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いろは「せーんぱい♪」八幡「………」ペラ、ペラ
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1:
いろは「…あれ?もしかして比企谷せんぱいですか?」
の続きです
では、投下していきます
3:
いろは「せーんぱい、せんぱいってばー」
八幡「…なんだよ、今ちょうどいいとこなんだから邪魔すんな」ペラ、ペラ
いろは「寝っころがって漫画読んでるだけのくせに、ずいぶん偉そうですね」
八幡「うるせ」ペラ、ペラ
いろは「卵焼き甘いのとしょっぱいのどっちが好きですか??」
八幡「甘いの」ペラ、ペラ
いろは「この人こっちを見もしない…はーい甘いのですね?」
八幡(いい匂いするな…)クンクン
4:
八幡(あの飲み会の日から半年近く経った。あれ以来、一色はなぜかよくうちに来るようになった)
八幡(最初のうちは一人の時間を取られるのが嫌でなんとなく拒否していたが、押しに負けて1度だけ入れてしまった)
八幡(だが意外なことに、こいつは結構ほっといても大丈夫な奴だった)
八幡(俺が一人でレポートをやってたり漫画を読んでいたりしても、横で何を言うでもなく携帯触ってたり俺の漫画読んでたりするし)
八幡(たまにこうして料理をするときに、俺の味の好みを聞くぐらいだ)
八幡(そんなこともあって、なんとなくこいつが部屋にいることを許容し始めている俺がいた)
八幡(…料理してくれんのは助かるしな)
6:
いろは「はーいできあがりましたよー」
八幡「ああ」
いろは「今日はですねー、卵焼き、ハンバーグ、キノコのサラダ、味噌汁、ごはんでーす」
八幡「ほう。いただきます」
いろは「どうぞー」
八幡「……」モグモグ
いろは「……」ジー
八幡「……」モグモグ
いろは「どうですか??」
八幡「…美味いな」
いろは「そうですか、よかったー」ホッ
7:
八幡「…やっぱお前、意外と料理うまいよな」
いろは「やったー。お金もらってもいいですか??」
八幡「材料費は払ってんだろ。つーかスーパーで材料買うとき財布出すの毎度俺じゃねえか。酒とか買うときも」モグモグ
いろは「あは、そーでしたね。どもです」
八幡「…まあ、美味いからいいけど」モグモグ
8:
八幡「ごちそうさん。片づけやるわ」
いろは「え、私やりますよ?」
八幡「これぐらいはさせろ。専業主夫志望の21歳なめんな」
いろは「…じゃ、お言葉に甘えますね」
八幡「ん」
いろは(専業主夫志望なんだ…せんぱいらしいな)
いろは「う?ん…奥さんになったら大変そうだなあ」
八幡(何一人で難しい顔してんだあいつ…)
11:
―――次の日の朝、八幡の部屋
ピピピピピピピピピピピピピピ…
八幡「ん…」カチッ
八幡「ふぁー…。ねむ。さむ。なんか体いてえ…あ?」
八幡(なんで俺床で寝てんの?)
八幡「……。あー…なるほど」
八幡(テーブルに散らかった酒の缶と、俺のベッドですやすやと寝ている一色が容易に推測させてくれた)
八幡「ったく、俺が寝たらちゃんと自分の部屋に帰るって言ってただろうが…おい一色、起きろ」
いろは「……」
八幡「起きろこら」ペシ
いろは「いたっ」
八幡「朝だぞ」
いろは「あー先輩…おあようござあす」
八幡「はいよ、起きて顔洗ってこいバカ後輩」
いろは「はーい…」トテトテ
13:
シャー、ジャバジャバ
いろは「ふー…」フキフキ
いろは(んーやっぱり今日も何もされてないか…。据え膳何度用意しても先輩きてくれないなあ。理性強すぎだよ。やっぱこの作戦だめかなあ…)
八幡「コーヒー飲むか?」
いろは「あ、はーいもらいますー」
いろは(やっぱ自分から行くしかないのかなあ…)
14:
―――大学へ通学中
八幡「お前今日1限なんだな」
いろは「そうなんですよー。せんぱいもでしたっけ?」
八幡「いや、俺は久しぶりにゼミに顔出せって教授からのお達し」
いろは「どんだけ行ってなかったんですか…」
八幡「いやだってあのゼミ行ったらすげえ高確率で飲み会開催されてるんだぜ?あっちも気を使って誘ってくるし」
いろは「飲み会行けばいいじゃないですか」
八幡「特に親しくないやつと飲み会なんかで何話すんだよ…」
16:
いろは「特に親しくないからこそ親しくなるために行くんじゃないですか、普通」
八幡「どこの世界の普通だそれは。それにゼミのレポートとかちゃんと仕上げてるし最低限の会話はしてる。何の問題もない」
いろは「もー…あ、友達だ」
オーイ イロハー
八幡「ん、じゃあな」
いろは「はい、じゃあまた今日のバイトで?」
八幡「ああ」
17:
―――いろは、1限の講義中
女友「いろは最近よくあの人と一緒に学校来るね。やっと身かためる気になった?」
いろは「えーあの人別にそういうんじゃないよ??」
いろは(まだ)
女友「そうなん?けっこうイケメンだし、なんか大人っぽくていい感じじゃん」
いろは(寝顔とかはちょっと子供っぽくて可愛いけどね)
いろは「そっかな」
女友「そうだよー付き合っちゃえばいいじゃん。いろはが押したら一発でしょ?」
いろは「それが全然そうでもないんだけどね…」ボソッ
女友「え?」
18:
いろは「んーん、つかさっきからやたら推してくるね?」
女友「合コンクラッシャーこと一色いろはには早く合コン引退してほしいからね。男どもの興味全部持ってくくせに誰とも付き合わないんだもん」
いろは「そ、そうだったかな?」
女友「そうだったよ。つーかいろは最近合コンとか来なくなったよねー。…あ、もしかしていろはがあの人に片思いしてんの?」
いろは「…まさかー」
女友「あーね」
いろは「ち、違うってー」
女友「はいはい」
いろは「んもー…」
女友(なんかマジで可愛くなったなあこの子。丸くなったっていうか…その人のおかげなのかな?)
19:
―――その日のバイト
八幡「おはようございます」
店長「おはよう。比企谷くん今日もよろしく」
八幡「うっす」
いろは「あ、せんぱいおはようございまーす。朝以来ですね。ゼミどうでしたー?」
八幡「教授からもうちょっと来るように言われて、あとは普通だ普通」
いろは「飲み会は??」
八幡「今日も誘われたがバイトだからって断った。…バイトの後でもいいって言われたが、まあ行かんな」
20:
いろは「やっぱり。…そういえば飲み会に誘ってくる人って男ですか?女ですか?」
八幡「あ?…そういえば毎回同じ女だな。まあ、委員長タイプっていうか、ゼミ皆で仲良くしたいってやつなんだろ」
いろは「それって…実はその人せんぱいに好意があるとか」
八幡「ねえよ…。あれだろ、皆で仲のいいグループ作ることに固執するタイプな人間なだけだと思うぞ」
いろは「あー…まあたしかにそういう人っていますけど…」
八幡「だろ。まあグループに入りたいけど引っ込み思案、って人間にはありがたいタイプだろうが」
いろは「ですね。あ、そういえば今日先輩の持ってる漫画の新刊出てますよー」
八幡「マジか。買うわ」
いろは「せんぱい読んだら私にも貸してくださいね?」
八幡「はいよ。そろそろ時間だ、出るぞ」
いろは「は?い。今日も頑張りますかー」
21:
―――バイト中、八幡、本の仕出し中
八幡「……」セッセ、セッセ
男先輩「比企谷ー、お疲れ」
八幡「あ、はい。お疲れ様です」
男先輩「おー」
八幡「……」セッセ、セッセ
男先輩「……」
八幡「……」セッセ、セッセ
男先輩「……」
八幡「…あの、どうかしました?」
22:
男先輩「いや、えっとな…」
八幡(この感じ…まさか説教か?される覚えがないぞ…。とりあえず、すみませんを言い続けるしかないか…。いざとなれば土下座も辞さない)
男先輩「…ちょっと、聞きたいことがあってな。お前と一色さんの関係についてなんだが」
八幡「すみません」
男先輩「あー、やっぱ付き合ってんのか。だと思ってたけどよ」
八幡「…え?…え?いやいやそんな苦笑い気味に納得しないでください。俺と一色、付き合ってないですよ」
男先輩「…え?」
八幡「それどこ情報ですか、すげえ事実無根ですよ」
男先輩「付き合ってないのか?」
八幡「はい」
25:
男先輩「マジか」
八幡「マジっす」
男先輩「…マジかー」
八幡「そうですよ、だいたいありえないですよ、俺と一色なんて」
八幡(彼女はきっと、葉山みたいな男でないとそういう対象にしないだろう)
八幡(最近よく俺のとこに来るのは、素を見せてもいい相手だから気が楽なだけじゃないだろうか。あの愛されキャラ(笑)をずっとやるのは疲れるだろうしな)
男先輩「そうかな、僕は結構お似合いだと思うんだが」
八幡「いや、先輩意外と見る目ないですね」
男先輩「けっこう僕、見る目自信あるんだけどな。それに…」
八幡(たしかに、今までは人のことをよく洞察してる先輩だと思っていたが…)
男先輩「彼女はきっと、比企谷のことがすきだよ」
26:
―――その夜のバイト終了後、比企谷宅、ベランダにて
八幡「……」カチ、シュボッ、スパー
八幡「ふー」スパー
八幡「……」ゴクゴク
八幡「MAXコーヒーうめえ……」
八幡(…一色が俺のことを好き)
八幡(いや、ないだろ。今まで何度そういう誤解をしてきたんだ。その度に何度、そんな期待をした自分に失望してきたんだ)スパー
八幡(誤解じゃなかったのは…一回だけ)スパー
27:
由比ヶ浜『ねえ、知ってた?…私、ヒッキ―のこと、ずっと、ほんとに好きだったんだよ』
八幡「由比ヶ浜…だけ」
八幡(卒業する直前に、大粒の涙をこぼしながら笑って告白してくれた、彼女だけ)スパー
八幡「……」スパー
八幡(………あれは誤解じゃなかった分、余計に自分に対して失望したっけな)
八幡(煙草を吸い始めたのも、あの頃だったな。吸ってる間は頭がボウってして『もしかしたら』なんて、意味のない、俺らしくもない思考をしなくてすんだから)
八幡「煙草、あんまり好きじゃなかったのにな」
八幡(平塚先生が俺に煙草を勧めたのは、そういう理由もあったのかな。比企谷、あまり考えつめすぎるな…みたいな。それはないか。それで元教え子に煙草を勧めるってどんな教師だよ)
30:
ブブブブブブブブブブブブブ…
八幡(携帯か?電話鳴ったのいつ以来だか)
八幡「もしもし」ピッ
いろは「あー先輩れすか??」
八幡「…一色か」
いろは「そうです一色でーすーよー、いろはちゃんですよ?」
八幡「……お前飲んでるだろ」
いろは「あたりまえじゃないですか?ふっふふー」
32:
八幡(今日のシフト、ロングだったのによく飲みに行く元気があるな…)
八幡「はあ。で、用件はなんだ。切っていいか?」
いろは「あーえっとーこれから一緒に飲みません?」
八幡「は?嫌だが」
いろは「えー…うわ、ちょ」
八幡「なんだ?」
女友「すみません、代わりました。いろはの友達の女友です」
八幡「…はあ。どうも」
33:
女友「えっとですねー今日ちょっと飲んでたんですけどーあ、女子だけでですよ、女子だけ」
八幡「そう…」
女友「それでーいろはちょっとやばいんでー今から迎えに来てくれません?家隣らしいじゃないですか」
八幡「えー…」
八幡(めんどくさい)
女友「いやーほんとすみません!ごめんなさい!お願いします!」
八幡「あー…俺今からちょっとあれだ、ちょっとあれだから」
いろは「再びいろはです!せんぱーい、いいじゃないですかー。私が一人で帰ってなにかあったらせんぱいのせいにしますよー?」
八幡「聞いたことねえよそんな責任転嫁。どう考えても自業自得だろうが」
いろは「…せんぱいのばーか」
八幡「バカはお前だ。……………はあ、しょうがねえな。行ってやるよ、どこだ」
35:
いろは「え?…マジですか?」
八幡「マジだよ。俺の気が変わらん間に早よ言え。寝るぞ俺は」
いろは「わー待ってください。あの、前せんぱいと飲んだところ覚えてます?あそこです」
八幡「はいよ。10分で行く。ちょっと待ってろ」
いろは「はーい。…あ、せんぱい」
八幡「なんだ?」
いろは「せんぱいのこういうところ、好きですよ」
八幡「っ……。便利なところな。俺が何かの道具だったらさぞかし優秀だろうと自分でも思うわ。じゃあ、切るぞ」プツッ
八幡(考えても分からない、人の気持ちは考えても分からない。…言葉にせずとも気持ちが通じ合う関係なんて、幻想だ)
八幡(そんな本物なんて、ない)
八幡(…だから、俺が一色の気持ちについて考えることに意味はない)
37:
―――某居酒屋の前
八幡「よう、バカ後輩」
いろは「あーせんぱいだー。ばーかばーか」
女友(近くで見ると本当に結構かっこいいね…目は確かにちょっとあれだけど)
八幡「うるせ、バカ」
女友「初めまして、女友です。すみません、いつのまにかこんな状態に…」
八幡「気にすんな。このバカが迷惑かけたな。…女友さんも送って行こうか?あ、タクシー止めるか」
女友(さりげなく気も使えてるし。さっきいろはから聞いた、高校時代色んな人から嫌われてたってのと結びつかないや)
女友「いえ、私の家ここから歩いて3分もかかんないんで。大丈夫ですよ。いろは、よろしくお願いします」
八幡「そうか、分かった。じゃあ」
女友「はい。いろはーじゃあね」
いろは「ばいばーい」
39:
―――帰り道
八幡「…なんつーか、お前にもああいう親友みたいな子、いたんだな。同性には敵しか作れないタイプだと思ってたが」
いろは「えー?女の子のほとんどは敵ですよ?。…だって、友達って一人いるだけでも疲れますもん。いちいち自分のことみたいに泣いたり、笑ったり」
いろは「…そんなめんどくさいの、女友だけで充分です」
八幡「………ふうん」
八幡(そう言って笑う一色の顔は、今まで見たなかで最も大人びたものだった)
八幡(こいつはちゃんと、ああいう関係を作れる相手を見つけたんだな。やっぱ上位カーストの人間は違うな)
八幡(…俺と雪ノ下が、最後までなれなかった関係。…お互いに色んな部分を許容して、近づく努力ができなかったから。最後まで)
八幡(それができていたら、きっと―――)
40:
いろは「そういえばせんぱい、今日は煙草吸わないんですね」
八幡「…ん、ああ。さっき切らしたからな。それに、正月に実家帰った時に小町から怒られたんだよ」
いろは「へー。なんて言われたんですか?」
八幡「ヤニいちゃんってだけで小町ポイント低いのに、歩き煙草までするなんて小町はそんな風に育てた覚えはありません。小町は悲しいでーすってな」
いろは「あはは、なんですかそれ、うけるー。ヤニいちゃんって」クスクス
八幡「まあ、今更煙草をやめる気はないが。歩き煙草ぐらいは自粛しようと思ったわけだ。可愛い妹の言うことだしな」
いろは「結局ただのシスコンエピソードでしたね…。あ、公園だ。…ねーせんぱーい私歩くの疲れました。ちょっと休憩しましょーよー」
八幡「お前まだ5分も歩いてねえぞ…どんな足してんだよ」
いろは「カモシカのような足ですよーだ。ほら、煙草の自販機もありますよ?」
八幡「…ったく、しょうがねえな」
いろは「うわーこういうときだけ無駄にちょろいな?このせんぱい」
八幡「うっせ」
41:
―――公園の喫煙所にて
八幡「ほら、ホットコーヒー。お前ブラック好きだったよな?」
いろは「はい、ありがとうございまーす」クスクス
八幡「何笑ってんだよ」
いろは「いーえーなーんでもー」クスクス
いろは(ただせんぱいが私の好みの味を偶然覚えてただけなのに。なにこれ、嬉しい。顔がにやける。変なの)
八幡「…変な奴。まあ、もともとか」
いろは「いえいえ、せんぱいほどじゃないですよ」クスクス
八幡「やかましい…」カチ、シュボッ、スパー
八幡「ふー…」スパー
八幡(つーかこんな寒い夜中に、公園で何してんだ俺は…)
いろは(せんぱいの煙草の持ち方、なんかすき。なんでこんな細かいとことか、すきだなあって思うんだろ)
いろは(今までなったことがないような、あったかい気持ちになる。せんぱいといると。なのに、なんか胸がいたいような)
43:
いろは「せーんぱい」
八幡「ん?」
いろは「寒いですね」
八幡「ああ」スパー
いろは「…寒いですよね」
八幡「…まあ、3月とはいえ深夜2時とかだからな、今」
いろは「手、さむい、なあ…」
八幡「せっかくホットコーヒー買ってきたんだからそれカイロ代わりにすりゃいいだろ」
いろは「…そーですね」
八幡「なんだその複雑な表情…分かんねえやつだな」
いろは「…どう考えてもせんぱいほどじゃないですよ」
八幡「あっそ」スパー
いろは「そーです」
44:
八幡(……たとえば俺が今、お前の左手を掴んで、俺の右ポケットにおまねきするじゃん?)
八幡(でももしお前の考えてることが俺の勘違いだったら、とんだスノースマイル(冷笑)されるじゃねーか)
八幡(つーかその「察してよ」みたいな態度勘弁してくれ)
八幡(俺が今まで『察した!』と思って行動した結果、何回痛い思い出を作ったと思ってるんだ)
八幡「…そろそろ帰ろうぜ。お前明日1限だろ、起きれなくなるぞ」
いろは「……えー」
八幡「えーじゃねえ。必修とか言ってたろ。落として留年したら笑えねえぞ」
いろは「そうですけどー…。あ、そうだ。せんぱいの恋バナ聞かせてくださいよ、恋バナ」
八幡「はっ」スパー
いろは「このせんぱい今鼻で笑った…むかつく」
46:
八幡「お前、それこそさっきの女友さんとしとけよ。俺とそんな話してもしょうがないだろ」
いろは「しょうがなくないですって?。興味あります」
八幡「…俺は特に話すようなことはねえよ。お前は…高校の時、葉山のこと好きだったろ」
いろは「あー…でしたね。…実は1回、告白したんですよ」
八幡「マジか」
いろは「マジです。…好きな人がいるってふられましたけど。あは、けっこうショックでした」
八幡「……」スパー
47:
いろは「でも、一番ショックだったのは、思ってたよりぜんぜんショックを受けてない自分にだったんですよね?」
八幡「……」スパー
いろは「当時、自分ではかなり本気のつもりだったんですけど?。なんか案外そうでもないなーって。恋愛ってこんなんなのかなーって」
八幡「……」スパー
いろは「で、それ以来、特に恋愛らしい恋愛もせず、今にいたりまーす。おわりです」
八幡「…恋バナってこういう時なんて反応返すのが正しいの?」
いろは「うわ、せんぱいらしい言葉。とりあえずその反応は最悪ですね?」
八幡「…まあ、なんだ。……ふー」スパー
48:
いろは「煙草に逃げるし…。私、せんぱいぐらいにしかこんな話したことないんですよ??」
八幡「俺はいつのまにそんなにお前からの信頼を勝ち取ったんだ…」
いろは「そんなの、ずっと前からですよ」
八幡(そう言って笑う一色は、なぜかとても優しい目をしていた)
いろは「今さら気づくなんて、せんぱいばかですねー。ばーかばーか」クスクス
八幡(前から思ってたんだが、俺はこいつが素の時に見せてくれる笑顔が、なんというか、わりと好きなのかもしれない)
八幡「………なあ、一色、勘違いだったら盛大に笑い飛ばしてくれていいんだが」
八幡(たとえ、勘違いだったとしても。また自分に失望するだけだとしても。知りたくなってしまった。一色いろはの気持ちを)
49:
いろは「なーんですかー」
八幡「お前、俺のこと好き、なのか?」
いろは「………せんぱい、勘違いですよーって言ったら、どうしますか?」
八幡「…別に、俺の数多くの黒歴史にまた新たな歴史が刻まれるだけだが」
いろは「歴史って…なんですかそれ。ちょっと聞きたいです」クスクス
八幡「で…どっちなんだよ」
いろは「勘違いだと、思ってますか?」
八幡「さあな、考えても分からん。だから聞くことにした」
いろは「…勘違いじゃ、ないですよ」
50:
八幡「…そうか」プイ
いろは「はい。…ねえせんぱい、なんでそっぽ向いたんですか?」
八幡「………」スパー
いろは「な、なにか言ってくださいよ。てかこっち見てくださいよ…ぶっちゃけ私今、すごい恥ずかしいんですよ?」
八幡「…正直、なんて言えば分からん」
いろは「だめなせんぱいだなあ…」
52:
八幡「…とりあえず、そろそろ帰るぞ」
いろは「え、返事は保留ですかあ?」
八幡「……」テクテク
いろは「あ、待ってくださいよーせんぱーい」トテトテ
八幡「……」テクテク
いろは「もーやっと追いついた、自分に告白してきた女の子いきなり置いていきますかー?……わあ」
いろは(その時見た比企谷せんぱいの顔が、何よりも分かりやすく返事をしていた。だって、あんまりにも特別すぎる)
いろは(かたくなにこっちを見ようとせずに、照れたように顔を赤くしているせんぱいなんて)
55:
乙
5
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