魔王「今日一日魔王になりたい?」back

魔王「今日一日魔王になりたい?」


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1:
魔王城・魔王の間
側近「はい。今日一日私に魔王様の代わりをさせていただきたいのです」
魔王「そうか。でもなぜ突然そんなことを」
側近「先代魔王様の頃よりこの城でお仕えしておりますが、私も昔はやんちゃしていたのです」
魔王「そうなのか。とてもそうは見えないが」
側近「今は丸くなりましたからね。それまで負け知らずだった私を倒し、自分の部下になるよう誘ってくださったのが先代魔王様なのです」
魔王「なるほど、酔った父にそのような話を聞かされたことがあるかもしれん」
元スレ
魔王「今日一日魔王になりたい?」
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2:
側近「私も昔は自分が魔王になってやろうと息巻いていましてね。せめて気分だけでも味わいたいと思いまして」
魔王「しかし、なにも今日でなくともいいだろう。そういうのは誕生日とかにするものだ」
側近「いえね。私ももう歳でして、自分の寿命が近いことも分かるのです。せめてまだ元気なうちにやっておきたいのです」
魔王「ぐ……歳のことを言われるときついな。いいだろう、今日一日私の代わりに魔王を務めるといい」
側近「ありがとうございます魔王様。では早……。おお! やはり魔王の椅子はふかふかですな!」
魔王「ははは、それはよかったな。で、私は今日一日側近をやればいいのでしょうか魔王様?」
側近「いえいえ滅相もございません! 魔王様は散策にでも行かれてはどうですかな? ちょうど花が咲いている頃でございましょう」
魔王「そうだな、私は散歩でもしているよ。では今日一日頼んだぞ。……まあ特にすることもないだろうが」
3:
側近「どうぞごゆっくり。……さて、行かれたか。黒騎士よ、あとは頼んだぞ」
黒騎士「本当によろしいのですか? 側近殿」
側近「魔王様には怒られてしまうだろうな。だが、魔王様をお守りすることは先代魔王様より命ぜられし使命なのだ。果たさない訳にはいくまい」
黒騎士「側近殿も含めて我々で逃げるという選択肢は無いのですか?」
側近「もはや逃げる場所などないだろう。きっとやつはどこまでも追ってくるさ。それが勇者というものだ」
黒騎士「そうですか……」
側近「なに、もしかすると私でも勇者に勝てるかもしれんぞ?」
黒騎士「…………」
側近「ははは、あきれて何も言えぬか」
黒騎士「そのようなことは」
側近「いやいや、分かっているさ。さて、ではそろそろ魔王様の所へ行ってくれ。もうじき勇者が来る頃だ」
黒騎士「分かりました。どうかお気をつけて」
側近「さて、そろそろ姿を変えておくかな……」
4:
魔王城・庭園
魔王「まったく、側近はいったいどうしたのだろうか。それにしてもここの花は美しいな」
黒騎士「人間界の花でございますからね。私は魔界の花も好きなのですが、魔王様は違うのでしょうか?」
魔王「おお、黒騎士か。いや、魔界の花も好きは好きだがあちらは何というか……」
黒騎士「そうですね。繊細な人間界の花に対して魔界の花は力強いといった感じですからね」
魔王「そうそう、そうなんだ。しかし、人間界の花がよく育っているものだ」
黒騎士「この庭園は魔界の魔力を通さないようになっております。人間界の花はここの魔力に弱いので」
魔王「しかも、人間界の土を使っているのだろう? いったい誰がこの庭園を造ったのだろうな」
黒騎士「私がここにお仕えするときにはすでに」
魔王「そうなのか。ああ、そういえば聞いてくれ。さっき側近がな――」
5:
魔王城・魔王の間
側近「さて、そろそろ――」
戦士「見つけたぞ魔王! 成敗してくれる!」
勇者「待て戦士! まずは話し合いをだな――」
戦士「でも! こいつをを倒せば全部終わりなんだろ? だったら――」
勇者「だから! ……ああ、もういい。僧侶、頼む」
僧侶「りょうかーい」
戦士「いてっ」
6:
勇者「おい、もう落ち着いたか?」
戦士「落ち着いたけどよー。何も殴ることは――」
勇者「で、魔法使い。どうだ?」
魔法使い「違う、と思う。魔力もそこまで大きくないし。でもこの姿は……」
勇者「そうか……。さて、どうするか」
戦士「無視すんなよ!」
勇者「僧侶」
僧侶「二発目行っとくー?」
戦士「ごめん、黙るよ。だからもう殴らないでくれ」
7:
側近「さて、コントは終わったかな?」
勇者「いや、コントじゃないんだが……。まあいいや。本当にお前が魔王なんだな?」
側近「いかにも。我が魔王である」
勇者「そうか。では、お前が魔物を操り人間界を襲わせているのか?」
側近「その通りだ。世界を我がものとするためにまずは人間どもを支配してやるのだ」
勇者「分かった……。じゃあ、お前を止めないといけないな」
戦士「よっしゃ! 攻撃は俺に任せろ!」
勇者「いや、まずは俺一人にやらせてくれ」
8:
戦士「なんでだよ! 魔王は俺たちが束になっても勝てるかどうか分かんないんじゃなかったか? なのに――」
僧侶「何か、考えがあるんだね?」
勇者「ああ」
僧侶「じゃあ、私はこの馬鹿抑えてよっかなー? 魔法使いちゃんもそれでいいよね?」
魔法使い「うん。私は勇者を信じてるから」
戦士「だからどうし――むぐぐ……」
僧侶「はいはい黙ろうねー」
勇者「では行くぞ。魔王!」
側近「来い!」
9:
魔王城・庭園
魔王「さっき側近がな? 魔王になりたいと言い出してな」
黒騎士「なんと! まさか謀反を」
魔王「いや、一度くらい魔王を体験したいとかなんとか」
黒騎士「そうでしたか。もし謀反でしたらすぐにでも側近殿を討たねばならないところでした」
魔王「それは困るな。側近がいないと話し相手がいなくなってしまう。黒騎士は城の警備もあるしな」
黒騎士「今は物騒ですしね」
魔王「そうだな。それにしても側近はなぜあんなことを言い出したのだろうな?」
黒騎士「さあ、私にも分かりません」
10:
魔王「そうか。しかし本当に知らないのか? 最近側近と何か話しているようではないか」
黒騎士「私たちにもいろいろとあるのでございます」
魔王「この私に隠し事か」
黒騎士「そういうわけでは……」
魔王「さっきからな、胸騒ぎがしていてな。あの時と同じなんだ。父上が亡くなられた時と」
黒騎士「魔王様……」
魔王「頼む! 隠し事があるなら教えてくれ! 何かあってからでは遅いんだ!」
黒騎士「分かりました……。まだ間に合うかもしれません。魔王の間へ行きましょう!」
11:
魔王城・魔王の間
側近「はぁ……はぁ……」
勇者「どうした魔王。息が上がっているぞ?」
側近「…………」
魔法使い「勇者! 城内に大きな魔力が二つ現れた!」
勇者「そうか。ではやはりこいつは偽物か」
側近「ばれてしまったか。ならもうこの姿でいる必要は無いな」
僧侶「なんかちっこいねー」
戦士「いや、見た目で判断しちゃだめだ。……でもなんか弱そうだな」
側近「ふふふ。あまりなめない方がいいぞ?」
12:
勇者「これは……結界か!」
側近「私はこういうのが得意なのでね」
勇者「俺たちを足止めする気か」
側近「さあ、魔王様。どうか今のうちにお逃げください」
魔法使い「ねえ勇者。逃げるどころかこっちに向かって来てるよ」
側近「なんだと!? 結界に魔力を回していて感知できないが……。そうか、そうやって結界を解かせる気だな! その手には――」
魔王「側近! まだ生きているのか!?」
黒騎士「側近殿! ご無事ですか!?」
魔王「勇者たちは私が引き受ける! お前は側近を!」
黒騎士「分かりました!」
側近「なぜ来たのです! どうかお逃げください!」
13:
戦士「おっ、結界が解けた!」
側近「しまった!」
黒騎士「側近殿! こちらへ!」
戦士「行かせるか――」
勇者「ほっとけ! 目的は魔王だ!」
魔王「よくも側近を……! 地獄の炎よ、勇者共を焼き尽くせ!」
勇者「くっ……さすがは魔王といったところか。よし! 僧侶あれやってくれ!」
14:
僧侶「りょーかいっ! 食べちゃっていいよ、魔食の杖!」
魔王「なんだこれは……力が抜けていく……」
側近「あの杖はまさか! 封印されていたはずでは……」
僧侶「封印解いちゃった。ごめんねー」
戦士「くそっ……力が入らねえ……」
魔法使い「けっこうきついかも……」
黒騎士「魔王様……今助けに……」
勇者「うわ、かなりやばいなこれ。僧侶、もう止めてくれ」
15:
僧侶「もう止まってるよ。お腹いっぱいになったみたい。それにしても勇者ずるいよー。一人だけ平気なんて」
勇者「まあ勇者だからな。色々と加護があるんだよ。ほら、魔力渡すから側近の回復頼む」
僧侶「りょうかーい」
側近「回復だと? 何のつもりだ」
僧侶「傷ついている者を癒やすのが僧侶の役目だからねー。ただそれだけのことだよ」
勇者「さて、じゃあ話し合いを始めさせてもらおうかな」
魔王「話し合い、だと?」
16:
勇者「ああ。ただ、偽魔王が戦う気まんまんだったからちょっと戦っただけだ」
魔王「そうか。だが話とはなんだ? 降伏しろとでも言うのか?」
勇者「いや、そうじゃない。まずはお前に聞きたいことがある」
魔王「もう抵抗もできぬ。どんなことでも答えてやろう」
勇者「お前は本当に魔王なのか?」
魔王「それは……どういう意味だ?」
勇者「そうだな、言い方を変えよう。今この魔界を支配しているのはお前なのか?」
魔王「それは、違う。ああ、そうさ。私には魔王を名乗る資格などない」
側近「そんなことはありません! 魔王様こそが正当なる――」
魔王「いいんだ! 魔界では力こそ全て。力なき私には魔王など務まらぬのだ」
17:
勇者「そんなことないぜ? 今まで何人もの魔王と戦って来たがそいつらより強いよ、お前は」
魔王「何人もの魔王か……。やはり魔界はそこまで荒れていたか」
勇者「俺たちは国王から魔界の調査を頼まれたんだ。魔王討伐はついでだ」
魔王「なぜそんなことを」
勇者「今でこそ魔物が人間界を襲っているが、それは百年ほど前に始まったらしい。それ以前は人間界と魔界で交流もあったらしい。で、国王は何かあったと考えた訳だ」
魔王「百年前か……。ちょうど父が亡くなった頃だろうか」
勇者「父上というと先代の魔王か。いったい何があったんだ?」
18:
側近「それは私が話そう。よろしいでしょうか、魔王様」
魔王「ああ、私はまだ幼かったからな。ほとんど覚えていないんだ」
側近「あの日のことは今でもはっきりと覚えておる。魔王城で人間界の国王たちを招いてのパーティーが開かれたのだ。勇者が言った通り魔界と人間界で交流があった。そこまで盛んではなかったがな」
戦士「今じゃ考えられないぜ」
側近「そして、パーティーも終わろうとしていたときに城に火が放たれたのだ。私は黒騎士と共にまだ幼い魔王様を連れて城から逃げ出した」
勇者「犯人は誰だったんだ?」
側近「さあな。犯人が人間だったのか魔物だったのかそれも分からぬのだ。だが、誰が犯人だったにせよ、再び城に戻った時には全てが終わっていた」
魔法使い「あの魔王様が……。考えられない」
側近「魔法使いと言ったか? お主はいったい……」
19:
勇者「ああ、こいつはエルフなんだ。旅の途中で仲間になったんだ」
側近「そうか、エルフか。それならば先代魔王様の強さは知っておろう。だが、どんな手を使ったか魔王様はすでに亡くなられていた」
黒騎士「私があの時残っていれば……。いや、あの魔王様が倒されたのだ。きっと私には何も……」
勇者「なんか暗くなってしまったな」
僧侶「まあこんな話したらねー」
勇者「よし。じゃあ本題に入るか」
魔王「本題?」
勇者「俺がお前を魔王にしてやる!」
魔王「………………は?」
20:
勇者「いや、ここは喜ぶとこだろ? とにかくさ、俺たちと来いよ」
魔王「待て待て。話がみえないんだが?」
勇者「先代魔王はこの魔界を支配してたんだろ? だからお前もこの魔界を支配すればいいんだよ。手始めにそこらで暴れてる魔物を懲らしめに行こうぜ」
魔王「…………ははは」
勇者「いや、なんで笑うんだよ」
魔王「すまない……くく、あははははははっ!」
黒騎士「魔王様があのような笑顔を」
側近「ああ、いつぶりだろうな」
21:
魔王「そうだ。何を引きこもっていたんだ私は! また支配し直せばいいんじゃないか! まったくこんなことにも気づかぬとは」
勇者「やれやれ、笑ったり叫んだり忙しいな。それで、一緒に来るか?」
魔王「もちろんだ! 勇者よ、私と共に魔界を支配しようではないか!」
勇者「いやいや、それじゃあ俺も魔王みたいじゃないか!」
側近「それでは魔王様。城は我々が守っていますので」
黒騎士「どうかお気をつけて」
魔王「何を言っておるのだ二人とも! 当然お前たちも付いてくるのだ! 主人の側におらずしてなにが側近か! なにが騎士か!」
勇者「いや、何を勝手に……。まあいいけど」
戦士「ん? もう戦わなくていいのか?」
僧侶「ほんとに馬鹿ねー戦士は。それにしても魔王ちゃんねぇ。すごいかわいいし強力なライバル出現なんじゃない? ね、魔法使いちゃん?」
魔法使い「……へ? ラ、ライバルってべべ別に私は勇者のことは!」
僧侶「誰も恋のライバルなんて言ってないけどな―」
魔法使い「……僧侶のいじわるーっ!」
22:
魔王「さて、魔界は広いぞ! いますぐ出発するぞ勇者!」
勇者「なんでお前が仕切ってるんだよ魔王!」
おわり
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