P「え? なんだって?」back

P「え? なんだって?」


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1:
P「春香も今やトップアイドルか。もう俺が春香にしてやれることなんてほとんどなくなっちまったな」
春香「そ、そんなことないですよ!」
P「いやいや、もう春香は俺の力無しでも十分やっていけるさ」
春香「……たとえそうだとしても、私は……プロデューサーさんにずっとプロデュースしてもらいたいですけど……」
P「え? なんだって?」
春香「なっなな、なんでもないですよぅ!」
P「? そうか?」
春香「あっ、えっとじゃあ私、レッスン行ってきますね!」ダッ
P「おう、頑張れよー」
4:
千早「プロデューサー。明日の収録なんですが……」
P「おう。朝イチで現地集合な。遅刻するなよ」
千早「しませんよ遅刻なんて……子ども扱いしないで下さい」
P「はは、そうだな。悪かった」
千早「……まあでも、プロデューサーになら私……子ども扱いされるのも、そんなに嫌じゃないですけど……」
P「え? なんだって?」
千早「なっなな、なんでもありません! お先に失礼します!」ダッ
P「? どうしたんだ? 千早のやつ……」
律子「…………」ハァ
P「? なんだ律子。溜め息なんかついて。何か悩み事でもあるのか?」
律子「悩み、ですか……えぇ、ありますよ」
P「俺で良ければ、話くらい聞くぞ?」
5:
律子「……いえ、いいです。どうせプロデューサー殿には分からない話でしょうし」
P「何だよ、つれないなあ。俺ってそんなに信用無いか?」
律子「そういうわけじゃありませんけど……」
P「じゃあいいじゃないか。話してくれよ」
律子「……友達の話なんですけどね」
P「おう」
律子「……その子、好きな人がいるんですけど、なかなか告白する勇気が出ないんです」
P「ふむ」
律子「というのも、その好きな人っていうのはすごくモテる人で、その子以外にも色んな女の子からアプローチを受けているんです」
P「なるほど。ライバルが多いってことか」
律子「ええ。でも一番のハードルは……」
P「?」
律子「その人、他の女の子達からどんなにアプローチを受けても、その真意に全然気付いてないんです」
P「ほう」
7:
律子「だからその子も、自分がアプローチしても全然気付いてもらえないんじゃないかって……それで不安になってるんです」
P「なるほどなあ」
律子「ま、まあ、友達の話ですけどね」
P「……でもそれなら、簡単じゃないか?」
律子「え?」
P「回りくどい言い方なんかせずに、真正面から告白したらいいじゃないか」
律子「……それができたら、こんなに苦労してませんよ……」
P「え? なんだって?」
律子「……何でもありません! ……でもまあ一応、友達にはそうアドバイスしときます」
P「おう! 上手くいくと良いな、その友達」
律子「……ホント、鈍いんだから……」
P「え? なんだって?」
律子「……もういいです。……話聞いて頂いて、どうもありがとうございました。はぁ……」
P「?」
11:
律子「……では、今日はお先に上がらせて頂きますね。お疲れ様でした」
P「お、おう。お疲れ」
小鳥「お疲れ様です」
P「…………」
小鳥「…………」
P「……音無さん」
小鳥「? はい? 何でしょう」
P「……律子のやつ、なんか変じゃなかったですか?」
小鳥「…………」
12:
P「いや、律子だけじゃない。春香も千早も……今日はどこか様子がおかしかった」
小鳥「…………」
P「音無さんは、今日の春香達を見て何か変に思いませんでしたか?」
小鳥「……はぁ。プロデューサーさんって、ホント……」
P「…………」
小鳥「……いえ、いいです。さ、お仕事お仕事っと」
P「な、何ですか。気になるじゃないですか」
小鳥「私が言っても、意味の無いことですからね」
P「そ、そうですか……」
14:
?翌日?
真美「ね→ね→兄ちゃん?」
P「あーもう。ベタベタひっつくんじゃない、真美」
真美「亜美がお仕事行っちゃって暇なんだよ?遊んでよ?」
P「遊んでほしいなら他のやつに言え。今日オフのやつ何人かいただろ」
真美「……真美は兄ちゃんに遊んでもらいたいんだよ……」
P「え? なんだって?」
真美「ぶーっ! 兄ちゃんのニブチン! もういいよ!」ダッ
P「? な、なんだ? 真美のやつ、急に怒って……」
15:
律子「…………」ハァ
小鳥「…………」
P「あ、あれ? 何ですか二人とも……その憐れみに満ちたような目は……」
律子「……知りませんよもう。自分の胸に聞いて下さい」
P「? どういうことだ? 律子」
律子「……少しはオンナゴコロを理解しなさい、ってことですよ……」
P「え? なんだって?」
律子「……はぁ。もういいです」
P「?」
17:
伊織「ちょっとあんた!」バタンッ
P「うお!? なんだ伊織、急に」
伊織「何で……何でこの私が、うさぎの着ぐるみなんか着なくちゃいけないのよ!」
P「ああ、今度出演するバラエティ番組のやつか。何かまずかったか?」
伊織「まずいに決まってるわよ! こんな子どもっぽい着ぐるみ! スーパービューティー伊織ちゃんの魅力ガタ落ちじゃない!」
P「? 何でだ?」
伊織「え?」
P「確かに伊織は年齢の割に大人びた服装とかもよく似合うけど……こういう衣装も、年相応で十分可愛らしいと思うぞ?」
伊織「! かっ、かわっ……!?」
P「俺は、伊織の色んな魅力を引き出していきたいと思ってる。だからこの仕事を受けたんだ」
伊織「…………」
P「もっとも、伊織本人が嫌って言うなら、断っておくが――……」
伊織「……わよ」
P「え?」
伊織「やってやるわよ!」
18:
P「伊織」
伊織「こ、これくらいの仕事……受けられないようじゃプロ失格もいいとこよ!」
P「それでこそ伊織だ。期待してるぞ」
伊織「……それに、可愛らしいって言ってくれたし……」
P「え? なんだって?」
伊織「な、なんでもないわよこのバカ! 知らない!」ダッ
P「? お、おい伊織?」
律子「…………」
小鳥「…………」
P「……な、なんだろうこの針のムシロ感……」
20:
響「プロデューサー!」 バタンッ
P「こ、今度は響か。一体なんだ?」
響「えへへ……はいっ! これ!」
P「? これは……サーターアンダギー?」
響「うん! 昨日作ったんだ! 良かったら食べてみて!」
P「おう、そういうことならありがたく頂くぞ」ヒョイパクッ
響「どうかな?」
P「……うん! ウマい!」
響「ほ、ホント!?」
P「ああ。店で売っててもおかしくない味だよ」
響「そ、そこまで言われると照れちゃうぞ……」
21:
P「何か隠し味でも入れてるのか?」
響「か、隠し味? 隠し味は……」
P「?」
響「……愛情、かな……」
P「え? なんだって?」
響「??ッ!! な、なんでもない!」ダッ
P「あ!? ひ、響!?」
P「…………」
P「…………」
P「…………」チラッ
律子「…………」
小鳥「…………」
P「で、ですよねー……」
23:
P「……ってなことがあってさあ」
真「へ、へ?……」
雪歩「そ、それは大変でしたね……」
P「どうも皆こう、様子がおかしいというか……変な感じなんだよ。お前らから見て、何か気付いたことなかったか?」
真「…………」
雪歩「…………」
P「? どうした?」
24:
真「……この鈍感っぷりじゃ、ボク達の気持ちも……」
雪歩「……うん、絶対気付いてないと思う……」
P「え? なんだって?」
真「……はぁ。もういいです。帰ろうか、雪歩」スッ
雪歩「……そうだね、真ちゃん」スッ
P「え? ちょ、真? 雪歩?」
P「…………」
P「……二人ともさっさと帰ってしまった」
P「……何なんだ? 一体……」
P「……ねえ? 律子? 音無さん?」
律子「あ、そろそろあの子達が帰って来る時間だわ」
小鳥「ああ、今日は竜宮のラジオ収録の日でしたっけ」
律子「そうなんですよ。私もついて行ってあげたかったんですけど、どうしてもやらなきゃいけない仕事が溜まってて……」
小鳥「そればっかりは仕方ありませんね」
P「……ついにスルーですか、そうですか」
27:
亜美「たっだいまー!」
あずさ「ただ今帰りました?」
律子「お帰りなさい……って、あれ? 伊織は?」
伊織「んー、いおりんは何か知んないけど直帰しちゃったっぽいよー」
律子「え? 伊織が、私に何の連絡も無く……?」
あずさ「なんでも、プロデューサーさんと顔を合わせたくないとかなんとか……」
P「え? お、俺ですか?」
亜美「ま?いおりんもお年頃ですからなあ?」
P「? どういう意味だ? 亜美」
亜美「……よーするに、兄ちゃんがニブニブなのが悪いってことっしょ→」
P「へ? お、俺が……ニブニブ? ど、どういうことだ?」
亜美「……亜美の気持ちにも、一向に気付いてくんないし……」
P「え? なんだって?」
亜美「……はぁ。もういいYO!」
P「?」
30:
亜美「律ちゃん! この後ミーティングっしょ? 亜美先に会議室行ってるかんね!」ドスドス
律子「あ、ちょっと亜美、待ちなさい!」ダッ
P「え、あ、ちょ……」
あずさ「…………」
P「いや、はは、何なんでしょうね……」
あずさ「……今のは、プロデューサーさんが悪いと思いますよ」
P「えっ! あ、あずささんまで何を……」
あずさ「……そうやって無意識のうちに、皆のことを傷付ける……」
P「ちょ、ちょっと待って下さいあずささん。俺は別に何も……」
31:
あずさ「……そして今もこうして、私のことを……」
P「え? なんですって?」
あずさ「……はぁ」
P「?」
あずさ「……それじゃあ私も、ミーティング行ってきますね?」スタスタ
P「あ、あずささん?」
P「…………」
P「……何なんだよ、もう……」
35:
美希「ハニー!」 バタンッ
P「うおっ美希!」
美希「ねぇねぇハニー! ミキね、今日もレッスンい?っぱい頑張ったの! だからだから、い?っぱい、褒めてほしいな?」
P「あ、ああ……偉いぞ、美希」ナデナデ
美希「えへへ……ねぇ、ハニー」
P「ん?」
美希「ハニーは、ずっとミキのハニーだよね?」
P「……え?」
美希「ミキね、時々不安になるの。ハニーがいつか、別の人のハニーになっちゃうんじゃないかって……」
P「いや、美希、ええとな……」
37:
美希「……ねぇハニー。ハニーはずっと、ミキのハニーでいてくれるよね?」
P「……ま、まあ……美希がアイドルを続けている限りは、ずっと俺がプロデュースしていきたいと思ってるよ」
美希「……またそうやって、すぐはぐらかすの……」
P「え? なんだって?」
美希「……もういいの! お疲れ様! プロデューサー!」ダッ
P「え? ちょ、美希?」
P「…………」
P「……ええと……」
P「…………」チラッ
小鳥「…………」
P「お、音無さん……何ですか、その虫けらか何かを見るような目は……」
38:
小鳥「……はぁ……」
P「た、溜め息やめて下さいよ……」
小鳥「なんというか、もう……はぁ」
P「いや、あの、音無さん……? せめてもうちょっと言葉にしてもらえません?」
小鳥「……言葉にしても、伝わらない人には伝わりませんから……」
P「え? ど、どういう意味です?」
小鳥「……はぁ。こんな調子じゃ、私の気持ちになんて一生気付かないんでしょうね……」
P「何の気持ちですか?」
小鳥「!?」
42:
P「教えて下さい音無さん。何の気持ちですか?」
小鳥「えっ、えっ、えっ?」
P「今、音無さんは『……はぁ。こんな調子じゃ、私の気持ちになんて一生気付かないんでしょうね……』って言いましたよね。その『私の気持ち』って、何なんですか?」
小鳥「!? ちょ、ちょっちょ、ちょっと待ってください! え? 何聞こえてたんですか?」
P「は? そりゃ聞こえてるに決まってるでしょう。というかこの距離で聞こえてなかったら難聴ですよ難聴」
小鳥「……で、でも他の皆の時は……」
P「え? なんですって?」
小鳥「ここで使うのずるい!」
44:
P「さあ教えて下さい音無さん。その『私の気持ち』って、何なんですか?」
小鳥「な、ななな何って言われてもそれはそのあの……」
P「…………」
小鳥「……ぷ、」
P「ぷ?」
小鳥「……プロデューサーさんみたいにイジワルな人には、教えてあげませんよーっだ!」ダッ
P「おっと」シュバッ ガシッ
小鳥「!? は、はや……!」
P「まだ話は終わってませんよ、音無さん」
小鳥「……な、何で……他の皆の時は普通に逃げられてたのに……」
P「え? なんですって?」
小鳥「あーんもう!」
49:
P「……なんて、ね」
小鳥「……え?」
P「……許して下さい音無さん。あなたの気持ちが知りたいがばかりに、こんなことをしてしまった俺を」
小鳥「? い、一体どういう……」
P「こんなことで許されるなんて思っていませんが……せめてここは、俺から言わせて下さい」
小鳥「えっ」
P「好きです」
小鳥「!」
P「俺と、付き合って下さい」
50:
小鳥「…………」
P「…………」
小鳥「…………」
P「…………」
小鳥「……え? な、なんですっ、て……?」
P「…………」
小鳥「……な、なーんちゃって……あ、あは……」
P「あなたの耳に届くまで、何度でも言います。……好きです。俺と付き合って下さい」
小鳥「! …………」
P「…………」
小鳥「…………」
P「…………」
小鳥「…………はい」
55:
P「! ほ、本当ですか!?」
小鳥「は、はい……だって……」
P「…………」
小鳥「……これが、『私の気持ち』……ですから……」
P「……音無さん……」
 「おめでとう!!!」 バタンッ
小鳥「!?」
60:
春香「おめでとうございます!」
千早「おめでとうございます」
律子「おめでとうございます!」
真美「ちょーめでたいっしょ→」
伊織「ふんっ、なかなかやるじゃない」
響「おめでとうだぞ! ぴよ子、プロデューサー!」
真「おめでとう!」
雪歩「おめでとうございますぅ?」
亜美「ばっちりっしょ→」
あずさ「本当、おめでとうございます?」
やよい「おめでとうございますーっ!」
貴音「真、めでたきことですね」
小鳥「……え? ……え? ……え? ……何これ? エヴァ?」
66:
美希「……小鳥」
小鳥「! 美希ちゃん……」
美希「…………」
小鳥「…………」
美希「……ほんっと?に! おめでとうなの! 小鳥!」ガバッ
小鳥「み、美希ちゃん……!」
美希「ハニー……じゃなかった、プロデューサーと……ぜ?ったい! 幸せになってね?」
小鳥「……うん!」
美希「あはっ☆ 約束……だよ?」
小鳥「……ええ、約束……するわ」
68:
小鳥「……で、要するに……最初から全部、仕込みだったと……」
P「すみません……」
小鳥「……はぁ。おかしいとは思ったんです。いくらなんでも、都合良く聞こえなくなりすぎっていうか……」
P「ですよねー」
小鳥「……反省してます?」
P「……してます」
美希「小鳥。あんまりハニー……じゃない、プロデューサーを責めないであげてほしいの」
小鳥「? 美希ちゃん?」
美希「だってね。この仕込みを提案したのは……ミキだから」
小鳥「!? そ、そうなんですか?」
P「…………コクッ
71:
美希「ミキね。この前……プロデューサーに、本気で告白したの。いつもみたいにふざけた感じじゃなくて、本気で」
小鳥「! …………」
美希「そしたら、プロデューサー……『ごめん、美希』って」
小鳥「…………」
美希「……『俺は音無さんが好きなんだ』……って」
小鳥「…………」
美希「だからね、ミキ……すごく悲しかったし悔しかったけど……でも、そういうことなら、この二人には絶対幸せになってもらわないと、って思ったの」
小鳥「……美希ちゃん……」
美希「だってミキをフッたんだよ? そうじゃなきゃ、ミキが困っちゃうの」
P「……美希……」
72:
美希「まあミキ的には、多分小鳥もプロデューサーのことが好きなんだろうなって、なんとなく思ってたけど……」
小鳥「…………」
美希「今のままじゃ、小鳥もプロデューサーも、なかなかお互いに距離を縮めそうになかったから」
小鳥「…………」
美希「それで……ちょっとだけ、背中を押してあげることにしたの」
小鳥「……そうだったの……」
79:
美希「だから、うまくいって本当に良かったの! 皆にも協力してもらった甲斐があったの」
小鳥「そ……そうか。皆も演技してたのよね……私、完璧に騙されてたわ」
やよい「ちなみに、私と貴音さんは明日出番の予定だったんですけど……」
貴音「思いの外早く、小鳥嬢が本心を口にしてくれましたので……その必要は無くなったというわけです」
小鳥「そ、そうだったの」
80:
春香「まあ何はともあれ、大団円ですよ、大団円!」
律子「さてでも、お祝いはこのくらいにして……」
小鳥「え?」
真「そうそう。いい加減にお邪魔虫は退散しないと、ね」
小鳥「そ、そんな。私達は別に……」
P「そ、そうだぞお前ら。急にそんなよそよそしくしなくても……」
美希「……ふふっ。じゃあね、プロデューサー! 小鳥!」
P「! 美希!」
美希「? 何? プロデューサー」
P「……ありがとう、な」
美希「……どーいたしまして、なの!」
82:
小鳥「……皆、行っちゃいましたね」
P「……ええ」
小鳥「…………」
P「…………」
小鳥「…………」
P「……あ、あの」
小鳥「? はい?」
P「その……まあ、こういう過程を経たとはいえ、その……」
小鳥「はい」
P「俺達、恋人同士になったわけで……」
小鳥「……はい」
P「だから、その……」
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