淡「チヤホヤされたい!」back

淡「チヤホヤされたい!」


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3:
淡「スミレの言うことにも一理あります!」
淡「だけどもどっこい!
 その程度のチヤホヤならテルーやスミレだってもらってるからね!」
淡「私はもっともーっと沢山チヤホヤされたいの! 地球の……ううん」
淡「あわよくば宇宙に住んでるみんなにだって持て囃されたい!」
照「淡ならなれる なんなら私が淡のマネージャーに立候補してもいい」
淡・照「いぇーいっ」
菫「オマエらハイタッチしてる暇があるなら牌にタッチしろコラァ!
 さっきから麻雀とかけ離れすぎてるんだよっ私達の会話!」
4:
照「ぷっ、菫……今のダジャレ……だだ滑りだったね
 恥ずかし……ププッ」
菫「なっ!」
淡「ゴメンね……私がテルーの胸を揉みしだいてさえいれば
 パイタッチとか言えたのに……はい 残念賞のあわあわシールあげる」
菫「やめろぉ! 真面目に言ったことをギャグされた挙げ句
 ダメ出しをくう気分を考えてろ! それと太ももにシール貼るな!」
照「ツッコミも冗長で下手」
菫「あ?」
照「なんでもないですゴメンナサイ だから弓ひかないで」
6:
淡「というわけでキンキュー会議を取り行っていこーと思います!」
照「いかに淡が宇宙一のトップスターに上り詰めるのか
 その手段を模索したいと思う」
淡「なお! 計画から実行! そして完遂までの一連の流れを
 オペレーション・クェーサーと名付けます!」
照「気になることがあれば お手元のお菓子をご覧ください」
菫「そうか 遠回しの退部申告なんだな? そうなんだな?」
淡「なんでやー! 桐島カンケーないやろー!」
照「私たち<チーム虎姫>は……見る人みんなを魅了する
 グローバルなチャームの持つで集団であることは周知の事実――だけど」
照「私や淡のように
 人ならざるモノ――すなわち麻雀牌に
 愛される程のフェロモンをもつ人間は世界でも数少ない」
菫「牌に愛されるメカニズムってそんなんだったのか!?」
7:
照「いえす 魅力イコール雀力なのである」
淡「なるほどー 確かに
 ドラゴンに愛されてたアチガの妹さんも
 なかなか人気が高いみたいだもんね」
照「牌という無機物にドラゴンという生命体」
照「これらに愛されるために魅力が必要であるならば
 淡が更なる魅力を身につけていくことで――」
照「ありとあらゆる存在の愛を……一身に受けられるスゴいあわあわに進化するハズ」
淡「ス、スゴいよテルー! それなら宇宙人もメロメロだよ!」
菫「目標が高いのは結構だが
 その意欲を麻雀に向けてくれ頼むから」
8:
照「大丈夫 淡のキューティクルが高まるにつれ
 雀力も伸びしろを増すなら これも立派な麻雀部の活動の一環」
菫「本当だな?
 遊びたくてテキトー言ってるワケじゃないんだな?」
淡「いいからいいからー テルーを信じてー」
菫「部費でプリンを買い込んだり 合宿の行き先を私用して
 ハワイ旅行を申し込んだと思ったら 乗る飛行機を一人で間違えて
 一週間も探し回ってみればマンチェスターの奇抜な髪型コンテストで受賞してた女を信用できるか!」
照「トロフィーあげるから許して欲しい」
菫「いらんわ!」
淡「髪型じゃなく∠の部分だけで受賞できるテルってすごーい!」
照「照れる」
菫「……」
9:
照「菫の許可も得られたので
 手始めに龍門渕へ乗り込もうと思う」
菫「待て待て待てぇー!
 百歩譲ってオペレーション・クェーサーとやらを認めたとしても
 なぜ他校に乗り込まねばならないんだ!」
照「淡の女子力アップに一役買う人物がいるから」
菫「魅力なのかキューティクルなのか女子力なのかハッキリしろ!」
淡「いいからいいからー♪ テルーを信じてー♪」
菫「ちょっ! 待て押すなコラ!
 せめて書け置きをだな――」
照「私が書いておくから行こう行こう」
10:
五分後――昼 東京>白糸台高校 ろうか
亦野(私の名前は亦野誠子
 今をときめく絶対王者〈虎姫〉チームのナンバー5だ)
亦野(白糸台の一員たるもの
 向上心は人一倍あると自負しているし)
亦野(いつかは虎姫のナンバー1――はムリカナ……でも
 せめて3位に座すことを目標に精進している
 が――いかんせん実力が伴わない未熟者だ)
亦野(昨日の部活動では活躍するどころか
 六万点近くの大量失点という失態を見せてしまう始末)
亦野(このままではいけない! 今日からは
 生まれ変わったNew亦野誠子を先輩達にお見せしよう!)
亦野「ふぅ」
 >ガラッ
亦野「こんにちは! 今日もヨロシクおねが――ってアレ?」
渋谷「……」
12:
同刻――東京>白糸台高校 虎姫ルーム
亦野「尭深だけ?
 この時間に先輩と淡がいないのって珍しいな」
渋谷「これ」
亦野「ん? なんだこの紙」
 【 ちょっと長野いってくる みんなのてるてるより
  お土産ほしけりゃ電話ぷりーず】
亦野「えぇー……」
15:
数時間後――夜 長野>駅地下
淡「ついたー!」
照「ふるさとの香りがする」
菫「どんなニオイだ」
淡「んー? クンクン」
淡「なんかコゲ臭いねー!」
照「火事のニオイ」
菫「えっ」
17:
五分後――夜 長野>駅前
 >出火原因は麻雀牌みたいよ
 >こわいわねー……
 >消防隊はまだかー
淡「ふー……はぁー……なんとか上に逃げてこれたね」
淡「もー! みんなビビってズンドコ走り出すもんだから
 オシクラマンジュウで体中が痛いよー」
照「あのラッシュに巻き込まれたせいで 逃げ遅れた人もいたかもしれない」
菫「マズいな……地下だと煙の逃げ道が――」
京太郎「咲ぃー! いたら返事してくれ!
 おーい!」
菫「……あの男子も
 ツレとはぐれて気が気でないだろう」
照「……」
20:
京太郎「あ、あの! こんな∠した女の子を見ませんでしたか!
 ――そうですか……すいません」
淡「んー こっちに来たねぇ」
京太郎「あのすいません! こんな∠した女の子見ませんでした?」
淡「んーん テルーくらいしか知らなーい」
照「……」
菫「キミのツレは携帯を持っていないのか?」
京太郎「もう何度もかけてます! ――あぁもう!」
 >――オネガイーギュットチカラヲコメルヨー♪
21:
京太郎「この着信音……咲――!」
 ――ぴっ
京太郎「おい咲! 今どこに……おいお前なんで
 なんでそんなに咳き込んで……地下にいんのか!?」
京太郎「おい! 咲! ――くそっ!」
菫「まてどこに行く!」
京太郎「地下に決まってるでしょう! 離してくれよ!」
菫「ふざけるな! この黒煙がみえないのか!
 目の前で死に急ぐヤツをみすみす見過ごせるか!」
淡「あわわわ! テルぅー! どうしよぉ……」
淡「ってアレ? テルー! テルー!」
淡「……」
淡「あわわわぁスミレ大変! テルーも迷子だー!」
22:
同刻――夜 長野>駅地下
照「……」
 >カガヤイテーココイチバーン
照「もしもし……ゴホッ」
照「ん? 駅前のラーメン屋だけど?
 湯気が多くてむせただけだし」
照「……ゴメンね菫 一つだけ謝っておく」
23:
照「ハンカチがなかったから 菫の旅行カバンから
 菫のパンツぱくってマスク代わりにしてる それじゃ」
 >カガヤイテーココイチ
照「しつこい――しばらく電話しないで」
照「……ゴホッ」
照「急がなくちゃ」
 同刻――東京>亦野の部屋
亦野「お土産の電話してっていったの先輩なのに……」
渋谷「どんまい」
24:
十分後――夜 長野>駅前
京太郎「離してくれよ! てかアンタ力強すぎんだろゴリラか!」
菫「じょ、女子を捕まえてゴリラとはなんだ!」
京太郎「いま男子を捕まえてるのはアンタだろうが!」
淡「テルー! テルーどこぉー! うぅぅ……テルー」
 >中から女の子が出てきたぞ
 >∠っ娘が二人いるぞー!
 >顔面にパンツかぶった変態がお姫様だっこしてる……
照「……」
淡「テルー!」
25:
菫「なにっ!?」
照「私は救助には明るくないから
 ここにいるみなさんに――この子をお願いします」
京太郎「咲!」
咲「はぁ……は……ゴホゴホッ」
照「ここに小さな毛布があるから使ってください」
菫「おいソレ私の」
淡「スミレ空気読んで!」
30:
照「それじゃ私はこれで」
照「ずらかれー」
菫「ま、待てお前コラ!」
淡「あはははー! にげろにげろぉー」
京太郎「ちょっ……アンタ達は――!」
咲「……ゴホッ――きょう……ちゃん? わたし
 助かった……の――ゴホッ」
京太郎「……あぁ 助けてくれたよ」
京太郎(お前の大好きなお姉ちゃんが)
31:
照「ここまでくればひと安心」
菫「ま……まったくオマエはいつもいつも」
淡「まーまー あの場にいてもメンドーだったし
 オッケーオッケー 私服だし学校もバレてないよきっと
 みんなテルの顔を見てたのもあるけど」
菫「オッケー、か……」
菫「……良かったのか? 照」
照「……うん」
照「私が助けたのは……見ず知らずの女の子
 ただそれだけだから」
照「それに今日は助けることが出来た
 今は……それだけで満足」
菫「そうか……」
菫「それだけでいいなら私のパンツは返せるな?」
照「これは別腹」
34:
一時間後――夜 長野>旅館 照たちの部屋
淡「テルーのほっぺプニプニー」
照「あばばばばー」
淡「そーいえばスミレは?」
照「渋谷たちに連絡しにいった」
淡「なんのー?」
照「お風呂にはいって最初に洗う部分」
淡「私は足からだよー」
照「私は∠から」
淡・照「きっとスミレはお尻から」
菫「違うわぁ! 射抜くぞおのれら!」
淡「おかえりぃスミレー」
37:
照「いいよ ただし矢じゃなく」
照「枕で勝負」
 >ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
菫「……」
淡「……」
照「……」
淡「絶対安全圏!」
照「コークスクリューツモ」
菫「シャープシュート!」
 >三人の戦いは丑三つ時までつづいた――
38:
数時間後――夜 長野>旅館 照たちの部屋
照「……」
照「……」
照「……」←自宅の枕じゃないと寝つけないタイプ
淡「テルー 起きてる?」
照「うん」
淡「とつぜんですが発表です! 防災標語〈あわあわ〉ぁー!」
照「お さない
 は しらない
 し ゃべらないみたいなやつ?」
淡「うん!」
40:
淡「あ わてない!
 わ めかない!
 あ わよくば!
 わ んこそば!」
照「ふ、ぷふふっ」
照「なにそれっ……なんでわんこそば?」
淡「こーゆー標語っていざ火災だーって時に思い出すもんでしょー?」
淡「おはし って他人の事を考えての行動ばかりじゃん」
淡「だからカンペキに自分本位な項目が
 一つくらいあってもいいかなーって思いました!」
照「そ、それでわんこそば……? ふ、ふふっ」
41:
淡「いざって時は『あれしたいこれ食べたい』って
 考えた方がパワーも出そうじゃない? だからさ――」
淡「……テルーも次 いざって時がきたら思い出してほしいな」
淡「私のために長野まできて 着いてすぐ女の子を助けてさ
 いつも誰かのために一生懸命なテルが――」
淡「少しでも自分のことを考えて 大切にできるように」
淡「わ、わたしをっ……グスッ
 一人にしないで……? テルがいなくなったら私っ――わたし」
照「……」
照「おいで 淡」
43:
照「ゴメンね 心配かせて」
淡「うん……! うん……!」
照「よしよし」
淡「えへへ……テルーあったかい」
照「このままでも……眠れる?」
淡「うんっ……抱きテルまくらギュッとしながら寝るー」
照「おやすみ 淡」
淡「おやすみー」
菫「……」
菫「……」
菫「……」
菫(宥ちゃん枕持ってきておいてよかった)
45:
次の日――朝 長野>龍門渕高校 校門前
淡「ふぁー……ねむねむ」
照「淡 今から潜入するんだからシャキッとしなきゃ」
淡「あいあいさー! 大星淡!
 超星淡となるべく今日も頑張りまーす!」
菫「なんだそれ――じゃなくて照!
 今オマエなんて言った!」
淡「テルーならもう中に入ってったよ?
 じゃー私も行くから まったねぇースミレ」
菫「あぁもう! こんな広い敷地内にあのバカを放ったら
 迷子になるなという方が無理難題だろうが――」
46:
五分後――朝 長野>龍門渕高校 食堂
純(ハギヨシさんの作るランチもいいけど
 たまにはこーいう所で食うメシも悪くねーよな……っと)
純「あむっ――うん ウマいな」
 >ざわざわ
純(ん? イヤにざわついてんな
 なに見てんだあの野次馬ども)
照「みそラーメンください」
純(なんだぁ……?
 食券売機スルーして直に注文するバカがいるだけじゃねぇか)
照「――あ、はい」
純(気付いてションボリしてるな)
純(それにしてもあの∠ どっかで見たことあるような)
純「……」
純「……」
純「ぶほっ」
48:
純(チャ、チャンピオン!? 宮永照……だよな?
 なにしてんだこんな所で!)
照「……」
純(み、みそラーメンのボタンを連射してる
 あん? 小銭が戻ってきたな……)
照「キョロキョロ」
純(まさか――金が足んねーのか?)
照「キョロキョロ」
純(周りの奴らも金かしてやれよ
 いや……恐れ多いかチャンピオンだし)
49:
照「……あっ」
純(……う)
照「ジー」
純(ヤバい……めっちゃこっち見てる)
照「ジー」
純(俺が井上純だって気付いてるのか? 気付いてんだよなアレ)
純(なにせあの龍門渕四天王の一人なんだからな俺は)
純(知らないヤツはそうそういないハズ……)
照「亦野ー お金かしてー」
純「誰だよ!」
53:
照「ズルズル」
照「おいしい」
純「そりゃよーございました」
照「この借りは麻雀で返す」
純「いや金で返してくれ頼むから 下手したら死ぬ」
照「ところで ウチの亦野とはどういう関係?」
純(そんなに似てるか? オレとあの副将
 なんかショックだわ……)
 同刻――朝 東京>白糸台 虎姫ルーム
亦野「へ、ヘクション! ――あ」
渋谷「牌山崩し……チョンボ……」
54:
純「――それで チャンピオン様がウチに何の用なんだ?」
純「わざわざ東京から来たんだ 
 名高いアンタらに相応しい そりゃあ大層な目的があんだろ?」
照「甘え子供ちゃん」
純「天江衣な」
照「天江衣ちゃんを見にきた」
純「ふぅん――まぁおおよそ見当通りだな」
照「スゴい なんで分かったの?」
純「そこいらのザコならまだしも アンタ程の打ち手が選ぶ対戦相手に
 オレらじゃ役不足だろ なら衣と透華くらいなモンだぜ」
照「……? 私たちは別に麻雀をしにきたワケじゃない」
純「えっ」
58:
純「衣を見に来たんだよな?」
照「うん」
純「麻雀をして見(けん)に徹したいって意味じゃ?」
照「ない」
純「えーと……つまりだ」
純「アンタははるばる東京から
 動物園でたわむれるパンダを視線で愛でるスタンスで
 長野在住の一女子高生を見つめたいがためにココに来たと」
照「うん」
純「変態か!」
照「おかわり」
純「オマケに大飯喰らいか……」
61:
同刻――朝 長野>龍門渕高校 麻雀部室
透華「――事情は分かりましたわ! 行方不明になったチャンピオンの
 捜索を手配すればいいのでしょう? ハギヨシ」
ハギヨシ「承知」
菫「ほんと こんな形でお邪魔してすいません」
一「まぁ事前にアポ取りはしてたんだし 気にしないでよ」
菫「それを照に伝え忘れてたのもそうですが
 そもそもココにお邪魔させてもらった理由も
 照のやつを律するべき立場にある私自身も
 なぁなぁとしてここにいる事実も……なにもかもお恥ずかしい限りです」
一「あはは……苦労してるんだね」
智紀(あ……私も今日のこと
 純に伝え忘れてた……まぁいっか)
62:
淡「ねーねー! アレやってよ!
 子鹿の音が聞こえるか!(ドヤッ)ってヤツ」
衣「ば、馬鹿者! 子鹿さんではない! コジミだ!
 子鹿さんを泣かせるでない!」
淡「乞食?」
衣「こ・じ・みっ!!!! 貴様の耳は壅塞(ようそく)の極致にあるようだな!」
淡「遠足の局地にあるよーだな!(ドヤッ)」
衣「うわぁあああああん! とぉかぁああああああ!!!
 あわいがイジメるゥウウウウウウウ」
透華「あらあら」
65:
淡「怖くないよー タダのあわあわだよー」
衣「グスッ……ほんと? あわあわ?」
淡「あわあわ」
衣「あわあわ?」
淡「あわあわー」
衣「あわあわワーイ!」
淡「わーい!」
智紀「……何故か通じ合ってる」
菫「魔物の共通言語かおのれの名前は……」
67:
透華「二人は意気投合してるようですし
 菫さんは私達と打ちませんこと?」
菫「えっ! その……いいんですか?
 これ以上手間をとらせてもらって」
透華「構いませんわ! チャンピオンの従者に甘んじたまま
 なんの旨味もなく帰りたいのであれば 断っても結構ですけれど」
一「ちょっと透華!」
菫「……フフッ なかなか人を乗せるのが上手いですね
 その半荘一回――受けて立つ」
智紀「じゃあ私も」
一「はぁ……やっぱりこうなるんだよねー
 血気盛んな主人をもつと大変だ」
透華「では――スタートですわ!」
68:
淡「コロモって髪キレーだねー 触っていい?」
衣「あわいの髪も風光明媚がごとき代物
 衣の髪で満足いくか?」
淡「むふー、私の髪って麻雀打つ度に痛んじゃうから
 ほらっ、100年生オーラで!」
衣「なるほど……世知辛いな
 オマエも自分の力に翻弄されし禍い者か」
淡(あ、この子 冗談が通じないタイプだ)
69:
淡(でも――そーゆー所が可愛いな)
 >ギュッ
衣「はわっ」
淡(無垢っていうのかなこーゆーの
 掴みどころがないのはテルも一緒だけど
 意識してやってないんだろうなって感じがかーわいいー)
衣「やめろー! はなせー!」
淡(うん、分かってきたよテルー!
 私とコロモを引き合わせたかった理由が)
衣「聞いてるのか!? あぁあ……!
 アタマ撫でるなぁぁ……」
71:
同刻――朝 長野>龍門渕高校 大浴場
純「ふぅ……あっつ」
照「……食後の朝風呂は格別」
純「まぁな――で」
純「何でオレ達ここでくつろいでんだっけ」
照「ジャグジーであわあわ成分を補給したいから」
純「泡々成分ねぇ……」
照「お腹減った」
純「おいおい 別の成分ぬけ落ちてんぞ
 てかラーメン3杯も食ったろうが……」
74:
純「それともアレか
 その暴食癖が強さの秘訣だったりすんのか?」
照「ううん」
純「……」
照「……」
純「いや違うなら教えてくれよ! そういう流れじゃんコレ!」
照「流れなら鳴いて断ち切ってください」
純「オマエ絶対オレのこと覚えてただろ!
 さっきわざと間違えただろ!」
76:
照「まぁまぁ……教えるから」
照「淡がさ……本気になると髪の毛……
 ぶわぶわドヒューン……ってなるよね」
純「あぁアレな ダブリーの予兆みてぇーなヤツだろ」
照「アレね……実は――汗とかで髪が
 ……ベタついてると……あんまり……フワフワしない」
純「……」
照「……」
純「え!? 話終わり!?」
照「うん」
純「オレの質問はどこ行ったんだよ!」
照「うん」
純「『うん』じゃねええええええええええええええええええ」
77:
照「……」
純「……」
照「……」
純「……」
照「……」
純「……」
照「……何の話だっけ」
純「もういいよ……諦めた」
照「ごめん なんか……もお……眠くて」
純「寝るなよ! 絶対寝るなよ!? 振りじゃねえからな!?」
 同刻――朝 長野>龍門渕高校 脱衣場
ハギヨシ「……ふむ」
ハギヨシ「さすがにあの場に溶け込む器量も
  水を差す度量もこのハギヨシには不足しています」
ハギヨシ「透華お嬢様――今しばしお待ち下さい」
79:
照「……りょーかい」
純「はぁ……なんだかねぇ」
純(チャンピオンつっても 麻雀してなきゃタダの人か
 無防備極まりねぇもんだ)
純「ふぁあ……」
純(っといけねぇ オレまで寝落ちしたら
 本格的に事件だっての)
純「おい そろそろあがろうぜ
 衣に会いたいなら案内するから……よ」
純「……」
純「……」
純「いねぇし」
82:
三十分後――昼 長野>龍門渕高校 部室
純「ただいまーっと
 ここにチャンピオンはいたり……しねえか」
透華「あら 宮永さんなら先ほどここに来て
 今さっきお連れの方と一緒に帰ったばかりですわよ」
純「えっ あのポンコツが!?
 自力でここにたどり着けたのか!?」
一「ううん ハギヨシさんが一緒だったよ っていうか
 ポンコツ呼ばわりはヒドいんじゃない?
 いくら方向音痴だからって」
純「そーだな……あー探し回って損した」
衣「じゅん! ころもは今日から高校100ねんせーだ!
 今までの100倍くらいお姉さんとして敬うといい!」
純「えっ」
86:
透華「ふふっ 衣ったら
 新しい背伸びの仕方を覚えましたのよ」
智紀「子供はみんな日進月歩 成長をやめない」
衣「こどもじゃない! ころもだ!」
純(成長してるというより、子供寄りに退行してるような)
純(……)
純(……でも、ま 気の持ちようなのかね)
 同刻――昼 長野>みちばた
淡「とゆーわけで! 高校200年生に大躍進しました
 新生あわあわだよ! テルー!」
照「倍満をちゃっかりかつしっかりかます
 さすがは私の淡 よーしよしよしよしよし」
淡「あはははっ くすぐったいよぉ」
 >ズドーンズドーン
菫「往来でじゃれあうな魔物ども 道路が揺れる」
87:
淡「ほいしょっと」
照「おうふ」
淡「わぁー いつ乗っても高いね
 テルーの目線のさらに上!」
菫「肩車してれば高いだろうさ」
照「今なら届きそう?
 淡のなりたかったものに」
淡「うーん――どうでしょうかねぇ
 でも昨日よりは全然イケそーだよ!」
照「そう それなら良かった」
菫「そうでなくては困るけどな
 わざわざ長野に来て収穫なしときたら笑うしかない」
照「菫も妙に満足そうに見えるけど 気のせい?」
菫「き、気のせいだろ」
88:
淡「でも、まだまだ足りなかったりするのかなぁ?
 チヤホヤ指数はしばらくしないと計算できないし」
菫「なんだその未知の分野」
淡「重複された正と否に押し潰されそうなシュレディンガーの猫を
 撫で回したい淡ちゃん状態だからね! 箱を開けるまで答えは不明瞭なんです」
菫「お前は一体何を言っているんだ」
照「答えを見て足りないなら 何度でも重ねればいい」
照「私はいくらでも淡に付き合うよ」
淡「ありがとう! テルー大好き!」
照「あんまり私の∠プニプニすると 指が切れるから気をつけてね」
淡「なんと!」
91:
菫「……」
照「どうしたの菫 眉間にシワ寄せて」
菫「こんなバカげた小旅行が 再び訪れるかと思うと頭が痛くてな……」
照「もう少しで空港だから 頭痛の薬あげる」
菫「少しは省みろ頭痛の種」
淡「レッツゴー東京ー! バイバイ長野――って痛ぁー!
 指切っちゃった……」
照「絆創膏も追加っと」
92:
照「……」
照(長野……いつか)
照(淡に会わせたかったもう一人に
 淡を会わせてあげることが出来るのかな)
照(私自身――向き合うことが出来るのかな)
照「……」
照「バイバイ――長野 またね」
93:
数時間後――夜 長野>上空
飛行機の中
淡「むにゃむにゃ……」
菫「……いいのか? あんな約束して」
照「亦野のお土産なら心配ない 
 東京で売ってるテキトーな釣具を渡すから」
菫「いやそっちじゃなくて……ていうかそんな約束してたのか」
95:
菫「淡のことだよ 何度でも協力するって話」
照「……」
照「チヨホヤされたいってことは
 他人の意識を自分に向けたいってこと」
照「でもそれは
 淡の意識も他人に向いてる証だから」
菫「……寂しかったりしないのか? あんなにテルーテルーって
 オマエにしか興味を示さなかった淡が
 オマエ以外に興味をもったこと――そして」
菫「苦しくはないか? そんな淡の仲介に回るような真似は」
照「……」
照「菫は優しいね」
97:
菫「優しさを示すべき立場なだけだ 優しいわけじゃない」
照「私は淡が好き」
照「だから……淡には私だけを見ていて欲しいとも思ってる――でも」
照「淡の中に……私以外の誰かが息づくことはきっと
 淡にとってプラスに終わると思うから」
照「それに……」
照「私はどんな淡も好き それが今はハッキリと分かる」
淡「スー……スゥー……盛りそばいっちょー……むにゃむにゃ」
100:
菫「そうか」
照「それに……」
照「たとえ全国のアイツやコイツに会わせても
 この宮永照 淡の想い人として君臨し続ける自信がある」
菫「あーオマエはそうゆうヤツだったな思い出した思い出した」
照「恋も部活もチャンピオン」
菫「ゴシップの見出しに使えそうなタイトルだな
 こんど記者に頼んでおいてやる」
101:
照「照れる」
菫「皮肉だったんだけどな……ん?」
菫「照! 流れ星だ流れ星!」
照「……? 見えないけど」
菫「うっすらだけど……ホラ! また流れた!」
菫「三連覇の悲願を願え! ほら早く早く!」
照「……」
104:
照(今度はどこに行こうか? 淡)
照(海があるところ? それとも雪がいいかな)
淡「……むにゃむにゃ テルーといっしょなら……どこでもいいよ……うーん」
照「……ふふっ」
照(私は――淡がいれば流れ星いらずかな)
照(いつも手の届くところにいて
 私の願いをケロッと叶えてくれる 可愛い可愛いお星様)
照「大好きだよ 淡」
カン!!!!
105:

あわてる可愛い
107:
乙乙ー!
109:
次の日――東京>白糸台高校 ろうか
亦野(昨日 連絡をくれた部長の話によると――今日!)
亦野(ついに!)
亦野(先輩たちが長野から戻ってくる!)
亦野(待ちわびた一局の中を――再びしのげるんだ!)
亦野(う、ううんっ? なんだか緊張してきたな
 こういう気分はいつもの茶目っ気の効いた挨拶で流してしまおう)
亦野「すう……はぁ……」
亦野「おかえりさまさまですっ! 失礼します!」
 >しーん
渋谷「長野のお茶……美味しい」
110:
同刻――東京>白糸台高校
 ルーム虎姫
亦野「あ、あれ? 部長たちは」
渋谷「はい……書き置き――とお土産だって」
亦野「……」
 【 ちょっとどこかの市に行ってくる あわいのてるてるより 】
亦野「えぇー……」
 【 追伸 お土産の釣具はえんりょなくつかってね 】
亦野「えぇえ……」
亦野「……」
亦野「これ船釣りバッテリーじゃぁん……」
もいっこカン!
113:
もいっこ乙
11

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「自動車教習所」 ←この呼び方で出身地が分かるらしい

理研が小保方フィーバーに便乗してグッズを販売www

もしも月がミラーボールだったら?地球がキラッキラに反射してちょっと楽しい。

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公園で首をつった男性、後ろ手に鍵のついた手錠 自殺と事件の両面で捜査

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日本人全員が東京ドームの広さと霞が関ビルの容積を把握しているという風潮

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小保方晴子の顔がゲルググにしか見えなくなってきた

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