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P「百合子の髪型ってどうなってるんだ?」


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1:
ミリマスのSSです。
ゆりこはゆりこでも、大西の方のゆりこじゃないじぇ。
七尾の方のゆりこだじぇ。
漢字が違うじぇ。
3:
ある晴れた日の昼下がりです。
本を読んでいた私に突然プロデューサーさんがそう尋ねてきました。
「え?急にどうしたんですか?」
「いや。よくよく見ると百合子の髪型ってあんまり見かけないからさ」
どうやらプロデューサーさんは私の髪型が珍しいと思ったみたいです。
「そうですか?・・・でも確かに他の人がしてる姿はあまり見かけませんね」
「だろ?だからちょっと思ってさ」
プロデューサーさんは少しウズウズしています。
何かを妄s、考えているのでしょうか?
4:
そう思っていると、プロデューサーさんは口を開きました。
「なあ百合子、ちょっと・・・髪の毛触らさせてもらってもいいか?」
「ええっ!?」
私は思わず、すっとんきょうな声をあげてしまいました。
プロデューサーさんはバツが悪そうに続けます。
「わ、悪い。自分でも変なこと言ってるっていうことは十分に分かってるんだけど・・・」
どうやらプロデューサーさんも自分で何を言っているのか分かっている模様。
6:
「お願い!」
「ま、まあ・・・いいですよ?」
「本当か!ありがとう百合子!」
「い、いえ・・・」
ここまでお願いされると断ろうにも断れません。
そ、それに、いつも私のために頑張ってくれているプロデューサーさんなら触られても・・・
ハッ!わ、私ったら何言ってるんだろう・・・
7:
今日は日差しがとても強い日で、事務所についている蛍光灯の光よりもずっと明るい光が外から入ってきます。
陽光は暖かで、とても心地の良い日でした。
窓を開けているので涼しげな風も入ってきます。
そして、事務所内は私とプロデューサーさん以外は誰もいません。
つまり・・・二人っきりということ。
そのせいか事務所の中は静けさに包まれていて、時々開けた窓から自動車が通っていく音、下校している小学生の黄色い声が聞こえるだけです。
その静けさを破るように、プロデューサーさんが言いました。
「早で悪いけど・・・百合子、今からいいか?」
「は、はいっ!」
思わず声が上ずります。
8:
プロデューサーさんは私の座っているソファへとやってきました。
「隣、座るぞ」
そう言って私の左隣に座ります。
私の心臓が強く叩いていることがよくわかります。
緊張と、不安と・・・少しの期待。
様々な感情が頭の中で複雑に絡み合っています。
「それじゃあ・・・百合子、触っていい?」
私はコクコクと声を出さずに頷きました。
9:
「ちょっと後ろ向いてもらえる?」
私の方に体を向きながらプロデューサーさんはそう言いました。
「わ、分かりました」
そう言って私もプロデューサーさんに背を向けます。
私からはプロデューサーさんのことは一切見えません。
いつどこを触れられるか、それすら分からない状態です。
どんどんと心臓を叩く強さもさっきよりも大きくなり、早くなっていきます。
10:
そっ、とプロデューサーさんの手が私の髪を触りました
ある程度心構えはしてたけど、思わずビクッと体がこわばります。
「ご、ゴメン、やっぱり嫌だったか?」
「い、いえ!・・・少し緊張してたので・・・大丈夫です、続けてください」
「悪いな、変なことに付き合わせて」
そう言ってプロデューサーさんは私の頭を撫で始めました。
温かい手が私の頭を包みこみます。
何だか安心するような・・・気持ちが良い・・・
11:
しばらくの間プロデューサーさんは私の頭を撫で続けていました。
大きくて少しごつごつして、それでも優しい感じのする手です。
「そろそろ確かめるから」
私の髪の編み込んだ所を少しずつ触り始めました。
少しつまんだり、編み目に指を少し入れたり・・・
ちょっと、こそばゆいですよ?
「なるほど、ふむ・・・」
と、プロデューサーさんはいたって真剣な様子。
私の気持ちも知らないで・・・
少し拗ねてしまいたくなります。
「改めて見るとさ、百合子の髪って綺麗だよな」
「!!・・・そ、そうですか?ありがとうございます・・・」
あんまり不意に言われてしまったので、顔が急に熱くなります。
12:
「それにすっごくサラサラしてて・・・」
プロデューサーさんは右手で私の編み込んだ髪をプニプニとつまみ、左手はのばした髪を梳くように撫でます。
「あと・・・」
プロデューサーさんは顔を私の頭を嗅いできました。
「ひゃあ!」
スンスンと匂いを嗅ぐ音が聞こえて、思わず声に出してしまいました。
「ああっ、悪い。つい調子に乗って・・・」
「いえ、ちょっとビックリしただけなので・・・」
本当にビックリしちゃいました。
まだ髪の毛にプロデューサーさんの鼻頭が当たっていた感覚が残っています。
恥ずかしい・・・
13:
「あ、あと・・・」
「百合子、どうした?」
「私の匂い・・・どうでしたか?」
「あ、ああ・・・うん、すごくいい匂いだったぞ?」
「そ、そうですか・・・」
私、今とんでもないことを聞いた気が・・・
プロデューサーさんからこんなことされて、自分も少しこの雰囲気に飲まれているのかも。
時折外から吹いてくるそよ風が、私の顔が熱くなっていることを教えてくれます。
14:
プロデューサーさんは私の頭を触り続けます。
時に撫でたり、時に指で梳いたり、時にクシャクシャにしたり・・・
触れられれば触れられるほど、私の頭の中はぼうっとしてきます。
ぼうっとする感覚に囚われていると、背中に何かが当たりました。
「百合子、大丈夫か?」
「ああっ!ごめんなさい!」
力が抜けてきていたせいか、プロデューサーさんの方へもたれかかってしまったようです。
ふと我に返り、プロデューサーさんからぱっと体を離します。
15:
広い事務所の中、いるのは私とプロデューサーさんの二人だけ。
その二人は一つのソファに集まり、男性が少女の髪の毛を撫で続けている。
恐らくこの光景を傍から見るととても滑稽なのでしょう。
相変わらず辺りはとても静かです。
聞こえるのは、外からの車の音。
そして頭を撫でることで鳴る、私の髪の擦れる音・・・
この静寂とは裏腹に私の胸の中は様々な思考や想いでごちゃ混ぜになっています。
16:
「・・・よし」
永遠にこの状況が続くかと思った矢先、突然その状況は破られました。
「ありがとう、百合子」
「あっ・・・」
プロデューサーさんはとうとう私の頭を触れることを止めてしまいました。
「百合子の髪ってそうなってたんだな」
そう言ってプロデューサーさんは、あはは、と笑います。
「プロデューサーさん」
「どうした?」
「私の髪型って・・・変、でしたか?」
くるりと体をプロデューサーさんの方へ体を向け、尋ねました。
17:
私の質問に少し目を丸くしていましたが、すぐにいつもの優しい顔つきになって答えました。
「いや、とんでもない。百合子にとっても似合ってるし、だからこそ俺は百合子の髪型、大好きだぞ」
『大好き』という言葉が変に頭に残り、そして胸に刺さります。
私自身に言ったわけじゃないのに。
ズルい、あなたは本当にズルい。
私の気持ちも知らないで。
もう・・・我慢できない。
18:
「でも百合子、悪いな。たくさん俺がペタペタ髪の毛触ってしまってさ」
「そうですよ?」
「・・・女の子にとって、髪の毛を触ってもらうのって特別なことなんですよ?」
「そ、そういうものなのか・・・本当にゴメン、軽はずみな思いで触ってしまって」
つい意地悪く言ってしまいます。
「特に・・・好きな人から触られるっていうことは」
「えっ」
「プロデューサーさん、悪いのはあなたですよ?」
「私の気持ちも知らないで・・・こんなにドキドキしてるのに」
「ゆ、百合子?」
プロデューサーさんはいつもと違う私の雰囲気に戸惑っています。
19:
もう私の頭の中はグチャグチャです。
ぼうっとした感覚が頭から取れません。
私の言葉、行動、そして想い・・・
すべて、あなたが受け止めてもらわないと。
「もう、ダメです」
私は、朝ゆっくりと時間をかけて編んだ髪を、するすると解いていきます。
20:
とうとう私の髪は完全に解かれてしまいました。
「髪を解いた姿ってあまり見せたこと無いです」
「特に男性には・・・」
「ここまで言ったら、鈍感なプロデューサーさんでも分かりますよね?」
「百合子・・・」
「あなただから・・・あなただから見せるんです」
「私の本当の姿・・・見てください」
_________
______
___
22:
___
______
_________
P「『そう言うと私は手を取り、二人の顔の距離は・・・』」
百合子「///」プルプル
P「・・・ま、まさかだけど、百合子が書いたのか?」
百合子「ち、ちょっと文章力を上げたいと思って・・・それで琴葉さんに相談したら・・・」
琴葉『そうね・・・そうだ!』ティン!
琴葉『小鳥さんにこの前借りた本がとっても面白かったから、小鳥さんならそういうことに詳しいかもしれないよ?』
百合子「って言われたので、小鳥さんに尋ねて色々とレクチャーして貰いながら書いていたら、次第に小鳥さんの様子がおかしくなって・・・」
P「おかしく?」
百合子「はい、何だか・・・」
小鳥『ほとばしるリビドー!みなぎってきたわよぉー!ピヨー!!ささ、百合子ちゃんどんどん続けるわよー!!』
百合子「とか何とか・・・よく意味が分からなかったですけど・・・」
P(だから文章の調子が同人s、もとい軽めだったのか・・・)
23:
百合子「それで気が付いたらこんなこと書いてしまってて・・・」カアァ
P「あの鳥・・・今どこにいるんだ?」
百合子「プロデューサーさんが帰って来るちょっと前からいなくなりましたけど・・・」
百合子「ご、ごめんなさい!プロデューサーさんにはとてもお世話になってるのに気を悪くさせてしまうようなことを・・・」
P「むしろ百合子は被害者だし・・・」
百合子「で、でも・・・」ウルウル
P(ちょっと涙目の百合子かわいい)
P(いつも以上にしおらしくなってる百合子は珍しいから、こんな時でもからかいたくなる自分がいる)
P(そうだ!)ティン!
24:
P「確かに、百合子の髪型ってちょっと気になるな」
百合子「!?」
P「少し・・・触ってみてもいい?」
百合子「えええぇぇっっ!?」
P「嫌だったら全然断ってもいいけど・・・」
P(なーんて、まあ百合子のことだし断るだろうけど)
百合子「・・・」
百合子「・・・いい、ですよ?」カアァ
P「えっ」
百合子「えっ」
25:
P「・・・いいの?」
百合子「は、はい・・・プロデューサーさんにはいつもお世話になってますから・・・」
百合子「そ、そんなプロデューサーさんのお願いでしたら!」
P「」
P(ま、まあ、本当に気にはなってたけど・・・)
P(あんなの見せられた後だと流石に・・・)
P(まあ・・・)
百合子「・・・」///
P(百合子も同じか)
P(流石に髪を解くまではしないよ?いくら冗談でもやって良いことと悪いことあるからね?)
27:
P「それじゃあ・・・いい?」
百合子「は、はいっ!」
P「・・・」サワッ
百合子「!」ビクッ
P「・・・」ナデナデ
百合子「・・・」カアァ
P(かわいい」
百合子「!!」ボンッ
P(あ、声出てた)
百合子「///」プシュー
28:
P「大丈夫か?」
百合子「は、はい・・・大丈夫ですから続けてください」
P「しかしホントに髪の毛サラサラだなあ」ナデナデ
百合子「あああ、ありとうございましゅ・・・」///
P「ふむ、こうやって編み込んでて・・・」プニプニ
百合子「うう、編んでるところプニプニしないでくださいぃ・・・」///
P(何だろう、色々とデジャヴが・・・)
P(そしてすごい背徳感・・・)
29:
P(そろそろだな、俺の方も色々と持たない)
P「よ、よーし、終わり!ありがとな、百合子」パッ
百合子「」ポー
P「おーい、百合子ー?」
百合子「ハッ!お、終わりですか!?どうでしたか!?」
P「あ、ああ・・・やっぱり良く似合ってるよ。可愛らしい百合子にピッタリだ」
百合子「!!」カアァ
百合子「そ、そんな可愛いだなんて言わないでください!!」ブンブン
30:
P「お、おい!落ち着けって!そんなに首振ってたら目が回るぞ・・・」スポッ
P(!?)
P(俺の指が百合子の髪の編み込んだ所に入って・・・)
P(それで百合子の髪の毛が引っ張られて・・・)スルスル
百合子「ふぇっ!?」
P「すまない百合子!痛くなかったか?」
百合子「大丈夫です・・・プロデューサーさんの指が私の髪の毛に引っ掛かったんですか?」
P「ああ」
31:
P「あっ、百合子・・・」
百合子「どうしましたか、プロデューs・・・あっ」パサッ
P(・・・百合子の編み込んだ髪の毛が、解けてる)
P(確かこの後・・・あっ)
百合子「髪の毛・・・解いて・・・」
私の本当の姿、見てください
百合子「!」
P「百合子?偶然!偶然だから!」
百合子「????っっ!!!」プルプル
百合子「」ボーン!
32:
百合子「た、たた、確かにプロデューサーさんのことは大好きですけど!ま、まだそういうことは、は、早いと思います!!」
P「」
百合子「ああっ!私ったら何言って・・・」カアァ
百合子「い、いやあぁぁ!!」ダダダ
ガチャ バタン!
P「」
33:
P「・・・ハッ!」
P「いけない、一瞬あの世のじいちゃんとお茶してた」
P「まさか、髪を解いてしまうとは・・・不可抗力だけど・・・」
P「まあ・・・うん、可愛かったよ?うん・・・」
P「そういえば音無さんはどこに・・・ん!?」
P「ロッカーから血!?何で!?」
ガチャ ギイィ・・・
P「」
小鳥「ウヘヘ・・・」ドクドク
P「・・・音無さん何やってるんですか」
P「ビデオカメラ片手に鼻血やら何やら吹き出して気絶してるし・・・」
小鳥「」●REC
P「・・・」ピッ
小鳥「」
P「ありがとうございます、今度その映像焼き増ししてください(後で社長とお話し聞かせてもらいますからね?)」
_________
______
___
34:
翌日 事務所
百合子「それでこの後少年は・・・」
可奈「うん!それでそれで?」
P(百合子は可奈に最近読んだ本についてのお話をしているようです)
P(こういう時にちょいとイタズラを・・・)
P「・・・」ヌッ
P「・・・」ポンッ ナデナデ
可奈百合子「!!」ビクッ
可奈「プロデューサーさん!?もーっ!ビックリしましたよー!」
P「あはは、悪い悪い。ついビックリさせたくてさ」ナデナデ
可奈「あっ、えへへ・・・でも撫でられるのは嫌じゃないです・・・」
百合子「」カアァ
可奈「あれ?百合子ちゃん顔真っ赤だよ?」
P「・・・」ナデナデ
百合子「うう・・・撫でられると恥ずかしい・・・」///
小鳥(絶対昨日のこと思い出してるんだろうなあ・・・)タラー
35:
その後、何度も百合子の頭を撫でて、とうとう『プロデューサーさんなんて嫌いですっ!』と言われてPがガチでヘコんだり、
ちょっと違う髪型をしたらPに撫でられると聞き付けたアイドルたちがヘンテコな髪型になってPのもとへ殺到したり、
数年後、本当に2人が髪を解く仲になるのは、また別の話・・・
おわり
37:
七尾百合子(15) Visual
40:
映画だとあんまり目立たなかったけど、本当はかなりキャラの濃い子です。
『図書室の暴走特急』という二つ名を持っています。
プロデュースすると分かるけど、始めからプロデューサーに対して好意持ってて、親愛度上がるとドストレートに想いを言ってくれます。かわいいです。
47:
乙。百合子の映画公開記念ドラマもよかったよね。
48:
田中琴葉(18)Vocal
矢吹可奈(14)Vocal
5

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