千川ちひろ「告白されるとしたら」back

千川ちひろ「告白されるとしたら」


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1:
ちひろ「あのー、凛ちゃん。ちょっといいですか?」
凛「うん、どうしたの」
ちひろ「いきなりなんですけど……愛の告白されるとしたら、どんな風にされたいですか?」
凛「本当にいきなりだね……」
ちひろ「さっき恋愛ドラマ見てたんです。なんだか気になっちゃって」
凛「まあ、たまに考えるよね。そういうこと」
ちひろ「ですよねっ! というわけで、教えてください!」
凛「うーん……」
2:
凛「まあ、告白なんてあっけないものだよ、たぶん。夢見すぎてもいけないと思う」
ちひろ「えぇー。凛ちゃん理想が低いです」
凛「だって告白するされる間柄なら言葉なんて、そう要らないんじゃない?」
ちひろ「言葉って大切ですよ? 以心伝心なんて当てになりません!」
凛「確かにテレパシーでスタドリは売れないと思うけど……」
凛(……言葉か)ポワポワ
3:
『なあ、凛。俺と一緒になってくれないか?』
『……そんな簡単に頷くんだな』
『もうちょっと、よく考えた方が良いんじゃないかな?』
『だって、さり気なくとんでもないお願いするかもしれないだろ』
『例えば……お嫁さんになってください、とかさ』
『一度頷いちゃったら、取り返しはきかないけど……それでもいいよな?』
凛(……大事かも)ポワワ
5:
凛「……なるほど。言葉って大事だね」
ちひろ「ですよね。大切な告白なんですし、大胆なのがいいですよ!」
凛「だ、大胆!? あんまりとんでもないのはダメ!」
ちひろ「それじゃつまらなくないですかー?」
凛「それくらいでいいってば……!」
ちひろ「凛ちゃんはもっと夢持ってもいいと思いますよ?」
凛「戻れなくなるよ!」
ちひろ「どこから!?」
凛(一度夢見たら絶対覚めなくなる……)
7:
ちひろ「有香ちゃんって結構モテそうですよね?」
有香「私がですか? いえ、そんなことありませんよ」
ちひろ「またまた、こんなに可愛いのに」
有香「もう、おだてないでください。そうだとしても、Pさんのおかげですから」
ちひろ「ああ、女の子は男の子のために綺麗になりますもんね!」
有香「そ、そんなことありません!?」
ちひろ「あんまり有香ちゃんがモテると、プロデューサーさんもうかうかできませんねー」
有香(うかうかできない……?)ポワポワ
8:
『すまん有香……もう、お前を可愛くしていくことが出来ない……』
『今まで以上に可愛いお前を、他のやつに見せたくないんだ』
『可愛い有香を、俺だけのものにしたい。俺のためだけに可愛くなってくれ!』
『有香のこと、俺のものにしたいんだ。わかってくれるよな……?』
有香(はわわっ……!?)ポワワ
9:
有香「技ありっ!?」
ちひろ「ひええっ!? 突然受身とってどうしたんですか!?」
有香「耐えました! 一本は取らせませんでしたよ!」
ちひろ「何と闘ってるんです……?」
有香「負けません! 押忍っ!」
ちひろ「有香ちゃんは無敵かも知れませんけど……でもやっぱり、プロデューサーさんには勝てませんよね?」
有香「むっ、どういうことですか?」
ちひろ「有香ちゃんが大好きな気持ちは、あの人が一番ですからね♪」
有香「はうっ!! 一本!!」
ちひろ「何が決まったんですか!?」
有香(独り占め……!!)
10:
ちひろ「紗南ちゃんは、プロデューサーさんとよくゲームするんですか?」
紗南「ん? まーね。Pさんも中々ゲーマーだし」
ちひろ「仲睦まじいですねー」
紗南「ふふーん。あたしとPさんなら、攻略できないものはないよ!」
ちひろ「クレーンゲームとかどうなんですか?」
紗南「Pさんなら取り放題も夢じゃないかな?」
ちひろ「へえ、アクションゲームは?」
紗南「Pさんのコンボは手強いよ!」
ちひろ「じゃあ恋愛ゲームは?」
紗南「Pさんに落とせないヒロインはいない!」
ちひろ「紗南ちゃんも落とすんですかねー?」
紗南(そりゃPさんが全力で落としに……えっ?)ポワポワ
12:
『さて、そろそろ紗南のことも攻略しないとな。完全攻略が目標だし』
『紗南のルートに入るのには苦労したけど、おかげでコンプリートできそうだよ』
『あ、抵抗しても無駄だぞ? 紗南がどれだけ頑張っても俺が必ず攻略しちゃうからね』
『どんなエンディングでも、俺と紗南なら幸せになれる、いや、してやるからな……』
紗南(堕ちた……)ポワワ
14:
紗南「ち、チート禁止ー!」
ちひろ「えー」
紗南「あたしモブだから! 攻略できないの!」
ちひろ「Pさんなら力ずくでしそうですけどね」
紗南「っていうか、それならあたしの方が先に攻略してやるんだから!」
ちひろ「わ、攻略合戦ですね」
紗南「ゲームなら負けないし! 絶対負けない!」
ちひろ「その意気ですよ紗南ちゃん!」
紗南(……あれ? これって結局Pさんと……)
15:
ちひろ「聖ちゃんは結構ロマンチストっぽいですね」
聖「ロマンチスト……?」
ちひろ「例えば、聖ちゃんが告白されるとしたら、どんな風にされたいですか?」
聖「こ、告白、ですか……!?」
ちひろ「いや聖ちゃん美人じゃないですか。もうモテモテですよ?」
聖「そんな、こと……少し、困ります」
ちひろ「恋もロマンチックなんでしょうねー」
聖(ロマンチック……)ポワポワ
17:
『そろそろ聖の返事も聴きたいな。俺は聖が好きだって伝えたぞ?』
『聖なら、きっと愛情たっぷりに歌って返事してくれるよな』
『ああ、返事を聴くまで聖のこと帰さないからな。こうやって、ぎゅーってし続けるぞ』
『もちろん歌い終わりそうになったら、その唇を塞いであげるからな……?』
聖(歌えません……っ!)ポワワ
18:
聖「ぜ、全然ロマンチックじゃないです……!」
ちひろ「あれー。聖ちゃん達らしいと思うんですけど……」
聖「Pさんはそ、そんな人じゃ……」
ちひろ「あらあらー? 私はPさんが相手だなんて言ってませんよー……へー?」
聖「あっ、ちが……その、なんとなくで……!」
ちひろ「なんとなく……愛しちゃってます?」
聖「愛しっ……まだ、そういうのは早くて……!」
ちひろ「ふふ。まだ……?」
聖「あう……」
ちひろ「大丈夫です! Pさんなら絶対、聖ちゃんと添い遂げてくれますよ!」
聖(そんなの……毎日聖夜になっちゃう……っ)
21:
ちひろ「加奈ちゃんは、告白とか夢見てそうですよね」
加奈「ええっ!? 私にはまだ恋バナは早いですよぉ!」
ちひろ「照れちゃって可愛いですねー。お相手はどんな人がいいですか?」
加奈「そ、それはもちろん……優しくてかっこよくて、いつも私のこと見ててくれる……えへへ」
ちひろ「プロデューサーさーん! 加奈ちゃんが呼んでますよー!」
加奈「わー、わー!? やめてくださいーっ!」
ちひろ「うふふふ、そのメモ帳見られたら、何か困ることがあるんですかー?」
加奈(はうっ……)ポワポワ
23:
『おっと加奈、そのメモ帳には何が書いてあるのかなー』
『もしかして、俺と恋人同士になるための必勝法とか?』
『まったく加奈は心配性だな。そこまで俺と一緒になりたかったのかな?』
『大丈夫だぞ、そんなことメモしなくても。俺が直接、何度でも教え込んであげるから』
『メモするまでもなく永遠に忘れられないくらい、ふたりでラブラブになってみようか……?』
加奈(ラブラブ……っ!)ポワワ
24:
加奈「め、メモどころじゃなくなっちゃいます!?」
ちひろ「あらあら、加奈ちゃんもおませさんですね!」
加奈「そ、そそそんなこと……ないこともないような、あるような……?」
ちひろ「うふふ……プロデューサーさんも、色々と教えがいがありそうです」
加奈「うう……これ以上は覚えきれませんよぉ……」
ちひろ「いざという時はやっぱり、身体で覚えないとですね!」
加奈「か、カラダでですか!?」
ちひろ「ええ、アイドルは歌って踊るのがメインですし……あれ、加奈ちゃん?」
加奈(プロデューサー専用のメモ帳にされちゃう……っ!)
26:
ちひろ「あ、美嘉ちゃんと莉嘉ちゃん」
美嘉「ちひろさん、おはよっ」
莉嘉「おはよー! Pくんどこー?」
ちひろ「残念だけど、プロデューサーさんはおでかけ中です」
莉嘉「ぶぅ。つまんなーい!」
ちひろ「まあまあ、私とお話でもして待ちましょう」
美嘉「それがいいかもね。ヨユー持つのがオトナってやつ★」
莉嘉「おおー。お姉ちゃんおっとなー!」
ちひろ「じゃあ、オトナなお話……告白されるとしたら、どんな風にされたいですか?」
莉嘉「はいはーい! 靴箱にラブレター入ってて、呼び出されたあと……って感じ!」
美嘉「あはは、莉嘉古いよそれ! やっぱ夜景デートが定番っしょ!」
ちひろ「ふふ、じゃあ……それより刺激的でオトナな告白、されてみたくないですか……?」
莉嘉(刺激的で……)ポワポワ
美嘉(オトナ……)ポワポワ
28:
『莉嘉はまだまだお子様だな……そういう所も可愛いけど、早くオトナになりたいのか?』
『しょうがないな。じゃあ俺とオトナの階段、ひとつひとつ上ってみるか』
『心配はいらないよ。一段ずつ、俺がきちんとエスコートしてあげるからさ』
『いっぱいオトナのこと教えてあげるから、ひとつも忘れちゃダメだぞ?』
『オトナになったら、一緒にお姉ちゃんに自慢しちゃおうか……?』
莉嘉(オトナってすごい……☆)ポワポワ
『美嘉はもう十分大人だしな。子どもみたいにいちゃいちゃしなくても、いいよな』
『なんたってお姉ちゃんだし、まさか甘えちゃったりしてこないよな』
『もちろん甘えてもいいけど……子ども扱いしちゃうぞ?』
『もし美嘉がまだまだ子どもだったら、厳しい教育が必要だよな』
『ああ、安心していいぞ。美嘉が大人になれるまで、俺が手取り足取り、肌身離さず付いていてあげるから』
『それで大人になったら、ちゃんと妹に報告しないとな。大人になった美嘉の姿を、な……?』
美嘉(大人ってすご……★)ポワポワ
29:
美嘉「うわわ、無し無しそういうの! 莉嘉にはまだ早いって!」
莉嘉「なんでー!? お姉ちゃんだけズルイー!」
美嘉「あ、アタシも遠慮しとこうかなぁ……?」
ちひろ「まぁまぁ、プロデューサーさんも、二人の成長を楽しみにしてることですし」
莉嘉「やたーっ! Pくんが言うなら仕方ないよね☆」
美嘉「だ、だだだめー! 莉嘉がするならアタシだってするもんっ!」
莉嘉「じゃあ、莉嘉とお姉ちゃんとで一緒にしちゃうー?」
美嘉「そ、それは……ぷ、プロデューサーの意見も必要じゃないかな!?」
ちひろ「あ、プロデューサーさんおかえりなさーい」
美嘉「わー! まだ心の準備がー!」
莉嘉「お姉ちゃんどこ行くのー!?」
ちひろ「ふふ……お二人にはまだ早かったですかね?」
美嘉(もうちょっと待ってプロデューサー……!)
莉嘉(お姉ちゃんと一緒に早くオトナになってー……えへへ☆)
30:
ちひろ「あら、この眼鏡……誰のかしら?」
春菜「すみませーん、この辺りに私の眼鏡を忘れてませんでしたか?」
ちひろ「あ、春菜ちゃんのだったんですね。はい、どうぞ」
春菜「ありがとうございますちひろさん! お礼に今度、ちひろさんに似合いそうな眼鏡差し上げますね!」
ちひろ「あはは、楽しみにしておきます。春菜ちゃんは、ほんとに眼鏡が好きなんですねー」
春菜「ええそれはもう。眼鏡と一心同体ですからね!」
ちひろ「でもたまには、眼鏡を着けてない春菜ちゃんも見てみたいです」
春菜「うーん、多分一生着けたままでいるんじゃないかと思いますけど……」
ちひろ「プロデューサーさんも見たいって言ってましたよ?」
春菜(Pさんが……)ポワポワ
31:
『せっかく二人きりになれたのに……まだ眼鏡着けるんだ?』
『いいや、似合ってるよ。その眼鏡、とても可愛いと思う』
『でもね。俺といるときは、可愛い眼鏡を外していて欲しいんだ』
『もしかすると、春菜が眼鏡にヤキモチ妬くかもしれないだろ?』
『俺が好きなのは春菜だよ。眼鏡をかけなくても、はっきり見えるくらい近くにいて欲しいな……』
春菜(ア、アリかもですね……っ!)ポワワ
32:
春菜「だ、だからって眼鏡は外せませんけどっ!」
ちひろ「ちぇー。残念です」
春菜「期待してもダメですよ! 眼鏡は私にとって体の一部みたいなものですから!」
ちひろ「隠された部分が見たいです!」
春菜「見せません!」
ちひろ「うう……見れるのはプロデューサーさんだけなんですね……」
春菜「や、Pさんにも見せませんよ!?」
ちひろ「ぶー。けちー」
春菜(でも寝てる間にこっそり、なんて……!?)
33:
ちひろ「美優さん、そのドレス似合ってますね!」
美優「そうですか……? ふふ、嬉しいです」
ちひろ「でも美優さんほど綺麗な人が、未だに独身だなんて信じられません……」
美優「もう。おだてても何も出ませんよ」
ちひろ「いやいや、ほんとです! 私がプロデューサーだったら放っておきませんし!」
美優「ありがとうございます……でも、お断りしなくちゃ」
ちひろ「あ、もう心に決めた人がいらっしゃると?」
美優「い、いえ……そういうわけではっ。あの、アイドルだから……」
ちひろ「あら? プロデューサーさんが、美優さんといると楽しいな、って言ってましたよ?」
美優「えっ!」
ちひろ「プロデューサーさんと一緒なら、毎日がドキドキハラハラだと思うんですけどね……」
美優(毎日が……?)ポワポワ
34:
『美優さん、いよいよこの日が来ましたね』
『今日という日を待ち焦がれてたんです。あなたと出会ったその日から、ずっとね』
『今から美優さんは、永遠に俺と離れることができなくなりますからね。心の準備はできてますか?』
『愛の契りを交わしたその瞬間から……俺と美優さんの、運命が一つになるんです』
『ふたりの愛の結晶、一緒に育んでいきましょうね?』
美優(ドキドキ孕孕……!?)
35:
美優「そんなのダメです……身体がもちませんっ!」
ちひろ「そ、そんなに嫌なんですか?」
美優「あの、嫌ではないんですよっ? でも私の身体がもつかどうか……!」
ちひろ(ああ……プロデューサーさんとのデートは大変ですからね)
ちひろ「プロデューサーさんなら一日中もありえますねー」
美優「一日中……!? Pさんと、一日中……!?」
ちひろ「多分、プロデューサーさんならそうでしょう! なんたって美優さんですし」
美優「うう……ち、ちなみに、あの、何人くらい欲しがってるんでしょう……?」
ちひろ(何人? ああ、新しいアイドルの数かな?)
ちひろ「たしかこの前、あと20人は欲しいって言ってましたよ?」
美優「に、20人……が、頑張ります!!」
ちひろ「卯月ちゃんのマネですか? 可愛いですよ♪」
美優「この調子で夜も頑張らないと……!」
ちひろ「いいなあ、結婚……」
美優(栄養つけて、健康にも気を配って……いつでも万全にしなきゃっ)
38:
ちひろ「泉ちゃんはほんとクールですねー……」
泉「……? ちひろさん、よく分からないよそれ」
ちひろ「いえいえ。褒めてるんですよ、いつでもクールだなって!」
泉「そうかな。無愛想って言われるだけだと思うのだけど……」
ちひろ「無愛想だなんて、とんでもないです! 泉ちゃんは実は感情豊かな娘ですよ?」
泉「いまいち実感がないけど……どうして?」
ちひろ「だって、プロデューサーさんがよく話してくれますからね!」
泉「Pが……?」
ちひろ「はい! 泉ちゃんのこと、知り尽くしてる人ですよ!」
泉(私が……知り尽くされて……?)ポワポワ
39:
『フフ……好きな娘のことで知らないことが、俺にあるとでも思ってたのかな?』
『残念だけど、泉の全ては俺の手の中だよ。好き嫌いも得手不得手も、ね』
『つまり……今、泉が俺に望んでいることも、ぜんぶ分かってるんだ』
『でも、もしかしたら間違ってるかもしれないな……それだと面白くないよな?』
『皆まで言わなくても、泉なら察してくれるだろ? 可愛いおねだり、泉の口から聴きたいな……?』
泉(はっきんぐされるぅ……っ!)
40:
泉「私の心を弄ぶのはダメ!」
ちひろ「ぷ、プロデューサーさんはそんなことしませんよ!?」
泉「わからないよ。Pは、簡単に心のセキュリティを破ってくるから」
ちひろ「おや、経験談ですか? ちょっと詳しく聞きたいです!」
泉「や、私は大丈夫。理性がある限り負けないよ」
ちひろ「あちゃ、やっぱり泉ちゃんはクールですねー」
泉(理性を無くしたことがないとは言ってないけど……ね)
41:
ちひろ「暑いですね……茜ちゃん……」
茜「そうですか? 今日は涼しくていい天気だと思います!!」
ちひろ「だって最高気温が、今月最高らしいじゃないですか……」
茜「太陽も元気です!! 負けてられませんよ、ちひろさんっ!!」
ちひろ「熱い……やっぱり、茜ちゃんがされる告白も、相当熱いんですかね?」
茜「告白? なんのですか?」
ちひろ「それはもちろん、愛の、ですよ」
茜(あ……愛!?)ポワポワ
42:
『茜ーーー!! 茜、聞こえるか? 茜!! 返事はしなくてもいい……ただ聞いていてくれればいい……』
『俺の理性は逝ってしまったよ・・・全て自分が悪かった、って言い残してね。でも、そんな事はもういいんだ……』
『……いいんだよ。それとも、その事で俺がお前を責めるって思ってるのか?』
『なぁ、俺達はこの一年間、一体何をしてきたんだ? 俺達のこの一年間は一体何だったんだ……?』
『まだ何も答えなんて出てないじゃないか……』
『……憶えてるか? あの時、事務所で初めて出会った俺達は、ちひろさんに無理やりプロデュースを押し付けられて……』
『何もわからないまま、芸能界というリングに放り出された……』
『俺は、無我夢中で闘った!! でも終わってみれば、周りは素知らぬ顔で後のことしか考えちゃいない』
『でもそれで、俺達のプロデュースが終わってしまっていい訳がないだろ……?』
『確かに、俺達はLIVEに勝った。でもそれは全て、お前がいつも一緒に居てくれたお陰なんだ』
『そうだよ……お前と俺とで闘ってきた勝利なんだ。だから、これからも一緒じゃなくちゃ意味が無くなるんだ』
『なぁ茜、総選挙の朝、俺は言ったよな?CDデビューしたら、お前に聞いて欲しいことがあるって』
『俺はプロデュースすることしか出来ない不器用な男だ。だから、こんな風にしか言えない……』
『俺は……お前が……お前が…………』
『お前が好きだぁ!!!! お前が欲しいーーー!!!!』
『茜ーーーッ!!!!』
茜(プロデューサーーーっっ……!!!!)ポワワ
46:
茜「そ、そんなの恥ずかしすぎます!!」
ちひろ「わ、珍しく茜ちゃんが照れてます」
茜「な、なんなんですかプロデューサーは!! 私、許せません!!」
ちひろ「うわー……茜ちゃんが怒ってます……!」
茜「罰として、その……今度ふたりでお出かけします!!」
ちひろ「かわいい」
茜「私に相応しいプロデューサーになれるよう、一から鍛えなおしですから!!」
ちひろ「あ、プロデューサーさんと休み合わせときますねー」
茜「ありがとうございます!!」
ちひろ「いやー、プロデューサーさんも幸せ者ですね! こんなに愛してもらえるなんて!」
茜「あ、あいっ……!? と、とととりあえず走ってきまーーーーすっ!!!」
ちひろ「え、こんな暑いのに!?」
茜(熱々カップルになっちゃうじゃないですかーーー……!!!)
47:
ちひろ「皆、もうちょっと夢があればいいんですけどねえ……」
ちひろ「せっかくの愛の告白くらい、夢見てもいいですよね」
ちひろ「プロデューサーさんとか、絶対大胆な告白してきそうです!」
ちひろ『もうお前しか見えない……お前のためなら世界を敵に回してもいい!』
ちひろ「とか……」
ちひろ『ちひろのためなら死ねる!』
ちひろ「なーんて言われたりしてっ!」
まゆ「それいいですねぇ」
ちひろ「そう思いますよねっ!」
まゆ「まゆもPさんにそう言われたいです」
ちひろ「やっと共感してくれる人に出会えましたよー!」
まゆ「ウェディングドレスまで着せて……うふふ」
ちひろ「捗りますね! ところでさっきから姿が見えませんけどどこに」
48:
P「っくちゅん」
凛「どうしたの? 風邪?」
卯月「風邪は饅頭の元ですよ、プロデューサーさん!」
未央「いやしまむー、万病だから!」
P「いやな……誰かが噂してるのかもな」
凛「ふーん……ところでさ」
P「うん?」
凛「えっと……何か……言うことない?」
未央「ごめんしぶりん! この前しぶりんのロケ弁から、から揚げ一個貰っちゃった!」
卯月「ええっ!? 私の分の減りが早かったのも、未央ちゃんのせいだったんですか!?」
未央「それ、しまむーが食いしん坊なだけだし!」
P「今日はオフだぞ?」
凛「そうじゃなくて……やっぱなんでもない。っていうか未央それ初耳」
未央「えへへ」
P「変な凛」
凛「はいはい」
卯月「?」
未央「?」
凛(やっぱり言葉がなくても……ね)
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