ミノタウロス「めちゃくちゃにしてやるむぉ!」 女騎士「ひどいことしないでっっ」back

ミノタウロス「めちゃくちゃにしてやるむぉ!」 女騎士「ひどいことしないでっっ」


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1:
王家の生き残りを探す使命を帯び、ミノタウロスの迷宮に入った女騎士だったが、
ミノタウロス親子にいいように弄ばれてしまう。
そうしているうち、いつの間にか王国を揺るがす権力抗争に巻き込まれ、帰る所を失う女騎士。
聖騎士団に包囲された女騎士とミノタウロス一味は、迷宮を脱出し逃亡の旅に出るのだった。
ミノタウロス「明るい家族計画しない?」女騎士「そんな予定はありません。」
ミノタウロス「嫁を紹介するむぉ」女騎士「嫁じゃないです。」
↑この続編になります
元スレ
ミノタウロス「めちゃくちゃにしてやるむぉ!」 女騎士「ひどいことしないでっっ」
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2:
(危険な森・逃避行)
ミノタ 「めちゃくちゃにしてやるむぉ!」
女騎士 「お願いっ、ひどいことしないでっっ」
ミノタ 「だめだむぉ! 絶対許さんむぉ!」
女騎士 「イヤ! お願い、許してっっ」
ミノタ 「縛り上げて肉便器にしてやるむぉ!」
女騎士 「そんなのっっ ひどいっっ…」
ミノタ 「めちゃくちゃに掻き回してひいひい泣き喚かせてやるむぉ!」
女騎士 「助けてっ、お願い…」
ミノタ 「オークの巣窟に放り込んで輪姦させて、狂い死にさせてやるむぉ!」
女騎士 「いやよ、そんなのだめえぇっっ」
ミノタ 「この世の地獄を見せてやるむぉ! 楽しみにするがいいむぉ!」
女騎士 「やめてえええっっ!」
3:
女聖騎士「いいからやれよ。犯っちまえwww」
女騎士 「なっ、何を…」
女聖騎士「犯し尽くせ! 輪姦し尽くせ! 陵辱の限りを尽くせ! ひゃははは!」
女騎士 「何を言ってるのっっ!?」
女聖騎士「怪物どもの肉便器でも性奴隷でも魔物培養媒体でも、何でも好きなようにすればいい!」
女騎士 「あ、あなた同じ女でしょう!? なんて事を言うの!?」
4:
女聖騎士「うひゃははは!
  女が魔物に敗北したらどんな運命が待ち受けているか、知らないわけじゃあるまい!?」
女騎士 「どんな運命って…!?」
女聖騎士「昼も夜も○ソコと○ナルが腫れあがるくらいピストンされて、くっさい○ーメンを子宮が
  ぼっこり膨らむくらい注がれて、オークだのミノタウロスだの化物次々に産みつけられて、
  そのうち悶え狂って動物みたいになってノタレ死にすんだよ! きゃははは!
  …言わせるな恥ずかしい!!」
女騎士 「ちょっとタンマ」
5:
ミノタ 「どうするむぉ? 台詞だけ見てると、なんかわけわからない状況だむぉ?」
女騎士 「そうね、台詞のみ記述する形式を採るSSの弱点を露呈してるわね。」
ミノタ 「ミノタウロスが女騎士をめちゃくちゃ犯してやると息巻いてる図にしか見えないむぉ〜」
女騎士 「あたし、あの女聖騎士を庇ってるつもりなんだけど!?」
6:
ミノタ 「あの女聖騎士、どうかしてるむぉ? お姉さんが庇ってるのに、あいつ逆に挑発してくるむぉ!
  つい乗せられて、トサカに来るむぉっ!」
女騎士 「だいたい、スタートから飛ばしすぎよっ! さっそく品位レベルが下げ止まりよ?」
ミノタ 「まるで"女騎士"むぉ。イカれた痴女としか!」
女騎士 「"女騎士"の前に"そこらの"って付けてよね!? あたしあんな痴女じゃありませんからね!?」
7:
ミノタ 「いっそ、本当にそういう状況ってことで、仕切り直すむぉ?」
女騎士 「ミノタさんがあたしを、子宮が膨らむほど犯して悶え死にさせてくれるってこと?」
ミノタ 「お姉さん、最初の頃の慎み深さが行方不明むぉ。」
女騎士 「あなたが言わせたんじゃないですかっ! 怒りますよ!?」
ミノタ 「種に染まれば紅潮くなる、と言うむぉ」
女騎士 「意味深な漢字の間違いをしないでくださいね?」
8:
ミノタ 「どうするむぉ? このまま進むとボク、あの痴女とヤらなきゃならないむぉ!?」
女騎士 「やめてよ? あんな痴女の変態さんでもそんなことしちゃいけないですっ。」
ミノタ 「ボクだってイヤだむぉ。ツッコみならお姉さんがいいむぉ」
女騎士 「何の話だ、をい。」 ビシッ
9:
ミノタ 「ウザいしムカつくし、いっそぶち殺すむぉ? あいつら聖騎士はアタマおかしーし嫌いむぉ!」
女騎士 「だめよ!? もう勝負は着いたんだから開放するべきよ。」
ミノタ 「でも、襲撃されたのもう五度目むぉ。執念というより、もう病的むぉ」
女騎士 「これが国同士の戦争だったなら、捕虜として然るべき措置を取るのだけれど…」
ミノタ 「あんなアタマおかしー痴女を捕虜に連れながらの逃避行なんか出来ないむぉ!」
女聖騎士「いつまで漫才やってんだよてめーら! さっさと犯れよ! さては不能か、このビーフ野郎!」
ミノタ 「ちっ、ウゼーむぉ」(--#
10:
ミノタ 「決めたむぉ! お前を裸に剥いてフン縛って、この森に吊るして行くむぉ!」
女聖騎士「んだと!? ここは昼間は山賊や追剥、夜はゴブリンやらオークが出没する危険痴態だぞ!」
女騎士 「危険痴態って…この人、IMEまでおかしいわ。」
ミノタ 「肉食獣は滅多に出ないむぉ。お前がどうなるかは、誰が通りかかるかの運次第!
  "お・た・の・し・み" むぉ!」
女聖騎士「はっ上等だ! オークを引いたらガキの一個中隊こさえて、お礼参りにイってやるぜ!」
女騎士 「ちょっとタンマ」
11:
女騎士 「本当に裸にして吊るすの!? ちょっとひどいと思うの。」
ミノタ 「仕方ないむぉっ。放っておいたらまた襲ってくるむぉ! お姉さんさっき殺されかけたむぉ!?」
女騎士 「それはそうだけどっ、ほら、かすり傷だし。ね!」
ミノタ 「ダメだむぉ! 本当ならとっくにぶっ殺してるむぉ!
  お姉さんを傷つけるような奴は、女だろうと痴女だろうと容赦しないむぉ! フシュッ!」
女騎士 「そんなに怒らなくていいから、ね?
  あの痴…いや、女聖騎士だって、あたしたちに指揮下の聖騎士団を壊滅させられて悔しいのよ。」
12:
ミノタ 「戦いの場で始末すべきだったむぉ。ボクの不覚むぉ。……今からでも遅く無いむぉ!」
女騎士 「ううん、そんなことないっ
  戦意を無くした相手を殺さないあなたが、あたし好きですっ」
ミノタ 「むぉっ!?」
女騎士 「?」
ミノタ 「………。」プルプル
女騎士 「ど…どうしたの…かな〜っ?」
13:
ミノタ 「お…お姉さん、今、"好き"って言ったむぉ!? ボクのこと"好き"って言ったむぉ!?」
女騎士 「あっ、えーと…、その、この"好き"は、ですネ…」 モジモジ
ミノタ 「妊娠させて欲しいの"好き"むぉ! 結婚して家庭を築きたいの"好き"むぉ!」
女騎士 「ちょっと飛躍してると思うのっ」
ミノタ 「さっそく仕込みにかかるむぉ! エロシーンむぉ! むぉー盛り上がって来たむぉ!」
14:
女騎士 「違うってば。それにこんな場所でとかありえないから!」
ミノタ 「青カン嫌いむぉ?」
女騎士 「青カンって…? クリームをどうするの?」
ミノタ 「開放的かつ緊張感があって、きっと愉しいむぉ?」
女騎士 「?? お肌のお手入れが?」
ミノタ 「えっ?」
女騎士 「えっ?」
15:
ミノタ 「…。お姉さん、したことあるむぉ?」
女騎士 「?? ええ。乾燥肌だし。多くの女性がするけど?」
ミノタ 「な、なんと…! ボクはしたこと無いむぉ…」
女騎士 「そうねー、男性はあまり多くは聞かないですね。」
ミノタ 「…だ、誰とむぉ!?」
女騎士 「誰と?? 普通一人の時に済ませるものだけど?」
ミノタ 「一人で青カン!? あまり聞かないむぉ…!?」
女騎士 「えっ?」
ミノタ 「えっ?」
17:
(危険な森・逃避行)
女騎士 「結局あの痴…じゃない、女聖騎士さんをどうしたの?」
ミノタ 「ロープで縛って木に吊るしたむぉ。めんどくさかったから裸に剥くのはやめたむぉ」
女騎士 「…。大丈夫なのかしら…。まずいんじゃ…」
ミノタ 「"裸にすると脅しておきながら、めんどくさいとは何て言い種だ!"
  とか逆ギレしてたむぉ。あいつもうどうなっても構わないむぉ」
女騎士 「なんだろう、同じ女として哀れに思えてならないの…」
ミノタ 「なんだろう、お姉さんに手つけるの、絶滅危惧種に手をかけるような行為に思えてならないむぉ…」
18:
女騎士 「もしですよ? 山賊とか追剥があの痴女さんを見つけたら、どうなります!?」
ミノタ 「犯すんじゃないかと思うむぉ?」
女騎士 「じゃ、もしオークやゴブリンが見つけたら!?」
ミノタ 「輪姦すんじゃないかと思うむぉ?」
女騎士 「やっぱりまずいですよぉ、気の毒すぎです。」
ミノタ 「そんなことないむぉ? 相思相愛で今時のSSのトレンドだむぉ」
女騎士 「でもあの痴女さん、"女聖騎士"であって"そこらの女騎士"と微妙に違いますよ!?」
ミノタ 「痴女のバリエーションと思えば全く問題ないむぉ」
20:
女騎士 「……。どうしてあたし"女騎士"なのかしら。表記変えたいです。」
ミノタ 「じゃ、あの痴女と交渉して"女騎士"と"女聖騎士"表記交換してもらうのはどうむぉ?」
女騎士 「聖騎士は絶対イヤです。教皇の犬に成り下がるなら変態のほうがいくぶんマシです。」
ミノタ 「じゃ路線変更して、カミングアウトしてみるむぉ?
  今まで淑女のフリしていましたが、実は淫らなビッチでしたぁ〜てへ☆
  好きなのはぁ〜、ビックなビーフチ○コでぇす!きゃは(はぁと) …みたいな。」
女騎士 「それ、どっかの生放送の自称アイドル()か何か?」
21:
ミノタ 「じゃ"女騎士"に相応しい、怪物チ○コが欲しくてたまらない発情したメスになってみるむぉ?」
女騎士 「それだとあなたに子宮が膨らむほど犯されて悶え狂ってお話終わりじゃないですか。」
ミノタ 「その表現、もしかして気に入ったむぉ?」
女騎士 「トラウマです。」
22:
(危険な森・逃避行)
女騎士 「この分だと、母上さんたちと合流するの、今日は無理ですね。」
ミノタ 「あの痴女にすっかりペースを乱されたむぉ。とんだ伏兵だったむぉ」
女騎士 「ずいぶん遠回りさせられてしまいましたね。」
ミノタ 「この先にドワーフの炭焼き小屋があるけど、あの痴女に放火とかされる可能性を考えると
  危なくてめったな所じゃ寝られないむぉ」
女騎士 「…野宿に…なりそうですね。」
ミノタ 「お姉さんのマント、ちゃんと持ってきて良かったむぉ」
23:
女騎士 「お腹空かない?」
ミノタ 「そういえば、パン食べ尽くしたむぉ。川で魚でも釣るむぉ」
女騎士 「釣竿なんかあるの?」
ミノタ 「ちまちま釣りなんかしてたら飢え死にむぉ。投網で漁するむぉ。」
女騎士 「リュックに投網なんか入れてきたの? 準備いいんだ。」
ミノタ 「焚き火に便利な炭も有るむぉ。このぐらいは無いとサバイバル大変むぉ」
女騎士 「あたし、戦場を切り抜ける事で頭いっぱいだった…。」
ミノタ 「しっかり切り抜けたむぉ。後は任せろむぉ」
24:
(危険な森・野宿)
女騎士 「お魚もおにぎりもおいしかったです。ありがとう。」
ミノタ 「明日も歩くむぉ。お姉さんくたびれてるはずむぉ。もう寝るむぉ」
女騎士 「えと…」
ミノタ 「また、お姫さまだっこしてあげるむぉ」
女騎士 「あは…照れるなぁ… ミノタさん疲れないの?」
ミノタ 「超肉体派脳筋揃いが売りのミノタウロスむぉ。一晩お姉さんを抱えたところでなんともないむぉ」
女騎士 「じゃ、お言葉に甘えちゃおっかなっ」
ミノタ 「地面で寝て身体冷やして、風邪でも引いたらまずいむぉ」
女騎士 「ミノタさんは座りながら寝てて平気なの?」
ミノタ 「その程度で身体壊してたら、中ボス級怪物筆頭は務まらないむぉ。ほい、座るむぉ」
女騎士 「わはwww ミノタさんやっぱ体大きいwww暖かいwww」
25:
女騎士 「…生き延びられたね、二人とも。」
ミノタ 「お姉さん無双だったむぉ。ボクもう勝てる気が全くしないむぉ」
女騎士 「魔戦斧"ラビュリス"のおかげです。なければきっと死んでいました。」
ミノタ 「お姉さんが"ラビュリス"に認められたおかげで、ここまでうまく行ったむぉ」
ミノタ 「お姉さん、どうしてミノタウロスの眷属と認められたむぉ?」
女騎士 「覚悟…決めたからかな…」
ミノタ 「?」
女騎士 「"家族"ですから♪」
26:
ミノタ 「そうだむぉ。ボクのお嫁むぉ。じゃ、さすがボクのお嫁、ぱねぇって事だむぉ」
女騎士 「みんなの脱出を成功させたくて、必死で……
  何人か、殺してしまったかも知れません…加減の仕方、わからなくてっ」
ミノタ 「聖騎士の奴らむぉ? あいつら略奪のために女子供皆殺しにする悪魔むぉ。気に病む事はないむぉ」
女騎士 「分かっています。でも、中には話の通じる人も居たんじゃ無いかと思うと…」
ミノタ 「そういうヌルいこと言うお姉さん、いいむぉ
  お姉さんがそうでなかったら、今頃二人こうしてなかったむぉ」
女騎士 「それはありがとw あたしは怖がりですから…。避けられる殺し合いは避けたいです。」
ミノタ 「でも怒ると容赦ないむぉwww」
27:
女騎士 「ミノタさんだって、迷宮に攻め込んだあたしに、のんきに口説いてきたじゃないですかw」
ミノタ 「お姉さんだからだむぉ。
  ゆとりな自称勇者とかマジキチ聖騎士だったら三枚におろして豚野郎の餌むぉ」
女騎士 「…。約束…覚えてますか?」
ミノタ 「なんだっけむぉ?」
女騎士 「二人、生き残ったら――」
ミノタ 「明るい家族計画むぉ!」
女騎士 「うん…」
ミノタ 「計画するむぉ?」
女騎士 「…。計画…ですか? あれ、えーと?」
28:
ミノタ 「そうだむぉ? 計画立てるむぉ? そう言ったむぉ?
  無計画に子供が出来るに任せるのはお勧めしないって、母上も言ってたむぉ?」
女騎士 「確かにそうですが、ええと…」
ミノタ 「それとも計画後回しで今から種付けおっぱじめるむぉ!? ボクはそれでもいいむぉ!」
女騎士 「外はちょっと…」
ミノタ 「お姉さん、外は一人でする派だったむぉ。さすが絶滅危惧種、妙な性癖むぉ。」
29:
女騎士 「…いま逃避行のこの状況で…妊娠のこと決めたりとか…できないです…。待って欲しいのです…。」
ミノタ 「ボクは気が短いむぉ。いつまでも待てないむぉ。」
女騎士 「はい…」
ミノタ 「だから早く、お姉さんを安心して子作りできる生活にしてあげるむぉ」
女騎士 「 Zzz... 」
ミノタ 「ボクがえっちの話してる側で無防備に寝ちゃうなんて、お姉さん案外肝すわってるむぉ」
30:
(危険な森・女聖騎士)
Kオーク「ニダ?」
Cオーク「何アル?」
Kオーク「見るニダ! 女ニダ!」
Cオーク「本当アル! 縄で木に吊るされてるアル!」
女聖騎士「むっ!?」
女聖騎士「ひぃぃ! 来るな! こっちくるな化物ども! さっ、触るな汚らわしい!」
Kオーク「まだ触って無いニダ」
Cオーク「というか不用意に近づいていいものだろうか悩むアル」
31:
女聖騎士「き、貴様らっ、私に何をするつもりだっ!? うわあ、やめろっ!」
Kオーク「こーりあ、SSでトレンドの痴女、いわゆる"女騎士"ニダ!」
Cオーク「お前の好きな慰安婦アル。犯っちゃいな!」
女聖騎士「たっ、例えこの身が汚されようと、騎士の魂までも穢せると思うなよ!? あひぃ!」
Kオーク「お先にどうぞニダ」
Cオーク「いやいや、そちらこそお先にどうぞアル」
女聖騎士「おっ、おのれっ、そうやってじわじわと陵辱するつもりかっ下衆な豚野郎めっ! ひあああ!」
Kオーク「いいからお前さっさと犯るニダ! このDT!」
Cオーク「四の五の言わずに自分で犯るアル! このED!」
32:
(大樹林の町周辺)
コボルト「ハッ、ハッ、ハッ、お待たせしやした、母上さまっ ゼィ、ゼィ」
母上 「おつかれさまです。どうでしたか?」
コボルト「ドワーフの炭焼き小屋まで足を伸ばしてみやしたが、二人は居やせんでした。
  臭いも全く無ぇんでさ。フゥーっ」
母上 「二人はどうしたろうかしら…」
コボルト「ブン屋の話じゃ、聖騎士団が壊滅的な打撃を被って、壊走したって話です。
  大丈夫、きっと生きていまさぁ…。」
33:
母上 「あなたはもう走って大丈夫なのでしょうか? 大怪我のように見えるのですが。」
コボルト「あっしら犬は、走れなくなった時が、死ぬ時でさ……ぐふっ!?」
母上 「ほら、吐血したではないですか。胃に穴空いてるんですから。今日はもう宿で休みましょう。」
コボルト「ごほっがほっ… アらラのお嬢ちゃんは…?」
母上 「あなたの怪我の治療に必要な薬草を取りに行ってます。しばらく戻らないそうです。」
34:
(大樹林の町・入り口)
コボルト「この町ぁ、大神の支配する魔物の町でさ…。あっしの商売の相手もここを拠点にする商人です。」
母上 「大木の大森林にしか見えないですね。あ、木の間を渡してあるあれ、吊橋でしょうか。」
コボルト「ええ、まだ町外れのほうはあんな粗末な吊橋ですが、町の中になりますってぇと、
  もっと丈夫で大きな橋んなってて、一見地上と同じような感じです。」
コボルト「人間の町と違って、木でできた粗末な小屋ばかりですが、小さな町んなってるんでさ。」
母上 「へー、御伽話の絵本みたいね。楽しそう♪」
コボルト「すんません。この町では、人間は…」
35:
母上 「入っちゃいけないのでしょうか?」
コボルト「いえ、いけないわけじゃないんですが、その…」
母上 「なんです?」
コボルト「住人以外は基本、魔物の奴隷か愛玩動物としてなら… そうでないと騒ぎに…」
母上 「ああ、なるほど。人間の街でも、熊や野猿が入ってくると捕り物騒ぎになるのと同じですね。」
36:
コボルト「やっぱり物資調達だけにして止めときやすか」
母上 「こんな面白そうな所を前にして、外で野宿ですか? もったいないですw」
コボルト「しかし…」
母上 「あなたはここに出入りする常連なのでしょう?
  なら、私を奴隷なりペットなりってことにすればいいんじゃないですか?」
コボルト「奴隷なら枷を、愛玩動物なら首輪と綱が要るんでサ…」
母上 「あいにくそんなもの持ってきてないですね。売ってないかしら?」
コボルト「ちょ、いいんですかい!?」
母上 「それをすれば入って大丈夫なのでしょう? 入ってみたいですっ」 ワクワク
37:
コボルト「…その、なんちゅーか…、犬用なら持ってますんでサ…」
母上 「あら? 準備がいいのですね? ふふーん?w」
コボルト「な、なんでごぜぇます…!?」
母上 「くすくすw さあ、では早く首輪を付けてくださいな、"ご主人さま"www」
コボルト「うぇっ、"ご主人さま"って…からかわんでくだせえっ…!」
母上 「あら、私にそう呼ばせてみたかったのではありませんこと? ふふっ♪」
コボルト「いじめないでくだせぇ(泣)」
母上 「だめでーすっ ここを出るまで、"ご主人さま"になっていただきます♪」
コボルト「ああもう、あっしぁ、いっそ喜んでしまいたいくらいで…このど畜生ぉっ」
母上 「ほらほら、自己嫌悪に浸ってても仕方ないですっ」
コボルト「へい、んじゃ首輪つけさせていただきやす……。さーせん」 クィッ
38:
母上 「どう? 似合います?」
コボルト「ええ、とてもよくお似合いで…って、そんなことないですぜ!?
  人間に首輪が似合うわけないですぜっ!?」
母上 「リードはちゃんと握ってて下さいね。踏まれたら首が絞まってしまいそうですから。」
コボルト「へい…ちゃんと握ってます…」
母上 「どう!? あなたは私の飼い主です! 
  所有欲は満足いただけますでしょうか!? 支配欲は満たされますでしょうか!?www」 ニマー
コボルト「〜〜っっ これ以上あっしをイビらないでくだせえっ」(-_-;;
39:
(大樹林の町・酒場)
ドワーフ「おんやぁ?コボルトでねぇか。おめえこんな別嬪さ飼ってたなんて知らんかったぞな!?」
コボルト「お、おうよ! あっしだってこう見えても、けーっこう稼いでるんですぜ? へへへ…」
母上 「はじめまして。"ご主人さま"が、お世話になっております♪」ペコ
ドワーフ「ありゃ、元気だなぁー。ツヤツヤしてるでねぇか」
ゴブリン「ひっひっ、ペットにされてる人間なんて、
  普通は魂抜けたような不景気なツラしてるもんだがな… ひっひっ」
コボルト「へへへ…そりゃ、そこらの血統だけの魔物が見栄で飼ってるのと違って、
  あっしは毎日いいもん食わして、いいもん着せてんでさぁ! 稼ぎの違いですぜ!」
母上 「はい。"ご主人さま"には長らく可愛がっていただいて、私は幸せでございます♪」 ニコニコ
コボルト「げふんっげふんっ!」
40:
ドワーフ「こりゃーたまげたねぇ。ご主人さまに惚れ込んでるでねぇか。
  そうかー、コボルトおめぇ、いきなり偉くなったもんでねぇか、わはははは!」
ゴブリン「ひっひっ、どうりでガキも居ねえくせにいつも銭稼ぐのに必死なわけだ… ひっひっ」
闇エルフ「昨今はコボルトまで人飼うようになったのかい…? おかしな時代だねぇ…」
コボルト「あっしが特別なんでさ! そのうちこいつにゃあ、家一件建ててやろうと思ってるんでサ!
  ヌへへへへ!!」
ゴブリン「ひっひっ、…雑魚の代表格がえらく大きく出たもんだ… ひっひっ」
母上 「はい、嬉しいですっ でも、やっぱり夜は"ご主人さま"の隣がいいのです♪」 ニコニコ
コボルト「げふんっげふんっっ!」
41:
闇エルフ「大丈夫なのかい…?
  人間に見つかったら、騎士とか勇者とか特殊部隊とか差し向けられて、強襲されるんじゃ…」
コボルト「大丈夫、大丈夫! あっしはミノタウロスの用心棒を雇ってるんでサ!
  並の騎士やら勇者やら米軍なんざ返り討ちでサ! ぬへへへ!」
闇エルフ「魔王じゃあるまいし、ミノタウロスを雇えるものかねえ…。大したものだねえ…。」
ゴブリン「ひっひっ、神代の時代からの由緒ある怪物も、銭の力の前には犬に屈する時代か…ひっひっ」
42:
ドワーフ「コボルトよぉ、おめー頼もしくなったもんでねぇが! こりゃーええ!
  今夜はワシが皆におごるぞな、皆でコボルトの成功に乾杯ぢゃ!」
一同 「 かんぱ〜い! 」
ドワーフ「今度ウチの記者を取材によこすべ、いい記事書かせてやってくんろw」
母上 「はいっ ぜひお家に遊びに来てくださいませ♪」 ニコニコ
コボルト「げふんっぎゃふん!!ぐはっ!?」
43:
(大樹林の町・宿)
母上 「こんな樹の上の建物なのに、お風呂使えるなんて嬉しい♪」
コボルト「この宿は特別でサ。人間の豪商やVIPなんかもここで接待される事もあるんで。」
母上 「高かったんじゃないですか?」
コボルト「気にしないでくだせぇ。こんな時のために銭稼いでいるんでサ…」
母上 「ロクに財産持ちだせなかったからねぇ。現金持ってて下さって助かります。」
コボルト「あっしはこのくらいのことしかできねえんで…さーせん…」
母上 「どうしたのですか? なんだか急に元気なくなって…
  ああ、怪我してますものね、もうお休みになってくださいね。」
コボルト「へい。ランプ消しやす。フッ」
44:
母上 「今日はなんだか楽しかったですわ。遊びに来てるわけじゃないのですけどねw」
コボルト「ミノタのダンナと女騎士なら、まだ無事でサ… 
  迷宮を包囲していた聖騎士ども、壊滅状態でほうほうの体で逃げ帰ったってぇ話だ。」
母上 「怪我、痛むのですか? よろしければ、隣でさすって差し上げましょうか?」
コボルト「その…、さーせんっ、さっきはお見苦しい所をお見せしやしたっ…」
母上 「あら? どうして?」
コボルト「あっしみたいな雑魚がどう逆立ちしたって…
  母上さまのような美しい女をその…飼ってるとかバカな話ぁ、ねーです。
  よしんば何かの拍子に人間の女を手に入れたとして、どう考えても人買いに売って銭にしちまう。」
母上 「そうなのですか?」
コボルト「人間をただ飼っていたって、銭は入らねえし維持費は嵩む。
  それこそミノタウロスやバンパイアみたいな、迷宮やら城やらを構えているような大物が、
  見栄や趣味でやるこった…。あっしみたいな雑魚の魔物にゃ不釣合いな夢物語でさぁ…」
コボルト「…なぁにが、別荘建ててやるだよ、ミノタウロス雇うだよ、バカバカしい…
  あっしは一人で踊る道化ですよ、まったく…」
45:
母上 「でも、今日は大見栄張れたじゃありませんかwww」
コボルト「終わってみりゃ、空しいもんでサ…」
母上 「落胆するほどの事では無いんじゃありませんか?」
コボルト「……。」
母上 「ふふーんw」
コボルト「な、なんです?」
母上 「さては、肩を落としてるのは、別の理由ですね?w」
コボルト「別…、別って何の事ですかい?」
母上 「所有欲と支配欲は、どうやら満たされていたようですね? ふふっwww」
コボルト「…え…。 ちょっ!? いや、そんなんじゃないですぜっ そんなことは…」
母上 「でもまだお仕舞いじゃありませんことよ? また明日も"ご主人さま"をお楽しみくださいませw」
コボルト「〜〜っっ 堪忍してくだせぇ」
46:
コボルト「どうして、あっしみたいな生ゴミをお構いになるんで…。
  お頭の女である母上さまを、犯してみたかっただの、俺が囲っていただの、
  ふざけた事吐き散らしたゴミですぜ…」
母上 「私は怪物ミノタウロスの妻ですが、それでも別の誰かに愛されて、悪い気はしないですよ?」
コボルト「ちょっと待ってくだせえ…
  あっしは魔物の端くれ、『愛』なんてもんは持ち合わせちゃいませんぜ?」
母上 「そうですか? あれだけ私への熱烈なる劣情を語ってくださいましたのに?w」
47:
コボルト「貴女の全てを自分の物としてみたかったって薄汚い欲望があるだけでサ…」
母上 「それと愛情と、違うのですか?」
コボルト「……。違いまさぁ。
  その、よく分からんが…こんなどす黒くて醜いもんを『愛』とは言わないんで。」
母上 「では、その"どす黒くて醜いもの"は、嫌いではありませんよ。」
コボルト「…悪趣味に過ぎますぜ。」
48:
母上 「私はこれでも妻であり母ですから、夫と家族を裏切り傷つけるような事はできませんが、
  それに及ばない事でなら、その"どす黒くて醜いもの"にお付き合いしたいと思います。」
コボルト「あんた、やっぱどっか壊れてる。そういうところも…んにゃ、もう言うまい…」
母上 「ええ、自覚しておりますわ。
  主人の物となったときから、女として自分を律することが出来なくなっています…
  私を欲する者に支配され隷属していると幸せを感じるのです。くっくっw」
コボルト「メスの本性ってやつですぜ…。調教されたメスがみんなそんな感じのツラだ…」
母上 「そうやって性癖をなじられるとなぜか胸がときめくのです。くっくっw」
コボルト「あんたの被虐嗜好は分かってまさぁ。でもあっしを玩具にして愉しむのはどうかと…」
49:
母上 「たとえ一時の事でも、あなたは私を所有してみたいという欲望が叶うのですから、
  お互いに良いのではなくて?w」
コボルト「そういう倒錯、嫌いじゃないですがね…。なんというか、背徳感があるんでさ。」
母上 「ふふっ、私の本当の所有者だなんて、おかしな妄想に耽っていらしたあなたが、
  今更それを言いますか?w」
コボルト「それを言わんでくだせえっっ さっきからフルボッコでさぁ…orz」
50:
母上 「主人なら、倒錯に酔ってみたくらいで、怒ったり気に病んだりするような
  小さな怪物ではありませんわ。
  私の身も心も完全に支配していると確信していますし、事実その通りですから。」
コボルト「ミノタのダンナにタテガミ毟られるのはもうかんべんでサ。」
母上 「なにそれ? ふふっw」
51:
コボルト「あんた、王様の隠し子だったってな。両親や誰かに愛された事は?」
母上 「いつも厄介者扱いでした。出生を隠してメイドとして義兄たちに仕えていたくらいです。」
コボルト「全うな愛ってやつを知らねえのはそこらへんのせいですぜ、たぶん…
  それなのに、よくまともに母親になったもんです…」
母上 「魔物の端くれを自称するあなたがそんなことに思いを馳せるのは、
  私を愛して下っている証拠としか思えないのですw」
コボルト「ぐはっっ! …ちっ、飲んだ酒が胃袋から漏れてきやがった… もう寝る…」
52:
(大樹林の町・洞穴)
コボルト「殺シアム? なんでえそいつは?」
ゴブリン「ひっひっ…コロシアム。闘技場。
  剣闘士達が殺し合い、それを大勢が観て愉しむ。人間どもの狂気渦巻く興行だ…ひっひっ」
コボルト「なんでそんな所にお頭…ミノタウロスがいるってんで!?」
ゴブリン「ひっひっ 見世物だ…。他にもオークやらゴブリン、トロルまで揃っちょる。…ひっひっ」
コボルト「人間の街ってんだろその闘技場ってのは? なんで魔物が?」
ゴブリン「ひっひっ みんな、捕まったんだ…人間の魔物狩りで…ひっひっ」
53:
コボルト「てめーらゴブリンやだらしねぇ豚どもなら分かるが、
  トロルや、ましてミノタウロスまで捕縛されたってことはねえだろっ 中ボス級だぜ!?」
ゴブリン「ひっひっ 知らんよ。だが、ミノタウロスは噂で持ちきり…ひっひっ」
コボルト「噂ってなんでぇ?」
ゴブリン「ひっひっ なんでも、帝都で連勝を重ねたミノタウロスが、国境の街に来ているとか…ひっひっ」
54:
コボルト「今、国境の街にいるんだな? そのコロシアイが開かれるんだな?」
ゴブリン「ひっひっ コロシアム。まもなく三百勝の偉業達成目前…ひっひっ」
コボルト「殺シアムが開かれるのはいつでぇ!? 」
ゴブリン「ひっひっ 数日中に、帝都から皇帝が観覧にやってくる…ひっひっ」
コボルト「皇帝? あれか、帝国のボスか。」
ゴブリン「ひっひっ そう、東の大帝国を統べる親分…ひっひっ」
55:
コボルト「そのミノタウロスに会いてぇ、いや会わなければならねぇ。どうすりゃいい?」
ゴブリン「ひっひっ 人買いのダークエルフが来てただろ…聞いてみるがいい…ひっひっ」
コボルト「で、あんたはどうしていつも不気味に笑うんで?」
ゴブリン「ひっひっ これはしゃっくり…ひっひっ」
56:
(大樹林の町・アヘーン窟)
闇エルフ「ようこそ…」
コボルト「なんだよ、このひっでぇ臭いは…」
母上 「こんにちは…。」
闇エルフ「アヘーンだよ… いー感じにラリるれろさ… アハーン窟とも言う…」
コボルト「あんた、人買いもやってるって聞いたんだが。」
闇エルフ「ああ…だけどそこの小さいご婦人はお断りさ…。剣闘士専門なんだ…」
母上 「…。」
コボルト「母上…もといこいつは売り者じゃねえっ」
闇エルフ「はーん… アンタ、そのご婦人飼ってるってやっぱ本当なんだ…。大したもんだね…」
57:
コボルト「っったりめーよ。んなことよりこの毒ガスみたいなのなんとかならんのかっ」
闇エルフ「何言ってるんだい…これがイイんじゃないかい…アンタも一緒にLet's廃…」
コボルト「断る! それより、帝国の国境の街でコロシアイってのがあんだろ、
  そこに居るってえミノタウロスに会いたいんでぇ」
闇エルフ「会ってどうしようって…?」
コボルト「どうしようって……
  そもそもなんだって人間の街の真ん中で、ミノタウロスが剣闘士の殺し合いなんかに…」
母上 「…。」
58:
闇エルフ「知り合いかい? アンタ顔が広いね…」
コボルト「そのミノタウロス、もしやあっしのお頭なんじゃないかって。」
闇エルフ「アタシ会ったことあるよ…。山のようにでかくて…おっかねぇ猛牛さ…
  ああ…あんなすごい肉体に組敷かれたら…どうなっちゃうんだろうねぇ…
  大根みたいに野太いアイツに突き上げられたら、すごすぎてヘヴンで昇天しちまうかねえ…あは…」
母上 「…。」
コボルト「どうもなりゃしねぇよ、牛丼みてぇなガキが出来るだけってんでぇ。
  んなことよりもう少し特徴ねぇのかよ!」
59:
闇エルフ「子分の魔物を従えて、闘技場のボスさ…。
  国境のコロシアムは帝都じゃ観られない勇者vs魔王軍みたいなのが最大の売りでね…」
コボルト「ちっ、どいつもこいつも飽きねぇな、最後は勇者に勝たせてみせんだろ?
  出来レースってんだ、んなのっ」
闇エルフ「そうでもないよ… 挑んだ勇者役の剣闘士は皆蹴散らされて、死屍累々…
  今じゃ進撃の牛魔王って一大ブームさ…」
コボルト「ゴクリ…。マジか? お頭ならやりかねねぇな…」
母上 「…。」
60:
闇エルフ「もうすぐ…皇帝まで引っ張り出しての大興行なんだよ…
  血を観たさにさ…帝国中から野蛮な人間が詰め掛ける…経済効果数百億ってアナルが言ってる…。」
コボルト「アナル? ケツの穴がなんだって?」
闇エルフ「経済アナル…じゃないや…穴…アナリストだっけ? まあ、誰だっていいじゃん…あは…」
コボルト「ちっ、大丈夫かよこいつ…」
61:
闇エルフ「三百連勝の暁には、皇帝が何か一つ願いを叶えてやるってんだから、太っ腹だねえ…」
コボルト「そのミノタウロスに会って話がしてぇ。どうすりゃいい?」
闇エルフ「魔物は街に入れないよ…それにミノタウロスともなりゃ厳重監視の怪物だ…
  闘技場の猛獣を飼う牢獄にでも入ってんだろ…
  闘技場の関係者にコネでもないと、近づくことすら出来ないねぇ…。」
コボルト「そいつの伝手をあんたに頼みたい。」
闇エルフ「高いよ…こんだけかかる…」
コボルト「五万!? 高ぇよ! ちったぁ勉強ろ!」
闇エルフ「いや…五十万…」
コボルト「な…んだと!?」
母上 「…。」
62:
闇エルフ「こっから国境の街まで人買い行商の馬車で行く… そうでもしないと国境を超えられない…」
コボルト「その気になりゃ歩いてでも行けるだろうが」
闇エルフ「国境近辺で聖騎士団が魔物狩りをやってる…。生け捕りにして闘技場に売るんだ…副業らしい…」
コボルト「聖騎士団は教会だろ!? それがどうして帝国の闘技場相手に商売やってるってぇんだ!?」
闇エルフ「政治と経済は別…と言えば聞こえはいいねえ…堕落してんのさ…建前より金がほしい…」
63:
闇エルフ「とにかく馬車を無事に国境向こうに通すには、教会の犬どもに餌を撒かなけりゃならない…」
コボルト「くそ、出せる額じゃねぇ…」
闇エルフ「アンタ…金持ちなんじゃないのかい…」
コボルト「やかましい、それとこれとは話が別ってだけの事でぇ」
闇エルフ「もし…剣闘士になる契約をするなら、タダにしてやるよ…」
コボルト「人間どもの享楽で殺し合いをしろって? 冗談じゃねーよ。邪魔したな。」
闇エルフ「気が変わったら来ておくれよ…」
64:
(大樹林の町・アヘーン窟前)
コボルト「うひーたまんねぇっ、頭クラクラしてきたっ 外の空気がうめぇーっ」
コボルト「あんなとこに一日居たらマジで廃人五秒前ってんでぇ
  パチ屋に入り浸ってるほうがまだマシってもんだ、脳みそ溶けてんぜっ」
コボルト「母上さま、大丈夫ですかい?」
母上 「あはーん♪」
コボルト「あはーん窟でラリるれろってか…やべぇ…」
65:
(国境の街闘技場・舞台)
女戦士A「勇者A、しっかりしてっ! ああっ!」
勇者A 「」
オークL「ぶひひひ! さあ、残るはお前だけだブヒ!」
オークR「ぶひひひ! さあ、無駄な抵抗は止めて降伏するブヒ!」
アナ 「ああーっと! 勇者A、起き上がれません! 女戦士A、絶対絶命のピーンチ!」
解説 「あ、ダメですね勇者A、死んでます。恐るべし牛魔王の一撃。これはいけません。」
66:
女戦士A「あ…イヤ…イヤぁ! わたしまだ…まだ死にたくない…」
オークL「ぶひひひ! じゃ這いつくばって、牛魔王さまに命ごいしろ!」
オークR「ぶひひひ! 服従します何でもいたしますってな!」
アナ 「圧倒的な強さの牛魔王! さあ女戦士A、どうする!? 後がな〜いっ!」
解説 「勝負ありましたね、騎士、戦士とも倒れ、もう戦える状態にありません。」
67:
女戦士A「牛魔王さま、ど…どうか命ばかりは…」
オークL「ぶひひひ! それだけじゃだめだぶひ!」
オークR「ぶひひひ! ご奉仕させてくださいって言うんだぶひ!」
観衆 「 やれーっ!! 殺せーっ!! 」
観衆 「 やれーっ!! 犯せーっ!! 」
アナ 「おおおおーっと!! 観客席ものすごい歓声!! いや、ブーイング!!」
女戦士A「―――っっ」
解説 「すごい盛り上がりですね、もう女戦士Aの命ごいの言葉も聞こえません。」
68:
観衆 「 ふざけんなーっ!! いくら賭けたと思ってんだーっ!! 殺せーっ!! 」
観衆 「 犯っちまえーっ!! 衆前レイプが観てぇんだよ!! 突き立てろーっ!! 」
アナ 「さあ、女戦士Aが牛魔王の前に引き立てられました! 牛魔王に審判が委ねられるようです!」
観衆 「 殺せっ!! 殺せっ!! 殺せっ!! 」
観衆 「 犯せっ!! 犯せっ!! 犯せっ!! 」
観衆 「 殺せっ!! 殺せっ!! 殺せっ!! 」
観衆 「 犯せっ!! 犯せっ!! 犯せっ!! 」
70:
牛魔王 「フシューーーーッ…。」
解説 「今や、牛魔王がこの会場の支配者ですね〜。敗者の生死を審判する皇帝のごとく、です。」
アナ 「観客席からは "犯れ" と "殺せ" の要求ばかりとなりましたっっ!」
観衆 「死ぬのが怖くて何が剣闘士だっ!! てめーみたいなメス豚はオークの肉便器だぜーっ!!」
観衆 「調子ん乗ってんじゃねーぞクソ女ぁ!! ションベン漏らしながら死ねええ〜っ!!」
解説 「女戦士Aにとっては悲惨な結末ですね。一人で戦えば確実に殺されました。
  かといって戦わずに命ごいでは誰も "生かせ" とは要求しません。」
71:
観衆 「 殺せっ!! 殺せっ!! 殺せっ!! 殺せっ!! 殺せっ!! 」
観衆 「 犯せっ!! 犯せっ!! 犯せっ!! 犯せっ!! 犯せっ!! 」
観衆 「 殺せっ!! 殺せっ!! 殺せっ!! 殺せっ!! 殺せっ!! 」
観衆 「 犯せっ!! 犯せっ!! 犯せっ!! 犯せっ!! 犯せっ!! 」
観衆 「 殺せっ!! 殺せっ!! 殺せっ!! 殺せっ!! 殺せっ!! 」
観衆 「 犯せっ!! 犯せっ!! 犯せっ!! 犯せっ!! 犯せっ!! 」
アナ 「牛魔王の腕がーっっ 上がりますっっ! さぁ〜、審判はっ!?」
アナ 「"生かせ"はもはやありません! "殺せ"かっっ!? それとも"犯れ"かああっっ!?」
72:
牛魔王 凸" ビッ!
73:
アナ 「審判が下されましたああああーっっ!! 中指を突き上げ、"犯れ" でえええ〜〜すっっ!!」
解説 「いい審判だと思います。殺しは男で散々見せましたからね。
  彼女には気の毒ですが、観客のみなさんを多いに愉しませてくれそうです。」
観衆 「ひゃはー!! 犯せーーっ!! ぶっかけろーっ!! ぶち込めーーっ!!」
観衆 「ざっけんなー!! なら死ぬほど犯せーーっ!! 壊れるまで突きあげろーっっ!!」
オークL「ぶひひひ! 前はオレだブヒーッ! たっぷりぶち込んでやるぶひ!!」
オークR「ぶひひひ! 後ろはオレだブヒーッ! ケツ穴掻き回してやるぶひ!!」
女戦士A「いやあああああああーーーっっ!!」
74:
(国境の街闘技場・地下牢)
魔物一同「ボス! おつかれさまでしたっ!!」 ザッ!!
牛魔王 「フシューーーーッ…」
ゴブリン「ほれ、お前たち、何をしている!? はやくボスに酒とツマミを!」
オークL「ヘイ、ボス! お持ちいたしやした、スーパードライとビーフジャーキーでございます!ぶひ!」
オークR「キレイなタオルを用意してございます、どうぞお使い下さいませ!ぶひ!」
トロル 「どうぞ、おいどんの背中の上に腰掛けてくだせえ、トロルチェアでごわすっ」orz
牛魔王 「フン」 ドカッ プシュ ゴクッゴクッ…
ゴブリン「おっ…お疲れでしょうボス、肩、お揉みいたしやしょうか…?」 ニギニギ
牛魔王 「要らぬ。」
ゴブリン「ご、ご無礼いたしましたっっ! orz」
75:
オーガー「オレ、ボスニナニカシタイ…」
ゴブリン「お前は何もしなくていい! すっこんでろ!」
オーガー「オレ、スッコンデル。オレ、ハブラレタ。オレ、ベンジョメシ。」
牛魔王 「……。留守中の報告をしろ」
ゴブリン「へ、へい! そ、その…ボスが帝都遠征に向かわれて、その後…」
オークL「勇者パーティーとの集団戦があったぶひ! バカトロルが死んだぶひ!」
トロル 「バカトロルぅ〜、おまえはここでも死ぬほどバカだったでごわすかあっ」
オークR「その時の参謀役がゴブリンだったぶひ! こいつのせいでみんな殺されかけたぶひ!」
ゴブリン「お、お前たち何言ってるんだっ!
  お前たちがオレの言う通りに戦えば、あ、あんなことにはっ! お前たちが悪いんだっ!」
76:
牛魔王 ( ●) ( ●) ギロリ
ゴブリン「ひいいいいいいいいいっっっ!!! ボス、どうか、どうかお許しををををっっ!!」
オークL「ゴブリン、お前、潔く腹を切れぶひ! 失敗者は命で償う、悪の組織の鉄の掟ぶひ!」
オークR「上が責任を取らない組織はすぐに腐るぶひ! 腹を切らないなら処刑ぶひ!」
ゴブリン「そ、そんな、お、オレは、名ばかり店長のただの従業員でして管理職じゃないんです!
  おおお、お慈悲をををを〜っ!!!(泣)」
牛魔王 「よい…。してその勇者は?」
ゴブリン「はっ、はいいっ、そ、その、勇者役は、あの剣闘士英雄めにございます!」
牛魔王 「剣闘士英雄、奴か…」
77:
トロル 「奴とその仲間が、バカトロルを殺ったでごわす!」
オークL「奴の仲間の一人がさっき犯った女戦士Aだったぶひ! 倍返ししてやったぶひーっ!www」
オークR「大観衆の前で犯してやったぶひ! 泣き叫んでいたぶひ! もう嫁の貰い手ないぶひーっ!www」
トロル 「ごわすごわすごわす〜っ!(泣)」
ゴブリン「ボスが仇を取らせてくれたのでゴブッ! ボスさえ居れば、我ら魔王軍は不滅!
  あの剣闘士英雄、次出てきたら絶対殺ろすッ! ハイル牛魔王!! 魔王軍マンセーっ!!」
牛魔王 ( ●) ( ●) ギロリ
ゴブリン「ひいいいいいいいいいっっっ!!??」
牛魔王 「くだらぬ…」
78:
(国境の街闘技場・地下浴室)
剣闘英雄「酷い目に遭ったな、気分はどうかね? 『女戦士A』どのwww」
女支配人「えぐっ、えぐっ うう、う… ひどい…ひどいぉ」
剣闘英雄「めちゃくちゃにされてたな、いやはや、おれまで興奮しちまったwww」
女支配人「ううう、もう、もうお嫁に行けません…」
剣闘英雄「もう、お前みたいな汚い女を嫁に欲しがる男は、特殊な性癖の持ち主だけだろうさ。」
79:
女支配人「……。せっかく雰囲気作ってるんだから、少しは慰めっぽい言葉かけてくれていいんじゃない?」
剣闘英雄「数千の観衆の前で魔物にレイプされて、そんなに愉しかったかね?」
女支配人「これでも少しは傷ついたんだから、もうちょっと優しくしてくれても良さそうなものだけど?」
剣闘英雄「レイプされ傷ついた女ってのは、すぐ男に甘えたりしたがらないもんだよ。」
80:
剣闘英雄「尻の中とア○コは掃除したか? 臭いのが垂れてくるぞ。ひでぇな、血が出てる。」
女支配人「あんのクソオークども、いい気になって思いっきり愉しんでくれちゃって。
  もう少し使ってからと思ったけど、次で潰すわ。」
剣闘英雄「何もあんな事しなくても良かったんじゃないか?」
女支配人「フフッ、今日の観客の盛り上がりようったらないわ! みんな私に視線釘付けよ!www」
剣闘英雄「回を重ねるごとに客がねずみ算式に増えて、収益がものすごい事になりそうだ。
  客席の増築工事が追いつかない。それだけじゃない、娯楽三大誌もウチの特集ばかりだ。」
81:
女支配人「フフッ、全市民の話題を独占、帝都コロッセオの観客も根こそぎ奪ってやるわ! 私の力でね!」
剣闘英雄「そのために、何人の剣闘士奴隷をダメにしたんだ?」
女支配人「あら? 私だって奴隷の一人に過ぎないのよ?」
剣闘英雄「どんな手を使ったか知らないが、皇帝まで引っ張り出すとは恐ろしい奴隷だね。」
82:
女支配人「あなたはもうすぐ死ぬわ。私には判る。」
剣闘英雄「オレは百戦錬磨の剣闘士英雄だぞ? 簡単にはくたばらないつもりなんだがね。」
女支配人「あの牛魔王と戦うのを何より楽しみにしている。そうでしょ?」
剣闘英雄「まあな、オレにとってはそれが全てだ。生きる全てと言っていい。」
女支配人「あなたの為に、最高の舞台を用意してあげる。」
女支配人「全天を埋め尽くすほどの大歓声、大帝国を統べる皇帝すらも添え者にして、
  あなたと牛魔王は神代以来の"神々の黄昏"を繰り広げる…」
剣闘英雄「いいね…! 想像するだけで昂ぶる…神々よ照覧あれ…ってな!」
83:
女支配人「首尾よくあなたの子を授かったわ。あなたが死んだらこの闘技場の全てを私に頂戴ね。」
剣闘英雄「ああ、いいさ。遺言を書面で用意してある。
  お前の一級市民権も申請させた。金をたんまり含めてやったから問題なく認可されよう。」
女支配人「ふふ、安心した。あなたの子は生まれながら市民よ。あなたも安心して死んでね。」
剣闘英雄「死ぬと決めてかかってくれちゃ困るな。オレは勝利するつもりだぜ?
  それに、生まれてくる子は本当に人間か? オークってこともあるんじゃないか?」
女支配人「神もそこまで嗜虐趣味ではないわ。」
剣闘英雄「どうだか… お前の股の間から、豚のツラがひょっこり顔を出して産声を上げるのは
  さぞかし見物だろうがねwww」
女支配人「バカね。妊娠してる間はどんなに輪姦されても、そいつらの子を孕むことは無いわ。」
剣闘英雄「そうか? だからってあの乱痴気は無いだろう…狂気の沙汰だ。」
84:
女支配人「あら。殺し合いを観て楽しむような観衆にも、正気な者など一人も居ないわ。
  あの狂人どもには、刺激的な生贄が必要なの。」
剣闘英雄「自分で生贄にならなくとも、他の奴隷女でも良かったんじゃないか?」
女支配人「いま、女のストックを切らせてるのよ。」
女支配人「これまでの興行で魔物どもに何度かくれてやったら、壊れたり孕んだりで
  使えなくなってしまったわ。かといってここで客の期待に応えなかったら、
  商機を逃すことになるからね、それだけよ。」
剣闘英雄「魔物どもに輪姦される自分を観衆に見せつけて、愉しんでやしないか?」
女支配人「ええ、悪い気分じゃないわ。」
85:
女支配人「観客どもの脳裏に、苦悶に震える私の姿を焼き付けてやった。
  昼も夜も頭を離れず、そのうち私の肢体を観たくて堪らなくなる…」
剣闘英雄「お前が見せたくて堪らなくなったりしないといいがね。」
女支配人「巨大なアヘーン窟みたいなものかしら?
  狂った観衆ども、この闘技場に入り浸りにして財産すべて吸い上げてやるわ。
  今に、家財の一切合財や家族まで売り飛ばしてまで足繁く闘技場に通うようになる…素敵でしょ?」
剣闘英雄「観客、いや帝国市民に何か恨みでもあるような口ぶりだな?w」
女支配人「いいえ? ただ、普通の村娘だったこの私を捕え奴隷にしたことのツケを、
  きっちり払ってもらうだけ。」
剣闘英雄「腹が膨れてきちゃ、それもできまい?」
女支配人「そうね。生贄にする女が何人か必要だわ。活きのいいの捕まえてきてよ。」
剣闘英雄「お前の為に、新たな魔王役も残しておいてやる必要がありそうだな。」
86:
(危険な森・触手生息域)
アらラ 「あららー♪ 読者のみなさんお久しぶりですぅ! アルラウネのアらラちゃんでーす☆」
アらラ 「え、誰だお前!? 忘れちゃったなんてひどいですネ!」
アらラ 「え、覚えてるけど、具体的なビジュアルが頭ん中に浮かばない? 悲しいですぅ」
アらラ 「アらラは植物ですネ。畑のキャベツみたいに外葉がでっかく開いたその真ん中結球部分に、
  妖精の女の子が入ってるのをイメージして下さいネ。薄手ですがちゃんと服着てますよ?」
アらラ 「腰から下は結球の葉の中に埋もれてて、自分でもどうなってるかわからないのですネ」
アらラ 「一番下はいっぱい根が生えてますネ。アらラはこれで歩けますネ。」
アらラ 「下半身のあちこちから緑のツタが生えて、花が咲いたり種を実らせたり賑やかしてますぅ♪」
アらラ 「広がった外葉を含めた身体はかなり大きくなっちゃってまして、屋内は苦手なんですぅ」
87:
アらラ 「あららー? そんなことよりどうしたんだ、ですか?」
アらラ 「これはですネ、台詞のみの形式を採るSSの登場人物がよくかかる症候群なのですネ」
アらラ 「一人になるとやたらに一人事をぼやくようになる、ある種の精神疾患ですネ」
アらラ 「口に出さずに( )で思考の内容とする場合も多いですが、症状は大差ないですネ。」
アらラ 「発症の原因はまだ解明されていないですが、黙ってると何をやっているのか
  さっぱり読者に伝わらなくなり、それが怖いという強迫観念が原因と考えられます。」
88:
アらラ 「これを"SSぼっち症候群"と名づけてみました。
  でもすでにどこかで同じ内容の学術論文が出てるかも知れないですネ」
アらラ 「これを予防する為に、魔王急襲の勇者パーティーをはじめ各SS特殊部隊は
  ツーマンセル、つまり二人一組を最小単位とする行動が望ましい、
  とミリタ好きの母上さまがおっしゃてました。」
アらラ 「要するに、お互いの行動をさりげなく説明し合う互助関係を維持しながら行動するのですね。」
89:
アらラ 「ですがアらラちゃんは、あえて単身で行動に出てみました。精神疾患がなんぼじゃあー!」
アらラ 「あ、ここで紹介します。アらラの医療分野での師匠の触手さんです。ぱちぱち〜♪」
触手 「…」ウネウネ
アらラ 「触手さんは、しゃべることができません。ですからアらラちゃんの発症は治らないですネ」
触手 「…」ウネウネ
90:
アらラ 「今日は、お薬を頂きに参りました。傷薬をいただけないかと。」
触手 「…」ウネウネ
アらラ 「はい。先日頂いた薬草は大変よく効きましたですネ。ありがとうございますぅ♪
  怪我をされた騎士さまも、翌日には完治されましたわ。」
触手 「…」ウネウネ
アらラ 「ええ、でもあの薬草、ミノタウロスしか煎じることができませんの。
  アらラや人間では、あの薬草をもぐもぐは口の中荒れちゃってとてもできませんの。
  それこそ、牛みたいに草ならいつでも咀嚼してるようなお口の方でないと…」
触手 「…」ウネウネ
アらラ 「ええ、存じております。ただのペロリスト仕様ですよネ。」
触手 「…」ウネウネ
アらラ 「同じ効能で水あめ状のお薬があるですネ? さすがです、うれしいですぅ♪」
91:
触手 「…」ウネウネ
アらラ 「あららー? あげるから一晩抱かせろ、ですか? 困りましたネ」
触手 「…」ウネウネ
アらラ 「大変な手間かけて身を削る思いで作ったのだから、これでも大安売りのつもりだ、ですか?
  分かっております分かっております、アらラちゃんを愛してるからこそ、タダ同然の対価で
  下さるのですよネ♪」
触手 「…」ウネウネ
アらラ 「でもいいのでしょうか? 植物のアらラちゃんには、下のお口もお尻の穴も、無いんですよ?
  食べたご飯が最終的にどこへ消えるのかすら判りません。それでもいいのでしょうか?」
触手 「…」ウネウネ
アらラ 「あららー♪ 触手なめんな、んなもん無くても骨の髄まで蕩かしてイかせてやるぜ、ですか?
  きゃっ、なんだかどきどきしますぅ♪」
92:
触手 「…」ウネウネ
アらラ 「あらら? それから今日から、自分を"ポチ"と呼んでくれ、ですか?」
触手 「…」ウネウネ
アらラ 「なぜ"ポチ"ですか? 飼い犬の名前みたいですネ? コボルトさんの名ならまだ分かりますが…」
触手 「…」ウネウネ
アらラ 「遠い世界の偉大なる王の名を拝借した、ですか?
  歴史の本にはそんな名前の王様出てこないですが、よくわかりませんネ」
触手 「…」ウネウネ
アらラ 「はい、ありがとうございます。近いうちにお礼をさせていただきに参りますぅ♪」
93:
(大樹林の町・入り口)
ミノタ 「むぉ。木の上に吊橋むぉ。やっと着いたむぉ!」
女騎士 「あの吊橋が、町の入り口なのね?」
ミノタ 「母上たちもきっと町の中むぉ。やっと合流できるむぉ。」
女騎士 「ずいぶん遅れちゃったね。さ、行こう?」
ミノタ 「待つむぉ。人間そのまま入るとうるさいむぉ。これ付けるむぉ」
女騎士 「なにこれ。あ、音がする」 カラコロカラコロ
ミノタ 「カウベルむぉ。人間は家畜のつもりでないと騒ぎが起こるむぉ」
女騎士 「えー、あたし家畜?」
ミノタ 「ボクも付けるむぉ。お揃いだむぉ♪」 カランコロン
女騎士 「どうせ首輪つけるなら、猫の鈴みたいなかわいいのが良かったむぉ」 カランコロン
ミノタ 「むぉ?」
女騎士 「どうしたむぉ?」 カランコロン
94:
(大樹林の町・酒場)
ミノタ 「邪魔するむぉー」 カランコロン
女騎士 「こんにちむぁー」 カランコロン
ドワーフ「おんやぁ? 珍しいこともあるもんだぁ。二日続けて人飼いが来るとはねえ?」
闇エルフ「うわ、噂をすればのミノタウロスだよ…ちょっとやばいんでないかい?」
ドワーフ「ありゃ? もすかして、西のラビュリントスとこのミノタでねーか?」
ミノタ 「むぉ? どこかで会ったむぉ?」
ドワーフ「やっぱりだ! ほれ、覚えてねぇか? 父上んとこに取材でさ!
  おめー、見ねぇうづにでっかくなったなぁ!? わはははは!」
ミノタ 「むぉ! 思い出したむぉ!
  珍しく父上と話が合って一晩酒飲んでゲロ吐いて帰ったドブドワーフむぉ!」
ドワーフ「うわははは! やべーこと思い出させちまった!www
  なに、おめーの父ちゃんおっかねーからよ、とても素面で話なんかー訊けないってんで、
  二人でしこたま酒くらってよぉ。やっちまった! うわはははは!」
95:
闇エルフ「なんだ、ブン屋の知り合いかい…すげえの来たからビビっちまったよ…」
ドワーフ「おうよ〜、まだこんなオークくらいのちんちくりんだったなあ? わははは!」
闇エルフ「オークくらいでちんちくりん呼ばわりって、ミノタウロスってでかいね…」
ドワーフ「それにしてもアレだな? めんこいおなごさー連れてるんだな!
  もう立派な一国一城、もとい迷宮の主だもんな!」
女騎士 「はい、ご主人さまに飼われております家畜の女騎士ですむぉ」 カランコロン
ミノタ 「お姉さん、なぜ、"むぉ"?」
96:
ドワーフ「そうかそうか! …って、家畜ぞな?」
闇エルフ「あれだ…"女騎士"なら、いろいろ変な趣味趣向を強いても問題なしってね…」
ドワーフ「今のトレンドは家畜プレイっと…明日の夕刊のシモ特集はこれでいこう」 ( ..)φメモメモ
女騎士 「ご主人さま、やっぱりものすごく誤解されてます。家畜やめたいですむぉっ」(;x;)カラコロ
ミノタ 「じゃ、ペットでいいむぉ」
女騎士 「あまり変わらないむぉ」 カラコロ
ミノタ 「お姉さん、なぜ、"むぉ"!?」
97:
ドワーフ「あれか? いつごろミノタの赤ちゃんさー生まれそうだか?」
女騎士 「え"っ…ええっ? えーと、むぉ…」 (///; カランコロン
闇エルフ「答えなくていいよ、このドブ親父っ。
  ブン屋ってのは人のプライバシーに土足で踏み込んでくるドブネズミなんだ…死ねよマスゴミ」
ドワーフ「わははは! わりーわりーwww
  てっきり毎晩ミノタにズッコンバッコン、とっくに仕込み済みだとばかりwww」
女騎士 「…ずっこんばっこん…むぉ…」 (///; カラコロ
ミノタ 「お姉さん!? なぜ!? どーして、"むぉ" !?」
女騎士 「ご主人さま、どうしたむぉ?」 カラコロ
98:
闇エルフ「そうだ…さっきコボルトが、ミノタウロスの事聞いてきたよ?
  お頭がどうとかって言ってたけど、アンタはそこんとこの息子か何かかい?」
ミノタ 「そうだったむぉ! コボルト達を探しているむぉ。どこに居るむぉ?」
ドワーフ「まだ宿にいるんでないかい? "乙女の膝枕亭"って料亭の上の宿だべ。」
ミノタ 「邪魔したむぉ」
女騎士 「失礼しますむぉ。」 カランコロン
ミノタ 「おっ、お姉さん…、何か気に触ることがあるなら言ってほしいむぉ! ボクが悪かったむぉ!」
女騎士 「むぉ? 気に触る事? なんのことむぉ?」 カラコロ
99:
(大樹林の町・大橋)
ミノタ 「だってさっきからおかしいむぉ! どうして語尾に"むぉ"付けるむぉ!?」
女騎士 「それがどうかしたむぉ?」 カラコロ
ミノタ 「かあいく子首かしげてくれても困るむぉ〜っ
  あああ、判ったむぉ… 首輪なんか付けたから、怒ってるむぉ!?」
ミノタ 「誇り高き騎士にカウベル付けて町歩かせて辱めてくれやがって、
  後でけちょんけちょんのギッタンギッタンにノしてやる!! と怒ってるむぉ!?」
女騎士 「そんなことないですむぉ? ちょっと恥ずかしいけど気にしてないですむぉ」 カラコロ
ミノタ 「許して欲しいむぉ! 後でおいしい物ご馳走するからかんべんむぉ! 今すぐ外すむぉ!」
女騎士 「ああん、ご主人さま苦しいですむぉ、引っ張らないでくだしあむぉ〜」 カラコロカラコロ
100:
ミノタ 「…むぉ!? 殺気!?」 ザッ!
剣闘英雄「フンッッ!!」 ビュゴッ!!
ミノタ 「むぅおおおっっっ!? なんだお前はっっ!?」 スザザザーーッ
女騎士 「ご、ご主人さまっ!?」
剣闘英雄「……。ちっ、仕損じたか…」
ミノタ 「フシュッ! ミノタウロス相手に斬りかかって来るとはいい度胸むぉ!!」
剣闘英雄「か弱き少女を首輪に繋ぎ、欲望の毒牙に掛ける邪悪な怪物め。
  この剣闘士英雄さまが直々にぶちのめしてくれるわ。覚悟しろ!」
101:
ミノタ 「自分で英雄を名乗る奴にロクなのは居ないむぉ!」
女騎士 「ま、待って下さいむぉ! ご主人さまはそんなつもりではっっ」 カランコロン
剣闘英雄「…哀れな少女よ、ひどい調教を施されたものだ…。」
女騎士 「むぉ? 調教? されてない、されてないむぉ!?」 カランコロン
剣闘英雄「だが、今この化物に罰を与え、そのおぞましき首輪より開放しよう。
  二度とあのような醜い怪物に、"ご主人さま"などと呼ばさせはしない。」
ミノタ 「スカした野郎むぉ…! ぶっ飛ばすむぉ!!」 ジャキン!
剣闘英雄「フハハーーーッ! 牛鍋にしてやろうぞ、アステリオンの末裔どもめ!!」 シュリン!
102:
  ズビッ! ズバッッ!!
103:
ミノタ 「むぉおおおおおおお!!! があああっ!!」 ビシュッ!! ポタポタ...
女騎士 「ご主人さまっっ!?」 カランコロン
剣闘英雄「フハハーーッ! 牛の血は紅いんだったな!! この青銅剣、その血で真紅に染めてやろう!」
ミノタ 「ぐぉ! むぉっ! ふぉっ! 」 ボタボタボタッ
女騎士 「っ!」 ブチッ!
剣闘英雄「ほう、少女よ、自ら首輪を断ち切るか。
  そうだそれでいい。もうこの怪物に服従する日々は終わりなのだ。」
女騎士 「や、やめなさい! そのミノタウロスから離れなさい!」 スチャッ
剣闘英雄「……!? なぜ、オレに刃を向ける?」
女騎士 「そのミノタウロスは、あなたが考えてるような怪物ではありませんからっ!」
剣闘英雄「は? なんだと?」
女騎士 「そのミノタウロスは、あたしの家族です…!」
104:
剣闘英雄「…ふん、淫行に狂った"女騎士"が、大概にしろ…」
女騎士 「な、なんですって!?」
剣闘英雄「興ざめだ。失せろメス豚。オレはこのミノタウロスに用がある。
  おまえはそこらで代わりのオークでも見繕ってろ。この穢れた淫婦め。」
女騎士 「…っっ……」
ミノタ 「お…お姉さんを侮辱するやつはっっ…!」
剣闘英雄「てめえは黙っとけ、牛鍋野郎」 グリッ!
ミノタ 「むぉっっ!! ぐぁおおおお!」 プシュッ
女騎士 「や、やめなさい!! てぇああああっっ!!」 ダダダッ!!
105:
  ギーン!! ―― カンカンッ カランカラン…
106:
剣闘英雄「はっ、なんだそのヌルい突きはっw」
女騎士 「王家のヴァルキリージャベリンが…!! …青銅剣なんかに…そんな…!?」
剣闘英雄「その聖槍は乙女のみが性能を発揮できる代物だぜ?
  処女を奪われ汚ねぇメス豚に成り下がった"女騎士"なんぞに扱えるものかっw」
女騎士 「口汚いにも、ほ、程がありますっっ…!!」
剣闘英雄「獣姦の汚辱を雪ぐ復讐の牙さえ抜かれたメス豚が、騎士のつもりとは片腹痛いわ!
  豚は家畜らしく、ケツ振ってご褒美をねだっていろ!」
女騎士 「が…我慢にも…限度が…あります…(怒)」 プルプルプル...
剣闘英雄「牛のチ○コ咥え込んで、ア△◇ガバガバんなってんだろ? おかげで"突き"がゆるゆるだぜ!?
  この分じゃ、子袋の方は臭っせぇ牛鍋汁で満杯だな、あぁ?」
女騎士 「神代の古、ミノタウロスの王アステリオスより受け継ぎし魔戦斧"ラビュリス"!!」 ジャキン!!
剣闘英雄「 ―――!? 」
女騎士 「目の前の無礼者を…粉砕せよっ…」 ゴゴゴゴゴ!!
107:
女騎士 「 あたしは処女だあああああああああああぁーーーーーっっっ!!! (怒)(泣)(怒) 」
  バーーーン!! バリバリバリバリバリバリバリリッッ!!
108:
(大樹林の町・宿)
コボルト「ちょっ!? なんでぇ今の爆音は!?」
母上 「外で何か…!」
ドワーフ「お、お二人さん、居たかっ 大変ぞなもし! ミノタがっ」
母上 「ミノタが来たのですか!?」
ドワーフ「き…来なすった、だ、だけど、でけえ男に襲われてっっ」
コボルト「今の爆発は!? やべぇぞ!」
母上 「行きましょう!」
109:
(大樹林の町・大橋跡)
母上 「ミノタ!? どう…したんだい、血が…! 刀傷じゃないのっ」
コボルト「今何があったんで!? ダンナ、ここで何が…!?」
ドワーフ「…向こうの樹に渡る橋と向こうの小屋が、全部ぶっ飛んで無くなってるぞな…」
母上 「騎士どのは…? 一緒じゃないのかい!?」
ミノタ 「むぉっ ふぉっ お姉さんをっっ」
闇エルフ「アタシ見たよ! 男とお嬢さんが殺り合ってて、橋ぶっ飛ばして、二人ともどっか居なくなった!」
ドワーフ「ミノタが連れてた、カウベルのお嬢さんぞなもし!?」
闇エルフ「そうだよ…! 何かものすごい闘気?オーラ?なんとかフィールド?よくわかんないけど、
  ゴゴゴゴゴ!って、ドギャーンってなってスババババーーで、ドゴーーーン!って…!」
110:
母上 「下に落ちたんじゃないかい!?」
コボルト「やべぇ…この高さから落ちたら…!」 タタタッ
コボルト「 ――!? 」
コボルト「…。こんな時の遠眼鏡…っ」 ◎◎
コボルト「間違い無い…! 女騎士の嬢ちゃんでさ! 連れ去るつもりだっ、誰だあの野郎は!?」◎◎
母上 「ええっ?」
コボルト「おいブン屋! 下に降りられる梯子とかなんか、一番近いのはどこでぃ!?」
ドワーフ「ほ、洞穴…じゃないかな、ゴブリンの奴が寝床にしてる」
コボルト「くそっ、遠いっ! 母上さま、ミノタのダンナを頼んます! 何だあの野郎っ!」 ダダダッ!!
111:
(国境近い教会・異端取調べ室)
女騎士 「うぅ… あ、あたしを繋いでどうするつもりなの…!?」 ジャラッ..
剣闘英雄「そうだな、ここに色々やばそうな道具も置いてあるし…拷問でもするか…?」
女騎士 「なん…なんでっ!? やだっっ…!」 ガチャガチャ
剣闘英雄「じゃあ、質問に素直に答えるんだ。わかるな?」
女騎士 「何が訊きたいって言うの!?」
剣闘英雄「このバトルアックスな、"ラビュリス"だな? どこで手に入れた?」
女騎士 「どうしてそんなこと聞くのっ!?」
剣闘英雄「ケツに、"追突注意"と焼印押すのと、"一方通行"と焼印押すの、どっちがいい?」
女騎士 「こっ、答えますっ! やめてくださいっ!」
剣闘英雄「よし、いい子だ。」
112:
女騎士 「西の迷宮"ラビュリントス"で…所有者より託されました…」
剣闘英雄「迷宮の周りで枢機卿の聖騎士団相手に暴れ廻ったのはお前か?」
女騎士 「そうです…」
剣闘英雄「お前はミノタウロスの眷属なのか?」
女騎士 「…。そのつもり…です。…なぜそれを?」
剣闘英雄「オレはミノタウロスに造詣が深くてね。ついでに教えてやる。
  オレはそう簡単には魔戦斧"ラビュリス"の破壊の力には屈しない。」 シュリン!
女騎士 「…!」
剣闘英雄「この青銅の剣はな、タダの古い剣じゃねえ。"ラビュリス"と対を成す、神代の時代の代物だ。」
女騎士 「魔剣の類…ですか…」
剣闘英雄「魔戦斧"ラビュリス"がミノタウロスの王アステリオンの宝具なら、
  青銅剣"アリアドネー"はアテナイの勇者テーセウスが宝具…これが何を意味するか、判るか?」
女騎士 「聖杯戦争のお話ならよく知りません。」
剣闘英雄「この青銅剣は、魔戦斧に匹敵する業物、いや殺戮兵器さ!
  美しいだろう? 見ろ、勇者由来の金属オリハルコンの輝きを…!」
女騎士 「青銅の剣なのにオリハルコン製って意味わかりません。」
剣闘英雄「…。オレは文系だ、難しいことは気にしない。」
113:
剣闘英雄「おれは西の迷宮に魔戦斧を頂きに行ったが、迷宮はもぬけの空だった。
  この戦斧を持ったお前らに出くわしたのは全く運がよかった。」
女騎士 「ラビュリスを奪っても、あんたなんかに使えやしないわっ」
剣闘英雄「オレが使いたいわけじゃない。使わせたい奴がいるのさ…」
女騎士 「!?」
剣闘英雄「お前、あの一緒に居たミノタウロスに犯られたのか?」
女騎士 「…えっ?」
剣闘英雄「オレが半殺しにしたミノタウロスだよ、あれとヤったのかと訊いている。あぁ?」
女騎士 「どうしてそんなこと訊くのっっ」
剣闘英雄「ヘソ下に、"この先合流"と焼印押すのと――」
女騎士 「まだしてないってば! あたし処女だってば! あぁもうっ!」
114:
剣闘英雄「確かめさせてもらうぞ。」
女騎士 「え"っっ!?」
剣闘英雄「ほら、じっとしてろ。ちょっと見るだけだ。」
女騎士 「なにをする気!? ふっ、ふざけないでっ! ちょっ、きゃあ!!」 ガチャガチャ!
剣闘英雄「鎖で拘束してんだ、手や足首に痣ができるから暴れるな。」
女騎士 「いやっ! やめて! ふざけないでっ!! いやああっ!!」 ガシャガシャガシャ!!
剣闘英雄「めんどいな。なんでスカートの下パンツじゃねーんだ? 余計なもん履きやがって…」
女騎士 「いやっ! いやああっ! 誰か、たすけてえぇっっ!! 」 ガシャガシャガシャ!!
115:
(大樹林の町・宿)
コボルト「ぐっ…、くそ…痛て…」
母上 「おかえり…どうしたん!?」
アらラ 「きゃっ、矢が…」
コボルト「す、すまねぇ…あと少しで追いつけそうだった…てのに…くそ…」 ドサッ
母上 「しっかり!」
コボルト「母上さま、やっぱりあっしは…役立たずなゴミでした…」
母上 「騎士どのをさらった奴に、射掛けられたのですか!?」
コボルト「あんにゃろ…あんな遠くから…馬の上から易々と…」
アらラ 「毒矢ではないようですネ、大丈夫、急所は外れてるのですネ」
116:
コボルト「ミノタのダンナは…?」
母上 「止血したから大丈夫、あの子はそんなヤワじゃないわ。部屋を借りて寝かせてる。」
アらラ 「騎士さまの事は、しばらく黙っていたほうがいいのですネ。
  今暴れたら、また傷が開いて最悪大出血に成りかねないのですネ。」
コボルト「あっしはその辺に捨てといてくだせえ…。騎士の嬢ちゃんを取り返せなかった…。
  今頃何されてるか判ったもんじゃねえのに…ミノタのダンナに合わせる顔がねぇ」
母上 「何されてるって…」
アらラ 「だっ、ダメですぅ! 騎士さまレイプなんかされたらずっと泣いてばかりになっちゃいます!
  そんなのヤダぁ! やだです!やだやだやだぁ〜!(泣)」
母上 「大丈夫、騎士どのは泣き虫さんですが、そんなに弱い娘じゃありませんから…」 ギュッ..
闇エルフ「まあ、そこまでする事は無いんじゃないかねぇ…。」
母上 「…!」
コボルト「ちっ、何しに来た!?」
117:
闇エルフ「心配しに来てやったさ…。これ、おみまい…」
コボルト「なんじゃこら…うぉぷっ!? アヘーンじゃねえかよ、こんな時にふざけんな!」
闇エルフ「こんな時だからイイんじゃないかい…」
コボルト「ラリって現実逃避しても人生始まらねぇってんだよ、ばーろーっ」
母上 「アハ〜ンさんは、騎士どのをさらった男をご存知なのですか?」
闇エルフ「アハ〜ンさんて… まあいいや…あれは確かに、剣闘士英雄さまさ…」
コボルト「なんだそいつぁ?」
118:
闇エルフ「帝都のコロッセオで大活躍した、文字通り剣闘士の英雄さ…
  闘技場を沸かせた武勇伝は数知れず、帝国の市民はみんな彼に夢中…。」
闇エルフ「ああ…あの逞しい肉体に組伏せられたら…どうなっちゃうんだろうねぇ…
  男の熱い波動を注がれたら、嬉しくてヘヴンで昇天しちまうかねえ…あは…」
コボルト「どうもなりゃしねぇよ、アヘ顔のしまらねぇツラしたガキができるだけってんでぇ。
  んなことよりそんな英雄さまが、騎士の嬢ちゃんに何の用だってんだ!?」
闇エルフ「スカウトじゃないかねぇ…。
  これはと思うツワモノを、闘技場の剣闘士に勧誘しているって話をね…」
母上 「騎士どのは連れ去られました。まるで人狩りではないですかっ。」
闇エルフ「…そういう強引な勧誘もあるかもねぇ…かなり手荒な男みたいだけど、そこがイイのさ…」
アらラ 「騎士さまはそんなことで絆されちゃうような尻軽娘じゃないのですネ!」
闇エルフ「彼はどう見ても紳士じゃないけど…レイプは無いんじゃないかねえ…
  彼、ナルシストらしくてね…イイ女はいずれ自分から股広げてくるものだと信じてるって…」
母上 「あたまおかしいわ」 ┐(´д`)┌
119:
(国境近い教会・異端取調べ室)
女騎士 「…ぐしゅっ うっ、うっ えぐっ ぐしゅっ…」
剣闘英雄「なんだ、処女の膜を拝ませてもらっただけだろう、何をそんなに泣くことがある?」
女騎士 「こ…こんな…ひどいこと、さ…されたことは… えぐっ」
剣闘英雄「ちっ、お前、ホントにオレの事知らねえのか。
  剣闘士英雄と言えば、いま帝国中で一番抱かれてみたい男No1、泣く子もおっ勃つイイ男、
  皇女様すら下着を濡らす、ぶっちぎりのイケメンスーパースターだぞ。」
剣闘英雄「帝国中の男女が、死ぬまでに一度はオレに抱かれてみたいって夢想してるというのに…」
女騎士 「あ…あんたみたいなっ ろっ、狼藉者… だれがっ!」
剣闘英雄「女が恥じるべきは貞操観の欠如だ。
  肉体の美とその純潔は、大いに賛美されるべきもの、決して恥じて秘匿すべきものじゃない。」
女騎士 「あんたが恥じるべきは羞恥心の欠如ですっ! この野蛮人!」
120:
剣闘英雄「お前は上玉だ、何も恥じることはないだろう。違うか?」
女騎士 「あんなふうに見られて恥ずかしく無い女がどこにいますかっ! えぐっ、ううっ…」
剣闘英雄「慣れておいたほうがいいぞ? いずれそのうち、これはと思う男に触らせたり舐めさせたり――」
女騎士 「乙女に言っていいことじゃないっっ! この無神経エロおやぢっ! ハゲてくたばれっ!」
剣闘英雄「さっきは悪かったな。メス豚とかガバガバとかいろいろ言ったが、そいつは撤回する。」
剣闘英雄「なぜ、"ラビュリス"がお前を認めるのか、どういうことかさっぱり判らんが、
  お前は確かに誇りある騎士だ。騎士の名誉に泥を塗るような暴言だった。許せ。」
女騎士 「…パンツ脱がして、や…やらしいことしたのはっ、騎士の名誉以前の問題ですっ!」
剣闘英雄「この剣闘士英雄が直々に見分して、その気高き純潔を称えているのだぞ?
  "女騎士"にとってこの上ない栄誉のはずだ。誇りに思うべきだろう?」
女騎士 「本気で言ってるの!? あたま絶対おかしーわ!!
  この変態! ドS! 野蛮人! 羞恥心欠乏症! エロおやぢ! ああ…うああああぁん(泣)」
121:
(大樹林の町・宿)
ミノタ 「ムッヒョーーーーーーーッ!?」
コボルト「わんわんおーーーーーーっ!?」
アらラ 「あららー? かなり傷に沁みるとは聞いてますが、そんなにですかネ?」
コボルト「ちょちょちょ、待ってくだせぇ! なんですこの劇薬は!?」
ミノタ 「生きたままスキヤキにされてる気分むぉ!?」
コボルト「あっしをホットドッグにする気ですかい!?」
アらラ 「あららー、ミノタさんが騎士さまをぺろぺろなさった薬草のと同じ成分ですのネ。」
ミノタ 「そういえばあの夜、お姉さんをprprしてあげたら歯食いしばって唸ってたむぉ。
  どうりでお姉さん目が死んでた訳だむぉ」
母上 「あーん…身体中火が付いたように火照って、眠れなくなりましたっけ…ふふ♪」
122:
アらラ 「あららー! 女の子が我慢できたんです、殿方はこれしきのことでガタガタ言わないのですネ!」
ミノタ 「これなんて拷問むぉ!?」
コボルト「母上さまはともかく、騎士の嬢ちゃんとは傷の深さが全然違うんでサ! だからもっとこう…」
アらラ 「あららー! 四の五の言っても始まらないですネ。二人とも覚悟するですネ!」
コボルト「おっ、おたすけっっ(泣)」
闇エルフ「せっかく持ってきたんだからさ…おみまいのアヘーン…使いなよ…。少し楽になるよ…?」
母上 「え?」
闇エルフ「ドアと窓全部閉めてさ…焚き込むのさ…ラリって痛み感じなくなるよ…たぶん…」
123:
(大樹林の町・宿)
母上 「あはーん♪」
アらラ 「あはーん♪」
コボルト「ダンナ! ダンナ! 生きてんでサ? それとも死んでんでサ?」
ミノタ 「へんじがない。ただのすきやきのようだ。」
コボルト「やばいですぜ? 二人ともアヘ顔んなって、目が虚ろでさぁ…」
ミノタ 「お姉さんのアヘ顔が見たいむぉ、きっと面白い顔むぉ〜」
コボルト「だ、ダンナが抱いてやりゃあ、気持ち良くていやでもアヘ顔んなりまさぁ…たぶん」
124:
ミノタ 「お姉さんずっと居ないむぉ。どうしたむぉ?」
コボルト「嬢ちゃんは…ええと…なんちゅーか…アレだ、奴を…追っていった」
ミノタ 「帰りが遅いむぉ。せっかく生きて家族みんなで再会が果たせるのにむぉ。」
コボルト「まずはダンナだけでも、合流できてよかったのでサ。
  二人が聖騎士団を叩き潰してあの局面を無事切り抜けられたのは幸運ですぜ…。
  これだけは、あっしも騎士の嬢ちゃんには感謝しねえと。」
ミノタ 「さっきのスカした野郎、聖騎士なんかと比べられないくらい強かったむぉ。
  お姉さんには"ラビュリス"があるから負けないだろうけど、それでも心配むぉ。」
コボルト「…今は、怪我を治すことを考えやしょう。
  あっしら二人ともこの有様では、どうにもなりゃしねぇんで…。」
母上 「あはーん♪」 チュッチュッ♪
アらラ 「あはーん♪」 チュッチュッ♪
コボルト「……。本格的にやべーですぜダンナ。」
ミノタ 「キマシタワー建設予定地になる前に、窓開けて換気するむぉ」
125:
(国境の街闘技場・舞台裏)
剣闘英雄「順調かね?」
女支配人「ええ、準備は予定通りよ。皇帝陛下にもお越し頂いたわ。」
剣闘英雄「そうじゃない。お前の腹の子だよ。」
女支配人「ばかね、そんなにすぐに大きくなったりしないわ。」
剣闘英雄「まあ、そうだろうな。」
女支配人「気になるの? 大丈夫よ。ちゃんと丈夫な子に産んであげるから。」
剣闘英雄「そりゃ結構だ。」
女支配人「何? 軽口の一つも叩かないなんてあなたらしくないわ?
  まさか子を孕んだ私に情を掛けたくなったのかしら? いいのよ? 放っておいてくれて。」
剣闘英雄「いやなに… 同じ女でもいろいろだな、とね。」
女支配人「ふぅん? 私ほど穢れて汚い女は居ないから、違うのは当然よ?」
126:
剣闘英雄「地下牢に放り込んだ少女は見たか?」
女支配人「ええ、凛々しくてかわいい娘ね。生娘かしら?」
剣闘英雄「なぜそんなことを訊く?」
女支配人「剥いて確かめたのかしら、と思って。」
剣闘英雄「確かに剥いて確かめたさ…どうしてそんなこと判るのかね?」
女支配人「私の事も確かめたじゃない。こう、指で広げさせて。くぱぁって。」
剣闘英雄「ああ、あれはお前がどれだけ羞恥心の無い女か、それを見たかったんだwww」
女支配人「あなたみたいな粗野で無神経な野蛮人にそんな事言われてもね。」
剣闘英雄「あの少女にも似たようなことを言われたwww」
女支配人「抱くの? 子供産ませるつもり?」
剣闘英雄「お前にとって、そりゃ旨くない話だろう?」
女支配人「いいえ? どうして? あなたの子ならいいんじゃない?」
剣闘英雄「コロシアムの権利の全てを独り占めしたいんだろう?」
女支配人「ああ、そういうことね。
  そうね、図々しく財産の分け前を要求してくるようなら、母子揃って消えてもらうわ。
  でも養育費と住む所くらいなら全部出してあげる。あなたの子だもの。」
剣闘英雄「怖いのか優しいのかわからんねw」
127:
女支配人「あの娘を使い捨てにするなってことかしら?」
剣闘英雄「なかなかに腕も立つ。貞操を守る為にもいい戦いで魅せてくれるだろう。使えるぞ。」
女支配人「あなたの子を孕むならそうしてあげるけど、そうでないなら保証の限りじゃないわ。」
剣闘英雄「なんでそうなる?」
女支配人「あなたを拒むような生娘を穢れた私が守ってあげるなんて、私惨めじゃない。」
剣闘英雄「お前にも惨めだなんて感情があったとはね。」
女支配人「こちらでも、少し変わったのを手に入れたの。キワモノよ。」
剣闘英雄「ほう?」
女支配人「あなたのお気に入りとぶつけてみようと思ってね。御前闘技で。」
剣闘英雄「それはそれは…w」
128:
(国境の街闘技場・地下牢)
女支配人「ご機嫌いかがかしら? 女騎士さん。」
女騎士 「機嫌がいいように見えますか?」
女支配人「あなたの大切な魔戦斧を奪われたのが、気に入らないのですか?」
女騎士 「……。あれは人に使えるものじゃないわ。返して。」
女支配人「ご自分が人ではないような言い種ですね。可笑しい。
  残念ですが、使わせたい方がいますので返しません。」
女支配人「代わりに、魅惑的な衣装を提供いたしますわ。
  界隈の踊り子の装束をモチーフに、女戦士のいわゆるビキニ鎧を発展させたもの。
  帝国の魔装技術の粋を集めた傑作で、耐久力と装甲性能は金属鎧並。最高の物よ。」
女騎士 「そんな恥ずかしいの着ません。」
女支配人「舞台衣装をばかにしてはいけないわ。観客を喜ばせれば、それだけ支持を得られます。
  …いざ敗れた時に、生死を分けますよ?」
女騎士 「あたしに、享楽で人殺しをさせるつもりですか」
女支配人「ちょっと違うわ。
  勘違いしないで欲しいのだけど、生きるか死ぬかは闘いの結果に過ぎないの。」
129:
女支配人「勇敢に闘い魅せれば、たとえ倒れ敗者となろうとも助命される。
  しかし闘いを拒む弱者に生きる道は無い。ここ闘技場は神聖な闘いの祭壇。」
女騎士 「そんなの嘘です! 殺し合いを観て愉しむ、下劣極まる狂気の宴よ!」
女支配人「フフッ、それは否定しないわ。ここに集う観衆は一人残らず正気じゃない。狂ってるわ。」
女騎士 「そう思っていながら、金儲けの為に人の命を貪り食うのね…!」
女支配人「そうよ、これがこの帝国の姿。闘技場は帝国の縮図なのよ。
  だけどこんなの帝国だけに限ったことではないわ。」
女騎士 「王国にはこんな狂った娯楽ありませんっ」
女支配人「あなたのこと知ってるわ。教会に追われてるそうじゃない。王国全土に手配書が出てる。
  王権簒奪を企む魔女ですって? あなた教会の利益の為に生贄にされたのよ。」
女騎士 「あたしを枢機卿に引き渡す気!?」
女支配人「はした金欲しさに? まさか。でも、あなたを脅す材料には十分ね。」
女騎士 「戦わなければ、引き渡すと言うのね…」
女支配人「活躍して魅せなさい。
  闘って命を繋ぎ、その純潔を守り抜き、覇者の栄誉と賛称を勝ち取りなさい。
  その果てに、自由と名声を掴むのよ。」
130:
(国境の街闘技場・舞台)
アナ 「さあ〜っ、いよいよ戦いの幕が開けますっっ!
  本日から、皇帝陛下皇女殿下もご閲覧いただきます御前剣闘となっております!」
解説 「会場は満席です。いやぁ、観客席は闘いの始まる前から大変な熱気を帯びて参りました。」
アナ 「貴賓席には、観客の皆に向かって手を挙げておられます若き皇帝陛下のお姿が有らせられます。
  皇女殿下のお姿も有らせられます。」
皇帝 「うむ。臣民よ、くるしゅうない。」
皇女 「はぁい、皇国のアイドル皇女ちゃんでぇす。キラッ☆」
アナ 「帝都コロッセオでの御前剣闘に倣いまして、皇帝陛下より、勝者には勝利の栄冠が、
  敗者には生殺与奪の審判が下されます!」
解説 「聖火台の炎が、よりいっそう高く燃え上がります。いよいよですね。」
アナ 「さあ、西門の闘士が舞台に入ります。紹介いたしましょう!」
131:
アナ 「 王国近衛騎士にして全国指名手配の反逆者っ!! 枢機卿なんざくそくらえ!!
  王座を狙う魔女とはぁ〜あたしの事だーっっ!! 女騎士〜っっ!! 」
女騎士 「……!!」 ガクブル
観衆 「ヘイヘイ! 女だ! 悪かねぇえぜ!? 」
観衆 「いいじゃねーか!! かわいいは正義だ! ひゃはーっ!!」
観衆 「なかなかじゃーん!? 化け物に犯られないよう、しっかり戦えよ! ぬへへへ!!」
解説 「期待の新人剣闘士です。初々しいですね。まだ処女との事です。
  いきり勃つ怪物相手に、この先どこまで貞操を守れるのかも見所になるでしょう。」
女騎士 (…怖いっ……助けてっ…) ガクブル
アナ 「ここは森の奥深く、魔物の巣食う遺跡っ!
  教会に追い詰められた近衛騎士に、追っ手の聖騎士と遺跡の魔物が襲いかかる〜ぅ!」
アナ 「さあ、東門の闘士が舞台に入ります。紹介いたしましょう!」
アナ 「 誇り高き聖騎士! くっ…殺せ! 騎士の誇りまで穢せると思うなよっ!
  怪物チ○コに負けなどしない!! 二穴挿し上等! 絶世の痴女! 女聖騎士〜〜っっ!! 」
女騎士 「……!? ちょっ、えええ!?」
女聖騎士「面白ぇ所で会うもんだな!? こういうのを運命の悪戯って言うんだぜ、ひゃははは!」
132:
解説 「こちらも新人の剣闘士です。教会の聖騎士団の中隊長だったそうです。
  彼女の属性はオークSSでおなじみの痴女の騎士とのことです。」
観衆 「痴女キターー!!www」
観衆 「オークだっ!! オークを出せっ!!www」
観衆 「前振りいらねーから跳ばしてもうパンツ下ろしちまえよ!!www」
女聖騎士「ここで会ったが一突きめだっ! 女騎士さんよ、もう逃げらんねぇぜ!?」
女騎士 「どどど、どうしてこんな所に痴女さん…じゃないや、女聖騎士さんがっっ!?」
女聖騎士「魔物狩りの連中にケンカ売ったら、逆にマワされちまったぜ!(ドヤッ!)
  これも主のお・ち・△・ち・△…もとい、お・み・ち・び・き って奴だ、ひゃははは!」
女騎士 「なに言ってるのこの人…」 (--;
133:
アナ 「続いて、南の門と北の門が開け放たれます! 遺跡の中から出てきたのは…お〜っと!!」
Kオーク「ぶひひひひひひニダ!」
Cオーク「ぶひひひひひひアル!」
観衆 「オークキタコレ!!www」
観衆 「犯る気満々だぜwww」
解説 「読者おなじみのレイプマシーン。もちろん今時の紳士気取りのヘニャ○ンではありません。」
女聖騎士「きゃははは! こりゃいい! てめぇ処女だって!?
  初めてがオークのエクスキャリバー二連発ったあ、豪気だぜ! ひゃははは!」
134:
女騎士 「諍いは後です! あたしがKを殺るから、痴女さんはCを!」
女聖騎士「何言ってやがる…。奴らが犯るのは、てめぇだぜ?」 チャキッ
女騎士 「なっ…!? 何を…」
アナ 「おおお〜〜っとぉ!? 痴女が女騎士に剣を向けたぁっ!?」
観衆 「おいおいおい、おめーらどうしちまったんだぁ!?」
観衆 「痴女のオーク独り占め宣言じゃね?」
観衆 「痴女やべぇwww血迷ったwwwテラカオスwww」
解説 「説明しましょう。実は女聖騎士とオークはグルだったのです。」
アナ 「なぁんという痴女!! オークを手なづけていたあ〜〜っ!? これは大変だぁっ!!」
135:
解説 「女騎士はまずい事になりましたね。三対一になってしまいました。
  窮地に立たされたと言っていいでしょう。」
Kオーク「こーりあ、慰安婦ニダwww」
Cオーク「犯っちゃいなwww」
観衆 「こんなの剣闘じゃないわ、wの生えたレイプショーよ!www」
観衆 「だったら輪姦せぱいいだろ!www」
女騎士 「くっ……!」
皇帝 「なんだなんだ、この乱痴気は」
皇女 「お義兄さま、あの女騎士さんは、ど…どうなってしまうの…?」
136:
(国境の街闘技場・舞台)
女騎士 「やああああああっっ!!」 グボォ!!
Kオーク「ぶひぃぃぃーーーーっっ!!」 ブシュゥッ!!
Cオーク「目が…目がぁ〜っっ」
アナ 「うわーっとぉ!! 女騎士の猛烈な斬撃っ!! Kオークの腕をもぎ取らんばかりだああっ!!」
解説 「Cオークは抉られた自分の目玉を探してるんでしょうかね…。」
アナ 「これは予想外の展開っ! 女騎士強いっっ!」
解説 「彼女もだいぶダメージを負っているはずなんですがね、
  純潔を守ろうという騎士の最後の意地でしょうか。」
アナ 「この状況、負ければオークのマグナムの餌食っ!
  大観衆の目前で怪物レイプという過酷な運命に購い切れるかあ〜〜っっ!?」
女騎士 「くたばれ豚野郎おおおっっっ!!」
女聖騎士「調子ん乗ってんじゃねーぜっ処女吉ぃぃっっ!!」 ゴスッッ!!!
137:
  キンッ カカッ、カラカランッ…
女騎士 「あ…が…、はぐっ…!!」 ドサッ!
アナ 「ああ〜っと! 女騎士、たまらずくず折れたっ! 剣を取り落とした!」
解説 「あー、痴女の強烈な蹴り、決まりましたね。一瞬隙がありました。」
女騎士 「ぐふっ! ごほっごほっ! おえっ…」orz
女聖騎士「畜っ生ぉ、ボコボコにしてくれやがって…手間ぁ、かけさせやがる…ふっ、フフッ」
女騎士 「くっ、うっ…!」
アナ 「ああ〜〜っっと、女騎士、力尽きたかっ!? もはやここまでかあああぁぁぁ!?」
解説 「痴女は、剣で突く手もあったと思うのですが、よく堪えてます。
  女騎士を殺してしまっては観客は喜びませんからね。」
138:
アナ 「なぁんという冷酷! そして女騎士はもう戦えそうにありませんっ!」
解説 「あー、痴女は大きく株を上げましたね。女騎士は抵抗もここまででしょう。」
観衆 「いいぞー!! 犯せーーっ!!」
観衆 「犯れーーっ!! 散らしちまえーーっっ!! ヒャッハー!!」
観衆 「このまま終わったんじゃつまんねーぜ!! オークだーっ!!」
皇帝 「皇女、この先はお前には毒だ、下ってたほうがいい…」
皇女 「お義兄さま…、私は見届けますっ…」
139:
女聖騎士「てんめぇ…アタシの喉突き刺すの、ためらっただろ…舐めてんじゃねえぞ…!」
女騎士 「こほっ、お願いっ…助けて…」
女聖騎士「おら、C! K! こいつを跪かせろ!」
Kオーク「ぶ、ぶ、ぶひひ…、こーりあ痛てえ…痛てぇニダ… この女ぁ、やってくれたニダ!」
Cオーク「目玉が片方どこかいっちゃいな…いや、いっちゃったアル! 起きろアル!」 グィッ!
女騎士 「ああっ、うあぁっ」
アナ 「痴女が命ごいを要求しますっ! 完全勝利宣言か〜っ!」
Kオーク「ぶひひひひ、こいつをお口でしゃぶるニダwww」 ブルンッ
Cオーク「ぶひひひひ、たっぷり顔にかけてやるアルwww」 ブルンッ
女騎士 「いやぁっ! お願い…許してっ……!」
140:
女聖騎士「 オ イ !! 」
K&C ギクッッ!!
女聖騎士「てめえら…なに勝手に汚そうとしてるんだ…チ○コぶった斬って気道に捻じ込むぞ…あ"ぁ?」
Kオーク「じょじょじょ、冗談ニダっ ニダっ!?」
Cオーク「おどおどおど、脅かしてみただけアルアルよっ!?」
女聖騎士「向こう行って腹筋一万五千っ」
K&C 「ひぃぃぃ!! やります、いますぐ! よろこんでっ! ぶひぃぃぃ!」
アナ 「おやっ? 痴女がオークを下らせました…。腹筋…でしょうか? 解説さん、これは?」
解説 「オークに気合を入れさせているのかも知れません。
  オークの据え膳離れが言われて久しい昨今、据え膳どころか激しい抵抗が予想される女騎士を、
  これから組伏せて無理やりですから、相当の気合が必要なんでしょう。」
141:
女聖騎士「さぁ〜女騎士さんよ… ぜひ聞かせてほしい台詞があんだよ…」
女騎士 「死にたく…無いです…。助けて…ください…」 ポロポロ
アナ 「 女騎士、命ごいですっっ!! 痴女がっっ、完全勝利を収めましたあ〜〜っっ!! 」
解説 「初めは果敢に攻めていたのですが、あっけなかったですね。
  痴女に一方的な攻めを許したのはいただけなかったです。チャンスはあったのに仕損じました。」
観衆 「ったくだらしねぇぜ! 騎士が聞いて呆れるっ、オークに犯られちまいな!!」
観衆 「てめえも"女騎士"だろっ オークの特大チ○ポの味を覚えるといいぜ!!」
観衆 「処女がオーク二匹に犯られてアヘ顔ダブルピース!! ゲラゲラゲラ!!」
女聖騎士「てめーの生き死にも膜がどうなろうも興味ないぜ…」 グィッ
女聖騎士「他に言う事あんだろ、あ"ぁ!?」
女騎士 「ごめんなさい… 仕方なかったんです…許してください…っ」 ポロポロポロ..
女聖騎士「ほ〜、キレーな涙だなぁ? そうかそうか…」 ニヤァ…!
142:
観衆 「 やれーー!! 犯せーっっ!! 肉便器にしちまえーーっ!! 」
観衆 「 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 」
観衆 「 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 」
観衆 「 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 」
アナ 「さあ〜っ、皇帝陛下に審判が委ねられます!!」
解説 「すごい"犯せ"コールですね。観客の全てが、女騎士のレイプを要求しているようです。」
観衆 「 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 」
観衆 「 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 」
観衆 「 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 」
観衆 「 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 」
観衆 「 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 」
143:
女騎士 「いやです…いやです…っ!」 ポロポロポロ...
皇帝 「 …っっ 」
皇女 「お、お義兄さま……!?」
アナ 「 たいーへんな熱狂の中っっ、皇帝陛下の腕が掲げられます!! 審判やいかに!? 」
解説 「これは間違いなく"犯れ" が裁可されます。そうでなければKYでしょー。」
観衆 「 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 」
観衆 「 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 」
観衆 「 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 」
観衆 「 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 」
観衆 「 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 」
観衆 「 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 」
観衆 「 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 」
観衆 「 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 犯せ!! 」
144:
女聖騎士「 だ ぁ ま れ っ っ !! こ の チ ン カ ス ど も っ っ !!! 」
アナ 「」
解説 「」
観衆 「」
皇帝 「」
皇女 「」
女騎士 「」
145:
女聖騎士「 おい皇帝!! 聞いているかっ!? 」
皇帝 「なっ…、なんだ…!?」
女聖騎士「この女騎士は、聖教会と王権一派の争いにおいて、アタシの部下を殺した!
  だがこいつはその非を謝罪し許しを求めた! アタシは部隊長としてそれを受け入れる!」
女聖騎士「皇帝よ! 貴様は聖教会騎士と王国騎士の和平合意の場に立ち会ったのだ!」
皇帝 「…。」
女聖騎士「この合意を掻き乱し、一方に肩入れし一方を下劣な見世物で辱めるなど、よもやっ!!
  そのような如何わしい審判を下すまいな!?」
皇帝 「なんだと…」
皇女 「…! お義兄さまっ、――」 ヒソヒソ…
アナ 「なんとっ、これはどうしたことでしょうかっ!? なぁんという無礼! なぁんという不敬!」
解説 「えー、まずいですね、帝国皇帝を恫喝って…これ死罪の可能性も…何考えてるんでしょうか。」
女聖騎士「 返答や、いかにっっ!! 」
皇帝 「 この無礼者めが!! 返答はこれだ!! 」
146:
皇帝 b" ピッ!
アナ 「ああっ!? 親指を上に示す、"生かせ" の審判ですっ!!
  皇帝陛下の審判の手が、助命を命じましたっ! …"犯せ"ではありません、これはいったい…?」
解説 「これは…女騎士を許せということでその…オークの出番は無くなりました。」
観衆  ザワザワザワザワ……
皇帝 「帝国皇帝の名において、貴様たちの争いを調停する!
  和平の約束を違えるは、帝国皇帝の顔に泥を塗る行為と心得よ!」
女聖騎士「フッ! イカす皇帝さんよ、感謝するぜ!」 b" ピッ!
皇帝 「では二人とも以後の友好の証として握手と抱擁を交わしたまえ! 以上だ!」 バサッ!
147:
女騎士 「…あ、あのっ、女聖騎士…さん…?」
女聖騎士「いつまで泣いているつもりだっ 立てよ」
女騎士 「あの、あ…ありがとうっっ どうして…」 ギュッ..
女聖騎士「フン、手向け話の一つもないと、死んだ部下の墓に花を供えることもできねぇ。」 ギュッ..
女騎士 「ごめんなさい。本当にありがとう! ぐしゅっ…」
女聖騎士「あとな、アタシは枢機卿が気に入らねえ。」
女騎士 「え…?」
女聖騎士「偉っそうなくせにショボくてフニャフニャ、話になんねぇ。じゃあな!」
アナ 「えー…、皇帝陛下の…審判に基づき、えー、敵対していた二人の騎士が
  友好の証の握手と抱擁を交わし舞台を後にします。その…解説さん、どうご覧になりますか…?」
解説 「さすが皇帝陛下、見事な采配でした。大衆の声に惑わされないすばらしい審判です。」(棒)
アナ 「えー… 突然のことで編集にミスがありました関係で、
  不適切な言葉が伏字されずそのまま記載されたことをお詫びいたします。」
148:
(国境の街闘技場・舞台裏)
皇女 「あの、お義兄さま? いかがなさいましたか?」
皇帝 「……。どうにも…」
皇女 「お気分でも悪いのですか? 顔色が優れませんわ。」
皇帝 「皇女よ、さっきは助かった。礼を言うぞ。余は大変な過ちを侵す所であった…」
皇女 「そのような大げさなことではありませんわ。助けたのはあの女聖騎士です。
  私は女騎士が化物に強姦されるのを観ていられなかっただけです。」
皇帝 「あの狂った熱気に飲み込まれ、余は危うくあの少女を見捨てて
  狂った観衆どもの生贄にするところであった…」
皇女 「お義兄さまの態度はご立派でした。
  あの観客どもの白けっぷり、バケツの水ぶっかけたみたいにスーッっとしましたわ!」
149:
皇帝 「だが、皇帝としてあれで良かったのか、判らぬ…。」
皇女 「人として正しかった、それで十分です。」
皇帝 「身に余る地位とは怖いものだな。
  ただ人として正しくあろうとするだけで、これほどまでに勇気が要ることか…」
皇女 「たとえ全ての臣民がお義兄さまの敵になろうとも、私は最後までお義兄さまの味方です。」
皇帝 「フッ…、この闘技場は、剣闘士のみならずこの皇帝にすら、このように闘いを強いるらしい。
  恐ろしき生贄の祭壇よ…。」
皇女 「闘ってくださいませお義兄さま。闘って勝利し、強い皇帝となってくださいませ。」
皇帝 「いったいこの帝国はどこへ向かおうとしているのだ…今に神罰でも下るに違いない…」
150:
(国境の街闘技場・地下牢)
女騎士 「うぅ…ぐしゅっ…ぅっ… ぐしゅっ」
女支配人「何を泣いているの?」
女騎士 「うっ…くっ…えっぐ、……」
女支配人「敗れはしたけど、あなたは生きてるわ。それに貞操だって――」
女騎士 「うぅっ… ここの人たち、みんなおかしいっっ! 狂ってるっ…!」
女支配人「ああ、怖かったのね。可愛そうに。まあ最初はそんなものかもね。すぐに慣れるわ。」
女騎士 「み…みんなでっ、あたしを犯せ、犯せって… あたしに何の恨みがっ ……えっぐ」
女支配人「そりゃあ、剣闘士奴隷は生贄だもの?
  それが女なら陵辱に悶え苦しみ泣き喚くのを見たいって、それだけよ?」
女騎士 「あ…悪魔ですっ!!
  奴隷の身にもなってみればそんな恐ろしい事、口に出す気にもなれないからっ!」
女支配人「私は奴隷ですよ? 観衆の前で魔物の餌食にもなったわ。」
女騎士 「えっ…!?」
女支配人「そうね、痛くて仕方なかったわ。あの淫獣ども、こっちの事お構い無しだから。
  でも観客の視線は悪く無いわ。目を血走らせた何千の観衆が私の悶える姿に、歓喜の絶頂。
  なかなかに愉快だわ…。」
女騎士 「…愉快って…」
151:
女支配人「でもお腹膨れてきちゃったらね、そんな事も言ってられないから、
  その間しばらくあなたに活躍して欲しいのだけど?」
女騎士 「あたしには待ってる家族が居ます…。帰して…」
女支配人「闘い勝利を重ね、観客の支持を集めることができれば、陛下より木の剣を与えられ自由の身よ。
  でも今のあなたじゃ、当分無理そうね。」
女騎士 「あたしに、ここで死ねって言うの?」
女支配人「闘って自由を獲得するより遥かに易しい方法があるわ。あなた、剣闘士英雄と子供作らない?」
女騎士 「はあ?」
女支配人「あなた、剣闘士英雄のお気に入りよ。彼はそんな素振り見せないけど。
  彼の子を生んだなら、開放してあげるわ。早ければ一年かからずに自由よ。
  もちろんそれまでの間は闘うことも無いし、生まれた子はあたしが育てても構わない。」
女騎士 「冗談じゃありません!」
152:
女支配人「剣闘士英雄のこと、どう思う?」
女騎士 「あたしあの野蛮人に襲われて、連れ去られて、こんな酷い目に遭わされています!
  あいついつかぶっ飛ばす!」 ギリギリ
女支配人「フフッ、あなたやっぱり強い娘ね。さっきまでめそめそ泣いてたのに、もう拳握り締めてる。
  あいつが気に入る訳ね。」
女騎士 「え、ちょっ、これは… あなたに乗せられただけです!」
女支配人「一人の男として、どう思うかしら? 彼、帝国全土の英雄だけど、それは置いておいて。」
女騎士 「狼藉者で無神経で羞恥心欠乏症で破廉恥で傍若無人で乱暴者で高慢で痴漢の変態エロおやぢ。」
女支配人「あら? 意外ね。そんなに彼の事好きなの? ふぅん…」
女騎士 「どこをどうしたらそういう結論に至るのか、その訳の判らない思考回路が見てみたいです!」
女支配人「簡単な方程式よ? 好きの反対って、何だか知ってる?」
女騎士 「嫌い」
女支配人「無関心よ。でもあなた彼のことずいぶんよく知ってるじゃない。」
女騎士 「馬鹿なこと言わないでっ」
153:
女支配人「膜を誉めてもらえるのって、絆されちゃうほどに嬉しいことなのかしら…?
  私もなくす前に誰かに誉めて欲しかったかも…」
女騎士 「なに言ってるか分からないです! おかしな言いがかり止めてください!」
女支配人「身体を綺麗とか魅力的とか誉められるのって、嬉しいじゃない?」
女騎士 「そういう次元の話じゃないでしょう!? や、やらし過ぎですっ…」
女支配人「どうも王国の人って、そのへんの話が噛み合わないわ。
  聖教会の禁欲信仰てやつに汚染されてるせいよね。」
女騎士 「あなたたちは享楽思想に汚染されています!」
154:
女支配人「あなた、ミノタウロスの眷属なんですって?」
女騎士 「あいつから聞いたのですか…家族のつもりです。」
女支配人「ミノタウロスって怪物よ? それが家族? 変なの。」
女騎士 「…。変です。分かってますっ」
女支配人「母親を同じくする兄弟? それとも夫? あなた生娘だから、夫ってことじゃないのよね?」
女騎士 「だったらどうだと言うのですか。」
女支配人「え〜アレって半分牛じゃない。もしかして獣姦が好きなのかしら?
  ああ、まだしてないのに好きって言うのも変よね、憧れって言えばいいかしら?」
女騎士 「今度はそうやって詰るつもりですか…」
女支配人「気を悪くしたらごめんなさいね? そういう変態趣味だってあってもいいわ。」
女騎士 「あたしは変態ですか、そうですか」
155:
女支配人「ただ、あなたのような娘にはしっくりこないのだけれど?
  どうしてミノタウロスが良くてオークだと泣いてイヤがるの? 同じ獣姦にしか見えないけど。」
女騎士 「その、獣姦って言うのやめてください…」
女支配人「獣みたいに荒々しく犯されて、一緒に獣みたいに乱れてみたいんじゃないの?」
女騎士 「あたしを何だと思ってるのですかっ」
女支配人「"女騎士"よね? まだまだ初心だけどwww
  オークじゃなくてミノタウロスがイイってのは、高級志向かしら?
  オークよりミノタウロスの方が、いろいろハードル高そうだしwww」
女騎士 「みんながあたしを痴女の変態みたいに言う…誰のせいよっ
  もう、騎士やめたい…ううん、もうとっくに騎士じゃ無くなってるわ…」
156:
女支配人「ミノタウロスの妻なんて、そこまで堕ちることができるのなら、
  つまらない貞操観なんて意味を持たないように思えるけど?
  剣闘士英雄の子を産んだなら、無事に家族の所へ帰してあげるわ。」
女騎士 「どうして好きでもない男の子供産めますかっ」
女支配人「処女を彼に捧げたばかりか子供まで授かったなんて、帝国中の女が羨む事よ?」
女騎士 「なら帝国中の女に譲るわ。何故あたしに子供作らせたがるのっ」
女支配人「何故って…彼があなたを認めるからよ? それに、彼はまもなく死ぬわ。」
女騎士 「え?」
157:
女支配人「この闘技場の怪物のボス、牛魔王は聞いてるかしら?」
女騎士 「牛丼王?なにそれ」
女支配人「王国ってどこまで情弱なの…まあいいわ。山のようなミノタウロスと戦うつもりよ。」
女騎士 「ミノタウロス…!?」
女支配人「いい食い付きね? そいつとヤってみたい?」
女騎士 「結構です!」
女支配人「魔王軍のボスよ。そして剣闘士英雄は帝国の勇者として奴と殺り合う。…死ぬわ。」
女騎士 「癪だけどあの剣闘士英雄、実力は半端じゃない。ミノタウロスより強いわよ?」
女支配人「まあ、普通ならね。でもね…」
158:
(危険な森・触手生息域)
アらラ 「あららー♪ ポチさん、わんわんお!ですぅ!」
触手 「…」ウネウネ
アらラ 「あららー? 触手にわんわんお!もねーんじゃね? ですかぁ?」
アらラ 「だって"ポチ"を名乗ってらっしゃるのですから、やっぱりわんわんお!」
触手 「…」ウネウネ
アらラ 「犬じゃねぇ? 難しいですネ。」
触手 「…」ウネウネ
アらラ 「はい! お薬さっそく役に立ちましたぁ!
  ミノタさんもコボルトさんもヒーヒー言って喜んでましたですネ」
触手 「…」ウネウネ
アらラ 「アらラちゃんはもうポチさんに感謝感謝ですぅ♪
  あのお薬なかったら、大事な家族を助けられなかったかも知れませんネ」
触手 「…」ウネウネ
アらラ 「じゃ約束通り一晩抱かせろ? はい、アらラちゃんなんかで宜しければ、喜んで♪」
159:
触手 「…」ウネウネ
アらラ 「あららー? ところで足が欲しくはないか? ですかぁ? ずいぶん唐突ですわネ?」
触手 「…」ウネウネ
アらラ 「植物のアらラちゃんには、あんなの飾りです。エロい人にはそれが分からんのですネ」
触手 「…」ウネウネ
アらラ 「はっきり言う、気に入らんな、ですかぁ? そう申されましてもネ。」
触手 「…」ウネウネ
アらラ 「そうですね、根で歩けますが、飛んだり跳ねたり走ったりはできませんね。
  よくご存知で。そうなんですネ、アらラちゃんの葉っぱ、こんなに広がってますから、
  部屋に出入りするのも大変ですぅ」
触手 「…」ウネウネ
アらラ 「下半身を足にすれば問題解決? 旅にはそのほうが便利?
  それやっちゃうとビジュアル的にアルラウネじゃなくなっちゃう気がするのですよネ。」
触手 「…」ウネウネ
アらラ 「お前はアルラウネのつもりなのか? ですかぁ!? それひどくないですか!?」
160:
アらラ 「確かに他のアルラウネさんとちょっとばかし違いますが、ほら、ツタ生えてるし、
  お花も咲くしで、ちゃんとアルラウネしてますってば。」
触手 「…」ウネウネ
アらラ 「どうしてもイヤ? そんなことないですよ?
  ポチさんがお望みでしたら、二足歩行のアルラウネにもなってご覧にいれますぅ。
  でもどうしてそんなに足に拘るのですかネ?」
触手 「…」ウネウネ
アらラ 「足が無ければパンツ穿かせられない? 脱がすこともできない? ひどく不純な動機ですネ」
触手 「…」ウネウネ
アらラ 「ついでに濡れるようにしてやる、ですか? 趣味的ですネ。
  うーん、下のお口を濡らすのが植物性油とかだったらパンツ洗ってキレイになるのか心配ですネ」
触手 「…」ウネウネ
アらラ 「そうですね、普段はいてなければいいのですネ。」
触手 「…」ウネウネ
アらラ 「あららー? これからさっそくですかぁ? いいですよ。
  ポチさんのお願いならなんでも聞いちゃいますぅ。お好きなようにしてくださいませ。」
触手 「…」ウネウネ
アらラ 「オレの愛撫で気持ちよすぎてヘヴンで昇天させて、蛹が蝶になるように変身させてやる、ですか?
  あららー♪ 急に心臓ばくばくしてきましたですぅ」
161:
(大樹林の町・宿)
アらラ 「あららー♪ おっはようごじゃいます〜ぅ♪」
母上 「あら、おはようっ って、あらら?」
コボルト「わんわんお! 牛乳と新聞を…って、客人ですかい?」
母上 「…。」
コボルト「…。」
アらラ 「…。」
アらラ 「って、こんな所で時間停止の集団パフォーマンスしてても誰も見てくれないですよ?」
162:
母上 「アらラちゃん、どうしたんだい!?」
コボルト「足…。」
アらラ 「あららー♪ さっそく気づいてくれましたか!? 
  アらラちゃんちょっとイメチェンしてみましたー! どう? 似合います?」
母上 「ちょっとイメチェンというより、これはフルモデルチェンジねえ?」
コボルト「なんていうか…こざっぱりしちまって…」
母上 「ラフレシアさえおとなしく見える大きな子だったのにねえ。えらく可愛くなったもんね!?」
コボルト「アルラウネというより、木の妖精かなんかに見えますぜ…」
アらラ 「失礼ですネ! 今でもアルラウネなのですぅ!」
163:
母上 「ま、なんでもいいわ♪ とってもかわいいっ 抱きしめやすくていいわ♪」 ギュッ!
コボルト「この纏わり付いてる蔦ひっぺがしたら、エルフにしか――」 ムンズ
アらラ 「ひゃん!?」
コボルト「へ?」
アらラ 「変なとこ触らないでほしいのですネ! コボルトさんのえっち!」
コボルト「ちょっ… この生茂ってる蔦、触っちゃいけなかったんで…?」
母上 「あらこの蔦、お尻から生えてるのね、尻尾かしら?」
アらラ 「今までと同じように自由に動かせますし、数が減った分、力が強くなりますたですネ。
  オークごときならひとひねり! 高圧電撃も流せますぅ! 雑魚とは違うのだよ雑魚とは!」
コボルト「そりゃ、頼もしいこって…」
母上 「でも急にどうしちゃったんだろうね?」
アらラ 「カレに、してもらっちゃったですぅ♪ まるで生まれ変わったような気分ですぅ♪ うふふ♪」
コボルト「蛹から蝶に、少女から女に、植物から不思議生物に、ってか…?」
164:
アらラ 「ミノタさんにも誉めて貰いたいですぅ。ミノタさん起きてますか?」
コボルト「それが、昨夜、ちょっと遊んでくるって行ったきりでさ…」
母上 「おや? コボルトさんと酒盛りでもしてるのかと…」
コボルト「いやいや、ダンナまだ未成年ですぜ…? あっしはてっきり売春窟にでも行ったかと…」
母上 「お酒ダメと言うわりに売春窟を止めないって、何か違うと思うの。」
コボルト「いや…。難しいこと気にしないで騎士の嬢ちゃんをヤっとけばそれでよかったのに、
  悶々としてたんじゃねーかと思ってサ…」
闇エルフ「ミノタさんなら、行っちまったよ…」
母上 「アハ〜ンさん? おはようございます。」
闇エルフ「アハ〜ン言うな…。」
コボルト「…。あいかわらず、影みてぇにいつの間にか居る奴だな…」
165:
闇エルフ「昨夜、ラリってて、ついしゃべっちまった…。
  あのカウベル付けてた娘、剣闘士英雄にさらわれちまったってさ…。」
コボルト「ちっ、いつまでも隠しておけねぇのは分かっちゃいたが、もうちょっと伏せておきたかったぜ。
  ダンナ、けっこうな深手負っててやべぇってのに…」
母上 「それでミノタは!?」
闇エルフ「一番手っ取り早く国境の街の闘技場に行くには、剣闘士奴隷の契約して
  人買いのキャラバンに乗ることだって教えたら、一も二もなく契約にサインさ…」
コボルト「なんだと!?」
闇エルフ「丁度昨夜、国境の街に向かう行商が来てたんでね…。乗ってもらったよ…。」
コボルト「てめぇ!! ダンナを売りやがったな!!」
闇エルフ「何も騙しちゃいないし、合意の上の契約だよ…」
コボルト「何が契約でぇ! ダンナは未成年だ、ふざけんな!」
闇エルフ「あんな成りしてんのにねぇ…拙いねえ…年齢確認を怠ったねぇ…。いまさら手遅れだねぇ…」
166:
母上 「アらラちゃん、出番です!」 m9(-"-) ビッ!
アらラ 「あららあいあいさーっ! 必殺ぐるぐる巻き〜〜っ!」 ザワワワワワッ-!!
闇エルフ「あ〜れ〜っっ いやん、ぐるぐる巻きぃ〜」 ギチギチギチ…
闇エルフ「やだぁ、アタシをどうする気? 折檻かしら? それとも陵辱?
  アタシどうなっちゃうんだろうねえ…悶絶しすぎてヘヴンで昇天しちまうかねぇ…あは…」
コボルト「恍惚なツラするかね、ったく…」
母上 「ミノタが決断したなら、私達も行きましょう。アハ〜ンさん、頼みたいことがあります。」
闇エルフ「なんだい? 言う事聞かなかったら、何をされるんだい?」
母上 「聞いてくれなかったら、何もしてあげません。」
コボルト「へ?」
闇エルフ「えー…、ここまで拘束して自由を奪っておいて、そりゃ淋しいんじゃないかい…?」
母上 「では、取引です。」
167:
(人買い行商の馬車)
母上 「ドナドナド〜ナッ、ド〜ナっ♪ 子牛をの〜せ〜て〜♪www」
コボルト「ちっ、なんか釈然としねぇな」
アらラ 「あららー? 仕方ないですよ。ミノタさんの後を追いかけるなら、奴隷になって商品として
  行商に運んでもらうのが一番早くて安全に闘技場に入れるって事ですから。」
コボルト「あっしは"犬"ですがね、こう鎖に繋がれるのは好きじゃねーですよ。」
アらラ 「鎖に繋がれるのが好きな人は少ないですよ?
  でもこの手錠、すぐ外れちゃいます。あんまり拘束力ないですネ」
コボルト「このルート、アハ〜ンが便宜を図ってくれたんだろうが、どーも気にいらねぇ。」
168:
アらラ 「アハ〜ンさん、喜んでくれそうでした♪」
コボルト「その…"ポチ"ってセンセを紹介したんだって? それって餌食にしたようなもんじゃねぇか?」
アらラ 「いいんです。今頃きっと前も後ろもめちゃくちゃにされすぎてヘヴンで昇天ですぅ」
アらラ 「一度ポチさんのアレを味わされたら、もうアヘーンなんかじゃ全然物足りなくなって、
  アヘーン窟通いはお仕舞いですネ。廃人にならずに済むですネ。」
コボルト「別の意味で廃人にされなきゃいいけどな…。」
母上 「ドナドナド〜ナッ、ド〜ナっ♪ 荷馬車がゆ〜れ〜る〜♪www」
コボルト「母上さま、その歌、ごきげんで歌う歌じゃありやせんぜ…」
169:
(国境の街闘技場・地下牢)
ゴブリン「ボス、新入りのオークめにございます。」
Kオーク「片腕ニダ」
Cオーク「片目アル」
牛魔王 「前に居た奴らはどうした」
ゴブリン「も、申し訳ありませんっっ し、死にましたっ…」
牛魔王 ( ●) ( ●) ギロリ
ゴブリン「ひいいいいいいいいいっっっ!!??」
牛魔王 「よい… 下れ」
ゴブリン「は、ははーーっっ!」
170:
(国境の街闘技場・地下牢)
ゴブリン「フーッッ…。何事も無く済んだ…。ボスがオークどもに関心無くて助かったゴブッ」
トロル 「オークLとオークRはいったいどうして死んだでごわす!?」
ゴブリン「前座の勝負で…女聖騎士と戦って…。」
トロル 「負けたでごわすか…」
ゴブリン「いや、勝った。」
トロル 「勝った? 勝ったのに死んだでごわすか!?」
ゴブリン「お、恐ろしい殺され方だった…震えが止まらなかったゴブッ」
トロル 「いったい何を見たでごわす!?」
ゴブリン「相手は女聖騎士一人だった。
  オークどもは調子に乗って甚振ったら、あっという間に女聖騎士が…」
トロル 「隙をついてオークを殺したでごわすか!?」
171:
ゴブリン「いや、女聖騎士は降伏した…」
トロル 「?? どういうことでごわす」
ゴブリン「観客は"犯せ!"と騒ぐし、女聖騎士は凸"って中指おっ立てて挑発するしで、結局"犯せ"の審判だ…
  オークども、喜んで女聖騎士を前後挟んでの二穴挿しでパンパン犯りはじめた…」
トロル 「あいかわらずのレイプマシーンでごわす。」
ゴブリン「あの女聖騎士、愉しんでやがった…。真性の痴女だ。観客席からも失笑…
  だがそこまではいい、そこまでは…」
トロル 「何が起きたでごわす!?」
ゴブリン「女聖騎士の奴、涎と卑猥な嬌声を巻き散らして潮まで吹きながら…
  突然、隠し持ったアイスピックで、前から△ソコを突き上げてたオークLの心臓をメッタ刺し!!」
トロル 「ひいいいいっっ!!」
172:
ゴブリン「一番驚いたのは女聖騎士を後ろから突いてたオークRだ…
  慌てて、ア○ルに突っ込んだナニを引き抜こうとしたが… できなかったんだ…」
トロル 「ど、どうしてでごわす!?」
ゴブリン「判らない! …とにかくどうしても抜けなかったっっ……!!
  オークRは恐怖に慄いていたさ…抜けねえ、抜けねえ、助けてくれって…」
トロル 「……!!」
ゴブリン「返り血浴びた女聖騎士の奴は薄笑い浮かべながら…
  オークRのナニをア○ル奥深くに咥え込んだそのまま、腹の上でぐる〜り向きを変え…
  そして血の滴るアイスピックでオークRも…」
トロル 「 マ、マジキチでごわすっっ!! 」
173:
(国境の街闘技場・舞台裏)
勇者D 「大丈夫っすよ! チョー余裕っす!」
賢者Q 「フン、どうして帝都院卒のこのオレがこんな低学歴どもと…。所詮はブラックか。」
剣士N 「で、作戦はよ。だりーよ。」
老兵士 「敵の陣容を掴まないと、なんとも…」
女支配人「はい、対戦の前にあんたたちに新しいメンバー追加よ。女騎士さん。仲良くね?」
女騎士 「参加させて頂く事になりました、女騎士です。えっと、――」
勇者D 「おー、女の子いーじゃーん? メアド交換しない? カレシ居るぅー?」
女騎士 「え? ええと?」
賢者Q 「オレは有益な人間にしかプライベートは知らせるつもりはないからそのつもりで。」
女騎士 「はあ」
剣士N 「大丈夫、キミは俺が必ず守るから。キリッ」
女騎士 「いえ、あの…」
女支配人「魔王軍の詳細はここにある通りよ? 健闘を祈るわ、じゃあね。」
174:
老兵士 「牛魔王を筆頭に、トロル、オーガー、ゴブリン、オーク×2…」
勇者D 「一人一匹ノルマな。オレ、ゴブリンもらいーっす。」
賢者Q 「早い者勝ちじゃないぞ、勝手に決めるな! これだから低学歴は…」
剣士N 「あ、女騎士ちゃんは倒しきれなくてもいいよ。俺がなんとかするから。」
老兵士 「いや、一対一になれるとは限らんのだから…」
勇者D 「あ、オレ知ってる。集団戦には陣形ってのがあるんだZE? 鶴翼の陣とかってやつー?」
賢者Q 「フン、これからは情報をいかに駆使して戦うかが勝敗を分ける時代だ。」
剣士N 「女騎士ちゃんは俺の後ろを離れないで。キミは俺が守るから。キリッ」
女騎士 「あの、あたしも戦えますからっ」
175:
老兵士 「小隊規模での戦いは、弱点を補いつつ攻撃力を持続的に活かせるパターンを模索するのが――」
勇者D 「それよりさー、何かキメ台詞とか、そういうの叫ぶと客にウケるんじゃね?」
賢者Q 「来いよ牛魔王、斧なんか捨ててかかってこい!…怖いのか? …フン、我ながら脳筋すぎだ。」
剣士N 「俺は生きる! 生きて女騎士と添い遂げる!」 チラッ
女騎士 「は?」
176:
勇者D 「ってゆーかさー、さくっと牛魔王倒すcool!な戦法とかどっかにねーのー?」
賢者Q 「偉大なる哲学者ググレカスは言った… ググれ!さすれば与えられん!」
剣士N 「【勇者】勇者の集うスレ LV:256【専用】 牛魔王の攻略法教えろください」
勇者D 「安価出たwwwおkwwwこれで勝つるwww」
賢者Q 「神降臨! 闘牛士からの回答だ! 有象無象の知ったか勇者のご高説よりプロの一言だろJK」
剣士N 「俺の元カノの女賢者のブログにも同じ戦法が書いてあったっけ。彼女さー俺が何か書いても――」
老兵士 「…。それで、どんな戦法で行くのかね?」
勇者D 「1、剣を抜き」
賢者Q 「2、雄たけびをあげ」
剣士N 「3、突っ込む!」
女騎士 「」
177:
(国境の街闘技場・舞台門)
老兵士 「いよいよか…。今度はもうだめかも知れん。」
女騎士 「だ、大丈夫っ、よ、弱気になったら、そそ、それまでです。」 ガクブル
老兵士 「震えておるの…かわいそうに…。剣闘は初めてかのう?」
女騎士 「に、二度目ですっ」
老兵士 「そうか… もう少し経験のあるチームに加われればまだ良かったの。
  運がなかったと諦めるしか…。」
女騎士 「お、おじさんは、剣闘士の経験は?」
老兵士 「傭兵組織に所属するタダの傭兵じゃよ。この歳で前線任務の契約を打ち切られてナ…
  他に雇い手もなく、こんなところに派遣されてるわけだ。
  まだ家の借金があるでな、断ってクビにもなれん。」
女騎士 「じゃ、あの三人は?」
老兵士 「同じ組織の派遣兵士じゃよ。…戦況の泥沼化した前線を西へ東へ転々と…」
178:
老兵士 「彼ら派遣兵士は所詮使い捨て人員、いい上官や指揮官の元で戦ったことがないのじゃろ、
  経験者をまるで信用しちょらん。
  自分の力で生き残ろうともがいてみるが、経験無くしてどうにか成るものでは無い。」
女騎士 「でも、あれでも戦場で戦ったことがあるのですよね!?」
老兵士 「戦ったというより、なんとか生き延びた、というべきじゃろ…ここでそれは通じない。」
女騎士 「あ、あたしたち、どうなるのでしょう!?」
老兵士 「ワシは孫の顔を見られたからもう十分なんじゃよ…。殉職なら保険金で借金完済じゃ。」
女騎士 「あたしはまだっ、死にたくないんですっ(泣)」
老兵士 「牛魔王が出てきちゃ、この面子で歯が立つわけがない。このチームは地雷じゃよ。」
女騎士 「そんなっ…」
老兵士 「それでも可能性に掛けるなら…命の限り勇ましく闘うといい。それが若さだ。
  倒れたとて、ひょっとしたら"生かせ"の審判を勝ち取ることができるかも知れんでな。」
179:
(国境の街闘技場・地下牢)
女支配人「ここがあんたの部屋。牢屋だけどね。魔物を歓迎する設備は無いの。我慢してね。」
ミノタ 「剣闘士英雄ってスカした野郎にさらわれて来たお姉さんがいるはずむぉ。どこにいるむぉ?」
女支配人「ふぅん、あの娘がヤりたい相手って、あんたなんだ?
  …なんか迫力なくて、あんまり被征服願望をソソらないわね、あんた。」
ミノタ 「くだらないこと言ってるとお尻ぺんぺんむぉ!」
女支配人「ほら、そこの明かり取りから覗いてごらんなさいな。特等席よ。」
ミノタ 「むぉ? …すごい人むぉ…!! 何千人いるむぉ…!?」
180:
アナ 「さああーっ!! いよいよ始まります!! 
  魔王の城奥深く攻め入った王国の勇者一行に、牛魔王と魔王軍が立ちはだかるぅ!」
ミノタ 「誰かこの上で大声出してるバカがいるむぉ。うるさいむぉ〜。」
女支配人「実況席が真上にあるからね。ほら、見なさい?」
アナ 「さあ、連戦連勝の魔王軍に挑む、王国の勇者一行のメンバーを紹介しましょう!」
アナ 「新人剣闘士、勇者D、賢者Q、剣士N、老兵士、いずれも派遣で鍛えた歴戦の兵士!
  やばい戦場に彼らあり! 徹夜が怖くて派遣ができるか! チーム・ハーケンヤヴァイスーっ!」
アナ 「そして続くは紅一点! 女聖騎士との対決に破れ、貞操の危機をむかえるも、
  慈悲深い皇帝陛下に助命された涙のヒロイン、女騎士〜〜っっ!!」
ミノタ 「……!! お姉さんむぉ!? ちょ、何やってるむぉ!?」
アナ 「さあ、それに立ちはだかるは牛魔王率いる魔王軍! メンバーを紹介しましょう!」
アナ 「地響きを立てて現れたのは〜っっ!!
  生きとし生けるもの全てを牛鍋に突き落とすため、地獄より現れた大魔王が化身っっ!!
  その大戦斧から繰り出す地獄の斬撃の前に、生き延びた者は皆無ぅ〜っっ!!」
アナ 「 今日もミンチだ、勇者が美味いっ!! 牛魔王ぉぉぉ〜〜っっ!! 」
ミノタ 「 ――― !! 父上っっ!? 」
181:
(国境の街闘技場・舞台)
アナ 「 あああーーーっっとぉ!? これはすごいっっ!! 」
アナ 「 女騎士、なぁんとっ!! 牛魔王の地獄の斬撃を、弾き返したあああああーーっっ!! 」
観衆 ワーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!
解説 「女騎士、見事ですね。 剣士N、九死に一生を得ました、首の皮一枚つながりました。」
女騎士 「離れてっ!! 貴方ではこいつに歯が立たないっ!!」
剣士N 「うわっ…うわぁあああっっ」
女騎士 「牛魔王の射程内に入らないでっ! 奴はあたしが相手するからっ!」
剣士N 「たっ、頼むっっ! ひぃぃぃっ」
解説 「女騎士は、窮地に立った仲間を庇うために、牛魔王のあの斬撃の前に飛び出したんですね。
  いやぁ、勇敢です。恐ろしくて簡単にできることではありません。」
182:
アナ 「 そしてなぁんと! あろうことかっ女騎士がっ、牛魔王の正面に仁王立ちーーーっっ!! 」
観衆 「おい…あの女騎士、這いつくばって命ごいしたあいつだろ!? KYな皇帝に助けてもらったっ」
観衆 「すげーよ!! 人間なんか真っ二つの牛魔王の大戦斧を、弾いたぜ!? 初めて見たぜ!?」
観衆 「マジあの女騎士強くね!? 泣いてたのヤラセじゃね? ステマだよステマ!」
アナ 「 たいーへんな大乱戦っっ!! 勇者たちも魔王軍も一歩も引きませんっっ!! 」
アナ 「 そして女騎士と牛魔王!! にらみ合ったまま、動きませんっっ!! 」
解説 「いいですよいいですよ、牛魔王を牽制できれば、勇者たちは他の魔物と渡り合えます。」
女騎士 ( …! 手の感覚が…! 今の一撃で…! )
183:
牛魔王 (●) (●)
女騎士 ( お… 大きい……! これでミノタウロス…!? まるで大魔神かなにかのよう……!! )
女騎士 ( 怖い……! 助けて……! )
牛魔王 「フシューーーーーッッ…」
アナ 「 おおお〜っ! 牛魔王、再び殺戮の大戦斧を構えたあーーっ! 」
アナ 「 そして女騎士も! ポールウェポンで突撃の構えだっっ! 」
解説 「女騎士の得物は全金属製のハルバードです。無骨ですがいい武器を選びましたね。
  ヤワな得物であればそれごとたたっ斬られていたでしょう。そして破壊力も期待出来ます。」
アナ 「 さあーーっ! 勝負はここ一番を迎えたあぁぁーーーっ!! 」
牛魔王 「 ブオオオォォッッ!! 」
女騎士 「 やああああああああっっっ!! 」
184:
  ゴキィーン!!
アナ 「 やったっ!! 女騎士、牛魔王の地獄の斬撃をかわしたーーっっ!! 」
アナ 「 これはもらったあああーーーっっ!! 」
女騎士 「てええええええええーーーっっ!! ―――」
185:
  ドコォッ…!
女騎士 「 」 ドサッ..
アナ 「 あああああっっっ!? これは…っ!! 牛魔王のっ、鉄拳が炸裂したああああ〜〜っっ!!」
解説 「これは盲点。そうです、牛魔王はあの斬撃を、片手だけで繰り出していたんです。
  片腕空いていたんですね。しかも最初からこれを狙って… ああ、いけませんね。」
アナ 「 あああ、これはいけないっ!! 女戦士、気を失っているのでしょうか!? 動かないっ!!」
観衆 「ねーちゃん起きろーーっ!! 殺されるぞーっっ!!」
観衆 「おいしっかりしろーーっ!! 戦えーっっ!!」
解説 「いけませんね、牛魔王が… 牛魔王に捕まりました、あ、首を捕まれています。」
アナ 「 あああーっ! 牛魔王、非情にも女騎士の首を絞めにかかったああっーーっ 」
解説 「場内、悲鳴にも似た声があがっています。」
186:
観衆 「おい他の野郎ども!! あのねーちゃん助けろ!! 何やってんだ!!」
観衆 「行けよ!! このまま見殺しにしたらてめーら全員"殺せ"確定だっ!!」
観衆 「行けっっ!! 死ぬ気で行けっっ!!」
剣士N 「こここ、この野郎おお〜っ、おれ嫁を離せえええっ!」 ダダダ
牛魔王 「フンッ!」 ボカッ!!
剣士N 「ぐへえっ!!」 ドシャー
勇者D 「チョ、チョームカつくーーっ! わああああっ!」 ダッ
牛魔王 「フオッ!」 バキッ!!
勇者D 「あひーっ!!」 ドンガラガシャー
アナ 「 あああっ 牛魔王、一転して鉄拳連打! 無双です!
  懸命に女騎士を救おうと立ち向かいますが、勇者チームまるで歯が立ちませんっっ 」
賢者Q 「ち、ちくしょお、ちくしょおっ…!!」 ガクガクブルブル
老兵士 「やはり、ここまでじゃったか…」
187:
牛魔王 「フシューーーーーッッ…!!」 ギリギリギリギリ…!!
女騎士 「あ"…、が…、あぐっ…」
アナ 「 ああっ、牛魔王っっ! このまま女騎士を、絞め殺すつもりだあぁっ!! 」
解説 「あー、ここまでですね。彼女はよく善戦したと思います。ですが牛魔王を怒らせてしまった。
  気の毒ですが、牛魔王がこうなるともう誰にも救えません。」
女騎士 「ご…、え…、んぁ……っ…、 ミノ… タ……」
女騎士 (ごめんなさい、ミノタさん)
牛魔王 「 ……!! 」
188:
(国境の街闘技場・地下牢)
女騎士 「ごほっごほっ!…かほっ! はぁはぁはぁっ…」
女騎士 「うあっ… イヤっ… ああっ!」
牛魔王 (●) (●)
女騎士 「やめて…っ お願い…、あ、あたし、家族がっっ…ああっ」
牛魔王 「ミノタ…そう言ったか。」
女騎士 「…!?」
牛魔王 「それは西のラビュリントスのミノタか?」
女騎士 「は、はいっ…!!」
牛魔王 「お前は、ミノタの…何だ?」
女騎士 「あたし、ミノタさんの家族ですっ! あ、あのっ…! ミノタさんをご存知…ですかっ!?」
牛魔王 「ミノタは我の息子だ」
女騎士 「あ…ああ…!」
189:
牛魔王 「家族と言ったな。ミノタの子を産んだか。」
女騎士 「いえ、でも、いずれっ…」
牛魔王 「なぜミノタの妻だ。何があった。」
女騎士 「人同士の争いに巻きこまれたあたしを、救ってくれましたっ。
  ミノタさんだけじゃない、母上さんやアらラさんコボルトさんもっ。
  行く所のないあたしを、家族に迎えてくれましたっ」
牛魔王 「我が妻は達者か。」
女騎士 「はい、とても…!」
女騎士 「ああ、でも、迷宮を放棄してこの帝国領を目指しています。
  その…、王国は枢機卿の支配下に堕ち、迷宮は教会の侵略に脅かされるので…」
牛魔王 「そうか」
190:
女騎士 「あのっ! 母上さんは、ずっと貴方のことを待っていましたっ。…貴方のことを愛していると…」
牛魔王 「そうか。」
女騎士 「母上さんの元に、戻っては…くれませんか…?」
牛魔王 「仕事が残っている。」
女騎士 「なぜこんなところで、こんなことを…」
牛魔王 「奴との決着をつけねばならない…」
191:
ゴブリン「…ボス、ほ、報告いた、いたしますっ」
牛魔王 「フシュッ」
ゴブリン「我が、魔王軍は、な、なんとか勝利を収めることがっ、で、できましたっっ」 ガクブル
牛魔王 「フン…」
ゴブリン「その…皇帝の采配で…魔王軍勝利を認めるかわり、その…人質を、生きて返すように…」
牛魔王 ( ●) ( ●) ギロリ
ゴブリン「ひいいいいいっっ! おおお、お許しをっっ!
  あ、あのまま、戦いを続けたらっ、こちらもどうなっていたか、わわわ、判らなくてっっ!
  そっ、そうだ、あいつらが、オークどもが悪いんです!
  あいつらが勝手に妥協したんです! オレ悪くないゴブ〜ッ!」
女騎士 (みんな、殺されずに済んだ…!? よかった…)
192:
ゴブリン「そうだゴブッ! その女騎士、生きて返すとは言ったけど何もしないとは言って無いゴブッ!
  メス豚肉便器にして前も後ろもユルユルにして返してやるゴブッ!」
牛魔王 「この娘は、我が息子の嫁だ」
ゴブリン「え"…っ」
牛魔王 「メス豚肉便器が何だと?」
ゴブリン「うひいいいいいいいっっっ!? ごごごごゴブっ、ご無礼をっ、ももも申しましたああっっ!!
  平に、平にご容赦ををを〜〜〜っっ!! ごぶぶぶっ、失礼しますッッ!」
牛魔王 「くだらん…」
193:
剣闘英雄「よう、牛魔王。ここは相変わらず騒々しいな。
  妖魔どもがけたたましくて、イラッとしてついぶち殺したくなる。」
女騎士 「剣闘士英雄!?」
牛魔王 「…。貴様か。」
剣闘英雄「対決の最中に、魔王が女騎士を掻っ攫って勝手に退場ってのは旨く無いな。
  観客は唖然としてたぞ。もっとも、筋書き的には面白くなったと女支配人は言ってるがね。」
牛魔王 「我の知ったことではない」
女騎士 「あんたのせいであたしこんな酷い目にっ! もう沢山よ! あたしを帰してっ!」
剣闘英雄「お前を今日のこの闘いに放り込んだのは、謝らねばならんな。
  お前がこのオレと子を作るのを拒絶したとかで、女支配人が旋毛曲げたようだ。
  そういうのは普通は逆だろ? 女は難しすぎて手に余るw」
女騎士 「あたしには家族がいます! だれがあんたみたいな狼藉者とっ!」
剣闘英雄「狼藉…? はて、何を…」
女騎士 「あ、あんな事しといてどの口が言うの!?」
剣闘英雄「あー、お前まだ気にしてたのか。別に純潔を穢すようなことはしてないだろ。」
女騎士 「うるさいこの痴漢! あたしをここから出しなさい!」
194:
剣闘英雄「ああ、もう闘わなくていいぞ。だがもう一度だけ付き合ってもらう。
  魔王に捕らわれたヒロイン役だ。」
女騎士 「は? 何それ。」
剣闘英雄「次はいよいよ、この剣闘士英雄さまと牛魔王の決戦だ!
  その対決の添え物の、捕らわれのヒロインがお前だよ。大抜擢だ、喜べwww」
女騎士 「全然嬉しく無いっ」
剣闘英雄「牛魔王の横で、石柱に裸で繋がれた哀れなヒロインを演じる簡単なお仕事です。by女支配人」
女騎士 「イヤです!」
195:
剣闘英雄「それと牛魔王、貴様にはこれだ!」 ジャキン
女騎士 「……! 魔戦斧"ラビュリス"!!」
剣闘英雄「貴様の悲願達成に、こいつが必要だろう!? 受け取れっ!!」
牛魔王 「…。貴様これをどうした?」
剣闘英雄「この少女が持っていたのを、オレさまが奪った。不思議な巡り合わせだな。」
牛魔王 「この魔戦斧を我に与えた事、後悔することになるぞ…」
剣闘英雄「バカ言え。貴様にラビュリス無くして、どうして"神々の黄昏"と言えようか!」
女騎士 「…。あなた、何を考えてるの!?」
剣闘英雄「少女よ、見届けるがいい! 神代以来の"神々の黄昏"を!! フフ、フハハハハハ!!」
196:
(国境の街闘技場・地下牢)
ミノタ 「むおおおおおっ!! ここから出すむぉ!!
  どうしてお姉さんと父上が殺し合いなんかやってるむぉーーーっ!!」 ガンガン!! ドカン!!
女支配人「落ち着きなさいな、あの娘は無事よ? 何もされて無いわ、保障する。」
ミノタ 「どうして父上はこんな事やってるむぉ!? どうしてお姉さんが父上と戦わせられてるむぉ!?」
女支配人「きゃあ、痛いっ 痛いってば! 離しなさいっ!」
ミノタ 「ボクをお姉さんの所に連れて行くむぉ!!」
女支配人「ダメよ! 明日はいよいよ剣闘士英雄と牛魔王の決戦が控えてるんだから!
  あんたに邪魔はさせないわ! 黙って観ているのっ!」
ミノタ 「言う事聞かないと、酷い目に遭わせるむぉ! 凶暴で残虐無慈悲なミノタウロス舐めるなむぉ!」
女支配人「酷い目に遭わせるがいいわ! 私は奴隷よ!
  もう何度も酷い目に遭わされてきたわ! 何度も! 数え切れない! 奴隷舐めるなっ!!」
ミノタ 「奴隷…?」
女支配人「…そうよ。離してっ」
ミノタ 「…。」
女支配人「あんたにはいずれ次の魔王役になってもらうんだから!
  ここでおとなしくその怪我の治療に専念してなさいっ」
197:
(国境の街闘技場・舞台裏)
女支配人「ふーん、あなたたちが闇エルフからの推薦状の奴隷三人ね。」
母上 「はい。よろしくお願いします。」
アらラ 「あららー♪」
コボルト「お見知り置きくだせえ。」
女支配人「ではまず、当コロシアムでの就業を希望する理由をお聞かせ下さいますか?」
母上 「帝国屈指のブラックと聞いて、これはぜひ一度社畜になって社会経験を豊かなものにしたいと、
  そう思いましてwww」
アらラ 「他所で全部断られましたぁ〜 もぉ〜どこでもいいって感じ?」
コボルト「金が欲しいだけでサ」
198:
女支配人「当コロシアムの仕事は楽ではありませんよ。
  昇給なし、福利厚生無し、休日無し、サービス残業は自己責任、一日二十六時間働けますか?」
母上 「それ出来ますと言っちゃう方はホラ吹きさんですねwww」
アらラ 「役員の方を全員勇退させて、その報酬の分で従業員増やすのが正解ですネ」
コボルト「雇わないと労働基準監督署にチクりますぜ。」
女支配人「では、あなたたちは当コロシアムで何ができますか?」
母上 「掃除ならまかせて。不良債権、隠蔽体質、革○労組、組織の膿までなんでも一掃しますwww」
アらラ 「衛生兵できますネ。呼ばれればどこでも行ってモルヒネで楽に逝かせてあげますネ」
コボルト「組織の"犬"でサ。わんわんお!」
女支配人「採用します。よろしく。」
199:
(国境の街闘技場・地下牢)
アらラ 「あららー♪ ミノタさん、お元気ですかネ?」
ミノタ 「むぉ? …誰!?」
アらラ 「ちょっ!? アらラちゃんを忘れちゃうなんて酷いですぅ!」
ミノタ 「ボクの知ってるアらラさんは、もっとこう、ツタとか葉とか根っこが生繁ってジャングルむぉ!?」
アらラ 「くすん… 少しくらい誉めて欲しかったですぅ…」
ミノタ 「むぉ。たとえアルラウネじゃなくなっても、アらラさんはアらラさんむぉ。」
アらラ 「アらラちゃんは今でもアルラウネですぅ!」
ミノタ 「二本足で歩いても? ツタ巻いてる花の妖精にしか見えないむぉ」
アらラ 「…。かわいくないですか?」 (;_;)
ミノタ 「かわいいむぉ〜。ブーツがよく似合ってるむぉ〜」
アらラ 「あららー やっと誉めてくれましたぁ♪」
200:
ミノタ 「こんな所までどうやって来たむぉ!? まさか剣闘士になったむぉ!?」
アらラ 「いえいえ、救命士として入りましたネ
  …コボルトさんも雑用係として入って、この一帯の密偵を進めてますネ。」 ヒソヒソ
ミノタ 「お姉さんが捕まってるむぉ!」
アらラ 「ええ、さっき怪我のお手当てをして差し上げましたネ。
  手と頭に怪我を負われてますが、お元気でした。」
ミノタ 「お姉さん、元気だったむぉ? よかったむぉ〜っ」
アらラ 「やはりミノタさんは騎士さまの事、心から愛しておられるのですね。
  お怪我も治っていないのに、単身ここまで追ってこられて…妬けちゃいますぅ」
ミノタ 「死ぬときは一人にしないと約束したむぉ。こんな処で一人で死なせないむぉ」
アらラ 「騎士さまはその後どうなったかと、お仲間の剣闘士の方々から大変心配されておりました。」
アらラ 「無事でいるとお伝えしましたら、みなさん大喜びで…
  騎士さまのおかげで全員生き延びることができたって、騎士さまは英雄だって。
  さすが騎士さま、かっこいいですぅ♪」
ミノタ 「父上、お姉さんを殴るなんてひどいむぉ。行ってぶん殴りたいむぉ!」
アらラ 「母上さまも、お父上さまを探してここに潜入なさってます。掃除のおばちゃんとして。」 ヒソヒソ
ミノタ 「母上が!? また無茶をするのが好きむぉ〜。父上の所は魔物の巣窟で一人は危険むぉ」
アらラ 「元より従業員は危険だから立ち入り禁止になってます。でも…」
201:
(国境の街闘技場・地下牢)
Kオーク「誰ニダ?」
Cオーク「ここは魔王軍の領域、立ち入りは許さないアル!」
母上 「バカ言ってんじゃないわよ、掃除の邪魔よっ 退いた退いたっ」
Kオーク「掃除? そんな話聞いたニダ?」
Cオーク「なんで人間の女よこすアルか?」
母上 「あたしゃ天下御免の掃除のおばちゃんだよ! 知らんのかい!?」
Cオーク「あ! 聞いた事アル!
  男子トイレだろうが社長室だろうがサーバールームだろうが出入り自由の影の実力者アル!」
Kオーク「それは大変ニダ! ついにこの魔王軍屯所にまで掃除のおばちゃんが侵攻して来たニダ!」
母上 「分かったらさっさとお通し! 忙しいんだよ!」
202:
Cオーク「でもなんでお前みたいな若い女が掃除のおばちゃんアルか?」
Kオーク「怪しいニダ。普通おばはんしか就けない職業ニダ!」
母上 「あたしゃ三十路のBBAだよ!? でっかい息子までいるんだよっ」
Kオーク「のわりに幼児体型で童顔、ぷにぷにしてるニダ。こーりあ、合法ロリニダ?」
Cオーク「合法アルか? 犯っちゃいな?」
母上 「掃除のおばちゃんに欲情とか、あんたら本格的に頭おかしいんじゃないかい!?
  一度お医者に診て貰いな!」
Kオーク「確かに聞かないニダ…」
Cオーク「そう言われると恥ずかしいアル…」
母上 「つべこべ言わずに通しなさいなっ それともあんたたちが代わりに掃除してくれるかい!?」
203:
(国境の街闘技場・地下浴場)
  ヒタ.. ヒタ..
牛魔王 「誰だ…」
母上 「私です…ご主人さま… 私を、覚えておいでですか…?」
牛魔王 「フシュッ」
母上 「まだ、"あなた"と呼ばせて貰えますか…?」
牛魔王 「…もちろん」
母上 「……! 来ちゃった…です…」
牛魔王 「久しいな」
母上 「あなたっっ!」 ダッ!
牛魔王 「…。」 ギュッ
母上 「ぐしゅっ… な、なぜでしょう、お話したいことが山ほどあった筈なのに…
  それで一発ぶん殴って差し上げるつもりだったのにっ…あああっ」 ポロポロポロ..
204:
牛魔王 「…。」
母上 「〜っっ」 ポロポロポロ..
牛魔王 「……。息子どもはどうか」
母上 「ぐしゅっ… はい、みな息災です。」
牛魔王 「家族が増えたようだな」
母上 「はい! 騎士どのと話をされたのですね。いい子ですわ。」
牛魔王 「勇敢にして明朗、猛々しき闘志と母性備わる肉体、眷属として申し分なし」
母上 「どうやら私とは大違いです。くすっ」
牛魔王 「我にはお前で…いや、お前がいい」
母上 「……!! ありがとうございます…! あああっっ」 ポロポロポロ..
牛魔王 「…。」
母上 「〜っ す…すみません…泣いてばかり…」
205:
牛魔王 「遠路ご苦労。間もなく事は成就する…しばし待て」
母上 「もう、待てません…。なぜ私が全て脱いでいるか、お分かりいただけますか…?」
牛魔王 「ここは我が専有する浴場であるが…」
母上 「まだ私を、あなたの物と思って下さいますなら…
  その証、どうぞ存分にこの肢体に刻み付けて下さいませ…。」
牛魔王 「楚々とした物言いで隠したその本性…曝け出させてやろう」
母上 「はしたなく乱れて痴態を晒しますこと、あらかじめお詫びいたしますわ。」
206:
(国境の街闘技場・地下浴場)
母上 「 ああ… ああっ… あああ…っ 」 ビクッ ビクッ
牛魔王 「その涙、まだ泣いているのか」
母上 「…なぜでしょう、嬉しいのです…」
牛魔王 「また子を宿すつもりか」
母上 「授かるのか分かりませんがそのつもりです…
  ミノタウロスにとって女の価値は、子を産む事ですから…」
牛魔王 「それだけではない」
母上 「隷属し欲望を受け止め、支配者として満足いただくことも、従う女の勤めです。」
牛魔王 「…。そうだ…」
母上 「このように傷だらけの私の身体でも、満足していただけたら嬉しいです。」
207:
牛魔王 「我はまだ足りぬ」
母上 「……では何なりとご命じくださいませ。満足いただけるよう勤めます。」
牛魔王 「 『与え、生かすことこそ、真の強者、真の支配者の力と知れ。』 」
母上 「……!」
牛魔王 「お前を存分に貪った。だが満ち足りぬ。……与え足りぬからだ」
母上 「一度、消えようとしていた私の命の灯を、掬い上げ再び確かな灯としていただきました。
  これ以上何を望むことがありましょうか。」
牛魔王 「まだ足りぬ」
牛魔王 「我は、真の強者、真の支配者たることを欲す…!」
208:
(国境の街・御用邸)
皇女 「お義兄さま、帝都よりやっと書簡が届きましたわ。」
皇帝 「うむ! その顔では、どうやら中身を訊くまでもないな。」
皇女 「はい。評議会はクレータ領割譲案を呑みましたわ」
皇帝 「ずいぶん勿体付けてくれたものだ。だが皇女よ、よくやってくれた。」
皇女 「ふふ、報道各誌に、牛魔王一味が何か叛乱でも起こすような事態になれば、
  割譲案を渋った議員に全責任がある、そう書けって振れ回ってやりましたの。
  書かない所はぶら下がり取材から締め出すって脅迫付きでね。」
皇帝 「世論から攻めるとは、お前の手腕には恐れ入る。」
皇女 「いいえ、お義兄さまの為ならこのくらい何て事ないですわ。」
209:
皇女 「でも、宜しいのですか? 割譲を認めてしまっては、討滅軍派兵の大儀が成らなくなりますわ。」
皇帝 「かまわぬ。紛争が拡大しているというのに、魔物どもにまで手を焼かされるのはごめんだ。
  討滅するより、牛魔王どもに統治させておくほうが遥かに御しやすかろう?
  それに、もし討滅の大儀が要るなら、その時にまた作ればいい。違うか?」
皇女 「お兄さま、らしくなって参りました。それでこそ皇帝ですわ。」
皇帝 「皇女よ、私のような凡人よりお前が新皇帝に就くべきだったのではないか?」
皇女 「そんなことありませんわ。お義兄さまに頼られてこその私ですから。」
皇帝 「とにかくこれで、奴の要求に応えることもできよう。」
皇女 「明日はいよいよ、剣闘士英雄さまと牛魔王の頂上対決です。」
皇帝 「この辺境の街に、いったいどれだけの観客が詰め掛けているのか…もはや誰にも判るまい。」
皇女 「帝国中を沸かせる最強同士の決戦です。全臣民の関心は最高潮に達していますわ。」
皇帝 「剣闘士英雄が二百勝の達成の時に、先帝に要求したのがこの辺境の闘技場だったな。
  あの剣闘士英雄に、こんな商売の才覚があったとは。」
皇女 「かなりできる支配人に任せているそうですよ。私達も彼女の手のひらで踊らされているわ。
  旅客や宿泊、賭博、報道の各事業とも提携して、コロシアムに入る利益はとてつもない額だとか。」
210:
皇帝 「お前は、剣闘士英雄が好みだったのだな?」
皇女 「ええ、彼を婿に迎えたいくらいですわ。彼はきっと勝利します。」
皇帝 「聞けば、かなり粗野な男との噂だが?」
皇女 「そこがイイのですわ。
  強く逞しく荒々しく無遠慮なあの男に、本能の赴くままに蹂躙されてみた〜いっ」
皇帝 「おいおい、他人に聞かせられないような発言は控えてくれ。」
皇女 「って、スイーツ()誌に載ってたという話ですわ。」
211:
(国境の街闘技場・舞台裏)
女騎士 「あたしをどうする気!?」
女支配人「どうもしやしないわ。聞いてるでしょ? ヒロイン役を務めてもらうって。」
女騎士 「なんでこんな恥ずかしい格好しなきゃならないのっ」
女支配人「この衣装が気に食わないなら丸裸で舞台に上がってもらうけど?
  あら、似合うじゃない。やっぱり最初からこれ着て戦ってみれば良かったのに。」
女騎士 「こんなえっちな衣装の騎士なんてファンタジーよっ」
女支配人「そうね。でも今日は魔王に捕らわれたヒロインだからこれでいいの。」
女騎士 「捕まった時と衣装変わってるのって、おかしくない!?」
女支配人「おかしくないわよ? 捕まったヒロインなんて、お人形みたいに剥かれて魔王好みの衣装に
  着せ替えられるって相場が決まってる。もしくはニーソだけ残した全裸?」
212:
女騎士 「あたしそんな事されてないっ!」
女支配人「あなた本当にミノタウロスの眷属だったのね。牛魔王が何もしなかったなんて。」
女騎士 「もしかして、そこまで見越してあたしを牛魔王と戦わせたの?」
女支配人「さあ? さ、その石柱に鎖で繋ぐから、大人しくしててね?」
女騎士 「ちょっ!? ここで縛ってどうしようっての!?」
女支配人「この石柱ね、舞台装置で舞台の上までゴゴーってせり上がるから。
  牛魔王の立つ場所のすぐ横に、これ見よがしに登場するのね。いい演出でしょ?」
女騎士 「他の魔物に襲われるじゃないっ!」
女支配人「それは無いから安心して? 牛魔王が許さない限りは安全だから。」
213:
女騎士 「とても惨めな気分です…」
女支配人「そう? なんかこう、悲壮感が足りない感じだわ。やっぱり輪姦されないと雰囲気出ないものね?」
女騎士 「い…イヤですっ!」
女支配人「しないわよ。あ、でもお顔に練乳とか掛けてみようかしら? 犯られちゃった感出るかも。」
女騎士 「エロ二次じゃあるまいしっ」
女支配人「マヨネーズならもっと派手に汚されましたって感じになるかしら。」
女騎士 「いい加減になさい! 食べ物で遊ぶなんて育ちが知れるわ!」
女支配人「ごめんなさい…。おばあちゃんにもそう叱られました…。」
214:
(国境の街闘技場・舞台実況席)
アナ 「さああ〜〜っ! いよいよ! いよいよですっ! 世紀の大決戦の幕開けですっ!」
解説 「会場、盛り上がってきましたねー。すごい熱気です。
  日没前から観客席は満員御礼。急遽作られた臨時の仮設席まで埋め尽くされてます。」
アナ 「帝都闘技場で勝利をほしいままにした、我らが剣闘士英雄!
  そして、あまたの剣闘士を地獄に送り恐れられる進撃の牛魔王!
  果たして、この頂上決戦を征するのはどちらかっっ!?」
解説 「貴賓席に、観客に向かって手を挙げておられます若き皇帝陛下のお姿が有らせられます。
  皇女殿下のお姿も有らせられます。」
アナ 「この闘い、剣闘士英雄、牛魔王、勝利すると両者いずれも三百勝達成となります。
  勝者がその前人未到の偉業達成の褒賞として、皇帝陛下に一つ要求をすることができますっ」
解説 「前例としては、剣闘士英雄は二百勝達成の時に、当闘技場の建設と運営の全権利を要望し、
  それが認められ前皇帝より与えられました。皇帝陛下の懐の深さが問われることになります。」
アナ 「剣闘士英雄が何を要求する予定かは全く情報がありません。
  また、牛魔王が勝者となった場合、何を要求するのか気になるところですが、
  このあたり解説さんどうでしょうか?」
解説 「どうでしょうね、牛魔王の要求は、生贄に処女三百人とかそんな類の要求じゃないですかねえ。
  奴隷市場の女が品薄になって取引価格が上がってしまうかも知れません。」
215:
アナ 「まずは西の門より、勇者たちの登場ですっ」
解説 「彼らは人気投票で支持を得た選ばれし勇者たちです。
  剣闘士英雄と共に、魔王軍との総力戦を闘います。」
アナ 「紹介いたしましょう!
  王国勇者チームとして牛魔王と対決、勇敢に戦った女騎士の活躍により辛くも生還っ
  捕らわれの女騎士奪還に燃える! 不死身の傭兵四人組、チーム・ハーケンヤヴァイスーっ!」
観衆 「いいかてめーら! 女騎士ちゃんを取り返せーっ!!」
観衆 「女騎士を助け出せなきゃ男が廃るぞーっ!! 派遣兵士の意地を見せろーっ!!」
観衆 「行けーっ 行って死んでこいーっ!! 死んで派遣の星になれーーっっ!!」
解説 「牛魔王に捕らわれた女騎士を奪還せよと、多くの観客の支持を得てこの大舞台に進みました。」
216:
アナ 「続いて紹介しましょう!
  連邦勇者チームとして参戦するも惨敗、一人生き残った悲劇の女戦士!
  オークに陵辱され無残な姿を晒すも、チタンメンタルで復讐を誓う! 獣姦済み、女戦士Aーっ!」
観衆 「むほ〜っ!! 姉ちゃんいー声で鳴いてたぜーっっ また会えてうれしいぜーっwww」
観衆 「口直し、いやマ○コ直しに今から俺とヤろうぜぇええええ〜っっ!!」 凸"
観衆 「嫁の貰い手が無くてもオレがもらってやっからよーっ! うひゃっ言ったった言ったった!www」
解説 「大観衆の前でのオーク陵辱にも関わらず、艶めかしい肢体とその嬌声で観客を虜にし、
  密かに支持を伸ばしていました。剣闘士というよりエロ女優と言うべきかも知れません。」
217:
アナ 「さらに紹介しましょう!
  聖教会の聖騎士中隊隊長とは仮の姿!
  皇帝陛下を恫喝し、会場の空気を一気に冷やしたKYかと思いきやっ、
  前後から突き上げるオークどもをアイスピックでメッタ刺し! 氷の微笑、女聖騎士ーっ!」
観衆 「ひゃっはーーっ! オークはメッタ刺しぃぃぃぃっ!!」
観衆 「痴女さん行けー!! 全ての魔物にアイスピックの洗礼をををっっ!!」
観衆 「アイスピック! アイスピック! アイスピック! アイスピック!」
解説 「あれは強烈でした。トラウマ票と言ってもいいでしょう。
  妻を上に乗せられなくなった観客もいると聞きます。魔王軍にとっても恐るべき刺客でしょう。」
218:
アナ 「おおっ!? 東の門が開き、魔王軍の魔物たちが雪崩れ込んで来ました!」
アナ 「一気に紹介しましょう!
  メタボな巨体で巨大棍棒を振り回すトロル! 二足歩行の脳筋肉食獣オーガー!
  おなじみの歩くチ○ポ、Kオーク、Cオーク! 雑魚代表ゴブリン!」
解説 「片手がぶらぶらしてるのがKオーク、片目なのがCオーク。
  これらの傷はいずれも女騎士が、女聖騎士との対決の時にやったものです。」
アナ 「KオークCオークにとっては恨み骨髄の女騎士ということになります。
  人質となっていた女騎士の身が気がかりですが、解説さんこの辺いかがですか?」
解説 「どうでしょうねー、魔王軍は勝利と引き換えに人質の返還を皇帝に約束しました。」
アナ 「気を失い倒れた所を牛魔王につかまり、あわや殺されるかというところでしたが、
  牛魔王が突如、彼女を連れ去り退場するという思いがけない展開になりました。」
解説 「牛魔王が気に入ったということであれば、下っ端の魔物の餌食という事は無かったと思います。」
219:
アナ 「残すところはその女騎士と牛魔王そして我らが剣闘士英雄の登場を待つばかりとなりましたっ!」
アナ 「あああーっっと!! 東の門の前、舞台の床が、沈みこんで行きます!! これは…!?」
解説 「地獄の釜が開いたようですね、唸り声が聞こえてきます。床が上がってきましたよ。」
アナ 「でた〜〜〜〜〜〜っっ!!
  生きとし生けるもの全てをスキヤキにして喰らふべく、地獄の底から現れた大魔王の化身!!
  繰り出す戦斧の斬撃は、地獄行き片道切符の押し売りだぁー!! 牛魔王おおおおーーーっっ!!」
観衆 ワーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ !!!
観衆 「殺せーっ!! 屠れーっ!! 皆殺しだあああーっ!! 一人残らず地獄行きぃぃっ!!」
観衆 「進めえええっ!! 進撃だあああっっ!! 世界を滅ぼせーっ!! リア充氏ねーっ!!」
牛魔王 「フシューーッ…!」
解説 「見てください、得物がいつもの大戦斧じゃありません。
  大戦斧と比べるとやや小ぶりの戦斧になりますが刃が黄金に輝いています。
  あれは、牛魔王のとっておきの決戦兵器、魔戦斧"ラビュリス"といいます。」
アナ 「妖気漂う魔の戦斧! どんな破壊力を示すのか、恐ろしくなりますっ!」
解説 「あの無双の大戦斧から替えての武器だそうですからね、さぞかし凄い攻撃力なのでしょう。
  もしかしたら当たったが最期、人間なんか爆散してしまうのではないでしょうか。」
220:
(国境の街闘技場・舞台裏)
ミノタ 「むぉ!? お姉さんむぉ! やっと見つけたむぉ〜!」
女騎士 「ミノタさん!? 助けに来てくれたの!?」
ミノタ 「行くの遅くなってすまなかったむぉ。牢屋ぶっ壊すのに手間取ったむぉ。」
女騎士 「心配だったの! 怪我は大丈夫!?」
ミノタ 「アらラさんの拷問治療のおかげでもう治りかけてるむぉ。剣闘士英雄は見つけたら倍返しむぉ!」
ミノタ 「それよりお姉さん、えっちな格好して何してるむぉ?」
女騎士 「やっぱりえっちよね、これ…」
ミノタ 「ほどほどの下乳がいい感じむぉ〜」
女騎士 「黙ってれば読者に判らないことは言わないのっ!」
221:
ミノタ 「鎖に繋がれて放置プレイむぉ? このひらひらの腰布めくったら穿いてなかったりするむぉ?」
女騎士 「殴るわよっバカっ」
ミノタ 「殴ってもらうにも、手錠を外す鍵が無いむぉっ」
女騎士 「女支配人が持ってると思うけど、もう舞台の上に出ちゃってるわ。」
ミノタ 「…。じゃ舞台に乱入して女支配人とっ捕まえて来るむぉ!」
女騎士 「待って。この闘い、邪魔しないで…。」
ミノタ 「どうしてむぉ?」
女騎士 「牛魔王と剣闘士英雄がそう言うの。今回だけ付き合えば、解放してくれるって。
  だから、見届けるって約束したわ…。」
ミノタ 「父上もあのスカした野郎も、二人してなに勝手なこと言うむぉ!」
女騎士 「あっ! これ舞台装置で、もうすぐあたし舞台に上げられちゃうっ!」 ゴゴーッ↑
ミノタ 「鍵を手に入れて、すぐ飛んで行けるように見守ってるむぉ! だから安心するむぉ!」
女騎士 「嬉しいっ、ありがとうっ!」 ゴゴーッ↑
222:
(国境の街闘技場・舞台実況席)
アナ 「おっとぉ…? 何か石柱のようなものが、牛魔王の隣に上がってきましたよ?」
解説 「石柱に…だれか鎖で縛り付けられています。…半裸の少女でしょうか。」
アナ 「 あ〜っっ!! ご覧下さいっっ!! 女騎士ですっっ!!
  捕らわれの女騎士が、あられもない姿で牛魔王の隣に鎖で繋がれていますっっ!! 」
解説 「鎧と衣服を剥がされ、夜の劇場の踊り子衣装のような扇情的な格好を強いられています。
  これは牛魔王のお気に入りということでしょう。」
観衆 「女騎士さん、待ってなーっ! 剣闘士英雄が助けに行くからなーっ!」
観衆 「騎士さま、素敵でしたぁ!! かっこよかったですぅ!! きゃーっ!!」
観衆 「おら野郎どもっ!! 牛魔王を倒して女騎士さん助けられなかったら承知しないよっっ!!」
アナ 「女性の観客の応援も多く聞こえてきますね! 前回、彼女の戦いぶりは勇敢でした!
  仲間の危機を救うため、果敢にも牛魔王の恐怖の大戦斧の前に飛び出しました!」
解説 「今回、剣闘士英雄の活躍を一目観ようと、多くの女性も会場に足を運んでいます。
  女騎士はそんな彼女たちの心を掴んだのでしょう。」
223:
アナ 「さあ〜っ、残すは我らの剣闘士英雄ただ一人っ!」
解説 「あっ、貴賓席を見て下さい…皇帝陛下のご様子が…」
?? p" ピッ!
アナ 「 これは、ど、どうしたことでしょう!?
  皇帝陛下、審判の腕を上げ、親指を地に落とす"殺せ"の審判を示しておられますっ!! 」
?? 「 フハハーーーッ!! 牛魔王!! 貴様にはこのオレが審判を下してやるぞ!! 」 ブァサッ!!
アナ 「 ああーっっとぉ!? この不敵な笑い声はっ!?
  皇帝陛下だと思われていたその男っ! 剣闘士英雄だ〜〜っっ!! 」
解説 「皇帝の衣装に身を包むのは、剣闘士英雄ですね。間違いありません。いつの間に…」
剣闘英雄「 牛魔王、貴様の進軍もここまでだ!! 今日ここで、このオレが直々に裁きをくれてやる!! 」
アナ 「 剣闘士英雄、貴賓席より牛魔王を見下ろし、高らかに勝利宣言だああああ〜〜〜っっ!! 」
牛魔王 「フシュッッ!!」
解説 「両雄、睨み合います。剣闘士英雄がゆっくりと剣闘舞台へと降りてゆきます。」
アナ 「 さすが剣闘士英雄、王者の風格、皇帝の風格だあああ〜っ!! 」
224:
アナ 「 さあーっ! 改めて紹介しましょう!
  帝国一抱かれてみたい男No1!! 泣く子もおっ勃つイイ男っ!! 甘いマスクに辛い口!!
  皇女様すら下着を濡らす、ぶっちぎりイケメンスーパースター!! 剣闘士英雄〜〜っっ!! 」
観衆 ワーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ !!!
観衆 「キャーっっ!! シビレるううぅぅ〜!! あああ"こっち向いてええぇぇ〜!!」
観衆 「イヤ〜っっ!! 抱いてえぇぇぇ!! 奪ってえぇぇぇ!! 愛してりゅぅぅん!!」
皇女 「きゃーっっ♪♪ 剣闘士英雄さま素敵ーっ♪♪ パンツの替えが足りませんわぁーっっ♪♪」
解説 「あっ、皇女殿下いつの間に…? あああ、拡声器返してくださいね?
  あとパンツはしまって下さい。」
皇帝 「アレはパフォーマンスなのであまり気にしないでいただこう…。」
アナ 「えー実況席には特別ゲストとして皇帝皇女御両方が乱入…いえご招待させていただいております。」
解説 「皇女殿下の新曲、『濡れる彼氏は剣闘士☆』帝都コロッセオにて絶賛公演中です。」
アナ 「 剣闘士英雄が青銅剣を構えたっっ!! 牛魔王も魔戦斧を構えるっっ!!
  さああああっっ!! いよいよ決戦の火蓋が切って落とされるぅ〜〜〜っっ!! 」
225:
(国境の街闘技場・舞台門)
コボルト「ダンナ! 騎士の嬢ちゃん、あんな処に晒し上げられちまいやしたぜ!」
ミノタ 「手錠掛けられてて、鍵が無かったむぉ。女支配人が持ってるらしいむぉ」
コボルト「ちっ、救出が難しくなりやした。こうなったら舞台上に乱入して鍵を奪いやすか?
  あっしはほとんど戦力にゃなりゃしやせんが…」
ミノタ 「少し待つむぉ。この闘いが無事に終われば、お姉さんは解放されるってことだむぉ。」
コボルト「それ、信用していいんですかね…相手は人攫いですぜ…。」
ミノタ 「いつでも助けに行けるように戦闘準備して、待機むぉ。」
母上 「うんしょ、うんしょ、ほれ息子よ、乱入するならこれ持ってお行き。無いよりマシよっ」
ミノタ 「でっかい盾むぉ〜 どこで見つけたむぉ?」
母上 「倉庫で埃かぶってたよ。以前に合戦の模擬戦で使われてた大昔の重装歩兵の大盾だけど、
  お前なら楽々振り回せるでしょ。でも魔剣の類は紙みたいに抜けるから気をつけなさい。」
ミノタ 「機動隊みたいだむぉ。どうせなら鉄球吊るしたクレーンむぉ」
コボルト「手錠を外す合い鍵が欲しいとこでさ」
母上 「アらラちゃんなら多少の荒事は得意です!
  事務所に押し入って制圧、合い鍵のありかを知ってそうな者を捕まえて吐かせましょう!」
コボルト「ラジャ! …強盗団かテロリストになった気分でサ」
228:
(国境の街闘技場・舞台)
勇者D 「剣をっっ抜ううううぅぅぅーきっっ!!」 シャキン!!
賢者Q 「雄"ぉおおおたけびっっ あげーっっ!!」 シャキン!!
剣士N 「突っっ込おおおおぉぉぉーむっっっ!!」 シャキン!!
老兵士 「 こぉこぉーくっっ!! ぶぁんずぁああああ"ーーーいいいっっ!!! 」 ズドドドッ!!
アナ 「 うわああああーーーっ!? こーれーはっ、これは大ぁい混戦になってきたーっっ!? 」
オーガー「オレ、モウヤダ! オレ、モウニゲル! オレ、サムライコワイ!(泣)」
アナ 「 苦戦していたチーム・ハーケンヤヴァイス、死に物狂いの突撃敢行ぉぉぉ〜っ!!
  これにはたまらずオーガー、ついに逃げ出し始めましたぁ〜っ! 」
解説 「二足で歩く肉食獣と言われたオーガーが、あのように無様に逃げ回る光景を、
  果たして誰が想像したでしょうか。」
229:
アナ 「 果たしてっ! 魔王軍の双璧を成すトロルもっ、いよいよ追い詰められている〜っ!? 」
女聖騎士「ひゃはははは!! おい、K&C! そいつ逃がすんじゃねぇぜ!? じゅるりっ」 ニヤァ
Kオーク「イエス、ボス! ボスに逆らうなどそんな恐ろしいこと有り得ないニダ!」
Cオーク「もちろんアル! たとえダンボールと一緒に豚まんにされても有り得ないアル!」
トロル 「離すでごわすっ! アイスピック来るなでごわすっ! メッタ刺しはイヤでごわす〜っ!!(泣)」
解説 「Kオーク、Cオークの裏切りで、戦局が大きく変わってしまいました。魔王軍押されています。」
女戦士A「…。あんた、やる?」
ゴブリン「おおお、お前みたいな使用済みっ、だっ誰がっ! お断りゴブッ!」
女戦士A「私が妖魔に陵辱されてきゃんきゃん鳴くのを待ってる観客がいるのよ。」
ゴブリン「オレは処女厨ゴブッ! それにお前の腹は見えてるゴブッ!」
女戦士A「判る? 私、妊娠してるの。」
ゴブリン「そういうことじゃない!
  ヤった後で気に入らなかったら、後でアイスピックの痴女差し向けて始末するつもりだろっ!?
  オークLオークRみたいに! あんな殺され方はごめんゴブ〜ッ!」
解説 「女戦士Aとゴブリンは、一定の距離を保ったまま何か言い合っているようです。」
230:
アナ 「魔王軍壊滅は間近っ! だが牛魔王は動かないっ! いや、動けな〜いっっ!」
解説 「恐らく、剣闘士英雄と牛魔王、双方すでに相手を射程内に捕えているのでしょう。
  下手に動くとそれが命取りとなります。」
アナ 「さあ、そうしているうちにも、選ばれし勇者たちが魔王軍を挟撃っ、掃討戦に入っています!
  あーあー、ハーケンヤヴァイスは逃げ場を失ったオーガーを袋叩きっ!」
解説 「女聖騎士はトロルの尻に槍を突き入れて掻き回しています。これはひどい。」
231:
(国境の街闘技場・舞台)
剣闘英雄「どうやら前座は終わったようだ。ならば始めようじゃないか……」 ニヤリ
牛魔王 「フシューーッッ!!」
剣闘英雄「 "神々の黄昏"を!! 」
アナ 「 あああ〜〜っ!! 長い沈黙を破って、両雄ついに動きますっ!! 」
牛魔王 「神代の古、ミノタウロスが王アステリオスより受け継ぎし魔戦斧"ラビュリス"!!」 ジャキン!!
剣闘英雄「神代の古、アテナイの勇者テーセウスより受け継ぎし青銅剣"アリアドネー"!!」 シュリーン!!
  ゴゴゴゴゴゴゴゴ…!!
232:
アナ 「 ななな、なんとーっ!? 両雄っ、全身よりすさまじい波動を放ちはじめたあああーっ!? 」
解説 「牛魔王が魔戦斧の、剣闘士英雄が青銅剣の、秘めたる力を解放した模様です。」
  ラビュリス :□□□□□□□□□□ 100% >>Fire!<<
  アリアドネ :□□□□□□□□□□ 100% >>Fire!<<
牛魔王/剣闘英雄 「 目標、目の前の宿敵… 討てえエエエエエエエエエエエッッッ!!! 」
  ズゴオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーン !!!
  …パラパラパラパラ...
233:
アナ 「あ… あわわわ…」
解説 「な、なんか爆風が…、すみません、メガネがどっか飛んで行ってしまいまして…」
アナ 「た…大変だ…! 大変なことになりました…!!」
解説 「あれ…? 何です? 見えないです。」
アナ 「西側と、東側の観客席が…同時に… く、崩れましたっっ!! 崩壊です…!!」
解説 「そんなことよりメガネ…」
アナ 「うわあーっ!! 両雄の斬撃があああーっっ!! 満席の観客席をなぎ払ったあああーっっ!?」
解説 「もう斬撃とかそういう次元の話じゃないですよ。メガネどうしてくれるんですか。」
アナ 「これはテロかっ!?戦争かっっ!?火の七日間かあっっ!?アルマゲドンかあああっっっ!?」
剣闘英雄「ハッハーーーッ! さすがだな牛魔王、観客などお構いなしかwww そうでなくては!!」
牛魔王 「オマエモナー! その首、観客の慰霊碑に供えてくれん!!」 ジャキン!!
剣闘英雄「フハハーーーッ! 貴様こそビーフステーキにして鎮魂祭で振舞ってやるぞーっ!!」 シュリーン!!
234:
  ラビュリス :□□□□□□□□□□■■ 120% >>Genocide!!<<
  アリアドネ :□□□□□□□□□□■■ 120% >>Genocide!!<<
牛魔王/剣闘英雄 「 目標、目の前のヤツ!! ぶっ殺せえエエエエエエエエエエッッッ!!! 」
  ズガガガゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン !!!
  ズゴオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーン !!!
  ズドバーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン !!!
  ズギャギャギャギャーーーーーーーーーーーーーーーーン !!!
235:
(国境の街闘技場・舞台)
女騎士 「きゃーっっ!」
ミノタ 「フシューッ!」
女騎士 「ミノタさん!?」
ミノタ 「危なかったむぉ…。お姉さん、怪我はないむぉ?」
女騎士 「助けに来てくれたのね、ありがとうっ!」
ミノタ 「合い鍵手に入れたむぉ! いま手錠を外すむぉ! ここは危険すぎるむぉ!」 ガチャガチャ
女騎士 「ミノタさんっ!? 背中に怪我してるっ…!」
ミノタ 「衝撃波で大盾がバラバラになったむぉっ お姉さんに当たってたら大変だったむぉっ!」
女騎士 「ああっ、ありがとう、ごめんなさいっ …きゃあっ!?」
ミノタ 「伏せるむぉ!! あの二人めちゃくちゃむぉ! 後でぶん殴るむぉ!」
236:
(国境の街闘技場・舞台実況席)
アナ 「あーっ!! うわーっ!! どひーっ!! 観客席がっ!! 次々崩壊していくーっっ!!」
観衆 「見ろ! 人がゴミのようだ!」
アナ 「会場は阿鼻叫喚地獄絵図ぅ〜っ!! どーすんですかこれ!? もう収集つかないですよこれ!?」
解説 「これ以上の観戦は大変危険です。観客の皆さんはやかに避難することをお勧めします。」
皇帝 「総員退去するがいい。だが余はこれを見届けねばなるまい。
  逃げ惑う帝国皇帝の姿など臣民に晒せるものか。」
皇女 「お義兄さまがここに居らっしゃるなら、私もここに居ますわ。」
解説 「ここ実況席は奇跡的にまだ爆撃の洗礼を免れております。」
アナ 「我々はっっ、幾人もの剣闘士の生と死を!血と涙を!歓喜と悲鳴を!
  エキサーーイティングかつエロティーーックなエンターテイメントとして愉しんで参りましたっ!」
アナ 「こーこーでっ、観戦を放棄するなどっ、いま〜さらっっ許されましょおおおやっっ!!」
解説 「もっとも、暢気に実況を聞いてる観客は居ないと思われます。」
237:
(国境の街闘技場・舞台)
剣闘英雄「ムウウゥッ!! これが魔戦斧の呪いかっ、片腕が言う事を聞かぬ…!
  さすがだ我が宿敵よ! よもやここまで追い詰められるとは…っ!」
牛魔王 「貴様の好きな牛鍋の具にしてくれるわ! フシュッ!」
剣闘英雄「ならばっ!! このオレの最終奥義…見せてやろうぞ!!」
牛魔王 「なんだと…?」
剣闘英雄「勇者テーセウスよ…この肉体、使うがいい…!!」
剣闘英雄「 神々よ、照覧あれっっ!! いざ、降臨せーーっっ!!! 」 クワッ!
牛魔王 「うおおおおっ!? むおおおおおおおおおおおおっっ!?」
?? 「 カァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ……!! 」
牛魔王 「う、うぬは何者ぞっ!?」
テセウス「 我は…アテナイの勇者…テーセウス也…!! 」 ズウゥゥゥゥゥゥン…!!
牛魔王 「神…の降臨だと…!? ば、ばかなっっ!!」
テセウス「 アステリオンの末裔ども… 捻り潰してくれるううううぅぅっっ!!! 」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!
牛魔王 「むおおおおおおおおおあああああああああーーーっっ!! ぐはっ…―――― 」 ブシューーーッ!!!
238:
(国境の街闘技場・舞台)
ミノタ 「父上っっ!?」 ダッ!
女騎士 「ああっ…!」
牛魔王 「」
ミノタ 「父上……」
テセウス「 カァァァァァァァァァァァァ……!! 脆い…脆いわ… アステリオンに遠く及ばぬ…… 」
テセウス「 有象無象めが…恥を知れぃ…… 全て片付けてくれるううううぅぅぅ…… 」
ミノタ 「フシューーーッッ……!!」 ジャキッ!!
ミノタ 「お姉さん、聞いて欲しいむぉ」
女騎士 「ミノタさん!?」
ミノタ 「ボクは父上の仇を討つむぉ。絶対、お姉さんを守るむぉ。だから勝つむぉ。」
ミノタ 「でもごめんむぉ。もしかしたら、明るい家族計画、できなくなるかも知れないむぉ」
女騎士 「何…なにを言ってるのっ!?」
239:
ミノタ 「前作で母上が語ってたむぉ…。ボクが、この魔戦斧ラビュリスを振るったらどうなるか。」
女騎士 「ミノタさん、まさか!?」
ミノタ 「どうやらボクは千年に一人の、ミノタウロスが王アステリオスのお気に入りむぉ。
  魔戦斧ラビュリスを振るったら、自我を王に乗っ取られるむぉ。」
ミノタ 「そしたらもうボクは戻って来られないかも知れないむぉ。」
女騎士 「ミノタさんっだめっ! 絶対、戻って来てっ! でないと…あたしっっ…!!」 ポロポロポロ...
ミノタ 「ボクが帰らなくても、お姉さんは家族むぉ。みんなと仲良くやって欲しいむぉ」
女騎士 「そんな遺言みたいな台詞っ、聞きたく無いっっ!!」 ポロポロポロ..
ミノタ 「聞きたくなくても聞いてほしいむぉ」
女騎士 「(∩;д;)アーアーきこえなーいっっ!!(泣)」
ミノタ 「まだ出会ってほんの数日間だったけど、ボクはお姉さんが好きむぉ。」
女騎士 「ああ…っ あたしこそっ、ミノタさんっあなたが好きよっ だから―――」
ミノタ 「出会えてよかったむぉ。」 ニッ!
女騎士 「ミノタ…さん…っ!?」
ミノタ 「 神代の古より受け継がれし魔戦斧ラビュリスよ―― 」
ミノタ 「 いますぐここに、王アステリオスをっっ!! 連れて来いむおおおおおぉぉ――っっ!! 」
女騎士 「 ミノタさあああんっっ―――!!! 」
240:
(国境の街闘技場・荒ぶる神々)
王アステリオス「 フシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……!! 」
王アステリオス「 我こそは… ミノタウロスが王、アステリオス……!! 」
テセウス「 カァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ……!! 」
テセウス「 待ちわびたぞ…… この時をををををおおおお……!! 」
王アステリオス/テセウス
 「 神代より数千年…今ここに幕を上げん…!!
  "神々の黄昏" 最終章ををををををををおおおおおおおーーーっっっ!!! 」
  ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!
241:
(天上界、雲の上、ヴァルハラ、神の国、そんな感じのどこか)
王アステリオス「フシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……!!」
テセウス「カァァァァァァァァァァァァァァ……!!」
王アステリオス「……。」
テセウス「……。」
王アステリオス「いてえ……。」
テセウス「ぐぬぬ……。」
王アステリオス「フン! テーセウスよ! なんだ貴様、だらしねぇ!!
  女に金的蹴りあげられてギブアップか!? 貴様それでも勇者かwww神かwww」
テセウス「るっせ! アステリオンよ! てめーこそ、だらしねぇ!!
  娘にアッパーカット食らってノックアウト!? てめーそれでも怪物かwww邪神かwww」
王アステリオス「……フフ、フフフフ、フハハハハハハハハ!!」
テセウス「……ハハ ハハハハ、ウハハハハハハハハ!!」
242:
王アステリオス「いやいや痛快であったわ! 千年ぶりに地上で大暴れしてやったっ!www」
テセウス「まったくだ! 暇を持て余す神々ども、さそかし羨ましかったであろうっ!www」
王アステリオス「周りの観客ども、阿鼻叫喚であったぞwww 荒ぶる神の恐ろしさ、思い知ったかwww」
テセウス「奴ら、自分は安全な所から他人の殺し合いを愉しんでいたつもりとは笑えるwww」
王アステリオス「自分も生贄の祭壇の上に乗っているとも気づかぬとはっ、笑止www」
テセウス「次はいつだ!? てめー、自分が勝つまでやるつもりだろう!?www」
王アステリオス「無論だ! いつになるか、百年先か千年先か、我らが子孫たち次第だwww」
テセウス「我の子孫は有望だぞ! トンデモビッチを身篭らせておるが、我の血族としては申し分ない!」
王アステリオス「我の子孫は、女は上玉捕まえたがまだ仕込みも終えてないぞ…早くせんかっ、全くけしからん!」
テセウス「……ハハ ハハハハ、ウハハハハハハハハ!!」
王アステリオス「……フフ、フフフフ、フハハハハハハハハ!!」
テセウス「ぐぬぬ……」
王アステリオス「いてえ……」
243:
(国境の街闘技場跡)
コボルト「ぶほっ…アらラの嬢ちゃん、生きてるかい?」
アらラ 「あららー、レンガどけてくだふぁい…生き埋めですネ…」
コボルト「生きててなによりでサ… 畜生ぉっ、なんだったんでぇあれはっ!!
  荒ぶる神々だか黄昏だか何だか知らんが、怪獣大戦争なら他所でやれってんだ…うんしょっ」
アらラ 「酷い目に遭ったですぅ ああ、いけないですっ! 父上さまがっっ!」
コボルト「ああ、お頭がやべえですぜ…」
244:
ミノタ 「むぉっ!?」
女騎士 「ミノタさんっ…!!」 ポロポロ..
ミノタ 「あれ? …。お姉さん、涙がしょっぱいむぉ…」
女騎士 「ばかっ やっと帰ってきて、なによっ…」 ポロポロ...
ミノタ 「何がどうなったむぉ? 顎が痛いむぉ…」
コボルト「…。騎士の嬢ちゃん、い〜いパンチでしたぜ? 邪神アステリオスを一発KO!でサ…」
ミノタ 「お姉さんが、ボクを引き戻してくれたむぉ?」
女騎士 「…はい!」 ポロポロ..
ミノタ 「…。お姉さん、ボクが好きむぉ?」
女騎士 「…はい!」 ポロポロ..
ミノタ 「お姉さん、ボクと結婚して家庭築きたかったむぉ?」
女騎士 「…はい!」 ポロポロ..
ミノタ 「でもどうせなら"ちぅ"とかが良かったむぉ〜。顎に鉄拳で一発KOはひどいむぉ?」
女騎士 「なら… …んっ」 チュッ
コボルト「末永く爆発しろってんで…。」
245:
剣闘英雄「カァァァァァァァ…! 我は勇者テーセウス…って、むむっ?」
女支配人「気が付いた? それともまだ中二病?」
剣闘英雄「…。何がどうなった…? ぐぬぬ…。…キ△○マが強烈に痛いのはなぜだ!?」
女支配人「さあ?」
剣闘英雄「…お前の仕業だな? お前しらばっくれる時は肩をすくめるクセがある。」
女支配人「そ、そう? そんなに私に関心があるとは知らなかったわ。」
剣闘英雄「オレは勝利したのか?」
女支配人「じゃない? そんなことより、闘技場が吹っ飛んじゃったわ。どうするのよ。」
剣闘英雄「…。また作ればいいさ…。」
246:
母上 「あなた…!」
アらラ 「今、傷のお手当をっ、止血をっ、お気を強く持ってくださいませっっ!!」
牛魔王 「…、奴は…どうなった… ぐぶっ…ごふっ」
母上 「ミノタが戦ってくれました。そして彼女たちが、荒ぶる神々を天界に叩き返してくれました…。
  おかげで、皆無事に生きてます。」
牛魔王 「ぐぶっ… ミノタ…しばらく見ないうちにやるようになりおったわ…。」
母上 「ええ! あなたの自慢の息子です…!」
牛魔王 「そうか…。我が悲願は成就ならず…無念であるが…まあ、いい…」
母上 「あなた…なぜこのような…」
牛魔王 「真の強者、真の支配者たらんと欲した…それだけだ…」
母上 「このような殺し合いでの勝利など、あなたには――」
皇帝 「そんなことはないぞ。」
母上 「皇帝…陛下?」
247:
皇帝 「牛魔王よ、貴様は敗北した。剣闘士英雄を倒したのは貴様にあらず。
  だが、連覇達成の暁に対する褒章要求の件、叶えてやろうぞ。」
牛魔王 「何…?」
皇帝 「それが、勝者・剣闘士英雄の三百勝達成の要求だ。有難く受け取るがいい。」
牛魔王 「なんだ…と…」
皇帝 「帝国皇帝の名において、牛魔王とその一族に、帝国クレータ領の未開拓域、魔物生息域を割譲し、
  統治権を認める。以後、帝国領民との紛争を避けるよう勤めて治めるべし。以上」
母上 「……!!」
皇帝 「貴様の悲願であった一族の安住の地だ。これを勝ち取り、家族に与えたかったのであろう?」
母上 「あなた…この為に…!?」
牛魔王 「力で奪い取り…お前に与えてこそ…真の強者…真の支配者…たり得た…のだ…が…な……」
牛魔王 「」
母上 「あなた… 命をありがとう…家族をありがとう…居場所をありがとう…」 ポロポロポロ..
母上 「だけどっっ! あなたの傍に居させてくださいっっ!! あああああ〜〜〜っっ!!」
248:
   約一年後
249:
(クレータ自治領・ネオラビュリントス・海を見晴らす家)
女騎士 「はぁーい、ミルクの時間ですよ〜。ほら、いい子いい子♪」
母上 「そろそろ戻ると思いますので、ゆっくりしていって下さいね。」
女支配人「ふぅん、やっぱり海が綺麗です。素敵なお家になりましたね。」
母上 「ふふ、ありがとうございます。」
剣闘英雄「あー、こっちはおしめ換えなきゃならんな。ほれ、泣くな。」
女騎士 「あ、男の子w 顔はやっぱり貴方によく似ていますねw」
剣闘英雄「オレはこんなに無垢なツラかね?www」
女支配人「さあ?」
250:
剣闘英雄「その子は名は何と言うんだ?」
女騎士 「ミノテと言います。」
剣闘英雄「うむ。お前にはさっぱり似ていないな。」
女騎士 「なぜです?」
女支配人「ミノタウロスの子が似てるわけ無いし? そういうこと言うから無神経って――」
剣闘英雄「あー、わーったわった。気をつけるさ。」
母上 「赤ちゃんたちのミルクついでに、みなさんもホットミルク、いかがです?」
女支配人「あ、嬉しいです。お乳出るようになるかも。」
剣闘英雄「牛乳飲んで母乳が出るのかね? 牛乳のまま飲ませたほうが、目減りしなくて良さそうだが?」
女支配人「目減りって、もう〜」
女騎士 「あ、母乳飲ませてあげてるのですか?」
女支配人「そうしたいとこだけど、そんなにいっぱい出てくれなくて。この子バカみたいに飲むんだもの。」
母上 「あらあらw」
251:
女支配人「女騎士さん、あなたは?」
女騎士 「ええっ!? あたし出ませんよ!? 母乳出るわけ無いですっ」
女支配人「全然? おっぱいあたしよりはありそうなのにねえ?」
女騎士 「いやいやいや! 大きさの問題じゃないですよ!?」
剣闘英雄「そういうものなのか?」
女支配人「うーん、赤ちゃん産んだら誰もがお乳出るとは限らないのかしら?」
女騎士 「あの…? あたしまだ産んだ経験ないん…です…けど…?」
二人 「??」
母上 「ああ、ごめんなさいね。ミノテは私の子ですw」
二人 「Oh...」
女騎士 「あはははは...」(^^;
252:
剣闘英雄「てことはあれだ、あの牛魔王のせがれだ。」
母上 「はい。四人目の子になります。」
剣闘英雄「そう聞くと、急に血が騒ぐんだなこれが。」
女騎士 「ミノタも牛魔王の息子ですよ? この子はミノタの兄弟になります。」
剣闘英雄「そう言えばそうだったな。だがありゃだめだ、怪物感が足りない。調子狂う。」
女騎士 「ええ、本人は凶暴で残虐無慈悲な怪物のつもりみたいですけどねw」
女支配人「ねえ、あなたとミノタの子はいつ頃?」
女騎士 「え"っ…!? えーと…ですね…」
母上 「あらー、私もそろそろ孫の顔が見たいですわーw」
女騎士 「お、お子さん生まれたばかりの人が言う台詞じゃないですw」
剣闘英雄「以前、純潔と肉体の美を誇れと言ったが、愛する男がいるなら全く構わないのだぞ?
  母性的女体の美しさも、また賛美されるものだ。」
女支配人「ちょっと、女の子に御高説垂れるのやめなさいよ。デリカシーの欠片もないんだから。」
女騎士 「あはははは...」(^^;
253:
(クレータ自治領・ネオラビュリントス・牛魔温泉)
  カポーン..
牛魔王 「…」
剣闘英雄「…」
牛魔王 「フシュッ」
剣闘英雄「…」
牛魔王 「何の用だ」
剣闘英雄「貴様のシケた面を笑いに。」
牛魔王 「ウゼぇ」
剣闘英雄「 m9(^Д^)プギャーwww 」
牛魔王 「フン。シケもする。このように手負い、なお生き恥を晒すとは…」
剣闘英雄「正直、しぶてぇ」
254:
牛魔王 「三途の川を渡ろうというのに家族ども、寄ってたかって邪魔をしおった…
  耳が潰れるほど大声でわめく、心臓吐き出すほど殴る、あげくに高圧電撃の荒療治。
  …殺されるかと思ったわ。」
剣闘英雄「貴様からジョークが聞けるとは、長生きはするものだな。傷は深いか。」
牛魔王 「遺憾だが、魔戦斧無双乱舞などもう叶わぬ」
剣闘英雄「…そうか。」
牛魔王 「…」
剣闘英雄「オレももう、そいつに対抗などできそうにない。」
牛魔王 「フッ…臆したか」
剣闘英雄「何とでも言え。ガキが出来て、簡単には死ねなくなった。
  いや…死にたくなくなった。戻るところが出来てしまった。」
牛魔王 「そうか」
剣闘英雄「勇者テーセウスの申し子として、貴様との"神々の黄昏"だけを望み、生きてきたはずだったが…。
  神々と違い、生きていると垢だの苔だのが付くものだ。」
255:
  カポーン..
剣闘英雄「…妻と言ったか? あの女、幸せそうだ。」
牛魔王 「この安住の地をあれに与えることができたのは、貴様の口添えあっての事だ。
  …礼を言わねばならないのか?」
剣闘英雄「いるかっ。二百九十九勝の、給金の代わりだ。」
牛魔王 「…フン」
剣闘英雄「当分の間、牛魔王には滅んでいて貰わねばならない。
  この剣闘士英雄さまが退治し、世界に平和が戻ったのだからな。そういうことにしておけ。」
牛魔王 「くだらん」
剣闘英雄「…人は簡単には変わらん。あれだけの大惨事がありながら、あの狂乱の舞台は終わらん。」
剣闘英雄「そしてオレの女も、帝国が帝国である限り踊り狂う。せいぜい付き合うさ…。」
牛魔王 「貴様のような本能だけの男が、何をぬけぬけと…」
256:
剣闘英雄「貴様こそ、怪物らしく本能のままにただ女を奪い貪っていればいいものを。」
牛魔王 「奪い貪って、満足できなかった。それだけだ。」
剣闘英雄「 『奪い、殺すことだけが力の誇示にあらず。
  与え、生かすことこそ、真の強者、真の支配者の力と知れ』 」
剣闘英雄「この地を征服した大帝の言葉だったか。」
牛魔王 「…フシュッ」
剣闘英雄「一つ言わせてもらう」
牛魔王 「何だ」
剣闘英雄「牛魔王、貴様はロリコンだ」
牛魔王 「合法だ。バカめ」
257:
(クレータ自治領・ツインカウベル一号店)
ドワーフ「うわははははは! こりゃめでてーべな! うわははははは!」
コボルト「おーよ! 今日はあっしの驕りでサァ! いくらでも飲んで食べて行ってくだせぇ!」
母上 「みなさん、今日は"ご主人さま"の為に、遠路はるばる起こしいただきました!
  ありがとうございます♪」
ドワーフ「コボルトよぉ! おめえこんな立派な店のオーナーだって!? 
  大したモンだなあ!? おめえは今や大物だ、VIPだ、わははは!」
コボルト「おっ、おーよっ! 開店祝いだっ! みんな盛大にやってくれっ!
  これはほんの足がかりよ! 今に帝国中に支店を展開して外食王でさぁ! ヌヘヘヘヘヘ!!」
ゴブリン「ひっひっ、犬もおだてりゃ空を飛ぶってね… ひっひっ」
258:
コボルト「お〜い、こっち生、持って来きてくれってんでぇ 足りないですぜ、ヌヘヘヘ!」
アらラ 「あららー♪ スープがおいひいれす〜 おかわりほひいれす〜♪」
女騎士 「は〜い、お待ちどおさま!」
闇エルフ「あら…カウベルのお嬢さん、エプロン姿も似合うじゃない…」
女騎士 「ありがとうございます♪ お肉もう少しで焼けますから待ってて下さいね。」
闇エルフ「カウベルはしないのかい…? 大切に飼われてますぅ〜って感じでかわいいのにさぁ…」
女騎士 「えっと… あれ付けるとなぜか主人が怪訝な顔するのです。」(^^;
アらラ 「語尾に"むぉ"って付ける女の子、あまり聞かないですからネw」
母上 「本人に自覚がないのは不思議ねぇw」
ミノタ 「みなさんお待ちどうむぉ。メインディッシュ、特製ソースのステーキむぉ〜」
女騎士 「白米つきでがっつり行きたい方には牛丼も追加できますよー。」
アらラ 「あららー♪ おいひほうれふ〜♪」
母上 「ほらほら、アらラちゃんそんなに頬張らないのw」
ゴブリン「ひっひっ、ミノタウロスがビーフステーキ焼くかね…ひっひっ」
259:
コボルト「支配人兼用心棒ってことで、ミノタさん夫婦を雇いやした!
  料理の腕は、ぁ〜まだこれからですがひとつ、こっちで商売の際にはお引き立てくだせぇ!」
ミノタ 「よろしくむぉ〜」
女騎士 「よろしくお願いいたしますね♪」
一同 「拍手〜っっ! パチパチパチ☆」
ドワーフ「用心棒っていえば、お嬢さんはミノタより強いんでねぇが? わはははは!」
闇エルフ「あの牛魔王の必殺の一撃を受けて生き残ったのはアンタと剣闘士英雄だけだったってねえ…」
アらラ 「連邦の機動戦士くらい頑丈ですネ」
ミノタ 「嫁がガ○ダムだ」
女騎士 「化物や痛い子みたいに言うのやめてね?」
260:
コボルト「コロシアイ?殺シアム?…だかなんだか、盛大にブッつぶれちまって、
  闇エルフぁ商売干上がっちまったんじゃねーか?」
闇エルフ「あたしにゃもう関係ないサ…人買いやめちまった。無理に稼ぐ必要なくなった…。」
ドワーフ「こいつな、稼いだ金をアヘーン窟に貢ぐのやめちまったでねぇか。
  代わりに男んとこ転がり込んでる。わはははは!」
アらラ 「あららー♪ アヘーン中毒さん卒業できたのですね、良かったですぅ♪」
闇エルフ「アらラちゃん…アンタ、ホントいい人紹介してくれた…。カレ、ステキじゃないかい…
  もぅ骨の髄まで蕩けさせてくれてサ…毎日ヘヴンでそのうち本当に昇天しちまうかねぇ…あは…」
母上 「変わらすラリってるようで何よりですわwww」
コボルト「…。ナニされてるか知らねーけど、大丈夫なんですかい…」
闇エルフ「たぶん手遅れ…? アタシこんなん産ませられちまったんだけどサ…?」 コロン
アらラ 「あららー、卵ですぅ。」
ドワーフ「わはははは! こりゃケッサクだ! 出来ちまってるでねぇか! わはははは!」
コボルト「あちゃ〜っ 言わんこっちゃねぇ…」
ゴブリン「ひっひっ、何日も帰らないと思えばガキ産み付けられてたか… ひっひっ」
261:
母上 「温める…のでしょうか?」
闇エルフ「彼に聞いてもサ、何言ってるかよく判らないのよ…。冷やさないようにはしてるんだけどサ…」
アらラ 「あららー? そういえばポチさんはお話できませんでしたねー。」
ミノタ 「中身はなんだこりゃ」
女騎士 「知らないほうがいいわ。」(^^;
闇エルフ「どんな子が出てくるのかねえ…ちょっと楽しみねえ…人生ちょっとだけ楽しくなってきたねぇ…」
ミノタ 「ベビーブームむぉ?」
女騎士 「あははは…」(^^;
262:
(クレータ自治領・ツインカウベル一号店)
女聖騎士「おいなんだよこの色気のねぇ店は!? あぁ!?」
女騎士 「あっ!? 痴女…じゃなかった、女聖騎士さん!?」
女聖騎士「ホストの一人も置いてねえとは、濡れねぇ店だな、おいwww」
女騎士 「いえあの… お食事のお店ですので(^^;」
勇者D 「ちぇーす! おひさー!」
賢者Q 「まったく、マーケティングをまともにすれば、このような辺境に店を出すなど――」
剣士N 「女騎士ちゃん、ごめん、待った? 寂しかった?」
老兵士 「元気でやっとるようじゃの。」
女騎士 「ハーケンヤヴァイスのみなさんっ お久しぶりです!」
女聖騎士「おう、この女騎士ぁな、アタシにでーっかい借りがあんのよ〜
  だからアタシの言う事には逆らえねぇ…そうだな? あぁ?」
女騎士 「えっ!? あっ、はい! ええ、その…何でも言って下さい…ませ…?」
女聖騎士「じゃー決まりだ! 今日はこいつらにシコタマ馳走してやってくれよ、いいだろ!?」
女騎士 「はいっ、喜んでっ! みなさん席へどうぞ♪」
263:
女聖騎士「こいつらチーム結成一周年記念だってよ! 浮かれてやがるぜ。」
女騎士 「アクションイベントで大活躍だそうですね! 新聞にも出てましたっ」
四人 「派遣戦隊ハーケンヤヴァイス!! イエーッ!!」 ザザッ!
女聖騎士「何度見てもバカみてぇだwww」
老兵士 「もう傭兵家業ともおさらばじゃ。今度、帝都コロッセオの演劇の舞台にも上がるのじゃよ。
  あの決戦での戦いぶりがウケたようでな、捕らわれの姫君を救出する四英雄の主演にとか。」
勇者D 「これも女騎士っちのおかげっすー!」
賢者Q 「我々は勝手に貴女を勝利の女神とすることに決めました。」
剣士N 「ボクがキミを守る番だねっ」
女騎士 「ぐしゅっ…ああ、みなさん生き残られて本当に良かったですっ」
女聖騎士「また泣いてるぜ…、涙は女の武器ってぇゆーが、ここまでくるとごり押しってんだwww」
264:
ミノタ 「むぉ!? で、出たな! 痴女め!」
女聖騎士「あぁ!? ご挨拶だなビーフ野郎っ ちったぁおっ勃つようになったか? あぁ!?」
ミノタ 「あいかわらず品位レベルが底突いてるむぉ〜」
女聖騎士「そーだ思い出した、アタシはてめーらに挑戦状を叩きつけに来たんだったぜ!」
女騎士 「え? その…争いは皇帝陛下に怒られると…」
女聖騎士「そんなんじゃねえよ、アタシは女王になったんだ、オークの女王にな! ひゃははは!」
ミノタ 「ブフォッ!?」
女聖騎士「名づけて、オークキングダム! どーだ? 目障りだろう? くやしいかビーフ野郎www」
ミノタ 「ちょーウゼぇむぉ〜!(怒)」
女騎士 「王国って!? ど、どこで!?」
265:
女聖騎士「バカっ広い枢機卿の私有地のど真ん中だよ! 奴の別荘の豪邸がアタシの城!」
女騎士 「ええっ!? どうしてそんな事にっ!?」
女聖騎士「掴んだのさ、がっっつりと! 奴のキ○◇マをなぁ!」
女騎士 「意味がわからない」(^^;
ミノタ 「枢機卿の奴、大変な痴女に弱みを握られたむぉ。終わってるむぉ」
女聖騎士「オークどもを統べるのに、さすがにアタシ一人じゃ足りないんだ。だから募集してる。」
女聖騎士「 "女騎士"よ集え! 三色チ○コ突きの孔待遇が待っている! 」
女騎士 「その求人内容、全くおかしいです!」 (--;
女聖騎士「今にオークだらけにしてやるぞ!
  てめーらミノタウロスの出番なんぞ無くなって、全ての物語はオーク一色! ひゃははは!!」
ミノタ 「痴女の国むぉ〜(汗)」
女騎士 「そうはさせないわ! あたしたちだって負けないんだから! 今にミノタウロスだらけに――」
女聖騎士「精々、毎晩励むがいい! だが絶倫の誉れ高いこのアタシに敵うかな!? うひゃひゃwww」
ミノタ 「お姉さん、ここ張り合う所じゃないむぉ〜」
女騎士 「えっ? あっ…! そ、そうですね…」 (///;
266:
(クレータ自治領・ネオラビュリントス・牛魔温泉)
アらラ  チョポチョポチョポ..
コボルト「…」
牛魔王 「…」
コボルト「誰か来てたんで?」
牛魔王 「フン」
コボルト「スンスン…まあ、いいス…」
コボルト「…あっしは、少し旅に出ようと思いやす。」
牛魔王 「…フン」
コボルト「お頭が戻って、ダンナの開店が一段落した今、あっしの役割は終わったんで…」
267:
牛魔王 「…お前の役割とは何だ」
コボルト「…。ただの犬でさ。」
牛魔王 「あれは、そうは思っていないようだ」
コボルト「…あっしは母上さまに…その…なんというか…」
コボルト「一度ヘマやらかしやしてね…死んだと思い込んだんでサ。そん時ぁ、今生の別れにと思って…
  あっしの女にして囲っていたかったと、腹ん中の欲望をぶちまけたんで…」
牛魔王 「フ…」
コボルト「…今となっちゃあ、立つ瀬がねぇ。あっしは去りやす。」
牛魔王 「我とあれが媾う、その近くにいるのが辛いか。」
コボルト「そんなことはねぇです。あっしは母上さまが幸せそうな顔しているなら、落ち着くんでさ…。
  お頭に戻っていただけたんで、安心して出られやす。」
牛魔王 「…あれは、お前を"家族"と言ったぞ。」
コボルト「……。また母上さまもお人が悪い…」
牛魔王 「我の留守の間、確かにお前は、あれを支える一人だった。」
コボルト「いえ…新聞と牛乳届けて、時々使いを頼まれて、時々飯を馳走になって、
  世間話なんかして、それだけでさ。」
268:
アらラ  チョポチョポチョポ..
牛魔王 「女の尊厳も貞操も全て我が奪った為か、あれは人の女としては壊れておるところがあってな…
  己は支配者によって生かされ、己の全ての決定は支配者が為すもの…そう錯覚している。」
コボルト「ええ、その自覚があるとまで言われてやした。」
牛魔王 「人の本来の在り方ではない。支配者は在れど、自らの意志で生きるのが人だ。」
コボルト「母上さまが壊れているのは、何もお頭が踏みにじった所為ではないですぜ。
  そりゃ、女にとっちゃ、尊厳も貞操も何もかも怪物に明け渡すことに他ならなかったでしょうが、
  生を掴むために選んだ選択の結果に過ぎないんでサ。」
牛魔王 「だが、あれが望んだ事ではなかった。」
コボルト「そうなんですがね…」
269:
牛魔王 「あれには"家族"が必要なのだ。支え、支えられ、そうして立っているのが人だ。
  我という絶対の支配者に全てを委ねるあれは、人の本来の在り方ではない。」
コボルト「そうは言いますがね、もう、ミノタウロスの眷属であることを辞めるわけにいかんのですぜ?
  お頭に全て委ねてそれで幸せというなら、そいつが奴隷や家畜に等しいとしても
  それでいいんじゃねえですか?」
牛魔王 「人生を巻き戻すことは叶わん。だが、在るべき姿に近づけてやることは出来よう。」
牛魔王 「我の支配圏から出ようとせず迷宮に留まっていたあれが、我の姿を求め旅をした。
  自ら決断し家族を率いて…。人のあるべき姿だ。」
コボルト「母上さまが人として在る為に"家族"が要ると、そうおっしゃるんで?」
牛魔王 「そうだ。」
コボルト「その…、どうして母上さまにそこまで…?」
牛魔王 「王家一族によって奪われたものを、我が取り戻させてくれる。
  真の支配者たらんとする、その行き着く先の結論だ。」
コボルト「……。」
コボルト「あっしの旅は、そんなに長旅にはならんでしょう。すぐ戻るんでサ…」
270:
アらラ  チョポチョポチョポ..
コボルト「……で、どうしてアらラの嬢ちゃんは、裸で水瓶持った女神像のマネなんかしてるんでサ?」
アらラ 「あららー? バレちゃいましたかぁ アらラちゃん大失敗、てへ☆」
コボルト「てへ☆ じゃねーんでさ。漢同士の話を盗み聞きするもんじゃねーですぜ。」
アらラ 「あららー、母上さまとコボルトさんの関係が気になってたのですネ。」
コボルト「聞いた通りですぜ。まったく…」
コボルト「お頭、こやつどうしやす? お灸を据えやしょうか?」
アらラ 「あららー、反省してますので、折檻でしたらお手柔らかにお願いいたしますぅ…」
牛魔王 「任せる…」
271:
(クレータ自治領・ネオラビュリントス・牛魔温泉)
  カポーン..
女騎士 「あ、そういえば、水瓶の女神像が無くなってますね?」
母上 「ミノタが、迷宮内にも浴場作ると言って持って行ってしまいました。」
女騎士 「迷宮内にどうして浴場なんか要るのでしょう?」
母上 「迷宮に詰めてる要塞警護兵団…闘技場で魔王軍をやってた魔物たちですね、
  彼らから、不潔にしているとボスにぶっ殺される、風呂かせめて水浴びさせろと
  泣きつかれたそうです。あれでも主人はキレイ好きですから。」
272:
アらラ 「それでコボルトさん、ひどいんですよぉ。
  アらラちゃんを裸のまま吊るして、莠で足の裏を撫で回すんです。恥ずかしかったですぅ」
女騎士 「その…なんでしょう、えっちなのか楽しそうなのか…(^^;」
アらラ 「足の裏があんなにくすぐったいとは初めて知りましたですぅ」
母上 「アらラちゃんは、もうすっかり女の子さんですねwww」
アらラ 「あららー? アらラちゃんは植物なので、女の子は当てはまらないですのネ」
母上 「裸でくすぐられて恥ずかしいなんて思う植物、おかしくないかしら?」
アらラ 「あららー? ええっ…? はううぅ!? あらららら〜!?」
女騎士 「コボルトさん、そのことを気付かせてくれたんじゃないですか? くすくす」
母上 「あの方は、いろいろ見ててなんでもお見通しですわ。」
アらラ 「アらラちゃんは、もうアルラウネでいてはいけないのでしょうか…?」 ウルウル
母上 「アルラウネでもそうでなくても、植物でも女の子でも、アらラちゃんは私達の"家族"ですから、
  何も気にすることはないのですw」
女騎士 「あたしも家族です。アらラさんのお姉さんなのか妹なのかさえ判らないけどw」
アらラ 「あららー♪ とっても嬉しいですぅ♪ 母上さまも騎士さまも大好きですぅ♪」 ギュギュギュッ
女騎士 「わはwww ちょっwww そんなに絞めたら苦しいですwww」
母上 「ほらほらっwww レディはお風呂で騒がないのっwww」
273:
  カポーン..
母上 「そろそろ上がりましょう。ミノタの誕生日なので、今夜はご馳走です♪」
女騎士 「あ、先に上がって下さい。あたしもう少し――」 パシャ..
アらラ 「あららー? 騎士さま、えらく念入りに身体洗うのですねー?」
女騎士 「え"っ…!?」 ピクッ
アらラ 「あらら〜っ そうですかぁ、そういうコトですかぁ〜」 ニマー
女騎士 「そそ、そういうコトって、な、なんのコトでしょうねっ!?」 タジタジ
母上 「あら? そうですのねw 騎士どのはすぐ顔に出ます。かわいい♪」
アらラ 「ではこのアらラちゃんが、騎士さまの身体の隅々から奥の奥まで、どこまでも完っ璧に
  キレイにして差し上げますですぅ〜!!」 ザワワワワワーッ!
女騎士 「ちょちょっ!? いえ、いいですってっ! 自分でするので…あっ、きゃあっ!?」 ジタバタ
アらラ 「あららー♪ ミノタさんの誕生日の贈り物に、乙女を捧げちゃおうなんて、
  騎士さま大胆ですぅ、えっちですぅ〜♪ きゃ〜♪」 >ワ<
女騎士 「そそ、そういうんじゃ! ひゃんっ!? …ないってばっ、…ああんらめえぇぇ〜!」
母上 「これはちょっとした予行練習ですね? くすw」
274:
(エピローグ)
ミノタ 「灯り消したむぉ。」
女騎士 「やっと二人きりになれました。」
ミノタ 「明るい家族計画なのに、真っ暗むぉ」
女騎士 「えへへ…さっ、さすがに恥ずかしいので、照明落として音声のみでお送りいたしますw」
ミノタ 「音声というか、文字だけむぉ」
275:
女騎士 「新天地への移住はけっこう大変でした。
  新しい迷宮は遺跡で廃墟でしたので、まず生活するためのお家建てるとこからでした。」
ミノタ 「掘建て小屋からまともな家にするまで、けっこうかかったむぉ〜。
  母上が眺めにこだわるから、建てる場所の土木工事から始めたむぉ」
女騎士 「剣闘士英雄夫妻が訪ねて来て、いい眺めだって誉めてくれましたよ。」
ミノタ 「温泉が豊富なのも良かったむぉ。海を眺めながらの露天風呂が、いい語らいの場になったむぉ」
女騎士 「父上さまと母上さまの傷の湯治にも良さそうってアらラさんが喜んでました。」
ミノタ 「第一話で話したとおり、牛丼レストラン始めたむぉ! 美味い牛乳も出すむぉ。」
女騎士 「赤ちゃん出来る前の身軽なうちに、お店の開店まで進めておきました。」
ミノタ 「仕入れはコボルトがいいルート手配してくれて助かったむぉ」
女騎士 「そんなわけであれやこれやで、家族計画どころでは無かったりしましたw」
276:
ミノタ 「でもどうして今日むぉ? ボクへのプレゼントなら、裸でリボンがセオリーむぉ〜?」
女騎士 「裸でリボンにして欲しかったですか? でも自分一人でリボン巻くの難しそうです。
  アらラちゃんに頼めば喜んで縛ってくれそうですが、恥ずかしくて頼めないです。」
ミノタ 「微妙にお姉さんのキャラじゃないからやっぱりいいむぉ」
女騎士 「実はですね、年齢的にその…拙かったといいますか…」
ミノタ 「お姉さん、もう16過ぎたむぉ? 前出た手配書にも(16)ってあったむぉ?」
女騎士 「あたしではないのです。ミノタさんの年齢が問題でした。帝国では16歳未満は犯罪です。
  不純異性交遊(笑)であたしが犯罪加害者って事になってしまいます。」
ミノタ 「ちょっ…、それ…何かが違うむぉ〜(汗)」
女騎士 「決まりですから? 年上としてそこはしっかりしないとね?」
277:
ミノタ 「やっと初夜むぉ! やっと読者待望エロシーンむぉ! 盛り上がってきたむぉ〜! フシュッ!」
女騎士 「はい。エロシーンですね。覚悟完了、かかってきなさいですっ」
ミノタ 「もうちょっと、艶っぽい言い方ないかむぉ? 読者納得しないむぉ?」
女騎士 「はい。濡れ場ですね。心構えはできておりますので、かかっておいでませ?」
ミノタ 「あんまり変わってないむぉ〜。むしろ変。」
女騎士 「これでも心の整理つけるまで、それなりに葛藤があったのですよ?
  痴女とか変態とか獣姦とかって言葉聞くたび、ブルーになりました。」
ミノタ 「獣姦異種姦嫌いむぉ?」
女騎士 「好きも嫌いもないですよ? したことないのだし。」
278:
ミノタ 「お姉さんには獣姦ってどういうイメージむぉ?」
女騎士 「どういうって…えーと、狂人の為せる業? 人のすることじゃないですねー。
  動物みたいに乱れ狂ってみたいとか? 不潔ですよね? 奈落の底まで堕ちた感じですね。
  無理矢理された場合でも、その動物とか化物と同じにまで堕される感じでしょうか?
  いずれの場合でもそんな穢れた女なんかもう人間扱いされない、みたいな。」
ミノタ 「うわー、これからしようってのに自分でそこまで言っちゃうむぉ?」
女騎士 「人間やめちゃう覚悟はできてますよ?」
ミノタ 「それ、母上には聞かせられないむぉ〜」
女騎士 「母上さんはそういう蔑みの目や侮蔑の言葉を愉しめる特異な方で羨ましいです。」
ミノタ 「暗に変態だから構わないと言ってるむぉ〜」
女騎士 「あたしも"女騎士"の端くれですから? 痴女でも変態でもビッチでもどうとでも!」
ミノタ 「そういうのをヤケっぱちと言うむぉ〜」
279:
女騎士 「そもそも、選りに選って頭が牛さんの貴方を好きになってしまったあたし自身、
  果たして正気なのか疑わしくすらあります。ああ、恋の病って精神疾患ですね。」
ミノタ 「お姉さん、ボクに噛み付くのやめるむぉ〜(泣)」
女騎士 「何言ってるのですか、惚れさせた貴方が悪いんですよ? ここまで堕ちた責任取ってくださいね?」
ミノタ 「嬉しいんだけど、素直に喜んでいいものなのか悩むぉ〜」
女騎士 「先ほどからいい具合にミノタさんが"ツッコミ"ですね?」
ミノタ 「お姉さん、さっきから挑発的むぉ。」
女騎士 「いくらボケにツッコんでも赤ちゃんできませんよ?」
ミノタ 「お姉さん、最初の頃の慎ましさが消息を絶ったむぉ?」
280:
女騎士 「実は少々焦っています。残り文字数が少なくなってしまいました。」
ミノタ 「どういうことむぉ!?」
女騎士 「筆者の残りの気力です。しかたないので巻きで行きましょう三十倍!」
ミノタ 「ちょっwww三十倍ってwwwそれなんて界王拳www」
女騎士 「やさしくしてくださいねあっんっうふはむっああくふあんひゃんあはんああんああもっとはぁ
  いやはずかしいですあみないではぁんらめぇふああなめないであやだぬれせん…ってあれ?」
女騎士 「ミノタさん何してるんですか、もう始まってるのにまだ脱いでないんじゃないですか?」
ミノタ 「そんなルパンダイブ的瞬間芸を要求されても困るむぉ〜www」
女騎士 「あたしにばかり脱がさせてひどいです。もう脱ぐもの何も残って無いです。アガリです。」
ミノタ 「お姉さんもう全裸むぉ!? 蒸着…というか蒸脱?」
女騎士 「そんな昭和くさいネタ知りませんっ」
ミノタ 「ついにツッコむ側まで取られたむぉ。もうだめぽ。」
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