親父が死んだら絶縁状態の兄が帰ってきたback

親父が死んだら絶縁状態の兄が帰ってきた


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恨みを返してやると言って
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兄貴は非常に賢い人だった
うちの実家は漁師をやっていて鳶が鷹を産むのように
兄貴はうちの人間じゃないかのように成績優秀だった
勉強ができてスポーツ万能、快活明瞭で人当たりがよく、そして何より優しかった
俺はそんな兄貴が嫌いだった
うちには兄貴よりも上に姉が3人居る5人姉弟なんだけれども、
姉達も兄貴をあまり良く思ってなかったように思える
何かと俺達は兄貴と比べられたから
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でも今思い返せば俺達は兄貴の能力にすがりっぱなしだった
兄貴は学生の時うちの仕事以外にバイトしていた
姉や俺の財布が寂しくなると兄貴は「今度あそびに行くんだって?
ほれコレで美味いもんでもみんなで食え」とかと簡単に金を差し出した
姉貴たちも兄貴から金を借りたりしてたけど
兄貴は執拗に金を返せと言うことはなかった
兄貴がいつかこんな事を言ってた
「俺は金を貸すときプレゼントするつもりで渡してる。
俺達は姉弟だし平等だわ。
貸した方と借りた方で上下関係が生まれるのは俺の好みじゃない」
この日なしを聞いた時、俺は馬鹿なお人好しだなあくらいにしか思ってなかった
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親は兄貴に家を継がせるといつも言っていた
俺も姉貴たちも間違いなくそれが良いと感じていた
兄貴が継げばどう考えても今よりは良くなるはずだったからだ
親は兄貴が高校進学する時に船の高校を薦めた
最新の技術を兄が学べばより良くなるだろうと言うことだった
実際に兄は学んだことを学生時代から実家へ持って帰り家業へ活かしはじめた
その当時、インターネットで魚介類を販売するなんて発想をしていた漁師なんて
兄貴くらいなもんだったろう
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更に漁協へ取り入って漁場や漁獲高の過去データを集めて統計をとって、
海流や水温などの情報から今年の漁場を推測するなど
漁協すら兄貴がやろうとしていることを理解してなかったと思う
パソコンなんてやっと家庭へ普及し始めたくらいの時だ、
漁協にもパソコンが1台か2台くらいしかない時代に
兄貴はパソコンで漁業をやろうとしていた
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兄貴がどんどん最新技術の提案を繰り返し実家の売上は物凄く伸びていった
他の漁師の家からうちが不正をしているのではないかと疑われたくらいだった
何せ船のスピードが他の家よりも圧倒的にかった
当時の漁船はまだまだ縁起や見栄などで非効率な構造をしていたけれど
兄貴は船を新しく作るときに造船所と色々話し合い高性能低燃費な船を設計させた
漁船のエンジンの規格は各漁場でルールがありその範囲で使用しなければならない
スピードを他の家よりも上げようと思えばエンジンはほぼ同じなので
船体を良い物にすれば良い
しかし他の家はそれが理解できていなかったので
エンジンへ不正な改造が施されているのではないかと疑ったんだ
その時は兄貴が講習会のようなものを開き、
そして公正な検査を公開で受けたことで結果的に容疑は晴れた
兄貴は地元の漁業に最新科学という革命をもたらした
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兄貴すげえじゃん
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続けて
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兄貴が大学へ進み、
俺は名前さえ書ければ入れるような地元底辺の水産高校に通った
兄貴が俺からすると謎すぎる研究をしている時に俺は遊んでた
兄貴がたまに俺へ技術のメカニズムを説明するけれども
学校で習ってる内容と全然違うし全く理解できなかった
「お前はもっと本を読め。俺の本棚から好きなの持っていって良いから」
と言われてたものの1度も読んだことは無かった
タイトルからして小難しそうな兄貴の蔵書は全く読む気がしなかったからだ
兄貴の元へは地元のベテラン漁師が意見を求めに来るほどだった
近年の機構の急激の変化によって
海流が変化しそういった細かいデータを持っているのは兄貴くらいなものだったからだ
兄貴は疑われた過去なんか気にせずに、
むしろ「ベテランとの会話は勉強になる」と喜んでた
そんな兄貴だから地元での評価も高かった
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こんな兄貴に>>1を言わせるとかどんな真似したんだ…
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兄貴は大学を卒業し就職した
「外の世界を見たほうが実家の経営にも役立つだろ」と言って
兄貴が就職した先はいわゆる3大商船の大手で
地元の漁師たちはおらが村が生んだ天才と宴会が開かれみんなで喜んだ
兄貴は自分で働いて稼いだ金を相変わらず無欲にもほとんどを実家へ入れていた
「本とか研究に使うもんだけ買えりゃ良いわ」と楽しそうに言っていたのを
今でも覚えてる
俺は実家で働いていて貰ってた給料はほぼ全額使ってた
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むっちゃ良い兄ちゃんじゃん
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この辺りから姉貴達の兄貴への当たりが厳しくなっていった
コレは俺の勘なんだけれども理由はたぶん姉貴達の結婚相手のせいだ
何せ義理の弟は海のエリートで年収も物凄くある
それへ天狗になることもなく休暇中は実家や地元の他の家の仕事を手伝ったり、
若い漁師に船の免許の勉強を教えたりして評価も高く、
やんちゃやってた連中も兄貴には頭が上がらない感じだったんだ
義理の兄達から見れば男としての差が圧倒的すぎた
自分達は土木やらライン工やらと底辺みたいな仕事をしつつも給料は兄貴ほどない
兄貴はギャンブルをやらないし酒も付き合い程度にしか飲まず、
唯一浪費と言えるタバコもそこまでヘビースモーカーというわけでもなく、
コーヒーに合うからと自分で紙巻いて作る何だか洒落たやつだ
そのくせ「僕今までお義兄さん居なくて欲しかったんですよ?」と
持ち上げ気分を悪くさせない言動を取る
実の弟の俺ですら比べられたくないと思うのに
義兄という立場なら更に感じてたことだろう
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ほうほう、んでんで
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ある時の兄貴の休暇中に両親が突然兄貴を呼び出して告げた
「お前を漁師にさせるわけにはいかない」と
これには俺も姉貴も驚いた
どう考えても誤った判断だ
親が言うにはそのまま実家へ金を入れつつ
研究を地元の役に立ててほしいということだった
さすがの兄貴も「いや今まで俺は漁師を継ぐためにやってたんだから
それは無いだろ父さん突然すぎるし遅すぎるよ」と珍しくちょっと怒ってた
それでも両親は頑なで、
兄貴がチラッと俺や姉貴たちを見て助けを求めてたのがわかった
この時の俺や姉貴達は馬鹿だった
完璧すぎる兄貴に意地悪できるなと考えてしまったんだ
俺達は兄貴へ助け舟を出さず見捨てた
兄貴も助け舟がないことを察し観念してか
「わかった」と小さく呟いて自室に戻っていってしまった
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次の日の兄貴はいつも通りだった
「あぁ言うんだもの仕方ないだろ親父もボケたか?w」と笑い飛ばしていて安心した
それからの兄は両親の言うとおりに金を入れて研究を地元で活かしていた
兄貴ではなく俺が継ぐということになったので
兄貴は「帳簿くらい読めるようになれ」と俺に経営の指導を始めた
流石の俺も金のことがわからないのはヤバイと感じたので
真面目に兄貴の話を聞いた
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それから3年が経ち、兄貴は突然1人の女の人を連れてきた婚約者だ
俺はここからは推測すら立たない
なんでこうなったか全くわからない
両親と姉貴達が兄貴の結婚に大反対した
姉貴達が中心となって「お前は絶対に騙されてる」
「この女は水商売女か?」などと罵倒した
両親も「お前が入れてくれる金が少なくなるのは困る」
「まだ結婚は早い」などと言うのだ
俺は兄貴が嫌いだ
でも1人の男としての尊敬できるし
俺が漁師の跡取りとして目指すべき目標だとも思ってた
だから兄貴の婚約者を見た時は
「美人捕まえやがったな隠れてうまいことやってんじゃんwww」
くらいにしか思ってなかった
でも他の家族が反対を始めた
婚約者さんは涙を流し、あの兄貴が激怒した
「俺の家族となろう女に対して何なんだその態度!?
水商売女だぁ!?お前ら頭おかしいんじゃねえか!?」
「このクソ野郎ども・・・もう我慢の限界だ!
俺がどんなに自分の家族が欲しかったか・・・
俺がどんなに新しい家族を紹介できることを楽しみにしてたか・・・」
「俺は家族のためにずっと!ずっと!クソガァァァ!!!」
こんなに怒り狂った兄貴は初めて見た
あまりの怖さに俺は声も出なかった
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うわぁ・・・俺有能じゃねぇけど>>29の流れ経験したわ・・・
思い出して頭くらくらしてきた
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急展開きた!
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兄以外の家族クズ過ぎワロタ
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こんな兄貴の何が嫌いなのかわからん
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「お前らはもう俺の家族じゃねえ!
一銭の金も渡さん!知恵も渡さん!研究データも全部消してやる!!!」
「許さねえからな!絶対に俺は許せねえぞ!!!
お前らとは親でも子でも姉弟でもねえ!絶縁だ!俺はお前らを捨てる」
「帰るぞ○○(婚約者)!俺を敵に回したことを後悔させてやる!!!」
怒り狂ったまま兄貴は家を出て、そのまま帰ってくることはなかった
ここからうちの家の没落が始まる
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うちに起きたことはまず地元での評価が著しく下がった
誰が流したのか事の顛末が地元で知られ白い目で見られるようになった
今まで兄貴が知識と経験で整備していた船の整備精度が落ちて
故障率が圧倒的に増えた
兄貴が造船所と話し合って作ったものだから
細かい部分は兄貴と造船所しか知らない
そして造船所が非協力的になった
造船所も兄貴の知識を得られていたので信頼を寄せていたが、
兄貴が居なくなればお察しだ
更に銀行からの融資額も桁単位で目減りした
漁協魚連もうちをテキトーに扱うようになった
地元の情報共有すら危うくなったので
兄貴の力で上がってた漁獲高もみるみる下がる
経営は2年で思いっきり傾いた
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漁獲高を仕事量でカバーするために
義兄達も仕事の合間に手伝ってくれるようになるが全く足りない
そして最後に年齢と過労とストレスで親父が死んだ
親父が死ねば俺の経験量なんて雀の涙ほど
経験を補う兄貴のような知識量もない俺ではどうしようもない状況へ陥った
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ざまあwwwww
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兄貴と>>1は顔は似てるの?父親が違うとか…
親子が分かり合えないなら、せめて兄弟は仲良くあるものだと思ったけど
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俺達兄弟が港を盛り上げてこうぜ!・・・って未来もありえただろうにね・・・
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お兄さん、本当にスゴい人
なんですね…。
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親父の葬式の当日、兄貴が久々に家へ来た
兄貴は通夜にも葬式にも出なかった
連絡先すらわからない状況だったのに、
親父が死んだことをどこからか知って訪れたようだ
兄貴は最新型のGT-Rに乗っていた
仕事の終わりに来たのか高そうなスーツも着ていた
腕にも高そうな時計をしている
兄貴は一言「俺の相続は現金で良い」と言った
姉貴が「直ぐにそんな話をするなんて」と叱ったが「黙れ」と冷たく兄貴は言い放った
そして親父の保険金を考えても
うちには遺産として均等に分配できる現金なんて無かった
それが用意できない場合、今ある仏敵名資産を売って現金を作らなければならない
つまり家や土地や船や漁具を売るってわけだ
兄貴は冷たく「金が無いなら売れよ」と言う
姉貴達は「お母さん達の生活が」というと
「恨みを返してやる」と激情と言った顔で言われた
その一言に場は凍りついた
母も姉貴達も泣いていた、兄貴はそれを無表情で見ていた
兄貴は俺を名前を呼んだ
そして「お前が継いでんだから腹くくれや」と言った
更に「車を見たか?この時計も。俺はな絶縁してから会社を立ち上げたんだよ。
今じゃ俺の年収は3000万超
たぶん今回の遺産相続しても200万いかないんじゃね?俺の1ヶ月の収入以下だな
だがな俺は奪うぞお前らから。俺は成功しお前らは地に落ちる。
これが俺の復讐だ。ざまあみろ」
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俺はもう漁師じゃない
今は義兄の紹介で土木で何とか食ってる
親父が死んでから母の体調も悪い日が多くなり最近は痴呆も進んでる気がする
色々売っぱらっても相続は兄貴の言うとおり200万程度だった
生活や母の介護でもうその金も存在しない
兄貴はたまに俺や姉貴達のところへ来る
良い車に乗って、綺麗な服装をして、小さな女の子2人と嫁さんで、
他人が羨むような家族像を見せ付けに俺たちの元へ来る
姉貴の子供達はお土産を持ってきてくれる兄貴が大好きのようだ
クリスマスプレゼントとかも良い物を贈ってくれるそうだし
しかしその度に俺達は心が苦しくなる
そして過去の自分を呪いたくなる
これは馬鹿な俺の家の実話だ、以上
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兄貴すげえな
そこに行き着く前に大体情に負けるもんだが
乙でした
>>1も兄貴が見直す位になって見返してやれ
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裁判起こされること考えたら即刻遺産放棄しなきゃ死ぬなw
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ホント、馬鹿だね
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本日のメシウマスレ
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もうゲームでいうハメ状態だな。日々の糊代をしのぐだけで絶対に逆転できない。
それを兄貴が完全に理解している。
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文面読む限りは>>1も案外きっちりしてるような気もするなー
兄貴はきっちりメシウマしたんだし、>>1は自身の地力で自分の人生生きればいいさ
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>>1カワイソス…なのか?
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お兄さんの復讐計画がやばい
絶縁した時から計画されたものだったんだろうか
しかも未だに追い討ちかけて来てるとは・・・
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兄貴のアイデンティティが「家族」だったんだろうなあ
家族だからどんなに迷惑かけられても怒らなかった
新しい家族を否定されたから激怒した
そして絶縁して家族ではなくなったから手加減しなくなった
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文面見ると1ちゃんも頭良さそうだな。
暗黒面に墜ちた兄貴とやり合えそうだけどな…
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