【閲覧注意】何でもいいから怖い話を集めてみない?『えんじっこ・ずれた世界』back

【閲覧注意】何でもいいから怖い話を集めてみない?『えんじっこ・ずれた世界』


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9:
交通事故
こないだ、交通事故が多発する近所の交差点(大通りの十字路)を通過してた。
渋谷のスクランブル交差点式の信号なんだけど。
歩行者用が青になって渡り始めて・・・。
あ、今日も新しいぬいぐるみや花が供えてあるんだ・・・と横目で見ながら通過したん。
交差点渡り終えて歩道に乗ろうとしたら。
いきなり右側からすんごい衝撃が走って吹き飛ばされたの。
進行方向的には、車は左から来るはずなのに(車用信号は赤だから、そもそも走ってたらおかしいけど)。
で、地面とガードレールにたたきつけられて呼吸もままならない状態になって。
すぐに、目の前の交番とガソリンスタンドから人が駆けつけてきたんだけど。
車なんか、道路で信号待ちしてる以外には走ってる車なんか無かった。
私の後ろから歩いていた人も、車なんか見ていなかった。
でも、私の体が「く」の字に曲がった瞬間にはねとばされたのはずっと言ってくれてた。
演技で出来るような吹き飛ばされ方や距離でもなかったし、何より車の塗料が私の服に付いていた。
みんな不思議がっていたけど、事故多発地帯だから誰かの事故を再現したのかもね。
で済まされてしまった。
ちなみに私は無傷だった。
かすり傷一つ負っていなかった。
でも、服もお守りも、鞄に入れてた缶ジュースも、全てぼろぼろになってた。
不思議なことに、桃缶も入れておいたけど、桃缶は中身が無くなっていた。
あれは・・・誰かおなかすいてたのかな。
50:
>>49
へー怖いな。
桃缶の中身がカラって、缶はどういう具合だったの?あと缶ジュースは?
51:
49です。
桃缶は、何か握りつぶしたような感じです。
缶切りで開けた、ではなく、真ん中を潰していったら圧で左右からはみ出た感じ。
ジュースも同じでした。
プルタブのある方が破裂してて、中身はない。
鞄(ジッパー付き)の中も、別に濡れてない。
不思議でした・・・。
111:
命日
昔、電力会社の下請けで作業員してたんだけど、その時に聞いたちょい怖な話し。
書き溜めたんで投下します。
特定避けるために、少しフェイク入れてます。
前提知識として、各家庭に電力を配る配電用変電所ってのは小規模で無数にあるから、普段は人がいないんだよね。
しかも、建物はコンクリートの打ちっ放しで、築30?40年のものがゴロゴロ。
薄汚れてるし、建物内も暗くて、サイレントヒルの廃病院みたいな雰囲気。
特に地下変電所とかは、真っ暗な中で電灯点けながら進まないといけないから、何もなくても怖い。
だから、普段でも一人で作業するときは結構不気味なんだよね。俺怖がりだし。
112:
そんなわけで、飲んでるときに変電所にまつわる怪談とかないんですかw?ってふざけて聞いたら、社員と別な下請けの人がこの話を教えてくれた。
某都市部の地下配電用変電所(具体名は伏せるけど実在の変電所)には、年に一度「命日」と呼ばれる日がある。
その日は、停電とかの緊急事態じゃない限り作業は禁止されている。
なんでかっていうと、その「命日」には死亡事故が何度も起きてるから。
しかも、どの事故も、本来作業場所じゃないところに入りこんで死ぬ、という奇妙なものばかり。
113:
いつからか「命日」があるのかわからないし、そもそも誰の「命日」なのかすらわからない。古い社員で知ってる人はいるけど、教えてもらえないらしい。
ちなみに、下請けの人は自分しかいない
のに、エレベーターが勝手に違う階に移動してた、ってことを何度も経験したとかなんとか。
その地下変電所は今でも現役で、「命日」による作業中止も未だに続いてる。
114:
あ、具体的な事故書き忘れた。
通信回線の工事に行ったのに高圧変電器に触れて感電死とか。工事監督の準備ための現地調査に行ったのに、工事区画以外の階段から落ちて滑落死とか。
そんなんばっかだったらしいです。
115:
>>114
リアルだね。怖いわ。
いろんな現場でタブーになってる場所とか命日とか有りそうだな。
116:
華厳の滝
私の友達の体験です。
友達はその日遠足で、日光の華厳の滝という所にいったそうです。
そしてクラスみんなで滝を見ていたら、いきなり隣にいたと思われる女の人が、
「あそこ見て、ねぇ!人が落ちる!人落ちるよ!」
と叫んだのです。
それでクラス全員がビックリして一斉にその女の人の
指差している方向を見ました。
そしたら本当に女の人が落ちそうになってるではありませんか。
でもよくその女の人の顔を見たら、
落ちるよ落ちるよと今言った人じゃないですか。
振り向いてみると、大きい声で指を差していた女の人は消えていました。
そしてもう一回振り向きなおすと、飛び降りようとしていた女の人も
消えていました。
これはクラス全員で見たので間違いなく本当の話です。
118:
介護施設
人に話すと怖がられるんですが、自分自身は然程怖くなかったので此方に書かせて頂きます。
通所系メインの介護施設で勤務していた頃の体験談です。
別に守秘義務に抵触するような内容でも無いかと思い
思い切ってこの板での初カキコです。
簡潔な文章に起こすのがヘタなので読み辛かったら申し訳ございません。
勤務しておりました通所系メインの施設というのは小規模多機能施設という形の施設でして、
若い方は縁がないので名前からは想像出来ないと思いますが簡単に言えば
デイサービスとショートステイとホームヘルパーが全部一緒になっています。
そちらで私は日勤と夜勤の非常勤として働いていました。
長いと怒られましたので分割します。
119:
夜中に掲示物が一斉に落ちたり、浴室でシャワーが勢い良く出て止めに行ったら案の定誰も居ないとか
零感の私にも些細な事は有りましたがそれ以上何も起きませんし実害は何も無いので慣れました。
ある日、夜勤で出勤すると利用者のAさんが自宅で亡くなったと他の職員から聞かされました。
ショックでしたが心臓の弱い方でしたのでいつなんどき亡くなるか覚悟していましたので
心の中で祈った後、夜勤で担当させて頂く方々に対し失礼の無い様気持ちを切り替え勤務に当たらせて頂きました。
その日お泊りされる方々はお2人でお2方とも車椅子で自立歩行の出来ない方で
こういう言い方をするのも失礼かもしれませんがその日はラクな勤務でした。
続く
120:
お食事の用意と介助、排泄、就寝介助と滞り無く済ませ定期の体位交換と
パットチェック意外はスタッフルームにてカルテを書いて過ごしておりました。
夜中の2:30ごろだったと思います。スリッパを履いてすり足気味に歩くような足音がするのに気が付きました。
認知症の方は普段車椅子で生活している事を忘れて独歩歩行される方もいらっしゃるので、
もしやと思いお2人のお部屋へと向かいますとお休みになっておいでです。
となると泥棒、不審者の類が疑われますので出入り口、窓の施錠確認と施設内の点検を行いました。
ご存じない方が多数と思われますのが介護施設で宿泊利用者数が9名以下の場合は夜勤職員は1人なのです。
続く
121:
不安に駆られせめてもの武器に箒片手に点検していきますが施錠も問題なく不審者の影すらありません。
何処かに潜んでいる可能性も有りますので気を抜かず勤務を続けました。
以降は拍子抜けするほど何もなく体位交換とパットチェックを続けるうちに朝を迎え
起床介助、更衣介助、食事介助。朝の申し送りの際利用者様のご様子を伝えた後。
「気のせいかもしれませんが不審者かもしれませんので…」と付け加え深夜の出来事を伝えると。
「ああ…きっと挨拶に来たんだよAさん」と看護師に言われハッとしました。
Aさん、いつもすり足気味に歩いていらっしゃったのです。
私のような者にも挨拶に来て下さった事に驚きつつも心の中でご冥福をお祈りしました。
良くあるパターンですと枕元に立つようになったとか毎晩足音がすると続きますが
Aさんは成仏されたのかそれ以来足音は聞きませんでした。
以上です。
124:
>>121
話を盛ってないからリアリティが有るね。
139:
尻切れ馬
流れをぶった切る感じではありますが、投下させていただきます
これは大学生の頃、年末に帰省した時の体験談です
私の地元はそこそこの田舎で、駅付近こそビルが多く立ち並んでおりますが、
少し離れると田畑が多く広がっています
私の実家も田畑に周りを囲まれる、といった形です
その日の夕方、確か夕飯よりは前だったと思います
私は某通販サイトで頼んだ品物の代金支払いの為、コンビニに行っていました
代金の支払いだけだとちょっと迷惑かなと思い、缶コーヒーもついでに買って外へ出ました
猫舌なものでゆっくりコーヒーを飲みながら、手持無沙汰な感じで周りを見ていました
新しい家がいくつか建っているものの、田畑が多く昔と景色はそう変わりません
と、稲刈りも済んでおり、稲の付け根の部分しか残っていない田に、人影?が見えました
犬の散歩か案山子だろうかとしっかり見直してみると、どうも違うようでした
その時の私にはそれが何なのか判別が付きませんでしたが、それは「馬」だったのでしょう
判別が付かなかった、というのは遠目にはわからなかったということではありません
顔のつくりが大体わかる程度の距離でしたから
それで、なぜ判別が付かなかったかというと馬としての原型を留めていなかったのです
下半身と言うべきか、後半身と言うべきか、とにかく胴の後側半分が消滅したような形だったのです
そして顔は、目玉辺りから何か黒い液体のようなものが垂れているような感じでした
140:
怪談こそよく読みますが生まれてこの方心霊現象の類に遭遇したことのない私はそれが何なのかまったく分からず、
コスプレか何かだとしても気味が悪いと思いつつ、飲みかけのコーヒーをゴミ箱に入れて急いで自転車で家まで帰りました
途中、何度か振り返りましたが追いかけてくるようなことはありませんでした
夕食時になり、母親に対し地元の怪談話について聞いてみました
もしかしたら心霊系の話かも…と期待や興味が恐怖より大きかったのだと思います
例の馬については母親に心配させたくないという思いからか、話しませんでした
母の知っている話で関係のありそうな話はありませんでした
「自殺のあったマンションで霊が出る」、
「山の方にある○○会社の社宅は以前病院だったのでヤバい」、
「近くに行くと無性に首を吊りたくなる木」
という感じのラインナップで、これはこれで興味を惹かれますが、実際行くと怖そうなので行きたくはないです
今思い返せば母親は市内とはいえ今の家に嫁いで来た身、地元の話はあまり詳しくなかったのかもしれません
それから夜までは特に何もありませんでした
奇妙な体験で妙な物だとは思いつつも、もう一度同じ場所まで確かめに行く勇気も無く、
いつも通り二階の自室でゲームをしたりネットサーフィンをしていました
141:
すると実家で飼っている犬が、「クゥーン、クゥーン」と鳴き始めました
野良猫か野良犬でも来たのかと思っていると、鳴き声に別の音が交じります
「ドン、デン、ドン」と、和太鼓の音です
おかしい、と私は思いました
私の地元では神輿と太鼓を使った祭があり、祭の前や期間中は街のあちこちで太鼓の音を耳にします
しかし、祭の開催時期は秋なのです
それに祭の期間内でなければ直前の時期の練習も近所迷惑なので夜までやりません
私には、その音が段々近づいているように感じられました
遠くで聞こえるような音から、身体に響いてくるような音となっていきます
そこまで大きな音になっても、別の寝室の母親が起きた様子が無いのも不可解でした
(中学生のころまでは、夜起きて少し物音を立てていると起きてきて怒られていたので)
私はカーテンを少し開け、外を見ました
家の周りの街灯は少なく、何も見えないはずでした
庭に紫にぼんやりと光る何かがありました
光っているというよりは、それの周囲がランプのような紫の光で照らされているようでした
そして、照らされている物は先ほど見た「後ろ半分の無い馬」でした
142:
私はすぐにカーテンを閉め、窓と逆側の壁際に座り込み、きょろきょろと部屋を見回しました
その馬が窓から入ってくるのではないか、と思えてならなかったのです
太鼓の音はずっと鳴り続けていました
家の周りをあの馬がぐるぐると回っているのではないか、と思いました
ノートPCやゲーム機を手元に手繰り寄せ、とにかく気を紛れさせようとしましたがうまくいかず、
少し間をおいては窓や部屋の角、ベッドの下等も気になってしまい、どうにかなりそうでした
それから2、3時間程度後でしょうか、しばらくすると太鼓の音が小さくなっているのに気付きました
どんどん音が小さくなり、完全に聞こえなくなっても外を見る気は起きませんでした
結局、確認したのは日が昇ってからのことでした
庭におかしな箇所はありませんでした
朝食時に母親に夜のことを聞きましたが、特に何も聞かなかったようでした
太鼓を使う行事の話も聞いてないそうです
143:
実家の近所には神社がありました
こういうものを相談するのは神社なのか寺なのかよく分かりませんでしたが、
調べてみると「お祓い」は神社でするようなのでとりあえずこの件を駄目元で相談してみることにしました
社務所を訪ね、神主さんに事情を説明すると、不思議そうな様子でした
神主さん曰く、
「その馬のことは知っているが、貴方に目を付けた上に家までついてくるのはおかしい」
とのことだった
しかし体験したことは事実なので、どうにかならないかと聞くと、
「それなら、ひとまずお祓いしておきましょうか」
あっさりとそう言われてびっくりしました
少し時間がかかるが問題ありませんかと言われて、大丈夫だと答えると、
神社の賽銭箱の奥にある椅子の沢山置いてある場所まで案内されました
初詣の際によくその場所で幣を振っている神主さんを見かけた覚えがありました
調べてみると、厄年の厄払いをする場所のようです
144:
お祓いにはそれほど時間がかかりませんでした
何かを唱えながら私の前で幣を振っていたような感じでしたが、
こういったことに詳しくないので何を言っていたのかなどは分かりませんでした
「終わりましたよ」と神主さんが言っても実感が湧かず、え?と間抜けた返事をしてしまいました
お祓いが終わり、社務所でお茶を出していただきながら、馬のことについて聞いてみました
「貴方の見たそれは、『尻切れ馬』というものです」
その名前には聞き覚えがありました
詳しい内容は覚えていませんが、小学校の文化祭での発表でその名前を聞いた記憶があります
神主さんが言うには、
尻切れ馬は「夜遅くまで遊んでいる幼い子供を追いかけ、攫ってしまう存在」だそうでした
話を聞く限り、子供が早く家に帰ってくるよう親が創作し、語ったもののように思えます
神社には「尻切れ馬に目を付けられた子供がいたら、尻切れ馬にお願いして攫わないでおいてもらいなさい」
といった話が伝えられており、先ほどのお祓いも実質「お願い」だったそうです
幽霊や呪いの類ではなく、神様のようなものなので、「お願い」でないと聞き入れてもらえないそうです
神主さんが知っているのはその辺りまでで、これ以上のことは知らないようでした
145:
その後は特に異変はありません
在学中には毎年実家に帰省していましたが、それ以降尻切れ馬に遭遇したことはありません
結局「幼い子供ではない自分がなぜ出会ったのか」、「なぜ家まで来たのか」、「何が目的だったのか」
といったことは分かりません
終わってみればそう怖くない話ですが、夜中は絶対にカーテンを開かないようにしています
太鼓の音が聞こえなくとも、カーテンを開けると尻切れ馬がいるのではないかと思えてならないのです
以上です
146:
>>145
面白かった。ggってみたけど徳島県ですかね?
148:
>>146
愛媛ですね
四国で似たような話がいくつもあるのかもしれません
150:
首なし馬のはなしは、今治市から松山市、大洲市に昔から見られます。
167:
海外の危険な話
昔の上司、佐藤さんの話。若い頃に海外を渡り歩いていたそう。

あるホテルで寝ていたら、次の日にパンツ一丁で荷物が全てなくなっていた。
酒も飲んでなかったし、部屋の鍵もかけていた。すぐにフロントに連絡。
駆け付けた警察の一言「運が良すぎ。普通ならアンタ殺されてる」

現地で意気投合した友人たちと、ボートを作って川を渡ろうということになった。
しかし完成間近に佐藤さんはイヤな予感がし、友人たちにやっぱりやめよう!と言うも聞き入れて貰えず。
臆病者!と外されてしまった数日後。友人たちがボートで川を渡る途中、亡くなったというのが新聞に載った。

飲食店でアルバイトをしていたら、店のドアがノック。佐藤さんが出ると、銃を構えている男がいて「出せ」
シェフに目をやると、レジを指差す。そこから金を出して渡すと男は去って行った。他の従業員曰く、よくあること。

ガイドを雇い、砂漠を案内してもらうことにした。ニコニコしてて良い人達。
しかし佐藤さんは、ガイドを装って観光者を砂漠に連れ出し、金品を奪って殺してしまう集団なのではないかと疑う。
2日後の夜、佐藤さんが横になったときに「そろそろやるか?」という会話がきこえてきた。
ガイド達が寝た後に逃げて、水がなくなったとき偶然ジープが通り、助かる。
佐藤さんは面白い人だったし、創作かもしれない。俺も4は流石に話半分だと思ってる。
185:
天袋
あんまり怖くないけど、お目汚しに
20代半ば頃、金無くて友達とアパートをシェアしてた、その時の話。
俺の方の部屋には押入れとその上に天袋があるんだけど、
夜中金縛りで目が覚めると天袋と天井の間に顔が出ていた。
「えぇ・・・・」って眺めてると、その顔はズルズルとそのまま出て来るんだけど
俺の寝ている布団の真上まで来たあたりで
「あ、これ女の人だ」って気付いたのね。
よく見りゃ髪の毛長いし、気付けよって感じなんだけど。
で、なんやかやあってその部屋を出るんだけど
しばらく後にそのアパートの前を通りかかると彼女が、
「あ、女の人見てる」っていうのね。
俺さ、訳も分からず、「?」って顔してると
「そこのアパート女の人が窓からこっち見てる」
「どこ?」「えーと、右から3つ目」
俺が住んでた部屋でした・・・・・・。
つづく
186:
つづき
で、そっから10年後、シェアしてた友達と酒飲みながら
当時のアパートの話をしてた、風呂がボロかっただのなんだの
思い出話をね、そんな時にふと上記の金縛りを思い出して
「そういやさ、あの部屋に住んでた時に金縛りにあったはwww」的なノリで
話振ったら、急に真顔になってさ「それって女?」って
「うん、そうだよ。 こうさ、天袋と天井の隙間からにゅーっと」って
「天袋の右端?」「うん・・・? 前に話したっけ?」
「いや、俺も見たから・・・・・・」この時、初めて怖くなった
「マジかよ・・・言えよ・・・・・・怖いじゃんよ」
「多分、あの天袋の上であの女死んでる」
空気凍ったよ、こういう冗談言うような奴じゃなかったし
その後、嘘でしたとも言わねーし
とりあえず、あのアパートの近所には近寄らなくなったよ
257:
人格が変わる
突然で悪いが、俺は子供の頃に少し奇妙な体験をしたことがある。
大した話じゃないから、暇があったら読んでくれ。
俺が小学3年の夏の話だ。
俺の家族は両親と兄貴を含めた4人いて、夏になると毎回旅行に行く。
その夏も例外ではなく、
俺と兄貴は夏休みの間の1週間ほど祖母の家に泊めてもらった。
祖母の家はいわゆる田舎のばーちゃんちだった。
港がたくさんある漁師の街で、海が近いところだった。
漁師をやってる祖父ちゃんや祖母ちゃんに、
年齢の近い従兄がいて皆気さくで凄い優しかった。
その中でも、年が近かった従兄はよく海に連れ出して遊んでくれた。
その海岸は、今では遊泳禁止になっている所だけど、
当時はまだ大丈夫だった所だと思う。
人も凄い少ない穴場で、たまに釣りをやってる人を見かけるくらいで
海に入って遊んでるのは、記憶を辿る限り俺達だけだった。
258:
そうして、泊まりにきて3日目くらい経った頃だと思う。
俺はいつものように従兄と兄貴に連れられて、海に遊びに行った。
祖父ちゃんが釣りをしながらよく様子を見に来てくれていたし、
兄貴も俺も泳ぎは得意な方だったから、心配はされていなかった。
だけど、遊泳中に俺は波に呑まれてそのまま海に攫われた。
俺がその時に感じたのは波がきたと思った時に体が回転して、
水の中で方向感覚も分からないまま泡の中で必死にもがき続けていた感覚。
その後、従兄が祖父ちゃんを呼びにいって、
5分か10分後くらいに俺は祖父ちゃんに引き揚げられたらしい。
救急車が呼ばれた時には呼吸と心臓が止まってたって聞いた。
医者の先生が言うには、
祖父ちゃんが応急処置をしてくれなかったら死んでたとのこと。
259:
結果的に言うと、俺は奇跡的に助かった。
目を覚ますまでは脳に強い障害が残るとまで言われていたらしい。
目を覚ました時は夜で、俺は病院のベッドで寝ていて、隣には親父がいた。
親父が泣きながら「良かった」と言ってくれた。
ただ、親父によると俺は目を覚ます少し前に
「きづうないことをした」とか意味不明なことを呟いていたらしい。
その言葉は、俺もいつ聴いたのかは定かではないけど
それと同じ言葉を、どこでか思い出せないが聴いた覚えがあった。
神妙な男性の声で、誰かに謝っていたような声だったと思う。
その事件の後、俺には自覚が無いが俺の性格は大きく変わったらしい。
以前は、騒がしかったり喧嘩好きだったり、外で遊でばかりだったららしいが、
その後から妙に落ち着いた様子で、本を読むことを好む性格になった。
祖母ちゃん達に会った時には、不気味に思われるくらいの豹変をしたとか。
更に、夏休みが終わって初めての国語の授業の時に
俺が名指されて教科書を数行ほど朗読したら、先生が絶句して止まっていた。
先生は「お前変わったな」とか言っていた。
他に思い至ることと言えば、
その時期から付き合う友人のタイプが変わったことくらいか。
最近、昔の友人にそんな話をされて思い出したので書いてみた。
性格は、俺は事故以前と変わってないと思っているんだがどうなんだろうな。
260:
そして、一つ気になるのは
「きづうないことをした」か「きづーないことをした」とかいう言葉だ。
あれは俺が謝っていたのか、それとも誰かに謝られていたんだろうか。
俺は、あの言葉を「気付かないことをした」という謎の解釈をしているが、
本当は違う意味なのかも知れない。
もし「傷を失くしてやった」とかだったら感謝すべき何かだったのかも知れない。
未だに脳裏に焼きついている声なのに、意味は分からない。
色々オチがない上に怖くなくて申し訳ないが、これで終わりです。
272:
>>260
うちの地域の方言できづつない。ってのがある
申し訳ないとか可哀想みたいなニュアンスです
実はきづつない事をした。っていったんじゃない?
273:
>>272
ああ、それかも知れません。
情報ありがとうございます。
ググってみたら関西地方の方言として存在している言葉なのですね。
あの時の言葉の意味がやっと分かった気がします。
そういえば私自身は関東からほとんど離れたことがありませんが、
父方の祖父は京都で着物屋をしていた一族だったと聞いたことがあります。
たまたま記憶にある言葉との偶然の一致なのかも知れませんが
ちゃんとした意味が分かって良かったです。
261:
人格が変わったのか
輸血すると性格が変わるなんて聞いたことがあるけど
致死体験でそうなるってのもあるのかもな
三途の川が出てくるかと思ったが見なかったのかな
誰かの声でこの世に引き戻されたとか
以前の自分とは違うのならセカンドシーズンか
267:
>>261
三途の川を見たり、誰かの声で呼ばれたりはしてないです。
ただ、事故以前の記憶はかなり希薄で覚えていないことばかりだったりしますが、
溺れた際に、脳にかなりのダメージを受けたそうなので物理的な要因かも知れないです。
以前の自分の大部分を忘れてしまった状態(出来ごとは把握している)だったので
比較対象がなく、違和感が無いといった感じです。
恐ろしい想像ですが、また同じような経験がしたら
またそれまでの自分を失って、違う自分が暢気に暮らし始めるような気がします。
302:
出るコンビニ
あるコンビニの話なんだけど、誰か聞いてくれないか。
いや、今日偶々その被害者(?)と思ってた店員さん見かけたから話したいだけなんだけど。
303:
まあいいや、勝手に話す。
そのコンビニ(ロー●ン)は今年オープンしたんだよ、確かね。
周囲は少し高級なマンションと、ガチ高級マンション、近くには日本一だったかな世界的にも有名なタワーマンションがあるだ。
それに大通りの近くにもあるし住宅街からも近く、オープン当初こそ人の賑わいはソコソコだったと思う。
近くに大通りがあると言っても抜け道で一通だし、近くにあるセ●ンとかファ●マの方に結局人が戻ってった。
確か、今は有名だけどコンビニなのにお弁当を作成して売ってた。
俺もそれ目当てで通ってたタチ。
深夜一時を過ぎると、半額とか50円引きとかで買えるんだよ。確かに高いとは思うけど、上手かった。
で、被害者だと俺が勝手に思ってた店員(Nさん)が二か月後ぐらいに深夜アルバイトになったと思う。
304:
Nさんは何ていうか、深夜アルバイトとは思えないほど、
パワフル(行動)で声デカくて、その癖接客がメチャクチャ丁寧。
陰湿な雰囲気もない。……は?なんで深夜に居るの?って感じ。
色々な相談にも乗ってくれるし、なんか暖かい存在の店員だった。
俺は恋愛と仕事の相談をポロッとしてしまった。そしたら試飲のコーヒーを三杯ぐらい、俺に渡しながら「俺の考えは」と口癖を呟いて色々はアドバイスをくれた。
寝ているお客には、どこから持ってきたのかジャンバー掛けて「4時に起こしますからねー」って
「ちょwそこレジっすよw」と俺が言うと「いいっスwそこ使ってないのでw」と返したり。
本当に非現実的な行動を起す店員だったわ。
多分、そんな行動をしていたからかな、非現実的な物にも滅法縁が有ったらしい。
305:
俺がそこのコンビニで「出る」って噂を聞いたのはNさんが入って二週間ぐらいだったと思う。
噂だと、いつもたむろしていた不良グループ(Nさんが手懐けていて良い人達だったw)が凄い騒いでたらしい。
Nさんの体に黒い煙がまとわりついているとか、店内に女の人が歩いていたとか。
Nさん経緯で、喫煙スペースで喋る程度だけど不良グループと仲良くなっていたから詳しく聞いてみたんだ。
そしたら、7人全員がバッチリ見たらしい。
ちなみにこの時ぐらいから、Nさんの顔色が悪くなっていたのをよく覚えてる。
306:
でもまあ、Nさんは凄いいつも通り元気で、その過程で相談したりなど色々あった。
深夜なのに注文すれば、出来立ての唐揚●君でてくるわ、Lチキ出てくるわ。
俺が好きな単行本覚えていて、一冊残して置いてくれたり、近所のヤクザさんに好かれて居たり
Nさんのアルバイトっぷりも中々恐ろしい者になって来てた。
うん、まじで地域住民に好かれていたと思う。
不良たちが「マスター」って呼んでたけど、俺は「よー、N」って感じ、年齢違いの友人みたいな感じで接してたマジ。
だから、「ぶっちゃけ深夜でオバケって出ないッスカ?」って聞いたのよね。
そしたらいつも通りの明るい笑顔で「出ますね!」って答えられた。
307:
Nさん2か月目ぐらいからかな、店の売り上げも落ちているとかNさんが言い始めたころ。
怪奇現象の評判が、結構有名になってきていた。
Nさんから聞いた、怪奇現象は。
深夜、女の人が店内の中練り歩いていたとか、人を呼ぶ声とか、店員を呼ぶ声とか、物がよく飛ぶらしい。
ちなみにその光景を俺も、他のお客も何度か目撃してる。
Nさん曰く「日頃から害がない幽霊も居るんですが、どうも最近は悪い奴多すぎる」って笑ってたw
俺は笑いごとじゃねーよwwって思った。つうか、日頃からいるんかい。
ちなみに俺が経験した中で一番怖かったのは、誰も居ないのにバックルームと言う倉庫室のドアが「バンッ!」って開いた事。
本当にそのバックルームから人が出て来て居る様に見えて(黒いモヤ)、NさんはT箒もって構えて凄い恐い目で何かを睨んでた。
不良グループは、店内に居たらBGMが砂嵐になって照明が点滅したのが一番怖かったらしい。
その時、Nさんは何処からか持ってきたお守りを一番怯えていた不良君に手渡し「大丈夫ですから(ニコッ!」としたそうな。
うんで「仕事中なんですがぁー…・」って言ったら、電気も店内BGMも戻ったとか。
マジNさん何者。俺は密かに寺生まれのTさん想像してた。
308:
ちなみにNさんはソッチ系の相談も受けてた。と言っても、俺が見たのは一回だけ。
友人は数度、てか一度ボロアパートでの怪奇現象の相談したらしい。
仕事の時間を超えてまで、対処するとかは「昔の職場で色々あった」らしく二度としないけど、
ドコドコのお寺は、とか、●●の神主さんは、アソコのお坊さんは。とオススメの除霊・魔除けトークをさく裂させてた。
ただ、2ヶ月目になるとNさん凄い痩せてて、目の下にクマも出来てた。
理由は仕事も関係してそう。
新しい新入りのアルバイトを教えても基本一日、酷い時には一時間で辞めてたらしい。
そのコンビニのオーナーが、仕事配分がおかしいらしく「過酷環境」だったそうだ。
労働基準局も何度か視察に来ているらしい。Nさんは「敵だ!」って言ったw
309:
三ヶ月目。
詳しくは当事者の間で秘密と言う事にされてたけど、ガチでヤバイなんか凄い怪奇現象がコンビニを襲ったらしい。
うんでロー●ングループ本社から「変な噂を流すな」と怒られたらしく、Nさんは怪奇現象絡みを話す事とか、何かあってもお客に見せない姿勢になってた。
それでもパワフルと元気ハツラツな勤務態度は継続させてた。尊敬できる。
ただ、本当に具合悪そうになってきた。しかも、噂で「Nさんが女性にとり憑かれてる」とか聞いた。
怪奇現象も日頃からラップ音とか、ポテチが散乱してたり、結構ヤバくなってきたと思う。
310:
何度かNさんが無人のコンビニで、セールストークしているのを聞いたのもその頃らへん。
「あれ?女性の人、どこ行ったんですかね?」とか、俺に聞かれた時はバクバクした。
「そんな人居なかったですよw」って言うと、「すみませんでした」と泣きそうな声で謝られた。
相当絞られたんだとは、直に察した。
でも、Nさんとは仲良かったし愚痴を日頃のお礼として聞いた事がある。
「最近、怪奇現象がやばい。女の人が入口に立って自動ドアバンバンしてる」
「ポテチ並び直した直後に全部飛び上がる」「会計してるのに人が居ない、物もない」
あとは仕事アルアルの悩み。
「人間関係で悩んでる」「昼組が仕事残して行くし、怪奇現象が酷くなるし」
「売り上げが伸びたのに夜勤の人二人体制にならない、てか人増えない。皆辞めて行く」
聞いたら週7だったらしい、アルバイトの勤務状況じゃないと俺は伝えられるだけだった。
311:
深夜の常連さんも増えたようで、生き生きとしているNさんの姿を見ると少しホッとできた。
ただそこからの二か月は、悪いけど俺は怪奇現象を楽しみに通っていたと思う。
実際、Nさんの奇想天外な行動(外国人さんと一緒にラップしてたりとか)、時々起る怪奇現象。
両方とも見ていて俺飽きなかった。
ただお客の多くの人が「Nサンダイジョウブ?」「Nさん具合悪そうよ」「ちょwNさん休みなって!w」と言ってたぐらい
Nさんの体調が明らかに悪そうになってた。
313:
運命の日に遭遇したと俺は思った。
その日のNさんは、来店時から新年めでたい一発目の大声!って感じの声ではなく、
死んだような声で「いらっしゃいませー!」って無理してる声だった。
もう小点はあって無い。呂律もおかしい。
一人ぶつぶつ言いながら厨房の方へ歩いて行く姿は、きみが悪かった。
しかも突然、笑ったり泣いてる声が聞える訳よ。まじこーえコエー。
ただ馬鹿なんだよなー俺は。
「今日は何か起こるぞ!」って思ってその日はコンビニで立ち読みする事を決意した。
314:
一時間後ぐらいして。Nさんが新聞縛ってた時だったと思う。
ドアが開いたんだよね。
Nさん挨拶一言も発してないの、気が付いていないだけかもしれないけど。
明らかに異常なほど大きな腕が一本と、赤ん坊を抱えた女、紫だか赤色だかに変色した男が入ってきた。
ちなみにこれは、あのコンビニで二番目に怖い経験だった。
何でかって言うと、一番怖かった奴はNさんは隠してたけど、明らかに標的は俺だと分かった。
それに見えないけど、俺に迫って来てたのも感じてたんだよね。
だから、標的が俺でもなく、寧ろ「キター!」って思ってた俺は恐怖心は少なかった。
金縛り状態になって、ページもめくれなくなってたけど。
Nさんの頭をまず大きな腕が握りつぶす様にギュッとしたの。
そこで腕が霧散した。本当に、ぶわーって感じ。
僅かだけど、Nさんが天を仰ぐように手を振ってたのも憶えてる。
拍子抜けだった。
次に赤ん坊が「う、ウギャ」って潰れた泣き声を漏らしたの。
Nさんが「チッ、うっせーな」って焦点はあって無いんだけど、顔が赤ん坊と女の人の方に向いてた。
幽霊がスッと後退したと思う、たぶん引いてた。
最後に男。
こいつは何もしないって言うか、俺の方に来てた。で、顔じろじろ見てた。
「ウカカカ」って只管笑ってた。
うんで、拍子抜けで申し訳ないんだけど、気が付いたら外が明るくなってた。
315:
横にNさんが立ってて、ニコッと俺の方見て「お客様、まだ居るんですか?」って言ってきた。
あー、安心した。
記憶が抜けてるけど、Nさん無事だったか―って思ったけど、
Nさん厨房の方にも居るんだよな。てか、そっちが本物っぽい。
だから、俺は直に厨房のNさんの方行ったんだけど、「終わらない、終わらない」って呟きながら仕事してて俺の姿見えてないように仕事してた。
俺が立ち読みしてた所には、さっきのウカカカ男の手を引きながら「お気を付けてー、またどうぞお越しくださいませー!」と見送りするNさん。
Nさんが話しかけてたのはおそらく俺についていたウカカ男だと思う。
うんで、俺はマジで「Nさんが狂わせてしまった!」って思って後悔してた。
なんでか、Nさんが帰るまで見届けなくちゃいけないと思って店内に残った。
ちなみに土木とか、朝帰りの不良たちとか、朝食買に来るマンションの人とかメッチャ来てたんだけど。
「いらっしゃいませー!」が、「うらっめっしゃー!」「ウビョバッシャショー!」って
もはや日本語しゃべってないし、焦点もあってないの。
そのほとんどが気味が悪がってたのも俺は直に分かった。
何人かの客が、Nさんに「自分の顔みなさいよ!」っとか、心配かける声をかけまくってるんだけど、
「? どうかしましたか?」とか「大丈夫ですよー」しか言わなかった。
316:
不良の方は例のグループの一人で、「過剰勤務と怪奇で狂ったか……」って初めは言ってたけど。
あったこと話したら「マスターに何かあったんなら、お前ただじゃすまさねーぞ」って脅された。
結局、俺の車の中で不良の二人、Nさんを見守る事になった。
ちなみに店内から出た理由の一つ、気が付くとNさんが俺の横に立ってる事が多々あったんだよね。
何も言わずにポツーンって。不良もタバコ吸ってたら、店内からジーって見られてた。
本当に気味悪かったから、申し訳ないけど俺たちは逃げたんだな。
6時頃、店長さんがバイクでやって来て、顔色が一気に変わって直にNさんを事務所の方に呼び入れてた。
それから7時頃に親御さんかな?
Nさんを連れて、「病院に行くぞ!」とか言いながらコンビニから出てきた。
それ以来、俺らはNさんの姿を俺は見ていなかった。
317:
ここから今日まで凄い罪悪感やばかった。
店員に聞いても「誰も事情教えられてないのよねー」とか、「クレームが入って辞めたとかー」とか、
店長さんは「個人情報の保護に関わりますので」とか、本当に顔色悪そうにして濁らせてた。
ただ、今日Nさん駅で見かけたw
眠そうに歩いてて俺にぶつかってきたけど、「ふぁ、すみません;」って。
もう、絶対今年のこの出来事引き摺ると思ったけど、なんていうか、あれは間違いなくNさんだった。
318:
顔色も、体格も、よく案ってた。元気そうで本当に良かった。
ちなみに俺は情報が得られると思って10月の暮れまでコンビニに通ってたけど
人の出入りも、Nさん消えて来なくなった客も確実に居ると思うけど、激減してたと思う。
怪奇現象に関して言えば、ラップ音とか、人の声は聞こえてた。
Nさんの時ほど酷くは無いけど、頻度は増えてる。
友人にオカルトマニアが居るんだけど、ソイツを店に連れていったんだよね。
そしたら「明らかに、川の方から何かが流れ込んでる」、「凄い溜まってる」、「ちゃんと除霊とかお祈りしたのか?」って言ってた。
「ハイヒールを履いた女が厨房の方を覗き込んでる」とか、凄い言ってて怖くなった。
ハイヒールに関しては「赤でしょ?」って言うと「見えるの?」って言われた。
相当ヤバイ奴だぞ、って言われた。……Nさんが一番嫌い言っていた幽霊が、そのハイヒールだ。
ただハイヒールが直接の原因ではなく、周りに悪影響を出すタイプらしい。誰か一人に憑くモノではないそうだ。
じゃあ、Nさんはなにがあったのか。
友人の推測は「色々背負ってもってったんだと思う」だった。
319:
ぼんやりと、その形跡が残ってるらしい。
期待させるような事言って置いて悪いけど、俺にはどういう物か分からない。
「なんかたまり場何だよね。ただ、むしりとられたように、ちぎり持ってったようにぽっかり空いてるスーペースあるんだよ」
つまり、Nさんは色々背負い込んで持って行ったと言う事らしい。
だから体調も悪くなるし、仕事も上手く行かなくなるさ、と友人は笑ってた。
確かにNさんは引き寄せる魅力があった。
最初は絡みづらいだが、一定距離や密着しても、絡んで行ける。そんな人だった。
それはオーラ的分類の話になるけど、どうやら誰かのオーラを引っ張り込む人らしい。
うんで一つ思い出した。
Nさん、確か「幽霊に憑りつくタイプ」って笑いながら言っていたと思う。
昔なんかそれであったとは聞いていたから、詳細は分からないけど。
俺も何を話せばいいか分からないけど、今年最大の後悔が晴れたので、色々思いついて喋っちゃってる状態なんだ
こんな遅くまで付き合ってくれた奴が居るんだとしたら感謝する。
320:
てか、読み返すと本当に長いな;
あ、書くの忘れたけど俺が運命の日だと思ったのは何でも無かったらしい。
最初の腕はおそらく鬼とかの、良くない化身じゃないかって言ってた。
それを粉砕したか、撥ね退けたからブワーとはなったけど、何かしら異常事態が起こってるんじゃないかと。
赤ん坊と女に関しては、たまり場に流れ着いた幽霊で、ウカカ男も、そうらしい。
もう一人のNさんは、守護霊かNさんから分離した「怪奇から守るNさん自身」じゃないかと言うそうだ。
ただ送り出すと言う事は、少なからずNさんはそのコンビニで「除霊師」の役割していたんじゃないかと。
後付解決余談すまなかった。
321:
不良(車の中に一緒に乗ってた)と連絡取って、今日と同じ時間にNさん探す事になった。
もしも何か進展あったら書き込みしに来る。
夜も遅いし寝る、長々とどうもでした。
322:
面白かった
327:
みみず腫れ
製材業をやってたんだが、7年くらい前に
神社が同じ地所の別の場所に移動するってんで、ご神木を何本か切らせてもらった
それを作業所に運んで粗挽やってるときに若い者が左手にちょっとしたケガをした
どうやら原材に古釘が入ってたみたいなんだ
けど滑り止めつきの作業手袋は当然してるから、ちょっと手の甲が赤くなったくらいでたいしたことはないわけよ
作業も止まんなかったし、こんなのはよくあることなんだ
休憩時にその若いやつが痛そうにしてるんで、手見せてみろつったら皮膚が赤くなってるだけで血も出てない
いちおう軟膏くらい塗っとけで終わったんだが、午後になったらすげえ腫れてる
手の甲全体が白くむくんだようになって5センチ角くらが赤くなって、しかもなんか字が浮き出てるように見えた
漢字とかじゃなくひらがなの崩しみたいで「なみ」か「なめ」と読めそうだ 
で、運転は危ないかもしれないから一人つけて病院に行かせた
そいつは2時間ばかりで帰ってきて、ちょっと雑菌が入ったんだろうってことで化膿止め飲んでしばらく様子見
手は包帯巻いて痛みは治まったが簡単な作業しかできそうもないからそのまま帰らせた
328:
次の日朝電話でまだ手が痛いっていうから、もう一度医者へ行ってその日は休みってことになった
そしたら後でわかったんだが、そいつは医者にいかないでスーパーで万引きした
で、とったものを持って堂々と出ていこうとしたところを警備員につかまって警察呼ばれた
警察署で調書とられたその足で、今度はバス停にいた知らない婆さんを突き飛ばした
人の大勢見てる前でだ 婆さんは鎖骨と手首骨
それで近くにいたやつが通報して、そのあたりをうろうろしてるとこを逮捕された
17くらいのときからそいつを知ってるが絶対にそんなことをするやつじゃねえんだよ
マンガばっかし読んでるが歳にしては落ち着いたやつだったんだ
それが取り調べでも態度が悪かったってことで拘留されて
その最中に手の傷がひどくなって警察病院で左手を切断した
そしたら急に態度が大人しくなったらしくて、裁判でも執行猶予がついた
なんとか再雇用してやろうと思ってたがその後すぐ行方不明になっちまった
422:
えんじっこ
怖くなかったらすまん。
自分ではものすごく怖いから、誰かに聞いてほしいだけ。
じいちゃんの予言の話。
じいちゃんは私が小学6年生に上がる直前に死んだ。
百か日も過ぎた頃、仏降ろし(ほとけおろし)というものをやった。
「えんじっこ」と呼ばれるイタコのような人が、
亡くなった人の霊を死後の世界から呼び、霊の言葉を代弁するのだ。
代弁する時の言葉はえんじっこによって違うようで、
その時は古典で使われてるような言葉で話してた。
423:
いざ仏降ろしが行われると、最初に降ろされたのは
じいちゃんを連れて行ったという御先祖様。
そこからもう一人降ろしてからじいちゃんが降ろされた。
その頃には、その場にいた家族、親戚はみんな泣いてた。
だが、えんじっこがじいちゃんからの予言を言い出した途端、
周りの空気が凍った。
予言は以下の二つ
1.家族内で1年以内に2人入院する
2.じいちゃんにゆかりのある人が近いうちに事故死する
424:
そしてこの予言は本当になる。
私と父親が仏降ろしから1年以内に入院した。
じいちゃんが生前お世話になっていた、出稼ぎ先の会社社長が
交通事故で亡くなった。
じいちゃんすげーな、ってくらいにしか思ってなかったんだが、
あの予言には続きがあったそうだ。
425:
じいちゃんはあの日、仏降ろしに来ていた人達の
死ぬ順番も言っていたのだという。
子どもだった私はえんじっこが何を言っていたのかわからなく、
最初の二つの予言しか教えてもらっていなかった。
なぜ今そんな話が出てきたのかというと、つい先日、
私の前に名前が出されていた人が死んだからだ。
順番も今のところ当たっているらしいから、
このまま行くと危ないかもしれない。
449:
ずれた世界
28 本当にあった怖い名無し sage 2014/01/23(木) 13:07:15.26 ID:EAHWeVPc0
もう20年近く前のことになるんだけど、今でもよく状況が掴めていない話。
当時俺は小学1年生で、2つ下の妹が幼稚園に通っていた。
ふたり兄妹だった俺達は仲が良くて、学校から帰るといつも一緒に遊んでいたんだ。
年齢が年齢だけに、子供ふたりだけで遠くに行く事は禁止されていて、大抵は家の中で何かをし、
それ以外だと家の2軒隣の空き地(ドラえもんに出てくる空き地から土管を取り去ったものと想像して欲しい)で遊んでた。
これはその空き地での話になる。
29 本当にあった怖い名無し sage 2014/01/23(木) 13:08:21.05 ID:EAHWeVPc0
その日の遊びは宝探し。
なんて事はない、空き地の中に落ちている価値のありそうなものを探す、という遊びだった。
どちらも子供だったからモノの価値なんて分からなくて、綺麗な石やビー玉、BB弾あたりが主な収穫物。
今日は負けないぞーなんて言いながら、バラバラの場所でそれぞれの宝を探し始めた。
しばらくすると、耳をつんざくような妹の泣き声が聞こえた。
慌てて近づくと、手のひらから血が出ているようだった。
血のついた光るガラス片が妹の足元にあったので、これを拾おうとして切ってしまったのだろう。
深く切ってしまったのか結構な量の血がだらだら流れていて、俺自身気が動転していたのもあるだろうけど、
動かしちゃいけない気がして妹にそこを動かないように告げ、ひとりで母に助けを求める為、家へと走った。
450:
30 本当にあった怖い名無し sage 2014/01/23(木) 13:09:23.14 ID:EAHWeVPc0
前述のように2軒隣だから、子供の足でも走って10秒程で家に着いた。
すぐに母に妹の事を伝えようとしたら、いきなり抱きつかれた。
「今までどこに行っていたの!?」と涙を流しながら聞かれたから、
「そこの空き地だけど…」と答えた。
家を出る前に母に行き先は告げていたし、出てから30分そこらの感覚だったからわけが分からなかったが、直後さらにわけの分からないことが起こった。
母の後ろに妹がいた。
その時母から聞いた話では、俺は丸2日間家に戻らなかったらしい。
妹とふたりで家を出たところまでは記憶と合っているんだけど、
空き地で遊んでいたらいつの間にか俺がいなくなっていて、妹は仕方なくひとりで家に帰ったとの事だった。
妹(=幼稚園児)の証言なので、色々あやふやなところはあったらしいが。
31 本当にあった怖い名無し sage 2014/01/23(木) 13:17:50.72 ID:EAHWeVPc0
そして、妹の手には傷が無かった。
かすり傷程度なら2日もあれば塞がる事もあるだろうけど、思い返してもそんな生易しい傷じゃなかった。
妹の様子は以前と変わっていなかったが、なんとなく気味が悪かったのと、上がっていく年齢も手伝ってだんだん一緒に遊ぶことは少なくなっていった。
もう今となっては俺も妹もいい大人だ。
妹は当時5歳だったので、その時の事は全然覚えていないらしい。
そんな俺は今でもふと考える事がある。
あの時一緒に遊んでいた妹は、今の妹と同じ存在なのか。
俺は2日ずれた、別の世界に来ているのではないかと。
451:
>>450
つい最近も神奈川県であったね。
》相模原市の小学5年生の女子児童が1人で犬の散歩に出かけたあと行方が分からなくなっていましたが
》15日朝早く、女子児童とみられる女の子が神奈川県茅ヶ崎市内の交番で保護されました。
》目立ったけがなどはしていないということです。
パラレルワールドとか、かな? ふしぎ・・・
549:
訪ねてきた
昔、家族で晩飯を食べていたら、勝手口から急に着物姿の物凄い顔したばあさんが訪ねてきたんだ。
しかも5?6歳くらいの小さい男の子も一緒。
みんな戦慄して、ばあさんが男の子の手を引いて上がってきても誰も何も言えなかった。
ばあさんが黙って奥の座敷の方に消えていってから、母ちゃんが涙目で警察呼ぼうとか騒ぎ始めたんで
まずは俺と親父で様子を見てくることにしたんだ。
椅子を衝角みたいに構えて座敷に向かうと、ばあさんと男の子の姿はなかった。
その代わり、衣冠を付けた平安貴族(?)みたいな人が怒った顔で座敷に座ってて、
笏で座敷に祀ってある神棚を指しながら『次も助けてもらえると思うな!』と怒鳴ってスーッと消えてしまった。
神棚は亡くなった祖父母が設置したもので、二人がいなくなってからは誰も面倒見ずに埃まみれになっていたんだ。
ひょっとしたら、あの平安貴族は神様で、俺たちをあのばあさんから守ってくれたのかもしれない。
今では神棚を綺麗にして、毎日供物も捧げるようにしている。
その御蔭か、それ以降幽霊みたいなのが現れることもなくなりました。
550:
真偽はともかくこういう簡潔な話が良いね
婆さんと男の子の謎がわからないのもまた良い
731:
伝統の歌
ほんのりよりは怖いと思うけれど、洒落にならない程ではないと思うお話投下します。
かなり長文になってしまう事お許しください。
時期や場所は詳しく言えないけれど私の父の実家がある場所にまつわるお話。
父の実家はとにかくドがつく田舎、集落には両手で数えきれるほどしか家が無い。
山の奥なので土地だけは豊富にあったが、買い物や病院に行くにもバスを乗り継いで
半日はかかるという恐ろしい土地だった。
父から聞いたことによると、集落にある家は全部同じ苗字で、
父が小さい頃は個々の家にはまだ電話がなく、
集落以外の場所へ連絡をとる時は一つだけある商店に設置された電話を使った。
集落の土地はかなり広いので各々の家は距離が離れていた。その為回覧板はなく、
連絡事項は長老さんと呼ばれる家に設置された機材から、集落の中の電柱に設置された
オレンジ色のメガホンみたいなスピーカーで流していた。
そんな不便な場所にも関わらず集落には若い夫婦が何組かいて、
学年はばらばらだが小学生の子供が何人か居た。
私たち家族は普段は母方の実家に近い、比較的開発の進んだ場所に住んでいた。
例年お盆は父の実家で過ごすのが小さい頃からの恒例で、
車で何時間もかけて行くその集落は自然がいっぱいの別世界、
私は毎年お盆が楽しみで仕方がなかった。
732:
私が小学4年生の夏休み。父方のおじいちゃんの家に泊まった次の朝
私が泊まりに来ていることを知った近所の子供(Aちゃん)が遊びに来た。
Aちゃんは私より一つ年上で、集落の分校に通っている子供の中では最年長、
そしてただ一人の女の子だった。
年に一度しか会えない友達で小さい頃はとても仲良しだったけれど、
毎日年下の男の子に囲まれて実質ガキ大将のようだったAちゃんとは
ここ数年あまり話が合わなくなってきていた。
私は当時流行っていた女性アイドルグループに夢中で、
Aちゃんは毎日泥んこでチャンバラごっこをやっている、
そんな感じで一緒に遊んでもつまらないと感じるようになっていたからだ。その日私は、
夏休みに入ってから自分のお小遣いで買ったキラキラしたビーズの髪留めを
つけていた。遊びに来たAちゃんは開口一番、それちょうだい!と私の髪留めをむしり取ろうとした。
今になって思えば、Aちゃんも少しずつ思春期を迎えて女の子らしくなりたいと考えてい
たのかも知れないけれど、当時私は自分で買った大事な宝物を取られてしまうのが嫌で必
死に抵抗した。Aちゃんは怒って「もう遊んでやらない」と言い残して帰ってしまった。
734:
毎年、泊まった次の日は朝から昼まで、家の中でお盆のお供養があるからと外に遊びに行か
されていた。もともと一人遊びも嫌いじゃなかった私は、Aちゃんとケンカしたことは少し
引っ掛かっていたものの特に支障なく裏庭で遊んだ。
10時をまわった頃、庭にまたAちゃんがやって来た。さっきあんなに喧嘩したのに、何事
もなかったかのような笑顔で話しかけてきたので私はほっとした。Aちゃんは私の前にしゃがんで、
「いいこと教えてあげよっか」と訳知り顔で言った。
私がうん、と言うと、Aちゃんは口に手を添えて、私の耳に内緒話をするみたいにして鼻歌
まじりの不思議な歌を歌い出した。メロディは唱歌の「浜辺の歌」に少し似ていた。
歌い終わったAちゃんが言うには、その歌は「聞くととっても良いことがある秘密の歌」ら
しい。ナイショのおまじないだよ、大人に言っちゃだめだよ、そう言い残してAちゃんは走
って家に帰ってしまった。
お盆のお供養が終わって、じいちゃんが私を呼びに来た。お昼ご飯はそうめんとおばあちゃ
ん手作りの山菜の入ったちらし寿司で、家族皆で楽しく食べた後、眠くなった私は仏間の隣
の部屋で寝転がった。
735:
目を覚ましたのは4時だった。じいちゃんの家の古い柱時計がぼん、ぼん、と四回鳴って、
家の中は一番暑い時間だった。山に囲まれた集落は日が落ちるのが早くて、昼間と違って外
から入り込む光が少しだけオレンジがかっていた。じーわじーわ、かなかなかなかな、ひっ
きりなしに蝉の声が聞こえてた。
ああ、寝ちゃったんだと思いながら体を起こした。頭がクラクラして、父と母も、祖父と祖
母も近くにいない。毎年だったらお供養をした日の夕方はみんなでお墓参りに行っていた
時間で、寝てしまった私を起こさずに置いて行ったんだろうと思って気にせずに、また畳の上に横向きに寝転がった。
そこで、動けなくなった。
じいちゃん家の畳は古くて、日焼けして赤茶色になっている。ばあちゃんが熱心に掃除をし
ているからか、所々ニスを塗ったみたいなあめ色になっていて、その畳の一畳分向こうに、
白いお餅の塊みたいな赤ん坊がこっちを向いてごろんと寝転がってた。
金縛りという現象なのか、体は手足も指先も縛りつけられたみたいに動かなくなっていて、
唯一息をする所だけが動かせた。寝転がった赤ん坊の鼻のあたりに焦点があってしまった
まま目玉も動かせず、瞼も固めたみたいに動かなかった。
赤ん坊の顔は真っ白で、この状況を理解できてない頭の中でこれじゃ白ん坊だよなぁなん
て思った。黒目の大きい瞳で、口はお餅に入れた小さな切れ目みたいだった。ふくふくした
柔らかそうなほっぺが餅が膨らむみたいにもりーっと持ち上がって、ああ口がどんどん開
いてるんだな、泣くのかな、と思って、けれどおかしい事に気が付いた。
736:
口が大きすぎる。目玉が動かせなくてずっと見つめている小さな鼻がどんどん上向いて持
ち上がって、鼻筋どころか目と目の間に小鼻が食い込んでもまだ盛り上がる。そのうち焦点
があっていた場所に鼻はなくなり、口の部分から広がった大きな穴がぽっかり覗いた。さっ
きまでぷーっとしていて可愛く見えた筈の顔の大部分が穴になって、まるで黒いボーリン
グの玉に赤ん坊の顔面の皮を無理やり被せたみたいに見えた。
怖いのに目が離せない。瞼が閉じられなくて、目が痛くて涙で視界が滲んだ。赤ん坊の口は
更にどんどん広がっていって、ついに顔中が穴になった。もう目も鼻も捲れあがって、白い
赤ん坊の体の上に、首の代わりにウツボカズラが乗っかっているみたいだった。
ああ、食べられる、と思った。涙でじんわりした視界の中で相変わらずふくふくしたままの
白い手足がクモみたいにうねうね動いて、ウツボカズラみたいな大穴がこっちを向いた。
真っ黒い穴の奥には、ぎっしりと白いものが詰まってた。お饅頭みたいな大福みたいな、お
にぎりみたいな白いころんとしたもの。
目に溜まってた涙が頬っぺたにボロッと流れて、一瞬だけど視界がよくなった。
全部、真っ白い赤ん坊の手だった。口だった穴の奥底から、お、あ、あ、と大人の男みたいな
声がした。
うわああ、と私の喉から声が出た。それど同時に体が動いた。逃げなきゃ、食われる、そう
思って手足をじたばたさせたら、しわしわの大人の手でそれを押さえつけられた。
じいちゃんとばあちゃんが暴れる私の手足を押さえて、大丈夫か、しっかりしろ、と声をか
けてきた。傍にお父さんとお母さんも居た。助かった、そう思って、私は泣きじゃくった。
737:
涙が止まって、気持ちも落ち着いてすぐに、私はさっき見た怖い夢の話をした。
じいちゃんは珍しく厳つい顔をして、父と母はもう大丈夫だよと私を抱き締めてくれた。
もう4年生だったけれど、今夜はお母さんが一緒に寝てくれると言った。
そして、何度もうんうん頷きながら私の話を聞いていたばあちゃんは、その日の晩御飯の後
で、私を仏間に連れて行った。仏壇の傍の座卓にはじいちゃんも座っていた。
「孫ちゃん、今日みたいな怖い夢を見ないように、良いことを教えてあげる」
そう言いながら、ばあちゃんは歌を歌ってくれた。
昼間、Aちゃんが庭で歌った、あの歌だった。
私がAちゃんの事を言うと、いつもはにこにこして優しいじいちゃんが無表情のまま立ち上がっ
て仏間を出て行った。ばあちゃんは私の手をとって、私を膝に乗せながらその歌を一小節ず
つ、丁寧に丁寧に教えてくれた。
もう怖い夢を見なくて済むように、これからはこの歌を毎日歌ってから寝なさい。Aちゃん
が言った通り、良いことがある歌だよと言って。
その晩、寝る前に私はその歌を口ずさんだ。父も母もその歌を知っていて、3人で一緒に歌
ってから眠りについた。怖い夢は見なかった。その次の日、私たちはじいちゃんばあちゃん
と別れて家に帰った。
738:
長くてごめんなさい、もう少し続きます。
あの日の出来事について詳しく知ったのはだいぶ後になってからだった。
4年生の夏休み以来、毎年恒例だったお盆のお泊りが2?3年に一回の行事になった。私も
中学生になって勉強や部活が忙しかったりであまり気にはしなかった。
ある年の春先、じいちゃんが亡くなり、私たち家族は初めてお盆以外の時期にその集落へ泊
まった。私も母も父も泣きじゃくってじいちゃんを見送り、ばあちゃんを私たちの家に暮ら
させようという相談もしたけれど、ご近所の人が助けてくれるしこの土地で骨を埋めたい
というばあちゃんは説得できなかった。
お葬式も終わり、いよいよ帰ることになった日の朝。4年生のあの年以来疎遠になってし
まっていたAちゃんが訪ねてきた。Aちゃんは大人っぽい、綺麗な女の人になっていた。
開口一番、Aちゃんは私に頭を下げながら「あの時はごめんなさい」と謝った。訳が解らな
くてきょとんとしている私を見て、奥の間から出てきたばあちゃんが「そろそろ話しておか
なきゃいけないね」と言って、あの時のように私とAちゃんを仏間へ連れて行った。
あの時座卓に座っていたじいちゃんは、遺影になって仏壇の所に飾られていた。
以下は、ばあちゃんが話してくれた方言まじりの昔話を要約したもの。
父の実家があったこの土地は、初め、ある理由があって村八分にされた一家が落ち逃れてき
た事から始まった。(被差別部落という訳ではないそうだ)
集落の苗字が同じなのはその為で、もともとは一つの家から始まった遠い親戚の集まりだった。
何十年もして村八分が解かれた後も、集落の人々は周りの土地に干渉されるのを嫌っ
て内輪だけで栄えてきた。
近親の結婚が続いたせいか、知恵の遅れた子や障害を持った子供がよく生まれたのだそう
だ(ばあちゃんはわろごと呼んでいた)
元々この土地は肥沃な上、少人数の集落だったので食べ物に困って口減らしをすることは
無かった。けれど少人数であるが故に子供は大事な働き手であり、仕事をすることができな
いわろご達はそうであると解った時点で殺してしまった。
739:
そんな事が何年も続き、やがて集落と周りの地域との軋轢もなくなり、集落の外から嫁や婿
が来るようになるとようやくわろごが産まれる事も無くなってきた。
ところがその頃から、集落で生まれた健康な子供がある日忽然と行方不明になったり、山で
居なくなったと思った翌日ひょっこり帰ってきたが頭がおかしくなっていたりと不気味な
事が起こり始めた。初めは小さい子供ばかりがそういう目にあったが、やがて若者、親の世
代にもそういう怪異に巻き込まれる者が出始めた。おかしなものを見たという報告も多数
上がった。皆、口をそろえて真っ白な赤ん坊に食われそうになったとか、口の大きな真っ白
な子供に追いかけられたと訴えた。
これはわろごの祟りではないか?と誰とはなしに噂がたち始めた。何故なら、かつて殺した
わろごは供養することも無く山の中腹にある岩場に放置して、獣や鳥に荒らされるがまま
にしていたから。今と違って「わろご」のような人たちへの差別や偏見がとても酷かった時
代、そういう者が産まれてしまったことを記録として残すのを嫌がったのだそうだ。
集落の人たちはやっとそれらを供養することに決めた。けれどやはり、そういうものの記録
を形に残してしまうことを嫌った人々は、その地域の山を信仰していた古い修験者さんに
「御詠歌」のようなものを作ってもらった。
もともとお経や祝詞は「耳で聞く」と同時に「口で唱える」ことで二重にご利益や徳がある
もので、お経を聞くだけの一般人よりも、「口で唱えた」自分の声を「耳で聞いて」いる僧侶の方が徳が積まれるのはその為なのだそうだ。
集落に与えられた歌は、殺めてしまったわろご達への供養の意味を込めた歌だった。ばあち
ゃん曰く、集落の人はわろごを殺した「加害者」であると同時に、自分たちの血の繋がった
子供を殺された「被害者」でもある。だから集落の人間は、その歌を「歌うことで供養する」
と同時に「耳で聞くことで供養される」立場にあった。
この供養の歌を、毎晩欠かさず歌うように。修験者からそう言われたことを守るようになっ
てから、集落での怪異は治まった。
しかし、それと同時にある問題が起こった。
ここからはばあちゃんの話した事をそのまま書きますので、差別的な表現が混じってしま
うことをお許しください。
740:
わろご達の大半は身体ではなく知的な障害であった。それ故に、物事の判断をつけることが
難しい。
(ばあちゃんは「き○○いだから思い込みも勘違いも激しい」と表現していた)
そのせいで、わろご達の中では、歌を歌って「供養する」人間は自分と相容れないい存在であ
るものの、歌を耳で聴いて「供養される」人間を自分達の仲間だと思い込み、自分たちの中
へ取り込んでしまおうと寄ってくるようになったのだ。
歌を歌える人間には怪異は起こらない。しかし、歌を歌うことができない、耳で聞くことし
かできない赤ん坊や痴呆に掛かった老人が次々に「引き込まれて」しまった
(ばあちゃんはそうとしか表現してくれなかった。
行方不明になったのか、おかしくなったのか、死んだのかは解らない)
それが解って以降、集落ではその歌を「余所者には決して聞かせてはいけない、集落の子供
にもしっかり歌える年になるまでは絶対に聞かせてはいけない」タブーの歌として伝える
ようになった。
ここまでが昔話。
その歌はそんなブラックな昔話と一緒に「集落の伝統」としてひっそり伝えられてきた。集
落の子供たちは、小学校中学年くらいになると親からその歌を教えられるが、内容が内容な
ので本当の由来は聞かされず「よその人には決して聞かせてはいけない伝統の歌」として教
わっているに過ぎないのだそうだ。
ばあちゃんの話を聞き終えたAちゃんは言い難そうに私に向き直った。
「あの年、5年生になったばかりの時に私はその歌をお母さんから教わった。お母さんは
 「歌えない人には絶対に聞かせてはいけない、何故ならその人が不幸になってしまう歌だから」
って言って教えてくれた。
あの時、都会から来た(私)ちゃんが女の子らしくて可愛くてとても羨ましかった。ずるいと
思った。ちょっと意地悪してやろうって軽い気持ちで聞かせてしまった」
742:
都会で生まれて都会で暮らしている私には、そもそもその集落のわろご達を供養する責任
は無かった。しかし小さい頃から集落の土地の恩恵を受けて育った父と、その父と結ばれた
母には因縁がある。私は知らなかったけれど、父と母は毎晩寝室で、寝る前にあの歌を口遊
むのが決まりごとになっていたのだそうだ。
そして毎年のお盆のお供養、あの時間私だけが外に遊びに出されていたのは、お供養の時に
皆で歌うあの歌を聴かせない為だったらしい。
あの日の晩、温厚だった私のじいちゃんはAちゃんの家に怒鳴り込んだそうだ。お前のとこ
の娘のせいで、うちの孫にまで因縁ができてしまったと。孫は一生、あの歌に付きまとわれ
て生きることになったと。
あの夕方、蝉がわめく暑い空気の中で私が見たものは偶然の夢かも知れない。けれど未だに
鮮明に覚えているあの不気味な白い赤ん坊の姿。あまりにリアルに思い出せるせいで、私に
技術さえあったなら映像にして細部まで再現できるんじゃないかとすら思うあの光景。
赤ん坊との距離も、暴れた手足を押さえつけたじいちゃんばあちゃんの手の感触も、怖いく
らいにありありと覚えている。
そして現在。
ばあちゃんも亡くなり、元々古かった家は朽ちて住めない状態になり、私たちはあの集落へ
行かなくなった。けれど今でも私と両親は、習慣であの歌を毎晩口遊んでいる。
Aちゃんとはその後また仲良くなった。今でもあの集落に暮らしていて、集落の中で結婚し
て子供も生まれた。集落は相変わらずド田舎だけど、周辺の開発が進み前よりは便利な土地
になったという。
743:
近年、とあるドラマでとある隠れた名所が取り上げられた。それまでは観光客など滅多に行
かなかったその場所に、年間何千人もの人間が訪れるようになった。
じいちゃんばあちゃんが暮らしていた、あの集落のすぐ傍だった。
何だか懐かしくなって久々にAちゃんに電話をすると、Aちゃんの家も去年から民宿を始
めたという。新しい住人も増え、観光客向けの食堂は土日になるといつも込み合っていると
いう。
「泊まりにおいでよ!タダでいいよ!」そう話すAちゃんのお言葉に甘えて何年かぶりに
集落へ足を踏み入れた私を、あの日から毎晩口遊んで眠ってきたあの歌が迎えた。
電信柱から生えた、古びて朽ちかけたスピーカーからだった。オルゴールのような音色のメ
ロディは、浜辺の歌に似た、聞き間違う筈もないあの曲だった。
「12時と5時の時報代わりにね、新しい集会長が決めちゃったんだ」
Aちゃんは苦笑を浮かべながらそう話した。
「地元特有の伝統の歌だからね。観光客相手にもウケるだろうって。年寄世代は皆亡くなっ
ちゃったし、若い私たちくらいの世代であんな伝統、信じてる人ほとんど居ないんだよ」
そう言いながら呆れたようにため息をつくAちゃんの横で、小学生になったAちゃんの息
子は無邪気にあの歌を口遊んでいた。商店の横にある食堂には何人も観光客が並んでた。
「メロディだけなら大丈夫なんじゃない?」
そう言って笑うAちゃんにはとても言えなかったけれど、小学四年生のあの時、
裏庭でAちゃんが聞かせてくれたのは鼻歌交じりで歌詞なんか解らなかったよ。
もともとあれは供養の意味だけを込めて作られた歌で、私みたいに集落出身の
血が入らなければどうという事は無いのかもしれない。
けれど、ばあちゃんが言っていた話がもし本当だとしたら。
この集落に憑りついたあの白い赤ん坊に、集落の人とそうでない人との区別なんてつくんだろうか?
都会の人はぐねぐね曲がり角が多い山道の運転に慣れていない。
道幅も狭く傾斜も強い集落への山道は、開発が進んだとはいえ相変わらずの様相だった。
事故は、名所からの帰りの山道で起こる方が圧倒的に多いらしい。
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