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紬・澪「雪見大福コンビ?」


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1:
紬「ふ?ん♪」
紬「ふっふふふ?ん♪」
紬「ふっふっふっ♪ ふふふ?ん♪」
紬「ふ?ん♪ ふふふふ?♪」
紬「ふ???む・・・」
菫「大きなため息」
紬「あ、菫、いたんだ」
菫「うん。ずっと前からいたよ」
紬「ごめんなさい。気づかなくて」
菫「ううん、いいよ、お姉ちゃん。それで、新しい曲でも考えてたの?」
紬「ええ、でもなかなかいいメロディーが出てこなくて・・・」
紬「・・・そうだ! ちょっと出かけようかしら」
4:
菫「え、寒いよ?」
紬「菫もくる?」
菫「う?ん・・・」
紬「ふふ。いいわ。1人で行ってくるから」
菫「うん。いってらっしゃい」
雪は積もっていないけど、とても寒い。
完全防備で出てきたのに。
6:
ゆっくりと歩道を歩く。
一歩一歩が一小節。
その間にリズムを刻む。
それを何度も繰り返す。
何度も何度もやり直す。
気に入ったリズムが生まれたら、今度は気に入ったリズムを歩幅で刻む。
テンポよく、快活に。
ちょっと恥ずかしいけど、幸い人通りは少ない。
雪が積もっていたら、足あとが楽譜になったかな--
--と。
澪「ムギ」
7:
紬「・・・!」
澪「こんな寒い中、何してるの?」
紬「ええ、ちょっと・・・」
澪「えっと、聞いたら不味かったかな?」
紬「ううん。そうじゃないの。そうじゃなくて・・・」
澪「いいっていいって、無理に言わなくても」
紬「ふふっ♪ ふふん♪ ふふふ?ん♪」
澪「あ・・・曲を作ってたんだ」
紬「ええ、正解っ!」
澪ちゃんはにっこりと優しく笑った。
きっと足でリズムを刻んでいた私が子供っぽく見えたんだと思う。
13:
紬「そういう澪ちゃんは?」
澪「あぁ、私か? 私はちょっと・・・な」
紬「意味深ね」
澪「うん。できれば聞いてほしくなかったけど、聞かれたからには教えるよ」
紬「別にいいのに」
澪「雪見だいふくを買いに行くんだ」
紬「雪見だいふく・・・?」
澪「うん」
紬「どこかで名前を聞いたような気がするけど、どこだったかしら」
紬「お月様を見ながら食べる月見団子みたいに、雪を見ながら食べる大福があるの?」
澪「えっと、合ってるような違うような・・・」
澪「そういう名前のアイスがあるんだよ」
紬「冬に食べるアイスなんだ?」
15:
澪「うん。夏にも食べるけど、今日みたいな寒い日に炬燵に入って食べたくなるアイスなんだ」
紬「ふぅん。おこたに合う味なんだ」
澪「えっと・・・それはたぶんCMのイメージのせいだけど」
澪「でも美味しいんだぞ」
澪「こんな日はホットカーペットの上で溶ける寸前に雪見だいふくを食べるのが最高なんだ」
澪「あの絶妙なやわらかさとまろやかさ、そして口溶けと言ったら・・・」
急に饒舌になる澪ちゃん。
雪見だいふく。ちょっと食べてみたくなっちゃった。
でも、今は曲を作ってる途中だし・・・。
18:

ざっざっ。
ざっざっ。
紬「ね、澪ちゃん」
澪「うん」
紬「積もってきたね」
澪「あぁ」
ざっざっ。
ざっざっ。
紬「それで、澪ちゃん」
澪「うん」
紬「雪見だいふくを買いにいくんじゃなかったの?」
20:
澪「あぁ。でも、ちょっとだけムギに付き合ってみるのも面白いかなって思って」
紬「ふふ、こうやって歩きながら曲を考えてるだけなのに」
澪「じゃあ私は詩でも考えてみるよ」
ざっざっ。
ざっざっ。
紬「何か思いついた?」
澪「ううん。ムギは?」
紬「駄目みたい。澪ちゃんと一緒にいるからかしら」
澪「え、私のせいか?」
紬「うん。だからちょっと付き合って」
25:
向かったのは、私が通っていた小学校だ。
当直の先生に挨拶してから、目的の場所に向かう。
澪ちゃんは居心地が悪いみたいで、きょろきょろしている。
許可は取ったから大丈夫なのに・・・。
澪「あ、ここは」
紬「ええ、音楽室。このピアノはね。なかなか思い出深いものなのよ」
澪「たとえば?」
紬「う?ん、多すぎて何から話せばいいのかわからないけど、とにかく全部」
紬「はじめて友達ができるきっかけになったのもピアノだったし」
紬「はじめて先生に褒めてもらったのもこのピアノだったの」
澪「へぇ、ムギの大切な相棒だったんだ」
紬「うん。だからね。たまに曲作りに悩むとこうして触りにくるの」
26:
軽く白鍵を叩く。
ぽろんぽろん。あの頃と変わらない音が響く。
澪「いい音」
紬「そうでしょう」
澪「くすっ」
紬「・・・?」
澪「ムギ、自分が褒められたみたいに嬉しそうだ」
笑う澪ちゃんをよそに、私は鍵盤を叩く。
雪の上で描いていたイメージを実際に音にする作業。
鍵盤と向かい合う孤独な作業。
少しずつ自分の意識を溶かして、音だけに集中する。
27:
その旋律を唯ちゃんだったらどう楽しむのか。
梓ちゃんが満足できるだけの質があるのか。
りっちゃんがノリノリで演れるか。
澪ちゃんがどんな詩をつけてくれるのか。
音と向い合って、ひたすらに。
ただ、ひたすらに。
澪「1人で曲を作るの、久しぶりじゃないか?」
紬「最近はみんなと一緒に作ることが多かったね」
澪「どうしてまた1人で?」
29:
紬「実はね、ずっと1人でもやってたの」
澪「そうなんだ?」
紬「ええ。みんなで作る曲ばかりだと、自分の色がなくなってしまうから」
紬「みんなの色と混ぜた時、面白いものが出来なくなっちゃうから」
澪「ふぅん、ムギもいろいろ考えてるんだ」
紬「えっへん!」
澪「それで、作曲のほうは?」
紬「もうしばらくかかりそうなんだけど・・・」
澪「待つよ」
紬「退屈じゃない?」
澪「大丈夫」
30:
再び曲作りに没頭する。
澪ちゃんはこちらをじっと見ているわけでもなく、聴き入ってるわけでもなく、ただそこに居てくれた。
たぶん、私を邪魔しないようにしてくれたのだ。
随分長い間ピアノと向かいあっていたと思う。
私はやっと曲を作り終わった。
澪「できたんだ?」
紬「ええ。ちょっと聞いてくれる」
澪「うん」
通して曲を弾いてみる。
澪ちゃんは目を閉じて聴き入ってくれる。
31:
澪「うん・・・うん・・・」
紬「どうかな」
澪「うんっ、すごくよかった!」
紬「そっか」
澪「あれ、喜ばないんだ」
紬「うん。だって澪ちゃんがそう言うのはわかってたから」
澪「むぅ・・・」
紬「澪ちゃんが好きな曲を作ったから」
澪「えっ」
32:

一週間ほど前に遡る。
梓「なるほど、手作りで何かプレゼントをあげたいと」
紬「ええ、でも私は憂ちゃんみたいに上手にお菓子を作れないし」
紬「りっちゃんみたいに編み物のセンスもないから・・・」
梓「普通、こういう場合『下手でも気持ちがこもっていればいいです』というのが常套句だと思います」
梓「でも、ムギ先輩にはあるじゃないですか、上手に作れるものが」
紬「えっと・・・もしかして紅茶のこと?」
梓「紅茶もそうですが、もうひとつ」
梓「曲です」
34:
紬「曲をプレゼントするの?」
梓「はいです。澪先輩きっと喜ぶと思います」
紬「ふふ、面白そうね」
梓「決まりですね」
紬「ありがとう、梓ちゃん」
梓「あ、どういたしまして。それにしてもムギ先輩と澪先輩ですか・・・」
紬「うん?」
梓「あ、いえ。なんだか雪見・・・・
そういえばあの時、雪見だいふくって梓ちゃんが言ったような。
なんで言ったんだろ。あの日は雪も振ってなかったのに。
でも、まぁいっか。
38:

紬「ちょっと遅れちゃったけど、誕生日プレゼント」
澪「この曲が?」
紬「ええ」
澪「ムギからの誕生日プレゼントなら、誕生日にもらったのに」
紬「でも、あれは形に残らないから」
澪「くくっ」
紬「・・・?」
39:
澪「ムギは時々抜けてるなって。曲だって形に残らないじゃないか」
紬「あ・・・」
澪「でもさ、ありがと。嬉しいよ、ムギ」
澪「言葉にできないぐらい」
そう言うと、澪ちゃんは私をあたためてくれた。
おしまいっ!
追伸♪
澪ちゃんは言葉にできないなんて言ってたけど、ちゃんと歌詞をつけてくれました。
41:
乙!
よかったでー
4

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