶるが、
リゼからはなんの反応もない。
だらしなく開いた口からは真っ赤な鮮血が、
驚愕に見開かれた目からは透明な液体が流れたあとが見える。
「そんな……」
ココアは呟くように言って、リゼの胸元に顔をうずめる。
鉄臭いにおいが鼻腔をくすぐった。
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1407150112/
2:
おい…やめろ…
3:
何があった…
ぴょんぴょん
4:
遡ること約30分前。ラビットハウス。
「お前たちも、銃器の扱いくらいは覚えておいた方がいいぞ」
リゼが得意げな顔で演説をしていた。
チノは真剣な目でそれを眺めている。
「こういうタイプの銃はこう構えて……」
言いながらポーズをとる。
父親仕込みのリゼの所作は、
とても様になっているようにココアの目には映った。
「リゼちゃん、すごい!」
「そ、それほどでもないけどな」
ココアがキラキラとした眼差しを向けると、
照れたように頬を赤く染めたリゼは、視線をそらすようにしてそう言った。
6:
あちゃー…とうとうリゼ死んじゃったかー
7:
私が私を見つめてました
9:
シャロちゃんじゃなくてよかったわ
10:
ぴょんぴょんしてきた
12:
「ちょっと休憩。あとでチノとココアにもやってもらうからな」
リゼはそう言って部屋を出て行こうとした。
「リゼちゃんおトイレ? なら私も行こうっと」
そのあとにココアが続く。
部屋にひとり取り残されたチノの目が、
ふと、机の上の銃をその視界に捉えた。
「これ、モデルガンですよね」
手に取りしげしげと見つめると、そう呟いた。
しばらく手の上で弄んでいたチノだったが、
突然鋭い目つきになると、部屋の隅にある机に向けて歩き出した。
「せっかくだから、本物に変えておいてあげましょう」
机の引き出しを開けると、
そこには同じタイプの拳銃が、黒く鈍い光を放っておさまっていた。
13:
チノちゃん…
14:
まあ親父元軍人だしな
15:
「ん?」
休憩を終えて再び拳銃を手にしたリゼが、不思議そうな顔をした。
「リゼさん。どうかしましたか?」
チノが口を開く。
リゼはしばらく黙ったまま拳銃を見つめていたが、
ぱっと顔を上げた。
「いや、なんでもないよ」
なんだか先程より少し重たくなったような気がする。
リゼの頭にそんな考えがよぎったが、ただの気のせいだと思うことにした。
「じゃあ。二人にもやってもらうからな」
軽い調子でそう言うと、リゼはココアに拳銃を手渡した。
16:
おい
18:
うわあああああああああ
20:
「こ、これで合ってる?」
ぎこちない姿勢でココアが銃を構える。
リゼは腕を組んで、気難しそうな顔でそれを見つめていた。
「別に悪くないんだけど」リゼが表情を変えずに言う。
「脇が甘いし腰も引けてるから、もう少しこうした方がいいかな」
後ろから抱きしめるようにして、ココアの姿勢を正した。
「こうかな?」
「んー。まぁいいんじゃないか」
再度ココアが銃を構えると、リゼはそれに合格点を出した。
「それなら反動も受けづらいしな」
23:
「リゼちゃーん」
ココアが満面の笑みを浮かべながら、リゼに銃口を向ける。
「はぁ」リゼはため息を吐くと、軽い笑顔を見せた。
「冗談でもやめろよ。そういうことは」
笑いながら続ける。
「まぁモデルガンだし、弾は出ないけどな」
そう言って両手を広げた。
ココアは相変わらずの笑みを浮かべている。
「ばーん!」ココアが言いながら、引き金を引いた。
25:
「きゃあ!」ココアは反動で、背後のロッカーにしたたか頭をぶつけてしまう。
予想外の衝撃だったので、うまく受け身が取れなかった。
「いたた……」
後頭部をさすりながら視線を上げたココアの目に、
信じられないものが飛び込んできた。
「え……? ええっ!? リゼちゃんっ!?」
リゼの胸元が真っ赤に染まっていた。
呆けたような顔で、胸元に手を当てている。
「あ、ああ……」
何か言おうとしたのか開いたリゼの口から、
真っ赤な血のあぶくがたった。
24:
これは酷いwwwww
26:
あ、ああ……
29:
ごちうさSSはどうしてこうもチノの扱いが原黒なんだろう
31:
何かが弾けるような乾いた音と同時に、
リゼは胸元に熱さを覚えた。
次いで、火薬のにおいが鼻を突く。
「?」
熱さの原因を確かめるように、
無意識のうちに胸元に手が伸びた。
生暖かい液体が、その指先に触れる。
「あ、ああ……」
なんで。ココア。
湧いて出たリゼの疑問は、鮮血の泡となって消えた。
32:
うわぁ...
33:
心ぴょんぴょんして来た
34:
あかん
39:
「リゼちゃん……っ!」
もう動かなくなってしまったリゼの胸元に顔をうずめ、
ココアが慟哭を漏らしていた。
その震える肩に、そっと小さな手が置かれる。
「チノちゃん……」
振り返ると、そこに無表情のチノの顔があった。
チノはココアと目が合うと、黙って首を振る。
「もう、リゼさんはダメです。死んでいますから」
「……そんな」
直視できない現実に、
ココアはその顔を蒼白に染めることしかできなかった。
45:
「……救急車、じゃない。警察を、呼ばないと」
ココアはフラフラと立ち上がった。
服の裾を引っ張られる感触がある。
「お願いだから離して。チノちゃん」
「絶対離しませんよ。ココアさん」
ココアはそのまま電話機に向かって歩き出したが、
ズルズルと服が伸びていく抵抗感に、たまらず歩みを止めた。
そして、ゆっくりと振り返る。
「どうしよう……。チノちゃん……」
その顔はひどく青ざめていた。
「大丈夫です、ココアさん。私の言うとおりにしてください」
46:
心ひょんひょん……
50:
ぴょんぴょんしない
51:
ココアちゃんほど絶望に陥れたい娘はいない
52:
「はぁ……はぁ……」
「ぜぇ……ぜぇ……」
狭い浴室に、二人の喘ぐような吐息が重なる。
リゼの死 体の解体は、もう胴体部分を残すだけとなっていた。
「肘と膝の関節は、後回しに、しましょう。
 胴体と切り離すだけで、もう精いっぱいです」
荒い息を吐きながら、言葉を区切るようにしてチノが言った。
「……そうね」
そう力なく答えたココアは、
胃袋から何かが上がってくる感覚に耐えきれず、前傾姿勢を取った。
「うぇぇっ……!」
59:
「げほっ! げほっ!」
ココアは先程からもう何度も嘔吐を繰り返しているので、
その”上がってきた何か”は、胃袋を内側から殴りつけるような衝撃と、
鼻腔をつく酸っぱいにおいをさせただけで、
自分の中に何もかもを押しとどめてしまった。
口の端から垂れた唾液が、粘性を持って床まで伸びている。
胃液とともにこの苦しい思いも排出させたかったのに。
ココアは呻くようにしながら、再び涙をこぼした。
「泣いている暇はありませんよ。
 夜が明ける前に終わらせないといけませんから」
相変わらずの無表情でチノが言う。
その言葉でココアは、
今まで自分がギリギリで保っていた現実感というものを、
すべて失ってしまったような気がした。
60:
こんなに可愛い子がこんな目に合わなきゃいけないなんて…
61:
俺が言いたかったこと全部やってくれてすごく嬉しい
62:
「これで大丈夫でしょう」
切り刻んだのち、細かく叩き砕いたリゼの死 体は、
煮出した紅茶葉とともにゴミ袋にまとめた。
「こうしておけば重さでばれることはありません。
 水を含んだ紅茶葉は、ゴミ袋一杯で20?30kgくらいにはなりますし、
 不快なにおいもごまかしてくれますからね。
 まぁ、生ごみなんで、それほど気にすることもないと思いますが」
およそ20個にも及ぶゴミ袋を前にして、チノがそう言った。
「思ったより時間がかかってしまいました」
あれから丸2日ほど経過している。
ココアは、慚悔の念や、鼻についた腐臭を追い出すかのように、
黙って頭を横に振っていた。
64:
ココアは何度も自首することを考え、それを口にしたが、
そのたびにチノに強い口調で諭された。
「リゼさんを撃ったときが最後のチャンスでしたよ。
 隠ぺい工作を始めた時点で、自首しても罪の重さは変わりません」
「あれはチノちゃんが……」
ココアが言いかけると、チノは深く頷いた。
「そうですね。ココアさんが自首すると、私も捕まります。
 私は死 体遺棄と死 体損壊。最長でも3年の懲役刑です。
 まぁ13歳なので実刑は受けないでしょうね。
 それに”ココアさんに脅された”って証言すれば、
 執行猶予つきか、もしくはほぼ無罪を勝ち取れるんじゃないでしょうか」
「そんな……」
66:
3年で済むのかよ
67:
少年法は適応されないのか
70:
天真爛漫なこが精神的に追い詰められるのは良いものだ
68:
「でも。ココアさんの事態は考えている以上に深刻ですよ。
 拳銃を使った殺人ですからね。
 しかもたまたま居合わせた年端もいかない人間に、
 解体作業まで強要しています。
 年齢を考慮に入れてみても、死 刑、良くて無期懲役でしょう」
チノの言葉を聞いてココアはへたり込んだ。
その目から大粒の涙が零れ落ちる。
「なんでぇ……っ! なんでこんなことにぃ……っ!」
嗚咽を漏らしながら床にうずくまった。
そんなココアの頭上から、冷たい声が降ってくる。
「だからココアさんに自首はお勧めしません。
 ここまでやったら最後まで続けるしかないんですよ。
 嘘を吐くって言うのはそういうことです」
冷静さを失ったココアの頭は、
もう考えることを拒否してしまっていた。
71:
あれから1か月がたった。
最初こそリゼの失踪を騒いでいたマスコミも、もう飽きてしまったのか、
お昼のワイドショーで申し訳程度に続報を流す程度になっていた。
「ココアさん。そろそろ高校に行ったほうがいいんじゃないですか」
チノは部屋の前でそう声をかけた。
ココアはあれ以来、自室に引きこもってしまっている。
「……チノちゃん。ごめんなさい」
日に日にしゃべる言葉も少なくなっていた。
チノは毎日、毎日。
飽きもせずに、ココアの扉を叩き続ける。
「いい加減、出てきてくださいよ」
呟くようにして言ったチノの口元が、笑みに大きく歪んだ。
72:
いいねえ
73:
これでめでたくココアちゃんを独占か
74:
「チノちゃん……。私……、私……っ!」
チノはいつものように、ココアの食事を部屋に運んだ。
ココアもいつものように、チノの姿を認めると泣き叫ぶ。
「大丈夫ですよ。私はずっとここにいますから」
リゼが失踪してから、もう半年の月日が流れている。
ココアは随分とやつれてしまったようだった。
「チノちゃん……っ!」
ココアはチノの胸に顔を押し付けて泣いていた。
チノはその頭を優しくなでてやる。
「大丈夫ですよ。ココアお姉ちゃん」
75:
チノちゃん「計画通り」
76:
心ぴょんぴょんしてきた
77:
全滅endはよ
79:
「チノちゃん! ダメじゃない、また散らかして……」
ココアがせっせと部屋を片付けている。
チノはその様子を、満足げに眺めていた。
「えへへ。ごめんね、お姉ちゃん」
「まったくもう」
ココアはぶつくさと文句を言いながらも、手を止めなかった。
「私ね。お姉ちゃんがいないと、ダメだから」
チノが口元を歪めながら言う。
リゼの”失踪”から、もう5年の月日が流れていた。
80:
『謎に包まれていた10年前の少女失踪事件。犯人は被害者と友人同士』
そんな一報が流れると、それは瞬時に国中を駆け巡った。
まだ幼さの残る当時16歳の少女が、友人をバラバラにして捨てたというのだ。
「もうそろそろ、私も自立しないとね」
テレビで流れるニュースを見ながら、チノは呟く。
「姉妹ごっこはおしまい」
軽く息を吐きテレビを消すと、ソファから立ち上がった。
82:
チノちゃん黒すぎ
84:
チノちゃん最低だな
もうシャロちゃんのファンやめます
85:
「な、なんで……? チノちゃん……」
チノの話を聞いたココアは、頭が混乱した。
私たちは本物の姉妹じゃなかった……?
そんなことって……。
ココアは必死に当時の記憶をたどった。
「思い出しました? ”ココアさん”?」
ココアは表情を驚愕の色に染めて、黙って首を横に振った。
「嘘だ……。嘘だよ……」
「嘘じゃありませんよ」
呻くようにして言ったココアを、ぴしゃりとはねのける。
「嘘じゃ、ありませんよ」
チノはそう言って、にっこりと笑った。
88:
ピンポーン。
ソファから立ち上がったチノの耳に、
インターフォンの音が飛び込んできた。
誰だろう。こんな時間に。
確認するより早く、玄関がガチャリと音をたてた。
「警察です。ちょっとお話をお聞かせください」
「……なんでしょう」
ココアさんの事件についてだろうか。
私と関わり合うような証拠は残していないはずだけど……。
チノは嫌な胸騒ぎを覚えていた。
92:
「この国にある拳銃は大半が密輸品ですが、
 あなたの家にかつてあったものは正規品ですよね」
刑事の問いかけに、チノの体がビクリと跳ねた。
頭がクラクラとするのは、
眩しいほどに自分を照らす卓上ライトのせいだけなのだろうか。
「リゼさん、件の事件の被害者ですが、
 彼女の肋骨内にめり込んだ状態で見つかった弾丸は、
 あなたの家にある拳銃から発射されたものです。
 弾丸についた傷を見れば分かるんですよ」
そんな馬鹿な。
チノは思う。拳銃は確かに処分したはずだ。
「ココアさんを、もちろんご存知ですよね。
 彼女が証拠品として提出してくれました。
 リゼさんの遺体の一部といっしょにね」
取調室の机の上でゴトリと音をたてたそれは、
透明なビニール袋の中で、10年前と変わらず黒く鈍い光を放っていた。
93:
チノは事件当日のことを思い返す。
ココアさんを説得して。
死 体の処理。すべてを終えてから。
拳銃はその時に確かに処分したはず。
「あっ……」
チノは気付いた。頭の中で想像を巡らせる。
あのとき。放心したココアさんは、ずっと拳銃を握っていた。
そして事件の隠ぺい工作を……。
必死に証拠品を隠そうとして、机の引き出しを開けた。
そして。
私と同じようにすり替えたのか!?
机の中のモデルガンと。
全てを諦めたように、チノの両腕がだらりと下がった。
「事件の主犯は、あなたですね」
刑事の言葉が、チノの薄ぼんやりとした頭の中に響いた。
96:
取調室から留置場に移動しながら、チノは考えていた。
ココアさんはどうして証拠品の拳銃を持ち続けていたんだろう。
いつから私がすり替えた犯人だと気付いていたんだろう。
チノは、自身が自首を咎めた時のココアの様子を思い出した。
ココアさんは、私に罪が被ることを恐れていたのだろうか。
だから私が犯人だと、気付きながらも隠していたのだろうか。
いったいなぜ。
ココアさんは守ろうとしたのか。
”妹である私”を。
それとも”姉である自分”を?
チノの考えは、同じところをグルグルとまわっていた。
97:
急展開だな
100:
なるほどチノを道連れに出来る年齢まで待ってたのか
102:
”ここまでやったら最後まで続けるしかないんですよ。
嘘を吐くって言うのはそういうことです”
突然チノの頭に声が響いた。
これは誰の言葉だったっけ。
私は嘘を最後まで吐き続けられなかった。
その罰をこれから受けるというのだろうか。
「お姉ちゃん……。ごめんなさい……」
呟くように言ったチノのその言葉は、
コーヒーに入れたミルクのようにその場に留まってはくれずに、
空気中を漂うこともなく、そのまま霧散して消えるのだった。
終わり
106:
今度は千夜ちゃんをお願いします
108:
ここまで読んでくれた方、レスくれた方ありがとうございました。
疑問に思っている人がいるみたいなんで補足をしておきます。
事件直後は、ココアは混乱しているためチノの言いなり。
このときにはすでに銃をすり替えた犯人は分かっている。
そのうちにチノを本物の妹だと思うようになり、
精神的に落ち着いてきても庇うようになる。
姉妹ごっこに飽きたチノがココアを通報。
そのときの告白によりココアの記憶が戻ったため証拠品を提出、チノ逮捕。
チノはココアを騙し続けた良心の呵責により自白。
こんな感じです。
109:
>>108
おもしろかった乙
107:

114:
>>1おつ
115:
何故チノはクズなのか
118:
おつおつ
104:
もっと罪を重ねて欲しかった
105:
おもしろいけど
オチをもっと胸糞悪くしてほしかった
111:
昨日の深夜にアドバイスくれた人もありがとうございます。
ネタはそのまま流用させていただきました。
113:
次はこころぴょんぴょんするような話を書きたいと思います。
プランとしては、ぴょんぴょんとダークな話が交互に来るようにしたいですね。
118:
おつおつ
107:

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1001:
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