モバP「輿水幸子……要チェックだな」back

モバP「輿水幸子……要チェックだな」


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1:
P「新人ランキングでトップテン入り! マイナー誌のコラムとはいえ、噂は俺も聞いたことがある」
P「活動地域も被ってるから、なかなかのライバルになりそうだ」
P「……ちょっと、聞いてますか」
ヘレン「聞いているわ。私には及ばない、そうよね?」
P「聞いてないでしょ」
2:
ヘレン「P、動揺し過ぎよ。それでも私のプロデューサー?」
P「あんたのプロデューサーだから、こうやって敵情に戦々恐々してるんですよ」
ヘレン「だとしたら、それは不手際ね」
P「は?」
ヘレン「彼女、幸子の瞳をご覧なさい」
P「瞳って……写真は綺麗に撮れてますけど」
ヘレン「世界を見ていないわ」
P「あんたに何が分かるんだよ!」
4:
ヘレン「世界を視野に入れてない者が、私の壁にはなりえない」
P「聞いてくださいよ」
ヘレン「よって、彼女に怯えるだけ、無駄ということ。分かったかしら?」
P「……はぁ、分かりましたよ。確かに、輿水さんとライブバトルするとは、決まってませんしね」
ヘレン「そうよ。怯えるのは、私のポテンシャルにだけ」
P「さっさとレッスンに行って、それを発揮してきてください」
ヘレン「ええ、今日も見せつけてしまうのね……ワールドクラスを」
P「早く行け」
5:
「幸子、今日の仕事はどうだった?」
輿水幸子「いつも通り、ボクがカワイイことを証明しましたよ!」
「そうか。それならいい」
幸子「ふふーん、褒めてくれても、ボクは構いませんけど?」
「よくやった。俺はまた、予定を立ててくる」
幸子「あ、ちょっと!?」
幸子「……ちぇっ」
6:
ヘレン「あなたはプロデューサーと、上手くいっていないようね」
幸子「だ、誰ですか。ここは関係者以外立ち入り禁止ですよ!」
ヘレン「ご存じのとおり、ヘレンよ。私が関係者では、ないとでも?」
幸子「いや、知りませんけど……関係者なんですか」
ヘレン「アイドルであれば、関係ないとは言えないわ」
幸子「あなたもアイドル! ふふーん、敵情視察ですか。まあ、ボクはカワイイから、警戒するのも」
ヘレン「いいえ。私は確かめにきただけ……あなたが、世界を見ているのか」
幸子「は? 世界?」
ヘレン「けど、分かったわ。あなたはやはり、私の壁になりえない」
P「なにやってんですか、あんた!?」
9:
P「レッスン抜け出して、なにをしてるかと思ったら……本当にすいません!」
幸子「い、いいですよ。ボクは寛容ですから!」
P「ありがとうございます。ほら、行きますよ」
ヘレン「幸子。あなたが見ているのは、見てほしいのは、世界じゃない。そうでしょう?」
P「アホなことを言ってないで、行きますよ!」
ヘレン「去り際の私は、背中に世界を……」
幸子(ボクが、見てほしい相手、見ている相手)
幸子「あの人は、なんであんなことを」
10:
P「もう、事務所に苦情が入ったら、どうするんですか」
ヘレン「私は世界レベルの相手を、放っておけなかっただけよ」
P「は? そりゃ、輿水さんは人気がありますけど」
ヘレン「実力もそうよ。私に並ぶ、いい瞳だった」
P「世界を見てない、とか言ったくせに」
ヘレン「そうね。彼女は世界を見ていない。惜しいわ」
P「なにが惜しいんだか……」
11:
幸子「プロデューサーさん」
「どうした、幸子」
幸子「ライブバトルをしたい、相手がいます」
「そうか」
幸子「確か……ヘレン、という人です」
「ヘレン? 聞いたことがないな」
幸子「それで、ボクが勝ったら、お願いがあります」
「ああ、なんだ?」
幸子「ボクが勝ったら、一緒に――」
12:
P「輿水幸子さんから、ライブバトルを挑まれました」
ヘレン「そう。奇遇ね」
P「あ、な、た、が! 妙な因縁をつけたからでしょう!?」
ヘレン「因縁……そうね。世界というのは、知らず知らず強者が集うもの」
P「煙に巻かないでください。ああ、もう、どうしてこうなるかなぁ……?」
ヘレン「P、私のプロデューサーなら」
P「これくらいで、動揺するな、でしょう? わかってますよ!」
P「勝ちますよ。ええ、世界レベルですもんね!?」
ヘレン「そう、私は世界レベルよ」
13:
P「レッスンはどうしたんですか」
ヘレン「ティータイムよ」
P「早く行け」
14:
P「レッスンは?」
ヘレン「シエスタよ」
P「行け」
15:
P「レッスン」
ヘレン「映画鑑賞よ」
P「取り繕え!」
16:
幸子「ヘレンさん、負けませんよ」
ヘレン「世界レベル同士、ファンタスティックなライブにしましょう」
幸子「ふぁ、ファンタ?」
ヘレン「幸子」
幸子「なんですか」
ヘレン「私はいつも、世界を見て、世界に見られているわ」
ヘレン「あなたどう? 何を見て、何に見られている?」
幸子「……ボクは」
ヘレン「それをライブで、私に見せてみなさい」
幸子「え、偉そうに。ふふーん、やってあげますよ!」
17:
幸子(――ふざけた人だと思ってたのに、なかなかやりますね)
幸子(特に、ダンスのキレは、ボクじゃかなわない)
幸子(それでも、ボクの方がカワイイんですよ!)
18:
P「マイペースなレッスンをしてたくせに、相変わらずのキレだな……」
P「けど、やっぱり輿水さんのほうが、総合的に勝ってる」
P「……ああ、もう、負けないでくれよ!」
P「俺はヘレンさんを、信じてるんですよ。マイペースさも、変な言動も」
P「全部に惚れて、プロデュースしてるんですから、勝ってくださいよっ!?」
19:
幸子(ヘレンさんのプロデューサー、すごく熱心に応援してる)
幸子(プロデューサーさんは……やっぱり、見てくれてない)
幸子(少し、うらやましいな)
幸子「……あっ!?」
キャー! 幸子ちゃん、大丈夫!?
怪我してないだろうな? 俺が守らなきゃ
幸子「大丈夫ですよ。ボクはカワイイから!」
ワァアアア!
幸子(集中、しないと)
20:
ヘレン「――ナイス、世界レベル」
幸子「ありがとうございます」
ヘレン「良いライブだったわ。あなたの迷いが、なければだけど」
幸子「……そうですね。ボクはプロデューサーさんを見てたけど、プロデューサーさんは、そうじゃなかった」
ヘレン「互いに向き合えば、私すら超えることができるわ。あなたなら、海の向こうへ」
幸子「ふふっ、そうですね。ヘレンさんとライブができて、良かったです」
ヘレン「次は負けないわ。私は世界を、背負っているのだから」
幸子「今度は、ボクのカワイさも、世界レベルですよっ!」
21:
P「俺の熱い応援を返せ!」
ヘレン「やはり、世界レベルの戦いには、Pも熱くならざるを得なかったのね」
P「担当アイドルのライブで、熱くならないわけないでしょ」
ヘレン「そうでなくちゃ、私のプロデューサーは務まらないわ」
P「本当、俺以外にはできそうにないですけど」
ヘレン「そうね。あなたの瞳は、いつも世界を映している。私に相応しい、瞳よ」
P「……ふんっ、ヘレンさんと付き合ってたら、自然とそうなりますよ!」
ヘレン「次は勝つわ」
P「当然です」
22:
幸子「ほら、プロデューサーさん。こっちですよ!」
「なんで俺が、買い物に付き合わなきゃ……」
幸子「約束だったじゃないですか。ボクと一緒に買い物なんて、滅多にできませんよ?」
「しかし、俺はこういうのに、慣れてなくて」
幸子「これから慣れていけば、いいんですよ」
「無茶苦茶だ!」
幸子「お互いのためですから。プロデューサーさんは、もっとボクを知るべきですっ」
「確かに、俺はお前をよく知らないが」
幸子「ほら、カワイイボクを、もっと見てください。プロデューサーさん!」
23:
P「輿水幸子……注目アイドルのランキングで、トップに食い込んだのか」
P「あのライブから、まだ数ヶ月だっていうのに、なんていう才能だ」
P「これは負けていられないな! ……ヘレンさん?」
ヘレン「P、これを見なさい」
P「な、なんですか、この怪しい雑誌……『週刊ワールドワイド』?」
P「このアイドルがダンサンブル、第一位――ヘレン」
ヘレン「世界の評価よ」
P「バカ言ってないで、さっさとレッスンに行け、ちきしょー!」
       おしまい
25:
(ヘレンに対して)なにこれ
26:
ヘレンさんは、小柄でスタイルがよくて、垂れ目がちょっとセクシーな、世界レベルの人
俺では世界レベルを書ききれなかった。指先がダンサンブルしなかった
読んでくれてあざました。依頼だしてくる
2

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