初瀬「へへっ、すっぽんぽんにしてやんよ」back

初瀬「へへっ、すっぽんぽんにしてやんよ」


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3:
※灼・玄、小学一年生 宥、小学二年生
公園
灼「玄、宥さんみっけ」
宥「ううー、またすぐ見つかっちゃった」フルフル
玄「灼ちゃんかくれんぼで見つけるのうまいねー」
灼「いや、いつもタコの滑り台の後ろに二人固まって隠れてるから簡単に見つけられる…」
玄「うーん、かくれんぼ面白くないね」
灼「せめて二人が別々で隠れてくれると少し面白くなるとおも…」
玄「おねーちゃんは一人にすると心配だから、それは出来ないのです!」ギュウ
宥「玄ちゃんあったか?い」ポワーン
5:
玄「次はなにして遊ぼっか?」
灼「私は松実館で麻雀がしたい」
玄「だめだよ灼ちゃん、麻雀ばっかりじゃなくてたまには外で遊ばないと」
宥「玄ちゃん見てー、なんか良い感じの木の枝があったよー」ブンブン
玄「おおー、おねーちゃんでかしたのです!」
灼「宥さん、木の枝振り回すとあぶない…」
玄「じゃあ、戦いごっこしよっか」
灼「えっ、絶対やりたくな…」
玄「それぞれの武器決めよう」
灼「話きいてない…」
宥「私の武器はこれー」ブンブン
7:
玄「私は何にしよっかなー」
灼「こんな子供っぽくて女の子らしくない遊びしたくな…」
玄「私達は子供だよー。あっ、なんかゴルフのクラブ落ちてたから武器これでいっか」
灼「それはやめて」
宥「えいっ!えいっ!」ブンブン
灼「宥さん素振りはやめていったん落ちついて」
宥「今修行中だからちょっと待ってね」ブンブン
灼「修行とかほんと子供っぽいからやめてほし…」
玄「なわとび落ちてたからこれが武器でいいかな、ムチみたいだし」
灼「まあ、ゴルフクラブよりはまだいいか…というか普通になわとびで遊びたい…」
12:
玄「じゃあ戦いを始めようか」
灼「えっ、私の武器は…」
玄「灼ちゃんの武器は己のこぶしだよ」
宥「うわー、灼ちゃんかっこいいなー」ブンブン
灼「いや、それただの素手だとおも…」
玄「おねーちゃん、開戦の合図をお願い」
宥「ブオオォォォー!!」ホラガイ
灼「どっからホラ貝出したの…うるさいからやめてほし…」
玄「とりゃー!」ペシペシ
灼「いたい、なわとび地味に痛いからやめて…宥さん助けて」
宥「今修行中?」ブンブン
灼「…このコケーシ・ヴィ・アラタニアが命じる。玄をおさえろ」キュイーン
宥「は?い」ガシッ
玄「お、おねーちゃん裏切ったね!」ジタバタ
13:
灼「玄、よくもやってくれたね」
玄「ご、ごめんね灼ちゃん」
灼「だめ、許さない」コショコショ
玄「あははっ!!くすぐりはやめてー!!」ジタバタ
灼「それそれ」コショコショ
宥「私もー」コショコショ
玄「あひゃひゃ!!」ジタバタ ゴツン
宥「いたっ!」
灼(あっ…玄のひじが宥さんの目にあたった…)
宥「…」メヲオサエル
玄「も、もうおねーちゃんまたそんな演技してー」
宥「…」シーン
玄「お、おねーちゃん。ほらなわとびでペシペシしちゃうよー」
宥「これほんとだから、今はやめて」
玄「あっ…ごめん…」
16:
玄・宥「…」
灼(こういう時のこの空気、嫌だな…)
灼「ごめんね宥さん、私が玄をくすぐったりなんかしたせいで…」
玄「私もごめんね、おねーちゃん」
宥「ううん、私も一緒になってくすぐってたから…」
玄「目、大丈夫?」ナデナデ
宥「もう痛くなくなったから平気だよ、ごめんね二人とも」
玄「悪いのは私だよ、灼ちゃんもごめんね」
灼「うん…」
玄「よしっ、次は砂場で遊ぼう!」
宥・灼「おー!」
19:
宥「あっ、もう砂場つかってる子達がいる…」
灼「ほんとだ…」
玄「おまかせあれ!私が声をかけて、一緒に遊ばせてもらうのです!」
穏乃「憧、これ何だと思う?」
憧「そんなの何でもいいから、私の家でお医者さんごっこしようよー」
穏乃「これね、ミキプルーンの苗木」
憧「ちょwww」
玄「ねー、私達も一緒に砂場で遊んで良いかな?」
憧「…」サッ←穏乃の後ろに隠れる
穏乃「いいよー」
憧「し、しず…知らない子と遊んで大丈夫かな」フルフル
穏乃「それくらい大丈夫だよ」
憧「う、うん」ギュ
22:
宥「砂場で何してるの?」
穏乃「泥団子つくってます」
灼「泥団子とか手汚れるからやだ…」
穏乃「あっ、あなたは…あのー握手してもらっていいですか?」
灼「えっ、私?」
穏乃「はい、いやー嬉しいなお会いできで。泥団子いりますか?」
玄「灼ちゃん知りあい?」
灼「いや、初めましてだとおも…」
穏乃「えっ、ざしきわらしさんですよね?」
灼「誰がざしきわらしだ、おい」
憧「ざwしwきwわwらwし」
灼「あ?」
宥「灼ちゃん、あったか?い」ポワーン
23:
やえ「初瀬、今日は少し遠い駄菓子屋に連れってってやる」スタスタ
初瀬「ありがとうございます、小走様」スタスタ
やえ「あんたほんとに私より二つ下なの…その話し方やめてよ、私達普通の友達でしょ」スタスタ パクパク
初瀬「お気になさらずに…それよりまた枝豆を食されているのですか…」スタスタ
やえ「私は三才の頃からマメしか食べない」
初瀬「すぐに食生活を改善された方がよろしいかと…」
やえ「大丈夫…。あっ、あの子…」ピタッ
灼「誰がざしきわらしだ、おい」
初瀬「公園の砂場で遊ばれてるあの方がどうかしましたか?」
やえ「か、かわいい///」ポッ
初瀬「はい?」
やえ「すごくかわいいあの子、一緒に駄菓子屋行ってくれないかな///」
初瀬「…」
24:
やえ「うぅー、どうしよう。声かけてみようかな///」モジモジ
やえ「でも今砂場で遊んでるみたいだし邪魔したらだめかな///」モジモジ
初瀬「そんな優柔不断な態度、小走様にしては珍しいですね」
やえ「う、うるさい///」
初瀬「私が声をかけてお誘いしてきます」スタスタ
やえ「あっ、初瀬…」
憧「マwグwマwこwけwし」
灼「あ?」
初瀬「お嬢さん、少しよろしいですか?」
灼「えっ、私?」
初瀬「私、岡橋初瀬と申します。突然お声をかけるご無礼、どうぞお許しください」ペコッ
灼「何そのしゃべり方…同い年くらいだよね…」
初瀬「あちらにいる小走様があなたを大変お気に入られたようで、駄菓子屋にお誘いしたいと…」
灼「えっ…」
26:
小走「///」モジモジ チラッチラッ
灼「その小走様って、公園の外にいるあの人のこと?」
初瀬「はい」
玄「すごく灼ちゃんのことチラチラ見てるね…」
憧(何この展開wwwどーすんだろこの灼っていう人www)
灼「……岡橋さん、小走さんに伝えてもらえる?」
灼「私と駄菓子屋に行きたかったら、自分で誘いに来いって…」
憧(うはwww)
初瀬「…はい、その様に伝えさせていただきます。お名前をお伺いしても?」
灼「あらた…鷺森灼…」
灼「麻雀とボウリングが好きで、ちょっとクールな小学一年生だよ」
憧(何言ってんのwww)
27:
やえ「あっ、戻ってきた…」
初瀬「お待たせしました。あの方、鷺森灼というお名前のようです」
やえ「へ、へえー。そ、それでなんて言ってた?」
初瀬「はい、私と駄菓子屋に行きたければ自分で誘いに来いと…」
やえ「えっ…」
やえ「…も、もういい!駄菓子屋行くぞ初瀬!」
初瀬「よろしいのですか?素直に誘えば来てくれるかもしれませんよ?」
やえ「ふ、ふん!別に少しかわいいかなって思っただけだし…」
初瀬「私にはそんなプライドを捨ててでも声をかけるに値する女性かと思いますが」
やえ「お前ホントに何才だよ…もうこの話は終わり、行くよ」スタスタ
初瀬「はい…」スタスタ
やえ「…今から行く駄菓子屋の横には、小さいけどゲームセンターもあるんだ」
初瀬「それは素晴らしい…」
やえ「ふふっ、そうだろ」
やえ(鷺森灼か…また会えるかな…)
29:
玄「どっかいっちゃったね、あの人達…」
宥「私達もそろそろ阿知賀女子の見送りに行ったほうがいいんじゃないかな…」
灼「えっ、もうそんな時間…ハルちゃんにがんばってって言いに行かないと」
玄「あの晩成っていう強いところを倒して全国行くんだもんね、すごいよね」
灼「あなた達はどうする?見送りしに阿知賀女子に一緒に行く?」
穏乃「まだ砂場で遊ぶんでやめときます。ね、憧」
憧「うん」
玄「そっか、じゃあまたね」
宥「ばいばーい」
灼「全国の試合テレビで見た方が良いよ、ハルちゃんは阿知賀のレジェンドって呼ばれてるくらいだから」
穏乃「わかりましたー」
憧(阿知賀のレジェンド…なんかおもしろそうwww)
31:
阿知賀女子学院 校門前
キャーキャー ワイワイ ガンバレヨー 
望「うわー、見送りすごい人だねー」
晴絵「この阿知賀のレジェンドこと赤土晴絵がいるんだ、当然だよ」キラッ
望「…うん」
宥「ふう、間に合ったみたいだね」
玄「やっぱりすごく人が集まってるよ」
灼「はるちゃぁぁぁぁん!!がんばってねぇぇぇぇ!!」
望「おっ、ちびっこファンだ」
晴絵「ふむ、三人ともかわいいね…君達、この赤土晴絵を実際に見た感想はどうだい?」キリッ
宥・玄「…」
灼「すごくかっこいいですっ!!」
35:
晴絵「うんうん、良くわかってるね」
灼「ありがとうございますぅ!!」
晴絵「よし、じゃあまず君。私のつかってるハンカチをあげよう」
宥「えっ…は、はい」
晴絵「次、君にはこの麻雀牌のキーホルダーをあげよう」
玄「あ、ありがとうございます…」
望「ハルエ…自分の身につけてるものを、女の子のちびっこファンにあげる癖直したほうが良いよ…」
晴絵「いいんだよ、これもレジェンドとしての宿命を背負った者の義務さ」キラーン
灼「…」ソワソワ
晴絵「君には…もうあげれる物がないな…」
灼「…わ、私は大丈夫です」ショボーン
晴絵「ふふっ、しょうがないな。君には特別にこれをあげよう」スッ
灼「これは…タヌキの顔がプリントされたTシャツ…」
望(うわぁ…)
39:
晴絵「そのTシャツはね、アニメになるとタヌキが消える不思議なTシャツなんだよ」
灼「あ、あ、ありがとうございます!!」ペコリ
晴絵「まだサイズ合わないと思うから、大きくなったらつかってね」ニコッ
灼「はいっ!!」
バスガデルデー
晴絵「おっともう時間のようだ、テレビの前で応援よろしくな」キリッ
灼「絶対応援します!がんばってください!」
晴絵「ああ、どんな強い相手でも関係ない。むしろ私と当たる相手がかわいそうだ」
晴絵「私は百年に一人の逸材(自称)だからね、精神力から何から凡人の比ではないんだよ」
望「もうわかったから、ほら行くよ」
晴絵「全国でも私の化け物っぷりを発揮して、軽く優勝してくるよ。じゃーね」ヒラヒラ
灼「いってらしゃーい!!」ブンブン
玄「なんか…すごい人だったね…」
宥「…うん」
42:
そしてインハイ 団体戦準決勝 対局室
晴絵「いやー準決勝まで危なげなく来れたよ、やっぱ私ハンパないな」
はやり「そうだねー☆全国も全然たいしたことないね」キャピ
理沙「楽勝」プンスコ
晴絵「もうこれは優勝した時のコメント考えとかないとな」キリッ
はやり「私はサインの練習をしとかないとなー☆」
理沙「余裕のよっちゃん」プンスコ
晴絵「それよりあと一人遅いな、阿知賀のレジェンドにビビっちゃったかな」ヤレヤレ
はやり「はやりが強くてかわいいから来にくいのかも☆」キャルン
理沙「敵前逃亡」プンスコ
ガチャ
健夜「すいません、遅くなりました」ゴオォォ
44:
晴絵(そいつが対局室に入ってきた瞬間悟った…自分は狩られる側の人間だと…)
晴絵(同卓の他二人も力の差を感じ取ったのだろう…急に何もしゃべらなくなった…)
晴絵(気づいたら試合は終わっていて…私は大量失点していた…)
晴絵(世界の違いどころではなく…次元の違いを感じた…)
晴絵(そして私は…)
トラウマ「今日からお世話になります」
晴絵(これから長い付き合いになる…トラウマを抱えることになった…)
鷺森灼の家 テレビの前
灼「うえぇぇぇん!!ハルちゃんが負けちゃったぁぁぁ!!」ポロポロ
灼「でも安心してハルちゃん…私があいつに婚期が遅れる呪いをかけてあげるから…」グスッ
そして月日は流れ十年後…
46:
県予選会場 団体戦一回戦終了後
良子「くそっ」カベドン
由華「ううっ、小走先輩」グスッ
やえ「すまない、先鋒の私が不甲斐ないがために…」ギュウ
やえ(私達晩成は阿知賀に敗れた…)
やえ(阿知賀がこんなに強かったのも驚いたが…)
灼『ロン』
やえ(十年前に一度だけ見たあの女の子が阿知賀にいたことに…)
やえ(そして美しく凛々しい女性になっていたことに…もっと驚いていた…)
やえ(阿知賀は県予選を勝ち上がっていき…全国行きを決めた…)
やえ(『おめでとう、全国でも頑張って』と伝えようと思ったのだが…)
やえ「お、おまえらっ、全国で無様なマネしたら承知しないかんな!!」
やえ(またしても素直になれない自分がそこにいた…)
48:
それから数日後
初瀬「小走先輩っ!いましたよ阿知賀の鷺森灼です!」
やえ「…初瀬、ほんとに鷺森灼のこと覚えてないの?」
初瀬「はい、というか小さい時に小走先輩と遊んだことがあるっていうのも記憶にないです」
やえ「そうなのか…あの時は私のこと小走様って呼んでたんだけど」
初瀬「十年前ですよね…それほんとに私ですか?」
やえ(初瀬が覚えてないなら、私のこと鷺森灼が覚えてるはずもないか…)
初瀬「それより壮行試合のこと話しに行くんですよね、早くしないとどっか行っちゃいますよ」
やえ「うっ、ちょと待って///」モジモジ
初瀬「何モジモジしてるんですか?私が行きましょうか?」
やえ「それはダメ!私が自分で行く!!」
初瀬「は、はい」
やえ「ふぅー……、行ってくる」スタスタ
49:
やえ「ね、ねえ」
灼「!?」
やえ「あんた達…来週少しヒマない…?」
灼「こわ…意図が読めな…」
やえ「壮行試合してあげるっつってんの!!奈良個人一位の私含む晩成がよ!?」
灼「それはすごくありがた…」
やえ「ふんっ。そ、それはそうとなんかおなか減ってきたなー」
灼「?」
やえ「ファミレスにでも行こうかなー。あ、あんたも来る?///」チラッ
灼「えっと、急に意味がわからな…」
やえ「奈良個人一位の私が誘ってるんだから付きあいなさいよ…」
灼「別にいいけど…もっと普通に誘えばいいとおも…」
やえ「う、うるさい。早く行くよ///」スタスタ
灼「…ふふっ」スタスタ
初瀬「あれ、二人でどこ行くんだろ……私は?」
51:
やえ(それから…)
やえ「あんた服のセンス悪いから、私が一緒に選んであげてもいいわよ///」
灼「えっ、ひど…」
やえ「灼は部長だから何か悩みとかあるんでしょ、私が聞いてあげるわよ///」
灼「やえさん、私別に悩みとかない…」
やえ(私達は何度か二人で遊びに行き、下の名前で呼び合う仲になった…)
やえ(仲が良くなり気付いたことがある…灼にとって赤土晴絵の存在が大きいということだ…)
やえ(灼が赤土晴絵にどのような感情を向けているのかは聞くことはできなかった…)
やえ(そしてインハイ団体戦が始まり……)
52:
『インターハイ団体戦の優勝は清澄高校に決定だぁぁぁ!!』
やえ「だ、団体戦準優勝おめでとう///」
灼「やえさん…ありがとうございます…」
やえ「あんた達にしては良くやったじゃない///」
灼「やえさんも個人戦がんばってね…」
やえ「灼は…もう奈良に帰るんだよね…」
灼「うちは誰も個人戦に出てないからね…お金もないから宿泊もできな…」
やえ「そ、そう…」シュン
灼「でも奈良から応援してる…やえさんのこと」
やえ「ふんっ、特別にテレビの前で応援することを許してあげる///」
灼「ふふっ、がんばってね」
やえ(個人戦優勝して…その時は私の気持ちを灼に…)
白熱の個人戦が始まり 試合は進んでいった
54:
えり『ついに、インターハイ個人戦決勝です!!』
咏『この決勝卓、誰が勝ってもおかしくない…って言いたいけど、一人実力がズバ抜けてるかな?』
 
咲「お姉ちゃん、私が優勝したら…わかってるよね…」
照「そんなことはありえない、もし出来たら仲直りでもなんでもしてあげる」
憩「今年は私が優勝しますぅ」
和「この新免さんからもらった日本刀で、魔物(笑)退治といきましょうか」カタナペロッ
やえ(一方その頃私はというと…)
梢「よろしくお願い申し上げます。謝罪いたします」ペコッ
いちご「よ、よろしく」
那岐「…よろしくお願いします」
やえ「…」
やえ(決勝卓とは真逆の個人戦の最下位を決める最下位卓にいた…)
やえ(…ちくしょう何だよこれぇ!!てか最下位卓って何だよ!!)
57:
とあるホテル
友香「先輩っ!!起きてますか!!」
美幸「んー、アーリーモーニング…」
友香「すごいことになってるんでー、テレビつけますよ」ピッ
美幸「えっ、なに…決勝卓?」
決勝卓 オーラス
咲:97000 和:1000 憩:1000 照:1000
咲『…』ゴオォォォォ 
照『ウソだろ…』フルフル
憩『もう…勘弁して…』カタカタ
和『…まあ、偶然こんなこともありますよね』
咲『ほら、お姉ちゃんがラス親だよ。がんばってね』ニコッ
照『くっ』
59:
美幸「なにこれ…こわいわもー」
『り、リーチ』
美幸「あ、チャンピオンがリーチかけた…」
『カン』
美幸「その牌を宮永咲がカンして…」
『カン、カン、もいっこカン…ツモ』
美幸「…」
『四槓子、32000』
『け、決着っ!!個人戦優勝は、清澄高校の宮永咲!!』
美幸「うん、すごいわもー(棒)」
友香「こ、こっちもすごいですけど、私が言ってるのは最下位卓のほうでー。チャンネルかえますね」ピッ
最下位卓 南二局
梢:97000 やえ:1000 いちご:1000 那岐:1000
梢『…謝罪します』ゴォォォ
いちご・那岐・やえ『…』
63:
美幸「梢ちゃん…」
友香「こんな古塚先輩、初めて見ます…」
美幸「…梢ちゃんはね、一定の回数謝罪をするとこの状態になるの」
友香「えっ」
美幸「宮永照や神代小蒔が『牌に愛された子』って呼ばれてるでしょ…」
友香「は、はい」
美幸「梢ちゃんは今『牌に気を遣われてる子』の状態になってるの…」
友香「へっ?」
美幸「謝罪をしすぎる梢ちゃんを牌が不憫に思うんだろうね…」
美幸「牌が気を遣って、配牌やツモをいつもより良くしてくれるんだって…」
美幸「気を遣われるってことは、愛されてるってことなのかもね」フフッ
友香「古塚先輩…」
64:
最下位卓の実況席
恒子「いやー、うちの局で最下位卓の実況出来て良かったね」
健夜「決勝卓は咏ちゃん達がやってるからね。でも何なんだろうね、最下位卓って…」
恒子「こっちの方が決勝卓より絶対おもしろいよ!」
健夜「最下位卓の選手は、ある意味決勝卓より精神力が必要だよね…」
恒子「さあ勝負は南二局、古塚梢の圧倒的リードとなっております!このまま他家を飛ばしてしまうのかぁ!」
健夜「…他の三人も顔つきが変わってきましたね…簡単に飛ばされることはなくなったと思います」
…………
咲「お姉ちゃん、最下位卓が面白いことになってるみたいだから一緒に見に行こ」
照「…はい」
咲「こんなに麻雀が強くてかわいい妹と仲直りできて良かったね」
照「…はい」
和「…」ソワソワ
咲「和ちゃんも一緒に行こ」ニコッ
和「は、はい!」パァァ
65:
最下位卓 南二局 親・小走やえ
梢:97000 やえ:1000 いちご:1000 那岐:1000
梢「…」トン
やえ(最後の親番…なんとかして古塚梢からあがらないと…)トン
いちご「…」トン
那岐「…」トン
梢「…通らばリーチ、謝罪します」トン
やえ(くそっ!早いっ!)
いちご「通らんのう」
梢「!?」
いちご「ロン…字一色、32000」
梢「なっ!」
いちご「その謝罪、成立せず!」バーン
69:
最下位卓 南三局 親・佐々野いちご
梢:65000 やえ:1000 いちご:33000 那岐:1000
いちご(いつまでも削られ続けるちゃちゃのんじゃないんじゃ)トン
那岐「…」トン
梢「…」ツモ・イーピン
梢(……いけるよね)トン
やえ「ロン…」
梢「!?」
やえ「真のニワカとは…挑戦する者を馬鹿にする奴のことであり…」
やえ「真の王者とはっ!!いくら馬鹿にされても、自分の信じた道を突き進む者のことっ!!」
梢「こっ、これ…っ!!」
やえ「国士無双、32000」
やえ「王者にふさわしい役だ…」
72:
最下位卓 オーラス 親・新免那岐
梢:33000 やえ:33000 いちご:33000 那岐:1000
恒子『ついにオーラス!最下位になるのは果たして誰なのかっ!!』
やえ(ついにオーラスか…灼は見てくれてるのかな…)トン
いちご(ここであがりさえすれば…もう容姿だけで持ち上げられるんはこりごりじゃ…)トン
那岐「…」トン
梢(私は団体戦でも不甲斐ない結果だった…でもせめて最後くらいは…)トン
やえ(……)カチッ
恒子『おーっと!!小走やえもテンパったっ!!』
健夜『しかしこれは…』
やえ(灼…今度こそお見せしよう、王者のうちしゅじを!!)トン
那岐「ロン」
75:
やえ(親に振り込んでしまっ!?)
那岐「私は…お父様とある約束をしました…」
那岐「この大会で結果を残せなければ…大好きな麻雀をやめて家を継ぐと…」
那岐「いつも持ちたくもない刀を持たされ…したくもない鉢巻を巻かされ…」
那岐「実家の宣伝をするのも…今日が最後でいいですよね…」
那岐「お父様見ておられますか…私はこれからも、麻雀を続けます…」
やえ(こんなに長くしゃべるってことは!!)
那岐「九蓮宝燈、48000!」バーン
やえ「なっ!索子の純正九蓮っ!!」ガタッ
恒子『ついに決着っ!!最後の最後で新免那岐がトップに立った!!』
恒子『そしてインターハイ個人戦の最下位は…』
恒子『晩成高校の小走やえだぁぁぁぁ!!!』
終局 梢:33000 やえ:?15000 いちご:33000 那岐:49000 
78:
最下位卓の実況席
恒子「私選手のインタビュー行ってくるね、すこやんはここで待ってて」
健夜「う、うん」
…………
恒子「小走選手、今のお気持ちはどうですか?」
やえ「なんか…逆にすっきりした気分です…」
恒子「南三局に国士無双あがった時は勝てると思たんじゃないですか?」
やえ「はい、この勢いのまま…いけると思いました…」
恒子「オーラス、役満に振り込んだ時はどんな気持ちでしたか?」
やえ「一瞬何が起こったかわかりませんでした…今朝食べたマメをもどしそうになりました…」
80:
恒子「何か言いたいことがあればどうぞ」
やえ「…はい…よしっ」
やえ「灼っ!!初めて見た時からずっと好きでした!!私と付き合ってください!!」バーン
恒子「うおっ!!テレビ中継で告白キタッ!!ほら、あなた達も何か言いたいことあれば言っていいよ」
梢「え、えっと…椿野美幸さん、好きです。よろしければお付き合いしてください///」
…………
美幸「ごめんね梢ちゃん、私には友香がいるから」ギュウ
友香「で、でー///」
…………
恒子「はいっ!次はあなた!」
いちご「は、はい…姫松高校の愛宕洋榎さん。よかったら今度デートしてください///」
…………
洋榎「すまんな、うちは絹以外に考えられへん」
絹恵「ふふっ、お姉ちゃん大好き」ギュ
84:
恒子「さあ、次あなた」
那岐「あ、あのー阿知賀女子の松実玄さん、あなたに一目ぼれしました。恋人になってくれませんか///」
…………
玄「私にはおねーちゃんがいるのです!!おもちつけて出直すのです!!」
宥「玄ちゃんあったか?い」ポワーン
…………
恒子「結局みんな告白しちゃったね…結ばれるといいけど」
やえ「…」
梢「///」
いちご「///」
那岐「///」
恒子「…じゃあ私も流れにのって…実は私」
スタッフ「あ、すいません。残り時間はかり間違えてて今中継終わりましたー」
恒子「すこやんがすk…えっ、中継終わり?…あーあ、また言えなかったかぁ…」
恒子「…なんかいつもすこやんに告白しようとすると失敗するんだよね…私、呪われてるのかな」
88:
やえ(そしてインターハイは終了し、私は一人奈良に帰った…)
やえ(良かった…誰も出迎えはいない…)スタスタ
やえ(最下位で帰ってきて、出迎えされたら…辛いだけだし…)スタスタ
やえ「…えっ」ピタッ
灼「お帰りなさい、やえさん」
やえ「あ、灼…なんで…」
灼「個人戦、お疲れ様」
やえ「試合…見てたの?…」
灼「…うん」コクッ
やえ「ご、ごめん。こんな最下位の奴に告白されて…迷惑でしょ…」
灼「ねえ…私のこと初めて見た時から好きって言ってたよね…」
やえ「…うん」
灼「それって県予選の時?それとも、十年前?」
90:
やえ「えっ…もしかして覚えて…」
灼「ふふっ、右をおさげ、左は縦ロールなんて髪型珍しいしね。印象的だったから覚えてた」
やえ「そ、そっか…」
灼「うん、その様子だとやえさんも覚えてたんだね」
やえ「ああ、あの日からずっと…灼のことを想っていたからね…」
やえ「正直、県予選で見つけた時は運命だと思ったよ…でも、告白のことはもう忘れて」
灼「えっ、どうして…」
やえ「灼は…赤土晴絵が好きなんでしょ…」
灼「あー、…勘違いしてるみたいだけどハルちゃんはお姉ちゃんみたいな存在で、恋愛感情はないよ」
やえ「えっ、そ、そうなの」
灼「うん…だからきちんと返事させて…」
やえ「…うん」
灼「私、告白されてすごいうれしかった…やえさんのずっと好きだったって言葉を聞いて…」
灼「私の心のピン、全部倒されちゃった」ニコッ
91:
やえ「え、どういう意味…」
灼「わ、私もやえさんが好きってことです///」
やえ「いいの…私で…」
灼「うん」
やえ「こんな奴と付き合ったら、周りからなんて言われるかわからないよ…」
灼「やえさんの良さがわからないニワカには言わせとけばいいよ…」
やえ「あ、ありがとう灼」
灼「これからは恋人としてよろしくお願いします、やえさん」ニコッ
やえ「よ、よろしく///」
灼「…やえさん、十年前誘ってくれようとしてた駄菓子屋に、私行ってみたい」
やえ「えっ…わ、わかった。行ってみよう」
灼「じゃあ、さっそく行こ」ギュ
やえ「う、うん///」ギュ
94:
やえ(初瀬、確か十年前に灼のことこう言ってたね…)
やえ(プライドを捨ててでも声をかけるに値する女性って…)
やえ(初瀬の言うとおり、プライドなんか捨てて告白してホントに良かったよ)
やえ「ここだよ…」
灼「へぇ?、ここがその駄菓子屋かぁ…」
やえ「この歳で来ても、何もおもしろくないと思うけど」
灼「ううん。やえさんの思い出に少しふれられたような気がして、私はうれしい」ニコッ
やえ「///」
やえ(そして駄菓子屋の隣のゲームセンターで、部活の時より真剣な顔で脱衣麻雀をしている初瀬がいたが…)
初瀬「…」ポチポチ
やえ(私は全力でスル―した…)
初瀬「へへっ、すっぽんぽんにしてやんよ」
end
102:
最後笑ったwww
10

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