御坂「ミ、ミサカはミサカはおねだりしてみたり!」一方「テメェ…」back

御坂「ミ、ミサカはミサカはおねだりしてみたり!」一方「テメェ…」


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1:
一方「あのクソガキはどうした?」
御坂「クー…zzzzクー…zzzz」
8:
御坂「…………zzzzz」
一方「おい、クソガキはどうしたって聞いてンだ」
御坂「…………………………zzzzz」
一方「狸寝入りってのはバレバレなンですけどォ?」
御坂「!!」
一方「5秒数えて起きなかったら、愉快なオブジェにしまァす。ごォー、よォーン、いーち」
御坂「待って待って待って待って! 明らかにカウントの仕方間違ってるでしょーか!」ガバリッ
一方「…………」
御坂「(………はっ!)――えぇっと、………って、み、ミサカはミサカは大げさにつっこみをいれてみる……?」
9:
一方「…………おはよォございまァす」
御坂「お、おはよーって、みミサカはミサカは、あ、挨拶を返してみたり」
一方「起きたな? ンじゃァ改めて聞く。クソガキはどうした」
御坂「…………えーっと、な、なんとことかしら、……ってミサカはミサカはすっとボケてみたり……っ」
一方「これほど似てねェモノマネも珍しいもンだな」
御坂「も、モノマネなんて酷くない? ミサカはミサカだって、ってミサカはミサカは、き、切り返してみる!!」
一方「ごちゃごちゃうるせェな。オマエ、打ち止めとは違うだろ」
御坂「…………そ、そんなことはっ」
一方「確かに外見はアイツみてェだが、……中身、違うだろって聞いてンだが?」
御坂「…………うっ」
一方「口調から察するに、超電磁砲か?」
御坂「…………ううっ」
一方「どンぴしゃの当たりらしいな」
御坂「(な、なんで私と打ち止めの中身が入れ替わっちゃってるって即効でバレテる訳ぇええええ!!??)」
という話を期待。誰か書け
19:
一方通行「角砂糖も食いてェのかァ?投げてやる……ご褒美だ、何個食いてェ?2個か?」
御坂「ええ??ッ! やああああだあああああ、もォ??ッと、もオオオオオオ、もォーッとォォォォ」
一方通行「うそだよォ!5個投げてやろう!同時に5個、口でキャッチできるかァ?手使っちゃだめだぞォ」
御坂「うん!うん!うん!うん!うんうんうん!うんうんうんうんうんうんうんうん」
24:
一方「なンでここにお前が居るンだよ」
御坂「一方通行ったら、ひどい、よ、ミサカのおうちはここだよ、ってミサカは」
一方「あのクソガキは俺のことを一方通行とは呼ばないぜェ?オリジナルちゃン?」
御坂「(ギクッ!)たまにはそういう気分になるのよ、なるんだよってミサカはミサカは徹底的に反、抗」
一方「アホ毛までご丁寧にどうもォ」
御坂「ひゃうん!」
28:
打ち止め「うわぁ!お姉さまの体おもしろーい!ってミサカはミサカはベッドをぴょんぴょん♪」
黒子「無邪気なお姉様…!なんて凄まじい破壊力…!」
打ち止め「本当によく跳ねるんだね!さすが、お嬢さま学校だなぁ!ミサカはミサカはスプリングの具合に敬意を払ってみる」
黒子「あぁ、お姉様!そのような純真無垢な瞳をされていると黒子は…黒子は…エクスタシーですのぉぉお!」
29:
御坂「あ、ゲコ太着ぐるみだ…!」
御坂「……」ゴソゴソ
105円←現在所持金
御坂「……」
一方通行(ありゃあ…オリジナルか)
御坂「……あっ」
一方通行「あァ?」
御坂「……」
一方通行「……」
御坂「あ、あは! 打ち止めだよ! 実は調整云々でおっきくなっちゃったんだ、ってミサカはミサカは…えっと説明してみたり!」
一方通行「はァ?」
御坂「だから、ええっと一方通行! この着ぐるみ買ってほしいなってミ、ミサカはミサカはおねだりしてみたり!」
一方通行「……はァァ?」
34:
一方通行「テメェ・・・もう許さねェ」
御坂「いや・・・待って待って」アタフタ
一方通行「いや、待たねェ・・・今すぐ殺す!」
御坂(ヤバいヤバい殺され・・・ええいもうダメ元で・・・)
御坂「や・・・やめてぇってミサカはミサカは頼んでみる」
一方通行「なッ・・おまッ!」
御坂「お願い・・・ミサカのこと信じて」
一方通行「く・・・クソッ・・・」
御坂「お願い・・・反射も解いて・・・お願い」ウルウル
一方通行「・・・チッ、わ・・・わ、分かったぜ・・・」シュン
御坂「スキありッ!」ビリビリ
一方通行「ぐおおおおおおァァァァ!!!!!!」
御坂「・・・ハァハァ、やった?」
一方通行「・・・て、テメェ・・・」プスプス
以下無限ループ
41:
ミサカ「ミサカはミサカです、とミサカは回答します。
  少し制服がゆるい気がします。
  あのペンダントだけは奪還せねば」
ミサカ「ミサカもミサカです、とミサカは回答します。
  結局、どのミサカもAB型ですね」
ミサカ「ミ、ミサカもミサカです、とミサカは回答します。
  このペンダントはミサカの?」
ミサカ「ミサカもミサカです、とミサカは回答します。
  なぜ迷彩服?。
  冥土返しのところに行く途中だったような…。」
ミサカ「ミサカもミサカです、とミサカは回答します。
  あの人に会えるぜ。
  なぜか手には占い雑誌?」
42:
上条「御坂混迷【ミサカシャッフル】?」
一方「なンとかしろォ! ミサカネットにも不具合が確認されはじめました、と一方通行は報告を述べます」
上条「えっ」
一方「ネットがビジー状態です。言語能力に甚んんんんん大ナ負荷混乱可急的やかな現状ノ打破ヲ要求」
上条「ちょっ」
一方「jtpgw無理emb」バタン
58:
とある休日の朝。
鳥のさえずりで目が覚めた。
美琴「んにゅう……」
コロ、と寝返りを打とうと体を動かし―――
美琴「……んにゃ?」
―――動かない。
そういえば先程からなにか大きな暖かい物に包まれているような感覚があるのだが。
………これがなかなか、心地いい。
ギュ、と自分を包むそれを強く抱き寄せると、頭の上から聞き覚えのある声が降ってきた。
一方通行「おィ、起きたか?」
胸に響く澄んだテノール。
今はそれすらも心地良く、もう一度夢の世界へ旅立とうとし――――
美琴「…………………え?」
――――誰?
62:
待て待て待て待て、とりあえず考えてみよう。
まず、シーツの色が違う。あと、枕。
……細い、だが自分のそれよりもたくましいこれは誰かの、腕?
次に視界に入る自分の手。
小さい。
一方通行「目ぇ覚めたなら、さっさと起きろォ」
そしてこの声。
今まで色んな修羅場をくぐり抜けてきた。
中学生にして戦争を経験するなんて、我ながらえくすとりーむな人生だ。
その私が今、通常では考えられないほどの冷や汗をかいている。
一方通行「……おィ」
よし、なんとなくだけど、整理できた。
とりあえず起きよう。
恐怖に負けてウジウジしてちゃ何も始まらないぞ、御坂美琴。
自分を叱咤し勇気付け、恐る恐る顔を上げると―――
一方通行「ナニさっきから無視してやがンだァ?」
白いモヤシがそこにいた。
64:
美琴「……」
一方通行「…どォしたァ?」
落ち着け美琴、状況はさっき整理したではないか。
そう、これは夢だ。
そう、最近夢見が悪いから。
そう……
一方通行「おィ、いつまで無視してンだ」
ムニ、とつねられる私の頬。
………痛い。 夢じゃない。
落ち着け、落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け……
美琴「……ぅ」
一方通行「う?」
美琴「みぎゃぁぁああぁあああ!!」
一方通行「なァああああ!?」
67:
………
一方通行「ほォ、起きたら体が入れ代わっていたと」
美琴「うん……」
一方通行「だからって人の顔面ひっかくことはないだろォが」
美琴「……ごめん」
奇想天外な現状に強制的に目を覚ませられた私は、無意識のうちに妹の同居人の顔を文字通り傷モノにしていた。
狭いテーブルを挟んで向き合った同居人は相変わらず愛想のない顔で缶コーヒーを喉に流し込んでいる。
一方通行「……てこたァ、本物の超電磁砲はどうなってンだァ?」
……そういえばそうだった。
自分が妹の体に入っている代わりに誰が自分の体に入っているのか。
これはある意味、今ここの状況よりもマズイことになっているかもしれない。
美琴「電話、貸して!」
68:
一方通行から電話を分捕り、番号を打ち込む。
自分の携帯にかけることも考えたが、ここは同居人に頼ったほうが得策だ。
美琴「もしもし、黒子!?」
黒子『……え、あの、どちらさまで?』
美琴「私は!? 私はまだ寝てる!?」
黒子『は、はい?』
どうやら電話の向こう側も酷く混乱しているようだ。
落ち着け、私。 深呼吸、深呼吸……。
美琴「いま、アンタの部屋には御坂美琴がいるわね?」
黒子『いますけど……』
美琴「いい? 起きたらすぐにその御坂美琴を連れて、いつものファミレスに来ること! わかった?」
黒子『……アナタ、何者ですの?』
やばい、怪しまれてる。
無理もないか、いきなりこんなことを話して疑われないほうが珍しい。
美琴「黒子、アンタ……」
71:
怪しい電話の相手をしていると、背後からベッドの軋む音がした。
おそらく、これは私の愛するお姉様が目を覚ましたのだろう。
黒子「お姉様? あの、起きてすぐに申し訳ありませんが、怪しい電話が……」
愛しのお姉様はベッドの縁に腰掛け、眠たげに目を擦っている。
……あぁ、なんて愛らしい仕草でしょう。
打ち止め「………ん、アナタ、誰?」
黒子「……………はい?」
お姉様はいまなんとおっしゃったのだろう? “誰”?
………あぁ、そういうプレイですのね、お姉様ったら。
一瞬真っ白になりかけた頭を再起動していると、電話の向こうからまたも怪しい声が。
美琴『もしもし? どうやらそっちの“私”も目を覚ましたようね?』
……………まさか。 いえまさか。
黒子「おねえ、さま?」
美琴『やっとわかったの? とにかく、すぐファミレスに来て!』
打ち止め「ありゃりゃ? なんだか手足が長くなってるぞ? って、ミサカはミサカは不思議に思ったり!」
呆然とした黒子の手から携帯が滑り落ちる。
その落下音を追うようにして、黒子の悲鳴が寮中に響いた。
85:
※スレタイに合わせます
美琴→御坂
……
御坂「……というわけで」
場所をファミレスに移し、半狂乱になりながら店に飛び込んで来た黒子に、一方通行にしたのと同じ説明をする。
私のことを心配するあまり狂ったのかと思うとそうでなく……。
黒子「ち、小さいお姉様……!」ハァハァ
もともと大きな目をさらにひん剥いて私、もとい打ち止めのカラダを視姦している。
番外個体「他のミサカも、入れ代わっている個体が複数いるようです、と、ミサカはわかりやすく報告します」
どうやらこちらも入れ代わっているらしく、その口調は正直、顔に似合わない。
黒子「こ、こちらはアダルトなお姉様……!」クンカクンカ
この同居人は欲望を抑える術を知らないのだろうか。
とにかく、解決策があるのか、あるとしたらこの状況がいつまで続くのか、考えなければならないことは山ほどある。
説明もそこそこに、早く本題へ―――
店員「お待たせしました、お子様ランチです」
御坂「わーい♪」
一同「……」
86:
目の前に置かれたお子様ランチにはしゃいでいると、怪訝な表情を浮かべた一同と目があった。
一方通行「おめェ……」
黒子「お姉様……」
御坂「な、なによ、今は子供なんだからいいでしょ」
そう、今は小学生なんだから。 これくらいの得はあったっていいじゃないか。
御坂「はっ…! そうか、この体なら……!」
そうだ、今の体なら普段さすがに恥ずかしくて入れない店だって入れるし、子供服を楽しむことだって出来るんだ!
御坂「ま、まあね、その、どうせ土日だし、2日くらいは今のままでもいいんじゃないかなー…って……」
一同「…」
御坂「あ、はは……」
やばい、味方がいない。 完全アウェーだ。 だれか、誰かを引き込まねば。
番外個体「……では私は上位個体、つまり今のお姉様と解決策を探ります」
打ち止め「じゃあ、今日一日はお姉様の体で過ごしてみる、って、ミサカはミサカはドキドキワクワク!」
黒子「わ、私は小さなお姉様と……」
御坂「アンタは打ち止めちゃんに付いてて」
88:
思ったよりもすんなりと決まり組分けは私と一方通行、黒子と打ち止めと番外個体となった。
打ち止めもなかなか今の状況を楽しんでいるらしく、電撃を飛ばしてはしゃいでいる。
御坂「あ、そういえば……」
……やはり、この体ではうまく演算が出来ない。
一方通行「……おィ、一応言っとくがその体で無茶なことすンじゃねェぞ」
御坂「わ、わかってるわよ」
能力が使えないとなると迂闊にスキルアウトに関わるわけにはいかないのだが。
……まぁ、大丈夫だろう。 なんせ学園都市第一位が付いているのだ、その辺は問題はないはず。
御坂「じゃ、打ち止めちゃんはレベル4達に任せて、私達もどっか行こっか♪」
そう言って腕に抱き着くと、僅かに頬を染める第一位。 あ、こいつ結構可愛いかも。
一方通行「お、おゥ……」
95:
青空。
いつもより低い視点で見る街はまた格段と空が青く見える。
御坂「ちょっと! 待ちなさいよ!」
一方通行「あァ? 呑気に立ち止まって上向いてんじゃねェよ」
御坂「アンタ歩くのいのよ! 歩幅を考えなさいよ歩幅を!」
この短い足で懸命に向かっているのはいつも行っている洋服店セブンスミスト。
いつもは入るのを躊躇してしまうテナントも、今日は隅々まで廻ってやろうと、私の心の高揚は頂点に達している。
…………と。
御坂「わたた……!」
前を行く男を追いかけていると、歩道の段差に足を引っ掛けてしまった。
足が短いぶん、ちょっとした段差でも命取りだ。
一方通行「おィ、大丈夫か?」
御坂「う、うん……」
97:
一方通行「そォか」
御坂「……」
無事を伝えた途端、僅かに、ごく僅かに微笑んで(たと思う)、地面に膝を着いた自分に手を差し延べてくる少年。
その行動に私は不本意ながら少し動揺してしまった。
一方通行「ほら、怪我してねェならさっさと行くぞォ」
御坂「……うん!」
差し延べられた手を掴み、今度は勢いよく走り出す。
一方通行「おォい! いま転ンだばかりだろォが!」
御坂「さっさと行くんでしょさっさと!」
そっかぁ、打ち止めちゃんがコイツに懐いてるワケ、ちょっとわかった気がするよ。
98:
ところ変わってセブンスミスト。
御坂「はぅ…………///」
目の前に並ぶファンシーグッズに思わず感嘆の声が出てしまうほど私はいま、興奮している。
御坂「ほらほら、ここで買うモノは明日からは打ち止めちゃんが使うことになるのよ! アンタも一緒に選んで!」
一方通行「は? お、おィ………」
入ろうとしない妹の同居人の腕を取り、まずは子供服売り場へ。
御坂「ふふふ、小学生であれば、私のセンスはこれ以上ないほど冴え渡るのよ…!」
一方通行「はァ……」
頭上のため息など気にも留めず、売り場の服を漁る。
御坂「あ、これいい感じじゃない!」
一方通行「あァ、それはいいがオマエ金持ってンのか?」
104:
私はいま、妹のなかでも最年少である打ち止めの体になっている。
当然、私の財布は……。
御坂「ない……かも……」
一方通行「じゃ買えねェな」
御坂「うぅ……」
しまった、私の計画は始めから頓挫していたわけか。
でも、こんなことじゃ諦められない、諦められるはずがない。
そう、いま打ち止めとなっているこの状況をフルに活用して……。
御坂「か、買ってくれない……かな……?」
一方通行「……………はァ?」
御坂「って、ミサカはミサカはおねだりしてみたり!」
一方通行「テメェ…」
105:
あ、やばい。
一方通行の目がいきなり悪役のそれになってしまった。
これでは買ってもらうどころか本気で殺されかねない。
……それはないか、今は打ち止めの体なんだし。
御坂「お願い、買って……?」
ちょっとだけ涙目になりながら上目使い。 子供相手にコレをされて落ちないワケがない!
一方通行「くっ……! ダメだァ!」
チッ、思ったより粘るわね。
でも、諦めない。
御坂「……ダメ?」
一方通行「ダメだ」
御坂「………知らないよ?」
一方通行「はァ?」
107:
御坂「……どうなっても」
一方通行「なにがどうなるってンだァ?」
御坂「………ダメ?」
一方通行「ダメだ」
ふう、どうやら最後の手段を使う時が来たようだ。
小さな肺におもいっきり息を吸い込んで……。
御坂「うぇええん! 変なお兄ちゃんが追っかけてくるよぉ!!」
一瞬にして静まる店内。 集まる視線。
ここは子供用下着売り場である。
そこに幼女と“変なお兄ちゃん”。
これほどわかりやすい図式はないだろう。
一方通行「はああああァああァァあああ!?」
御坂「いや! 来ないでぇ!」
一方通行「ちょ、テメェ、待て!」
109:
どよめく店内。
カウンターのお姉さんがどこかに電話をかけている。 十中八九、警備員だろうが。
一方通行「ち、違う! コイツは、俺のツレで……!」
こうなってしまうと、もう言うこと成すこと全てが墓穴掘りになってしまうだろう。
両手で顔を覆い泣いているフリをしながらチラ、と一方通行を伺う。
一方通行「テメェ……」
あ、やばい。
御坂「あ、はは…」
一方通行「……コロス!」
ズドン、と放たれた一撃を子供ながらの瞬発力でかわす。
これはヤバイ、非常にヤバイ。
御坂「うきゃあああぁぁあ!?」
一方通行「待てこのクソガキィィ!!」
110:
こうなってしまうともう警備員だろうが軍隊だろうがなんの意味も成さない。
ましてや今の自分は能力をまともに使えないただの子供。
御坂「ヤバイヤバイヤバイヤバイって……!」
店内の障害物を駆使して一直線に正面玄関へ。
一方通行「待てっつってんだろこのガキィィ!」
御坂「うにゃああああ!!」
正面玄関が見えた。
よし、このまま店外に……!
御坂「あ」
正面玄関を通りすぎてすぐの段差に、足をとられた。
目の前には、道路。
113:
コロコロと転がり、道路のど真ん中で停止。
御坂「いったぁ……」
顔を上げると、目の前に迫る大きなタイヤ。
避けられない―――
御坂「あ……」
体が膠着して動かない。
私、死ぬの? こんなとこで、こんな死に方で。
意識を飛ばす前に聞こえたのは、トラックのブレーキ音と
一方通行「おおおォォおおぉぉ!!」
誰かの声――――
………
……
117:
夢を見た。
色んなものが飛び交い、果てしなく広い空間に漂う自分。
御坂「ここは……?」
不意に、目の前に見覚えのない風景が映し出された。
……いや、映し出されたのではない、実際に自分が“見て”いる。
これは。
御坂「ミサカ、ネットワーク……?」
またも映像が切り替わった。
……そこに映っていたのは、一方通行に抱き抱えられた打ち止め。
………いや、私?
118:
段々と映像が鮮明になり、同時に声も聞こえだす。
黒子『……さま、お姉様、しっかりしてくださいまし!』
一方通行『チッ、だから無茶すンなっつったのに……』
打ち止め『見たとこ外傷は見当たらないから、たぶん大丈夫なはずなんだけど、って、ミサカは……』
御坂妹『おいおい、死んでないよな?』
………あぁ、また助けられたのか、私。
こんなに皆に迷惑かけて。
はやく、起きなきゃ
119:
御坂「ん……」
一方通行「お、気づいたかァ?」
目を開けると、視界いっぱいに広がる白い顔。
御坂「んきょわ!?」バリッ
一方通行「いってェ! ……チッ、どうやら大丈夫そうだな」
黒子「お姉様! 黒子は、黒子はぁ……!」
御坂妹「なんだ、生きてるじゃん」
打ち止め「ふー、とりあえず一安心だね、って、ミサカはミサカは胸を撫で下ろす!」
御坂「………ごめん、なさい」
一方通行「あァ、まったくだァ」
御坂「うぅ……」
121:
……
御坂「………あの」
一方通行「……なンだ」
御坂「……ホントに、ごめん」
もう暗くなってしまった帰り道。
私はというと、遠慮がちに一方通行の背中に負ぶさっている。
一方通行「これに懲りて、ってやつだァ」
自分が打ち止めの体になっているからだろうか、細身であるはずの彼の背中はとても広く感じる。
そして、暖かい。
御坂「………ねぇ」
一方通行「…なンだ」
御坂「……ありがとう」
一方通行「………ふン」
礼を言ったのは、無意識だった。
でも、言わなければならなかったんだと思う。
一方通行「………明日」
122:
御坂「……明日?」
一方通行「明日、オマエが“妹”に買ってやれェ」
結局今日一日、あのどたばたと荒れた店内の片付けで潰してしまい、私は何も買うことが出来なかった。
でも……。
御坂「うん、保護者のアンタがそう言ってくれるなら」
一方通行「………ふン」
お金では買えない体験、とはよく言うが今日がまさにそうで。
実を言うと今までちょっとだけ心配だった。
最年少の打ち止めをこの男に預けていてホントに大丈夫なのだろうかと。
御坂「………ねぇ」
一方通行「………なンだ」
御坂「妹を……、よろしく」
一方通行「…………あァ」
123:
?数時間前?
打ち止め「解決策が見つかったんだよ、って、ミサカはミサカはない胸を張ってみる!」
御坂妹「……この体もなかなか気に入ってたんだけど」
打ち止め「ま、説明するのもめんどくさいから省くけど、要するに明日になったら治ってるはず!」
御坂「放ってれば治るの?」
打ち止め「うぅん、混乱したミサカネットワークを整理するの、お姉様のこの頭脳を使って」
黒子「はふぅ……お姉様がいっぱい……」
打ち止め「だから、お姉様は安心して過ごしてね、寝て起きたらもとに戻ってるはずだよ!」
……

124:

……
御坂「有り得ない! 有り得ないから!」
一方通行「有り得ないとはなんだァ!」
御坂「一緒に寝るのはまだいいとして、お風呂まで一緒に入ってるなんて!」
数十分前に言ったことは撤回しよう、コイツは真性のロリコンだ、危険人物だ。
一方通行「シャワーに手が届かねェってンで一緒に入ってたンだァ!」
御坂「あ、ホントだ……」
一方通行「ほれみろォ」
御坂「でもでもでもぉ!!」
一方通行「いィからさっさと脱げェ!」
御坂「うきゃあああ!!」
126:
御坂「いや! 離してぇ! このロリコン! 変態!」
一方通行「やかましィ!」
御坂「うわぁ! アンタなんでこんなことに能力使ってんのよ! 最低!」
番外個体「……録画しときましょうか、と、ミサカはカメラを構えます」
127:
……
御坂「……ねぇ」
一方通行「……なンだ」
風呂場での死闘を終え、湯冷めする前にベッドに入る。
もちろん横にはその同居人。
御坂「……お風呂は、13歳越えたら許さないから」
一方通行「………ふン」
御坂「はぁ……、でも」
御坂(なかなか楽しかった、かな)
完全に眠りに落ちる直前、誰かに頭を撫でられた気がした。
133:
とある休日の朝。
鳥のさえずりで目が覚めた。
御坂「ん……」
すこし冷たい空気。
窓から差し込む柔らかな光。
馴染んだシーツ。
ベッドに身を乗り出して顔を覗き込んでくる同居人。
御坂「おはよ、黒子」
黒子「お、おね、おおお姉様ぁ……!」
泣きながら抱き着いてくる黒子の頭を撫でながら、昨日の出来事を思い返す。
御坂「うん、楽しかった」
黒子「お姉様、元に戻った記念に2人きりでお食事でも……」
御坂「ごめんね黒子、今日はもう先約があるの」
そう、今日は妹達と一緒に昨日の埋め合わせをしに行くんだ。
御坂「黒子も、来る?」
黒子「………………ぜひ!」
134:
……
打ち止め「お姉様! あれ可愛い! って、ミサカはミサカは興奮気味に催促してみる!」
御坂「おっ、さすが私の妹、いいセンスしてるじゃない!」
御坂妹「お姉様、私にも」
御坂「当然! じゃあ次はアンタのね」
番外個体「……えぇと」
御坂「アンタも、ね」
黒子「ではお姉様には私から愛の篭ったプレゼントを!」
御坂「指輪はいらない」
黒子「はぅっ!」
一方通行「居づらぇ……」
135:
上条「おぉ、ビリビリがいっぱいだ」
御坂「あ、アンタなんでこんなとこに」
上条「いや呼ばれた気がして」
御坂「来たからにはアンタも合流! さ、みんな私について来なさい!」
魔術師とか戦争とかより、こんな平和な学園都市が1番大事だと思うんだ。
おわり
141:

144:

145:

御坂は確実に一方さんのおちんちん見ちゃったよね
15

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