杏子「なあ……、頼むよ、さやか」 さやか「お金は持ってきたの?」back

杏子「なあ……、頼むよ、さやか」 さやか「お金は持ってきたの?」


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1:
杏子「金は……、ねえよ……」
さやか「じゃあ、ダメじゃん」
杏子「……」
さやか「こっちだって慈善事業じゃないんだからさ」
杏子「……」
さやか「あんたも、少しは我慢しなよ」
杏子「無理だよ……」
杏子「なあ、さやか……」
さやか「お金、持ってきたらね」スタスタ
杏子「あ……」
杏子「……」
杏子「くそ……」
5:
――――
――――――
杏子「金か……」
杏子「……つっても、あたしはまだ中学生なんだぜ?」
杏子「真っ当に金を稼ぐ方法なんて……」
杏子「仕方ねえ……」
杏子「また、あそこに行くか……」
10:
――――
――――――
男「仕事?」
杏子「……ああ」
男「いやあ、そりゃあ、人手は欲しいけどさ」
男「お譲ちゃん、なんの仕事かわかってるの?」
杏子「……力には自信あるよ」
男「でもなあ……」
爺「あ、杏子ちゃん」
男「あれ? 知り合いですかい?」
爺「ああ。仕事探してるのかい?」
杏子「……」コクリ
爺「わかった、また、手伝ってもらおうかね」
杏子「お世話になります」ペコリ
爺「うん、じゃあ、頼むよ」
11:
爺「じゃあ、これ、30cmでね」
杏子「はい」
爺「全部で100取れる計算だから」
杏子「はい」
爺「あ」
杏子「……?」
爺「昼飯は?」
爺「食べるなら、頼んどくけど?」
杏子「お願いします」ペコ
爺「わかった」
13:
杏子「……」ガッチャンガッチャン
杏子「ふう……」
杏子(流石に体力仕事は辛いな……)
杏子(油の臭い凄えし……)
杏子(金属音もやべぇ……)
杏子(耳がいかれそうだ……)
杏子(でも、ここでしか雇ってもらえないし……)
杏子(それは感謝しなくちゃな……)
15:
杏子(給料も日払いだし……)
杏子(これで、金もできるぞ……)
杏子(……)ガッチャン
杏子(よし、これで終わり……)
杏子(あ、あれ?)
杏子(……)カチャカチャ
杏子(98しかないぞ?)
杏子(あ……)
杏子(や、やば……)カチャ
――――――
――――
16:
――――
――――――
爺「あー、やっぱり、留め金が緩んでら」
杏子「すんません……」
爺「一回一回、長さは確認するように言っておいたよね?」
杏子「すみません……」
爺「数多いと勘違いしやすいけど……」
爺「これ一本にもお金掛かってるんだよ?」
杏子「はい……」
爺「……」
杏子「……」
爺「まあ、やっちまったもんはしょうがねえけどさ」
爺「気をつけてくれよ」
杏子「はい……」
18:
――昼休み
杏子(まずったな……)
杏子(ここのおっさんとはうまくやってたのに……)
杏子(もう、雇ってもらえねえかも……)
杏子(他に雇ってくれるところなんて……)
作業員「おい」
杏子「……?」
作業員「そこ、俺の場所だ」
杏子(……俺の場所だあ? そんなん誰が決めたんだよ)
杏子(でも、ここで揉め事起こしたら、それこそ、働けなくなる)チッ
杏子「……」スッ
杏子「……」スタスタ
作業員「おい」
杏子「……?」
ドカッ
21:
杏子「ぐ……」ドサ
作業員「舌打ち、かましてんじゃねえぞ、あ? ガキ、コラ」
杏子(……野郎)ギロ
作業員「……」
作業員「お前、まだ中坊だろ?」
杏子「……」
作業員「働ける年だっけか? あ?」
杏子「……」
作業員「ちくられてえか?」
杏子「ぐ……」
作業員「へへ……」ニヤニヤ
杏子「……」スタスタ
作業員「ばーか」ヘラヘラ
杏子「……」ギロ
作業員「……」ニヤニヤ
24:
――午後
杏子(クソ、いらいらする……)
杏子(あの野郎、魔法でぶっ殺してやろうか……)
杏子「……」
杏子(いや、ダメだ。私は、真っ当に生きるって決めたんだ)
杏子(負けねえぞ……)
杏子「……」ガッチャンガッチャン
杏子(仕事も、もうミスらねえ……!)
杏子(ぜってえ、あいつより、いい仕事してやる……)
27:
――終業時間
杏子「あの……、おやっさん!」タタタッ
爺「……?」
杏子「きゅ、給料のことなんですけど……」
爺「……」
杏子「満額は貰えません」
爺「……どうして?」
杏子「今日、ミスしちゃったし……」
爺「ははっ、なんだそんなことか」
杏子「……」
爺「気にするな、ミスは誰にでもある」ポン
爺「それに給料は歩合じゃあない、時間給だ」
爺「貰っとけ」
杏子「……」
爺「また次も頑張りな」
30:
杏子「ありがとうございます」ペコリ
爺「うん、じゃあ、お疲れ」
杏子「お先、失礼します!」
爺「ああ」
――――――
――――
37:
――――
――――――
さやか「ねえ、次どこ行くー?」
まどか「うーん、どうしよっか?」
仁美「私、そろそろ帰りませんと……」
さやか「えー! まだいいじゃん!」
さやか「仁美が習い事ない日なんて滅多にないんだからさ!」
仁美「でも……、もう日が落ちますし……」
まどか「……そうだね。そろそろ帰ったほうがいいかも」
さやか「もー、まどかまで?」
まどか「だって……、あれ?」
さやか「……?」
まどか「杏子ちゃん?」
さやか「杏子?」チラッ
まどか「ほら、あそこ」
38:
杏子「……」
まどか「一人でどうしたんだろう?」
杏子「……」チラッ
さやか「……」ジッ
杏子「……」
さやか(私か……)
さやか「……」
さやか「うーん、二人がそう言うならしょうがない、か」
さやか「私は杏子を誘ってみるよ」
さやか「んじゃあねー!」タタタッ
まどか「あ……」
仁美「行ってしまいましたわね……」
まどか「うん」
仁美「帰りましょうか」
まどか「うん」ニコッ
44:
さやか「よっ……」タタタッ
杏子「ああ……」
さやか「私に用だったんでしょ?」
杏子「あ、ああ……」
さやか「……」
杏子「あ、あのさ」ゴソゴソ
杏子「か、金、持ってきたんだ」サッ
杏子「こ、これで文句ないだろ?」
さやか「……その前にさ」
杏子「……?」
さやか「杏子、あんた油くさいよ?」
杏子「あ、え……」
さやか「どこ行ってたの?」
46:
杏子「は、働いてた……」
さやか「働くのはいいんだけどさ」
さやか「いや、本当は普通に学校に通うのが一番なんだけど……」
さやか「風呂ぐらい、済ませてきなさいよ」
杏子「……ごめん」
さやか「……?」
杏子「ごめんなさい」
さやか「な、何よ、えらくしょぼくれて……」
さやか「どうかした?」
杏子「別に……」
さやか「……」
杏子「……」
杏子「……仕事で、ちょっと」
47:
さやか「そっか……」
さやな「嫌なことあったんだ」
杏子「大した事じゃないよ……」
さやか「無理するな無理するな」ポンポン
さやか「アレで元気になればいいじゃん? ねえ?」
杏子「……」コクリ
さやか「特別に、今回はタダにしてあげるからさ」
杏子「……」
杏子「ありがとう……」
53:
――マミホーム
さやか「お邪魔しまーす」
杏子「……」
マミ「はい、いらっしゃい」ニコッ
さやか「すみませんけど、またお願いします」
マミ「ええ、もちろん大丈夫よ」
さやか「いやあ、マミさんの家があって助かりますよ」エヘヘ
マミ「まあ、まるで私の家だけが目的みたいに」フフ
さやか「いやいや! 違いますよ! マミさん!」アセアセ
マミ「ふふ、冗談よ」ニコッ
54:
杏子「風呂、借りるぞ?」
マミ「ええ、沸かしてあるわ」
杏子「じゃあ……」スタスタ
――――――
――――
55:
――バスルーム
ジャー
杏子「……」
さやか『杏子、あんた油くさいよ?』
杏子「……」ゴシゴシ
杏子「……」ゴシゴシ
杏子「……」ゴシゴシ
杏子「……」ゴシゴシ
杏子「……」ゴシゴシ
杏子「……」ゴシゴシ
60:
ガラッ
杏子「……」ビクッ!
さやか「じゃっじゃーん♪」
杏子「な、なんだよ……」
さやか「たまには一緒に入ろうよ」
杏子「別にいいけど……」
さやか「素っ気なくしちゃって……」ガチャ
さやか「本当は嬉しいくせに……」ニヤニヤ
杏子「……」////
さやか「――って、あんた肌真っ赤じゃん!」
さやか「強く洗いすぎじゃないの?」
杏子「……」
杏子「……そうか?」
64:
杏子「……」チラッ
さやか「あ、いま、胸見た」
杏子「ぐ……」////
さやか「世の中、気づかれてないと思ってる奴いるけどさー」
さやか「バレバレだからね?」ニヤニヤ
杏子「た、たまたま目がいっただけだ!」
さやか「ふーん」
さやか「じゃあ、興奮してないんだ?」
杏子「……」
さやか「杏子、こっち向いてみなよ」
杏子「や、やだよ……」
さやか「……」
さやか「イヤとかじゃないの」
さやか「私が向けって言ったら向きなよ」
杏子「……」
67:
杏子「う……」プルプル
さやか「タオルもどけなよ」
杏子「そ、それは……」
さやか「……」パシッ
杏子「あ……」
さやか「ほら……」
さやか「やっぱり勃ってるじゃん」ニヤニヤ
杏子「うう……」////
さやか「朝から私のとこにきてさ……」
さやか「お金できたら風呂も入んないで私の所来ちゃうんだから」
さやか「興奮してない分けないよね」ニヤニヤ
杏子「しょ……」
杏子「しょうがねえだろ……」////
73:
さやか「……」
杏子「……」////
さやか「ここでしたい?」
杏子「え……」
さやか「それとも、ベッドまでとっとく?」
杏子「あ、えっと……」
さやか「今日一日はタダだよ?」
さやか「何回してもね」ニッ
杏子「……」
さやか「ほら、言わないとわかんないよ?」
杏子「あ、あう……」////
さやか「どうすんの? 早くしなよ」
杏子「し、して……」
さやか「……違うでしょ?」
杏子「して……、ください」
77:
さやか「しょうがないなー」ニヤニヤ
杏子「……」////
さやか「じゃあ、後ろ向いて」
杏子「……」ガタガタッ
さやか「ちょ、ちょっと杏子……」クスクス
杏子「……え?」
さやか「焦りすぎだよ」クスクス
杏子「う……」////
さやか「のんびりして私の気が変わったらイヤだもんねー?」クスクス
杏子「……」////
さやか「大丈夫だよ、杏子」
さやか「今日はたっぷり優しくしてあげる」ニコッ
杏子「……」////
79:
さやか「じゃあ、後ろから失礼♪」ギュッ
杏子「あ、ああ!」////
さやか「ちょ、ちょっとちょっと! まだ、触っただけだよ?」
杏子「わ、わかってる、けど……」ハアハア…
さやか「優しくされて、気が抜けちゃったかな?」
杏子「さ、さやか……」
さやか「ん?」
杏子「な、名前、呼んでくれ」
さやか「……」
さやか(ふむふむ……)
さやか「杏子♪」ヒソッ
杏子「あ……」////
さやか「私が気持ちよくしてあげるよ、杏子」ヒソッ
杏子「ああ……!」////
さやか「……かわいいやつめえ」ニヤニヤ
86:
さやか「杏子さ……」クニクニ
杏子「……?」
さやか「仕事、嫌なことあったの?」クニクニ
杏子「……」
杏子「……蹴っ飛ばされた」
さやか「そうなんだ……」
杏子「……」
さやか「やめちゃいなよ、そんな仕事」
杏子「だって、そうしたらお金が……」
さやか「いいじゃん、私だって、高校生になったらバイトぐらいするし……」
杏子「でも……」
さやか「ちゃんとした職に就けば、普通に二人で暮らせるじゃん」
さやか「といっても、私は高校出るまでは実家だろうけど」
88:
杏子「さやかが言ったんだろ……」
杏子「二人で暮らそうって」
杏子「その為にお金ためようって……」
さやか「私は高校生になったら、あんたが一人暮らしできるって話をしたの」
杏子「そうしたら、二人でいられるって言ったから……」
杏子「それから、してくれなくなったし……」
さやか「あんたがしたがってばっかりだからだよ」
さやか「あんたがそこまで釣られるとは予想外だったけど」
91:
さやか「おかげで随分貯まったしね」
杏子「全然使ってないのか?」
さやか「あったりまえじゃん! あれは二人のお金なんだから!」
杏子「……稼いだのはあたしだけどな」ボソッ
さやか「んー?」
さやか「なんか言ったかなー?」ギュウ
杏子「うう!」////
さやか「ふふん、私に意見するなら――」
さやか「少しは我慢を覚えてからにするんだね」ニヤニヤ
杏子「わ、わかったよ……、あたしの負けだ」////
さやか「とーぜん」ニコッ
      おわり
93:
乙!!!!!
100:
――――――
――――
まど神「――という世界も見たんだよ」
ほむら「そう」
さやか「……」
    本当におわり
103:
おつ
10

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