結衣「よ、ようこそほうしぶへ・・・・・・って、比企谷くん?!」back

結衣「よ、ようこそほうしぶへ・・・・・・って、比企谷くん?!」


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1:
平塚「じゃあ由比ヶ浜、こいつのことは頼んだぞ」ガラピシャッ
結衣「ちょ、先生!」
八幡(俺はこの少女を知っている。二年J組、由比ヶ浜結衣。
 清楚で落ち着いた生徒が集まる国際教養科J組において唯一、
 アホっぽいというか良い意味で明るさが目立つ少女。
 パッと見で分かるほど社交的で人望もありそうな奴だ)
結衣「うぅ?。と、とりあえずどうぞ座ってください!」イスダシッ
八幡「お、おう」スワリンコ
5:
結衣「・・・・・・」
八幡「・・・・・・(何この沈黙。こいつ誰にでも明るく接するんじゃないの。俺にだけは例外なの)」
八幡「なぁ・・・・・・ここって何をする所なんだ?」
結衣「え、聞いてないの?あ、じゃあクイズね!プレゼントバイ結衣!な、なーんて」タハハッ
八幡「は、ははは」コヤツメッ
結衣「ここは何をするところでしょう!ヒントは私がここでこうしていることがヒント・・・・・・かな」
八幡「うーん。ケータイ部?」
結衣「そんな部あるかぁ!」
八幡「いやだって俺が入ってきたとき携帯いじってたし。うーむ」
結衣「もう答え言うよ?いいよね?」ソワソワ
八幡「お、おう(こいつ出題者の才能ないな・・・・・・言いたがりすぎだろ」
8:
結衣「答えはほうしぶでした!
 ケータイを買ってもらえない子にはおとうさんへのおねだりの仕方を、
 炭酸好きだけど歯が溶けて困ってる子にはそれ以外のジュースを、
 す、好きな人に告白できない子にはらぶれたーの書き方を!!!それがこの部活だよ」ドヤッ
八幡「なんだそりゃ。絶対そのセリフあらかじめ決めてあったろ。ていうかだからソワソワしてたんだろ」
結衣「しししてないし!口から出任せだし!」
八幡「出任せなのかよ・・・・・・。何奉仕部って。誰かに奉仕する部か。
 そうだとしても俺がなんらかの援助を受ける理由がないんだが」
結衣「う、うーん。比企谷くんていつも一人でいるじゃん。
 そこを改善する様にって言うのが平塚先生の依頼だとあたしは思うんだけど。どう?!」
9:
八幡「どうって何がどうなんだよ。なんで俺は初対面のお前から末期のぼっち認定されてるの。
 ぼっちは自称する分にはニヒルを気取ることも出来るが
 他人から言われると惨めでしかないことを知らないの。
 ていうかなんで俺がぼっちなの知ってるんだよ。ストーカーか何かなの。誰か みてるぞ」
結衣「誰がストーカーだし!なんというかちがくて・・・・・・ハッ
 そうあれだよ!比企谷くんて由美子達と同じクラスじゃん!だから話がよく出てくるんだよ」
八幡「由美子って三浦か?(やっぱこいつコミュ力たけえな・・・・・・うちのクラスの女王様を呼び捨てかよ)
 あいつが俺の話をしてるとかなにそれすげぇ怖いんだけど。
 もし、ぼっちうざいとかそういう話をしてるんだったら今一度考えなおして欲しい。
 うざいからぼっちなんだろう?ぼっちだからうざいとか言い始めたら
 デブが生きるために飯を食うのではなく、飯のために生きてるのと同じ様なもんだぞ?
 つまり太りたくないなら俺の話題を出すべきではない」サクランッ
結衣「そ、そんなん言ってないし!ほ、ほらよく話題に出るっていっても
 『比企谷くんているでしょ』『いるねぇ』とかそういうことくらいだよ!!」
八幡「わーい人気者」ケツルイッ
10:
結衣「とにかく!比企谷くんはここに来た以上はもう依頼者なの!あたしのカツカツなの!」
八幡「俺はハイヒールか何かか(管轄か・・・・・・?」
結衣「あたしが思うにまず比企谷くんは目つきが悪いと思う!それを改善しよう!!」
八幡「人の尊厳を踏みにじったと思ったら今度は生まれつきの部分まで否定かよ。
 自分じゃイケてる方だと確信してたのにそこを否定されちまったら
 誇れるものが国語学年3位と可愛い妹しか残らねえぞ」
結衣「誇れるものが少なすぎだよぅ・・・・・・しかも一つはキモいとか・・・・・・。
 (ていうか目つきが悪いってだけで、顔とかは」モジモジ
八幡「で、目つきだっけか。治して見ろよ。
 この目つきが治るものなら私もそうしよう。しかしこの両目、それだけでは止まらぬ!」エボシッ
11:
結衣「ワケわかんないし。よ、よーし。じゃああたしの目を見てみて!目を離してはいけません」
八幡「よしきた」 ジッー
結衣 ジーッ
八幡 ジーッ
結衣「・・・・・・。う。ううう。む、むり!何じっと見てんだぁ!」パーンッ
八幡「ひでぶっ?!何すんねん!本当アホなの!わけがわからないよ」
結衣「あごめん!ほんっとごめん!!!大丈夫?!見せて!!」ホッペナデナデ
八幡「う(ムニムニ)
 だ、大丈夫だからもういいから離れてよ!(スキンシップぱねえよ。やめてよね!勘違いするから!」
14:
コンコンッ
?「失礼します。ここが奉仕部と聞いて来たのですが」ガラガラッ
結衣・八幡「ふえ?」ホッペナデナデ ナデラレラレ
?「・・・・・・。部屋を間違えました。奉仕部ではなくてラブラブのようですね。失礼しました」ガラピシャッ
結衣「ちょちょちょ何を?!ほうしぶです!ここがほうしぶです!待ってくださーい!!」
15:
――――
結衣「え、えーっと、雪ノ下さんだよね!ほうしぶへようこそ!
 私が唯一の部員であり部長の由比ヶ浜結衣だよ。
 そっちの目つきが悪い人は、雪ノ下さんと同じクラスの比企谷八幡くんだよ!」
雪乃「よろしく由比ヶ浜さん
 なるほど。そっちの目が腐っている人は私と同じクラスなのね。ならば自己紹介しましょう。
 私は雪ノ下雪乃。どうぞよろしく比企谷くん」
八幡「おかしいな流れが自然すぎてもはや違和感を感じないぜ」
雪乃「おや・・・・・・?比企谷くんのようすが・・・・・・?
 もしかしてやっぱり同じクラスじゃないのかしら。
 由比ヶ浜さん、冗談は困るわね。思わず話を合わせてしまったわ」
八幡「おやじゃないでしょ。Bボタンじゃなくてお前の頭を連打してやろうか」
雪乃「やってみなさい。死人が出るわよ」
八幡「(これは!)へぇ……。誰が死ぬって・・・・・・?」
雪乃「あなたよ」
八幡「こわ!!」
16:
wktk
17:
八幡(雪ノ下雪乃。近寄り難く、しかしどこか高貴を感じさせるその様はまさにクラスのジョーカー的存在だ。
 とか思っていたんだがどこが高貴なの。クラスじゃあんなに静かなくせになんで今日はこんなに饒舌なの。
 ここぞとばかりにストレスハッサンしてるの。せいけんづきでも使ってくるの。
 あれ。雪ノ下のアンタッチャブりがジョーカーの理由になるなら
 俺もこれジョーカーじゃね?やばい七武海に勧誘されちゃう)
結衣「なんか仲よさそうだね二人とも・・・・・・。全然そんな感じじゃないと思ってたんだけど・・・・・・」
雪乃「冗談は彼だけにしてくれないかしら由比ヶ浜さん。
 比企谷くんと仲が良いとなると私は人類皆と家族も同然ということになるわ」
八幡「ウィーアーダワールド!ウィーアーダチルドレン!」ジャクソンッッ
雪乃「・・・・・・それにさっきまであんなにベタベタとくっついていたあなたこそ
 比企谷くんと、そ、そういう関係なのではないのかしら?」
結衣「え?!ちちちがうし!あれは比企谷くんが悪くて!」
八幡「ああああっるえー?」
結衣「ととととにかく!雪ノ下さんは依頼があって来たんだよね!ここに来た以上はあたしのかんばつだからね!」
八幡「干上がってるのはお前の頭の中だ」
結衣「な、なにをぅ!」
18:
雪乃「・・・・・・本題に入っていいかしら、と言いたいところなのだけれど。比企谷くんもいるの?
 さっきの由比ヶ浜さんの話を聞いた限りでは彼は部外者だと認識していたのだけれど違うのかしら」
結衣「あ、ごめん!!比企谷くんは今日からにゅうぶしたんだよ!今さっき!
 だから一緒にいちゃだめかな・・・・・・?」
八幡「してません。してませんよ。わかったよ出て行けばいいんだろ。さよならさんかく またこぬはちまん」ココゾトッ
結衣「えぇ・・・・・・。比企谷くん本当に行っちゃうの・・・・・・?」ウルッ
八幡「いやなんで涙目になるんだよ。だって雪ノ下も出て行けって言ってるしどうすればいいんすか」オレガナキタイヨッ
結衣「雪ノ下さん・・・・・・」ウワメッ
雪乃「・・・・・・はぁ。わかったわ。比企谷くんも同席することを許可するわ」
結衣「ありがとう雪ノ下さん!ほら比企谷くん!いや比企谷ぶいん!座って!」
八幡「部員じゃねっつの・・・・・・。やれやれ」スタッ
雪乃「・・・・・まぁ仮に部員でなくてもある意味関係者とも言える相談だもね」ボソッ
21:
――――
結衣「感謝の言葉を伝えたい人がいる?」
雪乃「ええ。簡潔に言うとそういうことね」
八幡「なんだそりゃ。ありがとうの一言を言うのになんでわざわざこんな所へくるんだよ。
 お前は挨拶もできない現代っ子か」
雪乃「相手がまともな人なら私もこんな所へ来たりはしないのだけれど」チラッ
八幡「?なんだそりゃ。嫌な奴に言わなきゃならん状況っつーことか?妙な所で律儀だな」
23:
雪乃「嫌な人だとは別に思ってないのだけれど・・・・・・。
 なんというか言いにくい人物ということよ。とにかく言いにくいのよ」
八幡「お前さっき由比ヶ浜に礼を言われたろ。由比ヶ浜がどれだけ言いにくかったか考えてみたか?」
雪乃「・・・・・・そういえばただいま入った情報によると私が謝辞を述べなければならない人物はとても嫌な奴よ」
結衣「急にどうしたの雪ノ下さん?!」
八幡「電波でも受信したんじゃねえか」
雪乃「・・・・・・はぁ。海に自転車で飛び込んで腕を骨折したあげく溺れ死なないかしら・・・・・・」
結衣「妙に具体的な死因だぁ?!」
八幡「ごめんなさいもうちょっと青春男したいです」
24:
結衣「まぁ相談はわかったよ!じゃあ・・・・・・どうしよう?」ハチラリッ
八幡「なんでこっちを見んだよ。ひゃ・・・・・・(ハッ)こほん。
 八万歩譲って俺が部員で一緒に考える義務があったとしても
 こちとら今日入部したばかりなんだぞ」
雪乃「・・・・・・もしかして、八万歩譲ってという言い回しは比企谷くんの名前と関係してたりするのかしら」
八幡「お、おう。わかるか」トクイゲッ
雪乃「わざわざ言い直すから何かと思ったらもう、本当にはち切れないかしら」
八幡「こわ!!(はち切れないのはちは八幡のはちから来てるのでしょう・・・・・・」
結衣「はちまんぽもはちきれないもなんかやらしい・・・・・・」モジモジッ
25:
八幡「で、どうなんだよ由比ヶ浜。解決っつっても前例がわからんし
 具体的に何をするか示してもらわんと困るんだが」
結衣「あたしだって何をすればいいかわかんないよぉ!
 ただお姉ちゃんと平塚先生が仲良くてその縁で入部させられただけなんだからぁ!」
八幡「何だよそれ・・・・・・。もう平塚先生被害者の会って名前に変更しようぜ。
 でこの学校で同好会は許可されてないから消滅する。解散!はい論破!」
雪乃「よくもそんなダンガンの様な度で捻くれた思考が出来るものね。
 絶望的すぎてもはや希望すら感じるレベルなのだけれど・・・・・・」
結衣「え、ええ?!やだよ!せっかく同じ部になれたんだし・・・・・・。
 それに聞くだけ聞いてはいさよならなんて雪ノ下さんに失礼だよ!」
雪乃「その通りね。では私が由比ヶ浜さんに賛成しました。
 投票の結果比企谷くんは独りぼっちと認定されたわ。おしおきタイムね」
八幡「きっちりと「一人」でなく「独り」と書くあたり貫禄の雪ノ下さんです」
結衣「お、おしおきって何やるんだろ・・・・・・」ドキドキッ
28:
雪乃「そうね・・・・・・。では私がうまくその嫌な奴に感謝を伝えられるようにアドバイスすることを課しましょう」
八幡「それおしおきって言うのか?まあじゃああれだ。なんか贈り物を渡してやればいいんじゃねえか?」
結衣「あ!それいいね!自分の好きなものをを渡されたらすっごく嬉しいと思う!」
雪乃「ふむ・・・・・・。悪くないかもしれないわね。では何を贈るかを考えましょう」
八幡「よしきた。その嫌な奴ってのは何が好きなんだ?趣味とか食べ物とか」
雪乃「・・・・・・何が好きなのかしら」ギョウシッ
八幡「なんで俺を見るんだよ」
27:
ガハマさん思春期すぎてかわいい
29:
結衣「あ!あたしわかっちゃったかも!!ふへへ・・・・・・」
雪乃 ギクッ
結衣「雪ノ下さん、その嫌な奴さんのこと、実は好きなんじゃないの?!」
雪乃「ひひひ比企谷くんにプレゼントなんてあげる理由、わけ、動機がないでしょう。
 何を根拠に・・・・・・。なるほど大した推理ねあなたは作家にでもなったらいい。
 そもそも私は今日まで彼と話したこと自体がないというアリヴァイが・・・・・・ふえ?」
八幡「俺がどうしたって?」
結衣「比企谷くんがどうかしたの?」
雪乃「いえなんでもないわ。その人を好きかというとありえないわね。はい論破したわ。
 さっさと早急に即座にサクサクとプレゼントの内容を考えましょう」
八幡「いやできてねえだろ(ていうかなんか俺にプレゼントを渡すような発言が聞こえたんですが・・・・・・」
雪乃「たしかこの部屋には、頭を殴れば記憶を奪える程度には殺傷能力のある鈍器があった気がするのだけれど」
八幡(この記憶を削除しますか
 はい←
 はい
30:
結衣「違うのかぁ?。あー!今雪ノ下さんサクサクって言ったじゃん!
 あたしなんだかクッキー食べたくなっちゃったぁ!」
雪乃「???」コンワクッ
八幡「完全にノリだけで生きているよなこいつは」
結衣「ちがくて!だからクッキーとかどうかなぁって!!
 クッキー嫌いな人なんていないし」
雪乃「な、なるほど・・・・・・どうなのかしら?」ハチラリッ
八幡「ああ?。まあ言われてみりゃそうだな。
 贈り物として安易ではあるがだからこそ安定感があるとも言える。
 そういやいつぞや俺が事故った時に相手側から贈られてきたのもクッキーだったわ」
31:
結衣・雪乃「事故・・・・・・」
八幡「まぁ妹が全部食って俺は一枚も食えなかったんだけどな。
 あいつまじゆるすまじでもかわいいからまじゆるす」
32:
結衣「ひ、比企谷くんはさ・・・・・・。その事故の時のこと覚えてるの?」
八幡「いーや全然覚えてねーよ。痛かったことだけは覚えてるが。まあどうでもいいだろ。
 プレゼントはクッキーっつうことでいいのか雪ノ下」
雪乃「・・・・・・そうね。ではそれにしましょう」
結衣「・・・・・・あ!じゃあさ!どうせなら手作りにしようよ!」
八幡「いいんじゃねえの。雪ノ下の口ぶりからするに男だろ。手作りをもらうとか超嬉しいんじゃねえの」
雪乃「それは私からもらうのが嬉しいということ?それとも手作りがということかしら」シンケンッ
八幡「う・・・・・・。りょ、両方じゃねえの。
 お前は口は悪いが顔だけは整ってるからな。それに普段はだんまりだし
 その毒舌を知らんのならもらった奴は寡黙な美少女からもらえたわあいとしか思わないんじゃねえか」メェコワッ
雪乃「そ、それはナンパのつもりかしら。
 ごめんなさいあなたと私じゃ可能性はゼロに近いわ」プイッ
八幡「あんな顔で睨まれて他になんて言えばいいんだよ(特にお世辞ってわけでもないのが癪だが」
結衣(ゼロじゃないんだ・・・・・・)
33:
八幡「んじゃ調理室借りて作るか」
結衣「今から作るんだ。あ、じゃああたしも一緒に作ってみようかな!!
 ていうか調理室使わせてとか言えるほど家庭科の先生と仲いいの?
 比企谷くんて結構行動力あるんだね!」
雪乃「彼はすごいわよ。見てなさい」
結衣「?」
八幡「おめぇの出番だ!由比ヶ浜!」
結衣「って、私が借りに行くのぉ!」
雪乃「予想通りすぎて反応に困るのだけれど・・・・・・」
八幡(雪ノ下と由比ヶ浜の料理とかおらわくわくしてきたぞ!)
34:
――――
雪ノ下のクッキー「キリッ」
由比ヶ浜のクッキー「ドンヨリッ」
八幡「雪ノ下のクッキーはいいとして由比ヶ浜。お前はどうしてこうなった」
結衣「なんでだろ・・・・・・。いつもお姉ちゃんが作ってるのを横から見てるのに・・・・・・」
雪乃「ま、まぁ由比ヶ浜さん。クッキーを渡すのはあなたではないのだし。
 それにほら私のクッキーもそこまで会心の出来ではないわ。
 凡庸な所が比企谷くんに酷似しているでしょう?」
八幡「由比ヶ浜を慰める上で俺を貶めるという手順は踏む必要があったんでしょうか」
雪乃「ふむ・・・・・・。あなたを凡庸と表現するのはいささか持ち上げすぎかしら」
八幡「なお上を目指すというのか・・・・・・!」
雪乃「気を取り直してもう一度一緒に作りましょう。今度はきっと上手くできるわ」
結衣「雪ノ下さん・・・・・・うん!」パァッ
35:
――――
雪ノ下のクッキー「ドヤッ」
由比ヶ浜のクッキー「シノウッ」
八幡「雪ノ下は相変わらず安定感があるな。
 由比ヶ浜のはなんというか食べると健康バランスが不安定になりそうと言いますか」
結衣「ふええ・・・・・・雪ノ下さんどうしたの?」
雪乃「・・・・・・。もう一度ね」
八幡「おいまだやんのかよ。由比ヶ浜に付き合うのは構わんが世界の小麦粉にも限りがあるんだぞ」
結衣「どういう意味だぁ!」
36:
雪乃「私のクッキーを食べてあなたたちはどう思った?」
八幡「普通にうまいんじゃねえか。手作りでこれなら十分だろ」サクサクッ
結衣「うんうん!あたしのお姉ちゃんより上手いと思う!」サクルッ
雪乃「はぁ・・・・・・。その程度ではダメなのよ。作る以上は完膚なきまでに叩き潰さなくては」
結衣「あたしのお姉ちゃんをその程度扱い?!」
八幡「プレゼントで渡すクッキーにどうすれば叩き潰すという動詞が絡んでくるんですかねぇ・・・・・・」
37:
雪乃「完璧でなければわざわざ手作りにする意味なんてないでしょう。
 それこそスーパーで買えば済むのに遠回りをしている以上は
 最低でもそこいらで売っているチェーン企業の安物よりはいい出来にしなくてはいけないと思うのだけれど。
 間違っているかしら」
八幡(手作りにそこまでのモンを求める奴がいるかよ。こいつは勘違いしてるな。それこそ「完璧」に)
結衣「あのさ。思ったんだけど」
雪乃「何かしら?」
八幡(容赦なく論破してやろうという表情だな。まあ由比ヶ浜が撃沈したら俺が)
結衣「そんなに完璧なのをもらってもね。嬉しくないよ!断言する!!」
38:
雪乃「・・・・・・。何故かしら」
結衣「さっき雪ノ下さんが言ってた通りだよ。
 完璧なクッキーが欲しい人。
 そんな人に手作りクッキーを渡そうってこと自体が間違いだと思う」
雪乃「だからその完璧でない手作りで妥協せずに完璧を目指すと言っているのだけれど」
結衣「そんな『その人らしさ』がないプレゼントなんて嬉しくないんだよ!
 どんなに下手だってつまらないものだっていいの。
 100万円のダイヤより好きな人が砂浜で見つけた貝殻の方が、価値があるんだよ」
雪乃「・・・・・・」
結衣「なんだってよかった・・・・・・。
 だけどどんなに望んで、願っても、もらえる物は無機質で皆が喜ぶようなモノだった。
 そんなのはね。ちっとも嬉しくないんだよ
 心が篭ってるってわかる、それだけでどんなにつ、つたない物だって宝物になるんだよ」
40:
八幡「由比ヶ浜・・・・・・」
雪乃「・・・・・・ふぅ。バカらしいわね」
結衣「う、ごめん。意味わかんないよね・・・・・・。あはは、雪ノ下さんならもっとすごいクッキー作れそうなのに。
 ほんとにごめん。あ、あたしかえr」
雪乃「いいえ違うわ由比ヶ浜さん。自分のくだらなさがバカらしくなったのよ。
 おかしいわね。いつだって完璧こそが正しいと思って生きてきたのに。
 由比ヶ浜さんが何を言っているんだか全くわからないのに自分よりあなたを信じたくなってしまった、
 私の底の浅さが心底バカらしいの」
42:
結衣「雪ノ下さん・・・・・・」
雪乃「ごめんなさいね。今日は帰るわ」
結衣「い、いやいや!でもまだ雪ノ下さんの依頼は解決してないよね!あたし、手伝いたい!」
雪乃「もういいの。依頼は取り消すわ。・・・・・・いえ、依頼は達成でいいわ。後は私のやり方でやる。
 由比ヶ浜さん・・・・・・・・・・・・それとそこの人」
八幡「オイ」
雪乃「こほん・・・・・・それと比企谷くん。今日はありがとう」ニコ
スタスタスタスタ
44:
結衣「行っちゃった・・・・・・」
八幡「まぁ本人がいいってんならそれでいいんじゃねえの」
結衣「そっか・・・・・・。そうだね。ひ、比企谷くんに恥ずかしい所見せちゃったなぁ。
 ああああもう!忘れてさっきのは!あたしああいうキャラじゃないから!!」
八幡「まさか雪ノ下が折れるとは思わなかったな。
 まああれは折れたというかお前の器がでかかったというべきなのかね。
 もしお前が泣かされたら、今度は俺が雪ノ下に相対してぼこられる予定だったんだが」
結衣「敗北確定なんだ?!
 敵討ちはありがたいけど頼りないよぉ・・・・・・。ていうか別に雪ノ下さんは敵じゃないし」
八幡「まぁ高級な市販品より手作りがいいってか。
 誰だって口にはするけどあそこまで本気で言うのはお前以外じゃ見たことなかった。
 なんかすげえと思ったよ」
結衣「出会って一日で見直されるほどあたしって見下げられてたの・・・・・・。なんかフクザツ・・・・・・。
 あ!そういえばまだあたしのクッキー余ってたよね。比企谷くんにあげるよ!!」
八幡「さぁーってたまにはコーギーコーナーで本場のクッキーでも買ってみますかねぇ」スタコラッ
結衣「ちょ!待ってよぉ!うわーんお願い一人じゃ食べられないよぉ!」
八幡(由比ヶ浜が持ち帰ったクッキーは翌日、彼女のクラスメイトを中心に深刻な被害をもたらしたという)
45:
――――
 翌日
八幡「うぃす。なんだかお前のクラスが妙に騒がしかったな」ガララッ
結衣「あ、比企谷くん!来てくれたんだぁ!もしかしたらもう来ないかと思ってたし!よかった!」パァッ
八幡「俺をここまで拘束し満足げに頷いて戻っていった女教師がお前には見えなかったようだな・・・・・・」
結衣「はいはい!早く座って座って!
 正式に部員になったことだし今日は比企谷くんの呼び方を決めようと思うんだけど・・・・・・どぉ?」
八幡「部員じゃねえし・・・・・・。ていうか呼び方ってなんだよ。苗字でいいだろ」
47:
結衣「そ、それじゃ距離が縮まらないというかなんというか・・・・・・いいから決めるの!
 はいじゃああたしの呼び方決めて!!」
八幡「俺の呼び方じゃなかったのかよ・・・・・・。
 ていうか実はたんにお前が苗字以外で呼ばれたいという疑惑が出てきてない」
結衣 ギクッ「んなわけないでしょ!比企谷くんほんっとキモい!ていうかマジありえない!!」
八幡(どうしろっていうのよ。呼んじゃうよ?結衣とか呼んじゃうよ。
 いや無理だわ想像しただけで目合わせられないわ)
結衣「比企谷八幡くんだし、は、ハッチくんとかどうかな?!」
八幡「なんだその駅でずっと主人を待ってそうな名前は。
 しかもぼっちとかあんまりじゃねえかよ。ハッチボッチステーションかよ」ニヤリッ
結衣「うわぁ・・・・・・。
 上手いこと言った時にドヤ顔するのってこんなにキモいんだ・・・・・・。気をつけよ・・・・・・」ドンビキッ
48:
コンコン 
雪乃「失礼します」
八幡「あん」
結衣「雪ノ下さん!」ガバッ
雪乃「なんでいきなり飛び掛ってくるのかしら。あなた犬か何か?」マンザラデモヌッ
結衣「もう来てくれないと思ってた!また来てくれてよかったぁ!」フリフリッピコピコッ
八幡(見える・・・・・・。由比ヶ浜から尻尾が・・・・・・耳が・・・・・・!)
50:
雪乃「そもそも私は部員ではないのだしここに来る義務はないのだけれど・・・・・・。
 お世話になったことだし報告くらいは必要だと思ったまでよ」
八幡「なんだ。昨日の今日でもう渡したのか。仕事はやのしたさんだな」
雪乃「意味がわからないのだけれど・・・・・・。
 ま、まぁそうね。もう大体終わったわ」
ガサゴソッ
雪乃「はい、由比ヶ浜さん」
結衣「え?なにこれ?!プレゼント?!」
雪乃「ええ。クッキーよ。もちろん手作り」
結衣「うわわわぁ!ありがとう!雪ノ下さん大好き!!」ギュッ
雪乃「暑苦しい・・・・・・」マンザラーヌッ
51:
八幡「しかしなんで由比ヶ浜に?まさか由比ヶ浜がお前のプレゼントを渡す相手だったのか?」
結衣「え?!嫌な奴の正体ってあたしだったの??!!」ブワッ
雪乃「そんなわけないでしょう。これは昨日のお礼よ。
 そう。お礼なのだから・・・・・・
 昨日一応は協力してくれたあなたにもその・・・・・・このクッキーを、あげましょう」プイッ
八幡「お、おう
 (素直じゃねえなあと思いつつちょっとドキッとした俺ガイル。これがツンデレって奴か・・・・・・」
雪乃「食べてみてちょうだい」
結衣「うん!ありがとう雪ノ下さん!いっただきまーす!」パクッ
八幡「さんきゅーな」パクノダッ
結衣・八幡「ムッ」
52:
雪乃「・・・・・・どうかしら」
結衣「お、美味しいよ!すごく」
八幡「やめろ由比ヶ浜。失礼だ」
結衣「うっ・・・・・・」
雪乃「・・・・・・」
八幡「はっきり言って昨日のクッキーのほうが美味いな。ていうかこれ明らかに分量かなんか間違えたろ」
雪乃「・・・・・・オーブンが焼きあがる音を告げたときにはすでに手遅れだったわ。
 とんだ笑い話ね。まさか・・・・・・牛乳を入れ忘れるなんてね」
八幡(・・・・・・いや致命的すぎるでしょう・・・・・・)
53:
雪乃「でも無理だったのよ。
 目に見えない、どこを探しても見つからない何かを、私はそのクッキーに注ぎ込んでいたの。
 そのクッキーが出来上がったときには私の中にそれはもうほとんど残っていなかった」
八幡(全力を出しきる・・・・・・。
 渡す相手に喜んでもらおうという誠意?熱意?何だろうな
 それがやすやすと出てくる替えの効くもんではねえことくらいしか俺にはわからん)
結衣「雪ノ下さん・・・・・・!うわああああああ!!!」ギュウッ
雪乃「グェッ由比ヶ浜さん何を」
結衣「あたしが聞きたいよ!わからないの!わからないけどさぁ・・・・・・!
 なんかギュっとしたくなったのぉ!ううぇえあああ!」ガシッ
雪乃「どういうことよ・・・・・・。そ、それなら私だって・・・・・・なんでこんなに苦しいのに・・・・・・」ギュッ
結衣・雪乃「うわああああ」ポロポロッ
八幡「わけわからん・・・・・・わけわからんよ」ポロッパクッ
八幡「・・・・・・うめぇ」
八幡(おかしい。さっきまで牛乳をいれ忘れたパサパサなクッキーだったってのに。
 これがまごころ?ねつい?わからん!どーでもいいからお前ら早く離れろよ。
 俺のぼっち具合が際立つだろーが!!)
55:
――――
雪乃「比企谷くんのニックネーム?」
結衣「そう!ハッチってのどうかな?!」
八幡「だからボッチに通ずるものがあるからやめろって言ってんだろーが!!」
雪乃「・・・・・・あまりぼっちぼっち連呼しないでくれるかしら
 一人でいるだけでぼっちという蔑称で呼ばれるのはひどく不愉快なのだけれど」
八幡「へぇ・・・。あんたもぼっちなんだ。あたしハッチ」
雪乃「・・・・・・。ひきこもりがやくんというのはどうかしら。むしろそれ以外考えられないわ」
八幡「ごめんなさい!それだけは勘弁を!」ドゲザッ
57:
結衣「うーん・・・・・・!あ!じゃあヒッキーは?!
 ほら雪ノ下さんの要望を満たしつつちょっとフレンドリーでいいと思わない?!」
八幡「なんであくまで雪ノ下の意見を尊重してるんだよ。俺の意見を明らかに見落としてるよねそれ」
雪乃「ひ、ヒッキー・・・・・・。
 私が呼ぶことはないでしょうけど由比ヶ浜さんがいいならそれでいいんじゃないかしら。
 そもそも彼をニックネームで呼ぶこと自体が知り合いであると暴露しているに等しいし
 周りの人にも本人にも勘違いされたら危険だから私は遠慮しておくわ」
八幡「僕がいつニックネームを求めましたか」
結衣「ヒッキー。ヒッキー。うんいいじゃん!ヒッキーで行こう!決まり!」
八幡「く・・・・・・このビッチめ」
結衣「誰がビッチだし?!」
雪乃(ハッチぼっちビッチ・・・・・・。
 いえこれだと私がぼっち。ないわね。いえそもそも由比ヶ浜さんにも失礼だわ・・・・・・)
58:
結衣「雪ノ下さんはゆきのんでいいよね?
 実は最初にあった時からこれしかないと思ってたんだけど、どうかな?!!!」
雪乃「由比ヶ浜さん提案があるわ。そもそもニックネームはやめましょう、苗字とは先祖代々の」
八幡「ゆきのん」ボソッ
雪乃「ひ・き・が・や・く・ん・?」ニコイカリッ
結衣「ヒッキーもゆきのんでいいって!
 よーし決まり!で、でさ。あ、あたしのニックネームなんだけどゆいゆいとかどうかなーなんて・・・・・・」
八幡・雪乃 ウワァという表情
59:
結衣「とか言ってみるちゅうかんテスト!!!自分でつけるとかないないタハハッ」ダラダラッ
八幡・雪乃「ゆいゆい。ゆいゆい。ゆいゆい」
結衣「う、うわああああああああぁぁもう!ヒッキーもゆきのんもやめてよ!
 ほら、平塚先生の所いこうよ!!新しい依頼者がいるかもしれないし!!」
雪乃「なぜ私が行かなければならないのかがわからないのだけれど・・・・・・」
結衣「いいじゃん!ゆきのんはもうぶいんも同じだよ!!平塚先生に報告ついでにさ!」
雪乃「ごめんなさい私勉強とかパンさ・・・・・・映画鑑賞とかほか色々の予定が」
八幡「ああ俺もだわ。勉強とかいも・・・・・・妹鑑賞とか」
雪乃「なぜ一度踏みとどまったのに結局言ったのか理解できないのだけれど・・・・・・」
結衣「ほらほら!早く早く!」
こうして彼らの間違った青春が始まる  完
61:
以上です。ご愛読ありがとうございます
初投稿なんで読みづらかったらすいません。また書く機会があったら研究しときます
62:
おもしろかったよ。おつ
65:
本当に終わりだったのか
とても面白かったよ乙乙
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