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モバP「臨時の事務員」


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2:
 ――事務所
P「ちひろさんが出張?」
ちひろ「ええ、そうなんです……急に決まりまして」
P「いや、俺が出張ならわかりますけど、何故ちひろさんが?」
ちひろ「事務員にも色々在りまして。グループ企業のフォローに向かわないといけないんですよ」
P(ウチにグループ企業なんてあったっけ……?)
ちひろ「まあそういうわけでして、しばらく出かけがちになるのでよろしくお願いしますね」
P「ちょ、例えそうだとしても流石に俺に事務作業全部は無理ですよ!?」
ちひろ「安心して下さい、向こう一週間ぐらいは済ませてます」
P(そういえばデキる人なんだった……)
ちひろ(特別ガチャをなくしますよ?)
P(こいつ、直接脳内に……!?)
3:
P「まあ大体わかりましたけど。じゃあしばらくは俺だけでやるってことですかね?」
ちひろ「それも悪くないんですけど、せっかくなんで臨時でアシスタントを雇うことにしました」
P「アシスタント? 金の支出を最小限に抑えるちひろさんが?」
ちひろ「……モバコインの販売価格が変更されました。100円で1MCです」
P「やめろォ!」
ちひろ「まあ臨時なんで特に気にしなくてもいいですよ。あ、私もう出ますね」
P「了解です。臨時はいつ来るんですか?」
ちひろ「もうすぐ来ると思いますよ。じゃあ、がんばって下さいね♪」
 スタスタ…
P「うーむ、臨時アシスタントか……仕事のできる人だといいな」
4:
 ――十分後
 ガチャ
P「お、誰か来たみたいだな」クルッ
翠「おはようございます、Pさん」
P「ああ、翠か――ってなんだその服蛍光色っ!?」
翠「ちひろさんがしばらくこちらにおられないようで。頂きました」
P「いやいやいや、居ないのは知ってるけど何故翠が……」
翠「ちひろさんはみどりがトレードマークですから」
P「まさかの駄洒落!?」
楓「緑だから、問題ない……ふふ」ボソ
P「オールグリーンってやかましいわ! 楓さんは仕事!」
楓「はーい…」スゴスゴ
緑「見習わないといけませんね」コクリ
P「見習わなくてよろし。あと名前も元に戻せお願いだから」
翠「緑はキライですか?」
P「いや、好きだけど…目に良いし」
翠「よかった、私のことが好きなんですね」
P「ちょっとまて翠は一体どこからキャラを持ってきた」
翠「……あなたの心です?」
P「ああ、普段アニメとか全く見ないのにちょっと誘われて見て覚えたパターン…」
翠「奈緒さんにはお世話になってます」
P「見せる順番おかしいだろ……」
5:
 ・ ・ ・
P「……で、翠がちひろさんの席に座ったわけだが」
翠「はい、お電話ありがとうございます。CGプロダクションです」
P(何か普通に応対しちゃってるし……)
翠「――はい、わかりました。こちらから連絡させていただきますので、よろしくお願いします、はい、失礼します」ガチャ
P「……なんかすごいな」
翠「何がですか?」キョトン
P「電話応対でもさ、誰かに習ったとしてもすごく自然だったもんでな」
翠「なるほど、Pさんは養殖がお好きではないと」
P「今すげー良い話しようとおもったけど台無しだよ!」
翠「純真無垢に見えるけど?」
P「星の海翔けるグライド!」
翠「ふふ、やはりPさんは私達の事をよく見てくれているのですね」
P「なんか良い話で終わった!」
6:
P「ところで、今日は翠はオフだろ? こんな所にいてよかったのか?」
翠「はい。お休みを頂いているとはいえ、何もすることがありませんので……」
P「まあ、一日じゃ実家に帰るのも無理だしな。それじゃ、新しく何か始めるか?」
翠「恋を……でしょうか?」ビシッ
P「始めなくていいから」
翠「すみません、もう始まってしまっています」
P「何だと!? 相手はどこの野郎だ!」
翠「ふふ、聞きたいですか?」クス
P「……いや、止めておく」ビク
7:
翠「それにしても、Pさんはすごいですね」
P「いきなりどうした?」
翠「こんなにたくさんの人を導いて、アイドルとして輝かせているのですから」
P「全部俺がやったわけじゃないさ。少なくとも、本人にその気がなければ意味が無い」
翠「ふふ、それも口癖ですね」
P「実際そうなんだから仕方ないだろー。一番難しいのは無理やりやらせることなんだから」
翠「でも、『その気にさせる』のはどうかと思います」
P「……どういうことだ?」
翠「聞きたいですか? 昨日、事務所で凛さんがPさんに――」
P「スタァァァップ!! 何故それを知ってる!?」
翠「……貴方のハートを狙い撃ちっ」キャルン
P「ここぞとばかりに誤魔化すな!」
10:
P「全く、翠はたまに変な所に行くよな……」
翠「これもPさんのおかげです」
P(むしろ苦労してるんですが)
翠「何もかも知らない私に教えてくれて、ありがとうございます」
P「……今更だな。今更すぎる」
翠「それでも、言わなければ伝わりませんから。そうでしょう?」
P「その通りだ。思っていれば伝わるなんて、この世界じゃあり得ない。口に出してこそ意思は伝わるんだ」
翠「やはりPさんが言うと重く響きますね。では一つ言ってもいいですか?」
P「ん? プロデュース方針に意見があるのか……いいぞ。言ってくれ」
翠「……先ほどからずっとPさんの殿方がお見えになられてます」フイ
P「んぅもっと早く言ってくれぇっ!」バッ
11:
P「……何故早く言わなかった」
翠「いえ、各々の行動には自由と責任が伴うものかと思いまして」
P「なら俺が社会の窓からこんにちはすることは自由の範疇に入るのか?」
翠「Pさんなら、きっと」
P「信用しすぎだろう」
翠「ふふ、おかしなことを言いますね。ここにいる皆さんの中で、Pさんを信用していない人はいませんよ」
P「嬉しい、嬉しいんだけど喜べない……」
翠「……ああ、もしかするとPさんはそのような人で――」
P「違う。断じて違う!」
翠「ああ、よかった。いえ、すみません。Pさんを否定するわけでは無いのですが」
P「そんな男は否定してくれていいから。というか翠、誰からそんなことを聞いた」
翠「時子さんと梨沙ちゃんです」
P「時子はともかく梨沙は後で説教だな、説教。というか時子も説教だ」
12:
 ・ ・ ・
翠「……この椅子に座っていると、とても新鮮ですね」
P「普段はちひろさんの席だからな。出かけることも稀だから他の人は滅多に座らない」
翠「隣に座って、似た景色を見て、時折話しながら、やってくる仕事に共に立ち向かっていく……ふふ、アイドルでは味わえません」
P「アイドルも似たようなもんだろ。共に立ち向かっていくのは」
翠「そうじゃないんです。同じ立場で、同じ目線で居ることが、とても羨ましく思うんです」
P「アイドルとプロデューサーか……そう違うものか?」
翠「違うんですよ。色々と」
翠(目線とか、気持ちとか)
P「そういうものか……」
P(アイドル目線で仕事をしろ、ということだな。気をつけないと)
13:
P「ん、もう話している間に昼食か」チラ
翠「あら。とても早いですね」
P「密度が濃いというところか。そこで手伝ってくれるお礼だ、一緒に昼を食べないか?」
翠「誘って頂けるんですか?」
P「誘わない理由が無い。翠とご飯なんて滅多にないしな」ハハ
翠「ではお言葉に甘えて。ふふ、デートですね」
P「翠からデートだなんて言葉が出るとは……成長したなあ」ナデナデ
翠「私は一人で出来ない子じゃないですからっ」
P「はは、いい姿勢だ。このまま一緒に頑張ろうな」
翠「はい。……行く行くは子供を三人、ですよね」ジッ
P「なんで最後でオチを付けるかな……」
14:
おわり。
Q.なんでこんなものを書いた!言え!
A.ノリと勢い。翠Pに怒られないか不安である
15:
水野翠(18)
高垣楓(25)
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