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美琴「白いのと沖縄行った」インデックス「短髪、パンツ見えてるよ」


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1:
美琴「なんか白いのに慰められた」インデックス「白いの言うな!」の続編
↑読んだ方が分かりやすいですが、お話は単独でも読めるかも
今回のジャンルは百合、ホラー、コメディ
美琴「うーみー! やっぱり海はいいわね!」
インデックス「短髪、パンツ見えてるよ」
美琴「パンツじゃないわよ! 短パン! それと、短髪言うな!」
インデックス「みこと」
美琴「うッ」ビシッ
インデックス「ほらー、何で名前で呼んだら固まるのかなあ。学園都市にいる時は大丈夫だったのに」
美琴(こっちが知りたいわよ……)
インデックス「それにしても、まさかイギリスに帰らなくても良くなるなんて、思わなかったかも。これで、心置きなくご当地グルメ食べ放題……じゅるる」
美琴「たくッ、何が手違いでした、よ。何のために沖縄来たんだか……。あんたのとこの協会の奴らに一発お見舞いしてやんないと気がすまないわ……」
インデックス「私も帰ったら噛み付いてやるんだよ」
美琴「何が悲しくて意味もなく、あんたと二人で沖縄旅行行かないといけないんだか……」
インデックス「それは、ひどいんじゃないかな? だいたい誘ったのはそっちかも」
美琴「なによ、海行きたいって言ったのはあんたでしょ」ビリッ
インデックス「ちょ、ちょ! 事あるごとに電撃で威嚇しないで欲しいんだよ! 当麻の気持ちが何だかわかるかも……」
美琴「あれは、あいつが毎回逃げるから行けないの……。大人しく勝負すればいいのに」
インデックス「当麻が理由もなく短髪を殴れるわけ無いんだよ」
美琴「別に、言われなくても分かってるわよ……」
2:
美琴(だからムカつくのよ……)
インデックス「それより、水着に着替えたいかも!」
美琴「……うー、はいはい」
――お着替えタイム――
美琴「やっぱ、水着って慣れないなあ……」
インデックス「あ、今何か跳ねたかも!」
美琴「え、どこどこ?」
インデックス「あそこあそこ!」
テテテテ――ザブザブ!
美琴「ちょ、あんた泳げるの?」
インデックス「大丈夫!」
美琴(ほんとかしら……)

インデックスの水着は白地にハイビスカスの刺繍入りのワンピース。美琴が買ってあげたものだ。対して、御坂はパレオ付きのビキニだった。ゲコ太によく似たカエルのキャラクターが小さく刺繍されている
美琴「ぎりセーフよねコレなら」チラチラ
インデックス「いや、アウトなんだよ」
美琴「な、何よ。いいじゃない別に」ぐッ
インデックス「それより、見てこれ!」
美琴「ん? 石?」
インデックスが持っていたのは海の青さに負けない、綺麗な群青の丸い石だった。
インデックス「当麻へのおみやげなんだよ」
3:
美琴「安上がりね……」
インデックス「思い出はこういう何気ないものに宿るの」
美琴「さむ……」
インデックス「なにおう!?」
ポカポカ!
美琴「ちょ、叩かないでよ!」
インデックス「それより、短髪。そのタオルは何なのかな」
美琴「え、あー……日よけ?」
インデックス「一緒に泳ごうよ」
インデックスが、美琴の腕を引っ張る。
美琴「お、泳ぐ泳ぐから」
インデックス「恥ずかしがるような体じゃないと思う」ニコッ
美琴「あんたね……」
ピカ――――ッ
美琴「ん?」チラッ
インデックス「なに?」
美琴「いや、今何か光らなかった?」
インデックス「へ」クル
美琴「や、気のせいか」
インデックス「とにかく、つべこべ言わず脱ぐ!」
グイグイ!
美琴「だあ?! 分かった、わかったから!」
4:
インデックス「見て見て! ワカメ! 貞子!」
デローン
美琴「ぷッ! 頭に何つけてんのよ」クスクス
インデックス「体を張ったギャグなんだよ。当麻が、拾えるネタは拾いなさいって言ってたから」
美琴「あいつ、何を教えてるんだか……」
インデックス「あ!」
美琴「今度は何よ」
インデックスが突然海の中にしゃがみ込んで、顔だけ出してこちら困ったように見ている。
インデックス「……たんぱつぅー……」
美琴「?」
ジャプ、ジャプ――
美琴「どうしたっての」
インデックス「取れちゃった……」
美琴「は?」
インデックス「水着……」
美琴「もー、何やってるのよ」
インデックス「……これ、つけて欲しいかも」
インデックスは胸元を両腕で隠しながら、美琴に水着を渡してくる。この水着を付ける時もけっこう手こずった。透き通っているとはいえ、水面が揺らいで結びにくい。
美琴「……もう、潜ってやった方がいいかもね。 もうちょっと深い所にいくわよ」
インデックス「えー」
5:
ザプザプ――
美琴「つべこべ言わない」
インデックス「うぬー」
美琴は一度息を大きく吸い込む。
バシャ――
美琴(えーと、ここを通して……)
プニッ
美琴の指先に柔らかい感触。
インデックス「ふぁッ……」
美琴(ちょ、変な声出さないでよ!)ドキドキ
ギュウ――
美琴(……こいつホント、白い肌してるわよね……陶器みたい)
ザバアッ――
美琴「はい、終わり」
インデックス「……う」
美琴「な、なに」
インデックス「締め付けすぎて、胸が苦しいかも」
美琴「そろそろお昼にする?」
インデックス「うん」
美琴「何か食べたいものある?」
インデックス「えーと、ソバでしょ、サータアンダギーでしょ、タコライスにラフテー」
6:
美琴「おいおい、昼に全部食べなくたっていいでしょ」
インデックス「え、夜までいるの?」
美琴「だって、あんたイギリス帰らなくていいんだから、わざわざ日帰りで帰らなくてもいいじゃない」
インデックス「短髪……そんなに私と一緒にいたいんだね」
美琴「ち、違う! 日帰りがめんどくさいだけよ」
インデックス「じゃあ、私と一緒にいるの楽しくないんだね」ウル
美琴「ち、ちが……って、何を言わせようとしてんの!?」
インデックス「もお、短髪はすぐ怒るんだから」
美琴「原因はあんたにあるんだけど……」
インデックス「チョロイ短髪が悪いんだよ」
美琴「チョロイ言うな!」ピリッ
インデックス「わ、こんなところでビリビリしないで欲しいかも!?」
――オオォォン――
インデックス「ん? 今、何か言った?」
美琴「へ? 別に」
インデックス「……?」
とある食堂――
店員「へい、蕎麦1、タコライス1、どっちも特上盛ね! と、普通の蕎麦!」
ゴトゴト――
美琴「あんた、ホントによく食べるわよね」
7:
インデックス「いただきますなんだよ」
パン
ガツガツガツ!
美琴「しかもそれで腹五分目ってどういう体の構造してるわけ」
インデックス「代謝が人よりも高いって認識でいいと思う」モグモグ
美琴「? どこで消費してんの?」
インデックス「脳みそとか」
美琴「ますます、訳わかんないわよ」モグモグ
美琴「あ、タコライスちょっとちょうだい」
インデックス「もぐもぐ……んぐんぐ……んぐ」
ヒョイ――
そばを食べながら、インデックスはスプーンに一口大だけすくって、こちらに近づけてくる。
美琴「……ホントに一口だけね」
パク――
美琴「あ、美味しい」
ブーブー!
美琴「ん? 携帯? 黒子?」チラッ
件名:お姉さま!
本文:何やら、嫌な予感がしてメールしたしだいですの!
黒子は、お姉さまあああああを、愛してるうううううううう!
インデックス「なあに? くろこ?」ごくごく
美琴「いや、変態だった」
9:
夜、旅館にて――
女将「こちらになります」
美琴「ありがとうございます」
女将「あ、夜はあまり出歩かないようお願い致します」
美琴「あー、危ないですよね」
女将「いえ、出るんですよ」ボソッ
美琴「……」ビクッ
女将「何が、とは申しませんが……くれぐれも、お気をつけて」
美琴「……」ビクビクッ
旅館のとある一室――
インデックス「ふぉおおー! 窓から月明かりに照らされた海が見えて綺麗なんだよ」ジタバタ
美琴「……何で、布団がひと組しか引かれてないのよ」
インデックス「あ、あっちは夜景が綺麗!」
美琴「……おかしい、おかしいでしょ。普通に考えて、友達と旅行に来たって思うでしょ」
インデックス「短髪、なにブツブツ言ってるの? それより、温泉行こ?」
美琴「あんたも、少しは不思議に思いなさいってば」ガクッ
インデックス「枕は二つあるから問題ないかも」
美琴「……はあ」
インデックス「短髪は私と一緒に寝るの嫌なんだ」ウルッ
美琴「そのパターンで煽るのはもういいっつの!」
インデックス「ちッ」
10:
露天風呂――
カポン――
インデックス「ふんふん」
ゴシゴシ――
美琴「……ねえ」
インデックス「何かな」
美琴「ホントは、あいつと行きたかったんじゃないの……こういうのさ」
インデックス「あいつって、当麻のこと? 何さ、いきなり」
美琴「……なんかさ、私」
インデックス「短髪?」
美琴「あんたといると、どうしても比べちゃう……」
インデックス「胸?」
美琴「そこは大差ないでしょーが」
インデックス「む、それはどうかな」モムモム
美琴「揉むな揉むな……」
インデックス「短髪が私のことどう思ってるか、なんとなく想像はつくけど。私が当麻に抱いている気持ちと、短髪の気持ちは似ているようで違うんだよ」
美琴「違う?」
インデックス「正確には、変わった、かな。前はむかつくし、ヤキモキさせられるし、そのくせ危なかっしい……でも傍にいてくれると凄く嬉しかった」
11:
美琴「……」
インデックス「今はね、当麻がどこにいてもいいの。当麻が幸せなら。だから、大好きな当麻と大好きな短髪が一緒になってくれるなら、それは凄く素敵なこと」
美琴「……な」
インデックス「私は、当麻も短髪も同じくらい好きなんだよ。……うーん、私優しくされるのに弱いのかも」
美琴「別に優しくしてなんて……」
インデックス「……寒くなってきたかな。温泉つかろう?」
美琴「……ええ」
チャポ――――
インデックス「たんぱつー」
美琴「何よ」
インデックス「何か面白いことして欲しいかも」
美琴「どんな無茶ぶりだ」
インデックス「えー……」
チャプ――
美琴(私ばかり、遠慮してるのかな……いや、でも普通するでしょ)
インデックス「当麻の家の風呂の10倍はリラックスできるんだよ」
美琴(……ちょっとしたことで嫉妬しちゃうし)
コテ――
美琴「ちょ」ドキッ
インデックスが美琴の肩に頭を預けてくる。
12:
インデックス「えへへ、楽して星が見れるんだよ」ニコッ
美琴「……のんきね、ホントに」
インデックス「日頃の鬱憤が消えていくー」
美琴「……」チラ
美琴(細い肩……)
スッ――ピト
インデックス「わ、急にくすぐったいんだよ!」
美琴「あ、ご、ごめん」
美琴(あれ、何で肩なんか触ったんだろ)
インデックス「美琴の変態!」
美琴(黒子じゃあるまいし……何やってんだか)
美琴「肩、重たいっつの」
グイ――
風呂上り――
キュポッ!
インデックス「ここにも、コーヒー牛乳があるなんて……!」
美琴「腰に手を当て、一気に飲み干す!」
インデックス「小萌直伝の飲み方を見せるとき!」
ゴキュ! ゴキュ! ゴキュ! プハ!
美琴「くー! 美味しい!」
13:
インデックス「ふいー!」
美琴「あんた、足元に何か落ちてるわよ」
ヒョイ――
美琴「!」ヒヤッ
美琴「?!」クルッ
インデックス「?」
美琴(今、首筋に冷たいものが)
インデックス「どうしたの?」
美琴「いや……はいこれ。こんなちっこい石無くしかねないんだから、カバンに入れておきなさいよ」
インデックス「えー、カバンに入れておいたんだけど……おかしいかも。私の記憶は絶対だから」
美琴「うっかりポケットに入れたんじゃない?」
インデックス「ありえないん……だよ」
美琴「それより、あんた髪全然乾いてないじゃん」
ガシガシ!
インデックス「ぬお! こ、子ども扱いするは止めて欲しいかも……!」
オオ――ォォ――
インデックス「?!」ピクッ
美琴「おらおらおら!」
インデックス「ちょ、今何か」
美琴「おらららら!」
ゴシゴシガシガシ!
インデックス「あたた!」
14:
美琴「ふー」
インデックス「禿げたら、短髪のせいだからね!」ヒリヒリ
旅館のとある一室――
美琴「ほらほら、参ったって言いなさいよ!」
インデックス「ぐう、枕投げをしていたのにいつの間にかプロレスになっていたんだよ。訳がわからないんだよ!」
ジタバタ――!
美琴「枕投げなんて生ちょろいことしないわよ。やる時は全力!」
インデックス「ぼ、暴力怪力女」ググッ
美琴「カウント入りまーす。スリー、ツー」
オオ――ォォ――イデ――
インデックス「あ……」びくッ
美琴「ワン! 勝利!」
インデックス「……」
美琴「って、あんたどうしたのよ!? ご、ごめん痛くした?」
インデックス「え、今、声が……」
ふと、インデックスは窓を見た。
インデックス「ひいい!?」
ガタン――
美琴「え、な、なに?」クル
インデックス「今、窓の外に何か張り付いてたんだよ!」
15:
美琴「何もいないじゃん。脅かさないでよ」
インデックス「……一瞬でどこか……ひょわ!?」
美琴「今度は何」
インデックス「て、天井からワカメが!?」
美琴「はあ?」クル
インデックス「……お、お助け」ガクガク
美琴「あんた、頭大丈夫?」
インデックス「……ううッ……か弱い女の子にプロレス技かけてきた馬鹿に言われたくないんだよ……」ビクビクッ
美琴「たくッ……」
インデックス「も、もう寝よ? ね?」
美琴「寝よっていったって……」チラ
インデックス「もう布団1つで十分かも! むしろ、一つがいい!」ガクガク
美琴「はー……はいはい」
美琴「電気消すからね」
インデックス「ちっちゃいのつけておいて欲しいかも……」
美琴「小学生か……」
カチカチ――
ゴソゴソ――
美琴「ヨイショ……」
インデックス「ううッ……」
16:
ギュウ――
美琴「ちょ、絡まってこないでよ。まだ、怖いの?」ドキッ
インデックス「短髪は鈍感過ぎる……」プルプル
美琴「だてに学園都市出身じゃないからね……科学的に証明できないことってほとんどないし……」
インデックス「それは魔導に喧嘩を売ってるようなものなんだよ……」プルプル
美琴「……寝れそう?」
インデックス「目を瞑るのに、少し勇気が必要みたい……」
美琴「……あんたが寝るまでは起きておいてあげるから、さっさと寝なさいよね」
インデックス「うん……」
ギュウ――
美琴「……」
美琴はそっとインデックスの体に腕を回してやる。
美琴(ちっさいな……それに柔らかくて、いい匂い)
インデックス「たんぱつ、何か面白いことゆって……」
美琴「……昔々、ある所に和尚さんが」
インデックス「なにそれー……」
美琴「文句言うなら寝る……ぐう」クル
インデックス「ああッ、ご、ごめんなさいなんだよ。怖いから、背中向けないで欲しいかもッ」
美琴「ぐう、ぐう」
インデックス「たんぱつうう……」ビクビクッ
美琴「……すー」
インデックス「え、え、ホントに寝ちゃったの?」ビクッ
ユサユサ――
17:
美琴「……すー」
インデックス「寝てる……魔力反応はない、普通に寝ただけ……?」
オオ――ォォ
インデックス「……ゃ」ゾクッ
ユサユサ――
インデックス「短髪! 起きてよ、短髪!」
ォ―――イデ
ヒヤ――
美琴「……さむ」パチッ
美琴「……ん? 冷た……濡れて」
キョロ――
美琴「?! あいつ、どこに?!」
ヒュオオ――
美琴「窓が、空いてる……」
ガバッ――
タタタタ――!
外――
美琴「……」ビリッ
スタッ!
美琴「どこに行ったの……」キョロ
美琴「……ん」
旅館の前の道に、何か濡れた物を引きずったような後ができていた。
美琴「……こっち?」
タタタタ――!
18:
海岸――
美琴「おーい!」
美琴(まさか、海の中に……)
美琴(ど、どうしよう……)ゾクッ
美琴「……インデックス!」
美琴「インデックス! どこよ! 返事して!」
海岸沿いに、白い光りが浮かび上がる。
美琴「何……あれ」
タタタタ――
インデックスが、ぐったりと浜辺に倒れている。
その上に白の着物を着た女性が浮かんでいた。
?『この子じゃない……』
美琴「だ、だれ!?」
?『……私の愛しい幼子……どこへ行った』
美琴「……な、ちょ」
?『……』
スウ――
19:
美琴「き、消えた」
美琴「ィ、インデックス!? 大丈夫!?」
インデックス「……」
美琴「……びしょびしょ……まさか、海に」
ピト――
美琴「呼吸してない……」
インデックス「……」
美琴「嘘でしょ……じ、人工呼吸……しないと」ゾクッ
美琴(……迷ってる場合じゃない)
クイ――
美琴(口を覆って、ゆっくりと……吹き込む)
美琴「……ッ」
フー――
インデックス「……」
フー――
美琴「スー……ッ」チラ
インデックス「……ガホッ…ゲホッゲホッ」
美琴「あ……」
インデックス「……こほッ、う……な、に」
美琴「よ、良かったああ……」へなへな
インデックス「……冷た!? 寒う!? なんじゃこりゃなんだよ?! ごほッ! しょっぱ!?」ペッペッ
20:
美琴「ははッ……元気そうね……」
インデックス「は、わ、私確か海に引きずり込まれて……」
美琴「あんた、さっきのは……」
インデックス「……」ブルッ
美琴「……ゆ、幽霊?」
インデックス「……」ビクッ
美琴「あんた……」
インデックス「た、たんぱつうううえええん!?」
ガバチョ!
美琴「だああ!? 濡れる!?」
後日、女将さんから聞いた話だ。
昔、子どもと一緒に海に遊びに来ていた母親がいて、ふと目を離した隙に子どもがいなくなってしまったらしい。母親も子どもを探すうちに行方不明に。
それからというもの、この付近では神隠しが多く、ほとんどのものは見つからず、時折、漁船の網に白骨化した死体が絡まって上がってくるという。
神隠しに合う者は、みな、青い石を持っていたようだ。
それは、子どもが行方不明になる前に、海岸で見つけた母へのお土産だった石によく似ていたそうだ。
とある、客船――
インデックス「……短髪、一生忘れない思い出ができたね」
美琴「ええ……そうね」
インデックス「私、当分海には行きたくないんだよ……」
21:
美琴「同感……」
インデックス「それと……助けてくれて、ありがとう」ニコッ
美琴「……」ドキッ
インデックス「どうしたの?」
美琴(……つ、つい唇に目線が)
美琴「な、なんでもない」
インデックス「変なの」
美琴「……」
インデックス「お土産どうしよう……」
コツン――
インデックス「ん?」
少年「あー、落としちゃった。お姉ちゃんとって」
美琴「……っしょ」
ヒョイ――
美琴「ほら、海に落ちちゃうぞ。大切なものはしっかり握っておかないと」
少年「ありがとう」
テテテテ――
インデックス「青い石……」
美琴「へ」クル
インデックス「……あ」
美琴「あれ、あの子どこに行ったんだろ」キョロ
インデックス「……あばばばば」
美琴「どうしたの、顎の外れたチンパンジーみたいな顔して」
22:
インデックス「……た、たんぱつうう!?」
ぎゅう――
美琴「ちょ、ばか、こんなところで抱きついてくんな!」
くすくすくす――――
学園都市――常盤台寮
美琴「ただいまー」
黒子「お、お姉さま! ご無事でしたのね!」
インデックス「でも、死ぬかと思ったんだよ」
黒子「な、何か巻き込まれでも?!」
美琴「え……別に」カアア
黒子「なんで赤くなってるんですのおお!?」
インデックス「?」
美琴「な、なんでもない!」
黒子「どこか余所余所しいのはなんでですのおお!? かくなる上は、全ての衣服を取り払い全身くまなくチェックさせていただきますううう!」
美琴「うっさあああい!」
ビリビリビリ――!
23:
上条当麻の住むアパート――
インデックス「当麻、ただいまー」
上条「おお、インデックス! 焼けたな、お前」
インデックス「沖縄だからね!」
上条「……はは、またしばらくはよろしく頼むよ」
インデックス「あ、それなんだけど」モジモジ
上条「どうした」
インデックス「私、美琴に色々貸しができちゃったから、暫く家政婦として働いてくるんだよ」
上条「……なんですとおおおお?!」
24:
終わり
美琴とインデックスが前回よりいちゃいちゃするという話です。
次回は、家政婦編の予定です。お粗末さまでした。
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