早坂美玲「逃がしてやんないからなッ!!」back

早坂美玲「逃がしてやんないからなッ!!」


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1:
事務所のちょっと前
テクテク…
早坂美玲「えっと……レッスンやった、撮影もやった……で、その後のレッスンも……」パラ…
美玲「よしッ! 今日のお仕事は終わりだな!」パタン
美玲(ん……でもこのまま戻ってもヒマなだけだしな……)
美玲「まいっか、どうせここまで来ちゃったし」
美玲「誰かいればいいんだけど……ん?」
『お―――ちゃんと―――きた―――……』
『い、一応で―――溶け―――……』
『フフ―――のこ―――……』
2:
『クラ―――その他―――?』
『こっち―――用意し―――!』
美玲(あ、プロデューサーたちが話してるのか。なに話してんだろ)
美玲「ただい……」ガチャ
ガサガサッ ガタッ パァーン パタン
美玲「ま……ってなんだ今の」
3:
P「おう、お疲れ美玲」
森久保乃々「お、お、お疲れさまです……!」
星輝子「あ、おかえり……フフ」
美玲「あ、うん……あの、さっきなんかスゴい音してなかったか?」
P「そうか? 多分シュレッダーかなんかの音じゃないか?」
美玲「シュレッダーでもあんな音出ないだろ……」
千川ちひろ「いやぁ、うちのシュレッダー古いですからねぇ」
P「ですねぇ」
美玲「そんなモンなのか、ここのシュレッダーって……」
4:
ちひろ「お仕事お疲れさま美玲ちゃん。何か飲む? 冷たい麦茶があるけど」
美玲「うんっ、お願いするぞちひろさん」ストン
ちひろ「それじゃあ、今から持ってきますね」
テクテク…
美玲「あ、そうだ! プロデューサー!」
P「ん、なんだ?」
美玲「なんかウチが来る前に話してなかったか? 輝子とか乃々とかと」
P「ああ、あー……」
P「……いや、何も話してないぞ?」フイ
5:
美玲「ウソだ、ちゃんと話してる声は聞こえてたぞ!」
美玲「それとも……ウソつかなきゃいけない話でもしてたのか?」
P「あー……まあ確かに話してはいたけどな」
美玲「だろっ、なんの話してたんだ?」
P「……今後のスケジュール?」
美玲「むっ……なんかそれもウソっぽいぞ」ジトー
P「いや嘘じゃないって。本当、本当」
美玲「だってなんか顔がスッゴいウソついてる感じだもん」
P「どんな顔してんだ俺」
ちひろ「いつも通りの顔ですよ? はい、美玲ちゃんの麦茶」カラン
美玲「あ、ありがとーちひろさん」ゴクゴク
ちひろ「麦茶、 あとプロデューサーさんの分も」カラン
P「おお、ありがとうございます。なんでか喉が渇いてきて……」
美玲「ぷはーっ」
6:
美玲「あ、ちひろさん、炭酸系の飲み物ある?」
ちひろ「ええ、たしか何本か……」
美玲「そっか、じゃあ取ってこよ」スクッ
P(ちひろさん、美玲が冷蔵庫に!)コソッ
ちひろ(しまった……!)ハッ
ちひろ「あーごめんなさい美玲ちゃん! 今、ジュースとかは切らしてて……!」ワタワタ
美玲「えっ? あるんじゃないの?」
ちひろ「えーっと……昨日切れたばかりで、今はこの麦茶しかなくて……」グルグル
7:
美玲「……なんか今日はヘンだぞ! プロデューサーもちひろさんも!」
P「いやぁ、気のせいじゃないか? 気にしすぎなだけだと思うぞ?」
ちひろ「で、ですね!」
美玲「うーッ……! 絶対ウチになんか隠してる気がするんだけど……」
美玲「二人にも聞いてくるッ! 乃々ー、輝子ー!」
タタタタ……
P「…………」
ちひろ「…………」
P「ごまかすの下手ですね自分たち」
ちひろ「ですねぇ……」
8:
机の下
美玲「輝子っ!」ガタン
輝子「フヒ……どうした?」
美玲「あのさ、さっきウチが入ってくる前プロデューサーとなに話してた?」
輝子「Pと……えっと……」
美玲「…………?」
輝子「へ、部屋の温度管理とか……?」
美玲「ぜんぜん違うじゃんかプロデューサー!」バンッ
10:
輝子「でも嘘は言ってない……はずだ、フフ……」
美玲「うーっ! 輝子もモヤモヤするヘンな言い方するなよな!」
輝子「じゃあ、あとは……お隣さんに任せた……」
乃々「ええっ」
美玲「じゃあ乃々ッ!」ガタン
乃々「はっ、はいぃ……」ビクッ
美玲「なんかみんなウチに隠してないか? そうだろ?」
乃々「いや、あの、えっとその……」
乃々「あー…………」
乃々「い、言えることが思いつかないんですけど……」
美玲「なんでなんも言えないんだあああーっ!!」ブンブン
乃々「あうあうぅー……あたま揺らさないでぇぇ……」ガクガク
11:
美玲「ちゃんと答えるまで逃がしてやんないからなッ!乃々っ!」
乃々「えぇぇー……む、むーりぃー……」
乃々「もりくぼはこれ以上のプレッシャーの受けたら、ちり一つ残らず消えちゃうと思うんですけど……」
輝子「そろそろ……やる?」
乃々「お、お願いします……うぅ」ガクッ
輝子「フヒ……了解……」スッ トテトテ…
美玲「やる? やるってなんだよッ! 乃々も起きろっ!」ペチペチ
乃々「お、起きてますぅ……」
12:
輝子「スタンバイ……」
P「よし、やるか」
トテトテ…
輝子「そっちのカーテン頼んだ……よいしょ……」シャーッ
乃々「あ、私もですか……えいっ」シャーッ
P「電気消すぞー!」
美玲「えっ!?」
パチンッ
P「しまった、ケーキが見えない! 冷蔵庫どこいった!?」
ちひろ「こっちにあります! 段取り悪いですよプロデューサーさん!」
美玲「ななななんだ!? 何やる気だ みんなッ!?」
13:
???♪
???♪
P「ハッピーバースデートゥーユー♪」
美玲「!?」
輝子「ハッピーバースデートゥーユー……」
ちひろ「ハッピーバースデーディア、美玲ちゃーん……」
乃々「は、ハッピーバースデートゥーユー……!」
コトッ
P「ほら、ロウソク、ふーって」
美玲「え? ふ、ふぅーっ!」
パチン
パァーン! パァーン!
『『お誕生日おめでとう 美玲ちゃん!!』』
美玲「……ええっ?」ポカーン…
14:
美玲「えええええッ!? 何なんだこれ!?」
P「さっき言ったようにお前の誕生日パーティだぞ」
輝子「おめでとう美玲……フフ」
乃々「お、おめでとうございます……」
P「まさか自分の誕生日を忘れてたわけじゃ……」
美玲「そんなの覚えてるに決まってるぞッ!」
美玲「けどウチ、事務所でこんなことやるなんて思わなかったし……」
美玲「このケーキだってキレイだけど……手作りだろ? 多分だけど」
ちひろ「ええ、乃々ちゃんと輝子ちゃんががんばって作ったそうですよ! ね?」
乃々「いやその、そんながんばってとか……がんばった割にそんなものですけど……」
輝子「ほ、ほとんどトッピングだったけど……でも、けっこう自信作……フフフ」グッ
美玲「だよなー……スゴいな二人とも」
15:
ちひろ「まあもう少し早く、やるって決めていればもっと他にも準備できたんですけど……」
ちひろ「誰かがきのう一昨日に突然言い出さなければ……ねえ? プロデューサーさん?」
P「えっ!? え、ええそうですね……」
ちひろ「もう、こういうことは早めに提案してくださいね? 本当に」
P「あ、いやでも、サプライズとしては成功したようですしね? な?」
美玲「なんでウチに聞くんだ」
16:
P「ともかく! パーティ始めるぞパーティ!」パン
ちひろ「はーい、ケーキ切り分けます?」
P「あ、名前のチョコお願いします」
ちひろ「美玲ちゃんより先に注文しないでください!」
乃々「あの……どれ飲む……?」
美玲「メロンソーダあるのか? じゃあそれ!」
輝子「じゃあ……オレンジジュース一つ……」
17:
ちひろ「えー、飲み物も行き渡ったようなので、かんぱ……」
P「美玲、何か一言」
ちひろ「ちょっと」
美玲「ええっ!? そこでフるのか!?」
美玲「んーと、なに言えばいいんだろ……」
美玲「わ、わざわざこんなパーティ開いてくれて、あ、ありがとうございます……?」
美玲「あとはえっと、えーっと……」
美玲「も、もう思いつかないぞ……!」
P「それで十分だ! 誕生日おめでとう美玲、乾杯!」
『かんぱーい!!』カチーン
18:
ちひろ「お菓子もいっぱい買ってきましたからね!」
輝子「キノコたくさん……フヒヒ……」
乃々「きのこの山の山が出来てる……」
美玲「あー……プロデューサー」
P「どうした?」
美玲「そのさ、さっき言ったのとおんなじになっちゃうけど……」
美玲「あ、ありがとう! わざわざパーティとか、やってくれて……」
P「いや、こっちこそ。どうにか喜んでもらえたみたいで安心した」
美玲「あ、でも今日みたいのはあんまやるなよな!」
P「今日みたいの?」
美玲「一応サプライズにはなったけどさ、ああやってウソついて無理矢理やるのはスキじゃないってこと!」
P「ああ……まあ、あれは反省すべきだとは思ってるな……自分でも」
19:
美玲「だから、別にそーゆーヘンなコトはしなくたっていいんだからなッ!」
美玲「そんなんじゃなくたってフツーの……とかでも全然いいし……とにかく分かったかッ!」
P「ああ、分かった分かった」
P「まあその、なんだ? お前の口から直球な『ありがとう』が聞けただけでも、こっちもうれし」
美玲「ふんッ!!」ボスッ
P「痛ったぁ!」
美玲「うるさいッ! そーゆーコトもカンタンに言うなよな! このッ、このッ!」ボスッ ボスッ
乃々「あの……一応プレゼントもあるんですけど……」
その後もケーキを食べたり、プレゼントをもらったりして
美玲ちゃんはみんなと誕生日を過ごしたそうです
おしまい
2

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