P「おいで?」back

P「おいで?」


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1:
P「えーと…」
P「(これは今日までにまとめておかないと駄目な書類か…)」
P「(まぁ、この量なら夜までには終わるかな)」
やよい「……」
やよい「(プロデューサー、忙しそう…)」
やよい「(ちょっとお話したいなーなんて思ったんだけど…)」
やよい「(邪魔しちゃいけないよね…)」
P「…ん?」
P「どうしたやよい?そんなところに突っ立って?」
やよい「は、はわっ!?」
2:
P「俺に何か用事か?」
やよい「そ、そのっ…えっとぉ?…」
やよい「だ、大丈夫ですっ!なんでもありませんからっ!」
P「…そうか?」
やよい「えへへ…」
P「(なんでもない…って表情では無いよな)」
P「(もしかして俺が仕事してることに気を遣ってるのかな…?)」
P「……」
やよい「そ、それじゃあ私、もう行きますからっ…!」
P「やよい」
やよい「ふぇっ?」
P「おいで?」ニコッ
やよい「…!!」きゅんっ…
3:
やよい「は、う…」
やよい「は、はい…///」トコトコ…
P「よしよし」ナデナデ
やよい「あ…」
やよい「…えへっ///」
P「うん、いつも通りのやよいだな」
やよい「えっ?」
P「無理して笑うやよいよりも自然な笑顔なやよいの方が俺は好きだな」
やよい「ぷ、プロデューサー…!」
やよい「???っ!!」
やよい「え、えいっ!」ギュッ…!
P「おっと…」
4:
やよい「ぷろでゅーさぁー…」ペト?…
P「ん…どうした?」ナデナデ
やよい「プロデューサー、忙しそうで…」
やよい「でも…私、今日はプロデューサーとたくさんお話がしたくって…」
P「…そっか」
やよい「うぅっ…邪魔しちゃってごめんなさい?…」
P「良いんだよ、やよい」
やよい「う…?」
P「時には誰かに思いっきり甘えちゃっても良いんだ」
P「やよいがファンの為に、家族の為に、仲間の為に、いつも頑張ってるのはみんな知ってるから」
P「それに俺はいつもやよいの元気に助けられてるから、少しぐらい仕事を中断したってなんてことはないよ」
P「だから…なっ?」
やよい「プロデューサー…」
5:
やよい「…甘えてもいいんですか?」
P「うん。いつだって大歓迎だ」
やよい「……」
やよい「…うんっ」
やよい「ありがとう…」
やよい「お兄ちゃん…///」ペトッ…
やよい「だ?いすきっ…///」
P「うん。お兄ちゃんもやよいのことが大好きだよ」ナデナデ
やよい「う?…///えへへ?…///」グリグリ…
P「(しかしやよいがこうして甘えてくるってことは知らず知らずのうちに寂しい思いをさせちゃってたのかもしれないな…)」
P「(みんなとのコミュニケーションも、もっと大切にしないとな…)」
6:
翌日
やよい「…えへへ?///」
真「ん?」
真「おはよう、やよい!朝からなんだか嬉しそうだね?」
やよい「あ、真さんっ。おはようございまーすっ!」
真「うんっ!おはよう♪」
やよい「……」
やよい「…ふふ?///」
真「えー!なになに!?なんでそんなに嬉しそうなのー!?」
やよい「あ…その…」
やよい「…わかっちゃいますかぁ?」ニヨニヨ…
真「うわーっ!すっごい気になる!!いつも笑顔のやよいだけど、ここまでとろけた笑顔は中々見ないもん!」
やよい「えーっとですね…」
7:
やよい「かくかくしかじかうっうー」
真「まこまこりーん」
8:
やよい「その時のプロデューサーの笑顔を思い出したら…えへ///」
真「おぉ…」ゴクリ…
真「(プロデューサーが笑顔で優しく「おいで?」かぁ…)」
真「……」
真「なにそれすっごく良いね!!」
やよい「はわっ!?」
真「やよい!貴重な情報をありがとう!!」
真「はい!たーっち!」
やよい「!」
真&やよい「いぇい♪」パァン!!
真「じゃ、ボクはちょっと行ってくるよ!」
やよい「あ、はーい!」
やよい「……」
やよい「えっ?」
9:
P「あー…」グテー…
P「(なんか身体がしんどいぞ…熱中症か…?)」
P「(今年の夏は冷夏とか言っときながら結局猛暑だもんな…)」
P「(水分、塩分はこまめにとらないと…)」
P「…ん?」
真「……」ニコニコ
P「…真?」
真「…!」
真「はいっ!!」
P「おお…?」
P「(真はこんな猛暑にも関わらず元気溌剌だな…)」
P「(普段の体調管理がしっかりしてるんだろうな)」
真「……」
真「……」ムスッ…
P「(…あれ?)」
10:
P「(なんか見る見るうちに不機嫌な顔に…?)」
P「……」
P「(あぁ、そうか…)」
P「(普段アイドルのみんなに体調管理はしっかりと言っておきながら…)」
P「(そのプロデューサーがこんな風にだれていたら、そりゃ何言ってんだって話だよな…)」
P「(もっとしっかりしないと…)」
P「…よっし!」
P「さーてと!しっかりと水分補給してから、仕事を頑張るかな!!」
P「(…これで真の機嫌も)」チラッ…
真「うー…」ムスー…
P「…あれ?」
11:
P「(おかしいな…?まだ不信感を持ってるのか…?)」
P「……」
P「(いや、そもそも真は何をしに俺のとこに来たんだ?)」
P「あ、あの…真…?」
真「!」
真「はいっ!!」ニコニコ
P「えーと…」
P「(満面の笑顔だ…)」
P「(なんだ?もしかして俺、真と何か約束をしてたか?)」
P「(それとも俺に何かを言ってもらいたいのか…)」
P「(おめでとう?でも誕生日は来月だよな…?)」
真「……」
真「…うーっ!」
12:
真「なんでですか!?」
P「え?」
真「なんでボクには何も言ってくれないんですか!?」
P「何もって…」
P「(やっぱり俺が何か忘れていることがあるのか?)」
P「(真に伝えるべき言葉があるのにも関わらず…)」
P「…すまない、真。俺には一体なんのことか」
真「…っ!」
真「もういいですっ!!」
真「プロデューサーのばかぁっ!!」ダッ…!
P「あ、真…!」
P「……」
P「…くそっ!」
P「(アイドルとのコミュニケーションを大切にするとか言っておきながら…)」
P「(何をやっているんだ俺は…!)」
13:
翌日
真「…はぁー」ずーん…
美希「あくび?」
真「…眠そうに見える?」
美希「どっちかと言えば眠そうよりも死にそうなの」
真「…そうだね。いっそ生まれ変わって美希みたいにキラキラ輝く女の子に…」
美希「むっ。それはダメなの」
真「…やっぱりボクには似合わないから?」
美希「似合う似合わないとかじゃないの」
美希「真くんがキラキラしたいならミキはそれを目指せばいいと思うよ」
美希「だからって今の真くん自身を否定しちゃうのはダメ」
美希「今の真くんが好きな人はたーくさんいるんだから」
真「…美希」
真「…ありがとう。ボク、ちょっとボクらしくなかったね」
美希「なにかあったってカンジだね。ミキ、真くんの話聞くよ?」
真「…うん。じゃあ、聞いてもらっても良いかな?」
美希「うんっ!」
14:
真「まっこまっこ」
美希「なのなの」
15:
美希「うーん。ハニーも大概鈍感さんだと思うんだけど…」
美希「それは真くんのやり方も悪いって思うな?」
真「え、えっ?どこらへんが?」
美希「いや、いきなりニコニコして佇まれてても」
美希「普通は「一体なに?」ってカンジになると思うの」
真「そうかなぁ…?「こっち来てその笑顔をもっと見せてくれ」って思わない?」
美希「ポジティブなのは良いと思うけどちょっとポジティブ過ぎかな」
美希「でもハニーの「おいで?」かぁ…それはちょっとたまんないかも」
美希「真くん、今からミキがお手本を見せてあげるの」
美希「でも、あんまりハニーとイチャイチャしちゃやだよ?」
真「う、うん」
16:
P「(アイドルとのコミュニケーションか…)」
P「(昨日の真は結局俺に何を伝えたかったのだろうか…?)」
P「(…もしかしてやよいと一緒で俺に構って欲しかったとか?)」
P「(でも、真ならストレートに伝えてきそうな気もするが…)」
美希「……」
P「…ん?」
P「美希?」
美希「はにぃ…」
P「(美希が指をくわえて切なそうにこちらを見つめている…)」
P「……」
P「…あぁ」ティン
P「(そうだな…最近美希のこと構ってやってなかったもんな)」
17:
P「(抱き付いてきてもすぐに引き離しちゃったし…)」
P「(たまには思いっきり甘えさせてあげても良いかな)」
P「美希」
美希「……」
P「おいで?」ニコッ
美希「…!!」きゅんっ…
美希「は…」
美希「はにぃーっ!!」ガバッ!
P「よしよし」ナデナデ
美希「ん?…///」
P「ごめんな?最近美希に構ってやる時間が少なかったな?」
美希「ホントなの。そんなのやなの」
真「おぉ…!凄いや美希…!」
真「なるほど…切なそうな表情で指をくわえて…」
18:
美希「だけど今、ハニーが優しくしてくれたから全部チャラ!」
美希「ていうか…」
美希「(ハニーの「おいで?」…これはすさまじいの…///)」ぎゅーっ…
P「そっか。なら良かったよ」
P「でも、普段からあんまり引っ付き過ぎるのはダメだぞ?」
美希「やなの!」
P「やじゃないの」
美希「むーっ……あはっ☆」
P「ははっ」ナデナデ
美希「う?ん…とろけちゃうのぉ…///」
真「ぷ、プロデューサー…」
P「ん?」
19:
真「……」
P「真…」
P「(指をくわえて切なそうな表情でこちらを見ている…)」
P「(ってことはだ…)」
P「(やっぱり真も俺に構ってもらいたいってことなのか…?)」
P「(それだったら…)」
P「真」
真「…!」
P「は、はいっ!」
P「真もこっち来い?」
真「……」
P「な?」
真「プロデューサーの…」
真「プロデューサーのばかぁっ!!」ダッ…!
P「ええっ!?」
20:
P「(な、なんでだ…?甘えたいわけじゃないのか…?)」
美希「…んー」
美希「ハニーは間違ってないんだけど、ちょっと違うの」
P「え…?違うって何がだ?」
美希「乙女心はフクザツってことかな」
美希「真くんにはミキほどじゃないにしても優しくしてあげてね?」
P「…?」
美希「それよりもはにぃ…もっと撫でて…?」
P「あ、あぁ…」ナデナデ
美希「あふっ…///」
P「(乙女心…?)」
P「(…わからん)」
21:
翌日
P「よしよし」ナデナデ
やよい「えへ?…///」
美希「なのぉ?…///」
貴音「…ふむ」
真「だからね、ボクも撫でてもらうだけならきっと出来るとは思うんだけどさ…」
貴音「…真の想いの内はわかりました」
貴音「でしたら、見ていてください」
貴音「真はまだ恵まれているのですよ?」
真「恵まれている…?」
貴音「…あなた様」
P「…ん?」
22:
P「貴音?」
P「(貴音が指をくわえてこちらを見つめている…)」
P「どうした?腹でも減ったのか?」
貴音「…!!」
貴音「あなた様のいけずっ!!」ダッ…!
P「えぇっ!?」
P「なんだ…?違ったのか…?」
やよい「プロデューサー…」じとー…
美希「ハニー…」じとー…
P「えっ…なんだその非難の目は…?」
貴音「…ね?」
真「…うん。ボクはまだ幸せだったみたい」
貴音「ところで真、今日はこれから共に二十郎へと…」ぐー…
真「ホントにお腹減ってたんだね…」
23:
翌日
真「まこまこ」
美希「でこでこ」
伊織「きーっ!」
24:
伊織「ちょっと美希、こっち来なさい」
美希「やなの」
伊織「まったく…」
伊織「で、要約すると真はアイツに「おいで?」って言われたいわけね?」
真「そうなんだけど…」
伊織「だったら素直に「おいで?って呼んでください!」とでも言えばいいじゃない」
真「そんな作り物の「おいで?」なんてイヤだよ!」
美希「ていうか、でこちゃんから「素直」って単語が出てきたことが驚きなの」
伊織「…アンタ、私をなんだと思ってるわけ?」
美希「ツンデレいおりん?」
伊織「いおりん言わないの」
25:
美希「でこちゃんも呼ばれたくない?ハニーに優しく「おいで?」って」
伊織「結局でこちゃんなのね…」
伊織「別に「おいで?」なんて普通じゃない?」
伊織「そこまでして言われたい言葉とは…」
P「お、みんなおはよう」
美希「あっ、ハニー!」
伊織「あら、噂をすればなんとやらね」
真「…おはようございます」
P「……」
P「3人で話をしてたのか?」
美希「うんっ!」
伊織「大した話でもないわよ」
真「……」
26:
P「そっか…だったらさ」
P「ちょっと真を借りても良いか?」
真「えっ?」
美希「二人ともミキというものがありながら浮気はダメなのっ!」
伊織「それ、浮気してるのアンタの方じゃない?」
伊織「まぁ、別に良いけど」
真「いや…ボクは…」
P「真」
真「…!」
P「おいで?」ニコッ
真「…!?」きゅんっ…
伊織「…!!」きゅんっ…
美希「…!!」きゅんっ…
27:
真「あ、あ…」
真「???っ!!」
真「は、はいっ!今すぐ行きまーすっ!!」ダッ…!
伊織「……」
美希「……」
伊織「わ、悪くないわね…///」
美希「…でしょ?」
28:
P「真とは一度ちゃんと話をしたくてな」
P「ここ最近真とは上手くコミュニケーションが取れてなかった気がしててさ…」
真「ん?…確かにプロデューサーは乙女心がまだまだわかっていませんね」
P「や、やっぱりそうなのか…?」
真「でも、もう良いんですっ!」
P「えっ?」
真「へへっ♪」
真「…プロデューサー」
真「ボクもか弱い女の子なんですから…」
真「みんなと同じようにちゃんと優しくしてくださいっ!…ね?」
2

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