モバP「そうだよ、どうして気づかなかったんだ」back

モバP「そうだよ、どうして気づかなかったんだ」


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1:
モバP「ちひろさん、俺って百人以上プロデュースしてるじゃないですか」
ちひろ「そうですね。人間のなせる技じゃないですけど」
P「俺自身、疲れたりする訳じゃないんですけどね?でもみんなの仕事についていくのはさすがに無理じゃないですか」
ちひろ「さすがにそうですね。今は一人で行く子も多いですし」
P「他のプロデューサーを雇えればいいんですけどほら、俺って人気じゃないですか」
ちひろ「自分でいうのはどうかと思いますけど、そうですね」
2:
P「でもやっぱり、プロデューサーとしてみんなの仕事についていくべきだと思うんです」
ちひろ「確かに、小さい子もいますし...」
P「だったら解決方法は1つじゃないですか!」
P「俺が分裂すればいいんですよ!」
6:
ちひろ「いやいやいや何言ってるんですかあなたは」
P「だから分裂...」
ちひろ「いや、無理ですし出来たら怖いですって」
P「...ちひろさん。DNAがどうやって複製されるかしってますか?」
ちひろ「どうって...詳しく覚えてませんけど、二重らせん構造をほどいてそれぞれの鎖を複製...みたいな感じじゃありませんでしたっけ」
P「そう、そんな感じです!つまり、1つから2つのDNA!」
P「プラナリアのように半分になるのではなく、完全なる2つになるんですよ!」
P「同じことが俺にもできるはずです!」
ちひろ「無理です」
7:
P「...ちひろさん、俺達の体の中にDNAがあります。確かにDNAはそこにあります。確かに俺達の体内で複製されてるんです」
P「だったら俺にだってできるはずじゃないですか!」
P「俺がDNAを作って、あれ?DNAが俺を作って?あれ?...取り敢えず、広い目で見れば俺達はDNAなんですよ!」
ちひろ「意味がわかりません」
8:
P「やはり理解してもらえませんか...」
ちひろ「プロデューサーさんって生物履修してませんよね?DNAっていうのは、体を作るというよりは設計図だから実際は...」
P「あー!生物履修だからってそうやって!良いですよもう、生物学なんて凌駕してやりますから!」
ちひろ「それが出来たらあなたは人外です」
9:
P「アイドルのために、俺は俺にできることをします!俺はやりますよ!やってみせます!」
ちひろ「どうせ無理ですって...」
P「見ててくださいよ!...えーと、まずは二重らせんをほどく...でも俺はらせんじゃないなあ」
ちひろ「やらないんですか?だったら早く仕事しましょうよ...百人以上アイドルがいるんですから...」
P「それも今に楽になりますよ!...ええい、とりあえず二本に分ければいいんだな?」
10:
P「そりゃ」バリバリバリミチミチバリ
ちひろ「きゃあああああああ!?」
11:
右P「よし!きれいに半分になったぞ!」
左P「我ながらきれいに裂けたな!両側に引っ張るだけでいいのか!」
右P「お、複製が始まった!」メキメキメキメキメキ
左P「おおおおおおお!?」メキメキメキメキメキ
P1「やった!成功だ!」
P2「人間の力ってすげーな!」
16:
P1「いや、待て。本当にお前は俺か?」
P2「お前こそ俺か?」
P1「このあとの予定は?」
P2「凛のシンデレラガール記念の撮影会についていく」
P2「小さい頃言われてた悪口は?」
P1「お前の母ちゃんマジピッコロ」
P2「...間違えなく俺だな」
P1「お前こそ、間違えなく俺だ!」
P「HAHAHA!!」
18:
P1「ちひろさん!見てください!俺ですよ!」
P2「成功ですよ、成功!」
P1「......気絶...している!?」
P2「なんだって!?脈はあるのか!?」
P1「脈はある。...くそっ、誰だちひろさんにショックを与えたのは!!!」
P2「許すまじ!!」
22:
P1「いや待て。もしかして、俺達の分裂でショックを受けたのかもしれん」
P2「それはないんじゃないかなあ」
P1「俺達は自分の分裂を見れてないだろ?想像以上にグロテスクかもしれん」
P2「...確かに。つまり人に見えないところで分裂するべきってことだな」
P1「今度から気を付ければいいだろ!...これ一人に戻れるのか?」
24:
P2「ああー!!!確かにそれ大事だ!部屋が狭くなる!」
P1「歯ブラシも1本しかないしな。どれ、戻ってみようぜ」
P2「分裂するときは左右に引っ張ったんだよな...」
P1「じゃあ...両側からこう、圧迫すればいいのかな」
P2「俺も同じことを考えてたよ!よし、やってみようぜ!」
26:
P「そおいっ」グチャ バチュン
P「うおおおーーー!!!戻れた!!生きてるって素晴らしい!」
30:
...............
P「ちひろさん、ほら、起きてください」
ちひろ「...あれ、寝ちゃってましたか?」
P「そりゃあぐっすり」
ちひろ「アハハ、お恥ずかしいところを...あ、そういえば変な夢を見ましたよ」
ガチャ
凛「おはようプロデューサー、ちひろさん」
P「お、凛。改めてシンデレラガールおめでとう」
ちひろ「おめでとう凛ちゃん」
凛「ふふっ、もう何日も聞いてるよ。でも、ありがと」
凛「プロデューサー、そろそろ時間だよね?もういった方がいいんじゃない?」
P「お、そんな時間か...」
32:
P (しかし待てよ。今の今まで仕事はやってなかったから...ここで俺が出たら、ちひろさんは一人で仕事か...)
P (男モバP、そんなことは出来ない)
P「ちょっと凛、用意しててくれ。俺は用足してから行くよ」
凛「早くしてね」スタスタ
P「おーう」ガチャ
33:
ちひろ「さっきのはやっぱり夢だったのかしら...」
凛「ちひろさん、どうかしたの?」
ちひろ「うーん、なんかあやふやなんだけどプロデューサーさんが裂けていたような...」
凛「避けてる?それは...私だったら耐えられないかも」
WC フンッ ブチブチブチブチィッ
ちひろ「やっぱり耐えられないわよね...」
凛「でもプロデューサーの性格なら...絶対ちひろさんを避けたりしないよ」
WC ウォースゲェ!!! ハジマッタハジマッタ メキメキメキメキメキ
34:
ちひろ「あ、いやその避けてるじゃなくてね...」
P「よーし凛、行くぞー」
凛「あ、うん! ...それじゃちひろさん、行ってきます」
P「行ってきまーす」ガチャ バタン
ちひろ「...そうよね、避けるなんて、そんなこと...」
P「凛は行きましたか?」
ちひろ「ひゃあああああ!?」
37:
ちひろ「プププププロデューサーさん!?今出たんじゃ!?」
P「ああはい、あっちの俺が行きました!俺はちひろさんと仕事しようと思いまして...」
ちひろ「え?え?」
P「やだなあ、ちひろさんに見せたじゃないですか、分裂!」
P「...ちひろさん!?やだなあ、また気絶してる」
38:
P「しょうがない、ちひろさんの分のもやるためにもう一人...」
P「...」
P「男モバP閃いた」
P「腰辺りまで裂けば足は一人分、上半身は三人分の阿修羅Pが出来るんじゃね?」
P「三人で表情変えれば完璧じゃん」
P「阿修羅P...この事務所最高のマスコットになれるぞ」
45:
P「そうと決まれば実践あるのみ」
P「しっかし上半身を三等分...どうやってやればいいかな」
P「こうか...?」ブチブチブチブチィッ
P「いって!ああーミスっちまった。やっぱうまく分けないと複製しないみたいだなあ」
P「しっかし三等分キツいなあ...ったく出来たら人間業じゃねえよ本当に」
48:
頑張ること30分
P「あはあー美しい!きれいに上半身三等分出来たぞ!」
P「ここまできれいに分けれるとは...本格的に人間離れしてきたな」
P「...っと、キタキタキタキタキタァ!!!」メキメキメキメキメキ
53:
P3「我ら!」
P4「敏腕!」
P1「阿修羅P! うおおお決まった!マジ阿修羅じゃんこれ!」
P3「完成度高いなオイ」
P4「阿修羅像とかって俺らを予言して作ってたんじゃね?」
P3「ああーあるある!」
55:
P1「しかしおかしいな。俺足感触あるけど動かせんわ」
P4「あー俺もだ」
P3「俺動かせるっぽいわ。ちょい歩くね」ヨタヨタ
P1「ちょ、揺れる揺れる揺れる!!」
P4「下手くそ!交代しろ交代!」
P3「交代なんざできるか!まあ歩いてりゃ慣れるだろ...」
ガチャ
みく「今日はPチャンいないもんね...一人で仕事かあ...」
P1「そんなことないぞ、みく!」
P3「俺達が!」
P4「ついている!!!」
みく「ぎにゃああああああ!!!!」
58:
P1「おい、受けがよくないみたいだ阿修羅P」
P3「人気者が3人だから人気3倍じゃないのか?ユニットみたいにさ」
P4「わけがわからんな」
みく「Pチャン?Pチャンなの!?じゃあこれドッキリでしょ!ドッキリなんでしょ!?」
62:
P1「そんなドッキリなんて...内容にもよるけど俺は基本しないぞ」
P4「これはまぎれもなく現実だ」
P3「大切なアイドルを泣かせるような真似はしたくないしな」ヨタヨタ
みく「こっ、来ないで!」
P134「!?」ガーン
65:
みく「Pチャン...お願いだからもうやめてよぉ...」ボロボロ
P1「こっ、これはみんなとの時間を増やそうとだな!?」
P3 (阿修羅Pは違う気がする)
みく「嫌だよ...そんなPチャンは嫌だよぉ...」ボロボロ
P4「ど、どうしてなんだみく!」
P1「俺がたくさんいれば仕事は捗る、お前たちの側にもいれる!良いこと尽くしなのに!」
66:
みく「ずっと一緒じゃなくても良いから...みくはPチャンとお仕事したいの!」ボロボロ
みく「この世でたった一人のPチャンと、自分だけの思い出を築きたいの!」ボロボロ
みく「みくのPチャンの代わりなんて、みくのPチャン以外いないんだからぁ...!」ボロボロ
P134「!!」
67:
ウワァァァァン
P1「...やめよう」
P3「俺達は、俺達だけど...」
P4「俺は俺、お前はお前だもんな...」
P3「見た目とか、性格とかそんなんじゃなくてさ」
P1「何があっても、今を生きる俺は俺しかいないんだもんな...」
P3「代わりはいない、か...」
P4「凛は気付かなかったけどな」
P1「おいやめろ」
68:
P1「戻ろう。いつもの俺に、お前に」
P3「ああ」
P4「戻ろう」
バチュン
70:
............
P「おいみく?おーい」
みく「...うにゃ、Pチャン?」
P「随分うなされてたな。悪い夢でも見てたのか?」
みく「...Pチャン?」
P「ん?」
みく「うわああああ!怖かったにゃああああ!!」ウワーン
P「どうした、みく?」
P「...ありがとう、ごめんな」ボソッ
72:
バーン
P2「ただいま戻りましたー!!」
凛「ただいま」
P「あ、やべ」
みく「にゃ?」
凛みく「ひゃあああああ!?」
73:
あれから、モバPは分裂をやめた。この一件で、俺は唯一無二の存在なんだと、強く彼の胸に刻まれた。
同時に、この能力も唯一無二のものだと...。
7

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