小梅「し、白坂小梅の…ちょっと怖い話ー…」輝子「お…おぉ…」幸子「(絶望顔)」back

小梅「し、白坂小梅の…ちょっと怖い話ー…」輝子「お…おぉ…」幸子「(絶望顔)」


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1:
オカルト・ホラー風味に見えますがコレ、ただの嫁ステマなんよ
※三点リーダ、句点が多いですが仕様ですのでご了承下さい…
 ザァァァァァァァーーー
輝子「あ、雨が酷い…な…ジメジメ…フヒ…」
小梅「こういう時、ゾ、ゾンビが…蘇ったりするんだよ…」
幸子「寝かせておいてくださいよ…そんなの…」
モバP「だーめだこりゃ…今日は仕事無いな」
ちひろ「事務仕事」
モバP「お前達も、もう少し雨脚弱まったら送ってやるから、それまで遊んでてくれ」
小梅「は、はーい…」
ちひろ「ねぇ事務仕事」
2:
──────────
─────
輝子「ウノォオ!ワイルドドローーーフォーーー!ヒャッハァァアアァアア!! …あ、赤だよ、フヒ」
幸子「ぐぬぬ…1…2…3…4…」
小梅「あ、赤…赤のリ、リバース…ふふ…」
幸子「!! ふふーん!ウメちゃん、ナイスアシストですよ!赤は赤でも…ドローツー!」
輝子「ノオオオォォォ!!!」
幸子「勝負はまだまだ…」
 ピカッ ゴロゴロ…
幸子「ヒッ!?」
モバP「雷まで降ってきたか、こりゃ出られんな」
幸子「ぷ、ぷろでゅーさーさん、ボクの近くに座ってくれてもイイんですよ?」
3:
──────────
 カッ ドーン!
モバP「おぉ…結構近くに落ちたな…幸子、離れなさい」
幸子「ボ、ボクを守るのはプロデューサーさんの義務ですよ!(カッ ゴロゴロ…) ヒイッ!」
モバP「まぁ、本気で苦手みたいだし、いいか…」
 カッ ズドンッ!!! ブツン
モバP「げ、落ちたか!?」
ちひろ「ああああ!私の二時間が!!二時間が!!!」
小梅「て、停電…? 外は…雨雲のせいで暗い、けど…真っ暗じゃない、ね…」
輝子「暗くてジメジメ…フヒヒ…良い感じだぜ…」
4:
──────────
幸子「ぷ、ぷろでゅーさーさん!どこ、どこですかいなくならないで下さい…」ギュー
モバP「なんでくっついたままの俺がいなくなるんだ…ここにいるから、大丈夫だって」
ちひろ「うぅ…私の二時間…二時間…」
モバP「ちひろさん、何か明かり無いですか?」
ちひろ「そこの箱にキャンプ撮影に使ったカンテラありますから探して下さい…」
モバP「えーと、この箱か…暗くて見にくいな…」
ちひろ「どうだ、明るくなったろう、ってプロデューサーさんの給料でやっていいですか?」
モバP「すいませんやめてくださいおねがいします」
5:
──────────
 ボウッ
輝子「フヒ…な、なんか…良い雰囲気だな…フヒヒ…」
小梅「こ、こういう…明かりって…いい、いいよね…ふふ…」
幸子「ぅ?…ぅぅ???…」
モバP「さちコアラ、落ち着いたか?」
幸子「ま、まだですよ! …なんですかコアラって…」
輝子「い、いや…今のさっちゃんは…コアラだと思う…思うぞ…フヒ…」
小梅「う、うん…私も、そう、思うよ…ふふ…」
6:
──────────
─────
モバP「雷雲はもう行ったのかな…雨は…駄目だ、まだ止まずに濡れてる人々と町がそれでも太陽信じてるわ」
輝子「さ、さっちゃん…ダイジョウブー…?」
幸子「だいぶ…い、いや、たかだか暗いくらいですからね!全然平気ですよ!ボクは強いので!」(ドヤァ)
モバP「ラジオによると、あと一時間くらいで雨弱まるってさ」
輝子「そ、そうか…それまで…暇だね…」
小梅「そ、それじゃあ…折角だから…ランプを囲んで…な、何かお話…しよう…?」
輝子「い…いや…トークは…いいよ…フヒ…」
幸子「ウメちゃんが何かお話してくれるんですか?」
小梅「う、うん…ちょ、ちょっとした…小話程度、だけど…」
輝子「あ…いや、ウメちゃんが話すなら…いいぞ…フ…フフ…」
7:
──────────
小梅「も、問題…」
輝子「フヒ?」
小梅「お昼になると、人の真似をして…夜になると、いなくなっちゃうの、な、なーんだ…」
輝子「カガミ…は…居なくならないね…」
幸子「影ですか?」
輝子「あ…影か…ソッカー…」
小梅「せ、せいかーい………ふふ、これは、そんな…影のお話…」
8:
──────────
小梅「ある所に…病気で体が弱い女の子が居たの…」
小梅「その子、は…外に居る時間より、病院に居る方が長いくらいで…い、いつも病院の窓から外を見ては『みんなと遊びたいなぁ…』って言うような、娘だったんだけど…」
幸子「むーん…可哀想ですね」
小梅「うん…学校にも、全然行けないから…仲がいい子も余りいないし…い、いつも一人ぼっち…」
輝子「フヒ…いや…私の方がぼっちだぞ…フ…フフフ…」
モバP「変な対抗心出すなよ輝子…」
幸子「そもそもしょーちゃんもうぼっちじゃないですしね…」
小梅「最初の日も、こんな雨の日…」
9:
──────────
小梅「病院が消灯時間になって、部屋の明かりが落ちた後も…その娘はちょっと寝付けなくて…個室だったし、い…いいかなって…スタンドランプを点けたの」
小梅「さ、最初は…眠くなるまで本を読もうかなって…思ってたけど…次第に飽きてきちゃって…ふと前を見てみると、壁にでっかい影が映ってたの」
輝子「オォ…」
小梅「も、勿論自分の影、自分の影だけど…その娘はちょっとした思い付きで、ベッドに横になって…手を前に出してみたの」
小梅「壁には手の影が映って…その形を犬に変えて…、こ、こんな…感じ…」
幸子「影絵遊びですか…」
小梅「そ、そう…それ…色々、出来るんだよね…」
輝子「キノコノコー…フヒ」
幸子「しょーちゃんそれ指どうなってるんですか…」
10:
──────────
 「ワンワン、ワンコだワン!」
 「やあやあ犬くん、ご機嫌いかがかな?」
 「キツネさん、ボクはすこぶる元気さ」
 「そうかな? 私には君が元気には見えないのだけれど」
 「ご主人様が病気で、最近遊んでくれないからかな」
 「じゃあ、私が君の友達になるから、一緒に遊ばないか?」
 「ありがとう、キツネさん!」
11:
──────────
小梅「その日から…その娘は夜になると、明かりを点けて…影で作ったお話で遊ぶようになって…」
小梅「『やあやあ犬くん、今日も来たよ』『待ってたよ、キツネさん』…その娘の中で犬とキツネはどんどん仲が良くなっていったの」
小梅「でも………」
小梅「その娘の容体は快くならなくて…こ、このまま体力が無くなってしまうと、手術する事も出来なくなるから…手術が出来る内に…って、手術をする事になったの」
輝子「ガ…ガンバレー…」
幸子「た、助かったんでしょうか…」
小梅「手術の前日の夜…」
12:
──────────
 「やあやあ、犬くん…どうしたんだい? 心配そうな顔をして」
 「あぁ、キツネさん…僕のご主人様が手術をする事になったんだ」
 「それはそれは…その手術で治るのかい?」
 「解らない、お医者様は半分以下の可能性だって言っていたから…」
 「大丈夫、きっと治るさ…だけど今日はもう帰るよ。 君の元気を明日に残さないと、ご主人様と遊べないからねえ」
 「キツネさん、本当に、本当に大丈夫かな?」
 「君のご主人様はお医者さんを信じたんだろう? ならば君はお医者様を信じたご主人様を信じなきゃあ」
 「そうか…そうだね…。 ねぇ、キツネさん、明日は来てくれるかな?」
 「もちろん、元気になった君のご主人様を見にくるよ」
13:
──────────
小梅「結局………犬さんとキツネさんが出会えたのも、この日が…最後になったの」
幸子「え」
小梅「も、元々体力が無かったのもあって…手術は失敗、それどころか手術で更に体力を失った所に感染症を患って…そ、その娘は亡くなっちゃったんだ…」
輝子「か、神はいないのか…そうか…」
小梅「感染症の高熱にうなされながら、影の出来ない壁に手を掲げて…『キツネさん、キツネさん』って言いながら…」
モバP「」ボロボロ
幸子「うぇっ!? プロデューサーさん涙腺弱くないですか!?」
モバP「お、オレがスカウトしていれば…」
小梅「つ、続けて…いいかな…」
14:
──────────
小梅「それから何年か経って…その部屋に男の子が入る事になったの。病気じゃなく、じ、事故で…両足を骨折しちゃって…」
小梅「夜になると、動き回る事も出来ない、から…その子も暇潰しに漫画を読もうと明かりを点けた…」
小梅「な、何年か前に…女の子がやった時と、同じ…同じだね…ふふ…やっぱり壁には大きな影が出来たの…」
小梅「男の子が壁に出来た影に気付いたけど…別に気にするでもなく、漫画…漫画を読む事にしたの」
小梅「でもすぐに漫画は読み終わって…また、退屈な…時間になっちゃって…その時、壁に出来た影を思い出したの」
小梅「男の子は右手を前に出し、犬のカタチにした…」
 『ワオーーーーン!巨大犬だぞー! なんてなー!ハハッ!』
小梅「その時…し、信じられない事が起こった…」
15:
──────────
小梅「病院の壁に…ハッキリとキツネの影が映って…しかも楽しそうに動いていたの…」
幸子「え…そ、その男の子じゃ…」
小梅「左手は勿論出してない…よ…影が出来るようなものも無い…それなのに…キツネの影が壁の左から“スウッ”と現れたの…」
輝子「」ドキドキ
 『やあやあ犬くん、随分久しぶりじゃないか、元気だったかい?』
小梅「女の子の声が病室に響いて、男の子は凄く、ビックリした…ビックリしたけど、好奇心が勝ったのか、話し相手が出来る事が嬉しかったのか…男の子は返したの」
 『こんにちわ、キツネさん。ちょっと忙しくてね』
小梅「それを聞くと、不思議な声は嬉しそうに…」
 『そうだったのか、今日は遊べるかい?』
 『勿論さ』
小梅「って…そうして、何日か…男の子は不思議な影と遊んでたの…」
16:
──────────
小梅「何日かして…男の子が急に…いつもの設定に、飽きちゃったのか…悪戯したくなったのか何なのかは解らないけど…いつもと違う影を浮かべたの」
 『ガオー、俺は狼だ、ガオー』
 『あれれ? いつもの犬くんは何処に行ったんだい?』
 『食べちまったよそんな奴』
幸子「え、なんでこんなこと言うんですか…?」
モバP「解らんでもないが…男の…特に小さい子は強いものが好きだしな」
小梅「不思議な声は戸惑って聞いてきた…」
17:
──────────
『な、なんでこんなことをするんだ、犬くんは私の友達だったんだぞ!?』
『そんなことしらないぜ!お前も食ってやろうか!ハハハッ!』
『させるものか、逆に君を食べてやろう!』
小梅「キツネの影が男の子が作った影に重なって…ゴソゴソと動いた…」
小梅「それを見て男の子は笑っていたけど…キツネの影がオオカミからどけた時…」
18:
──────────
小梅「オオカミの影がなくなっていた」 ズズズズズ
幸子「ヒイッ!」
小梅「手首の先は…まるで明かりが届いていないかのようにぼやけてて…」
小梅「男の子が影と手首の異常に気付いて…叫び声を上げると…キツネの影がこっちを向いて…」
小梅「ぐわあっ!」 ガバァ
幸子「あややあああひあああ!!!!!」
輝子「だ、大丈夫だ…さっちゃん…大丈夫だ…大丈夫だからな…」ギュー
モバP「(ちっさいの寄り添ってクッソ可愛い)」
19:
──────────
小梅「次の日の朝…男の子の部屋には、だ、誰も居なかった…両足を骨折していて、どこにも行けないはずなのに…」
幸子「うぇうううえぁ…」グスグス
小梅「そ、その日から…その病室で、夜に、明かりを点けるとね…聞こえるんだって…」
『ねえ、遊ぼうよ………』
『遊ぼうぜ………』
小梅「二人の、声が………」
幸子「」
輝子「ぐえぇえぇ…さっちゃん、絞まってる…絞まってるぞ…」
20:
──────────
 チカチカ… パッ
小梅「お、おしまーい…ふふふ…丁度、明かりも、戻ったね…ふふ…」
モバP「良いタイミングだった、掛け値なしに」
小梅「あ、雨は…まだ…だね…」
モバP「車は出せるかな。 ほら幸子、輝子が死ぬぞ」
幸子「か、影は…」
モバP「居ないって、大丈夫だからほら」
輝子「フヒィィ…あ、危うくさっちゃんに食われるところだったぜぇ………プ、プロデューサーは…平気なのか…?」
モバP「何が?」
21:
──────────
輝子「さ、さっきの話…割と、怖かったぞ…?」
モバP「まぁな、小梅の雰囲気作りも良かったし。 でも怖さを紛らわす方法ってのがあるんだよ」
輝子「ぜ、是非さっちゃんに教えてやってくれ…」
モバP「あー…小梅には悪いが…幸子、いいか? “この話は誰が伝えたんだ?”」
幸子「へ…?」
モバP「だって、女の子が影絵で遊んでた事も、男の子が影に食われたのも、誰も知る由が無いだろ?」
幸子「え、ええ…」
モバP「つまり、これが本当なら話を知ってる奴は全員死ぬかしてて居ないんだから…この話はよくある都市伝説、影が襲ってくる事なんて無い、OK?」
幸子「……………」
22:
──────────
小梅「そ…そうだね…ふふ……」
幸子「な、なーんだ!いえ!解ってましたけどね!ほ、ほら!オバケ屋敷とかで怖がる女の子ってカワイイじゃないですか!ボクのカワイさアピールですよ!フフーン!」
小梅「全部知ってるのは…最初に亡くなった女の子くらい………だもんね………ふふふ…」
幸子「」ペタペタ
小梅「さ、さっちゃん…私、私の足は、本物…本物だから…ちゃんと付いてる、よ…?」
幸子「ウメちゃんが言うとシャレにならないんですよ…話し方も煽り方も上手なんですから…もう…LIVEで喋り上手を見せて下さいよ…」
モバP「LIVEではお前がドヤ顔して前列占拠してるからだろ…ほら、送るから車乗れ?」
小梅「え…わ、私が…この話を誰から聞いたのかって…?」
小梅「ふふふ…ひ、秘密、です…ふふ…」
おわる
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