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【閲覧注意】死ぬ程洒落にならない怖い話をあつめてみない?『山の迷い人』
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4:
四国八十八箇所逆打ちの旅
四国八十八箇所を逆に回る「逆打ち」をやると死者が蘇る。
映画「死国」の影響で逆打ちをそういう禁忌的なものとらえている人も多いのではなかろうか?
観光化が進み、今はもうほとんど見ないようだが、
真っ白い死装束のような巡礼服を着て順打ち(八十八箇所を普通に回ること)をしている姿は
まるで死での旅のように不気味で(実際行き倒れも多かったらしい)、
確かにその逆をやれば死者の一人二人生き返ってもおかしくないような雰囲気があり、
また地元の老人方も「逆打ちをしている」というといい顔をせず、
「やめたほうがいい」「罰当たりだ」と苦言を呈してくることがあったそうだ。
さらに「打つ」という表現をするように、八十八箇所回りは
参拝した寺に木の札を釘で打ちつける、というのが本来の作法で、
(現在では木の札を打ち付けることは禁止されており、専ら紙の札を納めるだけである。)
その打ち付けるという行為が「呪いの藁人形」などを連想させ、なんともおぞましい感じがする。
主観交じりの些細なことだったかもしれないが、
「八十八箇所回り、とりわけ逆打ちにはオカルト的な何かがある!」
と、若い俺達に思い込ませるには十分すぎた。
俺は当時一緒に心霊スポット荒らし(心霊スポットでバカ騒ぎしたりカップル冷やかしたり)
をしていた、のっぽのYと茶髪のAという友人二人を連れて
『四国八十八箇所逆打ちの旅』をやることにした。
295:
大学三年の夏休み、俺達は有り余る若さと体力と時間に任せて自転車で四国に渡った。
「車じゃ味気ない、徒歩は無理っぽい、じゃあ自転車だろう」
という考えだったのだが、
今にして思えば真夏に自転車で四国一周というのも大分無理があったのではないだろうか。
何にせよ、俺達三人はK県S市にある八十八番目の寺(逆打ち開始地点)の前に立ち、
旨いうどんを食い、テンションMAXだった。
暑い日差しにも負けず、パンクにも負けず、夜の薮蚊にも負けず、俺達はひたすら寺を回った。
数日が経ち二十数ヶ所の寺を回り終え、俺達は蜜柑ワールドE県に突入した。
「せっかく蜜柑の国に来たのだから」
と、商店でみかん買い、何番目かの寺で休んでいたときだ。
「あのおばちゃん前の寺でも見なかったか?」
Yがみかんの皮を剥きながら尋ねてきた。
「どのおばちゃん?」
「ほらあれ」
私の問いかけに、Yがその人物を指差す。
その先にはボロボロに薄汚れた格好で(ひどい言い方かもしれないが)大きな鞄を持った中年女性がいた。
「いや、気のせいじゃないか?俺は見た覚えないぞ」
「マジで?見た気がするんだけどなぁ」
「つーか逆打ちなんて物好きなことしねーだろ普通」
(逆打ちコースだと、同じ巡礼者に二度会うことはまずない)
「そうだよなぁ、でも見た気がするんだよなぁ」
Yは気にかかるようだったがその話はそこで終わり、後は
「みかんうめぇ」「この辛さなら巡礼者も行き倒れるわな」
などと言い合っていた。
それから更に何日かかけて、E県の寺もほぼ回りつくした。
(もうすぐE県の寺も回り終える。名残惜しいがみかんともポンジュースともお別れだ)
そんなことを考えながら、B寺という四十数番目の寺で一夜を明かそうとしていた時だ。
時刻はもう午前0時近く、連日の疲れがあるはずなのに何故か眠れない。
Yも同じようで、仕方なく二人でのんびりと星を眺めていた(Aは爆睡)
296:
どのくらいそうしていたかはわからない。
星を眺めるのにも飽き、無理にでも寝るか、
と何気なく寺の入り口のほうに目をやった時、俺は思わず息を飲んだ。
誰かいる――
寺の入り口に確かに人影が立っており、寺の中に入ってきている。
正確な時間はわからないが、恐らくもう午前0時を過ぎていただろう。
参拝するにはあまりにも遅すぎる。
普通じゃない。
さらに、その人影がはっきりと見える近さになって、俺は更に顔を強張らせた。
ボロボロの服に大きな鞄――
それは紛れも無く、俺達がE県に入ったばかりの寺で見た、あの中年女性だった。
百歩譲って、その中年女性も俺達と同じく逆打ちをしているのだとしても、
この状況は普通では考えられない。
俺達は自転車、向こうは徒歩なのだ。
いくら俺達が四国の地理に疎いと言っても、さすがに普通なら徒歩に追いつかれることはないだろう。
そう、普通なら・・・
まさか、夜通し歩いているとでも言うのだろうか?
「あのおばちゃん、この前見たおばちゃんだよな?」
Yも中年女性に気付いたようで、私に話しかけてきた。
「あぁ・・・多分、同じだと思う」
俺は自分を落ち着けるために大きく呼吸し、途切れ途切れに言葉を発した。
「何でこんな時間に参拝するんだ?」
Yが尋ねてくる。どうやらYは追いつかれたことについては疑問を持っていないようだ。
「知るか・・・それよりあれヤバイんじゃないか?」
逃げ出したい気持ちを抑え、俺はYに返す。
「そうか?別に変な感じはしないし、生きた人間だと思うぞ」
Yは特に恐れている様子もなく、そう答える。
297:
確かに、今まで霊体験をするときに例外無く感じていた違和感のようなものは全く感じない。
しかしそれにしたって妙だ。こんな時間に女性が一人で参拝など、やはり普通じゃない
そう俺が言うと
「それじゃ話しかけてみるか。理由がわかればスッキリするんだろ?」
と立ち上がり、おもむろにその中年女性に近づいていった。
全く、こいつは何故こうも無鉄砲なのだろう、と思うのだが
結局私もYを一人で行かせるわけにはいかない、という気持ちと
この女性が何者なのか知りたい、という好奇心に負け、Yの後に続いた。
「すいませーん、ちょっといいですかー」
と、Yが大声で中年女性に話しかける。
「はぁ、なんでしょう?」
突然二人組みの男に話しかけられたにも関わらず、警戒したように鞄だけは大事そうに抱きかかえたが、
女性は少しも動揺したような素振りは見せずどこか夢うつつのような声で応答した。
「こんな場所で何してるんですか?」
Yが尋ねる。
「その、あまり褒められたものではないんですが、八十八箇所を逆に回っているんです」
中年女性はそう答える。
やはり俺達と同じく逆打ちをしていたようだ。
「どうしてまたこんな時間に?」
「急いでおりますので・・・」
「体に悪いですよ、こんなに遅くまで」
「私は大丈夫です・・・」
「僕等も同じことをやっていて、随分前に自転車で追い抜いたんですが追いつかれてしまいましたね」
「この道に慣れていますから・・・」
その他にもいくつかの質問をしたが、回答はすべて短く簡潔なものだった。
だがそれでも、俺の抱いていたほとんどの疑問は氷解していった。
こんな時間にいるのは、事情があって急いでいるせいで、
俺達が追いつかれたのは、やはり俺達が道に慣れていないせいだ。
298:
俺は大体納得し、
(事情というのは俺達と違い休みの期間が短いとか、そういうことだろう。
このおばさんも恐らくオカルト好きの酔狂な人で、興味本位で逆打ちをしているんだな)
などと勝手に思い込んでいた。
質問が終わると、中年女性は本堂のほうへ歩いていった。
「大したことなかったろ?」
と、女性を見送りながらYが言う。
「そうだな、一人でビビった俺がバカみたいだ」
笑いながら俺はそれに答えた。
「それじゃもう寝ようぜ、いい加減にしないと明日に差し支えるし」
Yに促され、俺達は寝袋に入ろうとした。だが――
カツー…ン カツー…ン
本堂の方から音が聞こえてくる。まるで釘を打つような音が。
「おい」
本堂のほうを睨みながら俺はYに声をかける。
「あぁ」
Yは頷き、俺達は本堂の方に走って行った。
俺達が本堂の前についたときは既に音は止んでおり、
中年女性が槌のようなものを持って佇んでいた。
そしてその視線の先には、禁じられている木の札が打ち付けられていた。
(おいおい、いくらオカルト好きでも禁止行為はやっちゃダメだろ)
その時の俺はまだその程度にしか思っていなかった。
中年女性は、まるで俺達などそこにいないかのように、俺の脇をすり抜けて行った。
すれ違う一瞬、俺は確かに聞いた。
「もう少しだから、もう少し、今度は・・・」
と、中年女性がぶつぶつと独り言を言っているのを。
299:
そこで俺は、あることに気付いた。
あの女性が着ているボロボロの服、あれは八十八箇所回りの巡礼者が着るという巡礼服だ。
今までそのことに気付かなかったのは、真っ白であるはずの巡礼服がどろどろに汚れており、
また、本来背中に書いてあるはずの文字も擦り切れていて見えなくなっていたからだ。
そして、俺はそのことに気付いた直後にある想像が浮かんだ。
あまりにも悲しく、おそろしい想像・・・
この女性は本気で誰かを生き返らせようとしているのではないだろうか――
そして、逆打ちをするのは恐らくこれが始めてではない――
「道に慣れている」という発言、あまりにもぼろぼろの巡礼服、そして先程の独り言・・・
彼女は今まで何回、何十回と逆打ちを繰り返しているのではないだろうか
そしてこれから先も、願いがかなうまで何度でも――
そして大事そうに抱えていたあの鞄、あの鞄の中には・・・
全ては俺の勝手な想像に過ぎない。
しかしこんな想像をしてしまったからには、もう逆打ちを続ける気力など残っているはずもなかった。
俺はYに自分の想像したことを話し、逆打ちの旅を中止することにした。
次の日すぐに俺達は四国を出たのだが、爆睡していたAだけはとんでもなく不満そうだった。
この話を後日四国出身の知人に話したところ
「嘘だろ?映画(死国)の前までは逆打ちで死者が蘇るなんて聞いたこと無かったし」
とのことだった。その知人は「そんな新しすぎる噂に執着するやつはいない」と言っていたのだろう。
だが、噂の新旧はあまり関係ないと俺は思う。
どんなに新しかろうと、どんなに嘘臭かろうと、絶望の淵にあるときに差し出されれば
簡単に信じ込んでしまうのではないだろうか。
もしかすると、あの中年女性は今もまだ――
以上、長文乱文失礼
306:
四国の人間だけど、八十八カ所巡りを逆に廻ると死者に会えるって聞いた事あります
愛媛の片田舎に住んでますが、ここ最近、白装束を着た参拝者をよく見かけます
351:
>>306
死者に会える、というのと死者が蘇る、というのは違う。
前者は死んでいるはずの弘法大師さんが今も生きており、
逆に回っていると順に回っている大師さんと会える、という伝説。
後者は映画死国で作られた噂。
白装束の参拝者は今もいるが、昔ほど多くは無い。
同じく四国に住んでるおっさんです。
365:
自転車修理
友人(Aとします)の話です。
Aには愛用の自転車がありました。
それを飛ばして学校へと来ていましたが、
ある日派手に転倒してぶっ壊れたそうです。
それからと言うもの、しばらくAは早起きして、
歩きで登校していました。(この間相当愚痴ってました。)
それからまた、幾日か経ったある日のことです。
自転車で登校してきたAと、校門で鉢合わせになりました。
Aは新しい自転車に乗っていました。
私は、「ついにあの自転車捨てたのかw」と言い、茶化しました。
しかしAはちょっと嫌そうな顔で、
「捨てたのは捨てたけど、お前が思ってるような理由じゃない」
と言いました。
気になった私は、詳しく話を聞きました。
Aは、自転車が壊れてしまってから数日後に、
自分のそれが修理されている事に気付いたそうです。
(なんと彼は、壊れた自転車を家まで持って帰っていた)
それはかなり荒っぽい修理で、「機械には弱いけど、頑張って直したよ」
というような仕上がりだったらしく、辺りには部品のような物も落ちていました。
無論、Aの知る人物でそれをした者はいません。
では一体誰が・・・?
A曰くその時、「もう、かなり嫌な感じがした」そうです。
それは、夜、自分の自転車置き場から妙な音が聞こえてきた事で、
確信へと変わりました。Aは彼の父親に説明し、
2人で恐る恐る見に行ったそうです。
そこに居たのは、手が血だらけになった中年の女性でした。
366:
女性は、こちらに気付く様子も無く、Aの自転車を一生懸命直しています。
手の怪我は、慣れない工具を扱ったためだろう、とAは推測していました。
とにかく訳が分からず、「はあ・・・?」と思った2人が近付こうとすると、
女性はそれに気付いたようで、
「えええええええエーーーーーーっ!?」
とものすごい驚いたような声を上げ、工具をほっぽり出して、
小走りで走っていったそうです。
残されたのは、血が所々に付着した自分の自転車・・・
不気味すぎて追いかける気にもならなかったそうです。
その後、Aの父親が調べた所によると、Aの自宅から少し離れた所に、
小さな自転車修理矢を経営している夫婦が居たそうです。
夫が亡くなってからは店を閉めたそうですが、
その後の妻の行方がわからない。実家に帰ったのだろうか、
いずれにせよ、その2人はとても仲が良かったそうです。
もしかしたら彼女ではないか・・・という事でした。
新しい自転車に買い換えてからは、
何も起きなくなったそうで、私は安心しました。
「だから捨てたんだよ。俺の気持ちも分かるだろ?」とAは言いました。
私は、迷い無く頷きました。
576:
人形と御札と本
そろそろ年末、旅行シーズンなので自分が体験した旅行での怖い話を一つ。
かなり長いので読みたくない人はスルーして下さい。
1/9
中学の時の修学旅行で京都へ行った。
夕食、風呂も終わって旅館で寝るまでの自由時間を楽しんでた時だった。
俺は右隣の部屋に良い連中がいるので遊びに行った。
俺達は定番のトランプやらウノやら一通り遊んで、飽きはじめた頃、誰かが
怖い話をしようぜ。なんて事を言った。
部屋の明かりを消して中央に10人ほど集まり、1人目の話が始まった。
2人、3人・・・4人と話は進んで行き、次はA男の番だった。
A男『安い旅館や修学旅行で使われる部屋ってでるんだよな!』
A男『御祓いの為にお札が絵やツボの裏、押し入れの中に貼ってあるんだってよ』
A男『探してみようぜっ!』
怖い話を期待してたのでシラケつつ、部屋中の捜索が始まった。
実際にあったらあったで面白いし、何よりありそうな感じがした。
577:
2/9
絵やツボの裏側、押入れの中はもちろんテレビの下などあちこち探したけど、
結局何一つ出てこなかった。そのうち、どこかの部屋で始まっていたマクラ
投げが伝染してきて、この部屋でもマクラ投げ大会が始まった。
だんだんエキサイトしてきて、布団を投げ始めたりプロレスごっこになったり、
修学旅行の夜というのを満喫していた。
A男『おっ?』
少し遊び疲れた頃、A男が天井にある点検口を見つけた。点検口ってわかる?
天井裏に入るための入口で、普通の家だと洗面所あたりの天井についてるやつ。
そこの旅館はなぜか部屋の端っこの天井についていた。
A男は悪いやつじゃなかったが、ちょっと度が過ぎてしまうタイプだった。
A男『おぃ、あんなか入って見ようぜ!隣の部屋まで行けるんじゃね?』
暗所、閉所恐怖症の俺は断固拒否した。他の連中も疲れただの汚れるだので拒否してた。
A男『なんだょ、じゃ俺が入ってみっから馬になってくんね?』
3人で2段の馬を作りA男が点検口を開ける。スムーズには開いたが、パラパラと
埃が落ちてくる。たぶん長い間使われることが無かったんだろう。開いたその先
には真っ暗な空間が広がっている。
A男『なんだよ、くれーなー』
A男が中に頭を突っ込んでしゃべってる。中が明るいとでも思ったのだろうか。
A男『あ・・・・』
何かを見つけたのだろうか、A男が声を漏らした。
578:
3/9
A男『おぃなんかあったぞ!』
と言いながら、A男は両手を穴の中にあげたまましゃがんで頭だけを暗闇の中から出した。
穴が小さいため、手に持っているものと頭を同時に出せなかったんだろう。
手をゆっくりと暗闇の中から明るいこちらの世界へ戻す。
手に持っているものが見えたとき、その部屋の中にいる人達の動きが一瞬止まった。
A男『うゎぁぁ!なんだこれ!』
天井裏は暗くて、A男にはそれが何なのかまったく分からなかったんだろう。
分かっていれば、それを取ろうなどとは考えもしなかっただろうに。
579:
4/9
A男が天井裏から見つけた物は、赤い柄のついた和紙でできた折り人形、御札、
それと小さな赤い本だった。
長い年月置かれていたからなのか、人形の表面はほこりで黒く汚れ、御札はかろうじて
文字が読める程度にまで古びていた。小さな赤い本は、ポケット辞書ぐらいのサイズで
赤黒くなった表紙にはなにやら文字が書いてあった。
A男は驚いた拍子なのか、わざとなのか周りにいた人達にそれらを投げつけた。
もちろん誰も受け取ろうとはせず、本はバサっと畳の上に落ちた。
人形は和紙で作られていたせいか、ヒラヒラと舞い落ちて、部屋の隅のほうへ落ちて行った。
片方の手と足を畳に、もう片方の手で壁をささえ、偶然なのかナナメに立った。
御札もヒラヒラと舞い落ちて人形のあとを追うように畳に落ちた。
心なしか、人形はA男を睨みつけているように見えた。
580:
5/9
A男は馬から飛び降りて、再び人形を手に持ち、また俺たちに投げてきた。
たぶん自分でもやばいと思ったんだろう。その気持ちを誤魔化すかのように
静かになったその部屋で、半笑いで人形や本を投げつけてきた。
A男以外、誰も言葉を交わさない。引きつった顔で人形と本から逃げまくる俺達。
B男『それ、やべーから元に戻せって!』
他『うん、うん』
ついにB男が口を開いて、それらを元の位置に戻すように提案した。
A男もすぐに元に戻すことに賛成した。
A男は人形と御札と本を拾い、軽く埃を払ってごめんと呟いて天井裏の元の位置に戻した。
テンションも下がり、就寝時間も近かったためみんな各自の部屋に戻っていった。
俺は隣の部屋、A男はさっきまで遊んでいたあの人形のあった部屋だ。
581:
6/9
すぐに消灯時間は過ぎ、先生達が見回って部屋の電気を消させた。
部屋の入口のドアは少し開けられていて廊下の明かりが差し込む。
たぶん、しゃべったりしてる生徒を見つけやすいようにしたんだろう。
先生達が廊下をパタッパタッと行ったり来たりする足音が聞こえる。
廊下の明かりと先生達が見守ってくれているという安心感からか、先ほどの人形の出来事を
忘れてすんなり眠りにつけそうだ。
パタッ・・・パタッ・・・パタッ・・・パタッ・・・パタッ。
先生の足音を聞いているうちにウトウトし始めて俺は深い眠りについた。
寝始めてどれくらい時間がたったのだろうか。『ドンッ!』と地響きのような音でハッと目が覚めた。
夢かと思ってドキドキしながら2回目の音が聞こえるのを息を殺して待っていた。
おそらく同室の連中もそうだったに違いない。
すぐに『ドンッ!ドンッ!』と1回目と同じくらい大きな音が鳴り響いた。それと動じに叫び声が聞こえる。
582:
7/9
ドンッという音と叫び声は、どうやら隣の部屋からのようだ。
廊下からS先生の『どうしたっ!』っという声とA男の叫び声のような物が聞こえてくる。
俺たちはあわてて部屋を出て、隣の部屋に駆け込んだ。
部屋の中はすごい光景だった。
A男が目をちばらせ壁に向かって手足を振り回してた。
まるで壁から出てくる何かに必死で抵抗しているように見えた。
A男『やめろー!くるな!くるな!』
S先生『おいっA!しっかりしろ!』
A男『手が!手が!手が!壁から手がーーーーーーーっ!』
すぐに他の先生達が駆けつけ、A男を取り押さえた。
A男は押さえつけられながらも叫びながら必死で何かに抵抗していた。
見ている俺らも怖くなるぐらい暴れ叫んでいた。
S先生『おいっ!救急車を呼べっ!』
誰が救急車を呼んだのか知らないが、すぐに救急隊員がタンカを持って入ってきた。
タンカに載せられて縛られてもA男は暴れ続け失禁までしていた。
そのまま救急車で運ばれていってしまった。
583:
8/9
S先生『さーもう全員寝るんだ!あいつは悪い夢でも見たんだろう』
と、部屋から生徒を追い出し各自部屋に戻って寝るように言った。
もちろん、あんなのを見てしまったからには寝られるわけが無い。
俺たちは部屋に戻って、皆が落ち着きを取り戻した頃にS先生を呼び出した。
そして、A男が屋根裏から人形などを見つけて投げたりして遊んでしまったことを伝えた。
S先生『そんな事は関係ない。あいつは夢遊病か何かなんだろう。お前たちも気にしないで寝ろ。』
S先生『一応、旅館の人にその天井裏の人形の話はしといてやるから。』
と言い、すぐに部屋を出て行ってしまった。
しかたなく俺も布団に入った。怖くて壁や天井は見れなくて、ガタガタ震えながら布団をかぶって朝を待った。
585:
9/9
翌朝、もちろんA男の姿はない。
朝食後、部屋を出る準備をしている時に俺のクラスの生徒は全員集まるように指示された。
集まる場所はA男のいた部屋だった。担任はすでにいて部屋に入ると端から順番に正座をさせられた。
昨日の事を起こられるのかな。と俺は思っていたんだが、どうやら違ったようだ。
生徒が部屋に入った後、ぞろぞろと旅館の従業員さん達が入ってきた。そしてそれに続いて、
白装束を来た神主さんらしき人が3人入ってきた。
そして全員手を合わせて目をつぶるように言われ、言われたとおりにお経のような物を唱えた。
御祓いのような儀式は2時間ぐらい続いた。
その後、何事も無く修学旅行も終わったんだが、A男が修学旅行に復帰することはなかった。
学校が始まってもA男は戻ってこない。担任の話では、別の学校に転校したとの事。
噂では精神異常者となり精神病院に入院してしまったとか。
A男の自宅も引っ越してしまい。A男の消息はまったく分からなくなってしまった。
その後、考えてみると不思議なことがあった。
・だれが救急車を呼んだのか分からなかった。(先生が生徒に聞いたが誰も呼んでない)
・救急車が来るのが異常に早かった。
・救急隊員の顔が見えなかった。(なぜか黒くて見えなかった)
・誰も救急車に連れ添っていかなかった。
あの部屋で何があったのか、なぜ人形と御札と本があったのかはみなさんの想像に任せる。
あの救急隊員は人間だったのか。
もう20年前にあった実話。読んでくれた人、長々とありがとう。
608:
>>585
乙です
644:
割と怖かったイタ電スレコピペ
イタズラ電話
551 名前: 本当にあった怖い名無し [sage] 投稿日: 2006/12/11(月) 07:39:04 ID:7ZpGi3ce0
自分が高校入ってすぐ、学生にも携帯が普及し始めた頃の話。
学校が終わって、家に帰ったら丁度家電に電話。
母親からで、今日は遅くなるってだけの連絡だった。
適当にメシの準備してたら再び家電。
丁度手が放せなくて、母親だろうからかけ直せばいいやと、出ずにいたら、今度は携帯の方が鳴った。
携帯は胸ポケットに入れたままだったので、急いで番号確認せずに出たら
「ねねねねねねねねねねねね、なんで出ないの?ねぇなんで?」
という野太い男の声。
意味がわからず「はぁ?」って返したら、
家電が留守電に切り替わった。
「ねぇ、聞いてる?なんで?なんででないの?ねぇ」
携帯と、家電から、同じ声がスピーカー状態で声が響いた。
携帯のバッテリーを外して、家電の電話線ひっこぬいたよ。
677:
八房の犬
「この犬は普通の犬じゃありません。それでもいいんですか?」
それが私が後に八房と名づける犬を引き取ると口にしたときの団体の担当者の言葉だった。
詳しく話をきいてみるとこういうことらしい。
八房は一度ある非営利の動物愛護団体にひきとられたあと、足をへしおられた。
それが偶然であったか故意であったかはさておき、病院にもつれていかれずに曲がってくっつくまで放置されたのは間違いないという。
動物愛護団体がひきとった筈の犬がなぜそんなことにと問うと。
担当者は泣きそうな顔をして、好きだからやってる所ばかりじゃないんですよねと前置きをしておしえてくれた。
それまでも話にはきいていたが、大衆の同情をひきそうな動物ばかりをひきとって寄付金を狙う団体も少なくなく、彼を引き取った団体も実態はそういうものだったらしい。
だが八房はその目的、集金のためには不適格だったらしく的確にするためにそんな目に合わされた。
いつもは我々に抗議をしにくる立場の団体の人が萎縮した姿だったのはこれがはじめてだ。
(ちなみにこのときの私の職は保健所の職員である。)
どれだけそれが重大な事と相手が痛感していることか理解して私は追求したりせず話を先に進めた。
どうして、その団体の人が来ないのか。何故別の団体がもってきたのかと聞くと該当の団体が既に解散していると教えられた。
団体はなくなっても人は残るだろう?とまで問う気はおこらなかった。
「近くの施設で処分していただこうとしていたのですが。 この犬ここに来たがってまして」
どういう事かと問うと、抗議用のリストのたばねたファイルをひらいているときまってそのリストを凝視したのだという。
施設につれていくことが決定した時も、ここ以外のところに連絡をとろうとすると盛んに吠え立てたという。
静かにしているときはきまってやけに電話の音が遠いとかノイズがやたらとするのだそうだ。
「多分あなたが目的だったんですね」
678:
気遣わしげにこちらをうかがう担当者の前で私は重苦しくうなりながら鼻から息を抜いた。
その時あらためて八房の顔をみると、あることにきづいた。
私は引き取られていく前八房の世話係だった。なつかれていたし、憎からずおもっていた。
しかし上司から一匹ひきとれば次から次。それで生活が崩壊したものも沢山いると教えられていた為自分でひきとることはなかった。
結果、酷い場所にひきとられ苦しんだ八房は私の行為を裏切りと考えるようになったのだろう。
彼女につれてこられていこうまったく私からそらされない視線には憎悪が宿っているように感じられた。
「どちらにしても。とてもではないけれどうちでは他の引き取り先もみつけられないんです。かわいそうだけど処分するしかありません。 だから引き取っていただけるならこんなに嬉しいことはないんですけど。」
そんなことを言う担当者に私は彼女の抱く懸念ではなく何故引き取り先もみつけられないのか問うた。
彼女はおずおずと封筒を差出し目をそらす、私は中身を見て言葉を失った。
カメラが向けられることをいやがっているからその顔は威嚇と怒りにゆがんでいたが、そんなものはかわいらしい。
どうみても犬やら猫やら動物の顔としか思えない模様めいたものがいくつも浮かんでいたのである。
「カメラをいやがるだけだったらいいんですけど。撮る度こんなではとても支援者のかたにはみせれないんです。」
そういわれているあいだ中わたしは八房をながめた、相変わらず八房は私をにらみつけている。
ケージの中から向けられる射抜くような視線、ケージからだされたら首にでもくいつかれそうだった。
しばらく無言でいたことを担当者はひきとる気が失せたとおもったのか、封筒にいれられた金を出し
「供養はてあつくお願いしいます」
と声をひそめた。
679:
「餌代としてもらっておきますよ。これから物入りになりそうなので。 そういうことならいいでしょう?」
そういって私がふところにそれをしまうと彼女は驚いて顔をあげた。
にらみあいのあいだに私は彼の名前をすでに用意していた。
「よくも悪くもこんなに霊験あらたかな犬なんてほかにいないでしょ? な、八房」
考えた名をよんでみるとはじめて音で意図を示された、ぐるるという唸り声。
返事をするということは気に入らなかったわけじゃなかろうと。
「でも… 危ないですよ。 解散した団体にも不可解なことがいくつも」
心変わりをうながそうとする担当者を手で制し。
「これが一番なんです、私にとっては。」
そういいながらどうやって示したものか考え、思いつきでジャーキーを取りだし試しにケージについた穴に近づけた。
指にかみつかんばかり(というか最初からそのつもりだろう)に勢いよくだがくらいついてはくれた。
「ね? 普通の犬じゃこうはいかない。警戒して食わないところです。 私ならうまくやってけます。」
すでに八房との生活のプランは頭の中にあった。
自信をもっていうと担当者は八房とわたしをみくらべたあと、しばし話をしてから去っていった。
681:
こうして私は八房の犬となった。
彼は生きている間にかずかずの不幸を私にもってきてくれた。
保健所の中にやってくる犬達の中で情を通わせた犬がいると感づいて吠え立てる。
引き取れと命じるのだ。
基本的にわたしは八房の命令に忠実だった。
だが、家計のためにとやむなく見捨てた時は医者にも原因不明だという高熱に一週間もやられたものだ。
人間が動物に都合をおしつける世の中で、八房だけが動物の都合を人間におしつけられる立場だった。
とはいえそれではこっち餓死するし、そうなると犬達の面倒は到底できない。
さしもの八房も人間の言語まではわからずディスカッションは混迷を極めたが辛うじて私の生存ラインの出費の範囲内で納得してもらえるようになった。
だがそんな幸せな生活も長くはつづなかった。
彼はたかだか三年私のもとで生きて、亡くなってしまった。
八房の魂がまだ肉の内にとらわれている内になんとか八房との関係修繕をしたかった。
今私は自宅に飼っている犬を人質として辛うじて八房の祟りを免れているに過ぎない。
八房のためにたてた供養塔を撮影してそれは確信に変わった。引き取る前にみせられたものより格段に犬の顔は増えている。
853:
蟲
3/1
子供の頃から虫や動物が好きで、近所の草むらや山に入って虫取りをよくしてた。
当然、持って帰ってきても飼える能力はなくすぐに死んでしまう虫がほとんどだった。
ただ取るのが楽しくて、飼う事やかわいがる事は好きじゃなかったんだと思う。
死んだ虫達は、土に埋めてあげたり、草むらに返したりしたが、ごめんなさい
という気持ちは持ってなかった。
小学校3年生の時、突然に夢遊病が始まった。
当時団地の4階に住んでいたんだが、気付くと玄関で寝ていたり、窓のサンに立っていたり
ベランダの柵を乗り越えようとしているとこをオヤジに助けられた事もあった。
もちろん記憶はまったく無い。無いが寝ようと布団に入ると必ず同じような事を体験した。
854:
2/3
布団に入って天井を見てる。なぜか天井がものすごく遠く高い。ふだん見てる天井とはぜんぜん違うんだ。
まわりのタンスや机までもすごい高さだ。まるで魚眼レンズでもつけて見てるような感じだった。
キョロ キョロ見回してると、空から大きなシャボン玉が落ちてきて、
それを落とさないように必死で受け止める。シャボン玉というか写真に写るオーブみたいなやつ。
シャボン玉はいっぱい落ちてきて、もう受け止められない!とあきらめるとそこから記憶が無くなる。
目が覚めると全然違う場所で寝てる。それが2週間ほど続いた。
855:
3/3
このままではあぶないので、近所の有名な不動尊で見てもらうことになった。
神主(?)さんらしき人が、御祓いの様なものをしてもらい御札を1枚もらった。
たしか【蟲封じ】とかいう御札だった。それを部屋の言われた方角に貼り付けた。
その日から夢遊病は治った。
だが、自分がものすごく小さくなって、回りが異常に遠く見えるのはたまになる。
知人の精神科医に話したところ、『不思議の国のアリス症候群』というヤツだな。と言われた。
あの時の虫達は、まだ俺を許してくれないのだろうか・・・。
?不思議の国のアリス症候群(Alice in Wonderland Syndrome)?
自分の体の一部や全体が大きくなったり小さくなったりして感じたり、周囲のものが大きく見えたり
小さく見えたりする。遠ざかって見えたり近づいて見えたり、時間感覚の異常も感じることがある。
怖くないなスマソ
954:
電話ボックス
中学生の半ば頃だったはず。
私の学校はかなり辺鄙な場所にあり、学校を隔てて片方は都市部、
もう片方は山林部、のような感じで、極端なほどに景色が分かれていた。
だから、遊ぶのには困らなかったわけだ。
都市側にあるゲームセンターに飽きた時、
私と友人達は山林部で遊ぶ事にした。
あれは・・・「探偵」だったかな?とにかく、「犯人」役がいて、
「探索者」がそれを探すと言う感じのゲーム。
それをしていた時の事だ。私は逃げる「犯人」役で、
どこか良い場所が無いかと一人で山中を歩いていた。そして、
小さな広場のような場所に出たとき、意外な物を見つけた。
電話ボックス。
それは、廃棄されていた・・・というよりかは、
乱雑に倒れているのではなく、きちんと立てて置かれていた。
それだけでもかなり変な事なのだが、そのボックスの到るところに、
「KEEP OUT」の黄色いシールがベタベタと貼られていたのだ。
その内部は曇っている上、シールのせいもあり完全に見えない。
何でこんな物が・・・と考える暇も無く、その内部から物凄い声がした。
ダーーーーーーーーーーーーーーゼーーーーーーーーーーーーー
驚いて後ずさりしたら、ボックスのガラスの面の一箇所に30個くらい?
(多すぎてよく覚えていない、大きさは人の指がちょうど出し入れできるくらい)
にパリンと穴が開いた。
その全てから人間の指が出ていた。
956:
指の数から、あの中にはたくさんの人間がいたはずだ。
だが、電話ボックスにあれだけの数が入るはずが無い。
では、中にいるのは一体何なのか。
ダーーーーーーーーーーーーーーゼーーーーーーーーーーーーー
もう一度聞こえた物凄い叫び声。
だが複数の声ではなく、明らかに「単体」から出される声だった。
そして、だしぬけに理解してしまった。
ああ、そうか。分かったぞ。「出せ」って言ってるんだ・・・。
木々を縫って降り注ぐ太陽の光が、恐らくは雲によって遮られ、
森の中が少し暗くなったと同時に、私は駆け出していた。
いくつもの音・・・鳥の鳴き声、木々のざわめき、枝の折れる音、そしてあの叫び声。
それらを気にして振り返る事など出来るはずが無かった。
友人と合流した後、体験した事を彼らに説明した。
あまりにも気味が悪く、余りにも怖すぎたので、
誰も行こうなどとは言わなかった。
私の必死の説明が彼らにも伝わったのだろう、
それから私たちは山林部で遊ぶ事はなくなった。
「指だらけの怪物」
・・・こう言うとシュールで、少し笑えるかもしれないが、
ただ現実として残っている記憶、出来事を、ここに書いてみた。
112:
「死ぬ程?」で読んだ話だと思うんですが、
夢の中で家のリビング(?)に行くと家族の様子が変で、部屋が赤くなっていって
気付くと病院のベッドの上で、実際は家に強盗が入って放火された、
みたいな内容の話のタイトルわかりますか?もう一度読みたいのですがなかなか見つからなくて
113:
>>112
「家族の奇行の真相」
これじゃね?
http://blog.livedoor.jp/nwknews/archives/4589716.html
115:
>>113
これです!どうもありがとうございました
129:
渓流釣り
大学時代に友人から聞いた話。
釣りが大好きだった友人はその日も朝から釣りに出かけていた。
場所は川の上流域で、かなりの山奥である。
ここから先は、友人の語り口調で書かせていただきます。
「車で行ったんだけど、途中からは獣道すらなくてな。
仕方なく歩いたんだよ。かなりの悪路だったな。
崖も越えたし、途中クマが木をひっかいた痕もあったな。
で、やっと釣れそうなポイントにたどり着いてな。
早、そこらへんの石をひっくり返して川虫を集めたのよ。」
俺「餌ぐらい買えばいいのに。」
131:
「いや、現地でとった餌は食いつきが違うんだよ。何よりとるのも楽しいしな。」
俺も現地で餌を調達したことがあるが、あの作業は虫が嫌いな人間にとって
地獄である。それ以来、俺はもっぱらイクラ派だ。
そんなわけで不本意ながら同意し、話の続きを催促した。
「虫を確保して、早釣り始めたんだ。
そしたら面白いぐらい釣れてな。ものの3時間で十五、六匹は釣れたんだ。
でも朝まずめが終われば流石に途絶えるだろうなって思ってたのよ。」
知ってる人も多いと思うが、釣りは朝と夕方の「まずめ時」が最も釣れる。
132:
「けど爆釣モードは昼を過ぎても全く終わる気配がない。
生涯で最高の一時だったね。時がたつのも忘れて夢中になったよ。
気付いたら辺りは薄暗くてな。もう夕方になってたんだ。
身の危険を感じて、帰り支度を始めたんだよ。
ふと背後に気配を感じて振り返ったら、小さい女の子が背を向けて立ってる。
少し近づいて「こんなとこで何してんだい?」って聞いてみたんだよ。
振り向いた顔を見てギョッとしたね。顔がお婆さんだったんだよ。
しかも、顔がひきつるぐらい満面の笑顔だったんだ。」
俺もギョッとした。
133:
「でも病気か何かだと思って、同じ質問を繰り返したんだ。
今度は丁寧語でな。
そしたら笑顔を崩さないまま、「いつまで」ってつぶやいたんだよ。何回も。
キチ〇イだったんかなあと思って、軽く会釈して帰ろうとしたんだ。
134:
「そしたら、急に婆さんの声が合成音声みたいになって、
「いつまで生きる?」って言ったんだよ。背筋がゾクッとして、
こいつはこの世の人間じゃないと思ってな。
凄い勢いで下山したんだよ。途中、婆さんのつぶやく声が何度も聞こえた。
薄暗い山奥でだせ?発狂寸前だったよ。あ?あ、最高のポイントだったのにもう行けねえなぁ…。」
俺は自分の膝がガクガク震えているのを感じた。
話の途中から友人は気持ち悪いほど満面の笑顔だったのだ。
それからしばらくして友人は自殺した。
622:
血の匂い
私自身まだ信じられないことなのですが、実際にこの身に起こった事なので
書き込ませてください。
出身は北陸でしたが私は物心つく前から色々なところを転々としていました
それというのも借金取りに追われているわけでもないのにまるで何かから逃げるように
両親が昼夜問わずで夜逃げまがいの引越しを繰り返している所為でした。
小さな頃から行く先々で除霊師や霊能力者に相談し、
そのたびに首を横に振られていたのを覚えています。
頻繁な引越しに終止符が打たれたのは私が働ける年になったのと同時に
母が病に倒れたからです。心労から来るものでした。父もこれ以上引越しを
するのは無理だと言い、「母さんだけ奴らに渡すわけにはいかない」などと言っていました。
幼い頃何度も引越しの理由を聞きましたが、その話題になるたびに両親が無言になり、
また食い下がれば普段はやさしい母が狂ったように怒鳴るので聞けませんでした。
母が倒れた後、私は理由を聞かずとも悟ることになりました。
623:
一箇所に留まるようになって半年以上経った頃だったと思います。
始めは気のせいだと思っていたのですが何処からともなく重い金具を引き摺るような
音が聞こえてきたのです。がしゃん、がしゃん、と。それもたくさん。
日に日に近付いてきている事を父に言うと、すっかりやつれた父が
「そうか…お前だけ逃げてもいいんだぞ」と言います。
一箇所に留まる事をしなかった私達家族に帰る場所などなく、私は何があっても
父と一緒に居る事に決めました。その頃母はあまりに暴れると言われ通常の病棟から
重度の精神病患者が入れられてしまう病室に移されていました。
父も見る間に痩せて、いつも何かに怯えるように目をギラギラさせながら過ごす事が
多くなりました。そんなある日の朝、いつもよりも多くあの音が聞こえた日の事です。
父が突然「A子!逃げろ!」と叫んで私をたたき起こし家から追い出したのです。
何がなんだか分からずぽかんとしていると、家の中からあの音が大量に聞こえてきて、
まるで家の中にびっしり鎧武者が歩いているように感じました。
家の中からは血の匂いも漂ってきます。
624:
切羽詰った父の「逃げろ」の言葉と、その音が怖く気付くと私は
始発電車に乗って隣の市街まで出ていました。
パジャマのまま、しかもサンダルでです。どうする事も出来ず寒さに震えながら灯りのついている
お店に入りました。当然お財布など持っていなかったので、ただ入るだけでした。
日が昇り始めた頃、不審に思ったのか店員さんが話し掛けてきました。
何も言えない私を見て、店員さんは優しく諭しながら暖かい飲み物を奢ってくださいました。
失礼ながら店員さんはパっと見男か女か分からないような方でした。
ただ優しくあと少しで仕事が終わるので
その後警察に連れて行ってくれると言いましたが私は断りました。
警察に行っても意味などないからです。その時またあの音が聞こえました。
逃げようとした私の腕を店員さんが掴んだので驚いて顔を見ると、店員さんも驚いた顔で
私を見ていました。どうやら店員さんにも私が聞いているのと同じ音が聞こえているようでした。
今までそんなことがなかったので驚きと不謹慎ではありますが僅かな嬉しさがありました。
それでも店員さんに迷惑をかけるといけないので手短に話をして離れようとしました。
しかし店員さんは友人になんとかできる心当たりがあると言って私に説得してきます。
今思えば彼が悪人でないという保障はなかったけれど、その時の私は飲み物の温かさと
彼にも音が聞こえたという安心感で何も考える事はできませんでした。
625:
その安心感を信じた事が私にとっての幸いでした。
彼が紹介してくれたのは彼よりも少し若い男性に見えましたが、彼よりも落ち着いていて、
私を見るなりにっこり笑って「今まで辛かったですね」と言ったのです。
その途端に涙が溢れました。泣きながら今まであったことを告げると少年は無言で頷いて
店員さんに色々指示を出していました
(あまり覚えていないのですが、塩、水、月、という単語が聞こえました)
店員さんは少年にしぶしぶという感じで従いながらも泣いている私を慰めようとしてか
明るい歌を歌ってくれました。気付くと、少年の言う「処置」は終わっていました。
泣きながらその場に居るだけだった私には何を行っていたのか分かりませんでしたが
それが終わる直前に大量の血の匂いと恐ろしいほどの鎧の音が聞こえたのは確かでした。
終わってすぐに私は家に電話をしましたがつながりません。店員さんは学校をわざわざ休んで
私と一緒に家まで来てくれました。
家の中に父は居ませんでした。ただ、昔の人が履くような藁の履物の跡が家中にびっしり
あって、それこそ踏み場もないような状態だったのです。震える私を支えながら店員さんが
家中を探しましたがやはり父はおりませんでした。どことなく血生臭さも感じました。
それ以来私はあの音も、血の匂いも感じません。父はいまだに見つかりませんが
母は暴れるのを止めたらしく近々通常の病棟に移ることが出来、うまくいけば年越しは
家で迎えることができるそうです。
母が退院をしたら、店員さんや少年にお礼をしたいと思っています。
今でもあの音や血の匂いの原因はわかりません。母が落ち着いたら改めて聞いてみようと思います。
長々と失礼致しました。
627:
>>625 一気に読んだらテラコワス
真相判ったら教えてね。お母様を大切に…
31:
歯軋り
俺は登山好きなんだけど、百間平周辺を通る度に、毎回すげぇ濃い霧と雨にやられる。
90年の秋かなぁ、3人で縦走してたんだけど、そん時もすげぇ濃い霧だった。
だだっ広いし、積み重なった石の原っぱみたいなとこだから、マーカー探すのも苦労した。
何も見えなくてすげぇきつかったし、寒くて、サイの河原の中を延々歩く感じ。
途中で、メンバーの一人が急にバテ出して吐き気を訴えたから、小さなケルンのあるとこで小休憩をとることにした。
馬鹿話しながら、ルートを少し外れて、ザックを下ろして石に腰掛けた時、ギィッとでかい音がした。
最初は鳥の声だと思って、クッキーと水飲んで地図とか見ながらぼんやりしてたんだけど、そしたら、また尻の下からギリギリッて音がした。俺は
「あれ?なんだろう?」
と思って、腰掛けてた石の下を覗いたんだ。
結構でかい石がどかどか積み重なってる辺りで、隙間もでかかった。目を凝らすと、奥になんか黒い塊が転がってるのが見える。
なんか気になったけど、手は届かないし、霧がすごくて暗いし、しばらく目が慣れるまで見てた。
そしたら、黒い塊の表面に急に茶色い犬歯がにぃって見えて、その歯がギギッてさっきの音たてた。
その瞬間、背筋が凍った。人の首だった。ミイラみたいな感じで、目がくぼんでたんだけど、そこが細い白い糸でぎっちりと等間隔に縫ってあって、まぶたが震えて動いているのがわかる。歯がぎっぎって音たてた。
俺はマジでびびって、大声あげて仲間を呼んだ。で、代わりに覗かせたわけ。
そしたら、仲間も同じ物が見えて気分悪かった奴は吐きまくって、ちょっとしたパニックになった。
すぐに離れた。そっから、ばててた奴もすげぇ気合い入れて歩いて、霧はひどかったけど、予定よりだいぶ早く小屋に着いたと思う。
で、まぁそのまま小屋に連絡して、遺体は警察が回収。俺は聴取受けてそんだけ。
まぶたが固く縫われてたと思ったのは、うじだったのかなぁと思う。メンバーも俺もその時は絶対に縫われてると思ったけど。
回収した警察からは身元不明の頭骨ってだけ言われた。絶対にそんな事はなかった。あれは肉がしっかりついた頭部だった。
今でもあそこを通るときは雨か霧にやられる。
もう、あまり恐怖心はないけど、覗き込んでしまった、あの顔だけは忘れない。
携帯だし、読みにくくてごめんなさい。
32:
すんごい怖かった…
48:
海岸の幽霊
今から30年ほど前。北陸地方のとある大学生グループが幽霊が出るという噂を確かめに、肝試しに行くことにした。
噂では、夜中に海岸に行くと、揺れ動く人魂が現れ、不気味な声が聞こえてくる。それを目撃した人は二度と帰って来れないそうだ。
大学生グループは男4人で車に乗り、深夜の海岸へと向かった。車を降り、浜辺をしばらく歩いた。
空は曇っていて月明かりもなく、暗い日本海が不気味だった。
その時、一人の男が遠くの岩陰に人魂が見えたと言い出した。
よく見ると、確かに丸くて白い明るい人魂のような光がゆらゆらと動いている。
そしてその光はすぐに2つ、3つ、4つと増えた。
恐怖と好奇心が入り混じり、もう少し近づいてみた。
すると、闇のなかで人魂の明かりに照らされ、少し黒光りしているまるで影のような人間の姿に似たものが4つうごめいている。
なにやら低い話し声のようなものも聞こえるが、何を言っているかまったく分からない。
幽霊というよりも妖怪や怪物に近かった。
ゆっくり足音を立てずに恐る恐る近づいていったが、一人が木の枝を踏んで音を立ててしまった。
すると、その人魂と黒光りした影はいっせいにこっちに振り向き、気付いた。
そして追いかけてきた。大学生たちは恐怖で必死に逃げた。
怪物は何語か分からない叫び声をあげながらまだ追いかけてくる。
大学生たちはとにかく全力で走り、車まで辿り着き、すぐにエンジンをかけ車を動かした。
その時、ヘッドライトに照らされた怪物の姿が一瞬はっきりと見た。
頭にヘッドランプを付けウェットスーツを着た4人の人間だった。
それから30年ほど経ち、同窓会で4人は再会した。
そして「あのとき、俺達は北朝鮮に拉致されそうになったんだな」
と幽霊よりも怖い体験を語り合ったのだった。
50:
コンコン
俺にとっては洒落にならない話なので書き込む。
ここのアパートは風呂場と脱水所とトイレ、そして寝室が並んで北側にあって、それぞれに窓が一つずつある。
俺はそこの2階に住んでる。
んで夜中風呂に入ろうとした時の話なんだけど・・。
風呂入る前にトイレに入ったんだ。用を足してたら、『コンコン』って窓を叩くような音が聞こえた。
パッと窓の方見たけど、そこには自分が写ってるだけ。外の様子はわからない。
気のせいかと思って脱水所で服脱いでたらまた『コンコン』って音。
今度は少しビビりながら窓に目を向けたけどやっぱり何もない。
湯船に浸かってたらまた『コンコン』。流石に怖くなってきて風呂からあがった。
きっと疲れてんだ、気のせいだ、って自分を納得させて寝室で布団を敷いて電気を消した。そしたら・・
『コンコン』
背筋がゾワッとして鳥肌立ってるのが見なくても分かった。
カーテンを閉め忘れてる・・。
俺は布団に飛び込んで、毛布手繰り寄せて丸まった。いつの間にか寝てた。
暗い部屋からなら窓を開けずとも外の様子がうかがえたことだろうけど、
俺にはそんな勇気すらありませんでした。
一人暮らしの俺には洒落にならん。トイレも風呂も寝室も怖い・・。
しかもすぐ隣に墓地あんだよなぁ・・。
58:
黒目
去年の話。
予備校帰りに、ガラガラの駅で電車(普通)待ってたんだ。
時間が時間なこともあって電車自体の数も少ないうえに、
急行と特急が連続で来ちゃったんで、軽く30分は待たなければいけない事に。
寒いし寂しいので待合室に入って参考書読んでた。
週刊誌読んでるOLっぽいおばさんと、サラリーマン二人、同じく
塾帰りっぽい中高生が数人。思ったより人が多かった。
で、参考書出そうと鞄をあさってるときに、ガラガラっとドアが開いて、女が入ってきた。
スッと背が高くて、紫ののワンピース、毛皮のジャケット、黒いショートカット。
そいつが、俺の真正面に座って、俺とがっちり目を合わせてきた。
ちょっと年上くらいで、結構美人。
「え、ちょ、フラグ立った!?」と思った瞬間、そいつがゆっくりまばたきした。
白目が真っ黒になってた。
59:
ビビって固まってる俺に、そいつがフワっと近づいて、耳元で息遣いが聞こえた。
ヤバイ、漏らす、漏らす!!と思って周りの人たちのことを思い出した。
そうだ、俺は一人ぼっちじゃない!!!
と思って回りを見渡してみた。
皆黒い目で俺を見てた。
その瞬間携帯が鳴って、そっちに一瞬目を向けたらもう女は居なくて、
周りのやつも普通に戻っていた。
中高生達には「何あいつ、キモ」みたいな目で見られるし。
60:
因みにこの前、俺の彼女が、例の女にソックリナ奴の出てくる漫画を薦めてきた。
漫画自体はごく普通のラブコメバトルものだったのに、そいつが
怖くて怖くてまともに読めなかった。
「コイツなんか怖いよ・・・」って言ったら「パピヨンにケチつけないでよ!」って怒られた・・・。
もっと洒落にならない話。
そいつの「・・・」な同人誌まで彼女は持ってた。
そうか、腐女子・・・だったのか・・・・・・(´Д`lli)
68:
見てる
別に霊感があるわけでもない(自分ではそう思ってた)・・。
なのに最近やたらと見る。何故だ!!
会社で「○○さーん」と自分の名前を呼ぶ声がしたのでそちらを向きながら
「はァーい?」って振り向いたら誰も居ない。
しかもいつも動きっぱなしの機械達が全部エラーランプ作動。
「・・・・・。」
じぶんぽかーんですよ。
その瞬間悪寒ザァー!!鳥肌バアー!!耳鳴りガンガン!!
慌てふためきながら成形室でようとして向き直ったらいきなり「どん!」
って顔からぶつかった。
「ぶぅぅ!」って鼻押さえて前みたら目が真っ赤で口からどばどば血を流し
た女?が「痛いぃぃぃぃぃぃい!!!!!!!」って絶叫。
腰が抜けた?っていうのかな?
尻もち付いたら後ろから肩つかまれる。
「ブァ!」ってその手を振り解いたら工場長・・・。
「どした!?」
その後は女もいないし、エラー直ってるし。
自分疲れてるのかな?って感じでその日は早めにって行っても夜中12時過ぎ
に仕事終わってロッカールームに行って着替えて帰ろうとしたら・・。
「痛いよぉ?」
だって!
もちそっこー逃げたよvv腰抜け自分vv
ちなみに昨日の話、成形室で機会の具合見てたらずっと向こうの成形機会の
間からあいつ覗いてた・・・。
あの時とおんなじ真っ赤な目で口から血流して・・。
考えてみて欲しい、人の帰った工場の機械の群の中、あいつは自分をみてる。
洒落ならんでしょや?これマジ話。自分どうしたらいい?
93:
>>68
ヤバイぞ。
そいつ絶対機械の中に引き込みたいんだ。
その機械中古で手に入れた物じゃないだろうな…。
一度会社に聞いてみろ。
98:
紙の人形
昨日知り合いで集まって飲みながら死国見てたんだがそのあと怖い話で盛り上がったんだ。
知り合いのバイト先の先輩(A)、大学二年生なんだけど去年の夏、サークルの合宿先で体験したらしい。
合宿場所は長野。二泊三日の最後の夜に、肝試しをすることになった。
少し歩いたところに林があって、その中に古い神社があり
そこにペアで行き、予め社に置いた紙を取ってくるというルールで毎年おなじみらしい。
ペアを決めて皆で怖い話。盛り上がったところで肝試し開始。
Aは女の子とペアになり、確か10ペア中4番目に行くことになったという。
懐中電灯を片手に暗い道を進んで行くとすぐにその古い神社に着いた。
即効で小さな社のところにある重石を乗せてある紙を取ろうとしたAはギョッとした。
目的の紙の横に、小さな和紙で折られた着物を着たおかっぱ頭の女の子の人形が置いてあったんだ。
Aはそんときはそんな怖がらずに「こえー」とか言ってふざけてたらしい。
ペアの女の子は結構怖がってたみたいですぐ戻りたがっていたので足早に戻った。
99:
そのあと全ペアが肝試しを終えた後、皆そのまま戻ろうとしたから
Aが「あれ回収しなくていいんすか?あとで来た人ビビりません?」って聞いたんだけど
企画してたAの先輩とかが「何それ?」って紙の人形のことなんて何も知らないようなんです。
Aはペアだった女の子と一緒に説明したんだけど全然分かってくれない。
最初「先輩冗談よしてくださいよー」ってノリノリで言ってたんだけど先輩も真剣な顔で否定。
近くにいる他の人たちにも聞いてみたけどそんなの見てないと言う。
Aはハメられてるか、と思ってたけど女の子は結構ビビってる。
「じゃ俺らが見てくる!」と先輩たち5人くらいが懐中電灯持って神社に突撃。
その間Aや他の奴らは静かに待ってた。会話も「マジ?」「マジ」くらい。
100:
まもなく先輩たちの叫び声。とともに先輩たちが走って逃げてきた。
ビビって釣られて逃げ出すAたち。
ロッジに着いたら先輩たちが「見た!人形見た!」って言うんだ。
しばらくその話で盛り上がったそうだ。
けどAが言うにはその先輩たちは人形なんて見てないけど口裏合わせてビビったふりをしてたと思う、とのこと。
だけど、その紙の人形はヤバイって言ってた。
その紙の人形はいつ置かれていつ取り去られたのか。
企画してた先輩はずっとスタート地点にいた。
Aが出発してから先回りしようにも間違えなく見つかる道だった。
それから何も変なことは起こってないらしいが不気味な出来事だったとAは言っていた。
107:
>>100
gj!
なかなかぞわっときた。
ついでに俺もこの流れなら落とせそうなので長文投下してみます。
赤い爺さん
1/5
友人Yから聞いた話。
今から二年ほど前、Yの爺さんが死んだ。
Yは昔から超が付くほどの爺さんっ子だったもんだから、
葬式のときなんかは年甲斐もなく鼻水たらしながらわんわん泣いたらしいのだが、
ちょうどその爺さんが死んでから、初七日の日の事。
その日はYの住んでるところでは暴風警報が出されたくらいにやたら風の強い日にも拘らず、
学校からの帰りのバス賃も底をついたYは、仕方なく家まで歩くことに。
途中何度も飛ばされかけながら死ぬ思いで、やっと夜の七時半を少し回ったくらいに家に着き、
鞄から鍵を出して玄関を開けた。
すると、Yの帰りを待っていてくれてたかのように、丁度良いタイミングで玄関から真正面にある
Yの部屋のドアが開いた。部屋の中では電気もテレビもついていて、おまけに唯一の暖房器具である
ハロゲンヒーターまでスイッチが点いていた。
ははん、これは母ちゃん、気を効かせて俺の部屋を暖めておいてくれたか。
Yは嬉しくなって、いつもより明るい声でただいま、と言い玄関を上がった。
108:
2/5
だが、いつもは返って来る返事が今日は無い。
不思議に思い、さっき脱いだ靴の方を見ると、玄関にはたった今脱いだ自分の靴が散らかっているだけで、
母はおろか父の靴も姉の靴も無い。
そう言えば、今日は自分以外の家族は全員祖父の法事で家には遅くまで帰ってこない日だった。
とっさにYの頭には昔映画で見た真っ暗な部屋の中に立っている髪の長い女の幽霊のビジョンが浮かんだ。
まさか、とは思ったが幽霊やらお化けじゃなかったとしても泥棒と言う線はありえる。
Yはなるべく足音を立てず部屋の入り口まで進み、そっと中を覗き見た。
部屋の中には、先日死んだはずの祖父がこちらに背中を向けて座っていた。
109:
3/5
それが祖父だと分かった途端、Yの恐怖心は一気にしぼんだ。
昔からホラー映画も誰かと一緒でなけりゃ見れないほどの怖がりだったYだが、
たとえ本物の幽霊であったとしても祖父となれば話は別だ。
Yは懐かしさと、死んでも自分の所に会いに来てくれた事への嬉しさで、思わず涙ぐんでしまった。
爺さんは、生前の癖だった特徴のある咳を二、三度しぎこちない動作で毛のない後頭部を掻いた。
「じいちゃん」
Yが呼びかけると、爺さんはのそりと立ち上がり、振り向いた。
気のせいか、振り向きざま、爺さんの輪郭線がぐにゃりと歪んだように見えた。
110:
4/5
振り向いた爺さんの顔は、インクを被せたように赤かった。
「お…おお、Y、Yか」
爺さんが自分の名前を呼ぶ。聞きなれた懐かしい爺さんの声。だが、イントネーションがおかしい。平坦すぎる。
生前、爺さんには強い地方のなまりがあったが、今の爺さんから聞こえてくる声はパソコンで作った人工音声のようだった。
爺さんが、のそりとこちらに一歩歩み寄る。
「じいちゃん、どうした」
あまりに様子がおかしい爺さんに呼びかけると、爺さんはまたさっきと同じように咳をして、頭を掻いた。
「じいちゃん、うちに帰ってきたのか?」
Yがそう聞くと、爺さんは少し考える風に天井のあたりを見て、
「お…おお、Y、Yか」
さっきとまったく同じ台詞を、さっきとまったく同じ発音で繰り返した。
そこでYは少し怖くなった。こいつは爺さんなんかじゃないんじゃないか。
爺さんはまだ天井を見ている。指先から滴り落ちた赤紫の液体が、部屋のカーペットの上に小さな水溜りを作っていた。
よく見ると、腕の不自然なところから肘が曲がっている。と言うより、肩から肘にかけてが凄く長い。
生きてるときの爺さんは、こんなんじゃなかった。こいつはもしかして爺さんの真似をしている別の何かじゃないか。
Yは少しずつ、少しずつ足音を立てないようにすり足で後ろに下がった。
それに気付いたのか、爺さんのふりをしたそいつは首だけを異様に長く伸ばしてこっちを見た。
まずい、気付かれた。
そう思った次の瞬間、目の前にそいつの顔があった。肩から上だけが不自然に伸び上がっている。
伸びきった首がゴムのようだった。
目の前で、そいつの口からごぶごぶと赤紫の泡が立った。
「お…おお、Y、Yか」
Yは絶叫した。
112:
5/5
それからYは、無我夢中で近くの本屋目指して走った。
家に一人でいるのが怖かった。
9時を過ぎ、家族が帰ってくるまで家の中には入れなかった。
それからYは家族にその事を話したが、誰もまともにとりあってはくれなかった。
結局Yはその日の夜、あの赤い爺さんの出た自分の部屋で寝る事になった。
Yは気が気ではなかった。目をつぶっても、開けるとあの赤い顔があるようでなかなか眠る事は出来なかった。
しばらく経って、それでも恐怖と緊張を眠気が押さえつけ、Yは何とか眠りについた。
明け方になって目が覚めると、どうも顔がむずがゆい。
洗面所に行って鏡を見ると、顔が赤紫の汁でべっとりとぬれていた。
その日からYは自分の部屋で寝るのを止めた。
次にまたあいつが出てきたとき、今度こそ逃げられる気がしなかった。
Yは今でも言う。
「あれは爺さんなんかじゃなかった。」
114:
赤い爺さん乙。
こええー!
144:
山の迷い人
大無間から光へ。これが一発でわかる奴は山が好き。
けど、行った事のある奴は少し変態かな。このルートはそんな所だ。
これは2001年夏。その山行の終盤、加々森から光へ抜ける時の話。
加々森は陰欝なピークだ。見晴らしがきかず、暗く寂しいから、留まるような場所じゃない。
友人と二人で来てみたものの、鹿の骨が散乱する暗い深南部の森もいい加減厭きてきてたし、会社に休みを延長してもらって、明るい聖まで足を延ばそうかなぁなんて思いながら、ほとんど加々森には立ち止まらず、先へ進んだ。
起伏が連なり、ほとんど消えかけた道をしばらく進んでいると、やがて急な下りに。先行した友人が舌打ちをして止まる。
「うわ、わりぃ。ルート間違えた。」
地図を見ると、確かにこんなに下っていない。光岩へ右に行く所を直進してしまい、尾根をかなり下ってしまったようだった。
溜息をついて戻ろうとしたが、ぬかるんだ急斜面。ずるずるに滑って、上るのは結構骨が折れそうだった。
「まぁ、場所はだいたいこの辺だから、少しトラバースして、上りやすいとこから、行こうや。」
なんとなく萎えた気持ちのまま、しばらくトラバースすると急に開けた場所に出た。
紫の原っぱ。
窪地いっぱいに広がるミヤマトリカブト。素晴らしくきれいだった。
こんな場所があったのかぁ。見回せば、この窪地から上へ小さい道が続いている。
誰か知ってて来る人もいんのかなぁ?とりあえずルートに戻れそうだ。
俺は少しほっとした。
その時、トリカブトの群落から派手な合羽のおばさんがすうっと出てきた。
「助かるわぁ。道に迷ったんです。お兄ちゃん光まで連れてって。」
友人が震えているのが不思議だった。
148:
「まぁ、ルートはこの上だと思うんです。この道悪いかもしれんけど。」
俺たちも迷ってしまった事は棚にあげて、俺は自信満々だった。まぁ、現在地もだいたい把握できてたからだと思う。
じゃあ行きますか?
ところが、俺が先に行こうとした途端に、友人が俺の腕をひっつかんで、絞りだすような声で呻いた。
「俺たちは後から行くから、先に歩け。」
おばさんは少しお辞儀をして、先に上る道を上がっていった。
が、遅い。たいした坂でもないのに這いずるような格好で辛そうに歩く。
あまりに遅いペースにいらだち、先に行ってルート見てくるから、おばさん後からゆっくり来なよって言おうとした瞬間、友人が俺につぶやいた。
「こいつに後からついてこられるのは嫌だからな。絶対見える所がいい。」
なんとなく気持ち悪くなってきた。このおばさんはどこに行くつもりだったんだ?光より南から、こんな装備で来たはずない。光から来たなら、こんなとこには来ない。
おばさんはなんだかぐにゃぐにゃと上っている。
「ねぇ。どっから来たんですか?」
俺の問いには一切答えずおばさんは言った。
「前。代わらない?」
「代わらない!行けよ!」
友人が怒鳴る。
「前。代わらない?」
ぐにゃぐにゃのろのろ歩くおばさんの後をしばらく上った。四、五回同じ問答をしたと思う。
俺はいつの間にかすっかり、怯えていた。
だが、ぐいっと急斜面を上ると突然本道にでた。
「あぁ、良かった。戻ったぁ。」
と思った瞬間。バキン!!と音をたててオバサンの首が直角に曲がったんだ。
そんですぅっとさっきの道を下りていった。
俺は怖いというより、驚いて硬直したまましばらく動けなかった。その後は、光小屋までものすごいスピードでいったよ。友人はその晩言った。
「おまえ合羽のフードの中の顔見た?目も鼻も口の中も全部土がいっぱいに詰まってたぞ」
って。
あんなのにぴったり後ろついて歩かれるのは、俺は絶対に嫌だねって。
まぁ、そんだけ。下手な文ですまない。俺は山は好きだけど、あれから光より南は行ってないなぁ。
149:
乙ですた。
山はいいねぇ(霊的な意味で)
587:
大食い
大食い 1/7
僕がこの話を聴いたのはあるファミレスでだった。
サークルの皆でちょっとした遠出を決行する事となり、
メンバーとの待ち合わせを駅前でしていたんだ。
仲間の一人が親のすねで新車のミニバンを買った事がきっかけだったと思う。
しかし、実際に時間通り現れたのは僕とY二人だけだった。
比較的駅から近い場所に住んでいた僕とYは他のメンバーと違い、
直ぐにつく事が出来たわけだが、僕等の他の皆はバンに乗り合わ
せたため渋滞にはまり、まだここに着くには暫く時間がかかるといわれた。
仕方なく僕らは近くのファミレスで時間を潰す事にした。
588:
大食い 2/7
ところでYだが、サークルに入ったばかりの新人で
僕は余り話した事のない人物だった。
内心少し緊張していた僕だったけれど、
Yは聞いていた通り話しやすく気さくな人物で
僕はすぐに安心する事ができた。
僕らは打ち解けあい、何度かくだらない話で盛り上がり
30分ほど時間を潰した後、未だたどり着かない仲間に連絡を入れたのだが、
ひどい渋滞であと一?二時間ほどかかという答えが返ってきた。
しかしまあ、待っていれば迎えに来てくれるのだからと
気楽に構えていた僕らは、じゃあ小腹が空いたから何か軽い食べ物でも
食べようかとはなして注文を始めたのだが、
Yの頼む品目が僕の想像を遥かに上回り、
4?5人分の腹を満たすに充分な量を頼むのだ。
589:
大食い 3/7
「いったいどうしたんだ?こんなに一度にお前一人で食べられるのかよ?」
と、僕が聞くとYは
「俺は大食いだからこれくらい平気だよ」
と歯を出してにこりと笑う。
僕はYの歯を見たときあれ?と、思った。
Yの歯の根本が黒ずんでいたのだ。
ああ、たばこか虫歯かな。汚いな。
などと思っていると次々と注文したメニューがテーブルへと並び始め、
それをYは次々と勢い良く食べ始めた。
あまりにも気持ち良い食べっぷりで僕は呆然と眺めていたのだが、
痩身で輪郭の線が薄い彼がどうして体系を維持できるのか気になり始めた。
だから、
「良くそんなに食べて太らないな。胃下垂かなにかじゃないか?」
と聞いたのだ。
Yは
「俺も前はこんなに食べなかったんだ。ある事がきっかけでね」
そう言うと何かを言いたげな目線で僕を見る。
591:
大食い 4/7
「ふーん。じゃあ聞かせてくれよ」
少し興味が沸いた僕はYの話を聞きたくなった。
「余り良い話じゃないから食事中は話したくないんだけどな」
そう言いながらYは今は二人だけだし、まぁいいかと訥々と話し始めた。
「俺さ、元は結構小食だったんだよ。そりゃ全く食べなかったわけじゃないが、
まぁ食パン二枚、一日二食で足りるくらい」
そんなYが変わったのは以前の彼女と付き合っていた事が関係するらしい。
初めは可愛い彼女と好き勝手に暮らしていたYだったのだが、
一日何十通もMailを送られ。返信しないとすぐに取り乱す彼女を段々と
煩わしくなっていった。
その上彼女のしつこさは前にも増してきたのだ。
家でトイレに行くといって離れてもトイレの前で待っている程に。
付き合い始めて二ヶ月もするとすっかり熱が冷めてしまい、
彼がある時をきっかけに
「これ以上しつこくするようなら別れる」
と、伝えたらしいのだ。すると絶対嫌。と彼女は言い、
どうしても同意してくれはしない。
仕方なくYは彼女の心が離れるようにわざと突き放した態度を取っていた。
594:
大食い 5/7
けれど彼女は諦めず、料理も以前と比べ物にならないくらい
手の込んだものを作ったり、以前のようにしつこい行動もとらなくなったり、
とにかくYの心が離れないよう必死になり始めたと言う事だった。
しかし、一度離れてしまったYの恋心は再び火がつく事は無く、
二月ほどしてから遂には彼女の方から別れると言う同意を得たとの事。
「正直ほっとしたのは確かだよ。だって別れるんだったら俺を殺して
私も死にますって勢いだったからさ。
でもなんで急に諦めがついたのか、そっちの方が俺としては不気味で」
そう言ってYはフライドポテトを口の中に放り込んでむしゃむしゃと食べる。
「でも、それと大食いと何が関係するんだよ」
なんだか確信をはぐらかされている気がして僕はそう聞いてみる。
597:
大食い 6/7
「それがどうやらあの女、全然俺と別れる気が無かったみたいなんだ」
そううんざりした顔でYはいった。
その後、別れてから一週間経つかたたないかした頃。
Yの携帯に見た事のない電話番号から電話がかかってきたそうだ。
その電話によると、Yの元彼女はYと別れた後にすぐに自殺したという事らしい。
彼女の住んでいたマンション屋上からの飛び降りたのだと。
それで母親からの電話が彼に届いたのだそう。
なんでも彼女の遺書に私が死んだら彼に日記を渡してくれと書いてあり、
同時に携帯の番号も記されていた。
「俺、嫌だったんだけどさ。受け取らないわけにはいかないだろ?」
それでYの手に渡った日記には、どれだけYの事が好きなのかだとか、
Y無しでは生きてゆけないだとか言った内容がびっしりと書かれていた。
だが、ある日を境に内容に微妙な変化が起こっていた。
600:
大食い 7/7
「あの女さ、俺に作った食事に少しずつ自分の一部を紛れ込ませてたんだよ。
爪や髪や血なんかをさ」
日記には今日はカレーライスに極小に刻んだ髪を入れただとか、
ステーキに血を沁みこませただとか書いてあったらしいのだ。
別れると切出したその日から。
最後には「これでやっと一緒になれたね」と書いてあった。
「俺もばかだったよ。味の変化に気づきはしたんだけど、
料理自体豪華になってたから全く気づかなかった」
そう言ってYは泣きそうな顔をしながら話す。
「あいつが死んでからなんだよ。食べても食べても腹が満腹にならないのは。
もしかして俺の中にあいつがいるのかもな」
そう言って笑ったYの歯茎には黒い髪の毛が絡みついていた。
虫歯やヤニでは無く髪の毛だった。
僕はそれからYの顔が直視できなくて外を見ながら話をしていた。
682:
夜釣り
ありがちな怪談話なんだけど、父の友人の話してくれた経験が
洒落にならない怖さだった
その父の友人(仮にAさん)は、夜釣りが好きで、といっても素人なんで
某海岸線の道路脇の、テトラポットが並べてある場所がお決まりの
釣り場所があって、そこは内海になるので、テトラポットの上に立っていても、
大波は来ないし、すぐ横の道路には電灯が点いていて足元も明るい
人家も近くにあって、そこそこ安心感もある・・というような、素人太公望の
Aさんにはうってつけの場所だったそうだ。
その場所でAさんがいつもの様に釣りをしていて、夜中の11時を過ぎた頃
ふっと後ろの電灯に陰がさしたので、釣竿を持ちながら後ろを振り返ると
お婆さんが道路を歩いているところだった。(電灯の前を通ったので陰ができた)
「何でこんな時間にお婆さんが?」と不思議に思ったけど、そのまま
通り過ぎたので、すぐに忘れて釣りに没頭していると、直ぐ後ろに人の気配がして
思わず振り返るとそのお婆さんが真後ろに立っていた!
「幽霊?!」って一瞬ギョっとしたものの、間近で見ても生きている人間としか
見えなかったし、お婆さんも「釣れますかいの?」なんて呑気に聞いてくるので
安心して「いや?なかなかですわww」みたいな受け答えをしてから
「ほな、お気をつけて」と、そのお婆さんが道路に戻っていったのを確認してから
また釣りを始めた。
683:
続き
すると暫らくして、今度はすぐ斜め前方のテトラポットの上に、そのお婆さんが
立っているのを目撃して「そんなところにいたら、危ないですよ」と言いかけて
ふと自分が立っているこの場所まですら、男でしかも滑り止めのついたゴム長を
履いて苦労して来たのに、そのお婆さんはスラックスとツッカケみたいな軽装で
どうやってあそこまで簡単に行けたんだ?と疑問がわいたし、そのお婆さんを
斜め後ろからじっくり見ると、薄明かりの中でも何となく不自然な陰影があるのに
気がついたそうだ。
後頭部のラインが変というか、ごっそり削げ落ちていて、凹んでいるように
見えるので確かめようと目を凝らしていると、そのお婆さんがふと振り向いて
A,さんの方を見たので、顔が潰れていて目も鼻も口も無くなっているのがはっきり
見えて、もうAさんは悲鳴を上げて釣り道具も何もかも放り出して、這うように
こけたり転んだりしながら道路に出て、近くに止めてあった自分の車に飛び
乗って家まで帰ってきたけど、手足が傷だらけで震えが止まらなかったとか。
それからは怖くて夜釣りを止めた・・と言っていたが、このAさん普段は嘘
どころか冗談もあんまり言わない人だったので、多分実話だと思うけど
一旦、安心させておいてフェイントで脅かす幽霊って嫌だ・・・・_| ̄|○
797:
いつも
高校生の時、俺は腸が弱かった。ゆえに、学校に行く時は少し早く出て、
途中の汚い公衆便所で用を足す事が多かった。
その公衆便所は駅を降りて、通学路からは少し外れた、
森(と呼べるのか分からないが)の中にある。
そして、必ず一番手前のドアが閉まっていた。
無論その中にはいつも、ちゃんとした「人間」がいるのは知っていた。
くしゃみや咳、新聞を広げる音などがしていたからだ。
しかし、それを気にしている暇もなく、学校に遅れないように、
大量の○ンコをすることで精一杯だった。
いつも同じ場所で、俺が行った時にいつも用を足している人間がいる事を、
まだその時は不自然には思わなかった。
ま、そういう奴もいるだろう、と思っていた。
俺が朝、家を出て、電車の中で腹が痛くなり、
その公衆便所で用を足し、学校へ行く。
そんなサイクルも一年以上続いた高校二年のある日、
やはり俺は朝、腹が痛くなり、例の便所へ駆け込んだ。
そしていつものように閉まっている手前の個室を通り過ぎ、
用を足し終わった。その時、その個室から声がした。
798:
「いいですね・・・いつもお腹の調子良さそうで」
学生、とは言えないが、若そうな声。
一年以上俺と同じタイミングで用を足していた、そいつの声を初めて聞いた。
だが「いつも」とはどういう事か?
とりあえず、「え、あ、まあ・・・」とぐらいしか返事を返せなかった。
そして次に奴が言った、不気味な言葉。
「私なんかね、もうね、ずっとお腹の調子悪いんですよ。ほんとに。
出てないんですよ、ずっと。私ねこの場所から全然出てないんですよ。
ほんとに。お腹の調子、悪いからね、出れないんですよ。」
手を洗いたかったが、これ以上ない寒気に負け、学校で洗うと決め、
早足でその場を出た。心臓がバクバクと鳴っていた。
後ろを振り向く事は絶対に出来なかった。
「いつも」という言葉。個室から出ていないのに、
なぜ俺が「いつも」用を足している事を知っているのか。
そして、「この場所からずっと出ていない」という言葉。
一年以上、奴はずっとあの場所に居たのか・・・?
考えれば考えるほど、訳が分からなくなった。
その日からはいくら腹が痛くても我慢して学校まで耐えるか、
遅刻覚悟で家で用を足して行くかにした。
奴が人間だったのか、分からないが、
これほどに不気味なことは無かった。
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