モバP「チョーカーだから、チョーカーだからこれ」back

モバP「チョーカーだから、チョーカーだからこれ」


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1:
奈緒「いや、だってそれどう見たって……」
P「チョーカーで画像検索してみろって。黒皮のベルトっぽいのもあるから。俺お洒落さんだから」
奈緒「あ、ホントだ。でもスーツにチョーカーってのがそもそもおかしいだろ」
P「知らねーの? 今業界人の中で流行ってんだよ。俺もこういうのに合わせていかないと先方の印象が悪いの」
奈緒「マジで?」
P「マジ。大マジ。だからもうこれについては聞くな」
奈緒「ええー……」
凛「プロデューサー、時間だよ」
P「はい、ただいま」
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2:
奈緒「なあ、あれさぁ」
加蓮「んー?」
奈緒「やっぱおかしいよな?」
加蓮「何が」
奈緒「いや、プロデューサーの……チョーカー?」
奈緒「つーか、首輪?」
加蓮「ああごめん、雑誌読んでて見てなかった」
奈緒「おい」
加蓮「でもお偉いさんの間で流行ってるのは本当みたいだよ?」
奈緒「マジで!?」
加蓮「嘘」
奈緒「てめえ……」
3:
加蓮「話は変わるんだけどさ」
奈緒「なんだよ」
加蓮「この前凛の鞄の中身がちらっと見えたことあって」
奈緒「へー」
加蓮「長い紐みたいのが入ってた」
奈緒「へー、……へー?」
加蓮「何て言ったかな……ほら、犬の首輪に繋がってる」
奈緒「リード?」
加蓮「それそれ、リード」
奈緒「……」
加蓮「……」
奈緒「話変わってなくね?」
4:
加蓮「親友と恩師の性的倒錯な部分を目の当たりにするとどうしていいか分からなくなるね」
奈緒「待て待て待て待て。まだそうと決まったわけじゃあないまだ慌てるような時間じゃない」
加蓮「深夜に見ちゃった両親のプロレスごっことかさー」
奈緒「止めろ!」
加蓮「まあ……本人たちが納得してるならいいんじゃない?」
奈緒「納得してるのかあれ」
加蓮「なに、気になるの」
奈緒「いや気になるとかそういう問題じゃないだろ、おかしいだろ、真っ当なもんじゃないぞ」
加蓮「愛の形は様々だからねぇ」
奈緒「そうか愛か……え?」
加蓮「え?」
奈緒「愛なの?」
加蓮「愛でしょ」
奈緒「東郷姐さんじゃなくて?」
加蓮「私はそこまで笑いに飢えてないなぁ」
6:
奈緒「よよ、要はあの二人はいわゆる男女のお付き合いを?」
加蓮「どこまで行ったかは知らないけど、まあそうだね」
奈緒「いいのか? アイドルだぞ?」
加蓮「それを判断するのは私じゃないし」
奈緒「少しは興味を持ってくれよ……」
加蓮「凛の恋愛にそうそう心配するような変なことが起こるような気がしないんだよね。言いたいこときっぱり言うし、無理する子でもないし」
奈緒「今まさに起こってるじゃん、変なこと」
加蓮「だから愛の形は……」
加蓮「……」
加蓮「そうだね心配だね気になるね少し探ってみようか」
奈緒「『面白そうだ』って顔してんじゃねえよ」
加蓮「笑いには飢えてないけど娯楽には飢えているの」
奈緒「何が違うんだ……」
加蓮「退屈は敵だー。ただでさえ周りより『青春』という時間をロスしてるからさ、私」
7:
***
加蓮「えー、現在夜の10時です。凛の実家も流石にシャッター降りてるね」
奈緒「なあなあ」
加蓮「何?」
奈緒「なんかもうどうでもよくなってきた」
加蓮「『最近凛が犬の世話を積極的にしてくれるようになったのはいいけど、夜出歩かれるのは心配』との親御さんの発言は聴取済みです」
奈緒「帰ってまとめ借りしてたアニメ見たい」
加蓮「一方プロデューサーはというと、今日は夕方から営業に出てそのまま直帰だったそうです」
奈緒「アタシやだよ親友のナニかに踏み込むの」
加蓮「……」
奈緒「……」
加蓮「何見るの?」
奈緒「ボンバーマンジェッターズ」
8:
加蓮「例えばさぁ、二人が夜な夜な珍妙なプレイに興じてたとして」
奈緒「うん」
加蓮「私たちはそれを大笑いした後、どんな顔したらいいんだろうね」
奈緒「優しく見守るしかないと思う」
加蓮「それをシミュレートしてみたら急に気分が落ち込んできた」
奈緒「おう、アニメ見て癒されよう」
加蓮「寮泊まっていい?」
奈緒「お前も凛も着替え置きっぱなしじゃん」
加蓮「だったね」
奈緒「勝手にアタシのケースに自分の衣類ゾーン作りやがって」
加蓮「てへー」
9:
奈緒「そこまで広い部屋じゃないんだからよぉ」
加蓮「いいじゃんいいじゃん。とりあえず今日は帰ろ」
奈緒「だな。……あ、」
加蓮「プロデューサー……」
奈緒「凛も出てきたな」
加蓮「あー、あー、リード繋いじゃったよ」
奈緒「散歩……しちゃってんな……」
加蓮「写メ撮っとこ」
10:
***
加蓮「うーん、良くも悪くも子ども向け?」
奈緒「これはなあ、最後まで見ないことには面白さは伝わらん」
加蓮「何話まで?」
奈緒「52」
加蓮「長いよ……」
奈緒「だからこその感動ってもんがあるんだよ」
加蓮「ふぅん」
奈緒「次の土日に一気見するつもりなんだけど……来るか?」
加蓮「そうなったらまた泊まるし手料理も要求するよ」
奈緒「手伝えよ」
加蓮「いいよー」
11:
加蓮「……」
奈緒「マイティぃい……」
加蓮「……今頃発情してんのかなー、凛」
奈緒「ぶへぇっ!」
加蓮「奈緒ばっちぃ」
奈緒「何、何!?」
加蓮「二人がワンワンニャンニャンしてるのかなってことだよ」
奈緒「お、終わったじゃねえかその話は」
加蓮「いざ目にするのは怖いけど、想像を働かせる分には興味津々、みたいな?」
奈緒「ほっとこうぜ……お前の言うとおりだよ愛の形は様々だよもうアタシは考えたくないんだよ」
加蓮「逃げるのか!」
奈緒「絡むな抱きつくな! いいんだよ人ってもんは秘密の一つや二つ抱えて生きてくもんなんだよ!」
加蓮「奈緒が未だにアニメプリントのパンツ持ってたりすることとか?」
奈緒「おい、漁ったのか」
13:
加蓮「それは置いといて、ほら、さっき撮った写真」
奈緒「戻せ、置くな」
加蓮「このプロデューサーのさ、見てよ、しょぼくれた背中」
奈緒「お、おう……」
加蓮「犬っていうか……猿回しの猿?」
奈緒「ぶふっ!」
加蓮「反省!」
奈緒「やめ、止めろって」
加蓮 ケラケラ
奈緒「はー、はー」
加蓮「はー……」
奈緒「……」
加蓮「そして段々悲しくなってくる」
14:
奈緒「悲しいっつーか、落ち込む、すごい」
加蓮「うん」
奈緒「二人共何やってんだよマジで……」
加蓮「片方仮にも社会人」
奈緒「もう片方は現役アイドル」
加蓮「阿呆だね」
奈緒「アタシにはもう遠い遠い話だ……そういうことにしておく。寝て、忘れる。電気消すぞ」
加蓮「ベッドはシングル、枕はダブル」
奈緒「布団なら押入れの中な」
加蓮「ちぇー」
15:
---翌日---
凛「昨日の? ああ、うん。躾」
加蓮「躾プレイ?」
凛「プレイはいらないかな」
加蓮「今繋ぎっぱなしで正座させてるのも?」
凛「昨夜社宅に色々連れ込んでたってタレコミがね」
P「ちゃうねんあの後帰ったら何故か鍵が開いてて成人組が宅飲み始めてたんよ俺の部屋で……怖いよね、怖いよね」
凛「楓さんが合鍵持ってたんだけど」
P「……」
楓「この前のお泊りのときにちょろっと」
奈緒「プロデューサーさぁ、あんた男としても社会人としてもケジメとか無いの」
P「どこに落としたかなケジメ……」
加蓮「指でも落とす?」
奈緒「『事務所』の意味するところが変わってくるな」
P「最近のティーン・エイジャーマジこええ」
16:
凛「プロデューサー、ハウス、アンドデスクワーク。ハリー!!」
P「イエスボス」
加蓮「二人の絆だね」
奈緒「視覚的に確認できるな、絆」
***
凛「ふぅ」
加蓮「おつかれー」
奈緒「お疲れ、マジで……」
凛「本当にね」
奈緒「で、何だ。聞いていいのか分からないが……お前何してんの?」
凛「いきものがかり」
加蓮「カラオケ行きたーい」
17:
奈緒「あたま痛ぇ……」
凛「奈緒は心配性だ」
加蓮「真面目っこさんだ」
奈緒「一応聞いておきたいんだが、つ、付き合ってるとかそういうのなのか?」
凛「プロデューサーと? ここで断言できるわけないじゃん」
加蓮「その答えもどうなんだろうね」
奈緒「じゃあさっきのは何だっつー話だよ……相関図がさっぱり分からん」
加蓮「プロデューサーはモテるからね?」
凛「……ふん」
奈緒「え、加蓮あれで理解したの?」
加蓮「おいたが過ぎたってことでしょ?」
凛「まあね」
18:
奈緒「ん?……」
加蓮「トイレ?」
凛「我慢しないほうがいいよ」
奈緒「違う。その、何、アレさ」
凛「プロデューサー?」
奈緒「……よくクビにならないな」
加蓮「あー……」
凛「それは P「凛! 凛々! お凛々! CM2本と深夜ドラマのオーディション取ってきた! あちらさん『是非に』だって!」
凛「こういうこと、かな」
奈緒「なるほどな……」
加蓮「悩ましいねえ」
凛「スィッダウン!」
P「ハイ」
19:
奈緒「もーいいや、もーアタシは口を挟まん。理解の及ばぬ所には沈黙を、だ」
加蓮「えー、挟もうよ」
凛「最近の奈緒は擦れちゃって可愛くない。もっとあたふたしなよ」
P「そういや最近奈緒のトマト面見てないな」
奈緒「シャラップ!」
P「ハイ」
奈緒「いいか、アタシも、慣れる」
加蓮「もっとあの頃の純真な気持ちを取り戻そうよ」
凛「できるよ、奈緒なら」
奈緒「無理」
20:
加蓮「あ、そだ。凛って今週の土日空いてる?」
凛「ん」
P「そのように」
奈緒「便利だなー……」
凛「いる?」
奈緒「いらん」
21:
加蓮「奈緒んち泊まりに行こうって話でさ」
凛「分かった」
奈緒「来るのはいいけどうちはペット禁止だ」
凛「外に繋いでおくから大丈夫」
P「へいへーい、そんなことしたら俺死んじゃうゥー」
凛「……」
P「へいへーい」
凛「……」
P「……」
P「ちひろさんスカウト出張の申請お願いします。はい、土日使って北海道まで」
P「あとその2日俺が見る予定だった高垣さんたちのレッスンですが今回はトレーナーさんに全て任せると連絡を」
22:
---土曜日---
加蓮「おじゃまー」
凛「お邪魔します」
奈緒「おう」
加蓮「お母さん今日の夕御飯何ー?」
奈緒「生姜焼きとあと適当」
凛「買い物はこれから?」
奈緒「まあ夕方になってからでも遅くないしな」
23:
加蓮「お昼はこれ、色々買ってきた。見て見てこれ、パンズの代わりにレタスでハンバーグ挟んでるの。面白くない?」
凛「加蓮好きだよねこういうの。よく太らないなぁ」
加蓮「消化器官が弱いから?」
奈緒「止めろって」
***
P「北の大地クレイジーすぎるぜ。何でGW過ぎたのに雪が残ってんだよ。試されすぎだろ」
***
加蓮「で、ここにアニメプリントのパンツが」
凛「ホントだ」
奈緒「ふんっ!」
加蓮「ああっ、女の子が真っ二つに」
***
P「アイアムプロデューサー、レッツビカムアイドル! ……日本語喋れるの? へー、ハーフなんだ」
25:
加蓮「ボンバーマンとか懐かしいよね」
凛「私やったことない」
奈緒「マジか」
***
P「シンデレラガールズって最近聞いたことない? そうそうテレビとかによく出てる。これ名刺ね。君に是非うちのオーディションを受けてもらいたくて」
***
凛「ヒゲヒゲ可愛い」
加蓮「ヒゲヒゲー」
奈緒「団員のナンバーは覚えておいたほうがいいぞ」
***
P「モデルのスカウトもされたことがある? やっぱりなー、目とか髪とか綺麗で何て言うんだろう? 神秘的?」 
P「方向性としては幻想……妖精……サイバーもいけるか? パンクも狙ってみてもいいかもしれないけどうちの部署のカラーじゃないし……あ、はい?」
26:
加蓮「グランのおじさん……」
凛「……」
奈緒「何度見ても泣けるわこのエピソード……」
加蓮「凛が泣くとか珍しいねえ」
凛「泣いてないし」
***
P「今日はほら、仕事の一環でして。え? だから芸能事務所のプロデューサーだって言ってるじゃないですか。名刺に連絡先だって書いてあるし」
P「偽造? 連絡先もグル? ああ、その手の偽物はうちが独自に始末をいえ何でもありません大変ですよねそういうの」
***
奈緒「今日はここまでにしておくか」
加蓮「結局マックスって……」
奈緒「まあ後々分かる」
凛「面白かった」
奈緒「だろ?」
***
P「これはただのチョーカーですよ。実は今業界でブームになってまして。意味分かんないですよね、僕もです」
P「でもって僕はいつになったら娑婆に戻れるんですかね?」
28:
奈緒「前と同じで悪いが、布団は二人で使ってくれ。アタシが下で寝て二人はベッドでもいいんだけど」
凛「家主なんだから遠慮しなくていいよ」
加蓮「じゃーんけーん、ほい」
凛「はい」
加蓮「負けたー」
凛「勝った」
奈緒「何でベッドに潜り込んでるんだよ凛。ベッドはアタシっつったろ」
凛「私と奈緒がベッドで二人」
奈緒「何故」
凛「じゃんけん勝ったし」
奈緒「家主の権限は?」
加蓮「遠慮しなくていいよ?」
奈緒「いいからもう寝ろよお前ら」
***
P「帰らせてください……寝かせてください……」
29:
加蓮「ねえねえ凛」
凛「ん?」
加蓮「この前断言出来ないって言ってたこと、今なら言える?」
凛「何のことかな」
加蓮「プロデューサーのさ。早々に寝たふりに入った奈緒だって気になってるよ」
奈緒「ぐっ」
凛「……ま、いいけどね」
奈緒「んだよ、結局加蓮から話振るのかよ。理解ってるみたいなこと言ってたじゃん」
加蓮「本人の口から聞いてみないとさー」
凛「あの人はただ、こっちから縛っておかないと誰の為にもならないって、それだけのことだよ」
加蓮「まあ、ちょっとふらふらしすぎだよね」
奈緒「具体的な行動に移り過ぎているような……夜の徘徊とかどう弁解すんだ」
凛「主従関係ははっきりとさせておかないと」
奈緒「大変なんだな……」
加蓮「愛、だねえ」
奈緒「愛……愛の鎖ってやつか……」
凛「……」
加蓮「……」
凛「え?」
加蓮「え?」
奈緒「おやすみ、寝ます」
凛「何? 愛の、何?」
加蓮「私もよく聞こえなかった。あと三回言って?」
奈緒「寝ます」
***
P「どさくさに紛れてあの子の電話番号をゲットしたゾ。お巡りさんとはもう二度と関わりたくねえ」
30:
---それからしばらく---
P「というわけで新しい仲間のアナスタシアちゃんです」
アーニャ「よろしくお願いします、アーニャと呼んでください」
凛「……」
P「浮気じゃないよぉ?、仕事だよぉ?」
奈緒「信用無いな」
加蓮「残念だけど当然だね」
P「つーわけで俺はちょっと社長んとこ行ってるから適当に居る人で自己紹介でもしてて」
凛「ケイトさん連れてきたほうがいいかな」
アーニャ「ハーフなので日本語大丈夫です」
奈緒「へえ、見た目だけだと完全に……どこのハーフだって?」
アーニャ「Российская Федерация、ロシアですね」
加蓮「ウラー?」
アーニャ「ура」
31:
***
奈緒「──とまあ、今紹介できるところは紹介したかな」
アーニャ「リン、ナオ、カレン」
加蓮「オッケーオッケー」
凛「あと何か質問とかある?」
アーニャ「あー、そうですね」
アーニャ「彼はどうしてОшейник、首輪をしてるのです?」
奈緒「えー、うん……そうだな、気になるわな」
凛「……」
加蓮「アーニャ、あれはね」
アーニャ「?」
加蓮「愛の鎖……なんだよ」
凛「ぷっ、くくっ!」
奈緒「叩くぞ……」
加蓮「愛のムチ(笑)」
凛 ケラケラケラケラ
奈緒「正座! 正座だお前ら!」
アーニャ「oh……」
***
P「なんかこの前会ったばかりのロシアンハーフ美少女がまるで畜生を見るような目でこっちを見つめてるんだけどこれってご褒美ってやつ?」
奈緒「知らん……」
32:
以上、お粗末
34:

奈緒かわいいよ奈緒
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