貴音「…」カチカチback

貴音「…」カチカチ


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1:
――――――――――――
FROM 貴音
――――――――――――
貴音です。
今、繁華街を過ぎ、大通り
に出ました。
事務所にはまだかかりそう
です。
それにしても風が冷たくな
って参りました。肌を抜け
る際に感じる心地よさは、
今宵の月は真、綺麗である
事を暗示しているからでし
ょうか?
ふふ、風邪などを引かぬよ
う対策は致しておりますの
でご心配なさらぬように。
――――――――――――
6:
――――――――――――
FROM 貴音
――――――――――――
貴方様。
先日開店したらぁめん屋を
発見いたしました!
もう御昼時は過ぎています
が、未だに行列が出来てお
ります。
真、心揺れます。
…口惜しくありますが今は
事務所に向かうのが優先…
らぁめんよ…今暫くお待ち
ください。
つきましては、本日の仕事
の後に、寄ってみませんか

ふふ、貴方様と食べる行列
の出来るらぁめんは、きっ
と格別なことでしょう
――――――――――――
9:
――――――――――――
FROM 貴音
――――――――――――
貴音です。
事務所までもう少しのとこ
ろまで来ました。
余裕をもって着くことが出
来ると思います。
先程、らぁめんを我慢した
為か、小腹が空いてしまし
ました。
何やらいい匂いがしてまい
りました…貴方様少しだ
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11:
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FROM 貴音
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貴方様。
事務所に着きました。
余裕があったはずが、ぎり
ぎりになってしまいました。
先程はメールの途中で送信
してしまい申し訳ありませ
んでした。
匂いのもとを辿ってみれば
たい焼き屋がありましたの
で少々…
もちろん、貴方様の分も買
って参りましたので、一緒
に食べましょう。
――――――――――――
14:
貴音「おはようございます」
P「ああ、おはよう貴音」
P「流石に扉の前で立ち止まってメールする必要はないぞ?」
P「ってか、ここまで細かく連絡してくれなくていいんだぞ」
貴音「いえ、これは自分への戒めなのです」
貴音「貴方様から叱責を受けて目が覚めました」
P「いやあの時は確かに叱ったがここまで…」
貴音「それとも…迷惑でしたでしょうか?」
P「いや迷惑ではないが…ううむ」
貴音「ふふ、仕事まで時間がありませんし、たい焼きも冷めてしまいます」
貴音「早く食べてしまいましょう」
P「ったく…さんきゅ」
P「美味いな…お茶いるか?」
貴音「はい」
15:
――――――――――――
FROM 貴音
――――――――――――
貴方様。
本日はありがとうございま
した。貴方様の指示により
、満足のいく仕事が出来ま
した。
また、帰りのらぁめんは真
、美味でした。濃厚なすぅ
ぷは言うまでもありません
が、麺にまで拘っていて…
これはまた行くしかありま
せん。
心行く迄堪能したいと思い
ます。
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16:
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FROM 貴音
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貴音です。
貴方様、空を仰いでみてく
ださい。今宵の月は上弦の
月。これから満ちてゆく月
です。
ふふ、貴方様が今、空を仰
いでいるのであれば、場所
は違えど同じ月を見ている
事になりますね。真、素敵
な事です。
ですが、十五日月…満月の
時は傍で眺めあえれば更に
素敵な事ですね、貴方様。
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17:
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FROM 貴音
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貴方様。
帰宅いたしました。
貴方様はまだ事務所の方で
御仕事をしているのでしょ
うか?
大変なのは重々承知してお
りますが、休養も大切です。
あまり無理をなさらぬよう
気をつけてくださいね。
私の方も、明日のレッスン
に疲れを残さぬよう、しっ
かり休みます。
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18:
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FROM プロデューサー
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お疲れさん
今日は早めに帰れそうだか
ら貴音の言うとおり、ちゃ
んと休むとするよ
あ、昼も言ったがいちいち
メールしなくてもいいんだ

まあ帰宅報告はありがたい
が、無理にメールする必要
は無いからな?
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19:
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FROM 貴音
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お疲れ様です
無理はしておりませんが…
やはり迷惑でしたでしょう
か?
私はあまりこのような事を
したことがないので、加減
をまだ把握できておりませ
ん。
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22:
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FROM プロデューサー
――――――――――――
迷惑じゃないが…
あの日の事を気にしてるん
じゃないのか?
だとしたらそんなに気にし
なくていいからな
あの日も言ったが、ミステ
リアスなとこは貴音の魅力
なんだから
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24:
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FROM 貴音
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あの日はアイドルとして頂
点を目指すために必要な日
でありました。
あまり叱られることのない
私をきちんと叱ってくれた
貴方様の言葉をどうして無
碍に出来ましょうか
それに貴方様とこうやって
文字のやりとりをすること
に楽しみを覚えてしましま
した。
貴方様の返信を心待ちにす
る…真、不思議な感覚です
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25:
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FROM プロデューサー
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…わかった
好きにしろ
なんだかんだでお前のメー
ルを楽しんでる自分もいる
しな
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26:
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FROM 貴音
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はい!
これからもご指導よろしく
お願いします、貴方様。
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28:
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FROM 貴音
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それではお風呂に入ってき
ます。
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P「…」カチカチ
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FROM プロデューサー
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その報告はいらない
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貴音「…」カチカチ
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FROM 貴音
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…いけずです
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29:
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FROM 貴音
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貴方様。
写めぇるなるものを撮って
みました。上手く撮れてい
るでしょうか?
携帯にこのような機能があ
るとは真、面妖ですね。
では、かめらはいずれ無く
なるのでしょうか…便利に
なれば古きものは廃れてい
く…
アイドルも同じことが言え
るのでしょう。気を引き締
めなければなりませんね。
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31:
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FROM 貴音
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なんと…送れていないとは
…難しいものですね、携帯
とは。使いこなすにはまだ
まだ時間がいるようです。
話は変わりますが、春香の
作るお菓子はどうしてあそ
こまで美味しいのでしょう
か?
今度らぁめんを作ってもら
うようお願いしてみます。
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32:
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FROM 貴音
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貴音です。
貴方様!響がまふらぁを編
んでくれました!
これで今年の冬はもう超え
たも同然ですね。
ふふ、気が早いですか?で
すが、それくらい気持ちが
高ぶりました。
響にはお礼をしなければな
りませんね。
何がいいでしょうか?
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34:
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FROM 貴音
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貴方様。
伊織とやよいは本当に仲が
よろしいですね。
先日、伊織がごぉじゃすせ
れぶぷりんを買ってきて、
互いに食べさせあっていま
した。
真、微笑ましいです。
ただ…私の分は無かったの
が、残念でなりませんでし
た。
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35:
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FROM 貴音
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お疲れ様です。
此度のふぇす…真、よい試
合でした。
勝つことは出来ましたが、
己の至らぬとこを学ぶこと
が多いふぇすでした。
私たちはまだまだ成長して
いくことが出来ます。更な
る指導、よろしくお願いし
ます。
春香にらぁめんを頼んだと
ころ、何故が一緒に作るこ
とになりました。
面妖な
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37:
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FROM 貴音
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貴音です。
貴方様、本日事務所で千早
がずっと笑っていたのです
が、どうしたのでしょう?
理由を尋ねても、寝ている
美希と貴方様を見てまた笑
うのです。
そしてねむ…ひめ…?はて
、聞き取れませんでしたが
何か言ってました。
貴方様は千早に何があった
のか分かりますか?
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39:
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FROM 貴音
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貴方様。
最近はきちんと休めている
でしょうか?皆の仕事が増
えてきたということは、貴
方様の負担も増えてきたと
いうことです。
律子嬢もお疲れのようでし
た。御二人が倒れれば私を
含め皆が心配をします。
もちろん小鳥嬢も心配です。
皆、身体が資本…元気であ
ることが一番ですね。
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40:
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FROM 貴音
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貴音です。
亜美、真美に携帯の使い方
をれくちゃあしてもらいま
した。
携帯には私の知らぬ面妖な
機能がたくさんあったので
すね。
いくつか覚えた機能があり
ますので、いつか貴方様に
披露して見せますので楽し
みにしててください。
一先ずは先日出来なかった
添付機能を…レッスン風景
ですが送れているでしょう
か?
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43:
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FROM 貴音
――――――――――――
レッスンと言えば、雪歩は
真、上達しました。
特にダンスレッスンでは時
たま挫けそうになることも
ありましたが、一度も折れ
ることはありませんでした。
その芯の強さは見習うとこ
ろでありますね。
ふふ、今度、雪歩にお茶を
淹れてもら負うと思います。
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44:
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FROM 貴音
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47:
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FROM 貴音
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おはようございます。
携帯を開いたところまでは
覚えているのですが、その
まま寝てしまっていたよう
です。
”寝落ち”というやつです
ね…まるで美希のような事
をしてしまいました。
美希はよく眠りますね。こ
の間のライブの休憩中も寝
ていました。
ですが出番となればしっか
りぱふぉぅまんすをしてい
ました。
真、きらきらしていました
あふぅ…はにぃ!
――――――――――――
50:
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FROM 貴音
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貴方様
先程のメールは忘れてくだ
さい。
まだ寝ぼけていたのです。
ですから早く忘れるのです

あとたしか削除機能があっ
たはずです!削除してくだ
さい。よろしくお願いしま
す。
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51:
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FROM 貴音
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…貴方様はいけずです
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53:
P「…」
P「…」
P「…」
P「…」
P「貴音からメールが来なくなった」
54:
P「いや…事務所ではちゃんと会話するし」
P「報告連絡相談のほうれんそうはしっかりしてくれる」
P「帰宅報告もきちんとする…でも」
P「雑談をしてくれなくなった」
P「あ?…からかい過ぎたかなぁ」
P「…よし、謝ろう」
57:
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FROM プロデューサー
――――――――――――
貴音、からかって悪かった

普段のお前からは想像でき
ないメールだったし、あん
なお茶目な事をする貴音が
可愛くてつい、な
もうしないから許してくれ
最近じゃ貴音からメール来
るのが日常になり過ぎて、
お前からメール来なかった
らなんか物足りないんだよ
――――――――――――
58:
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FROM 貴音
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貴方様は本当にいけずです
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66:
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FROM 貴音
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貴方様が…
貴方様があどばいすしてく
ださった響へのお礼、とて
も喜んでもらえました。
ありがとうございました。
流石貴方様、皆の事をよく
見ていますね
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68:
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FROM 貴音
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貴方様。
真が少女漫画とやらを貸し
てくれました。
今の時代、高校には馬で登
校する殿方がいるのですね。
私は高校には行かなかった
身ですので、目から鱗です。
真はこの漫画のような恋が
したいようです。事務所に
あるファッション雑誌を眺
めている時や、漫画の話を
語る様はまさに生娘そのも
のでした。
いずれ誰よりも魅力的な女
性になるやもしれませんね。
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69:
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FROM 貴音
――――――――――――
らぁめん!
失礼、貴方様。
とても素晴らしいらぁめん
屋を見つけました。
是非一度食べに行きましょ
う!
貴方様の予定はどうでしょ
うか?私は今すぐにでも貴
方様と食べに行く用意は出
来ております。
此度のらぁめん屋は必ずや
貴方様も満足していただけ
るはずです。
さあ参りましょう!
――――――――――――
72:
――――――――――――
FROM 貴音
――――――――――――
お疲れ様です。
本日のライブ、真、盛況の
まま終えることが出来まし
たね。
これも貴方様の尽力あって
こそ、皆感謝しております。
こんなことを言うと貴方様
は謙遜なさいますが、皆が
持てる力を余すことなく発
揮できるのは貴方様の御力
添えのおかげです。
これからもご指導よろしく
お願い致します。
この写真は貴方様が打ち合
わせをしている最中に撮っ
たものです。
皆、良き顔で写っています。
次回は是非貴方様も一緒に。
――――――――――――
73:
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FROM 貴音
――――――――――――
貴音です。
貴方様、三浦あずさについ
てです。
彼女は竜宮小町、いえ私た
ちの中で最年長であり、貴
方様とはまた違う包容力で
皆の支えとなっております。
彼女の魅力はもはや語るま
でもありません。
そんなあずさですが、だい
えっとをしているそうです。
ですが誘惑に負けて差し入
れをついつい食べてしまう
のです。
貴方様から気をつけるよう
言っておいてください。
――――――――――――
74:
――――――――――――
FROM 貴音
――――――――――――
な…殺生な!
私はだいえっとは必要あり
ま…せん、ええ
ですので差し入れは構いま
せんが…らぁめんだけは!
らぁめんだけは禁止など言
わないでください!
――――――――――――
75:
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FROM 貴音
――――――――――――
いけずです。
貴方様はいけずです。
鬼はここにおりました。
――――――――――――
76:
――――――――――――
FROM 貴音
――――――――――――
いいえ赦しません
どうしてもと言うのであれ
ば、本日の仕事の後に、二
十郎に連れて行ってくださ
い。
もちろん貴方様も食べるの
ですよ。
めんかたからめやさいだぶ
るにんにくあぶらましまし

――――――――――――
78:
――――――――――――
FROM 貴音
――――――――――――
ふふ、流石貴方様です。
それでは本日は楽しみにし
ています。
――――――――――――
80:
――――――――――――
FROM 貴音
――――――――――――
貴方様。
今回のドラマのヒロイン…
上手く演じれていますでし
ょうか?
私なりに演じてはいますが、
貴方様のあどばいすをお聞
きしたいのです。
よろしくお願いします。
――――――――――――
81:
――――――――――――
FROM 貴音
――――――――――――
お疲れ様です。
貴方様はまだ事務所で御仕
事でしょうか?
地方の営業も随分大きな仕
事になってきました。
それだけ私を含め皆が有名
になった証拠です。
真、素晴らしきことです。
ただ、それ故に皆と会う時
間もだんだんと少なくなっ
てきて、寂しいものです。
っと、弱音を吐いていては
アイドルの頂点などに立て
る訳ありませんよね。
失礼しました。
――――――――――――
82:
――――――――――――
FROM 貴音
――――――――――――
貴音です。
ほんの数日…やりとりをし
ていないだけで、何やら久
しく感じます。
真、不思議なものです。
こういったやりとりも徐々
に減っていってしまうので
しょうか…
今迄は当たり前に出来てい
たことが難しくなっていく。
頂点ばかり目指していまし
たが…畏ろしいものですね。
以前変わることなく頂点を
目指していますが
今だけは…
――――――――――――
83:
――――――――――――
FROM 貴音
――――――――――――
貴方様…
――――――――――――
85:
――――――――――――
FROM 貴音
――――――――――――
今宵は満月です。
貴方様…忙しいのは重々承
知しております。
ですが、少しでいいのでと
もに月を仰ぎませんか?
もちろん、無理にとは言い
ません。皆、今が大事な時
期ですから。
…待っています。
――――――――――――
86:
貴音「…」
貴音「…」
貴音「…」
貴音「…」
貴音「…」ハゥ
貴音「…真、見事な月ですね」
87:
貴音「…」
貴音「…」
貴音「…」
貴音「…」
貴音「…」
貴音(やはり…)
パサ
貴音「!」
P「そんな薄着じゃ風邪引くぞ」
貴音「貴方様…」
P「おう」
貴音「…貴方様が看病してくださるなら、それも良いやも知れませんね」
P「勘弁してくれ」
貴音「ふふ」
88:
貴音「…」カチカチ
P「それにしても久しぶりだな」
貴音「ええ」ピ
貴音「互いに忙しく、こうやって会う機会はめっきり減ってしまいました」
P「事務所にもほとんどいないしな」
P「ま、いいことだよ。あんまりよくないけど」
貴音「ええ…本当に」
P「…」
貴音「…」
P「…」
貴音「…」
89:
P「にしても見事な月だな」
貴音「はい」
P「忙しくてこうやって空を見ることなんかしなくなってたなぁ」
P「よっと、隣座るな」
貴音「はい」
P「…」
貴音「…」
P「…」
貴音「…」
P「…ゆっくりでいいぞ」
P「あんまりゆっくり出来ないけどな」
貴音「…ふふ」
貴音「ありがとうございます」
93:
貴音「貴方様はあの日を覚えていますか?」
P「ん?貴音を叱った日か?」
貴音「ミステリアスなのは勝手だが、まずは常識ってのを知れ!」
貴音「今のお前は非常識じゃなくて無知だ!」
貴音「常識を知ってこそ初めて非常識になれるんだ」
貴音「芸能界…いや社会人なんだからそれくらい知っとけ!ってか今学べ!!」
貴音「頂点目指すならほうれんそうくらいはちゃんとしやがれ」
貴音「いつまでも子供でいれると思うなよ?」
P「…よく覚えているな」
貴音「甘えていた私を叩き起こしてくれた言葉ですから」
P「…なんだ、あの時は上手くいかないことが多くてイライラしてたんだ…」
貴音「ふふ…ですが今ここに立てているのはあの日の貴方様の言葉があるからです」
94:
貴音「それからまずはしっかりほうれんそうをしようと…」
P「やり過ぎなくらいだったがな」
貴音「ふふ…やはり迷惑でしたか?」
P「お前…その言い方は卑怯だぞ」
貴音「いつもの仕返し…ということで」
P「…ったく」
貴音「ふふ」
P「…」
貴音「…」
P「…」
貴音「…」
96:
貴音「貴方様…寒くないでしょうか?」
P「大丈夫だっくしょん!!ちくしょうめっ!!」
貴音「…」スス…ピト
P「…」
貴音「これで少しは温まるでしょう」
P「貴音…これはまずい」
貴音「何も疚しいことなどありません。堂々としていればいいのです」
貴音「それにここは人通りも少ないですし」
P「でも」
貴音「嫌…なのですか?」
P「…ずりぃ」
貴音「ふふっ」
98:
貴音「…」
P「…」
貴音「…貴方様」
P「…」
貴音「私は頂点に立つことが出来るでしょうか?」
P「…メールでもそうだったが、いつになく弱気だな」
貴音「もちろん貴方様とともに歩めば頂点に辿り着くということを疑っている訳ではありません」
貴音「頂点に確かに近づいているという実感はあります」
貴音「ですがそれと同時に大切な何かを失くしていっているような感覚があるのです」
P「…」
貴音「私はただ只管に頂点を目指さなければなりません」
貴音「頂点の景色をこの眼に…」
99:
貴音「…」
P「…」
貴音「今になって揺らいでいるのです」
貴音「このまま頂点へ向かってよいのか」
貴音「確かに変わらぬよう決意したはずなのに」スッ
貴音「月のようにいつの間にか移ろうようになってしまいました」
P「…」
貴音「貴方様…」
P「…」
貴音「私には貴方様が必要です」
100:
貴音「迷っている私に指示してください」
貴音「揺らいでいる私に指導してください」
貴音「分からなくなっている私に教えてください」
貴音「甘えている私を叱ってください」
貴音「どうか…」
貴音「頂点に立てた後も――」
P「…」
貴音「…」
P「…」
貴音「…」
P「ふむ」
103:
P「やはり貴音は月に映えるな」
貴音「貴方様…?」
P「引っ付いたり立ったり忙しない奴だな」
貴音「…」
P「立てるよお前は」
P「頂点に」
貴音「ですが…」
P「あのなぁ…貴音はアイドルの頂点が欲しいんだろ?」
P「で、それを取れる、俺が保証する」
P「アイドルの頂点なんてものを望んで取れた奴が、他に取れないものなんてあるか?」
P「頂点とった後に欲しいものを考えてみろ、もうお前に出来ないことなんてないね」
105:
P「環境は変わる、待ったなしだ」
P「お前が望んでいるものは変化しないことか?」
P「月だって移ろってるんだろ?」
P「お前にとって何が本当に大切かもう一度考えてみろ」
P「助けが必要ならいくらでも手伝ってやるから」
P「毅然としてろ」
P「お前はアイドルの頂点に立つミステリアスな銀色の女王」
P「四条貴音だ」
貴音「…」
P「って何言ってんだかわかんなくなったな」
P「まあともかく俺の知ってる貴音は、こんくらい簡単に越えて行けるってことだ」
貴音「…」
P「貴音さん…?おーい…」
107:
貴音「ふふふ…」
貴音「ふふ…あはははは」
P「た、貴音…?」
貴音「貴方様は本当にすごい方ですね…」
P「いやぁそれほどでも」
貴音「…本当に」
ヒカリノソトヘココロハムカッテイクー♪
貴音「おや」
P「ん?メール…?」
P「ってこの着信音は貴音だよな」
P「あれ?お前携帯いじってないのになんでメールが…?ってか何でメール?」カチカチ
貴音「それは以前亜美、真美にれくちゃあしてもらった送信予約という機能ですよ」
貴音「指定した時間にめぇるを送信してくれるのです」
108:
P「ああなんか披露してくれるって言ってたな…って空メかよ!!」
貴音「ふふ…驚きましたか?」
P「ああ…なんつータイミングだよ」
貴音「……」
貴音「…えぇ、空めぇるでいいのです。悪戯ですから」
貴音「貴方様のおかげで吹っ切ることが出来ました」
貴音「ですからそのめぇるは削除してください」
P「何だよ今の間は」
貴音「ささ、貴方様、随分話し込んでしまいました」
貴音「そろそろ事務所に戻りましょう、私も御供します」
P「もう遅いし帰ってもいいんだぞ?てか帰れ!危ないから」
貴音「貴方様はいけずです…」
109:
貴音「貴方様…」
P「なんだ?」
貴音「頂点を取った後…またこうして過ごしてくれますか?」
貴音「今宵のような満月を…ともに仰いでくれますでしょうか?」
P「ん?…今より更に忙しくなって時間が無くなってそうだなぁ…」
P「ま、何とか調整して…あ?とにかく!見れる仰げる」
P「ようにする!!」
貴音「…ふふ」
貴音「それが聞けて安心しました」
貴音「貴方様」
貴音「私、今より更に精進致します」
P「おお、絶対頂点取るぞ」
貴音「ふふ…それではおやすみなさいませ」
P「おやすみ」
110:
貴音(ふふ…)
貴音(私の本当に大切なもの…)
貴音(この想い…今は)
貴音(頂点に立った時…今一度…!)
貴音(…頂点を取る私に出来ないことはない)
貴音(ですよね…貴方様)
貴音「ふふっ」
111:
ピッ…カチカチカチカチ
――――――――――――
FROM 貴音
――――――――――――
 
 
 
 
 
月が綺麗ですね、貴方様
――――――――――――
おわり
114:

いい終わり方だった
11

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