【生徒会役員共*】津田「ちょっと散歩」スズ「はぁ……一人で行くんだもんなぁ」back

【生徒会役員共*】津田「ちょっと散歩」スズ「はぁ……一人で行くんだもんなぁ」


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1:
1
スズ「…………はぁ……」
スズ(津田をひとりで行かせちゃって…私、どうして追いかけられないの?)
スズ(追いかけたい。追いかけなきゃ。)
スズ(でも今から追いかけるなんて、変に思われるよね…)
スズ(…ううん、せっかく星の砂を買ったんだもん。幸せを呼び込めるはず!)
スズ「迷わないで、勇気を出せ!私!」
タッタッタッ……
4:
02
津田「ん??気持ち良かった?!この島とも今日でお別れか…また来たいな…」
柳本「タカトシ遅いぞ!もう集合の時間過ぎてるっての」
津田「悪い悪い」
柳本「点呼でお前と萩村だけいなかったんだよ」
津田「え?萩村も?」
ネネ「津田君、スズちゃん知らないの?」
柳本「生徒会コンビで抜け出してたんじゃないのかぁ??」
津田「何言ってんだよ…オレはここのエントランスで別れて以来見てないなぁ…」
ムツミ「スズちゃんもちょっと前に出てったの見たよー!」
津田「あれ?オレのあとかな?会ってないけど… ま、携帯かけてみればいいじゃん」
trrrr…
ネネ「それがね…」
prrrr!! prrrr!!
ネネ「スズちゃんの荷物、全部そこにあるの…」
5:
03
スズ「またやってしまった…」
スズ(しかも携帯まで…。く…落ち着け私。こう いう時は誰かに道を訊こう)
スズ「……」
スズ(誰もいない…海しかない…)
スズ(どうしよう、不安になってきた…アイツどこいったのよ…)
スズ(そ、そうだ!海岸線に沿って歩けば港に戻れるはず!)
・・・・・・・・
ムツミ「トイレにもいないなぁ。やっぱり帰って来てないよ」
柳本「なんだ、また迷子か。容姿相応だなー」
ネネ「スズちゃんは子どもじゃないわ。しっかりしてるし、生○だってあるし」
柳本「す、すみません」
津田「…でもあの萩村が、同じミスをするとも思えないけどな」
柳本「おぉ、生徒会の信頼関係」
ムツミ「むー」
ネネ「じゃ、何か理由があってわざと行方を…?」
ムツミ「よし!みんなで探そう!大門先生ー!」
7:
04
大門「なに!?まだ萩村が集まらんのか」
ムツミ「そうなんです。それでみんなで探したくて」
大門「む、むぅー…」
道下・横島「どうしました?大門先生」
大門「萩村がまだ来てないそうで…」
道下「えっ、もう出航の時間ですよ!」
大門「そうなんです。乗り合いだから待ってくれんし…」
道下「帰りの飛行機にも乗れなくなりますね」
横島「…では、私が残りましょう。お二人は他の生徒を引率して行程をこなしてください」
大門「お一人で大丈夫ですか!?」
横島「ええ。むしろ二人で全員引率は大変でしょうけど、よろしくお願いします」
道下「はい!大門先生、ふたりでちからを合わせて頑張りましょう!」
大門「ハイッ」(テレテレ…)
横島(……イラッ)
8:
05
横島「そんなわけで津田!」
津田「は、はい!」
横島「あんたは信頼できる生徒会役員。一緒に残って萩村を探してくれない?」
津田「…もちろんです!」
横島「飛行機間に合わないかもしれないけど、 そっちは学校で何とかするから。大丈夫?」
津田「はい!」
横島「ついでに私と親睦深めよーぜ?」
津田「それはお断りします…」
ネネ「津田君、スズちゃんのことよろしくね」
津田「任せとけって。すぐ見つけて合流するよ」
ムツミ「ホントは私も残って探したいけど…」
津田「その気持ち、萩村が喜ぶよ。必ず見つけるから」
柳本「横島先生には気をつけろよ…」
津田「ああ…」
9:
06
横島「ほれ、地図。それから自転車も借りといたから」
津田「ありがとうございます」
横島「さて、どうやって探そうか?」
津田「二手に別れた方がいいですよね」
横島「そうね。それじゃ私は街中を見て回るから、アンタは海沿いを回ってちょうだい」
津田「了解です!先生、連絡先交換してもらっていいですか?」
横島「あら津田、積極的ね……夏、海、夕日……開放的に、なっちゃうわよねぇ?」
津田「非常時くらいちゃんとした方がいいなぁ」
10:
07
スズ「歩いても歩いても海しかない…人に会わない…」
スズ(何やってんだろ。柄にもなく感傷的になって、こんなことになって。みんなに迷惑かけて…)
スズ(これじゃホントに子どもじゃない!生徒会役員失格だわ!やっぱり油断しちゃダメよ私!)
スズ「…あんな風な気持ち、やっぱ私には合わないのかな」
・・・・・・・・
津田(どうしたんだろう萩村。まだ帰りたくなかった?そんな駄々っ子なわけないよな)
津田(萩村のことだから、きっと何か理由があるんだ。不満が溜まってた?…うーん…思い付かない…クラスで変わった様子はなかったと思う)
津田(もしかして生徒会に?…オレ、何かやらかした?…萩村にはいつも迷惑かけてばかりだからな…)
津田「よし、絶対に見つけるぞ!そして訊いてみよう!」
11:
08
スズ「はぁ…ここ何処よ…」
スズ(…大体アイツ!そりゃすぐついてかなかった私も悪いけど、散歩するなら誘いなさいっての!ホントに気が回らないんだから)
スズ(それとも何?私だから誘わなかったっての? 他の人だったら……会長だったら、誘ってた?)
スズ(うぅ…暗くなってきた…。また、探してくれてるかな。このままひとりかな)
スズ「津田ぁ……グスッ」
津田「萩村?」
スズ「!!…津田!」
津田「 いた…やっと見つけた!」
スズ「……はぅ…」(ヘナヘナ)
スズ(津田が……来てくれた……)
津田「いきなりどうしたんだよ?みんな心配してるぞ!」
スズ「…ごめんなさい…」
津田「ふぅ…」
津田「で、なんでこんなことしたんだい?」
スズ「え?」
津田「だから、萩村のことだから何か理由があってわざと逃げ出したんだろ?オレでよかったら、訳を…」
スズ「逃げた!?わ、私別にそういうつもりじゃなくて…」
13:
09
津田「えぇ?んじゃなんでいなくなったのさ?」
スズ「それは…」
津田「それは?」
スズ「………迷っちゃって……」
津田「迷子ぉ!?」
スズ「津田ぁ! ……うぅ、そうよ……」
津田「なんと…こりゃまた派手な迷子だな。迷子ったって限度があるよ…」
スズ「ここどこなの?」
津田「地図では……うん、ほとんど島を縦断してるね。萩村さん迷子もパねぇッス」
スズ「迷子迷子言うな!…まぁ確かに失踪って思われても仕方ないわよね…面目ない…」
津田「はぁ??……なんか一気に力が抜けた? ?」
16:
10
津田「…でもよかった、もしかしたら何か不満でも爆発させたのかと思ってさ」
スズ「何よ不満って」
津田「うーん、萩村はあんまり顔に出さないけど、なんか…クラスのこととか生徒会のこととか…」
津田「オレもいっつも迷惑かけてるからな。そういうのが溜まりに溜まってドカーン…とか?」
スズ「いや、『とか?』って言われても困るわよ。例えあったとして、こんな時にこんなやり方するほど幼稚に見える?」
津田「まぁ今言われれば……でもしょうがないじゃん!さっきまですっごい心配してたし焦ってたんだからな!」
スズ「そうよね、ごめん。……ありがとう。あ、 あの……また、津田が、探してくれて、迎えに来てくれて…ほんとうれしい…」
津田「そんなのオレたちの仲だろ。萩村に何かあったら、来るの当たり前じゃん」
スズ「うん…」
津田 (なんか恥ずかしいな……仲か…)
スズ (仲…)
17:
11
津田「そ、そうだ!横島先生に連絡しないと!」
trrrr…
津田「あ、先生、津田です。萩村見つかりました!…はい、島の反対側くらいです。」
津田「それでこれから戻ろうと思うんですが…… はい……そうですか、そうですよね…。」
津田「わかりました、ともかく一旦港に戻るんで、待ち合わせお願いします。では」
スズ「?」
津田「そんなわけで、今日の船はもうないそうだ」
スズ「! …そうよね、本当に申し訳ございません」
津田「んで、みんなは帰途について、オレたちはここでもう一泊、明日帰るって」
スズ「津田も巻き込んじゃったね」
津田「気にするなって。考え様によっちゃもう一日こんな素敵な島にいられることになったんだもん、ラッキーだよ」
スズ「ポジティブねぇ」
18:
12
津田「ふぅ…すっかり暗くなっちゃったね。……ここ、きれいだなぁ」
スズ「そうね…星がいっぱい…海が輝いてるわ」
津田「…あれ?なんだろあの看板?……星砂浜って書いてある」
スズ「! ここが星の砂の伝説の……そっか…」
スズ「でも……私には不要ね…」(サラサラ…)
津田「萩村、なにしてるの?」
スズ「星の砂。港のお土産屋で買ったんだけど、浜に返すわ」
津田「えっ、港に売ってた!?てかもったいない!」
スズ「いいのよ。こんなものの迷信信じちゃって、ちょっと感傷的になって…」
津田「…どうしたの?」
スズ「あ…いや、つ、津田には関係ないわ!」
津田「えー!?」
スズ「…ううん、うそ、ごめん。……星の砂って、持ってると幸せを呼び込めるっていうじゃない」
津田「うん…」
スズ「だからね、これをお店で見つけたとき、ちょっと幸せになりたいなって思っちゃったの」
津田「……」
19:
13
スズ「それでね……その……(ゴニョゴニョ)」
津田「ん?なに?」
スズ「だから…(モニョモニョ)」
津田「萩村?なにを言ってるのかよく聞こえないよ」
スズ「……」
津田「萩村?」
スズ「だーーかーーらっっ!!アンタが散歩に誘ってくれないから悪いんでしょーーーー!!」
津田「なんですとぉー!?」
スズ「あ、あたしもアンタの散歩について行きたかったの!」
スズ「それなのにとっととひとりで行っちゃって!バカ!木偶の坊!空気読め!」
津田「ご、ごめんなさい…」
スズ「んん、コホン…… と、とにかく、それでこれ買ってあと追いかけたんだけど…津田に会えなくて…」
津田「そうだったのか…」
スズ「その上みんなに、津田にもこうしていっぱい迷惑かけちゃって」
津田「……」
スズ「私にはそういうの合わなかったみたい。やれやれだわ」
スズ「私が信じるのは自分の頭脳だけ。そんな不確定なものにちょっとでも頼ろうとした自分が情けないわ…」
20:
14
津田「そんなことないと思うけどな」
スズ「!? なによ…」
津田「いいじゃん、萩村にそういうところがあっても。女の子なんだからさ。ほら、女の子って占いとかジンクスとか好きだろ?」
スズ「な…そ、そんなの私には…」
津田「萩村は頭いいし、何でも自分で頑張って解決できちゃうの知ってるよ」
津田「それでも、そんなロマンチックな面があってもかわいいと思うけどな」
スズ「えっ、かわ……って……な、何言ってるのよ…」
津田「そういう面があったほうが、ずっと人間的で女の子的で、魅力的だよ」
スズ「や……その……なんだろ……ありがとう……そんなこと言われたことないから、照れるな…」
津田「でもさ」
スズ「え?」
津田「なんでオレの散歩についてくことが、ちょっと幸せになることなの?」
スズ「……!!」(ゲシッ)
津田「痛ってぇ!なぜに蹴る…」
スズ「ほんとバカ!鈍感もたいがいにしろ!」
津田「えぇっ!?そんな……難しいっス…」
21:
15
津田「さ、行こう。後ろ乗りなよ」
スズ「うん」
津田「結構道悪いから、しっかりつかまってて」
スズ「その…どうやってつかまったらいいかな?」
津田「え……腰に手を回してだな…」
スズ「こ、こう?」(ギュッ)
津田「あ、うん」
津田(…萩村、柔らかいな……っていかんいかん、 何考えてんだオレ…)
スズ(…今、幸せかも)
津田(やばい、普段気にしなかったのに、意識しだすと止まらない)
スズ(星の砂のおかげかな…)
津田「おっと」(ガタン)
スズ「ひゃっ」(ギュッ)
津田「ご、ごめん、石踏んじゃった」
スズ「うん、大丈夫」
津田(ドキドキ…)
スズ(星の砂、捨てなきゃよかったな)
22:
16
津田「あの、萩村」
スズ「何?」
津田「あまりしがみつかれると運転に支障が…」
スズ「!そ、そうよね。ごめん」
津田「……」
スズ「……」
津田「いや、べ、別に嫌じゃなくて!むしろなんて言うか…」
スズ「私何も言ってないわよ」
津田「…あれっ」
23:
17
スズ「はぁ…」
津田「どした?」
スズ「帰ったら間違いなく怒られるわ…家から、 先生から……あ??気が重い」
津田「正直に迷子になったって言うしかないよ」
スズ「うぅ……そうね…」
津田「萩村は普段しっかりしてるし活躍してるから、みんな厳しいことは言わないって。これがオレだったら大目玉だろうけどさ」
スズ「過大評価よ。津田こそ学校のために頑張ってるじゃない」
津田「はは、ありがと。萩村には遠く及ばないけどね」
スズ「そんなことないわ」
津田「そうかなー?」
スズ「そうよ。私が言ってるんだから信用しなさい」
津田「おし!そこまで言ってもらえると自信になるよ!」
スズ「ふふっ」
24:
18
スズ「 ねぇ津田」
津田「 何?」
スズ「 津田は怒らないのね」
津田「 へ?なんで?」
スズ「 だって、こうしてすごく迷惑かけて」
津田「 あー、そっか。んじゃ、コラ」
スズ「 何よそれ…」
津田「 いやー、2回も迷子になるなんて子どもっぽいなーとは思うけど」
スズ「むぐ…言い返せない…」
津田「こんな萩村なかなか見れないから、むしろちょっとうれしいよ」
スズ「むー!」
津田「あはははは!」
25:
19
津田「着いた!」
スズ「お疲れ様、ありがとう」
津田「オレちょっと自転車返してくるよ」
スズ「うん。…さて先生はどこだろ…」
スズ「…あれ?三線の音がする。祭かな?」
スズ「あれ?横島先生…?」
スズ「」
スズ「……」
津田「お待たせ萩村。……萩村?」
スズ「……」
津田「」
26:
20
横島「ようお前たち!ようやく帰ったか!」
スズ「ご心配おかけしてすみませんでした」
横島「気にすんなキニスンナわっはっはー」
津田「…で、先生は島の皆さんと何をしてるんですか?」
横島「何って親睦を深めてるに決まってるだろ!」
スズ「平たく言えば宴会、と」
横島「話してみるとみんないい人でなー!がはははは!」
島の人a「 うんじゅぬ先生や、うふ酒飲みやっさー(君らの先生は大酒飲みだなー)」
津田「だいぶ出来上がってるな…」
横島「泡盛飲んだらそりゃ酔っ払うだろー。何が悪い!」
島の人b「やさ!ナルコはいいいなぐさー(そう だ!ナルコはいい女だな)」
横島「だろー?お前ら!アタシはもうここで暮らす!結婚する!I'm in heaven!!」
島の人c「 なんくるないさー !」
横島「ひゃっはー!」
津田「先行くんで宿の場所教えてください…」
27:
作中のうちなーぐちは、ネットで調べた程度なので正確性に乏しいかと思います…雰囲気ってことで。
28:
21
津田「ここか、先生の言ってた民宿は…」
おばぁ「めんそーれ!話は聞いてるさー。おいてけぼりんなったんかい?でーじやっさーねー(大変だったねぇ)」
スズ「ご迷惑おかけします」
おばぁ「とにかく部屋に入りよー。くまさー(こっちよ)」
津田「おじゃましまーす」
スズ(…やっぱり一部屋だ…)
津田「一部屋だな…」
スズ「そ、そうね。まぁ今に始まったことじゃないし、気になんてしてないから安心して」
津田「う、うん(今は二人きりなんだけど…)」
スズ(うそつけ私……津田と二人きりなんて……うれしいけどやばい恥ずかしい)
29:
22
津田「そ、そうだ、家に電話しとこ。萩村も家に連絡したら?」
スズ「あ、そ、そうね」
trrrr…
コトミ『はいは?い』
津田「コトミ?オレだけど」
コトミ『あ、タカ兄!学校から電話があったよ。今日帰れなくなって1泊伸びたんだってー?』
津田「まぁ、そんなトコ。父さんと母さんに、明日帰るって伝えといて」
コトミ『い??な??!!まだ沖縄にいれるんだ??』
津田「あはは、そうだな」
コトミ『でもなんで?なんかトラブルで先生達のお手伝いに選ばれたって聞いたけど』
津田「うんまぁ、ちょっと詳しくは言えないけど、横島先生からご指名受けてな」
コトミ『横島先生に!?……タカ兄、狙われてるの?』
コトミ『ハッ…まさか、それを承知でご指名を受けて、オトナの手解きを受けようと…』
コトミ『タカ兄!!卒業は一緒にって約束したじゃないっっ!!』
津田「してねーし!!生徒会だからだし!」
30:
ちなみに八重山の方言ではめんそーれとは言わない
「んちゃーみ」、「おーりとーり」とか言う
32:
>>30
八重山地方で考えればよかったのかー!
ありがとうございます
31:
23
コトミ『あ、そっか??焦ったよ?。さすが生徒会役員だねぇ』
津田「まぁな。こんなに信頼されてるのは誇らしいよ」
コトミ『あれ?それじゃスズ先輩も一緒ってこと?』
津田「!…うんまぁ」(ヤブヘビだったか…)
コトミ『じゃあ3P!?……疑似親子丼?』
津田「それ萩村にも横島先生にも怒られる例えだろ」
コトミ『タカ兄?…だからコ○○ーム持ってけって言ったじゃない…』
津田「お前お土産ナシね。じゃ」
コトミ『え??』
ツーツー
スズ「…何よ、私に怒られる例えって」
津田「うん、コトミの言うことだから…」
スズ「ああ…そうね」
・・・・・・・・
コトミ「疑似親子丼……いや、ここは熟女とペドって分けて考えるべき?」
コトミ「わからないよ??!!」
コトミ「そうだ、後で詳しい人に訊いてみよう♪」
33:
24
trrrr…
スズ母『スズちゃんっっ!無事だったのね』
スズ「お母さん…心配かけてごめんなさい…」
スズ母『心配なんてしてないわ。横島先生と、 津田くんが一緒なんですって?』
スズ「あ…うん…(今先生いないけど…)」
スズ母『よかったわねぇ、大好きな津田くんが一緒で!』
スズ「ななな何言ってるのよ!そんなワケ」
スズ母『あら、違うの?』
スズ「ち、ちが……」
スズ母『先生はお邪魔かしらー?』
スズ「い、いやそんな……」
スズ母『で、イケそう?』
スズ「は?」
スズ母『せっかくのチャンスじゃない』
スズ「はぁ!?」
スズ母『んもぅ、一緒に大人の階段を登っちゃえー♪』
スズ「登るかあああぁぁ!!」
34:
25
スズ「なんで津田……なんかと…」
スズ母『…ふぅーん?』
スズ「…な、なによ…」
スズ母『…うふふん♪』
スズ「あーもうっ!!明日帰るから!」
スズ母『そうだ、津田くん今いるんでしょ?』
スズ「い、いるわよ…」
スズ母『ちょっと代わってくれる?』
スズ「嫌よ!絶対余計なこと言うもん!」
スズ母『なによ、娘を探してくれた人にお礼を言うのは当然でしょう?』
スズ「う…………わかったわよ…」
スズ「津田、お母さんがお礼言いたいって…」
津田「あ、うん…なんか津田なんかって言われてたけど…」
スズ「気にすんなっ!」
津田「ハ、ハイ」
35:
26
スズ母『津田くん!先生から話を聞いたわ。スズちゃんを助けてくれてありがとう!』
津田「いえ、大したことしてませんよ」
スズ母『ごめんなさいね、迷惑かけちゃって』
津田「とんでもないです、いつもはオレの方が萩村に助けてもらってますし」
スズ母『…スズちゃんはああ見えて弱虫さんなのよね』
津田「……はい」
スズ母『強がってても、失敗しちゃったし知らないところで不安もいっぱいだろうから』
津田(そうなのか…やっぱり萩村もへこんでるのかな)
スズ母『だからね、この際お家まで守ってあげてくれる?』
津田「!……は、はい!もちろんです!」
スズ母『ありがとう!お願いね、スズちゃんの騎士さま!』
津田「はい!」
スズ母『お礼に、お姫さまと結ばれちゃってもいいわよ♪』
津田「!?」
36:
27
スズ「ちょっとお母さん!津田になんか変なこと言ったでしょ!?」
スズ母『何も言ってないわ。スズちゃんをよろしくって言っただけよ』
スズ「うっそくさい…」
スズ母『ホントよ。じゃ、あとはごゆっくりぃ♪』
ツーツー
スズ「むぅ……津田!」
津田「な、なんだよ」
スズ「お母さんに何言われたの?白状なさい!」
津田「いや萩村をよろしくって言われただけだよ…」
スズ「それだけじゃないでしょ!?」
津田「いやホントだって。まぁ、萩村を家まで守ってってお願いされて、それを受けてさ…」
スズ「へ?…ま、守って…くれる…の?」
津田「うん、まぁ、頼りになるかはわからないけどさ」
スズ「そ、そう…」
津田(お姫さまって萩村のことだよな…結ばれるって…)
スズ(ウフフ♪♪)
津田(心?……カラダ!?)
37:
28
津田「あーもうダメだ!!」
スズ「ど、とうしたの!?」
津田「…萩村」
スズ「何?」
津田「こうしてると、オレもう我慢できなくて…」(ズイッ)
スズ「へ?」
津田「オレだって健康な男子なんだぜ…」
スズ「う、うん」
津田「そろそろさ…」
スズ「えっ……」
津田「な…………いいだろ?」
スズ「…………!!」
津田「限界だって。もう待てない」
スズ「????????!!!!」
津田「早く…」
スズ「……津…田………………………(コクコクッ)」
津田「おなかすいたぁ」
スズ「」
津田「早く夕食に行こうよーー」
スズ「…………」(ゲシッ)
津田「痛って!何故にまた…」
38:
29
津田「沖縄の料理うんまー」
スズ「癒される味ね」
おばぁ「うちなーぬ料理は身体にいーさ。これを毎日食べることが長寿ぬ秘訣さー」
津田「なるほど、だから沖縄は長寿の県なんですね!」
スズ「これは何ですか?…魚…?固いけど美味しい」
おばぁ「それはイラブーよ」
スズ「イラブー?」
おばぁ「内地ではエラブウミヘビって呼ぶね」
スズ「!!!!!!!!」(ガタッ)
津田「へぇー!初めて食べたよ。…あれ、萩村どうしたの?」
スズ「べべべ別になんでもないわ。椅子ががたついてるだけよ」
津田「うんそれ座布団だね。座敷だし…」
スズ「……」
39:
30
おばぁ「うふふ、初めて食べた人は驚く人が多いよ」
スズ「まぁ、正直…」
津田「これはなかなか食べられないなー」
おばぁ「高級料理だしよ。イラブーを食べるとでーじ精力がつくよ!」
津田・スズ「!」
スズ「そ、そうなんですか」
おばぁ「若いんだから頑張りよー!」
スズ「頑張るって……な、何を?」
スズ(やだ……なんか身体が熱いかも…)
津田「あー……人生頑張れってことじゃない?」
スズ「あ、そ、そうよね!」
津田(やっべ、なんかわからんがみなぎってきた気がする…!)
40:
31
スズ「ふぅ、結構量があるわね。…全部食べきれないかも」
津田「萩村普段よく食べるのに」
スズ「限度があるわよ。……津田、少しいる?」
津田「え、くれるの?」
スズ「の、残すのもったいないから、しょうがないじゃない」
津田「そうだね、ありがとう!」
スズ「いいから皿貸しなさいよ。これにこれ、これも……ほら、これでいい?」
津田「いくらでもOKです!」
スズ「じゃ、これも……はい」
津田「サンキュー」
スズ「こちらこそ残さずに済んだわ」
津田「高校生男子はいくらでも食えるんだぜ!」
スズ「そう、なら今後も余ったらお願いするわ」
スズ(学校でもこんなことしたら、仲よく見られるかな?)
スズ「ふふっ♪」
津田「?」
41:
32
津田「はー……腹いっぱいで何もしたくない」
スズ「そうねー」
津田「……でもそういうわけにはいかないよな…」
スズ「そうねー…………先生がいなかったらずっとふたり…」
津田「萩村、何か言った?」
スズ「え、いや、何も言ってないわ。それよりどうするのよ」
津田「結構酔っぱらってたみたいだからな……迎えに行くか」
スズ「仕方ないわね」
津田「とりあえず携帯かけてみるよ」
trrrr…
津田「あ、先生!そろそろ宿に戻…」
横島「≠∴℃%☆◆▼↓⊂?⊥」
ツーツー
津田「……萩村、残念な知らせがある」
42:
33
津田「とりあえず宴会してた所に行ってみるか……萩村はどうする?」
スズ「へ?」
津田「いや、疲れてるならここで待っててくれてもいいよ」
スズ「な、なによ、置いてく気!?」
津田「だいぶ眠そうだしさ。オレ一人でも何とかなるし…」
スズ「イヤよ!」
津田「え」
スズ「私は大丈夫、一緒に行くわ」
津田「でも…」
スズ「何よ、守ってくれるんじゃなかったの?」
津田「あ…うん」
スズ「だったら一緒にいなきゃ守れないでしょ!」
津田「わかった、わかったよ。一緒に行こう」
スズ「わかればいいのよ」
津田(気を回したつもりだったんだけど……萩村、ひとりで残るのが怖かったのかな…)
スズ(ふたりきりの時間が終わっちゃうのに…津田のバカ!)
54:
34
スズ「波の音が聞こえる……風が涼しくて気持ちいい」
津田「みんなといる時はこんな時間に外出なんてできなかったからなー」
スズ「確かにね。夜間外出禁止だったし」
津田「まさかこんなに沖縄を満喫できるとは思わなかったよ。萩村、ありがとう」
スズ「お礼を言われると複雑な気持ちね…」
津田「あはは」
津田(……渡すなら今かな?)
スズ「??♪」
津田(…なんか緊張するな……けど……よし)
56:
35
津田「……あのさ」(ゴソゴソ)
スズ「?」
津田「萩村にあげようと思ってさ。実は散歩の途中で買ったんだ」
スズ「??」
津田「ストラップ。はい」
スズ「……!!星の砂の!?」
津田「海で道下先生と話してたろ?」
スズ「聞いてたんだ…」
津田「港で売ってたなんて気付かなくてさ」
スズ「……」
津田「気を回したつもりなのにかなり遠回りしちゃってたよ。キマらないなぁ…はは」
スズ「津田…」
津田「萩村。いつものがんばり屋な萩村もいいけどさ、ロマンチストで女の子らしい萩村も、オレは好きだよ」
スズ「 …えっ?」
津田「あ、いや、よかったら使ってよ!」
スズ「 …うん…すごく……すっごくうれしい。ありがとう」
津田「よかった」
スズ「今度は、ずっと大切にするわ」
57:
36
スズ「でも、津田にしては気が利くじゃない」
津田「そ、そうかな」
スズ「そうよ」
津田「……」
スズ「……」(ジィー)
津田「…萩村にはかなわないな……実は散歩の途中、大門先生が道下先生に星の砂をプレゼントしてるの見たんだ」
スズ「え、それって」
津田「畑さんが言ってたとおり、仲よさげだったよ」
スズ「へぇー。……で、津田はそれを真似したってわけ?」
津田「まぁそういうこと……ごめん」
スズ「謝ることじゃないわ」
津田「本当に自分から気を利かせたわけじゃないから」
スズ「十分過ぎるくらいよ。本当にうれしいもん」
津田「はは」
58:
37
スズ「でも……なんで私に?」
津田「え?」
スズ「そんな風に考えてくれたの」
津田「だって萩村が星の砂に興味あるみたいだったし」
スズ「そうなんだけど……そうじゃなくて」
津田「?」
スズ(いい感じの大門先生達の真似するって…私のこと…)
スズ(あ??でも期待し過ぎ?津田が深く考えずにくれただけだったら…)
スズ「あ、そ、そっか!お土産に沢山買ったのね」
津田「いや、それしか買ってないよ?」
スズ「……じゃあ、私だけ?」
津田「うん。萩村だけ」
スズ(じゃあやっぱり…?でもそんなこと訊けないよぉ!)
59:
38
津田「それで、大門先生達のことは、畑さんには言わないでおこうと思ってるんだけど」
スズ「え、あ、そうね。回りが騒ぎ立てることじゃないわ」
津田「うん。誰だって恋路は邪魔されたくないよ」
スズ「…あら。随分と知った風なこと言うわね」
津田「はは、正直よくわかってないけど。自分だったら嫌かなって」
スズ「同感ね」
津田「よかった。萩村ならわかってくれると思ったよ」
スズ(……私のことどう思ってるんだろ…)
スズ(聞きたい……怖いけど…聞いてみたい)
61:
39
スズ「…津田は今好きな…」(ドキドキ)
津田「そうそう!」
スズ「えっ!な、なに?」
津田「その後会長から電話があったんだよ」
スズ「!……な、なんて?」
津田「それが、ただ下ネタ言われただけ。特に用があったわけじゃないのに…」
スズ(用もないのにかけてくるなんて…)
津田「人の旅行中にまで……会長の下ネタ好きにも参っちゃうよなぁ」
スズ(やっぱり好きなんだ…)
津田「…萩村?」
スズ「……会長は、どうしてかけてきたんだと思う?」
津田「え?だから下ネタ言うためにわざわざさ…」
スズ「それだけ?」
津田「?じゃないの??」
スズ「……はぁ??。津田が鈍くてよかったわ」
津田「なんで安心してる!?」
63:
40
スズ「津田」
津田「ん?」
スズ「ここは暗くて道も悪いわ」
津田「は、はぁ」
スズ「だから…………安全のために、手を、つないであげてもいいわ」
津田「手?つなぐ?」
スズ「別に、必要ないならいいのよ」
津田「……」
スズ「……」
津田「必要かと言われれば」
スズ「……」
津田「月も明るいし、道も見えるね」
スズ「あっそ」(シュン…)
津田「……でも」
スズ「……?」
津田「つないでいい?」
スズ「……何よ、必要ないんでしょ」
津田「つなぎたいんだ」(ギュ)
スズ「!!……も、もう、仕方ないわね」
津田(やばい…開放感にあてられてるかな?オレ…)
スズ(津田…これ恋人つなぎって言うのよ…知ってる?……)
65:
41
prrrr!!
シノ「コトミ、どうした?」
コトミ『かいちょー!!疑似親子丼は成立するのでしょうか!?』
シノ「は?」
コトミ『それとも単に熟女とペドの3Pって分けて考えるべきでしょうか?』
シノ「ち、ちょっと待て、何がどうしてそんなシチュを言い出すんだ」
コトミ『実はですねぇ、カクカクシコシコでタカ兄とスズ先輩と横島先生が3人で一夜を明かすんです!』
シノ「なんと!津田が卒業してしまうではないか!」
コトミ『そーなんですよー』
シノ「しかも初めてがそんなアブノーマルな……そ、そんなのいかんぞぉぉぉぉお!!」
コトミ『そーですかねー?』
シノ「ダメだ!私が許さ??んっっ」
コトミ『…おやぁ会長、ひょっとして焼きもちですかぁ?ニヒッ』
シノ「そ、そんなことない!!」
コトミ『で、成立するのでしょうか?』
シノ「個人的には……親子丼と他人丼は似て非なるものだと思う」
・・・・・・・・
シノ「…津田の初めては私が…と思ってたのに…」
trrrr…
アリア『あらシノちゃん、どうしたの?』
シノ「アリアーー!萩村と先生がぁぁぁぁ」
アリア『まぁ、ステキねぇ♪ウフフ♪♪』
66:
42
津田「あそこだ、まだ宴会やってるね」
スズ「でも先生が見当たらないわ」
津田「すみませーん、うちの先生知りませんか?」
島の人d「ナルコか?うひぐゎーめーにーしぇーたー連れてまーがら行っちゅんど(少し前に若者達連れて何処かに行ったよ)」
津田「何言ってるかわからない…」
スズ「少し前に若者を連れて何処かに行ったそうよ」
津田「萩村わかるの!?」
スズ「なんとなくよ」
津田「さすが天才……でも迎えに来たのに、まずいな」
島の人e「気んかいさんけー。くまんちゅがまじゅんやっさー(気にするな、ここの人間が付いてるんだから)」
スズ「でも逆に先生が皆さんに迷惑かけそうで…」
島の人f「はは、んなぁ気んかいさん!(皆気にしないよ!)」
スズ「は、はぁ…すみません」
67:
43
津田「帰るか…」
スズ「なんで探すために残った人が行方不明になってるのよ…」
津田「いいさ。島の人がああ言ってるんだし、また明日電話してみるよ」
スズ「そうね……若者連れて、どこいったのよ…」
津田「あんまり考えない方がいい気がする」
スズ「……オトナは自己責任ってことね」
津田「さ、行こう。ほら」(ギュ)
スズ「…うん」
スズ(津田から握ってくれた……私 ……期待していいのかな)
津田(すすんで手つないじゃったよ!はっずかしぃぃぃぃぃぃい!!)
津田・スズ(てか、今夜ずっと二人きり!?)
スズ「…津田、手に汗かいてるわよ」
津田「萩村こそ」
スズ「……コホン」
津田「……」
津田・スズ(緊張するっっっっ)
68:
44
宿泊客a「お帰りなさい、若いカップルさん」
宿泊客b「君らもこっち来て話そうぜ」
津田「え、なんだなんだ?」
おばぁ「いったーもくまでゆんたくさびら」(あなた達もここでおしゃべりしましょ)
宿泊客c「こうやって知らない者同士が集まってわいわいやるのを『ゆんたく』ってんだよ」
宿泊客a「島の民宿の醍醐味ね」
スズ「面白そうじゃない、行きましょ!」
津田「あ、おい」
宿泊客b「夜の海でも散歩してきたのかい?」
宿泊客a「若いっていいわねぇ♪」
スズ「実はかくかくしかじかで引率者が見つからなくて…」
宿泊客c「なるほど、まぁこの島ならどこで寝ても大丈夫だろ」
宿泊客b「旅行者は皆のんびりしたくて来てるんだ。変な気をおこすなんてないぜ」
おばぁ「くぬ島んかい、やーな人はおらんよ」
宿泊客a「スコールは心配だけどねー」
69:
45
宿泊客b「そんで、取り残されて一泊することになったのか」
スズ「いやぁ、しくじっちゃいました…」
一同「あははははっ!」
津田「でもおかげでこんな楽しい時間を過ごせてるんですけどね」
スズ「転んでもただじゃ起きません」
宿泊客a「私も迷子になったら素敵な人が探しに来てくれるかしら?」
スズ「えへへ…♪」
津田(萩村、あんな屈託のない笑顔で笑って…)
畑「普段の彼女はなかなか笑顔が見られませんものねぇ」
津田「そうそう。この雰囲気で少し開放的になってるのかも知れませんね」
畑「これも島の力ですかね。取り敢えず1枚」(パシャ)
津田「……」
畑「これは…レア!」(キュピーン)
津田「!?…畑さん!?」
70:
46
畑「や」
津田「ちょっ…な…何やってんですかこんなところで!?」
畑「別にー?旅行してるだけよぉ」
津田「大門先生達はもう帰っちゃいましたよ!?」
畑「たまたま私も迷子になって船逃しちゃったのよ。たまたま」
津田「絶対オレら張ってたでしょ…」
畑「で?どう?ふたりはどこまで進んだの?」
津田「進むとか何のことですか…」
畑「告白はしたの?どちらから?いつ!?」
津田「告白なんてしてませんよ」
畑「やっぱ小さかった!?キツかった!?全部入らなかった!!!!?」
津田「たまにはツッコミなしの時間を過ごさせてくれ…」
畑「これから突っ込む気マンマンでしょ?」
津田「かぶせてくるかぁ」
74:
47
宿泊客a「あら、君はランコちゃんと知り合い?」
畑「ランコちゃんでぇす」
津田「ランコちゃん!?」
ランコちゃん「人に取り入るのは情報収集の基本よぉ」
津田「この空気でひとり腹黒いのがいるな」
スズ「畑さん!?」
ランコちゃん「や」
スズ「なな何やってんですかこんなところで!?」
ランコちゃん「津田君と同じ反応ねぇ」
津田「そりゃそうですよ……で、どこまで知ってるんです?」
ランコちゃん「萩村さん星の砂もったいなかったわねぇ」
スズ「ほぼ全部か…」
津田「いたなら助けてくださいよ…非常時だったんだから」
ランコちゃん「てへぺろ(・ω<)」
75:
48
ランコちゃん「で、大門先生達はいいネタあったの?」
津田「特に何もありませんよ」
ランコちゃん「あの二人なかなか尻尾つかませないのよねぇ。んだもんで手っ取り早く生徒会コンビを」
津田「乗り換えたんかぃ」
ランコちゃん「萩村さん、津田君が来てくれた時のお気持ちは?」
スズ「え、ま、まぁ嬉しかった…ですよ…」
ランコちゃん「そうよねぇ、あんなに逢いたかった津田君が来てくれて、あんなに熱く口説かれて…」
津田「いや別に口説くとか…」
ランコちゃん「惚れた?惚れちゃった??」
スズ「な……そんなワケ」
津田(…ドキドキ)
ランコちゃん「ん?どなの?ん?」
スズ「…………ないもん」
津田(……ま、そりゃそうか)
ランコちゃん「今更そうよねぇ、ずっと前から好」
スズ「ごるぁぁぁぁぁぁああ!!その口閉じろーーーー!!」
津田「!?」
76:
49
スズ「疲れた……部屋戻ってお風呂入るわ……」
津田「ああ、オレも行くよ」
宿泊客b「青年!うまくやれよー」
宿泊客c「素敵な夜を♪」
津田「あはは…」
ランコちゃん「また明日取材するからよろしくねぇ」
津田・スズ「お断りします」
・・・・・・・・
津田「いやぁ?まさか二人きりになるとはなぁ!あははっっ」
スズ「そ、そうね……」
津田「先生には困ったもんだなぁ」
スズ「うん……」
津田「困った…なぁ」
スズ「……」
津田・スズ(……恥ずかしい…!!)
77:
50
津田「は、萩村!」
スズ「ひゃい!?」
津田「オレを信用してくれ!」
スズ「あ…」
津田「こんな状況になっちゃったけど、萩村の嫌な事とか、絶対しないから!」
スズ「……」
津田「…やっぱ嫌だろうけど…少しでも安心できるようにオレ…」
スズ「……津田」
津田「は、はい!」
スズ「ありがと」
津田「あ、うん」
スズ「そういう所って津田のいいところよね。津田といると安心できる」
津田「…ありがとう!よかった?わかってくれて!」
スズ「ふふふっ♪」
78:
51
チャプン…ザザー
スズ(なんか大変なことになっちゃったなぁ)
スズ(でも…津田とかなり近づけた気がする…)
スズ(津田が私のためにあんなにしてくれて…)
スズ「津田……」
スズ「……スキ…………好き……!」
畑「恋する乙女ねぇ」
スズ「うわぎゃぁぁぁぁぁああああ!!!!!?!?」
畑「心の声がだだ漏れよ」
スズ「はぅぅ……いるなら言ってくださいよ……」
畑「そんなに好きならコクっちゃえばいいのに?」
スズ「そーいうのうちは校則で禁止されてます!」
畑「恋愛禁止なのは校内の話でしょ?IQ180の天才が気付いてないワケないわよねぇ」
スズ「……」
80:
52
畑「やっぱりライバルが気になる?ん?彼意外とモテるし」
スズ「……そりゃあ……まぁ……」
畑「特に会長は行動の端々にだいしゅきオーラが出てるものねぇ」
スズ「……あんなのに勝てる訳ありませんよ…」
畑「あら、アナタだってツンデレアタック全開じゃない」
スズ「え゛!?そんなつもりは……」
畑「や?ねぇ、もう。でもあの副会長は鈍いから、直接言わないと気付かないのよねぇ」
スズ「ぅぐ…………気持ちを素直に話せなくて…」
畑「もっと自信を持てばいいのに」
スズ「だって私言葉きついしこんな身体だし……」
畑「彼巨乳好きだものねぇ」
スズ「く…」
81:
53
畑「でも、副会長が一番心を許してるのは誰かしらねぇ?」
スズ「そ、そんなの会長に決まってるじゃないですか」
畑「そう?仕事では頼りにしてるだろうけど、日常的なエロボケに辟易してるはずよ」
スズ「まぁ、たまに疲れた顔してますけど…」
畑「そんな気持ちを共有できる人がいるわよねぇ?」
スズ「……」
畑「しかも生徒会以外でも頼りにされてる」
畑「時には登下校まで共にして、一緒にいる時間がダントツトップの……すなわち!」
畑「私の見立てでは萩村さん、アナタ!どーん!!」
スズ「…っ……そんなこと……ありません……」
畑「……フッ……カメラを覗いてるとね、レンズを通して色々見えてくるのよぉ」
スズ「……カメラマンってそういうものらしいですね…。場を俯瞰できるとか、先入観を無くして見れるとか」
畑「ワタシこれでもカメラにはちょっと自信があるのよー」
82:
54
畑「今夜思いきって誘ってみたら?」
スズ「ええっ!?」
畑「エロ的には巨乳でも、恋愛的には別の話」
畑「むしろその身体は武器!ペドに目覚めさせてしまえ!」
スズ「せめてロリでお願いします…」
畑「真面目な話、彼とこんなに親密な時間を持ててる今がチャンス!それに……」
畑「この島での萩村さん、結構素直になれてるわよ?」
スズ「!!……そうですかね…?」
畑「ええ。ま、気付かれなかったら流せばいいことだし。どうせ鈍いから」
スズ「…………」
スズ「……そろそろ上がります」(ザバッ)
畑「で、部屋はどこなの??」
スズ「絶対教えません」
畑「部屋なんておばぁが教えてくれたけど、知らないフリした方が大胆な行動に出やすくなる…」
畑「これだけ仕込めば何かやってくれるハズ!」
畑「これは…これは大波乱ッッ!キュッピーン!!」
83:
55
津田「はぁ?さっぱりしたー」
スズ「そ、そうね。疲れがとれるわ」
津田「んーでも足はまだ張ってるか…。イタタタ」
スズ(!!……)
スズ「お疲れ様。……そうだ、前みたいに踏んだげようか?」
津田「お?ありがとう!んじゃ遠慮なしに…よいしょっと」(ゴロン)
スズ(フミフミ)
津田「おおぅ…きもちいー」
スズ「どう?こんな感じ?」(フミフミ)
津田「効ぐ??」
スズ「ふふっ。津田、本当に気持ち良さそうね」(フミフミ)
津田「はぅふ…ぎもぢ??…もっど踏んで??」
スズ「こうか?ん?これがいーのか!?」(フミフミ)
津田「はい萩村様……あ……ぷぷっ」
スズ「あははっ、これじゃまるで会長達ね」
84:
56
津田「軽くなった?!ありがとう萩村」
スズ(…………ドキドキ)
スズ「……その……私もマッサージお願いできる?」
津田「う、うん、どうしようか?」
スズ「私も足が少し張ってるわ。全体的に…揉んでくれる?」(コロン)
津田「足…わかった…」(モミモミ)
スズ(……っ……)
津田「…………(緊張する…)」(モミモミ)
スズ「……もっと上の方も……」
津田「えっと…」
スズ「な、何よ…」
津田「その……触って、大丈夫?」
スズ「そんなの…津田だから…よ?」
津田「あぅ……うん」(モミモミ)
スズ(だ、だめ…恥ずかしすぎる……!)
津田(これは照れる…!……恥じらう萩村かわいすぎる…!)
85:
57
スズ「……………あ…っ………」
津田(なんか声出てるし……オレやばいかも)
スズ(や……変な声出ちゃった)
津田「ど、どう?」
スズ「気持ち…いいよ」
津田(もうちょっと上も…)(モミモミ)
スズ「んっ……」
津田(なんか楽しくなってきた……ここは?)(モミモミ)
スズ「やっ…」
スズ(声出ちゃう…恥ずかしいよ…)
津田(ハァハァ…これでどうだ!?)(モミッ)
スズ「ぁあん!もぅだめぇっっ」(ドガッ)
津田「グボァッッ」
86:
58
スズ「その……ごめん」
津田「いやオレの方こそ…調子に乗ったっていうか…」
スズ「ううん、私が……え?調子に乗ったって?」
津田「その…萩村の反応が楽しくてつい…」
スズ「……変態」
津田「ハイ…」
スズ(誘うとか絶対無理…心が持たないわ…)
津田「……」(シュン)
スズ「ど、どうしたの?」
津田「いや…信用してくれって言っときながらこんなことしちゃって…ひどいよねオレ」
スズ(!!私がこんなことしたからなのに!……でも誘おうとしたなんて口が裂けても言えない…)
スズ「そんなことない!ひどくなんかないわよ!」
津田「だって…」
スズ「私が嫌な事はしないんでしょ!?嫌じゃない!嫌じゃなかったから!」
津田「!?…萩村?」
87:
59
スズ(あれっ、私何言ってんだろ)
津田「えっと、あんなことされて嫌じゃなかったの?」
スズ「う、うん」
津田(え……えぇ?あんなことしてもOKって)
津田「そ、それって…」
スズ(なんか誤解されてる!?…でも津田ならむしろ…)
津田・スズ(ドキドキ…)
津田「もっと…」
prrrr!!
津田「うわっ!?…と、会長から電話だ」
スズ「!!……」
津田「もしもし?」
シノ『他人丼はダメだぁぁぁぁ!!』
津田「はぁ!?」
シノ『……コホン。津田、萩村と横島先生とで一夜を明かすそうじゃないか』
津田「ええ……って、会長の所にも学校から連絡いったんですか!?」
シノ『いや、コトミから聞いた』
津田(口軽いなんてもんじゃないな…)
88:
60
津田「…とまぁこういうワケで」
シノ『結局萩村と横島先生とで床を共にすることには変わらないではないか!』
津田「床はしないよ!?」
津田「もう……萩村、萩村からもなんか言ってやってよ…」
スズ「しょうがないわねー……会長?私です」
シノ『おぉ萩村!もう津田に恥ずかしいコトされちゃったのか!?』
スズ「!!!?なぜそれを!?」
シノ『ホントにしてたよぉぉ!!』
スズ「しまった……会長、誤解です!ちょっと張ってたので揉んでもらっただけで……」
シノ『既に揉みしだかれてたよぉぉ!!!!』
ツーツー
津田「うん、ちょっと説明が残念だったね…」
trrrr…
アリア『あらシノちゃん、今度はどうしたの?』
シノ「アリアーー!萩村が津田にぃぃぃぃ」
アリア『まぁ、卑猥ねぇ♪ウフフ♪♪』
89:
61
津田「まぁ会長の誤解は帰ってから解けばいいか…」
スズ「そうね…思い込み癖は今に始まったことじゃないし」
津田「……」
スズ「……」
津田「は、萩村、さっきの」
スズ「マッサージのおかげですっきりしたわ!さ、寝ましょ!着替えるから外出てて!」
津田「ハ、ハイ」
津田(津田だから…って……オレなら触ってもOKって…)
津田(期待していいってことか!?)
津田(いや、でもやり過ぎて蹴られたんだし……あれ?でも嫌じゃなかった?)
津田(ん????……女の子の考えることってよくわからん…)
98:
62
津田「じゃ、布団敷いちゃおうか」
スズ「あ、そ、そうね」
津田「えーっと……あったあった」
スズ「手伝うわ」
津田「うん…………さて…」
スズ「……」
津田「や、やっぱりオレ少しでも離れた方がいいよね?」
スズ「そんなこと…気にしないわよ…」
津田「あ、ありがと」
スズ「……」
津田「どう敷こうか…」
スズ「……任せる」(プイッ)
津田「……スペース結構ギリギリだね…」
スズ「…別に、と、隣でも、いいのよ…」
津田「え!?…う、うん」
99:
63
スズ(津田と並んで寝てる……緊張して津田の方向けないよ…)
スズ(誘うなんて無理……でもこんな機会滅多にないし…)
スズ(何を話したらいいんだろう……意識したら言葉が出なくなっちゃった)
津田「萩村ってさ」
スズ「ふぁ!?」(ビクッ)
津田「この旅行中よく笑うよな」
スズ「え、そ、そう?」
津田「うん。正直びっくりだよ」
スズ「普段、そんなに笑ってない?」
津田「そういうわけじゃないんだけど……いつもより楽しそうってか、はしゃいでるってか」
スズ「……」
津田「マリンウォークの時とか、魚にエサやりながらすごく楽しそうにしてたじゃん」
スズ「うん…」
津田「萩村もあんなに無邪気にはしゃぐんだって知れて、なんかうれしかったよ」
スズ「……それは、見た目どおり子どもっぽいってことかしら?」
津田「違うよ。萩村が普段しっかりしてることなんてよく知ってるよ。そんな萩村がはしゃぐのが面白かったんじゃん」
スズ「そっか…」
スズ(津田、私のことを見ててくれた…ちゃんと同い年って思っててくれた…)
100:
64
津田「やっぱ旅先では普段のしがらみを忘れられるからかなー」
スズ「ふふ、そうかもね。学校じゃないし」
津田「そうだな……あれ?今、学校行事?」
スズ「え、今?」
津田「そう、まさに今。なう」
スズ「……どうだろ…?」
津田「一応先生に頼まれたからだけど、先生いないし」
スズ「それどころか二人きりよ。今、学校行事って気がする?」
津田「…正直、全然。萩村は?」
スズ「私もよ」
津田「じゃ、実質プライベート?」
スズ「……そうね」
津田「……じゃ、プライベートで萩村と楽しくできて、うれしいよ」
スズ「……バカ」
101:
65
スズ「私、いつもと……学校の時と違う感じ?」
津田「…違うと言えば違うかな?」
スズ「私、普段より素直になれてるかな…?」
津田「素直?」
スズ「私、普段ひねくれてるから」
津田「そんなことないと思うけど……確かに、いつもより色んな表情をストレートに見せてくれてるかも」
スズ「そっか」
津田「だから、旅行中一緒にいてすっごく楽しかったよ」
スズ「同級生として?」
津田「ん?う、うん」
スズ「……女性としては?」
津田「…………うん」
102:
66
スズ「……………………」
スズ「私、もう少し素直に気持ちを出してみるわ」
津田「え?」
スズ「だから…」(クルッ)
津田「?だから?」
スズ「そのままじっとしてて」
津田「…え?」
スズ(モゾモゾ)
津田「萩村?」
スズ「こっち見ないで」(モゾモゾ)
ピトッ
津田「!!!?ハハハ萩村サン?ナゼ背中ニクッツクカ?」
スズ「嫌…?」
津田「イイイ嫌ジャナイケドアノソノ…」
スズ「動かないで…」
スズ「……………………」
103:
67
チュッ
津田「!!!!!!!!」
スズ「……」
津田「……ハ」
スズ「……」
津田「ハハハハハハ萩村サン今ノッテ」
スズ「……おやすみ!」(バッ ササッ)
津田(ほほほほっぺたの感触…………唇だよな……)
津田(キス、だよな…………キス!?)
スズ(キス…しちゃった…)
スズ(嫌がられてないかな…)
スズ(ホントは好きって言いたかったけど、言えなかった…)
104:
68
津田「あまり寝た気がしない…」
津田(ダメだ……萩村で頭がいっぱいになってる…)
津田(萩村、なんでキスしてくれたんだ…)
津田(旅行中、萩村とは……いい感じ…だと思う。それで…?)
スズ「ん……」
津田(寝顔……生徒会室で見慣れてるずなのに…)
津田「かわいいな……」
スズ「んん…………あっ」
津田「あ」
スズ「ちょっ!?なに見てるのよ!!」
津田「ご、ごめん」
スズ「もうっ、女の子の寝顔見るとかデリカシー無さすぎ!」
津田「ホントごめん、かわいくて…つい…」
スズ「な…………次からは気をつけてよね…」
津田「…次?」
スズ「!……このバカトシ!」
105:
69
横島「おまえらイチャコラしてんじゃねぇー」
津田・スズ「うわぁぁッッ!!!?」
津田「横島先生、いつの間にオレの布団にぃ!?」
横島「明け方帰ったのよ…」
スズ「道理で酒くさいわけだ…」
横島「ちょっと飲み過ぎちゃった♪……うっ…気持ち悪い…」
津田「全く、心配させないでくださいよ」
スズ「私たち、昨夜迎えに行ったんですよ!」
横島「ごめ?ん!…頭痛いから大声出さないで」
津田「……はぁ?」
横島「そんなワケであたしゃしばらく寝てるから、アンタたちは朝食とって夕方まで遊んでなさい」
スズ「しょうがないですね。わかりました」
横島「……で、アンタたち、シタの?」
津田・スズ「訊くくらいなら監督しろっっ!!」
横島「声……アタマが…」
106:
70
スズ「先生、いつの間にか帰ってたのね…」
津田「ああ、萩村も気づかなかった?」
スズ「全然。津田、その…色々、奪われてないでしょうね?」
津田「多分……って、萩村もそんなセリフ言うんだね」
スズ「んな!?そ、それは心配しただけよ!」
津田「何を?」
スズ「……っ……変態!!」
津田「あはは、ごめん。ありがと?」
スズ「もうっ……」
おばぁ「くよーなーらー!してぃみてぃむんぬ、くまでかめー」(おはよう!朝食はこちらで食べて)
宿泊客a「おはよう、若いカップルさん」
スズ「おはようございます」
宿泊客b「青年!うまくやったか?」
津田「うまくとかそんなのないですから……あはは」
畑「はいさい♪」
津田「出たな…」
107:
71
畑「津田君、昨夜は眠れなかったみたいね?」
津田「ぐ、やっぱりチェック入ってたか!」
畑「その言い方はなんかあったのね?何をしたの?ナニをしたの??」
津田「あ……カマかけたな!」
畑「ふふーん、ささ、何をしたのか潔く語ってもらおうじゃない」
畑「てゆーかナニする以外ないかー」
津田「ナニも何もありませんよ……ただ近くで女の子が寝てるって思うと緊張して眠れなかっただけですよ?」
畑「…ふーん、でも何もなかったとは言ってないわねー。ね、萩村さん?」
スズ「ひっ!?」
畑「だいぶアツい夜を過ごしたみたい、ねぇ?」
スズ「そ、それは」
津田「畑さん!もう引っ掛かりませんよ」
スズ「!……」
畑「ぷー」
108:
72
ススッ
畑「…で、誘ったの?」(ボソッ)
スズ「…そんなこと出来るわけないじゃないですか」
畑「なによぉ…あそこまで焚き付けたのに」
スズ「……すみません…」
畑「誘わないにしても、何もしなかったの?ん?何もナシ?」
スズ「それは……別に…………ないもん」
畑「あったね?」
スズ「…………だって畑さん記事にするし」
畑「恋路を邪魔するほど野暮じゃないわよぉ」
スズ「…………でも」
津田「おーい萩村!畑さんも、早くごはん食べましょうよ!」
スズ「あ……は、はーい!」
畑「ちぇー」
109:
73
スズ「津田、朝からよく食べたわねー」
津田「旅先ってつい食べちゃうんだよね。ただの白飯でも!」
スズ「そんなもんかしら。さ、これからどうする?」
津田「うん…先生もあー言ってるし、のんびり遊ぼうか」
スズ「そうね!」
スズ(津田とデート……南の島でデート……♪)
スズ「??♪」
津田「萩村、ご機嫌だねー」
スズ「!…ま、まぁリゾートだし?それよりこれからどうするかプラン決めなさいよ」
津田「えっと、オレが考えるの?」
スズ「当たり前でしょ!男なんだから!」
津田「へいへい…」
スズ「たまには私をエスコートするくらいのことしてみなさい。それとも私相手じゃやる気が出ないかしら?」
津田「そうだな…萩村にはいつも助けられてるし、今日は萩村が楽しめるようがんばるよ」
スズ「(????っっ♪♪)……ま、よろしくねっ」
110:
74
スズ「うわぁ……島が全部見える……!」
津田「ホント、この塔は高いし、島に高い建物がないし」
スズ「地球の丸さを実感できるわねー」
津田「えっと、あっちの方が港で、あっちに昨日萩村を見つけた浜があるみたい」
スズ「私あんなに迷ったの…」
津田「よく歩いたね?」
スズ(ジィー)
津田「……」
スズ(ジィー)
津田「……?な、何?」
スズ「せっかく一番高い所にいるのに、見下ろされてる…」
津田「…わかったよ、先降りてるから」
スズ「わ、バカ!先降りるな!スカートなんだから!」
津田「どうせいっちゅーねん!?」
カシャッ
畑(はいロリ会計のパンチラいただきっと)
111:
75
prrrr!!
津田「あ、電話」
スズ「誰?」
津田「七条先輩だ。なんだろ?」
アリア『津田君?シノちゃんから聞いたわ。スズちゃんとお楽しみだったみたいね?』
津田「あー…お察しかとは思いますが、誤解は帰ってから解こうと開き直ってます」
スズ「あの話か…」
津田「あ、今スピーカーに切り替えるわ」
アリア『あら、今みんなでいるの?』
スズ「いえ、横島先生は二日酔いで倒れてて、船の時間まで二人で時間潰してます」
アリア『ならちょうどいいわ!私の持ってる本に穴場スポットが載ってるから、行ってみてくれない?写メがほしいの』
スズ「へぇ?!津田、どうする?」
津田「いいんじゃないかな?じゃ、場所教えてください!」
112:
76
津田「ここは…皆で海水浴したとこだね」
スズ「それで、ここから右……この茂みですか」
アリア『そうみたい』
津田「茂みだな……」
スズ「茂みね……」
アリア『景色を写メしてくれる?』
津田「はぁ、わかりました」
カシャッ ピロリーン
アリア『そう!ここよ!ココ!』
スズ「…?」
津田「特に面白そうなものはありませんよ?」
アリア『あるわけじゃないわ、するのよ!』
スズ「へ?……何をです?」
アリア『青○!!』
津田・スズ「はぁ!?」
アリア『この素人投稿雑誌と同じアングル!浜からは見えないし景色もいいし、初心者にオススメの場所だって♪』
津田「そんなもんのために歩かせたんかぃ…」
アリア『そこで写メして!左側の木にスズちゃんが手をついて、津田君が後ろから』
ブッ ツーツー…
スズ「行くわよ」
津田「…ハイ」
113:
77
津田「萩村、ついでにシュノーケリングしてみないか?あそこでレンタルしてるよ」
スズ「いいわね、じゃ水着に着替えてきましょ」
スズ「お待たせ」
津田「あ、セットとパラソル借りといたよ」
スズ「ありがと……で、」
津田「ん?」
スズ「その……日焼け止め、背中に塗ってくれる…?」
津田「あ、ああ…」
津田(直に触れて……と、意識するな、鎮まれオレ!)
ぬりぬり…
スズ(恥ずかしいけど…幸せかも……いつからこんな大胆になったんだろ、私)
津田「…と、こんなもんかな」(ドキドキ)
スズ「ありがと」
スズ(雰囲気に流されちゃってるのかな…でも流されたい気分…)
114:
78
スズ「津田は…背中、どうする?」
津田「うん…じゃあ頼もうかな」
ぬりぬり…
スズ「あっ、顔の回り、塗り残しあるわよ」
津田「えっ、本当?」
スズ「油断すると変に焼けるわよ…じっとしてて」
ぬりぬり…
津田(萩村が目の前に…近いな……目のやり場に困る)
ぬりぬり…
スズ「なに目を泳がせてるのよ」
津田「い、いや…どこ見ていいかわからなくて…」
スズ「な、バカ、見るな!」
津田「ごめん…」
カシャッ カシャッ
畑(あの子達、デートに夢中で私の存在忘れてるわ…いけませんねぇ♪)
115:
79
津田「マリンウォークとはまた違った景色だなぁ」
スズ「光が強いからね。キラキラしてるわ」
津田「!萩村!でっかい魚だ!」
スズ「あら、本当」
津田「追いかけてやる!」(バシャバシャ)
スズ「勝てるわけないでしょ」
津田「あ、向こうに珊瑚発見!」(バシャバシャ)
スズ「ちょ、津田!待ってよ!はしゃぎ過ぎ!」
津田「萩村も来てみなよ!そんなに深くないぜ」
スズ「…………」
津田「あ」
スズ「どーせ私には深いわよ」(プイッ)
津田「ごめんごめん。でも大丈夫だって!」(スイー)
116:
80
津田「ほら、こうすれば」(グイッ)
スズ「あっ…」
津田「…………萩村もつかまってて?」
スズ「……うん」(ギュッ)
津田「…………」
スズ「いきなり抱っこなんて、ずるい」
津田「……嫌?」
スズ「そんなわけないてしょ……津田らしくない大胆さね」
津田「…ごめん……正直、ドキドキしてる」
スズ「それは私のセリフよ……なんか…その…カップルみたいね…」
津田「……嫌?」
スズ「…今だけだからね…」
津田「…ごめん…」
122:
81
津田「人のおごりで食べ放題っていいねー!」
スズ「学校のお金でしょ……私が原因なのに、なんか申し訳ないわ」
津田「まぁまぁ、学校がいいって言ってるんだからいいんだよ」
スズ「お気楽ねぇ」
・・・・・・・・
スズ「ふんふんふふ?ん♪」
津田「…ご機嫌な萩村さん、このスイーツの数々は…?」
スズ「何よ、さっきの注文もう忘れたの?マンゴーソフト、シークヮーサーかき氷、で、これがグァバジュース、ぜんざい黒糖、サーターアンダギー…」
津田「……」
スズ「そしてブルーシールの塩ちんすこう」
津田「oh my……女子だなぁ」
スズ「あら、津田は何頼んだの?」
津田「ラフテー丼」
スズ「男子ねぇ……はい、かき氷おすすめ」
津田「え」
スズ「……ほら、早く…」
津田「あ、ああ」(アーン)
スズ「……」
津田「……すっぱい」
123:
82
津田「だいぶ日が傾いてきたな」
スズ「いいわね、こののんびりした空気」
津田「ホント、地元とは時間の流れが違うよな」
スズ「こういう世界もあるのね。今まで知らなかった」
津田「萩村はいつも頑張り屋だから」
スズ「…まあね。でも今はこういうのも悪くないって、思えるわ」
津田「俺はずっとこうがいいかなぁ」
スズ「津田らしいわ…ふふっ」
津田「あーーーーもぅ帰りたくない!!ここで暮らしたいっっ」
スズ「全力で何言ってるのよ…」
津田「萩村はそう思わない!?」
スズ「…………まぁ、それもアリかな」
津田「でしょ!?」
124:
83
スズ「でも、ひとりじゃ何していいかわからないわ。時間もて余しちゃいそう」
津田「そうだね……じゃ、ふたりでここでずっと暮らそうか?」
スズ「……!?」
津田「……なんてね!あは、あははは?」
スズ「変な冗談言わないでよ……」
津田「ごめんごめん」
スズ「……」
津田「……」
スズ「…………それもいいかもね」(ボソッ)
津田「え?」
スズ「なんでもないわ」
125:
84
津田「いよいよこの島ともお別れか…」
スズ「そうね……少し、寂しいわ」
津田「うん……そしてあの人は誰と別れを惜しんでるの?」
島の若者「ナルコさん、また逢えるやがや?」
横島「もちろんよ…運命がふたりを引き寄せてくれるわ」
島の若者「わん、ゆたさんいきがんかいなって、かんなじ行ちゅーん…!!」(俺、いい男になって、必ず行きます…!)
横島「楽しみにしてるわ…」
スズ「何があったのよ…いや知りたくないけど」
津田「横島先生もぶれないな…」
スズ「はぁ」
津田「さてと」
スズ「?」
津田「まだかかりそうだし、散歩でも行くか」
スズ「え!?」
津田「萩村も、一緒にどう?」
127:
85
津田「……」
スズ「……」
津田「あそこ」
スズ「え?」
津田「あそこでね、大門先生が道下先生に星の砂渡してたんだ」
スズ「へぇー……こんなところで…」
津田「ホント、仲良さげだった!大門先生さ、道下先生に見つめられて照れてんの」
スズ「そうなんだ……ロマンチックで素敵ね」
津田「萩村も、そういうの憧れたりするの?」
スズ「当然よ」
津田「そっか…」
スズ「……津田は?」
津田「オレ?」
スズ「うん」
津田「そうだな……いいと思う。オレにはとても真似できそうにないけど」
128:
86
スズ「できるわよ」
津田「いやいやいやいや…」
スズ「できるって。……現に、してくれたじゃない…」
津田「へ?」
スズ「……これ」
津田「ん?星の砂?」
スズ「昨日津田がこれくれた時、私すごくうれしかったわ」
津田「や、でもかっこよく出せなくて」
スズ「大丈夫よ。だ、だからあの後……」
津田「あの後?」
スズ「……手」
津田「…あ」
スズ「…手、つないでもらったんじゃない……」
津田「そ、そか」
スズ「…………」
津田「…………」
129:
87
スズ「津田」
津田「は、はい」
スズ「今日、ありがとう」
津田「へっ?」
スズ「私のために、色々考えてくれて…」
津田「あぁ、うん……楽しめた?」
スズ「沖縄で一番楽しかった」
津田「ほっ……よかったー」
スズ「…ね、今日のって……で…」
津田「……」
スズ「その……で……デー…」
津田「萩村とデートのつもりで考えたよ」
スズ「!!」
津田「だから……萩村が楽しかったならオレも楽しかった」
スズ「…………楽しかったし、嬉しかったし……幸せだったわ」
津田「ならオレも楽しかったし嬉しかったし、幸せだよ」
スズ「津田…………」
津田「萩村…………」
スズ「…………」(クイッ)
津田「…………」(スッ)
……………………
130:
88
スズ「……へへ」
津田「……はは」
スズ「津田…………好き」
津田「オレも好きだよ、萩村」
スズ「……幸せ」(ギュッ)
津田「ああ……」(ギュッ)
131:
89
スズ「でも津田、いいの?」
津田「何が?」
スズ「こんな私で。他にもっと魅力的な人沢山いるじゃない」
津田「そう?」
スズ「そうよ。た、例えば……会長とか……七条先輩とか……」
津田「会長……七条先輩……」
スズ「そうよ、私なんかと違って大人の女性だし……スタイルだっていいし……」
津田「まぁ…………う??ん」
スズ「な!ちょ、何悩んでるのよ!?」
津田「あ、いやいや、ごめん」
スズ「そこは即答じゃないの!?バカ!」
134:
90
津田「違う、違うって」
スズ「なによ?プンスカッ」
津田「そうじゃなくて、どうして他の人じゃなくて萩村に惹かれたのかなって」
スズ「え…」
津田「今思えば、なんだけど……やっぱりいちばん近くに感じてたからかなー…」
スズ「そうなの?」
津田「生徒会でもクラスでも一緒だし、勉強も沢山教えてもらってるし…」
スズ「うん…」
津田「あ、もしかしたら会長達のおかげかもしれない」
スズ「どういうこと?」
津田「会長達へのツッコミ疲れ、共有してくれてるだろ?」
スズ「プッ…そうね」
津田「はははは」
スズ(畑さんすごいな……なんでもお見通しだったんだ)
135:
91
津田「萩村はどうなの?」
スズ「…どうって?」
津田「だから……オレのこと好きになってくれた理由」
スズ「…やだ……恥ずかしいよ…」
津田「教えてよー。オレだって話したんだからさ」
スズ「もう……。……津田は、鈍感」
津田「ぐはっ!?」
スズ「でも、自然に優しいことしてくれたり、安心できること言ってくれる」
津田「そ、そうなの?」
スズ「だから皆津田を好きになるのよ」
津田「えぇ!?…皆って…?」
スズ「…誰とか気になるの?私への気持ち、揺らいだ?」
津田「いや!そんなことはないけど……気にならない、と言えばウソになるかもね」
スズ「絶対教えたげないっっ」
津田「はは、いいよいいよ。オレは萩村が好きなんだから」
スズ「……ありがと。……ね……」
津田「ん?」
スズ「……もう一回…………キス……」
津田「ん…」
136:
92
津田「でも、これからうちらの関係、どうしよう?」
スズ「どうしようって…………え!?……こ、恋人同士、じゃないの…?」
津田「あ、いや、うん、もちろん恋人同士だよ!」
スズ「へへ」
津田「でも、皆には黙っとかなきゃいけないかな?」
スズ「あ?……その方がいいかもね……校則もあるし」
津田「そうだよな……TPOをわきまえないと」
スズ「津田の口からそんな言葉が出るものなのね…」
津田「おいおい……だって下手に誤解されて生徒会役員解任とか、最悪退学にでもなったら大変じゃん」
スズ「そうね、わかったわ」
137:
93
畑「そんなわけでおめでとう、お二人さん」
津田・スズ「やっぱりいたか……」
畑「萩村さん、どう?今の気持ちは」
スズ「幸せです…」
津田「へへ…」
畑「で、津田君はどう?ペドに目覚めた心境は」
津田「しあわ……あれ?質問違くね?」
畑「てことで大スクープだわー」
津田「あのー、その事でお願いが……」
畑「んー?」
スズ「その、皆には秘密にしておいて頂けませんか…」
畑「あらぁ、せっかくのスクープなのにー?」
津田「お願いします!」
畑「……な?んてね?」
津田「……?」
畑「大丈夫よ、記事にしたりしないから」
津田・スズ「!?!?」
138:
94
津田「そそ、そ、それはどういう風の吹き回しで!?」
スズ「畑さん?大丈夫ですか?」
畑「大丈夫よ。なに、難しいことじゃないわ」
津田「??」
畑「これ記事にしたら私が学校サボってるのバレるから」
津田・スズ「な?るほど?」
スズ「…でも畑さん、だったらなんでここまでして私達張ったんですか?」
畑「えー?変かしら?」
スズ「だってそうでしょう?元々記事にできないことわかってたんだから」
畑「……それはね…」
スズ「……」
畑「ジャーナリストの本分よ」(キリッ)
スズ「すご……プロ意識ですか…」
139:
95
畑「ま、今後の展開に期待ってところかしら」
津田「ははは……怖いなぁ」
スズ「あの、畑さん」
畑「なんでしょ?」
スズ「……昨夜のお風呂でのこと……もしかして純粋に応援してくれたんですか?」(ヒソヒソ)
畑「んふふ、どうかしらねぇ?」
スズ「……ありがとうございます」
畑「さ、そろそろ時間よ。あなた達の船」
津田「畑さんはいつ帰るんですか?」
畑「あなた達のすぐ後よ。飛行機もそう。でないとバレちゃうからねぇ」
津田「わかりました。また学校で会いましょう」
畑「♪またはーりぬ ちんだらかぬしゃまよ♪」
140:
96
津田「萩村」
スズ「今は名前で呼んで」
津田「……スズ」
スズ「なーに?タカトシ」
津田「……はは、なんか恥ずかしいね」
スズ「うん…でも幸せ」
津田「これからさ、どうやってふたりで逢うか、考えながら帰ろうぜ」
スズ「…うん♪」
・・・・・・・・
畑「さて、無事二人はこっそり付き合い出した…と」
畑「でもなんだかんだで疑われるでしょうねぇ……まぁ疑われるように仕向けるけど……」
畑「その様子を見たあの人のリアクションこそが本命!」
畑「……やっぱり”不憫かわいい“姿が一番萌えるからねぇ、天草会長は♪」
141:
97
津田「ただいまー」
コトミ「おかえりタカ兄……あれ?」
津田「ん?どした?」
コトミ「なんか雰囲気が変わってる!あか抜けた顔になってる!!」
津田(やば、萩村とのこと表情に出ちゃってるのかな…)
コトミ「ひと皮向いてもらった感がすごい!まさか本当に他人丼……!?」
津田「せっかくサーターアンダギー買って来たのに……お前本当にナシね」
・・・・・・・・
スズ「ただいまー」
スズ母「おかえりなさい、お赤飯炊いといたわ♪」
スズ「にゃ!?」
スズ母「だ・か・ら!津田君とはどうだったの?」
スズ「それは…………」
スズ母「それは?」
スズ「……別に…………(ポッ)」
スズ母「きゃーーーー!!早くウチに連れてきなさいっっ♪♪」
スズ「なんでよ……もぅ……」
142:
98
シノ「津田達は本当に3Pしたのだろうか……」
アリア『あらぁ、そんな顔して。嫉妬?』
シノ「な、バカな!私は学園の風紀に悪影響が出ないか心配なだけだ!」
アリア『そうなの?てっきりシノちゃんは混ざりたかったんだと思ってた』
シノ「そしたら津田の手も穴も足りないぞ…」
アリア『うふふ、そぅねぇ』
シノ「って違ーーう!!揉みしだき合う仲など認める訳にいかん!明日二人を問い詰めねばならんな!」
アリア『でもシノちゃん、これで津田君が特殊性癖を理解してくれるかもしれないよ?』
シノ「む……」
143:
99
ピンポーン
津田「はい……あ、萩村」
スズ「…おはよ」
津田「おはよう!」
スズ「いきなり朝早いから迎えに来てやったわ」
津田「ありがと、すぐ出るよ」
・・・・・・・・
津田「今日は早会長達の誤解を解かなきゃな」
スズ「そうねー…」
津田「萩村、なんかうまい言い訳できる?」
スズ「具体的に説明するしかないかな……それと」
津田「ん?」
スズ「今は…………二人きり…なんだけど」
津田「ああ……そうだね、スズ」
スズ「えへへ……タカトシ♪」
144:
100
津田・スズ「おはようございまーす」
アリア「おはよう♪」
シノ「おはよう……っていきなり仲良く登校してきたよぉ!」
津田「ええっ!?」(ギクッ)
スズ「べ、別に一緒の登校は今に始まったことじゃないですよ!」
シノ「でもなんかリア充オーラすごいもん!」
アリア「確かに何か距離が縮まった感じがするわ。やっぱり揉みしだき合った仲なのね!」
スズ「ちょ、だからそれは……津田、なんとか言ってよ」
津田「えぇ…萩村こそ、なんとか言ってよ…」
シノ「イチャイチャするなぁ!!もう先生に言いつけてやるぅ!」
145:
101
横島「おはよう、生徒会役員共」
シノ「横島先生!こいつら…」
横島「ん?どうした天草」(テカテカ)
シノ「先生もハンパないすっきり感!おまえら沖縄で何してきたぁ!?」
横島「島の男の子はすごい生命力よ…」
津田「生命力どーやって感じるんだよ!?」
スズ「…………(ポッ)」
シノ「リア充爆発しろーーーー!!」
畑「いぃよぉー会長、もっと妬いちゃってくださーい!」(カシャカシャッ)
アリア「まぁ、エロスねぇ♪うふふ♪♪」

163:
102
シノ「遊びに行くぞ!」
津田「は?」
スズ「どうしたんです?突然」
シノ「いや、さすがに受験勉強ばかりで疲れてしまってな。気分転換がしたいと思って」
アリア「そうね、たまにはヌキイキしたいわね」
津田「息抜きね」
スズ「そういうことなら行きますか」
シノ「よし!では今週の日曜11時に駅前に集合だ!」
津田・スズ「了解しました!」
アリア「私お昼過ぎになるから、着いたらメールするわ♪」
シノ「あっと…すまない、先走って決めてしまったな。では時間を遅らせよう」
アリア「いいのよシノちゃん、今、時間は貴重だもの。少しくらい気にしないで!」
シノ「そうか……ありがとう、アリア」
164:
103
prrrr!!
津田「スズ!どうしたの?」
スズ『あ、タカトシ……今日集合時間に遅れるわ』
津田「ありゃ…どうしたんだよ?」
スズ『ま??たボアが逃げたのよ?。今家族で探してる』
津田「あらら…そりゃ参ったね。オレも手伝いに行こうか?」
スズ『うん、ありがとう。でも会長に悪いわ』
津田「まぁな?…」
スズ『すぐ追い付くから、会長と遊んでて』
津田「……その……いいの?会長と二人きりだけど…」
スズ『……タカトシを信じてるから大丈夫よ』
津田「わかった……早く見つけてきてね。会長には連絡した?」
スズ『これからするわ。じゃ、また後で』
165:
104
津田「会長、おはようございます」
シノ「おはよう津田。時間に間に合ったな」
津田「もちろんですよ」
シノ「で、萩村が遅れるそうだか、聞いたか?」
津田「はい、オレにも連絡ありました。なんでもボアがまた逃げ出したとか」
シノ「その様だな。探すのを手伝おうかと言ったら断られたよ。水くさい」
津田「オレもですよ。大変な時期の会長達の、気分転換を邪魔したくないんでしょう」
シノ「ああ、ありがたいな。……で、だ」
津田「?」
シノ「萩村とアリアが来るまで、私達だけなのだが……いいのか?」(チラッ)
津田「もちろん、構いませんよ!」
シノ「そうか、なら行こう!」
166:
105
シノ「早買い物に付き合ってもらおう」
津田「それは構いません。でも」
シノ「でもなんだ?」
津田「ここ下着売り場じゃないですか!オレ入れませんよ…」
シノ「そう言いつつキョロキョロと物色しているではないか。このスケベめ!」
津田「目のやり場がないんですよ……」
シノ「とかなんとか言っちゃって」
津田「いやホント男子はこういうトコ気まずいんです。ホントマジで」
シノ「こんなのはどうだ?」
津田「聞いて下さいよ!そんなこと訊かれても……oh」
シノ「これは誰に似合うかな?ん?私か?アリアか?萩村か?」
津田(コレ布ないじゃん!エロ過ぎるだろ……こんなのスズがつけてたら…………うーん…悪いけど、ないな……会長?七条先輩?)
シノ「……津田?」
津田(ってか七条先輩は収まるのか?はみ出しちゃったら…いやはみ出しちゃっていいのか!?)
シノ「ツダ」
津田「はっ!?」
シノ「妄想し過ぎだ」
津田「……」
167:
106
シノ「おや、萩村からメールだ……学校で見つかったそうだ」
津田「また学校か!まぁよかったですね?」
シノ「今から来るそうだ。ちょうど昼だから、どこかに入って待つとしよう」
津田「そうですね。どこに行きましょうか?」
シノ「そうだな。…何か食べたいものはあるか?」
津田「何でも良いですよ。会長は何がいいですか?」
シノ「私だって何でもいい。津田が決めてくれ」
津田「…決めた後でエーとか言いません?」
シノ「言わない……多分」
津田「わかりました、じゃあ行きましょう」
・・・・・・・・
シノ「ファミレスぅー?エェー…」
津田「エーって言わないって言ったじゃん!」
シノ「はははっ、ウソだよ。しかしファミレスとは、なんともキミらしいな」
津田「あは、わかります?ここなら何でもあるから、安パイで」
169:
107
シノ「よし、これにしよう」
津田「会長、決めるの早いですね」
シノ「津田はまだ決まらんのか」
津田「いつも迷っちゃうんですよねー……」
シノ「ええい優柔不断な。私が決めてやるっ!これにしろっ」
津田「なんでいきなりパフェなんですか!決めた!決めましたから!」
ピンポーン
店員「ご注文お伺いしまーす♪」
シノ「私はデミグラスハンバーグのセットとドリンクバーで」
津田「オレもドリンクバーと、イカとトマトのパスタ…」
シノ「津田!!」
津田「は、はい!?」
シノ「男子が昼日中からイカ臭くなるとは何たることか!!」
店員「!?」
津田「店員さんの前で何言ってくれちゃってるんですかアンタ」
シノ「いくら若いからと言ったって、時と場所をわきまえねば」
津田「わきまえてないの会長でしょ……あ、すみません、それで…」
店員「か、かしこまりました…」(ササッ)
170:
108
シノ「ところで…」
津田「なんですか?」
シノ「津田は……その……萩村と付き合ってるのか?」
津田「!!…な、なんでそんなこと訊くんです?」(ドキドキ)
シノ「前にも言ったが…修学旅行の後から雰囲気が変わった」
津田(……スズと黙っとこうって話したもんな……でも、会長にウソつくのは心苦しい……)
津田「は、萩村とオレじゃ釣り合い取れませんよ…」
シノ「そんなの好き合っていたら関係ないだろう」
津田「あ……と、か、会長達も萩村は子どもっぽいって言ってるじゃないですか……」
シノ「私達ではない。津田はどうなんだ?」
津田「え、いや…」
シノ「付き合っているのかどうなのか?YesかNoか?」
津田「……つ、付き合って……」
シノ「……」
171:
109
津田「なんかいませんよ…やだなぁ、会長…」
シノ「……本当に付き合ってないんだな?」
津田「はい…」
シノ「だったら」(スッ)
津田「…?」
シノ(ストン)
津田「…会長?なせ隣に…」
シノ「私が……こうしてもいいのか?」(ギュッ)
津田「え!?……いや…………は、はい…」
シノ「…………」
津田「…………」
シノ「やめた」(パッ)
津田「…!?」
シノ「全く、からかいがいのないヤツだ」
津田「は、はは……」
スズ「遅くなっちゃったなー……あ、ここだ、会長がくれたメールのファミレス」
スズ「あれ?」
スズ「…なんで会長が、タカトシの隣で腕絡ませてるの……?」
173:
110
スズ「遅れました」
津田「あ、ス…萩村!」
シノ「おお、来たか。ボア見つかってよかったな」
スズ「お騒がせしました……ところで、会長と津田、ずいぶん仲が良いんですね」
津田「ぐっ!?」
シノ「おや、見られてしまったか」
津田「いや萩村、これは…」
スズ「何よ、別にいいんじゃない?」(ツーン)
津田「いや…う……」
シノ「ははは、こうなったら仕方ない、な?タカトシ?」
スズ「!?」
津田「ななななんですか」
シノ「私達の仲を、萩村には話してしまおう?」
津田「はぁ!?」
174:
111
スズ「ちょ、会長!!!?」(プルプル)
津田「なな、何言ってるんですか!スズ、別に何も」
スズ「津田は黙ってて!」
シノ「私達はな…」
スズ「……」
シノ「……」
津田「あ…う…」
シノ「仲のよい先輩と後輩だ。それだけさ」
津田・スズ「えっ…」
シノ「フフッ……まぁ座れ」
スズ「は、はい…」
175:
112
シノ「随分と焦ったようだな」
スズ「むぐ…」
シノ「さっき腕を絡ませてたのは、津田がどうしても萩村と付き合ってることを認めないのでからかったのだ」
スズ「え……」
シノ「……二人ともウソがつけないな」
スズ「う…」
津田「ぐ…」
シノ「付き合っているのだろう?」
スズ「…………」(チラッ)
津田「…………はい」
シノ「…!…………そう……か…………」
津田「ウソついてごめんなさい…」
シノ「……なぜ隠そうとしたのだ?」
津田「……」
シノ「立場を気にしてのことか?」
津田「はい…」
スズ「あらぬ誤解を生んでしまうかもしれませんし……」
176:
113
シノ「違うな」
津田「え…」
シノ「お前達は誇り高い生徒会役員だ」
スズ「……」
シノ「ならばこそ、校則に反しない健全な恋愛を、率先して見せてやればよいではないか」
津田「……!」
シノ「その方が他の生徒の示しにもなり、学園の風紀も向上するだろう」
津田「会長……」
スズ「…………」
スズ「……津田。ちょっと席外してくれない?」
シノ「ん?」
津田「え?」
スズ「早く」
津田「……わ、わかった」
177:
114
スズ「……会長はそれでいいんですか?」
シノ「なんのことだ?」
スズ「だって……会長だって、津田のこと……」
シノ「知っていたのか」
スズ「周知の事実かと…」
シノ「……ならば、下手に情けをかけられる方がよっぽど辛い」
スズ「……でも……」
シノ「私は萩村に負けたんだからな」
スズ「……そんなつもりじゃ…」
シノ「恋愛とはそういうものなのだろう?仲良く半分こできるわけでもない」
スズ「確かにそうですが……」
シノ「私は恋愛では負けた」
スズ「……」
シノ「だがそれ以外は、今までと変わらない」
スズ「……え?」
シノ「私はお前達が好きだ。ならばせめて生徒会長として、お前達のよき先輩として、よき友人として頑張らせてくれ」
スズ「会長…………グスン」
アリア「ね、その話私も混ぜて」
シノ「アリア!」
スズ「七条先輩……」
179:
115
アリア「私だって、津田君は気になってたんだから」
スズ「!!」
シノ「そうだったのか…」
アリア「でもねスズちゃん」
スズ「はい」
アリア「私はシノちゃんみたいに聞き分けよくないの」
スズ「……」
アリア「だから、こうしない?」
スズ「?」
アリア「私たちには津田君のお尻だけちょうだい!あとはスズちゃんのもの」
スズ「は!?」
シノ「アリア、それは無理な話と言うものだ」
スズ「そ、そうですよ……」
シノ「私はあまりお尻が得意でない…」
スズ「あれ!?さっきまでのカッコいい会長はどこに!?」
アリア「そこだけ譲ってくれたら、私は十分だから!」
スズ「求めるベクトルが違いすぎる……」
180:
116
アリア「ね、どうかな?」
スズ「そ、そんなの……それに津田が嫌って言いますよ…」
アリア「じゃぁ津田君がOKって言ったらスズちゃんもOK?」
スズ「ええっ!?…嬉しくはないですけど……こんな時なんて答えたらいいか、わかりません……」
アリア「よーし!じゃあ早うんって言わせちゃうぞっっ♪♪」(ピューン)
スズ「あっ!ちょっ!」
シノ「私は他の部分もOKと言わせて見せる!」(ピューン)
スズ「先輩だけどおまえら待てっっ」
・・・・・・・・
津田「腹へった……」
お わ り
181:
これで本当に終わりになります。
長々とお付き合いくださり、ありがとうございました!
18

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