桜前線北上中金糸雀失踪中back

桜前線北上中金糸雀失踪中


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翠星石「し、真紅!?」
雛苺「どうしたのよ? 突然、叫んだりして!?」
ジュン「昔の恥ずかしい記憶でもフラッシュバックしたのか?」
真紅「違う! これを見てみなさい!」バッ
翠星石「お? ヨーグルトですね」
雛苺「450g入りの大きいヨーグルトなの」
真紅「オヤツに食べようと思って買ってきたのよ! それを今、開けたら…!」
ジュン「虫でも入ってたか?」
翠星石「だったらラッキーじゃねーですか。アサリに小さなカニさんが入ってたようなもんですぅ」
ジュン「……」
雛苺「うぃ。当たりなのよね。タンパク質が多めに摂れるのよ(※)」
※薔薇乙女の食生活はグローバルなので虫も基本的には食材扱い
395 :
翠星石「え? ああ、そう言われればそうですね」
ジュン「最近、健康志向でそういうヨーグルト増えたよな」
雛苺「それがどうかしたのよ?」
真紅「『どうかしたのよ』ですって!? 馬鹿言わないで頂戴! 砂糖のついてないヨーグルトなんて
  三つ葉のない親子丼! 私のいないローゼンメイデンみたいなものじゃない」
ジュン「ああ、そう…」
翠星石「砂糖が欲しいんだったら台所から取ってくればいいじゃねーですか」
真紅「だまらっしゃい! うちの砂糖って、のりがこれまた変に健康志向だから
  ちょっと茶色くてあんまり甘くもない砂糖しかないじゃない!」
ジュン「精製度が低い砂糖だったっけ? その分ミネラルとか豊富な…」
真紅「私はガチガチに高度に精製された真っ白な砂糖…グラニュー糖が欲しいのよ!
  むしろ、それ目当てでこのヨーグルトを買ったといってもいい! なのにッッ!!」
雛苺「砂糖が付いていないことを確認せずに買った真紅がうっかり屋さんなだけなの」
真紅「私を舐めないで頂戴、雛苺。当然、私はヨーグルトの容器の外部表示を
  舐めるように見回して確認した。むしろ実際にはちょっと舐めて店員さんに怒られた」
翠星石「……」
396 :
ジュン「でも、砂糖が付いているとも書いてなかったんだろ?」
真紅「隣に並んでいた同じメーカーの別タイプのヨーグルトには『砂糖は付いてません』と書いてあった!
  ならば何も書いていなかったこっちのヨーグルトには砂糖が付いていると思うのが人情じゃなくて!?」
翠星石「そう言われればそうかも知れねーですが」
雛苺「でも、それだけのことで真紅は怒りすぎなの」
ジュン「まったくだ。そのヨーグルト食べて乳酸菌でも摂って落ち着け」
真紅「これが落ち着いていられるものですか! 怒りよ! もう怒りしかない!!
  乳酸菌ごとき下等生物に私の怒りが鎮められるわけがない!!」
翠星石「ぬううっ! 真紅が猛っているですぅ! これほどの怒りっぷりは
  KT(くんくんタイム)を邪魔された時と匹敵するやもしれんです」
真紅「ぬおおおおお! 敢えて言わせて頂戴! ゼア・イズ・アンガー・オンリー! 怒りしかないと!」
翠星石「鎮まれ! 鎮まりたまえですぅ! なぜ、そのように荒ぶるのですか真紅」
ジュン「つまらないことで、本当にすぐ怒りが頂点に達するよな真紅は…」
雛苺「格ゲーだったら、超必殺技を打ちたい放題なのよね」
真紅「このやり場のない怒りを誰にぶつければいいというの!?」
翠星石「いつものようにチビ人間にぶつければいいじゃねーですか」
雛苺「うぃ、スネを蹴るなり、わき腹を殴るなり好きにすればいいのよ」
ジュン「ちょっ!? お前ら…!?」
真紅「それもそうだわね」キュピーン
ジュン「あわわわわわ…」
397 :
真紅「えっ!?」
ジュン「ああっ? そ、蒼星石!?」
雛苺「蒼星石がジュンの机の引き出しからドラえもんみたいに出てきたのよ!」
翠星石「最近、そんな登場の仕方が多いですね。気に入ったのですか蒼星石?」
蒼星石「まあ、それもあるけど。薔薇屋敷とnフィーを介した通路が…」
真紅「理由は別にどうでもいいわ。それより何の用? 蒼星石?」
ジュン(…ほっ、蒼星石の唐突な登場のお陰で真紅の怒りが逸れたぞ)
翠星石(真紅の熱しやすさ冷めやすさは異常ですからね)
398 :
雛苺「かなりあ…?」
翠星石「何だか微妙なキャラの名前を出してきたですね」
真紅「雑誌企画で募集された第8ドールのこと?」
蒼星石「それは珪孔雀。僕が言っているのは正真正銘第2ドールの金糸雀だよ」
翠星石「おーおー、そう言えばいたですねぇ、そんな奴も」
真紅「その金糸雀がどうかした?」
蒼星石「…数週間前、強風の中でお花見を単独強行して飛ばされてしまって
  以来ずっと行方不明だと言ったのは君達じゃないか」
翠星石「そうだったっけですぅ?」
雛苺「そろそろ台風にでも乗って帰ってきそうなのよね」
真紅「そんな昔のことは覚えていないわ。いつだって大切なのは明日に繋がる今日だけ。
  今を精一杯頑張った者にのみ明日はやってくる。そうよ、明日って今よ」
蒼星石「ともかく、いくら空気の金糸雀とは言え、あまりに消息不明なのは心配だ」
ジュン「確かに。みっちゃんさんも気が気でないんじゃ?」
蒼星石「みっちゃんさんのところには、槐先生が作った『かなっしー着ぐるみ(※)』を
  おっ被った雪華綺晶が金糸雀の身代わり役になっているから大丈夫」
※薔薇水晶用のばらっしー着ぐるみに続いて製作された金糸雀に似せた着ぐるみ
399 :
蒼星石「細かい差異は雪華綺晶が幻術でみっちゃんさんを騙しているから大丈夫」
翠星石「本当に大丈夫なんですか、それで…?」
ジュン「しかし、雪華綺晶も最近見かけなかったのはそういう理由でか」
真紅「と言うか、この機に金糸雀のポジションを奪う気じゃなくて、白薔薇は?」
蒼星石「さあ? 雪華綺晶の目的はいつもよく分からないしね。
  ただ、金糸雀の立ち位置に奪いたくなるほどの価値があるかは疑問だ」
雛苺「それもそうなの」
蒼星石「話を戻そう。何であれ、そろそろ本腰を入れて金糸雀を探さないといけない」
翠星石「そうですねぇ。あんなボンクラでもローザミスティカ…お父様の心の欠片を受け継いでいるですし」
真紅「金糸雀はどうでもいいけど、確かにローザミスティカは惜しい」
ジュン「金糸雀をボロクソに言いすぎだろ。大体、真紅はアリスになった時に
  姉妹の誰も置き去りにしないことを究極の少女の願いとして…」
真紅「馬鹿ねジュン。地球が丸い限り、どれだけ離れ離れになっても
  誰かを独りぼっちで置き去りにしたことにはならない」
雛苺「わぁっ、真紅は優しいの?」
翠星石「詩人ですねぇ」
蒼星石「ああ、僕達はこういった感性…感じる心こそ大事にしなくちゃ」
ジュン「てめえら…」
400 :
真紅「ええ、ちょうど暇だったし」
雛苺「けど、どうやって探すの?? カナがいなくなってから
  かなり時間が経っているの。くんくん探偵でも手がかりがつかめそうにないわ」
蒼星石「ぶっちゃけると、金糸雀の居場所の大体の位置は分かっている」
ジュン「え?」
蒼星石「この間、朝のテレビで全国の桜の開花の模様を伝えるローカル番組の特集があった時に
  金糸雀がそれらの番組で映された画面の隅に、いちいち登場していたのが見えた」
雛苺「うゆゆ? それってどういうことぉ?」
蒼星石「つまり金糸雀は何を思ったのか桜前線の北上を追いかけて日本列島を縦断しているらしい」
翠星石「なんですとーっ!?」
真紅「よほど桜の持つ魅力に惹かれたのか、死ぬほどの暇人なのかのどっちかね」
翠星石「春の陽気で浮かれたタダの馬鹿という可能性もあるですよ」
蒼星石「僕としてもタダの馬鹿である線が最も高いと見ている」
ジュン「見ちゃってるのかよ」
401 :
蒼星石「いや、桜前線の北上するスピードは平均すると、人間の赤ちゃんがハイハイする程度の早さだ」
真紅「あらまあ、日本列島を南から北までハイハイで、それは凄い赤ちゃんね」
蒼星石「え? あ、これは物の喩えで…まあ、いいか、細かいことは。それよりも問題なのは…」
ジュン「問題なのは?」
蒼星石「…金糸雀をテレビで見つけて以来、僕は各地のローカル番組の桜の開花特集を
  チェックして彼女の動向を探っていたんだが、とある北国を最後に忽然と金糸雀の姿が
  うちのブラウン管…じゃなかったハイビジョンプラズマ液晶画面に映らなくなった」
ジュン「ああ、そう…」
翠星石「ふむ、それは奇妙ですね。あの目立ちたがりの
  カナチビが突然テレビカメラに紛れ込むのをやめるとは…」
真紅「何か事件にでも巻き込まれたのかしら?」
雛苺「急に心配になってきたの」
蒼星石「というわけで、前置きはこれぐらいにして金糸雀を探しに行きたい。最後に彼女がテレビ画面に
  映った地域は特定できている。その周辺から、さらに北に移動しながら探せば見つかるはずだ」
翠星石「しかし北国はちょっと遠いですね。どうやって行くんです?」
雛苺「新幹線!? 新幹線乗るのよね! わぁい! ヒナ新幹線に乗るの久しぶりぃ!」
蒼星石「うん、新幹線を使いたいが目的地までのチケットは一人分しかない」
真紅「ええッ!? ということはそのチケットをめぐって第二次アリスゲーム勃発!?」
蒼星石「違うよ。そこでジュン君にお願いだ」
ジュン「すっげー、ヤな予感…」
402 :
ジュン「はぁー…っ! はぁーっ! も…う駄目! 死ねる…」グッタリ
真紅「情けない。私達四人が入ったザックを背負って歩いただけでしょ」
雛苺「うぃ。それも駅の乗り換えとかだけのちょっとした距離なの」
翠星石「狭いザックの中にずっと押し込められた翠星石達の身にもなってみろですぅ」
蒼星石「新幹線の自由席の車両では、お客さんが他にいなかったから
  君達はザックの外に出ていたじゃないか。それも車内清掃員の真似して遊んで…」
翠星石「うっ…! そ、それはテレビでよく見るですから、一度やってみたかったんですぅ」
真紅「そうよ蒼星石。自由席なのに、一車両丸々貸しきりみたいな状態だったのよ!
  これはもう神様仏様お父様がもたらしてくれた奇跡!」
雛苺「人生で二度来るチャンスの一度目だったのよ! 絶対に逃してはいけない時間だったの」
蒼星石「ああ、そう…」
真紅「で、ここかからどうやって金糸雀を探すわけ?」
雛苺「そこでタクシーを拾うように見つけられるはずもないのよね」
蒼星石「地道にローザミスティカの気配を探りながら、やるしかないんじゃないかな」
翠星石「ですが、カナチビっぽいミスティカの気配もあんまり感じられないですぅ。
  北国は空気の質も違うですから、翠星石達の感覚が鈍っているやも…」
ジュン「確かに空気が冷たい。僕は喉も渇いたし、そこの自販機で暖かいお汁粉でも買おう…」
真紅「あ、だったらジュン私にも紅茶を…」
雛苺「ヒナはオレンジジュース!」
翠星石「翠星石はホットなはちみつレモンが飲みたいです」
蒼星石「僕、力水」
ジュン「てめえら…」
403 :
金糸雀「くっ…! はっ…」←自販機の下でゴソゴソ小銭を漁っている第2ドール
ジュン「蒼星石ぃ?? さすがに力水は無いから適当なサイダーでいいよな??」
蒼星石「ええ?っ? だったら超力水でいいよ」
ジュン「力水が無いのに超力水があるわけないだろうが…」
蒼星石「しょうがないなぁ…。じゃあ、サイダーでいいや」
ジュン「ふぅ、蒼星石も何か変なこだわりがあるんだよな」チャリンチャリンチャリン
金糸雀「も、もう少し…で」ガサゴソ
ジュン「よし、みんなのドリンク買ったぞ?」
雛苺「わぁい」
翠星石「いぇ?い」
真紅「でかしたわジュン」
蒼星石「さあ、水分補給を早く済ませて金糸雀を探さないと!」
金糸雀「あっ! 今、手が届いたのに…小銭が奥へ!? も、もうちょっと」モソモソ
404 :
ジュン「暑い季節にはキンキンに冷えたものに限るって言うくせに」
雛苺「ヒナはいつでも冷たいオレンジジュースが好きなのよ」
金糸雀「うんしょ、こらしょ」ゴソゴソ
真紅「…で、どうする?」
蒼星石「どうする…とは?」
真紅「そりゃまあ…決まってるでしょ?」
金糸雀「ああっ、また小銭を奥にやってしまったかしら、あと少しだったのに」ガサガサ
蒼星石「じゃあ、当初の手はずどおり北へ向かって金糸雀を探しに…」
405 :
  ここよ! カナだったらここにいるかしら! さっきから見えていたでしょおおお!」
ジュン「……」
金糸雀「なんで! どうして無視したのかしら! 今、ここには
  ジュン達の他にはカナしかないでしょ! ゼア・イズ・カナリア・オンリー!」
翠星石「ちっ! ついに辛抱たまらず、そっちから音を上げやがったですか」
蒼星石「何故無視したのかって言われても…君がタイミングのずれまくった
  ツッコミ待ちのボケを延々と繰り返してたもんだから、どう声をかけていいのやら…」
ジュン「下手に突っ込んだら巻き込み事故だし」
真紅「流石は巻いたジュン。事故にも巻き込まれるとは」
金糸雀「カナはボケてたわけじゃないかしら! カナはただ…」
真紅「いえ、自販機の下を漁る素振りの異常なもたつき具合…とても演技くさい」
雛苺「自販機漁りのプロの真紅が言うんだから間違いないのよね」
金糸雀「ううう…っ」
真紅「そもそも本気出して自販機の下を漁るのなら傘かバイオリンを使うはず。私だってステッキを使うもの」
ジュン「ローゼン泣いてるぞ」
蒼星石「お父様は顔が無いから多分泣けないよ」
ジュン「……」
406 :
真紅「そうだけど、折角北国まで来たのに到着そうそうにあなたが見つかったら
  色々とエンジョイする時間がなくなるじゃない」
翠星石「ザックの中で旅行ガイドマップを見て観光計画を立てていたですのにぃ…」
雛苺「うぃ。夕日が暮れなずむ頃にカナを見つける予定だったのよ」
蒼星石「いつの間にそんな計画を…」
ジュン「しかし、見つけちまったものはしゃーない。ホラ、みんなザックに入れ?。帰るぞ?」
真紅「やれやれだわ」
翠星石「何しに来たのか、全然分かんねーです」
蒼星石「まあまあ、車窓から外を眺めるだけでもそれなりに楽しい…」
金糸雀「ちょちょちょ、ちょーっと待ったかしら!」
ジュン「は?」
雛苺「大声を出しちゃってどうしたのよ? カナ?」
金糸雀「カナが桜前線を無視してまで、この北国に留まったのにはわけがあるのかしら!」
ジュン「ほう」
金糸雀「カナはここで成さねばならない大切なことがあるの!
  それが終わるまでは、みっちゃんのところにだって帰るわけには…!」
真紅「へぇ? あなたなりに、どうやら事情があるようね」
金糸雀「そうなのよ! 話せば長くなるんだけど…」
407 :
  金糸雀が寝床がわりに使った桜の老木に最後に一花咲かせてもらうまでは離れられない…と」
翠星石「ええ話や…」ウルウル
雛苺「金糸雀はやさしいのよね…」
ジュン「見直したぞ金糸雀」
金糸雀「ほぁあああああっーーーー!? ちょ、ちょっと!? カナはまだ語ってないかしら!
  どうして、もう既に説明後みたいな雰囲気にぃーーーーっ!? しかも事情はそのとおり!」
真紅「何か長くなりそうだったから、私の懐中時計の時間の薇を先へと巻いてみました」
金糸雀「真紅の仕業!? というか時間の巻き戻しただけじゃなくて、すっ飛ばしもできたの!?」
真紅「真紅クリムゾンとでも名づけましょうか」
ジュン「鳥バードみたいなネーミングになってるぞ」
蒼星石「あ、でもジュン君、真紅とクリムゾンは微妙に指定色が違うよ」
ジュン「…そうなんだ」
408 :
翠星石「ほほう、これがカナチビに寝床を提供してくれた桜ですか」
ジュン「大きいけど、確かに、くたびれた感じだよな」
蒼星石「ソメイヨシノ…か」
金糸雀「地元で少しは有名なお花見スポットだったんだけど、近年は花を少ししか付けなくなってきていて
  今年にいたっては桜前線がとうに過ぎたというのに、まだ一つも花が咲いていないのかしら…」
蒼星石「寿命だね。花を付けるというのは、植物的には結構パワーのいる作業」
金糸雀「寿命!? いくら老木だからって、そんな馬鹿なかしら! この樹は戦後に植えられたって聞いたわ」
蒼星石「お花見用のソメイヨシノの寿命は50?60年と言われている」
真紅「えっ!?」
ジュン「本当か? い、意外と短いんだな」
蒼星石「色々と外的な要因が重なってのことだ。自然条件下ではもっと長生きもするだろうし
  100歳以上のソメイヨシノも多少は存在していると聞く」
金糸雀「そんな…! カナは夜露を凌いだ恩返しもできないというのかしら…。
  お願いよ想星石! なんとかならないのか、もっと詳しく診てあげて!」
蒼星石「……」
雛苺「ヒナからもお願いするの?」
金糸雀「カナは、この木に何度か活力を与える楽曲を演奏してみたけれども効果はなかった。
  でも、庭師である蒼星石になら、まだ何かできることがあるはずかしら!」
翠星石「えーと、ここにもう一人、庭師がいるんですけど…」
真紅「あなたは、なんちゃって庭師でしょ」
翠星石「なんちゃってとはなんですか! なんちゃってとは!」
蒼星石「分かった。もう少しこの樹を診るだけ診てみよう…」
409 :
蒼星石「やはり、この樹からはアストラルがほとんど感じられない」
翠星石「あるぇ? 植物にはそもそもアストラルがねーんじゃなかったのです?」
蒼星石「…ッ!」
真紅「す、翠星石…?」
翠星石「な、なんですか二人とも? 翠星石、そんなおかしなこと言ったっけですぅ?」
真紅「いいえ。けど、よくあなた知っていたわね。古典的な錬金術や
  神秘学においては、植物にアストラルが存在しないとされていることを」
蒼星石「まったくだ」
翠星石「ぬう、褒めているのか、けなしているのかどっちですか」
ジュン「両方だろ」
金糸雀「古典的な…ということは、実際には植物にもアストラルが?」
蒼星石「いや、僕が探知していたのは、樹木に住みついている小動物や虫のアストラルだ」
ジュン「虫にはアストラルあるんだ」
蒼星石「活力溢れる木にはそれに応じて多くの動物が住みつく。
  しかし、この木にはそれが感じられない。ネズミが逃げ出した…これから沈没する船のように」
金糸雀「そんな…」
雛苺「それじゃあ、本当にもうどうにもならないよ蒼星石?っ?」
蒼星石「どうにもならないわけじゃあないが、無理に花を咲かせることは
  逆にこの木の負担となりかねない。それじゃあ本末転倒だろう?」
金糸雀「う…」
410 :
翠星石「どういうことですぅ?」
蒼星石「花見というのは桜にどうしてもダメージを与える。みなまで言わずとも分かるだろう?」
真紅「ええ…」
ジュン「これだけの大木に花が付いたら、大勢の人がまた押し寄せるだろうしな」
金糸雀「この木の静かな余生を祈るのが…カナにできるせめてもの恩返しということ?
  そんなのって、あまりにも…無力かしら」
蒼星石「強すぎる祈りは呪いになる。アリスゲームがそうであったように」
真紅「蒼星石…」
翠星石「ほどほどに諦める勇気ってやつが必要ってことですか」
金糸雀「勇気と…言えるのかしら、それを」
蒼星石「日も傾いてきた、そろそろ帰りの電車の時間だ」
金糸雀「……」
蒼星石「もう、いいね? 金糸雀?」
金糸雀「うん。蒼星石の言うことは正しいし、よく分かったかしら」
411 :
ザック『…zzZ』
蒼星石「翠星石と真紅と雛苺はザックの中で爆睡のようだね」
ジュン「車内で暴れられないから助かる。すいているとは言え今度はチラホラ、乗客もいるんだからな」
金糸雀「カナと蒼星石がジュンの隣や膝の上に座ったりしているのもギリギリっぽいかしら」
ジュン「車掌さんとか、他の乗客が近くに来たらすぐにザックの中に隠れろよ二人も」
蒼星石「人形のフリじゃ駄目なのかい? 旅の腹話術見習いみたいな感じで…」
ジュン「女の子の人形二つ抱えているのは、どう見ても不審者だろう」
金糸雀「ふふふっ、そうかもしれないかしら」
蒼星石「…思ったより元気そうだね金糸雀」
金糸雀「?」
蒼星石「あの老木のもとを去るのは淋しかったろうに」
金糸雀「ええ、でも…カナは」
蒼星石「わきまえている…かい?」
金糸雀「……」
蒼星石「あまり最近は聞かなくなっていたけど、君のちょっとした口癖だったね」
ジュン「そうだったのか?」
金糸雀「ええ。でも本当にカナがわきまえていれば、これほど
  みっちゃんの…マスターの傍を離れたりはしなかったはずかしら」
蒼星石「…そうかもしれないね」
金糸雀「だけどカナはもう小賢しくわきまえたりはしない。自分の思いを一番に
  行動する乙女かしら。そして、それを教えてくれたのはみっちゃん…」
蒼星石「……」
ジュン「金糸雀…」
412 :

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