八尺様「ぽぽっ、ぽぽぽぽっ……やっぱり見えてるじゃない」back

八尺様「ぽぽっ、ぽぽぽぽっ……やっぱり見えてるじゃない」


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1:
“八尺様”という妖怪がいる。
インターネットの怖い話系のサイトでは相当有名なので、聞いたことのある人も多いかも知れない。
八尺様は、女性の姿をしていて、名前の通り身長がとても高い。ゆうに2メートル以上はある。
身長以外の容姿は目撃証言によって様々で、若い女性だったり、おばあさんだったりするらしい。服装も出てくるたびにまちまちだが、いつも頭に帽子か何かを乗せているのは、毎回共通しているそうだ。
伝承によると、八尺様は男に魅入るらしい。「ぽぽぽぽ」という独特の笑い声とともに、魅入る相手の元に現れ、魅入られた男は、数日のうちに取り殺され、行方不明になってしまうという話だ。
ただ、八尺様はお札や塩といったいわゆる清めの道具が苦手で、魅入られた男がそれによって難を免れたこともあるのだとか。
最初にこの話をインターネットで見たとき、ヘタレな僕は猛烈にガクブルしたものだった。とは言っても、特に霊感があるわけでもない平凡な高校生の僕にオカルトチックな出来事は訪れず、普通の学校生活を送っているうちに、八尺様の記憶は次第に薄れていった。
ある夏休みの日の午後、僕は体力作りのためにランニングをしていた。町内を大きく周り、休憩を取るために、町外れの公園に入る。わりと大き目な公園は、近所に住んでいるであろう人達の姿が、ちらほらとあった。
僕はベンチに1人座り、ペットボトルのスポーツドリンクをぐびぐび飲みながら、手足をだらりとさせて体力の回復を待っていた。すると、どこからともなく、人の声らしきものが聞こえてきた。
「ぽぽっ、ぽっ、ぽぽぽぽっ……」
最初は、何なのだろうと思った。笑い声にしては、ちょっとおかしい気がする。しかし、声のする方を向いた瞬間、僕の背筋は一瞬で凍り付いた。
僕から3メートルも離れていないところに、とてつもなく背の高い、若い女の人が立っていた。
八尺、つまり2メートル40センチまでは行かないかも知れないけど、軽く2メートル以上は間違いなくある。
薄手の白いワンピースに、鍔の広い白い帽子。長いストレートの黒髪は、膝下まで伸びていた。
そして、「ぽぽぽぽ……」という笑い声。
何から何まで、伝承に出てくる八尺様の特徴にそっくりだった。
――まさか、八尺様が本当に……?
ランニングしていたときとは比較にならないほど、動悸が激しくなった。冷や汗が全身を伝い、ペットボトルを思わず取り落としてしまう。
――いや待て、落ち着け。そんなはずない……
僕は必死に冷静さを取り戻し、考えた。八尺様なんて、本当にいるはずがない。それに、伝承では、八尺様が出るのは田舎の話のはずだ。ここみたいな、都会と離れていない、住宅街に現れるはずがないと思った。
――そうだ。この女の人はただ単に背が高いだけだ。ネットで八尺様の話を聞いて、ふざけて真似してるだけなんだ……
無理に自分にそう言い聞かせると、僕はペットボトルを拾い、わずかに残っていた中身を飲み干した。
2:
そうしている間に、その八尺様似の女性は「ぽっ、ぽっぽっぽっ……」と笑いながら、僕の方に寄ってきた。そして、僕の隣に腰かける。僕の方を見ているらしく、視線を強く感じる。
僕は、女性の方を見なかった。例え人間だったとしても、妖怪のふりをして人を脅かそうとしているわけだから、悪質なことに変わりはない。どうやってさりげなくこの場を去るか、考え始めた。
そのとき、すっと女性が立ち上がった。すたすたと歩いて、ベンチから遠ざかっていく。よかった。自分からいなくなってくれるのか。
と、思いきや、女性はおかしなことを始めた。公園に居る人達に近寄ると、大きな身をかがめて、肩を叩いたり、目の前を横切ったりし始めたのだ。
それを見ているうちに、僕の中で、だんだん気味の悪さが募ってきた。
異様なことに、誰一人、女性の行為に反応したり、見たりしないのだ。まるで、女性がいるのに、誰も気が付かないかのように。
普通だったら、こんな背の高い女性がいるだけで、注目が集まったっておかしくないのに。
――なんで……?
戸惑っていると、女性はベンチまで戻ってきた。そして体をかがめて僕に顔を近づけると、微笑みながらこう言った。
「ぽぽっ。あなたは、あなただけは私のこと、見えてるわよね?」
心臓を握り潰されたような気分になった。僕にしか見えないということは、まさか、本物の八尺様なのか。そして僕は今、その八尺様に魅入られている?
恐ろしさのあまり、体が震える。しかし辛うじて、八尺様の声に無反応を装うことができた。こういう場合、見えていないふりをするのが一つの対処法だと、怖い話のサイトに書いてあった記憶がある。
3:
「…………」
僕は最大限に冷静さを装い、ペットボトルのキャップを閉めた。そして背中をベンチの背もたれに預け、休息するように見せた。
「見えてるはずよ。あなただけが、私を見えるようにしてあげたんだから」
八尺様がまた、話しかけてくる。巨体でもって目の前に陣取られているので、逃げ出すのは簡単ではなさそうだ。
「ぽぽぽぽ……初めてあなたを見た日から、目を付けていたのよ。私の連れ合いになって、一緒に来てもらうわ」
冗談じゃない。化け物に連れていかれてたまるか。僕は心の中で『南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏』と唱えながら、ぼーっとした表情を作り、八尺様に気付いていないふりをした。だが八尺様はますます顔を近づけてきて、ほとんど息がかかりそうになった。
顔をそむけたら、見えているのが分かってしまう。僕は八尺様とまともに顔を突き合わせるはめになった。八尺様の切れ長の眼が、まっすぐに僕を見詰める。ぞくりとするほど美しい顔立ちだった。
「…………」
見詰め合ったまま、僕が動けずにいると、八尺様はさらに言った。
「ぽぽぽ……無視をしても無駄よ。あなたの運命はもう決まっているんだから、諦めなさい」
「…………」
それでも僕が動かずにいると、八尺様は少し体を伸び上がらせた。身長を考えても相当大きな胸が、僕の眼の前に迫ってくる。
「ぽぽぽ……これならどうかしら?」
「!」
相手は化け物だというのに、恥ずかしくなり、僕はつい、顔を少し横に向けてしまった。それを見た八尺様が、勝ち誇った笑い声を上げる。
「ぽぽっ、ぽぽぽぽっ……やっぱり見えてるじゃない。さあ、私達の将来の話をしましょう」
そう言うと八尺様は、大きな手を広げて僕を捕まえようとしてきた。
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4:
「うわああああああああああああああああああ!!!!!!」
もう無理だった。僕はベンチから立ち上がると、人目もはばからず悲鳴を上げ、八尺様の脇をすり抜けて、一目散に駆け出した。
「ぽぽっ? 待ちなさい!」
後ろから八尺様の声が聞こえたが、振り返れるわけがなかった。公園を出て、走りに走ってからようやく後ろを見たが、八尺様は追って来てはいなかった。少しほっとする。
しかし、大変なのはこれからだと思った。
伝承に出てくる八尺様は、夜になったら魅入った男の元にやってきて、取り殺そうとするのだ。
僕のところにも、やってくるに違いなかった。
家に帰る前に、八尺様を防ぐ準備をしなければいけないと思った僕は、大急ぎで走る。
伝承では、八尺様に魅入られた男は、八尺様を遠ざけるお札も持たされ、窓をふさいだ部屋で一晩を過ごす。
その部屋の真ん中には仏像が、四隅には盛り塩が置いてあり、八尺様の侵入を一晩阻んだのだ。
翌朝男は、家族や親戚と共に(親族が集まることで、八尺様から見て誰がターゲットか分かりにくくするため。男が部屋で籠城していた夜のうちに、男の祖父が呼び集めた。)村を出て、九死に一生を得るのである。
僕は田舎から都会に出てきて、独り暮らしをしながら高校に通っているため、親族を集めることはできない。
だから、助かるためには、一晩籠城する必要はなく、すぐに町を脱出した方がいいということになる。
しかし結局、僕は夜の籠城を、伝承通りにやることにした。夕暮れが迫っていて、脱出の準備をしているうちに夜になるのは間違いなかったからだ。
八尺様の力が強くなる夜間よりは、朝まで待って脱出した方がいい。
まず、町で一番大きな神社に大急ぎで行って、お札を買ってきた。どれが八尺様に効くか分からないから、全ての種類を買いそろえる。続いて骨董品屋で、仏像を買った。
さすがに高かったが、命には代えられない。それから塩と、窓を塞ぐ厚紙を購入し、僕は住んでいるボロアパートに駆け戻った。
5:
「急げ、急げ……」
悠長に支度をしている暇はない。厚紙をガムテープで窓に貼って、外から部屋を見えなくする。狭い部屋で窓の数も限られているから、そんなに手間はかからなかった。
それから、部屋の四隅にルーズリーフを置き、その上に塩をたんまりと乗せた。最後に、段ボールの箱の上に仏像を置き、インスタントの祭壇を作る。これで準備は完了だ。
食料や飲料水は、地震とかに備えていつも多めに買い込んでいるから、改めて買う必要はなかった。最悪、一週間でも籠城できる。もちろん、そんなに長引かせたくはないから、朝になったら町を脱出する予定だけど。
部屋の中の荷物を整理し、明日の為の服装も準備した。そんなことをしているうちに、夜はあっという間に更けていく。布団を敷いてその上に座り、ぼんやりと時間を過ごすことにした。
伝承では、テレビは見てもOKとなっていたが、見ても楽しめそうにないので点けなかった。いくらもしないうちに、僕は寝巻を着ると、電気を消して布団に横たわった。
この状態で、朝まで八尺様に侵入されないことが、助かるかどうかのひとまずの目安だ。外の光は部屋に入ってこないから、朝になったかは時計を見ていないといけない。
――このまま何事もなく眠れて、起きたら朝になってると、一番いいんだけど。
だが、そんなうまい話がそうそうあるわけもなく、思うように寝付くことができなかった。少しうとうとしては、眼が覚め、時計を見てまだ朝が来ていないのを知る。その繰り返しだった。
6:
ふむ
7:
そして、真夜中を過ぎ、2時頃だっただろうか。
ボン、ボン
音がした。どこからだ? 僕は体を強張らせた。
ボン、ボン
窓からだった。何かが窓ガラスを叩いている。
――八尺様だ!!
それ以外考えられなかった。僕の部屋は2階にあり、八尺様でもそのままでは窓に手は届かない。しかし、何かの上に乗るかすれば、簡単に窓を叩けるはずだった。
「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏……」
僕は震えながら、仏像を拝み、一心に念仏を唱えた。
「昼間は、ごめんなさい……」
八尺様の声が聞こえる。聞いたら駄目だと思った。
「怖がらせるようなことを言ったのは謝るわ。だからお願い。ここを開けて。お話をさせて」
ボン、ボン
冗談じゃない。僕は神社で買ったお札を何枚も握り締めた。
10:
パンツ脱いだ
11:
「本当はね、あなたが怖く思うようなことは何もないの。ただ仲良くしてほしいだけなのよ。お願い、そんな塩とかお札とか仏像なんか仕舞って。私を中に入れて」
ボン、ボン
無理。無理。絶対に無理。僕は両手で耳を塞いだ。だが、八尺様の声は、それでも頭に響いてきた。
「分かったわ。どうしても中に入れてもらえないなら、せめて顔を見せて。顔を見せてくれたら、今日は帰るから……」
「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏……」
ここが踏ん張りどころだと思った。今顔を合わせたら、100%助からないに決まっている。でなければ、伝承の中で、男が籠城する部屋の窓が塞がれるはずがない。
ボン、ボン
「私が人間じゃないからって、どうしてそこまで毛嫌いするの? 相手のことを知らずに嫌うのは愚かなことよ。少しでいいの。お話をしましょう」
「南無阿弥陀仏! 南無阿弥陀仏!」
とうとう僕は、大声で念仏を唱え始めた。近所迷惑なんて言っている場合じゃない。
「念仏なんかやめて。私はあなたのことをずっと見ていたわ。災厄から守ってあげたりしてたくらいなのよ。やっと会えるようになったのに、祓おうとするなんてひどいわ……うっ、うっ……」
八尺様の、すすり泣くような声が聞こえてきた。泣きたいのはこっちの方だ。
「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏……」
一心不乱に念仏を唱えていると、いつしか八尺様の声は聞こえなくなっていた。帰ってくれたのか。
12:
ホラー系なのか萌え路線なのか
15:
「ふう……」
布団に倒れ込んで休んでいると、今度は玄関の声から大声がした。
「火事だ! 燃えてるぞ!」
隣に住んでいるおじさんの声だった。消防車のサイレンと思しき音も聞こえてくる。僕はパニックになりかけた。
――まずい! 逃げないと!
外に飛び出そうとしたとき、僕ははっと気が付いた。
八尺様は、声真似が得意なのだ。僕を騙そうとしているのかも知れない。
「危ないぞ! 外に出るんだ!」
またおじさんの声が聞こえてくる。僕は玄関前で立ち止まり、外に出なかった。代わりに身支度を急いで整え、外に持ち出す荷物も準備する。そしてハンカチを濡らして口に当て、室内の様子を伺った。
18:
期待
19:
――どこからか煙が流れてくるか、火事の熱を感じたら逃げ出そう。それまでは我慢だ!
そのまましばらく待ったが、煙も熱も来なかった。おじさんも叫ばなくなったし、サイレンも聞こえなくなった。
どうやら、全部八尺様の騙しの作戦で間違いないようだった。僕はまた、布団に倒れ込んだ。
気が付くと、時計は日の出の時刻を回っていた。夜が終わったのだ。
「とりあえず、第一段階クリアーだ……」
恐る恐る窓に貼った厚紙をはがす。外は明るくなっていて、光が部屋の中に差しこんだ。八尺様の姿は見えない。
部屋の中を見回すと、四隅に置いてあった大量の盛り塩は真っ黒になっていて、炭のようだった。お札も何だか分からない黒い紙切れになっていて、段ボールの上に置いていた仏像はヒビだらけだった。
本当に危ないところを、辛うじて八尺様を追い返すのに成功したのだと思った。
とは言え、まだ助かったわけではない。ここからだった。この町から逃げ出さないことには、解決にならない。
軽い朝食を摂ると、僕は脱出の用意を始めた。
すでに身支度は済んでいたが、さらに帽子を目深にかぶり、マスクをして、顔が分からないようにした。そして、昨日は盛った塩の残りを懐に入れる。
そして持ち出す予定の荷物を背負い、僕は部屋を飛び出した。まっすぐに最寄りの駅を目指して走る。
幸運なことに、八尺様に出くわすことはなく、僕は電車に乗り込むことができた。ほとんど人が乗っていないので、ボックス席の窓側に座ることができた。座ると同時に電車は動き出し、景色が流れ始める。
20:
八尺様は妖怪物に必要な妄想成分があるから好き
21:
後ろから、何かが追いかけてくるのが見えた。
八尺様だった。電車と並んで走りながら、徐々に追い付いてくる。とんでもない足のさだ。
「ぎゃああああああ!!!」
僕は腰を抜かしそうになり、八尺様に見つからないよう、座席の下側に慌てて隠れた。いくらもしないうちに、八尺様は僕のいるところまで追い付いたらしく、窓が激しく叩かれる。
「ぽぽぽっ、開けて! 開けなさい!」
「ひいいいいいい!!」
うずくまって震えていると、今度は電車がぐらぐらと揺れ出した。八尺様が揺さぶっているのだ。もしも、揺れのために電車が止まってしまったら……
そう思ったとき、不意に電車の揺れが止まった。
「ん……?」
八尺様の声も聞こえなくなった。どうしたのだろうか。
怖々立ち上がり、窓から外を見てみたが、八尺様の姿はなかった。まさか、電車の中に入ってきたのかと思って車内を見回してみたが、どこにもいない。
そのとき、車内にアナウンスが流れた。
「間もなく、○○?、○○?」
そうか。僕はようやく気が付いた。
「町を抜けんたんだ……」
町を抜けてしまえば、八尺様はもう追って来られない。やっと、全てが終わったのだ。
僕は安堵のあまり、ボックス席に横たわって脱力した。
22:
その後、僕は電車に乗り続け、できるだけ遠くに逃げることにした。逃げると言っても、一時的なものだが、できるだけ八尺様のいる町から遠ざかっていたかった。
――これから、どうしようか。
幸い、僕が通っている高校は、住んでいた町とは別の町にあり、転校しなくても問題はない。ただ、当たり前だが、住んでいたアパートは引き払って別の町に部屋を借りないといけない。
自分はアパートに戻れないので、後で親に頼んで、アパートを解約してもらわないと駄目だ。理由を捏造するのが大変だろうけども……
「まあいいや。後でじっくり考えよ」
結局僕は、一日電車を乗り継ぎに乗り継いで、1000キロ近く逃亡した。そして、ある海辺の町で下車し、安いホテルで一日泊ることにした。
実家に帰る方が安上がりではあるのだが、急にアパートから逃亡してきた理由をうまく説明できる自信がなかったので、見合わせた。
チェックインしてしばらくすると、お腹がすいてきた。持っている携帯食料では味気なかったので、ルームサービスで食事を取ることにした。
電話で頼んでから少し経って、部屋の扉がノックされる。
「ルームサービスです」
男性の声がしたので、僕は扉を開けた。
「はーい」
「ぽぽっ、ぽっぽっ、ぽぽぽぽぽぽぽぽ……」
信じられない光景に、僕は固まった。
そこには、微笑んで身をかがめた八尺様がいた。
「ぎええええええええええ!!!」
僕は悲鳴を上げながらも、急いで扉を閉めようとしたが、もう遅かった。八尺様は物凄い力でドアを押し込んできて、僕は部屋の奥へと追いやられる。
「ぽぽっ、ぽっぽっ、やっと入れてくれたわね。嬉しいわ」
八尺様はドアを閉めると、僕の方に向かってきた。僕は持っていた塩を八尺様にぶつけようとしたが、それより先に八尺様に腕を掴まれてしまう。人間と変わらない、温かい手だった。
24:
「は、放せ!」
「ぽぽぽっ!」
八尺様はありえないほどの怪力で僕を抱え上げると、ベッドに投げ倒した。そのまま上に覆いかぶさって来る。
逃げ場のない僕は、最後の抵抗として、八尺様の腕を足で挟んで関節技をかけようとしたが、腕の長さが普通の人間と違い過ぎてどうにもならなかった。
「ぽ、ぽ、ぽぽぽぽぽっ……無駄よ」
完全に僕を抑え付けた八尺様が、勝ち誇ったような笑みを浮かべ、僕を見下ろす。肌の感触は人間と変わらなくても、その視線は人間のものではないと、はっきり感じられた。
「なんで……? 町は出たのに……」
半泣き状態で言う僕に、八尺様が答えた。
「ぽぽぽっ……どうして私が町から出られないって決め付けるの? 確かに、地蔵を置いて私を村から出られなくすることはできるけど、あの町にそんなものはないでしょう?」
「!」
27:
きたきた
29:
しまった! 僕は自分が、取り返しの付かない思い違いをしていたことに気付いた。
伝承で、男が村から逃げて助かったのは、村の出口にお地蔵様が置かれていて、八尺様が村から出られなかったせいだった。そして僕のいた町には、お地蔵様なんて置いてない。ということは……
「ぽぽぽっ、私はどこにでも好きに行けるのよ」
「あ……あ……」
絶望感に襲われた。
仮に今、どうにかして八尺様から逃げ出せたとしても、いつかどこかで必ず捕まってしまうだろう。
「ぽっ、ぽっ、ぽぽぽぽっ、怖がらないで。取って喰ったりしないから。言ったでしょう? 仲良くしたいだけだって……」
唇が、触れ合った。お互いに見詰め合ったままで。
気持ちよさで僕の意識は遠のき、八尺様を押し返そうとしていた腕にも力が入らなくなった。
口を離して、八尺様が言う。
「ぽぽぽぽっ。それでは契りを交わすわよ。ずっとこの日を楽しみにしてきたんだから……ぽぽぽぽっ」
完全に僕の上に馬乗りになり、ワンピースを脱ぎ始めた八尺様を見上げながら、僕は思った。
殺されることは、ないのかも知れない。
しかし、おそらく、僕は一生、この八尺様という怪物から逃げることはできず、彼女の思い通りに生かされることになるのだろうと……
30:
おいこれじゃ>>1があへ顔ピース路線じゃん
31:
  _
  \ヽ, ,、
_ `''|/ノ
\`ヽ、|
 \, V
    `L,,_
  |ヽ、)    ,、
 .|      ヽYノ
  /               r''ヽ、.|
  /     ,.. -──- .、    `ー-ヽ|ヮ
 .|   , ‐'´  __     `ヽ、 `|
  | / , ‐'"´       ``''‐、  \  |
  | / /      \ ヽ |
  ヽ, y' /` ‐ 、  ,.. -'ヘ   ヽ. }ノ
 ヽ,'     / /`,ゝ' ´     ヽ   Y.
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  l    ,イ─- 、.._ ヽ ,, _,.. -─:} !
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.    !  丶ヾヽ  ~ , ' ノ │  !
  ト. ミ.ゝ ヽ.____./ /  l  /
 ヽ ヽ   イ ,' / , '  ┼ヽ  -|r‐、. レ |
  \.    ノレ'/     d⌒) ./| _ノ  __ノ
33:
は?
39:
ホワィ!?
35:
焦らしとご褒美のタイミングがなかなかうまいな>>1よ
40:
八尺様って急に不自然に有名になったよな
元はリアルやリゾートバイトと同じ程度の話なのに
ニコニコやワンピースと同じ気持ち悪さを感じる
48:
>>40
ヒント1:高身長
ヒント2:ワンピ&帽子
ヒント3:長い髪
ヒント4:白い肌
44:
リアルとリゾートバイトのが怖いよな
まぁ長さ的に八尺様は短くて読みやすいからじゃね
46:
いやリアルとかリゾートバイトは洒落怖発でもなかったしな
八尺様は大分前から殿堂入りしてたし
58:
>>46
てめー何普通に会話に参加してんだよ
他にやるべき事があんだろーが
59:
リアルってどんな話だっけ
リゾートバイトはたしか母親がイカれてる奴だったよな
65:
>>59
ドウシテ?ドウシテ?ドウシテ?
63:
面白かった
もうこれで終わりでいいと思う
71:
いずなが倒してたな八尺様
75:
>>71
そんなもんまで扱ってんのかいずな
73:
はあ・・・八尺様になでなでぎゅってされながらグッスリ眠りたいお・・・
78:
>>73
八尺様240センチを165センチの女に置き換えると俺は110センチくらいか
5?6歳じゃないか…最高だわ
79:
>>78
お前天才すぎる・・・もう辛抱ならん・・・八尺様とおねんねしてきます・・・
88:
八尺様は可愛い
9

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