夏海「今日からほたるんの家に住んでいい?」蛍「え!?」back

夏海「今日からほたるんの家に住んでいい?」蛍「え!?」


続き・詳細・画像をみる

1:
蛍「こまぐるみ、できたー。これで50ぐらいになったかな」
「ほたるー、お友達よー」
蛍「あ、はーい」
蛍(誰だろう……。もしかして、こませんぱ――)
夏海「おじゃまー、ほたるん」
蛍「夏海先輩。どうしたんですか?」
夏海「ほたるん」
蛍「な、なんですか?」
夏海「大事な話があるんだ」
蛍「大事な話……?」
夏海「今日からほたるんの家に住んでいい?」
蛍「え!?」
3:
夏海「ダメ?」
蛍「いえ、ダメというか、その、急に言われても困るというか……」
夏海「だよねー。ウチもすぐに許可がでるとは考えてなかったから安心して」
蛍「は、はぁ……」
夏海「ゲームしてもいい?」
蛍「どうぞ」
夏海「ありがとー」
蛍「……」
夏海「この前、ちょっとやっただけで終わったし、できればクリアしたいんだよね」
蛍「あの、夏海先輩?」
夏海「なに?ああ、ウチのことは気にしないでいいよ。ゆっくりしてて」
蛍「あ、はい」
夏海「あれ?姉ちゃんのぬいぐるみ、なんか増えてない?」
5:
蛍「気、気のせいだと思います」
夏海「そっか」
蛍「……」
夏海「おー、始まった始まった」
蛍「……夏海先輩、なにかあったんですか?」
夏海「なにもないよー。おお、やっぱり迫力全然違うなー。音に厚みがあるし」
蛍「でも、急に住みたいだなんて」
夏海「ウチ、前からほたるんの家に住みたいって思ってたんだ」
蛍「そうなんですか!?」
夏海「うんっ」
蛍「あ、ありがとうございます」
夏海「ここ!!ここが難しい!!うおー!!」
蛍「……」
夏海「ほたるんも好きなことしてていいよ」
6:
蛍「……」
夏海「うーん。どうやれば進めるんだ……」
蛍「夏海先輩、何か飲みますか?」
夏海「お構いなくー」
蛍「お茶、持ってきますね」
夏海「おー」
蛍(こま先輩に電話してみようかな……)
夏海「よっと!ほっ!」
蛍(ケンカでもしたのなら、仲直りしてほしいし)
蛍(よし。電話しよう)
夏海「ほたるん」
蛍「は、はい!!」
夏海「できれば、おやつ的なのも……エヘヘ……」
蛍「わ、わかりました!」
7:
蛍「もしもし、一条ですけど。こませんぱ……小鞠さんは?」
小鞠『蛍?どうかしたの?』
蛍「先輩。あの、今、夏海先輩が家に来ているんですけど」
小鞠『そうなんだ』
蛍「はい」
小鞠『それで?』
蛍「そ、それでって……えーと……」
小鞠『ああ、迷惑だっていうなら今すぐ迎えにいくけど』
蛍「いえ!そんなことないです!!」
小鞠『ならいいんだけど。年上だからって遠慮しなくていいからね。夏海にはビシっと言ってやるぐらいが丁度いいんだし』
蛍「は、はい」
小鞠『それだけ?』
蛍「はい。すみません、急に電話をして」
小鞠『全然いいよ。それじゃ、またね』
9:
蛍(ケンカ、してるわけじゃないのかな……)
夏海「ダメだー!!!」
蛍「夏海先輩、持って来ました」
夏海「サンキュー、ほたるん。ちょっと休憩しよっと」
蛍「召し上がってください」
夏海「いただきまーす」
蛍(こま先輩と何かあったわけじゃないなら……。雪子さんか卓先輩と……?)
夏海「うめー。なにこれ、ちょーうめー」
蛍(あまり踏み込んだことを聞くのも失礼だし……うーん……)
夏海「ごちそうさま!さ、続きしよ!」
蛍「……」
夏海「あ。そうか、ここはこうやれば……」
蛍(暫く様子を見よう)
夏海「よっしゃー!!できたー!!」
10:
蛍「……」
夏海「っと、次なる難所かー。でも、さっきの応用で大丈夫なはず」
蛍(夏海先輩、ゲームに夢中だし。こまぐるみ作っててもいいかな)
夏海「よいしょー!!あー!!!おちたー!!うわー!!!」
蛍「……」
夏海「えー?だったら、どうしたらいいんだろう……。こっちからか!?」
蛍「……あ」
夏海「ちがったー!!なんでだー!!」
蛍「……」
夏海「とりあえず戻って……もどれねーじゃん!!これはあれですか!?つんだってやつですか!?」
蛍「あの、夏海先輩?」
夏海「なに?」
蛍「そこはもう少し進んだ先にあるオブジェクトを利用するんです」
夏海「おぶじぇくとってなに?」
11:
蛍「これです。これの前でボタンを押してください」
夏海「ホントだーすげー!!ほたるん、さすがー!!」
蛍「私はもう何度もクリアしましたから」
夏海「そうなんだ。東京に住んでたから?」
蛍「それはあまり関係ないです」
夏海「さーて、続き続きー」
蛍「……」
夏海「とおっ!やぁ!」
蛍(夏海先輩って体も一緒に動いちゃうのかな……)
夏海「できたー!!一発クリアー!!ここは簡単だったね。夏海ちゃんの敵じゃない」
蛍(あ、こまぐるみ作ろう)
夏海「次のステージはどんなのだ……って、もういいや」ピッ
蛍「え?飽きちゃいましたか?」
夏海「ほたるん、一緒にゲームしよー」
13:
蛍「あの、二人で出来るゲームをもってないんで……」
夏海「えー?そうなの?」
蛍「はい、すみません」
夏海「じゃ、仕方ないかー」
蛍「何します?」
夏海「そうだなぁ……寝てもいい?」
蛍「ね、寝るんですか?」
夏海「ダメ?」
蛍「いえ、ここでよければ。あ、お布団は?」
夏海「いいよいいよ。このまま寝るから」
蛍「そうですか?」
夏海「んじゃ、おやすみー」
蛍「はい」
蛍(夏海先輩、本当に何しに来たんだろう……)
15:
夏海「すぅ……すぅ……」
蛍「ホントに寝ちゃった……」
蛍(何かかけるものは……。そうだ、タオルケットがあったはず)
夏海「すぅ……んぅ……」
蛍「これでいいよね」
夏海「すぅ……すぅ……」
蛍「……」
蛍(夏海先輩の寝顔、かわいい。やっぱり、こま先輩とどことなく似てるし……)
夏海「うぅん……」
蛍「……」ゴソゴソ
夏海「すー……すぅー……」
蛍(寝顔、描いちゃおう)
夏海「うぅ……」
蛍(ごめんなさい、夏海先輩)
17:
夏海「――っと、マジで寝てしまった」
蛍「あ、おはようございます」
夏海「今、何時?」
蛍「もうすぐ5時になります」
夏海「あー。結構、寝ちゃったなぁ」
蛍「晩御飯、よければ食べていきますか?」
夏海「それ、ほたるんの家に住んでもいいってこと?」
蛍「そ、そういうことにはなりません」
夏海「よし。じゃあ、帰ろう」
蛍「か、帰るんですか!?」
夏海「ダメ?」
蛍「いえ、帰ったほうがいいと思いますけど」
夏海「今日はごめんね、ほたるん。次、来るときはお礼の品も持ってくるから」
蛍「いえいえ。気にしないでください」
18:
次の日 教室
れんげ「にゃんぱすー」
蛍「おはよう」
小鞠「おはよー、蛍」
蛍「おはようございます」
小鞠「昨日はごめんね。夏海が迷惑かけたみたいで」
蛍「そんなことないですよ。私も……」
夏海「おはよーございまーす!!」
れんげ「なっつん、ギリギリセーフなのん」
夏海「マジ?あっぶねぇ。今日もウチのスリリングな一日が始まったぜ」
蛍「おはようございます、夏海先輩」
夏海「ほたるん、今日も家に行っていい?」
蛍「え?あ、はい」
夏海「サンキュー。絶対、いくから」
19:
小鞠「夏海?迷惑だから連日行くのはやめなよ」
夏海「姉ちゃんには関係ないしー」
小鞠「あのね……」
蛍「私は迷惑だなんて思ってませんから」
小鞠「ホント?」
蛍「ホントです」
夏海「ほーら、ほたるんもこういってるし、いいじゃん」
小鞠「もう……」
れんげ「なっつん、ほたるんの家であそぶん?」
夏海「おう。遊ぶよー」
れんげ「ウチもいくん」
夏海「ほたるん、れんちょんも可?」
蛍「勿論ですよ。れんちゃんも一緒に遊ぼうね」
れんげ「あそぶーん!!」
21:
放課後 蛍の部屋
夏海「とべー!!!あー!!だめだー!!!」
れんげ「ほたるん、おにごっこするのん」
蛍「あれはもうやだよぉ」
れんげ「のんのん。以前のおにごっこはもう古いのん。あれよりもさらに改良を加えたおにごっこなのん」
蛍「どんなの?」
れんげ「おにが言いそうなことを言ったほうが勝ちなのん」
蛍「あまり変わらないような」
れんげ「まずはウチから。――モモタロサーン、ヤメテクレー。タカラハゼンブワタスカラー」
蛍「……うん」
夏海「くそぉー。どうすれば……」
蛍「あ、夏海先輩。ここはですね」
れんげ「こまちゃんもおにごっこやるん?」
小鞠「いや、やらない」
22:
夏海「おぉー。できたー。ほたるん、ありがと」
蛍「いえ」
小鞠「……夏海ー。もう帰ろうよ」
夏海「姉ちゃんは先に帰っていいよ」
小鞠「蛍が迷惑してるし」
夏海「そうなの?」
蛍「全く思ってないです!」
夏海「姉ちゃんのうそつき」
小鞠「本人の前で迷惑だなんて言うわけじゃん」
夏海「なんだよー。まだ門限でもないし、いいじゃん。もう少し遊んだってさ」
小鞠「むぅ……」
蛍「先輩、私は本当になんとも思ってはないですから」
小鞠「蛍、正直に言ってやってよ。夏海を甘やかすと調子に乗り続けるだけなんだから」
れんげ「こまちゃん、おこってるのん」
24:
小鞠「このままだと毎日来ることになるけど、蛍はそれでもいいの?」
夏海「毎日来るというか、最終目標はほたるんの家に住むことだし」
小鞠「な、なにいってんの!?」
夏海「ねー、ほたるん?」
蛍「あははは」
小鞠「……先に帰る」
蛍「先輩、そんな……」
小鞠「れんげは?」
れんげ「ウチはもう少しあそぶん」
小鞠「そう」
夏海「ばいばーい、姉ちゃん」
小鞠「お邪魔しました」
蛍「あぁ、こま先輩……」
夏海「さぁ、次のステージだぁ」
25:
れんげ「なっつん、こまちゃんとケンカしたのん?」
夏海「してないよー」
れんげ「でも、こまちゃんは怒ってたのん」
夏海「いつものことでしょー」
れんげ「……それもそうなのん」
蛍「れんちゃん、納得していいの?」
れんげ「当局は双方の問題に立ち入らないようにするん」
蛍「えぇー」
れんげ「それより、ちょっと眠いのん。寝てもいいん?」
蛍「ああ、うん。ベッド使って」
れんげ「あーい」
夏海「うりゃー!!おりゃー!!」
蛍「夏海先輩、私は夏海先輩と遊ぶの楽しいですし、こうして家に来てくれるのは嬉しいんですけど、こま先輩とケンカはやめてください」
夏海「帰ったら謝っとくよ。それより、ここはどうやればいいの?」
26:
夏海「――れんちょん、おきろー」
れんげ「はっ!ウチ、何時間ほど寝てたん?」
夏海「50時間ぐらいかな」
れんげ「ねすぎなのん!!ねぇねぇが心配してるん!!」
夏海「よし、帰ろう」
れんげ「あい」
夏海「お邪魔しましたー」
蛍「はい。また明日」
夏海「ほたるん、明日また来てもいい?」
蛍「え?」
夏海「学校で約束すると姉ちゃんがまたなんか言ってきそうだしさ」
蛍「わ、わかりました。いいですよ」
夏海「やりぃ。それじゃ、また明日ね」
れんげ「バイバイなのん」
蛍(やっぱり、ケンカしてるのかな……?)
28:
次の日 教室
小鞠「蛍、今日一緒に遊べる?」
蛍「え?」
小鞠「私の家においでよ。最新の服のこととか話そう」
蛍「いいですねっ」
小鞠「でしょー?」
夏海「……」
蛍「……!」
蛍(そうだった……。もう夏海先輩と約束してたんだ……)
小鞠「どうしたの?」
蛍「あの、折角なんですけどちょっと用事があって……」
小鞠「えー?そうなの?」
蛍「ご、ごめんなさい」
小鞠「……夏海と遊ぶの?」
蛍「え?」
29:
小鞠「そうなの?」
蛍「いえいえいえ!!家の用事があるんです!!」
小鞠「……」
夏海「なに、姉ちゃん?今日はウチ、ほたるんとは遊ばないよー」
小鞠「まぁ、いいか。また今度ね」
蛍「あぁ……」
蛍(どうしてこんなに険悪なの……)
れんげ「ほたるん、ほたるん」
蛍「なぁに……?」
れんげ「修羅場なのん?」
蛍「わかんないよぉ……」
れんげ「血で血を洗うん?」
蛍「もうやめて……」
蛍(こま先輩と夏海先輩、やっぱりなにかあったんだ……。どうしよう……)
31:
放課後 蛍の部屋
夏海「おりゃー!!とぉー!!」
蛍「……夏海先輩」
夏海「んー?」
蛍「な、なにかあったんですよね?」
夏海「なにが?」
蛍「こま先輩とケンカとかしたんですか?」
夏海「してないって」
蛍「でも、ここ数日、様子がおかしいというとか……」
夏海「……」
蛍「もしそうなら今すぐ家に帰って、こま先輩と話し合いをしたほうが――」
夏海「……」
蛍「夏海先輩?」
夏海「ほたるんさぁ、姉ちゃんとは毎日のように遊んでたよね?」
蛍「え、ええ……毎日というか……夏海先輩とも大体一緒だったと思いますけど……」
32:
夏海「でも、ほたるんは姉ちゃんとばっかり話してたじゃん」
蛍「そ、そうですか?そんなつもりはなかったんですけど」
夏海「ウチだって、ほたるんと一緒に遊びたいし、話したいし、買い物だっていきたいんだけど。二人で」
蛍「二人で!?」
夏海「うん」
蛍「あ、あの……それなら言ってくれれば……」
夏海「ホントに?」
蛍「はい」
夏海「でもなぁ、今日だってウチと約束してたのに、姉ちゃんの誘いにのろうとしてたし……」
蛍「あれはちょっと、忘れてて」
夏海「忘れてた!?」
蛍「ああ!!いや、違う!!違うんです!!」
夏海「うわーん!!やっぱりほたるんは姉ちゃんのほうが好きなんだー!!ウチのことなんてどうもおもってないんだー!!」ジタバタ
蛍「夏海先輩!!違います!!あの、今のは言葉のあやで……!!」
夏海「ウチだってほたるんと仲良くしたいのにー!!」
35:
蛍「夏海先輩、そんなに私のことを……?」
夏海「あたりまえだろー!!」
蛍「えー……その……」
夏海「ほたるんのことが好きだからこそ、ここで住みたいって言ったんだから」
蛍「へぇ!?」
夏海「あぁー……でも、ほたるんがウチのことより姉ちゃんだっていうなら、もう何も言わないよ」
蛍「えぇ!?でも、急に言われてどうしたらいいのか……」
夏海「ウチにはれんちょんがお似合いだってことか」
蛍「あ……」
夏海「バイバイ、ほたるん」
蛍「ま、まってください!!」
夏海「なに?止めないでくれない?迷惑なんでしょ、ウチのことは」
蛍「わ、私も夏海先輩のこと好きです!!」
夏海「……マジ?」
蛍「は、はい!!好きですよ!!大好きです!!」
39:
夏海「そっかー。ほたるんもそう思ってくれてたんだー。いやー、よかったよかったー」
蛍「と、当然じゃないですかー」
蛍(しまったぁ……つい言ってしまった……。夏海先輩のことは確かに好きだけど、それは……)
夏海「ありがとう、ほたるん。ゲームしてもいい?」
蛍「ど、どうぞ!どうぞ!!思う存分してください!!」
夏海「よっしゃー!!」
蛍「……」
夏海「おぉー!!ここも難所だー!!」
蛍(夏海先輩、私がこま先輩と話してることに嫉妬してたのかな……)
蛍(そんなぁ、私はどうしたら……!!こま先輩も好きだし……だからと言って夏海先輩の想いを無視はできないし……)
夏海「ほたるん」
蛍「な、なんでしゅか!?」
夏海「ああ、えっと、喉かわいたから――」
蛍「お、お茶もってきます!!」
夏海「いや、ウチが買ってくるよ。毎回、ご馳走になるのも悪いし」
40:
夏海「それじゃ、そろそろ帰るねー」
蛍「は、はい。あの、明日も遊びますか?」
夏海「え?いいの?」
蛍「いいですよ!」
夏海「なら、お言葉に甘えちゃおうかな」
蛍「は、はい!」
夏海「今日も楽しかったよ、ほたるん。バイバーイ」
蛍「はい!!また明日!!」
夏海「おーう!お邪魔しましたー」
蛍「はーい……」
蛍(ど、どうしよう……これから私はどうしたら……)
蛍(教室ではこま先輩、放課後は夏海先輩と……とか?)
蛍「ダ、ダメダメ!!私、何考えてるの!?」
蛍「な、なんとか、みんなで仲良くできる方法を探さなきゃ……」
41:
次の日 教室
蛍「……」
れんげ「にゃんぱすー」
蛍「れんちゃん、おはよ……」
れんげ「ほたるん、どうしたのん?目の下まっくろなのん」
蛍「ちょっと、ねつけなくて……朝まで起きてたの……」
れんげ「なにかあったのん?」
蛍「な、なにも……ないよ……なにも……」
小鞠「おはよー」
れんげ「こまちゃん、にゃんぱすー」
蛍「せ、先輩……」
小鞠「ねえ、れんげ。昨日、夏海と一緒に遊んでた?帰ってくるの結構遅かったのに、どこにいたのか言ってくれなくて」
れんげ「昨日はウチ、一人でグレートマンごっこしてたのん」
小鞠「そう」
蛍「……」ドキドキ
43:
小鞠「ほたる」
蛍「ひゃい!?」
小鞠「夏海と――」
蛍「あ、あそんでません!!夏海先輩とはすぐにわかれましたから!!」
小鞠「……」
蛍「ほ、ほんとでしゅ……」
夏海「――おーっす」
小鞠「こらぁ!!夏海ぃ!!」
夏海「なに?朝から大声だして」
小鞠「また蛍の家に遊びにいっての!?」
夏海「……行ってないって」
小鞠「嘘!!蛍の様子を見ればわかるー!!」
夏海「別にウチがどこで遊ぼうと勝手じゃん」
小鞠「毎日毎日蛍の家に行って、あんたは迷惑だって思わないの!?」
れんげ「これが修羅場……」
44:
蛍「ま、まま、待ってください!!ホントに遊んでないんです!!」
小鞠「蛍!!正直に言って!!」
蛍「そ、それは……」
小鞠「ここで夏海を叱っておかないと、癖になるの!!」
夏海「なんで姉ちゃんがウチの遊ぶ場所を決めるんだよ」
小鞠「蛍に迷惑かけてるからだー!!」
夏海「姉ちゃんだってほたるんと毎日遊んでたじゃん!!なんでウチがほたるんと遊ぶのはダメなんだ!?」
小鞠「私は蛍の家に入り浸ってなんてしてないからね」
夏海「連れまわしてることでほたるんに迷惑かけてるとは思わないのかよ」
小鞠「うっ……」
夏海「ほたるんの性格上、断るなんてことできそうにないし、無理して姉ちゃんに付き合ってたのかもしれないじゃん」
小鞠「うぅ……」
夏海「姉ちゃんだけがほたるんと遊びたいわけじゃない!!」
蛍「やめてくださぁい……」
れんげ「こまちゃん、なっつん……」
46:
小鞠「あ、遊んでもいいけど、毎日はダメっていってるだけで……」
夏海「姉ちゃんはいいの?」
小鞠「私は……姉だし……」
夏海「はぁー?」
蛍「あぁ……あの……」
れんげ「あのー、ちょっといいですかー?」
蛍「れんちゃん?」
れんげ「こまちゃんとなっつんはほたるんの取り合いしてるけど、ウチの取り合いはしないのん?」
蛍「え?」
夏海「れんちょん、なにいって……」
れんげ「こまちゃんとなっつんがほたるんと遊んでたら、ウチは誰と遊べばいいのん?」
小鞠「それは……」
れんげ「二人ともウチのことはどうでもいいのん?長い付き合いなのに」
夏海「そ、そういうわけじゃ……」
れんげ「……」
47:
蛍「れんちゃん、あの話が複雑になっちゃうから、そういうことは言わないで……」
れんげ「ほたるんもウチのことなんて、どうでもいいとかおもっちまってるわけですか?」
蛍「そ、そんなことないよ!!」
れんげ「ウチも取り合ってください!!」
蛍「えー!?」
夏海「れんちょん、今はほたるんとウチが毎日遊んでもいいかって話だから」
れんげ「ウチも毎日ほたるんと遊びたいん」
蛍「れんちゃんまで……!?」
夏海「れんちょんもほたるんのこと毎日遊んでもいいほど好きってことか」
れんげ「好きなのん!!」
蛍「えぇぇー!?」
蛍(わ、私……れんちゃんにまで……どうして……)
蛍(確かに4人しかいないから、好きになる人も同じになるだろうけど……でも……)
卓「……」
蛍(わ、私が決断しなきゃ……私が決めないと……!!)
49:
夏海「ウチはほたるんの家に住みたいほど好きだし」
小鞠「夏海、いい加減に……」
れんげ「ウチもほたるんと一緒にいたいのん」
蛍「こ、こうしませんか!?」
小鞠「なに?」
蛍「えっと、曜日ごとで遊ぶ人を決めれば……なんて……」
れんげ「つまり、月火水はウチで、木金はなっつん、土日はこまちゃんということなのん?」
夏海「れんちょんだけ一日多い」
蛍「そんなせめて一日ぐらい休ませてー!!」
小鞠「ほら!!毎日は蛍もイヤだって!!」
蛍「せ、せめて日曜日ぐらいは……」
れんげ「わかったのん。月火水はウチ、木金はなっつん、土曜日はこまちゃん、日曜日はお休みなのん」
小鞠「なんで私が一日削られなきゃいけないの!!!」
夏海「今まで姉ちゃんがほたるん独り占めにしてたしいいじゃん」
蛍(ダメだぁ……もう収拾がつかないよぉ……)
51:
小鞠「別に独り占めになんてしないってば!!」
夏海「してたじゃん!!ウチと遊ぶ約束してても姉ちゃんはほたるんと遊びにいったことだって一回二回じゃないし!!」
小鞠「夏海とは家でいつでも遊べるんだし、お昼ぐらい蛍と遊んでもいいじゃん」
夏海「なんだよ!!姉ちゃんは結局ウチよりほたるんなのか!!!」
小鞠「そんなこと言ってないじゃん!!」
夏海「もういいよ!!姉ちゃんもほたるんもきらいだー!!」
小鞠「な……なんでそうなるの!?」
蛍「しょんなぁ!!」
夏海「れんちょん!!」
れんげ「なっつん」
夏海「ウチにはれんちょんしかいねー!!」ギュゥゥ
れんげ「なっつん……」
蛍「夏海先輩、そんな……私のこと好きだっていってくれたのに……」
夏海「れんちょん、これからはウチと毎日遊ぼう」
れんげ「なっつん、もしかしてこまちゃんと遊びたいだけなのん?」
53:
夏海「え……」
れんげ「ウチはなっつんのこと好きだし、毎日でも遊びたいのん。でも、なっつんはそれでたのしいのん?」
夏海「……」
れんげ「なっつんが楽しくないとウチも楽しくないのん」
夏海「れんちょん……」
蛍「もしかして、私の所為ですか?」
小鞠「気にしなくていいよ。夏海がバカなだけなんだから」
蛍「でも、私がこま先輩といつも遊んでいたから、夏海先輩が私に嫉妬して……」
小鞠「うーん……」
夏海「と、とにかく、今日かられんちょんの家に住むから」
れんげ「ねぇねぇが許可するかはふぃふてぃーふぃふてぃーなのん」
夏海「大丈夫!かず姉とついでにひか姉はウチが説得するから!!」
れんげ「おぉ。なっつんがなつ姉になるん?」
夏海「あー、なっちゃうね。今日からウチはなつ姉だ!」
小鞠「……こら、夏海。もうやめなって」
55:
夏海「なんだよ!!ウチとの約束をよく破る姉ちゃんなんて知らない!!」
小鞠「ごめん」
夏海「……」
小鞠「確かに夏海との約束を破ったのは謝るし、最近は蛍と一緒にいる時間が多かったのは認める」
夏海「うん」
小鞠「これからは夏海との約束を最優先にする。それでいい?」
夏海「信じられないねー」
小鞠「約束するって」
夏海「もし破ったら?」
小鞠「うーん……何でも言うこと聞いたげる」
夏海「絶対に?」
小鞠「うん。だから、機嫌直して」
夏海「……わかった。ウチとも遊んでよ?」
小鞠「はいはい」
蛍(よ、よかった。仲直りできたみたい……)
56:
夏海「ねえちゃーん」ギュゥゥ
小鞠「うざ……」
れんげ「なっつん、よかったのん」
夏海「うんっ!」
蛍(あれ、でも、こま先輩と私の遊ぶ時間が減るってことなのかな……)
蛍(それはそれで寂しいような……)
夏海「よーし!今日は何して遊ぶ?」
小鞠「蛍、今日は私の家においでよ。妹が迷惑をかけたぶん、お返ししなきゃいけないし」
蛍「そんなのいいですよ」
夏海「おー、こいこい。ほたるん。一緒にあそぼー」
蛍「それなら、少しだけ」
れんげ「ウチもあそぶーん!!」
夏海「みんなであそぼー!!」
小鞠「結局、みんなで遊ぶのか」
蛍(これでよかったんだよね……うん)
57:
放課後 越谷家
夏海「れんちょん、ねこがいるー」
れんげ「にゃんぱすー」
小鞠「ごめんね、蛍。夏海の所為で」
蛍「何も考えずにこま先輩と遊んでいた私も私ですから」
小鞠「そういってくれると助かるけど」
蛍「それはそうと、先輩が夏海先輩との約束破ったっていうのは本当なんですか?」
小鞠「ああ。まぁね」
蛍「それは夏海先輩が怒っても仕方ないと思います」
小鞠「夏海とは夜にでも遊べるからそれでもいいかなって思ったのが間違いだったのかも」
蛍「夏海先輩にはもう少し優しくしてあげてください」
小鞠「夏海は私のこと姉とは思ってないのに、どうして優しくしないといけないのかわかんないけど」
蛍「まぁまぁ」
夏海「れんちょん、猫が逃げた!!おえー!!」
れんげ「おうのーん!!」
58:
数日後 蛍の部屋
蛍(あれからこま先輩と二人で遊ぶ時間が少し減っちゃった……)
蛍(夏海先輩も私の家に遊びにくることはなくなったし……)
蛍「やっぱり、ほんの少しだけ寂しいな」
蛍「……あれ?こまぐるみのつもりが、なつぐるみになってる……」
蛍「……」
蛍「れんぐるみもつくっちゃえ!」
「蛍ー、お友達よー」
蛍「はーい」
蛍(夏海先輩……かな?)
小鞠「やっほー、蛍」
蛍「こま先輩!どうしたんですか?」
小鞠「急にごめんね、夏海がどうしてもって」
蛍「え?」
夏海「ほたるん、どもども。急に遊びたくなっちゃってさ」
73:
れんげ「ウチもいるのん!!」
蛍「れんちゃんまで」
小鞠「今日、遊べるかな?」
蛍「はい、勿論です!どうぞどうぞ」
夏海「おっじゃましまーす!!」
小鞠「実はさ、夏海と私で遊ぶつもりだったんだけど、夏海が……」
夏海「ほたるん!ゲームしていい!?」
蛍「はい」
夏海「わーい!」
小鞠「蛍の家でゲームしたいって言い出したの」
蛍「そうなんですか」
蛍(ゲームがしたかったのかな)
れんげ「このぬいぐるみ、なっつんに似てるん」
小鞠「あ、ホントだ。夏海のぬいぐるみも作り始めたの?」
蛍「えっと、まぁ、あの、はい。今はれんちゃんのぬいぐるみも作ろうかなぁなんて」
74:
れんげ「ウチのもつくるん!?」
蛍「うん。今からね」
れんげ「うわーい!早くつくってなのん!」
蛍「ちょ、ちょっと待ってね」
小鞠「でも夏海のぬいぐるみ、どことなく私に似てるような」
蛍「それはほら、姉妹ですから」
小鞠「そっか。そうだよね」
蛍(こまぐるみがなつぐるみになったとは言いにくい……)
夏海「ほたるーん!」
蛍「は、はい。なんですか?」
夏海「ここ、どうすんの?」
蛍「そこはですね、もう少し右に行ってください。そしたら……」
れんげ「ほたるん!ウチのぬいぐるみ!はやくー!!」
蛍「は、はーい!!」
蛍(ああ、なんか大変だけど、うれしい……)
79:
れんげ「おー!おぉー!」
蛍「どうかな?」
れんげ「これウチなのん!」
蛍「そうだよ」
れんげ「ほたるん、ありがとなのん」
小鞠「ん?これは……」
夏海「あー。もういいや」ピッ
蛍「飽きちゃいましたか?」
夏海「ほたるん、一緒にゲームしよ」
蛍「あのー。前にも言いましたけど、二人で遊べるゲームは……」
夏海「ほたるん、落ちものパズルゲームってしたことある?」
蛍「い、いえ」
夏海「じゃ、それやろう」
蛍「で、ですから、持ってない……」
夏海「心配いらない。――じゃじゃーん!!ここにありまーす!!すんげー無理して買っちゃったー!!」
86:
蛍「ど、どうして……」
夏海「二人でゲームしたいじゃん」
蛍「夏海先輩……」
夏海「ほたるん、ほら」
蛍「はいっ」
夏海「迷惑だったでしょ」
蛍「え?」
夏海「姉ちゃんとほたるんがいつも一緒にいるのが、なんかつまんなかったんだよね」
蛍「ごめんなさい」
夏海「いや、ほたるんの所為じゃない。ウチが悪いだけだし。姉ちゃん、付き合いだけは良かったから、約束破られたのが結構ショックで」
蛍「……」
夏海「ホント、ごめん」
蛍「私も……」
夏海「で、お詫びの品としてこれを持ってきたんだ。これさえあれば誰がほたるんの家にきても一緒にゲームできるし」
蛍「こ、このゲーム、私にくれるんですか!?」
88:
夏海「だってウチ、このゲーム機もってないもん」
蛍「で、でもぉ」
夏海「なに?ウチが持っておけと?」
蛍「そのほうがいいですよ」
夏海「それなら、この家に住まわせていただきますが」
蛍「どうして!?」
夏海「手元にあるとゲームしたくなるじゃん。なるっしょ?」
蛍「ま、まぁ……それは……」
夏海「生殺しなんかには耐えられないからねー。だから、これはほたるんにあげる」
蛍「せめて半分!半分代金支払います!!」
夏海「いいっていいって。その代わり、今日は朝までやるけど」
蛍「と、泊まるんですか!?」
夏海「あったりまえじゃん。一日プレイしないと極められないし。ちなみにれんちょんも姉ちゃんも泊まるから」
蛍「れんちゃん、そうなの!?」
れんげ「そうなん?」
90:
夏海「そうなんだよ、れんちょん」
れんげ「どうもそうみたいなのん」
蛍「今、決めたんですね」
夏海「さぁ、やろうぜ、ほたるん!長い一日の始まりだー!!」
蛍「はい」
れんげ「どうしたら、勝ちなのん?」
夏海「まぁ、適当に同じ色を繋げていけばいいんじゃない?」
蛍「説明書は?」
夏海「そんなのいらないって。やりながら覚えればいいだけー」
蛍「はぁ……」
れんげ「3人プレイはできないのん?」
夏海「それはむりかなー。負けたら交代ね」
蛍「わかりました」
れんげ「二人ともーファイトん」
小鞠「……ちょっとストップしてくれない?」
92:
夏海「なに姉ちゃん?」
蛍「どうかし――」
小鞠「この絵、なに?」
夏海「ウチじゃん」
れんげ「なっつんが寝てる絵なのん」
小鞠「蛍、どうしてこんな絵を……」
蛍「それは……あの……」
夏海「ちょーうまいじゃん。これいつ描いたの?」
れんげ「なっつんの寝顔、かわいいのん」
夏海「ちょっとれんちょん、やめてよー。これはほたるんの絵が上手なだけでー」
小鞠「……」
蛍「別にあの、ただ、寝ている夏海先輩がかわいいなぁと思って……描いただけで……」
小鞠「夏海の寝顔を描くって……」
夏海「姉ちゃん、どうかしたの?」
れんげ「こまちゃん、様子が変なのん」
95:
れんげ「またまたウチのしょーりー」
蛍「あー、負けちゃったぁ」
れんげ「コツがつかめてきたのん。もう一回!もう一回!」
蛍「う、うん」
夏海「ちょっと姉ちゃん!!いい加減、はなしてよー!!ウチが買ったゲームなんだからウチだってやりたいんだよー!!」
小鞠「蛍からちゃんとした理由を聞けるまではダメ!!」
夏海「だから、ほたるんはウチの寝顔を描いただけじゃん」
小鞠「普通、描こうなんて思わない!特別ななにかがないと!!」
夏海「それはなにさ!?」
小鞠「蛍!どうして夏海の寝顔なんて描いたの!!教えて!!でないと、夏海とは遊ばせないからね!!」
夏海「ほたるーん!!たすけてー!!」
れんげ「こまちゃん、なっつん。いつまでやってるのん」
蛍(今度はこま先輩が……。どうやって誤解をとけば……)
小鞠「こたえてー!!夏海になにするつもりなのん!!」
おしまい
96:
かわいい 乙
9

続き・詳細・画像をみる


マクドナルドのキャンペーンが……

【画像あり】パプアニューギニアの現在wwwwwwwwwwww

『ノーゲーム・ノーライフ』7話感想 前国王カッコ良い!ステフの泣き顔可愛かった

メルエム「む……? お前は誰だ?」 ヤムチャ(まただよ……)

【朗報】AKB投票券付き新曲CD 歴代最高の初日146万枚キタ━(゚∀゚)━!

結婚以来ずっとすっぴんだった嫁が最近いつもバリメイク。常に付け睫毛ついてて気持ち悪い

バイパスで事故って過失割合は3:7。右折 対 直進 の事故で、右折車が勝った例

昨日のゴメスの確信ホームランの画像クレメンス

海外のパトカーカッコよすぎワロタwwwwwwwww

阪神ゴメス、9回に特大の決勝8号ホームラン!

男性に聞いた!バツイチ女性は恋愛対象になる?

一年ほど前に初めてデリヘル呼んだ時の話をする

back 過去ログ 削除依頼&連絡先